JP2004030370A - 画像処理方法、画像処理プログラム、および画像処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】軟調系画像をデジタル画像処理によって得ることができる。
【解決手段】デジタル画像データから構成される原画像に、ぼかし処理を施すことにより、ぼかし画像を生成する(S2)。そして、上記ぼかし画像と原画像とにおける互いに対応する各画素に関し、原画像の画素値とぼかし画像の画素値とを、画素ごとに与えられる合成係数に基づいて合成することによって画素値を補正し、補正後の画素値から補正画像を生成する(S3)。上記合成係数は、補正後の画素値に含有されるぼかし画像の画素値の割合を示したものであることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】デジタル画像データから構成される原画像に、ぼかし処理を施すことにより、ぼかし画像を生成する(S2)。そして、上記ぼかし画像と原画像とにおける互いに対応する各画素に関し、原画像の画素値とぼかし画像の画素値とを、画素ごとに与えられる合成係数に基づいて合成することによって画素値を補正し、補正後の画素値から補正画像を生成する(S3)。上記合成係数は、補正後の画素値に含有されるぼかし画像の画素値の割合を示したものであることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像デバイスにより、写真フィルムから取り込んだデジタル画像データにフィルター処理を施すことにより、良質なデジタル画像データを取得する画像処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から写真撮影において、軟らかいイメージの画像を取得する場合、軟調系効果フィルターをレンズに装着して撮影したり、ソフトレンズを装着したカメラで撮影することにより行われてきた。なお、上記軟調系効果フィルターは、特定波長の光を遮断するため、レンズ前に装着するものをいい、デジタル画像処理におけるフィルター処理とは異とするものである。また、上記軟調系効果フィルターは、光の微妙な滲みを表現し、軟焦点描写効果の中にピントの芯があるのが特徴で、デュート、ソフトン、フォギー、ソフトクロス等のさまざまなフィルターが存在する。
【0003】
しかし、上記軟調性効果フィルターを使用する場合、撮像シーンごとに適正なフィルターを選択しなければならず、頻繁にフィルターを交換しなければならない。したがって、上記軟調系効果フィルターは実用性が高いものとは言えず、簡単な方法で、軟らかいイメージの写真画像を取得できる手段が待ち望まれていた。
【0004】
近年、写真処理の分野においては、CCD等の撮像デバイスにより写真フィルムからデジタル画像データを取り込むと共に、露光ヘッドが上記デジタル画像データに基づいて印画紙に画像を焼き付ける、いわゆるデジタル露光による写真処理が活発に行われている。このようなデジタル露光においては、上記デジタル画像データにさまざまな画像処理を施すことができる。このような画像処理において、ぼかしフィルターを用いたフィルター処理(以下、「ぼかし処理」とする)によれば、上記デジタル画像データから再現される画像に軟調感をもたせることができる。したがって、デジタル画像データにぼかし処理を施すことにより、カメラに軟調系フィルターやソフトレンズを用いた場合と同様の軟調系画像を得ることができれば便利である。
【0005】
ここで、特開平11−284860号公報によれば、原画像から覆い焼きマスクを作成し、上記覆い焼きマスクにぼかし処理を施した後、原画像と上記覆い焼きマスクとを合成することにより、画像に軟調感をもたせる技術が開示されている。上記公報の技術によれば、複雑な処理過程を経て、覆い焼きマスクが作成されている。したがって、処理の高速化を図るため、覆い焼きマスクをいったん縮小(間引き)して、この縮小画像(間引き画像)にぼかし処理を施した後、この縮小画像を再び拡大して、上記合成がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、画像を拡大または縮小すると、デジタル画像データの劣化(情報劣化)を避けることができない。すなわち、上記公報記載の手順によれば、原画像と、情報劣化の伴った覆い焼きマスクとを合成することとなるので、画像に軟調感を持たせることができても、全体的な画質の劣化を避けることができない。したがって、上記公報に記載されている手順とは異なる手順で、画像に軟調感を持たせるデジタル画像処理が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、カメラに軟調系フィルターやソフトレンズを用いなくとも、これらを用いた場合と同様の軟調系画像をデジタル画像処理によって得ることができる画像処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理方法は、上記課題を解決するために、写真フィルムから取り込んだデジタル画像データを補正する画像処理方法であって、上記デジタル画像データから構成される原画像に、ぼかし処理を施すことにより、ぼかし画像を生成するステップと、上記ぼかし画像と原画像とにおける互いに対応する各画素に関し、原画像の画素値とぼかし画像の画素値とを、画素ごとに与えられる合成係数に基づいて合成することによって画素値を補正し、補正後の画素値から補正画像を生成するステップとを備え、上記合成係数は、補正後の画素値に含有されるぼかし画像の画素値の割合を示したものであることを特徴とする。
【0009】
上記手順によれば、まず、写真フィルムからデジタル画像データを取り込むと共に、取り込んだデジタル画像データから構成される原画像にぼかし処理を施すことにより、ぼかし画像を作成する。
【0010】
そして、上記ぼかし画像と原画像とにおける互いに対応する各画素に関し、原画像の画素値とぼかし画像の画素値とを、上記合成係数に基づいて合成することによって画素値を補正し、補正後の画素値から補正画像を生成する。ここで、上記合成係数は、補正後の画素値に含有されるぼかし画像の画素値の割合を示したものであって、画素ごとに与えられるものである。
【0011】
したがって、補正画像においては、画素ごとに異なるぼかし効果、すなわち異なる軟調感を与えることができる。言い換えると、画像の輝度領域別に異なる軟調感を与えることができるので、カメラに軟調系フィルターやソフトレンズを用いなくとも、これらを用いた場合と同様の軟調系画像をデジタル画像処理によって得ることができる。
【0012】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、上記各画素に関して、上記合成係数は、ぼかし画像の画素値と相関関係にあることを特徴としてもよい。
【0013】
このような相関関係にあると、上記各画素において、ぼかし画像の各画素の輝度レベルに応じた合成係数を与えることができる。これにより、補正画像の各画素において、輝度レベルに応じた軟調感を与えることができる。これにより、補正画像の各画素において、輝度レベルに応じた軟調感を与えることができる。
【0014】
なお、一般的なソフトフィルターを考慮した場合、上記相関関係は、正の相関関係であることが好ましい。ここで、正の相関関係とは、例えば関数f(X)について、X1<x2の関係の異なる2つの値X1,x2がある場合、f(X1)≦f(X2)となる関係をいう。
【0015】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、上記合成係数をOp、bdat〔i,j〕をぼかし画像の画素値、Maxをぼかし画像が取り得る最大画素値、Grad(Grad>0)を任意に設定される値とした場合、
