JP2004034889A - 車両用電子機器システム及びこれに使用されるサブパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、搭載若しくは交換可能な電子機器ユニットの種類を低コストで増加させることができる車両用電子機器システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の車両用電子機器システム10は、メディア挿入口21aを備えた電子機器ユニット20と、電子機器ユニット20の車室側の面を覆うように設けられ、開口部31aを有した意匠面を構成するパネル本体30と、パネル本体30と電子機器ユニット20の間に設けられ、パネル本体30の開口部31aと電子機器ユニット20のメディア挿入口21aの間のメディア挿入・排出経路41を確立するサブパネル40とを含むことを特徴とする。このサブパネル40は、搭載若しくは交換が想定される電子機器ユニットの種類に応じて複数種設定される。
【選択図】 図6
【解決手段】本発明の車両用電子機器システム10は、メディア挿入口21aを備えた電子機器ユニット20と、電子機器ユニット20の車室側の面を覆うように設けられ、開口部31aを有した意匠面を構成するパネル本体30と、パネル本体30と電子機器ユニット20の間に設けられ、パネル本体30の開口部31aと電子機器ユニット20のメディア挿入口21aの間のメディア挿入・排出経路41を確立するサブパネル40とを含むことを特徴とする。このサブパネル40は、搭載若しくは交換が想定される電子機器ユニットの種類に応じて複数種設定される。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のインストルメントパネルの中央部付近に配置され、電子機器ユニットを含む車両用電子機器システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車電装部品の高機能化と共にモジュール化が進み、電子機器ユニットは、オーディオテーププレーヤ、CDプレーヤやMDプレーヤのようなユニット本体と操作部が分割された状態でインストルメントパネルの中央部付近に配置され、省スペース化や機能の統合化が図られている。ユニット本体は、インストルメントパネル内部に格納される筐体内に搭載され、ユニット本体の前面は、意匠面を構成するベゼルにより覆われる。このベゼルは、車室内のデザイン、特にインストルメントパネル中央部のデザインに融合する意匠を有する。
【0003】
このベゼルは、例えば特開平11−17358号に開示される如く、搭載する電子機器ユニットの種類に応じて選択可能なように複数種用意される。このため、電子機器ユニットを交換する際、ユニット本体のみを交換し、新たなベゼルを選択して交換するだけで、デザインの融合性を損なうことのない電子機器ユニットの交換が実現される。
【0004】
また、特開平11−235953号には、複数種のメディア(例えばCDとカセットテープ)に対応できるベゼルが開示されている。このベゼルには、複数種のメディアに対応可能とすべく、複数種のメディア挿入口用の薄肉部やガイド部が予め形成されている。このため、電子機器ユニットの交換に伴うベゼルの交換の必要性が軽減され、用意すべきベゼル用の金型数を低減することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電子機器ユニットは、使用するメディアが同一であっても、その電子機器ユニットの製造メーカの相違や開発時期によって異なる位置にメディア挿入口を有している場合がある。即ち、所定位置に搭載された状態で、電子機器ユニットのメディア挿入口の中心位置は、製造メーカ等の相違に起因して高さ方向で数ミリほど異なることがある。
【0006】
この中心高さの相違に対して、意匠パネル(ベゼル)の製造メーカと電子機器ユニットの製造メーカが異なる場合には、これらの製造メーカ間でのメディア挿入口の位置の調整を行う必要がある。即ち、かかる場合、▲1▼メディア挿入口の位置自体を変更して新たに意匠パネルの設計を行うか、或いは、▲2▼電子機器ユニットの取付ブラケットを変更して取付位置を変更する必要があった。これら双方の場合(即ち、上記▲1▼及び▲2▼の場合)には、上述の従来技術(特開平11−17358号)と同様、新たな金型を起こす必要がありコストアップとなってしまうという問題点がある。一方、後者の場合(即ち、上記▲2▼の場合)には、取付位置の変更により他の電子機器ユニットとの位置関係が変わるため、搭載不能となってしまうか、搭載するための余分なスペースを確保する必要が生じ、電子機器システムの大型化を招いてしまうという問題点がある。
【0007】
また、上述の特開平11−235953号に開示される技術では、一旦特定のメディアに対応するメディア挿入口を形成すると、当該メディア挿入口を塞ぐことやその形状を変更することができないので、電子機器ユニットを事後的に交換する際に、新たなメディアに対応するベゼルに交換する必要性が生ずる。
【0008】
そこで、本発明は、電子機器ユニットの搭載及び交換の自由度を低コストで高めることができる、車両用電子機器システム及びこれに使用するサブパネルを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、請求項1に記載する如く、メディア挿入口を備えた電子機器ユニットと、
前記電子機器ユニットの車室側の面を覆うように設けられ、開口部を有した意匠面を構成するパネル本体と、
前記パネル本体と前記電子機器ユニットの間に設けられ、前記パネル本体の前記開口部と前記電子機器ユニットの前記メディア挿入口の間のメディア挿入・排出経路を確立するサブパネルとを含むことを特徴とする、車両用電子機器システムによって達成される。
