JP2004026639A - 炭酸カルシウムの製造方法 - Google Patents

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萩原 浩一
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Abstract

【課題】パルプ製造プロセスで副生される緑液から、高品質の炭酸カルシウムを製造できる方法の提供。
【解決手段】緑液を苛性化するに先立ち、緑液の清澄度を高めて分光白色度測色計で測定される当該緑液のろ過残渣の明度を50以上に保持する。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラフト法によるパルプ製造工程で得られる緑液に、生石灰または生石灰を水酸化ナトリウム含有液と反応させて得た消和液を添加してこれを苛性化した際に生成する石灰スラッジから、製紙用填料あるいは塗被紙用顔料として使用可能な高白色度の炭酸カルシウム、特に微粒子化が必要な塗被紙用顔料とする際に、粉砕時にスラリーが著しい増粘を引き起こすことなく、しかも高濃度で分散可能な炭酸カルシウムのスラリーを取得する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭酸カルシウムは、塗被紙用顔料として、あるいは製紙用填料として、従前から広く使用されているが、この種の炭酸カルシウムは、化学的に合成して得られる軽質炭酸カルシウムと、天然より産出する石灰石を湿式粉砕した重質炭酸カルシウムとに大別することができる。
軽質炭酸カルシウムは、炭酸ガス法によって製造するのが一般的であり、反応条件を変化させることによって、粒子径や形状をコントロールできる利点があるものの、重質炭酸カルシウムに比較して高価である。このため、軽質炭酸カルシウムを塗被紙用顔料として使用する場合には、高光沢度及び高白色度を塗被紙に付与することを目的として、塗被組成物に少量配合するのが普通である。一方、重質炭酸カルシウムは、軽質炭酸カルシウムより安価であるばかりでなく、塗被組成物に高配合してもその塗工作業に支障をきたさないため、塗被紙用顔料として多用されている。
【0003】
ところで、炭酸ガス法を代表例とする合成法や天然鉱物に頼らない炭酸カルシウム源としては、クラフト法によるパルプ製造工程で副生される緑液を、生石灰にて苛性化した際に生成する石灰スラッジがある。この石灰スラッジは、不定形の炭酸カルシウム粒子が凝集した塊状物であり、その主成分は炭酸カルシウムであるので、夾雑物を全く含まない又は殆ど含まない石灰スラッジを生成させることができれば、これを適宜粉砕することにより、製紙用填料として、あるいは高濃度で粉砕することにより塗被紙用顔料として使用可能な高品質の、換言すれば、高白色度の炭酸カルシウムを得ることができる。
【0004】
緑液を生石灰で苛性化した際に生成する石灰スラッジに、夾雑物を持ち込まないようにする従来技術としては、緑液の苛性化に先立ち、当該緑液中に空気を吹き込み、夾雑する遊離カーボンなどの黒色浮遊物を凝集させて緑液を清澄化させる方法が、既に提案されている(特許文献1参照)。しかし、空気吹込みによって凝集させ得る成分は、緑液中の夾雑物の一部でしか過ぎないので、この方法では、高品質の炭酸カルシウムを回収することができない。
【0005】
また、下記の特許文献2には、製紙用填料に使用できる炭酸カルシウムを、上記の石灰スラッジから製造する方法として、石灰スラッジに夾雑するシリカ及び不溶解物質含有量を所定量以下とし、シリカや不溶解物質の少ないこの石灰スラッジを粉砕することが開示されている。そして、シリカや不溶解物質の少ない石灰スラッジを取得する方法として、静置又はろ過手段による緑液の清澄化が記載されている。しかしながら、この公知文献は、緑液の清澄化をどの程度進めれば、着色夾雑物が少ない高品質の炭酸カルシウムからなる石灰スラッジが得られるかを、具体的に教示していない。
【0006】
さらに、下記の特許文献3には、緑液を65℃以上の温度でろ過して緑液に含まれる固形不純物を予め除去した後、ろ液に相当する緑液に生石灰を加えて消和を行って未反応物質を除去し、しかる後、液中の炭酸カルシウムを粉砕又は粉砕することなく回収し、これを80℃以上の温水で洗浄した後、粉砕処理と酸化剤による漂白処理を施すことからなる炭酸カルシウムの回収方法が記載されている。しかし、この方法は、緑液から炭酸カルシウムを回収できるまでの工程が煩雑であるため、たとえ高品質の炭酸カルシウムが回収できたとしても、その実用化には魅力が乏しい。
【0007】
一方、これら従来技術によって得られた炭酸カルシウムを塗被紙用顔料として適用する場合は、適当な粒子径まで粉砕処理を行なうが、微粒子化するに伴い、苛性化反応由来のソーダ分等のアルカリ成分が溶出してスラリーの増粘の問題を引き起こすため、粉砕作業に支障をきたす。そのため、炭酸カルシウムスラリー濃度の低下を余儀なくされているのが実情である。スラリー濃度の低下は塗被組成物の濃度低下を引き起こし、塗被紙製造工程における乾燥エネルギーが増加するので経済的でないばかりか、乾燥ムラなどの塗被紙品質上の欠陥を誘引する。
これに対し、軽質炭酸カルシウム顔料分散液を湿式粉砕する際に、顔料分散液のpHが8.0〜12.0となるように炭酸ガスを直接吹込むことで、少ない分散剤添加量で顔料分散液の粘度が低く、粉砕負荷の低い軽質炭酸カルシウムの湿式粉砕方法が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、本発明者らの検討結果によれば、パルプ製造工程の苛性化反応を利用した炭酸カルシウムのように、そのpHが13を越える炭酸カルシウム分散液の場合には、炭酸ガスの吹込みによってpHが12を下回るまで中和するのに、長い滞留時間と多量の炭酸ガスを必要とし、効率が悪いのみならず、経済的にも不利であることが判明した。
【0008】
【特許文献1】
特開昭61−53112号公報
【特許文献2】
