JP2008207438A - 相変化記録材料及び情報記録用媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、GeInSbSnTe系材料で不十分なクロスライト特性を改善した、高速での記録消去が可能で、優れた信号強度とジッタ特性を有し、媒体の長期保存による反射率低下が小さく、クロスライト特性、繰り返し記録耐久性に優れた相変化記録材料、及び前記材料を用いた情報記録用媒体を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】本発明は、下記一般式(1)で表される組成を主成分とすることを特徴とする相変化記録材料を提供することにより、上記課題を解決する。
AuGeSnTeSb1−x―y−z−w (1)
(ただし、Sbの含有量は、Auの含有量、Geの含有量、Snの含有量、及びTeの含有量のいずれよりも多く、原子数比を表すw、x、y、zがいずれも0より大きく、かつ下記(i)から(v)を満たす。
(i)x≦0.3
(ii)0.07≦2.2×w+y−z
(iii)2.2×w−z≦0.09
(iv)y≦0.35
(v)0.35≦1−x−y−z−w
【選択図】図1

Description

本発明は、相変化記録材料およびそれを用いた情報記録用媒体に関する。
相変化を利用した記録方法としては、光、電流(ジュール熱)などのエネルギービームもしくはエネルギー流を作用させることで、金属又は半導体の結晶構造を可逆的に変化せしめる方法が知られている。
相変化型記録材料を用いた情報記録用媒体の記録手法として現在実用化されているのは、結晶相と非晶質相(アモルファス相)との間での可逆的変化を利用し、結晶状態を未記録・消去状態とし、記録時に非晶質(アモルファス)のマークを形成するものである。通常、記録層を局所的に、融点より高い温度まで加熱し急冷して非晶質のマークを形成し、一方、記録層を概ね融点以下、結晶化温度以上に加熱して徐冷することで、結晶化温度以上に一定時間保つことで再結晶化を行う。すなわち一般的には、安定的な結晶相と非晶質相との間での可逆的変化を利用する。そして、結晶状態と非晶質状態における物理的パラメーター、例えば、屈折率、電気抵抗、体積、密度変化等の差を検出することで、情報の記録再生を行う。
中でも光学的情報記録用媒体としての応用は、集束光ビームを照射して局所的に生起せしめた結晶状態の可逆的な変化に伴う反射率変化を利用して記録再生が行われる。このような相変化型記録層を有する光学的情報記録用媒体は、可搬性、耐候性、耐衝撃性等に優れた安価な大容量記録媒体として開発および実用化が進んでいる。例えば、CD−RW、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMなどの書き換え可能な相変化型の光学的情報記録用媒体(相変化型光ディスク)が普及している。更には、青色レーザ使用や対物レンズの高NA化による高密度化、記録パルス波形の改良による高速記録化などの開発が行われている。
ここで、上記相変化記録層の材料としてはカルコゲン系合金が多く用いられる。例えばGeSbTe系、InSbTe系、GeSnTe系、AgInSbTe系合金が挙げられる。これら合金はオーバーライト可能な材料でもある。オーバーライトとは、一旦記録済みの光学的情報記録用媒体に再度記録をする際に、記録前に消去を行うことなくそのまま重ね書きする手法、いわば消去しながら記録する手法である。相変化記録層を有する光学的情報記録用媒体では記録は通常オーバーライトによって行われるので、消去しながら記録すること、つまりオーバーライトを、単に記録と称することもある。
上記カルコゲン系合金のうち、Sb70Te30共晶点組成を基本として過剰のSbを含むSb70Te30合金を母体とした組成を記録層に用いることにより、高速記録が可能な光学的情報記録用媒体を得ることができる。特に、記録層に過剰のSbを含むSb70Te30共晶点組成にGeを含む組成が好ましい。
近年は情報量の増大に伴い、さらに高速の記録消去再生が可能な光学的情報記録用媒体の開発が望まれている。すなわち、さらなる高速結晶化が可能な相変化記録材料を記録層に用いることが必要となる。特に、基準クロック周期15ns以下で情報信号の高速記録消去を行う光学的情報記録用媒体としては、GeInSbSnTe系の記録材料が提案されている(特許文献1)。この材料を用いることにより、高速での記録消去が可能で、優れた記録信号特性を有し、記録信号の保存安定性が高く、さらには、情報記録用媒体を長期保存した場合においても記録した信号の反射率等の変化が小さく、信号を記録した情報記録用媒体を長期保存した後、再度オーバーライトをおこなう場合の記録信号特性に優れた情報記録用媒体の提供の可能性が示されている。
特開2004−345349号公報
しかしながら、特開2004−345349に記載されたGeInSbSnTe系の記録材料はクロスライト特性が十分でない。すなわち、情報の記録をおこなったとき隣接トラックの信号特性が劣化してしまう傾向にあるのである。記録時のレーザー照射により隣接トラックの温度が上がりそのトラックの非晶質マークが結晶化してしまうことが原因である。記録前後の隣接トラックの特性変化をクロスライト特性またはクロスイレーズ特性と言い、この特性が不十分であるときはトラック密度を制限する原因となる場合がある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、GeInSbSnTe系材料で不十分なクロスライト特性を改善した、高速での記録消去が可能で、優れた信号強度とジッタ特性を有し、媒体の長期保存による反射率低下が小さく、クロスライト特性、繰り返し記録耐久性に優れた相変化記録材料、及び前記材料を用いた情報記録用媒体を提供することにある。
本発明者は、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、Au、Ge、Sn、Te及びSbの組成が所定の関係式を満たすAuGeSnTeSb5元系材料を記録層として相変化記録媒体に用いることにより、GeInSbSnTe系材料で不十分なクロスライト特性を改善でき、優れたクロスライト特性が得られることを見出して本発明に到達した。
すなわち、本発明においては、請求項1に記載するように、下記一般式(1)で表される組成を主成分とすることを特徴とする相変化記録材料を提供する。
AuGeSnTeSb1−x―y−z−w (1)
(ただし、Sbの含有量は、Auの含有量、Geの含有量、Snの含有量、及びTeの含有量のいずれよりも多く、原子数比を表すw、x、y、zがいずれも0より大きく、かつ下記(i)から(v)を満たす。
(i)x≦0.3
(ii)0.07≦2.2×w+y−z
(iii)2.2×w−z≦0.09
(iv)y≦0.35
(v)0.35≦1−x−y−z−w
本発明の相変化記録材料は、一般式(1)で表される組成を主成分とすることにより、高速で記録消去行う場合においても、記録信号特性に優れており、記録信号の保存安定性が高く、長期保存後においても、記録した信号の反射率の低下が小さく、再度オーバーライトを行う場合にも優れた記録信号特性を示すことができる。さらに、優れたクロスライト特性を示すことができる。
また、本発明は、請求項2に記載するように、前記一般式(1)において、xがさらに0.03≦xを満たすことを特徴とする請求項1に記載の相変化記録材料を提供する。
また、本発明は、請求項3に記載するように、前記一般式(1)において、yがさらにy≦0.3を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の相変化記録材料を提供する。
また、本発明は、請求項4に記載するように、前記一般式(1)において、zがさらに0.02≦z≦0.25を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の相変化記録材料を提供する。
また、本発明は、請求項5に記載するように、前記一般式(1)において、wがさらに0.002≦w≦0.15を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の相変化記録材料を提供する。
また、本発明は、請求項6に記載するように、前記一般式(1)において、さらに0.1≦2.2×w+y−zを満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の相変化記録材料を提供する。
また、本発明は、請求項7に記載するように、前記一般式(1)において、さらに2.2×w−z≦0.05を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の相変化記録材料を提供する。
また、本発明は、請求項8に記載するように、前記情報記録材料が、結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とすることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の相変化記録材料を提供する。
また、本発明は、請求項9に記載するように、記録層を有する情報記録用媒体であって、前記記録層が下記一般式(1)で表される組成を主成分とすることを特徴とする情報記録用媒体を提供する。
AuGeSnTeSb1−x―y−z−w (1)
(ただし、Sbの含有量は、Auの含有量、Geの含有量、Snの含有量、及びTeの含有量のいずれよりも多く、原子数比を表すw、x、y、zがいずれも0より大きく、かつ下記(i)から(v)を満たす。
