JP2004013061A - 光学部品の製造方法及び貼り合わせ素子 - Google Patents

光学部品の製造方法及び貼り合わせ素子 Download PDF

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太田 達男
Hiroshi Hirayama
平山 博士
Tomohito Nakano
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Abstract

【課題】
複数の素子を貼り合わせた光学部品に対してコーティングされた膜の付着性及び強度を高く維持できるにもかかわらず、小型化を図れ、又高品質な光学部品を製造できる光学部品の製造方法、及びそれにより製造される貼り合わせ素子を提供する。
【解決手段】
少なくとも2つの部材1,2を貼り合わせ、その後、コーティング処理を行うことで光学部品を製造するので、各々の部材1’、2’に対してそれぞれコーティング処理する場合に比べると、いわゆる「つかみしろ」をそれぞれに設けることがないので、光学部品が小型化される。又、部品1,2同士を貼り合わせた後に、コーティング面に傷などが付いた場合、それを修正するために、改めて分離する必要はなく、製造時の手間が省ける。更に、光学部品の全体のコーティング処理を一度にできるため、各部品1,2に対して個々にコーティング処理を施したところ、それらを組み合わせたときに、初めてコーティングに色違いがあったことに気づくなどの問題を回避できる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、光学部品の製造方法及び貼り合わせ素子に関し、特に2つの部材を貼り合わせてなる光学部品の製造方法及びそれにより製造される貼り合わせ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばカメラや光ピックアップ装置などの光学機器において、複数の光学素子(例えばレンズ)を貼り合わせてなる貼り合わせ光学素子が用いられている。ここで、光学素子の表面には反射防止膜などの薄膜をコーティングすることで、その光学特性を向上させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、貼り合わせ光学素子においては、樹脂系の接着剤で複数の光学素子を貼り合わせることが多く、これに対して光学素子にコーティングを施す場合、従来においては真空蒸着法を用いていたため、樹脂系の接着剤からガスが放出され、真空雰囲気を損ねる恐れがあることや、樹脂系の接着剤は概ね100℃前後で溶融してしまうことから、真空蒸着で強固な膜を成膜するために高温加熱できないといったことより、貼り合わせる前の個々の光学素子に真空蒸着法によるコーティングを施し、その後でそれらを貼り合わせて、貼り合わせ光学素子を形成することが行われている。しかしながら、個々の光学素子にコーティングを施すとなると、コーティング時に各光学素子を保持する、いわゆる「つかみしろ」をそれぞれに設ける必要があり、光学素子が全体的に大型化するという問題がある。又、光学素子を貼り合わせた後に、コーティング面に傷などが付いた場合、それを修正するために、比較的高価な光学素子については、傷の付いた光学素子を分離して再度コーティングし直すため手間がかかり、一方、比較的安価な光学素子の場合、貼り合わせ光学素子を一体で廃棄処分とするため歩留まりが悪くなるといった問題がある。更に、個々の光学素子に対してコーティングを施す場合、ロット管理を厳密に行わないと、光学素子を組み合わせたときに、本来同じであるべき各光学素子のコーティングに色違いなどの特性ズレが生じる恐れがある。又、光学素子を貼り合わせることでオーバーハングしたような複雑な形状ができた場合、真空蒸着法では均一な成膜が困難と問題もある。
【0004】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の素子を貼り合わせた光学部品に対してコーティングされた膜の付着性及び強度を高く維持できるにもかかわらず、小型化を図れ、又高品質な光学部品を製造できる光学部品の製造方法、及びそれにより製造される貼り合わせ素子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の光学部品の製造方法は、少なくとも2つの部材を貼り合わせ、その後、コーティング処理を行うので、各々の部材に対してそれぞれコーティング処理する場合に比べると、いわゆる「つかみしろ」をそれぞれに設ける必要がないので、光学部品が小型化される。又、部品同士を貼り合わせた後に、コーティング面に傷などが付いた場合、それを修正するために、改めて分離する必要はなく、製造時の手間が省ける。更に、前記光学部品の全体のコーティング処理を一度にできるため、各部品に対して個々にコーティング処理を施したところ、それらを組み合わせたときに、初めてコーティングに色違いがあったことに気づくなどの問題を回避できる。
【0006】
尚、本明細書において、光学部品としては、例えばレンズ、プリズム、回折格子光学部品(回折レンズ、回折プリズム、回折板)、光学フィルター(空間ローパスフィルター、波長バンドパスフィルター、波長ローパスフィルター、波長ハイパスフィルター等々)、偏光フィルター(検光子、旋光子、偏光分離プリズム等々)、位相フィルター(位相板、ホログラム等々)が考えられるが、以上に限られることはない。
【0007】
請求項2に記載の光学部品の製造方法においては、前記コーティング処理が大気圧プラズマ法により行われると、大気圧下で且つ低温で成膜を行えるため、請求項1に記載の発明の作用効果を有効に発揮できる。
【0008】
請求項3に記載の光学部品の製造方法においては、前記大気圧プラズマ処理法は、100kHzを超えた高周波電圧で、且つ、1W/cm以上の電力を電極間に供給し、前記電極間に放電を起こす工程を有するので、前記基材の成膜面に対して、より均一且つ緻密で基材との密着性が高い膜を形成できる。
【0009】
請求項4に記載の光学部品の製造方法においては、前記高周波電圧は、連続したサイン波であると、前記基材の成膜面に対して、より均一且つ緻密な膜を形成できる。
【0010】
請求項5に記載の光学部品の製造方法は、少なくとも2つの部材を貼り合わせ、その後、前記2つの部材にまたがったコーティング処理を行うので、各々の部材に対してコーティング処理することではできないコーティングを施せる。
【0011】
請求項6に記載の光学部品の製造方法においては、前記コーティング処理が大気圧プラズマ法により行われると、大気圧下で且つ低温で成膜を行えるため、請求項1に記載の発明の作用効果を有効に発揮できる。
【0012】
請求項7に記載の光学部品の製造方法においては、前記大気圧プラズマ処理法は、100kHzを超えた高周波電圧で、且つ、1W/cm以上の電力を電極間に供給し、前記電極間に放電を起こす工程を有するので、前記基材の成膜面に対して、より均一且つ緻密で基材との密着性が高い膜を形成できる。
【0013】
請求項8に記載の光学部品の製造方法においては、前記高周波電圧は、連続したサイン波であると、前記基材の成膜面に対して、より均一且つ緻密な膜を形成できる。
【0014】
請求項9に記載の光学部品の製造方法においては、前記コーティング処理により形成されたコーティング膜の光学特性が、前記2つの部材とも同じであるか、あるいは、前記2つの部材中の一方の部材から他方の部材にわたって連続的に変化する光学特性であると、各々の部材に対してコーティング処理した場合において生じやすい、貼り合わせた部分におけるコーティング膜の光学特性のズレを抑制できる。l
【0015】
請求項10に記載の光学部品の製造方法においては、前記2つの部材の貼り合わせにより形成された接合層上に、前記コーティング処理が施されていると、各々の部材に対してコーティング処理することではできないコーティングを施せる。
【0016】
請求項11に記載の光学部品の製造方法においては、前記2つの部材のうち少なくとも一方の部材がレンズであると好ましい。
【0017】
請求項12に記載の光学部品の製造方法においては、前記2つの部材のうち少なくとも一方の部材がプリズムであると好ましい。
【0018】
請求項13に記載の光学部品の製造方法においては、前記コーティング処理により形成されたコーティング膜が反射防止機能を有すると好ましい。
【0019】
請求項14に記載の光学部品の製造方法においては、前記コーティング処理により形成されたコーティング膜がダイクロイックフィルターの機能を有すると好ましい。
【0020】
請求項15に記載の光学部品の製造方法においては、前記2つの部材のうち−方の部材が、他方の部材を支持するための支持部材であると、前記一方の部材の寸法を小さくできるので好ましい。
【0021】
請求項16に記載の光学部品の製造方法においては、前記支持部材の光線透過率が50%以下であると好ましい。
【0022】
請求項17に記載の光学部品の製造方法においては、前記支持部材が、エンジニアリングプラスチックあるいはファイバー強化エンジニアリングプラスチックの材料からなると好ましい。
【0023】
請求項18に記載の光学部品の製造方法においては、前記支持部材が金属材料からなると好ましい。
【0024】
請求項19に記載の光学部品の製造方法においては、前記2つの部材の貼り合わせにより形成された接合層が、光学機能を有すると好ましい。尚、本明細書中、光学機能とは、例えば一部もしくは全ての波長の光を透過もしくは反射する機能をいう。
【0025】
請求項20に記載の光学部品の製造方法においては、前記2つの部材のうち少なくとも一方の部材が樹脂材料からなると好ましい。
【0026】
請求項21に記載の光学部品の製造方法においては、前記樹脂材料が、アクリル系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂、PES系樹脂、TAC系樹脂、PET系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、非晶質ポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂のいずれかであると好ましい。
【0027】
請求項22に記載の貼り合わせ素子は、請求項1乃至17のいずれかに記載の光学部品の製造方法を用いて形成されると好ましい。
【0028】
請求項23に記載の貼り合わせ素子は、少なくとも一方の部材がレンズである2つの部材を貼り合わせた後に、コーティング処理が施されたことを特徴とする。本発明の作用効果は、前記部材をレンズとしたことの他、請求項1に記載の発明の作用効果と同様である。尚、本明細書中において、少なくとも2つの部材とは、3つ以上の部材を含む。
【0029】
請求項24に記載の貼り合わせ素子は、少なくとも一方の部材がプリズムである2つの部材を貼り合わせた後に、コーティング処理が施されたことを特徴とする。本発明の作用効果は、前記部材をプリズムとしたことの他、請求項1に記載の発明の作用効果と同様である。
【0030】
請求項25に記載の貼り合わせ素子は、前記コーティング処理が大気圧プラズマ法により行われると好ましい。
【0031】
請求項26に記載の貼り合わせ素子においては、前記大気圧プラズマ処理法は、100kHzを超えた高周波電圧で、且つ、1W/cm以上の電力を電極間に供給し、前記電極間に放電を起こす工程を有するので、前記基材の成膜面に対して、より均一且つ緻密で基材との密着性が高い膜を形成できる。
【0032】
請求項27に記載の貼り合わせ素子においては、前記高周波電圧は、連続したサイン波であると、前記基材の成膜面に対して、より均一且つ緻密な膜を形成できる。
【0033】
請求項28に記載の貼り合わせ素子は、少なくとも一方の部材がレンズである2つの部材を貼り合わせた後に、前記2つの部材にまたがったコーティング処理が施されたことを特徴とする。本発明の作用効果は、前記部材をレンズとしたことの他、請求項3に記載の発明の作用効果と同様である。
