JP2004026555A - 立方晶窒化ホウ素含有焼結体およびその製造方法 - Google Patents

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Masaki Kobayashi
小林 正樹
Naohiro Kagawa
香川 直宏
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Abstract

【目的】耐欠損性,耐チッピング性を向上させることにより、過酷な切削条件においても、優れた切削性能を発揮する立方晶窒化ホウ素含有焼結体およびその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】アルミニウム元素を含有した結合相と立方晶窒化ホウ素とからなる立方晶窒化ホウ素含有焼結体において、焼結体中の酸化アルミニウム形成を防ぐことにより焼結体の靱性が大幅に向上し、耐欠損性や耐チッピング性が向上する。焼結体中の酸化アルミニウムを減らすため、活性金属元素を添加することも好ましい。製造方法としては、活性金属元素を添加した結合相形成粉末を熱処理し、得られた熱処理粉末を再粉砕し、立方晶窒化ホウ素粉末と混合した後、超高圧高温下で焼結する方法が好ましい。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削工具または耐摩耗工具として最適な立方晶窒化ホウ素含有焼結体に関する。具体的には、酸化アルミニウム含有量を低減することにより、耐欠損性,耐チッピング性を大幅に向上させた立方晶窒化ホウ素含有焼結体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
立方晶窒化ホウ素は、ダイヤモンドに次ぐ高い硬度と優れた熱伝導性を持ち、しかもダイヤモンドに比べて鉄との親和性が低いという工具材料としての優れた長所を有している。そして、立方晶窒化ホウ素とセラミックスや金属などの結合剤を超高圧下で焼結した立方晶窒化ホウ素含有焼結体が、高硬度鋼や難削材の高速切削に多用されている。その組成は、▲1▼立方晶窒化ホウ素−Co系と▲2▼立方晶窒化ホウ素−(Ti,Al)(N,B,C)系に大別されるが、いずれも金属アルミニウムを焼結助剤として使用するために、反応生成物であるAlN,Alを含有していることが特徴である。
【0003】
最近の加工現場では高能率化と難削材対応が求められており、立方晶窒化ホウ素含有焼結体においても基本的な要求性能である耐摩耗性と耐欠損性の改善が必要となっている。そして、これらの性能向上に関する検討が多数行われており、その内、焼結体の組成,成分から提案されている代表的なものに、特開平5−186272号公報,特開平5−301776号公報,特開平8−81270号公報,特開2000−44348号公報及び特開2000−247746号公報などに記載のもの挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平5−301776号公報には、立方晶窒化ホウ素を30〜85体積%含有し、残部が窒化珪素と窒化アルミニウムと酸化アルミニウム又は希土類金属酸化物との混合物もしくはそれらの化合物からなる立方晶窒化硼素質焼結体が記載されている。
【0005】
特開平5−186272号公報には、立方晶窒化ホウ素あるいはウルツ型窒化ホウ素からなる硬質相表面にTi,Zr,Hf,Al,Siの窒化物,ホウ化物などからなる第1層と、周期律表の4a,5a,6a族金属の炭化物,窒化物,炭酸化物,窒酸化物,ホウ化物及び酸化アルミニウム,酸窒化アルミニウムなどからなる第2層とでなる被膜で囲繞された複合硬質相を10体積以上含有した焼結体であって、該第1層及び第2層の平均層厚みが5Å以上でなる複合高密度相窒化ホウ素焼結体が記載されている。また、本公報には結合相中に希土類金属の酸化物,窒化物を含有してなることも記載されている。
