JP4313386B2 - 光情報記録媒体及びこの媒体に対する記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光情報記録媒体及びこの媒体に対する記録方法に関し、さらに詳しくは、光ビームを照射することにより記録層材料に光学的な変化を生じさせ、情報の記録、再生を行ない、かつ書換えが可能な相変化光情報記録媒体及びこの媒体に対する記録方法に関するものである。
レーザービームの照射による情報の記録、再生及び消去可能な光情報記録媒体の一つとして、結晶−非結晶相間又は結晶−結晶相間の転移を利用した、いわゆる相変化光情報記録媒体が知られている。このものは、単一ビームによるオーバーライトが可能であり、ドライブ側の光学系よりも単純であることを特徴とし、コンピュータ関連や映像、音響に関する記録媒体として応用されている。
その記録材料としては、GeTe、GeTeSe、GeTeS、GeSeS、GeSeSb、GeAsSe、InTe、SeTe、SeAs、Ge−Te−(Sn、Au、Pd)、GeTeSeSb、GeTeSb、Ag−In−Sb−Te等が用いられている。これらのうち、特に、Ag−In−Sb−Teは、高感度でアモルファス部分の輪郭が明確な特徴を有し、従来に比べ、C/N、消去比、感度、記録.消去繰り返し特性の飛躍的向上を達成できる光情報記録媒体として、特開平8−22644号公報にその組成が開示されている。
この記録層の構成元素は、主として、Ag、In、Sb、Teであり、それぞれの組成比α、β、γ、δ(原子%)が、下記の関係を有するものである。
0<α≦30
0<β≦30
10≦γ≦50
10≦δ≦80
α+β+γ+δ=100
特に、この材料系を用い、書き換え可能なコンパクトディスク(CD)に応用されるものとして、ディスクの回転線速度が1.2m/sから5.6m/sの領域で記録、消去を行う記録方法において、最適な光情報記録媒体として、その媒体の記録層の構成元素が主にAg、In、Te、Sbであり、それぞれの組成比α、β、γ、δ(原子%)が、下記式の関係を有する光情報記録媒体が、特開平9−263055号公報に開示されている。
1≦α<6
7≦β≦20
20≦γ≦35
35≦δ≦70
α+β+γ+δ=100
現在の光ディスクでは、4.7GB容量のDVD−ROMがすでに商品化され、これと同容量で互換性の高い光情報記録媒体として、DVD−RW等の高記録密度媒体が提案されている。DVD−ROMのディスク回転数は3.49m/sであるため、これと等速の光情報記録媒体に用いる記録材料は、特開平9−263055号公報に開示されている組成であっても対応可能である。しかしながら、DVD−ROMと同容量の高密度記録で、かつ2倍速以上(約7m/s以上)の記録線速に適合する記録媒体の実現は困難であるということが実験により判明した。
本発明は、DVD−ROMと同容量の書き換え型光情報記録媒体であって、高線速記録時において良好な記録特性を有し、かつ保存安定性に優れた光情報記録媒体を提供すると共に、この媒体に対する記録方法を提供することをその課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、記録層の組成、金属反射層の構成金属及び誘電体層に着目し、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明によれば、第1に、透明基板上に、第1誘電体層、相変化記録層、第2誘電体層及び金属反射層をその順にスパッタ製膜してなり、第1及び第2誘電体層の材料をZnSとSiO2との混合物とし、相変化記録層の材料の組成をAgaInbSbcTedとした光情報記録媒体であって、該組成AgaInbSbcTedに対し、該組成成分以外の元素Xeを添加すると共に、該金属反射層をAg又はAg合金とし、該第2誘電体層と該金属反射層との間に硫化物以外の材料からなる第3誘電体層を設けてなることを特徴とする光情報記録媒体〔ただし、a、b、c、dは、下記式(1)〜(4)の関係にあり、かつc/(c+d)をrとしたcdとき、下記式(5)の関係にあるものとする〕が提供される。
