JP2004031211A - 有機電界発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光効率が大幅に改善された低消費電力の有機電界発光素子を提供することを目的とする。
【解決手段】基板1と、一対の電極2、6と、一対の電極2、6の間に設けられた蛍光性発光材料を含有する発光帯4とを少なくとも有する有機電界発光素子であって、発光帯4に接して、燐光性発光材料からなる層7または燐光性発光材料を含有する層を設ける。これにより、発光効率が大幅に改善された低消費電力の有機電界発光素子が提供される。
【選択図】 図1
【解決手段】基板1と、一対の電極2、6と、一対の電極2、6の間に設けられた蛍光性発光材料を含有する発光帯4とを少なくとも有する有機電界発光素子であって、発光帯4に接して、燐光性発光材料からなる層7または燐光性発光材料を含有する層を設ける。これにより、発光効率が大幅に改善された低消費電力の有機電界発光素子が提供される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイ等の各種の表示装置または照明等の各種光源として広範囲に利用される発光素子であって、特に低い駆動電圧、高輝度、安定性に優れた有機電界発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電界発光素子は、自己発光のために液晶素子にくらべて明るく、鮮明な表示が可能であるため、旧来多くの研究者によって研究されてきた。特に、発光材に有機材料を用いた電界発光素子である有機電界発光素子は、従来、実用的なレベルからはほど遠いものであったが、アプライド・フィジックス・レターズ、51巻,913頁,1987年(Applied Physics Letters,Vol.51,P.913,1987) で開示されているように、コダック社のC.W.Tangらによって開発された積層構造素子により、その特性が飛躍的に進歩した。彼らは、蒸着膜の構造が安定であって電子を輸送することのできる蛍光体と、正孔を輸送することのできる有機物を積層し、両方のキャリヤーを蛍光体中に注入して発光させることに成功した。これによって、有機電界発光素子の発光効率が向上し、10V以下の電圧で1000cd/m2 以上の発光が得られるようになった。
【0003】
さらに、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス、65巻,3610頁,1989年( J.Appl.Phys.,Vol.65,P.3610,1989 )で開示されているように、1989年には同じくコダック社のC.W.Tangらによりゲストホストシステムによる発光層が提案され、素子の発光効率の向上および多様な発光材料の使用が可能となった。その後、多くの研究者により活発な研究開発がなされ、有機電界発光素子に用いられる発光材料や電荷輸送材料の開発、および素子構造の改良がなされてきた。その結果、現在では低輝度で1万時間程度の輝度半減時間を有する素子も発表されるようになり、カーステレオや携帯電話などの小型表示装置として一部商品化され始めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、テレビなどに用いる大型ディスプレイや照明等の電子デバイスとして広く有機電界発光素子を用いるには、発光効率、駆動寿命とも未だ不充分であり、効率、寿命を大幅に向上させることが実用化において大きな課題となっている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであり、発光効率が大幅に改善された低消費電力の有機電界発光素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機電界発光素子は、基板と一対の電極と前記一対の電極の間に設けた蛍光性発光材料を含有する発光帯とを少なくとも有する有機電界発光素子であって、前記発光帯に接して、燐光性発光材料からなる層または燐光性発光材料を含有する層を設けたものである。このような構成により、発光効率が大幅に改善された低消費電力の有機電界発光素子が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図である。有機電界発光素子11は、ガラス基板1上に、透明電極2としてITO電極を予め形成したものの上に、正孔を輸送する正孔輸送帯3、発光現象が起こる発光帯4、燐光性発光材料からなる燐光発光層7、電子を輸送する電子輸送帯5、陰極6の順に蒸着して作製した構成を有する。
【0008】
ガラス基板1は、他にプラスチック基板やフィルム基板を用いることも可能である。また、透明電極2は、他に金属膜の半透明電極を用いることも可能である。
【0009】
正孔輸送帯3は、正孔輸送材料として(化1)で示すN,N’−ビス[4’−(N,N’−ジフェニルアミノ)−4−ビフェニリル]−N,N’−ジフェニルベンジジン(以下TPTという。)が用いられる。また、電子輸送帯5は、電子輸送材料として(化2)で示すトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下Alqという。)が用いられる。また、発光帯4は、蛍光性発光材料として(化3)で示すスチリル化合物(以下STという。)が用いられ、燐光性発光層7は、燐光性発光材料として(化4)で示すIr(ppy)3が用いられる。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0010】