(i)x≦0.3
(ii)0.07≦2.2×w+y−z
(iii)2.2×w−z≦0.09
(iv)y≦0.35
(v)0.35≦1−x−y−z−w
また、本発明は、請求項10に記載するように、前記一般式(1)において、xがさらに0.03≦xを満たすことを特徴とする請求項9に記載の情報記録用媒体を提供する。
また、本発明は、請求項11に記載するように、前記一般式(1)において、yがさらにy≦0.3を満たすことを特徴とする請求項9又は10に記載の情報記録用媒体を提供する。
また、本発明は、請求項12に記載するように、前記一般式(1)において、zがさらに0.02≦z≦0.25を満たすことを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の情報記録用媒体を提供する。
また、本発明は、請求項13に記載するように、前記一般式(1)において、wがさらに0.002≦w≦0.15を満たすことを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の情報記録用媒体を提供する。
また、本発明は、請求項14に記載するように、前記一般式(1)において、さらに0.1≦2.2×w+y−zを満たすことを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の情報記録用媒体を提供する。
また、本発明は、請求項15に記載するように、前記一般式(1)において、さらに2.2×w−z≦0.05を満たすことを特徴とする請求項9乃至14のいずれかに記載の情報記録用媒体を提供する。
また、本発明は、請求項16に記載するように、前記情報記録用媒体が、結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とすることを特徴とする請求項9乃至15のいずれかに記載の情報記録用媒体を提供する。
また、本発明は、請求項17に記載するように、前記情報記録用媒体が、レーザー光で記録を行う光学的情報記録用媒体であることを特徴とする請求項9乃至16のいずれかに記載の情報記録用媒体を提供する。
本発明によれば、高速での記録消去が可能で、優れた信号強度とジッタ特性を有し、媒体の長期保存による反射率低下が小さく、クロスライト特性、繰り返し記録耐久性に優れた相変化記録材料、及び前記材料を用いた情報記録用媒体を得ることができる。
[1]相変化記録材料
[1−1]一般的説明
本発明の相変化記録材料は、下記一般式(1)で表される組成を主成分とすることを特徴としている。
AuGeSnTeSb1−x―y−z−w (1)
ただし、Sbの含有量は、Auの含有量、Geの含有量、Snの含有量、及びTeの含有量のいずれよりも多く、原子数比を表すw、x、y、zがいずれも0より大きく、かつ下記(i)から(v)を満たす。
(i)x≦0.3
(ii)0.07≦2.2×w+y−z
(iii)2.2×w−z≦0.09
(iv)y≦0.35
(v)0.35≦1−x−y−z−w
なお、本発明において、「所定組成を主成分とする」とは、所定組成が含有される材料全体又は層全体のうち、前記所定組成の含有量が50原子%以上であることを意味する。
[1−2]本願発明の技術思想
特開2004−345349公報において、本発明者はGeInSbSnTe系材料の組成と記録特性の関係を明らかにした。本発明においては、AuGeSbSnTe系材料のAuがGeInSbSnTe系材料におけるInと、信号振幅や長期保存における反射率低下の点で似た役割を果たすことを見いだした。すなわち、AuGeSbSnTe系の組成を適当な範囲にすることによりGeInSbSnTe系同様の高線速記録用材料として使用することができるのである。ただし、添加量に関してはAuとInでは好ましい範囲が異なり、Au量はIn量より少量でInと似たような役割を果たす。さらに、Auを添加することにより、クロスライト特性(クロスイレーズ特性)が改善されることを見いだし本発明に至った。Auの添加によりクロスライト特性が改善される理由は必ずしも明らかではないが、GeInSbSnTe系材料では結晶核生成は実質的に非晶質マークの結晶化に寄与しないのに対し、AuGeSbSnTe系材料では結晶化に結晶核生成が寄与するようになることが関係している可能性があると考えている。
特開2004−345349公報において、GeInSbSnTe系の組成と特性の関係の概要は以下のとおりであることが記載されている。すなわち、GeInSbSnTe系はSbが主体の記録材料でSb含有量が最も多い。InおよびSnが多くなると反射率や信号振幅が大きくなり好ましい。Inが含有されると長期保存後に反射率が低下してしまう傾向にあるが、Inと同時にTeを含有させることでこの反射率低下は抑えることができる。ただしTeが加わると信号振幅が小さくなる傾向にある。したがって、優れた信号振幅を得るために0.07≦(In量+Sn量−Te量)、長期保存での反射率低下を小さくするために(In量−Te量)≦0.1が好ましい。また、Ge量が多いと非晶質安定性が増すものの、多すぎると記録したディスクの長期保存後に非晶質マークが結晶化しにくくなり問題となる場合がある。Ge、In、およびTeは結晶化速度を遅くするので、In、およびTeを含有させることでその分Ge量を少なくできるため、この点でGe、In、Sb、Sn、およびTeすべての元素を含むことが好ましい。GeInSbSnTe系は繰り返し記録耐久性も良い。また、Sn含有量が0.35を越えると良いジッタ特性が得られない。Ge量は0.3を越えると結晶化が遅すぎて高速記録材料としては使用できない。
AuGeSbSnTe系でのAuは、GeInSbSnTe系におけるInと似た役割を果たす。すなわち、Auが多くなると反射率、信号振幅が大きくなり好ましいが、長期保存後に結晶反射率が低下する傾向にある。しかし、Auと同時にTeを含有させることにより長期保存後の反射率低下が抑えられる傾向にある。また、Teが多くなると信号振幅が小さくなる傾向にあるのでAu、Sn、およびTeの含有量はGeInSbSnTe系と似たような関係に制御する必要がある。ただし、Au量はIn量より少量でInと似た役割を果たす。実験例に示すとおり、AuGeSbSnTe系とGeInSbSnTe系の信号振幅が同程度の場合から推測し、0.07≦(2.2×Au量+Sn量−Te量)を満たすと信号振幅が好ましくなる。長期保存後の反射率低下に関しては、(2.2×Au量−Te量)≦0.09とすることが好ましいことを明らかにした。
なお、本発明においては、相変化記録材料が、結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とすることが好ましい。これは、本発明の相変化記録材料の非晶質状態中に結晶核が多く存在しないと推測されるためである。つまり、非晶質状態を未記録としてこの非晶質状態の中に結晶状態のマークを形成する場合においては、結晶核が多く存在するような相変化記録材料を用いることが好ましい。なぜなら、相変化記録材料中に結晶核が多く存在すれば、結晶状態のマークの形状が結晶核の位置に影響されることがなくなるためである。一方、上述の通り、本発明における相変化記録材料中には結晶核が多数存在しないため、非晶質状態を未記録状態とし、非晶質状態の中に結晶状態の記録マークを形成するよりは、結晶状態を未記録状態とし、結晶状態の中に非晶質状態の記録マークを形成する方が、良好な記録を行いやすくなる。
[1−3]必須の元素について
以下、各必須の元素について、元素含有量と特性との関係を詳細に説明する。
(a)式(v)について
上記一般式(1)の下記式(v)はSbの含有量を示すものである。
(v)0.35≦1−x−y−z−w
本発明においては、結晶化速度を高めて、高速での記録消去を可能とするために、前記相変化型記録材料にSbを主体とする組成を用いる。このため、Sbの含有量は、他のどの原子の含有量よりも多くする。Sbを主体とすることにより非晶質マークを短時間で結晶化することが可能となる。具体的には、Sb含有量は35原子%以上であり他の含有元素のどれよりも含有量が多い。本発明の効果を充分に得るためにはSb含有量は40原子%以上であることが好ましく、より好ましくは45原子%以上である。
(b)式(i)について
上記一般式(1)の下記式(i)はGeの含有量を示すものである。
(i)x≦0.3
Geは、非晶質形成を促進させ、かつ非晶質状態の経時安定性を高める効果があるため、Sb主体の材料にGeを添加して用いる。また、Geは結晶化速度の調整に用いることができ、反射率、結晶と非晶質の反射率差、媒体の長期保存による反射率低下等の特性には大きくは関係しないため、使用したい記録条件に適した結晶化速度にするために用いることが可能となる。Geが多くなると結晶化速度は遅くなるため、たとえばより高速用の媒体ではGe量を少なくし、結晶化速度を調整することができる。ただし、結晶化速度は他の元素含有量にも関係し、Snが多くなると結晶化速度は速くなり、Au、Teが多くなると結晶化速度は遅くなる。したがって、後述の諸特性を考慮しGe以外の元素の含有量比を決めた後、Geの含有量を調整することにより記録条件に応じた結晶化速度の調整をおこなうことが好ましい。Geが多すぎると結晶化速度は遅くなりすぎるので、上記一般式(1)におけるxは0.3以下とし、好ましくは0.2以下とする。一方、Ge含有量が少なすぎると、非晶質マークの保存安定性が悪化し長期保存により結晶化する傾向にある。したがって上記一般式(1)におけるxの値は0より大きいことが好ましく、0.01以上がより好ましく、0.03以上がさらに好ましい。
