JP2004025393A - 研磨ブラシ用毛材 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステンレス鋼板などの特殊用鋼などの乾式研磨加工において、優れた研磨性を有すると共に、耐溶着性能にも優れた研磨ブラシ用毛材の提供。
【解決手段】ポリエステル系、ポリアミド系等の合成樹脂に対し研磨砥材粒子5〜40重量%およびポリアルキルシロキサン、フェニルシロキサンおよびそれらの有機変性物等のシリコーンオイル3〜30重量%を含有せしめた樹脂組成物を溶融紡糸したモノフィラメントからなることを特徴とする研磨ブラシ用毛材。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリエステル系、ポリアミド系等の合成樹脂に対し研磨砥材粒子5〜40重量%およびポリアルキルシロキサン、フェニルシロキサンおよびそれらの有機変性物等のシリコーンオイル3〜30重量%を含有せしめた樹脂組成物を溶融紡糸したモノフィラメントからなることを特徴とする研磨ブラシ用毛材。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてステンレス鋼板などの特殊用鋼の表面を研磨するために用いる研磨ブラシ用毛材の改良に関し、さらに詳しくは、前記ステンレス鋼板などの特殊用鋼の乾式研磨加工における研磨性に優れると共に、その際被研磨物の表面に研磨ブラシ用毛材の溶着物が付着しない特性(耐溶着性)にも優れた研磨ブラシ用毛材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、金属鋼板の表面研磨加工において用いる研磨ブラシ用毛材としては、研磨砥材粒子を含有する合成樹脂モノフィラメントからなるものが知られており、例えばこの研磨砥材粒子含有モノフィラメントを毛材として植毛したロールブラシ、カップブラシ、筒状ブラシなどを被処理金属の表面に押圧し、回転を付与することによって、被処理金属の表面研磨加工が行われている。
【0003】
したがって、研磨砥材粒子含有モノフィラメントからなる研磨ブラシ用毛材には、優れた研磨力が要求されており、かかる要求性能を満たすために、研磨ブラシ用の素材として、ナイロン6、ナイロン66,ナイロン6/66共重合体、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12などのポリアミド系樹脂およびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂などの合成樹脂から最適な素材を選択すると共に、これらの合成樹脂に添加する研磨砥材粒子として、コークス粉、ボーキサイト、酸化アルミナなどに代表されるアルミナ系砥材粒子、白ケイ石、砥粉などの炭化ケイ素系砥材粒子および人工ダイヤモンド砥材粒子などから最適な素材を選択する試みが、従来から種々検討されている(特開平4−300166号)。
【0004】
ところで、上記研磨砥材粒子含有モノフィラメントからなる研磨ブラシ用毛材は、鉄板やアルミ板などの金属鋼板に水などの冷却液を散布しつつ研磨する湿式研磨化工法に主として用いられており、冷却液の散布を行なわない乾式研磨加工法に適用する場合には、鉄板やアルミ板などには問題なく使用できるものの、ステンレス鋼板などの特殊用鋼では、研磨による発熱が大きいため、被研磨物の表面に研磨ブラシ用毛材の溶着物が付着してしまい、研磨面が著しく汚染されてしまうという問題があった。
【0005】
このため、ステンレス鋼板などの特殊用鋼の研磨においては、ピアノ線などの金属線からなる研磨ブラシが主に使用されていたが、金属線からなる研磨ブラシは、研磨中の毛折れによって飛散し人体へ危険を及ぼすばかりか、得られる研磨面の均一性にも欠けるという問題があった。
【0006】
したがって、ステンレス鋼板などの特殊用鋼の乾式研磨加工において、毛材の飛散による危険がなく、研磨性に優れると共に、その際被研磨物の表面に研磨ブラシ用毛材の溶着物が付着しない特性(以下、耐溶着性という)にも優れた研磨砥材粒子含有合成樹脂モノフィラメントからなる研磨ブラシ用毛材の実現がしきりに望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果、達成されたものである。
【0008】
したがって、本発明の目的は、ステンレス鋼板などの特殊用鋼の乾式研磨加工において、研磨性に優れると共に、耐溶着性にも優れた研磨ブラシ用毛材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂に代表される合成樹脂に研磨砥材粒子を含有せしめるに際し、研磨砥材粒子と共にシリコーンオイルを特定量含有せしめた組成物を溶融紡糸したモノフィラメントが、ステンレス鋼板の乾式研磨加工における研磨性と耐溶着性の両立に有効であることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
すなわち、本発明の研磨ブラシ用毛材は、合成樹脂に対し研磨砥材粒子5〜40重量%およびシリコーンオイル3〜30重量%を含有せしめた樹脂組成物を溶融紡糸したモノフィラメントからなることを特徴とする。