【0010】
本発明において、サブパネルは、CDプレーヤやMDプレーヤ等のような電子機器ユニットとパネル本体との間に配設される。このサブパネルは、パネル本体の開口部と電子機器ユニットのメディア挿入口の間でのメディアの挿入・排出のための経路を形成する。このため、サブパネルは、パネル本体の意匠性を損なうことなく、パネル本体の開口部と電子機器ユニットのメディア挿入口との間の位置及び形状の差異を調整する機能を果たすことができる。この結果、パネル本体の汎用性を高めることができる。
【0011】
また、請求項1記載の車両用電子機器システムにおいて、請求項2に記載する如く、前記サブパネルが、前記電子機器ユニットの前記メディア挿入口の開口形状及び位置に適合する開口部を有する場合には、パネル本体の開口部から挿入されるメディアを電子機器ユニットのメディア挿入口まで確実にガイドできる、メディア挿入・排出経路が実現される。
【0012】
また、請求項1又は2記載の車両用電子機器システムにおいて、請求項3に記載する如く、前記サブパネルが、各種電子機器ユニットに対応して用意された複数種のサブパネルの中から、搭載する電子機器ユニットに応じて選択的に設けられている場合には、パネル本体を複数種用意することなく、搭載可能な電子機器ユニットの選択肢の幅を増大させることができる。このとき、パネル本体に代わって、より小型なサブパネルが複数種用意されることになるので、金型の小型化や材料費の節減を図ることができる。この結果、多種多様な電子機器ユニットのオプション化や電子機器ユニットの交換に必要なコストが大幅に低減される。尚、各種電子機器ユニットには、使用するメディアの異なる種の電子機器ユニット、及び、使用するメディアが同一であるがメディア挿入口の位置の異なる種の電子機器ユニットが含まれる。
【0013】
また、請求項1乃至3のうち何れか1項の車両用電子機器システムにおいて、請求項4に記載する如く、前記サブパネルが、電子機器ユニットの種類の相違に起因するメディア挿入口の位置の相違を吸収する機能を有する場合には、パネル本体の汎用性を高めることができる。尚、電子機器ユニットの種類の相違に起因するメディア挿入口の位置の相違は、サブパネルが複数種用意されることにより、或いはサブパネルの配設位置が調整されることにより、吸収されてよい。
【0014】
また、請求項1乃至4のうち何れか1項の車両用電子機器システムにおいて、請求項5に記載する如く、前記サブパネルが、電子機器ユニットの種類に応じて交換可能に配設される場合には、電子機器ユニットを事後的に交換する際に必要となりうるサブパネルの交換を容易に行うことができる。
【0015】
また、前記目的は、請求項6に記載する如く、メディア挿入口を備えた電子機器ユニットと、開口部を有した意匠面を構成するパネル本体との間に設けられ、前記パネル本体の前記開口部と前記電子機器ユニットの前記メディア挿入口の間のメディア挿入・排出経路を確立する、サブパネルによって達成される。
【0016】
本発明において、サブパネルは、パネル本体の意匠性を損なうことなく、パネル本体の開口部と電子機器ユニットのメディア挿入口との間の位置及び形状の差異を調整する機能を果たすことができる。この結果、搭載される各種電子機器ユニットに対するパネル本体の互換性を高めると共に、車両用電子機器システムに搭載・交換可能な電子機器ユニットの種類を低コストで増加させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による車両用電子機器システム10の一実施例の分解斜視図である。本実施例の車両用電子機器システム10は、車両のインストルメントパネルの中央部に配置され、電子機器ユニット20と、電子機器ユニット20を収容する筐体12と、電子機器ユニット20の車室側(同図のY1方向)の面を覆うように装着されるパネル本体30と、電子機器ユニット20とパネル本体30の間に配設されるサブパネル40(後に詳説する)とから構成される。また、本実施例の車両用電子機器システム10は、操作スイッチ11aや表示器11bを備えた操作部11と、パネル本体30の外周を覆うように設けられるパネル側ベゼル15とを更に有する。
【0018】
電子機器ユニット20は、CD(compact disk)、MD(mini disk)、DVD(digital video disk)やカセットテープ等のようなメディアが挿入・排出されるメディア挿入口21を備える。本実施例の電子機器ユニット20は、CDプレーヤ20aとオーディオテーププレーヤ20bから構成され、各メディア(即ち、CD及びカセットテープ)に対応するメディア挿入口21a,21bを有する。
【0019】
電子機器ユニット20は、筐体12内に挿入され、筐体12の後部(同図のY2方向)に設けられた接続スロット14に装着される。尚、この筐体12には、中継器やナビゲーションシステム等の他の電子機器ユニットが収容されてもよい。接続スロット14には、接続スロット14に装着される各電子機器ユニット間を電気的に接続するバスライン(図示せず)が設けられる。このバスラインは、図示しないコントローラを介して操作部11に接続されている。従って、各電子機器ユニットの各種操作は、操作部11にて一括的に行われる。
【0020】
図2は、パネル本体30の正面図を示す。パネル本体30には、電子機器ユニット20のメディア挿入口21a,21bに対応して、開口部31a,31bがそれぞれ設けられている。また、パネル本体30の車室に露出する側(図1のY1方向)の面は、インストルメントパネルの一部として意匠面を構成する。この意匠面には、インストルメントパネルのデザインに融合する形状・模様等を持たせることができる。
【0021】
