JP2004024958A - マスキングテープ及びそれを用いたマスカー - Google Patents
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Abstract
【課題】追従性が良く手切れ性にも優れたマスキングテープ及びそれを使用したマスカーを提供する。
【解決手段】KES(Kawabata Evaluation System)測定による繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.03gf・cm2/cm〜0.6gf・cm2/cmであり、繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.01gf・cm2/cm〜0.4gf・cm2/cmの範囲にあり、少なくとも2種類のポリエステル繊維を含み、2種類のうち一方が、ベース繊維であり、もう一方がバインダー繊維であることを特徴とするポリエステル不織布基材を使用したマスキングテープ及びそれを使用したマスカー。
【解決手段】KES(Kawabata Evaluation System)測定による繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.03gf・cm2/cm〜0.6gf・cm2/cmであり、繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.01gf・cm2/cm〜0.4gf・cm2/cmの範囲にあり、少なくとも2種類のポリエステル繊維を含み、2種類のうち一方が、ベース繊維であり、もう一方がバインダー繊維であることを特徴とするポリエステル不織布基材を使用したマスキングテープ及びそれを使用したマスカー。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両もしくは建築の塗装用、シーリング用として好適に使用される、曲面や粗面、凹凸面への追従性が良く、耐水性に優れた、施工後剥がす際にテープ破断が少なく、かつ手切れ性が良好なマスキングテープ及びそれを使用したマスカーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、マスキングテープの基材としては、木材パルプを主体とした和紙やクレープ紙などの紙基材が知られている。これら紙基材を使用したマスキングテープは、手で容易に切断することができる、所謂手切れ性が良好であることから、作業性を重視する車両や建築物の塗装用やシーリング用として幅広く使用されている。また、紙基材は厚みや繊維組成、含浸剤、背面塗工剤等を変えてやることにより、自由にその柔軟性を設定することができることから、最近では曲面や粗面、凹凸面に追従性が良いものが多品種用意されている。
【0003】
しかしながら、このように追従性を重視した紙基材のマスキングテープは、強度が不十分となり、施工後剥がす際にテープ破断しやすいという欠点を有している。このため、含浸剤や背面処理剤等での改善も試みられているが十分ではなく、またこの他耐水性、耐溶剤性の面でも問題が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、曲面や粗面、凹凸面への追従性が良く、耐水性に優れた、施工後剥がす際にテープ破断が少なくかつ手切れ性の良好なマスキングテープ及びそれを使用したマスカーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
目的を達成するために、本発明では、マスキングテープの基材として、曲げ強度が特定の範囲にあり、その繊維組成がポリエステル繊維主体である不織布を用いることにより、曲面や粗面、凹凸面への追従性、耐水性、施工後剥がす際のテープ破断が少ない性能、手切れ性の向上を図った。
本発明は、車両もしくは建築の塗装用、シーリング用として好適に使用される、曲面や粗面、凹凸面への追従性が良く、耐水性に優れた、施工後剥がす際にテープ破断が少なくかつ手切れ性が良好なマスキングテープ及びそれを使用したマスカーを提供する。
すなわち、KES(Kawabata Evaluation System)測定による繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.03gf・cm2/cm〜0.6gf・cm2/cmであり、繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.01gf・cm2/cm〜0.4gf・/cmの範囲にあり、少なくとも2種類のポリエステル繊維を含み、2種類のうち一方が、ベース繊維であり、もう一方がバインダー繊維であることを特徴とするポリエステル不織布基材を使用したマスキングテープおよびそれを用いたマスカーとすることにより、目的を達成できる。
【0006】
ここで、本発明の基材として用いる不織布の材料としては、ポリエステル以外に、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレフイcm2ン、アクリル等の合成繊維や木材パルプ、マニラ麻等の天然パルプ繊維などが挙げられるが、ポリエステル繊維含有量が50重量%以上であることが好ましい。
使用されるポリエステル繊維の長さは5mm以上である必要があり、それより短い場合は強度が不足する。
ポリエステル繊維の太さには特に制限はなく一般的なものが使用されるが、特に直径5μm〜15μm程度のものが好ましい。
基材の厚みについても特に制限はないが、50μm〜70μm程度のものが好ましい。
ポリエステル繊維の配合比は、ベース繊維が40以下の場合強度が不足し、80を超えると追従性が不十分になる。また、バインダー繊維が60を超えると追従性が不十分になり、20以下では強度が不足する。
さらに、ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等のグリコール・ジカルボン酸重縮合系、ポリグリコール酸、ポリ乳酸等のポリラクチド類、ポリ(ε―カプロラクトン)等のポリラクトン類等が挙げられる。
本発明においては、ポリエチレンテレフタレートがより好適に用いることができる。
【0007】
本発明においては、上記のポリエステルの一部を生分解性ポリエステルに置き換えることができる。
本発明において用いる生分解性ポリエステルとしては、モンサント(株)製のバイオポール(3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸等のポリマー)等の微生物産生のポリマー、ダイセル化学工業(株)製のセルグリーン(酢酸セルロース(PCA)系)等の天然物由来のポリマー、昭和高分子(株)製のビオノーレ(ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペートなど)、ダイセル化学工業(株)製のセルグリーン(ポリカプロラクトン系)、三井化学(株)製のレイシア(ポリ乳酸系)等のような化学合成ポリマーなどがあり、特許文献としては特開平04−220478号公報、特開2001−329149号公報、特開2002−20601号公報ほかに示されている生分解性ポリエステルがあり、例えば、脂肪族ポリエステル、ポリラクトン、及びそれらのポリマーを構成するモノマー構成単位の少なくとも一種以上を有する共重合ポリエステルからなる生分解性樹脂組成物や、2−ヒドロキシ−2−アルキル酢酸単位のうち、60モル%以上が乳酸残基である脂肪族カルボン酸と脂肪族ポリオールから合成される脂肪族ポリエステル成分を含むポリマーと、必須の成分として含有することを特徴とする生分解性ポリエステル樹脂組成物などがある。
【0008】
基材である不織布は、繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.03gf・cm2/cm〜0.6gf・cm2/cm、好ましくは0.05gf・cm2/cm〜0.4gf・cm2/cm、繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.01gf・cm2/cm〜0.4gf・cm2/cm、好ましくは0.02gf・cm2/cm〜0.2gf・cm2/cmの範囲で選択される。
繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.03gf・cm2/cmに満たない場合強度が不足し、施工後剥がす際にテープ破断し易くなり、0.6gf・cm2/cmを超える場合追従性が不十分となる。
繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.01gf・cm2/cmに満たない場合強度が不足し、施工後剥がす際にテープ破断し易くなり、0.4gf・cm2/cmを超える場合追従性が不十分となる。
通常、繊維流れ方向とマスキングテープの長さ方向を一致させ、繊維流れ方向と直交する方向とマスキングテープの巾方向を一致させている。
なお、テープ基材の表裏両サイドへの曲げ硬さの測定に使用した計測機器は、
カトーテック株式会社 KES−FB2 純曲げ試験機であり、測定条件は、温度20℃、湿度65%で行った。