【0011】
なお、本発明の研磨ブラシ用毛材においては、
前記シリコーンオイルが、ポリアルキルシロキサン、フェニルシロキサンおよびそれらの有機変性物から選ばれた少なくとも1種であること、
前記合成樹脂がポリエステル系樹脂および/またはポリアミド系樹脂であること、
前記ポリエステル系樹脂がポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートおよびこれらにポリエステル系エラストマーを含有せしめた組成物から選ばれた少なくとも1種であること
前記ポリアミド系樹脂がナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12およびナイロン6/66共重合体から選ばれた少なくとも1種であること、
前記研磨砥材粒子の番手が#36〜#3000の範囲にあること、および
前記モノフィラメントの糸径が0.2〜3.5mmの範囲にあること
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件を適用することにより、より優れた効果を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の研磨ブラシ用毛材について詳述する。
【0013】
本発明で使用する合成樹脂は、溶融紡糸可能な熱可塑性樹脂であれば特に制限されないが、なかでもポリエステル系樹脂および/またはポリアミド系樹脂が好ましく使用される。
【0014】
ポリエステル系樹脂としては、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられるが、これらのポリエステル系樹脂に適当量のポリエステル系エラストマーを混合使用することによって、研磨砥材粒子含有モノフィラメントの靱性が向上し、研磨加工におけるへたりや毛折れなどを抑制し、研磨耐久性が向上するという好ましい効果が得られる。
【0015】
なお、本発明で使用するポリエステル系樹脂は、98.5%オルトクロロフェノール25ml中にポリマー2gを溶解した溶液を、オストワルド粘度管を使用し25℃で測定した固有粘度が0.6以上であることが好ましく、固有粘度が0.6未満の場合には、溶融紡糸性が不安定になり、屈曲疲労による折損耐久性の低下が生じるという悪影響が招かれることがある。
【0016】
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12およびナイロン6/66共重合体から選ばれた少なくとも1種を使用することが、靱性および研磨耐久性を兼ね備えた研磨砥材粒子含有モノフィラメントが得られることから好ましい。
【0017】
本発明で使用するポリアミド系樹脂は、98%硫酸25ml中にポリマー0.25gを溶解した溶液を、オストワルド粘度管を使用し25℃で測定した相対粘度が3.0以上であることが好ましく、相対粘度が3.0未満の場合には、溶融紡糸性が不安定になり、屈曲疲労による折損耐久性の低下が生じるという悪影響が招かれることがある。
【0018】
本発明で使用する研磨砥材粒子としては、酸化アルミナ、炭化ケイ素および人工ダイヤモンドなどが挙げられるが、それらの番手は、研磨材粒度JISR6001(1973)に規定される#36〜#3000、特に#60〜#1000の範囲にあることが好ましい。
【0019】
研磨砥材粒子の配合量は、合成樹脂に対し5〜40重量%、特に10〜30重量%の範囲にあることが好ましい。研磨砥材粒子の添加量が上記の範囲未満では研磨力が不十分となり、また上記の範囲を超えると溶融紡糸した研磨砥材粒子含有モノフィラメントの強度が低下し、折損耐久性が低下する方向となるため好ましくない。
【0020】
本発明で使用するシリコーンオイルとしては、ポリアルキルシロキサン、フェニルシロキサンおよびそれらの有機変性物から選ばれた少なくとも1種が好ましく、具体的には、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイルにアミノ基を導入したアミノ変性シリコーンオイル、同じくエポキシ基を導入したエポキシ変性シリコーンオイルなどが挙げられる。これらシリコーンオイルの粘度については特に制限されないが、合成樹脂中に均一に分散させるためには、1000〜100万センチストークスの範囲にあるものが好ましい。
【0021】
これらのシリコーンオイルは、合成樹脂と研磨砥材粒子の混合物を溶融紡糸する際に、紡糸工程でそのまま添加することもできるが、合成樹脂の溶融物にシリコーンオイルを添加して一旦冷却し、ペレタイズしたシリコーンオイル含有合成樹脂ペレットの形で、合成樹脂/研磨砥材粒子混合物または研磨砥材粒子と混合して使用することが、溶融紡糸の安定性を高める上で好ましい手段といえる。
【0022】
なお、シリコーンオイル含有合成樹脂ペレットとしては、市販されているものをそのまま使用することができ、これら市販品の具体例としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製BY27−009(ポリブチレンテレフタレートをベース樹脂に用いシリコーンオイルを50重量%含有せしめたペレット)、同社製BY27ー112(ポリエチレンテレフタレート樹脂をベース樹脂に用いシリコーンオイルを50重量%含有せしめたペレット)、同社製BY27ー011(ナイロン6をベース樹脂に用いシリコーンオイルを50重量%含有せしめたペレット)、および同社製BY27ー005(ナイロン66をベース樹脂に用いシリコーンオイルを50重量%含有せしめたペレット)などが挙げられる。
