JP2004037220A - 車両の操縦安定性評価装置、車両の操縦安定性評価方法、及び、車両の操縦安定性評価用プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】諸元の異なる種々の車両の操縦安定性を定量的に評価することができる車両の操縦安定性評価装置等を提供する。
【解決手段】本発明の車両の操縦安定性評価装置は、車両走行中に運転者の少なくとも左右方向の視線方向を所定の周期で検出する視線検出センサ20と、車両走行中の車両走行位置を所定の周期で検出するGPSアンテナ4,6と、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて運転者の注視点を算出する注視点算出ユニット24と、この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性を評価する評価手段と、を有する。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の車両の操縦安定性評価装置は、車両走行中に運転者の少なくとも左右方向の視線方向を所定の周期で検出する視線検出センサ20と、車両走行中の車両走行位置を所定の周期で検出するGPSアンテナ4,6と、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて運転者の注視点を算出する注視点算出ユニット24と、この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性を評価する評価手段と、を有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者の視線方向及び車両走行位置を用いて車両の操縦安定性を評価するための車両の操縦安定性評価装置、車両の操縦安定性評価方法、及び、車両の操縦安定性評価装用プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両の限界の横G値やロール角度、振動値、ハンドルに対する位相遅れ等の各数値を評価指標として、車両の操縦安定性を評価することが試みられている。
しかしながら、この評価指標を用いて複数の車両の操縦安定性を相対的に評価する場合、車高、重量、タイヤ等の緒元が車両毎に異なるため、各車両の評価指標も異なる数値となる。よって、上述した評価指標を用いて車両間における操縦安定性を相対的に評価するのは困難である。即ち、車両の限界の横G値がA車に比べてB車の方が小さい値であるためB車の方か操縦安定性が悪いとか、又は、A車の方がB車よりもロール角度が小さいのでA車の方が操縦安定性が良いとは、一概に言えないのである。上述した緒元等の影響から、同じ数値であっても、運転者が感じる度合い(操縦安定性)が異なるためである。
このため、現状では、車両全体として操縦安定性を評価する場合には、車両の実走行における人の官能評価に依存して評価を行なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両の開発において、車両間の操縦安定性の相対的評価、即ち、A車よりもB車の方が優れていると評価できる手法が、必要であり、各自動車メーカは、種々の評価方法を模索しているのが現実である。
このような現状において、本発明者らは、車両の操縦安定性の相対評価指標として、運転中の運転者の視線挙動計測技術(例えば、特開平5−146408号公報)により算出可能な運転者の視線挙動を用いることで、上述した諸元の異なる種々の車両の総合的な操縦安定性を定量的に評価できることを見出した。
具体的には、操縦安定性の良い車両は、少なくとも車両の挙動が運転者の運転操作に忠実でかつ車両が安定していることが必須の条件であるため、例えば、障害物の回避を行なう場合、操縦安定性の良い車両では、運転者は早い時期に次なる障害物へ早めに視線を移動させる傾向にあることを見出したのである。
これは、操縦安定性の良い車両では、運転者の運転操作に応答して的確に挙動し意図した走行軌跡を描くため、運転操作に必要な道路上のポイントを素早く視認できると共に次の視認すべきポイントに早めに移動することができるためである。このように、運転者の視線挙動は、車両の総合的な操縦安定性に対するドライバの官能評価を定量的に示すことができる指標の一つである。
【0004】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、運転者の視線方向及び車両走行位置を関連付けることにより、諸元の異なる種々の車両の操縦安定性を定量的に評価することができる車両の操縦安定性評価装置、車両の操縦安定性評価方法、及び、車両の操縦安定性評価装用プログラムを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の第1の発明の車両の操縦安定性評価装置は、車両走行中に運転者の少なくとも左右方向の視線方向を所定の周期で検出する視線検出手段と、車両走行中の車両走行位置を所定の周期で検出するGPSアンテナ手段と、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて運転者の注視点を算出する注視点算出手段と、この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性を評価する評価手段と、を有することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて各車両走行位置における運転者の注視点を算出し、この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性等を評価するようにしているので、諸元の異なる種々の車両の操縦安定性を定量的に評価することができる。
【0006】
本発明において、好ましくは、視線検出手段及びGPSアンテナ手段は、所定位置に設置された複数の障害物により設定された走行評価コースを走行する車両から、運転者の視線方向及び車両走行位置のそれぞれのデータを検出し、この走行評価コースは、左右方向に湾曲したカーブ部を含み、さらに、注視点算出手段は、カーブ部近傍において、車両走行位置、運転者の視線方向及び障害物の位置情報に基づいて、運転者の注視点を算出する。
本発明において、好ましくは、注視点算出手段は、検出された運転者の視線方向から所定の誤差範囲内に含まれる障害物から特定の障害物を注視点として算出する。
【0007】
本発明において、好ましくは、注視点算出手段は、車両の走行速度に応じて、検出された車***置から所定距離内に含まれる障害物を除外して特定の障害物を注視点として算出する。
