JP2004034398A - 遠心ファンの製造方法及び遠心ファンの射出成形金型及び遠心ファン - Google Patents

遠心ファンの製造方法及び遠心ファンの射出成形金型及び遠心ファン Download PDF

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Mitsunori Nagasawa
長沢 光訓
Yasunori Nagashima
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Abstract

【課題】成形品のゲート金型側へのとられをなくし、確実に突出金型側に成形品が付いてくる構造にすることで成形品の割れをなくすこと。
【解決手段】この発明に係る遠心ファンの射出成形金型は、ゲート金型と突出金型とを有する射出成形金型に肉盗み駒を設けて中空羽根を成形する遠心ファンの射出成形金型において、突出金型の中空羽根外周成形面に、型開き時に中空羽根が突出金型に残るような逆勾配を設けたことを特徴とする。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和機等の送風機に使用される遠心ファンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6〜8は従来の技術を示す図で、図6は従来の遠心ファンの完成図とスライド作動方向を示す図、図7は従来の遠心ファンの中空羽根形状金型構造断面図と動作図、図8は従来の金型の基本動作図である。従来の遠心ファンの中空羽根形状金型に肉盗み駒5aを設けて羽根形状4aを形状高さ方向で貫通させた中空状態にして薄肉、軽量化を図る射出成形金型構造に関しては、遠心ファン本体2と羽根形状4aの一体成形品の羽根形状4aに肉盗み駒5aを設けることにより、射出後、冷却工程で樹脂の収縮により、樹脂が肉盗み駒5aに抱きつき、型開き時に(成形品取出面が開く)成形品がゲート金型側10についていく(本来、成形品は突出金型側11についてこないと、突出し離型できない。)。また、射出時、射出圧力により肉盗み駒5aが倒れ、成形できなくなるという問題が発生する。
【0003】
そこで、ゲート金型10へのとられ対策として、突出金型11側の羽根形状4a外周面に0°からアンダーカットになる逆向き勾配をつける為に、羽根形状4a面外側に外スライドコア7aを設け、肉盗み駒5aの表面は鏡面に仕上げ、冷却による放熱を考慮して密着しないようにすることで、突出金型11へ成形品が残るようにした。
【0004】
更に、肉盗み駒5aは厚み寸法が薄いのでその倒れ対策として、肉盗み駒5a先端に凹み形状を設け、それに突出金型11側羽根形状4aの先端(吸い込み口1との溶着形状部付近)から飛出た、先端に駒支え用の凸形状を設けた肉盗み駒支え駒6を合わせてゲート金型10側を支えると共に、ピンゲート9位置は羽根形状4aの長手方向先端根元から樹脂が入り、羽根形状4aと肉盗み駒5aに沿って流れるようにして、射出圧力による肉盗み駒5a倒れを防止するようにして重量が軽く、ヒケの発生が押さえられた高品質な遠心ファンの成形が可能になった。羽根形状4a表面上にヒケが発生すると所定形状が出ない為、製品性能に影響がある。
【0005】
しかし、現状の対策であるとゲート金型側へのとられがあり完全な対策とはいえない。その原因は突出金型11側羽根形状4aの外周外面スライドコアには逆側に勾配を付けているが、羽根形状4aの外周内面には逆勾配を設けてなかった為に、型開き時にゲート金型10側と突出金型11側のバランスが悪く肉盗み駒5a内面へのだきつきが羽根形状4a突出金型側の内面よりも大きいので、羽根形状4a内面がゲート金型10側にとられ、外面が突出金型11側にとられる為に、お互いに引っ張り合う形となり成形品が割れるという問題があり連続成形が困難である。