特開昭61−179398号公報
【特許文献3】
特開昭61−183120号公報
【特許文献4】
特開2000−239017号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記した従来技術の問題点を考慮すると共に、クラフト法によるパルプ製造工程で副生される緑液の性状、特にこれに夾雑する成分の種類や量が、蒸解する木材の種類やパルプ廃液である黒液の濃縮物を燃焼させる際の燃焼条件や補助燃料の種類などによって変化することにも配慮して、緑液に夾雑する着色成分の種類や量が変化しても、常に着色夾雑物が少ない石灰スラッジを回収することができ、従って、製紙用填料又は塗被紙用顔料として使用可能な、白色度が90%以上である炭酸カルシウムを容易に製造できる方法を提供することにある。
また、本発明の課題は、スラリーの固形分濃度が73重量%以上、好ましくは75重量%以上であって、炭酸カルシウムの平均粒子径が1〜2μm程度であることが要求される塗被紙用顔料として使用可能な白色度90%以上である炭酸カルシウムのスラリーを、粉砕工程で溶出するアルカリ成分の中和に要する酸性物質の使用量が少なくて、それでいてアルカリ成分によるスラリー粘度の上昇が抑制され、安価で効率よく製造できる方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法の一つは、クラフト法によるパルプ製造工程で得られる緑液を、生石灰または生石灰を水酸化ナトリウム含有液と反応させて得た消和液にて苛性化し、生成する石灰スラッジを固液分離後水洗して炭酸カルシウムを製造する方法において、生石灰または消和液にて緑液を苛性化するに先立ち、緑液に清澄化処理を施すことを特徴とする。緑液が清澄化されているか否かは、緑液200gを孔径が1μmでろ過面積が9.6cmのガラス繊維製ろ紙に通過させて、ろ紙上に残るろ過残渣乾燥物を分光白色度測色計で測定して判定し、その明度が50以上であれば、その緑液は清澄化されていると判定する。
上記のように清澄化された緑液に生石灰または消和液を加えて生成される石灰スラッジは、通常、パルプ製造工程に使用される白液(水酸化ナトリウム、硫化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を主成分として含む)から分離され、次いで弱液(アルカリ成分)の回収を目的として、1段の希釈脱水洗浄工程に付される。
本発明の方法によって炭酸カルシウムを製造する場合、特に、塗被紙用顔料として使用する炭酸カルシウムの製造を目論む場合には、上記した希釈脱水洗浄工程の下流側に、石灰スラッジの小粒子化工程と、それに続く水洗工程を設けることが好ましい。石灰スラッジの小粒子化工程では、石灰スラッジの平均粒子径を5〜20μmの範囲に調節することが好ましい。こうすることで、石灰スラッジに混在するアルカリ成分を水洗によって効率的に除去できるからである。
石灰スラッジの小粒子化工程に続く水洗工程では、石灰スラッジ中に混在するアルカリ成分が水と置換される。石灰スラッジは、置換されて排出されるろ液のpHが11.0以下になるまで洗浄するのが好ましい。
上記した石灰スラッジの小粒子化工程と水洗工程を経た石灰スラッジ(炭酸カルシウム)は、これをさらに湿式粉砕した際に溶出するアルカリ成分が大幅に減少するため、少量の中和薬品(酸性物質)の使用で当該湿式粉砕工程での炭酸カルシウムスラリーの増粘を防止することができる。しかも中和処理のために要する滞留時間も短縮できるため、塗被紙用顔料として要求される固形分濃度が73%以上の炭酸カルシウムスラリーを効率よく製造することが出来るのである。
【0011】
【発明の実施の形態】
最初に、木材チップから紙の素材となるパルプ繊維を製造するプロセスを概説する。クラフト法によるパルプ製造プロセスでは、苛性ソーダと硫化ソーダを主成分とする蒸解薬液を収めた蒸解釜中で、木材チップが高温・高圧下にて蒸煮される。この蒸煮によって、木材に含まれるリグニンなどの成分は蒸解薬液に溶出され、目的物であるパルプ繊維は、この薬液に分散した状態で蒸解釜から取り出されるので、これを固液分離することにより、紙の素材となるパルプ繊維が取得される。そして、固液分離によりパルプ繊維から分離されたパルプ廃液(黒液と呼ばれる)は、薬品回収および熱回収の目的で、多重効用缶などで濃縮され、黒液回収ボイラーで燃焼せしめられる。
【0012】
濃縮黒液の燃焼で生成するスメルト(炭酸ナトリウム及び硫化ナトリウムを主成分とする無機溶融物)を、後述する弱液に溶解させたものが所謂緑液であって、通常のパルプ製造プロセスでは、この緑液に含まれるドレッグス(不溶性夾雑物)の大部分を沈降分離し、ドレッグスが分離除去された緑液は、これに生石灰を投入する苛性化工程に供され、当該工程で生起する消和反応と苛性化反応により、石灰スラッジが生成される。この石灰スラッジを含むスラリーを固液分離し、その液状成分に含まれる水酸化ナトリウム及び硫化ナトリウムは、白液として木材チップの蒸解に再利用される。一方、液状成分から分離された石灰スラッジは、ロータリーキルン、カルサイナーなどで焼成されて生石灰に転化し、その生石灰は緑液の苛性化工程に循環使用される。分離されたドレッグスや石灰スラッジを洗浄した際に得られる液状成分は弱液として、上記したスメルトの溶解に使用される。
【0013】
連続操業されている通常のパルプ製造プロセスでは、蒸解工程で消失するナトリウム分及び硫黄分を補う目的で、例えば、硫酸ナトリウムを添加することと、緑液の苛性化に使用する生石灰が不足している場合には、これを系外から補充することを除いて、蒸解に必要な薬品は、緑液の苛性化工程で回収される白液で賄い、緑液の苛性化に必要な生石灰は、当該苛性化工程で生成される石灰スラッジの焼成物で賄うのが一般的である。
従って、苛性化工程で得られる石灰スラッジについて言えば、これを焼成して得られる生石灰が、これを緑液に投入した際に、消石灰に消和され、その消石灰が緑液中の炭酸ナトリウムと充分に反応できるだけの品質を満たしていればよく、石灰スラッジに含まれるドレッグス成分の多寡は、パルプ製造プロセスでは余り問題にならない。
