JP2004012387A - ロータの回転角度位置検出装置及びその装置を用いた電動機制御装置 - Google Patents

ロータの回転角度位置検出装置及びその装置を用いた電動機制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】R/Dコンバータを備えず廉価な構成であるロータの回転角度位置検出装置を提供する。
【解決手段】レゾルバの振幅変調信号(SIN)と振幅変調信号(COS)が導入され、これらから振幅変調信号(SIN)/振幅変調信号(COS)=振幅比信号(TAN)と振幅変調信号(COS)/振幅変調信号(SIN)=振幅比信号(COT)を算出し、算出した振幅比信号(TAN)と振幅比信号(COT)を基にロータの回転角度θを検出する。さらに、振幅比信号(TAN)と振幅比信号(COT)を基に、ロータの回転角度θを30度毎の区間に区分して区間区分値を出力する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はロータの回転角度を検出する位置検出装置およびその装置を用いた電動機制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転角度を検出する位置検出装置として、従来より一相励磁二相出力方式のレゾルバと組み合わせて回転角度を検出する位置検出装置が知られている。この従来の位置検出装置の構成例として、図7に示されるものがある。1は一相励磁二相出力型のレゾルバを模式的に表したものであり、ロータ4、励磁コイル5、二次コイル(SIN)6、二次コイル(COS)7から構成される。2aは位置検出器を模式的に表したものであり、励磁回路8、入力インターフェイス回路9、R/Dコンバータ12から構成される。入力インターフェイス回路9を構成する主なものとして差動増幅器A10、差動増幅器B11を図示している。3はレゾルバ1と位置検出器2aを結ぶ信号伝送線である。
【0003】
まず励磁回路8にて周期信号ER1R2(一般的には正弦波信号)を生成する。信号伝送線3を経て励磁コイル5に周期信号ER1R2を入力すると、ロータ4の回転角度θに応じた誘導電圧が二次コイル(SIN)6、二次コイル(COS)7の両端に発生する。ここで、二次コイル(SIN)6には正弦波状に振幅変調された信号ES2S4が、二次コイル(COS)7には余弦波状に振幅変調された信号ES1S3が、それぞれ誘起される。この振幅変調信号が、すなわちレゾルバの位置信号であり、以降は信号ES2S4を振幅変調信号(SIN)、信号ES1S3を振幅変調信号(COS)と表記する。振幅変調信号(SIN)及び振幅変調信号(COS)は信号伝送線3を経て入力インターフェイス回路9に入力される。振幅変調信号は入力インターフェイス回路9内の差動増幅器にて信号増幅されて励磁回路8からの励磁信号と共にR/Dコンバータ12へ取り込まれる。R/Dコンバータ12では、例えばトラッキング方式といったレゾルバ/ディジタル(R/D)変換方式により回転角度が算出される。
【0004】
また、従来の電動機制御装置の構成例として、図8に示されるものがある。これは、一相励磁二相出力方式のレゾルバを角度検出センサとして適用して電動機を制御する電動機制御装置を示すブロック図である。
図8において、1はレゾルバ、2aは位置検出器、3は信号伝送線、15は電動機、16は直流電源、17は電力変換装置、18aはU相電流検出器、18bはV相電流検出器、19はゲート駆動回路、20は電力変換半導体、21aはU相上アームスイッチング素子、21bはU相下アームスイッチング素子、22aはU相上アームフライホイールダイオード、22bはU相下アームフライホイールダイオード、30は制御演算装置、31は電流信号入力回路、32はベクトル制御演算回路、33aはゲート信号生成回路である。
【0005】
次に、動作について説明する。電力変換装置17は直流電源16からの直流電力を交流電力に変換して電動機15に供給する。その際、直流電力から交流電力への変換は電力変換半導体20のパワー素子を構成するスイッチング素子をスイッチングすることによりなされる。なお、パワー素子はスイッチング素子21とフライホイールダイオード22とから構成される。図8にはU相スイッチング素子21a,21bとU相フライホイールダイオード22a,22bのみを図示しているが、この他、V相スイッチング素子21c,21dとV相フライホイールダイオード22c,22d、およびW相スイッチング素子21e,21fとW相フライホイールダイオード22e,22fが存在する。スイッチングのために制御演算装置30内のゲート信号生成回路33aにて生成されるゲート駆動信号Guh,Gul,Gvh,Gvl,Gwh,Gwlが電力変換装置17内のゲート駆動回路19に伝達される。ゲート駆動回路19はゲート信号を波形整形、電位変換してスイッチング素子のゲートをON/OFFさせる。
【0006】
ここで、制御演算装置30では電動機15を駆動するために、いかに電圧を印可すべきか、すなわち、いかにスイッチング素子をスイッチングするかの演算を行う。いかに電圧を印可すべきかは、電動機の制御方法により様々な種類のものが存在するが、電動機の発生トルクを精度良く制御する方法としてベクトル制御法と呼ばれる手法が良く用いられる。この方法では、三相交流である電圧、電流等の諸量を、磁束の方向と一致して回転する座標軸(d軸)と、これに直交して回転する座標軸(q軸)とにベクトル分解し、直交座標上での電圧、電流を調整・制御することで発生トルクを制御する。電動機として永久磁石式同期機を対象とした場合の回転直交座標(d,q座標)上での電圧と電流の関係は次式となる。
【0007】
【数1】
Figure 2004012387