図3(A)及び図3(B)は、図2のA−A断面に相当し、従来技術による、パネル本体30の開口部31aとメディア挿入口21aの位置関係の説明図である。従来技術のパネル本体30の開口部31aは、図3(A)に示すように、電子機器ユニット20のメディア挿入口21aのメディア挿排基準線Fを基準として形成されている。従って、メディアは、パネル本体30の開口部31aと電子機器ユニット20のメディア挿入口21aとの間で、略直線的な経路により挿入・排出されることになる。
【0022】
ところで、電子機器ユニット20は、上述の如くCDプレーヤやMDプレーヤ等といった使用するメディアの相違以外にも、製造メーカの相違に起因した多様性を有する。従って、かかる多種多様な電子機器ユニットの中から所望の電子機器ユニット又はそれらの組み合わせの幅広い選択肢をユーザに与えることは望ましい。
【0023】
しかしながら、使用するメディアが異なる場合はいうまでもなく、同一のメディアを使用する電子機器ユニットであっても、製造メーカの違いによりメディア挿入口21aの位置、即ちメディア挿入口21aのメディア挿排基準線Fが異なる場合がある。かかる場合に、従来技術のパネル本体30では、図3(B)に示すように、メディア挿入口21aと開口部31aとの位置の相違を吸収することができず、各メディア挿排基準線を基準とした開口部を有するパネル本体30を複数種作製する必要性が生ずる。このことは、パネル本体用金型のバリエーションの増加による、製造コストの増加を招くばかりでなく、電子機器ユニット20を交換しようとするユーザに対して、電子機器ユニット20の選択肢の幅を狭めるか或いは新たなパネル本体30の購入を強いるという負担をかけてしまう。
【0024】
これに対して、本発明は、多種多様な電子機器ユニット20のオプション化や後のグレードアップ等をより低コストで実現可能とするサブパネル40を導入することに主なる特徴を有する。以下、本発明によるサブパネル40及びそれに関連するパネル本体30等について詳細に説明する。
【0025】
図4(A)及び図4(B)は、サブパネル40の正面図及び上面図をそれぞれ示し、図5は、サブパネル40とパネル本体30の実装状態を示す、図3に対応する断面図である。尚、ここでは、主にパネル本体30の開口部31aに係るサブパネル40について言及する。
【0026】
サブパネル40は、好ましくは樹脂により形成され、パネル本体30の開口部31aを塞ぐように、パネル本体30と電子機器ユニット20との間に配設される。即ち、サブパネル40は、全体としてパネル本体30の開口部31aの外形よりも大きい外形(図2中の破線により指示)を有している。
【0027】
サブパネル40の外周部には、図4に示すように、複数の嵌合穴43が形成されてよく、この嵌合穴43に対応して、パネル本体30の裏面(意匠面と逆側の面)に複数の突起33が突設されてよい。かかる場合、サブパネル40は、図5に示すように、パネル本体30の突起33に、対応する嵌合穴43が嵌合されることによって、パネル本体30に装着される。尚、このような嵌合後に、突起33の先端部を熱により溶解させることにより(即ち、熱締めにより)、サブパネル40をパネル本体30に確実に固定してもよい。かかる場合、メディアの摺動等に起因したサブパネル40のパネル本体30からの離脱が確実に防止され、結合部の信頼性が向上する。
【0028】
但し、本発明は、特にこのような装着方法に限定されることはない。例えば、サブパネル40は、パネル本体30の裏面に、ビスやリベットにより取り付けられてよく、若しくは、接着剤等により接合されてもよい。また、サブパネル40側に突起を設け、パネル本体30側に嵌合穴を形成することにより、サブパネル40とパネル本体30との嵌合結合が実現されてもよい。或いは、サブパネル40は、パネル本体30に代わって電子機器ユニット20に、或いはそれら双方に、上述のような装着方法により装着されてもよい。
【0029】
サブパネル40は、図5に示すように、パネル本体30の開口部31aと電子機器ユニット20のメディア挿入口21aとの間のメディア挿入・排出経路を形成する。即ち、サブパネル40は、電子機器ユニット20のメディア挿入口21aのメディア挿排基準線Fを基準として形成された、メディアを挿入・排出するための開口部41(以下、「挿排開口部41」という)を有する。そして、この挿排開口部41を介してメディアが電子機器ユニット20に対して挿入・排出されることになる。
【0030】
より具体的には、サブパネル40の挿排開口部41は、電子機器ユニット20のメディア挿入口21に向かって突出する壁部41aの内壁により画成される。この挿排開口部41の電子機器ユニット20側の開口形状は、メディア挿入口21の開口形状と略一致するような形状を有し、挿排開口部41の電子機器ユニット20側の開口形状は、電子機器ユニット20の開口部31aの開口形状と略一致するような形状を有する。従って、メディアは、挿排開口部41に干渉することなくパネル本体30の開口部31aから挿入され、挿排開口部41の壁部41aにより正確にメディア挿入口21aに位置合わせされ、メディア挿入口21aから電子機器ユニット20にロードされることになる。
【0031】
このようなサブパネル40は、搭載が想定される電子機器ユニット毎に異なるメディア挿入口21aの位置に対応すべく、複数種用意されてよい。即ち、図6に示すように、各種電子機器ユニット20のメディア挿排基準線F”,F’を基準とした挿排開口部41”,41’を備えたサブパネル40”,40’が各種設定される。これにより、搭載状態でメディア挿入口21aの高さが異なる(図中、高さA,B,C参照)電子機器ユニット20を搭載する場合であっても、適切なサブパネル40を装着することにより、メディア挿入口21aの高さの差異を補償することができる。
【0032】