【0014】
しかし、パルプ製造プロセスで副生される石灰スラッジを、炭酸カルシウムの供給源として考えた場合には、特に、白色度が高い炭酸カルシウムの供給源として考えた場合には、ドレッグス成分にかなり含まれる有色の未燃カーボンや金属塩が炭酸カルシウムの白色度に大きく影響することから、石灰スラッジに含まれるドレッグス成分の多寡が極めて重要である。
本発明は、緑液を苛性化して得られる石灰スラッジの白色度が、緑液の清澄度に大きく依存するとの知見から、石灰スラッジの白色度を向上させるために、苛性化工程に供される緑液の清澄度を特定の値以上に高めることを要件とする。
本発明で言う緑液の清澄度は、緑液200gを孔径が1μmでろ過面積が9.6cmのガラス繊維製ろ紙に通過させてろ紙上に残るろ過残渣乾燥物を分光白色度測色計で測定した際の明度で規定され、ガラス繊維製ろ紙には、例えば、アドバンテック社製のGS25が使用可能である。また、分光白色度測色計には、スガ試験機株式会社製のSC−10WNが使用され、D65光源,10度視野で測定した明度Lを用いる。なお、明度Lとは、JIS Z 8729(1994)に規定されるL表示系の明度指数のことである。また、ろ過残査の乾燥条件は、60℃、60分が採用される。
【0015】
本発明では、上記した明度が50以上、好ましくは65以上、より好ましくは75以上の値になるように清澄化された緑液に、生石灰を添加してこれを苛性化して石灰スラッジを生成させるが、緑液の清澄度を高めるための手段には、特に限定はない。例えば、回収ボイラーの操業条件の適正化、蒸解薬液回収サイクルにおける緑液清澄化装置の増強及び/又は緑液清澄化装置の最適化によって、目標値に緑液を清澄化することができる。
緑液清澄化装置としては、従来から公知の装置を使用することが可能であり、凝集沈殿方式やろ過材を利用するろ過方式の清澄化装置を使用できる。なかでも、
ろ過方式の清澄化装置を単独で使用するか、凝集沈殿方式の清澄化装置とろ過方式の清澄化装置を併用する方法が、凝集沈殿方式で除去できない軽量の浮遊性のドレッグス成分を効率的に除去できるので特に有効である。この場合のろ過方式の清澄化装置としては、ベルトフィルター、ディスクフィルター、プレコートフィルター、カートリッジ式の精密ろ過膜装置、アンドリッツ社からXフィルター(登録商標)として市販されている流動層ろ過塔のほか、これら装置を加圧条件下で行なう装置を例示できる。
一般にフィルター(ろ過材)には、ポリプロピレン製、テフロン(登録商標)製、ナイロン製のものが、耐アルカリ性並びに耐熱性に優れることから主に使用される。また、プレコートフィルターなどを使用する場合には、ケイソウ土、パーライト、炭酸カルシウム、ソルカフロックなどの各種ろ過助剤を使用することも可能である。
【0016】
本発明で規定する緑液の清澄度を確保するためには、黒液回収ボイラー運転条件などの適正化を図ることで、緑液清澄化装置に供給する緑液中のドレッグスの平均粒子径が10μm以上、好ましくは15μm、より好ましくは20μm以上となるようにするのが望ましい。このような平均粒子径のドレッグスは前記ろ過方式の緑液清澄化装置での除去効率が高く、操業性にも優れている。なお、ドレッグスの粒子径はレーザー回折式粒子径測定装置(マイクロトラック粒度分析計/日機装社製モデル9320X100)で測定したd50%の値を用いた。
【0017】
本発明においては、上に規定した明度の値が50以上、好ましくは65以上、より好ましくは75以上である緑液に、生石灰を添加してこれを苛性化するが、ここで使用する生石灰には、CaO含有量が93重量%以上で、酸化鉄やアルミナ、シリカなどの不純物の少ない生石灰を使用することが望ましく、具体的にはそれぞれの不純物の含有量合計が0.5重量%以下、好ましくは0.3重量%未満に調節することが望ましい。本発明の方法によって得られる石灰スラッジの焼成物は、本発明の緑液に添加する生石灰として、勿論使用可能である。
【0018】
また、クラフトパルプ製造工程、古紙再生パルプ製造工程、抄紙工程または塗工紙製造工程などから排出される工程排水には炭酸カルシウムが含まれており、このような工程排水から分離された固形物(所謂、製紙スラッジ)を燃焼させて製造される焼却灰にはカルシウム成分が含有されている。本発明では、かかる焼却灰を上記生石灰の一部として使用することで、資源の有効活用を図ることもできる。
このような場合には、得られる炭酸カルシウムの白色度を90%以上に維持するために、焼却灰中の無機物に対する鉄分含有率がFe換算で4.0重量%以下になるような製紙スラッジを選択使用するのが好ましい。
また、製紙スラッジには、カオリンやタルクを含有していることが多く、これらの無機顔料は余り高温で燃焼すると、焼結して硬度が非常に高い粒子となり、粉砕処理が困難になる虞がある。一方、余り低温で燃焼したのでは、焼却灰中に未燃カーボンが残留し焼却灰が暗色化する虞もある。従って、かかる製紙スラッジの燃焼は、800〜900℃の温度で行なうのが好ましい。さらに、製紙スラッジを、一旦、低酸素濃度雰囲気下でかつ500〜700℃の条件で蒸し焼きした後、過剰空気雰囲気下でかつ500〜1000℃の条件下で燃焼することで、焼却灰中の未燃カーボン量をより低減することも可能である。
本発明では、このような焼却灰を、緑液の苛性化に使用する生石灰の20重量%以下の範囲で置換使用することができる。
【0019】
緑液の苛性化には、パルプ製造プロセスで常用されている反応条件を採用することができ、この苛性化により石灰スラッジが生成する。ここで得られた石灰スラッジの分散液(石灰乳)は、白液を回収する目的で固液分離され、次いでアルカリ成分の回収を目的として、固液分離された石灰スラッジを水に再分散して脱水し、ここで得られたろ液は弱液として再使用される。この脱水機には、ベルトフィルター、ドラムフィルター、ディスクフィルター、フィルタープレス、シリンダープレス、デカンター、またはこれらを加圧条件下で行なう装置が挙げられる。これら脱水機から適宜選択された装置の1種を単段で用いることにより、目的とする白液とアルカリ成分の回収を行なうのが従来の慣行である。