【0016】
【数2】
【0017】
により、上記各画素に関して合成係数を算出することを特徴としてもよい。
【0018】
上記手順によれば、Gradを調整することにより、ぼかし画像の取り得る値に対するOpの変化率(傾き)を調整することができる。すなわち、輝度領域別で、オペレータによって自在に軟調感を異ならせることが容易となる。
【0019】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、Opの取り得る最大値を100%未満にすることを特徴としてもよい。
【0020】
上記手順によれば、各画素に与えられるOpが、全て100%未満になるので、補正画像において、ぼかし画像の画素値が100%含まれている画素が存在しないこととなる。したがって、ぼかし効果が強すぎる場合に、高輝度部からの白とびを抑えることができる。
【0021】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、ぼかし画像のとりえる画素値の範囲を少なくとも2つに分割した場合、取り得る画素値が最も低い側の範囲では、Opを0%にすることを特徴としてもよい。
【0022】
上記手順によれば、上記各画素において、ぼかし画像の画素値が低い側の範囲においてのOpを0%にすることができる。つまり、補正画像において、輝度レベルの低い領域(暗部)の画素に含まれるぼかし画像の画素値を0%にすることができる。これにより、輝度レベルの低い領域においては、原画像の画素値を完全に反映させることができる。このような手順は、ぼかし画像の白ボケ感が強いときに、補正画像の暗部(例えば、女性の髪)を明確にするために有効となる。
【0023】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、上記デジタル画像データは、各色成分からなるものであることを特徴としてもよい。
【0024】
上記手順によれば、各画素に与えられるOpは色成分ごとに異なるものとなるので、画像に与えられる軟調感を色成分ごとに異ならせることができる。
【0025】
また、上述した請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像処理方法は、コンピュータに実行させるための画像処理プログラムであっても構わない。
【0026】
さらに、上記画像処理プログラムは、記録媒体において、コンピュータに読み取り可能に記録されていても構わない。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明は、写真フィルムから取り込んだデジタル画像データ(以下、「画像データ」とする)に画像処理を施すことにより、画像に軟調感を与え、カメラに軟調系フィルターやソフトレンズを用いた場合と同等の軟焦点描写(ソフトフォーカス)のなされた画像を再現するものである。以下、本実施の形態では、本発明の画像処理が実行される画像出力システムについて説明したうえで、上記画像処理手順を説明する。
【0028】
本発明の実施の一形態について図に基づいて説明すれば、以下のとおりである。図2は、本実施形態の画像出力システムの概略構成を示すブロック図である。上記画像出力システムは、フィルムスキャナ1、画像処理装置2、写真焼付装置3、モニター4を備えた構成となっている。
【0029】
フィルムスキャナ1は、例えば、光源からの光を、写真フィルムに照射し、その透過光をCCDなどで受光することにより、写真フィルムに記録されたコマごとの画像を読み取るブロックである。フィルムスキャナ1は、読み取った画像データを赤色成分、緑色成分、および青色成分ごとに画像処理装置2に出力する。
【0030】
画像処理装置2は、PC(Personal Computer)などによって構成されており、フィルムスキャナ1から送られた画像データに、種々の画像処理を施し、良質な画像データを写真焼付装置3に供給するブロックである。なお、本実施の形態に係る画像処理の手順は後に詳述する。
【0031】
プリンタとしての写真焼付装置3は、画像処理装置2によって処理がなされた画像データに基づいて感光材料である印画紙を露光することにより、印画紙上に画像を焼き付けるためのブロックである。画像データに応じた光を印画紙に照射するヘッドとしては、画像データに応じて画素ごとに印画紙への照射光を変調できる光変調素子が用いられる。このような光変調素子としては、例えばPLZT露光ヘッド、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)、LCD(液晶表示装置)、LED(Light Emitting Diode)パネル、レーザー、FOCRT(FiberOptic Cathode Ray Tube)、CRT(Cathode Ray Tube)等が挙げられる。
【0032】
なお、写真焼付装置3は、写真フィルムのスキャニングと印画紙の露光とを両方行うことができるオートプリンタとして構成してもよい。この場合、画像出力システムを、画像の読み取りから焼付けまでを行うオートプリンタと、画像処理装置2とを接続した構成とすることにより、システムの簡素化を図ることができる。
【0033】
モニター4は、フィルムスキャナ1から読み取られた画像、画像処理中の画像、画像処理がなされた画像、システムの動作状況等をオペレータに表示するためのものであり、オペレータが操作するためのポインティングデバイス(図示せず)が構成されていてもよい。
【0034】
つぎに、画像処理装置2によって実行される本実施の形態に係る画像処理の概略を図1のフローチャートに基づいて説明する。まず、スキャナ1が、写真フィルムに記録されているコマ画像から原画像データを取得し、上記原画像データを画像処理部2へ送信する(S1)。ここで、読み取られる原画像データは、R,G,Bごとに1024×1534程度の画素数とするが、この画素数に限定されるものではない。また、画像処理部2は、受け取った原画像データを、図示しないメモリに記憶させる。そして、画像処理部2は、原画像データから構成される原画像にぼかし処理を施すことにより、ぼかし画像を作成する(S2)。
【0035】
さらに、画像処理部2は、ぼかし画像の画像データからOpを算出する(S3)。このOpとは、画素ごとに求められ、S4における補正画像(原画像とぼかし画像との合成)の各画素の画像値に含まれるぼかし画像の画像値の割合をいい、不透過率、不透明度,融合係数または合成係数ということができる。その後、画像処理部2は、Opの値に基づいて、原画像とぼかし画像とを合成することにより補正画像を生成する(S4)。さらに、画像処理部2は、補正画像においてシャープ感が残存する部分にぼかし処理を施した(S5)後、処理を終了する。以上の手順により本実施の形態に係る画像処理が実行されるが、S2〜S5の手順は本実施の形態の特徴点であるので、これらの手順を以下に詳述する。
<ぼかし画像の作成,S2>
ここでいうぼかし画像の作成とは、上記原画像データの全画素に対して、フィルターによるぼかし処理を施すことにより行われる。なお、使用するフィルターとして、n次の正方行列の移動平均フィルターが用いられる。
【0036】
このぼかし処理とは、原画像のうち、移動平均フィルターによって参照される領域について、着目画素を中心とした周囲の画素に係る画素値の平均を求め、この平均を着目画素の画素値とする処理をいう。また、着目画素の周囲の各画素に対して、着目画素を基準にして重みを持たせるようにして、着目画素の画素値を求めても構わない。このぼかし処理を図3に基づいて説明すると、以下のとおりになる。
【0037】