【0006】
次に動作について図8を用いて説明する。まず、ゲート金型取付板13のゲート口から樹脂が注入されて遠心ファン成形品が完成する。その後、ゲート金型取付板13が成形機に固定された状態でランナーストリッパプレート12とゲート金型10の間が開き、ランナー(成形品までの湯道)とピンゲート9(成形品と湯道をつなぐ入り口)を成形品から切り離す。ランナー、ゲート部は後で取り出す。
【0007】
その後、ゲート金型取付板13とランナーストリッパプレート12の間が開きランナー等を確実にランナーストリッパプレート12側に持ってくることでピンゲート9を成形品から切り離す役割のランナーロックピン19からランナーが離される。このランナーロックピン19のランナーに入り込んでいる形状にはアンダーカット形状がついているので、ランナーストリッパプレート12側へ持ってくることが可能である。
【0008】
そして、最後に突出金型11側が動きゲート金型10面と突出金型11面が開き、成形品は突出金型11側に付いてくる。この時、羽根形状4aが肉盗み駒5aに抱き付きゲート金型10へ残った状態で、突出金型11へ成形品が引っ張られると羽根形状根元付近で突出金型11とゲート金型10でお互いに引っ張られて割れる。
【0009】
以上の型開きが完全に終了後、外スライドコア7aが動きアンダーカット羽根形状面がはずれる。その後、成形機から突出バー17が押し出され、エジェクタプレート15が動き、突出ピン18によって成形品が押し出されて取り出される。後、ゲート金型10と突出金型11等のプレートが動いて締まり、樹脂注入前の状態に戻り、再び以上説明した動作を繰り返す。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の遠心ファン金型は以上のように構成されているので、羽根形状4a内側面もバランス良くゲート金型10の肉盗み駒5aが引き抜かれて、型開き時に肉盗み駒5aにとられる事無く、突出金型11側へ付かせる必要がある。また、現状は肉盗み駒5aに成形品の羽根形状4aが樹脂の収縮により抱きついて、型開き時に外側羽根形状4a面はアンダーカット形状であるスライドコア7aにより突出金型11に付いてくるが、羽根形状4a内側は肉盗み駒5aにとられてお互いにゲート金型10と突出金型11が引っ張り合い割れるという問題点があった。
【0011】
この発明は上記のような問題点を解消する為になされたもので、成形品のゲート金型側へのとられをなくし、確実に突出金型側に成形品が付いてくる構造にすることで成形品の割れをなくすことを目的としており、更に成形品のゲート金型側へのとられによる割れをなくすことで、連続成形を可能にすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る遠心ファンの射出成形金型は、ゲート金型と突出金型とを有する射出成形金型に肉盗み駒を設けて中空羽根を成形する遠心ファンの射出成形金型において、突出金型の中空羽根外周成形面に、型開き時に中空羽根が突出金型に残るような逆勾配を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係る遠心ファンの射出成形金型は、突出金型の中空羽根外周外側の成形面に逆勾配を付けるために外スライドコアを設けると共に、突出金型の中空羽根外周内側の成形面に逆勾配を付けるために傾斜スライドを設けたことを特徴とする。
【0014】
また、この発明に係る遠心ファンの射出成形金型は、突出金型中空羽根成形面と傾斜スライド中空羽根成形面を滑らかに連続的につながるように傾斜面を設けたことを特徴とする。
【0015】
