JP2004011003A - 水素貯蔵材料およびそれを用いた水素貯蔵容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】室温で外部に有効に取り出せる水素量を従来以上に高めた高容量の水素貯蔵材料を提供する。
【解決手段】水素吸蔵合金粉末と、C元素を含む結晶粉末、水素化合物粉末またはMg粉末とからなる水素貯蔵材料であって、前記水素吸蔵合金粉末と、前記C元素を含む結晶粉末、水素化合物粉末またはMg粉末とは、混合された状態で互いに接合されており、前記水素吸蔵合金の結晶と、前記C元素を含む結晶、水素化合物の結晶またはMgの結晶とは、いずれも維持されている。
【選択図】 なし
【解決手段】水素吸蔵合金粉末と、C元素を含む結晶粉末、水素化合物粉末またはMg粉末とからなる水素貯蔵材料であって、前記水素吸蔵合金粉末と、前記C元素を含む結晶粉末、水素化合物粉末またはMg粉末とは、混合された状態で互いに接合されており、前記水素吸蔵合金の結晶と、前記C元素を含む結晶、水素化合物の結晶またはMgの結晶とは、いずれも維持されている。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素吸蔵材料およびそれを用いた水素貯蔵容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題ならびにエネルギー問題の観点から、燃料電池自動車、定置用燃料電池、および携帯用燃料電池への適用を目指した燃料電池技術の開発が活発化している。燃料電池の種類としては多種知られているが、なかでも燃料として水素を用い、酸化剤として空気もしくは酸素を用いる固体高分子型燃料電池の商品化がなされつつある。
【0003】
水素の燃料電池への供給方法に関しては、水素源から逐次水素を発生させて供給する方法と、貯蔵された水素を徐々に供給する方法がある。水素の発生方法としては、水の電気分解や、化石燃料の改質が挙げられ、水素の貯蔵方法としては、高圧水素あるいは液体水素にして貯蔵する方法や、水素貯蔵材料に水素を吸蔵させる貯蔵方法がある。
【0004】
燃料電池の広範囲の普及のためには、室温低圧動作が可能で、高容量かつ外部からのエネルギー供給が殆ど必要ない水素供給装置が必要不可欠である。特に、燃料電池自動車ならびに携帯用燃料電池においては、こういった性能の水素供給装置が威力を発揮する。上記を鑑みると、従来の水素供給方法のなかでは、水素貯蔵材料に水素を吸蔵させ、これを徐々に燃料電池に供給する方法が有力候補となる。
【0005】
水素貯蔵材料については、水素吸蔵合金、炭素元素を含む結晶粉末、水素化合物(ケミカルハイドライド)などが有望である。
例えば、V(バナジウム)含有水素吸蔵合金の場合、室温動作では、2.5重量%の水素を貯蔵可能である。
また、300℃以上の高温動作では、Mg金属が7重量%程度の水素を貯蔵可能であることが確かめられている。
また、炭素は、室温以下で、7重量%程度の水素を吸蔵することが知られているが、室温では吸蔵した水素を放出しない。また、水素化合物は、室温での放出速度が極めて遅く、実用的でないうえ、水素化合物の再生も困難である。
すなわち、室温動作が可能な水素貯蔵材料としては、水素吸蔵合金が実用的であるが、外部に有効に取り出せる水素の吸蔵量は、水素吸蔵合金の2.5重量%までが限界である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、燃料電池に用いる水素貯蔵部として有望な水素貯蔵材料が有する上記問題を鑑みてなされたものであり、室温で外部に有効に取り出せる水素の吸蔵量を従来以上に高めた水素貯蔵材料、およびそれを用いた水素貯蔵容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水素吸蔵合金粉末および炭素元素を含む結晶粉末からなる水素貯蔵材料であって、前記水素吸蔵合金粉末と前記炭素元素を含む結晶粉末とは、混合された状態で互いに接合されており、前記水素吸蔵合金の結晶および前記炭素元素を含む結晶は、いずれも維持されている水素貯蔵材料に関する。
本発明は、また、水素吸蔵合金粉末および水素化合物粉末からなる水素貯蔵材料であって、前記水素吸蔵合金粉末と前記水素化合物粉末とは、混合された状態で互いに接合されており、前記水素吸蔵合金の結晶および前記水素化合物の結晶は、いずれも維持されている水素貯蔵材料に関する。
本発明は、また、水素吸蔵合金粉末およびMg粉末からなる水素貯蔵材料であって、前記水素吸蔵合金粉末と前記Mg粉末とは、混合された状態で互いに接合されており、前記水素吸蔵合金の結晶および前記Mgの結晶は、いずれも維持されている水素貯蔵材料に関する。
本発明は、また、上記の水素貯蔵材料からなる水素貯蔵容器に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
本実施の形態にかかる水素貯蔵材料は、水素吸蔵合金粉末と、C元素を含む結晶粉末とを混合して接合し、一体化させたものである。C元素を含む結晶粉末は、通常、室温では吸蔵した水素を放出しないが、これを水素吸蔵合金粉末と一体化することにより、室温でも、その全てまたは一部を外部に有効に取り出すことができるようになる。この現象は、水素吸蔵合金には、気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用があることに基づいている。従って、最大で、水素吸蔵合金が吸蔵する水素とC元素を含む結晶粉末が吸蔵する水素の合計量を、室温において放出させることが可能となり、外部に有効に取り出せる水素の貯蔵量を従来以上に高めることができる。
【0009】