発光帯4に用いる蛍光性発光材料としては、通常の有機電界発光素子で用いられるものでよく、各種の蛍光性有機化合物から選ぶことができるものであり、特に有用な発光材料としては各種の蛍光性金属錯体化合物、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、メロシアニン誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、スチリル誘導体、フラボン誘導体、キノリン誘導体、アクリジン誘導体、縮合多環化合物、トリフェニルアミン誘導体などが挙げられる。また、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレノンなどの蛍光性高分子化合物なども用いることができる。
【0011】
また、N,N’−ジメチルキナクリドン、N,N’−ジフェニルキナクリドンなどのキナクリドン誘導体や3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)などのクマリン誘導体、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−アミノスチリル)−4H−ピラン、ルブレン、ジフェニルテトラセン、ペリレンなどの各種蛍光材料を発光層にドーパントとして添加することによりさらに、高効率、高輝度、高信頼性の有機電界発光素子を作製することができる。
【0012】
燐光性発光層7として用いる燐光性発光材料としては、通常の有機電界発光素子で用いられるものでよく、各種の燐光性有機化合物から選ぶことができる。特に有用な材料としては、中心金属にPtやIrなどの重原子金属を有する金属錯体化合物がよく、このような材料を用いることにより、励起子をさらに効率良く発光させることができ、素子の発光効率を大幅に改善することができる。
【0013】
有機電界発光素子11を以上のように構成することにより、陰極6および透明電極2から注入された電子と正孔が再結合して生成された励起子を、効率良く発光させることができるため、有機電界発光素子11の発光効率を大幅に改善することができる。
【0014】
(実施の形態2)
図2は本発明の第2の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図である。本実施の形態2における有機電界発光素子11Aは、ガラス基板1上に、透明電極2としてITO電極を予め形成したものの上に、正孔を輸送する正孔輸送帯3、燐光性発光材料からなる燐光性発光層7、発光現象が起こる発光帯4、電子を輸送する電子輸送帯5、陰極6の順に蒸着した構成を有する。各部を構成する材料は、上記実施の形態1と同様である。このように、正孔輸送帯3と発光帯4の間に燐光性発光層7を設けることにより、陰極6および透明電極2から注入された電子と正孔が再結合して生成された励起子を、効率良く発光させることができ、有機電界発光素子11Aの発光効率を大幅に改善することができる。
【0015】
(実施の形態3)
図3は本発明の第3の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図である。本実施の形態3における有機電界発光素子11Bは、ガラス基板1上に、透明電極2としてITO電極を予め形成したものの上に、正孔を輸送する正孔輸送帯3、発光現象が起こる発光帯4、燐光性発光材料と電子輸送材料からなる燐光性電子輸送性発光層8、電子を輸送する電子輸送帯5、陰極6の順に蒸着した構成を有する。各部を構成する材料は、上記実施の形態1と同様である。このように、発光帯4と電子輸送帯5の間に燐光性電子輸送性発光層8を設けることにより、陰極6および透明電極2から注入された電子と正孔が再結合して生成された励起子を、効率良く発光させることができ、有機電界発光素子11Bの発光効率を大幅に改善することができる。
【0016】
(実施の形態4)
図4は本発明の第4の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図である。本実施の形態4における有機電界発光素子11Cは、ガラス基板1上に、透明電極2としてITO電極を予め形成したものの上に、正孔を輸送する正孔輸送帯3、燐光性発光材料と正孔輸送材料からなる燐光性正孔輸送性発光層9、発光現象が起こる発光帯4、電子を輸送する電子輸送帯5、陰極6の順に蒸着した構成を有する。各部を構成する材料は、上記実施の形態1と同様である。このように、正孔輸送帯3と発光帯4の間に燐光性正孔輸送性発光層9を設けることにより、陰極6および透明電極2から注入された電子と正孔が再結合して生成された励起子を、効率良く発光させることができ、有機電界発光素子11Cの発光効率を大幅に改善することができる。
【0017】
(実施の形態5)
図5は本発明の第5の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図である。本実施の形態5における有機電界発光素子11Dは、ガラス基板1上に、透明電極2としてITO電極を予め形成したものの上に、正孔を輸送する正孔輸送帯3、燐光性発光材料と蛍光性発光材料からなる燐光性蛍光性発光層10、発光現象が起こる発光帯4、燐光性発光材料と蛍光性発光材料からなる燐光性蛍光性層10、電子を輸送する電子輸送帯5、陰極6の順に蒸着した構成を有する。各部を構成する材料は、上記実施の形態1と同様である。このように、発光帯4の両面に接して燐光性蛍光性発光層10を設けることにより、陰極6および透明電極2から注入された電子と正孔が再結合して生成された励起子を、効率良く発光させることができ、有機電界発光素子11Dの発光効率を大幅に改善することができる。