これに関連して、パネル本体30の開口部31aは、搭載が想定される各種電子機器ユニット20に係る如何なるメディア挿入口21aに対しても、メディアの円滑な挿入・排出を実現できるように寸法決定される。換言すると、パネル本体30の開口部31aは、搭載が想定される各種電子機器ユニット20のメディア挿入口21aの開口形状が取り得る範囲よりも大きい開口形状を有する。
【0033】
以上説明した本実施例の車両用電子機器システム10によれば、搭載する電子機器ユニット20に応じて、パネル本体30に装着するサブパネル40を選択/交換するだけで、多種多様な電子機器ユニット20の搭載/交換に柔軟に対応することが可能であり、パネル本体30を交換する必要が無いのでデザインの融合性を損なうことがない。即ち、本実施例のサブパネルは、複数種のサブパネルがセットになって、パネル本体30と各種の電子機器ユニット20との互換性、即ちパネル本体30の汎用性を高めることになる。また、サブパネル40は、パネル本体30に比して小さい形状を有する故に、パネル本体30に比してより小型な金型で且つ少ない材料により成形することができ、製造コストの低減と共に電子機器ユニット交換時のユーザ負担の低減を図ることができる。
【0034】
尚、上述では、同一のメディアを使用する各種電子機器ユニット20間での、メディア挿入口21aの位置の相違を補償することについて言及したが、本発明によれば、異なるメディアを使用する各種電子機器ユニット20間での、メディア挿入口21aの位置及び開口形状の相違を補償することも可能である。例えば、サブパネルを上述の如く適切に構成することにより、カセットテープ用のパネル本体30の開口部31bをMD用に利用することも可能である。これにより、使用するメディアが異なる各種電子機器ユニット20に対するパネル本体30の互換性を確保することができる。
【0035】
また、上述の実施例では、複数種のサブパネル40の構造(形状)によって、電子機器ユニット20の種類毎に異なるメディア挿入口21aに対応するものであった。しかしながら、図7(A)及び図7(B)に示すように、例えば一種類のサブパネル40を用い、その配設位置によって、電子機器ユニット20の種類毎に異なるメディア挿入口21aに対応することも可能である。かかる場合、パネル本体30の裏面には、各種電子機器ユニット20に対応して、サブパネル40を装着すべき位置を示す位置決めライン等が形成されてよい。或いは、図8に示すように、サブパネル40の外周部に、各装着位置に対応した連続的に連なる嵌合穴43が形成されてもよい。
【0036】
次に、グレードアップ等のために電子機器ユニット20を事後的に交換する場合のサブパネル40の交換作業について説明する。
【0037】
サブパネル40がパネル本体30から容易に取り外すことができる場合、例えばサブパネル40がパネル本体30にビス等により取り付けられている場合、パネル側ベゼル15及びパネル本体30を取り外した後、サブパネル40の交換作業を容易に実行することができる。
【0038】
一方、サブパネル40がパネル本体30に熱締めにより固定されている場合、サブパネル40の交換時に、当該締め部は破壊されることになる。これに対して、サブパネル40及びパネル本体30に、熱締めがなされない予備の嵌合穴43及び突起33をそれぞれ予め形成しておき、この予備の嵌合穴43と突起33との熱締めにより、新たなサブパネル40をパネル本体30に固定することも可能である。
【0039】
従って、本実施例の車両用電子機器システム10では、電子機器ユニット20の事後的な交換を行う際、サブパネル40の交換作業を容易に実行することができる。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0041】
例えば、上述した実施例では、パネル本体30は、電子機器ユニット20の前面の形状と略同一の形状を有していたが、例えば図9に示すように、比較的大型な形状を有し、インストルメントパネルの中央部の大部分を形成するものであってもよい。即ち、本発明により、電子機器ユニット20の交換に伴うパネル本体30の交換が不要となるので、パネル本体30の大型化が妨げられることは無い。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようなものであるから、以下に記載されるような効果を奏する。本発明によれば、外形が比較的大きく製造コストが高いパネル本体を各種設定することを要せず、比較的小さく製造コストの低いサブパネルを各種設定することで、電子機器ユニットの搭載・交換可能なバリエーションを低コストで増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用電子機器システムの一実施例の分解斜視図である。
【図2】パネル本体の正面図である。
【図3】図3(A)及び図3(B)は、従来技術による、パネル本体の開口部とメディア挿入口の位置関係の説明図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、サブパネルの正面図及び上面図である。
【図5】装着状態での本発明によるサブパネルとメディア挿入口の位置関係の説明図である。
【図6】本発明による複数種のサブパネルの説明図である。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、異なる位置に装着された本発明のサブパネルを示す図である。
【図8】本発明によるサブパネルの嵌合穴の説明図である。
【図9】パネル本体のその他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 車両用電子機器システム
11 操作部
12 筐体
14 接続スロット
20 電子機器ユニット
21a,b メディア挿入口
30 パネル本体