この発明に係る遠心ファンの製造方法は、ゲート金型と突出金型とを有する射出成形金型に肉盗み駒を設けて中空羽根を成形する遠心ファンの製造方法において、突出金型の中空羽根外周成形面に、型開き時に中空羽根が突出金型に残るような逆勾配を設け、中空羽根を射出成形することを特徴とする。
【0016】
また、この発明に係る遠心ファンの製造方法は、射出成形金型は、突出金型の中空羽根外周外側の成形面に逆勾配を付けるための外スライドコアを有すると共に、突出金型の中空羽根外周内側の成形面に逆勾配を付けるための傾斜スライドを有し、射出成形金型に樹脂を注入して中空羽根を成形し、中空羽根の成形完了後に、ゲート金型と突出金型の間の面を開き、外スライドコアを中空羽根外周外側面から離し、中空羽根を突出金型から離型する際に、傾斜スライドが作動して中空羽根外周内側面から離れることを特徴とする。
【0017】
この発明に係る遠心ファンの射出成形金型は、ゲート金型と突出金型とを有する射出成形金型に肉盗み駒を設けて中空羽根を成形する遠心ファンの射出成形金型において、肉盗み駒は、ゲート金型に進退自在に設けられていることを特徴とする。
【0018】
この発明に係る遠心ファンの製造方法は、ゲート金型と突出金型とを有する射出成形金型に肉盗み駒を設けて中空羽根を成形する遠心ファンの製造方法において、ゲート金型に進退自在に設けられた肉盗み駒のみを後退作動させて、中空羽根の中空部から高さ方向で所定長さ抜き、その後金型成形品取り出し面を開くことを特徴とする。
【0019】
また、この発明に係る遠心ファンの製造方法は、ゲート金型に進退自在に設けられた前記肉盗み駒のみを後退作動させて、中空羽根の中空部から高さ方向で約1/3抜き、その後金型成形品取り出し面を開くことを特徴とする。
【0020】
この発明に係る遠心ファンの射出成形金型は、遠心ファン本体とねじれた羽根形状とが一体成形される遠心ファンの射出成形金型において、ねじれた羽根形状にゲート金型側または突出金型側に肉盗み駒を斜め方向から設けて、その肉盗み駒を支える為に肉盗み駒先端に凹形状または凸形状を設け、それにその相手側の突出金型側またはゲート金型側羽根の先端から飛出た、先端に駒支え用の凸形状または凹形状を設けた肉盗み支え駒を合わせて、肉盗み駒を支えた構造としたことを特徴とする。
【0021】
また、この発明に係る遠心ファンの射出成形金型は、傾斜した肉盗み駒の高さは羽根形状高さの約1/2〜1として、抜き勾配は0.1°以上設け、支え駒高さは羽根形状高さの約0〜1/2設けたことを特徴とする。
【0022】
この発明に係る遠心ファンの製造方法は、遠心ファン本体とねじれた羽根形状とが一体成形される遠心ファンの製造方法において、ねじれた羽根形状にゲート金型側または突出金型側に肉盗み駒を斜め方向から設けて、その肉盗み駒を支える為に肉盗み駒先端に凹形状または凸形状を設け、それにその相手側の突出金型側またはゲート金型側羽根の先端から飛出た、先端に駒支え用の凸形状または凹形状を設けた肉盗み支え駒を合わせて、肉盗み駒を支えて射出成形することを特徴とする。
【0023】
また、この発明に係る遠心ファンの製造方法は、ねじれた羽根形状において、ゲート金型側または突出金型側の中空部アンダーカット形状を形成させる為に、肉盗み駒を傾斜させて設け、スライドが動きアンダーカット部である中空部肉盗み形状から完全に駒を抜き、その後に製品取り出し面が開き製品を取り出すことを特徴とする。
【0024】
また、この発明に係る遠心ファンの製造方法は、肉盗み駒の傾斜に沿って、型開きを利用して動くスライドカム方式によりスライドさせて、アンダーカット形状を抜くことを特徴とする。
【0025】
また、この発明に係る遠心ファンの製造方法は、肉盗み駒の傾斜に沿って、型開きに関係無しに単独で動かせる油圧シリンダー方式によりスライドさせて、アンダーカット形状を抜くことを特徴とする。
【0026】