0<a≦0.01 (1)
0.03≦b≦0.10 (2)
0.40≦d≦0.70 (3)
a+b+c+d=1 (4)
0.60≦r≦0.85 (5)
この第1の発明には、該元素XeがGeである光情報記録媒体〔ただし、添加量eは、下記式(6)の関係にあるものとする〕が含まれる。
0.005≦e≦0.07 (6)
また、この第1の発明には、該第1誘電体層に対する該第2誘電体層の膜厚比(R1=第2誘電層膜厚/第1誘電体層膜厚)が、下記式(7)の関係にある光情報記録媒体が含まれる。
0.1≦R1≦0.5 (7)
さらに、この第1の発明には、該第3誘電体層の熱伝導率が、該第2誘電体層の熱伝導率より大きいものである光情報記録媒体が含まれる。
この第1の発明には、また、該第2誘電体層に対する該第3誘電体層の膜厚比(R2=第3誘電層膜厚/第2誘電体層膜厚)が、下記式(8)の関係にある光情報記録媒体が含まれる。
0.1≦R2≦0.5 (8)
この第1の発明には、さらに、該第3誘電体層の材料が、金属炭化物又は金属炭化物と金属酸化物もしくは金属窒化物との混合物である光情報記録媒体及び該金属炭化物の金属がSiであり、該金属酸化物もしくは金属窒化物の金属がSi、Ti又はAlである光情報記録媒体が含まれる。
本発明によれば、第2に、上記いずれかに記載の光情報記録媒体に光情報を記録するに当たって、レーザー光の発光波形を複数のオンパルスとこれに続くオフパルスからなる記録パルス列とし、内周から外周又は外周から内周へ記録半径位置に対応して連続的に記録周波数を変化させて記録する光情報記録媒体に対する記録方法であって、該複数のオンパルスの幅を全て同じ時定数で固定する部分とウィンドウ幅に定数を乗算する部分とを連続的に組み合わせることを特徴とする光情報記録媒体に対する記録方法が提供される。
この第2の発明には、光情報記録媒体への情報の記録は、記録層の結晶中にLDを照射することによって生ずるアモルファス部分を形成する記録マークの長さを変えることによって行い、該記録マークの長さは、該記録パルス列(n+1)の個数により制御するものであり(ただし、nは1〜13の整数である)、該各記録パルス列である2個のパルス列から14個のパルス列までがランダムに使用されるn+1の立下りパルス位置Xは、同じ記録線速で記録する際には常に基準クロック幅の中で、同じ位置で立ち下がるものである光情報記録媒体に対する記録方法が含まれる。
また、この第2の発明には、該n=1−13のパルス列の内、n=1のときにのみ、他のn=2−13よりも基準クロック幅の中において、他のn=2−13よりも早い時定数で立ち下がるものである光情報記録媒体に対する記録方法が含まれる。
本発明によれば、DVD−ROMと同容量の書き換え型光情報記録媒体であって、高線速記録時において良好な記録特性、殊に変調度に関する良好な特性を有し、かつ保存安定性、特にオーバーライトアーカイバル寿命の向上した光情報記録媒体及びこの媒体に対する記録方法が提供され、光情報記録分野に寄与するところはきわめて大きいものである。
高密度記録に対応する書き換え可能な光ディスクには、一般に、Ge2Sb2Te5の化合物組成近傍の記録材料を用いるものと、AgInSbTeで示される組成を主成分とする記録材料が用いるものがあるが、高密度記録への対応性とオーバーライト時の良好な消去特性により、すでに商品化され、普及が進んでいるCD−RWには、後者の材料が用いられている。AgInSbTe系の記録材料については、例えば、特開平8−22644号公報や特開平8−263871号公報等に、その組成が開示されている。さらに、最近、ビデオ用途として4.7GBの高密度な書き換え記録が可能な媒体DVD−RWも製品化された。
