JP2004014893A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体チップ10には、集積回路部11とその周囲に配置された複数のパッド電極12と、これらを覆うパッシベーション膜13とが形成されている。パッシベーション膜13の上には、一端が各パッド電極12と接続され且つ他端がそれぞれ外部端子14aとなる複数の配線14が設けられている。さらに、複数の配線14を含むパッシベーション膜13の上には、絶縁性樹脂材からなり、各外部端子14aを露出する複数の開口部16aを有するソルダレジスト膜16が形成されており、該ソルダレジスト膜16により、配線14及び集積回路部11が一体に封止されている。ソルダレジスト膜16は、半導体チップ10の主面の周縁部10aの上には形成されていない。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップに形成された集積回路部を保護すると共に該集積回路部と外部装置との電気的な接続をチップ状態で確保し、さらに高密度な実装を可能とする半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置は、電子機器の小型化及び高機能化に伴い、半導体チップに設けられる入出力(I/O)ピンの数が増加し、さらには半導体チップの小型化を実現するために、端子間のピッチが狭小化してきている。その結果、従来の半導体装置を代表するQFP(Quad Flat Package)型の半導体装置で用いられてきたワイヤボンディング法による半導体チップと外部接続端子であるリードとを接続する接続法に限界が出てきている。そこで、半導体装置の裏面に外部接続端子を有するBGA(Ball Grid Array)型の半導体装置や、CSP(Chip Scale Package)型の半導体装置等が開発され台頭してきている。しかしながら、これらのパッケージにおいても、半導体チップにおける端子間の狭小化には問題が生じている。そこで、半導体チップの上に端子からさらに配線を形成し、外部端子同士の間隔を広げて再配線するという技術も開発されている。この技術によりCSP型等の半導体装置の小型パッケージの開発が加速されている。
【0003】
以下、半導体チップ上に再配線された配線を有する従来のCSP型半導体装置について図面を参照しながら説明する。
【0004】
図9(a)及び図9(b)は第1の従来例に係るCSP型の半導体装置であって、図9(a)は上面のソルダレジスト膜を剥がした状態の平面構成を示し、図9(b)は図9(a)のIXb−IXb線における断面構成を示している。
【0005】
図9(a)及び図9(b)に示すように、上部及び上面に形成された集積回路(図示せず)と、該集積回路と接続された複数のパッド電極102と、集積回路を覆うパッシベーション膜103とが形成された半導体チップ101には、パッシベーション膜103上に延びると共に一端が各パッド電極102と接続され且つ他端がそれぞれランド部104aとなる複数の配線104が設けられている。
【0006】
複数の配線104を含むパッシベーション膜103の上には、絶縁性樹脂材からなり、各ランド部104aを露出する複数の開口部106aを有するソルダレジスト膜106が形成されており、このソルダレジスト膜106により、配線104及び集積回路が封止されている。
【0007】
図10は第2の従来例に係るCSP型の半導体装置の断面構成を示している。図10に示すように、第1の従来例との相違点は、配線104がパッシベーション膜103の上に形成した絶縁性樹脂材からなる絶縁膜107の上に形成されており、ソルダレジスト膜106は、配線104を含む絶縁膜107の上に形成されている点にある。さらに、ソルダレジスト膜106の開口部106aから露出する各ランド104a上には、外部電極であるボールバンプ108がそれぞれ形成されている。
【0008】
第1及び第2の従来例に係る半導体装置は、ソルダレジスト膜106が半導体チップ101の主面上の端部にまで形成されており、このため、半導体チップ101の主面はソルダレジスト膜106に完全に覆われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
CSP型の半導体装置の製造方法の一例として、特開平10−79362号公報には、図10に示すような構造をウエハ状態で形成した後に、半導体ウエハをチップ状に切断する方法が開示されている。
【0010】
しかしながら、ソルダレジスト膜106を形成した後に、例えばダイシングソー等を用いて、半導体ウエハをソルダレジスト膜106と共に切断すると、半導体ウエハとソルダレジスト膜106との引っ張り弾性率の差や、半導体ウエハのチッピングによって、ソルダレジスト膜106が半導体ウエハの切断面の近傍から剥離し易いという問題がある。その結果、半導体装置の環境信頼性試験等を行なうと、半導体ウエハにおける切断面の近傍部分からソルダレジスト膜106の剥離が伸長して配線104が破断することにより、電気的に不良を起こすおそれがある。
【0011】
本発明は、前記従来の問題を解決し、CSP型の半導体装置の素子形成面を封止する絶縁性樹脂膜の剥離に起因する不具合を防止できるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明は、CSP型の半導体装置において、集積回路部を封止する絶縁性樹脂材を半導体ウエハにおけるダイシング領域(ストリート)の上に設けない構成とする。
【0013】
具体的に、本発明に係る第1の半導体装置は、主面に形成された集積回路部、主面上に形成され且つ集積回路部と電気的に接続された電極、及び集積回路部を覆うように形成された第1の絶縁膜を有する半導体チップと、第1の絶縁膜の上に形成され、一方の端部が電極と接続され、他方の端部が外部端子となる配線と、半導体チップの上に、配線及び第1の絶縁膜を覆うと共に外部端子を露出するように形成された絶縁性樹脂材からなる第2の絶縁膜とを備え、第2の絶縁膜は半導体チップの主面の周縁部上には形成されていない。
