JP2004013192A - 電子機器の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
ラックマウントしたコンピュータその他の電子機器を個別に直接、又は、部分冷却することで、的確に電子機器の温度を下げること。
【解決手段】
冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能としたことを特徴とする電子機器の冷却装置であり、ラックに積み上げられた電子機器を冷却するのに外部に別途冷却装置を設ける必要がなくなり、また、電子機器の間近で冷却できるため、冷却効率は非常に良いものとなる。
【選択図】 図1
ラックマウントしたコンピュータその他の電子機器を個別に直接、又は、部分冷却することで、的確に電子機器の温度を下げること。
【解決手段】
冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能としたことを特徴とする電子機器の冷却装置であり、ラックに積み上げられた電子機器を冷却するのに外部に別途冷却装置を設ける必要がなくなり、また、電子機器の間近で冷却できるため、冷却効率は非常に良いものとなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラックにマウントした複数台の電子機器間に一体にラックマウントして電子機器を個別に直接または部分冷却するための冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からコンピュータ、ネットワーク機器、サーバー装置などの電子機器を効率的に収納するために情報ラックと呼ばれる収納装置が用いられている。例えばEIA規格(米国)では、「19インチラック規格」と呼ばれるケース幅が19インチ(482.6mm)のラックの使用が増えている。この19インチ規格のラックは、幅は19インチで固定されているが、高さ方向は、1U(44.45mm)を単位として、1U、2U、3U、・・・というように自由に区切って使用できるものである。同様に、1単位が50mmのJIS規格もある。これらの規格のラックにはコンパクトに電子機器を収納できるため、コンピュータ、ネットワーク機器、サーバー装置を一箇所で管理するのに非常に便利であるというメリットがある。反面、各装置を縦に積み上げて収納するため、それぞれの電子機器から発生する熱がラック内にこもり易いというデメリットがある。この電子機器が発生する熱は、電子機器自体に、特にコンピュータのCPU(中央演算処理装置)やハードディスクに悪影響を及ぼすため、冷却処理を行う必要がある。
【0003】
近年、ラックにマウントしたコンピュータや電子機器は、年々動作速度が高速化してその消費電力が大きくなり、ラック内の発熱量もそれに連れて上昇し、コンピュータや電子機器の動作保証周囲温度を超えてしまう現象が生じている。その事によってCPUが誤動作したり、ハードディスクのデータが失われたりして大きな被害が発生しているため、冷却を必要とする電子機器を的確に冷却できる方法が必要とされている。
【0004】
従来技術によるラック内の冷却方法を図6に基づいて説明する。
図6(a)は、ラック10に、上からルーター14、サーバーコンピュータ15、ルーター14、ハードディスク16、スイッチングハブ17、スイッチングハブ17の順で電子機器を積んだ様子を示した図であり、これらの電子機器間の数箇所に高さ1Uの通気用パネル12を設けるとともに、ラック10上部には排気用ファン11が設けてあり、この通気用パネル12によってラック10の外部から空気を取り入れる構造をとっている。これによって、通気用パネル12から入った空気がラック10内を循環して熱を吸収した後、排気用ファン11から外部に排気されるため、内部の温度は下がる。
【0005】
図6(b)に示すのは、ラック10の壁面に、壁面取り付け用冷却装置13を付けることによって、ラック10の内部温度を下げる方法である。この壁面取り付け用冷却装置13は、ペルチェ素子を用いたものが多く、取り付けたときの壁面の内側に嵌め込まれる方にペルチェ素子の冷却側を設け、このペルチェ素子でラック内部の空気を冷却しつつファンを用いて再び内部に放出して循環させることにより、内部温度を下げる構造である。このとき発熱側は、ラック外部の空気を吸引して熱交換を行った後、排気用ファンによって熱を外部に放出する構造となっている。このような構造により、ラック内部のみを冷却することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図6(a)の方法は、ラック10を置いた室内の空気をラック10に取り込んで循環させることで内部の温度を下げるものであるため、室温が高い場合には効果が期待できず、別途室内の冷却を行う必要がある。
図6(b)の方法では、壁面取り付け用冷却装置13を用いることで、ラック10の内部の温度を下げることが可能になったが、冷気は下方に、熱は上方にたまり易い性質があるため、冷却したい電子機器がラックの上部に設置してある場合には、必ずしも的確に冷却されるとは限らなかった。
また、この壁面取り付け用冷却装置13は、奥行が薄くても約140mm程度あり、排気するための空間も考えると、ラック10を複数並べて設置したい場合には近接して配置することが出来ず、設置箇所のスペースを大きく必要とするという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、ラックマウントしたコンピュータその他の電子機器を個別に直接または部分冷却することで、的確に電子機器の温度を下げることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能としたことを特徴とする電子機器の冷却装置である。