図3は、上記原画像データから構成される原画像のうち、上記移動平均フィルターが参照する領域を示している。ここでは、2R×2R(Rは画素数)のエリアを上記領域として、領域の中心となる着目画素を〔i,j〕としている。そして、着目画素〔i,j〕とした場合、ぼかし処理後の各画素の画素値は、数3に示す演算により求めることができる。
【0038】
【数3】
【0039】
なお、m,nは、ぼかし処理前の参照される各画素の座標〔m,n〕の各座標値を示し、各画素の重みWmnは、数4に示すように、移動平均、ガウス分布関数、またはべき乗関数により決定される。
【0040】
【数4】
【0041】
なお、rは、着目画素と各画素との距離を示す。また、上記手順では、着目画素を上記領域の中心としたが、これに限定されるものでない。
【0042】
ここで、移動平均によりWmnを決定する場合は、各画素の重みが一定となる。また、ガウス分布関数、べき乗関数によりWmnを決定する場合は、着目画素からの距離が近いほど各画素に重みを持たせるようにしている。ここで、Wmnをべき乗関数として用いる場合、ぼかし画像における互いに密接し合う画素について、軟調感に強弱を持たせることができるので、細かな被写体がぼかし効果で潰れてしまうような不都合を回避できる。
<原画像とぼかし画像との合成,S4>
つぎに、S2で作成したぼかし画像を原画像に重ね合わせて、補正画像を生成する処理(以下、「合成処理」とする)について説明する。まず、画像処理装置2が、図示しないメモリから原画像データを読み出す。そして、画像処理装置2は、原画像とぼかし画像とにおける互いに対応する各画素に関して、原画像の画素値(画像データ)とぼかし画像の画素値とから平均混色により画素値を算出(補正)し、算出した画素値を対応する画素位置にはめ込むことにより行う。ここで、上記各画素に関して、原画像の画素値をsdat、ぼかし画像の画素値をbdat、補正後の画素値をndatとすると、以下の演算により合成後の各画素の画素値を求めることができる。
【0043】
【数5】
【0044】
<Opの算出,S3>
Opとは、補正画像の各画素の画素値(画像データ)に含まれるぼかし画像の画素値(画像データ)の割合(%)をいい、不透過率、不透明度または融合係数ということができる。
【0045】
このOpは、以下に示すべき乗関数によって合成前にあらかじめ画素ごとに算出する。以下の演算では、各画素について、ぼかし画像の画素値(輝度レベル)に応じて、Opが算出される。このような演算手順によれば、各画素に与えられるOpを、ぼかし画像の画素値に応じて異ならせることができる。したがって、補正画像において、ぼかし画像の各画素の輝度レベルに応じて、画素ごとに異なる程度の軟調性を与えることができる。
【0046】
【数6】
【0047】
ここで、Gradは、Grad>0でユーザにより任意に設定される値である。また、上記演算式は、画像データの最大階調が255の場合を示しているが、これに限定されるものではない。例えば、画像データの最大階調が65535の場合、上記演算式の分母は「65535Grad」となる。つまり、上記関数によりOpを算出する場合、bdat〔i,j〕が0のときはOpを0%、bdat〔i,j〕が最大画素値(最大階調)のときはOpを100%にすると共に、Gradの値を調整することによりbdat〔i,j〕に対するOpの変化率を調整できる。
【0048】
また、各画素に関して、bdat〔i,j〕とOpとの関係は、図4(a)に示すテーブルによって表すことができる。ここで、上記テーブルによれば、bdat〔i,j〕が最大値となる画素のOp(以下、「Omax」とする)は100%となり、合成処理後におけるこの画素には原画像の画素値が含まれないことになる。したがって、合成処理後の画像を構成する全画素に原画像の画像値を反映させるためには、Omaxを100%未満にしなければならない。
【0049】
ここで、本実施の形態では、数6に示す関数をF(bdat〔i,j〕)として、F(bdat〔i,j〕)にOmax/100を乗じて得られる関数を、Opを求めるためのテーブルとしてもよい。このようにして得られた関数を図4(b)に示す。これにより、各画素に与えられるOpを全て100%未満にすることができるので、補正画像において高輝度領域からの白とびを抑えることができる。
【0050】
さらに、図4(a)または図4(b)のテーブルによれば、bdat〔i,j〕>0の領域では、Op>0となる。すなわち、合成画像を構成するほとんどの画素には、ぼかし画像の画像データが反映されることになる。しかし、S2の手順によって作成されたぼかし画像に白ぼけ感が強い場合、この白ぼけ感が、補正画像における暗部に悪影響を及ぼすこととなる。そこで、本実施の形態では、図4(c)に示すように、オペレータが、bdat〔i,j〕のうち、任意の画素値DLimを定めると共に、上記テーブルをDLim>0およびDLim≦0の2領域に分割する。そして、DLim≦0(低輝度領域)では、Op=0となるように設定すると共に、DLim>0(高輝度領域)で、Op>0となるようにべき乗関数を設定してもよい。これにより、補正画像を構成する画素のうち、ぼかし画像の画素値がDLim以下の画素に関しては、補正画像においてぼかし画像の画像値が反映されない。これにより、補正画像のうち低輝度領域(暗部)については、原画像データを忠実に反映させることが可能になり、白ぼけ感が強い場合でも、暗部を構成する被写体を明確にすることができる。なお、上記手順では、上記テーブルをDLim>0およびDLim≦0の2領域に分割しているが、ぼかし画像のとりえる画素値の範囲を少なくとも2つに分割し、最も低い範囲で、Opを0%にしていれば上記手順に限定されない。
<補正画像のぼかし処理,S5>
また、原画像とぼかし画像とから合成された補正画像においては、各画素のコントラストが低下しているものの、被写体を示す輪郭は殆ど変わらないことが多く、部分的にシャープ感(画像の芯)が残存している場合がある。例えば、図5に示すように、黒髪の女性を被写体とする原画像と、上記原画像をぼかしたぼかし画像とを合成した画像では黒髪の輪郭が残存する。
【0051】
このような場合、オペレータが、モニター4により、補正画像におけるシャープ感が残存する領域を特定し、画像処理装置2が、特定された領域に対してのみフィルターによるぼかし処理を行う(S4)。このぼかし処理は、例えば、図6に示すフィルターが参照する各画素に対して、以下に示す演算により、上記各画素の画素値を求めることにより行われる。算出される各画素〔k,l〕の画素値をf〔k,l〕、フィルターにより参照される領域の中心画素を〔s,t〕とすると、
【0052】
【数7】
【0053】
ここで、中心強度および減衰率は、オペレータによって定められる任意のパラメータである。なお、フィルターの中心に対してその周囲が中心から離れるほど、フィルターの係数が小さくなるように、中心強度と減衰率が決定される。すなわち、上述のフィルター処理によれば、画像処理装置2は、フィルターにより参照された領域における各画素に対し、中心画素からの距離に応じて異なる画素値を与えると共に、与えられる画素値を中心画素から離れるに従って低下させている。このような処理を実行することにより、画像処理装置2は、合成画像におけるオペレータが特定した領域に対してのみ、シャープ感を解消すると共に、軟調性を与えることができる。すなわち、合成画像における被写体を示す輪郭をぼかすことができる。
【0054】
このようなS1〜S4の処理を実行することにより得られる画像は、軟調性の高いものである。すなわち、写真フィルムから取り込んだデジタル画像に対して、S1〜S4の処理を実行することにより、カメラのレンズに軟調系効果フィルターを装着したり、ソフトレンズを用いて撮影した場合に得られる画像と同様の画像を得ることができる。