【0006】
また、特開平8−81270号公報には、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物のうちの1種または2種以上をマトリックスとし、このマトリックス中に、平均粒径:4〜20μmの立方晶窒化ホウ素:10〜50容量%未満、平均粒径:0.2μm以下のWC:0.1〜1.0容量%、平均粒径:0.2μm以下のAl:3〜10容量%、平均粒径:0.5μm以下のAlN:3〜7容量%、平均粒径:0.5μm以下のTiB:1〜5容量%が均一分散している立方晶窒化ホウ素含有セラミックス焼結体および切削工具が記載されている。
【0007】
さらに、特開2000−44348号公報には、高圧相窒化ホウ素50〜80体積%とチタン化合物(TiC,TiN,TiCN)およびアルミニウムからなる結合相50〜20体積%からなる高硬度焼結体において、高圧相窒化ホウ素が1〜8μmの粗粒子60〜80体積%と0.02〜1μmの微粒子20〜40体積である鋳鉄切削加工用高硬度焼結体が、同様に、特開2000−247746号公報には、平均粒径1μm以下の微粒立方晶窒化ホウ素30〜90体積%と平均粒径2〜10μmの粗粒立方晶窒化ホウ素を含有するとともに、結合材中にAlNとAlを含み、X線回折測定による周期律表第4a,5a,6a族元素の硼化物,これら元素の非ホウ化化合物,立方晶窒化ホウ素のピーク強度比を限定した立方晶窒化ホウ素質焼結体切削工具が記載されている。
【0008】
上記公報は、結合相組成の変更,被覆立方晶窒化ホウ素の使用による組織変更,微粒立方晶窒化ホウ素の添加による組織制御などによって、立方晶窒化ホウ素含有焼結体の耐摩耗性と耐欠損性の両立を狙ったものではあるが、いずれも酸化アルミニウムを含有しているために焼結体の強度,靱性が劣化し、特に耐欠損性,耐チッピング性の改善が不十分であると言う問題がある。ここで、酸化アルミニウムを添加しない場合でも、原料粉末、特に微粒立方晶窒化ホウ素粉末、あるいは製造工程から酸素が持ち込まれ、焼結時に最も安定な酸化アルミニウムが優先的に生成する。
【0009】
一方、特開平5−186272号公報及び特開平5−301776号公報に記載されている希土類金属酸化物は、結合相の特性を改善するものの、酸化アルミニウムを低減する効果はない。
【0010】
本発明は、上述のような問題点を解決したもので、具体的には、原料粉末及び製造工程から混入する酸素を除去あるいは固定化し、アルミニウムを含む結合相中に酸化アルミニウムを形成させないことによって、結合相の強度,靱性を改善して耐欠損性,耐チッピング性などを大幅に向上させた立方晶窒化ホウ素含有焼結体の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、立方晶窒化ホウ素と結合相とでなる立方晶窒化ホウ素含有焼結体の耐欠損性の向上について検討していたところ、焼結体中の酸化アルミニウム含有量を低減するほど耐欠損性が向上すること、酸化アルミニウム含有量を減少させるには、原料粉末及び製造工程から酸素除去あるいはアルミニウムより活性な金属の添加による酸化アルミニウムの還元が有効であると言う知見を得て、本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
本発明品は、セラミックスおよび/または金属からなる結合相:5〜90重量%と、残りが立方晶窒化ホウ素からなる立方晶窒化ホウ素含有焼結体(以降焼結体と表示)において、上記焼結体は、上記焼結体全体に対して2〜20重量%アルミニウム元素を含有し、上記焼結体は酸化アルミニウムを含まない、もしくは、上記焼結体に含まれる酸化アルミニウムが2重量%以下であることを特徴とする焼結体である。
【0013】
立方晶窒化ホウ素含有量が5重量%未満では、立方晶窒化ホウ素含有による耐摩耗性の改善効果が少なく、逆に90重量%を超えて大きくなると焼結が困難であり、結合相による耐欠損性の改善効果が少ない。そこで結合相量を5〜90重量%とした。