【0009】
このような構成とすることで、ラックに積み上げられた電子機器を冷却するのに外部に別途冷却装置を設ける必要がなくなり、また、電子機器の間近で冷却できるため、冷却効率は非常に良いものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明は、図6(a)におけるラックマウントした複数台の電子機器の高さが1Uの隙間を利用して、この高さ1Uのスペースに冷却装置を設置してコンピュータ、ネットワーク機器、サーバー装置などの電子機器を直接的に冷却するための装置であり、ペルチェ素子を用いて冷却を行い、ペルチェ素子の発熱面と冷却面とで空気及び熱の移動が起こらないようにそれぞれの吸気口を別々に設けて、熱を吸収した空気は外部に排気し、冷却された空気のみを目的の電子機器に対して用いて冷却を行っている。
【0011】
図1(a)(b)において、19は、本発明のラックマウント冷却装置であり、電子機器間に設けた1Uの隙間に挿入され、冷却したい電子機器を直接冷却する。例えば、上側のルーター14とサーバーコンピュータ15との間に挿入された19aは、上部冷却用ラックマウント冷却装置であり、これは上側のルーター14を冷却するために挿入されている。下側のルーター14とハードディスク16との間に挿入された19bは、下部冷却用ラックマウント冷却装置であり、これは下側のハードディスク16を冷却するために挿入されている。ハードディスク16とスイッチングハブ17との間に挿入された19cは、部分冷却用ラックマウント冷却装置であり、これは部分冷却ダクト34を用いて離れているサーバーコンピュータ15に直接接続され、内部のCPUを冷却するためのものである。これらのラックマウント冷却装置19a、19b、19cを適宜組合わせて使用することで、冷却したい電子機器を的確に冷却出来るようにしたことが、本発明の大きな特徴である。
【0012】
次に、本発明であるラックマウント冷却装置19の具体的構成について、図2〜図5を用いて説明する。
図2の(a)(b)は、それぞれラックマウント冷却装置19の正面図と上面図である。図2(a)において、正面パネル43は、幅が19インチで、高さがラックの単位高さである1Uとなっており、この正面パネル43の両端にはそれぞれ、取手44と、ラックに取り付けるためのラック取り付け孔45が設けてある。正面パネル43の大きさより内側部分に破線で示してあるのは、冷却装置本体46であり、この冷却装置本体46は、正面パネル43の高さよりやや低くすることによりラックマウントした上下の電子機器との間に隙間18が生じるように設けて構成してある。さらに、図2の(a)(b)において、20、21、22はそれぞれ正面パネル43に設けられた、冷却用外気吸気口、放熱用外気吸気口、放熱用排気口である。23はペルチェ素子であり、24、25はそれぞれ、放熱用ファン、冷却用ファンである。冷却用外気吸気口20から入った空気は、ペルチェ素子23の冷却側を通過して冷却用ファン25によって冷気出力口42から出力され、ラック10内部の電子機器を冷却するのに用いられる。これに対して、放熱用外気吸気口21から入った空気は、ペルチェ素子23の発熱側を通過して放熱用ファン24によって放熱用排気口22からラック10外部に排気され、ペルチェ素子23から発せられた熱がラック10内部にこもるのを防いでいる。また、正面パネル43には、温度調節パネル26が設けられ、冷却装置本体46には、電源27、通信用端子36、温度調節器41が設けられ、これらによってペルチェ素子23の動作を制御している。ペルチェ素子23の制御方法の詳細については、図4に基づき後述する。
【0013】
ペルチェ素子23を用いて冷却と放熱を行う方法は、図3(a)に示すように、ペルチェ素子23の発熱面28に発熱側放熱器30を設け、冷却面29に冷却側放熱器31を設けて、それぞれ空気との熱交換がし易いように表面積の広い構造で、熱伝導率の良い金属で形成されている。放熱用外気吸気口21から入った空気は、発熱側放熱器30を通過することにより熱を吸収して、放熱用ファン24によって放熱用排気口22からラック10外部に排気されるため、ラック10の内部の温度を上げることはない。これに対して、冷却用外気吸気口20から入った空気は、冷却側放熱器31を通過することにより冷却されて、冷却用ファン25によってラック10内部の電子機器を冷却するのに使用される。
図3(a)において、32は、冷やされた空気を上向きに出力するための上部冷却出力であり、図1におけるラックマウント冷却装置19aは、この上部冷却出力32を冷気出力口42から放射している。図3(b)において、33は、冷やされた空気を下向きに出力するための下部冷却出力であり、図1におけるラックマウント冷却装置19bは、この下部冷却出力33を冷気出力口42から放射している。図3(c)において、34は、冷やされた空気をダクトによって任意の場所に送風するための部分冷却ダクトであり、図1におけるラックマウント冷却装置19cは、この部分冷却ダクト34を設けている。これらの出力の違いは、ラックマウント冷却装置19をラック10のどこに挿入してどこを冷やすかによって、適宜選択されるものである。
【0014】