(c)式(ii)、および式(iv)について
上記一般式(1)の下記式(ii)、および下記式(iv)はAu含有量、Sn含有量、およびTe含有量の関係を示す。
(ii)0.07≦2.2×w+y−z
(iv)y≦0.35
本発明はSb主体の相変化記録材料において、Au、Sn、Teを添加して用いる。本発明の中心的組成にAu,Snをさらに添加すると、結晶状態の反射率が大きくなって結晶と非晶質の反射率差(信号振幅に大きく関係する。)が大きくなる傾向にある。一方、Teの添加によって、結晶の反射率が小さくなって結晶と非晶質の反射率差が小さくなる傾向にある。したがって、Au含有量、Sn含有量、Te含有量の関係を所定の範囲に設定することにより、Te添加による結晶の反射率や信号振幅の低下が抑えられ、かつ、高速での記録信号特性が可能な相変化型光ディスクが得られるのである。
Snの含有量が結晶の反射率や信号振幅に与える影響と、Au含有量が結晶の反射率や信号振幅に与える影響は似ている。この点はGeInSbSnTe系材料におけるInとSnの関係に似ている。ただし、Auはより少量でInと同程度の効果がある。後述の実施例のとおり、GeInSbSnTe系との比較から、信号振幅に関しては、AuGeSbSnTe系でのAu含有量の2.2倍程度がGeInSbSnTe系でのIn量に相当することがわかる。GeInSbSnTe系ではIn含有量とSn含有量との合計を大きくすることにより信号振幅を大きくできるため、AuGeSbSnTe系においては(2.2×Au含有量)とSn含有量との合計を大きくすることにより信号振幅を大きくできる。一方、Te含有量が多くなると結晶の反射率や信号振幅が低下する。従って、所望する結晶の反射率及び信号振幅を得るためには、Au、Sn、Teの含有量との関係を制御することが重要となる。
このため、上記一般式(1)における(2.2×w+y−z)の値は0.07以上とし、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.13以上、特に好ましくは0.15以上である。
また、Snが多すぎる場合にはジッタ特性(記録信号品質)が悪化する傾向にあるため、上記一般式(1)におけるyの値は、0.35以下とし、好ましくは0.3以下とする。
(d)式(iii)について
上記一般式(1)の下記式(iii)はAu含有量とTe含有量との関係を示す。
(iii)2.2×w−z≦0.09
Au含有量が多いと長期保存によって相変化型光ディスクの反射率が低下する傾向にあるものの、本発明者の検討によれば、AuとTeの含有量の関係を規定することにより長期保存による媒体の反射率低下を小さくできることがわかった。この関係もGeInSbSnTe系のInとTeの関係に似ているが、やはりAuはより少量でInと同程度の効果がある。この点は信号振幅におけるAuとInの関係と同様である。
Auは光学的情報記録用媒体の長期保存による反射率の低下を引き起こす。これに対し、Teは長期保存による反射率低下を抑える傾向にある。従って、長期保存における光学的情報記録用媒体の反射率の低下を抑制する観点から、Au含有量とTe含有量とを所定の関係とすることが重要となる。本発明者は、(2.2×Au含有量−Te含有量)の値を所定の範囲内とすることで、長期保存による反射率の低下を抑制できることを見いだした。具体的には、上記一般式(1)における(2.2×w−z)の値が小さいと長期保存による反射率の低下率が小さくなるので、2.2×w−zの値は0.09以下とし、0.05以下がより好ましく、0以下とすることがさらに好ましい。
このように長期保存による反射率低下をなるべく小さくしようとすると、AuをTeに対して過度に多く含有させることができないので、前述の式(ii)0.07≦2.2×w+y−zを満たすためには、Snも含むようにすることが必要となる。
(e)Auについて
さらに、本発明者は、Auにクロスライト特性を改善する効果があることを見いだした。Auの添加によりクロスライト特性が改善される理由は必ずしも明らかではないが、GeInSbSnTe系材料では結晶核生成は実質的に非晶質マークの結晶化に寄与しないのに対し、AuGeSbSnTe系材料では結晶化に結晶核生成が一部寄与するようになることが関係している可能性があると考えている。すなわち、AuとInの役割の違いは結晶核生成を生じさせるか否かという点にもある。但し、Au添加による結晶核生成の結晶化への寄与はあくまで一部であり、本発明の情報記録用媒体が前述の通り、結晶状態を未記録とするほうが好ましいことに変わりはない。クロスライト特性の改善にはAu量が多い方が好ましい。このとき長期保存による反射率低下を小さくするためにTeも多くし、Teが多いことによる反射率、信号振幅の低下を補うためSnも多くすることになる。しかし上記のとおり、Snは多すぎると記録特性が悪化するため、Au、Sn、Teを際限なく多くすることはできない。また、Au、Teを多くすることにより結晶化速度がおそくなるためGe量は少なくする必要が生じるが、このとき非晶質マークの安定性が悪くなる傾向にある。これがAu、Sn、Teを多くしすぎることができない理由にもなり得る。Au添加により非晶質マークの安定性は悪化する傾向にあるため、非晶質マークを安定化させる効果があるGeの量にも注意を払う必要がある。Au添加におけるこの性質はGeInSbSnTe系材料の次のような問題点を改善する効果もある。
特開2004−345349公報に記載されているGeInSbSnTe系材料では、Geが多いと、記録された非晶質マークを長期保存した場合に保存前における記録直後よりも結晶化しにくくなる傾向にあった。この現象が顕著になると、記録された媒体を長期保存した後に重ね書き(オーバーライト)をおこなう場合に、重ね書きした記録信号の信号品質が不十分となってしまう。つまり、長期保存後の古いマークが充分に消えないため、新しい記録マークの信号品質を悪化させるのである。AuGeSbSnTe系材料では長期保存によって非晶質マークが結晶化しにくくなる問題が改善される傾向にある。
また、Au添加により使用可能な初期化条件の範囲が広がる傾向にある。通常、2回目の記録時に記録信号特性が悪化する傾向にあるが、この特性悪化は初期化条件に影響されるため、初期化条件を慎重に選ぶ必要がある。Au添加により初期化条件による2回目記録特性の変化が小さくなる傾向にあり、好ましい。
(f)Auの含有量およびTeの含有量
以上のように、上記一般式(1)におけるw、x、y、zが式(i)〜(v)を満たすことが好ましい。本発明においては、各元素の量は上記のように互いに関係し合う式(i)〜(v)で規定されるが、個々の元素の量で、上述していないAu、Teの量については式(i)〜(v)を満たした上で、以下のような、より好ましい範囲があると考えて良い。
(Au含有量)
クロスライト特性の改善にはAu量が多い方が好ましい。したがって、この観点からは、wは0.002以上が好ましく、中でも0.01以上が好ましく、特に0.02以上が好ましい。Au量が多すぎると、上述したように、Snを多くする必要性のため記録特性が悪化したり非晶質マークの安定性が悪くなったりする傾向にあるため、wは0.15以下がより好ましく、0.1以下がさらに好ましく、0.08以下が特に好ましい。
(Te含有量)
上述のとおり、Au量、Sn量、Te量との関係(上記式(ii))、及びAu量とTe量との関係(上記式(iii))を所定の範囲内に制御する必要があるため、zの下限値は、0.02以上が好ましく、より好ましくは0.05以上である。zが大きすぎる場合には、上記式(ii)、上記式(iii)の条件に加えて、結晶化速度が遅くなりすぎる場合も出てくるため、zは0.25以下が好ましく、0.20以下がより好ましい。また、Teは繰り返し記録耐久性を向上させる働きもあり、これが上述したような所定の範囲内で、Te含有量をある程度多くすることが好ましい理由の1つでもある。
[1−4]その他の元素
本発明の相変化記録材料においては、種々の特性改善のために、必要に応じてこの相変化記録材料に、Ag、Al、Ga、Mn、In、Zn、Si、Cu、Pd、Pt、Rh、Pb、Cr、Co、O、N、S、Se、V、Nb、Ta、Ti、Bi、および希土類元素等を添加してもよい。特性改善の効果を得るために、添加量は合金の全体組成の0.1at.%(原子%)以上が好ましい。ただし、本発明組成の好ましい特性を損なわないため10at.%以下にとどめるのが好ましい。特に好ましいのは、N(窒素)の添加であり、全体組成の0.1原子%以上、5原子%以下を添加することにより、繰り返しオーバーライト耐久性を改善する効果がある。
Ag,Cu,Si,Pb,Cr,Mo,W,Mn,Nb,Ta,V、B,および希土類元素は、結晶化温度や結晶化速度のさらなる微調整に用いることができる。
Al,Ga、Zn、Bi、Pd,Pt,およびRhは、本発明の相変化記録材料が、結晶成長主体の結晶化過程を示すのに対して、結晶核として機能しうることで、結晶化過程を微調整することができる。上記他の添加元素も、結晶核として機能する場合がある。
O,およびSeは光学的特性の微調整に用いることができる。
なお、希土類元素(希土類金属元素)とは、周期表3B族元素をいい、具体的には、S
c、Y、ランタノイド元素、及びアクチノイド元素をいう。
[2]情報記録用媒体
次に、本発明の情報記録用媒体について説明する。