【0014】
第1の半導体装置によると、第1の絶縁膜の上に形成した新たな配線を覆う絶縁性樹脂材からなる第2の絶縁膜(ソルダレジスト膜)は、半導体チップの主面の周縁部上には形成されていないため、半導体チップと第2の絶縁膜との接触面積が小さくなるので、半導体チップが第2の絶縁膜から受ける硬化時の収縮応力が低減する。さらに、半導体チップをウエハ状態からの切断(ダイシング)により得た場合に、第2の絶縁膜に切断用治具が触れることがないため、第2の絶縁膜が半導体チップから外力により剥離することをも防止できるので、第2の絶縁膜の温度収縮及び剥離に起因する配線不良等の不具合を防止することができるようになる。
【0015】
第1の半導体装置において、第1の絶縁膜の周縁部は、半導体チップの側端面から間隔をおいて形成され且つ第2の絶縁膜の側部から露出していることが好ましい。
【0016】
第1の半導体装置において、第2の絶縁膜はその側面上部が半導体チップの内側に傾いたテーパ形状を有していることが好ましい。
【0017】
第1の半導体装置において、第2の絶縁膜はその厚さが約3μm以上で且つ約150μm以下であることが好ましい。
【0018】
第1の半導体装置は、外部端子の上に形成され、第2の絶縁膜から突出する突起電極をさらに備えていることが好ましい。
【0019】
本発明に係る第2の半導体装置は、主面に形成された集積回路部、主面上に形成され且つ集積回路部と電気的に接続された電極、及び集積回路部を覆うように形成された第1の絶縁膜を有する半導体チップと、半導体チップの上に、電極を露出し且つ第1の絶縁膜を覆うように形成された絶縁性樹脂材からなる第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜の上に形成され、一方の端部が電極と接続され、他方の端部が外部端子となる配線と、半導体チップの上に、配線及び第2の絶縁膜を覆うと共に外部端子を露出するように形成された絶縁性樹脂材からなる第3の絶縁膜とを備え、第3の絶縁膜は半導体チップの主面の周縁部上には形成されていない。
【0020】
第2の半導体装置によると、第2の絶縁膜の上に形成した新たな配線を覆う絶縁性樹脂材からなる第3の絶縁膜(ソルダレジスト膜)は、半導体チップの主面の周縁部上には形成されていないため、半導体チップと第3の絶縁膜との接触面積が小さくなるので、半導体チップが第3の絶縁膜から受ける硬化時の収縮応力が低減する。さらに、半導体チップをウエハ状態からの切断(ダイシング)により得た場合に、第3の絶縁膜に切断用治具が触れることがないため、第3の絶縁膜が半導体チップから外力により剥離することをも防止できるので、第3の絶縁膜の温度収縮及び剥離に起因する配線不良等の不具合を防止することができるようになる。
【0021】
第2の半導体装置において、第1の絶縁膜の周縁部は、半導体チップの側端面から間隔をおいて形成され且つ第2の絶縁膜及び第3の絶縁膜の側部から露出していることが好ましい。
【0022】
第2の半導体装置において、第2の絶縁膜又は第3の絶縁膜は、それぞれの側面上部が半導体チップの内側に傾いたテーパ形状を有していることが好ましい。
【0023】
第2の半導体装置において、第3の絶縁膜は、その端部が第1の絶縁膜と接触するように形成され、該端部の厚さは約3μm以上で且つ約150μm以下であることが好ましい。
【0024】
第2の半導体装置は、外部端子の上に形成され、第3の絶縁膜から突出する突起電極をさらに備えていることが好ましい。
【0025】
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、主面に形成され、それぞれダイシング領域に囲まれた複数の集積回路部、主面上に形成され且つ複数の集積回路部と電気的に接続された複数の電極、及び複数の集積回路部を覆うように形成された第1の絶縁膜を有する半導体ウエハを用意する第1の工程と、第1の絶縁膜の上に金属膜を成膜し、成膜した金属膜に対して、一方の端部が各電極と接続され且つ他方の端部がそれぞれ外部端子となるようにパターニングすることにより、金属膜から複数の配線を形成する第2の工程と、半導体ウエハの上に、複数の配線及び第1の絶縁膜を含む全面にわたって絶縁性樹脂材からなる第2の絶縁膜を成膜し、成膜した第2の絶縁膜に対して、各外部端子を露出する複数の開口部を選択的に形成する第3の工程と、第2の絶縁膜におけるダイシング領域の上側の領域を選択的に除去することにより、半導体ウエハのダイシング領域を露出する第4の工程と、露出したダイシング領域に沿って半導体ウエハを分割することにより、半導体ウエハから複数の半導体チップを形成する第5の工程とを備えている。
【0026】
第1の半導体装置の製造方法によると、半導体ウエハの上に成膜した第2の絶縁膜(ソルダレジスト膜)におけるダイシング領域の上側の領域を選択的に除去することにより、半導体ウエハのダイシング領域を露出し、その後、露出したダイシング領域に沿って半導体ウエハを分割することにより、半導体ウエハから複数の半導体チップを形成するため、切断時に、第2の絶縁膜に対してダイシングソー等の切断用治具が触れることがないので、半導体チップから第2の絶縁膜が剥離することを防止できる。その結果、第2の絶縁膜の剥離に起因する配線不良等の不具合を防止することができる。
【0027】
第1の半導体装置の製造方法において、第3の工程と第4の工程とは一の工程であることが好ましい。
【0028】
第1の半導体装置の製造方法は、第4の工程よりも後に、各開口部に外部端子と接続される複数の突起電極を形成する工程をさらに備えていることが好ましい。
【0029】