図4は、ペルチェ素子23の温度制御の方法を示した図である。ペルチェ素子23は温度調節器41に接続され、この温度調節器41は、冷却用ファン25の前段又は後段に設けた温度センサ35の温度を計測して、設定温度との差を計算することで、ペルチェ素子23に流れる電流量を調節して、ペルチェ素子23の冷却能力を制御して温度調節を行っている。温度調節器41の温度設定は、ラックマウント冷却装置19の正面側にある温度調節パネル26によって指示をして調節する。また、図2及び図4に示した36は通信用端子であり、この通信用端子36によってラックマウントされた電子機器の被冷却部との通信を行って温度調節するようにしてもよい。これによって、被冷却部側で温度を計測して、その結果を温度調節器41に反映させることが出来るので、より適切な温度調節が行える。
【0015】
図5は、より薄形化したラックマウント冷却装置19の内部におけるペルチェ素子23と2つの放熱器の具体的な配置について説明した図である。上述した通り本発明のラックマウント冷却装置19は、高さ1U(例えば、EIA規格では44.45mm)のスペースを用いてラック10に積まれた電子機器を冷却することが特徴であり、冷却装置本体46は上下に隙間18を設けるため、高さは1Uよりも低いスペースしか確保できず、図3及び図4で示したペルチェ素子23と2つの放熱器の構成を配置しようとすると、高さ方向でスペースを確保できないおそれがある。そこで実際の配置の仕方として、図5に示すように、2つの放熱器をそれぞれ左右にずらして、図3で上下逆向きであった放熱器の一方を上向きに設置することで、高さ方向のスペースを確保している。この結果、前記実施例に比較してより薄形化を可能にしている。
【0016】
図5について詳しく説明する。
この図5において、冷却用外気吸気口20はケースの右側に、放熱用外気吸気口21及び放熱用排気口22はケースの左側に配置した図になっているが、実際はケース正面に全て配置するものであり、ペルチェ素子23と2つの放熱器30、31の配置と機能を分かりやすくするために、左右に分けて記載したものである。
ケースの略中心に配置されたペルチェ素子23の上下に、熱伝導性の良い金属などで形成された熱伝導板37、38をそれぞれ逆方向に延長して配置する。ペルチェ素子23の発熱面28側に設けた熱伝導板37は、図において左方向に延長していて、この延長した部分に発熱側放熱器30を設ける。ペルチェ素子23の冷却面29側に設けた熱伝導板38は、図において熱伝導板37とは逆方向である右方向に延長していて、この延長した部分に冷却側放熱器31を設ける。これら2つの放熱器30、31は、それぞれ断熱壁39、40によってお互いの熱の移動が起こらないようにスペースを隔離されている。このような構成において、放熱ファン24によって熱せられた空気は放熱用排気口22からラック10の外部に排気され、冷却ファン25によって冷やされた空気はケースに設けた冷気出力口42から出力されて、被冷却装置を冷却する。
【0017】
この図5は、上部冷却出力32の例を示しているが、他の下部冷却出力33、部分冷却ダクト34の場合であってもスペースを確保することが可能である。下部冷却出力33の場合には、図5において熱伝導板38よりも上側に設けてある冷却用放熱器31を下側に配置した方が、下方に冷気を出力しやすいため、ペルチェ素子23等を配置した高さを全体的に若干高くして冷却用放熱器31を下側に配置することで、下部冷却出力33に容易に設計変更できる。部分冷却ダクト34を用いる場合には、冷気の出口をケースの後方に設けることで容易に設計変更できる。
この図5においては、ペルチェ素子23の発熱面28を下側に冷却面29を上側にして構成し、これは図3及び図4に示した例とは逆の配置であるが、この点はどちらでもよく、上部冷却出力32、下部冷却出力33、部分冷却ダクト34のそれぞれで、最も配置し易い構成をとるものとする。
【0018】
前記実施例では、ペルチェ素子23の冷却面29によって一度空気を冷却して、この空気を上部冷却出力32、下部冷却出力33又は部分冷却ダクト34を用いて電子機器を冷却した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、ペルチェ素子23の冷却面29の冷却側放熱器31からの冷やされた空気によって熱伝導性の良い金属又はセラミックを冷却し、この金属又はセラミックをケース外まで延長させて被冷却装置のケースに接触させることで、直接電子機器のケースを冷却するようにしても良い。また、ペルチェ素子23の冷却面29と電子機器のケースとの間を直接熱伝導性の良い金属又はセラミックによって接続し、空気を介することなく冷却するようにしてもよい。
【0019】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能としたので、ラックに積み上げられた電子機器を冷却するのに外部に別途冷却装置を設ける必要がなくなり、また、電子機器の間近で上部又は下部に向かって送風によって冷却できるため、冷却効率は非常に良いものとなる。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能とし、前記冷却装置本体の冷却用外気吸気口、放熱用外気吸気口及び放熱用排気口をラック外の外気面に向けて設け、前記放熱用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の発熱面によって熱せられた後ファンを用いて前記放熱用排気口から排気され、前記冷却用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の冷却面によって冷やされて冷気出力としてラック内の前記電子機器の被冷却部に向けて直接放射するようにしたので、ラックに積み上げられた電子機器を冷却するのに外部に別途冷却装置を設ける必要がなくなる