本発明の情報記録用媒体は、記録層を有する情報記録用媒体であって、前記記録層が下記一般式(1)で表される組成を主成分とすることを特徴としている。
AuGeSnTeSb1−x―y−z−w (1)
ただし、Sbの含有量は、Auの含有量、Geの含有量、Snの含有量、及びTeの含有量のいずれよりも多く、原子数比を表すw、x、y、zがいずれも0より大きく、かつ下記(i)から(v)を満たす。
(i)x≦0.3
(ii)0.07≦2.2×w+y−z
(iii)2.2×w−z≦0.09
(iv)y≦0.35
(v)0.35≦1−x−y−z−w
なお、本発明においては、情報記録用媒体が、結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とすることが好ましい。これは、本発明における記録層組成中に結晶核が多く存在しないと推測されるためである。つまり、非晶質状態を未記録としてこの非晶質状態の中に結晶状態のマークを形成する場合においては、結晶核が多く存在するような記録層組成を用いることが好ましい。なぜなら、記録層に結晶核が多く存在すれば、結晶状態のマークの形状が結晶核の位置に影響されることがなくなるためである。一方、上述の通り、本発明における記録層組成中には結晶核が多数存在しないため、非晶質状態を未記録状態とし、非晶質状態の中に結晶状態の記録マークを形成するよりは、結晶状態を未記録状態とし、結晶状態の中に非晶質状態の記録マークを形成する方が、良好な記録を行いやすくなる。
記録層として上記一般式(1)で表される組成を用いることにより、高速での記録消去が可能で、優れた信号強度とジッタ特性を有し、媒体の長期保存による反射率低下が小さく、クロスライト特性、繰り返し記録耐久性に優れた情報記録用媒体を得ることができる。
なお、一般式(1)についての説明は、前記[1]で述べたものと同じであるので、ここでの説明は省略する。
このような情報記録用媒体としては、結晶状態と非晶質状態とにおける物理的パラメーターの差を検出することにより情報の記録再生を行うものであれば特に限定されるものではなく、例えば屈折率、電気抵抗、体積、密度変化等の差を検出するような情報記録用媒体を挙げることができる。中でも、本発明の相変化記録材料を用いた情報記録用媒体は、レーザー光で記録を行う光学的情報記録用媒体への応用に適している。特に、レーザー光を照射することにより生じる結晶状態の可逆的な変化に伴う反射率変化を利用した相変化型の光学的情報記録用媒体への応用に適している。
以下、本発明の光学的情報記録用媒体の具体的構成及び記録再生方法等について説明する。
[2−1]光学的情報記録用媒体
[2−1−1]層構成
光学的情報記録用媒体としては例えば、図1(a)や、図1(b)に示すような多層構成のものが用いられる。すなわち、図1(a)、(b)より明らかなように、基板上に、上記一般式(1)で表される組成を主成分とする記録層を有し、さらに保護層を有するようにすることが好ましい。
光学的情報記録用媒体のさらに好ましい層構成は、再生光の入射方向に沿って順に、第1保護層、記録層、第2保護層、反射層が設けられている構成である。すなわち、基板側から再生光を入射する場合は、基板1、第1保護層2、記録層3、第2保護層4、反射層5の層構成とし(図1(a)参照)記録層側から再生光を入射する場合は、基板1、反射層5、第2保護層4、記録層3、第1保護層2、カバー層6の層構成とする(図1(b)参照)ことが好ましい。
もちろん、これらの各層はそれぞれ2層以上で形成されていてもよく、また、それらの間に中間層が設けられていてもよい。例えば、基板側から再生光を入射する場合の基板/保護層間や、基板とは反対側から再生光を入射する場合の保護層上に、半透明の極めて薄い金属、半導体、吸収を有する誘電体層等を設けて、記録層に入射する光エネルギー量を制御することも可能である。
なお、上記のとおり記録再生光ビーム(記録再生光)入射とは反対側に反射層を設けることが多いが、この反射層は必須ではない。また、記録層の少なくとも一方の面に設けられることが好ましい保護層において、特性の異なる材料を多層化することも行われる。
以下、各層について詳しく説明する。
(A)記録層
(A−1)記録層に含有される材料とその量
記録層に含有される材料は、上記一般式(1)で表される組成を主成分とする。この組成についての詳細な説明はすでに行ったので、ここでの説明は省略する。本発明の効果を有効に発揮するためには、記録層全体のうち、上記一般式(1)で表される組成が、通常50原子%以上、好ましくは80原子%以上、より好ましくは90原子%以上、特に好ましくは95原子%以上含有される。含有量が高ければ高いほど本発明の効果が顕著に発揮されるようになるが、記録層の成膜時にOやN等の他の成分が含有されたとしても数原子%から20原子%の範囲内であれば、高速記録消去等の本発明の効果が確実に発揮される。
(A−2)記録層の膜厚
記録層の厚さは、通常1nm以上であるが、好ましくは5nm以上である。このようにすれば、結晶と非晶質の反射率差(コントラスト)が十分となり、また結晶化速度も十分となり、短時間での記録消去が可能となる。また、反射率自体も十分な値となる。一方、記録層の厚さは、通常30nm以下、好ましくは25nm以下、より好ましくは20nm以下である。このようにすれば、光学的なコントラストを十分に得ることができ、また、記録層にクラックが生じにくくなる。また、熱容量が大きくなることによる記録感度の悪化も発生しにくくなる。さらに、上記膜厚範囲とすれば、相変化に伴う体積変化を適度に抑制することができ、記録を繰り返した際にノイズの原因となる、記録層自身やその上下に設けることができる保護層の微視的かつ不可逆な変形が蓄積されにくくなる。このような変形の蓄積は、繰り返し記録耐久性を低下させる傾向があるため、記録層の膜厚を上記範囲内にすることによりこの傾向を抑制することができる。
書き換え型DVDのように波長約650nmのLD(レーザーダイオード)、開口数約0.6〜0.65の対物レンズの集束光ビームで記録再生を行う高密度記録用の光学的情報記録用媒体や、波長約400nmの青色LD、開口数約0.7〜0.85の対物レンズの集束光ビームにて記録再生を行う高密度記録用の光学的情報記録用媒体ではノイズに対する要求はいっそう厳しくなる。このため、このような場合には、より好ましい記録層の厚さは25nm以下である。
(A−3)記録層の製造方法
上記記録層は所定の合金ターゲットを不活性ガス、特にArガス中でDCまたはRFスパッタリングにより得ることができる。
また、記録層の密度は、バルク密度の通常80%以上、好ましくは90%以上とする。ここでいうバルク密度ρとは、通常下記一般式(2)による近似値を用いるが、記録層を構成する合金組成の塊を作製して実測することもできる。
ρ=Σm ρ (2)
(ここで、m は各元素iのモル濃度であり、ρ は元素iの原子量である。)
スパッタ成膜法においては、成膜時のスパッタガス(通常Ar等の希ガス:以下Arの場合を例に説明する。)の圧力を低くしたり、ターゲット正面に近接して基板を配置するなどして、記録層に照射される高エネルギーAr量を多くすることによって、記録層の密度を上げることができる。高エネルギーArは、通常スパッタのためにターゲットに照射されるArイオンが一部跳ね返されて基板側に到達するものか、プラズマ中のArイオンが基板全面のシース電圧で加速されて基板に達するものかのいずれかである。
このような高エネルギーの希ガスの照射効果をAtomic peening効果というが、一般的に使用されるArガスでのスパッタリングではAtomic peening効果によりArがスパッタ膜に混入される。したがって、膜中のAr量により、Atomic peening効果を見積もることができる。すなわち、Ar量が少なければ、高エネルギーAr照射効果が少ないことを意味し、密度の疎な膜が形成されやすい。
一方、Ar量が多ければ、高エネルギーArの照射が激しくなり、膜の密度は高くなるものの、膜中に取り込まれたArが繰り返し記録時にvoidとなって析出し、繰り返し記録耐久性を劣化させやすい。したがって、適度な圧力、通常は10−2〜10−1Paのオーダーの範囲で放電を行う。
次に、本発明の好ましい態様である、光学的情報記録用媒体の構造の他の構成要素について説明する。
(B)基板
本発明で使用する基板としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリオレフィンなどの樹脂、あるいはガラス、アルミニウム等の金属を用いることができる。通常基板には深さ20〜80nm程度の案内溝が設けられているので、案内溝を成形によって形成できる樹脂製の基板が好ましい。また、記録消去再生用の集束光ビームが基板側から入射する、いわゆる基板面入射の場合は、基板は透明であることが好ましい。
基板の厚さは、通常0.05mm以上、1.5mm以下とするが、CDでは1.2mm程度、DVDでは0.6mm程度のものが用いられる。また、高密度化のためにレーザーの光学ヘッドを高NA、短波長とする場合には0.1mm程度の薄いものも用いられる。
(C)保護層
記録層の相変化に伴う蒸発・変形を防止し、その際の熱拡散を制御するため、通常記録層の上下一方または両方、好ましくは両方に保護層が形成される。保護層の材料は、屈折率、熱伝導率、化学的安定性、機械的強度、密着性等に留意して決定される。一般的には透明性が高く高融点である金属や半導体の酸化物、硫化物、窒化物、炭化物やCa、Mg、Li等のフッ化物等の誘電体を用いることができる。