この書き換え型光ディスクは、すでに製品が多く出されているDVD−ROMと同容量で、等速記録が可能なものであり、その用途にも、AgInSbTe系の記録材料は適合可能な特性を有している。しかしながら、今後、この用途においても記録を短時間で行う目的において、高線速記録可能な光ディスクの開発が期待されている。
AgInSbTe系の記録材料の高線速記録可能な組成として、本出願人は、Agの含有量を少なくした組成について提案した(特願平11−153316号)。この記録材料であっても、例えば、DVD−ROMの1倍速から2.5倍速の記録は可能であったが、特に、2.5倍速以上の記録時において、例えば、異なったドライブ間で良好な記録特性を得るための書き込みパワーの許容値や、オーバーライト特性又はオーバーライト時の保存特性が十分でないことが分った。
これらを解決するために研究を重ねた結果、上記本出願人の提案したの記録層に、さらにGeを添加することによって、保存信頼性が解決されることが実験により確認された。特開平8−263871号公報には、AgInSbTeにGeを添加して保存信頼性を向上できるという記載があるが、例えば、DVD−ROMの2.5倍速に相当するような記録線速領域では、Sbの添加量が少なく、Geの添加は、ディスクの変調度を低下させてしまう欠点も同時に有していることも実験により確かめられた。
これを解決するためには、反射層をAg又はAg合金にすることによって解決でき、さらに、Ag又はAg合金を反射層に用いる場合には、従来のZnS−SiO2上部保護層が直接Ag又はAg合金に接触すると、Agの硫化により、良好な記録特性が得られないため、これを防ぐためには、ZnS−SiO2と反射層の間には、Siの炭化物又は窒化物及びこれら又はこれらと酸化物誘電体を混合したものが有効であることも確認した。
したがって、このようにすれば、異なったドライブ間で良好な記録特性を得るための書き込みパワーの許容値や、オーバーライト特性も向上する。また、低消費電力を目的にドライブ設計する場合、モーターの回転数を一定にして記録を行うCAV方式が採られるが、この場合、記録媒体は内周部を1とすると、CD−RWと同じ直径120mmのディスクの最外周部では、2.5倍の線速になる。1〜2.5倍の線速に対応する記録媒体を実現するためには、上記した媒体構造が良好な結果を与えることになるが、さらに、記録ストラテジを工夫することによって、記録特性の向上を図ることが可能となる。特に、1〜2.5倍の線速において記録特性をフラットなものにするためには、記録ストラテジの調整が重要となってくる。
本出願人は、Al反射膜を用い4層構成としたSbTe+Mの記録媒体に対し、CAVに記録に有効なストラテジを提案したが(特願平11−31926号)、本発明による記録媒体においてもその有効性を確認し、さらに有効な改良を加えたものである。
よって、本発明は第1に、透明基板上に、第1誘電体層、相変化記録層、第2誘電体層及び金属反射層をその順にスパッタ製膜してなり、第1及び第2誘電体層の材料をZnSとSiO2との混合物とし、相変化記録層の材料の組成をAgaInbSbcTedとした光情報記録媒体であって、該組成AgaInbSbcTedに対し、該組成成分以外の元素Xeを添加すると共に、該金属反射層をAg又はAg合金とし、該第2誘電体層と該金属反射層との間に硫化物以外の材料からなる第3誘電体層を設けてなることを特徴とする光情報記録媒体〔ただし、a、b、c、dは、下記式(1)〜(4)の関係にあり、かつc/(c+d)をrとしたとき、下記式(5)の関係にあるものとする〕を提供する。
0<a≦0.01 (1)
0.03≦b≦0.10 (2)
0.40≦d≦0.70 (3)
a+b+c+d=1 (4)
0.60≦r≦0.85 (5)