【0018】
なお、上記各実施の形態における有機電界発光素子の構成として、陽極、正孔輸送帯、発光帯、電子輸送帯、陰極の順に積層したものを代表的に示したが、本発明はこの構成に限定されるものではもちろんない。また、通常は基板上に陽極から陰極の順に積層するが、これとは逆に基板上に陰極から陽極の順に積層してもよい。
【0019】
また、上記各実施の形態における有機電界発光素子は、発光帯4の材料として蛍光性発光材料と電荷輸送輸送材料とを混合したものを用いることができる。これにより、励起子をさらに効率良く発光させることができ、素子の発光効率を大幅に改善することができる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
まず、実施の形態1に対応する実施例1について説明する。予めITO電極を蒸着して透明電極2とした十分に洗浄したガラス基板1、TPT、ST、Irppy3、Alq、アルミニウムおよびリチウムを蒸着装置にセットした。次いで、2×10−4Paまで排気した後、0.1nm/秒の速度でセットしたTPTを蒸着し正孔輸送帯3を50nm形成した。次に、発光材料のSTを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの発光帯4を形成した後、燐光性発光材料のIrppy3を0.1nm/秒の速度で、膜厚5nm蒸着して燐光性発光層7を形成した。次に、Alqを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの電子輸送帯5を形成した後、アルミニウムとリチウムをそれぞれ別の蒸着源より蒸着し、アルミニウムとリチウムの共蒸着層を150nm形成して陰極6とした。なお、膜厚は水晶振動子によってモニターし、発光領域は3mm×3mmとした。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、引続き発光特性の測定を行った。ここで、得られた素子の発光効率は、発光輝度100cd/m2の場合の値で定義した。その結果、発光効率は10cd/Aとなった。
【0021】
比較として燐光性発光材料からなる層を設けない素子を作製して同様の測定を行ったところ発光効率、駆動寿命は3cd/Aであった。これにより、本実施例1の有機電界発光素子は、発光効率が優れていることが確認された。
【0022】
(実施例2)
次に、実施の形態2に対応する実施例2について説明する。予めITO電極を蒸着して透明電極2とした十分に洗浄したガラス基板1、TPT、Irppy3、ST、Alq、アルミニウムおよびリチウムを蒸着装置にセットした。次いで、2×10−4Paまで排気した後、0.1nm/秒の速度でセットしたTPTを蒸着し正孔輸送帯3を50nm形成した。次に、燐光性発光材料のIrppy3を0.1nm/秒の速度で、膜厚5nm蒸着して燐光性発光層7を形成した後、発光材料のSTを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの発光帯4を形成した。次に、Alqを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの電子輸送帯5を形成した後、アルミニウムとリチウムをそれぞれ別の蒸着源より蒸着し、アルミニウムとリチウムの共蒸着層を150nm形成して陰極6とした。なお、膜厚は水晶振動子によってモニターし、発光領域は3mm×3mmとした。
素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、引続き発光特性の測定を行った。ここで、得られた素子の発光効率は、発光輝度100cd/m2の場合の値で定義した。その結果、素子の発光効率は15cd/Aとなり、本実施例2の有機電界発光素子は、発光効率が優れていることが確認された。
【0023】
(実施例3)
次に、実施の形態3に対応する実施例3について説明する。予めITO電極を蒸着して透明電極2とした十分に洗浄したガラス基板1、TPT、ST、Irppy3とAlq、Alq、アルミニウムおよびリチウムを蒸着装置にセットした。次いで、2×10−4Paまで排気した後、0.1nm/秒の速度でセットしたTPTを蒸着し正孔輸送帯3を50nm形成した。次に、発光材料のSTを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの発光帯4を形成した後、燐光性発光材料のIrppy3と電子輸送材料のAlqとをそれぞれ別の蒸着源より膜厚5nmに共蒸着して燐光性電子輸送性発光層8を形成した。次に、Alqを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの電子輸送帯5を形成した後、アルミニウムとリチウムをそれぞれ別の蒸着源より蒸着し、アルミニウムとリチウムの共蒸着層を150nm形成して陰極6とした。なお、膜厚は水晶振動子によってモニターし、発光領域は3mm×3mmとした。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、引続き発光特性の測定を行った。ここで、得られた素子の発光効率は、発光輝度100cd/m2の場合の値で定義した。その結果、素子の発光効率は17cd/Aとなり、本実施例3の有機電界発光素子は、発光効率が優れていることが確認された。