本発明において、好ましくは、注視点算出手段は、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて車両走行位置における運転者の注視時間を算出し、その際、視線検出手段による運転者の視線方向のデータにおける所定の定常状態が開始され又は終了したときを、注視時間の開始タイミング又は終了タイミングとする。
本発明において、好ましくは、視線検出手段は、運転者の上下方向の視線方向を検出し、注視点算出手段は、この上下方向の視線方向のデータに基づいて注視時間の開始タイミング又は終了タイミングとする。
本発明において、好ましくは、注視点算出手段は、ヨー角のデータに基づいて注視時間の開始タイミング又は終了タイミングとする。
【0008】
本発明は、好ましくは、更に、運転者の頭部移動量を検出する頭部移動検出手段と、この頭部移動量に基づいて上記視線方向を補正する視線方向補正手段を有する。
本発明において、好ましくは、GPSアンテナ手段は、走行中の車両走行位置及び車両姿勢を所定の周期で検出する車体の所定箇所に取り付けられ少なくとも2つのGPSアンテナを含み、注視点算出手段は、視線検出手段により検出された運転者の視線方向のデータと、GPS手段により検出された車両走行位置及び車両姿勢のデータとを時間的に関連付けて、車両走行位置及び車両姿勢における運転者の注視点及び注視時間を算出する。
【0009】
本発明において、好ましくは、視線検出手段及びGPSアンテナ手段は、所定位置に設置された複数の障害物により設定した走行評価コースを走行する車両から、それぞれのデータを検出し、注視点算出手段は、車両走行位置、車両姿勢及び運転者の視線方向と関連付けて障害物の位置を算出する。
本発明において、好ましくは、注視点算出手段は、各障害物毎の注視時間を算出する。
本発明において、好ましくは、注視点算出手段は、さらに運転者の視線移動回数を算出する。
【0010】
本発明の第2の発明の車両の操縦安定性評価方法は、車両走行中に運転者の少なくとも左右方向の視線方向を所定の周期で検出する視線検出工程と、車両走行中の車両走行位置を所定の周期で検出する車両走行位置検出工程と、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて運転者の注視点を算出する注視点算出工程と、この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性を評価する評価工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の発明は、車両の操縦安定性を評価する車両操縦安定性評価用コンピュータのための車両操縦安定性評価用プログラムであって、車両走行中に運転者の少なくとも左右方向の視線方向を所定の周期で検出させ、車両走行中の車両走行位置を所定の周期で検出させ、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて運転者の注視点を算出させ、この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性を評価するように、車両操縦安定性評価用コンピュータを制御するための車両操縦安定性評価用プログラムである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態による車両の操縦安定性評価装置を示す全体構成図である。図2は本発明の実施形態による車両の操縦安定性評価装置を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の車両の操縦安定性評価装置1は、グローバルポジショニングシステム(GPS)を利用して走行中の車両の位置や車両姿勢の変化を求め、これらの車両位置や車両姿勢と、運転者の視線方向とを、時間的に関連付けて測定するようにしたものである。また、従来から行なわれているジャイロセンサ、加速センサ、車高センサ等により車体2の姿勢変化を測定することも併用している。
【0013】
GPSは、人工衛星Sから送信される搬送波(電波)の位相を利用して、受信位置の経度、緯度及び高さの情報を得るものであり、本実施形態では、車体2の所定箇所に4つのGPSアンテナ4を配置している。これらの4つのGPSアンテナ4は、静止状態の車体2に対して地面とほぼ水平になる基準面上に配置されており、それぞれ、4つの人工衛星Sからの電波を受信して、座標位置(X,Y,Z)、即ち、東西方向と南北方向(車両位置に相当)、上下方向(車高に相当)についての位置信号を車両位置姿勢演算ユニット6に接続ケーブルを介して出力するようになっている。ここで、本実施形態では、車両走行位置のみ検出すれば良い合には、1つのGPSアンテナ4で足り、車両姿勢を検出する場合でも、少なくとも2つのGPSアンテナ4があれば足りる。
【0014】
また、走行評価コース内には、GPSの基地局8が設けられており、この基地局8は、車体2に設けられたGPSアンテナ4と同期して、人工衛星Sからの電波を受信し、その電波から求められる位置と基地局8の実際の位置との間の誤差を較正する補正信号を送信機10により、車体2に設けられた補正信号受信機12に送信する。補正信号受信機12は、この受信した補正信号を車両位置姿勢演算ユニット6に送信し、この演算ユニット6は、GPSアンテナ4からの位置信号を補正信号に基づいて較正するようになっている。
【0015】
さらに、本実施形態では、車体2には、車体の姿勢の変化を検出するためのジャイロセンサ14、加速度センサ16、車高センサ18が設けられており、これらの各センサからの車両姿勢に関連する信号が、車両位置姿勢演算ユニット6に出力されるようになっている。これらの従来からのセンサ14,16,18からの信号とGPSアンテナ4からの位置信号とを併用することにより、車両位置及び車両姿勢の検出をより正確に行なうことが出来る。
【0016】
本実施形態は、さらに、運転者の視線方向を検出する視線検出センサ20、運転者の頭部移動量を検出する頭部移動検出センサ22、走行中の車両の位置や車両姿勢の変化を運転者の視線方向と時間的に関連付けて車両位置における運転者の注視点(注視時間を含む)を算出する注視点算出ユニット24、及び、この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性を評価する評価ユニット26を備えている。
【0017】