この場合、これらの酸化物、硫化物、窒化物、炭化物、フッ化物は必ずしも化学量論的組成をとる必要はなく、屈折率等の制御のために組成を制御したり、混合して用いることも有効である。繰り返し記録特性を考慮すると誘電体の混合物が好ましい。より具体的には、ZnSや希土類硫化物等のカルコゲン化合物と酸化物、窒化物、炭化物、フッ化物等の耐熱化合物の混合物が挙げられる。例えば、ZnSを主成分とする耐熱化合物の混合物や、希土類の硫酸化物、特にYSを主成分とする耐熱化合物の混合物は好ましい保護層組成の一例である。
保護層を形成する材料としては、通常、誘電体材料を挙げることができる。誘電体材料としては、例えば、Sc、Y、Ce、La、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Zn、Al、Cr、In、Si、及びGe等の酸化物、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、及びSn等の窒化物、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、及びSi等の炭化物、又はこれらの混合物を挙げることができる。また、誘電体材料としては、Zn、Y、Cd、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、及びBi等の硫化物、セレン化物もしくはテルル化物、Y,及びCe等の酸硫化物、Mg、Ca等のフッ化物、又はこれらの混合物を挙げることができる。
さらに誘電体材料の具体例としては、ZnS−SiO、SiN、SiO、TiO、CrN、TaS、YS等を挙げることができる。これら材料の中でも、ZnS−SiOは、成膜速度の速さ、膜応力の小ささ、温度変化による体積変化率の小ささ、及び優れた耐候性から広く利用される。ZnS−SiOを用いる場合、ZnSとSiOとの組成比ZnS:SiOは、通常0:1〜1:0、好ましくは0.5:0.5〜0.95:0.05、より好ましくは0.7:0.3〜0.9:0.1とする。最も好ましいのはZnS:SiOを0.8:0.2とすることである。
繰り返し記録特性を考慮すると、保護層の膜密度はバルク状態の80%以上であることが機械的強度の面から望ましい。誘電体の混合物を用いる場合には、バルク密度として上述の一般式(2)の理論密度を用いる。
保護層の厚さは、一般的に通常1nm以上500nm以下である。1nm以上とすることで、基板や記録層の変形防止効果を確保することができ、保護層としての役目を果たすことができる。また、500nm以下とすれば、保護層としての役目を果たしつつ、保護層自体の内部応力や基板との弾性特性の差等が顕著になって、クラックが発生するということを防止することができる。
特に、第1保護層を設ける場合、第1保護層は、熱による基板変形(カバー層変形)等を抑制する必要があるため、その厚さは通常1nm以上、好ましくは5nm以上、特に好ましくは10nm以上である。このようにすれば、繰り返し記録中の微視的な基板変形の蓄積が抑制され、再生光が散乱されてノイズ上昇が著しくなるということがなくなる。
一方、第1保護層の厚みは、成膜に要する時間の関係から、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。このように すれば、記録層平面で見た基板の溝形状が変わるということ等がなくなる。例えば、溝の深さや幅が、基板表面で意図した形状より小さくなったりする現象が起こりにくくなる。
一方、第2保護層を設ける場合、第2保護層は、記録層の変形抑制のために、通常その厚さは1nm以上、好ましくは2nm以上、特に好ましくは3nm以上である。また、反射層に速やかに熱を逃がすため、好ましくは20nm以下、より好ましくは15nm以下、さらに好ましくは10nm以下、特に好ましくは8nm以下である。
なお、記録層及び保護層の厚みは、機械的強度、信頼性の面からの制限の他に、多層構成に伴う干渉効果も考慮して、レーザー光の吸収効率がよく、記録信号の振幅が大きく、すなわち記録状態と未記録状態のコントラストが大きくなるように選ばれる。
保護層は、通常、公知のスパッタリング法によって製造すればよい。
なお、保護層は、前述のような異なる材料からなる複数の層で構成されていてもよい。特に、記録層と接する側の界面、及び/又は、Agを主成分とする反射層と接する側の界面に、硫黄を含まないか又は硫黄含有量の少ない界面層を設けることが好ましい。
ここで、Agを主成分とする反射層と接する側の界面に設ける界面層は、保護層に硫黄が含有される場合に、Agと硫黄との反応(Agの腐食)を抑制するために通常用いられる。
界面層としては、硫黄を含まない誘電体が好ましい。具体的には、金属や半導体の酸化物、窒化物、炭化物等であり、SiC、Si、SiC、GeN、Ta、ZrO、AlN、Al等が用いられる。これらは、必ずしも化学量論比 組成でなくてもよいし、混合物であっても良い。
界面層の膜厚は、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上である。界面層の膜厚が過度に薄いと、保護層と反射層との反応を有効に抑制できなくなる場合があるが、上記範囲とすれば、高温高湿下(例えば、80℃/85%RH)という過酷環境の下における信頼性試験おいても、光学的情報記録用媒体の信頼性が良好に確保されるようになる。
一方、界面層の膜厚は、好ましくは10nm以下、より好ましくは8nm以下、更に好ましくは6nm以下である。上記範囲とすれば、界面層の透過率を良好に確保しつつ、反射層中のAgと保護層中のSとの反応を抑制することができるようになる。
界面層は通常スパッタリング法で形成される。
(D)反射層
光学的情報記録用媒体においては、さらに反射層を設けることができる。本発明においては、記録層の放熱性を高める観点から、光学的情報記録用媒体がさらに反射層を有することが好ましい。
反射層の設けられる位置は、通常再生光の入射方向に依存し、入射側に対して記録層の反対側に設けられる。すなわち、基板側から再生光を入射する場合は、基板に対して記録層の反対側に反射層を設けるのが通常であり、記録層側から再生光を入射する場合は記録層と基板との間に反射層を設けるのが通常である(図1(a)、(b)参照)。
反射層に使用する材料は、反射率の大きい物質が好ましく、特に放熱効果も期待できるAu、AgまたはAl等の金属が好ましい。その放熱性は膜厚と熱伝導率で決まるが、熱伝導率は、これら金属ではほぼ体積抵抗率に比例するため、放熱性能を面積抵抗率で表すことができる。面積抵抗率は、通常0.05Ω/□以上、好ましくは0.1Ω/□以上、一方、通常0.6Ω/□以下、好ましくは0.5Ω/□以下、より好ましくは0.4Ω/□以下、さらに好ましくは0.2Ω/□以下とする。
これは、特に放熱性が高いことを保証するものであり、光学的情報記録用媒体に用いる記録層のように、非晶質マーク形成において、非晶質化と再結晶化の競合が顕著である場合に、再結晶化をある程度抑制するために必要なことである。反射層自体の熱伝導度制御や、耐腐蝕性の改善のため上記の金属にTa、Ti、Cr、Mo、Mg、V、Nb、Zr、Si等を少量加えてもよい。添加量は通常0.01原子%以上20原子%以下である。Ta及びTiの少なくとも一方を15原子%以下含有するアルミニウム合金、特に、Alα Ta1-α(0≦α≦0.15)なる合金は、耐腐蝕性に優れており、光学的情報記録 用媒体の信頼性を向上させる上で特に好ましい反射層材料である。
反射層の材料として特に好ましいのは、Agを主成分とすることである。「Agを主成分とする」とは、反射層全体に対してAgが50原子%以上含有されていることをいう。反射層全体に対するAgの含有量は、70原子%以上とすることが好ましく、80原子%以上とすることがより好ましく、90原子%以上とすることがさらに好ましく、95原子%以上とすることが特に好ましい。放熱性を高める観点から最も好ましいのは、反射層の材料を純Agとすることである。
AgにMg、Ti、Au、Cu、Pd、Pt、Zn、Cr、Si、Ge、Bi、希土類元素のいずれか一種を0.01原子%以上10原子%以下含むAg合金も反射率、熱伝導率が高く、耐熱性も優れていて好ましい。
反射層の膜厚は、十分な透過率を得たい場合は厚すぎると透過率が小さくなり、薄すぎるとジッタ等の信号特性が悪化するため、4〜20nmが好ましく、6〜15nmがより好ましく、8〜12nmがさらに好ましい。高い透過率が必要ない場合には20nm以上とすることが好ましく、40nm以上とすることがより好ましい。また、あまりに厚すぎても、放熱効果に変化はなくいたずらに生産性を悪くし、また、クラックが発生しやすくなるので、通常は500nm以下とするが、400nm以下とすることが好ましく、300nm以下とすることがより好ましい。
記録層、保護層および反射層は、通常スパッタリング法などによって形成される。
記録層用ターゲット、保護層用ターゲット、必要な場合には反射層材料用ターゲットを同一真空チャンバー内に設置したインライン装置で膜形成を行うことが各層間の酸化や汚染を防ぐ点で望ましい。また、生産性の面からも優れている。
(E)保護コート層(カバー層)
光学的情報記録用媒体の最表面側には、空気との直接接触を防いだり、異物との接触による傷を防ぐため、紫外線硬化樹脂や熱硬化型樹脂からなる保護コート層を設けるのが好ましい。保護コート層は通常1μmから数百μmの厚さである。また、硬度の高い誘電体保護層をさらに設けたり、その上にさらに樹脂層を設けたりすることもできる。
[2−1−2]光学的情報記録用媒体の初期結晶化方法