31a,b 開口部
40 サブパネル
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のインストルメントパネルの中央部付近に配置され、電子機器ユニットを含む車両用電子機器システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車電装部品の高機能化と共にモジュール化が進み、電子機器ユニットは、オーディオテーププレーヤ、CDプレーヤやMDプレーヤのようなユニット本体と操作部が分割された状態でインストルメントパネルの中央部付近に配置され、省スペース化や機能の統合化が図られている。ユニット本体は、インストルメントパネル内部に格納される筐体内に搭載され、ユニット本体の前面は、意匠面を構成するベゼルにより覆われる。このベゼルは、車室内のデザイン、特にインストルメントパネル中央部のデザインに融合する意匠を有する。
【0003】
このベゼルは、例えば特開平11−17358号に開示される如く、搭載する電子機器ユニットの種類に応じて選択可能なように複数種用意される。このため、電子機器ユニットを交換する際、ユニット本体のみを交換し、新たなベゼルを選択して交換するだけで、デザインの融合性を損なうことのない電子機器ユニットの交換が実現される。
【0004】
また、特開平11−235953号には、複数種のメディア(例えばCDとカセットテープ)に対応できるベゼルが開示されている。このベゼルには、複数種のメディアに対応可能とすべく、複数種のメディア挿入口用の薄肉部やガイド部が予め形成されている。このため、電子機器ユニットの交換に伴うベゼルの交換の必要性が軽減され、用意すべきベゼル用の金型数を低減することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電子機器ユニットは、使用するメディアが同一であっても、その電子機器ユニットの製造メーカの相違や開発時期によって異なる位置にメディア挿入口を有している場合がある。即ち、所定位置に搭載された状態で、電子機器ユニットのメディア挿入口の中心位置は、製造メーカ等の相違に起因して高さ方向で数ミリほど異なることがある。
【0006】
この中心高さの相違に対して、意匠パネル(ベゼル)の製造メーカと電子機器ユニットの製造メーカが異なる場合には、これらの製造メーカ間でのメディア挿入口の位置の調整を行う必要がある。即ち、かかる場合、▲1▼メディア挿入口の位置自体を変更して新たに意匠パネルの設計を行うか、或いは、▲2▼電子機器ユニットの取付ブラケットを変更して取付位置を変更する必要があった。これら双方の場合(即ち、上記▲1▼及び▲2▼の場合)には、上述の従来技術(特開平11−17358号)と同様、新たな金型を起こす必要がありコストアップとなってしまうという問題点がある。一方、後者の場合(即ち、上記▲2▼の場合)には、取付位置の変更により他の電子機器ユニットとの位置関係が変わるため、搭載不能となってしまうか、搭載するための余分なスペースを確保する必要が生じ、電子機器システムの大型化を招いてしまうという問題点がある。
【0007】
また、上述の特開平11−235953号に開示される技術では、一旦特定のメディアに対応するメディア挿入口を形成すると、当該メディア挿入口を塞ぐことやその形状を変更することができないので、電子機器ユニットを事後的に交換する際に、新たなメディアに対応するベゼルに交換する必要性が生ずる。
【0008】
そこで、本発明は、電子機器ユニットの搭載及び交換の自由度を低コストで高めることができる、車両用電子機器システム及びこれに使用するサブパネルを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、請求項1に記載する如く、メディア挿入口を備えた電子機器ユニットと、
前記電子機器ユニットの車室側の面を覆うように設けられ、開口部を有した意匠面を構成するパネル本体と、
前記パネル本体と前記電子機器ユニットの間に設けられ、前記パネル本体の前記開口部と前記電子機器ユニットの前記メディア挿入口の間のメディア挿入・排出経路を確立するサブパネルとを含むことを特徴とする、車両用電子機器システムによって達成される。
【0010】
本発明において、サブパネルは、CDプレーヤやMDプレーヤ等のような電子機器ユニットとパネル本体との間に配設される。このサブパネルは、パネル本体の開口部と電子機器ユニットのメディア挿入口の間でのメディアの挿入・排出のための経路を形成する。このため、サブパネルは、パネル本体の意匠性を損なうことなく、パネル本体の開口部と電子機器ユニットのメディア挿入口との間の位置及び形状の差異を調整する機能を果たすことができる。この結果、パネル本体の汎用性を高めることができる。
【0011】
また、請求項1記載の車両用電子機器システムにおいて、請求項2に記載する如く、前記サブパネルが、前記電子機器ユニットの前記メディア挿入口の開口形状及び位置に適合する開口部を有する場合には、パネル本体の開口部から挿入されるメディアを電子機器ユニットのメディア挿入口まで確実にガイドできる、メディア挿入・排出経路が実現される。
【0012】
また、請求項1又は2記載の車両用電子機器システムにおいて、請求項3に記載する如く、前記サブパネルが、各種電子機器ユニットに対応して用意された複数種のサブパネルの中から、搭載する電子機器ユニットに応じて選択的に設けられている場合には、パネル本体を複数種用意することなく、搭載可能な電子機器ユニットの選択肢の幅を増大させることができる。このとき、パネル本体に代わって、より小型なサブパネルが複数種用意されることになるので、金型の小型化や材料費の節減を図ることができる。この結果、多種多様な電子機器ユニットのオプション化や電子機器ユニットの交換に必要なコストが大幅に低減される。尚、各種電子機器ユニットには、使用するメディアの異なる種の電子機器ユニット、及び、使用するメディアが同一であるがメディア挿入口の位置の異なる種の電子機器ユニットが含まれる。