また、この発明に係る遠心ファンの製造方法は、ねじれた羽根形状外周の型が開いた際、アンダーカットで抜けない羽根形状を形成させる為、羽根の内、外面を外側にスライドさせる駒により形成させ、スライドは肉盗み形状駒が完全に抜けた後作動することを特徴とする。
【0027】
この発明に係る遠心ファンは、遠心ファン本体とねじれた羽根形状とが一体成形される遠心ファンにおいて、ねじれた羽根形状は、羽根形状高さ方向に全貫通の中空部を設けたことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1、2は実施の形態1を示す図で、図1は遠心ファンの完成図と外スライドコアと傾斜スライドの作動方向を示した図、図2は遠心ファンの中空羽根形状金型構造断面図と動作図である。
【0029】
図において、1は遠心ファンの吸い込み口、2は遠心ファン本体、3は駆動部と接続されるボス部、4bは中空の羽根形状、5bは羽根形状4bを形状高さ方向で貫通させた中空状態にして薄肉化、軽量化するために、射出成形金型のゲート金型に設けられた肉盗み駒、6は肉盗み駒の倒れ抑制のために、射出成形金型の突出金型側に設けられた肉盗み駒支え駒、7bは射出成形金型の突出金型の羽根形状外周外面に0°からアンダーカットになる逆向き勾配(型開き時に成形品が突出金型側に残る向き)を付けるために設けられた外スライドコア、8は本発明の特徴部分であり、射出成形金型の突出金型の羽根形状外周内側の成形面に収縮を考慮した逆勾配(型開き時に成形品が突出金型側に残る向き)を0°以上つけるために設けられた傾斜スライド、9は成形品と湯道をつなぐ入口のピンゲートである。
【0030】
基本動作は従来どおりであるが、発明に関係した動作としては、まずゲート金型10と突出金型11の間の面が開くと、突出金型11側の羽根形状4b外周の内、外面ともに逆勾配であるアンダーカットをつけているため、外スライドコア7bと傾斜スライド8を作動させないと成形品を成形面から離すことができないようにしているので、ゲート金型10側に成形品がとられることなく、確実に突出金型11側へ付かせることができる。
【0031】
ゲート金型10と突出金型11の間の面の開きが完了後に、外スライドコア7bが作動して羽根形状4b外周の外面から離れ、その後エジェクタプレート15が成形機から突き出された突出バーによって押されて動き(図8参照)、それに伴ない傾斜スライド8が作動して羽根形状4b外周の内面から離れる。
【0032】
以上の金型構造により、確実に突出金型11側に成形品をはり付かせることでひけの少ない安定した成形品の連続成形が可能である。
【0033】
また、上記の金型構造では、突出金型11の羽根形状4b成形面と傾斜スライド8の羽根形状4b成形面境界部に段差が付くが、突出金型羽根成形面と傾斜スライド羽根成形面を滑らかに連続につなげた傾斜面にすることで、音、風低下などの問題を解決することができる。
【0034】
実施の形態2.
図3は実施の形態2を示す図で、遠心ファンの中空羽根形状金型構造断面図と動作図である。図3に示すように、中空羽根形状金型構造は、ゲート金型10の肉盗み駒5dが固定されていなく、型開き方向に動くことが特徴である。基本動作は従来と同様なので省略する。
【0035】
金型動作としては、ゲート金型10の肉盗み駒5dのみをゲート金型10面と突出金型11面が開く前に、先に羽根4d中空部から高さ方向で約1/3程後退作動させて成形面から離しておくので、型開き時にゲート金型10への成形品のとられ、割れが発生せずに確実に突出金型11へはり付かせることで、ひけの少ない安定した成形品の連続成形が可能である。成形サイクルタイムも短縮して金型製作費用を削減できる。
【0036】
羽根4d中空部から高さ方向で約1/3程後退作動させて成形面から離しておく例を説明したが、後退させる距離はこれに限定されたものではない。
【0037】
実施の形態3.