記録層材料の組成が、上記式(1)〜(4)及び(5)の関係において、(1)がこの範囲を超える場合には、CAV記録に用いる光記録媒体としては、特に高線速側の記録スピードにおいて、ジッタ、反射率、変調度等の基本的な特性の劣化を招く。まったく添加しない場合においては、保存安定性が悪化する。(2)がこの範囲を超える場合は、ドライブの読み取り光により、アモルファスマークが結晶化してしまい、光記録媒体マークの形状を損ねてしまう恐れが高くなり、少ない場合には、変調度が取れにくくなってしまい、結果として再生ジッタの劣化を生ずる。(3)がこの範囲を超える場合は、(1)と同様にCAV記録に用いる光情報記録媒体としては、特に高線速側の記録スピードにおいて、ジッタ、反射率、変調度等の基本的な特性の劣化を招き、少ない場合には、保存安定性が悪化するという問題が生ずるので、好ましくない。
上記元素Xeは、Geであることが好ましい。〔ただし、添加量eは、下記式(6)の関係にあるものとする〕。
0.005≦e≦0.07 (6)
この添加量が、上記式(6)においてeが多すぎる場合、高線速側の記録スピードにおいて、ジッタ、反射率、変調度等の基本的な特性の劣化を招き、少ない場合には、保存安定性が悪化するという問題が生ずるので、望ましくない。
また、上記第1誘電体層に対する第2誘電体層の膜厚比(R1=第2誘電層膜厚/第1誘電体層膜厚)が、下記式(7)の関係にあることが好ましい。
0.1≦R1≦0.5 (7)
また、本発明の光情報記録媒体にあっては、上記第3誘電体層の熱伝導率が、上記第2誘電体層の熱伝導率よりも大きいものであることが好ましい。上記膜厚の関係と、この第3誘電体層の熱伝導率が、第2誘電体層のそれよりも大きいものであることによって、記録層でLD光を吸収することにより発生した熱が効率よく反射放熱層へ放射されることによって、高線速記録時においても安定したアモルファスマークが得られることになるからである。
さらに、上記第2誘電体層に対する上記第3誘電体層の膜厚比(R2=第3誘電層膜厚/第2誘電体層膜厚)が、下記式(8)の関係にあることが好ましい。
0.1≦R2≦0.5 (8)
また、上記第3誘電体層の材料が、金属炭化物又は金属炭化物と金属酸化物もしくは金属窒化物との混合物であること、金属炭化物の金属がSiであり、金属酸化物もしくは金属窒化物の金属がSi、Ti又はAlであることが好ましい。金属炭化物の金属がSiであること、金属酸化物もしくは金属窒化物の金属がSi又はAlであることによって、上記熱伝導率の関係や、膜の均一性の観点から良好なものとなるからである。
本発明は第2に、上記光情報記録媒体に光情報を記録するに当たって、レーザー光の発光波形を複数のオンパルスとこれに続くオフパルスからなる記録パルス列とし、内周から外周又は外周から内周へ記録半径位置に対応して連続的に記録周波数を変化させて記録する光情報記録媒体に対する記録方法であって、該複数のオンパルスの幅を全て同じ時定数で固定する部分とウィンドウ幅に定数を乗算する部分とを連続的に組み合わせることを特徴とする光情報記録媒体に対する記録方法を提供する。
この記録方法においては、図2に示すごとく、同一線速での記録時に、(n+1)×Twの各基準クロック内において、各パルス列の立下り位置はそれぞれ基準クロック内の同じ位置となるようにパルス幅を調整することによって、良好なジッタ特性を得ることができる。ただし、nは1〜13の整数である。そして、この幅は、各基準クロックの幅の0.2〜0.8の範囲が好ましい。上記式で表される範囲を超える場合は、オフパルスの部分が短くなりすぎ、充分な冷却時間が少なくなるため、安定したアモルファスマークが得られず、この範囲より少ない場合は、逆にオンパルス幅が狭すぎて、アモルファスマークを得るための充分な熱量が得られなくなるからである。