【0055】
なお、S3の合成処理では、原画像とぼかし画像とにおける互いに対応する各画素に関して、平均混色により画素値を算出することとしているが、加法混色により画素値を算出する手順としても構わない。この場合、以下に示す演算式により、上記画素値が算出される。
【0056】
【数8】
【0057】
また、画素ごとに設定されるOp,Gradは、同一画素であっても色成分別に異なる値にしてもよい。これにより、合成画像の軟調性を色成分別にコントロールすることができ、カメラにカメラフィルターを装着した際に現れる色変化をデジタル画像処理によって再現することができる。
【0058】
さらに、S2およびS4におけるぼかし処理の処理手順は例示であって、画像の軟調性を高める処理であれば、上述した処理に限定されない。
【0059】
また、本実施の形態における画像処理は、カラー画像であってもモノクロ画像であっても構わない。
【0060】
さらに、上述した手順によれば、Opは、ぼかし画像の画素値からべき乗関数で算出しているが、これに限定されるものではない。Opとぼかし画像の画素値が相関関係にあれば、いかなる関数を用いても構わない。
【0061】
また、S2におけるぼかし画像の作成手順では、移動平均フィルターが用いることにより、ぼかし処理の演算量を抑えている。これにより、S2において、画像に間引き処理(拡縮)を施してからぼかし処理をする必要がない。すなわち、S2では、画質の劣化を伴うことなくぼかし処理を行うことができる。
【0062】
ところで、以上の実施の形態で示した手順は、プログラムで実現することが可能である。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒体として、画像処理部2で処理が行われるために必要な図示していないメモリ(例えばROMそのもの)であってもよいし、また図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0063】
上記いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサ(図示せず)のアクセスにより実行される構成であってもよいし、格納されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムを図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードすることにより、そのプログラムが実行される構成であってもよい。この場合、ダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0064】
ここで上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0065】
また、本発明においてはインターネットを含む通信ネットワークと接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。尚、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0066】
最後に、上述した実施の形態は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0067】
【発明の効果】
本発明の画像処理方法は、以上のように、写真フィルムから取り込んだデジタル画像データを補正する画像処理方法であって、上記デジタル画像データから構成される原画像に、ぼかし処理を施すことにより、ぼかし画像を生成するステップと、上記ぼかし画像と原画像とにおける互いに対応する各画素に関し、原画像の画素値とぼかし画像の画素値とを、画素ごとに与えられる合成係数に基づいて合成することによって画素値を補正し、補正後の画素値から補正画像を生成するステップとを備え、上記合成係数は、補正後の画素値に含有されるぼかし画像の画素値の割合を示したものであることを特徴とする。
【0068】
これにより、補正画像において、画像の輝度領域別に異なる軟調感を与えることができるので、カメラに軟調系フィルターやソフトレンズを用いなくとも、これらを用いた場合と同様の軟調系画像をデジタル画像処理によって得ることができる。
【0069】
本発明の画像処理方法は、以上のように、上記手順に加えて、上記各画素に関して、上記合成係数は、ぼかし画像の画素値と相関関係にあることを特徴としてもよい。
【0070】
これにより、補正画像の各画素において、輝度レベルに応じた軟調感を与えることができる。
【0071】
本発明の画像処理方法は、以上のように、上記手順に加えて、上記合成係数をOp、bdat〔i,j〕をぼかし画像の画素値、Maxをぼかし画像が取り得る最大画素値、Grad(Grad>0)を任意に設定される値とした場合、
【0072】
【数9】
【0073】
により、上記各画素に関して合成係数を算出することを特徴としてもよい。
【0074】
これにより、輝度領域別で、オペレータによって自在に軟調感を異ならせることが容易となる。
【0075】
本発明の画像処理方法は、以上のように、上記手順に加えて、Opの取り得る最大値を100%未満にすることを特徴としてもよい。
【0076】
これにより、ぼかし効果が強すぎる場合に、高輝度部からの白とびを抑えることができる。
【0077】
本発明の画像処理方法は、以上のように、上記手順に加えて、ぼかし画像のとりえる画素値の範囲を少なくとも2つに分割した場合、取り得る画素値が最も低い側の範囲では、Opを0%にすることを特徴としてもよい。
【0078】
これにより、輝度レベルの低い領域においては、原画像の画素値を完全に反映させることができる。このような手順は、ぼかし画像の白ボケ感が強いときに、補正画像の暗部(例えば、女性の髪)を明確にするために有効となる。
【0079】
本発明の画像処理方法は、以上のように、上記手順に加えて、上記デジタル画像データは、各色成分からなるものであることを特徴としてもよい。
【0080】
これにより、各画素に与えられるOpは色成分ごとに異なるものとなるので、画像に与えられる軟調感を色成分ごとに異ならせることができる。
【0081】
また、上述した請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像処理方法は、コンピュータに実行させるための画像処理プログラムであっても構わない。
【0082】
さらに、上記画像処理プログラムは、記録媒体において、コンピュータに読み取り可能に記録されていても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理の手順を示したフローチャートである。
【図2】上記画像処理が実行される画像処理システムの概略構成を示したブロック図である。
【図3】上記画像処理を構成する一手順であるぼかし処理において、移動平均フィルターが参照する領域を示した説明図である。
【図4】(a)は、Opとbdat〔i,j〕の関係を示した図である。(b)は上記べき乗関数にOmax/100を乗じて得られる関数を示した図である。(c)は、(a)のテーブルをbdat〔i,j〕=DLimを境に分割して、DLim≦0では、Op=0となるように設定すると共に、DLim>0でべき乗関数を設定した態様を示した図である。
【図5】原画像と、上記原画像をぼかしたぼかし画像と、上記原画像とぼかし画像とを合成した補正画像とを示した模式図である。
【図6】補正画像に対して、ぼかし処理を行う際に用いられるフィルター行列を示した説明図である。
【符号の説明】
1 フィルムスキャナ
2 画像処理装置
3 写真焼付装置
4 モニター