本実施形態では、視線検出センサ20として、EOG法(Electrooculogram法、電気眼球図法)を使用している。このEOG法は、図3に示すように、眼球aの角膜側bが(+)、網膜側cが(−)に帯電していることを利用した眼球運動測定法のひとつであり、電極dを左右のこめかみに貼り、両眼が右に向くと右側の電極に(+)、左側の電極に(−)の電位を検出する。この電位は眼球aの変位角に比例するために、増幅して記録するとその電位から眼球運動を測定することができる。また、電極dを貼る位置によって水平方向だけでなく、上下方向の眼球運動も測定できる。
【0018】
図4はEOG法により測定された運転者の視線移動(左に3度)における眼球の電位変化を示す線図である。このようにして、本実施形態では、このEOG法により、運転者の水平方向の視線方向を検出するようにしている。また、同時に、電極をこめかみの別の位置に貼り、運転者の上下方向の視線方向も検出できるようになっている。
なお、本実施形態では、運転者の視線方向を検出するためにEOG法を使用しているが、これに限らない。例えば、光電素子式EOG(P−EOG)法、角膜反射法、第1・第4プルキンエ像検出法、コンタクトレンズ法、サーチコイル法、赤外線眼底カメラ法等を使用するようにしても良い。
【0019】
また、頭部移動検出センサ22は、CCDカメラ等(図示せず)を利用して、運転者の頭部の移動を検出し、この頭部移動量の信号を注視点算出ユニット24に出力する。注視点算出ユニット24が、この頭部移動量に基づいて、運転者の視線方向を補正することにより、運転者の視線方向を検出する際、頭部の移動の影響を受けないようになっている。
【0020】
次に、図5乃至図9により、本実施形態の注視点算出手段による運転者の注視点及び注視時間の算出方法を説明する。
先ず、図5(a)は障害物であるパイロンP1〜P10により左右に湾曲したカーブ部を含むように設定された走行評価コースを示し、図5(b)は車両がその走行評価コースを走行する際の視線検出センサ20により検出された運転者の視線移動角(視線方向)を示し、図5(c)はGPSアンテナ4からの位置信号に基づく車両走行位置データから得られた車体の進行方向及び横方向の座標を示している。
【0021】
ここで、視線検出センサ20は、GPSアンテナ4と、同期した検出タイミングで運転者の視線方向を検出する。これにより、運転者の視線方向と車両の走行位置が時間的に関連付けられ、各車両走行位置における運転者の注視点を求めることができる。なお、本実施形態では、必ずしも両者を同期して検出する必要はなく、補完計算することにより、両者を関係付けるようにしても良い。
【0022】
図6は運転者の注視点の特定及び注視時間を算出するための注視点算出フローを示す。この図6において、Sは各ステップを示している。
この注視点算出フローでは、先ず、S1において、運転者の視線方向を検出する。次に、S2において、視線方向に対して±3度の誤差範囲内のパイロンを抽出する。具体的には、図7に示すように、パイロンP5,P8,P10が計測された視線方向の誤差範囲に含まれるので、これらのパイロンP5,P8,P10が抽出される。
【0023】
次に、S3に進み、所定距離外の除外パイロンを抽出する。具体的には、図8に示すように、車***置から所定距離(Xm)範囲内に位置するパイロンP3及びP4が注視点の特定から除外される。なお、この所定距離(Xm)は、車両の走行速度が速くなるほど長い距離となる。
次に、S4に進み、特定のパイロンが存在するか否かを判定する。図7に示すような状況の場合には、パイロンP5,P8,P10が特定パイロンとして存在することになる。特定パイロンが存在する場合には、S5に進み、その特定パイロンが複数か否かを判定する。
【0024】
複数の場合には、S6に進み、パイロン選択アルゴリズムを用いて注視点であるパイロンを特定する。ここで、パイロン選択アルゴリズムは、注視候補のパイロンが複数存在する場合、注視点であるパイロンを特定するための選択基準を設けたものであり、行動工学上から、または、実験データの統計的結果をもとに設定したものである。具体的には、1)視線方向上で最も車体に近いもの、2)視線移動直後は現在の注視点よりも遠いもの、3)カーブの内側のもの、4)車体前方の接線方向に近いもの、の4つの選択基準から、そのときの車両の走行状態(直進走行、カーブ走行)に基づき1つを選び、注視点である1つのパイロンを特定する。
【0025】
次に、S7〜S9において、S6において特定されたパイロンの注視時間を算出する。即ち、S7において、定常時間経過したか否かを判定する。定常時間とは、例えば、100ms程度の時間であり、定常時間が経過していれば、運転者が特定のパイロンの注視を開始したと判断できる。次に、S8に進み、注視時間の開始時間を設定し、S9に進み、注視終了判定処理を行なう。
【0026】
図9により、この注視時間の開始タイミング及び終了タイミングについて説明する。図9は、車両の「進行方向座標(車両走行位置)」に対する「車両軌跡」、「上下の視線方向」、「左右の視線方向」、「ヨー角」、「操舵角」、「操舵力」を示したものである。
また、時刻t1は、運転者がパイロンP5の注視を開始した注視開始タイミングを示し、時刻t2は、運転者が舵角を斬り始めたタイミングを示し、時刻t3は、運転者がパイロンP5の注視を終了した注視終了タイミングを示している。
注視時間は、基本的には、サッカード運動(図9(c)において“A”で示す)からサッカード運動の間と考えられるが、運転者がパイロンP5を注視するときのようにヨー角が激しく変動している最中は、注視時間は以下のように決定する。
【0027】
注視開始タイミングは、図9(c)に示すように、運転者の左右の視線方向を示す波形がほぼ平らとなった時を注視開始タイミングと推定する。
注視終了タイミングは、3つの基準により推定される。第1は、図9(b)に示すように、運転者の上下の視線方向を示す波形が所定値だけ上方に移動したとき、注視終了タイミングと推定する。これは、運転者が特定のパイロンから次の遠方のパイロンに視線を移す前の瞬間に視線が上向きに変化するためである。第2は、図9(c)に示すように、運転者の左右の視線方向を示す波形が注視開始から最も左へ移動したとき、注視終了タイミングと推定する。第3は、図9(d)に示すように、ヨー角が最も大きくなったときを注視終了タイミングと推定する。ここで、ヨー角は、GPSセンサ4からの位置信号から求めても良いし、ジャイロセンサ14からの値を使用するようにしても良い。
本実施形態では、これらの第1、第2及び第3の3つを組み合わせて、注視終了タイミングを推定するようにしている。このようにして、運転者の特定のパイロンの注視時間を算出することができる。