【0024】
(実施例4)
次に、実施の形態4に対応する実施例4について説明する。予めITO電極を蒸着して透明電極2とした十分に洗浄したガラス基板1、TPT、TPTとIrppy3、ST、Alq、アルミニウムおよびリチウムを蒸着装置にセットした。次いで、2×10−4Paまで排気した後、0.1nm/秒の速度でセットしたTPTを蒸着し正孔輸送帯3を50nm形成した。次に、正孔輸送材料のTPTと燐光性発光材料のIrppy3とをそれぞれ別の蒸着源より膜厚5nmに共蒸着して燐光性正孔輸送性発光層9を形成した後、発光材料のSTを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの発光帯4を形成した。次に、Alqを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの電子輸送帯5を形成した後、アルミニウムとリチウムをそれぞれ別の蒸着源より蒸着し、アルミニウムとリチウムの共蒸着層を150nm形成して陰極6とした。なお、膜厚は水晶振動子によってモニターし、発光領域は3mm×3mmとした。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、引続き発光特性の測定を行った。ここで、得られた素子の発光効率は、発光輝度100cd/m2の場合の値で定義した。その結果、素子の発光効率は16cd/Aとなり、本実施例4の有機電界発光素子は、発光効率が優れていることが確認された。
【0025】
(実施例5)
次に、実施の形態5に対応する実施例5について説明する。予めITO電極を蒸着して透明電極2とした十分に洗浄したガラス基板1、TPT、ST、Irppy3とST、Alq、アルミニウムおよびリチウムを蒸着装置にセットした。
次いで、2×10−4Paまで排気した後、0.1nm/秒の速度でセットしたTPTを蒸着し正孔輸送帯3を50nm形成した。次に、燐光性発光材料のIrppy3と蛍光材料のSTとをそれぞれ別の蒸着源より膜厚5nmに共蒸着して燐光性蛍光性発光層10を形成した。次に、発光材料のSTを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの発光帯4を形成した後、燐光性発光材料のIrppy3と蛍光材料のSTとをそれぞれ別の蒸着源より膜厚5nmに共蒸着して燐光性蛍光性発光層10を形成した。次に、Alqを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの電子輸送帯5を形成した後、アルミニウムとリチウムをそれぞれ別の蒸着源より蒸着し、アルミニウムとリチウムの共蒸着層を150nm形成して陰極6とした。なお、膜厚は水晶振動子によってモニターし、発光領域は3mm×3mmとした。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、引続き発光特性の測定を行った。ここで、得られた素子の発光効率は、発光輝度100cd/m2の場合の値で定義した。その結果、素子の発光効率は20cd/Aとなり、本実施例5の有機電界発光素子は、発光効率が優れていることが確認された。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の有機電界発光素子は、基板と一対の電極と一対の電極の間に設けた蛍光性発光材料を含有する発光帯とを少なくとも有する有機電界発光素子であって、発光帯に接して、燐光性発光材料からなる層または燐光性発光材料を含有する層を設けたので、発光効率が高く消費電力の小さい、優れた電界発光素子が得られるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図
【図2】本発明の第2の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図
【図3】本発明の第3の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図
【図4】本発明の第4の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図
【図5】本発明の第5の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 透明電極
3 正孔輸送帯
4 発光帯
5 電子輸送帯
6 陰極
7 燐光性発光材料からなる燐光性発光層
8 燐光性発光材料と電子輸送材料を含有する燐光性電子輸送性発光層
9 燐光性発光材料と正孔輸送材料を含有する燐光性正孔輸送性発光層
10 燐光性発光材料と蛍光性発光材料を含有する燐光性蛍光性発光層