【0023】
シリコーンオイルの配合量は、合成樹脂に対して3〜30重量%、特に8〜20重量%の範囲にあることが好ましく、3重量%未満では研磨加工における耐溶着性の改善効果を十分に得ることができず、30重量%を越えると溶融紡糸が不安定となって糸切れなどの支障をきたすばかりか、得られる研磨砥材粒子含有モノフィラメントの強度や折損耐久性が低下する傾向になるため好ましくない。
【0024】
本発明の研磨ブラシ用毛材は、上記合成樹脂と、シリコーンオイルおよび/または合成樹脂に必要量のシリコーンオイルを含有せしめたペレットとを混合し、必要量の研磨砥材粒子を加えて混合せしめてから、この混合物を溶融紡糸機に供し、溶融紡出した後冷却し、さらに必要に応じて延伸することによって得ることができる。
【0025】
このようにして得られる研磨砥材粒子含有モノフィラメントの断面形状は、円形以外にも、楕円形、三角形、矩形およびその他の異形にすることができる。
【0026】
研磨砥材粒子含有モノフィラメントの平均直径は、0.2〜3.5mm、特に0.4〜3.0mmの範囲が好適である。ここで、モノフィラメントの直径が上記の範囲未満では、毛腰が弱すぎて研磨効果が小さくなり、また上記の範囲を超えると、毛腰が強すぎて硬く曲げにくくなり、例えはディスク板などに対する折り曲げても植毛が困難になるため好ましくない。
【0027】
かくしてなる本発明の研磨ブラシ用毛材は、JISーG4305(1984)に規定されるステンレス鋼板の乾式研磨加工において、優れた研磨性能を有し、特に耐溶着性が従来のものよりもはるかに優れるという好ましい性能を発揮する。
【0028】
したがって、本発明の研磨用ブラシ用毛材は、上記研磨砥材粒子含有モノフィラメントを所定の長さに切り揃え、それをカップブラシ、筒状ブラシ、チャンネルブラシおよびディスクロールブラシなどに植毛し、主に乾式研磨法における回転ブラシとして使用することにより、特に耐溶着性の要求される研磨加工に有効に利用することができる。
【0029】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明の構成および効果をさらに説明する。
【0030】
なお、以下の実施例における研磨量および耐溶着性の評価は下記に記載の方法により行った。
【0031】
[研磨量]
研磨砥材粒子含有モノフィラメントを、内径45mm、外径70mm、毛丈30mmに植毛したカップ状のブラシをハンドグラインダーに取り付け、自重の圧力で、12000rpmで回転させながら、真鍮金属板に接触させて、30分間研磨作業を行った場合に削り取られた真鍮金属の重量を測定した。
【0032】
[耐溶着性]
上記カップ状ブラシをハンドグラインダーに取り付け、これをJISーG4305(1984)に規定されるステンレス鋼板(SUS316の厚さ2mmの鋼板)に、自重の圧力で接触させて12000rpmで回転させながら表面の研磨加工を行なった場合の上記鋼板の表面に研磨ブラシ毛材の溶着物の付着状況(汚れ)を目視観察して、次の四規準に評価分類した。
【0033】
◎:溶着物着の付着が全くない、
○:溶着物の付着が僅かにあるが殆ど目立たない、
△:溶着物の付着が少しある、
×:溶着物の付着が多い。
【0034】
[実施例1]
固有粘度が1.5のポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)製:1500S]100重量部に、シリコーンオイルを50重量%含有したポリブチレンテレフタレート樹脂ペレット[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製:品名BY27−009]25重量部(シリコーンオイル10重量%相当)を加えてブレンドした組成物100重量部に対し、シランカップリング剤[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製SH6020]0.2重量%で被覆処理した粒度番手#80の炭化ケイ素砥材粒子(昭和電工社製)を45重量部添加した組成物を、二軸押出紡式機に供し、孔径3.0mmの紡糸ノズルから260℃で溶融紡糸した後、190℃で3.4倍に延伸することにより、直径が1.2mmの研磨砥粒粒子含有モノフィラメントを製造した。
【0035】
上記で得られた研磨砥粒粒子含有モノフィラメントを、温度20℃、相対湿度65%RH下で2日以上調温、調湿した後、上記カップ状のブラシに加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った。その結果を表1に示した。
【0036】
[実施例2]