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、主面に形成され、それぞれダイシング領域に囲まれた複数の集積回路部、主面上に形成され且つ複数の集積回路部と電気的に接続された複数の電極、及び複数の集積回路部を覆うように形成された第1の絶縁膜を有する半導体ウエハを用意する第1の工程と、半導体ウエハの上に、電極を露出し且つ第1の絶縁膜を覆うように絶縁性樹脂材からなる第2の絶縁膜を成膜する第2の工程と、第2の絶縁膜の上に金属膜を成膜し、成膜した金属膜に対して、一方の端部が各電極と接続され且つ他方の端部がそれぞれ外部端子となるようにパターニングすることにより、金属膜から複数の配線を形成する第3の工程と、半導体ウエハの上に、複数の配線及び第2の絶縁膜を含む全面にわたって絶縁性樹脂材からなる第3の絶縁膜を成膜し、成膜した第3の絶縁膜に対して、各外部端子を露出する複数の開口部を選択的に形成する第4の工程と、第3の絶縁膜におけるダイシング領域の上側の領域を選択的に除去することにより、半導体ウエハのダイシング領域を露出する第5の工程と、露出したダイシング領域に沿って半導体ウエハを分割することにより、半導体ウエハから複数の半導体チップを形成する第6の工程とを備えている。
【0030】
第2の半導体装置の製造方法によると、半導体ウエハの上に成膜した第3の絶縁膜(ソルダレジスト膜)におけるダイシング領域の上側の領域を選択的に除去することにより、半導体ウエハのダイシング領域を露出し、その後、露出したダイシング領域に沿って半導体ウエハを分割することにより、半導体ウエハから複数の半導体チップを形成するため、切断時に、第3の絶縁膜に対してダイシングソー等の切断用治具が触れることがないので、半導体チップから第3の絶縁膜が剥離することを防止できる。その結果、第3の絶縁膜の剥離に起因する配線不良等の不具合を防止することができる。
【0031】
第2の半導体装置の製造方法において、第4の工程と第5の工程とは一の工程であることが好ましい。
【0032】
第2の半導体装置の製造方法は、第5の工程よりも後に、各開口部に外部端子と接続される複数の突起電極を形成する工程をさらに備えている。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1は本発明の第1の実施形態に係るCSP型の半導体装置の断面構成を示している。
【0035】
図1に示すように、半導体チップ10には、その上部又は上面に形成された集積回路部11と、該集積回路部11と接続されると共に集積回路部11の周囲に配置された複数のパッド電極12と、集積回路部11を覆う第1の絶縁膜としての窒化シリコン(Si3N4)等からなるパッシベーション膜13とが形成されている。
【0036】
パッシベーション膜13の上には、一端が各パッド電極12と接続され且つ他端がそれぞれ外部端子14aとなる複数の配線14が選択的に設けられている。
【0037】
さらに、複数の配線を含むパッシベーション膜13の上には、絶縁性樹脂材からなり、各外部端子14aを露出する複数の開口部16aを有する第2の絶縁膜としてのソルダレジスト膜16が形成されており、該ソルダレジスト膜16により、配線14及び集積回路部11が共に封止されている。
【0038】
第1の実施形態の特徴として、ソルダレジスト膜16は、半導体チップ10の主面の周縁部10aの上には形成されていない。
【0039】
ここで、ソルダレジスト膜16は、その側面がパッド電極12を覆う範囲において、できる限り半導体チップ10の内側に位置するように形成することが好ましい。このようにすると、ソルダレジスト膜16の面積及び体積が小さくなるため、配線14が受ける、ソルダレジスト膜16を構成する絶縁性樹脂材の硬化時の収縮応力が小さくなる。その結果、ソルダレジスト膜16の剥離が生じにくくなるので、配線不良等を防止することができる。また、ソルダレジスト膜16の膜厚においても、硬化時の収縮応力を小さくすると共に、成膜及び開口部16aの形成のし易さの観点から薄くする方が好ましい。
【0040】
本発明の効果を評価する指標として、第1の実施形態に係る半導体装置を−40℃〜80℃の温度範囲環境に繰り返してさらす温度サイクル試験(環境信頼性試験)を行なった。具体的には、ソルダレジスト膜16の側部の位置を半導体チップ10の側端面から30μm程度だけ内側とし、その膜厚をそれぞれ10μm、50μm、150μm、及び200μmの4種類のサンプルを用意した。さらに比較用として、第1の従来例と同様に半導体チップ10の周縁部10aの上にソルダレジスト膜16を残した状態のそれぞれ上記4種類の膜厚を持つ4種類のサンプルを用意し、併せて8種類のサンプルを用いて温度サイクル試験を行なった。その結果、本発明の構成を持つサンプルは、温度サイクル試験を1000サイクル行なった場合でも、膜厚が150μm以下の構成ではいずれもソルダレジスト膜16に剥離や割れ等の不良が生じなかった。しかしながら、膜厚が200μmの構成を持つサンプルは400サイクルでサンプルの一部に剥離が生じた。これに対し、従来の構成を持つサンプルは、膜厚が150μm以上の構成で100サイクルでも剥離が生じた。また、膜厚が50μmの構成のサンプルも400サイクルで剥離が生じた。
【0041】
このように、第1の実施形態によると、半導体チップ10の主面に形成された集積回路部11を封止し、且つその上に外部端子14aを持つ配線(再配線)14を形成するためのソルダレジスト膜16は、半導体チップ10の主面の周縁部上には形成されない構成としているため、温度変化による熱収縮及び熱膨張による剥離が生じにくくなり、配線14のソルダレジスト膜16に対する密着信頼性が確実に向上する。
【0042】
(第1の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第1変形例について図面を参照しながら説明する。
【0043】
図2は本発明の第1の実施形態の第1変形例に係るCSP型の半導体装置の断面構成を示している。図2において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0044】
図2に示すように、各外部端子14aの上に、それぞれソルダレジスト膜16の上面から突出する突起電極としての半田材等からなる金属バンプ18を設けている。このようにすると、本発明の半導体装置を実装用基板に実装する場合に、半導体装置の外部端子14aと実装用基板との間の電気的な接続を確実に行なえるようになる。