なお、上述した注視開始タイミングの推定基準は、注視終了タイミングの推定基準でもあり、また、上述した注視終了タイミングの推定基準は、注視開始タイミングの基準でもある。
【0028】
図10は、本実施形態による各視線移動タイミングにおける車両走行軌跡(車両走行位置)上の視線方向を示した線図である。この図10から容易に理解できるように、本実施形態では、運転者の視線方向(視線移動角)と車両走行軌跡(車両走行位置)とを時間的に関連付けて検出することが可能となる。そのため、各視線移動タイミングにおいて、運転者が車両走行軌跡のどこで(どの車両走行位置で)どのパイロンを注視しているのかを特定することができる。
【0029】
図11は、運転者による各パイロンの注視時間を示した線図である。図11が示す例では、運転者がパイロンP5を、他のパイロンP3、P4、P6と比べて、長時間注視している。このような場合は、この走行テストを行なった車両は、オーバステア特性が強すぎると評価できる。また、逆に、パイロンP6の注視時間が長い場合には、走行テストを行なった車両はアンダステア特性が強すぎると評価できる。さらに、図11の例では、パイロンP3及びP4の注視時間は比較的短いため、直進時の安定性は良いと評価できる。
このように、本実施形態では、複数のパイロンを所定の位置に配置することにより、所望の走行評価コースを設定し、その走行評価コースにおいて、運転者の注視点であるパイロンを走行位置に関連付けて特定することができると共に、注視時間を求めることが出来る。この結果、車両特性である直進性能やステアリング特性等を正確に評価することができる。
【0030】
図12は、A車とB車における運転者による視線移動回数と各車両との関係を示したものである。カーブを走行する場合、運転者の視線方向は変化する。このとき、視線移動を行なう回数が多い車両ほど、操縦安定性が低く、視線移動を行なう回数が少ない車両ほど、操縦安定性が高いと言える。本実施形態では、運転者の視線方向(視線移動角)が所定値以上変化した場合を視線移動1回とカウントすることにより、カーブ走行時の視線移動回数を算出することができる。図12に示す例では、同じ走行コースを走行した場合に、B車よりもA車の方が、視線移動回数が少ないため、A車はB車と比べて操縦安定性が高いと評価できる。
【0031】
図13は、A車とB車における運転者のパイロンP5の注視時間と各車両との関係を示したものである。カーブを走行する場合、特定のパイロンの注視時間が短いほど操縦安定性が良い、即ち、車両挙動が安定していると言える。この図13の例では、運転者のパイロンP5の注視時間は、A車では、1.3秒(走行距離は17.9m)であり、B車では、1.7秒(走行距離は23.6m)であり、A車の方が操縦安定性が良いと評価できる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車両の操縦安定性評価装置、車両の操縦安定性評価装置方法、及び、車両の操縦安定性評価用プログラムによれば、諸元の異なる種々の車両の操縦安定性を定量的に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による車両の操縦安定性評価装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態による車両の操縦安定性評価装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に用いられるEOG法を説明するための構成図である。
【図4】図3に示すEOG法により測定された運転者の眼球の電位変化を示す線図である。
【図5】図5(a)はパイロンにより設定された走行評価コースを示す概略図、図5(b)は運転者の視線移動角(視線方向)を示す検出データ、図5(c)は車体の進行方向及び横方向の座標を示す検出データである。
【図6】本発明の実施形態による運転者の注視点の特定及び注視時間を算出するための注視点算出フローである。
【図7】誤差範囲に含まれるパイロンを示す概略図である。
【図8】所定範囲外の除外パイロンを示す概略図である。
【図9】注視時間の開始タイミングと終了タイミングを示すための車両軌跡等のデータである。
【図10】本発明の実施形態による各視線移動タイミングにおける車両走行軌跡(車両走行位置)上の視線方向を示した線図である。
【図11】本発明の実施形態による運転者による各パイロンの注視時間を示した線図である。
【図12】本発明の実施形態によりA車とB車における運転者による視線移動回数と各車両との関係を示した図である。
【図13】本発明の実施形態によりA車とB車における運転者のパイロンP5の注視時間と各車両との関係を示したものである。
【符号の説明】
1 車両の操縦安定性評価装置
2 車体
4 GPSアンテナ
6 車***置姿勢演算ユニット
8 基地局
10 送信機
12 補正信号受信機
14 ジャイロセンサ
16 加速度センサ
18 車高センサ
20 視線検出センサ
22 頭部移動検出センサ
24 注視点算出ユニット
26 評価ユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者の視線方向及び車両走行位置を用いて車両の操縦安定性を評価するための車両の操縦安定性評価装置、車両の操縦安定性評価方法、及び、車両の操縦安定性評価装用プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両の限界の横G値やロール角度、振動値、ハンドルに対する位相遅れ等の各数値を評価指標として、車両の操縦安定性を評価することが試みられている。
しかしながら、この評価指標を用いて複数の車両の操縦安定性を相対的に評価する場合、車高、重量、タイヤ等の緒元が車両毎に異なるため、各車両の評価指標も異なる数値となる。よって、上述した評価指標を用いて車両間における操縦安定性を相対的に評価するのは困難である。即ち、車両の限界の横G値がA車に比べてB車の方が小さい値であるためB車の方か操縦安定性が悪いとか、又は、A車の方がB車よりもロール角度が小さいのでA車の方が操縦安定性が良いとは、一概に言えないのである。上述した緒元等の影響から、同じ数値であっても、運転者が感じる度合い(操縦安定性)が異なるためである。
このため、現状では、車両全体として操縦安定性を評価する場合には、車両の実走行における人の官能評価に依存して評価を行なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両の開発において、車両間の操縦安定性の相対的評価、即ち、A車よりもB車の方が優れていると評価できる手法が、必要であり、各自動車メーカは、種々の評価方法を模索しているのが現実である。