但し、 Vdはd軸電圧、Vqはq軸電圧、idはd軸電流、iqはq軸電流、Raは一次抵抗、Lはインダクタンス、φaは磁石磁束、ωは回転角速度である。
【0008】
この時の電動機の発生トルクτmは次式で表わされる。
【数2】
Figure 2004012387
但し、Pmは電動機の極対数である。極対数Pm及び磁石磁束φaは電動機によって固定の量であり、発生トルクτmの調整はq軸電流iqの量を調整することによりなされる。
【0009】
このため電流検出器18a,18bにて電動機15に流れる三相交流電流値を検出し電流信号入力回路31に伝送し、U相電流iu、V相電流ivとなす。iu、ivに基づき三相座標上の電流を回転直交座標上のd軸、q軸にベクトル分解してd軸電流id、q軸電流iqを算出する。更にこのid、iqを用いて所望の発生トルクτmを得るべきd軸電圧Vd、q軸電圧Vqを算出し、これを再びベクトル分解して三相交流座標上に変換し、U相電圧指令Vu*、V相電圧指令Vv*、W相電圧指令Vw*を算出する。
【0010】
以上の演算はベクトル制御演算回路32でなされ、三相の電圧指令はゲート信号生成回路33aに伝達される。ゲート信号生成回路33aは、公知の三角波比較正弦波近似PWM法などの手法によりゲート信号を生成する。ゲート信号は、ゲート駆動回路19を経てスイッチング素子21をスイッチングし、ひいては電動機15を制御することとなる。この際、三相交流座標から回転直交座標、あるいはこの逆の座標変換には、位置検出器2aで検出されるレゾルバ1の回転角度すなわち電動機15の回転角度が用いられる。
【0011】
図9はベクトル制御法におけるゲート信号の波形例である。図において全角度範囲0〜360度にわたり平均的には正弦波状に分布するようにPWMされる。上アームのゲート信号と下アームのゲート信号は互いに相補の関係である。
【0012】
またさらに、この他の従来の電動機制御装置の構成例として、図10に示されるものがある。これは、ホールセンサを角度検出センサとして適用した電動機を制御する電動機制御装置である。図10において図8と同一の符号は、同一の働き、動作をする。ここで、33bはゲート信号生成回路、34は区間識別手段、36はホールセンサである。
【0013】
図11はホールセンサ36の詳細な構成を表す図である。図11において、37は回転磁性体、38aはU相ホール素子/ホールIC、38bはV相ホール素子/ホールIC、38cはW相ホール素子/ホールICである。ホールセンサ36は回転磁性体37による磁束を、三相(U,V,W)それぞれ電気角度的に120度ずつ位相差をもって配置されるホール素子/ホールIC 38a〜cにより検出し、この磁束の変化から回転角度を検出する装置である。ホール素子/ホールICからはU−sns、V−sns、W−snsの三相(u,V,W)それぞれが角度一周期につき1パルスで相互に120度ずつの位相差を持った矩形信号を出力する。各出力信号の論理(‘H’か‘L’)の組み合わせにより角度一周(360度)を60度ごとに分解して各区間を区分して検出することができる。
【0014】
図12はホールセンサ出力信号と角度区間識別の関係を表している。すなわちU−sns、V−sns、W−snsがそれぞれ”H−L−H”の時は区間I:30〜90度と、”H−L−L”の時は区間II:90〜150度と、”H−H−L”の時は区間III:150〜210度と、”L−H−L”の時は区間IV:210〜270度と、”L−H−H”の時は区間V:270〜330度と、”L−L−H”の時は区間VI:330〜30度と、それぞれ区間識別することができる。
【0015】
制御演算装置30内の区間識別手段34は、ホールセンサ36からのU−sns、V−sns、W−sns信号を入力して、上記手法により角度の区間識別を行い、識別結果をゲート信号生成回路33bへ伝送する。ゲート信号生成回路33bは、例えば公知の120度通電法といった矩形波スイッチング法によりゲート信号を生成し、ゲート駆動回路19へ伝送する。つづいて、ゲート駆動回路19の出力により、電力変換半導体20内のスイッチング素子21がスイッチングされる。120度通電という呼称は、全角度範囲(0〜360度)において120度の区間をスイッチONすることを指す。
【0016】
その一例として図12の角度区間とゲート信号出力の関係で表される形式のものがある。すなわち、U相上側スイッチング素子を区間I:30〜90度及び区間II:90〜150度の間スイッチONし、さらに区間II:90〜150度ではPWMスイッチングする。また、U相下側スイッチング素子を区間IV:210〜270度及び区間V:270〜330度の間スイッチONし、さらに区間V:270〜330度ではPWMスイッチングするものである。V相、W相の上下スイッチング素子については、それぞれU相スイッチング素子のON区間から120度、240度の位相差をもってスイッチONされる。ここで各PWMスイッチングのデューティは外部からのデューティ指示値Va*あるいは制御演算装置30内部で作成される値を用いて指定され、デューティを変化させることにより電動機15に印可する電圧を調整する。
【0017】