また、さらに本発明の記録方法にあっては、上記該n=1(最初のパルス)の立下り位置のみ、n=2−13よりも早い時定数で立ち下がるようにしたものを用いることによって、さらにジッタ特性を低減することができる。この際、2≦n≦13の各パルス列後端に対するn=1(最初のパルス)の立下りの位置を2≦n≦13の各パルス列後端位置より0.01T〜0.3Tとした場合が好ましい。このように時定数を固定することによって、n=1から13の長さのアモルファスマークにおいて、各マーク全体長さのばらつきを、各基準クロックに対し、小さく抑えることができるからである。
以下、本発明について具体的に説明する。図1は本発明の光記録媒体構造の概略図である。本発明の光情報記録媒体は、案内溝を有するポリカーボネート基板1上に、スパッタリング法により下部保護層として第1誘電体層2、相変化記録層3、上部保護層の第2誘電体層4、第3誘電体層及び金属反射層6を製膜し、反対側の基板と接着する反対側基板は媒体として機能する各層が積層されていてもいなくてもよい。接着層には、粘着シート、ラジカル紫外線硬化性樹脂、カチオン重合樹脂等が使用できる。また、金属反射層上に、スピンコートにより塗布された紫外線硬化性樹脂からなる環境保護層7が積層されていてもよい。
各層の製膜条件としては、第1、第2誘電体層は、投入電力3kW、Arガス圧力(製膜室気圧)2mTorrとし、相変化記録は、投入電力1kW、Arガス圧力(製膜室気圧)2mTorrとし、第3誘電体層は、投入電力1kW、Arガス圧力(製膜室気圧)2mTorrとし、金属反射層は、投入電力9kW、Arガス圧力(製膜室気圧)2mTorrとした。第1、第2誘電体層は、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法等により形成することができる。
各層の材料は、以下のとおりである。相変化記録層は、従来のAgInSbTeに対し、Geを添加したものを用いる。より高線速の光ディスクを得るためには、Agの含有量は、原子比で1%以下が好ましい。また、保存安定性を向上させために添加される元素は、Geを用いる。Ge以外にも、AgInSbTeに対し、結晶化速度を下げ、結晶化温度を同時に上昇させる元素であれば良好な結果を得ることができ、GaやSi、N等は同様の効果をもたらすものである。ただし、高線速光ディスクのためには、この含有量は7%以下に抑える必要があり、特に5%以下の添加が望ましい。
第1、第2誘電体層は、従来例と同様のZnS(80%)とSiO2(20%)の混合ターゲットを用いる。熱伝導率の調整のために、この混合比は調整されてもよいが、SiO2の混合比は、50%を超えない範囲が望ましい。
第3誘電体層は、SiCとSiO2の混合物を用いるが、第1、第2誘電体層より、熱伝導率が高く、主成分が酸化物以外の誘電体材料であればよい。酸化物の含有は、重量基準比で20%以下が好ましい。
金属反射層に用いる材料は、Ag又はAgに対し、Pd、In、Cu、Si、Ge等の元素又はその混合物であって、Agに対し、10%までの含有量で共晶となる金属であればよく、その膜厚は60〜200nmが好ましい。60nm未満では、放熱効果が得られない。また、膜層が厚すぎる場合は、界面剥離を生じ易くなるので好ましくない。
第1誘電体層と第2誘電体層の膜厚比R1=(第2誘電体/第1誘電体)は、
0.1≦R1≦0.5
とすることが好ましい。第1誘電体層が薄すぎる場合は、レーザー光で記録時に、記録層で吸収した熱が基板側にこもってしまい、オーバーライト特性が悪化するので好ましくない。
第3誘電体層は、第2誘電体層に対し、熱伝導率が高いものが好ましく、さらに、その膜厚比R2=(第3誘電体/第2誘電体)は、次の範囲が好ましい。
0.1≦R2≦0.5
第3誘電体層が厚すぎる場合は、レーザー光で記録時に記録層で吸収した熱が放熱され、記録層の温度上昇が充分でなくなり、記録感度の低下を招くので好ましくない。
このように、第1、第2、第3誘電体層の膜厚を最適化することによって、例えば、DVD−ROMの2.5倍速以上の高線速記録が可能となり、さらに、オーバーライト特性が良好な光ディスクが実現できるのである。