このような現状において、本発明者らは、車両の操縦安定性の相対評価指標として、運転中の運転者の視線挙動計測技術(例えば、特開平5−146408号公報)により算出可能な運転者の視線挙動を用いることで、上述した諸元の異なる種々の車両の総合的な操縦安定性を定量的に評価できることを見出した。
具体的には、操縦安定性の良い車両は、少なくとも車両の挙動が運転者の運転操作に忠実でかつ車両が安定していることが必須の条件であるため、例えば、障害物の回避を行なう場合、操縦安定性の良い車両では、運転者は早い時期に次なる障害物へ早めに視線を移動させる傾向にあることを見出したのである。
これは、操縦安定性の良い車両では、運転者の運転操作に応答して的確に挙動し意図した走行軌跡を描くため、運転操作に必要な道路上のポイントを素早く視認できると共に次の視認すべきポイントに早めに移動することができるためである。このように、運転者の視線挙動は、車両の総合的な操縦安定性に対するドライバの官能評価を定量的に示すことができる指標の一つである。
【0004】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、運転者の視線方向及び車両走行位置を関連付けることにより、諸元の異なる種々の車両の操縦安定性を定量的に評価することができる車両の操縦安定性評価装置、車両の操縦安定性評価方法、及び、車両の操縦安定性評価装用プログラムを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の第1の発明の車両の操縦安定性評価装置は、車両走行中に運転者の少なくとも左右方向の視線方向を所定の周期で検出する視線検出手段と、車両走行中の車両走行位置を所定の周期で検出するGPSアンテナ手段と、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて運転者の注視点を算出する注視点算出手段と、この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性を評価する評価手段と、を有することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて各車両走行位置における運転者の注視点を算出し、この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性等を評価するようにしているので、諸元の異なる種々の車両の操縦安定性を定量的に評価することができる。
【0006】
本発明において、好ましくは、視線検出手段及びGPSアンテナ手段は、所定位置に設置された複数の障害物により設定された走行評価コースを走行する車両から、運転者の視線方向及び車両走行位置のそれぞれのデータを検出し、この走行評価コースは、左右方向に湾曲したカーブ部を含み、さらに、注視点算出手段は、カーブ部近傍において、車両走行位置、運転者の視線方向及び障害物の位置情報に基づいて、運転者の注視点を算出する。
本発明において、好ましくは、注視点算出手段は、検出された運転者の視線方向から所定の誤差範囲内に含まれる障害物から特定の障害物を注視点として算出する。
【0007】
本発明において、好ましくは、注視点算出手段は、車両の走行速度に応じて、検出された車***置から所定距離内に含まれる障害物を除外して特定の障害物を注視点として算出する。
本発明において、好ましくは、注視点算出手段は、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて車両走行位置における運転者の注視時間を算出し、その際、視線検出手段による運転者の視線方向のデータにおける所定の定常状態が開始され又は終了したときを、注視時間の開始タイミング又は終了タイミングとする。
本発明において、好ましくは、視線検出手段は、運転者の上下方向の視線方向を検出し、注視点算出手段は、この上下方向の視線方向のデータに基づいて注視時間の開始タイミング又は終了タイミングとする。
本発明において、好ましくは、注視点算出手段は、ヨー角のデータに基づいて注視時間の開始タイミング又は終了タイミングとする。
【0008】
本発明は、好ましくは、更に、運転者の頭部移動量を検出する頭部移動検出手段と、この頭部移動量に基づいて上記視線方向を補正する視線方向補正手段を有する。
本発明において、好ましくは、GPSアンテナ手段は、走行中の車両走行位置及び車両姿勢を所定の周期で検出する車体の所定箇所に取り付けられ少なくとも2つのGPSアンテナを含み、注視点算出手段は、視線検出手段により検出された運転者の視線方向のデータと、GPS手段により検出された車両走行位置及び車両姿勢のデータとを時間的に関連付けて、車両走行位置及び車両姿勢における運転者の注視点及び注視時間を算出する。
【0009】
本発明において、好ましくは、視線検出手段及びGPSアンテナ手段は、所定位置に設置された複数の障害物により設定した走行評価コースを走行する車両から、それぞれのデータを検出し、注視点算出手段は、車両走行位置、車両姿勢及び運転者の視線方向と関連付けて障害物の位置を算出する。
本発明において、好ましくは、注視点算出手段は、各障害物毎の注視時間を算出する。
本発明において、好ましくは、注視点算出手段は、さらに運転者の視線移動回数を算出する。
【0010】
本発明の第2の発明の車両の操縦安定性評価方法は、車両走行中に運転者の少なくとも左右方向の視線方向を所定の周期で検出する視線検出工程と、車両走行中の車両走行位置を所定の周期で検出する車両走行位置検出工程と、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて運転者の注視点を算出する注視点算出工程と、この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性を評価する評価工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の発明は、車両の操縦安定性を評価する車両操縦安定性評価用コンピュータのための車両操縦安定性評価用プログラムであって、車両走行中に運転者の少なくとも左右方向の視線方向を所定の周期で検出させ、車両走行中の車両走行位置を所定の周期で検出させ、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて運転者の注視点を算出させ、この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性を評価するように、車両操縦安定性評価用コンピュータを制御するための車両操縦安定性評価用プログラムである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態による車両の操縦安定性評価装置を示す全体構成図である。図2は本発明の実施形態による車両の操縦安定性評価装置を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の車両の操縦安定性評価装置1は、グローバルポジショニングシステム(GPS)を利用して走行中の車両の位置や車両姿勢の変化を求め、これらの車両位置や車両姿勢と、運転者の視線方向とを、時間的に関連付けて測定するようにしたものである。また、従来から行なわれているジャイロセンサ、加速センサ、車高センサ等により車体2の姿勢変化を測定することも併用している。