【0034】
請求項29に記載の貼り合わせ素子は、少なくとも一方の部材がプリズムである2つの部材を貼り合わせた後に、前記2つの部材にまたがったコーティング処理が施されたことを特徴とする。本発明の作用効果は、前記部材をプリズムとしたことの他、請求項3に記載の発明の作用効果と同様である。
【0035】
請求項30に記載の貼り合わせ素子は、前記コーティング処理が大気圧プラズマ法により行われると好ましい。
【0036】
請求項31に記載の貼り合わせ素子においては、前記大気圧プラズマ処理法は、100kHzを超えた高周波電圧で、且つ、1W/cm以上の電力を電極間に供給し、前記電極間に放電を起こす工程を有するので、前記基材の成膜面に対して、より均一且つ緻密で基材との密着性が高い膜を形成できる。
【0037】
請求項32に記載の貼り合わせ素子においては、前記高周波電圧は、連続したサイン波であると、前記基材の成膜面に対して、より均一且つ緻密な膜を形成できる。
【0038】
請求項33に記載の貼り合わせ素子は、前記コーティング処理により形成されたコーティング膜の光学特性が、前記2つの部材とも同じであるか、あるいは、前記2つの部材中の一方の部材から他方の部材にわたって連続的に変化する光学特性であると好ましい。
【0039】
請求項34に記載の貼り合わせ素子は、前記2つの部材の貼り合わせにより形成された接合層上に、前記コーティング処理が施されていると好ましい。
【0040】
請求項35に記載の貼り合わせ素子は、請求項9乃至17のいずれかに記載の光学部品の製造方法を用いて形成された請求項19乃至26のいずれかに記載の貼り合わせ素子であると好ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる光学部品の製造方法によって形成された貼り合わせ素子の一例である貼り合わせレンズの断面図である。図2は、比較例である貼り合わせレンズの断面図である。図1,2において、貼り合わせレンズにコーティングされた膜Mは、実際より厚く示されている。尚、本実施の形態では、反射防止膜のコーティング処理を行うものとするが、これに限られない。
【0042】
図2において、光学素子1’と光学素子2’とを貼り合わせて、貼り合わせレンズを形成する。かかる場合、貼り合わせ前に、光学素子1’と光学素子2’にコーティング処理を施しているものとすると、光学素子1’のみならず、光学素子2’においても、コーティング処理時に光学素子2’を固定するつかみしろ2a’が必要となる。しかるに、つかみしろ2a’は光学部品として形成された後は不要となるので、貼り合わせ後に切断削除することが行われ(図2の点線)、それ故製造工数が増大する。又、つかみしろ2a’を削除するに当たり、コーティング膜の損傷や、切断加工の影響を回避するために、貼り合わせレンズの外径dは、光学素子2’の有効径Dより大きくなってしまう。
【0043】
これに対して、本実施の形態にかかる光学部品の製造方法によれば、光学素子1と光学素子2とを貼り合わせた後、全体にコーティング処理を行うことで貼り合わせレンズを形成する。従って、コーティング処理時には、図1に示すように、光学素子1のフランジ部を治具Jで固定するだけで良く、光学素子2につかみしろを設ける必要はない。それ故、図2の比較例のように、貼り合わせ後に光学素子2に対して切断加工を施す必要がなく、製造工数の低減が図れる。又、貼り合わせレンズの有効径Dを光学素子2の外径dに一致させることができるので、図2の比較例と有効径Dを同じにする場合、図1の貼り合わせレンズよりコンパクトな外形を提供できる。
【0044】
図3は、本発明の実施の形態にかかる光学部品の製造方法によって形成された貼り合わせ素子の一例であるダイクロイックプリズムの断面図である。まず3角柱状のプリズム素子3,4,5,6を形成し、図3(a)に示すように、プリズム素子3,4の面3a、4a(赤色光反射性のコーティング膜(ダイクロイックフィルターとして機能)を成膜しておく)を貼り合わせる。その後、プリズム素子3,4の面一となっている面3b、4b(接合層ともいう)に青色光反射性のコーティング膜(ダイクロイックフィルターとして機能)を成膜する。一方、図3(b)に示すように、面5a、6a(赤色光反射性のコーティング膜(ダイクロイックフィルターとして機能)を成膜しておく)を貼り合わせたプリズム素子5,6を、プリズム素子3,4と組み合わせダイクロイックミラーが形成される(図3(c))。
【0045】
図3(c)に示すダイクロイックミラーはプロジェクター装置などに用いられるものであり、図3(c)の左方から青色光、右方から赤色光、上方から緑色光を照射されることで、これらを合成して下方に所望の色の画像光を出射するようになっている。ここで、貼り合わされる2つの部材であるプリズム素子3,4の面3b、4bは、青色光のみを反射する光学特性を有している。しかるに、貼り合わせ前に面3b,4bに個々にコーティング処理を施してしまうと、ロット間のバラツキにより、図3(a)に示すように貼り合わせたときに、面3b、4b各々のコーティング膜の光学特性にズレが生じ、画像の右半分と左半分とで色が変わってしまうという恐れがある。これに対し、本実施の形態によれば、プリズム素子3,4の面3a、4aを貼り合わせ、面一となっている面3b、4bに青色光反射性のコーティング膜を同時に成膜することで、両面3b、4bにわたって均一な特性のコーティング膜を形成できる。尚、面4a、6aには貼り合わせ前にコーティング処理を施す必要があるが、より特性ズレが敏感なコーティング膜を貼り合わせ後にコーティングすればよい。
【0046】
更に、本実施の形態によれば、面3a、4aの接合部(接合層)にもコーティング膜を形成できるため、貼り合わせ前にコーティング処理するのでは得られない連続した膜を得ることができる。尚、上述したコーティング膜は、いずれの面でも均一な光学特性を有するものであるが、グラデーションのように、一方の面から他方の面にわたって徐々に光学特性が変化するようなコーティング膜を形成しても良い。
【0047】
図4は、本発明の実施の形態にかかる光学部品の製造方法によって形成された貼り合わせ素子の一例であるレンズの断面図である。レンズ7に対して支持部材8が貼り合わされた後、全体的にコーティング処理が行われる。支持部材8は、不図示の光学機器に取り付ける際に、レンズ7を支持するものである。従って、レンズ7に、一体的にフランジ等を成形する必要はない。
【0048】
支持部材8の光線透過率は50%以下であると、不要な光を通過させることを抑制できる。支持部材8は、エンジニアリングプラスチックあるいはファイバー強化エンジニアリングプラスチックの材料、或いは金属材料からなると好ましい。
【0049】
以上述べた実施の形態にかかる光学部品の製造方法によって形成される貼り合わせ素子において、2つの部材のうち少なくとも一方の部材が樹脂材料からなると好ましい。更に、前記樹脂材料が、アクリル系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂、PES系樹脂(ポリエーテルスルフォン系樹脂;例えば住友ベークライト(株)製スミライトFS−1300)、TAC系樹脂(トリアセチルセルロース系樹脂)、PET系樹脂(ポリエチレンテレフタレート系樹脂)、ポリオレフィン系樹脂、非晶質ポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂のいずれかであると好ましい。
【0050】
このように、貼り合わせ後にコーティング処理を行うためには、大気圧下で且つ低温で処理を行える成膜処理を用いるのが好ましい。このような成膜処理としては、大気圧プラズマ法がある。以下に、大気圧プラズマ法に関して説明するが、本発明がそれに限定されることはない。
【0051】
図5は、大気圧プラズマ法を実行できるプラズマ放電処理装置の概略構成図である。図5において、金属母材20に誘電体21を被覆したスリット状の放電空間22に、図の上部から不活性ガスおよび反応性ガスの混合ガスを導入し、電源37により高周波電圧を印加することにより前記反応性ガスをプラズマ状態とし、該プラズマ状態の反応性ガスを貼り合わせ素子E上に噴射することにより、その表面上にコーティング膜を形成する。
【0052】
本発明においては、上記のプラズマ状態での処理が大気圧または大気圧近傍で行われるが、ここで大気圧近傍とは、20kPa〜110kPaの圧力を表すが、本発明に記載の効果を好ましく得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
【0053】
また、本発明の膜形成方法に係る放電用電極においては、電極の少なくとも基材と接する側のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整されることが、本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。また、JIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。
【0054】
次に、本発明の膜形成方法に係る混合ガスについて説明する。本発明の膜形成方法を実施するにあたり、使用するガスは、透光性を有する樹脂基材上に設けようとする膜の種類によって異なるが、基本的に、不活性ガスと、膜を形成するための反応性ガスとの混合ガスである。反応性ガスは、混合ガスに対し、0.01〜10体積%含有させることが好ましい。薄膜の膜厚としては、0.1nm〜1000nmの範囲の薄膜が得られる。
【0055】
上記不活性ガスは周期表の第18属元素、具体的にはヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が挙げられるが、本実施の形態に記載の効果を得るためには、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。
【0056】
反応性ガスは以下のものを用いることが可能である。膜が合金半透過ミラーの場合、Au、Ag、Cu、Pt、Ni、Pd、Se、Te、Rh、Ir、Ge、Os、Ru、Cr、W、Ir、Sn、Znを含有する有機金属化合物を用いることができる。このとき反応系は還元雰囲気で行う。また、膜が屈折率の異なる層を積層した誘電体ミラーの場合、例えば、有機フッ素化合物、珪素化合物(低屈折率層)またはチタン化合物(高屈折率層)を含有する反応性ガスを用いることにより設けることができる。
【0057】
有機フッ素化合物としては、フッ化炭素ガス、フッ化炭化水素ガス等が好ましく用いられる。フッ化炭素ガスとしては、4フッ化炭素、6フッ化炭素、具体的には、4フッ化メタン、4フッ化エチレン、6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタン等が挙げられる。また、フッ化炭化水素ガスとしては、2フッ化メタン、4フッ化エタン、4フッ化プロピレン、3フッ化プロピレン等が挙げられる。
【0058】
更に、1塩化3フッ化メタン、1塩化2フッ化メタン、2塩化4フッ化シクロブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物やアルコール、酸、ケトン等の有機化合物のフッ素置換体を用いることができるがこれらに限定されない。また、これらの化合物が分子内にエチレン性不飽和基を有していてもよく、さらに、これらの化合物は単独でも混合して用いてもよい。
【0059】
混合ガス中に上記記載の有機フッ素化合物を用いる場合、プラズマ状態での処理により基材上に均一な薄膜を形成する観点から、混合ガス中の有機フッ素化合物の含有率は、0.1〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
【0060】
また、本実施の形態に係る有機フッ素化合物が常温、常圧で気体である場合は、混合ガスの構成成分として、そのまま使用できるので最も容易に本実施の形態の方法を遂行することができる。しかし、有機フッ素化合物が常温・常圧で液体又は固体である場合には、加熱、減圧等の方法により気化して使用すればよく、また、又、適切な溶剤に溶解して用いてもよい。