図4、5は実施の形態3を示す図で、図4はねじれた羽根形状の遠心ファンの完成図と外スライドコアの作動方向を示した図、図5はねじれた羽根形状の遠心ファンの中空羽根形状金型構造断面図と動作図である。
【0038】
図4、5に示すとおり、遠心ファン本体2とねじれた羽根形状4cとが一体成形された遠心ファンにおいて、ねじれた羽根形状4cにゲート金型10側または突出金型11側に肉盗み駒5cを斜め方向から設けて、その肉盗み駒5cを支える為に肉盗み駒5c先端に凹形状または凸形状を設けて、それにその相手側の突出金型11側またはゲート金型10側羽根形状4cの先端(吸い込み口1との溶着形状部付近)から飛出た、先端に駒支え用の凸形状または凹形状を設けた肉盗み支え駒6を合わせて肉盗み駒5cを支えた構造であり、羽根形状高さ方向において全貫通の中空部を設けた上で、射出成形の際に発生する射出圧力による駒倒れをなくした。
【0039】
また、基本動作は従来どおりであり省略するが、この発明の関係する動作は、ねじれた羽根形状4cの為に斜め方向に肉盗み駒5cを作動して、成形面から離して抜かないと肉盗み駒5cがアンダーカット形状からはずれないので、先に肉盗み駒5cを作動させてアンダーカット部である中空部肉盗み形状から完全に肉盗み駒5cを抜く必要がある。
【0040】
そこで、肉盗み駒5cを傾斜に沿って型開きを利用して動かすスライドカム方式または型開き関係無しに単独で動かせる油圧シリンダー方式によりスライドさせて、アンダーカット形状を抜く。その後、ゲート金型10面と突出金型11面が開くと共に羽根形状4cの内、外面がねじれているのでアンダーカットで抜けない構造であり、それを外スライドコア7cで形成して動かすことで内、外の成形面から離なして抜いてやるので、ゲート金型10へのとられをなくし、確実に突出金型11へはり付かせることでひけの少ない安定した成形品の連続成形が可能である。
【0041】
また、傾斜肉盗み駒5cの高さは羽根4c形状高さの約1/2〜1として、抜き勾配は0.1°以上設け、肉盗み支え駒6高さは羽根4c高さの約0〜1/2設ける仕様である。但し、これは一例であり、この仕様に限定されるものではない。
【0042】
【発明の効果】
この発明に係る遠心ファンの射出成形金型は、型開き時に中空羽根が突出金型に残るような逆勾配を設けたことにより、ゲート金型へのとられをなくし、確実に突出金型にはり付かせることができ、型開き時の割れ不良をなくすことができ、成形品の連続成形を可能にできる。
【0043】
また、この発明に係る遠心ファンの射出成形金型は、突出金型の中空羽根外周外側の成形面に逆勾配を付けるために外スライドコアを設けると共に、突出金型の中空羽根外周内側の成形面に逆勾配を付けるために傾斜スライドを設けたことにより、型開き時の割れ不良をなくすことができ、成形品の連続成形を可能にできる。
【0044】
また、この発明に係る遠心ファンの射出成形金型は、突出金型中空羽根成形面と傾斜スライド中空羽根成形面を滑らかに連続的につながるように傾斜面を設けたことにより、遠心ファンの音、風低下などの問題を解決することができる。
【0045】
この発明に係る遠心ファンの製造方法は、突出金型の中空羽根外周成形面に、型開き時に中空羽根が突出金型に残るような逆勾配を設け、中空羽根を射出成形することにより、ゲート金型へのとられをなくし、確実に突出金型にはり付かせることができ、型開き時の割れ不良をなくすことができ、成形品の連続成形を可能にできる。
【0046】
また、この発明に係る遠心ファンの製造方法は、射出成形金型は、突出金型の中空羽根外周外側の成形面に逆勾配を付けるための外スライドコアを有すると共に、突出金型の中空羽根外周内側の成形面に逆勾配を付けるための傾斜スライドを有し、射出成形金型に樹脂を注入して中空羽根を成形し、中空羽根の成形完了後に、ゲート金型と突出金型の間の面を開き、外スライドコアを中空羽根外周外側面から離し、中空羽根を突出金型から離型する際に、傾斜スライドが作動して中空羽根外周内側面から離れることにより、型開き時の割れ不良をなくすことができ、成形品の連続成形を可能にできる。