図13は120度通電法におけるゲート信号の波形例である。図において各スイッチング素子は全角度範囲0〜360度のうち120度の間スイッチONされ、またスイッチONの区間の後半60度にわたりPWMされる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従来の位置検出装置は上記のようにR/Dコンバータを備えた構成である。R/Dコンバータは角度検出を行うための重要部品であるとともに位置検出装置の構成要素の内で高いコスト比率を占めており、位置検出装置を廉価に製造する妨げとなっている。一方で廉価な位置検出装置として上記のホールセンサがある。ホールセンサを角度検出器として適用した電動機制御装置は従来例として示される通り比較的簡素な構成となる。しかしホールセンサは特に自動車の内燃機関直近に配置されるような用途には、周辺温度の上昇に対して耐性が低いという問題点があった。また、レゾルバと組み合わせる位置検出装置を120度通電法といった矩形波スイッチング法に適用する場合には、電気角度一周(360度)を60度ごとに分解して各区間を区分するために、R/Dコンバータからの角度検出値を煩雑に読み込みながら区間の切り替わりを認識する必要があった。これを補うためホールセンサを模擬した信号を出力する機能を従たる機能として備えるR/Dコンバータも提供されているが、ホールセンサを使用した位置検出装置に比較して相対的に高価であるという問題があった。
【0019】
この発明は上記の問題を解決するためになされたもので、R/Dコンバータを備えず廉価な構成であるロータの回転角度位置検出装置を提供すると共に、例えば矩形波スイッチング法と組み合わせて比較的簡素な電動機制御装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わるロータの回転角度位置検出装置は、励磁信号が励磁コイルに入力され、ロータの回転角度θに応じた誘導電圧を二次コイル(SIN)に振幅変調信号(SIN)として、かつ、二次コイル(COS)に振幅変調信号(COS)として、それぞれ出力するレゾルバ、このレゾルバの振幅変調信号(SIN)と振幅変調信号(COS)が導入され、これらから振幅変調信号(SIN)/振幅変調信号(COS)=振幅比信号(TAN)と振幅変調信号(COS)/振幅変調信号(SIN)=振幅比信号(COT)を算出し、算出した振幅比信号(TAN)と振幅比信号(COT)を基にロータの回転角度θを検出する位置検出器を備えたものである。これにより、R/Dコンバータを使用しない廉価な構成の位置検出装置を得ることができる。
【0021】
また、位置検出器は、振幅比信号(TAN)と振幅比信号(COT)を基に、ロータの回転角度θを30度毎又は60度毎の区間に区分して区間区分値を出力する区間識別手段を備えたものである。これにより、R/Dコンバータを使用しない廉価な構成であり、さらにレゾルバと組み合わせる位置検出装置でありながら、ホールセンサの出力信号から得られる回転角度の区間識別と同様な機能を有する位置検出装置を得ることができる。
【0022】
位置検出器は、上記区間区分値を所定の角度又は所定の時間だけ進み又は遅れて出力する出力タイミング調整手段を備えたものである。これにより、レゾルバの取り付けの工作性などに起因する回転角度検出誤差の補償、又は、回転角度検出値に対する区間区分値の出力タイミングの微調整の機能を有する位置検出装置を得ることができる。
【0023】
位置検出器は、振幅変調信号(SIN)の検波手段有し、検波した振幅変調信号(SIN)の符号により、ロータの回転角度θが角度0〜180度内か角度180〜360度内かを識別するようにしたものである。これにより、ロータの回転角度θが角度0〜180度内か角度180〜360度内かを識別できる。
【0024】
また、位置検出器は、振幅比信号(TAN)の絶対値と振幅比信号(COT)の絶対値の大小を比較して、|振幅比信号(TAN)|≦|振幅比信号(COT)|のときは、振幅比信号(TAN)を採用し、|振幅比信号(TAN)|>|振幅比信号(COT)|のときは、振幅比信号(COT)を採用して、ロータの回転角度θを検出するようにしたものである。これにより、振幅比信号の絶対値が小さい範囲の値を用いて回転角度検出又は回転角度区分識別を行うため、演算誤差を減らすことができる。
【0025】
また、パワー素子を内蔵した電力変換装置と、上記パワー素子のスイッチングを制御する制御演算装置とを備え、レゾルバを電動機の角度検出センサとして適用して電動機を制御する電動機制御装置において、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の位置検出装置を備えたものである。これにより、特に自動車の内燃機関直近に配置されるような用途において周辺温度の上昇に対して充分な耐性を持つレゾルバを回転角度検出センサとして適用しつつ、R/Dコンバータを使用しない位置検出装置を備えた廉価な電動機制御装置を得ることができる。
【0026】
さらにまた、パワー素子を内蔵した電力変換装置と、上記パワー素子のスイッチングを制御する制御演算装置とを有し、レゾルバを電動機の角度検出センサとして適用して電動機を制御する電動機制御装置において、請求項4または請求項5記載の位置検出装置を備え、上記パワー素子のスイッチング制御信号が請求項4または請求項5記載の区間区分値に同期してなされるようにしたものである。これにより、R/Dコンバータを使用しない位置検出装置を備え、さらに、矩形波スイッチング法と組み合わせてゲート信号生成のための演算動作を軽減できるため、より廉価な電動機制御装置を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は実施の形態1による位置検出装置を示すブロック図である。図1において、1は一相励磁二相出力方式のレゾルバ、2bは位置検出器、3は信号伝送線、4はロータ、5は励磁コイル、6は二次コイル(SIN)、7は二次コイル(COS)、8は励磁回路、9は入力インターフェイス回路、10は差動増幅器A、11は差動増幅器B、40は割算器(TAN)、41は割算器(COT)、42は角度検出演算手段、43はA/D変換器(TAN)、44はA/D変換器(COT)、45は角度変換手段、46は区間識別手段、47は出力タイミング調整手段、50は検波手段である。
【0028】