前記固有粘度が1.5のポリブチレンテレフタレート樹脂と、ポリエステルエラストマー樹脂[東レ・デュポン(株)製:品名ハイトレル7247]とを8:2の割合で混合した組成物100重量部に、シリコーンオイルを50重量%含有したポリブチレンテレフタレート樹脂ペレット[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製:品名BY27−009]80重量部(シリコーンオイル22重量%相当)を加え、ブレンドした組成物を用いた以外は、実施例1と同様の条件で直径が1.2mmのモノフィラメントを製造し、同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った結果を表1に併記する。
【0037】
[実施例3]
前記固有粘度が1.5のポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に、シリコーンオイルを50重量%含有したポリブチレンテレフタレート樹脂ペレット[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製:品名BY27−009]11重量部(シリコーンオイル5重量%相当)を加え、ブレンドした組成物を用いた以外は、実施例1と同様の条件で直径が1.2mmのモノフィラメントを製造し、同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った結果を表1に併記する。
【0038】
[実施例4]
固有粘度が1.2のポリエチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)製、品名:T701T]100重量部に、シリコーンオイルを50重量%含有せしめたポリエチレンテレフタレート樹脂ペレット[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製:品名BY27−112]25重量部(シリコーンオイル10重量%相当)を加え、ブレンドした組成物を用いた以外は、実施例1と同様の条件で直径が1.2mmのモノフィラメントを製造し、実施例と同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った結果を表1に併記する。
【0039】
[実施例5]
相対粘度が4.1のナイロン6樹脂[東レ(株)製、品名:M1041]100重量部に、シリコーンオイルを50重量%含有せしめたナイロン6樹脂ペレット[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、品名:BY27−011]25重量部(シリコーンオイル10重量%相当)を加え、ブレンドした組成物を用い、延伸倍率を3.2とした以外は、実施例1と同様の条件で直径が1.2mmのモノフィラメントを製造し、実施例1と同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価行った結果を表1に併記する。
【0040】
[比較例1]
固有粘度が1.5のポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に、シリコーンオイルを50重量%含有せしめたポリブチレンテレフタレート樹脂ペレット[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製:品名BY27−009]3重量部(シリコーンオイル1.5重量%相当)を加え、ブレンドした組成物を用いた以外は、実施例1と同様の条件で直径1.2mmのモノフィラメントを製造し、実施例1と同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った結果を表1に併記する。
【0041】
[比較例2]
実施例1において、樹脂ペレット[品名BY27−009]の配合を省略した以外は、同様の条件で直径が1.2mmのモノフィラメントを製造して、同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った結果を表1に併記する。
【0042】
[比較例3]
実施例5において、樹脂ペレット[BY27−011]の配合を省略した以外は、同様の条件で直径が1.2mmのモノフィラメントを製造して、同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った結果を表1に併記する。
【0043】
【表1】
【0044】
表1の結果から明らかなように、本発明の研磨ブラシ用毛材(実施例1〜5)は、従来品(比較例1〜3)よりも明らかに優れた耐溶着性能を有している。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の研磨ブラシ用毛材は、ステンレス鋼板などの特殊用鋼の乾式研磨加工において、研磨性に優れると共に、耐溶着性にも優れるという従来にない特性を発揮するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてステンレス鋼板などの特殊用鋼の表面を研磨するために用いる研磨ブラシ用毛材の改良に関し、さらに詳しくは、前記ステンレス鋼板などの特殊用鋼の乾式研磨加工における研磨性に優れると共に、その際被研磨物の表面に研磨ブラシ用毛材の溶着物が付着しない特性(耐溶着性)にも優れた研磨ブラシ用毛材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、金属鋼板の表面研磨加工において用いる研磨ブラシ用毛材としては、研磨砥材粒子を含有する合成樹脂モノフィラメントからなるものが知られており、例えばこの研磨砥材粒子含有モノフィラメントを毛材として植毛したロールブラシ、カップブラシ、筒状ブラシなどを被処理金属の表面に押圧し、回転を付与することによって、被処理金属の表面研磨加工が行われている。
