JP2004011744A - 歯形電磁クラッチ・ブレーキ - Google Patents
歯形電磁クラッチ・ブレーキ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004011744A JP2004011744A JP2002165562A JP2002165562A JP2004011744A JP 2004011744 A JP2004011744 A JP 2004011744A JP 2002165562 A JP2002165562 A JP 2002165562A JP 2002165562 A JP2002165562 A JP 2002165562A JP 2004011744 A JP2004011744 A JP 2004011744A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- armature
- rotor ring
- tooth
- electromagnetic clutch
- meshing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D27/00—Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor
- F16D27/10—Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings
- F16D27/118—Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings with interengaging jaws or gear teeth
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T29/00—Metal working
- Y10T29/49—Method of mechanical manufacture
- Y10T29/49002—Electrical device making
- Y10T29/4902—Electromagnet, transformer or inductor
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Braking Arrangements (AREA)
Abstract
【課題】歯形電磁クラッチにおいて、アーマチュア及びロータリングに必要な精度及び機械的特性を確保するとともに製造コストを低減する。
【解決手段】互いに噛み合う噛み合い凹部13および噛み合い凸部24を有するロータリング9及びアーマチュア18を相対回転及び軸方向移動可能に設ける。コイル6の電磁力及びクラッチスプリング27のばね力によって、アーマチュア18とロータリング9とを結合、離脱することにより、スリーブ20とシャフト10との間でトルクを伝達、遮断する。圧延鋼板のブランクをプレス加工してアーマチュア18及びロータリング9を成形することにより、これらに必要な精度及び機械的特性を確保するとともに、製造コストを低減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに噛み合う噛み合い凹部13および噛み合い凸部24を有するロータリング9及びアーマチュア18を相対回転及び軸方向移動可能に設ける。コイル6の電磁力及びクラッチスプリング27のばね力によって、アーマチュア18とロータリング9とを結合、離脱することにより、スリーブ20とシャフト10との間でトルクを伝達、遮断する。圧延鋼板のブランクをプレス加工してアーマチュア18及びロータリング9を成形することにより、これらに必要な精度及び機械的特性を確保するとともに、製造コストを低減することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、歯形の噛み合いによってトルクを伝達する歯形電磁クラッチ・ブレーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
歯形電磁クラッチは、一般的に、互いに噛み合う歯形を有するリング状のアーマチュアとロータリングとを相対回転および軸方向に移動可能に設け、アーマチュアに磁界を作用させるコイルを配置した構造であり、コイルに通電して磁界を発生させ、アーマチュアを軸方向に移動させてアーマチュアとロータリングとを係合、離脱させことにより、アーマチュアおよびロータリングに連結された回転軸間のトルクを伝達および遮断する。
【0003】
歯形電磁クラッチは、歯形の噛み合いによってトルクを伝達するので、すべりを生じることがなく、小型で高トルクを確実に伝達することができ、また、離脱時には、確実にトルクを遮断することができ、つれまいを生じることがない。なお、歯形電磁クラッチは、ロータリングを固定又は制動することによって、電磁ブレーキとして作動させることもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の歯形電磁クラッチでは、一般的に、歯形を有するアーマチュアおよびロータリングは、ワンリードホブ、フライスカッター、インボリュートピニオンカッター等を用いて機械加工され、あるいは、焼結金属を用いた粉末冶金法によって製造されているため、次のような問題がある。
【0005】