図1において、図7と同一符号は同様の機能を担う構成要素である。従来技術例と同様に、励磁回路8にて周期信号である励磁信号ER1R2(一般的には正弦波信号)を生成し、信号伝送線3を経てレゾルバ1の励磁コイル5に入力する。この時、ロータ4の回転角度θに応じた誘導電圧が二次コイル(SIN)6、二次コイル(COS)7の両端に発生する。ここで二次コイル(SIN)6には正弦波状に振幅変調された信号ES2S4が、二次コイル(COS)7には余弦波状に振幅変調された信号ES1S3が誘起され、それぞれ振幅変調信号(SIN)、振幅変調信号(COS)となす。
【0029】
ここで、レゾルバ1の理想的な励磁信号、及び、振幅変調信号はそれぞれ次式で表される。
【数3】
Figure 2004012387
但し、Kは励磁コイル5に対する二次コイル6,7の変圧比、θはロータ4の回転角度、frefは励磁信号の周波数である。図2はθが単調増加している場合の励磁信号、振幅変調信号の波形例を示している。
【0030】
ここで位置検出器2bの動作説明に先立ち、この発明の振幅変調信号の振幅比に基づく角度検出、および、レゾルバ角度を30度毎の区間に区分する区間識別の動作原理について述べる。図4は、レゾルバ角度を30度毎に区分したときの境における振幅変調信号(SIN)、振幅変調信号(COS)、振幅比信号(TAN)、振幅比信号(COT)の値を示している。ここで振幅変調信号の欄は、図2および(式4)、(式5)に示される振幅変調信号において、励磁(搬送波)成分を取り除いた検波後の振幅値を示している。すなわち、検波後の振幅変調信号(SIN)=K・E・sinθとなり、角度0〜90〜180度の間はプラス、180〜270〜360度の間はマイナスの値となる。また、検波後の振幅変調信号(COS)=K・E・cosθとなり、角度90〜180〜270度の間はマイナス、270〜0〜90度の間はプラスの値となる。
【0031】
また、振幅比信号(TAN)は振幅変調信号(SIN)÷振幅変調信号(COS)の関係であり正接(tan)関数となる。つまり角度θが増加している場合に、角度90〜180〜270度の間、270〜0〜90度の間で−∞から+∞まで増加する。ここで角度θ=30、210度で振幅値1/√3、角度θ=60、240度で振幅値√3、角度θ=150、330度で振幅値(−1/√3)、角度θ=120、300度で振幅値(−√3)、角度θ=0、180度で振幅値0となる。さらに、振幅比信号(COT)は振幅変調信号(COS)÷振幅変調信号(SIN)の関係であり、余接(cot)関数となる。つまり角度θが増加している場合に、角度0〜90〜180度の間、180〜270〜360度の間で+∞から−∞まで減少する。ここで角度θ=60、240度で振幅値1/√3、角度θ=30、210度で振幅値√3、角度θ=120、300度で振幅値(−1/√3)、角度θ=150、330度で振幅値(−√3)、角度θ=90、270度で振幅値0となる。また、振幅比信号(TAN)と振幅比信号(COT)の値は角度θ=45、225度において等しく1となり、角度θ=135、315度において等しく−1となる。
【0032】
これらを整理して図示すると、図5のように表される。すなわち振幅比信号(TAN)、振幅比信号(COT)の値の(−√3)、(−1/√3)、0、1/√3、√3に対する大小関係を比較することで、角度0〜90〜180度内の角度区分VIb、Ia、Ib、IIa、IIb、IIIa、角度180〜270〜360度内の角度区分IIIb、IVa、IVb、Va、Vb、VIaを識別することができる。角度0〜90〜180度と角度180〜270〜360度の識別については、例えば検波後の振幅変調信号(SIN)の符号により行うことができる。すなわち符号がプラスの場合は角度0〜90〜180度であり、マイナスの場合は角度180〜270〜360度である。
【0033】
さらに振幅比信号(TAN)と振幅比信号(COT)の値同士の大小関係を比較して、角度検出、角度区分識別に採用する振幅比信号を適宜選択することができる。つまり、各振幅比信号の絶対値から、|振幅比信号(TAN)|≦|振幅比信号(COT)|の場合は振幅比信号(TAN)を選択し、|振幅比信号(TAN)|>|振幅比信号(COT)|の場合は振幅比信号(COT)を選択すれば、振幅比信号の絶対値が小さい範囲の値を用いて角度検出、角度区分識別を行うため、演算誤差を減らすことができる。これは振幅比信号を算出するために、割算演算を行う際のダイナミックレンジの設定に関連する。
【0034】
以上の原理による位置検出器2bの動作は次のようになる。まず振幅変調信号(SIN)、振幅変調信号(COS)が入力インターフェイス回路9に入力されて差動増幅器A10、差動増幅器B11で増幅された後、割算器(TAN)40、割算器(COT)41にそれぞれ伝送される。割算器(TAN)40では振幅変調信号(SIN)÷振幅変調信号(COS)の演算が行われて振幅比信号(TAN)が出力される。また割算器(COT)41では振幅変調信号(COS)÷振幅変調信号(SIN)の演算が行われて振幅比信号(COT)が出力される。
【0035】
続いて、角度検出演算手段42に各振幅比信号が入力されて、それぞれA/D変換器(TAN)43、A/D変換器(COT)44にてアナログ/ディジタル変換され数値データとして算出される。角度変換手段45では正接(tan)成分と余接(cot)成分の数値データを用いてレゾルバ角度を算出し角度検出値として出力する。算出の過程において、前述のように各数値データの絶対値の大小関係に基づいて、演算入力対象の数値データを演算誤差が少なくなるように選択し、この数値データの逆関数(tan成分の場合はarctanを、cot成分の場合はarccot)を求める。逆関数を求めるには級数展開式に基づく方法など種々考えられるが、tan成分、cot成分の数値データと角度検出値とを対応付けた変換マップを用いると演算量が少なく適切である。