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能とし、前記冷却装置本体の冷却用外気吸気口、放熱用外気吸気口及び放熱用排気口をラック外の外気面に向けて設け、前記放熱用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の発熱面によって熱せられた後ファンを用いて前記放熱用排気口から排気され、前記冷却用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の冷却面によって冷やされて冷気出力として部分冷却用ダクトを介して前記電子機器の被冷却部まで直接導かれて放射するようにしたので、ラックに積み上げられた電子機器を冷却するのに外部に別途冷却装置を設ける必要がなくなり、また、電子機器に部分冷却用ダクトを用いて冷気を送ることにより、電子機器の内部を直接冷却できるため、冷却効率は非常に良いものとなる。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、冷却用外気吸気口と放熱用外気吸気口は同一の吸気口として兼用し、内部でペルチェ素子の発熱面と冷却面に分岐するようにしたので、冷却装置本体のスペースを有効利用できる。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能とし、前記冷却装置本体の冷却用外気吸気口、放熱用外気吸気口及び放熱用排気口をラック外の外気面に向けて設け、前記放熱用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の発熱面によって熱せられた後ファンを用いて前記放熱用排気口から排気され、前記冷却用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の冷却面によって冷やされて、この冷やされた空気を前記電子機器の被冷却部に設けられた熱伝導性の良い金属又はセラミックに向けて放射するようにしたので、ラックに積み上げられた電子機器を冷却するのに外部に別途冷却装置を設ける必要がなくなり、また、冷やされた空気を被冷却装置に直接接続された熱伝導性の良い金属又はセラミックに向けて出力するので、金属又はセラミックの接続された部分を重点的に冷却することができる。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、熱伝導性の良い金属又はセラミックは、電子機器の被冷却部とペルチェ素子の冷却面との間に接触させて設けたので、冷却効率は非常に良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の冷却装置を搭載したラックの側板を省略し、内部における冷却の様子を示した側面図であり、(b)は、(a)の斜視図である。
【図2】(a)は、本発明による冷却装置の一実施例を示す正面図で、(b)は、(b)における天板を省略した平面図である。
【図3】(a)(b)(c)は、本発明の冷却装置におけるペルチェ素子を用いたそれぞれ異なる冷却方法の説明図である。
【図4】本発明の冷却装置における温度制御の方法を示した説明図である。
【図5】本発明の冷却装置を薄形にした他の例を示した側面図である。
【図6】従来の冷却方法を示した図で、(a)は、ラック内部を空気の循環によって冷却する方法を示した側面図で、(b)は、壁面取り付け用冷却装置によって冷却する方法を示した斜視図である。
【符号の説明】
10…ラック、11…排気用ファン、12…通気用パネル、13…壁面取り付け用冷却装置、14…ルーター、15…サーバーコンピュータ、16…ハードディスク、17…スイッチングハブ、18…隙間、19a…上部冷却用ラックマウント冷却装置、19b…下部冷却用ラックマウント冷却装置、19c…部分冷却用ラックマウント冷却装置、20…冷却用外気吸気口、21…放熱用外気吸気口、22…放熱用排気口、23…ペルチェ素子、24…放熱用ファン、25…冷却用ファン、26…温度調節パネル、27…電源、28…発熱面、29…冷却面、30…発熱側放熱器、31…冷却側放熱器、32…上部冷却出力、33…下部冷却出力、34…部分冷却ダクト、35…温度センサ、36…通信用端子、37…熱伝導板、38…熱伝導板、39…断熱壁、40…断熱壁、41…温度調節器、42…冷気出力口、43…正面パネル、44…取手、45…ラック取り付け孔、46…冷却装置本体
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラックにマウントした複数台の電子機器間に一体にラックマウントして電子機器を個別に直接または部分冷却するための冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からコンピュータ、ネットワーク機器、サーバー装置などの電子機器を効率的に収納するために情報ラックと呼ばれる収納装置が用いられている。例えばEIA規格(米国)では、「19インチラック規格」と呼ばれるケース幅が19インチ(482.6mm)のラックの使用が増えている。この19インチ規格のラックは、幅は19インチで固定されているが、高さ方向は、1U(44.45mm)を単位として、1U、2U、3U、・・・というように自由に区切って使用できるものである。同様に、1単位が50mmのJIS規格もある。これらの規格のラックにはコンパクトに電子機器を収納できるため、コンピュータ、ネットワーク機器、サーバー装置を一箇所で管理するのに非常に便利であるというメリットがある。反面、各装置を縦に積み上げて収納するため、それぞれの電子機器から発生する熱がラック内にこもり易いというデメリットがある。この電子機器が発生する熱は、電子機器自体に、特にコンピュータのCPU(中央演算処理装置)やハードディスクに悪影響を及ぼすため、冷却処理を行う必要がある。