【0061】
混合ガス中に上記記載のチタン化合物を用いる場合、プラズマ状態での処理により基材上に均一な層を形成する観点から、混合ガス中のチタン化合物の含有率は、0.1〜10体積%であることが好ましいが、特に好ましくは、0.1〜5体積%である。
【0062】
また、上記記載の混合ガス中に水素ガスを0.1〜10体積%含有させることにより膜の硬度を著しく向上させることができる。
【0063】
さらに、混合ガス中に酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選択される成分を0.01〜5体積%含有させることにより、反応促進され、かつ、緻密で良質な膜を形成することができる。
【0064】
上記記載の珪素化合物、チタン化合物としては、取り扱い上の観点から金属水素化合物、金属アルコキシドが好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、金属アルコキシドが好ましく用いられる。
【0065】
また、上記記載の珪素化合物、チタン化合物を放電空間である電極間に導入するには、両者は常温常圧で、気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。気体の場合は、そのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用される。珪素化合物、チタン化合物を加熱により気化して用いる場合、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシチタンなど、常温で液体で、沸点が200℃以下である金属アルコキシドが膜の形成に好適に用いられる。上記金属アルコキシドは、溶媒によって希釈して使用されても良く、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。尚、これらの希釈溶媒は、プラズマ状態での処理中において、分子状、原子状に分解される為、樹脂基材上への層の形成、層の組成などに対する影響は殆ど無視することができる。
【0066】
上記記載の珪素化合物としては、例えば、ジメチルシラン、テトラメチルシランなどの有機金属化合物、モノシラン、ジシランなどの金属水素化合物、二塩化シラン、三塩化シランなどの金属ハロゲン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどのアルコキシシラン、オルガノシランなどを用いることが好ましいがこれらに限定されない。また、これらは適宜組み合わせて用いることができる。
【0067】
混合ガス中に上記記載の珪素化合物を用いる場合、プラズマ状態での処理により基材上に均一な層を形成する観点から、混合ガス中の珪素化合物の含有率は、0.1〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
【0068】
上記記載のチタン化合物としては、テトラジメチルアミノチタンなどの有機金属化合物、モノチタン、ジチタンなどの金属水素化合物、二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタンなどの金属ハロゲン化合物、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどの金属アルコキシドなどを用いることが好ましいがこれらに限定されない。
また、上記記載のタンタル化合物としては、テトラジメチルアミノタンタルなどの有機金属化合物、モノタンタル、ジタンタルなどの金属水素化合物、二塩化タンタル、三塩化タンタル、四塩化タンタルなどの金属ハロゲン化合物、テトラエトキシタンタル、テトライソプロポキシタンタル、テトラブトキシタンタルなどの金属アルコキシドなどを用いることが好ましいがこれらに限定されない。
また、上記記載のアルミニウム化合物としては、テトラジメチルアミノアルミニウムなどの有機金属化合物、モノアルミニウム、ジアルミニウムなどの金属水素化合物、二塩化アルミニウム、三塩化アルミニウム、四塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化合物、テトラエトキシアルミニウム、テトライソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシアルミニウムなどの金属アルコキシドなどを用いることが好ましいがこれらに限定されない。
【0069】
反応性ガスに有機金属化合物を添加する場合、例えば、有機金属化合物としてLi,Be,B,Na,Mg,Al,Si,K,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Rb,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Cd,In,Ir,Sn,Sb,Cs,Ba,La,Hf,Ta,W,Tl,Pb,Bi,Ce,Pr,Nd,Pm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luから選択される金属を含むことができる。より好ましくは、これらの有機金属化合物が金属アルコキシド、アルキル化金属、金属錯体から選ばれるものが好ましい。
【0070】
本実施の形態において膜が誘電体膜である場合、屈折率が1.85〜2.60の酸化チタンを主成分とする高屈折率層および屈折率が1.30〜1.57の酸化ケイ素を主成分とする低屈折率層を樹脂基材またはガラス基材表面に連続して設けることが好ましい。また、高屈折率層においては、酸化チタンを主成分とし、屈折率が2.2以上であることが特に好ましい。
【0071】
本実施の形態において膜が誘電体膜である場合、高屈折率層及び低屈折率層の炭素含有率は、ともに0.2〜5質量%であることが下層との密着性と膜の柔軟性(クラック防止)のために好ましい。より好ましくは炭素含有率は0.3〜3質量%である。すなわち、プラズマ状態での処理によって形成された層は有機物(炭素原子)を含んでいるため、その範囲が膜に柔軟性を与えるため、膜の密着性に優れ好ましい。炭素の比率が多くなりすぎると経時で屈折率が変動しやすくなる傾向があり、好ましくない。
【0072】
レンズなどの曲面形状に対してコーティング処理を施すには、図5に示す大気圧プラズマ法が好ましいが、以下に述べる大気圧プラズマ法を用いることもできる。図6は、コーティング処理を別な大気圧プラズマ法により実行し、成膜を行うためのプラズマ処理装置30を示す斜視図である。図6において、31,32,31’,32’は、長方形で同じ大きさである平板電極であり、平板電極31と平板電極32は対向するように配置され、平板電極31’と平板電極32’も対向するように配置されている。さらに平板電極32と平板電極32’も対向するように配置されている。また、各平板電極は四隅をそろえて配置されている。平板電極31と32、平板電極31’と32’の対向する面には誘電体を被覆しており、該誘電体は、Alセラミックスを溶射後、アルコキシシランで封孔処理したものである。
【0073】
本実施の形態にかかる大気圧プラズマ処理装置30は、平板電極31,32の少なくとも一方の電極の対向する面と平板電極31’,32’のうち少なくとも一方の電極の対向する面が誘電体で被覆されていればよい。
【0074】
電極材料には、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属を用いることができる。ステンレスは加工し易く好ましく用いることができる。誘電体としては、ケイ酸塩系ガラス・ホウ酸塩系ガラス・リン酸塩系ガラス・ゲルマン酸塩系ガラス・亜テルル酸塩ガラス・アルミン酸塩ガラス・バナジン酸塩ガラス等を用いることが出来る。この中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易い。また、気密性の高い高耐熱性のセラミックスを焼結したセラミックスを用いることも好ましい。セラミックスの材質としては例えばアルミナ系、ジルコニア系、窒化珪素系、炭化珪素系のセラミックスが挙げられるが、中でもアルミナ系のセラミックスが好ましく、アルミナ系のセラミックスの中でも特にAlを用いるのが好ましい。アルミナ系のセラミックスの厚みは1mm程度が好ましく、体積固有抵抗は10Ω・cm以上が好ましい。
【0075】
セラミックスは、無機質材料で封孔処理されているのが好ましく、これにより電極の耐久性を向上させることができる。
【0076】
封孔処理はセラミックスに封孔剤である金属アルコキシドを主原料とするゾルをセラミックス上に塗布した後に、ゲル化させて硬化させることで、強固な3次元結合を形成させ均一な構造を有する金属酸化物によって、セラミックスの封孔処理をすることができる。
【0077】
また、ゾルゲル反応を促進するためにエネルギー処理を行うことが好ましい。ゾルにエネルギー処理をすることによって、金属−酸素−金属の3次元結合を促進することができる。
【0078】
エネルギー処理には、プラズマ処理や、200℃以下の加熱処理、UV処理が好ましい。
【0079】
対向する平板電極31,32間,平板電極31’,32’間、平板電極32,32’間の隙間のうち、向かい合う隙間が蓋体39,39’によって塞がれている。尚、電極間の隙間とは、対向する電極間(電極と電極の間に存在する領域)とその他の領域とで気体等の移動が可能な通路のことをいい、電極間に存在する領域は含まないこととする。隙間を塞ぐとは、該通路を塞いで電極間とその他の領域とで気体等が移動できないようにすることをいう。平板電極31,32,31’,32’は長方形平板電極であるので、対向する平板電極31,32間,平板電極31’,32’間、平板電極32,32’間それぞれは四方に隙間を有することになる。
【0080】
33,33’は電極31,32間、電極31’,32’間に不活性ガスを導入するための不活性ガス導入口であり、電極31,32間、電極31,32間の隙間のうち、蓋体39,39’で塞がれていない、向かい合う隙間の一方の隙間を、不活性ガス導入口33,33’として用いている。不活性ガス導入口33と不活性ガス導入口33’は同じ方向の隙間を用いている。
【0081】
図6の大気圧プラズマ処理装置30においては、不活性ガス導入口33,33’は、電極31,32間、電極31’,32’間の隙間の一部をそのまま不活性ガス導入口33,33’として用いているが、該隙間にさらに部材を設けることで、不活性ガス導入口33,33’を平板電極31,32間、平板電極31’,32’間に不活性ガスを効率よくかつ容易に導入することができる形状にするのが好ましい。
【0082】
34,34’は、電極31,32間、電極31’,32’間で発生した励起不活性ガスを電極31,32間、電極31’,32’間の外に放出するための励起不活性ガス放出口であり、電極31,32間、電極31’,32’間の隙間のうち、不活性ガス導入口33,33’と向かい合う隙間をそれぞれ励起不活性ガス放出口34,34’として用いる。よって、励起不活性ガス放出口34と励起不活性ガス放出口34’は同じ方向の隙間を用いることになる。
【0083】
図6の大気圧プラズマ処理装置30においては、励起不活性ガス放出口34,34’は、電極31,32間、電極31’,32’間の隙間の一部をそのまま励起不活性ガス放出口34,34’として用いているが、該隙間にさらにノズルのような部材を設けることで、平板電極31,32間、平板電極31’,32’間で発生した励起不活性ガスを外部に放出する際に放出角度や放出強度を調整できるようにするのが好ましい。
【0084】
35は電極32,32’間に反応ガスを導入するための反応ガス導入口であり、電極32,32’間の隙間のうち、蓋体39,39’で塞がれていない、向かい合う隙間の一方の隙間を、反応ガス導入口35として用いている。尚、反応ガス導入口35は不活性ガス導入口33,33’と同じ方向の隙間を用いる。