KES測定とは川端李雄筆、繊維機械学会(繊維工学)、vol.26、No.10、P721〜P728(1973)に記載されているように、風合い計測のために設計された布試験システムKES−FBシリーズ(Kawabata Evaluation System for fabrics)の一部で布の曲げ特性を測定するものである。この曲げ特性測定機KES−FB2(カトーテック社製)は、試料全体を一定曲率で円弧状に曲げ、その曲率を等速で変化させることができ、それに伴う微少な曲げモーメントを検出し、曲げモーメントと曲率の関係を測定することができる。なお、最大曲率はK=±2.5cm−1、クランプ間隔(試料長)=1cm、曲げ変形速度は0.5cm−1/secである。
曲げかたさは、曲率K(cm−1)の増加に対する曲げモーメントM(g・cm/cm、単位長さ当りの値)の増分でM−K曲線の傾斜を示す。かかる曲げかたさは、K=0.5と1.5の間、および、K=−0.5と−1.5の間の2ヶ所で測定し、それぞれ表曲げ(表面が外側となるような曲げ)と裏曲げ(裏面が外側となるような曲げ)の勾配の平均値とする。
【0009】
不織布の製造方法としては特に制限はないが、乾式法、湿式法、スパンボンド法などに代表されるような、主にフリースとよばれる繊維の集積層を形成する方法や、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ポイントシール法、ニードルパンチ法、水流絡合法などに代表されるような、繊維同士を結合させる方法等が用いられる。
【0010】
本発明のマスキングテープに使用される不織布の坪量は、乾燥重量で、10〜50g/m2、好ましくは20〜30g/m2である。基材の総坪量が10g/m2以下の場合、基材の強度が十分でないため、施工後剥がす際にテープ破断しやすくなる。逆に、50g/m2を超える場合、基材の強度は十分であるが、追従性、手切れ性が不十分となる。
【0011】
本発明においては通常のマスキングテープのように、基材に含浸剤を含浸させることができる。
使用される含浸剤は通常、溶剤(水を含む)に溶解、あるいは分散させて用いられるが、その使用形態に特に制限はない。また、その成分にも特に制限はなく、例えば天然ゴムの他、アクリルゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、(メタ)アクリル酸グラフト天然ゴム、(メタ)アクリル酸エステルグラフト天然ゴム、スチレングラフト天然ゴム、アクリロニトリルグラフト天然ゴム、合成イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合ゴム、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、エチレン−アクリロニトリル共重合ゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、シリコーンゴム、液状イソプレンゴム、液状ブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合ゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状オキシプロピレンゴムなどの合成ゴム(合成エラストマー)や、セラック、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの樹脂、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、N−アルキロール基やN−アルコキシアルキル基を有するモノマーよりなる群から選ばれた少なくとも2種以上の共重合樹脂などのが挙げられる。
また、含浸剤としてはこのほかにも、ハロゲン基、クロルスルホン基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を有するエラストマーも使用される。具体的には、クロロブチルゴム、ブロモブチルゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレン、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状クロロプレンゴム、液状カルボキシル化ポリイソプレンゴム、液状カルボキシル化ポリブタジエン、液状ヒドロキシル化ポリイソプレン、液状ヒドロキシル化ポリブタジエンゴム、液状アミノ化ポリブタジエンゴムなどが挙げられる。
これら含浸剤は、ランダム体、ブロック体、グラフト体あるいはそれらの変成体の何れであってもよく、1種のみ用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、分子中に水素添加可能な不飽和の二重結合を有するものについては、その水素添加物も使用可能であるとともに、硫黄を含む加硫剤、無機加硫剤、樹脂加硫剤などの種々の加硫剤の他、オキシム類,ニトロソ化合物、ポリアミン、ポリエチレンイミン、有機ペルオキシドなどの架橋剤で架橋させてもよい。また、官能基を有するものについても、該官能基と反応することができる各種架橋剤、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを併用して架橋させてもよい。架橋剤はそれぞれに応じて1種又は2種以上組み合わせて使用され、架橋を行うと主に耐溶剤性などが向上する。
含浸剤の含浸量は、通常、基材重量に対して、乾燥重量で15%〜200%、好ましくは20%〜150%とする。また、含浸剤には充填剤、顔料や紫外線吸収剤、老化防止剤を配合すると、紫外線や熱が遮断され、粘着剤層の劣化が防止されるので好ましい。
【0012】
本発明において、使用される充填剤や顔料としては特に限定されないが、例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、けい酸アルミニウム、けい酸カルシウム、珪藻土、珪石粉、タルク、シリカ、ゼオライト、アルミナホワイト、グラファイト、酸化チタン、超微粒子酸化チタン、亜鉛華、黒色酸化鉄、雲母状酸化鉄、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホワイト、カーボンブラック、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、ベンガラ、モリブデン赤、鉛丹、黄鉛、カドミウム黄、バリウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫、コバルト紫などの無機系のものや、シェラック、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニンブルー、染色レーキなどの有機系のものなどが挙げられる。なお、これら充填剤や顔料は、通常、0.01〜5μm程度の微粒子であるのが望ましい。これらは1種用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。充填剤や顔料を配合する場合、その配合量は、本発明の感圧接着剤100重量部に対して、通常0.1〜250重量部の範囲で選択される。
【0013】
本発明において、使用される紫外線防止剤としては特に限定されないが、例えばサリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系のもの、ベンゾトリアゾール系のもの、シアノアクリレート系紫外線架橋剤などが挙げられる。サリチル酸誘導体としては、例えばサリチル酸フェニル、サリチル酸−P−オクチルフェニル、サリチル酸−P−第三ブチルフェニルなどが挙げられる。ベンゾフェノン系のものとしては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン・トリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタンなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系のものとしては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−第三ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−第三ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−n−第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−第三アミルフェニル)ベンゾトリアゾ―ル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]などが挙げられる。シアノアクリレート系紫外線架橋剤としては、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。これら紫外線防止剤は1種用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。紫外線防止剤を配合する場合、その配合量は、本発明の感圧接着剤100重量部に対して、通常0.1〜5重量部の範囲で選択される。
【0014】