機械加工による場合には、歯面の成形に多数の工程を要するため、製造に時間がかかり、特に噛み合い歯形の数が多い場合に問題となる。また、噛み合い歯形の割り出し精度を確保することが困難であり、加工不良を生じやすい。
【0006】
一方、粉末冶金法による場合には、大量生産することにより、金型製造等のコストをある程度圧縮することができるが、材質が限定され、歯部の機械的強度を確保することが困難であるという問題があり、また、材料密度等による製品寿命および製造コストへの影響が大きい。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、歯形電磁クラッチ・ブレーキにおいて、アーマチュア及びロータリングについて必要な機械的特性を確保するとともに、製造コストを低減することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、相対回転および軸方向移動可能に設けられ、互いに噛み合う歯形を有するアーマチュアおよびロータリングと、前記アーマチュアと前記ロータリングとを吸引、吸着させる電磁力を発生させるコイルとを備え、前記歯面の噛み合いによってトルクを伝達する歯形電磁クラッチ・ブレーキにおいて、
前記アーマチュアおよびロータリングをプレス成形したことを特徴とする。
このように構成したことにより、アーマチュアおよびロータリングをプレス成形して、必要な精度および機械的特性を得る。
なお、電磁クラッチは、アーマチュアまたはロータリングの一方を固定または制動することにより、ブレーキとして使用することができるので、本発明は、歯形電磁クラッチおよび歯形電磁ブレーキに同様に適用することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係る歯形電磁クラッチについて、図1ないし図10を参照して説明する。図1ないし図4に示すように、歯形電磁クラッチ1は、フィールドコイル2に、ロータ3及びアーマチュアドライブ4が相対回転可能に取付けられている。フィールドコイル2は、ベース板5に、環状に配置されたコイル6を収容したハウジング7が取付けられ、これらにブッシュ8が嵌合、挿通されて、略円筒状に形成されている。
【0010】
ロータ3は、有底円筒状のロータリング9と、ロータリング9の底部に取付けられた円筒状のシャフト10と、シャフト10に圧入された支持軸11とから構成されている。シャフト10は、フィールドコイル2のブッシュ8に回転可能に挿通されてスナップリング12によって軸方向に固定されている。ロータリング9の円筒部は、所定の隙間をもってコイル6のハウジング7の外周を覆っている。
【0011】
図5ないし図7に示すように、ロータリング9には、底部の外側端面の外周部に、18個の噛み合い凹部13が円周方向に沿って中心角20°で等配されて、環状の歯面が形成されている。環状の歯面の内周部には、6個の円弧状の長穴15が円周方向に沿って中心角60°で等配されている。また、底部の中央部には、矩形の開口16が形成されており、この開口16にシャフト10の一端部に形成された矩形の端部を嵌合させて、ロータリング9とシャフト10との回り止めがなされている。シャフト10の他端部には、回転軸(図示せず)を連結するための矩形の連結部17が形成されている。
【0012】
ロータリング9は、板厚t1=3.2mmの深絞り用冷間圧延鋼板(SPCE−SD)のブランクをプレス加工することによって成形されており、主要部の寸法は、直径D1=50mm、軸方向寸法L1=12.3mm、噛み合い凹部13の数Z1=18、幅W1=2.8mm、深さd=0.8mm、圧力角α=23°となっている。なお、図5中、矢印Xは、長穴15および開口16のプレス抜き方向を示す。また、ロータリング9は、ガス軟窒化法よる表面硬化処理がなされている。
【0013】
図1ないし図4に示すように、アーマチュアドライブ4は、ロータリング9に対向するリング状のアーマチュア18と、アーマチュア18の背面に配置されたガイドリング19と、一端部がガイドリング19に一体に結合された円筒状のスリーブ20とから構成されている。スリーブ20は、ロータ3の支持軸11がブッシュ21を介して回転可能に挿通されて、スナップリング22によって軸方向に固定されている。スリーブ20の他端部には、回転軸(図示せず)を連結するための矩形の連結部23が形成されている。
【0014】
図8ないし図10に示すように、アーマチュア18には、ロータリング9の歯面に対向させて、円周方向に沿って、噛み合い凹部13と係合可能な9個の噛み合い凸部24が円周方向に沿って中心角40°で等配されて環状の歯面が形成されている。アーマチュア18の外周部には、3つのU字溝25が噛み合い凸部24の間に中心角120°で等配されている。そして、ガイドリング19から突出するガイド爪部19AがU字溝25に摺動可能に嵌合されて、アーマチュア18をガイドリング19と一体回転させるとともに、軸方向に移動可能に支持している。また、アーマチュア18は、内周縁部に形成されたばね座26にクラッチスプリング27が係合されており、そのばね力によってロータリング9から離間する方向に常時付勢されている。なお、アーマチュア18には、U字溝25の内面を仕上げ加工する際の位置決め用ガイド穴28が設けられている。
【0015】