【0013】
GPSは、人工衛星Sから送信される搬送波(電波)の位相を利用して、受信位置の経度、緯度及び高さの情報を得るものであり、本実施形態では、車体2の所定箇所に4つのGPSアンテナ4を配置している。これらの4つのGPSアンテナ4は、静止状態の車体2に対して地面とほぼ水平になる基準面上に配置されており、それぞれ、4つの人工衛星Sからの電波を受信して、座標位置(X,Y,Z)、即ち、東西方向と南北方向(車両位置に相当)、上下方向(車高に相当)についての位置信号を車両位置姿勢演算ユニット6に接続ケーブルを介して出力するようになっている。ここで、本実施形態では、車両走行位置のみ検出すれば良い合には、1つのGPSアンテナ4で足り、車両姿勢を検出する場合でも、少なくとも2つのGPSアンテナ4があれば足りる。
【0014】
また、走行評価コース内には、GPSの基地局8が設けられており、この基地局8は、車体2に設けられたGPSアンテナ4と同期して、人工衛星Sからの電波を受信し、その電波から求められる位置と基地局8の実際の位置との間の誤差を較正する補正信号を送信機10により、車体2に設けられた補正信号受信機12に送信する。補正信号受信機12は、この受信した補正信号を車両位置姿勢演算ユニット6に送信し、この演算ユニット6は、GPSアンテナ4からの位置信号を補正信号に基づいて較正するようになっている。
【0015】
さらに、本実施形態では、車体2には、車体の姿勢の変化を検出するためのジャイロセンサ14、加速度センサ16、車高センサ18が設けられており、これらの各センサからの車両姿勢に関連する信号が、車両位置姿勢演算ユニット6に出力されるようになっている。これらの従来からのセンサ14,16,18からの信号とGPSアンテナ4からの位置信号とを併用することにより、車両位置及び車両姿勢の検出をより正確に行なうことが出来る。
【0016】
本実施形態は、さらに、運転者の視線方向を検出する視線検出センサ20、運転者の頭部移動量を検出する頭部移動検出センサ22、走行中の車両の位置や車両姿勢の変化を運転者の視線方向と時間的に関連付けて車両位置における運転者の注視点(注視時間を含む)を算出する注視点算出ユニット24、及び、この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性を評価する評価ユニット26を備えている。
【0017】
本実施形態では、視線検出センサ20として、EOG法(Electrooculogram法、電気眼球図法)を使用している。このEOG法は、図3に示すように、眼球aの角膜側bが(+)、網膜側cが(−)に帯電していることを利用した眼球運動測定法のひとつであり、電極dを左右のこめかみに貼り、両眼が右に向くと右側の電極に(+)、左側の電極に(−)の電位を検出する。この電位は眼球aの変位角に比例するために、増幅して記録するとその電位から眼球運動を測定することができる。また、電極dを貼る位置によって水平方向だけでなく、上下方向の眼球運動も測定できる。
【0018】
図4はEOG法により測定された運転者の視線移動(左に3度)における眼球の電位変化を示す線図である。このようにして、本実施形態では、このEOG法により、運転者の水平方向の視線方向を検出するようにしている。また、同時に、電極をこめかみの別の位置に貼り、運転者の上下方向の視線方向も検出できるようになっている。
なお、本実施形態では、運転者の視線方向を検出するためにEOG法を使用しているが、これに限らない。例えば、光電素子式EOG(P−EOG)法、角膜反射法、第1・第4プルキンエ像検出法、コンタクトレンズ法、サーチコイル法、赤外線眼底カメラ法等を使用するようにしても良い。
【0019】
また、頭部移動検出センサ22は、CCDカメラ等(図示せず)を利用して、運転者の頭部の移動を検出し、この頭部移動量の信号を注視点算出ユニット24に出力する。注視点算出ユニット24が、この頭部移動量に基づいて、運転者の視線方向を補正することにより、運転者の視線方向を検出する際、頭部の移動の影響を受けないようになっている。
【0020】
次に、図5乃至図9により、本実施形態の注視点算出手段による運転者の注視点及び注視時間の算出方法を説明する。
先ず、図5(a)は障害物であるパイロンP1〜P10により左右に湾曲したカーブ部を含むように設定された走行評価コースを示し、図5(b)は車両がその走行評価コースを走行する際の視線検出センサ20により検出された運転者の視線移動角(視線方向)を示し、図5(c)はGPSアンテナ4からの位置信号に基づく車両走行位置データから得られた車体の進行方向及び横方向の座標を示している。
【0021】
ここで、視線検出センサ20は、GPSアンテナ4と、同期した検出タイミングで運転者の視線方向を検出する。これにより、運転者の視線方向と車両の走行位置が時間的に関連付けられ、各車両走行位置における運転者の注視点を求めることができる。なお、本実施形態では、必ずしも両者を同期して検出する必要はなく、補完計算することにより、両者を関係付けるようにしても良い。
【0022】
図6は運転者の注視点の特定及び注視時間を算出するための注視点算出フローを示す。この図6において、Sは各ステップを示している。
この注視点算出フローでは、先ず、S1において、運転者の視線方向を検出する。次に、S2において、視線方向に対して±3度の誤差範囲内のパイロンを抽出する。具体的には、図7に示すように、パイロンP5,P8,P10が計測された視線方向の誤差範囲に含まれるので、これらのパイロンP5,P8,P10が抽出される。
【0023】
次に、S3に進み、所定距離外の除外パイロンを抽出する。具体的には、図8に示すように、車***置から所定距離(Xm)範囲内に位置するパイロンP3及びP4が注視点の特定から除外される。なお、この所定距離(Xm)は、車両の走行速度が速くなるほど長い距離となる。