しかしながら、アルカリ成分(弱液)の回収を主目的とした脱水洗浄のみでは石灰スラッジに随伴するアルカリ成分を充分に除去することができないので、白色度の高い塗工紙用炭酸カルシウム顔料の取得を目指す本発明では、弱液から分離された石灰スラッジに、後述する小粒子化処理を施してから、その石灰スラッジに随伴するアルカリ成分の除去(以下、単に“脱アルカリ”と称することがある)を目的とした水洗工程に、石灰スラッジを供することを可とする。
【0020】
本発明では脱アルカリに供される石灰スラッジの平均粒子径を、予め5〜20μmの範囲に、好ましくは9〜16μmの範囲に調節するのが望ましい。一般に、緑液の苛性化によって生成される石灰スラッジは、不定形粒子の塊状物であって、その平均粒子径は20〜35μmの範囲にある。ちなみに、石灰スラッジの平均粒子径が5μm未満であると、アルカリ成分の溶出は容易になるが、脱水後の石灰スラッジケーキの含水率を低くすることが難しくなり、その結果、脱アルカリが不十分になるおそれがある。また、石灰スラッジの平均粒子径が20μmを超えると、アルカリ成分の溶出が難しくなり、結果的に脱アルカリが不十分となる。なお、ここで規定する石灰スラッジの平均粒子径は、レーザー回折式粒子径測定装置(マイクロトラック粒度分析計/日機装社製モデル9320X100)で測定したd50%の値である。
【0021】
石灰スラッジの平均粒子径を5〜20μmに調節する方法には、石灰スラッジを粉砕機や攪拌機を用いて軽度に粉砕する機械的方法と、白液や弱液などの水酸化ナトリウム含有液で生石灰を消和した後、その消和液を緑液と混合して苛性化反応を行なう化学的方法などがある。
機械的方法に使用される装置としては、アトライター(攪拌槽式ミル)、振動ミル、ボールミル、縦型サンドミル、横型サンドミル、ジェットミル等の粉砕装置や、コーレスミキサーなどの高速攪拌が可能な攪拌機などが挙げられ、これらの中でもアトライターやボールミル、横型サンドミルなどの粉砕装置を用いた湿式粉砕が適している。粉砕装置に使用される粉砕メディアは、ガラス、セラミック、アルミナ、ジルコニアなどの硬質材料のもので、通常メディア径が0.1〜10mmのものが用いられる。
石灰スラッジに軽度の粉砕を施すに際しては、石灰スラッジの水系スラリー濃度を10〜50重量%の範囲に調節することを可とし、必要に応じて、分散剤や、有機酸、無機酸などの中和剤などを使用する。
【0022】
石灰スラッジの平均粒子径を化学的に調節する手段として、緑液の苛性化工程において、アルカリ水溶液を用いて生石灰を予め消和させた後、緑液の苛性化を行なう方法を採用することができる。消和液の調製には、活性アルカリ濃度が90g(NaO)/リットル以上のアルカリ水溶液を使用することが重要であって、これが遵守される限り、本発明の方法によって得られる石灰スラッジから固液分離される液状成分を、白液として使用することができる。
生石灰を消和する際の温度は、格別限定されないが、90〜120℃の範囲であることが望ましい。
消和液と緑液との混合比は、生成される石灰スラッジから白液が回収できる混合比が選ばれ、一般的には、消和液の調製に用いた生石灰1kg当り緑液10〜25リットルの範囲が選ばれる。消和液による緑液の苛性化を、温度90〜120℃、好ましくは95〜110℃の範囲で、所定時間実施することにより、凝集度の低い平均粒子径が5〜20μmの範囲に入る立方形状ないしは紡錘形状(米粒状)の炭酸カルシウム粒子が凝集した塊状物からなる石灰スラッジを生成させることができる。
【0023】
前記の如く、本発明では、脱アルカリのための水洗工程に供する石灰スラッジは、その平均粒子径を5〜20μmの範囲に調節しておくことが重要であり、平均粒子径を調節する方法には、機械的方法と化学的方法とがある。
しかしながら、塗被紙用顔料として使用する炭酸カルシウムの製造を目的とする場合には、機械的方法の方が化学的方法に比べて平均粒子径を大き目に調節し易いため、続いて行なう脱アルカリのための水洗工程における脱水効率が高まり、その結果、アルカリ成分の除去がより進んだ高濃度の石灰スラッジケーキが得られるので好ましい。
【0024】
上述の如く、塗被紙用顔料としての炭酸カルシウムを取得する場合には、緑液を生石灰にて苛性化し、得られた石灰スラッジの分散物(石灰乳)から通常の操作に従って白液とアルカリ成分(弱液)が回収され、次いで、脱水された石灰スラッジはボールミルやアトライターを用いた湿式粉砕によって機械的に小粒子径化され、続いて脱アルカリのための水洗工程に供される。
かかる水洗工程では、効率的な脱アルカリを行なうため、フィルタープレスのような脱水と水洗の両方の機能を有し、脱水ケーキを置換洗浄でき、高固形分濃度の脱水ケーキが得られる装置を選択するのが望ましい。なお、ここで謂う置換洗浄とは、形成された脱水ケーキに洗浄水を1方向より供給し、脱水ケーキ中に混在する母液を洗浄水と置換させる方法である。
そして、かかる水洗工程では、ろ液のpHが11.0以下となるまで水洗することが重要なポイントであり、こうすることで後に続く粉砕工程において、炭酸カルシウムが微粒子化するに伴って溶出するアルカリ成分を効率よく減少させることができ、結果として粉砕工程で必要な中和用の酸性物質の使用量を削減することができるのである。
ちなみに、通常の、アルカリ成分の回収を目的とした脱水洗浄におけるろ液pHは12.5〜13.5の範囲である。
なお、上記ろ液pHの数値は、自動温度補償機能を有するpHメーターをフィルタープレスのろ液排出部に設置して連続的に測定した値で、25℃における値を示す。
【0025】