【0014】
焼結体中のアルミニウム元素の含有量が焼結体全体に対して2重量%未満では、結合相が立方晶窒化ホウ素との反応性,焼結性に劣るために焼結体の硬さ,強度が低くなる。逆にアルミニウム元素の含有量が20重量%を超えて大きくなると相対的に立方晶窒化ホウ素量が少なくなって硬さに劣る。そのため焼結体に含まれるアルミニウム元素の含有量を焼結体全体に対して2〜20重量%とした。
【0015】
焼結体中のアルミニウム元素は、アルミニウム単体および/またはアルミニウム化合物として結合相に含有される。アルミニウム化合物は、周期律表4a,5a,6a族元素、シリコン、鉄、コバルト、ニッケル、炭素、窒素、ホウ素、酸素の中から選ばれた1種以上の元素とアルミニウムとからなる化合物である。
【0016】
焼結体に含まれるアルミニウム元素が酸化アルミニウムを形成する場合、酸化アルミニウムの含有量が焼結体全体に対して2.0重量%を超えて多くなると、結合相の靱性が急激に劣化するために耐欠損性が低下する。酸化アルミニウムの含有量が焼結体全体に対して1.0重量%以下であると、強断続切削や湿式切削などでのチッピング発生を防止できるので好ましい。現状の生産設備では酸化アルミニウムが焼結体全体に対して0.001重量%程度含有されるが、酸化アルミニウムの含有量は少ないほど結合相の靱性が高くなるため、焼結体は酸化アルミニウムを含まないことが最も好ましい。
【0017】
焼結体中の酸化アルミニウムは、α型酸化アルミニウム、κ型酸化アルミニウム、γ型酸化アルミニウム、θ型酸化アルミニウム、δ型酸化アルミニウム、χ型酸化アルミニウムなどの結晶型を持つ酸化アルミニウム、アモルファスの酸化アルミニウムとして存在するが、通常、α型酸化アルミニウムとして存在する場合が多い。
【0018】
焼結体の結合相は、周期律表4a,5a,6a族元素、アルミニウム、シリコン、鉄、コバルト、ニッケル、炭素、窒素、ホウ素、酸素の中から選ばれた1種以上の元素からなる、セラミックスおよび/または金属である。具体的には、▲1▼金属アルミニウム,▲2▼AlN,AlB,AlB12などのアルミニウムの窒化物,ホウ化物、▲3▼AlCTi,TiAlN,(TiAl)N,(TiAl1−X)B,AlBMoなどのアルミニウム含有複合化合物、▲4▼Al−Co,Al−Ni−Wなどのアルミニウム含有合金、▲5▼ ▲1▼の金属アルミニウムおよび/または▲2▼〜▲4▼のアルミニウム含有化合物と、TiC,TiN,Ti(CN),ZrN,HfC,NbN,TaC,WC,TiB,WB,MoSiなどの周期律表第4a,5a,6a族元素の炭化物,窒化物,ホウ化物,ケイ化物、SiC,Siなどのシリコンの炭化物,窒化物,ホウ化物との混合物を挙げることができる。
【0019】
その中でも周期律表4a,5a,6a族元素の炭化物,窒化物,ホウ化物,シリコンの炭化物,窒化物、アルミニウムの窒化物,ホウ化物、およびこれらの複合化合物,相互固溶体、鉄族金属の中の少なくとも2種以上であると焼結体の焼結性が向上することから好ましい。なお、鉄族金属はFe,Co,Niを示す。
【0020】
また、原料粉末に含まれる酸素や製造工程から混入する酸素をアルミニウムに優先して固定させるため活性金属元素を焼結体に添加することは好ましい。活性金属元素は周期律表2a族金属元素および希土類元素の中から選ばれた1種以上である。なお、希土類元素は、Sc、Y、原子番号57〜71の元素を示す。
【0021】
活性金属元素は、その添加量に応じて結合相中の酸化アルミニウム含有量を減少させる作用がある。添加された活性金属元素のほとんどは活性金属酸化物を形成するが、その含有量が焼結体全体に対して1〜10重量%であると、結合相中に酸化アルミニウムを生成させず、かつ活性金属酸化物以外の化合物を形成しないので好ましい。活性金属酸化物は、いずれも酸化アルミニウムよりも安定であるため、結合相中に均一かつ微細に分布して結合相の靱性を高める。