【0045】
(第1の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第2変形例について図面を参照しながら説明する。
【0046】
図3は本発明の第1の実施形態の第2変形例に係るCSP型の半導体装置の断面構成を示している。図3において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0047】
図3に示すように、半導体チップ10の周縁部10a上において、パッシベーション膜13の周縁部を半導体チップ10の側端面から間隔をおいて形成し、且つソルダレジスト膜16の側部を、パッシベーション膜13の周縁部が露出するように形成している。このようにすると、半導体ウエハから半導体チップ10をダイシング等により分割して得る際に、半導体チップ10の切断面で発生し易いチッピング等の影響を受けにくくすることができる。
【0048】
より具体的には、パッシベーション膜13の端部は、半導体チップ10の側端面から間隔をおいて、すなわち半導体チップ10の主面の内側に形成されているため、パッシベーション膜13自体が半導体チップ10の周縁部に生じたチッピングの影響を受けにくくなる。
【0049】
さらに、パッシベーション膜13には、通常窒化シリコン等の比較的に硬い材料が用いられるため、半導体チップ10に生じたチッピングがこの比較的に硬い材料からなるパッシベーション膜13の端部で止まり易い。その上、ソルダレジスト膜16の側部は、パッシベーション膜13の周縁部が露出するように、すなわちパッシベーション膜13の内側に形成されているため、たとえパッシベーション膜13にチッピングが及んだとしても、ソルダレジスト膜16の側部はチッピングの影響を受けにくくなる。
【0050】
(第1の実施形態の第3変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第3変形例について図面を参照しながら説明する。
【0051】
図4は本発明の第1の実施形態の第3変形例に係るCSP型の半導体装置の断面構成を示している。図4において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0052】
図4に示すように、本変形例に係るソルダレジスト膜16は、その四方の各側面の上部がその下部と比べて半導体チップ10の内側に傾いたテーパ形状としている。
【0053】
一般に、ソルダレジスト膜16が、温度サイクル試験等の環境信頼性試験にさらされた場合に、半導体チップ10の熱膨張係数とソルダレジスト膜16を構成する絶縁性樹脂材の熱膨張係数との差から発生する応力により、半導体チップ10の主面から、ソルダレジスト膜16が剥離し易くなる。
【0054】
しかしながら、本変形例においては、ソルダレジスト膜16の側面の形状をその上部が半導体チップ10の内側に傾斜して、半導体チップ10の周縁部10aの上に載置する樹脂材の量を減らすことにより、該半導体チップ10とソルダレジスト膜16との熱膨張係数の差に起因する応力を緩和している。
【0055】
第3変形例においては、ソルダレジスト膜16の側面の上部が半導体チップ10の外側に傾斜した比較例と共に環境信頼性試験を行ない、第3変形例に係る半導体装置の信頼性は比較例と比べてその信頼性が約3倍も向上することを確認している。
【0056】
(第1の実施形態の製造方法)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0057】
図5(a)〜図5(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の構成を模式的に示している。
【0058】
まず、図5(a)に示すように、それぞれダイシングライン(ダイシング領域)10bに囲まれた複数の集積回路部11と、該複数の集積回路部11とそれぞれ電気的に接続された複数のパッド電極12と、複数の集積回路部11をそれぞれ覆うように形成されたパッシベーション膜13とを有する半導体ウエハ10Aを用意する。続いて、パッシベーション膜13の上に配線14を形成する。
【0059】
具体的には、ダイシングライン10aに囲まれた1つのチップ領域を拡大した断面図に示すように、例えばスパッタ法により、半導体ウエハ10Aの全面に、チタン(Ti)とタングステン(W)との合金からなる下部層を成膜し、続いて、スパッタ法により、下部層の上に銅(Cu)からなる配線本体層を成膜して、下部層及び配線本体層からなり、膜厚が約4μmの配線形成膜を形成する。ここで、配線材料は、銅、チタン及びタングステン以外にも、クロム(Cr)又はアルミニウム(Al)等を主成分とする金属材料が好ましく、さらには、他の導電性を有する金属材料であればよい。また、成膜方法はスパッタ法に限られず、めっき法又はスクリーン印刷法等を用いてもよい。続いて、配線形成膜の上にレジスト膜を塗布し、リソグラフィ法及びアルゴン(Ar)ガス等を用いたドライエッチング法により、配線形成膜に対して、一方の端部が各パッド電極12と接続され且つ他方の端部がそれぞれ外部端子14aとなるように、配線本体層及び下部層に対して順次パターニングを行なって、配線形成膜から複数の配線14を形成する。
【0060】