本発明の方法に従って生成された石灰スラッジから、製紙用填料を得る場合には、填料に相応しい粒子径、例えば3〜8μm程度に粉砕した後、所望の濃度に調節して使用される。なお、製紙用填料を得る場合には、紙料そのものの濃度が非常に低いので、高濃度の炭酸カルシウムスラリーが要求される訳ではなく、また要求される平均粒子径も顔料用に比べて大きいこともあって、顔料用ほど微粒子化する時の溶出アルカリに配慮する必要がない。このため、白液回収工程およびアルカリ成分(弱液)回収工程の後の、石灰スラッジの平均粒子径を5〜20μmの範囲に小粒子化する工程や、フィルタープレスのような装置を用いた水洗工程、およびろ液のpH管理は必ずしも必要としない。また、緑液の苛性化において、生石灰に代えて消和液を用いて得た石灰スラッジからも好適な填料用炭酸カルシウムを得ることができる。
本発明で規定する炭酸カルシウム(填料、顔料)の平均粒子径は、石灰スラッジの平均粒子径と同様に、レーザー回折式粒子径測定装置(マイクロトラック粒度分析計/日機装社製モデル9320X100)で測定したd50%の値である。
【0026】
一方、塗被紙用顔料を得る場合には、炭酸カルシウムの平均粒子径が0.5〜3μmになるまで微粉砕処理する必要があり、また塗被組成物の濃度を高めるために炭酸カルシウムスラリー自体の濃度を高濃度に仕上げる必要がある。このため、白液回収工程およびアルカリ成分(弱液)を回収する工程の後に位置する工程であって、石灰スラッジに随伴するアルカリ成分を除去するための水洗工程において、ろ液pHが11.0以下となるように管理することと共に脱水処理後のケーキ濃度(ケーキの固形分含量を言う)を高くすることが重要であり、ケーキ濃度は65〜90%、好ましくは75〜85%に調整される。ちなみに、ろ液pHが11.0を越える場合は、脱アルカリが不充分なため、微粉砕処理する時に炭酸カルシウムスラリーが増粘して高濃度で粉砕処理できない、或いは、スラリーの増粘を軽減するために使用する中和剤(酸性物質)やそれに加えて分散剤の添加量が多くなるといった弊害を生ずる。また、脱水処理後のケーキ濃度が低い、或いは、ケーキ濃度を高くできない状態は、得られる炭酸カルシウムスラリーの濃度低下を招くのみならず、脱アルカリが不充分なことに起因する難点をも招来する。
【0027】
脱アルカリ処理を終えた石灰スラッジ(炭酸カルシウム)から、塗被紙用顔料を製造する際の粉砕処理について、以下に説明する。
脱アルカリ処理後の石灰スラッジは、その含有水分率が低いため、後述する湿式粉砕するに先立って、石灰スラッジを構成する粒子の凝集を解いて均質な石灰スラッジスラリーを調製しておく必要がある。また、この工程は、後述の湿式粉砕における粉砕負荷を軽減するための予備粉砕工程としての機能も併せ持つのが望ましい。かかる石灰スラッジスラリーを得るに際して使用する分散装置としては、コーレスミキサー、ニーダー、ボールミル、アトライター等から選ばれる1種、好ましくはアトライターが用いられ、ポリアクリル酸ソーダ、ポリリン酸ナトリウムなどの各種分散剤と水を適宜添加して分散処理が行われ、石灰スラッジスラリーが調製される。
石灰スラッジスラリー(炭酸カルシウムスラリー)を調製した後は、スラリー濃度を高めるための濃縮操作が実質上できないため、石灰スラッジスラリーにおける炭酸カルシウムの固形分濃度が73重量%以上、好ましくは75重量%以上となるように添加水量を調節する必要がある。固形分濃度の上限は、湿式粉砕後の炭酸カルシウムが目標とする平均粒子径に応じて調整すべきであるが、一般には80重量%程度である。
なお、例えば、平均粒子径9〜16μmに小粒子化された石灰スラッジを原料とする場合には、上記の分散・予備粉砕工程で、アトライターを用い、平均粒子径が3.5〜6μm程度になるまで予備粉砕するのが望ましい。
上記のようにして分散・予備粉砕された石灰スラッジスラリーは、縦型サンドミル、横型サンドミル、ボールミル、アトライターなどの各種湿式粉砕装置、好ましくは縦型サンドミルまたは横型サンドミルを用いて平均粒子径を0.5〜2.5μmへ調節した後、塗被紙用顔料として使用される。なお、サンドミルで湿式粉砕する場合についてより具体的に説明するならば、サンドミルに1回通して粉砕処理することで平均粒子径1.5〜2.5μm程度の炭酸カルシウムが得られ、サンドミルに2回通して粉砕処理すれば平均粒子径0.5〜1.5μm程度の炭酸カルシウムが得られる。
【0028】
また、上記の分散・予備粉砕工程や湿式粉砕工程では、石灰スラッジスラリーのpHを調節する目的で粉砕処理前後に、スルファミン酸、酢酸などの有機酸、リン酸、ポリリン酸、硫酸などの無機酸、ポリアクリル酸などの酸性型分散剤、二酸化炭素ガス、および二酸化炭素含有ガスなどの酸性物質を該スラリーへ添加することも可能である。
粉砕の進行により炭酸カルシウム粒子が微粒子化するが、それに伴い粒子内部からソーダアルカリ分、未反応消石灰に由来するアルカリ成分が溶出して炭酸カルシウムスラリーのpHが上昇し、スラリー粘度も上昇するので、上記酸性物質の少なくとも1種を添加するのが望ましい。しかし、一度に多量の酸性物質を添加する方法は、酸性物質が無駄になるばかりでなく、却って分散剤の機能を阻害するため、その都度、必要最低限の酸性物質を添加するのが好ましい。
具体的に説明するならば、脱アルカリ(アルカリ成分の除去)のための水洗工程で、例えばろ液pHが10.5となるまで水洗された石灰スラッジを用いて前記石灰スラッジスラリーを調製する場合、分散・予備粉砕処理が施される前のスラリーpHは10.5である。しかし、この予備粉砕処理によって粉砕後はスラリーpHが上昇するので、予備粉砕後のスラリーpHが12.0〜13.0、好ましくは12.0〜12.5の範囲に収まるように、上記酸性物質を予め添加して分散・予備粉砕処理を行なう。ここでは、無機酸の添加により炭酸カルシウムと反応して凝集物を生成しても、後の粉砕工程にて分散されるので安価で即効性のある無機酸を使用するのが望ましい。こうしておくことで、サンドミル等による湿式粉砕を1回行なって平均粒子径が1.5〜2.5μmの炭酸カルシウムのスラリーを得る場合には、サンドミル処理において新たに酸性物質を添加せずとも、粘度上昇による粉砕効率の低下を伴うことなく、目的とする炭酸カルシウムスラリーを得ることができる。また、平均粒子径が0.5〜1.5μmの炭酸カルシウムを得る場合のように、サンドミルによる湿式粉砕を2回行なう場合には、1回目の湿式粉砕処理を終えた炭酸カルシウムスラリーのpHが12.0〜13.0、好ましくは12.0〜12.5の範囲になるように二酸化炭素ガスあるいは二酸化炭素含有ガスで中和処理を施した後、2回目の湿式粉砕処理を行なえば、2回目の湿式粉砕処理においても粉砕効率を低下させるようなスラリー粘度の上昇を招くことはない。