本発明において、使用される老化防止剤としては特に限定されないが、例えば、ナフチルアミン系のもの、P−フェニレンジアミン系のもの、アミン混合物、その他アミン系のもの、キノリン系のもの、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系のもの、ビス,トリス,ポリフェノール系のもの、チオビスフェノール系のもの、ヒンダードフェノール系のもの、亜リン酸エステル系のものなどが挙げられる。これら老化防止剤は1種用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。老化防止剤を配合する場合、その配合量は、本発明の感圧接着剤100重量部に対して、通常0.05〜5重量部の範囲で選択される。
【0015】
本発明のポリエステル系不織布に適用できる粘着剤は、従来の粘着剤すべて用いることができ、溶剤(水を含む)に溶解、あるいは分散させて用いられるが、その使用形態に制限はない。例えばゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤などがある。
本発明のポリエステル系不織布に適用できるゴム系粘着剤としては、従来から知られているゴム系粘着剤なら、どの様なものでも良く、天然ゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、メタクリル酸メチルグラフト天然ゴム、スチレングラフト天然ゴム、アクリロニトリルグラフト天然ゴム、合成イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴム、エチレン−アクリトニトリル共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、液状イソプレンゴム、液状ブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合ゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状オキシプロピレンゴムなどを挙げることが出来る。
本発明で用いるアクリル系粘着剤の例を挙げれば、(A)アルキル基の炭素数が4〜12のアクリル酸アルキルエステル及び/又はアルキル基の炭素数が4〜18のメタクリル酸アルキルエステル85〜98.9重量%、(B)アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリル1〜10重量%、(C)α,β一不飽和カルボン酸0.1〜5重量%から成るモノマー混合物か、あるいは該モノマー混合物100重量部に対し40重量部を超えない量のこれら成分と共重合可能なモノマーを配合して成るモノマー混合物を重合して得られるポリマーを用いることができる。
本発明のポリエステル系不織布に適用できるゴム系粘着剤又はアクリル系感圧接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、含浸剤に使用されるような充填剤、顔料、紫外線防止剤、老化防止剤や公知の粘着性付与樹脂、可塑剤など各種添加剤を含有させることができる。
【0016】
粘着性付与樹脂としては特に限定されないが、例えば、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール系樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、ロジン系樹脂、変性ロジン系樹脂、脂肪族合成石油系樹脂、芳香族合成石油系樹脂、脂環族合成石油系樹脂、クマロン−インデン樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びこれらの中で、水素添加可能な不飽和の二重結合を有するものは、その水素添加品などが挙げられる。これら粘着性付与樹脂は1種用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0017】
本発明のポリエステル系不織布に適用できる感圧接着剤の支持体への塗工方法としては通常用いられる方法、例えば、グラビアコータ法、ロールコータ法、リバースコータ法、ドクターブレード法、バーコータ法、コンマコータ法、ファウンテンダイコータ法、リップコータ法、ナイフコータ法などが挙げられる。これらのうち好ましいものはグラビアコータ法、コンマコータ法、リップコータ法である。塗工後は、熱風または(近)赤外線、高周波などのエネルギーにより加熱して溶媒あるいは分散媒の乾燥を行う。感圧接着剤の乾燥塗工厚さは、通常5〜250μm、好ましくは10〜100μmである。
【0018】
本発明のポリエステル系不織布の粘着テープは、周知の方法により感圧接着剤層中に気泡を含有させてもよい。気泡を含有させる方法としては特に制限はなく、公知の方法、例えばアゾ系、スルホニルヒドラジド系、ニトロソ系、無機系などの、それ自身が熱分解や化学反応を起こして気体を発生する発泡剤を含有させる方法、熱発泡性あるいは熱膨張性のマイクロカプセルを含有させる方法などの化学的方法や、乾燥の際、溶媒あるいは分散媒を急激に揮発させることにより生成する気泡をそのまま含有させる方法、塗工前に感圧接着剤配合液を急激に攪拌することにより機械的に泡を形成させる方法などの物理的方法が挙げられる。気泡を含有させることにより柔軟性が向上するとともに、表層が粗面となることから、低接着でありながら十分なタックを有する、いわゆる接着性と再剥離性のバランスのとれた粘着テープとなる。
【0019】
本発明のポリエステル系不織布の粘着テープには支持体の強度を向上させたり、支持体と感圧接着剤あるいは剥離剤との接着を十分なものにする目的の他、感圧接着剤あるいは剥離剤の必要以上の支持体への吸収を防ぐ目的で、感圧接着剤層側の支持体の片面にアンダーコート剤の層や感圧接着剤層とは反対側の支持体の背面に背面処理剤の層を設けてもよい。
【0020】
アンダーコート剤としては特に限定されないが、例えば天然ゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、メタクリル酸メチルグラフト天然ゴム、スチレングラフト天然ゴム、アクリロニトリルグラフト天然ゴム、合成イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴム、エチレン−アクリトニトリル共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、液状イソプレンゴム、液状ブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合ゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状オキシプロピレンゴムなどのエラストマーや、セラック、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの樹脂、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン、N−アルキロール基、N−アルコキシアルキル基を有する重合性単量体よりなる群から選ばれた少なくとも2種以上の共重合樹脂、官能基を有するエラストマー(クロロブチルゴム、ブロモブチルゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレン、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状クロロプレンゴム、液状カルボキシル化ポリイソプレンゴム、液状カルボキシル化ポリブタジエン、液状ヒドロキシル化ポリイソプレン、液状ヒドロキシル化ポリブタジエンゴム、液状アミノ化ポリブタジエンゴム)などが挙げられる。
これらのアンダーコート剤は1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、成分中に水素添加可能な不飽和の二重結合を有するものについては、その水素添加品も使用可能であるとともに、硫黄を含む加硫剤、無機加硫剤、樹脂加硫剤など種々の加硫剤の他、オキシム類、ニトロソ化合物、ポリアミン、ポリエチレンイミン、有機ペルオキシドなどの架橋剤を併用して架橋させてもよい。成分中に官能基を有するものについても、該官能基と反応することができる各種架橋剤、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを併用することにより架橋させてもよい。アンダーコート剤には、必要に応じて本発明の感圧接着剤に使用されるような、充填剤、顔料、老化防止剤、紫外線防止剤など、公知の各種添加剤を含有させてもよい。
アンダーコート剤の塗布量は、乾燥重量で通常0.5〜40g/m2、好ましくは2〜20g/m2の範囲で選ばれる。
【0021】
本発明のポリエステル系不織布に適用できる背面処理剤としては、例えば、ブタジエンゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴム、エチレン−アクリロニトリル共重合ゴムなどのエラストマー、セラック、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの樹脂の他、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン、N−アルキロール基、N−アルコキシアルキル基を有する重合性単量体よりなる群から選ばれた少なくとも2種以上の共重合樹脂などが挙げられる。