記録層は通常スパッタリング法等の真空中の物理蒸着法で成膜されるが、成膜直後の状態(as-deposited状態)では、記録層は通常非晶質であるため、本発明ではこれを結晶化させて未記録消去状態とすることが好ましい。この操作を初期化(または初期結晶化)と称する。初期結晶化操作としては、例えば、結晶化温度(通常150〜300℃)以上融点以下での固相でのオーブンアニールや、レーザー光やフラッシュランプ光などの光エネルギー照射でのアニール、溶融初期化などの方法が挙げられる。本発明においては、結晶核生成の少ない相変化記録材料を用いるため、上記初期結晶化操作のうち、溶融初期化を用いることが好ましい。
溶融初期化においては、再結晶化の速度が遅すぎると熱平衡を達成するための時間的余裕があるために他の結晶相が形成されることがあるので、ある程度冷却速度を速めるのが好ましい。また、溶融状態で長時間保持されると、記録層が流動したり、保護層等の薄膜が応力で剥離したり、樹脂基板等が変形するなどして、媒体の破壊につながるので好ましくない。
例えば、融点以上に保持する時間は、通常10μs以下、好ましくは1μs以下とすることが好ましい。
また、溶融初期化には、レーザー光を用いるのが好ましく、特に、走査方向にほぼ平行に短軸を有する楕円型のレーザー光を用いて初期結晶化を行う(以下この初期化方法を「バルクイレーズ」と称することがある。)のが好ましい。この場合、長軸の長さは、通常10〜1000μmであり、短軸の長さは、通常0.1〜5μmである。
なお、ここでいうビームの長軸及び短軸の長さは、ビーム内の光エネルギー強度分布を測定した場合の半値幅から定義される。このビーム形状も短軸方向における局所加熱、急速冷却を実現しやすくするため、短軸長を5μm以下、さらには2μm以下とすることがより好ましい。
レーザー光源としては、半導体レーザー、ガスレーザー等各種のものが使用できる。レーザー光のパワーは通常100mWから10W程度である。なお、同等のパワー密度とビーム形状が得られるならば、他の光源を使用してもかまわない。具体的にはXeランプ光等が挙げられる。
バルクイレーズによる初期化において、例えば円盤状の光学的情報記録用媒体を使用した際、楕円ビームの短軸方向をほぼ円周方向と一致させ、円盤を回転させて短軸方向に走査するとともに、1周(1回転)ごとに長軸(半径)方向に移動させて、全面の初期化を行うことができる。こうすることで、周方向のトラックに沿って走査される記録再生用集束光ビームに対して、特定方向に配向した多結晶構造を実現できる。
1回転あたりの半径方向の移動距離は、ビーム長軸より短くしてオーバーラップさせ、同一半径が複数回レーザー光ビームで照射されるようにするのが好ましい。その結果、確実な初期化が可能となると共に、ビーム半径方向のエネルギー分布(通常10〜20%)に由来する初期化状態の不均一を回避することができる。一方、移動量が小さすぎると、かえって他の好ましくない結晶相が形成されやすいので、通常半径方向の移動量は、通常ビーム長軸の1/2以上とする。また、初期化エネルギービームの走査速度は、通常3〜20m/s程度の範囲である。
少なくとも、溶融初期化によって本発明の光学的情報記録用媒体を得ることができたかどうかは、初期化後の未記録状態の反射率R1と、実際の記録用集束光ビーム(例えば、ビームの直径が1μm程度の集束光ビーム)で非晶質マークの記録を行った後の再結晶化による消去状態の反射率R2とが実質的に等しいかどうかで判断できる。ここでR2は、10回記録後の消去部の反射率である。
したがって、本発明の光学的情報記録用媒体は、初期結晶化後の未記録部の反射率R1、10回記録後の消去部の反射率をR2とするとき、下記関係式(3)を満たすことが好ましい。
ΔR = 2|R1−R2|/(R1+R2)×100(%) ≦ 10…(3)
ここで、10回記録後の消去部の反射率R2を判断指標とする理由は、10回の記録を行えば、1回の記録だけでは未記録状態のまま残りうる結晶状態の反射率の影響を除去し、光学的情報記録用媒体全面を少なくとも1回は記録・消去による再結晶化した状態とすることができるからである。一方、記録の回数が10回を大きく超えると逆に、繰り返し記録による記録層の微視的変形や、保護層から記録層への異元素の拡散等、記録層の結晶構造の変化以外の要因が反射率変化を引き起こすため、所望の結晶状態が得られたか否かの判断が困難となるからである。
上記関係式(3)においては、ΔRが10%以下なるようにしているが、5%以下とすることが好ましい。5%以下とすれば、より信号ノイズの低い光学的情報記録用媒体を得ることができる。
なお、上記消去状態は、必ずしも記録用集束レーザー光を実際の記録パルス発生方法に従って変調しなくても、記録パワーを直流的に照射して記録層を溶融せしめ、再凝固させることによっても得られる。
本発明において記録層に用いる相変化記録材料に対して、所望の初期結晶状態を得るには、この初期化エネルギービームの記録層平面に対する走査速度の設定が特に重要である。基本的には、初期結晶化後の結晶状態が記録後の消去部分の結晶状態と類似することが重要であるから、集束光ビームを使って実際に記録する場合の集束光ビームの記録層面に対する相対的な走査線速度に近いことが望ましい。具体的には、光学的情報記録用媒体の記録を行う最高線速度の20〜80%程度の線速度で初期化エネルギービームを走査する。
なお、記録の最高線速度とは、例えば、ここではその線速度で消去パワーPeを直流的に照射したときに、消去比が20dB以上となるような線速度をいう。
消去比は、概ね単一周波数で記録された非晶質マークの信号のキャリアレベルとPeの直流照射による消去後のキャリアレベルとの差として定義される。消去比の測定は例えば以下のように行う。まず、十分な信号特性(すなわち反射率や信号振幅またはジッタなどが規定値を満たす特性)が得られる記録条件において、記録する変調信号のなかで周波数の高い条件を選び、単一周波数として10回記録して非晶質マークをつくり、キャリアレベル(記録時C.L.)を測定する。その後、非晶質マークに対して直流照射を1回、消去パワーPeを変えながら行い、このときのキャリアレベル(消去後C.L.)を測定し、記録時C.L.と消去後C.L.の差、すなわち消去比を算出する。直流照射のパワーPeを変更すると消去比は一般に一度大きくなり、下がり、また大きくなる傾向があるが、ここではパワーPeを大きくし始めたときにみられる消去比のはじめのピーク値をそのサンプルの消去比とする。
初期化エネルギービームの走査速度は、上記のように規定された最高線速度の概ね20%より低い速度で初期化エネルギービームを走査すると相分離が生じて単一相が得られにくかったり、単一相であっても、結晶子が特に初期化ビーム走査方向に伸びて巨大化したり、好ましくない方向に配向したりする。好ましくは、記録可能な最高線速度の30%以上の速度で初期化エネルギービームを走査すればよい。
一方、記録可能な最高線速度と同等、すなわち概ねその80%より高い速度で初期化エネルギービームを走査した場合、初期化走査で一旦溶融した領域が再度非晶質化してしまうので好ましくない。走査線速度を速くすると溶融した部分の冷却速度は速くなり、再固化までの時間が短くなるからである。記録用の直径1ミクロン程度の集束光ビームでは、溶融領域周辺の結晶領域からの結晶成長による再結晶化は短時間でも完了できる。しかし、初期化楕円光ビームで走査した場合は、長軸方向の溶融領域面積が広くなるため、実際の記録時よりは、走査線速度を低くして、再凝固中の再結晶化を溶融領域全域に行き渡らせる必要がある。このような観点から、初期化エネルギービームの走査線速度は、記録の最高線速度の70%以下とすることが好ましく、60%以下とすることがより好ましく、50%より低くすることが最も好ましい。
本発明の光学的情報記録用媒体は、レーザー光の照射により初期結晶化を行う場合、レーザー光に対する媒体の移動速度を大きくすることが可能であるという特徴を有する。これは、短時間での初期結晶化が可能であるということに結びつき、生産性の向上やコスト削減が可能となる点で好ましい。
[2−1−3]光学的情報記録用媒体の記録再生方法
本発明の光学的情報記録用媒体に使用できる記録再生光は、通常半導体レーザーやガスレーザーなどのレーザー光であって、通常その波長は300〜800nm、好ましくは350〜800nm程度である。特に1Gbit/inch以上の高面記録密度を達成するためには、集束光ビーム径を小さくする必要があり、波長350から680nmの青色から赤色のレーザー光と開口数NAが0.5以上の対物レンズを用いて集束光ビームを得ることが望ましい。
記録マークを形成する際、記録パワーを高レベル(記録パワー)と低レベル(消去パワー)の2レベルで変調させる方式による記録を行うこともできるが、本発明においては下記のような記録マークを形成する際に消去パワーより十分低いオフパルス期間をもうけるなどの3レベル以上の記録パワーの変調による方式による記録方法を採用することが特に好ましい。
図2は、光学的情報記録用媒体の記録方法における記録光のパワーパターンを示す模式図である。長さnT(Tは基準クロック周期、nはマーク長変調記録において取りうるマーク長であり、整数値である)にマーク長変調された非晶質マークを形成する際、m=n−k(ただしkは0以上の整数)個の記録パルスに分割し、個々の記録パルス幅をαT(1≦i≦m)とし、個々の記録パルスにβT(1≦i≦m)なる時間のオフパルス(冷却パルス)区間を付随させる。なお、図2の分割記録パルスにおいては、図の見やすさの観点から、基準クロック同期Tの表記を省略してある。つまり、図2において、例えば、αTと記載すべきところは、単にαと記載してある。ここでα≦β、あるいはα≦βi−1(2≦i≦mないしはm−1)とするのが好ましい。なおΣα+Σβは通常n付近であるが、正確なnTマークを得るためΣα+Σβ=n+j(jは、−2≦j≦2なる定数)とすることもできる。