次に、図5(b)に示すように、半導体ウエハ10Aの上に、複数の配線14及びパッシベーション膜13を含む全面にわたって、例えば感光性を有する絶縁性樹脂材を塗布して、ソルダレジスト形成膜を成膜する。続いて、成膜したソルダレジスト形成膜に対して、リソグラフィ法により露光及び現像を行なって、配線14の外部端子14aを開口する開口部16aを形成することにより、ソルダレジスト形成膜からソルダレジスト膜16を形成する。これと同時に、ソルダレジスト形成膜におけるダイシングライン10bの上側部分をも除去する。ここでは、例えば、ソルダレジスト形成膜に対する露光量を約1000mJ/cm2とし、現像時間を約60秒としている。また、半導体チップ10のチップサイズは約10mm×10mmであり、ソルダレジスト膜16の側面がダイシング後のチップ状態の周囲から約0.1mmだけ内側に位置するようにパターニングする。続いて、パターニングしたソルダレジスト膜16に対して加熱による硬化処理(ポストキュア)を行なう。ソルダレジスト膜16の膜厚は、ポストキュア後に約20μmとなるように設定している。但し、ソルダレジスト膜16の膜厚は20μmに限られず、3μm〜150μm程度であれば良い。なぜなら、膜厚が3μmよりも小さいと、配線14等に対する被覆(カバレッジ)が不十分となり易く、また、150μmよりも大きいと、ソルダレジスト膜16がその端部から剥離し易くなるからである。続いて、ダイシングソー50により、半導体ウエハ10Aの各ダイシングライン(ダイシング領域)10bに沿って半導体ウエハ10Aを切断することにより、半導体ウエハ10Aから複数の半導体チップ10を得る。
【0061】
次に、図5(c)に示すように、ソルダレジスト膜16の各開口部16aに、外部接続端子として半田ボール等からなる金属バンプ18を形成する。なお、半田ボールの代わりに、銅ボール等を用いてもよく、さらには、メタル印刷法により半田ペースト材(クリーム半田材)を印刷し、その後リフロー処理を行なうことにより、半田材からなる突起電極を形成することもできる。
【0062】
なお、金属バンプ18は、開口部16aを有するソルダレジスト膜16を形成した後で且つ半導体ウエハ10Aをダイシングするよりも前に形成してもよい。但し、金属バンプ18は必ずしも設ける必要はない。
【0063】
なお、ソルダレジスト形成膜に開口部16aを開口するパターニングと、ソルダレジスト形成膜のダイシングライン10bの上側部分を除去するパターニングとは同一の露光工程及び同一の現像工程で行なうことが好ましいが、必ずしも同一の工程で行なう必要はない。すなわち、ダイシングライン10bの上側部分を除去する工程は、開口部16aを形成する工程よりも先に行なってもよく、また後に行なってもよい。
【0064】
また、ソルダレジスト膜16を構成する絶縁性樹脂材には、本実施形態のように、感光性を有する樹脂材を用いることが好ましく、これにより、リソグラフィ法によって微細なパターンを確実に形成することが可能となる。なお、非感光性樹脂材を用いる場合には、メタル印刷法等によりソルダレジスト膜16の形成が可能である。
【0065】
また、第3変形例のように、ソルダレジスト膜16の側面上部が内側に傾くテーパ形状を持たせるには、現像工程における現像時間を所定時間よりも短縮したり、又はポストキュア処理の加熱時間を所定時間よりも長くしたりする。このように現像時間又は加熱時間を調整することにより、ソルダレジスト膜16の各側面にテーパ形状を持たせることができる。
【0066】
以上説明したように、第1の実施形態に係る製造方法よると、半導体ウエハ10Aをダイシングする際に、ソルダレジスト膜16にダイシングソー50等の切断用治具が触れることがないため、半導体チップ10からソルダレジスト膜16が剥離することを防止できる。その結果、ソルダレジスト膜16の剥離に起因する配線不良等の不具合を防止することができる。
【0067】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0068】
図6は本発明の第2の実施形態に係るCSP型の半導体装置の断面構成を示している。図6において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
【0069】
図6に示すように、第2の実施形態に係る半導体装置は、半導体チップ10の主面に形成された集積回路部11を保護する第1の絶縁膜としてのパッシベーション膜13の上に、絶縁性樹脂材からなる第2の絶縁膜としての配線下地絶縁膜26が複数のパッド電極12を露出するように、すなわちパッド電極12の内側に形成されている。
【0070】
配線14は配線下地絶縁膜26の上に、一端が各パッド電極12と接続され且つ他端がそれぞれ外部端子14aとなるように形成されている。
【0071】
さらに、第3の絶縁膜としてのソルダレジスト膜27は、配線14及び配線下地絶縁膜26を覆うと共に、配線14の外部端子14aを露出する開口部27aを持つように形成されている。
【0072】
第2の実施形態においても、ソルダレジスト膜27は、半導体チップ10の主面の周縁部10aの上には形成されていない。
【0073】
ここで、ソルダレジスト膜27は、その側面がパッド電極12を覆う範囲において、できる限り半導体チップ10の内側に位置するように形成することが好ましい。このようにすると、ソルダレジスト膜27の面積及び体積が小さくなるため、配線14が受ける、ソルダレジスト膜27を構成する絶縁性樹脂材の硬化時の収縮応力が小さくなる。その結果、ソルダレジスト膜27の剥離が生じにくくなるので、配線不良等を防止することができる。
【0074】
なお、各外部端子14aの上に、ソルダレジスト膜27の上面から突出する突起電極としての半田材等からなる金属バンプを設けてもよい。
【0075】
(第2の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第2の実施形態の第1変形例について図面を参照しながら説明する。
【0076】
図7(a)は本発明の第2の実施形態の第1変形例に係るCSP型の半導体装置の断面構成を示している。図7(a)において、図6に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0077】
図7(a)に示すように、配線下地絶縁膜26がパッド電極12の外側にまで形成されており、この場合でも、配線下地絶縁膜26は半導体チップ10の周縁部10aを露出するように形成されている。ここで、配線下地絶縁膜26の側面は、ソルダレジスト膜27の側面の内側にあっても外側にあってもよく、さらには両方の側面が揃っていてもよい。但し、半導体チップ10の周縁部10a上及びその近傍に位置する樹脂材は、該樹脂材の硬化時の収縮応力により剥がれやすいため、樹脂材の量を減らす方が好ましい。従って、ソルダレジスト膜27の底面積が配線下地絶縁膜26の底面積よりも小さくなるように、ソルダレジスト膜27の側面を配線下地絶縁膜26の側面よりも内側に位置するように形成することが好ましい。