これらの背面処理剤は1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、成分中に水素添加可能な不飽和の二重結合を有するものについては、その水素添加品も使用可能であるとともに、硫黄を含む加硫剤、無機加硫剤、樹脂加硫剤など種々の加硫剤の他、オキシム類、ニトロソ化合物、ポリアミン、ポリエチレンイミン、有機ペルオキシドなどの架橋剤を併用して架橋させてもよい。成分中に官能基を有するものについても、該官能基と反応することができる各種架橋剤、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを併用することにより架橋させてもよい。背面処理剤には、必要に応じて本発明の感圧接着剤に使用されるような、充填剤、顔料、老化防止剤、紫外線防止剤など、公知の各種添加剤を含有させてもよい。
背面処理剤の塗布量は、乾燥重量で通常0.5〜40g/m2、好ましくは2〜20g/m2の範囲で選ばれる。
【0022】
本発明のポリエステル系不織布による粘着テープにはロール状に巻回した粘着テープの剥離あるいは展開をスムーズにする為に、支持体背面に直接、または背面処理剤の層を介して、剥離剤層を設けてもよい。剥離剤としては例えば、以下に示すものが挙げられる。
1)アルキルペンダント系剥離剤
(a)ステアリルアクリレートとアクリル酸、アクリロニトリルまたは酢酸ビニルの共重合物
(b)ステアリルアクリルアミドとアクリル酸またはアクリロニトリルの共重合物
(c)ステアリルビニルエーテルとアクリル酸、無水マレイン酸またはアクリロニトリルの共重合物
(d)セルロースまたはポリビニルアルコールと塩化ステアロイルとの反応生成物
(e)ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリエステルなどの活性水素をもつ共重合体をステアリルイソシアネートなどの脂肪族イソシアネートで変性したもの
2)縮合ワックス系剥離剤
(a)ベヘニルアミノプロピルアミンまたはα−モノステアレートとジカルボン酸またはポリイソシアネート化合物との反応性成物であるポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン
(b)長鎖アルキルワーナー錯塩
(c)シェラックワックス
3)ポリエチレンイミン誘導体
(a)ポリ(N−ステアロイルエチレンイミン)
(b)ポリエチレンイミンと脂肪族イソシアネート、例えば、C18H37NCOとの反応生成物であるアルキル尿素誘導体
これらの剥離剤は1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、成分中に官能基を有するものについては、該官能基と反応することができる各種架橋剤、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを併用することにより架橋させてもよい。
剥離剤の塗布量は、通常0.01〜10g/m2、好ましくは0.1〜1g/m2の範囲で選択される。
【0023】
本発明のポリエステル系不織布による粘着テープは通常、ロール状あるいは円筒状の巻回物である支持体を巻戻しながら供給し、その片面に上記感圧接着剤を常法で塗被し、接着剤層を内側に巻き込むように適当な芯材を中にして巻回することによって得られる巻回物の形状で提供されるが、ロール状ないしシート状の剥離紙を台紙として用いることによって、例えば予め1辺を100mm〜1000mm程度の適宜長さに設定したマスキングシート、あるいは文字や図形を描くためのカッティングシートの形状で提供してもよい。
マスカーに係る塗装用養生材では、粘着テープを用いて、粘着テープの粘着面の長尺方向片側縁を養生シート材の側縁に沿って貼着して、全体をロール状に巻回したものとする。この塗装用養生材の概略を図1に示す。
通常、養生用あるいは塗装用粘着テープは、被塗装面の保護の為、紙、フィルムなどのシート状養生材を組み合わせて使用されるが、使用現場にて養生材を粘着テープで貼り付けていく方法では作業効率が悪くなる。したがって、予め粘着テープ1の粘着面の長尺片側側縁を養生シート材2の側縁に沿って貼着し、全体をロール上に巻回しておけば、被塗装養生面に沿って展開するだけで良いので、作業効率が格段に高まる。
なお、養生シート材2を折り込んでおき、ロール状に巻回した養生材の長さを短縮することにしてもよい。例えば、養生シート材2としてポリエチレンフィルムを用い、粘着テープ1と平行に前記養生シート材2を2つないし4つに折り畳んだまま全体をロール状に巻回しておけば、養生材の長さが格段に短くなり、包装・運搬などの取扱いに便利である。また、粘着テープ1を巻回した部分と養生シート材2を巻回した部分の巻径がほぼ等しくなるので、商品として取扱い性が一層向上する利点も得られる。
【0024】
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(基材の調整)
平均長さ6〜8mmの延伸したポリエチレンテレフタレート繊維40%、平均長さ6〜8mmの未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維60%を原料として抄紙し、加熱処理することにより乾燥重量が25g/m2のポリエステル不織布基材を得た。
この基材に、乾燥重量で20g/m2になるように天然ゴムラテックスを含浸処理した。
(粘着剤の調整の一例)
トルエン100gに素練りによりムーニー粘度を60に調整した天然ゴム10gを溶解した後、YSレジンPX1000(ヤスハラケミカル社製)を5g、ダイマロン(ヤスハラケミカル社製)を2g、老化防止剤サンダント2246(三新化学工業社製)を0.1g添加し、十分溶解させたものを粘着剤とした。
(基材への塗布の一例)
これを乾燥後の塗膜の厚さが30μmになるように前記のポリエステル不織布基材上に塗布し、乾燥したのち、10mm×150mmの矩形状に切断して、試験片を作製した。
【0025】
試験片を、粗面追従性、手切れ性の2項目に亘ってテストした。
(1)粗面追従性:試験片には、幅15mm、長さ100mmのものを用い、また被着体にはリシン塗装面を使用し、温度23℃、湿度65%条件下で被着体に完全に追従させるように貼り付けた時の貼り付け易さ(追従し易さ)を測定者が判断し、次の基準で判定した。
〇:良い
△:普通
×:悪い
(2)手切れ性:試験片には、幅15mm、長さ100mmのものを用い、試験片の基材流れ方向と交差する方向に手で裂いた時の裂き易さを測定者が判断し、次の基準で判定した。
〇:良い
△:普通
×:悪い
実施例1の試験片は、粗面追従性、手切れ性の2項目に亘ってテストした。
粗面追従性○、手切れ性○の結果を得た。
【0026】
[実施例2〜5]
表1に示すポリエステル不織布基材を使用した以外は実施例1と同様にして試験片を作成した。
[比較例1]
表1に示すポリエステル不織布基材を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
【表1】
延伸PET:延伸ポリエチレンテレフタレート
未延伸PET:未延伸ポリエチレンテレフタレート
生分解PE:ポリラクトン系共重合ポリエステル(平均長さ6〜8mm)
曲げかたさ:KES−FB2(カトーテック株式会社)を使用し、温度20℃、湿度60%の条件下で測定(標準測定)したもの(gf・cm2/cm)
【0027】
【発明の効果】
本発明に係る繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.03gf・cm2/cm〜0.6gf・cm2/cmであり、繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.01gf・cm2/cm〜0.4gf・cm2/cmの範囲にあり、少なくとも2種類のポリエステル繊維を含み、2種類のうち一方が、ベース繊維であり、もう一方がバインダー繊維であることを特徴とするポリエステル不織布基材のマスキングテープは、粗面や曲面、凹凸面への追従性が良く、かつ手切れ性に優れているので幅広い用途に対応しうる。
さらに、本発明のマスキングテープは、特に塗装用に適しているが、シーリングなどの分野でも十分に使用可能であり、追従性が良いばかりか、アクリル系の粘着剤を使用すれば、耐候性、耐熱性、耐溶剤性に優れ、車のボディ、窓ガラスゴム部分や様々な建築部材への接着剤の残留や汚染がなく、粗面や曲面、凹凸面へよく追従密着し、皺になったり、浮き上がったり、めくれたりすることのない優れた追従性を示すなどといったバランスのよい性能を備えるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗装用養生材の概略図である。
【符号の説明】
1 マスキングテープ
2 養生シート材