アーマチュア18は、板厚t2=2.8mmの深絞り用冷間圧延鋼板(SPCE−SD)のブランクをプレス加工することによって成形されており、主要部の寸法は、外径D2=46mm、内径D3=24mm、噛み合い凸部24の数Z2=9、幅W2=2.6mm、高さH=0.7mm、圧力角β=23°となっている。アーマチュア18は、例えば次のようなプレス工程によって成形することができる。▲1▼環状のブランクを成形する。▲2▼ブランクに9個の噛み合い凸部24および3個のばね座26を成形する。▲3▼3個のU字溝25およびガイド穴28を形成する。▲4▼U字溝25の内面をシェービング加工する。▲5▼U字溝25の内面を面押しして仕上げる。さらに、ガス軟窒化法よって表面硬化処理を行う。
【0016】
以上のように構成した歯形電磁クラッチ1の作用について次に説明する。
コイル6に通電すると、アーマチュア18は、電磁力によって、ロータリング9側に吸引され、クラッチスプリング27のばね力に抗して移動して、ロータリング9に吸着される。これにより、アーマチュア18の噛み合い凸部24とロータリング9の噛み合い凹部13とが噛み合い、スリーブ20とシャフト10との間でトルクを伝達する。このとき、噛み合い凸部24と噛み合い凹部13との噛み合いによって、アーマチュア18とロータリング9のとの間で滑りが生じることがないので、トルクを確実に伝達することができる。
【0017】
コイル6への通電を停止すると、電磁力が解消し、クラッチスプリング27のばね力によってアーマチュア18がロータリング9から離間して、スリーブ20とシャフト10との間でトルクが遮断される。このとき、クラッチスプリング27のばね力によって、アーマチュア18の噛み合い凸部24とロータリング9の噛み合い凹部13とが確実に離間されるので、トルクを確実に遮断することができ、つれまいを生じることがない。
【0018】
ロータリング9およびアーマチュア18をプレス加工によって成形するようにしたので、圧延鋼板を用いて金型によって大量生産が可能であり、製造コストを低減することができる。そして、歯面の精度、機械的強度、磁気特性等において、所望の特性が得やすくなり、また、歯面の歯数、歯形の圧力角、U字溝の数、形状等を任意に設定することができ、クラッチの容量、用途等に応じて幅広く展開することが可能となる。
【0019】
なお、上記実施形態では、歯形電磁クラッチについて説明しているが、歯形電磁クラッチは、ロータリングを固定又は制動することによって、ブレーキとして作動させることができるので、本発明は、歯形電磁ブレーキにも同様に適用することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明に係る歯形電磁クラッチ・ブレーキによれば、アーマチュア及びロータリングをプレス成形したことにより、これらに必要な精度及び機械的特性を確保するとともに、製造コストを低減することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る歯形電磁クラッチの縦断面図である。
【図2】図1に示す歯形電磁クラッチの側面図である。
【図3】図1に示す歯形電磁クラッチの正面図である。
【図4】図1に示す歯形電磁クラッチの背面図である。
【図5】図1に示す歯形電磁クラッチのロータリングの図6におけるA−A線による縦断面図である。
【図6】図5に示すロータリングの正面図である。
【図7】図5に示すロータリングの噛み合い凹部を拡大して示す図である。
【図8】図1に示す歯形電磁クラッチのアーマチュアの縦断面図である。
【図9】図8に示すアーマチュアの正面図である。
【図10】図8に示すアーマチュアの噛み合い凸部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1 歯形電磁クラッチ
6 コイル
9 ロータリング
13 噛み合い凹部(歯形)
18 アーマチュア
24 噛み合い凸部(歯形)
【産業上の利用分野】
本発明は、歯形の噛み合いによってトルクを伝達する歯形電磁クラッチ・ブレーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
歯形電磁クラッチは、一般的に、互いに噛み合う歯形を有するリング状のアーマチュアとロータリングとを相対回転および軸方向に移動可能に設け、アーマチュアに磁界を作用させるコイルを配置した構造であり、コイルに通電して磁界を発生させ、アーマチュアを軸方向に移動させてアーマチュアとロータリングとを係合、離脱させことにより、アーマチュアおよびロータリングに連結された回転軸間のトルクを伝達および遮断する。
【0003】
歯形電磁クラッチは、歯形の噛み合いによってトルクを伝達するので、すべりを生じることがなく、小型で高トルクを確実に伝達することができ、また、離脱時には、確実にトルクを遮断することができ、つれまいを生じることがない。なお、歯形電磁クラッチは、ロータリングを固定又は制動することによって、電磁ブレーキとして作動させることもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の歯形電磁クラッチでは、一般的に、歯形を有するアーマチュアおよびロータリングは、ワンリードホブ、フライスカッター、インボリュートピニオンカッター等を用いて機械加工され、あるいは、焼結金属を用いた粉末冶金法によって製造されているため、次のような問題がある。
【0005】
機械加工による場合には、歯面の成形に多数の工程を要するため、製造に時間がかかり、特に噛み合い歯形の数が多い場合に問題となる。また、噛み合い歯形の割り出し精度を確保することが困難であり、加工不良を生じやすい。
【0006】