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像デバイスにより、写真フィルムから取り込んだデジタル画像データにフィルター処理を施すことにより、良質なデジタル画像データを取得する画像処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から写真撮影において、軟らかいイメージの画像を取得する場合、軟調系効果フィルターをレンズに装着して撮影したり、ソフトレンズを装着したカメラで撮影することにより行われてきた。なお、上記軟調系効果フィルターは、特定波長の光を遮断するため、レンズ前に装着するものをいい、デジタル画像処理におけるフィルター処理とは異とするものである。また、上記軟調系効果フィルターは、光の微妙な滲みを表現し、軟焦点描写効果の中にピントの芯があるのが特徴で、デュート、ソフトン、フォギー、ソフトクロス等のさまざまなフィルターが存在する。
【0003】
しかし、上記軟調性効果フィルターを使用する場合、撮像シーンごとに適正なフィルターを選択しなければならず、頻繁にフィルターを交換しなければならない。したがって、上記軟調系効果フィルターは実用性が高いものとは言えず、簡単な方法で、軟らかいイメージの写真画像を取得できる手段が待ち望まれていた。
【0004】
近年、写真処理の分野においては、CCD等の撮像デバイスにより写真フィルムからデジタル画像データを取り込むと共に、露光ヘッドが上記デジタル画像データに基づいて印画紙に画像を焼き付ける、いわゆるデジタル露光による写真処理が活発に行われている。このようなデジタル露光においては、上記デジタル画像データにさまざまな画像処理を施すことができる。このような画像処理において、ぼかしフィルターを用いたフィルター処理(以下、「ぼかし処理」とする)によれば、上記デジタル画像データから再現される画像に軟調感をもたせることができる。したがって、デジタル画像データにぼかし処理を施すことにより、カメラに軟調系フィルターやソフトレンズを用いた場合と同様の軟調系画像を得ることができれば便利である。
【0005】
ここで、特開平11−284860号公報によれば、原画像から覆い焼きマスクを作成し、上記覆い焼きマスクにぼかし処理を施した後、原画像と上記覆い焼きマスクとを合成することにより、画像に軟調感をもたせる技術が開示されている。上記公報の技術によれば、複雑な処理過程を経て、覆い焼きマスクが作成されている。したがって、処理の高速化を図るため、覆い焼きマスクをいったん縮小(間引き)して、この縮小画像(間引き画像)にぼかし処理を施した後、この縮小画像を再び拡大して、上記合成がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、画像を拡大または縮小すると、デジタル画像データの劣化(情報劣化)を避けることができない。すなわち、上記公報記載の手順によれば、原画像と、情報劣化の伴った覆い焼きマスクとを合成することとなるので、画像に軟調感を持たせることができても、全体的な画質の劣化を避けることができない。したがって、上記公報に記載されている手順とは異なる手順で、画像に軟調感を持たせるデジタル画像処理が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、カメラに軟調系フィルターやソフトレンズを用いなくとも、これらを用いた場合と同様の軟調系画像をデジタル画像処理によって得ることができる画像処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理方法は、上記課題を解決するために、写真フィルムから取り込んだデジタル画像データを補正する画像処理方法であって、上記デジタル画像データから構成される原画像に、ぼかし処理を施すことにより、ぼかし画像を生成するステップと、上記ぼかし画像と原画像とにおける互いに対応する各画素に関し、原画像の画素値とぼかし画像の画素値とを、画素ごとに与えられる合成係数に基づいて合成することによって画素値を補正し、補正後の画素値から補正画像を生成するステップとを備え、上記合成係数は、補正後の画素値に含有されるぼかし画像の画素値の割合を示したものであることを特徴とする。
【0009】
上記手順によれば、まず、写真フィルムからデジタル画像データを取り込むと共に、取り込んだデジタル画像データから構成される原画像にぼかし処理を施すことにより、ぼかし画像を作成する。
【0010】
そして、上記ぼかし画像と原画像とにおける互いに対応する各画素に関し、原画像の画素値とぼかし画像の画素値とを、上記合成係数に基づいて合成することによって画素値を補正し、補正後の画素値から補正画像を生成する。ここで、上記合成係数は、補正後の画素値に含有されるぼかし画像の画素値の割合を示したものであって、画素ごとに与えられるものである。
【0011】
したがって、補正画像においては、画素ごとに異なるぼかし効果、すなわち異なる軟調感を与えることができる。言い換えると、画像の輝度領域別に異なる軟調感を与えることができるので、カメラに軟調系フィルターやソフトレンズを用いなくとも、これらを用いた場合と同様の軟調系画像をデジタル画像処理によって得ることができる。
【0012】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、上記各画素に関して、上記合成係数は、ぼかし画像の画素値と相関関係にあることを特徴としてもよい。
【0013】
このような相関関係にあると、上記各画素において、ぼかし画像の各画素の輝度レベルに応じた合成係数を与えることができる。これにより、補正画像の各画素において、輝度レベルに応じた軟調感を与えることができる。これにより、補正画像の各画素において、輝度レベルに応じた軟調感を与えることができる。
【0014】
なお、一般的なソフトフィルターを考慮した場合、上記相関関係は、正の相関関係であることが好ましい。ここで、正の相関関係とは、例えば関数f(X)について、X1<x2の関係の異なる2つの値X1,x2がある場合、f(X1)≦f(X2)となる関係をいう。
【0015】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、上記合成係数をOp、bdat〔i,j〕をぼかし画像の画素値、Maxをぼかし画像が取り得る最大画素値、Grad(Grad>0)を任意に設定される値とした場合、
【0016】
【数2】
【0017】
により、上記各画素に関して合成係数を算出することを特徴としてもよい。
【0018】
上記手順によれば、Gradを調整することにより、ぼかし画像の取り得る値に対するOpの変化率(傾き)を調整することができる。すなわち、輝度領域別で、オペレータによって自在に軟調感を異ならせることが容易となる。
【0019】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、Opの取り得る最大値を100%未満にすることを特徴としてもよい。
【0020】
上記手順によれば、各画素に与えられるOpが、全て100%未満になるので、補正画像において、ぼかし画像の画素値が100%含まれている画素が存在しないこととなる。したがって、ぼかし効果が強すぎる場合に、高輝度部からの白とびを抑えることができる。
【0021】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、ぼかし画像のとりえる画素値の範囲を少なくとも2つに分割した場合、取り得る画素値が最も低い側の範囲では、Opを0%にすることを特徴としてもよい。
【0022】