【0036】
また差動増幅器A10、差動増幅器B11の出力は、検波手段50へ伝送されて搬送波成分を取り除いた検波後の振幅変調信号K・E・sinθ、K・E・cosθが出力される。
【0037】
続いて、検波後振幅変調信号は角度変換手段45に入力される。角度変換手段45では検波後振幅変調信号=K・E・sinθの符号からレゾルバ角度の0度〜90度〜180度、180度〜270度〜360度の別を判別する。判別した結果、180度〜270度〜360度の範囲に有る場合は、数値データの逆関数の算出結果に180度を加算し、また、0度〜90度〜180度の範囲に有る場合は数値データの逆関数の算出結果に何も加算せずに角度検出値となす。以上のようにして振幅変調信号を用いた二つの振幅比信号に基づいて、レゾルバ角度、即ち、レゾルバのロ−タの回転角度θが算出される。
【0038】
一方、角度区間の識別および区間区分値の出力動作は以下のようになる。図3は、区間識別手段46の詳細な構成を表すブロック図である。図3において、51は正接(tan)演算器、52は区分手段(TAN)、53は区分手段(COT)、54は絶対値演算器(TAN)、55は絶対値演算器(COT)、56はコンパレータ、57は切替スイッチである。
【0039】
次に動作について説明する。まず、検波手段50の出力K・E・sinθ、K・E・cosθと割算器(TAN)40の出力である振幅比信号(TAN)、割算器(COT)41の出力である振幅比信号(COT)、および、後述の出力タイミング調整手段47が出力する調整成分Δθが区間識別手段46に入力される。調整成分Δθは正接(tan)演算器51に入力されtan(Δθ)が算出される。区分手段(TAN)52にはtan(Δθ)、K・E・sinθ、K・E・cosθ、振幅比信号(TAN)が入力される。
【0040】
区分手段(TAN)52では、これら入力を元に角度区間の識別・区分が行われる。まず、調整成分Δθの影響を加味して次式の演算を行う。
【数4】
Figure 2004012387
ただし tanθは振幅比信号(TAN)を算式として表現したものであり、tan(θ+Δθ)は調整成分Δθにより補正された後のタイミング補正後振幅比信号(TAN)である。
【0041】
続いて、タイミング補正後振幅比信号(TAN)から、前述の動作原理に基づいて角度区間の識別を行う。まず、検波後振幅変調信号=K・E・sinθの符号からレゾルバ角度の0度〜90度〜180度、180度〜270度〜360度の別を判別する。さらにレゾルバ角度が0〜90〜180度に有り、かつ、タイミング補正後振幅比信号(TAN)の値が[0,1/√3]の範囲の場合は区間VIb、[1/√3,√3]の範囲の場合は区間Ia、[√3,+∞]の範囲の場合は区間Ib、[−∞,(−√3)]の範囲の場合は区間IIa、[(−√3),(−1/√3)]の範囲の場合は区間IIb、[(−1/√3),0]の範囲の場合は区間IIIaと識別して、この区間区分値を出力する。また、レゾルバ角度が180〜270〜360度にあり、かつ、タイミング補正後振幅比信号(TAN)の値が[0,1/√3]の範囲の場合は区間IIIb、[1/√3,√3]の範囲の場合は区間IVa、[√3,+∞]の範囲の場合は区間IVb、[−∞,(−√3)]の範囲の場合は区間Va、[(−√3),(−1/√3)]の範囲の場合は区間Vb、[(−1/√3),0]の範囲の場合は区間VIaと識別して、この区間区分値を出力する。
【0042】
区分手段(COT)53においても、区分手段(TAN)52と同様な動作がなされる。まず、調整成分Δθの影響を加味して次式の演算を行う。
【数5】
Figure 2004012387
ただしcotθは振幅比信号(COT)を算式として表現したものであり、cot(θ+Δθ)は調整成分Δθにより補正された後のタイミング補正後振幅比信号(COT)である。
【0043】
続いて、前述の動作原理に基づいて角度区間の識別を行う。まず、検波後振幅変調信号=K・E・sinθの符号からレゾルバ角度の0度〜90度〜180度、180度〜270度〜360度の別を判別する。レゾルバ角度が0〜90〜180度にあり、かつ、タイミング補正後振幅比信号(COT)の値が[√3,+∞]の範囲の場合は区間VIb、[1/√3,√3]の範囲の場合は区間Ia、[0,1/√3]の範囲の場合は区間Ib、[0,(−1/√3)]の範囲の場合は区間IIa、[(−1/√3),(−√3)]の範囲の場合は区間IIb、[(−√3),−∞]の範囲の場合は区間IIIaと識別して、この区間区分値を出力する。また、レゾルバ角度が180〜270〜360度にあり、かつ、タイミング補正後振幅比信号(COT)の値が[√3,+∞]の範囲の場合は区間IIIb、[1/√3,√3]の範囲の場合は区間IVa、[0,1/√3]の範囲の場合は区間IVb、[0,(−1/√3)]の範囲の場合は区間Va、[(−1/√3),(−√3)]の範囲の場合は区間Vb、[(−√3),−∞]の範囲の場合は区間VIaと識別して、この区間区分値を出力する。
【0044】
また、振幅比信号(TAN)が絶対値演算器(TAN)54によりその絶対値が算出され、また、振幅比信号(COT)が絶対値演算器(COT)55によりその絶対値が算出されて、コンパレータ56により、これらの大小関係が比較される。続いて、コンパレータ56の出力により|振幅比信号(TAN)|≧|振幅比信号(COT)|の場合は切替スイッチ57が区分手段(COT)53の出力を区間識別手段46の区間区分値出力として選択するよう動作し、|振幅比信号(TAN)|<|振幅比信号(COT)|の場合は切替スイッチ57が区分手段(TAN)52の出力を区間識別手段46の区間区分値出力として選択するよう動作する。これは、すなわち振幅比信号の絶対値が小さい範囲の値を用いて角度区分識別をおこなうことで演算誤差を減らすように作用する。なお、絶対値演算器(TAN)54、絶対値演算器(COT)55の入力として振幅比信号(TAN)、振幅比信号(COT)の替わりにタイミング補正後振幅比信号(TAN)、タイミング補正後振幅比信号(COT)を用いても良い。