【0003】
近年、ラックにマウントしたコンピュータや電子機器は、年々動作速度が高速化してその消費電力が大きくなり、ラック内の発熱量もそれに連れて上昇し、コンピュータや電子機器の動作保証周囲温度を超えてしまう現象が生じている。その事によってCPUが誤動作したり、ハードディスクのデータが失われたりして大きな被害が発生しているため、冷却を必要とする電子機器を的確に冷却できる方法が必要とされている。
【0004】
従来技術によるラック内の冷却方法を図6に基づいて説明する。
図6(a)は、ラック10に、上からルーター14、サーバーコンピュータ15、ルーター14、ハードディスク16、スイッチングハブ17、スイッチングハブ17の順で電子機器を積んだ様子を示した図であり、これらの電子機器間の数箇所に高さ1Uの通気用パネル12を設けるとともに、ラック10上部には排気用ファン11が設けてあり、この通気用パネル12によってラック10の外部から空気を取り入れる構造をとっている。これによって、通気用パネル12から入った空気がラック10内を循環して熱を吸収した後、排気用ファン11から外部に排気されるため、内部の温度は下がる。
【0005】
図6(b)に示すのは、ラック10の壁面に、壁面取り付け用冷却装置13を付けることによって、ラック10の内部温度を下げる方法である。この壁面取り付け用冷却装置13は、ペルチェ素子を用いたものが多く、取り付けたときの壁面の内側に嵌め込まれる方にペルチェ素子の冷却側を設け、このペルチェ素子でラック内部の空気を冷却しつつファンを用いて再び内部に放出して循環させることにより、内部温度を下げる構造である。このとき発熱側は、ラック外部の空気を吸引して熱交換を行った後、排気用ファンによって熱を外部に放出する構造となっている。このような構造により、ラック内部のみを冷却することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図6(a)の方法は、ラック10を置いた室内の空気をラック10に取り込んで循環させることで内部の温度を下げるものであるため、室温が高い場合には効果が期待できず、別途室内の冷却を行う必要がある。
図6(b)の方法では、壁面取り付け用冷却装置13を用いることで、ラック10の内部の温度を下げることが可能になったが、冷気は下方に、熱は上方にたまり易い性質があるため、冷却したい電子機器がラックの上部に設置してある場合には、必ずしも的確に冷却されるとは限らなかった。
また、この壁面取り付け用冷却装置13は、奥行が薄くても約140mm程度あり、排気するための空間も考えると、ラック10を複数並べて設置したい場合には近接して配置することが出来ず、設置箇所のスペースを大きく必要とするという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、ラックマウントしたコンピュータその他の電子機器を個別に直接または部分冷却することで、的確に電子機器の温度を下げることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能としたことを特徴とする電子機器の冷却装置である。
【0009】
このような構成とすることで、ラックに積み上げられた電子機器を冷却するのに外部に別途冷却装置を設ける必要がなくなり、また、電子機器の間近で冷却できるため、冷却効率は非常に良いものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明は、図6(a)におけるラックマウントした複数台の電子機器の高さが1Uの隙間を利用して、この高さ1Uのスペースに冷却装置を設置してコンピュータ、ネットワーク機器、サーバー装置などの電子機器を直接的に冷却するための装置であり、ペルチェ素子を用いて冷却を行い、ペルチェ素子の発熱面と冷却面とで空気及び熱の移動が起こらないようにそれぞれの吸気口を別々に設けて、熱を吸収した空気は外部に排気し、冷却された空気のみを目的の電子機器に対して用いて冷却を行っている。
【0011】
図1(a)(b)において、19は、本発明のラックマウント冷却装置であり、電子機器間に設けた1Uの隙間に挿入され、冷却したい電子機器を直接冷却する。例えば、上側のルーター14とサーバーコンピュータ15との間に挿入された19aは、上部冷却用ラックマウント冷却装置であり、これは上側のルーター14を冷却するために挿入されている。下側のルーター14とハードディスク16との間に挿入された19bは、下部冷却用ラックマウント冷却装置であり、これは下側のハードディスク16を冷却するために挿入されている。ハードディスク16とスイッチングハブ17との間に挿入された19cは、部分冷却用ラックマウント冷却装置であり、これは部分冷却ダクト34を用いて離れているサーバーコンピュータ15に直接接続され、内部のCPUを冷却するためのものである。これらのラックマウント冷却装置19a、19b、19cを適宜組合わせて使用することで、冷却したい電子機器を的確に冷却出来るようにしたことが、本発明の大きな特徴である。
【0012】
次に、本発明であるラックマウント冷却装置19の具体的構成について、図2〜図5を用いて説明する。