【0003】
したがって、研磨砥材粒子含有モノフィラメントからなる研磨ブラシ用毛材には、優れた研磨力が要求されており、かかる要求性能を満たすために、研磨ブラシ用の素材として、ナイロン6、ナイロン66,ナイロン6/66共重合体、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12などのポリアミド系樹脂およびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂などの合成樹脂から最適な素材を選択すると共に、これらの合成樹脂に添加する研磨砥材粒子として、コークス粉、ボーキサイト、酸化アルミナなどに代表されるアルミナ系砥材粒子、白ケイ石、砥粉などの炭化ケイ素系砥材粒子および人工ダイヤモンド砥材粒子などから最適な素材を選択する試みが、従来から種々検討されている(特開平4−300166号)。
【0004】
ところで、上記研磨砥材粒子含有モノフィラメントからなる研磨ブラシ用毛材は、鉄板やアルミ板などの金属鋼板に水などの冷却液を散布しつつ研磨する湿式研磨化工法に主として用いられており、冷却液の散布を行なわない乾式研磨加工法に適用する場合には、鉄板やアルミ板などには問題なく使用できるものの、ステンレス鋼板などの特殊用鋼では、研磨による発熱が大きいため、被研磨物の表面に研磨ブラシ用毛材の溶着物が付着してしまい、研磨面が著しく汚染されてしまうという問題があった。
【0005】
このため、ステンレス鋼板などの特殊用鋼の研磨においては、ピアノ線などの金属線からなる研磨ブラシが主に使用されていたが、金属線からなる研磨ブラシは、研磨中の毛折れによって飛散し人体へ危険を及ぼすばかりか、得られる研磨面の均一性にも欠けるという問題があった。
【0006】
したがって、ステンレス鋼板などの特殊用鋼の乾式研磨加工において、毛材の飛散による危険がなく、研磨性に優れると共に、その際被研磨物の表面に研磨ブラシ用毛材の溶着物が付着しない特性(以下、耐溶着性という)にも優れた研磨砥材粒子含有合成樹脂モノフィラメントからなる研磨ブラシ用毛材の実現がしきりに望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果、達成されたものである。
【0008】
したがって、本発明の目的は、ステンレス鋼板などの特殊用鋼の乾式研磨加工において、研磨性に優れると共に、耐溶着性にも優れた研磨ブラシ用毛材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂に代表される合成樹脂に研磨砥材粒子を含有せしめるに際し、研磨砥材粒子と共にシリコーンオイルを特定量含有せしめた組成物を溶融紡糸したモノフィラメントが、ステンレス鋼板の乾式研磨加工における研磨性と耐溶着性の両立に有効であることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
すなわち、本発明の研磨ブラシ用毛材は、合成樹脂に対し研磨砥材粒子5〜40重量%およびシリコーンオイル3〜30重量%を含有せしめた樹脂組成物を溶融紡糸したモノフィラメントからなることを特徴とする。
【0011】
なお、本発明の研磨ブラシ用毛材においては、
前記シリコーンオイルが、ポリアルキルシロキサン、フェニルシロキサンおよびそれらの有機変性物から選ばれた少なくとも1種であること、
前記合成樹脂がポリエステル系樹脂および/またはポリアミド系樹脂であること、
前記ポリエステル系樹脂がポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートおよびこれらにポリエステル系エラストマーを含有せしめた組成物から選ばれた少なくとも1種であること
前記ポリアミド系樹脂がナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12およびナイロン6/66共重合体から選ばれた少なくとも1種であること、
前記研磨砥材粒子の番手が#36〜#3000の範囲にあること、および
前記モノフィラメントの糸径が0.2〜3.5mmの範囲にあること
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件を適用することにより、より優れた効果を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の研磨ブラシ用毛材について詳述する。
【0013】
本発明で使用する合成樹脂は、溶融紡糸可能な熱可塑性樹脂であれば特に制限されないが、なかでもポリエステル系樹脂および/またはポリアミド系樹脂が好ましく使用される。