なお、30度毎に区分する替りに、同様にして、60度毎に区分して区間区分値を出力するよにしてもよい。
【0045】
続いて、区間識別手段46の出力する区間区分値は出力タイミング調整手段47に伝送される。出力タイミング調整手段では所定の角度あるいは所定の時間だけ区間区分値の出力タイミングを進みあるいは遅らせるよう調整する。これは調整成分Δθの量を操作することによってなされる。すなわち、角度を進ませる際にΔθをプラスの方向に調整し、角度を遅らせる際にΔθをマイナスの方向に調整する。また、時間を調整する場合にはその時の回転速度と時間の関係から時間の調整量を角度の調整量に置き換えてΔθを操作する。これは 調整成分Δθ=(回転角速度ωr)×(時間調整量Δt)の式に基づく。回転角速度ωrがプラスであり角度検出値θが増加している場合に時間を進ませる際はΔθをプラスの方向に調整し、時間を遅らせる際はΔθをマイナスの方向に調整する。回転角速度ωrがマイナスであり角度検出値θが減少している場合にはΔθの調整方向のプラス、マイナスは、この逆となる。また、単に時間を遅らせるだけならば、区間識別手段46の出力する区間区分値に対して時間差を置いてこれを出力するようにしても良い。調整成分Δθを操作して角度、時間の進み遅れを調整する場合は区間識別手段46からの区間区分値をそのまま出力して補正後区間区分値となす。
【0046】
以上述べた動作により、この発明の位置検出装置はレゾルバの出力する二つの振幅変調信号(SIN),(COS)から二つの振幅比信号(TAN),(COT)を算出し、これらを基に、ロータの回転角度を検出すると共に、30度毎又は60度毎に区間区分値を出力することができる。さらには区間区分値の出力を、所定の角度又は所定の時間だけ進みあるいは遅れるようタイミングを調整して出力することができる。これは、R/Dコンバータを使用しない廉価な構成であり、かつ、レゾルバと組み合わせる位置検出装置でありながら、ホールセンサの出力信号から得られる角度の区間識別と同様な機能を有しており、さらに、レゾルバの取り付けの工作性などに起因する角度検出誤差の補償、あるいは、角度検出値に対する区間区分値の出力タイミングの微調整の機能を有する位置検出装置を提供することができる。
【0047】
実施の形態2.
次に実施の形態2を図を用いて説明する。図6は実施の形2による電動機制御装置を示すブロック図である。図10のホールセンサ36の替わりにレゾルバ1を、区間識別手段34の替わりに位置検出器2bを備えることを除いて、図10で示す、ホールセンサを角度検出センサとして適用して電動機を制御する電動機制御装置を示すブロック図と同一構成である。また、位置検出器2bは図1にて図示されるものと同じである。
【0048】
図6において、電動機15の角度検出センサとしてレゾルバ1が適用されている。また、位置検出器2bは制御演算装置30に内包されている。励磁回路にて生成される周期信号ER1R2を励磁コイルに入力すると、レゾルバの回転角度すなわち電動機15の回転角度θに応じた位置信号が振幅変調信号(SIN)、振幅変調信号(COS)として得られる。それぞれの振幅変調信号を位置検出器2bに入力すると、実施の形態1にて述べられる動作により回転角度検出値、および、補正後区間区分値が出力される。補正後区間区分値は、レゾルバ1の角度に対して所定の角度又は所定の時間だけ区間区分値の出力タイミングを進み又は遅らせるよう調整された後の出力値である。
【0049】
進みや遅れの無い場合の区間区分値は、角度0〜30度の場合に区間VIb、度30〜60度の場合に区間Ia、角度60〜90度の場合に区間Ib、角度90〜120度の場合に区間IIa、角度120〜150度の場合に区間IIb、角度150〜180度の場合に区間IIIa、角度180〜210度の場合に区間IIIb、角度210〜240度の場合に区間IVa、角度240〜270度の場合に区間IVb、角度270〜300度の場合に区間Va、角度300〜330度の場合に区間Vb、角度330〜360度の場合に区間VIaとして出力され、ゲート信号生成回路33bへ伝送される。
【0050】
ゲート信号生成回路33bは、公知の120度通電法といった矩形波スイッチング法によりゲート信号を生成し、ゲート駆動回路19へ伝送する。続いて、ゲート駆動回路19の出力により、電力変換半導体20内のスイッチング素子21がスイッチングされる。120度通電法としては従来技術の項で述べた図12で示される様態のものがある。すなわち、U相上側スイッチング素子を区間I:30〜90度及び区間II:90〜150度の間スイッチONし、さらに区間II:90〜150度ではPWMスイッチングする。また、U相下側スイッチング素子を区間IV:210〜270度及び区間V:270〜330度の間スイッチONし、さらに区間V:270〜330度ではPWMスイッチングするものである。V相、W相の上下スイッチング素子については、それぞれU相スイッチング素子のON区間から120度、240度の位相差をもってスイッチONされる。この場合、区間区分を60度毎に行うことが必要となる。
【0051】
この他にU相上側スイッチング素子については区間Ia:30〜60度と区間IIb:120〜150度を、U相下側スイッチング素子については区間IVa:210〜240度と区間Vb:300〜330度をPWMスイッチングする区間とし、V相、W相の上下スイッチング素子については、それぞれU相スイッチング素子のON区間から120度、240度の位相差をもってスイッチONされる様態のものもある。この場合、区間区分を30度毎に行うことが必要となる。