図2の(a)(b)は、それぞれラックマウント冷却装置19の正面図と上面図である。図2(a)において、正面パネル43は、幅が19インチで、高さがラックの単位高さである1Uとなっており、この正面パネル43の両端にはそれぞれ、取手44と、ラックに取り付けるためのラック取り付け孔45が設けてある。正面パネル43の大きさより内側部分に破線で示してあるのは、冷却装置本体46であり、この冷却装置本体46は、正面パネル43の高さよりやや低くすることによりラックマウントした上下の電子機器との間に隙間18が生じるように設けて構成してある。さらに、図2の(a)(b)において、20、21、22はそれぞれ正面パネル43に設けられた、冷却用外気吸気口、放熱用外気吸気口、放熱用排気口である。23はペルチェ素子であり、24、25はそれぞれ、放熱用ファン、冷却用ファンである。冷却用外気吸気口20から入った空気は、ペルチェ素子23の冷却側を通過して冷却用ファン25によって冷気出力口42から出力され、ラック10内部の電子機器を冷却するのに用いられる。これに対して、放熱用外気吸気口21から入った空気は、ペルチェ素子23の発熱側を通過して放熱用ファン24によって放熱用排気口22からラック10外部に排気され、ペルチェ素子23から発せられた熱がラック10内部にこもるのを防いでいる。また、正面パネル43には、温度調節パネル26が設けられ、冷却装置本体46には、電源27、通信用端子36、温度調節器41が設けられ、これらによってペルチェ素子23の動作を制御している。ペルチェ素子23の制御方法の詳細については、図4に基づき後述する。
【0013】
ペルチェ素子23を用いて冷却と放熱を行う方法は、図3(a)に示すように、ペルチェ素子23の発熱面28に発熱側放熱器30を設け、冷却面29に冷却側放熱器31を設けて、それぞれ空気との熱交換がし易いように表面積の広い構造で、熱伝導率の良い金属で形成されている。放熱用外気吸気口21から入った空気は、発熱側放熱器30を通過することにより熱を吸収して、放熱用ファン24によって放熱用排気口22からラック10外部に排気されるため、ラック10の内部の温度を上げることはない。これに対して、冷却用外気吸気口20から入った空気は、冷却側放熱器31を通過することにより冷却されて、冷却用ファン25によってラック10内部の電子機器を冷却するのに使用される。
図3(a)において、32は、冷やされた空気を上向きに出力するための上部冷却出力であり、図1におけるラックマウント冷却装置19aは、この上部冷却出力32を冷気出力口42から放射している。図3(b)において、33は、冷やされた空気を下向きに出力するための下部冷却出力であり、図1におけるラックマウント冷却装置19bは、この下部冷却出力33を冷気出力口42から放射している。図3(c)において、34は、冷やされた空気をダクトによって任意の場所に送風するための部分冷却ダクトであり、図1におけるラックマウント冷却装置19cは、この部分冷却ダクト34を設けている。これらの出力の違いは、ラックマウント冷却装置19をラック10のどこに挿入してどこを冷やすかによって、適宜選択されるものである。
【0014】
図4は、ペルチェ素子23の温度制御の方法を示した図である。ペルチェ素子23は温度調節器41に接続され、この温度調節器41は、冷却用ファン25の前段又は後段に設けた温度センサ35の温度を計測して、設定温度との差を計算することで、ペルチェ素子23に流れる電流量を調節して、ペルチェ素子23の冷却能力を制御して温度調節を行っている。温度調節器41の温度設定は、ラックマウント冷却装置19の正面側にある温度調節パネル26によって指示をして調節する。また、図2及び図4に示した36は通信用端子であり、この通信用端子36によってラックマウントされた電子機器の被冷却部との通信を行って温度調節するようにしてもよい。これによって、被冷却部側で温度を計測して、その結果を温度調節器41に反映させることが出来るので、より適切な温度調節が行える。
【0015】
図5は、より薄形化したラックマウント冷却装置19の内部におけるペルチェ素子23と2つの放熱器の具体的な配置について説明した図である。上述した通り本発明のラックマウント冷却装置19は、高さ1U(例えば、EIA規格では44.45mm)のスペースを用いてラック10に積まれた電子機器を冷却することが特徴であり、冷却装置本体46は上下に隙間18を設けるため、高さは1Uよりも低いスペースしか確保できず、図3及び図4で示したペルチェ素子23と2つの放熱器の構成を配置しようとすると、高さ方向でスペースを確保できないおそれがある。そこで実際の配置の仕方として、図5に示すように、2つの放熱器をそれぞれ左右にずらして、図3で上下逆向きであった放熱器の一方を上向きに設置することで、高さ方向のスペースを確保している。この結果、前記実施例に比較してより薄形化を可能にしている。
【0016】
図5について詳しく説明する。
この図5において、冷却用外気吸気口20はケースの右側に、放熱用外気吸気口21及び放熱用排気口22はケースの左側に配置した図になっているが、実際はケース正面に全て配置するものであり、ペルチェ素子23と2つの放熱器30、31の配置と機能を分かりやすくするために、左右に分けて記載したものである。
ケースの略中心に配置されたペルチェ素子23の上下に、熱伝導性の良い金属などで形成された熱伝導板37、38をそれぞれ逆方向に延長して配置する。ペルチェ素子23の発熱面28側に設けた熱伝導板37は、図において左方向に延長していて、この延長した部分に発熱側放熱器30を設ける。ペルチェ素子23の冷却面29側に設けた熱伝導板38は、図において熱伝導板37とは逆方向である右方向に延長していて、この延長した部分に冷却側放熱器31を設ける。これら2つの放熱器30、31は、それぞれ断熱壁39、40によってお互いの熱の移動が起こらないようにスペースを隔離されている。このような構成において、放熱ファン24によって熱せられた空気は放熱用排気口22からラック10の外部に排気され、冷却ファン25によって冷やされた空気はケースに設けた冷気出力口42から出力されて、被冷却装置を冷却する。