【0085】
図6の大気圧プラズマ処理装置30においては、反応ガス導入口35は、電極32,32’間で形成される隙間の一部をそのまま反応ガス導入口35としているが、該隙間にさらに部材を設けることで、反応ガス導入口35を平板電極32,32’間に反応ガスを効率よくかつ容易に導入することができる形状にするのが好ましい。
【0086】
36は、電極32,32’間に導入した反応ガスを電極32,32’間の外に放出するための反応ガス放出口であり、平板電極32,32’間の隙間のうち、反応ガス導入口35と向かい合う隙間を反応ガス放出口36として用いている。よって、反応ガス放出口6は励起不活性ガス放出口34,34’と同じ方向となる隙間を用いることになる。
【0087】
図6の大気圧プラズマ処理装置30においては、反応ガス放出口36は、電極32,32’間の隙間の一部をそのまま反応ガス放出口36として用いているが、該隙間にさらにノズルのような部材を設けることで、平板電極32,32’間に存在する反応ガスを外部に放出する際に放出角度や放出強度を調整できるようにするのが好ましい。
【0088】
本実施形態では、平板電極32,32’間をそのまま反応ガスの通路として用いているが、反応ガス導入口35と反応ガス放出口36をチューブ等でつなぎ、電極32,32’間を通過する構造としてもよい。
【0089】
前述したように、反応ガス放出口36、励起不活性ガス放出口34,34’は同じ方向の隙間を用いており、また、反応ガス放出口36は、励起不活性ガス放出口34と励起不活性ガス放出口34’に挟まれた構造となる。従って、反応ガス放出口36から放出される反応ガスは、励起不活性ガス放出口34から放出される励起不活性ガスと、励起不活性ガス放出口34から放出される励起不活性ガスに挟まれた状態で接触する。これにより、反応ガスが効率よくプラズマ化されるようになる。
【0090】
本実施形態では、1つの反応ガス放出口を2つの励起不活性ガス放出口で挟み込む構造としているが、新たに励起不活性ガスを放出する平板電極対を設け、その間に新たに反応ガス放出口を設け、構造としては、端から順に励起不活性ガス放出口、反応ガス放出口、励起不活性ガス放出口、反応ガス放出口、励起不活性ガス放出口を並べた構造にして挟み込むようにしても良い。
【0091】
本発明に用いられる反応ガスとして、好ましくは、有機フッ素化合物、金属化合物を好ましく挙げることが出来る。有機フッ素化合物を用いることにより反射防止層等に有用な低屈折率層や防汚層を形成することができる。金属化合物では、低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層や、ガスバリア層、帯電防止層、透明導電層を形成することができる。
【0092】
有機フッ素化合物としては、フッ化炭素やフッ化炭化水素等のガスが好ましく、例えば、フッ化メタン、フッ化エタン、テトラフルオロメタン、ヘキサフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエチレン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ヘキサフルオロプロペン、6−フッ化プロピレン等のフッ化炭素化合物;1,1−ジフルオロエチレン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン等のフッ化炭化水素化合物;ジフルオロジクロロメタン、トリフルオロクロロメタン等のフッ化塩化炭化水素化合物;1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、パーフルオロブタノール等のフッ化アルコール;ビニルトリフルオロアセテート、1,1,1−トリフルオロエチルトリフルオロアセテート等のフッ化カルボン酸エステル;アセチルフルオライド、ヘキサフルオロアセトン、1,1,1−トリフルオロアセトン等のフッ化ケトン等を挙げることが出来るが、これらに限定されない。
【0093】
有機フッ素化合物は、プラズマ放電処理によって腐食性ガスあるいは有害ガスが発生しないような化合物を選ぶのが好ましいが、それらが発生しない条件を選ぶことも出来る。有機フッ素化合物を本発明に有用な反応性ガスとして使用する場合、常温常圧で有機フッ素化合物が気体であることが目的を遂行するのに最も適切な反応性ガス成分としてそのまま使用でき好ましい。これに対して常温常圧で液体または固体の有機フッ素化合物の場合には、加熱や減圧等の気化装置などの手段により気化して使用すればよく、また適切な有機溶媒に溶解して噴霧あるいは蒸発させて用いてもよい。
【0094】
金属化合物としては、Al、As、Au、B、Bi、Ca、Cd、Cr、Co、Cu、Fe、Ga、Ge、Hg、In、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Ni、Pb、Pt、Rh、Sb、Se、Si、Sn、Ti、V、W、Y、ZnまたはZr等の金属化合物または有機金属化合物を挙げることができ、Al、Ge、In、Sb、Si、Sn、Ti、W、ZnまたはZrが金属化合物として好ましく用いられるが、特に、珪素化合物、チタン化合物、錫化合物、亜鉛化合物、インジウム化合物、アルミ化合物、銅化合物、銀化合物が好ましい。
【0095】
これらのうち珪素化合物としては、例えば、ジメチルシラン、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン等のアルキルシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の珪素アルコキシド等の有機珪素化合物;モノシラン、ジシラン等の珪素水素化合物;ジクロルシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン等のハロゲン化珪素化合物;その他オルガノシラン等を挙げることが出来、何れも好ましく用いることが出来る。また、これらは適宜組み合わせて用いることが出来る。上記の珪素化合物は、取り扱い上の観点から珪素アルコキシド、アルキルシラン、珪素水素化合物が好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、特に有機珪素化合物として珪素アルコキシドが好ましい。
【0096】
チタン化合物、錫化合物、亜鉛化合物、インジウム化合物、アルミ化合物、銅化合物、銀化合物としては、有機金属化合物、ハロゲン化金属化合物、金属水素化合物、金属アルコキシド化合物が好ましい。有機金属化合物の有機成分としてはアルキル基、アルコキシド基、アミノ基が好ましく、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラジメチルアミノチタン等を好ましく挙げることが出来る。有機チタン化合物、有機錫化合物、有機亜鉛化合物、有機インジウム化合物、有機アルミ化合物、有機銅化合物、有機銀化合物は、中屈折率層や高屈折率層を形成するのに非常に有用である。ハロゲン化金属化合物としては、二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタン等を挙げることができ、更に金属水素化合物としては、モノチタン、ジチタン等を挙げることができる。本発明においては、チタン系の有機金属化合物を好ましく用いることができる。
【0097】
不活性ガスとしては、He、Ar等の希ガスが好ましく用いられるが、HeとArを混合した希ガスも好ましく、気体中に占める不活性ガスの割合は、90体積%〜99.9体積%であることが好ましい。大気圧プラズマを効率よく発生させるという点から不活性ガス中のArガス成分を多くするのも好ましいが、コスト的な観点からもArガス成分を90体積%〜99.9体積%を用いるのが好ましい。
【0098】
なお、不活性ガスには水素ガスや酸素ガスを不活性ガスに対して0.1体積%〜10体積%混合させて使用してもよく、このように補助的に使用することにより薄膜の硬度を著しく向上させることが出来る。
【0099】
37は電極31,32間、電極31’,32’間に高周波電圧を印加するための高周波電源である。38はアースであり、電極32,32’はアース38に接地している。
【0100】
平板電極間31,32間、平板電極間31’,32’間に存在させる不活性ガスは、大気圧又は大気圧近傍の圧力下で存在させ、高周波電源37によって、平板電極間31,32間、平板電極間31’,32’間に電圧を印加させることで不活性ガスを励起させ、励起不活性ガスを発生させる。
【0101】
図6に示すように、不図示の搬送装置により貼り合わせ素子Eを、大気圧プラズマ処理装置30の電極間の下方に配置する。貼り合わせ素子Eは、反応ガス放出口36の反応ガス放出方向と、励起不活性ガス放出口34,34’の励起不活性ガス放出方向で、反応ガス放出口36から放出される反応ガスが、励起不活性ガス放出口34,34’から放出される励起不活性ガスに挟み込まれるようにして接触して発生したプラズマ化した反応ガスと接触される位置に配置され、それにより表面処理(例えば反射コートの成膜やハードコートの成膜等)が行われる。
【0102】
より具体的には、不活性ガス導入口33,33’から電極31,32間、電極31’,32’間に不活性ガスを導入し、電極31,32間、電極31’,32’間に大気圧又は大気圧近傍の圧力下で不活性ガスを存在させる。電極31,32間、電極31’,32’間に高周波電源37によって高周波電圧が印加され、電極31,32間、電極31’,32’間に存在する不活性ガスを励起させ励起不活性ガスを発生させる。電極31,32間、電極31’,32’間で発生した励起不活性ガスは、新たに不活性ガス導入口33,33’から導入されてくる不活性ガスに押され、また、蓋体39,39’によって電極の側面方向の隙間は塞がれていることから、励起不活性ガス放出口34,34’より電極31,32間、電極31’,32’間の外へと放出される。
【0103】
一方、電極32,32’間には反応ガス導入口35から反応ガスが導入される。電極32,32’間に導入された反応ガスは、新たに反応ガス導入口35から導入されてくる反応ガスに押され、また、蓋体39,39’によって電極の側面方向の隙間は塞がれていることから、反応ガス放出口36から電極32,32’間の外へと放出される。
【0104】
反応ガス放出口36から放出される反応ガスは、励起不活性ガス放出口34と励起不活性ガス放出口34’から放出される励起不活性ガスとに挟み込まれるようにして接触し、反応ガスはプラズマ化され、所望の成膜処理が行われる。従って、素材14の光学面が非球面状の曲面であり、又そこに凹凸パターンが形成されていても、大気圧下で均一且つ緻密な膜を成膜できる。
【0105】
大気圧プラズマ処理装置30は、電極間の外で基材の表面処理を行うことから、貼り合わせ素子Eには従来処理されている支持体のようなシート状の基材のみでなく、様々な大きさ、形状のものを処理することが可能となる。例えば、レンズ形状、球状などの厚みを有するような形状の基材も表面処理を行うことができる。
【0106】
図6の大気圧プラズマ処理装置30に用いられる電極システムは、電極31,32,31’,32’で構成され、電極31,32間と電極31’,32’間に電圧が印加されるようになっているのであるが、この電極システムを複数設け、さらに各電極システムに不活性ガス導入口、励起不活性ガス放出口、反応ガス導入口、反応ガス放出口を設けることで、基材の表面処理を複数回行うことができるようになるので好ましい。これにより、貼り合わせ素子Eに異なる成分の複数製膜(例えば反射防止コート)を施したりすることができる。
【0107】
図7は、更に別な大気圧プラズマ処理装置40を示す斜視図である。尚、以降の図の説明においては、前述の図の説明で説明された符号と同じ符号のものの説明及びそれに関連する説明について省略されている場合があるが、特に説明がない限りは前述の図の説明と同じである。
【0108】
41は内側電極であり、42は外側電極である。内側電極41、外側電極42は、円筒状の電極であり、外側電極42の筒管内に内側電極41を同心配置している。