【0022】
活性金属元素として、具体的には、Be,Mg,Y,La,Ce,Sm.Ndなどを挙げることができる。これらの元素は、酸素との親和性がより高く,活性金属酸化物の構造がより安定であり、入手が容易なので好ましい。
【0023】
立方晶窒化ホウ素の平均粒子径は0.1〜10μmが好ましいが、2.0μm以下である場合には、結果的に酸化アルミニウムの除去効果が大きくなるので、さらに好ましい。すなわち、微粒の立方晶窒化ホウ素粉末ほど多量の酸素を含有するために、従来技術では酸化アルミニウム含有量が多くて耐欠損性に劣る立方晶窒化ホウ素含有焼結体しか得られないが、本発明においては焼結体に含まれるは酸化アルミニウム量を低減できるので耐欠損性が向上する。
【0024】
本発明の焼結体は、原料粉末である立方晶窒化ホウ素粉末と金属アルミニウムを含む結合相形成粉末の酸素含有量を低減すること、焼結までの工程において原料粉末の酸化を防止することなど、焼結時での酸素含有量を低減することによって酸化アルミニウムの生成量を抑制して製造される。具体的には、立方晶窒化ホウ素粉末でのNH雰囲気中加熱(B+2NH→BN+3HO↑),SiC粉末添加と真空加熱(B+SiC→SiO↑+CO↑),結合相形成粉末での炭素粉末添加と真空加熱(TiO+C→TiC+CO↑),これら粉末の不活性ガス雰囲気での取り扱いなどが挙げられる。
【0025】
しかし、加熱による脱酸には立方晶窒化ホウ素の熱分解を生じるため、温度限界があり、酸化アルミニウムの生成量抑制は不十分となる。そこで、以下の製造工程,方法による本発明品の製造が最適と言える。
【0026】
すなわち、本発明の立方晶窒化ホウ素含有焼結体の製造方法は、金属アルミニウム粉末と、周期律表第2a族元素および希土類元素の中の少なくとも1種の活性金属粉末と、周期律表第4a,5a,6a族元素の金属,炭化物,窒化物,ホウ化物及び鉄族金属の中の少なくとも一種の結合相形成粉末と、場合によっては微粒立方晶窒化ホウ素の一部とを混合粉砕する第1工程、該第1工程で得られた第1混合粉末を真空中,700℃〜1000℃で熱処理する第2工程、該第2工程で得られた熱処理粉末を再粉砕する第3工程、該第3工程で得られた再粉砕粉末と立方晶窒化ホウ素粉末とを混合する第4工程、該第4工程で得られた第2混合粉末を圧力4〜6GPa,温度1400〜1600℃の超高圧高温下で焼結する第5工程からなることを特徴とするものである。
【0027】
本発明の製造方法における結合相形成粉末は、金属アルミニウムと活性金属元素とTiN,Ti(CN)(x=0.6〜0.9),TiB,AlN,AlTiなどを主成分とする混合粉末、もしくは金属アルミニウム、金属コバルトを主成分とする混合粉末が好ましい。また、活性金属元素の粉末は、微粒ほど酸化する危険性が高いので、合金粉末を用いるか、第2工程で合金化して粉砕することが好ましい。
【0028】
ここで結合相形成粉末が例えばTiNとAlとMgとでなる場合、第2工程は、原料粉末の吸着酸素を除去し、結合酸素をMgOとして固定化すると共に、脆性なTiAlNなどが生成するので、第3工程での微粉砕を容易にして結合相の均一分散を助長できるものである。
【0029】
本発明の製造方法の第1工程から第5工程において、原料粉末中あるいは結合相形成粉末中の酸素量増加を避けるため、具体的には、非酸化性の保護雰囲気中での取り扱い、パラフィンなどによる粉体への酸化防止被覆などを実施することが好ましい。
【0030】
【作用】
本発明の焼結体は、原料粉末及び製造工程での酸素除去が結合相中に酸化アルミニウムを生じさせない作用をする。活性金属元素の添加がアルミニウムに優先して酸素を固定化して酸化アルミニウムを生じさせない作用をする。製造方法において、活性金属元素を添加した結合相形成粉末の熱処理と再粉砕が、酸素の除去および固定させる作用と結合相を均一分散させる作用をする。結合相中に酸化アルミニウムを含有させないことによって、結合相の強度,靱性を向上させ、焼結体の耐欠損性,耐チッピング性を改善する効果を発揮するものである。