記録の際、マーク間においては、非晶質を結晶化しうる消去パワーPeの記録光を照射する。また、αT(i=1〜m)においては、記録層を溶融させるのに十分な記録パワーPwの記録光を照射し、βT(1≦i≦m−1)なる時間においては、Pb<Pe、好ましくはPb≦(1/2)Peとなるバイアスパワー(冷却パワー、オフパルスパワー)Pbの記録光を照射する。
なお、期間βTなる時間において照射する記録光のパワーPbは、βT(1≦i≦m−1)の期間と同様、通常Pb<Pe、好ましくはPb≦1/2Peとするが、Pb≦Peとなっていてもよい。
上記の記録方法を採用することによって、パワーマージンや記録時線速度マージンを広げることができる。この効果は、特にPb≦1/2PeなるようにバイアスパワーPbを十分低くとる際に顕著である。
なお、図2では、記録パルス(区間αT)とオフパルス(区間βT)の切り替え周期(α+β)Tあるいは、(βi−1+α)Tを、概ねTと等しくする、すなわち、(α+β)あるいは、(βi−1+α)を概ね1とする場合が通常だが、この切り替え周期を1Tより大きくすることも可能であり、特に、2Tや3Tにすることも可能である。高速記録においては、(α+β)あるいは(βi−1+α)を2以上とすることが好ましい。
さらに、記録時の線速度が上昇すると、クロック周期が短縮されるためオフパルス区間が短くなって冷却効果が損なわれる傾向が強くなる。このような場合には、nTマーク記録の際に記録パルスを分割し、オフパルスによる冷却区間を実時間にして1nsec以上、より好ましくは、5nsec以上設定することが有効である。
[2−2]本発明の情報記録用媒体の光学的情報記録用媒体以外の用途
本発明の情報記録用媒体は、少なくとも光照射による可逆的な相変化記録が可能であるため、光学的情報記録用媒体として用いることが可能であることは、上述したとおりである。しかし、本発明に用いる書き換え型情報記録用媒体は、例えば微少領域に電流を流すことによる相変化記録等にも適用できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に本発明に用いる相変化記録材料を光学的情報記録用媒体に適用した実施例を用いて説明するが、その要旨の範囲を越えない限り本発明は光学的情報記録用媒体への応用のみに限定されるものではない。
なお、下記実施例においては、光学的情報記録用媒体を単に「ディスク」、「光ディスク」、「相変化型光ディスク」等と呼ぶ場合がある。
光学的情報記録用媒体の記録層に用いた相変化記録材料の組成の測定には酸溶解ICP−AES(Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectrometry、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置)および蛍光X線分析装置を用いた。酸溶解ICP−AESに関しては、分析装置はJOBIN YVON社製JY 38 Sを用い、記録層をdil−HNOに溶解しマトリクスマッチング検量線法で定量した。蛍光X線分析装置は、理学電機工業株式会社のRIX3001を用いた。
(実施例1、2、比較例1〜4)
溝幅0.31μm、溝深さ28nm、溝ピッチ0.74μmの案内溝を有する直径120mm、0.6mm厚のディスク状ポリカーボネート基板上に次のように第1層から第5層を順にスパッタリング法により設けた。第1層は(ZnS)80(SiO220保護層(60nm)、第2層はGeN保護層(2nm)、第3層はAu−Ge−Sb−Sn−Te記録層(12nm)、第4層はGeN保護層(15nm)、第5層はAg反射層(200nm)である。その後に、未成膜の同様の0.6mm厚基板を、接着剤を介して上記記録層面が内側になるように貼り合せ相変化型光ディスクを作製した。各ディスクの組成、w、x、y、z、(2.2×w+y−z)、(2.2×w−z)の値を表4に示した。ただし比較例1の記録層はGeInSbSnTe系記録材料であるため、Inの含有量を2.2で割った値をwとした場合の数値を参考までに記載した。
これらのディスクは初期化可能なディスクに関しては次のように初期結晶化をおこなった。
初期結晶化用のレーザー光としては、幅約1μm、長さ約75μmの形状を有し、波長810nm/パワー1000mWのレーザー光を用いた。そして、上記ディスクを12.0m/sで回転させながら、上記レーザー光の長軸が上記基板に形成された案内溝に垂直になるようにしてディスクに照射した。そして、ディスク1回転あたり送り量50μmとして、上記レーザー光をディスクの半径方向に連続的に移動させることにより初期化をおこなった。
[評価]
記録再生評価は、パルステック社製ODU1000テスタ(波長約650nm、NA=0.65)を用いた。DVDの標準線速度3.49m/sを1倍速とし、溝内にフォーカスサーボ及びトラッキングサーボをかけ、記録特性の評価が可能なディスクについては10倍速での記録特性を評価した。記録信号にはETM+ランダム信号を用いオーバーライトをおこなった。データの基準クロック周波数は、1倍速における基準クロック周期38.2nsに対して記録時は線速度で反比例させたものとした。
再生は特に断わらない限り1倍速で行った。DDU1000からの出力信号を5〜20kHzにカットオフのある高周波通過フィルタを通した後、タイムインターバルアナライザー(横河電機社製)でジッタを測定した。再生パワーPrは0.6mWとした。
記録パルス分割方法を制御するための論理レベルの生成は、任意信号発生器(AWG710、ソニーテクトロニクス社製)を用いた。同信号発生器から、ECLレベルの論理信号として上記テスターのレーザードライバーに対するゲート信号として入力した。
実施例1、2、比較例1、4のディスクに線速度を10倍速としEFM+ランダムデータを記録し、該記録データのデータ・ツー・クロック・ジッタ(Data to clock jitter、以下では、基準クロック周期Tで規格化し%値で表したものを単にジッタ、jitter、と称する。)を測定した。
各マーク長記録用のパルス列の設定は次のとおりとした。nTのマークを記録するための光照射時間を、αT、βT、αT、βT、・・・、αT、βT、・・・、αT、βT(mはパルス分割数、Tは基準クロック周期)の順に分割し、αT(1≦i≦m)の時間内においては記録パワーPwの記録光を照射し、βT(1≦i≦m)の時間内においては、バイアスパワーPbの記録光を照射した。これらの値は実施例1のディスクは表1、実施例2のディスクは表2、比較例1のディスクは表3のとおりとした。
Figure 2008207438
Figure 2008207438
Figure 2008207438
マーク長によってはパルス列の照射タイミングをある時間だけずらしたが、この時間を「遅延時間」の欄に記した。照射タイミングを遅らせる場合を+、早める場合を−と定義した。値はクロック周期Tで規格化した。パルス列については、経験上最も適当であると思われるパルス列を中心に、各媒体とも数パターンを適用し、最もジッタが良好になるパルス列を選択した。マーク間部(表に記載した以外の部分)には消去パワーPeを照射した。
実施例1のディスクは、Pbは0.5mW、Peは6.0mW、実施例2のディスクは、Pbは0.5mW、Peは6mW、比較例1のディスクは、Pbは0.5mW、Peは5.0mWとした。これらのパワーは各ディスクで最適と思われる値を選んだ。記録パワーPwは20〜28mWで変化させて10回オーバーライト後のジッタ値を測定した。
ジッタ値はシングルトラック、クロストーク、クロスライトの3種類を測定したが、これらの定義は次のとおりである。シングルトラックとは、ディスクのほぼ1周の範囲で1トラックのみに記録をおこなったときのジッタ値で、クロストークとは、ジッタ測定をおこなうトラックの両隣のトラックに10回オーバーライトをおこなった後、測定をおこなうトラックに10回オーバーライトしたときのジッタ値で、クロスライトとは、測定をおこなうトラックに10回オーバーライトした後に両隣のトラックに10回オーバーライトし、元のトラックに戻り測定をおこなったときのジッタ値である。通常、クロストークの値は両隣のトラックの信号が影響しシングルトラックの値より悪化し、クロスライトの値は両隣のトラックに記録したときに測定トラックの信号が熱的な影響を受けることによりさらに悪化する。したがって、クロスライトの値とクロストークの値との差が隣接トラックからの熱の影響による悪化をあらわす指標となり、これをクロスライト特性と呼ぶ。もちろんこのジッタ値の差は小さい方がクロスライト特性は良好ということになる。また、ジッタの値自体は、いずれの場合においても10%以下であることが実用上好ましい。
結果を図3、図4、図5に示す。図3は実施例1の、図4は実施例2の、図5は比較例1のシングルトラック、クロストーク、クロスライトの3種類のジッタ値を、記録パワーPw値に対してプロットしたグラフである。図3、図4、図5に示されるように、いずれのディスクも記録パワーが24〜25mWでジッタ値が最も小さくなり、記録感度はほぼ同等であった。また、Pw=24mWでのクロスライトの値とクロストークの値との差(ΔJ)を表4に記載した。表4に示されるように、ΔJは小さい順に実施例2、実施例1、比較例1となり、クロスライト特性はAu含有量が多い方が良好であることがわかった。