【0017】
この図5は、上部冷却出力32の例を示しているが、他の下部冷却出力33、部分冷却ダクト34の場合であってもスペースを確保することが可能である。下部冷却出力33の場合には、図5において熱伝導板38よりも上側に設けてある冷却用放熱器31を下側に配置した方が、下方に冷気を出力しやすいため、ペルチェ素子23等を配置した高さを全体的に若干高くして冷却用放熱器31を下側に配置することで、下部冷却出力33に容易に設計変更できる。部分冷却ダクト34を用いる場合には、冷気の出口をケースの後方に設けることで容易に設計変更できる。
この図5においては、ペルチェ素子23の発熱面28を下側に冷却面29を上側にして構成し、これは図3及び図4に示した例とは逆の配置であるが、この点はどちらでもよく、上部冷却出力32、下部冷却出力33、部分冷却ダクト34のそれぞれで、最も配置し易い構成をとるものとする。
【0018】
前記実施例では、ペルチェ素子23の冷却面29によって一度空気を冷却して、この空気を上部冷却出力32、下部冷却出力33又は部分冷却ダクト34を用いて電子機器を冷却した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、ペルチェ素子23の冷却面29の冷却側放熱器31からの冷やされた空気によって熱伝導性の良い金属又はセラミックを冷却し、この金属又はセラミックをケース外まで延長させて被冷却装置のケースに接触させることで、直接電子機器のケースを冷却するようにしても良い。また、ペルチェ素子23の冷却面29と電子機器のケースとの間を直接熱伝導性の良い金属又はセラミックによって接続し、空気を介することなく冷却するようにしてもよい。
【0019】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能としたので、ラックに積み上げられた電子機器を冷却するのに外部に別途冷却装置を設ける必要がなくなり、また、電子機器の間近で上部又は下部に向かって送風によって冷却できるため、冷却効率は非常に良いものとなる。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能とし、前記冷却装置本体の冷却用外気吸気口、放熱用外気吸気口及び放熱用排気口をラック外の外気面に向けて設け、前記放熱用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の発熱面によって熱せられた後ファンを用いて前記放熱用排気口から排気され、前記冷却用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の冷却面によって冷やされて冷気出力としてラック内の前記電子機器の被冷却部に向けて直接放射するようにしたので、ラックに積み上げられた電子機器を冷却するのに外部に別途冷却装置を設ける必要がなくなる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能とし、前記冷却装置本体の冷却用外気吸気口、放熱用外気吸気口及び放熱用排気口をラック外の外気面に向けて設け、前記放熱用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の発熱面によって熱せられた後ファンを用いて前記放熱用排気口から排気され、前記冷却用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の冷却面によって冷やされて冷気出力として部分冷却用ダクトを介して前記電子機器の被冷却部まで直接導かれて放射するようにしたので、ラックに積み上げられた電子機器を冷却するのに外部に別途冷却装置を設ける必要がなくなり、また、電子機器に部分冷却用ダクトを用いて冷気を送ることにより、電子機器の内部を直接冷却できるため、冷却効率は非常に良いものとなる。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、冷却用外気吸気口と放熱用外気吸気口は同一の吸気口として兼用し、内部でペルチェ素子の発熱面と冷却面に分岐するようにしたので、冷却装置本体のスペースを有効利用できる。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能とし、前記冷却装置本体の冷却用外気吸気口、放熱用外気吸気口及び放熱用排気口をラック外の外気面に向けて設け、前記放熱用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の発熱面によって熱せられた後ファンを用いて前記放熱用排気口から排気され、前記冷却用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の冷却面によって冷やされて、この冷やされた空気を前記電子機器の被冷却部に設けられた熱伝導性の良い金属又はセラミックに向けて放射するようにしたので、ラックに積み上げられた電子機器を冷却するのに外部に別途冷却装置を設ける必要がなくなり、また、冷やされた空気を被冷却装置に直接接続された熱伝導性の良い金属又はセラミックに向けて出力するので、金属又はセラミックの接続された部分を重点的に冷却することができる。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、熱伝導性の良い金属又はセラミックは、電子機器の被冷却部とペルチェ素子の冷却面との間に接触させて設けたので、冷却効率は非常に良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の冷却装置を搭載したラックの側板を省略し、内部における冷却の様子を示した側面図であり、(b)は、(a)の斜視図である。