【0052】
また、各PWMスイッチングのデューティは外部からのデューティ指示値Va*あるいは制御演算装置30内部で作成される値を用いて指定される。デューティを変化させることにより電動機15に印可する電圧の振幅を調整することができる。また、補正後区間区分値としてレゾルバ1の角度に対して所定の角度又は所定の時間だけ区間区分値の出力タイミングを進み又は遅らせるよう調整することができることから、電動機15の回転に対して印可する電圧の位相を調整することができる。
【0053】
以上のことから、矩形波スイッチング法と組み合わせてゲート信号生成のための演算動作を軽減できる廉価な電動機制御装置を得ることができる。
この他、図示していないが、従来技術として図8に示されるレゾルバを角度検出センサとして適用して電動機を制御する電動機制御装置を示すブロック図において、従来の位置検出器2aの替わりに実施の形態1による位置検出器2bを適用する場合もある。このとき、制御演算装置30はベクトル制御法により電動機15を駆動することとなるが、位置検出器2bがR/Dコンバータ12を備えないため、従来構成より廉価な電動機制御装置を提供することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明のロータの回転角度位置検出装置によれば、励磁信号が励磁コイルに入力され、ロータの回転角度θに応じた誘導電圧を二次コイル(SIN)に振幅変調信号(SIN)として、かつ、二次コイル(COS)に振幅変調信号(COS)として、それぞれ出力するレゾルバ、このレゾルバの振幅変調信号(SIN)と振幅変調信号(COS)が導入され、これらから振幅変調信号(SIN)/振幅変調信号(COS)=振幅比信号(TAN)と振幅変調信号(COS)/振幅変調信号(SIN)=振幅比信号(COT)を算出し、算出した振幅比信号(TAN)と振幅比信号(COT)を基にロータの回転角度θを検出する位置検出器を備えたものである。これにより、R/Dコンバータを使用しない廉価な構成の位置検出装置を得ることができる。
【0055】
また、位置検出器は、振幅比信号(TAN)と振幅比信号(COT)を基に、ロータの回転角度θを30度毎又は60度毎の区間に区分して区間区分値を出力する区間識別手段を備えたものである。これにより、R/Dコンバータを使用しない廉価な構成であり、さらにレゾルバと組み合わせる位置検出装置でありながら、ホールセンサの出力信号から得られる回転角度の区間識別と同様な機能を有する位置検出装置を得ることができる。
【0056】
位置検出器は、上記区間区分値を所定の角度又は所定の時間だけ進み又は遅れて出力する出力タイミング調整手段を備えたものである。これにより、レゾルバの取り付けの工作性などに起因する回転角度検出誤差の補償、又は、回転角度検出値に対する区間区分値の出力タイミングの微調整の機能を有する位置検出装置を得ることができる。
【0057】
位置検出器は、振幅変調信号(SIN)の検波手段有し、検波した振幅変調信号(SIN)の符号により、ロータの回転角度θが角度0〜180度内か角度180〜360度内かを識別するようにしたものである。これにより、検出したロータの回転角度θが角度0〜180度内か角度180〜360度内かを識別できる。
【0058】
また、位置検出器は、振幅比信号(TAN)の絶対値と振幅比信号(COT)の絶対値の大小を比較して、|振幅比信号(TAN)|≦|振幅比信号(COT)|のときは、振幅比信号(TAN)を採用し、|振幅比信号(TAN)|>|振幅比信号(COT)|のときは、振幅比信号(COT)を採用して、ロータの回転角度θを検出するようにしたものである。これにより、振幅比信号の絶対値が小さい範囲の値を用いて回転角度検出又は回転角度区分識別を行うため、演算誤差を減らすことができる。
【0059】
また、パワー素子を内蔵した電力変換装置と、上記パワー素子のスイッチングを制御する制御演算装置とを備え、レゾルバを電動機の角度検出センサとして適用して電動機を制御する電動機制御装置において、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の位置検出装置を備えたものである。これにより、特に自動車の内燃機関直近に配置されるような用途において周辺温度の上昇に対して充分な耐性を持つレゾルバを回転角度検出センサとして適用しつつ、R/Dコンバータを使用しない位置検出装置を備えた廉価な電動機制御装置を得ることができる。
【0060】
さらにまた、パワー素子を内蔵した電力変換装置と、上記パワー素子のスイッチングを制御する制御演算装置とを有し、レゾルバを電動機の角度検出センサとして適用して電動機を制御する電動機制御装置において、請求項4または請求項5記載の位置検出装置を備え、上記パワー素子のスイッチング制御信号が請求項4または請求項5記載の区間区分値に同期してなされるようにしたものである。これにより、R/Dコンバータを使用しない位置検出装置を備え、さらに、矩形波スイッチング法と組み合わせてゲート信号生成のための演算動作を軽減できるため、制御演算装置部分が、より廉価な電動機制御装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の位置検出装置を示すブロック図である。
【図2】一相励磁二相出力方式のレゾルバの動作説明図である。
【図3】実施の形態1の区間識別手段の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】区間区分の境に対する振幅変調信号、振幅比信号の特性の一覧を示す図である。