【0109】
本実施形態では内側電極41、外側電極42の対向する面を共に誘電体で被覆したが、内側電極41、外側電極42のうちどちらかの電極の対向する面に誘電体が被覆されていればよい。
【0110】
内側電極41、外側電極42には、先ほど図6で説明した電極31,32,31’,32’に用いた電極、誘電体を用いることができる。
【0111】
43は内側電極41と外側電極42の間に不活性ガスを導入するための不活性ガス導入口である。内側電極41と外側電極42の間とは、外側電極42の筒管内の領域において、内側電極41及び内側電極41の筒管内の領域を除いた領域である。また、不活性ガス導入口43は内側電極41と外側電極42の間の隙間の一方を用いる。
【0112】
図7の大気圧プラズマ処理装置40においては、不活性ガス導入口43は、内側電極41と外側電極42の間の隙間の一部をそのまま不活性ガス導入口43として用いているが、該隙間にさらに部材を設けることで、不活性ガス導入口43を内側電極41と外側電極42の間に不活性ガスを効率よく容易に導入することができる形状にするのが好ましい。
【0113】
44は、内側電極41と外側電極42の間で発生した励起不活性ガスを内側電極41と外側電極42の間の外に放出するための励起不活性ガス放出口であり、内側電極41と外側電極42の間の隙間のうち不活性ガス導入口43として用いていないほうの隙間を用いる。
【0114】
図7の大気圧プラズマ処理装置40においては、励起不活性ガス放出口44は、内側電極41と外側電極42の間の隙間の一部をそのまま励起不活性ガス放出口44としているが、該隙間にさらにノズルのような部材を設けることで、内側電極41と外側電極42の間で発生した励起不活性ガスを外部に放出する際に放出角度や放出強度を調整できるようにするのが好ましい。
【0115】
45は内側電極41の筒管内に反応ガスを導入するための反応ガス導入口であり、内側電極41の筒管の口のうち、一方の口を、反応ガス導入口45として用いている。尚、反応ガス導入口45は不活性ガス導入口43と同じ方向となる口を用いる。
【0116】
図7の大気圧プラズマ処理装置40においては、反応ガス導入口45は、内側電極41の筒管の口の一部をそのまま反応ガス導入口45として用いているが、該筒管の口にさらに部材を設けることで、反応ガス導入口45を内側電極41の筒管内に反応ガスを効率よく容易に導入することができる形状にするのが好ましい。
【0117】
46は、内側電極41の筒管内に導入した反応ガスを筒管内の外に放出するための反応ガス放出口であり、内側電極41の筒管の口のうち、反応ガス導入口45として用いていないほうの口を用いる。よって、反応ガス放出口46は励起不活性ガス放出口44と同じ方向となることになる。
【0118】
図7の大気圧プラズマ処理装置40においては、内側電極41の筒管の口の一部をそのまま反応ガス放出口46としているが、該筒管の口にさらにノズルのような部材を設けることで、該反応ガスを外部に放出する際に放出角度や放出強度を調整できるようにするのが好ましい。
【0119】
本実施形態では、内側電極41の筒管自体をそのまま反応ガスの通路として用いているが、反応ガス導入口45と反応ガス放出口46をチューブ等でつなぎ、内側電極41の筒管内を通過する構造としてもよい。
【0120】
前述したように、反応ガス放出口46と励起不活性ガス放出口44は同じ方向に設けられ、また、反応ガス放出口46は、励起不活性ガス放出口44に周囲を囲まれた構造となる。従って、反応ガス放出口46から放出される反応ガスは、励起不活性ガス放出口44から放出される励起不活性ガスに包まれた状態で接触する。これにより、反応ガスが効率よくプラズマ化される。
【0121】
本実施形態では、1つの反応ガス放出口の周囲を励起不活性ガス放出口で囲んだ構造としているが、内側電極の内側に新たに筒管状である内側電極、外側電極を設け、同様に反応ガス放出口、不活性ガス放出口を設け、構造としては、内側から順に、反応ガス放出口、励起不活性ガス放出口、反応ガス放出口、励起不活性ガス放出口という構造にすると、反応ガスが励起不活性ガスと包み込んで接触し、さらに挟み込んで接触するので好ましい。
【0122】
図7の大気圧プラズマ処理装置40に用いられる電極システムは、内側電極41と外側電極42で構成され、内側電極41と外側電極42の間に高周波電源37で電圧を印加されるようになっているのであるが、この電極システムを複数設け、さらに各電極システムに不活性ガス導入口、励起不活性ガス放出口、反応ガス導入口、反応ガス放出口を設けることで、基材の表面処理を複数回行うことができるようになるので好ましい。これにより、貼り合わせ素子Eに異なる成分の複数製膜を施したりすることができる。これは、例えば酸化シリコンなどの低屈折率層と、酸化チタンや窒化シリコンなどの高屈折率層とを多層状に設けることで、反射防止膜等の成膜を行うのに有効である。
【0123】
次に図7に示した大気圧プラズマ処理装置40を用いた大気圧プラズマ処理方法を説明する。不活性ガス導入口43から内側電極41と外側電極42の間に不活性ガスを導入し、内側電極41と外側電極42の間に大気圧又は大気圧近傍の圧力下で不活性ガスを存在させる。内側電極41と外側電極42の間に高周波電源37によって高周波電圧が印加され、内側電極41と外側電極42の間に存在する不活性ガスを励起して励起不活性ガスを発生させる。内側電極41と外側電極42の間で発生した励起不活性ガスは、新たに不活性ガス導入口43から導入されてくる不活性ガスに押し出されるようにして、励起不活性ガス放出口44より内側電極41と外側電極42の間から外部へと放出される。
【0124】
一方、反応ガス導入口45から内側電極41の筒管内に反応ガスを導入し、反応ガス放出口46から反応ガスを放出する。反応ガス放出口46から放出される反応ガスは、反応ガス放出口46のまわりを取り囲む励起不活性ガス放出口44から放出される励起不活性ガスに包み込まれるようにして接触し、反応ガスはプラズマ化される。
【0125】
不図示の搬送装置により、貼り合わせ素子Eを大気圧プラズマ処理装置40の電極間の下方に配置するので、貼り合わせ素子Eには適切な表面処理が成される。本実施の形態においても、素材14の光学面が非球面状の曲面であり、又そこに凹凸パターンが形成されていても、大気圧下で均一且つ緻密な膜を成膜できる。
【0126】
本発明の表面処理方法を実施するにあたり、使用できるガスは、基材上に設けたい薄膜の種類によって異なるが、基本的に、不活性ガスと、薄膜を形成するための反応性ガスの混合ガスである。反応性ガスは、混合ガスに対し、0.01〜10体積%含有させることが好ましい。薄膜の膜厚としては、0.1nm〜1000nmの範囲の薄膜が得られる。
【0127】
上記不活性ガスとは、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が挙げられるが、本発明に記載の効果を得るためには、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。緻密で、高精度の薄膜を形成するためには、不活性ガスとしてアルゴンを用いることが最も好ましい。アルゴンを用いると、高密度プラズマを発生しやすいのではないかと推定している。アルゴンガスは、混合ガス(不活性ガスと反応性ガスの混合ガス)100体積%に対し、90体積%以上含有されることが好ましい。さらに好ましくは95体積%以上である。
【0128】
反応性ガスは、放電空間でプラズマ状態となり、薄膜を形成する成分を含有するものであり、有機金属化合物、有機化合物、無機化合物等である。
【0129】
例えば、反応性ガスとして、ジンクアセチルアセトナート、トリエチルインジウム、トリメチルインジウム、ジエチル亜鉛、ジメチル亜鉛、エトラエチル錫、エトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫などから選択された少なくとも1つの有機金属化合物を含むガスを用いて、導電性膜あるいは帯電防止膜、あるいは反射防止膜の中屈折率層として有用な金属酸化物層を形成することができる。
【0130】
また、反応性ガスとして、フッ素含有化合物ガスを用いることによって、基材表面にフッ素含有基を形成させて表面エネルギーを低くし、撥水性表面を得る撥水膜を得ることが出来る。フッ素元素含有化合物としては、6フッ化プロピレン(CF3CFCF2)、8フッ化シクロブタン(C4F8)等のフッ素・炭素化合物が挙げられる。安全上の観点から、有害ガスであるフッ化水素を生成しない6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタンを用いることができる。
【0131】
また、分子内に親水性基と重合性不飽和結合を有するモノマーの雰囲気下で処理を行うことにより、親水性の重合膜を堆積させることもできる。上記親水性基としては、水酸基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、1級若しくは2級又は3級アミノ基、アミド基、4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、カルボン酸塩基等の親水性基等が挙げられる。又、ポリエチレングリコール鎖を有するモノマーを用いても同様に親水性重合膜を堆積が可能である。
【0132】
上記モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルアルコール、アリルアミン、ポリエチレングリコールジメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリル酸エステルなどが挙げられ、これらの少なくとも1種が使用できる。
【0133】
また、有機フッ素化合物、珪素化合物またはチタン化合物を含有する反応性ガスを用いることにより、反射防止膜の低屈折率層または高屈折率層を設けることが出来る。
【0134】
有機フッ素化合物としては、フッ化炭素ガス、フッ化炭化水素ガス等が好ましく用いられる。フッ化炭素ガスとしては、4フッ化炭素、6フッ化炭素、具体的には、4フッ化メタン、4フッ化エチレン、6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタン等が挙げられる。前記のフッ化炭化水素ガスとしては、2フッ化メタン、4フッ化エタン、4フッ化プロピレン、3フッ化プロピレン等が挙げられる。
【0135】
更に、1塩化3フッ化メタン、1塩化2フッ化メタン、2塩化4フッ化シクロブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物やアルコール、酸、ケトン等の有機化合物のフッ素置換体を用いることが出来るがこれらに限定されない。また、これらの化合物が分子内にエチレン性不飽和基を有していても良い。前記の化合物は単独でも混合して用いても良い。
【0136】
混合ガス中に上記記載の有機フッ素化合物を用いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜を形成する観点から、混合ガス中の有機フッ素化合物の含有率は、0.1〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
【0137】
また、本発明に係る有機フッ素化合物が常温、常圧で気体である場合は、混合ガスの構成成分として、そのまま使用できるので最も容易に本発明の方法を遂行することができる。しかし、有機フッ素化合物が常温・常圧で液体又は固体である場合には、加熱、減圧等の方法により気化して使用すればよく、また、又、適切な溶剤に溶解して用いてもよい。
【0138】
混合ガス中に上記記載のチタン化合物を用いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜を形成する観点から、混合ガス中のチタン化合物の含有率は、0.01〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.01〜5体積%である。