【0078】
なお、各外部端子14aの上に、ソルダレジスト膜27の上面から突出する突起電極としての半田材等からなる金属バンプを設けてもよい。
【0079】
第1変形例においては、ソルダレジスト膜27の端部の厚さは、配線下地絶縁膜26の厚さと合わせて3μm〜150μm程度であれば良い。なぜなら、ソルダレジスト膜27の端部の厚さが配線下地絶縁膜26と合わせて3μmよりも小さいと、配線下地絶縁膜26に十分な弾性変形量を得ることができないため、半導体装置を実装用基板に実装した後に、該半導体装置と実装用基板との熱膨張量の差を配線下地絶縁膜26が吸収することができなくなるからである。また、逆に、ソルダレジスト膜27の端部の厚さが配線下地絶縁膜26と合わせて150μmよりも大きいと、該ソルダレジスト膜27及び配線下地絶縁膜26が剥離しやすくなるからである。
【0080】
さらに、図7(b)に第2変形例に係る半導体装置を示す。
【0081】
図7(b)に示すように、パッシベーション膜13の周縁部は半導体チップ10の側端面から間隔をおいて形成されている。
【0082】
さらに、ソルダレジスト膜27の側面は配線下地絶縁膜26の側面よりも内側に位置するように形成されていると共に、ソルダレジスト膜27及び配線下地絶縁膜26の各側面は、それぞれ半導体チップ10の内側に傾いたテーパ形状に形成されている。このようにすると、半導体チップ10の周縁部10a上及びその近傍に位置する樹脂材の量が減るため、半導体チップ10と、配線下地絶縁膜26及びソルダレジスト膜27との熱膨張係数の差に起因する応力が緩和する。ここでも、第2変形例に係る半導体装置と、配線下地絶縁膜26及びソルダレジスト膜27の側面の上部が半導体チップ10の外側に傾斜した比較例と比較する環境信頼性試験を行なった結果、第2変形例に係る半導体装置は、比較例と比べてその信頼性が約3倍も向上することを確認している。
【0083】
(第2の実施形態の製造方法)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0084】
図8(a)〜図8(d)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の構成を示している。
【0085】
まず、図8(a)に示すように、それぞれダイシングライン(ダイシング領域)10bに囲まれた複数の集積回路部11と、該複数の集積回路部11とそれぞれ電気的に接続された複数のパッド電極12と、複数の集積回路部11をそれぞれ覆うように形成されたパッシベーション膜13とを有する半導体ウエハ10Aを用意する。続いて、パッシベーション膜13の上に、低弾性樹脂材からなる配線下地形成膜を塗布する。ここで、低弾性樹脂材として感光性絶縁樹脂を用いると、リソグラフィ法により、配線下地形成膜に対してパッド電極12を露出するようにパターニングして、配線下地形成膜から配線下地絶縁膜26を形成することができる。ここでは、例えば、配線下地形成膜に対する露光量を約1000mJ/cm2とし、現像時間を約60秒としている。その後、パターニングされた配線下地絶縁膜26に対してポストキュアを行なう。このポストキュア後の配線下地絶縁膜26の膜厚は約10μmであり、そのヤング率は約0.3GPa〜約7Gpaである。但し、配線下地絶縁膜26の膜厚は10μmに限られず、3μm〜100μm程度であれば良い。
【0086】
なお、配線下地絶縁膜26の側面及び上面には配線14が形成されるため、その側面上部が内側に傾いたテーパ形状とすることが好ましい。このようにすると、配線下地絶縁膜26における上側の角部で配線14が断線する等の配線不良を生じにくくなる。
【0087】
次に、図8(b)のダイシングライン10aに囲まれた1つのチップ領域を拡大した断面図に示すように、配線下地絶縁膜26の上に配線14を形成する。具体的には、例えばスパッタ法により、半導体ウエハ10Aの全面に、チタンとタングステンとの合金からなる下部層を成膜し、続いて、スパッタ法により銅からなる配線本体層を成膜して、膜厚が約4μmの配線形成膜を形成する。ここで、配線材料は、銅、チタン及びタングステン以外にも、クロム(Cr)又はアルミニウム(Al)等を主成分とする金属材料が好ましく、さらには、他の導電性を有する金属材料であればよい。また、成膜方法はスパッタ法に限られず、めっき法又はスクリーン印刷法等を用いてもよい。続いて、配線形成膜の上にレジスト膜を塗布し、リソグラフィ法及びアルゴンガス等を用いたドライエッチング法により、配線形成膜に対して、一方の端部が各パッド電極12と接続され且つ他方の端部がそれぞれ外部端子14aとなるように、配線本体層及び下部層に対して順次パターニングを行なって、配線形成膜から複数の配線14を形成する。
【0088】
次に、図8(c)に示すように、半導体ウエハ10Aの上に、複数の配線14及び配線下地絶縁膜26を含む全面にわたって、例えば感光性を有する絶縁性樹脂材を塗布して、ソルダレジスト形成膜を成膜する。続いて、成膜したソルダレジスト形成膜に対して、リソグラフィ法により露光及び現像を行なって、配線14の外部端子14aを開口する開口部27aを形成することにより、ソルダレジスト形成膜からソルダレジスト膜27を形成する。これと同時に、ソルダレジスト形成膜におけるダイシングライン10bの上側部分をも除去する。ここでは、例えば、ソルダレジスト形成膜に対する露光量を約1000mJ/cm2とし、現像時間を約60秒としている。また、半導体チップ10のチップサイズは約10mm×10mmであり、ソルダレジスト膜27の側面がダイシング後のチップ状態の周囲から約0.1mmだけ内側に位置するようにパターニングする。続いて、パターニングしたソルダレジスト膜27に対してポストキュアを行なう。ソルダレジスト膜27の膜厚は、ポストキュア後に約8μmとなるように設定している。但し、ソルダレジスト膜27の膜厚は8μmに限られず、第1の実施形態と同様の理由から3μm〜150μm程度であれば良い。続いて、ダイシングソー50により、半導体ウエハ10Aの各ダイシングライン(ダイシング領域)10bに沿って半導体ウエハ10Aを切断することにより、半導体ウエハ10Aから複数の半導体チップ10を得る。