【0014】
ポリエステル系樹脂としては、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられるが、これらのポリエステル系樹脂に適当量のポリエステル系エラストマーを混合使用することによって、研磨砥材粒子含有モノフィラメントの靱性が向上し、研磨加工におけるへたりや毛折れなどを抑制し、研磨耐久性が向上するという好ましい効果が得られる。
【0015】
なお、本発明で使用するポリエステル系樹脂は、98.5%オルトクロロフェノール25ml中にポリマー2gを溶解した溶液を、オストワルド粘度管を使用し25℃で測定した固有粘度が0.6以上であることが好ましく、固有粘度が0.6未満の場合には、溶融紡糸性が不安定になり、屈曲疲労による折損耐久性の低下が生じるという悪影響が招かれることがある。
【0016】
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12およびナイロン6/66共重合体から選ばれた少なくとも1種を使用することが、靱性および研磨耐久性を兼ね備えた研磨砥材粒子含有モノフィラメントが得られることから好ましい。
【0017】
本発明で使用するポリアミド系樹脂は、98%硫酸25ml中にポリマー0.25gを溶解した溶液を、オストワルド粘度管を使用し25℃で測定した相対粘度が3.0以上であることが好ましく、相対粘度が3.0未満の場合には、溶融紡糸性が不安定になり、屈曲疲労による折損耐久性の低下が生じるという悪影響が招かれることがある。
【0018】
本発明で使用する研磨砥材粒子としては、酸化アルミナ、炭化ケイ素および人工ダイヤモンドなどが挙げられるが、それらの番手は、研磨材粒度JISR6001(1973)に規定される#36〜#3000、特に#60〜#1000の範囲にあることが好ましい。
【0019】
研磨砥材粒子の配合量は、合成樹脂に対し5〜40重量%、特に10〜30重量%の範囲にあることが好ましい。研磨砥材粒子の添加量が上記の範囲未満では研磨力が不十分となり、また上記の範囲を超えると溶融紡糸した研磨砥材粒子含有モノフィラメントの強度が低下し、折損耐久性が低下する方向となるため好ましくない。
【0020】
本発明で使用するシリコーンオイルとしては、ポリアルキルシロキサン、フェニルシロキサンおよびそれらの有機変性物から選ばれた少なくとも1種が好ましく、具体的には、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイルにアミノ基を導入したアミノ変性シリコーンオイル、同じくエポキシ基を導入したエポキシ変性シリコーンオイルなどが挙げられる。これらシリコーンオイルの粘度については特に制限されないが、合成樹脂中に均一に分散させるためには、1000〜100万センチストークスの範囲にあるものが好ましい。
【0021】
これらのシリコーンオイルは、合成樹脂と研磨砥材粒子の混合物を溶融紡糸する際に、紡糸工程でそのまま添加することもできるが、合成樹脂の溶融物にシリコーンオイルを添加して一旦冷却し、ペレタイズしたシリコーンオイル含有合成樹脂ペレットの形で、合成樹脂/研磨砥材粒子混合物または研磨砥材粒子と混合して使用することが、溶融紡糸の安定性を高める上で好ましい手段といえる。
【0022】
なお、シリコーンオイル含有合成樹脂ペレットとしては、市販されているものをそのまま使用することができ、これら市販品の具体例としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製BY27−009(ポリブチレンテレフタレートをベース樹脂に用いシリコーンオイルを50重量%含有せしめたペレット)、同社製BY27ー112(ポリエチレンテレフタレート樹脂をベース樹脂に用いシリコーンオイルを50重量%含有せしめたペレット)、同社製BY27ー011(ナイロン6をベース樹脂に用いシリコーンオイルを50重量%含有せしめたペレット)、および同社製BY27ー005(ナイロン66をベース樹脂に用いシリコーンオイルを50重量%含有せしめたペレット)などが挙げられる。
【0023】
シリコーンオイルの配合量は、合成樹脂に対して3〜30重量%、特に8〜20重量%の範囲にあることが好ましく、3重量%未満では研磨加工における耐溶着性の改善効果を十分に得ることができず、30重量%を越えると溶融紡糸が不安定となって糸切れなどの支障をきたすばかりか、得られる研磨砥材粒子含有モノフィラメントの強度や折損耐久性が低下する傾向になるため好ましくない。
【0024】
本発明の研磨ブラシ用毛材は、上記合成樹脂と、シリコーンオイルおよび/または合成樹脂に必要量のシリコーンオイルを含有せしめたペレットとを混合し、必要量の研磨砥材粒子を加えて混合せしめてから、この混合物を溶融紡糸機に供し、溶融紡出した後冷却し、さらに必要に応じて延伸することによって得ることができる。
【0025】
このようにして得られる研磨砥材粒子含有モノフィラメントの断面形状は、円形以外にも、楕円形、三角形、矩形およびその他の異形にすることができる。
【0026】