ここで、比較例1は特開2004−345349の請求項1に規定された記録層の組成を満たすものであるが、上記の通りクロスライト特性において本発明の実施例1、2よりも劣っていることから、添加元素としてInよりもAuの方がクロスライト特性上優れていることが判明した。
なお、比較例4のディスクでは種々のパルス列及びPw領域を用いて記録再生を試みたが、シングルトラック特性でさえ10%以下のジッタは得ることができなかった。Sn含有量が多すぎることが一因と思われる。
次に、実施例1、2と比較例1、2のディスクで10回オーバーライト後の信号振幅を測定した。いずれもPwは24mWとした。比較例2においては実施例1と同様のパルス列、Peの値を用いた。信号振幅を(14Tマーク間部反射率)−(14Tマーク部反射率)で定義した。結果を表4に示す。
Figure 2008207438
比較例2のディスクでは信号振幅は0.1未満となり、実施例と比較して大きく劣っていた。これは、比較例2の記録層組成が、本願請求項1の式(ii)を満たしていないことが原因と考えられる。
実施例1と2の信号振幅の大きさの比較から、Au含有量が多くなると信号振幅が大きくなることが判る。つまり、GeAuSbSnTe系合金材料においては、前述の通り(Au量+Sn量−Te量)の大きさが信号振幅の大きさを左右すると考えられる。また、GeInSbSnTe系材料では、特開2004−345349に示されているように(In量+Sn量−Te量)が多くなると信号振幅が大きくなることを考慮すると、実施例2と比較例1は信号振幅が同じであるので、AuはInより信号振幅を大きくする効果が大きいことがわかる。AuとInの信号振幅に対する影響の大きさを定量的に見積もるためには、信号振幅が等しい実施例2と比較例1において、AuとInの含有量の比を考慮することが妥当である。すなわち、信号振幅を決めると思われる実施例2における(定数×Au量+Sn量−Te量)と比較例1における(In量+Sn量−Te量)を等しいとおくと、この「定数」の値は約2.2となり、2.2×Au量がIn量に相当すると考えることができる。すなわち、(2.2×Au量+Sn量−Te量)が信号振幅の大きさを決める指標となり、0.07≦(2.2×Au量+Sn量−Te量)、すなわち0.07≦(2.2×w+y−z)を満たすことが好ましいと思われる。
次に、実施例1、2、比較例3のディスクについて、100℃の環境に1時間保つ耐環境試験(加速試験)を実施した。加速試験前後での各ディスクの反射率、および((加速試験前反射率−加速試験後反射率)/加速試験前反射率)で定義した反射率低下率の測定結果を表4に示す。実施例1と実施例2のディスクの比較からTe含有量が同程度の場合Au含有量の多い方が反射率低下率は大きくなり、実施例2と比較例3の比較からTeが反射率低下を抑えていることがわかる。加速試験において反射率を低下させる効果はやはりAuの方がInより大きく、反射率低下率を0.15程度以下にする場合は、(2.2×Au量+Sn量−Te量)≦0.09にすれば良いと思われる。
Ge量については、GeSbSnTe4元系記録層においてGe含有量が0.3を超えると結晶化速度が遅くなり過ぎることが知られている(特開2004−345349の比較例4参照)。従って、本願発明のGeAuSbSnTe5元系では、Auを添加するとさらに結晶化速度が遅くなるため、やはりGe含有量は0.3以下が好ましいと思われる。
なお、実施例1、2のディスクは、記録パワー24mWでの1000回オーバーライト後のジッタ値は10%以下であり、実用化可能な特性であった。また、実施例1、2のディスクの非晶質マークについては、前記加速試験後に10倍速において6mWのDC光を照射した結果、非晶質マークの結晶化不足は観察されなかった。
本発明によれば、高速での記録消去が可能で、優れた信号強度とジッタ特性を有し、媒体の長期保存による反射率低下が小さく、クロスライト特性、繰り返し記録耐久性に優れた相変化記録材料、及び前記材料を用いた情報記録用媒体を得ることができる。
光学的情報記録用媒体の層構成を示す模式図である。 光学的情報記録用媒体の記録方法における記録光のパワーパターンを示す模式図である。 実施例1のシングルトラック、クロストーク、クロスライトの3種類のジッタ値を記録パワーPw値に対してプロットしたグラフである。 実施例2のシングルトラック、クロストーク、クロスライトの3種類のジッタ値を記録パワーPw値に対してプロットしたグラフである。 比較例1のシングルトラック、クロストーク、クロスライトの3種類のジッタ値を記録パワーPw値に対してプロットしたグラフである。
符号の説明
1 … 基板
2 … 第1保護層
3 … 記録層
4 … 第2保護層
5 … 反射層
6 … カバー層

Claims (17)

  1. 下記一般式(1)で表される組成を主成分とすることを特徴とする相変化記録材料。
    AuGeSnTeSb1−x―y−z−w (1)
    (ただし、Sbの含有量は、Auの含有量、Geの含有量、Snの含有量、及びTeの含有量のいずれよりも多く、原子数比を表すw、x、y、zがいずれも0より大きく、かつ下記(i)から(v)を満たす。
    (i)x≦0.3
    (ii)0.07≦2.2×w+y−z
    (iii)2.2×w−z≦0.09
    (iv)y≦0.35
    (v)0.35≦1−x−y−z−w
  2. 前記一般式(1)において、xがさらに0.03≦xを満たすことを特徴とする請求項1に記載の相変化記録材料。
  3. 前記一般式(1)において、yがさらにy≦0.3を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の相変化記録材料。
  4. 前記一般式(1)において、zがさらに0.02≦z≦0.25を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の相変化記録材料。
  5. 前記一般式(1)において、wがさらに0.002≦w≦0.15を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の相変化記録材料。
  6. 前記一般式(1)において、さらに0.1≦2.2×w+y−zを満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の相変化記録材料。
  7. 前記一般式(1)において、さらに2.2×w−z≦0.05を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の相変化記録材料。
  8. 前記情報記録材料が、結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とすることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の相変化記録材料。
  9. 記録層を有する情報記録用媒体であって、前記記録層が下記一般式(1)で表される組成を主成分とすることを特徴とする情報記録用媒体。
    AuGeSnTeSb1−x―y−z−w (1)
    (ただし、Sbの含有量は、Auの含有量、Geの含有量、Snの含有量、及びTeの含有量のいずれよりも多く、原子数比を表すw、x、y、zがいずれも0より大きく、かつ下記(i)から(v)を満たす。
    (i)x≦0.3
    (ii)0.07≦2.2×w+y−z
    (iii)2.2×w−z≦0.09
    (iv)y≦0.35
    (v)0.35≦1−x−y−z−w
  10. 前記一般式(1)において、xがさらに0.03≦xを満たすことを特徴とする請求項9に記載の情報記録用媒体。
  11. 前記一般式(1)において、yがさらにy≦0.3を満たすことを特徴とする請求項9又は10に記載の情報記録用媒体。
  12. 前記一般式(1)において、zがさらに0.02≦z≦0.25を満たすことを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の情報記録用媒体。
  13. 前記一般式(1)において、wがさらに0.002≦w≦0.15を満たすことを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の情報記録用媒体。
  14. 前記一般式(1)において、さらに0.1≦2.2×w+y−zを満たすことを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の情報記録用媒体。
  15. 前記一般式(1)において、さらに2.2×w−z≦0.05を満たすことを特徴とする請求項9乃至14のいずれかに記載の情報記録用媒体。
  16. 前記情報記録用媒体が、結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とすることを特徴とする請求項9乃至15のいずれかに記載の情報記録用媒体。
  17. 前記情報記録用媒体が、レーザー光で記録を行う光学的情報記録用媒体であることを特徴とする請求項9乃至16のいずれかに記載の情報記録用媒体。
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