11、11A、11B、11C、11D 有機電界発光素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイ等の各種の表示装置または照明等の各種光源として広範囲に利用される発光素子であって、特に低い駆動電圧、高輝度、安定性に優れた有機電界発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電界発光素子は、自己発光のために液晶素子にくらべて明るく、鮮明な表示が可能であるため、旧来多くの研究者によって研究されてきた。特に、発光材に有機材料を用いた電界発光素子である有機電界発光素子は、従来、実用的なレベルからはほど遠いものであったが、アプライド・フィジックス・レターズ、51巻,913頁,1987年(Applied Physics Letters,Vol.51,P.913,1987) で開示されているように、コダック社のC.W.Tangらによって開発された積層構造素子により、その特性が飛躍的に進歩した。彼らは、蒸着膜の構造が安定であって電子を輸送することのできる蛍光体と、正孔を輸送することのできる有機物を積層し、両方のキャリヤーを蛍光体中に注入して発光させることに成功した。これによって、有機電界発光素子の発光効率が向上し、10V以下の電圧で1000cd/m2 以上の発光が得られるようになった。
【0003】
さらに、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス、65巻,3610頁,1989年( J.Appl.Phys.,Vol.65,P.3610,1989 )で開示されているように、1989年には同じくコダック社のC.W.Tangらによりゲストホストシステムによる発光層が提案され、素子の発光効率の向上および多様な発光材料の使用が可能となった。その後、多くの研究者により活発な研究開発がなされ、有機電界発光素子に用いられる発光材料や電荷輸送材料の開発、および素子構造の改良がなされてきた。その結果、現在では低輝度で1万時間程度の輝度半減時間を有する素子も発表されるようになり、カーステレオや携帯電話などの小型表示装置として一部商品化され始めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、テレビなどに用いる大型ディスプレイや照明等の電子デバイスとして広く有機電界発光素子を用いるには、発光効率、駆動寿命とも未だ不充分であり、効率、寿命を大幅に向上させることが実用化において大きな課題となっている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであり、発光効率が大幅に改善された低消費電力の有機電界発光素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機電界発光素子は、基板と一対の電極と前記一対の電極の間に設けた蛍光性発光材料を含有する発光帯とを少なくとも有する有機電界発光素子であって、前記発光帯に接して、燐光性発光材料からなる層または燐光性発光材料を含有する層を設けたものである。このような構成により、発光効率が大幅に改善された低消費電力の有機電界発光素子が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図である。有機電界発光素子11は、ガラス基板1上に、透明電極2としてITO電極を予め形成したものの上に、正孔を輸送する正孔輸送帯3、発光現象が起こる発光帯4、燐光性発光材料からなる燐光発光層7、電子を輸送する電子輸送帯5、陰極6の順に蒸着して作製した構成を有する。
【0008】
ガラス基板1は、他にプラスチック基板やフィルム基板を用いることも可能である。また、透明電極2は、他に金属膜の半透明電極を用いることも可能である。
【0009】
正孔輸送帯3は、正孔輸送材料として(化1)で示すN,N’−ビス[4’−(N,N’−ジフェニルアミノ)−4−ビフェニリル]−N,N’−ジフェニルベンジジン(以下TPTという。)が用いられる。また、電子輸送帯5は、電子輸送材料として(化2)で示すトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下Alqという。)が用いられる。また、発光帯4は、蛍光性発光材料として(化3)で示すスチリル化合物(以下STという。)が用いられ、燐光性発光層7は、燐光性発光材料として(化4)で示すIr(ppy)3が用いられる。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0010】
発光帯4に用いる蛍光性発光材料としては、通常の有機電界発光素子で用いられるものでよく、各種の蛍光性有機化合物から選ぶことができるものであり、特に有用な発光材料としては各種の蛍光性金属錯体化合物、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、メロシアニン誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、スチリル誘導体、フラボン誘導体、キノリン誘導体、アクリジン誘導体、縮合多環化合物、トリフェニルアミン誘導体などが挙げられる。また、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレノンなどの蛍光性高分子化合物なども用いることができる。
【0011】
また、N,N’−ジメチルキナクリドン、N,N’−ジフェニルキナクリドンなどのキナクリドン誘導体や3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)などのクマリン誘導体、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−アミノスチリル)−4H−ピラン、ルブレン、ジフェニルテトラセン、ペリレンなどの各種蛍光材料を発光層にドーパントとして添加することによりさらに、高効率、高輝度、高信頼性の有機電界発光素子を作製することができる。