上記手順によれば、上記各画素において、ぼかし画像の画素値が低い側の範囲においてのOpを0%にすることができる。つまり、補正画像において、輝度レベルの低い領域(暗部)の画素に含まれるぼかし画像の画素値を0%にすることができる。これにより、輝度レベルの低い領域においては、原画像の画素値を完全に反映させることができる。このような手順は、ぼかし画像の白ボケ感が強いときに、補正画像の暗部(例えば、女性の髪)を明確にするために有効となる。
【0023】
本発明の画像処理方法は、上記手順に加えて、上記デジタル画像データは、各色成分からなるものであることを特徴としてもよい。
【0024】
上記手順によれば、各画素に与えられるOpは色成分ごとに異なるものとなるので、画像に与えられる軟調感を色成分ごとに異ならせることができる。
【0025】
また、上述した請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像処理方法は、コンピュータに実行させるための画像処理プログラムであっても構わない。
【0026】
さらに、上記画像処理プログラムは、記録媒体において、コンピュータに読み取り可能に記録されていても構わない。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明は、写真フィルムから取り込んだデジタル画像データ(以下、「画像データ」とする)に画像処理を施すことにより、画像に軟調感を与え、カメラに軟調系フィルターやソフトレンズを用いた場合と同等の軟焦点描写(ソフトフォーカス)のなされた画像を再現するものである。以下、本実施の形態では、本発明の画像処理が実行される画像出力システムについて説明したうえで、上記画像処理手順を説明する。
【0028】
本発明の実施の一形態について図に基づいて説明すれば、以下のとおりである。図2は、本実施形態の画像出力システムの概略構成を示すブロック図である。上記画像出力システムは、フィルムスキャナ1、画像処理装置2、写真焼付装置3、モニター4を備えた構成となっている。
【0029】
フィルムスキャナ1は、例えば、光源からの光を、写真フィルムに照射し、その透過光をCCDなどで受光することにより、写真フィルムに記録されたコマごとの画像を読み取るブロックである。フィルムスキャナ1は、読み取った画像データを赤色成分、緑色成分、および青色成分ごとに画像処理装置2に出力する。
【0030】
画像処理装置2は、PC(Personal Computer)などによって構成されており、フィルムスキャナ1から送られた画像データに、種々の画像処理を施し、良質な画像データを写真焼付装置3に供給するブロックである。なお、本実施の形態に係る画像処理の手順は後に詳述する。
【0031】
プリンタとしての写真焼付装置3は、画像処理装置2によって処理がなされた画像データに基づいて感光材料である印画紙を露光することにより、印画紙上に画像を焼き付けるためのブロックである。画像データに応じた光を印画紙に照射するヘッドとしては、画像データに応じて画素ごとに印画紙への照射光を変調できる光変調素子が用いられる。このような光変調素子としては、例えばPLZT露光ヘッド、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)、LCD(液晶表示装置)、LED(Light Emitting Diode)パネル、レーザー、FOCRT(FiberOptic Cathode Ray Tube)、CRT(Cathode Ray Tube)等が挙げられる。
【0032】
なお、写真焼付装置3は、写真フィルムのスキャニングと印画紙の露光とを両方行うことができるオートプリンタとして構成してもよい。この場合、画像出力システムを、画像の読み取りから焼付けまでを行うオートプリンタと、画像処理装置2とを接続した構成とすることにより、システムの簡素化を図ることができる。
【0033】
モニター4は、フィルムスキャナ1から読み取られた画像、画像処理中の画像、画像処理がなされた画像、システムの動作状況等をオペレータに表示するためのものであり、オペレータが操作するためのポインティングデバイス(図示せず)が構成されていてもよい。
【0034】
つぎに、画像処理装置2によって実行される本実施の形態に係る画像処理の概略を図1のフローチャートに基づいて説明する。まず、スキャナ1が、写真フィルムに記録されているコマ画像から原画像データを取得し、上記原画像データを画像処理部2へ送信する(S1)。ここで、読み取られる原画像データは、R,G,Bごとに1024×1534程度の画素数とするが、この画素数に限定されるものではない。また、画像処理部2は、受け取った原画像データを、図示しないメモリに記憶させる。そして、画像処理部2は、原画像データから構成される原画像にぼかし処理を施すことにより、ぼかし画像を作成する(S2)。
【0035】
さらに、画像処理部2は、ぼかし画像の画像データからOpを算出する(S3)。このOpとは、画素ごとに求められ、S4における補正画像(原画像とぼかし画像との合成)の各画素の画像値に含まれるぼかし画像の画像値の割合をいい、不透過率、不透明度,融合係数または合成係数ということができる。その後、画像処理部2は、Opの値に基づいて、原画像とぼかし画像とを合成することにより補正画像を生成する(S4)。さらに、画像処理部2は、補正画像においてシャープ感が残存する部分にぼかし処理を施した(S5)後、処理を終了する。以上の手順により本実施の形態に係る画像処理が実行されるが、S2〜S5の手順は本実施の形態の特徴点であるので、これらの手順を以下に詳述する。
<ぼかし画像の作成,S2>
ここでいうぼかし画像の作成とは、上記原画像データの全画素に対して、フィルターによるぼかし処理を施すことにより行われる。なお、使用するフィルターとして、n次の正方行列の移動平均フィルターが用いられる。
【0036】
このぼかし処理とは、原画像のうち、移動平均フィルターによって参照される領域について、着目画素を中心とした周囲の画素に係る画素値の平均を求め、この平均を着目画素の画素値とする処理をいう。また、着目画素の周囲の各画素に対して、着目画素を基準にして重みを持たせるようにして、着目画素の画素値を求めても構わない。このぼかし処理を図3に基づいて説明すると、以下のとおりになる。
【0037】
図3は、上記原画像データから構成される原画像のうち、上記移動平均フィルターが参照する領域を示している。ここでは、2R×2R(Rは画素数)のエリアを上記領域として、領域の中心となる着目画素を〔i,j〕としている。そして、着目画素〔i,j〕とした場合、ぼかし処理後の各画素の画素値は、数3に示す演算により求めることができる。
【0038】
【数3】
【0039】
なお、m,nは、ぼかし処理前の参照される各画素の座標〔m,n〕の各座標値を示し、各画素の重みWmnは、数4に示すように、移動平均、ガウス分布関数、またはべき乗関数により決定される。
【0040】
【数4】
【0041】
なお、rは、着目画素と各画素との距離を示す。また、上記手順では、着目画素を上記領域の中心としたが、これに限定されるものでない。
【0042】
ここで、移動平均によりWmnを決定する場合は、各画素の重みが一定となる。また、ガウス分布関数、べき乗関数によりWmnを決定する場合は、着目画素からの距離が近いほど各画素に重みを持たせるようにしている。ここで、Wmnをべき乗関数として用いる場合、ぼかし画像における互いに密接し合う画素について、軟調感に強弱を持たせることができるので、細かな被写体がぼかし効果で潰れてしまうような不都合を回避できる。
<原画像とぼかし画像との合成,S4>