また、湿式粉砕処理を終えた炭酸カルシウムスラリーを貯蔵しておくような場合には、経時的にスラリーpHが上昇するので、貯蔵期間等を考慮して、スラリーpHが9.0〜12.0の範囲、好ましくは9.0〜11.0の範囲になるように、二酸化炭素ガスあるいは二酸化炭素含有ガスによる中和処理を施せばよい。
本発明では、石灰スラッジスラリーの粉砕処理に先立って、平均粒子径が5〜20μmの範囲になるように予め小粒子化された石灰スラッジを、ろ液pHが11.0以下になるまで洗浄し、充分な脱アルカリ処理が施されているため、このような最小量の酸性物質の分割添加による粉砕処理が可能となるのである。
【0029】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をより具体的に説明するが、これら実施例は本発明の技術的範囲を限定するものではない。
なお、特に断らない限り、例中の%は重量%を示す。
実施例1
パルプ製造プロセスにおいて、濃縮黒液の燃焼によって得られるスメルトを弱液に溶解させて緑液(未清澄緑液)を調製し、この緑液をXフィルター(アンドリッツ社製)を用いて処理することにより、下記の方法で測定される明度が66.9であり、浮遊固形分濃度が18ppmである清澄化緑液を得た。当該フィルターによるろ過操作において使用したろ布は、200kPaにおける通気度が7m/m/分で規定されるポリプロピレン製ろ布(S51E06−K2、タムフェルト社製)を使用した。なお、使用した緑液中のドレッグスの平均粒子径は25μmであった。
[明度]:
緑液200gを量り取り、孔径が1μmでろ過面積が9.6cmのガラス繊維製ろ紙(GS25、アドバンテック社製)上にろ過脱水した。次いで、100mlの蒸留水を用いて、ろ過残渣を洗浄し、得られたろ過残渣を60℃オーブン中で60分乾燥した後、乾燥ろ過残渣の明度(L)をろ紙ごと分光白色度測色計(SC−10WN、スガ試験機社製)で測定した。
[浮遊固形分]:
孔径1μmのガラス繊維製ろ紙(GS25、アドバンテック社製)にて、所定量の緑液をろ過し、得られたろ過残渣を200mlの95℃熱水にて洗浄した後、ろ過残渣を105℃オーブン中で恒量に達するまで乾燥した後、秤量して緑液中の浮遊固形分量を算定した。
【0030】
上記の清澄化緑液20リットルを30リットル容のステンレスビーカーに収め、オイルバス中で104℃まで加温した。次いでCaO含量97.5%の生石灰を緑液1リットル当り70gの割合で緑液に混合し、104℃で2時間、消和・苛性化反応を行って石灰乳を得た。白液回収を目的として、この石灰乳をポリプロピレン製ろ布(PP201A、中尾フィルター社製)にて吸引ろ過し、平均粒子径が28μmで、且つケーキ固形分濃度が75%の石灰スラッジを得た。続いて、アルカリ成分の回収を目的として、得られた石灰スラッジに水を添加してリパルプ(再分散)することにより固形分濃度30%のスラリーとした後、同様にポリプロピレン製ろ布にて吸引ろ過して固形分濃度75%の脱水ケーキを得た。得られた石灰スラッジの脱水ケーキに水を添加して固形分濃度30%のスラリーとした後、10mm径のアルミナボールを充填したアトライター(MA1S型/三井鉱山社製)にて軽度の粉砕処理(小粒子化処理)を行い、スラリー中の分散粒子の平均粒子径を、16μmに調節した。次いでこのスラリーからスラッジ固形分2kg相当量を分取し、これを脱アルカリを目的としてフィルタープレス機(ISD型リーフテスト機/石垣社製)にて、固形分濃度が85%となるまで脱水し、続いて脱水ケーキ固形重量の5倍量に相当する40℃の温水をろ室内へ10リットル/m/分の流量で供給して置換洗浄を行った。ろ液の排出部に設置した温度補償機能付のpHメーターで測定した洗浄ろ液のpH(25℃)は、最初12.7であったものが10.6まで低下した。
排出された脱水ケーキの一部を分取して乾燥させた後、走査型電子顕微鏡(JSM−5320LV、日本電子社製)を使用して観察したところ、粒子形状は不定形の一次粒子が凝集した塊状物であった。
なお、上記石灰スラッジの平均粒子径および以降の炭酸カルシウムの平均粒子径は、以下の方法で測定した。
[平均粒子径]:
マイクロトラック粒度分析計(日機装社製モデル9320−X100)を使用して、分散粒子の平均粒子径(d50%値)を測定した。
【0031】
上記で得た脱水ケーキに水を加えて固形分濃度75%のスラリーとし、さらに固形分換算で0.4%に相当する分散剤(アロンA−9、東亜合成社製)と硫酸0.15%を加えてアトライター(MA1S型/三井鉱山社製)で分散処理し、炭酸カルシウムスラリー(平均粒子径6.7μm)を得た。得られた炭酸カルシウムスラリーのpHは12.1であった。
なお、以降の実施例および比較例では、アトライター処理の時間を調節することでアトライター処理後の平均粒子径が一定になるよう調節した。
次いで、このスラリーを、粉砕メディアとして粒子径が1.2±0.2mmのガラスビーズを70容量%となるよう充填したベッセル容量2リットルの縦型サンドミル(アイメックス社製)に供給し、主軸回転数1500RPM、吐出量毎分200ミリリットルの運転条件のもと、湿式粉砕処理を2段階に分けて行った。すなわち、炭酸カルシウムスラリーの平均粒子径が1.7μmとなるまで粉砕した後、一旦スラリーを取り出し、スラリーのpHを測定したところpH13.4であった。この炭酸カルシウムスラリーに、スラリーpHが12.1〜12.2となるように、二酸化炭素濃度が20容量%である二酸化炭素含有ガスを連続的に吹き込んで炭酸カルシウムスラリーの中和処理を施した後、再度サンドミルで炭酸カルシウムの平均粒子径が1.2μmとなるまで粉砕処理を行った。得られた炭酸カルシウムスラリーのpHは13.0、B型粘度計(東京計器社製、ローター回転数60rpm、スラリー温度25℃)で測定した粘度は105mPa・sであった。