【0139】
また、反応性ガスとして、水素化金属化合物、ハロゲン化金属化合物、水酸化金属化合物、過酸化金属化合物などを用いることも可能であり、これらを適宜気化して用いればよい。
【0140】
また、上記記載の混合ガス中に水素ガスを0.1〜10体積%含有させることにより薄膜の硬度を著しく向上させることが出来る。
【0141】
また、混合ガス中に酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選択される成分を0.01〜5体積%含有させることにより、反応促進され、且つ、緻密で良質な薄膜を形成することができる。
【0142】
上記記載の珪素化合物、チタン化合物としては、取り扱い上の観点から金属水素化合物、金属アルコキシドが好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、金属アルコキシドが好ましく用いられる。
【0143】
また、上記記載の珪素化合物、チタン化合物を放電空間である電極間に導入するには、両者は常温常圧で、気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。気体の場合は、そのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用される。珪素化合物、チタン化合物を加熱により気化して用いる場合、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシチタンなど、常温で液体で、沸点が200℃以下である金属アルコキシドが反射防止膜の形成に好適に用いられる。上記金属アルコキシドは、溶媒によって希釈して使用されても良く、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。尚、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解される為、基材上への薄膜の形成、薄膜の組成などに対する影響は殆ど無視することが出来る。
【0144】
上記記載の珪素化合物としては、例えば、ジメチルシラン、テトラメチルシランなどの有機金属化合物、モノシラン、ジシランなどの金属水素化合物、二塩化シラン、三塩化シランなどの金属ハロゲン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどのアルコキシシラン、オルガノシランなどを用いることが好ましいがこれらに限定されない。また、これらは適宜組み合わせて用いることが出来る。
【0145】
混合ガス中に上記記載の珪素化合物を用いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜を形成する観点から、混合ガス中の珪素化合物の含有率は、0.1〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
【0146】
上記記載のチタン化合物としては、テトラジメチルアミノチタンなどの有機金属化合物、モノチタン、ジチタンなどの金属水素化合物、二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタンなどの金属ハロゲン化合物、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどの金属アルコキシドなどを用いることが好ましいがこれらに限定されない。
【0147】
反応性ガスに有機金属化合物を添加する場合、例えば、有機金属化合物としてLi,Be,B,Na,Mg,Al,Si,K,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Rb,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Cd,In,Ir,Sn,Sb,Cs,Ba,La,Hf,Ta,W,Tl,Pb,Bi,Ce,Pr,Nd,Pm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luから選択される金属を含むことができる。より好ましくは、これらの有機金属化合物が金属アルコキシド、アルキル化金属、金属錯体から選ばれるものが好ましい。
【0148】
上記または上記以外の反応性ガスを適宜選択して、本発明の薄膜形成方法に使用することにより様々な高機能性の薄膜を得ることができる。その一例を以下に示すが、本発明はこれに限られるものではない。
電極膜 Au,Al,Ag,Ti,Ti,Pt,Mo,Mo−Si
誘電体保護膜 SiO,SiO,Si,Al,Al,Y
透明導電膜 In,SnO
エレクトロクロミック膜 WO,IrO,MoO,V
蛍光膜 ZnS,ZnS+ZnSe,ZnS+CdS
磁気記録膜 Fe−Ni,Fe−Si−Al,γ−Fe,Co,Fe、Cr,SiO,AlO
超導電膜 Nb,Nb−Ge,NbN
太陽電池膜 a−Si,Si
反射膜 Ag,Al,Au,Cu
選択性吸収膜 ZrC−Zr
選択性透過膜 In,SnO
反射防止膜 SiO,TiO,SnO
シャドーマスク Cr
耐摩耗性膜 Cr,Ta,Pt,TiC,TiN
耐食性膜 Al,Zn,Cd,Ta,Ti,Cr
耐熱膜 W,Ta,Ti
潤滑膜 MoS
装飾膜 Cr,Al,Ag,Au,TiC,Cu
【0149】
次に、本発明を適用できる貼り合わせ可能な部材について説明する。
本発明に用いることができる部材としては、レンズ状等の立体形状のもの等、薄膜をその表面に形成できるものであれば特に限定はない。部材が電極間に載置できるものであれば、電極間に載置することによって、部材が電極間に載置できないものであれば、発生したプラズマを当該部材に吹き付けることによって薄膜を形成すればよい。
【0150】
部材を構成する材料も特に限定はないが、大気圧または大気圧近傍の圧力下であることと、低温のグロー放電であることから、樹脂を好ましく用いることができる。
【0151】
上記の部材としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル基材、ポリエチレン基材、ポリプロピレン基材、セロファン、セルロースジアセテート基材、セルロースアセテートブチレート基材、セルロースアセテートプロピオネート基材、セルロースアセテートフタレート基材、セルローストリアセテート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体からなる基材、ポリ塩化ビニリデン基材、ポリビニルアルコール基材、エチレンビニルアルコール基材、シンジオタクティックポリスチレン系基材、ポリカーボネート基材、ノルボルネン樹脂系基材、ポリメチルペンテン基材、ポリエーテルケトン基材、ポリイミド基材、ポリエーテルスルホン基材、ポリスルホン系基材、ポリエーテルケトンイミド基材、ポリアミド基材、フッ素樹脂基材、ナイロン基材、ポリメチルメタクリレート基材、アクリル基材あるいはポリアリレート系基材、ポリオレフィン系基材、非晶質ポリオレフィン系基材、ガラス、結晶、セラミック等を挙げることができる。また、これら部材は、支持体上に防眩層やクリアハードコート層を塗設したり、バックコート層、帯電防止層を塗設したものを用いることが出来る。
【0152】
これらの素材は単独であるいは適宜混合されて使用することもできる。部材の形態は、バルクでもフィルムでも使用可能である。中でもゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(日本合成ゴム(株)製),APEL(三井化学(株)製)などの市販品を好ましく使用することができる。更に、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン及びポリエーテルスルフォンなどの固有複屈折率の大きい素材も用いられる。
【0153】
本発明において、部材と放電プラズマ処理により形成される薄膜との密着性を向上させる観点から、1種以上のエチレン性不飽和モノマーを含む成分を重合させて形成した層に、上記記載の放電プラズマ処理をして形成されたものであることが好ましく、特に、前記エチレン性不飽和モノマーを含む成分を重合させて形成した層をpH10以上の溶液で処理した後に放電プラズマ処理することにより、さらに密着性が改善されるため好ましい。pH10以上の溶液としては、0.1〜3mol/Lの水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム水溶液等が好ましく用いられる。
【0154】
エチレン性不飽和モノマーを含む成分を重合させて形成した樹脂層としては、活性線硬化樹脂あるいは熱硬化樹脂を構成成分として含有する層が好ましく用いられるが、特に好ましく用いられるのは活性線硬化樹脂層である。
【0155】
ここで、活性線硬化樹脂層とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。活性線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂でもよい。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることが出来る。
【0156】
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば、特開昭59−151110号等を参照)。
【0157】
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば、特開昭59−151112号を参照)。
【0158】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させたものを挙げることが出来る(例えば、特開平1−105738号)。この光反応開始剤としては、ベンゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もしくは2種以上を選択して使用することが出来る。
【0159】
また、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。
【0160】
これらの樹脂は通常公知の光増感剤と共に使用される。また上記光反応開始剤も光増感剤としても使用出来る。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。また、エポキシアクリレート系の光反応剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。塗布乾燥後に揮発する溶媒成分を除いた紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる光反応開始剤又光増感剤は該組成物の2.5〜6質量%であることが好ましい。
【0161】
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることが出来る。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
【0162】
例えば、紫外線硬化樹脂としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(以上、旭電化工業株式会社製)、あるいはコーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学工業株式会社製)、あるいはセイカビームPHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業株式会社製)、あるいはKRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー株式会社)、あるいはRC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、大日本インキ化学工業株式会社製)、あるいはオーレックスNo.340クリヤ(中国塗料株式会社製)、あるいはサンラッドH−601(三洋化成工業株式会社製)、あるいはSP−1509、SP−1507(昭和高分子株式会社製)、あるいはRCC−15C(グレース・ジャパン株式会社製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成株式会社製)あるいはこの他の市販のものから適宜選択して利用できる。