光情報記録媒体への情報の記録は、記録マーク(記録層の結晶中にLDを照射することによって生ずるアモルファス部分を形成する)の長さを変えることによって行なわれる。記録マークの長さは、請求項8に記載される記録パルス列(n+1)の個数により制御するものであって、nは1〜13の整数である。これにより、図2に示すような記録ストラテジとなるが、最初のパルスのみは、クロックの2T分を使いパルスを形成してなり、その他は、1T分のクロックに対し、1パルスが立ち上がり、立ち下がる。この記録ストラテジを用いることによって、基準クロック幅Twの3倍から14倍の長さの記録マークを形成できることになる。クロック幅Twの3倍から14倍の長さを用いマーク長変調を行う方式は、EFM+変調方式と呼ばれ、公知の記録変調方式である。
さらに、請求項8に記載の各記録パルス列(n+1、つまり2個のパルス列から14個のパルス列までがランダムに使用される)の立下りパルス位置Xは、同じ記録線速(同じTw)で記録する際には、常に各基準クロック幅の中で、同じ位置で立ち下がることによって、3×Tの長さのマークから、14×Tの長さのマークまで、比較的リニアに長さが変化するような記録方法が実現できる。これによって、ジッタ特性の良好な記録ができることになるが、さらに本発明では、先頭のパルスの後端のみを、他のパルス列の後端より短くすることにより、3T−14Tのマークの長さの直線性をさらに向上させることができるものである。
図2は、記録ストラテジのパルス配列をタイミングチャートで示したものである。本発明に規定するストラテジは、本出願人の提案による特願平11−131926号に示すものと基本的に同様のストラテジであるが、本発明の記録媒体に関しても、このストラテジを用いることによって、記録特性がDVD−ROMのX1.0からX2.5の線速において、フラットなジッタ特性が得られることが分った。
さらに、ストラテジの最適条件を実験した結果、パルス列最初のパルスのみを他の後続パルスより、時系列的に前の方へ移動させることが有効であることを見い出した。この様子は図3に示す。
表1は、本発明の光記録媒体の記録線速8.5m/sにおける繰り返し記録回数を比較例と共に調べたものである。繰り返し記録回数は、ウインドウ幅Twで規格化したジッタの値σ/Twが規格値を満足する最大回数で判定したものである。トラックピッチは0.74μmである。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これら実施例によって、本発明はなんら限定されるものではない。
実施例1
表1に記載の組成の記録層を、20nm、ZnSSiO2の混合ターゲットを用いる第1誘電体層を70nm、第2誘電体層を15nm、SiCSiO2の混合ターゲット用いる第3の誘電体層を5nm、Ag−Pd合金ターゲットを用いる金属反射層を140nmとして、ポリカーボネート基板上にスパッタ法により成膜した光情報記録媒体について、請求項8、9に示す記録ストラテジを用いて記録を行い、その記録特性及び保存安定性を評価した。保存安定性は、ジッタ特性が85℃、85%RHの条件下で基準値を超える保存時間により判断した。
実施例2
記録層組成を変更した以外は、実施例と同様にした。
実施例3
実施例1の記録層組成に対し、請求項10に示す記録ストラテジを用いて記録を行った。
実施例4
実施例2と同じ記録層組成に対し、請求項10に示す記録ストラテジを用いて記録を行った。実施例1〜4における条件と結果を表1に示す。
実施例5