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両もしくは建築の塗装用、シーリング用として好適に使用される、曲面や粗面、凹凸面への追従性が良く、耐水性に優れた、施工後剥がす際にテープ破断が少なく、かつ手切れ性が良好なマスキングテープ及びそれを使用したマスカーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、マスキングテープの基材としては、木材パルプを主体とした和紙やクレープ紙などの紙基材が知られている。これら紙基材を使用したマスキングテープは、手で容易に切断することができる、所謂手切れ性が良好であることから、作業性を重視する車両や建築物の塗装用やシーリング用として幅広く使用されている。また、紙基材は厚みや繊維組成、含浸剤、背面塗工剤等を変えてやることにより、自由にその柔軟性を設定することができることから、最近では曲面や粗面、凹凸面に追従性が良いものが多品種用意されている。
【0003】
しかしながら、このように追従性を重視した紙基材のマスキングテープは、強度が不十分となり、施工後剥がす際にテープ破断しやすいという欠点を有している。このため、含浸剤や背面処理剤等での改善も試みられているが十分ではなく、またこの他耐水性、耐溶剤性の面でも問題が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、曲面や粗面、凹凸面への追従性が良く、耐水性に優れた、施工後剥がす際にテープ破断が少なくかつ手切れ性の良好なマスキングテープ及びそれを使用したマスカーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
目的を達成するために、本発明では、マスキングテープの基材として、曲げ強度が特定の範囲にあり、その繊維組成がポリエステル繊維主体である不織布を用いることにより、曲面や粗面、凹凸面への追従性、耐水性、施工後剥がす際のテープ破断が少ない性能、手切れ性の向上を図った。
本発明は、車両もしくは建築の塗装用、シーリング用として好適に使用される、曲面や粗面、凹凸面への追従性が良く、耐水性に優れた、施工後剥がす際にテープ破断が少なくかつ手切れ性が良好なマスキングテープ及びそれを使用したマスカーを提供する。
すなわち、KES(Kawabata Evaluation System)測定による繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.03gf・cm2/cm〜0.6gf・cm2/cmであり、繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.01gf・cm2/cm〜0.4gf・/cmの範囲にあり、少なくとも2種類のポリエステル繊維を含み、2種類のうち一方が、ベース繊維であり、もう一方がバインダー繊維であることを特徴とするポリエステル不織布基材を使用したマスキングテープおよびそれを用いたマスカーとすることにより、目的を達成できる。
【0006】
ここで、本発明の基材として用いる不織布の材料としては、ポリエステル以外に、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレフイcm2ン、アクリル等の合成繊維や木材パルプ、マニラ麻等の天然パルプ繊維などが挙げられるが、ポリエステル繊維含有量が50重量%以上であることが好ましい。
使用されるポリエステル繊維の長さは5mm以上である必要があり、それより短い場合は強度が不足する。
ポリエステル繊維の太さには特に制限はなく一般的なものが使用されるが、特に直径5μm〜15μm程度のものが好ましい。
基材の厚みについても特に制限はないが、50μm〜70μm程度のものが好ましい。
ポリエステル繊維の配合比は、ベース繊維が40以下の場合強度が不足し、80を超えると追従性が不十分になる。また、バインダー繊維が60を超えると追従性が不十分になり、20以下では強度が不足する。
さらに、ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等のグリコール・ジカルボン酸重縮合系、ポリグリコール酸、ポリ乳酸等のポリラクチド類、ポリ(ε―カプロラクトン)等のポリラクトン類等が挙げられる。
本発明においては、ポリエチレンテレフタレートがより好適に用いることができる。
【0007】
本発明においては、上記のポリエステルの一部を生分解性ポリエステルに置き換えることができる。
本発明において用いる生分解性ポリエステルとしては、モンサント(株)製のバイオポール(3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸等のポリマー)等の微生物産生のポリマー、ダイセル化学工業(株)製のセルグリーン(酢酸セルロース(PCA)系)等の天然物由来のポリマー、昭和高分子(株)製のビオノーレ(ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペートなど)、ダイセル化学工業(株)製のセルグリーン(ポリカプロラクトン系)、三井化学(株)製のレイシア(ポリ乳酸系)等のような化学合成ポリマーなどがあり、特許文献としては特開平04−220478号公報、特開2001−329149号公報、特開2002−20601号公報ほかに示されている生分解性ポリエステルがあり、例えば、脂肪族ポリエステル、ポリラクトン、及びそれらのポリマーを構成するモノマー構成単位の少なくとも一種以上を有する共重合ポリエステルからなる生分解性樹脂組成物や、2−ヒドロキシ−2−アルキル酢酸単位のうち、60モル%以上が乳酸残基である脂肪族カルボン酸と脂肪族ポリオールから合成される脂肪族ポリエステル成分を含むポリマーと、必須の成分として含有することを特徴とする生分解性ポリエステル樹脂組成物などがある。
【0008】
基材である不織布は、繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.03gf・cm2/cm〜0.6gf・cm2/cm、好ましくは0.05gf・cm2/cm〜0.4gf・cm2/cm、繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.01gf・cm2/cm〜0.4gf・cm2/cm、好ましくは0.02gf・cm2/cm〜0.2gf・cm2/cmの範囲で選択される。
繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.03gf・cm2/cmに満たない場合強度が不足し、施工後剥がす際にテープ破断し易くなり、0.6gf・cm2/cmを超える場合追従性が不十分となる。
繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.01gf・cm2/cmに満たない場合強度が不足し、施工後剥がす際にテープ破断し易くなり、0.4gf・cm2/cmを超える場合追従性が不十分となる。
通常、繊維流れ方向とマスキングテープの長さ方向を一致させ、繊維流れ方向と直交する方向とマスキングテープの巾方向を一致させている。
なお、テープ基材の表裏両サイドへの曲げ硬さの測定に使用した計測機器は、
カトーテック株式会社 KES−FB2 純曲げ試験機であり、測定条件は、温度20℃、湿度65%で行った。
KES測定とは川端李雄筆、繊維機械学会(繊維工学)、vol.26、No.10、P721〜P728(1973)に記載されているように、風合い計測のために設計された布試験システムKES−FBシリーズ(Kawabata Evaluation System for fabrics)の一部で布の曲げ特性を測定するものである。この曲げ特性測定機KES−FB2(カトーテック社製)は、試料全体を一定曲率で円弧状に曲げ、その曲率を等速で変化させることができ、それに伴う微少な曲げモーメントを検出し、曲げモーメントと曲率の関係を測定することができる。なお、最大曲率はK=±2.5cm−1、クランプ間隔(試料長)=1cm、曲げ変形速度は0.5cm−1/secである。
曲げかたさは、曲率K(cm−1)の増加に対する曲げモーメントM(g・cm/cm、単位長さ当りの値)の増分でM−K曲線の傾斜を示す。かかる曲げかたさは、K=0.5と1.5の間、および、K=−0.5と−1.5の間の2ヶ所で測定し、それぞれ表曲げ(表面が外側となるような曲げ)と裏曲げ(裏面が外側となるような曲げ)の勾配の平均値とする。
【0009】
不織布の製造方法としては特に制限はないが、乾式法、湿式法、スパンボンド法などに代表されるような、主にフリースとよばれる繊維の集積層を形成する方法や、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ポイントシール法、ニードルパンチ法、水流絡合法などに代表されるような、繊維同士を結合させる方法等が用いられる。
【0010】
本発明のマスキングテープに使用される不織布の坪量は、乾燥重量で、10〜50g/m2、好ましくは20〜30g/m2である。基材の総坪量が10g/m2以下の場合、基材の強度が十分でないため、施工後剥がす際にテープ破断しやすくなる。逆に、50g/m2を超える場合、基材の強度は十分であるが、追従性、手切れ性が不十分となる。
【0011】
本発明においては通常のマスキングテープのように、基材に含浸剤を含浸させることができる。