【0163】
本発明に用いられる活性線硬化樹脂層は公知の方法で塗設することができる。活性線硬化性樹脂を光硬化反応により硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であればいずれでも使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/cmである。近紫外線領域〜可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることによって使用出来る。
【0164】
活性線硬化樹脂層を塗設する際の溶媒として前述のバックコート層や導電性微粒子を含有する樹脂層を塗設する溶媒、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒の中から適宜選択し、あるいはこれらを混合し利用できる。好ましくは、プロピレングリコールモノ(炭素数1〜4のアルキル基)アルキルエーテルまたはプロピレングリコールモノ(炭素数1〜4のアルキル基)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、さらに好ましくは5〜80質量%以上含有する溶媒が用いられる。
【0165】
紫外線硬化性樹脂組成物塗布液の塗布方法としては、グラビアコーター、スピナーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、リバースコーター、押し出しコーター、エアードクターコーター等公知の方法を用いることが出来る。塗布量はウェット膜厚で0.1〜30μmが適当で、好ましくは、0.5〜15μmである。
【0166】
紫外線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥された後、紫外線を光源より照射するが、照射時間は0.5秒〜5分がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率とから3秒〜2分がより好ましい。
【0167】
こうして得た硬化皮膜層に、ブロッキングを防止するため、また対擦り傷性等を高めるために無機あるいは有機の微粒子を加えることが好ましい。例えば、無機微粒子としては酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等を挙げることができ、また有機微粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、あるいはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等を挙げることができ、紫外線硬化性樹脂組成物に加えることが出来る。これらの微粒子粉末の平均粒径としては、0.005μm〜1μmが好ましく0.01〜0.1μmであることが特に好ましい。
【0168】
紫外線硬化樹脂組成物と微粒子粉末との割合は、樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜10質量部となるように配合することが望ましい。
【0169】
このようにして形成された紫外線硬化樹脂を硬化させた層は中心線表面粗さRaが1〜50nmのクリアハードコート層であっても、Raが0.1〜1μm程度の防眩層であってもよい。本発明では、これらの層の上にプラズマ処理することができる。特に、JIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)が0.1〜0.5μmの防眩層上に均一にプラズマ処理できるために好ましい。
【0170】
本発明において反射防止膜を部材上に成膜する場合、プラズマ処理する前にプラズマ処理面に紫外線を照射することが形成される皮膜の密着性に優れるため好ましい。紫外線照射光量としては50〜2000mJ/cmであることが好ましい。50mJ/cm未満では、効果が十分ではなく、2000mJ/cmを越えると部材の変形等が生じる恐れがあり好ましくない。紫外線照射後、1時間以内にプラズマ処理することが好ましく、特に紫外線照射後10分以内にプラズマ処理することが好ましい。プラズマ処理前の紫外線の照射は、前述の紫外線硬化樹脂の硬化のための紫外線照射と同時に行ってもよく、その場合、硬化のために最低限必要な紫外線照射量よりも多くすることが好ましい。
【0171】
本発明において、反射防止膜を成膜する場合、プラズマ処理を行った後に紫外線照射することも、形成された被膜を早期に安定化させるために有効である。
【0172】
このため、紫外線照射光量として50〜2000mJ/cmをプラズマ処理後にプラズマ処理面に照射することが好ましい。また、プラズマ処理後の部材は50〜130℃に調整された乾燥ゾーンにおいて1〜30分処理されることが好ましい。
【0173】
本発明において反射防止膜等に用いられる金属酸化膜を成膜する素材としては、屈折率が1.6〜2.4の酸化チタンを主成分とする高屈折率層を有することが好ましい。また、さらに、屈折率が1.3〜1.5の酸化ケイ素を主成分とする低屈折率層を部材表面に連続して設けることが好ましい。これにより各層の間の密着性が良好となる。好ましくは部材上に紫外線硬化樹脂層を設けた後、直ちにプラズマ処理によって高屈折率層及び低屈折率層を設けることがより好ましい。
【0174】
また、前記酸化チタンを主成分とする高屈折率層は、屈折率が2.2以上であることが特に好ましい。また、本発明の薄膜形成方法を用いることにより、このような屈折率の高い金属酸化膜を形成することが可能となるのである。
【0175】
また、この酸化チタンを主成分とする層等の金属酸化物薄膜は、該薄膜中の炭素含有率が0.1〜5質量%であることが下層との密着性と膜の柔軟性のために好ましい。より好ましくは0.2〜5質量%、さらに好ましくは0.3〜3質量%である。この炭素含有量は、上記酸化ケイ素を主成分とする低屈折率層も同様であることが好ましい。
【0176】
炭素含有率は、上記の金属酸化物の薄膜に限らず、その他の用途・機能を有する金属、金属酸化物、金属窒化物、金属硼化物も同様に好ましい。なぜなら、有機物を含有する反応性ガスを用いて、プラズマ処理によって形成された薄膜は、炭素原子を含んでいるため、前記炭素含有率の薄膜としやすい。プラズマ処理で形成された薄膜に限らず、この範囲に炭素含有率を有する薄膜は、それ自体に柔軟性を与えるため、膜の密着性に優れ好ましい。炭素の比率が少なすぎるとクラックが起きやすく、逆に多くなりすぎると経時で屈折率が変動したり、耐傷性が劣化する傾向があり、好ましくない。
【0177】
次に、部材上に膜を形成する例を説明する。膜は大きく分けて2種類が考えられ、一つはAu、Ag、Cu、Pt、Ni、Pd、Se、Te、Rh、Ir、Ge、Os、Ru、Cr、W等の金属薄膜、または、この金属薄膜に金属薄膜または誘電体膜を積層した(2層以上を積層する場合を含む)合金半透過ミラー膜である。もう一つは誘電体膜または屈折率が異なる誘電体膜を積層した(2層以上を積層する場合を含む)誘電体膜である。
【0178】
合金半透過ミラー膜は光吸収が大きく、例えば400〜600nmの波長の光に対して40%透過、50%反射、10%の吸収があり、半透過型の液晶表示装置に用いる場合は、背面光源の光ロスが大きく、あまり向かない。一方、誘電体膜はかかる光ロスがないので、様々な用途に好ましく適用可能である。
【0179】
また、膜としての性能は、構成する材料およびその膜厚を適宜選択することにより、反射率と透過率を自由に設計することが可能である。特に、誘電体膜は、屈折率の異なる層を積層したものであり、高屈折率層と低屈折率層を順次、数層〜数十層程度積層し、各層の屈折率や層の厚さを設計することにより、所望の性能を有することができる。
【0180】
誘電体膜の高屈折率層としては、酸化チタンや酸化タンタルを主成分とし、屈折率nが1.85≦n≦2.60のものが好ましく用いられ、副成分として、窒素、炭素、錫、ニッケル、ニオビウムを有していてもよい。また、低屈折率層としては、酸化ケイ素や、フッ化マグネシウムを主成分とし、屈折率nが1.30≦n≦1.57のものが好ましく用いられ、副成分として、窒素、炭素、フッ素、硼素、錫を有していてもよい。
【0181】
これらの成分の中では、酸化ケイ素層(SiO)を主成分とする低屈折率層と酸化チタン層(TiO)(或いは酸化タンタル、酸化ジルコニウム、窒化シリコン、酸化インジウムまたは酸化アルミニウム)を主成分とする高屈折率層とを複数層積層したものを好ましく用いることができる。例えば、TiO(屈折率n=2.35)とSiO(屈折率n=1.46)を交互に積層した多層膜を用いることができる。
【0182】
本実施の形態に用いることができる透光性を有する部材としては、板状のもの、レンズ状等の立体形状のもの等、膜をその表面に形成できるものであれば特に限定はない。部材が電極間に載置できるものであれば、電極間に載置し、部材が電極間に載置できないものであれば、発生したプラズマを当該樹脂部材に吹き付けることによって、薄膜を形成する。
【0183】
部材を構成する材料も特に限定はないが、大気圧または大気圧近傍の圧力下であることと、低温の放電であることから、樹脂部材であっても部材を劣化させるようなことはない。
【0184】
透光性を有する部材の材料として、ガラス、石英、結晶、セラミック、樹脂等を好ましく用いることができる。
【0185】
樹脂材料としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートフタレート、セルローストリアセテート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン類、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類等を挙げることができる。また、これらを支持体として、さらにその上に下引き層やその他の機能層を塗設したり、バックコート層、帯電防止層を塗設したものを部材として用いることができる。
【0186】
本実施の形態の膜が誘電体膜である場合または2層以上積層した合金半透過ミラー膜である場合、透光性を有する樹脂基材を、大気圧または大気圧近傍の圧力下において対向する電極間に放電することでプラズマ状態にした反応性ガスに晒すことによって形成する方法(大気圧プラズマ法と称することもある)により、各層を製膜することが好ましい。
【0187】
図5〜7の装置もしくは他の処理装置により、処理を行う場合、電極間に印加する高周波電圧の周波数の上限値は、好ましくは150MHz以下である。また、高周波電圧の周波数の下限値としては、100kHzを超え、好ましくは200kHz以上、さらに好ましくは800kHz以上である。
【0188】
また、電極間に供給する電力の下限値は、1.0W/cm以上、好ましくは1.2W/cm以上であり、上限値としては、好ましくは50W/cm以下、さらに好ましくは20W/cm以下である。尚、電極における電圧の印加面積(/cm)は、放電が起こる範囲の面積のことを指す。
【0189】
さらに、電極間に印加する高周波電圧は、断続的なパルス波であっても、連続したサイン波であっても構わないが、本発明の効果を高く得るためには、連続したサイン波であることが好ましい。
【0190】