【図2】(a)は、本発明による冷却装置の一実施例を示す正面図で、(b)は、(b)における天板を省略した平面図である。
【図3】(a)(b)(c)は、本発明の冷却装置におけるペルチェ素子を用いたそれぞれ異なる冷却方法の説明図である。
【図4】本発明の冷却装置における温度制御の方法を示した説明図である。
【図5】本発明の冷却装置を薄形にした他の例を示した側面図である。
【図6】従来の冷却方法を示した図で、(a)は、ラック内部を空気の循環によって冷却する方法を示した側面図で、(b)は、壁面取り付け用冷却装置によって冷却する方法を示した斜視図である。
【符号の説明】
10…ラック、11…排気用ファン、12…通気用パネル、13…壁面取り付け用冷却装置、14…ルーター、15…サーバーコンピュータ、16…ハードディスク、17…スイッチングハブ、18…隙間、19a…上部冷却用ラックマウント冷却装置、19b…下部冷却用ラックマウント冷却装置、19c…部分冷却用ラックマウント冷却装置、20…冷却用外気吸気口、21…放熱用外気吸気口、22…放熱用排気口、23…ペルチェ素子、24…放熱用ファン、25…冷却用ファン、26…温度調節パネル、27…電源、28…発熱面、29…冷却面、30…発熱側放熱器、31…冷却側放熱器、32…上部冷却出力、33…下部冷却出力、34…部分冷却ダクト、35…温度センサ、36…通信用端子、37…熱伝導板、38…熱伝導板、39…断熱壁、40…断熱壁、41…温度調節器、42…冷気出力口、43…正面パネル、44…取手、45…ラック取り付け孔、46…冷却装置本体
Claims (6)
- 冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能としたことを特徴とする電子機器の冷却装置。
- 冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能とし、前記冷却装置本体の冷却用外気吸気口、放熱用外気吸気口及び放熱用排気口をラック外の外気面に向けて設け、前記放熱用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の発熱面によって熱せられた後ファンを用いて前記放熱用排気口から排気され、前記冷却用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の冷却面によって冷やされて冷気出力としてラック内の前記電子機器の被冷却部に向けて直接放射するようにしたことを特徴とする電子機器の冷却装置。
- 冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能とし、前記冷却装置本体の冷却用外気吸気口、放熱用外気吸気口及び放熱用排気口をラック外の外気面に向けて設け、前記放熱用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の発熱面によって熱せられた後ファンを用いて前記放熱用排気口から排気され、前記冷却用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の冷却面によって冷やされて冷気出力として部分冷却用ダクトを介して前記電子機器の被冷却部まで直接導かれて放射するようにしたことを特徴とする電子機器の冷却装置。
- 冷却用外気吸気口と放熱用外気吸気口は同一の吸気口として兼用し、内部でペルチェ素子の発熱面と冷却面に分岐するようにしたことを特徴とする請求項2又は3記載の電子機器の冷却装置。
- 冷却装置本体内に外気を吸引し、ペルチェ素子で冷却し、この冷気出力を電子機器を収容したラック内に放出するようにした冷却装置において、前記冷却装置本体の高さをラックの棚の単位高さに合わせた箱型とし、ラックに積まれた電子機器間に挿入可能とし、前記冷却装置本体の冷却用外気吸気口、放熱用外気吸気口及び放熱用排気口をラック外の外気面に向けて設け、前記放熱用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の発熱面によって熱せられた後ファンを用いて前記放熱用排気口から排気され、前記冷却用外気吸気口からの空気は、ペルチェ素子の冷却面によって冷やされて、この冷やされた空気を前記電子機器の被冷却部に設けられた熱伝導性の良い金属又はセラミックに向けて放射するようにしたことを特徴とする電子機器の冷却装置。
- 熱伝導性の良い金属又はセラミックは、電子機器の被冷却部とペルチェ素子の冷却面との間に接触させて設けたことを特徴とする請求項5記載の電子機器の冷却装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100934419B1 (ko) * | 2009-05-06 | 2009-12-29 | (주)중흥테크놀러지 | 서브랙용 냉각팬 유니트 |
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2002
- 2002-06-03 JP JP2002161493A patent/JP2004013192A/ja active Pending
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