つぎに、S2で作成したぼかし画像を原画像に重ね合わせて、補正画像を生成する処理(以下、「合成処理」とする)について説明する。まず、画像処理装置2が、図示しないメモリから原画像データを読み出す。そして、画像処理装置2は、原画像とぼかし画像とにおける互いに対応する各画素に関して、原画像の画素値(画像データ)とぼかし画像の画素値とから平均混色により画素値を算出(補正)し、算出した画素値を対応する画素位置にはめ込むことにより行う。ここで、上記各画素に関して、原画像の画素値をsdat、ぼかし画像の画素値をbdat、補正後の画素値をndatとすると、以下の演算により合成後の各画素の画素値を求めることができる。
【0043】
【数5】
【0044】
<Opの算出,S3>
Opとは、補正画像の各画素の画素値(画像データ)に含まれるぼかし画像の画素値(画像データ)の割合(%)をいい、不透過率、不透明度または融合係数ということができる。
【0045】
このOpは、以下に示すべき乗関数によって合成前にあらかじめ画素ごとに算出する。以下の演算では、各画素について、ぼかし画像の画素値(輝度レベル)に応じて、Opが算出される。このような演算手順によれば、各画素に与えられるOpを、ぼかし画像の画素値に応じて異ならせることができる。したがって、補正画像において、ぼかし画像の各画素の輝度レベルに応じて、画素ごとに異なる程度の軟調性を与えることができる。
【0046】
【数6】
【0047】
ここで、Gradは、Grad>0でユーザにより任意に設定される値である。また、上記演算式は、画像データの最大階調が255の場合を示しているが、これに限定されるものではない。例えば、画像データの最大階調が65535の場合、上記演算式の分母は「65535Grad」となる。つまり、上記関数によりOpを算出する場合、bdat〔i,j〕が0のときはOpを0%、bdat〔i,j〕が最大画素値(最大階調)のときはOpを100%にすると共に、Gradの値を調整することによりbdat〔i,j〕に対するOpの変化率を調整できる。
【0048】
また、各画素に関して、bdat〔i,j〕とOpとの関係は、図4(a)に示すテーブルによって表すことができる。ここで、上記テーブルによれば、bdat〔i,j〕が最大値となる画素のOp(以下、「Omax」とする)は100%となり、合成処理後におけるこの画素には原画像の画素値が含まれないことになる。したがって、合成処理後の画像を構成する全画素に原画像の画像値を反映させるためには、Omaxを100%未満にしなければならない。
【0049】
ここで、本実施の形態では、数6に示す関数をF(bdat〔i,j〕)として、F(bdat〔i,j〕)にOmax/100を乗じて得られる関数を、Opを求めるためのテーブルとしてもよい。このようにして得られた関数を図4(b)に示す。これにより、各画素に与えられるOpを全て100%未満にすることができるので、補正画像において高輝度領域からの白とびを抑えることができる。
【0050】
さらに、図4(a)または図4(b)のテーブルによれば、bdat〔i,j〕>0の領域では、Op>0となる。すなわち、合成画像を構成するほとんどの画素には、ぼかし画像の画像データが反映されることになる。しかし、S2の手順によって作成されたぼかし画像に白ぼけ感が強い場合、この白ぼけ感が、補正画像における暗部に悪影響を及ぼすこととなる。そこで、本実施の形態では、図4(c)に示すように、オペレータが、bdat〔i,j〕のうち、任意の画素値DLimを定めると共に、上記テーブルをDLim>0およびDLim≦0の2領域に分割する。そして、DLim≦0(低輝度領域)では、Op=0となるように設定すると共に、DLim>0(高輝度領域)で、Op>0となるようにべき乗関数を設定してもよい。これにより、補正画像を構成する画素のうち、ぼかし画像の画素値がDLim以下の画素に関しては、補正画像においてぼかし画像の画像値が反映されない。これにより、補正画像のうち低輝度領域(暗部)については、原画像データを忠実に反映させることが可能になり、白ぼけ感が強い場合でも、暗部を構成する被写体を明確にすることができる。なお、上記手順では、上記テーブルをDLim>0およびDLim≦0の2領域に分割しているが、ぼかし画像のとりえる画素値の範囲を少なくとも2つに分割し、最も低い範囲で、Opを0%にしていれば上記手順に限定されない。
<補正画像のぼかし処理,S5>
また、原画像とぼかし画像とから合成された補正画像においては、各画素のコントラストが低下しているものの、被写体を示す輪郭は殆ど変わらないことが多く、部分的にシャープ感(画像の芯)が残存している場合がある。例えば、図5に示すように、黒髪の女性を被写体とする原画像と、上記原画像をぼかしたぼかし画像とを合成した画像では黒髪の輪郭が残存する。
【0051】
このような場合、オペレータが、モニター4により、補正画像におけるシャープ感が残存する領域を特定し、画像処理装置2が、特定された領域に対してのみフィルターによるぼかし処理を行う(S4)。このぼかし処理は、例えば、図6に示すフィルターが参照する各画素に対して、以下に示す演算により、上記各画素の画素値を求めることにより行われる。算出される各画素〔k,l〕の画素値をf〔k,l〕、フィルターにより参照される領域の中心画素を〔s,t〕とすると、
【0052】
【数7】
【0053】
ここで、中心強度および減衰率は、オペレータによって定められる任意のパラメータである。なお、フィルターの中心に対してその周囲が中心から離れるほど、フィルターの係数が小さくなるように、中心強度と減衰率が決定される。すなわち、上述のフィルター処理によれば、画像処理装置2は、フィルターにより参照された領域における各画素に対し、中心画素からの距離に応じて異なる画素値を与えると共に、与えられる画素値を中心画素から離れるに従って低下させている。このような処理を実行することにより、画像処理装置2は、合成画像におけるオペレータが特定した領域に対してのみ、シャープ感を解消すると共に、軟調性を与えることができる。すなわち、合成画像における被写体を示す輪郭をぼかすことができる。
【0054】
このようなS1〜S4の処理を実行することにより得られる画像は、軟調性の高いものである。すなわち、写真フィルムから取り込んだデジタル画像に対して、S1〜S4の処理を実行することにより、カメラのレンズに軟調系効果フィルターを装着したり、ソフトレンズを用いて撮影した場合に得られる画像と同様の画像を得ることができる。
【0055】
なお、S3の合成処理では、原画像とぼかし画像とにおける互いに対応する各画素に関して、平均混色により画素値を算出することとしているが、加法混色により画素値を算出する手順としても構わない。この場合、以下に示す演算式により、上記画素値が算出される。
【0056】
【数8】
【0057】
また、画素ごとに設定されるOp,Gradは、同一画素であっても色成分別に異なる値にしてもよい。これにより、合成画像の軟調性を色成分別にコントロールすることができ、カメラにカメラフィルターを装着した際に現れる色変化をデジタル画像処理によって再現することができる。
【0058】
さらに、S2およびS4におけるぼかし処理の処理手順は例示であって、画像の軟調性を高める処理であれば、上述した処理に限定されない。
【0059】
また、本実施の形態における画像処理は、カラー画像であってもモノクロ画像であっても構わない。
【0060】
さらに、上述した手順によれば、Opは、ぼかし画像の画素値からべき乗関数で算出しているが、これに限定されるものではない。Opとぼかし画像の画素値が相関関係にあれば、いかなる関数を用いても構わない。
【0061】
また、S2におけるぼかし画像の作成手順では、移動平均フィルターが用いることにより、ぼかし処理の演算量を抑えている。これにより、S2において、画像に間引き処理(拡縮)を施してからぼかし処理をする必要がない。すなわち、S2では、画質の劣化を伴うことなくぼかし処理を行うことができる。
【0062】