次に、S4に進み、特定のパイロンが存在するか否かを判定する。図7に示すような状況の場合には、パイロンP5,P8,P10が特定パイロンとして存在することになる。特定パイロンが存在する場合には、S5に進み、その特定パイロンが複数か否かを判定する。
【0024】
複数の場合には、S6に進み、パイロン選択アルゴリズムを用いて注視点であるパイロンを特定する。ここで、パイロン選択アルゴリズムは、注視候補のパイロンが複数存在する場合、注視点であるパイロンを特定するための選択基準を設けたものであり、行動工学上から、または、実験データの統計的結果をもとに設定したものである。具体的には、1)視線方向上で最も車体に近いもの、2)視線移動直後は現在の注視点よりも遠いもの、3)カーブの内側のもの、4)車体前方の接線方向に近いもの、の4つの選択基準から、そのときの車両の走行状態(直進走行、カーブ走行)に基づき1つを選び、注視点である1つのパイロンを特定する。
【0025】
次に、S7〜S9において、S6において特定されたパイロンの注視時間を算出する。即ち、S7において、定常時間経過したか否かを判定する。定常時間とは、例えば、100ms程度の時間であり、定常時間が経過していれば、運転者が特定のパイロンの注視を開始したと判断できる。次に、S8に進み、注視時間の開始時間を設定し、S9に進み、注視終了判定処理を行なう。
【0026】
図9により、この注視時間の開始タイミング及び終了タイミングについて説明する。図9は、車両の「進行方向座標(車両走行位置)」に対する「車両軌跡」、「上下の視線方向」、「左右の視線方向」、「ヨー角」、「操舵角」、「操舵力」を示したものである。
また、時刻t1は、運転者がパイロンP5の注視を開始した注視開始タイミングを示し、時刻t2は、運転者が舵角を斬り始めたタイミングを示し、時刻t3は、運転者がパイロンP5の注視を終了した注視終了タイミングを示している。
注視時間は、基本的には、サッカード運動(図9(c)において“A”で示す)からサッカード運動の間と考えられるが、運転者がパイロンP5を注視するときのようにヨー角が激しく変動している最中は、注視時間は以下のように決定する。
【0027】
注視開始タイミングは、図9(c)に示すように、運転者の左右の視線方向を示す波形がほぼ平らとなった時を注視開始タイミングと推定する。
注視終了タイミングは、3つの基準により推定される。第1は、図9(b)に示すように、運転者の上下の視線方向を示す波形が所定値だけ上方に移動したとき、注視終了タイミングと推定する。これは、運転者が特定のパイロンから次の遠方のパイロンに視線を移す前の瞬間に視線が上向きに変化するためである。第2は、図9(c)に示すように、運転者の左右の視線方向を示す波形が注視開始から最も左へ移動したとき、注視終了タイミングと推定する。第3は、図9(d)に示すように、ヨー角が最も大きくなったときを注視終了タイミングと推定する。ここで、ヨー角は、GPSセンサ4からの位置信号から求めても良いし、ジャイロセンサ14からの値を使用するようにしても良い。
本実施形態では、これらの第1、第2及び第3の3つを組み合わせて、注視終了タイミングを推定するようにしている。このようにして、運転者の特定のパイロンの注視時間を算出することができる。
なお、上述した注視開始タイミングの推定基準は、注視終了タイミングの推定基準でもあり、また、上述した注視終了タイミングの推定基準は、注視開始タイミングの基準でもある。
【0028】
図10は、本実施形態による各視線移動タイミングにおける車両走行軌跡(車両走行位置)上の視線方向を示した線図である。この図10から容易に理解できるように、本実施形態では、運転者の視線方向(視線移動角)と車両走行軌跡(車両走行位置)とを時間的に関連付けて検出することが可能となる。そのため、各視線移動タイミングにおいて、運転者が車両走行軌跡のどこで(どの車両走行位置で)どのパイロンを注視しているのかを特定することができる。
【0029】
図11は、運転者による各パイロンの注視時間を示した線図である。図11が示す例では、運転者がパイロンP5を、他のパイロンP3、P4、P6と比べて、長時間注視している。このような場合は、この走行テストを行なった車両は、オーバステア特性が強すぎると評価できる。また、逆に、パイロンP6の注視時間が長い場合には、走行テストを行なった車両はアンダステア特性が強すぎると評価できる。さらに、図11の例では、パイロンP3及びP4の注視時間は比較的短いため、直進時の安定性は良いと評価できる。
このように、本実施形態では、複数のパイロンを所定の位置に配置することにより、所望の走行評価コースを設定し、その走行評価コースにおいて、運転者の注視点であるパイロンを走行位置に関連付けて特定することができると共に、注視時間を求めることが出来る。この結果、車両特性である直進性能やステアリング特性等を正確に評価することができる。
【0030】
図12は、A車とB車における運転者による視線移動回数と各車両との関係を示したものである。カーブを走行する場合、運転者の視線方向は変化する。このとき、視線移動を行なう回数が多い車両ほど、操縦安定性が低く、視線移動を行なう回数が少ない車両ほど、操縦安定性が高いと言える。本実施形態では、運転者の視線方向(視線移動角)が所定値以上変化した場合を視線移動1回とカウントすることにより、カーブ走行時の視線移動回数を算出することができる。図12に示す例では、同じ走行コースを走行した場合に、B車よりもA車の方が、視線移動回数が少ないため、A車はB車と比べて操縦安定性が高いと評価できる。
【0031】
図13は、A車とB車における運転者のパイロンP5の注視時間と各車両との関係を示したものである。カーブを走行する場合、特定のパイロンの注視時間が短いほど操縦安定性が良い、即ち、車両挙動が安定していると言える。この図13の例では、運転者のパイロンP5の注視時間は、A車では、1.3秒(走行距離は17.9m)であり、B車では、1.7秒(走行距離は23.6m)であり、A車の方が操縦安定性が良いと評価できる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車両の操縦安定性評価装置、車両の操縦安定性評価装置方法、及び、車両の操縦安定性評価用プログラムによれば、諸元の異なる種々の車両の操縦安定性を定量的に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による車両の操縦安定性評価装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態による車両の操縦安定性評価装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に用いられるEOG法を説明するための構成図である。