【0012】
燐光性発光層7として用いる燐光性発光材料としては、通常の有機電界発光素子で用いられるものでよく、各種の燐光性有機化合物から選ぶことができる。特に有用な材料としては、中心金属にPtやIrなどの重原子金属を有する金属錯体化合物がよく、このような材料を用いることにより、励起子をさらに効率良く発光させることができ、素子の発光効率を大幅に改善することができる。
【0013】
有機電界発光素子11を以上のように構成することにより、陰極6および透明電極2から注入された電子と正孔が再結合して生成された励起子を、効率良く発光させることができるため、有機電界発光素子11の発光効率を大幅に改善することができる。
【0014】
(実施の形態2)
図2は本発明の第2の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図である。本実施の形態2における有機電界発光素子11Aは、ガラス基板1上に、透明電極2としてITO電極を予め形成したものの上に、正孔を輸送する正孔輸送帯3、燐光性発光材料からなる燐光性発光層7、発光現象が起こる発光帯4、電子を輸送する電子輸送帯5、陰極6の順に蒸着した構成を有する。各部を構成する材料は、上記実施の形態1と同様である。このように、正孔輸送帯3と発光帯4の間に燐光性発光層7を設けることにより、陰極6および透明電極2から注入された電子と正孔が再結合して生成された励起子を、効率良く発光させることができ、有機電界発光素子11Aの発光効率を大幅に改善することができる。
【0015】
(実施の形態3)
図3は本発明の第3の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図である。本実施の形態3における有機電界発光素子11Bは、ガラス基板1上に、透明電極2としてITO電極を予め形成したものの上に、正孔を輸送する正孔輸送帯3、発光現象が起こる発光帯4、燐光性発光材料と電子輸送材料からなる燐光性電子輸送性発光層8、電子を輸送する電子輸送帯5、陰極6の順に蒸着した構成を有する。各部を構成する材料は、上記実施の形態1と同様である。このように、発光帯4と電子輸送帯5の間に燐光性電子輸送性発光層8を設けることにより、陰極6および透明電極2から注入された電子と正孔が再結合して生成された励起子を、効率良く発光させることができ、有機電界発光素子11Bの発光効率を大幅に改善することができる。
【0016】
(実施の形態4)
図4は本発明の第4の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図である。本実施の形態4における有機電界発光素子11Cは、ガラス基板1上に、透明電極2としてITO電極を予め形成したものの上に、正孔を輸送する正孔輸送帯3、燐光性発光材料と正孔輸送材料からなる燐光性正孔輸送性発光層9、発光現象が起こる発光帯4、電子を輸送する電子輸送帯5、陰極6の順に蒸着した構成を有する。各部を構成する材料は、上記実施の形態1と同様である。このように、正孔輸送帯3と発光帯4の間に燐光性正孔輸送性発光層9を設けることにより、陰極6および透明電極2から注入された電子と正孔が再結合して生成された励起子を、効率良く発光させることができ、有機電界発光素子11Cの発光効率を大幅に改善することができる。
【0017】
(実施の形態5)
図5は本発明の第5の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図である。本実施の形態5における有機電界発光素子11Dは、ガラス基板1上に、透明電極2としてITO電極を予め形成したものの上に、正孔を輸送する正孔輸送帯3、燐光性発光材料と蛍光性発光材料からなる燐光性蛍光性発光層10、発光現象が起こる発光帯4、燐光性発光材料と蛍光性発光材料からなる燐光性蛍光性層10、電子を輸送する電子輸送帯5、陰極6の順に蒸着した構成を有する。各部を構成する材料は、上記実施の形態1と同様である。このように、発光帯4の両面に接して燐光性蛍光性発光層10を設けることにより、陰極6および透明電極2から注入された電子と正孔が再結合して生成された励起子を、効率良く発光させることができ、有機電界発光素子11Dの発光効率を大幅に改善することができる。
【0018】
なお、上記各実施の形態における有機電界発光素子の構成として、陽極、正孔輸送帯、発光帯、電子輸送帯、陰極の順に積層したものを代表的に示したが、本発明はこの構成に限定されるものではもちろんない。また、通常は基板上に陽極から陰極の順に積層するが、これとは逆に基板上に陰極から陽極の順に積層してもよい。
【0019】
また、上記各実施の形態における有機電界発光素子は、発光帯4の材料として蛍光性発光材料と電荷輸送輸送材料とを混合したものを用いることができる。これにより、励起子をさらに効率良く発光させることができ、素子の発光効率を大幅に改善することができる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