一方、粉末冶金法による場合には、大量生産することにより、金型製造等のコストをある程度圧縮することができるが、材質が限定され、歯部の機械的強度を確保することが困難であるという問題があり、また、材料密度等による製品寿命および製造コストへの影響が大きい。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、歯形電磁クラッチ・ブレーキにおいて、アーマチュア及びロータリングについて必要な機械的特性を確保するとともに、製造コストを低減することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、相対回転および軸方向移動可能に設けられ、互いに噛み合う歯形を有するアーマチュアおよびロータリングと、前記アーマチュアと前記ロータリングとを吸引、吸着させる電磁力を発生させるコイルとを備え、前記歯面の噛み合いによってトルクを伝達する歯形電磁クラッチ・ブレーキにおいて、
前記アーマチュアおよびロータリングをプレス成形したことを特徴とする。
このように構成したことにより、アーマチュアおよびロータリングをプレス成形して、必要な精度および機械的特性を得る。
なお、電磁クラッチは、アーマチュアまたはロータリングの一方を固定または制動することにより、ブレーキとして使用することができるので、本発明は、歯形電磁クラッチおよび歯形電磁ブレーキに同様に適用することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係る歯形電磁クラッチについて、図1ないし図10を参照して説明する。図1ないし図4に示すように、歯形電磁クラッチ1は、フィールドコイル2に、ロータ3及びアーマチュアドライブ4が相対回転可能に取付けられている。フィールドコイル2は、ベース板5に、環状に配置されたコイル6を収容したハウジング7が取付けられ、これらにブッシュ8が嵌合、挿通されて、略円筒状に形成されている。
【0010】
ロータ3は、有底円筒状のロータリング9と、ロータリング9の底部に取付けられた円筒状のシャフト10と、シャフト10に圧入された支持軸11とから構成されている。シャフト10は、フィールドコイル2のブッシュ8に回転可能に挿通されてスナップリング12によって軸方向に固定されている。ロータリング9の円筒部は、所定の隙間をもってコイル6のハウジング7の外周を覆っている。
【0011】
図5ないし図7に示すように、ロータリング9には、底部の外側端面の外周部に、18個の噛み合い凹部13が円周方向に沿って中心角20°で等配されて、環状の歯面が形成されている。環状の歯面の内周部には、6個の円弧状の長穴15が円周方向に沿って中心角60°で等配されている。また、底部の中央部には、矩形の開口16が形成されており、この開口16にシャフト10の一端部に形成された矩形の端部を嵌合させて、ロータリング9とシャフト10との回り止めがなされている。シャフト10の他端部には、回転軸(図示せず)を連結するための矩形の連結部17が形成されている。
【0012】
ロータリング9は、板厚t1=3.2mmの深絞り用冷間圧延鋼板(SPCE−SD)のブランクをプレス加工することによって成形されており、主要部の寸法は、直径D1=50mm、軸方向寸法L1=12.3mm、噛み合い凹部13の数Z1=18、幅W1=2.8mm、深さd=0.8mm、圧力角α=23°となっている。なお、図5中、矢印Xは、長穴15および開口16のプレス抜き方向を示す。また、ロータリング9は、ガス軟窒化法よる表面硬化処理がなされている。
【0013】
図1ないし図4に示すように、アーマチュアドライブ4は、ロータリング9に対向するリング状のアーマチュア18と、アーマチュア18の背面に配置されたガイドリング19と、一端部がガイドリング19に一体に結合された円筒状のスリーブ20とから構成されている。スリーブ20は、ロータ3の支持軸11がブッシュ21を介して回転可能に挿通されて、スナップリング22によって軸方向に固定されている。スリーブ20の他端部には、回転軸(図示せず)を連結するための矩形の連結部23が形成されている。
【0014】
図8ないし図10に示すように、アーマチュア18には、ロータリング9の歯面に対向させて、円周方向に沿って、噛み合い凹部13と係合可能な9個の噛み合い凸部24が円周方向に沿って中心角40°で等配されて環状の歯面が形成されている。アーマチュア18の外周部には、3つのU字溝25が噛み合い凸部24の間に中心角120°で等配されている。そして、ガイドリング19から突出するガイド爪部19AがU字溝25に摺動可能に嵌合されて、アーマチュア18をガイドリング19と一体回転させるとともに、軸方向に移動可能に支持している。また、アーマチュア18は、内周縁部に形成されたばね座26にクラッチスプリング27が係合されており、そのばね力によってロータリング9から離間する方向に常時付勢されている。なお、アーマチュア18には、U字溝25の内面を仕上げ加工する際の位置決め用ガイド穴28が設けられている。
【0015】
アーマチュア18は、板厚t2=2.8mmの深絞り用冷間圧延鋼板(SPCE−SD)のブランクをプレス加工することによって成形されており、主要部の寸法は、外径D2=46mm、内径D3=24mm、噛み合い凸部24の数Z2=9、幅W2=2.6mm、高さH=0.7mm、圧力角β=23°となっている。アーマチュア18は、例えば次のようなプレス工程によって成形することができる。▲1▼環状のブランクを成形する。▲2▼ブランクに9個の噛み合い凸部24および3個のばね座26を成形する。▲3▼3個のU字溝25およびガイド穴28を形成する。▲4▼U字溝25の内面をシェービング加工する。▲5▼U字溝25の内面を面押しして仕上げる。さらに、ガス軟窒化法よって表面硬化処理を行う。