【0013】
また、請求項1乃至3のうち何れか1項の車両用電子機器システムにおいて、請求項4に記載する如く、前記サブパネルが、電子機器ユニットの種類の相違に起因するメディア挿入口の位置の相違を吸収する機能を有する場合には、パネル本体の汎用性を高めることができる。尚、電子機器ユニットの種類の相違に起因するメディア挿入口の位置の相違は、サブパネルが複数種用意されることにより、或いはサブパネルの配設位置が調整されることにより、吸収されてよい。
【0014】
また、請求項1乃至4のうち何れか1項の車両用電子機器システムにおいて、請求項5に記載する如く、前記サブパネルが、電子機器ユニットの種類に応じて交換可能に配設される場合には、電子機器ユニットを事後的に交換する際に必要となりうるサブパネルの交換を容易に行うことができる。
【0015】
また、前記目的は、請求項6に記載する如く、メディア挿入口を備えた電子機器ユニットと、開口部を有した意匠面を構成するパネル本体との間に設けられ、前記パネル本体の前記開口部と前記電子機器ユニットの前記メディア挿入口の間のメディア挿入・排出経路を確立する、サブパネルによって達成される。
【0016】
本発明において、サブパネルは、パネル本体の意匠性を損なうことなく、パネル本体の開口部と電子機器ユニットのメディア挿入口との間の位置及び形状の差異を調整する機能を果たすことができる。この結果、搭載される各種電子機器ユニットに対するパネル本体の互換性を高めると共に、車両用電子機器システムに搭載・交換可能な電子機器ユニットの種類を低コストで増加させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による車両用電子機器システム10の一実施例の分解斜視図である。本実施例の車両用電子機器システム10は、車両のインストルメントパネルの中央部に配置され、電子機器ユニット20と、電子機器ユニット20を収容する筐体12と、電子機器ユニット20の車室側(同図のY1方向)の面を覆うように装着されるパネル本体30と、電子機器ユニット20とパネル本体30の間に配設されるサブパネル40(後に詳説する)とから構成される。また、本実施例の車両用電子機器システム10は、操作スイッチ11aや表示器11bを備えた操作部11と、パネル本体30の外周を覆うように設けられるパネル側ベゼル15とを更に有する。
【0018】
電子機器ユニット20は、CD(compact disk)、MD(mini disk)、DVD(digital video disk)やカセットテープ等のようなメディアが挿入・排出されるメディア挿入口21を備える。本実施例の電子機器ユニット20は、CDプレーヤ20aとオーディオテーププレーヤ20bから構成され、各メディア(即ち、CD及びカセットテープ)に対応するメディア挿入口21a,21bを有する。
【0019】
電子機器ユニット20は、筐体12内に挿入され、筐体12の後部(同図のY2方向)に設けられた接続スロット14に装着される。尚、この筐体12には、中継器やナビゲーションシステム等の他の電子機器ユニットが収容されてもよい。接続スロット14には、接続スロット14に装着される各電子機器ユニット間を電気的に接続するバスライン(図示せず)が設けられる。このバスラインは、図示しないコントローラを介して操作部11に接続されている。従って、各電子機器ユニットの各種操作は、操作部11にて一括的に行われる。
【0020】
図2は、パネル本体30の正面図を示す。パネル本体30には、電子機器ユニット20のメディア挿入口21a,21bに対応して、開口部31a,31bがそれぞれ設けられている。また、パネル本体30の車室に露出する側(図1のY1方向)の面は、インストルメントパネルの一部として意匠面を構成する。この意匠面には、インストルメントパネルのデザインに融合する形状・模様等を持たせることができる。
【0021】
図3(A)及び図3(B)は、図2のA−A断面に相当し、従来技術による、パネル本体30の開口部31aとメディア挿入口21aの位置関係の説明図である。従来技術のパネル本体30の開口部31aは、図3(A)に示すように、電子機器ユニット20のメディア挿入口21aのメディア挿排基準線Fを基準として形成されている。従って、メディアは、パネル本体30の開口部31aと電子機器ユニット20のメディア挿入口21aとの間で、略直線的な経路により挿入・排出されることになる。
【0022】
ところで、電子機器ユニット20は、上述の如くCDプレーヤやMDプレーヤ等といった使用するメディアの相違以外にも、製造メーカの相違に起因した多様性を有する。従って、かかる多種多様な電子機器ユニットの中から所望の電子機器ユニット又はそれらの組み合わせの幅広い選択肢をユーザに与えることは望ましい。
【0023】
しかしながら、使用するメディアが異なる場合はいうまでもなく、同一のメディアを使用する電子機器ユニットであっても、製造メーカの違いによりメディア挿入口21aの位置、即ちメディア挿入口21aのメディア挿排基準線Fが異なる場合がある。かかる場合に、従来技術のパネル本体30では、図3(B)に示すように、メディア挿入口21aと開口部31aとの位置の相違を吸収することができず、各メディア挿排基準線を基準とした開口部を有するパネル本体30を複数種作製する必要性が生ずる。このことは、パネル本体用金型のバリエーションの増加による、製造コストの増加を招くばかりでなく、電子機器ユニット20を交換しようとするユーザに対して、電子機器ユニット20の選択肢の幅を狭めるか或いは新たなパネル本体30の購入を強いるという負担をかけてしまう。