このような電極としては、金属母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。少なくとも対向する印加電極とアース電極の片側に誘電体を被覆すること、更に好ましくは、対向する印加電極とアース電極の両方に誘電体を被覆することである。誘電体としては、比誘電率が6〜45の無機物であることが好ましく、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。
【0191】
また、基材を電極間に載置あるいは電極間を搬送してプラズマに晒す場合には、基材を片方の電極に接して搬送できる様にするだけでなく、更に誘電体表面を研磨仕上げし、電極の表面粗さRmax(JIS B 0601)を10μm以下にすることで、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことができ、放電状態を安定化できること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひび割れを無くし、かつポーラスで無い高精度の無機誘電体を被覆することで大きく耐久性を向上させることができる。
【0192】
また、高温下での金属母材に対する誘電体被覆による電極製作において、少なくとも基材と接する側の誘電体を研磨仕上げすること、更に電極の金属母材と誘電体間の熱膨張の差をなるべく小さくすることが必要であり、そのため製作方法において、母材表面に、応力を吸収できる層として泡混入量をコントロールして無機質の材料をライニングする、特に材質としてはほうろう等で知られる溶融法により得られるガラスであることが良く、更に導電性金属母材に接する最下層の泡混入量を20〜30体積%とし、次層以降を5体積%以下とすることで、緻密でかつひび割れ等が発生しない良好な電極ができる。
【0193】
また、電極の母材に誘電体を被覆する別の方法として、セラミックスの溶射を空隙率10体積%以下まで緻密に行い、更にゾルゲル反応により硬化する無機質の材料にて封孔処理を行うことであり、ここでゾルゲル反応の促進には、熱硬化やUV硬化が良く、更に封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極ができる。
【0194】
電極に印加される電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が0.5〜10kV程度で、電源周波数は100kHzを越えて150MHz以下に調整される。又、1W/cm以上の電力を電極間に供給し、それらの間に放電を生じさせると良い。ここで電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードとパルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用しても良いが、連続モードの方がより緻密で良質な膜が得られる。
【0195】
また、プラズマ状態での処理時の基材への影響を最小限に抑制するために、プラズマ状態での処理時の基材の温度を常温(15℃〜25℃)〜200℃未満の温度に調整することが好ましく、更に好ましくは常温〜100℃に調整することである。上記の温度範囲に調整するため、必要に応じて電極、基材は冷却手段で冷却しながらプラズマ状態で処理される。
【0196】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。本発明は光学部品以外の製品にも適用できる。
【0197】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の素子を貼り合わせた光学部品に対してコーティングされた膜の付着性及び強度を高く維持できるにもかかわらず、小型化を図れ、又高品質な光学部品を製造できる光学部品の製造方法、及びそれにより製造される貼り合わせ素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる光学部品の製造方法によって形成された貼り合わせ素子の一例である貼り合わせレンズの断面図である。
【図2】比較例である貼り合わせレンズの断面図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる光学部品の製造方法によって形成された貼り合わせ素子の一例であるダイクロイックプリズムの断面図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる光学部品の製造方法によって形成された貼り合わせ素子の一例であるレンズの断面図である。
【図5】本発明に好適なプラズマ処理装置の概略構成図である。
【図6】プラズマ処理装置30を示す斜視図である。
【図7】プラズマ処理装置40を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2 光学素子
3,4,5,6 プリズム素子
7 レンズ
8 支持部材
E 貼り合わせ素子
30、40 プラズマ処理装置

Claims (35)

  1. 少なくとも2つの部材を貼り合わせ、その後、コーティング処理を行うことを特徴とする光学部品の製造方法。
  2. 前記コーティング処理が大気圧プラズマ法により行われることを特徴とする請求項1に記載の光学部品の製造方法。
  3. 前記大気圧プラズマ法は、100kHzを越えた高周波電圧で、且つ1W/cm以上の電力を電極間に供給し、前記電極間に放電を起こす工程を有することを特徴とする請求項2に記載の光学部品の製造方法。
  4. 前記高周波電圧は、連続したサイン波であることを特徴とする請求項3に記載の光学部品の製造方法。
  5. 少なくとも2つの部材を貼り合わせ、その後、前記2つの部材にまたがったコーティング処理を行うことを特徴とする光学部品の製造方法。
  6. 前記コーティング処理が大気圧プラズマ法により行われることを特徴とする請求項5に記載の光学部品の製造方法。
  7. 前記大気圧プラズマ法は、100kHzを越えた高周波電圧で、且つ1W/cm以上の電力を電極間に供給し、前記電極間に放電を起こす工程を有することを特徴とする請求項6記載の光学部品の製造方法。
  8. 前記高周波電圧は、連続したサイン波であることを特徴とする請求項7に記載の光学部品の製造方法。
  9. 前記コーティング処理により形成されたコーティング膜の光学特性が、前記2つの部材とも同じであるか、あるいは、前記2つの部材中の一方の部材から他方の部材にわたって連続的に変化する光学特性であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の光学部品の製造方法。
  10. 前記2つの部材の貼り合わせにより形成された接合層上に、前記コーティング処理が施されていることを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載の光学部品の製造方法。
  11. 前記2つの部材のうち少なくとも一方の部材がレンズであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の光学部品の製造方法。
  12. 前記2つの部材のうち少なくとも一方の部材がプリズムであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の光学部品の製造方法。
  13. 前記コーティング処理により形成されたコーティング膜が反射防止機能を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の光学部品の製造方法。
  14. 前記コーティング処理により形成されたコーティング膜がダイクロイックフィルターの機能を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の光学部品の製造方法。
  15. 前記2つの部材のうち−方の部材が、他方の部材を支持するための支持部材であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の光学部品の製造方法。
  16. 前記支持部材の光線透過率が50%以下であることを特徴とする請求項15に記載の光学部品の製造方法。
  17. 前記支持部材が、エンジニアリングプラスチックあるいはファイバー強化エンジニアリングプラスチックの材料からなることを特徴とする請求項15又は16に記載の光学部品の製造方法。
  18. 前記支持部材が金属材料からなることを特徴とする請求項15又は16に記載の光学部品の製造方法。
  19. 前記2つの部材の貼り合わせにより形成された接合層が、光学機能を有することを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の光学部品の製造方法。
  20. 前記2つの部材のうち少なくとも一方の部材が樹脂材料からなることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の光学部品の製造方法。
  21. 前記樹脂材料が、アクリル系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂、PES系樹脂、TAC系樹脂、PET系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、非晶質ポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項20に記載の光学部品の製造方法。
  22. 請求項1乃至21のいずれかに記載の光学部品の製造方法を用いて形成されたことを特徴とする貼り合わせ素子。
  23. 少なくとも一方の部材がレンズである2つの部材を貼り合わせた後に、コーティング処理が施されたことを特徴とする貼り合わせ素子。
  24. 少なくとも一方の部材がプリズムである2つの部材を貼り合わせた後に、コーティング処理が施されたことを特徴とする貼り合わせ素子。
  25. 前記コーティング処理が大気圧プラズマ法により行われたことを特徴とする請求項23又は24に記載の貼り合わせ素子。
  26. 前記大気圧プラズマ法は、100kHzを越えた高周波電圧で、且つ1W/cm以上の電力を電極間に供給し、前記電極間に放電を起こす工程を有することを特徴とする請求項25に記載の貼り合わせ光学素子。
  27. 前記高周波電圧は、連続したサイン波であることを特徴とする請求項26に記載の貼り合わせ光学素子。
  28. 少なくとも一方の部材がレンズである2つの部材を貼り合わせた後に、前記2つの部材にまたがったコーティング処理が施されたことを特徴とする貼り合わせ素子。
  29. 少なくとも一方の部材がプリズムである2つの部材を貼り合わせた後に、前記2つの部材にまたがったコーティング処理が施されたことを特徴とする貼り合わせ素子。
  30. 前記コーティング処理が大気圧プラズマ法により行われたことを特徴とする請求項28又は29に記載の貼り合わせ素子。
  31. 前記大気圧プラズマ法は、100kHzを越えた高周波電圧で、且つ1W/cm以上の電力を電極間に供給し、前記電極間に放電を起こす工程を有することを特徴とする請求項30に記載の貼り合わせ光学素子。
  32. 前記高周波電圧は、連続したサイン波であることを特徴とする請求項31に記載の貼り合わせ光学素子。
  33. 前記コーティング処理により形成されたコーティング膜の光学特性が、前記2つの部材とも同じであるか、あるいは、前記2つの部材中の一方の部材から他方の部材にわたって連続的に変化する光学特性であることを特徴とする請求項28乃至32のいずれかに記載の貼り合わせ素子。
  34. 前記2つの部材の貼り合わせにより形成された接合層上に、前記コーティング処理が施されていることを特徴とする請求項28乃至33のいずれかに記載の貼り合わせ素子。
  35. 請求項13乃至21のいずれかに記載の光学部品の製造方法を用いて形成されたことを特徴とする請求項23乃至34のいずれかに記載の貼り合わせ素子。
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