使用される含浸剤は通常、溶剤(水を含む)に溶解、あるいは分散させて用いられるが、その使用形態に特に制限はない。また、その成分にも特に制限はなく、例えば天然ゴムの他、アクリルゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、(メタ)アクリル酸グラフト天然ゴム、(メタ)アクリル酸エステルグラフト天然ゴム、スチレングラフト天然ゴム、アクリロニトリルグラフト天然ゴム、合成イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合ゴム、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、エチレン−アクリロニトリル共重合ゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、シリコーンゴム、液状イソプレンゴム、液状ブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合ゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状オキシプロピレンゴムなどの合成ゴム(合成エラストマー)や、セラック、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの樹脂、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、N−アルキロール基やN−アルコキシアルキル基を有するモノマーよりなる群から選ばれた少なくとも2種以上の共重合樹脂などのが挙げられる。
また、含浸剤としてはこのほかにも、ハロゲン基、クロルスルホン基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を有するエラストマーも使用される。具体的には、クロロブチルゴム、ブロモブチルゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレン、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状クロロプレンゴム、液状カルボキシル化ポリイソプレンゴム、液状カルボキシル化ポリブタジエン、液状ヒドロキシル化ポリイソプレン、液状ヒドロキシル化ポリブタジエンゴム、液状アミノ化ポリブタジエンゴムなどが挙げられる。
これら含浸剤は、ランダム体、ブロック体、グラフト体あるいはそれらの変成体の何れであってもよく、1種のみ用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、分子中に水素添加可能な不飽和の二重結合を有するものについては、その水素添加物も使用可能であるとともに、硫黄を含む加硫剤、無機加硫剤、樹脂加硫剤などの種々の加硫剤の他、オキシム類,ニトロソ化合物、ポリアミン、ポリエチレンイミン、有機ペルオキシドなどの架橋剤で架橋させてもよい。また、官能基を有するものについても、該官能基と反応することができる各種架橋剤、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを併用して架橋させてもよい。架橋剤はそれぞれに応じて1種又は2種以上組み合わせて使用され、架橋を行うと主に耐溶剤性などが向上する。
含浸剤の含浸量は、通常、基材重量に対して、乾燥重量で15%〜200%、好ましくは20%〜150%とする。また、含浸剤には充填剤、顔料や紫外線吸収剤、老化防止剤を配合すると、紫外線や熱が遮断され、粘着剤層の劣化が防止されるので好ましい。
【0012】
本発明において、使用される充填剤や顔料としては特に限定されないが、例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、けい酸アルミニウム、けい酸カルシウム、珪藻土、珪石粉、タルク、シリカ、ゼオライト、アルミナホワイト、グラファイト、酸化チタン、超微粒子酸化チタン、亜鉛華、黒色酸化鉄、雲母状酸化鉄、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホワイト、カーボンブラック、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、ベンガラ、モリブデン赤、鉛丹、黄鉛、カドミウム黄、バリウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫、コバルト紫などの無機系のものや、シェラック、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニンブルー、染色レーキなどの有機系のものなどが挙げられる。なお、これら充填剤や顔料は、通常、0.01〜5μm程度の微粒子であるのが望ましい。これらは1種用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。充填剤や顔料を配合する場合、その配合量は、本発明の感圧接着剤100重量部に対して、通常0.1〜250重量部の範囲で選択される。
【0013】
本発明において、使用される紫外線防止剤としては特に限定されないが、例えばサリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系のもの、ベンゾトリアゾール系のもの、シアノアクリレート系紫外線架橋剤などが挙げられる。サリチル酸誘導体としては、例えばサリチル酸フェニル、サリチル酸−P−オクチルフェニル、サリチル酸−P−第三ブチルフェニルなどが挙げられる。ベンゾフェノン系のものとしては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン・トリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタンなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系のものとしては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−第三ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−第三ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−n−第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−第三アミルフェニル)ベンゾトリアゾ―ル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]などが挙げられる。シアノアクリレート系紫外線架橋剤としては、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。これら紫外線防止剤は1種用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。紫外線防止剤を配合する場合、その配合量は、本発明の感圧接着剤100重量部に対して、通常0.1〜5重量部の範囲で選択される。
【0014】
本発明において、使用される老化防止剤としては特に限定されないが、例えば、ナフチルアミン系のもの、P−フェニレンジアミン系のもの、アミン混合物、その他アミン系のもの、キノリン系のもの、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系のもの、ビス,トリス,ポリフェノール系のもの、チオビスフェノール系のもの、ヒンダードフェノール系のもの、亜リン酸エステル系のものなどが挙げられる。これら老化防止剤は1種用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。老化防止剤を配合する場合、その配合量は、本発明の感圧接着剤100重量部に対して、通常0.05〜5重量部の範囲で選択される。
【0015】
本発明のポリエステル系不織布に適用できる粘着剤は、従来の粘着剤すべて用いることができ、溶剤(水を含む)に溶解、あるいは分散させて用いられるが、その使用形態に制限はない。例えばゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤などがある。
本発明のポリエステル系不織布に適用できるゴム系粘着剤としては、従来から知られているゴム系粘着剤なら、どの様なものでも良く、天然ゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、メタクリル酸メチルグラフト天然ゴム、スチレングラフト天然ゴム、アクリロニトリルグラフト天然ゴム、合成イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴム、エチレン−アクリトニトリル共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、液状イソプレンゴム、液状ブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合ゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状オキシプロピレンゴムなどを挙げることが出来る。