研磨砥材粒子含有モノフィラメントの平均直径は、0.2〜3.5mm、特に0.4〜3.0mmの範囲が好適である。ここで、モノフィラメントの直径が上記の範囲未満では、毛腰が弱すぎて研磨効果が小さくなり、また上記の範囲を超えると、毛腰が強すぎて硬く曲げにくくなり、例えはディスク板などに対する折り曲げても植毛が困難になるため好ましくない。
【0027】
かくしてなる本発明の研磨ブラシ用毛材は、JISーG4305(1984)に規定されるステンレス鋼板の乾式研磨加工において、優れた研磨性能を有し、特に耐溶着性が従来のものよりもはるかに優れるという好ましい性能を発揮する。
【0028】
したがって、本発明の研磨用ブラシ用毛材は、上記研磨砥材粒子含有モノフィラメントを所定の長さに切り揃え、それをカップブラシ、筒状ブラシ、チャンネルブラシおよびディスクロールブラシなどに植毛し、主に乾式研磨法における回転ブラシとして使用することにより、特に耐溶着性の要求される研磨加工に有効に利用することができる。
【0029】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明の構成および効果をさらに説明する。
【0030】
なお、以下の実施例における研磨量および耐溶着性の評価は下記に記載の方法により行った。
【0031】
[研磨量]
研磨砥材粒子含有モノフィラメントを、内径45mm、外径70mm、毛丈30mmに植毛したカップ状のブラシをハンドグラインダーに取り付け、自重の圧力で、12000rpmで回転させながら、真鍮金属板に接触させて、30分間研磨作業を行った場合に削り取られた真鍮金属の重量を測定した。
【0032】
[耐溶着性]
上記カップ状ブラシをハンドグラインダーに取り付け、これをJISーG4305(1984)に規定されるステンレス鋼板(SUS316の厚さ2mmの鋼板)に、自重の圧力で接触させて12000rpmで回転させながら表面の研磨加工を行なった場合の上記鋼板の表面に研磨ブラシ毛材の溶着物の付着状況(汚れ)を目視観察して、次の四規準に評価分類した。
【0033】
◎:溶着物着の付着が全くない、
○:溶着物の付着が僅かにあるが殆ど目立たない、
△:溶着物の付着が少しある、
×:溶着物の付着が多い。
【0034】
[実施例1]
固有粘度が1.5のポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)製:1500S]100重量部に、シリコーンオイルを50重量%含有したポリブチレンテレフタレート樹脂ペレット[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製:品名BY27−009]25重量部(シリコーンオイル10重量%相当)を加えてブレンドした組成物100重量部に対し、シランカップリング剤[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製SH6020]0.2重量%で被覆処理した粒度番手#80の炭化ケイ素砥材粒子(昭和電工社製)を45重量部添加した組成物を、二軸押出紡式機に供し、孔径3.0mmの紡糸ノズルから260℃で溶融紡糸した後、190℃で3.4倍に延伸することにより、直径が1.2mmの研磨砥粒粒子含有モノフィラメントを製造した。
【0035】
上記で得られた研磨砥粒粒子含有モノフィラメントを、温度20℃、相対湿度65%RH下で2日以上調温、調湿した後、上記カップ状のブラシに加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った。その結果を表1に示した。
【0036】
[実施例2]
前記固有粘度が1.5のポリブチレンテレフタレート樹脂と、ポリエステルエラストマー樹脂[東レ・デュポン(株)製:品名ハイトレル7247]とを8:2の割合で混合した組成物100重量部に、シリコーンオイルを50重量%含有したポリブチレンテレフタレート樹脂ペレット[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製:品名BY27−009]80重量部(シリコーンオイル22重量%相当)を加え、ブレンドした組成物を用いた以外は、実施例1と同様の条件で直径が1.2mmのモノフィラメントを製造し、同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った結果を表1に併記する。
【0037】
[実施例3]
前記固有粘度が1.5のポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に、シリコーンオイルを50重量%含有したポリブチレンテレフタレート樹脂ペレット[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製:品名BY27−009]11重量部(シリコーンオイル5重量%相当)を加え、ブレンドした組成物を用いた以外は、実施例1と同様の条件で直径が1.2mmのモノフィラメントを製造し、同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った結果を表1に併記する。
【0038】
[実施例4]