また、得られた炭酸カルシウムの白色度を以下の方法で測定したところ、92.9%であった。
[白色度]:
乾燥させた炭酸カルシウム粉末を真ちゅう製の型枠に入れ、鏡面処理を施した平板を型枠の上に置き、70kg/cmで30秒間プレスしてペレット状とし、分光白色度測色計(SC−10WN、スガ試験機社製)を用いて鏡面にあたっていた側のペレットの白色度を測定した。なお、白色度の測定に際しては、D65光源,10度視野の条件を用いた。
【0032】
実施例2
実施例1において、清澄化緑液に生石灰を添加する代りに、予め白液を消和濃度13.7%となるように1.4kgの生石灰に添加し、90℃で30分間消和反応を行って得た消和液を清澄化緑液に添加して苛性化反応を行った以外は実施例1と同様にして石灰乳を得た。次いで、この石灰乳を白液回収を目的として、実施例1と同様にして吸引ろ過操作を行い、平均粒子径が9μmで、且つケーキ固形分濃度が69%である石灰スラッジを得た。得られた石灰スラッジを、アルカリ成分の回収を目的として実施例1と同様にして水に再分散し、吸引ろ過操作を行って、固形分濃度70%の脱水ケーキを得た。
次いで、得られた石灰スラッジの脱水ケーキに水を添加して固形分濃度30%のスラリーとし、実施例1で行った軽度の粉砕処理は省略して、フィルタープレスにおける脱アルカリ洗浄を実施例1と同じ条件で行った。なお、フィルタープレス後の脱水ケーキの固形分濃度は81%で、また洗浄ろ液のpHは、最初12.7であったものが11.0まで低下した。
この脱水ケーキの一部を乾燥して走査型電子顕微鏡(JSM−5320LV、日本電子社製)にて観察したところ、粒子形状は一次粒子が立方状ないしは米粒状〜紡錘状の比較的凝集の少ない粒子であった。
上記脱水ケーキを用い、実施例1と同様にアトライターとサンドミルによる湿式粉砕処理を行い、平均粒子径が1.2μmで白色度が93.1%の炭酸カルシウムを得た。
【0033】
実施例3
実施例1において、フィルタープレスにおける脱アルカリ洗浄を、脱水ケーキ固形重量の8倍量に相当する40℃の温水で行ったこと以外は、実施例1と同様にして白色度92.6%の炭酸カルシウムを得た。なお、洗浄ろ液のpHは12.7から10.0まで低下した。
【0034】
実施例4
実施例1で供した緑液(未清澄緑液)を、炭酸カルシウムをろ過助剤としたプレコートフィルターにて清澄化し、実施例1に記載した方法で測定される緑液の明度が69.4であり、浮遊固形分濃度が16ppmである清澄化緑液を得た。この清澄化緑液を使用した以外は、実施例1と全く同様に処理して白色度93.8%の炭酸カルシウムを得た。
【0035】
実施例5
実施例1で供した緑液(未清澄緑液)に凝集剤(AP519C、タイホー工業社製)2ppmを添加しクラリファイヤーで凝集沈殿物を除いた後、ポリプロピレン製のカートリッジフィルター(MCP−JX、粒径1.0μmの粒子捕捉効率99%以上、アドバンテック社製)に通してさらに清澄化させ、明度が75.3であり、浮遊固形分濃度が10ppmである清澄化緑液を得た。
この清澄化緑液を使用した以外は、実施例1と全く同様に処理して白色度94.6%の炭酸カルシウムを得た。
【0036】
実施例6
実施例1で供した緑液(未清澄緑液)に凝集剤(AP519C、タイホー工業社製)4ppmを添加しクラリファイヤーで凝集沈降処理を行い、明度が53.1であり、浮遊固形分濃度が34ppmである清澄化緑液を得た。この清澄化緑液を使用した以外は、実施例1と全く同様な操作を行って白色度90.1%の炭酸カルシウムを得た。
【0037】
実施例7
実施例1において、CaO含量97.5%の生石灰を使用する代わりに、石灰焼成設備(ロータリーキルン)より得られた生石灰(CaO含量:81.5%)を、清澄化緑液1リットル当り85gの割合で混合して消和・苛性化反応を行って平均粒子径33μmの石灰スラッジを得、この石灰スラッジを使用した以外は、実施例1と全く同様な操作を行って白色度91.1%の炭酸カルシウムを得た。
【0038】
実施例8
実施例1において、石灰スラッジの軽度粉砕処理を省略した以外は、実施例1と同様な操作を行って白色度92.4%の炭酸カルシウムを得た。なお、石灰スラッジのフィルタープレスにおける脱アルカリ水洗工程において、脱水ケーキ固形重量の5倍量に相当する40℃の温水により置換洗浄されて排出されるろ液pHは12.9から9.6まで低下した。
【0039】
実施例9
実施例1における石灰スラッジの軽度粉砕処理において、処理後の石灰スラッジの平均粒子径を3μmに調節した以外は、実施例1と全く同様な操作を行って白色度92.8%の炭酸カルシウムを得た。このときフィルタープレス後の脱水ケーキの固形分濃度は73%であり、脱水ケーキ固形重量の5倍量に相当する40℃の温水により置換洗浄されて排出される洗浄ろ液pHは12.9から11.8まで低下した。
【0040】
実施例10
実施例1において、ドレッグスの平均粒子径が14μmの緑液を使用し、清澄化後の明度が64.7であり、浮遊固形分濃度が23ppmである清澄化緑液を用いた以外は、実施例1と全く同様な操作を行って白色度90.6%の炭酸カルシウムを得た。
【0041】
実施例11
実施例1において、清澄化緑液の苛性化反応を、CaO含量97.5%の生石灰100%に代えて、CaO含量97.5%の生石灰90%と下記の方法で得た焼却灰10%との混合物を使用した以外は実施例1と同様の方法によって石灰乳を得た。
(焼却灰の調製)
古紙再生プラントの排水処理装置から回収された製紙スラッジをスクリュー式の炭化・焼成炉にて約850℃で4時間、炭化・焼成を行った。得られた焼却灰は約3mm径ほどの白色粒状を呈しており、蛍光X線分析装置(PW2404/フィリップス社製)を用いて測定した鉄分含有量は2.0%であった。