まず、実施の形態1に対応する実施例1について説明する。予めITO電極を蒸着して透明電極2とした十分に洗浄したガラス基板1、TPT、ST、Irppy3、Alq、アルミニウムおよびリチウムを蒸着装置にセットした。次いで、2×10−4Paまで排気した後、0.1nm/秒の速度でセットしたTPTを蒸着し正孔輸送帯3を50nm形成した。次に、発光材料のSTを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの発光帯4を形成した後、燐光性発光材料のIrppy3を0.1nm/秒の速度で、膜厚5nm蒸着して燐光性発光層7を形成した。次に、Alqを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの電子輸送帯5を形成した後、アルミニウムとリチウムをそれぞれ別の蒸着源より蒸着し、アルミニウムとリチウムの共蒸着層を150nm形成して陰極6とした。なお、膜厚は水晶振動子によってモニターし、発光領域は3mm×3mmとした。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、引続き発光特性の測定を行った。ここで、得られた素子の発光効率は、発光輝度100cd/m2の場合の値で定義した。その結果、発光効率は10cd/Aとなった。
【0021】
比較として燐光性発光材料からなる層を設けない素子を作製して同様の測定を行ったところ発光効率、駆動寿命は3cd/Aであった。これにより、本実施例1の有機電界発光素子は、発光効率が優れていることが確認された。
【0022】
(実施例2)
次に、実施の形態2に対応する実施例2について説明する。予めITO電極を蒸着して透明電極2とした十分に洗浄したガラス基板1、TPT、Irppy3、ST、Alq、アルミニウムおよびリチウムを蒸着装置にセットした。次いで、2×10−4Paまで排気した後、0.1nm/秒の速度でセットしたTPTを蒸着し正孔輸送帯3を50nm形成した。次に、燐光性発光材料のIrppy3を0.1nm/秒の速度で、膜厚5nm蒸着して燐光性発光層7を形成した後、発光材料のSTを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの発光帯4を形成した。次に、Alqを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの電子輸送帯5を形成した後、アルミニウムとリチウムをそれぞれ別の蒸着源より蒸着し、アルミニウムとリチウムの共蒸着層を150nm形成して陰極6とした。なお、膜厚は水晶振動子によってモニターし、発光領域は3mm×3mmとした。
素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、引続き発光特性の測定を行った。ここで、得られた素子の発光効率は、発光輝度100cd/m2の場合の値で定義した。その結果、素子の発光効率は15cd/Aとなり、本実施例2の有機電界発光素子は、発光効率が優れていることが確認された。
【0023】
(実施例3)
次に、実施の形態3に対応する実施例3について説明する。予めITO電極を蒸着して透明電極2とした十分に洗浄したガラス基板1、TPT、ST、Irppy3とAlq、Alq、アルミニウムおよびリチウムを蒸着装置にセットした。次いで、2×10−4Paまで排気した後、0.1nm/秒の速度でセットしたTPTを蒸着し正孔輸送帯3を50nm形成した。次に、発光材料のSTを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの発光帯4を形成した後、燐光性発光材料のIrppy3と電子輸送材料のAlqとをそれぞれ別の蒸着源より膜厚5nmに共蒸着して燐光性電子輸送性発光層8を形成した。次に、Alqを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの電子輸送帯5を形成した後、アルミニウムとリチウムをそれぞれ別の蒸着源より蒸着し、アルミニウムとリチウムの共蒸着層を150nm形成して陰極6とした。なお、膜厚は水晶振動子によってモニターし、発光領域は3mm×3mmとした。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、引続き発光特性の測定を行った。ここで、得られた素子の発光効率は、発光輝度100cd/m2の場合の値で定義した。その結果、素子の発光効率は17cd/Aとなり、本実施例3の有機電界発光素子は、発光効率が優れていることが確認された。
【0024】
(実施例4)
次に、実施の形態4に対応する実施例4について説明する。予めITO電極を蒸着して透明電極2とした十分に洗浄したガラス基板1、TPT、TPTとIrppy3、ST、Alq、アルミニウムおよびリチウムを蒸着装置にセットした。次いで、2×10−4Paまで排気した後、0.1nm/秒の速度でセットしたTPTを蒸着し正孔輸送帯3を50nm形成した。次に、正孔輸送材料のTPTと燐光性発光材料のIrppy3とをそれぞれ別の蒸着源より膜厚5nmに共蒸着して燐光性正孔輸送性発光層9を形成した後、発光材料のSTを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの発光帯4を形成した。次に、Alqを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの電子輸送帯5を形成した後、アルミニウムとリチウムをそれぞれ別の蒸着源より蒸着し、アルミニウムとリチウムの共蒸着層を150nm形成して陰極6とした。なお、膜厚は水晶振動子によってモニターし、発光領域は3mm×3mmとした。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、引続き発光特性の測定を行った。ここで、得られた素子の発光効率は、発光輝度100cd/m2の場合の値で定義した。その結果、素子の発光効率は16cd/Aとなり、本実施例4の有機電界発光素子は、発光効率が優れていることが確認された。