固有粘度が1.2のポリエチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)製、品名:T701T]100重量部に、シリコーンオイルを50重量%含有せしめたポリエチレンテレフタレート樹脂ペレット[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製:品名BY27−112]25重量部(シリコーンオイル10重量%相当)を加え、ブレンドした組成物を用いた以外は、実施例1と同様の条件で直径が1.2mmのモノフィラメントを製造し、実施例と同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った結果を表1に併記する。
【0039】
[実施例5]
相対粘度が4.1のナイロン6樹脂[東レ(株)製、品名:M1041]100重量部に、シリコーンオイルを50重量%含有せしめたナイロン6樹脂ペレット[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、品名:BY27−011]25重量部(シリコーンオイル10重量%相当)を加え、ブレンドした組成物を用い、延伸倍率を3.2とした以外は、実施例1と同様の条件で直径が1.2mmのモノフィラメントを製造し、実施例1と同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価行った結果を表1に併記する。
【0040】
[比較例1]
固有粘度が1.5のポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に、シリコーンオイルを50重量%含有せしめたポリブチレンテレフタレート樹脂ペレット[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製:品名BY27−009]3重量部(シリコーンオイル1.5重量%相当)を加え、ブレンドした組成物を用いた以外は、実施例1と同様の条件で直径1.2mmのモノフィラメントを製造し、実施例1と同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った結果を表1に併記する。
【0041】
[比較例2]
実施例1において、樹脂ペレット[品名BY27−009]の配合を省略した以外は、同様の条件で直径が1.2mmのモノフィラメントを製造して、同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った結果を表1に併記する。
【0042】
[比較例3]
実施例5において、樹脂ペレット[BY27−011]の配合を省略した以外は、同様の条件で直径が1.2mmのモノフィラメントを製造して、同様にブラシ加工し、研磨性および耐溶着性の評価を行った結果を表1に併記する。
【0043】
【表1】
【0044】
表1の結果から明らかなように、本発明の研磨ブラシ用毛材(実施例1〜5)は、従来品(比較例1〜3)よりも明らかに優れた耐溶着性能を有している。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の研磨ブラシ用毛材は、ステンレス鋼板などの特殊用鋼の乾式研磨加工において、研磨性に優れると共に、耐溶着性にも優れるという従来にない特性を発揮するものである。
Claims (7)
- 合成樹脂に対し研磨砥材粒子5〜40重量%およびシリコーンオイル3〜30重量%を含有せしめた樹脂組成物を溶融紡糸したモノフィラメントからなることを特徴とする研磨ブラシ用毛材。
- 前記シリコーンオイルが、ポリアルキルシロキサン、フェニルシロキサンおよびそれらの有機変性物から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の研磨ブラシ用毛材。
- 前記合成樹脂がポリエステル系樹脂および/またはポリアミド系樹脂であることを特徴とする請求項1または2項に記載の研磨ブラシ用毛材。
- 前記ポリエステル系樹脂がポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートおよびこれらにポリエステル系エラストマーを含有せしめた組成物から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の研磨ブラシ用毛材。
- 前記ポリアミド系樹脂がナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12およびナイロン6/66共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の研磨ブラシ用毛材。
- 前記研磨砥材粒子の番手が#36〜#3000の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨ブラシ用毛材。
- 前記モノフィラメントの糸径が0.2〜3.5mmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の研磨ブラシ用毛材。
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