上記で得た石灰乳を、白液回収を目的として、実施例1と同様にして吸引ろ過操作を行い、平均粒子径32μmの石灰スラッジを得た。得られた石灰スラッジを、アルカリ成分の回収を目的として実施例1と同様に水に再分散し、吸引ろ過操作を行って、固形分濃度75%の脱水ケーキを得た。
次いで、得られた石灰スラッジの脱水ケーキに水を添加して固形分濃度30%のスラリーとし、実施例1と同様に軽度の粉砕処理を施して平均粒子径を14μmに調節し、続けてフィルタープレスにおいて脱アルカリ洗浄を実施例1と同じ条件で行った。なお、フィルタープレス後の脱水ケーキの固形分濃度は84%であり、また洗浄ろ液のpHは、12.9から10.7まで低下した。排出された脱水ケーキから実施例1と同様にして湿式粉砕処理を行なうことにより、白色度91.8%の炭酸カルシウムを主成分とする無機顔料を得た。
得られた炭酸カルシウムを主成分とする無機顔料を走査型電子顕微鏡(JSM−5320LV、日本電子社製)にて観察したところ、その粒子形状は一次粒子径が短径0.5〜1.5μm、長径2.0〜3.0μmの不定形粒子を主体とし、これに微量の米粒状のカルサイト結晶様粒子が強く凝集した塊状粒子であった。
【0042】
比較例1
実施例1で供した緑液(未清澄緑液)に凝集剤(AP519C、タイホー工業製)1ppmを添加しクラリファイヤーで凝集沈降処理を行って明度が38.7で、浮遊固形分濃度が56ppmである清澄化緑液を得た。この清澄化緑液を用い、かつ苛性化反応後の石灰スラッジに軽度の粉砕処理を行わなかった以外は、実施例1と全く同様な操作を行って白色度84.2%の炭酸カルシウムを得た。なお、石灰スラッジのフィルタープレスにおける脱アルカリ水洗工程において、脱水ケーキ固形重量の5倍量に相当する40℃の温水により置換洗浄されて排出される洗浄ろ液pHは12.7から10.7まで低下した。
【0043】
比較例2
比較例1において、凝集剤の添加量を2ppmに増やし、明度が44.1であり、浮遊固形分濃度が43ppmである清澄化緑液を得、この清澄化緑液を使用した以外は、比較例1と全く同様にして白色度87.3%の炭酸カルシウムを得た。
【0044】
上記した各実施例並びに比較例において、苛性化に供せられた緑液(清澄化緑液)の浮遊固形分濃度、同緑液を孔径が1μmでろ過面積が9.6cmのガラス繊維製ろ紙でろ過して得たろ過残渣乾燥物(ドレッグス成分)の明度、フィルタープレスにおける水洗工程に供される石灰スラッジの平均粒子径、フィルタープレスにおける洗浄終了時の洗浄ろ液pH(水洗工程におけるろ液pH)、得られた炭酸カルシウムの白色度、炭酸カルシウムの平均粒子径が1.2μmとなるまで湿式粉砕処理できたスラリーの固形分濃度、および得られた炭酸カルシウムスラリーの粘度をまとめて表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 2004026639
【0046】
【発明の効果】
本発明の方法は、緑液を苛性化するに先立ち、緑液を沈降方式及び/又はろ過方式によって清澄化させ、緑液のろ過残渣の明度を特定な値以上に保持してからこれを苛性化させているので、従来法では取得することが困難であった高品質の炭酸カルシウムを、容易に製造することができる。

Claims (4)

  1. クラフト法によるパルプ製造工程で得られる緑液を、生石灰または生石灰を水酸化ナトリウム含有液と反応させて得た消和液にて苛性化し、生成する石灰スラッジを固液分離後水洗して炭酸カルシウムを製造する方法において、生石灰または消和液にて緑液を苛性化するに先立ち、緑液200gを孔径が1μmでろ過面積が9.6cmのガラス繊維製ろ紙に通過させ、ろ紙上に残るろ過残渣乾燥物を分光白色度測色計で測定した明度が50以上に保持されるよう、予め緑液に清澄化処理を施すことを特徴とする炭酸カルシウムの製造方法。
  2. 上記の清澄化緑液を生石灰にて苛性化することで得られる石灰スラッジを、白液回収工程とアルカリ成分の回収工程を経た後、その平均粒子径が5〜20μmの範囲に保持されるよう小粒子化することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 上記小粒子化した石灰スラッジのスラリーを、アルカリ成分の除去を目的とする水洗工程に供給し、排出されるろ液のpHが11.0以下になるまで洗浄し且つ脱水した後、その脱水された石灰スラッジを水に分散させて湿式粉砕することを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 下記(a)〜(g)の各工程を含むことを特徴とする塗被紙用顔料を得るための炭酸カルシウムの製造方法。
    (a)クラフト法によるパルプ製造工程で得られる緑液を、緑液200gを孔径1μmのガラス繊維製ろ紙に通過させ、ろ紙上に残るろ過残渣乾燥物を分光白色度測色計で測定した明度が50以上に保持されるよう、清澄化処理する工程
    (b)清澄化処理された緑液を、生石灰にて苛性化し、石灰スラッジを生成せしめる工程
    (c)生成した石灰スラッジ分散物から白液を回収する固液分離工程
    (d)固液分離された石灰スラッジを水に再分散して得た石灰スラッジ分散物から、アルカリ成分を回収する固液分離工程
    (e)アルカリ成分を回収する固液分離工程で分離された石灰スラッジを、その平均粒子径が5〜20μmの範囲に保持されるよう湿式粉砕にて小粒子化する工程
    (f)小粒子化された石灰スラッジのスラリーを、アルカリ成分の除去を目的とする水洗工程に供給し、排出されるろ液のpHが11.0以下になるまで洗浄し且つ脱水する工程
    (g)脱水された石灰スラッジを水に再分散し、所定の平均粒子径となるまで湿式粉砕する工程
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