【0024】
これに対して、本発明は、多種多様な電子機器ユニット20のオプション化や後のグレードアップ等をより低コストで実現可能とするサブパネル40を導入することに主なる特徴を有する。以下、本発明によるサブパネル40及びそれに関連するパネル本体30等について詳細に説明する。
【0025】
図4(A)及び図4(B)は、サブパネル40の正面図及び上面図をそれぞれ示し、図5は、サブパネル40とパネル本体30の実装状態を示す、図3に対応する断面図である。尚、ここでは、主にパネル本体30の開口部31aに係るサブパネル40について言及する。
【0026】
サブパネル40は、好ましくは樹脂により形成され、パネル本体30の開口部31aを塞ぐように、パネル本体30と電子機器ユニット20との間に配設される。即ち、サブパネル40は、全体としてパネル本体30の開口部31aの外形よりも大きい外形(図2中の破線により指示)を有している。
【0027】
サブパネル40の外周部には、図4に示すように、複数の嵌合穴43が形成されてよく、この嵌合穴43に対応して、パネル本体30の裏面(意匠面と逆側の面)に複数の突起33が突設されてよい。かかる場合、サブパネル40は、図5に示すように、パネル本体30の突起33に、対応する嵌合穴43が嵌合されることによって、パネル本体30に装着される。尚、このような嵌合後に、突起33の先端部を熱により溶解させることにより(即ち、熱締めにより)、サブパネル40をパネル本体30に確実に固定してもよい。かかる場合、メディアの摺動等に起因したサブパネル40のパネル本体30からの離脱が確実に防止され、結合部の信頼性が向上する。
【0028】
但し、本発明は、特にこのような装着方法に限定されることはない。例えば、サブパネル40は、パネル本体30の裏面に、ビスやリベットにより取り付けられてよく、若しくは、接着剤等により接合されてもよい。また、サブパネル40側に突起を設け、パネル本体30側に嵌合穴を形成することにより、サブパネル40とパネル本体30との嵌合結合が実現されてもよい。或いは、サブパネル40は、パネル本体30に代わって電子機器ユニット20に、或いはそれら双方に、上述のような装着方法により装着されてもよい。
【0029】
サブパネル40は、図5に示すように、パネル本体30の開口部31aと電子機器ユニット20のメディア挿入口21aとの間のメディア挿入・排出経路を形成する。即ち、サブパネル40は、電子機器ユニット20のメディア挿入口21aのメディア挿排基準線Fを基準として形成された、メディアを挿入・排出するための開口部41(以下、「挿排開口部41」という)を有する。そして、この挿排開口部41を介してメディアが電子機器ユニット20に対して挿入・排出されることになる。
【0030】
より具体的には、サブパネル40の挿排開口部41は、電子機器ユニット20のメディア挿入口21に向かって突出する壁部41aの内壁により画成される。この挿排開口部41の電子機器ユニット20側の開口形状は、メディア挿入口21の開口形状と略一致するような形状を有し、挿排開口部41の電子機器ユニット20側の開口形状は、電子機器ユニット20の開口部31aの開口形状と略一致するような形状を有する。従って、メディアは、挿排開口部41に干渉することなくパネル本体30の開口部31aから挿入され、挿排開口部41の壁部41aにより正確にメディア挿入口21aに位置合わせされ、メディア挿入口21aから電子機器ユニット20にロードされることになる。
【0031】
このようなサブパネル40は、搭載が想定される電子機器ユニット毎に異なるメディア挿入口21aの位置に対応すべく、複数種用意されてよい。即ち、図6に示すように、各種電子機器ユニット20のメディア挿排基準線F”,F’を基準とした挿排開口部41”,41’を備えたサブパネル40”,40’が各種設定される。これにより、搭載状態でメディア挿入口21aの高さが異なる(図中、高さA,B,C参照)電子機器ユニット20を搭載する場合であっても、適切なサブパネル40を装着することにより、メディア挿入口21aの高さの差異を補償することができる。
【0032】
これに関連して、パネル本体30の開口部31aは、搭載が想定される各種電子機器ユニット20に係る如何なるメディア挿入口21aに対しても、メディアの円滑な挿入・排出を実現できるように寸法決定される。換言すると、パネル本体30の開口部31aは、搭載が想定される各種電子機器ユニット20のメディア挿入口21aの開口形状が取り得る範囲よりも大きい開口形状を有する。
【0033】
以上説明した本実施例の車両用電子機器システム10によれば、搭載する電子機器ユニット20に応じて、パネル本体30に装着するサブパネル40を選択/交換するだけで、多種多様な電子機器ユニット20の搭載/交換に柔軟に対応することが可能であり、パネル本体30を交換する必要が無いのでデザインの融合性を損なうことがない。即ち、本実施例のサブパネルは、複数種のサブパネルがセットになって、パネル本体30と各種の電子機器ユニット20との互換性、即ちパネル本体30の汎用性を高めることになる。また、サブパネル40は、パネル本体30に比して小さい形状を有する故に、パネル本体30に比してより小型な金型で且つ少ない材料により成形することができ、製造コストの低減と共に電子機器ユニット交換時のユーザ負担の低減を図ることができる。
【0034】
尚、上述では、同一のメディアを使用する各種電子機器ユニット20間での、メディア挿入口21aの位置の相違を補償することについて言及したが、本発明によれば、異なるメディアを使用する各種電子機器ユニット20間での、メディア挿入口21aの位置及び開口形状の相違を補償することも可能である。例えば、サブパネルを上述の如く適切に構成することにより、カセットテープ用のパネル本体30の開口部31bをMD用に利用することも可能である。これにより、使用するメディアが異なる各種電子機器ユニット20に対するパネル本体30の互換性を確保することができる。