【0031】
【実施例1】
異なる粒径の立方晶窒化ホウ素(以降CBNと表示)粉末を含む表1に示す原料粉末の中から、まず表2に示す組成に秤量し、これをウレタン内張りしたステンレスポットに超硬合金製ボールとヘキサン溶媒と共に挿入し、ポット内を窒素置換したのち、ボールミルによる24Hrの混合粉砕を行った。得られたスラリーに1重量%のパラフィンワックスを添加,溶解し、窒素雰囲気中で乾燥させた後、0.1Paの真空中で表2に併記した温度で2Hrの加熱処理を行った。十分に冷却して取出し、直ちに同様のボールミル条件による再粉砕と乾燥を行って結合相形成用粉末A〜Fを得た。
【0032】
【表1】
Figure 2004026555
【0033】
【表2】
Figure 2004026555
【0034】
次に、結合相形成用粉末A〜Fおよび表1中の原料粉末を用いて表3に示す組成に配合し、上記と同様の条件でボールミル,パラフィン添加,窒素中乾燥を行って各種の混合粉末を作製した。これらのプレス成形体を超硬合金製の円盤台金上に置いてジルコニウムカプセル中にセットした後、超高圧高温発生装置を用いて5.5GPaの圧力、1500℃の温度、30分の保持時間の条件でもって焼結し、本発明品1〜9および比較品1〜9を得た。
【0035】
【表3】
Figure 2004026555
【0036】
こうして得た本発明品1〜9および比較品1〜9の各CBN含有焼結体を放電加工による切断とダイヤモンドによる研削、ラップ加工して測定用試料を作製した。まず、ヌープ硬さおよびビッカース圧痕法による破壊靱性値の測定結果を表3に併記した。次に、X線回折法により焼結体中の化合物成分を同定した。酸化アルミニウムとして、α−Alのみが観察されたので、焼結体中の酸化アルミニウム含有量としてα−Al含有量を測定した。これらの結果と配合組成から算出したAl量を表4に示す。ここで、α−Al量の定量は、比較品3の混合粉末にα−Al粉末を0.5重量%刻みで添加して得られた焼結体を検量線に用いて測定した。さらに、走査型電顕で撮影した組織写真の画像解析から、CBN粒子の平均粒子径と0.5μm以下である微粒子の体積割合を求めた。これらの結果を表4に併記した。なお、X線回折によるα−Alの測定条件は、以下の通りである。
X線回折装置:リガク製高出力X線回折装置(RINT−1500)
X線発生条件:Cu管球、50kV電圧、250mA電流、Niフィルター
測定条件:α−Alの(012)ピーク
【0037】
【表4】
Figure 2004026555
【0038】
【実施例2】
実施例1で得られた本発明品1〜9および比較品1〜9の各焼結体を放電加工による切断、超硬合金製チップ台金へのロー付け、ダイヤモンド砥石による研削加工を経て、切削試験用チップ形状:TNMA160408を作製した。そして、下記条件による切削試験を行い、その結果を表5に示した。
(A)外周断続湿式切削 被削材:SCM415(2本溝入り、HRC=61)、切削速度:150m/min、切込み量:0.5mm、送り量:0.1mm/rev、評価基準:平均逃げ面摩耗量VB=0.2mmとなる又は欠損,チッピングまでの切削時間。
(B)端面断続乾式切削 被削材:FC30(HB210〜230)、切削速度:300m/min、切込み量:0.5mm、送り量:0.20mm/rev、評価基準:平均逃げ面摩耗量VB=0.2mmになる又は欠損,チッピングまでの切削時間。
(C)外周連続湿式切削 被削材:インコネル718、切削速度:120m/min、切込み量:0.3mm、送り量:0.15mm/rev、評価基準:境界摩耗量VN=0.3mmになるまで又は欠損までの切削時間。
【0039】
【表5】
Figure 2004026555
注) 表中の − は未実施
【0040】
【発明の効果】