ところで、以上の実施の形態で示した手順は、プログラムで実現することが可能である。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒体として、画像処理部2で処理が行われるために必要な図示していないメモリ(例えばROMそのもの)であってもよいし、また図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0063】
上記いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサ(図示せず)のアクセスにより実行される構成であってもよいし、格納されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムを図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードすることにより、そのプログラムが実行される構成であってもよい。この場合、ダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0064】
ここで上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0065】
また、本発明においてはインターネットを含む通信ネットワークと接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。尚、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0066】
最後に、上述した実施の形態は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0067】
【発明の効果】
本発明の画像処理方法は、以上のように、写真フィルムから取り込んだデジタル画像データを補正する画像処理方法であって、上記デジタル画像データから構成される原画像に、ぼかし処理を施すことにより、ぼかし画像を生成するステップと、上記ぼかし画像と原画像とにおける互いに対応する各画素に関し、原画像の画素値とぼかし画像の画素値とを、画素ごとに与えられる合成係数に基づいて合成することによって画素値を補正し、補正後の画素値から補正画像を生成するステップとを備え、上記合成係数は、補正後の画素値に含有されるぼかし画像の画素値の割合を示したものであることを特徴とする。
【0068】
これにより、補正画像において、画像の輝度領域別に異なる軟調感を与えることができるので、カメラに軟調系フィルターやソフトレンズを用いなくとも、これらを用いた場合と同様の軟調系画像をデジタル画像処理によって得ることができる。
【0069】
本発明の画像処理方法は、以上のように、上記手順に加えて、上記各画素に関して、上記合成係数は、ぼかし画像の画素値と相関関係にあることを特徴としてもよい。
【0070】
これにより、補正画像の各画素において、輝度レベルに応じた軟調感を与えることができる。
【0071】
本発明の画像処理方法は、以上のように、上記手順に加えて、上記合成係数をOp、bdat〔i,j〕をぼかし画像の画素値、Maxをぼかし画像が取り得る最大画素値、Grad(Grad>0)を任意に設定される値とした場合、
【0072】
【数9】
【0073】
により、上記各画素に関して合成係数を算出することを特徴としてもよい。
【0074】
これにより、輝度領域別で、オペレータによって自在に軟調感を異ならせることが容易となる。
【0075】
本発明の画像処理方法は、以上のように、上記手順に加えて、Opの取り得る最大値を100%未満にすることを特徴としてもよい。
【0076】
これにより、ぼかし効果が強すぎる場合に、高輝度部からの白とびを抑えることができる。
【0077】
本発明の画像処理方法は、以上のように、上記手順に加えて、ぼかし画像のとりえる画素値の範囲を少なくとも2つに分割した場合、取り得る画素値が最も低い側の範囲では、Opを0%にすることを特徴としてもよい。
【0078】
これにより、輝度レベルの低い領域においては、原画像の画素値を完全に反映させることができる。このような手順は、ぼかし画像の白ボケ感が強いときに、補正画像の暗部(例えば、女性の髪)を明確にするために有効となる。
【0079】
本発明の画像処理方法は、以上のように、上記手順に加えて、上記デジタル画像データは、各色成分からなるものであることを特徴としてもよい。
【0080】
これにより、各画素に与えられるOpは色成分ごとに異なるものとなるので、画像に与えられる軟調感を色成分ごとに異ならせることができる。
【0081】
また、上述した請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像処理方法は、コンピュータに実行させるための画像処理プログラムであっても構わない。
【0082】
さらに、上記画像処理プログラムは、記録媒体において、コンピュータに読み取り可能に記録されていても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理の手順を示したフローチャートである。
【図2】上記画像処理が実行される画像処理システムの概略構成を示したブロック図である。
【図3】上記画像処理を構成する一手順であるぼかし処理において、移動平均フィルターが参照する領域を示した説明図である。
【図4】(a)は、Opとbdat〔i,j〕の関係を示した図である。(b)は上記べき乗関数にOmax/100を乗じて得られる関数を示した図である。(c)は、(a)のテーブルをbdat〔i,j〕=DLimを境に分割して、DLim≦0では、Op=0となるように設定すると共に、DLim>0でべき乗関数を設定した態様を示した図である。
【図5】原画像と、上記原画像をぼかしたぼかし画像と、上記原画像とぼかし画像とを合成した補正画像とを示した模式図である。
【図6】補正画像に対して、ぼかし処理を行う際に用いられるフィルター行列を示した説明図である。
【符号の説明】
1 フィルムスキャナ
2 画像処理装置
3 写真焼付装置
4 モニター
Claims (8)
- 写真フィルムから取り込んだデジタル画像データを補正する画像処理方法であって、
上記デジタル画像データから構成される原画像に、ぼかし処理を施すことにより、ぼかし画像を生成するステップと、
上記ぼかし画像と原画像とにおける互いに対応する各画素に関し、原画像の画素値とぼかし画像の画素値とを、画素ごとに与えられる合成係数に基づいて合成することによって画素値を補正し、補正後の画素値から補正画像を生成するステップとを備え、
上記合成係数は、補正後の画素値に含有されるぼかし画像の画素値の割合を示したものであることを特徴とする画像処理方法。 - 上記各画素に関して、上記合成係数は、ぼかし画像の画素値と相関関係にあることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
- Opの取り得る最大値を100%未満にすることを特徴とする請求項3に記載の画像処理方法。
- ぼかし画像のとりえる画素値の範囲を少なくとも2つに分割した場合、取り得る画素値が最も低い側の範囲では、Opを0%にすることを特徴とする請求項3または4に記載の画像処理方法。
- 上記デジタル画像データは、各色成分からなるものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
- 請求項7に記載の画像処理プログラムをコンピュータに読み取り可能に記録してなることを特徴とする画像処理プログラムを記録した記録媒体。
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