【0047】
この発明に係る遠心ファンの射出成形金型は、ゲート金型と突出金型とを有する射出成形金型に肉盗み駒を設けて中空羽根を成形する遠心ファンの射出成形金型において、肉盗み駒は、ゲート金型に進退自在に設けられていることにより、型開き時の割れ不良をなくすことができ、成形品の連続成形を可能にできる。成形サイクルタイムも短縮して金型製作費用を削減できる。
【0048】
この発明に係る遠心ファンの製造方法は、ゲート金型と突出金型とを有する射出成形金型に肉盗み駒を設けて中空羽根を成形する遠心ファンの製造方法において、ゲート金型に進退自在に設けられた肉盗み駒のみを後退作動させて、中空羽根の中空部から高さ方向で所定長さ抜き、その後金型成形品取り出し面を開くことにより、型開き時の割れ不良をなくすことができ、成形品の連続成形を可能にできる。成形サイクルタイムも短縮して金型製作費用を削減できる。
【0049】
また、この発明に係る遠心ファンの製造方法は、ゲート金型に進退自在に設けられた前記肉盗み駒のみを後退作動させて、中空羽根の中空部から高さ方向で約1/3抜き、その後金型成形品取り出し面を開くことにより、型開き時の割れ不良をなくすことができ、成形品の連続成形を可能にできる。成形サイクルタイムも短縮して金型製作費用を削減できる。
【0050】
この発明に係る遠心ファンの射出成形金型は、ねじれた羽根形状にゲート金型側または突出金型側に肉盗み駒を斜め方向から設けて、その肉盗み駒を支える為に肉盗み駒先端に凹形状または凸形状を設け、それにその相手側の突出金型側またはゲート金型側羽根の先端から飛出た、先端に駒支え用の凸形状または凹形状を設けた肉盗み支え駒を合わせて、肉盗み駒を支えた構造としたことにより、ゲート金型へのとられをなくし、確実に突出金型へはり付かせることでひけの少ない安定した成形品の連続成形が可能になる。
【0051】
また、この発明に係る遠心ファンの射出成形金型は、傾斜した肉盗み駒の高さは羽根形状高さの約1/2〜1として、抜き勾配は0.1°以上設け、支え駒高さは羽根形状高さの約0〜1/2設けたことにより、確実に突出金型へはり付かせることでひけの少ない安定した成形品の連続成形が可能になる。
【0052】
この発明に係る遠心ファンの製造方法は、ねじれた羽根形状にゲート金型側または突出金型側に肉盗み駒を斜め方向から設けて、その肉盗み駒を支える為に肉盗み駒先端に凹形状または凸形状を設け、それにその相手側の突出金型側またはゲート金型側羽根の先端から飛出た、先端に駒支え用の凸形状または凹形状を設けた肉盗み支え駒を合わせて、肉盗み駒を支えて射出成形することにより、確実に突出金型へはり付かせることでひけの少ない安定した成形品の連続成形が可能になる。
【0053】
また、この発明に係る遠心ファンの製造方法は、ねじれた羽根形状において、ゲート金型側または突出金型側の中空部アンダーカット形状を形成させる為に、肉盗み駒を傾斜させて設け、スライドが動きアンダーカット部である中空部肉盗み形状から完全に駒を抜き、その後に製品取り出し面が開き製品を取り出すことにより、確実に突出金型へはり付かせることでひけの少ない安定した成形品の連続成形が可能になる。
【0054】
また、この発明に係る遠心ファンの製造方法は、肉盗み駒の傾斜に沿って、型開きを利用して動くスライドカム方式によりスライドさせて、アンダーカット形状を抜くことにより、確実に突出金型へはり付かせることでひけの少ない安定した成形品の連続成形が可能になる。
【0055】