【図4】図3に示すEOG法により測定された運転者の眼球の電位変化を示す線図である。
【図5】図5(a)はパイロンにより設定された走行評価コースを示す概略図、図5(b)は運転者の視線移動角(視線方向)を示す検出データ、図5(c)は車体の進行方向及び横方向の座標を示す検出データである。
【図6】本発明の実施形態による運転者の注視点の特定及び注視時間を算出するための注視点算出フローである。
【図7】誤差範囲に含まれるパイロンを示す概略図である。
【図8】所定範囲外の除外パイロンを示す概略図である。
【図9】注視時間の開始タイミングと終了タイミングを示すための車両軌跡等のデータである。
【図10】本発明の実施形態による各視線移動タイミングにおける車両走行軌跡(車両走行位置)上の視線方向を示した線図である。
【図11】本発明の実施形態による運転者による各パイロンの注視時間を示した線図である。
【図12】本発明の実施形態によりA車とB車における運転者による視線移動回数と各車両との関係を示した図である。
【図13】本発明の実施形態によりA車とB車における運転者のパイロンP5の注視時間と各車両との関係を示したものである。
【符号の説明】
1 車両の操縦安定性評価装置
2 車体
4 GPSアンテナ
6 車***置姿勢演算ユニット
8 基地局
10 送信機
12 補正信号受信機
14 ジャイロセンサ
16 加速度センサ
18 車高センサ
20 視線検出センサ
22 頭部移動検出センサ
24 注視点算出ユニット
26 評価ユニット
Claims (14)
- 車両走行中に運転者の少なくとも左右方向の視線方向を所定の周期で検出する視線検出手段と、
車両走行中の車両走行位置を所定の周期で検出するGPSアンテナ手段と、
運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて運転者の注視点を算出する注視点算出手段と、
この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性を評価する評価手段と、
を有することを特徴とする車両の操縦安定性評価装置。 - 上記視線検出手段及びGPSアンテナ手段は、所定位置に設置された複数の障害物により設定された走行評価コースを走行する車両から、上記運転者の視線方向及び車両走行位置のそれぞれのデータを検出し、この走行評価コースは、左右方向に湾曲したカーブ部を含み、さらに、上記注視点算出手段は、カーブ部近傍において、上記車両走行位置、運転者の視線方向及び上記障害物の位置情報に基づいて、上記運転者の注視点を算出する請求項1記載の車両の操縦安定性評価装置。
- 上記注視点算出手段は、検出された運転者の視線方向から所定の誤差範囲内に含まれる障害物から特定の障害物を上記注視点として算出する請求項2記載の車両の操縦安定性評価装置。
- 上記注視点算出手段は、車両の走行速度に応じて、検出された車***置から所定距離内に含まれる障害物を除外して特定の障害物を上記注視点として算出する請求項3記載の車両の操縦安定性評価装置。
- 上記注視点算出手段は、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて車両走行位置における運転者の注視時間を算出し、その際、上記視線検出手段による運転者の視線方向のデータにおける所定の定常状態が開始され又は終了したときを、上記注視時間の開始タイミング又は終了タイミングとする請求項1乃至4の何れか1項記載の車両の操縦安定性評価装置。
- 上記視線検出手段は、運転者の上下方向の視線方向を検出し、上記注視点算出手段は、この上下方向の視線方向のデータに基づいて上記注視時間の開始タイミング又は終了タイミングとする請求項5記載の車両の操縦安定性評価装置。
- 上記注視点算出手段は、ヨー角のデータに基づいて上記注視時間の開始タイミング又は終了タイミングとする請求項5項記載の車両の操縦安定性評価装置。
- 更に、運転者の頭部移動量を検出する頭部移動検出手段と、この頭部移動量に基づいて上記視線方向を補正する視線方向補正手段を有する請求項1乃至7の何れか1項記載の車両の操縦安定性評価装置。
- 上記GPSアンテナ手段は、走行中の車両走行位置及び車両姿勢を所定の周期で検出する車体の所定箇所に取り付けられ少なくとも2つのGPSアンテナを含み、上記注視点算出手段は、上記視線検出手段により検出された運転者の視線方向のデータと、上記GPS手段により検出された車両走行位置及び車両姿勢のデータとを時間的に関連付けて、車両走行位置及び車両姿勢における運転者の注視点及び注視時間を算出する請求項1記載の車両の操縦安定性評価装置。
- 上記視線検出手段及びGPSアンテナ手段は、所定位置に設置された複数の障害物により設定した走行評価コースを走行する車両から、それぞれのデータを検出し、上記注視点算出手段は、上記車両走行位置、車両姿勢及び運転者の視線方向と関連付けて上記障害物の位置を算出する請求項9記載の車両の操縦安定性評価装置。
- 上記注視点算出手段は、上記各障害物毎の注視時間を算出する請求項10記載の車両の操縦安定性評価装置。
- 上記注視点算出手段は、さらに運転者の視線移動回数を算出する請求項1記載の車両の操縦安定性評価装置。、
- 車両走行中に運転者の少なくとも左右方向の視線方向を所定の周期で検出する視線検出工程と、
車両走行中の車両走行位置を所定の周期で検出する車両走行位置検出工程と、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて運転者の注視点を算出する注視点算出工程と、
この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性を評価する評価工程と、
を有することを特徴とする車両の操縦安定性評価方法。 - 車両の操縦安定性を評価する車両操縦安定性評価用コンピュータのための車両操縦安定性評価用プログラムであって、
車両走行中に運転者の少なくとも左右方向の視線方向を所定の周期で検出させ、車両走行中の車両走行位置を所定の周期で検出させ、運転者の視線方向と車両走行位置とを時間的に関連付けて運転者の注視点を算出させ、この算出された運転者の注視点に基づき車両の操縦安定性を評価するように、上記車両操縦安定性評価用コンピュータを制御するための車両操縦安定性評価用プログラム。
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