表5における各種の切削試験結果から、ほぼ同一組成で対応している本発明品1〜9と比較品1〜9を比較すると、本発明品の酸化アルミニウム含有量が2重量%以下である焼結体は、靱性の要求される鋼及び鋳物の断続旋削や耐熱合金の連続旋削において、欠損,チッピング及び微少チッピングによる摩耗に優れるため、工具寿命が約2倍にも達する。

Claims (9)

  1. セラミックスおよび/または金属からなる結合相:5〜90重量%と、残りが立方晶窒化ホウ素とで構成された立方晶窒化ホウ素含有焼結体において、該立方晶窒化ホウ素含有焼結体に含まれるアルミニウム元素の含有量は該立方晶窒化ホウ素含有焼結体全体に対して2〜20重量%であり、かつ該立方晶窒化ホウ素含有焼結体は酸化アルミニウムを含有しないことを特徴とする立方晶窒化ホウ素含有焼結体。
  2. セラミックスおよび/または金属からなる結合相:5〜90重量%と、残りが立方晶窒化ホウ素とで構成された立方晶窒化ホウ素含有焼結体において、該立方晶窒化ホウ素含有焼結体に含まれるアルミニウム元素の含有量は該立方晶窒化ホウ素含有焼結体全体に対して2〜20重量%であり、かつ該アルミニウム元素の一部は酸化アルミニウムとして存在し、かつ該立方晶窒化ホウ素含有焼結体に含まれる該酸化アルミニウムの含有量が該立方晶窒化ホウ素含有焼結体全体に対して2重量%以下であることを特徴とする立方晶窒化ホウ素含有焼結体。
  3. 周期律表第2a族元素および希土類元素の中の少なくとも1種である活性金属元素を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の立方晶窒化ホウ素含有焼結体。
  4. 上記酸化アルミニウムの含有量が上記立方晶窒化ホウ素含有焼結体全体に対して1重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の立方晶窒化ホウ素含有焼結体。
  5. 上記活性金属元素の酸化物の含有量が、上記立方晶窒化ホウ素含有焼結体全体に対して1〜10重量%であることを特徴とする請求項3または4に記載の立方晶窒化ホウ素含有焼結体。
  6. 上記活性金属元素は、ベリリウム,マグネシウム,イットリウム,ランタン,セリウム,サマリウム,ネオジウムの中の少なくとも1種であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の立方晶窒化ホウ素含有焼結体。
  7. 上記結合相は、周期律表4a,5a,6a族元素の炭化物,窒化物,ホウ化物,シリコンの炭化物,窒化物、アルミニウムの窒化物,ホウ化物、およびこれらの複合化合物,相互固溶体、鉄族金属の中の少なくとも2種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の立方晶窒化ホウ素含有焼結体。
  8. 上記立方晶窒化ホウ素は、平均粒子径が2.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の立方晶窒化ホウ素含有焼結体。
  9. 金属アルミニウム粉末と、周期律表第2a族元素および希土類元素の中の少なくとも1種の活性金属粉末と、周期律表第4a,5a,6a族元素の金属,炭化物,窒化物,ホウ化物及び鉄族金属の中の少なくとも一種の結合相形成粉末と、場合によっては微粒立方晶窒化ホウ素粉末の一部とを混合粉砕する第1工程、該第1工程で得られた第1混合粉末を真空中,700℃〜1000℃で熱処理する第2工程、該第2工程で得られた熱処理粉末を再粉砕する第3工程、該第3工程で得られた再粉砕粉末と立方晶窒化ホウ素粉末とを混合する第4工程、該第4工程で得られた第2混合粉末を圧力4〜6GPa,温度1400〜1600℃の超高圧高温下で焼結する第5工程を含むことを特徴とする立方晶窒化ホウ素含有焼結体の製造方法。
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