また、この発明に係る遠心ファンの製造方法は、肉盗み駒の傾斜に沿って、型開きに関係無しに単独で動かせる油圧シリンダー方式によりスライドさせて、アンダーカット形状を抜くことにより、確実に突出金型へはり付かせることでひけの少ない安定した成形品の連続成形が可能になる。
【0056】
また、この発明に係る遠心ファンの製造方法は、ねじれた羽根形状外周の型が開いた際、アンダーカットで抜けない羽根形状を形成させる為、羽根の内、外面を外側にスライドさせる駒により形成させ、スライドは肉盗み形状駒が完全に抜けた後作動することにより、確実に突出金型へはり付かせることでひけの少ない安定した成形品の連続成形が可能になる。
【0057】
この発明に係る遠心ファンは、遠心ファン本体とねじれた羽根形状とが一体成形される遠心ファンにおいて、ねじれた羽根形状は、羽根形状高さ方向に全貫通の中空部を設けたことにより、薄肉化、軽量化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1を示す図で、遠心ファンの完成図と外スライドコアと傾斜スライドの作動方向を示した図である。
【図2】実施の形態1を示す図で、遠心ファンの中空羽根形状金型構造断面図と動作図である。
【図3】実施の形態2を示す図で、遠心ファンの中空羽根形状金型構造断面図と動作図である。
【図4】実施の形態3を示す図で、ねじれた羽根形状の遠心ファンの完成図と外スライドコアの作動方向を示した図である。
【図5】実施の形態3を示す図で、ねじれた羽根形状の遠心ファンの中空羽根形状金型構造断面図と動作図である。
【図6】従来の遠心ファンの完成図と外スライドコアの作動方向を示した図である。
【図7】従来の遠心ファンの中空羽根形状金型構造断面図と動作図である。
【図8】従来の金型の基本動作図である。
【符号の説明】
1 吸い込み口、2 遠心ファン本体、4a〜4d 羽根形状、5a〜5d 肉盗み駒、6 肉盗み支え駒、7a〜7d 外スライドコア、8 傾斜スライド、9 ピンゲート、10 ゲート金型、11 突出金型、12 ランナーストリッパプレート、13 ゲート側取付板、15 突出プレート、17 突出バー、18 突出ピン、19 ランナーロックピン。

Claims (16)

  1. ゲート金型と突出金型とを有する射出成形金型に肉盗み駒を設けて中空羽根を成形する遠心ファンの射出成形金型において、
    前記突出金型の中空羽根外周成形面に、型開き時に前記中空羽根が前記突出金型に残るような逆勾配を設けたことを特徴とする遠心ファンの射出成形金型。
  2. 前記突出金型の中空羽根外周外側の成形面に逆勾配を付けるために外スライドコアを設けると共に、前記突出金型の中空羽根外周内側の成形面に逆勾配を付けるために傾斜スライドを設けたことを特徴とする請求項1に記載の遠心ファンの射出成形金型。
  3. 前記突出金型中空羽根成形面と前記傾斜スライド中空羽根成形面を滑らかに連続的につながるように傾斜面を設けたことを特徴とする請求項2に記載の遠心ファンの射出成形金型。
  4. ゲート金型と突出金型とを有する射出成形金型に肉盗み駒を設けて中空羽根を成形する遠心ファンの製造方法において、
    前記突出金型の中空羽根外周成形面に、型開き時に前記中空羽根が前記突出金型に残るような逆勾配を設け、前記中空羽根を射出成形することを特徴とする遠心ファンの製造方法。
  5. 前記射出成形金型は、前記突出金型の中空羽根外周外側の成形面に逆勾配を付けるための外スライドコアを有すると共に、前記突出金型の中空羽根外周内側の成形面に逆勾配を付けるための傾斜スライドを有し、
    前記射出成形金型に樹脂を注入して前記中空羽根を成形し、
    前記中空羽根の成形完了後に、前記ゲート金型と前記突出金型の間の面を開き、
    前記外スライドコアを前記中空羽根外周外側面から離し、