実施例1の記録層組成に対し、請求項8、9に示す記録ストラテジ及び請求項10に示す記録ストラテジを用いてCAV記録を行った結果を図3に示す。比較例として、請求項8記載の同じ時定数で固定する部分とウィンドウ幅Twに定数を乗算する部分のうち、同じ時定数で固定する部分をなくしたストラテジを用いてCAV記録を行った結果も同時に示す。請求項8、9に示す記録ストラテジを用いることにより、内周から外周まで比較的フラットなジッタ特性が得られ、さらに、請求項10に示す記録ストラテジを用いることにより、ジッタ特性が改善されることが分った。同じ時定数で固定する部分をなくしたストラテジを用いてCAV記録を行った場合には、低線速側のジッタ上昇が顕著になることが分った。これは、同じ時定数で固定する部分をなくしたストラテジでは、低線速側のパルスが狭くなりすぎるためと考えられる。
比較例1
実施例1における記録層組成をAgInSbTeのみとして、記録特性及び保存安定性を評価した。
比較例2
実施例1の記録媒体の層構成のうち、反射層材料をAg合金からAl−Ti合金に変えた以外は、実施例1と同様にして、記録特性及び保存安定性を評価した。
比較例3
実施例1の記録層組成に対し、請求項8、9に示す記録ストラテジより記録パルス列が1つ少ないストラテジを用いて記録を行った。パルス列全体の長さは、請求項8、9に示す記録ストラテジと同じになるように調整した。DVD−ROM1倍速に相当する記録線速においては、請求項8、9に示す記録ストラテジとほぼ同じ記録特性となったが、2.5倍速に相当する記録線速における記録特性は悪い結果となった。比較例1〜3における条件と結果を表1に示す。
本発明の光情報記録媒体の断面図である。 記録ストラテジのパルス配列をタイミングチャートで示した図である。 記録ストラテジの様子を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 第1誘電体層
3 記録層
4 第2誘電体層
5 第3誘電体層
6 金属反射層
7 環境保護層

Claims (1)

  1. 透明基板上に、第1誘電体層、相変化記録層、第2誘電体層及び金属反射層をその順にスパッタ製膜してなり、第1及び第2誘電体層の材料をZnSとSiO 2 との混合物とし、相変化記録層の材料の組成をAg a In b Sb c Te d とした光情報記録媒体であって、該組成Ag a In b Sb c Te d に対し、該組成成分以外の元素Xeを添加すると共に、該金属反射層をAg又はAg合金とし、該第2誘電体層と該金属反射層との間に硫化物以外の材料からなる第3誘電体層を設けてなる光情報記録媒体〔ただし、a、b、c、dは、下記式(1)〜(4)の関係にあり、かつc/(c+d)をrとしたとき、下記式(5)の関係にあるものとする〕に光情報を記録するに当たって、レーザー光の発光波形を複数のオンパルスとこれに続くオフパルスからなる記録パルス列とし、内周から外周又は外周から内周へ記録半径位置に対応して連続的に記録周波数を変化させて記録する光情報記録媒体に対する記録方法であって、該複数のオンパルスの幅を全て同じ時定数で固定する部分とウィンドウ幅に定数を乗算する部分とを連続的に組み合わせることとし、
    前記光情報記録媒体への情報の記録は、記録層の結晶中にLDを照射することによって生ずるアモルファス部分を形成する記録マークの長さを変えることによって行い、該記録マークの長さは、該記録パルス列(n+1)の個数により制御するものであり(ただし、nは1〜13の整数である)、該各記録パルス列である2個のパルス列から14個のパルス列までがランダムに使用されるn+1の立下りパルス位置Xは、同じ記録線速で記録する際には各基準クロック幅の中で、該n=1−13のパルス列の内、n=2−13のとき、同じ位置で立ち下がるものであり、n=1のときのみ、他のn=2−13よりも早い時定数で立ち下がるものであることを特徴とする光情報記録媒体に対する記録方法。
    0<a≦0.01 (1)
    0.03≦b≦0.10 (2)
    0.40≦d≦0.70 (3)
    a+b+c+d=1 (4)
    0.60≦r≦0.85 (5)
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