【0089】
次に、図8(d)に示すように、ソルダレジスト膜27の各開口部27aに、外部接続端子として半田ボール等からなる金属バンプ18を形成する。なお、半田ボールの代わりに、銅ボール等を用いても良く、さらには、メタル印刷法により半田ペースト材(クリーム半田材)を印刷し、その後リフロー処理を行なうことにより、半田材からなる突起電極を形成することもできる。
【0090】
なお、金属バンプ18は、開口部27aを有するソルダレジスト膜27を形成した後で且つ半導体ウエハ10Aをダイシングするよりも前に形成しても良い。但し、金属バンプ18は必ずしも設ける必要はない。
【0091】
なお、ソルダレジスト形成膜に開口部27aを開口するパターニングと、ソルダレジスト形成膜のダイシングライン10bの上側部分を除去するパターニングとは同一の露光工程及び同一の現像工程で行なうことが好ましいが、必ずしも同一の工程で行なう必要はない。すなわち、ダイシングライン10bの上側部分を除去する工程は、開口部27aを形成する工程よりも先に行なってもよく、また後に行なってもよい。
【0092】
また、配線下地絶縁膜26及びソルダレジスト膜27を構成する絶縁性樹脂材には、本実施形態のように、感光性を有する樹脂材を用いることが好ましく、これにより、リソグラフィ法によって微細なパターンを確実に形成することが可能となる。なお、非感光性樹脂材を用いる場合には、メタル印刷法等により配線下地絶縁膜26及びソルダレジスト膜27の形成が可能である。
【0093】
また、第2の実施形態においては、配線下地絶縁膜26及びソルダレジスト膜27に同一の感光性絶縁樹脂材を用いたが、互いに異なる絶縁性樹脂材を用いてもよい。
【0094】
このように、第2の実施形態に係る製造方法よると、半導体ウエハ10Aをダイシングする際に、ソルダレジスト膜27にダイシングソー50等の切断用治具が触れることがないため、半導体チップ10からソルダレジスト膜27が剥離することを防止できる。その結果、ソルダレジスト膜27の剥離に起因する配線不良等の不具合を防止することができる。
【0095】
なお、本発明の第1及び第2の実施形態並びに各変形例に係る半導体装置は、その用途を限定されないが、特に情報通信機器又は事務用電子機器等に用いると各機器の小型が容易となる。
【0096】
【発明の効果】
本発明の半導体装置及びその製造方法によると、半導体チップの上に形成した新たな配線(再配線)を覆う絶縁性樹脂材からなる絶縁膜(ソルダレジスト膜)は、半導体チップの主面の周縁部上には形成されないため、半導体チップと絶縁膜との接触面積が小さくなる。さらに、半導体チップをウエハ状態からの切断により得た場合に、該絶縁膜に切断用治具が触れることがないため、半導体チップから絶縁膜が剥離することを防止でき、その結果、絶縁膜の温度収縮及び剥離に起因する新たな配線の配線不良等の不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す構成断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す構成断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す構成断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る半導体装置を示す構成断面図である。
【図5】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の模式的な構成図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す構成断面図である。
【図7】(a)は本発明の第2の実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す構成断面図である。
(b)は本発明の第2の実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す構成断面図である。
【図8】(a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の模式的な構成図である。
【図9】(a)及び(b)は第1の従来例に係るCSP型の半導体装置を示し、(a)はソルダレジスト膜を剥がした状態の平面図であり、(b)は(a)のIXb−IXb線における構成断面図である。
【図10】第2の従来例に係るCSP型の半導体装置を示す構成断面図である。
【符号の説明】
10 半導体チップ
10A 半導体ウエハ
10a 周縁部
10b ダイシングライン(ダイシング領域)
11 集積回路部
12 パッド電極(電極)
13 パッシベーション膜(第1の絶縁膜)
14 配線
14a 外部端子
16 ソルダレジスト膜(第2の絶縁膜)
18 金属バンプ(突起電極)
26 配線下地絶縁膜(第2の絶縁膜)
27 ソルダレジスト膜(第3の絶縁膜)
50 ダイシングソー
Claims (16)
- 主面に形成された集積回路部、前記主面上に形成され且つ前記集積回路部と電気的に接続された電極、及び前記集積回路部を覆うように形成された第1の絶縁膜を有する半導体チップと、
前記第1の絶縁膜の上に形成され、一方の端部が前記電極と接続され、他方の端部が外部端子となる配線と、
前記半導体チップの上に、前記配線及び第1の絶縁膜を覆うと共に前記外部端子を露出するように形成された絶縁性樹脂材からなる第2の絶縁膜とを備え、
前記第2の絶縁膜は、前記半導体チップの主面の周縁部上には形成されていないことを特徴とする半導体装置。 - 前記第1の絶縁膜の周縁部は、前記半導体チップの側端面から間隔をおいて形成され、且つ前記第2の絶縁膜の側部から露出していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前記第2の絶縁膜は、その側面上部が前記半導体チップの内側に傾いたテーパ形状を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