【0035】
また、上述の実施例では、複数種のサブパネル40の構造(形状)によって、電子機器ユニット20の種類毎に異なるメディア挿入口21aに対応するものであった。しかしながら、図7(A)及び図7(B)に示すように、例えば一種類のサブパネル40を用い、その配設位置によって、電子機器ユニット20の種類毎に異なるメディア挿入口21aに対応することも可能である。かかる場合、パネル本体30の裏面には、各種電子機器ユニット20に対応して、サブパネル40を装着すべき位置を示す位置決めライン等が形成されてよい。或いは、図8に示すように、サブパネル40の外周部に、各装着位置に対応した連続的に連なる嵌合穴43が形成されてもよい。
【0036】
次に、グレードアップ等のために電子機器ユニット20を事後的に交換する場合のサブパネル40の交換作業について説明する。
【0037】
サブパネル40がパネル本体30から容易に取り外すことができる場合、例えばサブパネル40がパネル本体30にビス等により取り付けられている場合、パネル側ベゼル15及びパネル本体30を取り外した後、サブパネル40の交換作業を容易に実行することができる。
【0038】
一方、サブパネル40がパネル本体30に熱締めにより固定されている場合、サブパネル40の交換時に、当該締め部は破壊されることになる。これに対して、サブパネル40及びパネル本体30に、熱締めがなされない予備の嵌合穴43及び突起33をそれぞれ予め形成しておき、この予備の嵌合穴43と突起33との熱締めにより、新たなサブパネル40をパネル本体30に固定することも可能である。
【0039】
従って、本実施例の車両用電子機器システム10では、電子機器ユニット20の事後的な交換を行う際、サブパネル40の交換作業を容易に実行することができる。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0041】
例えば、上述した実施例では、パネル本体30は、電子機器ユニット20の前面の形状と略同一の形状を有していたが、例えば図9に示すように、比較的大型な形状を有し、インストルメントパネルの中央部の大部分を形成するものであってもよい。即ち、本発明により、電子機器ユニット20の交換に伴うパネル本体30の交換が不要となるので、パネル本体30の大型化が妨げられることは無い。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようなものであるから、以下に記載されるような効果を奏する。本発明によれば、外形が比較的大きく製造コストが高いパネル本体を各種設定することを要せず、比較的小さく製造コストの低いサブパネルを各種設定することで、電子機器ユニットの搭載・交換可能なバリエーションを低コストで増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用電子機器システムの一実施例の分解斜視図である。
【図2】パネル本体の正面図である。
【図3】図3(A)及び図3(B)は、従来技術による、パネル本体の開口部とメディア挿入口の位置関係の説明図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、サブパネルの正面図及び上面図である。
【図5】装着状態での本発明によるサブパネルとメディア挿入口の位置関係の説明図である。
【図6】本発明による複数種のサブパネルの説明図である。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、異なる位置に装着された本発明のサブパネルを示す図である。
【図8】本発明によるサブパネルの嵌合穴の説明図である。
【図9】パネル本体のその他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 車両用電子機器システム
11 操作部
12 筐体
14 接続スロット
20 電子機器ユニット
21a,b メディア挿入口
30 パネル本体
31a,b 開口部
40 サブパネル
Claims (6)
- メディア挿入口を備えた電子機器ユニットと、
前記電子機器ユニットの車室側の面を覆うように設けられ、開口部を有した意匠面を構成するパネル本体と、
前記パネル本体と前記電子機器ユニットの間に設けられ、前記パネル本体の前記開口部と前記電子機器ユニットの前記メディア挿入口の間のメディア挿入・排出経路を確立するサブパネルとを含むことを特徴とする、車両用電子機器システム。 - 前記サブパネルは、前記電子機器ユニットの前記メディア挿入口の開口形状及び位置に適合する開口部を有する、請求項1記載の車両用電子機器システム。
- 前記サブパネルは、各種電子機器ユニットに対応して用意された複数種のサブパネルの中から、搭載する電子機器ユニットに応じて選択的に設けられている、請求項1又は2記載の車両用電子機器システム。
- 前記サブパネルは、電子機器ユニットの種類の相違に起因するメディア挿入口の位置の相違を吸収する機能を有する、請求項1乃至3のうち何れか1項の車両用電子機器システム。
- 前記サブパネルは、電子機器ユニットの種類に応じて交換可能に配設される、請求項1乃至4のうち何れか1項の車両用電子機器システム。
- メディア挿入口を備えた電子機器ユニットと、開口部を有した意匠面を構成するパネル本体との間に設けられ、前記パネル本体の前記開口部と前記電子機器ユニットの前記メディア挿入口の間のメディア挿入・排出経路を確立する、サブパネル。
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