【0016】
以上のように構成した歯形電磁クラッチ1の作用について次に説明する。
コイル6に通電すると、アーマチュア18は、電磁力によって、ロータリング9側に吸引され、クラッチスプリング27のばね力に抗して移動して、ロータリング9に吸着される。これにより、アーマチュア18の噛み合い凸部24とロータリング9の噛み合い凹部13とが噛み合い、スリーブ20とシャフト10との間でトルクを伝達する。このとき、噛み合い凸部24と噛み合い凹部13との噛み合いによって、アーマチュア18とロータリング9のとの間で滑りが生じることがないので、トルクを確実に伝達することができる。
【0017】
コイル6への通電を停止すると、電磁力が解消し、クラッチスプリング27のばね力によってアーマチュア18がロータリング9から離間して、スリーブ20とシャフト10との間でトルクが遮断される。このとき、クラッチスプリング27のばね力によって、アーマチュア18の噛み合い凸部24とロータリング9の噛み合い凹部13とが確実に離間されるので、トルクを確実に遮断することができ、つれまいを生じることがない。
【0018】
ロータリング9およびアーマチュア18をプレス加工によって成形するようにしたので、圧延鋼板を用いて金型によって大量生産が可能であり、製造コストを低減することができる。そして、歯面の精度、機械的強度、磁気特性等において、所望の特性が得やすくなり、また、歯面の歯数、歯形の圧力角、U字溝の数、形状等を任意に設定することができ、クラッチの容量、用途等に応じて幅広く展開することが可能となる。
【0019】
なお、上記実施形態では、歯形電磁クラッチについて説明しているが、歯形電磁クラッチは、ロータリングを固定又は制動することによって、ブレーキとして作動させることができるので、本発明は、歯形電磁ブレーキにも同様に適用することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明に係る歯形電磁クラッチ・ブレーキによれば、アーマチュア及びロータリングをプレス成形したことにより、これらに必要な精度及び機械的特性を確保するとともに、製造コストを低減することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る歯形電磁クラッチの縦断面図である。
【図2】図1に示す歯形電磁クラッチの側面図である。
【図3】図1に示す歯形電磁クラッチの正面図である。
【図4】図1に示す歯形電磁クラッチの背面図である。
【図5】図1に示す歯形電磁クラッチのロータリングの図6におけるA−A線による縦断面図である。
【図6】図5に示すロータリングの正面図である。
【図7】図5に示すロータリングの噛み合い凹部を拡大して示す図である。
【図8】図1に示す歯形電磁クラッチのアーマチュアの縦断面図である。
【図9】図8に示すアーマチュアの正面図である。
【図10】図8に示すアーマチュアの噛み合い凸部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1 歯形電磁クラッチ
6 コイル
9 ロータリング
13 噛み合い凹部(歯形)
18 アーマチュア
24 噛み合い凸部(歯形)
Claims (1)
- 相対回転および軸方向移動可能に設けられ、互いに噛み合う歯形を有するアーマチュアおよびロータリングと、前記アーマチュアと前記ロータリングとを吸引、吸着させる電磁力を発生させるコイルとを備え、前記歯面の噛み合いによってトルクを伝達する歯形電磁クラッチ・ブレーキにおいて、
前記アーマチュアおよびロータリングをプレス成形したことを特徴とする歯形電磁クラッチ・ブレーキ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002165562A JP2004011744A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 歯形電磁クラッチ・ブレーキ |
US10/449,964 US6910564B2 (en) | 2002-06-06 | 2003-05-30 | Toothed electromagnetic clutch brake |
EP03253556A EP1369612A3 (en) | 2002-06-06 | 2003-06-05 | Toothed electromagnetic clutch-brake |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002165562A JP2004011744A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 歯形電磁クラッチ・ブレーキ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004011744A true JP2004011744A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=29545821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002165562A Pending JP2004011744A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 歯形電磁クラッチ・ブレーキ |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6910564B2 (ja) |