- 前記第2の絶縁膜は、その厚さが約3μm以上で且つ約150μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記外部端子の上に形成され、前記第2の絶縁膜から突出する突起電極をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
- 主面に形成された集積回路部、前記主面上に形成され且つ前記集積回路部と電気的に接続された電極、及び前記集積回路部を覆うように形成された第1の絶縁膜を有する半導体チップと、
前記半導体チップの上に、前記電極を露出し且つ前記第1の絶縁膜を覆うように形成された絶縁性樹脂材からなる第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜の上に形成され、一方の端部が前記電極と接続され、他方の端部が外部端子となる配線と、
前記半導体チップの上に、前記配線及び第2の絶縁膜を覆うと共に前記外部端子を露出するように形成された絶縁性樹脂材からなる第3の絶縁膜とを備え、
前記第3の絶縁膜は、前記半導体チップの主面の周縁部上には形成されていないことを特徴とする半導体装置。 - 前記第1の絶縁膜の周縁部は、前記半導体チップの側端面から間隔をおいて形成され、且つ前記第2の絶縁膜及び第3の絶縁膜の側部から露出していることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
- 前記第2の絶縁膜又は前記第3の絶縁膜は、それぞれの側面上部が前記半導体チップの内側に傾いたテーパ形状を有していることを特徴とする請求項6又は7に記載の半導体装置。
- 前記第3の絶縁膜は、その端部が前記第1の絶縁膜と接触するように形成され、前記端部の厚さは約3μm以上で且つ約150μm以下であることを特徴とする請求項6〜8のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記外部端子の上に形成され、前記第3の絶縁膜から突出する突起電極をさらに備えている請求項6〜9のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
- 主面に形成され、それぞれダイシング領域に囲まれた複数の集積回路部、前記主面上に形成され且つ前記複数の集積回路部と電気的に接続された複数の電極、及び前記複数の集積回路部を覆うように形成された第1の絶縁膜を有する半導体ウエハを用意する第1の工程と、
前記第1の絶縁膜の上に金属膜を成膜し、成膜した金属膜に対して、一方の端部が前記各電極と接続され且つ他方の端部がそれぞれ外部端子となるようにパターニングすることにより、前記金属膜から複数の配線を形成する第2の工程と、
前記半導体ウエハの上に、前記複数の配線及び第1の絶縁膜を含む全面にわたって絶縁性樹脂材からなる第2の絶縁膜を成膜し、成膜した第2の絶縁膜に対して、前記各外部端子を露出する複数の開口部を選択的に形成する第3の工程と、
前記第2の絶縁膜における前記ダイシング領域の上側の領域を選択的に除去することにより、前記半導体ウエハのダイシング領域を露出する第4の工程と、
露出したダイシング領域に沿って前記半導体ウエハを分割することにより、前記半導体ウエハから複数の半導体チップを形成する第5の工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第3の工程と前記第4の工程とは一の工程であることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第4の工程よりも後に、
前記各開口部に前記外部端子と接続される複数の突起電極を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項11又は12に記載の半導体装置の製造方法。 - 主面に形成され、それぞれダイシング領域に囲まれた複数の集積回路部、前記主面上に形成され且つ前記複数の集積回路部と電気的に接続された複数の電極、及び前記複数の集積回路部を覆うように形成された第1の絶縁膜を有する半導体ウエハを用意する第1の工程と、
前記半導体ウエハの上に、前記電極を露出し且つ前記第1の絶縁膜を覆うように絶縁性樹脂材からなる第2の絶縁膜を成膜する第2の工程と、
前記第2の絶縁膜の上に金属膜を成膜し、成膜した金属膜に対して、一方の端部が前記各電極と接続され且つ他方の端部がそれぞれ外部端子となるようにパターニングすることにより、前記金属膜から複数の配線を形成する第3の工程と、
前記半導体ウエハの上に、前記複数の配線及び第2の絶縁膜を含む全面にわたって絶縁性樹脂材からなる第3の絶縁膜を成膜し、成膜した第3の絶縁膜に対して、前記各外部端子を露出する複数の開口部を選択的に形成する第4の工程と、
前記第3の絶縁膜における前記ダイシング領域の上側の領域を選択的に除去することにより、前記半導体ウエハのダイシング領域を露出する第5の工程と、
露出したダイシング領域に沿って前記半導体ウエハを分割することにより、前記半導体ウエハから複数の半導体チップを形成する第6の工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第4の工程と前記第5の工程とは一の工程であることを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第5の工程よりも後に、
前記各開口部に前記外部端子と接続される複数の突起電極を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項14又は15に記載の半導体装置の製造方法。
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