    前記中空羽根を前記突出金型から離型する際に、前記傾斜スライドが作動して前記中空羽根外周内側面から離れることを特徴とする請求項4に記載の遠心ファンの製造方法。
  6. ゲート金型と突出金型とを有する射出成形金型に肉盗み駒を設けて中空羽根を成形する遠心ファンの射出成形金型において、
    前記肉盗み駒は、前記ゲート金型に進退自在に設けられていることを特徴とする遠心ファンの射出成形金型。
  7. ゲート金型と突出金型とを有する射出成形金型に肉盗み駒を設けて中空羽根を成形する遠心ファンの製造方法において、
    前記ゲート金型に進退自在に設けられた前記肉盗み駒のみを後退作動させて、前記中空羽根の中空部から高さ方向で所定長さ抜き、その後金型成形品取り出し面を開くことを特徴とする遠心ファンの製造方法。
  8. 前記ゲート金型に進退自在に設けられた前記肉盗み駒のみを後退作動させて、前記中空羽根の中空部から高さ方向で約1/3抜き、その後金型成形品取り出し面を開くことを特徴とする請求項7に記載の遠心ファンの製造方法。
  9. 遠心ファン本体とねじれた羽根形状とが一体成形される遠心ファンの射出成形金型において、
    前記ねじれた羽根形状にゲート金型側または突出金型側に肉盗み駒を斜め方向から設けて、その肉盗み駒を支える為に肉盗み駒先端に凹形状または凸形状を設け、それにその相手側の突出金型側またはゲート金型側羽根の先端から飛出た、先端に駒支え用の凸形状または凹形状を設けた肉盗み支え駒を合わせて、前記肉盗み駒を支えた構造としたことを特徴とする遠心ファンの射出成形金型。
  10. 前記傾斜した肉盗み駒の高さは羽根形状高さの約1/2〜1として、抜き勾配は0.1°以上設け、支え駒高さは羽根形状高さの約0〜1/2設けたことを特徴とする請求項9に記載の遠心ファンの射出成形金型。
  11. 遠心ファン本体とねじれた羽根形状とが一体成形される遠心ファンの製造方法において、
    前記ねじれた羽根形状にゲート金型側または突出金型側に肉盗み駒を斜め方向から設けて、その肉盗み駒を支える為に肉盗み駒先端に凹形状または凸形状を設け、それにその相手側の突出金型側またはゲート金型側羽根の先端から飛出た、先端に駒支え用の凸形状または凹形状を設けた肉盗み支え駒を合わせて、前記肉盗み駒を支えて射出成形することを特徴とする遠心ファンの製造方法。
  12. 前記ねじれた羽根形状において、ゲート金型側または突出金型側の中空部アンダーカット形状を形成させる為に、肉盗み駒を傾斜させて設け、スライドが動きアンダーカット部である中空部肉盗み形状から完全に駒を抜き、その後に製品取り出し面が開き製品を取り出すことを特徴とする請求項11に記載の遠心ファンの製造方法。
  13. 前記肉盗み駒の傾斜に沿って、型開きを利用して動くスライドカム方式によりスライドさせて、アンダーカット形状を抜くことを特徴とする請求項12に記載の遠心ファンの製造方法。
  14. 前記肉盗み駒の傾斜に沿って、型開きに関係無しに単独で動かせる油圧シリンダー方式によりスライドさせて、アンダーカット形状を抜くことを特徴とする請求項12に記載の遠心ファンの製造方法。
  15. 前記ねじれた羽根形状外周の型が開いた際、アンダーカットで抜けない羽根形状を形成させる為、羽根の内、外面を外側にスライドさせる駒により形成させ、スライドは肉盗み形状駒が完全に抜けた後作動することを特徴とする請求項11に記載の遠心ファンの製造方法。
  16. 遠心ファン本体とねじれた羽根形状とが一体成形される遠心ファンにおいて、
    前記ねじれた羽根形状は、羽根形状高さ方向に全貫通の中空部を設けたことを特徴とする遠心ファン。
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