EP (1) | EP1369612A3 (ja) |
JP (1) | JP2004011744A (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7311183B2 (en) * | 2005-03-28 | 2007-12-25 | Black Jr Robert A | Adjustable clutch brake and method of use thereof |
JP5264322B2 (ja) * | 2008-07-01 | 2013-08-14 | 日本電産サンキョー株式会社 | モータ |
JP5264323B2 (ja) * | 2008-07-01 | 2013-08-14 | 日本電産サンキョー株式会社 | モータ |
US8646586B2 (en) | 2010-06-15 | 2014-02-11 | John Catrinta | Torque-limiting clutch brake |
CN102287458A (zh) * | 2011-07-26 | 2011-12-21 | 王万年 | 端齿电磁离合器 |
EP2899421A3 (en) * | 2014-01-27 | 2016-02-17 | Dana Automotive Systems Group , LLC | Electromagnetic connect/disconnect system for a vehicle |
DE112015003243B4 (de) | 2014-07-13 | 2022-01-20 | Dana Automotive Systems Group, Llc | Achstrennsystem und verfahren zum aufrechterhalten eines ein-griffs dieses achstrennsystems |
US10323699B2 (en) | 2015-07-02 | 2019-06-18 | Dana Automotive Systems Group, Llc | Electromagnetic connect/disconnect system for a vehicle |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US1756907A (en) * | 1928-06-09 | 1930-04-29 | Goodwin Hall J | Electromagnetic clutch |
US1847926A (en) * | 1929-02-28 | 1932-03-01 | Monroe Calculating Machine | Method of forming internal and crown gears |
GB394863A (en) * | 1932-08-19 | 1933-07-06 | Landis & Gyr A I G | An improved synchronous electric motor |
GB539451A (en) * | 1939-12-11 | 1941-09-11 | Stewart Warner Corp | Electrical speedometers |
GB1210235A (en) * | 1967-05-16 | 1970-10-28 | Mullard Ltd | Improvements in or relating to electric motors |
US3672042A (en) * | 1971-04-26 | 1972-06-27 | Eaton Corp | Method of making pole members |
US3917042A (en) * | 1974-04-29 | 1975-11-04 | Hubert Wayne Summa | Magnetic clutch |
US4010832A (en) * | 1975-06-24 | 1977-03-08 | Facet Enterprises, Inc. | Return spring for teeth clutch -- two stage force |
DE2917548A1 (de) * | 1979-04-30 | 1980-11-06 | Agfa Gevaert Ag | Elektromagnetische, schleifringlose kupplung |
US4566566A (en) * | 1983-09-19 | 1986-01-28 | Societe Alsacienne De Construction De Material Textile | Device for temporarily uncoupling two coaxial rotating elements |