本発明で用いるアクリル系粘着剤の例を挙げれば、(A)アルキル基の炭素数が4〜12のアクリル酸アルキルエステル及び/又はアルキル基の炭素数が4〜18のメタクリル酸アルキルエステル85〜98.9重量%、(B)アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリル1〜10重量%、(C)α,β一不飽和カルボン酸0.1〜5重量%から成るモノマー混合物か、あるいは該モノマー混合物100重量部に対し40重量部を超えない量のこれら成分と共重合可能なモノマーを配合して成るモノマー混合物を重合して得られるポリマーを用いることができる。
本発明のポリエステル系不織布に適用できるゴム系粘着剤又はアクリル系感圧接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、含浸剤に使用されるような充填剤、顔料、紫外線防止剤、老化防止剤や公知の粘着性付与樹脂、可塑剤など各種添加剤を含有させることができる。
【0016】
粘着性付与樹脂としては特に限定されないが、例えば、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール系樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、ロジン系樹脂、変性ロジン系樹脂、脂肪族合成石油系樹脂、芳香族合成石油系樹脂、脂環族合成石油系樹脂、クマロン−インデン樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びこれらの中で、水素添加可能な不飽和の二重結合を有するものは、その水素添加品などが挙げられる。これら粘着性付与樹脂は1種用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0017】
本発明のポリエステル系不織布に適用できる感圧接着剤の支持体への塗工方法としては通常用いられる方法、例えば、グラビアコータ法、ロールコータ法、リバースコータ法、ドクターブレード法、バーコータ法、コンマコータ法、ファウンテンダイコータ法、リップコータ法、ナイフコータ法などが挙げられる。これらのうち好ましいものはグラビアコータ法、コンマコータ法、リップコータ法である。塗工後は、熱風または(近)赤外線、高周波などのエネルギーにより加熱して溶媒あるいは分散媒の乾燥を行う。感圧接着剤の乾燥塗工厚さは、通常5〜250μm、好ましくは10〜100μmである。
【0018】
本発明のポリエステル系不織布の粘着テープは、周知の方法により感圧接着剤層中に気泡を含有させてもよい。気泡を含有させる方法としては特に制限はなく、公知の方法、例えばアゾ系、スルホニルヒドラジド系、ニトロソ系、無機系などの、それ自身が熱分解や化学反応を起こして気体を発生する発泡剤を含有させる方法、熱発泡性あるいは熱膨張性のマイクロカプセルを含有させる方法などの化学的方法や、乾燥の際、溶媒あるいは分散媒を急激に揮発させることにより生成する気泡をそのまま含有させる方法、塗工前に感圧接着剤配合液を急激に攪拌することにより機械的に泡を形成させる方法などの物理的方法が挙げられる。気泡を含有させることにより柔軟性が向上するとともに、表層が粗面となることから、低接着でありながら十分なタックを有する、いわゆる接着性と再剥離性のバランスのとれた粘着テープとなる。
【0019】
本発明のポリエステル系不織布の粘着テープには支持体の強度を向上させたり、支持体と感圧接着剤あるいは剥離剤との接着を十分なものにする目的の他、感圧接着剤あるいは剥離剤の必要以上の支持体への吸収を防ぐ目的で、感圧接着剤層側の支持体の片面にアンダーコート剤の層や感圧接着剤層とは反対側の支持体の背面に背面処理剤の層を設けてもよい。
【0020】
アンダーコート剤としては特に限定されないが、例えば天然ゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、メタクリル酸メチルグラフト天然ゴム、スチレングラフト天然ゴム、アクリロニトリルグラフト天然ゴム、合成イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴム、エチレン−アクリトニトリル共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、液状イソプレンゴム、液状ブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合ゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状オキシプロピレンゴムなどのエラストマーや、セラック、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの樹脂、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン、N−アルキロール基、N−アルコキシアルキル基を有する重合性単量体よりなる群から選ばれた少なくとも2種以上の共重合樹脂、官能基を有するエラストマー(クロロブチルゴム、ブロモブチルゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレン、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状クロロプレンゴム、液状カルボキシル化ポリイソプレンゴム、液状カルボキシル化ポリブタジエン、液状ヒドロキシル化ポリイソプレン、液状ヒドロキシル化ポリブタジエンゴム、液状アミノ化ポリブタジエンゴム)などが挙げられる。
これらのアンダーコート剤は1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、成分中に水素添加可能な不飽和の二重結合を有するものについては、その水素添加品も使用可能であるとともに、硫黄を含む加硫剤、無機加硫剤、樹脂加硫剤など種々の加硫剤の他、オキシム類、ニトロソ化合物、ポリアミン、ポリエチレンイミン、有機ペルオキシドなどの架橋剤を併用して架橋させてもよい。成分中に官能基を有するものについても、該官能基と反応することができる各種架橋剤、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを併用することにより架橋させてもよい。アンダーコート剤には、必要に応じて本発明の感圧接着剤に使用されるような、充填剤、顔料、老化防止剤、紫外線防止剤など、公知の各種添加剤を含有させてもよい。
アンダーコート剤の塗布量は、乾燥重量で通常0.5〜40g/m2、好ましくは2〜20g/m2の範囲で選ばれる。
【0021】
本発明のポリエステル系不織布に適用できる背面処理剤としては、例えば、ブタジエンゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴム、エチレン−アクリロニトリル共重合ゴムなどのエラストマー、セラック、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの樹脂の他、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン、N−アルキロール基、N−アルコキシアルキル基を有する重合性単量体よりなる群から選ばれた少なくとも2種以上の共重合樹脂などが挙げられる。
これらの背面処理剤は1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、成分中に水素添加可能な不飽和の二重結合を有するものについては、その水素添加品も使用可能であるとともに、硫黄を含む加硫剤、無機加硫剤、樹脂加硫剤など種々の加硫剤の他、オキシム類、ニトロソ化合物、ポリアミン、ポリエチレンイミン、有機ペルオキシドなどの架橋剤を併用して架橋させてもよい。成分中に官能基を有するものについても、該官能基と反応することができる各種架橋剤、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを併用することにより架橋させてもよい。背面処理剤には、必要に応じて本発明の感圧接着剤に使用されるような、充填剤、顔料、老化防止剤、紫外線防止剤など、公知の各種添加剤を含有させてもよい。
背面処理剤の塗布量は、乾燥重量で通常0.5〜40g/m2、好ましくは2〜20g/m2の範囲で選ばれる。
【0022】
本発明のポリエステル系不織布による粘着テープにはロール状に巻回した粘着テープの剥離あるいは展開をスムーズにする為に、支持体背面に直接、または背面処理剤の層を介して、剥離剤層を設けてもよい。剥離剤としては例えば、以下に示すものが挙げられる。
1)アルキルペンダント系剥離剤
(a)ステアリルアクリレートとアクリル酸、アクリロニトリルまたは酢酸ビニルの共重合物
(b)ステアリルアクリルアミドとアクリル酸またはアクリロニトリルの共重合物
(c)ステアリルビニルエーテルとアクリル酸、無水マレイン酸またはアクリロニトリルの共重合物