【0025】
(実施例5)
次に、実施の形態5に対応する実施例5について説明する。予めITO電極を蒸着して透明電極2とした十分に洗浄したガラス基板1、TPT、ST、Irppy3とST、Alq、アルミニウムおよびリチウムを蒸着装置にセットした。
次いで、2×10−4Paまで排気した後、0.1nm/秒の速度でセットしたTPTを蒸着し正孔輸送帯3を50nm形成した。次に、燐光性発光材料のIrppy3と蛍光材料のSTとをそれぞれ別の蒸着源より膜厚5nmに共蒸着して燐光性蛍光性発光層10を形成した。次に、発光材料のSTを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの発光帯4を形成した後、燐光性発光材料のIrppy3と蛍光材料のSTとをそれぞれ別の蒸着源より膜厚5nmに共蒸着して燐光性蛍光性発光層10を形成した。次に、Alqを0.1nm/秒の速度で蒸着し、膜厚25nmの電子輸送帯5を形成した後、アルミニウムとリチウムをそれぞれ別の蒸着源より蒸着し、アルミニウムとリチウムの共蒸着層を150nm形成して陰極6とした。なお、膜厚は水晶振動子によってモニターし、発光領域は3mm×3mmとした。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、引続き発光特性の測定を行った。ここで、得られた素子の発光効率は、発光輝度100cd/m2の場合の値で定義した。その結果、素子の発光効率は20cd/Aとなり、本実施例5の有機電界発光素子は、発光効率が優れていることが確認された。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の有機電界発光素子は、基板と一対の電極と一対の電極の間に設けた蛍光性発光材料を含有する発光帯とを少なくとも有する有機電界発光素子であって、発光帯に接して、燐光性発光材料からなる層または燐光性発光材料を含有する層を設けたので、発光効率が高く消費電力の小さい、優れた電界発光素子が得られるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図
【図2】本発明の第2の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図
【図3】本発明の第3の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図
【図4】本発明の第4の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図
【図5】本発明の第5の実施の形態における有機電界発光素子の構成を示す断面図
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 透明電極
3 正孔輸送帯
4 発光帯
5 電子輸送帯
6 陰極
7 燐光性発光材料からなる燐光性発光層
8 燐光性発光材料と電子輸送材料を含有する燐光性電子輸送性発光層
9 燐光性発光材料と正孔輸送材料を含有する燐光性正孔輸送性発光層
10 燐光性発光材料と蛍光性発光材料を含有する燐光性蛍光性発光層
11、11A、11B、11C、11D 有機電界発光素子
Claims (7)
- 基板と一対の電極と前記一対の電極の間に設けた蛍光性発光材料を含有する発光帯と電子輸送帯を少なくとも有する有機電界発光素子であって、前記発光帯と電子輸送帯の間に燐光性発光材料からなる層を設けたことを特徴とする有機電界発光素子。
- 基板と一対の電極と前記一対の電極の間に設けた蛍光性発光材料を含有する発光帯と正孔輸送帯を少なくとも有する有機電界発光素子であって、前記発光帯と正孔輸送帯の間に燐光性発光材料からなる層を設けたことを特徴とする有機電界発光素子。
- 基板と一対の電極と前記一対の電極の間に設けた蛍光性発光材料を含有する発光帯と電子輸送帯を少なくとも有する有機電界発光素子であって、前記発光帯と電子輸送帯の間に燐光性発光材料と電子輸送材料を含有する層を設けたことを特徴とする有機電界発光素子。
- 基板と一対の電極と前記一対の電極の間に設けた蛍光性発光材料を含有する発光帯と正孔輸送帯を少なくとも有する有機電界発光素子であって、前記発光帯と正孔輸送帯の間に燐光性発光材料と正孔輸送材料を含有する層を設けたことを特徴とする有機電界発光素子。
- 基板と一対の電極と前記一対の電極の間に設けた蛍光性発光材料を含有する発光帯を少なくとも有する有機電界発光素子であって、前記発光帯に接して前記蛍光性発光材料と燐光性発光材料とを含有する層を設けたことを特徴とする有機電界発光素子。
- 前記燐光性発光材料が金属錯体からなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の有機電界発光素子。
- 前記発光帯が蛍光性発光材料と電荷輸送輸送材料からなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の有機電界発光素子。
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