【図5】実施の形態1の区間識別の動作原理の説明図である。
【図6】実施の形態2の電動機制御装置を示すブロック図である。
【図7】従来の位置検出装置を示すブロック図である。
【図8】従来の電動機制御装置を示すブロック図である。
【図9】従来のベクトル制御法におけるゲート信号の波形の一例を示す図である。
【図10】従来の矩形波スイッチング法による電動機制御装置を示すブロック図である。
【図11】従来のホールセンサの詳細な構成を示すブロック図である。
【図12】従来のホールセンサ出力信号と角度区間識別および120度通電法のゲート信号出力の動作説明図である。
【図13】従来の120度通電法におけるゲート信号の波形の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 レゾルバ           2a,2b 位置検出器
3 信号伝送線           4 ロータ
5 励磁コイル           6 二次コイル(SIN)
7 二次コイル(COS)                 8 励磁回路
9 入力インターフェイス回路   10 差動増幅器A
11 差動増幅器B         12 R/Dコンバータ
15 電動機            16 直流電源
17 電力変換装置         18a U相電流検出器
18b V相電流検出器       19 ゲート駆動回路
20 電力変換半導体
21a U相上アームスイッチング素子
21b U相下アームスイッチング素子
22a U相上アームフライホイールダイオード
22b U相下アームフライホイールダイオード
30 制御演算装置         31 電流信号入力回路
32 ベクトル制御演算回路
33a,33b ゲート信号生成回路 34 区間識別手段
36 ホールセンサ         37 回転磁性体
38a U相ホール素子/ホールIC   38b V相ホール素子/ホールIC
38c W相ホール素子/ホールIC   40 割算器(TAN)
41 割算器(COT)                   42 角度検出演算手段
43 A/D変換器(TAN)                44 A/D変換器(COT)
45 角度変換手段         46 区間識別手段
47 出力タイミング調整手段    50 検波手段
51 正接(tan)演算器        52 区分手段(TAN)
53 区分手段(COT)                 54 絶対値演算器(TAN)
55 絶対値演算器(COT)             56 コンパレータ
57 切替スイッチ。

Claims (7)

  1. 励磁信号が励磁コイルに入力され、ロータの回転角度θに応じた誘導電圧を二次コイル(SIN)に振幅変調信号(SIN)として、かつ、二次コイル(COS)に振幅変調信号(COS)として、それぞれ出力するレゾルバ、
    このレゾルバの振幅変調信号(SIN)と振幅変調信号(COS)が導入され、これらから振幅変調信号(SIN)/振幅変調信号(COS)=振幅比信号(TAN)と
    振幅変調信号(COS)/振幅変調信号(SIN)=振幅比信号(COT)を算出し、
    算出した振幅比信号(TAN)と振幅比信号(COT)を基にロータの回転角度θを検出する位置検出器を備えたロータの回転角度位置検出装置。
  2. 上記位置検出器は、振幅比信号(TAN)と振幅比信号(COT)を基に、ロータの回転角度θを30度毎又は60度毎の区間に区分して区間区分値を出力する区間識別手段を備えた請求項1記載のロータの回転角度位置検出装置。
  3. 上記位置検出器は、上記区間区分値を所定の角度又は所定の時間だけ進み又は遅れて出力する出力タイミング調整手段を備えた請求項2記載のロータの回転角度位置検出装置。
  4. 上記位置検出器は、振幅変調信号(SIN)の検波手段有し、検波した振幅変調信号(SIN)の符号により、ロータの回転角度θが角度0〜180度内か角度180〜360度内かを識別するようにした請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のロータの回転角度位置検出装置。
  5. 上記位置検出器は、振幅比信号(TAN)の絶対値と振幅比信号(COT)の絶対値の大小を比較して、
    |振幅比信号(TAN)|≦|振幅比信号(COT)|のときは、振幅比信号(TAN)を採用し、
    |振幅比信号(TAN)|>|振幅比信号(COT)|のときは、振幅比信号(COT)を採用して、ロータの回転角度θを検出するようにした請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のロータの回転角度位置検出装置。
  6. パワー素子を内蔵した電力変換装置と、上記パワー素子のスイッチングを制御する制御演算装置とを備え、レゾルバを電動機の角度検出センサとして適用して電動機を制御する電動機制御装置において、
    請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の位置検出装置を備えた電動機制御装置。
  7. パワー素子を内蔵した電力変換装置と、上記パワー素子のスイッチングを制御する制御演算装置とを有し、レゾルバを電動機の角度検出センサとして適用して電動機を制御する電動機制御装置において、請求項4または請求項5記載の位置検出装置を備え、上記パワー素子のスイッチング制御信号が請求項4または請求項5記載の区間区分値に同期してなされるようにした電動機制御装置。
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