(d)セルロースまたはポリビニルアルコールと塩化ステアロイルとの反応生成物
(e)ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリエステルなどの活性水素をもつ共重合体をステアリルイソシアネートなどの脂肪族イソシアネートで変性したもの
2)縮合ワックス系剥離剤
(a)ベヘニルアミノプロピルアミンまたはα−モノステアレートとジカルボン酸またはポリイソシアネート化合物との反応性成物であるポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン
(b)長鎖アルキルワーナー錯塩
(c)シェラックワックス
3)ポリエチレンイミン誘導体
(a)ポリ(N−ステアロイルエチレンイミン)
(b)ポリエチレンイミンと脂肪族イソシアネート、例えば、C18H37NCOとの反応生成物であるアルキル尿素誘導体
これらの剥離剤は1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、成分中に官能基を有するものについては、該官能基と反応することができる各種架橋剤、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを併用することにより架橋させてもよい。
剥離剤の塗布量は、通常0.01〜10g/m2、好ましくは0.1〜1g/m2の範囲で選択される。
【0023】
本発明のポリエステル系不織布による粘着テープは通常、ロール状あるいは円筒状の巻回物である支持体を巻戻しながら供給し、その片面に上記感圧接着剤を常法で塗被し、接着剤層を内側に巻き込むように適当な芯材を中にして巻回することによって得られる巻回物の形状で提供されるが、ロール状ないしシート状の剥離紙を台紙として用いることによって、例えば予め1辺を100mm〜1000mm程度の適宜長さに設定したマスキングシート、あるいは文字や図形を描くためのカッティングシートの形状で提供してもよい。
マスカーに係る塗装用養生材では、粘着テープを用いて、粘着テープの粘着面の長尺方向片側縁を養生シート材の側縁に沿って貼着して、全体をロール状に巻回したものとする。この塗装用養生材の概略を図1に示す。
通常、養生用あるいは塗装用粘着テープは、被塗装面の保護の為、紙、フィルムなどのシート状養生材を組み合わせて使用されるが、使用現場にて養生材を粘着テープで貼り付けていく方法では作業効率が悪くなる。したがって、予め粘着テープ1の粘着面の長尺片側側縁を養生シート材2の側縁に沿って貼着し、全体をロール上に巻回しておけば、被塗装養生面に沿って展開するだけで良いので、作業効率が格段に高まる。
なお、養生シート材2を折り込んでおき、ロール状に巻回した養生材の長さを短縮することにしてもよい。例えば、養生シート材2としてポリエチレンフィルムを用い、粘着テープ1と平行に前記養生シート材2を2つないし4つに折り畳んだまま全体をロール状に巻回しておけば、養生材の長さが格段に短くなり、包装・運搬などの取扱いに便利である。また、粘着テープ1を巻回した部分と養生シート材2を巻回した部分の巻径がほぼ等しくなるので、商品として取扱い性が一層向上する利点も得られる。
【0024】
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(基材の調整)
平均長さ6〜8mmの延伸したポリエチレンテレフタレート繊維40%、平均長さ6〜8mmの未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維60%を原料として抄紙し、加熱処理することにより乾燥重量が25g/m2のポリエステル不織布基材を得た。
この基材に、乾燥重量で20g/m2になるように天然ゴムラテックスを含浸処理した。
(粘着剤の調整の一例)
トルエン100gに素練りによりムーニー粘度を60に調整した天然ゴム10gを溶解した後、YSレジンPX1000(ヤスハラケミカル社製)を5g、ダイマロン(ヤスハラケミカル社製)を2g、老化防止剤サンダント2246(三新化学工業社製)を0.1g添加し、十分溶解させたものを粘着剤とした。
(基材への塗布の一例)
これを乾燥後の塗膜の厚さが30μmになるように前記のポリエステル不織布基材上に塗布し、乾燥したのち、10mm×150mmの矩形状に切断して、試験片を作製した。
【0025】
試験片を、粗面追従性、手切れ性の2項目に亘ってテストした。
(1)粗面追従性:試験片には、幅15mm、長さ100mmのものを用い、また被着体にはリシン塗装面を使用し、温度23℃、湿度65%条件下で被着体に完全に追従させるように貼り付けた時の貼り付け易さ(追従し易さ)を測定者が判断し、次の基準で判定した。
〇:良い
△:普通
×:悪い
(2)手切れ性:試験片には、幅15mm、長さ100mmのものを用い、試験片の基材流れ方向と交差する方向に手で裂いた時の裂き易さを測定者が判断し、次の基準で判定した。
〇:良い
△:普通
×:悪い
実施例1の試験片は、粗面追従性、手切れ性の2項目に亘ってテストした。
粗面追従性○、手切れ性○の結果を得た。
【0026】
[実施例2〜5]
表1に示すポリエステル不織布基材を使用した以外は実施例1と同様にして試験片を作成した。
[比較例1]
表1に示すポリエステル不織布基材を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
【表1】
延伸PET:延伸ポリエチレンテレフタレート
未延伸PET:未延伸ポリエチレンテレフタレート
生分解PE:ポリラクトン系共重合ポリエステル(平均長さ6〜8mm)
曲げかたさ:KES−FB2(カトーテック株式会社)を使用し、温度20℃、湿度60%の条件下で測定(標準測定)したもの(gf・cm2/cm)
【0027】
【発明の効果】
本発明に係る繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.03gf・cm2/cm〜0.6gf・cm2/cmであり、繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.01gf・cm2/cm〜0.4gf・cm2/cmの範囲にあり、少なくとも2種類のポリエステル繊維を含み、2種類のうち一方が、ベース繊維であり、もう一方がバインダー繊維であることを特徴とするポリエステル不織布基材のマスキングテープは、粗面や曲面、凹凸面への追従性が良く、かつ手切れ性に優れているので幅広い用途に対応しうる。
さらに、本発明のマスキングテープは、特に塗装用に適しているが、シーリングなどの分野でも十分に使用可能であり、追従性が良いばかりか、アクリル系の粘着剤を使用すれば、耐候性、耐熱性、耐溶剤性に優れ、車のボディ、窓ガラスゴム部分や様々な建築部材への接着剤の残留や汚染がなく、粗面や曲面、凹凸面へよく追従密着し、皺になったり、浮き上がったり、めくれたりすることのない優れた追従性を示すなどといったバランスのよい性能を備えるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗装用養生材の概略図である。
【符号の説明】
1 マスキングテープ
2 養生シート材
Claims (8)
- KES(Kawabata Evaluation System)測定による繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.03gf・cm2/cm〜0.6gf・cm2/cmであり、繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.01gf・cm2/cm〜0.4gf・cm2/cmの範囲にあり、少なくとも2種類のポリエステル繊維を含み、2種類のうち一方が、ベース繊維であり、もう一方がバインダー繊維であることを特徴とするポリエステル不織布基材を使用したマスキングテープ。
- ポリエステル繊維の繊維長さが5mm以上であり、ベース繊維:バインダー繊維が40〜80:60〜20(質量比)である請求項1に記載したマスキングテープ。
- ベース繊維が延伸したポリエステルであり、バインダー繊維が未延伸のポリエステルである請求項1又は請求項2に記載したマスキングテープ。
- ベース繊維及び/又はバインダー繊維が、ポリエチレンレテフタレートである請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載したマスキングテープ。
- ベース繊維及び/又はバインダー繊維の一部が生分解性ポリエステルで置き換えられた請求項1ないし請求項4のいずれかひとつに記載したマスキングテープ。
- 塗装マスキング用途に使用されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかひとつに記載したマスキングテープ
- シーリング用途に使用されることを特徴とする請求項1ないし請求項6いずれかひとつに記載したマスキングテープ
- 粘着テープの粘着面の長尺方向片側側縁を養生シート材の側縁に沿って貼着して、全体をロール状に巻回してなる、請求項1ないし請求項6のいずれかひとつに記載のマスキングテープを用いたマスカー。
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