US5035310A (en) * | 1986-07-23 | 1991-07-30 | Michael Meyerle | Clutch, particularly for automatic transmission for automotive vehicles |
DE19832390A1 (de) * | 1998-07-18 | 1999-03-04 | Sbs Sondermaschinen Gmbh | Elektrische Maschine |
JP4472797B2 (ja) * | 1998-10-15 | 2010-06-02 | 株式会社ピーエヌ | 金属製品のプレス加工方法と順送加工方法 |
AU1540600A (en) * | 1998-12-03 | 2000-06-19 | Atoma International Corp. | Power actuator having an electromagnetic clutch assembly |
-
2002
- 2002-06-06 JP JP2002165562A patent/JP2004011744A/ja active Pending
-
2003
- 2003-05-30 US US10/449,964 patent/US6910564B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2003-06-05 EP EP03253556A patent/EP1369612A3/en not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6910564B2 (en) | 2005-06-28 |
EP1369612A3 (en) | 2005-04-27 |
US20040035665A1 (en) | 2004-02-26 |
EP1369612A2 (en) | 2003-12-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5770601B2 (ja) | シートリクライニング装置 | |
EP1852623B1 (en) | Coned disc spring | |
JP6044754B2 (ja) | クラッチプレートおよびその製造方法 | |
US11049634B2 (en) | Electromagnetic actuator and connection/disconnection apparatus | |
JP4508925B2 (ja) | 回転電機のヨークおよびヨークの製造方法 | |
JP2004011744A (ja) | 歯形電磁クラッチ・ブレーキ | |
EP1000275B1 (en) | One-piece flywheel having outer ring gear portion, and process of manufacturing the same | |
EP2690300A1 (en) | Friction clutch plate, friction clutch and driving force transmission apparatus | |
JP4633807B2 (ja) | 摩擦係合用ピストン及びスプリングシート | |
JP2008121870A (ja) | 鳴きを低減する電磁ブレーキ | |
JP2009133382A (ja) | サイクロ減速機 | |
JP2009133382A6 (ja) | サイクロ減速機 | |
JP7243253B2 (ja) | 駆動力伝達装置及びその製造方法 | |
CN216002299U (zh) | 座椅倾斜装置 | |
JP2010014222A (ja) | ローラ型ワンウェイクラッチの外輪の加工方法 | |
US11448266B2 (en) | Disk for a disk clutch or brake, disk clutch or brake with such a disk, and a method for producing such a disk | |
JPH0625719Y2 (ja) | 電磁クラッチ・電磁ブレーキ | |
JP4626201B2 (ja) | 電磁式クラッチ装置 | |
JP2010276187A (ja) | 密封装置の製造方法 | |
JP2008067555A (ja) | ロータ組立体とその製造方法 | |
JP2007016860A (ja) | 鋳造円筒体および自動変速機のクラッチドラム | |
JP4096679B2 (ja) | 磁路形成部材の製造方法 | |
JP2010149994A (ja) | ブレーキ装置 | |
JP2005036863A (ja) | 摩擦クラッチ及び駆動力伝達装置 | |
EP1467122A1 (en) | Method of producing an engine flywheel, and engine flywheel so produced |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040623 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060809 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060904 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061206 |