水素吸蔵合金には、(1)希土類元素と、NiまたはCoとを、原子比1:5で含む六方晶を主相とする希土類含有水素吸蔵合金(例えばLaNi5、LaCo5、PrNi5、PrCo5など)、(2)遷移金属と、Tiおよび/またはZrとを、原子比(1.5〜2):1で含むラーベス相を主相とするラーベス相含有水素吸蔵合金(例えばTiMn1.5、ZrMn2、Ti0.7Zr0.3Mn2など)、(3)bcc相を主相とするV含有水素吸蔵合金(例えばVTi0.01、Ti0.25Cr0.35V0.4など)、(4)TiFe、(5)TiCo、(6)CaNi5などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、C元素を含む結晶粉末と一体化しやすいことや、水素の吸蔵および放出を促進する作用が強いことから、LaNi5が特に好ましい。
【0010】
水素吸蔵合金粉末の平均粒径は、10〜100μmであることが好ましい。水素吸蔵合金粉末の平均粒径が大きすぎると、C元素を含む結晶粉末との一体化が困難になるとともに、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分にC元素を含む結晶粉末に行き渡らない。一方、水素吸蔵合金粉末の平均粒径が小さすぎると、合金粉末の表面酸化により、一体化による水素の吸蔵・放出の活性化が困難となる。
【0011】
C元素を含む結晶粉末には、例えばカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、フラーレン、黒鉛などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で、用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、水素吸蔵量が多いことから、カーボンナノチューブが特に好ましい。
【0012】
C元素を含む結晶粉末の平均粒径は、100μm以下であることが好ましい。C元素を含む結晶粉末の平均粒径が大きすぎると、水素吸蔵合金粉末との一体化が困難になるとともに、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分にC元素を含む結晶粉末に行き渡らない。
【0013】
混合された水素吸蔵合金粉末とC元素を含む結晶粉末とを一体化する方法としては、高圧プレス法、メカニカルアロイング法等が挙げられる。これらの方法によれば、水素吸蔵合金の結晶とC元素を含む結晶のそれぞれが維持された状態の一体化物(水素吸蔵材料)を得ることができる。
高圧プレス法では、例えばAr雰囲気下で100トン/cm2程度の圧力を混合物に印加することが好ましい。また、メカニカルアロイング法は、Ar雰囲気下で行うことが好ましく、10ヘルツ程度の振動数で10時間程度実施することが好ましい。
【0014】
水素吸蔵合金粉末と混合するC元素を含む結晶粉末の量は、水素吸蔵合金粉末100体積部あたり100〜1000体積部であることが好ましい。C元素を含む結晶粉末の量が多すぎると、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分にC元素を含む結晶粉末に行き渡らない。一方、C元素を含む結晶粉末の量が少なすぎると、外部に有効に取り出せる水素の貯蔵量の大きな水素貯蔵材料を得ることができない。
【0015】
次に、上記水素貯蔵材料からなる水素貯蔵容器について、図1を参照しながら説明する。水素貯蔵容器は、図1に示すように、水素吸蔵合金粉末とC元素を含む結晶粉末とを混合して接合し、一体化させた水素貯蔵材料1を、水素を密封可能な材料からなる容器2に充填することにより、得ることができる。容器2には、水素の注入と排出を行うための水素流通管3、および容器内の水素圧を制御するための水素圧制御弁4を設ければよい。
【0016】
実施の形態2
本実施の形態にかかる水素貯蔵材料は、水素吸蔵合金粉末と、水素化物粉末とを混合して接合し、一体化させたものである。
水素化物粉末は、通常、室温では吸蔵した水素の放出が極めて遅く、実用的には殆ど放出できないが、これを水素吸蔵合金粉末と一体化することにより、室温でも水素を迅速に外部に有効に取り出すことができるようになる。この現象は、水素吸蔵合金には、気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用があることに基づいている。従って、最大で、水素吸蔵合金が吸蔵する水素と水素化物粉末が吸蔵する水素の合計量を、室温において迅速に放出させることが可能となり、外部に有効に取り出せる水素の貯蔵量を従来以上に高めることができる。また、水素放出後に、元の水素化物を再生する水素化反応も、水素吸蔵合金の作用により促進される。
【0017】
水素吸蔵合金には、実施の形態1で述べた水素吸蔵合金と同様のものを用いることができるが、これらのうちでは、水素化物粉末と一体化しやすいことや、水素の吸蔵および放出を促進する作用が強いことから、LaNi5が特に好ましい。
【0018】
水素化物には、式:AxByHz(Aはアルカリ金属またはアルカリ土類金属、Bは硼素またはアルミニウム、Hは水素であり、0≦x≦10、0≦y≦20、1≦z≦30であり、xとyは同時に0になることはない)で表される化合物を用いることが好ましい。このような水素化物として、例えばLiAlH4、LiBH4、NaAlH4、NaBH4などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
水素化物粉末の平均粒径は、100μm以下であることが好ましい。水素化物粉末の平均粒径が大きすぎると、一体化が困難になるとともに、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分に水素化物粉末に行き渡らない。
【0020】
混合された水素吸蔵合金粉末と水素化物粉末とを一体化する方法としては、高圧プレス法、メカニカルアロイング法等が挙げられる。これらの方法によれば、水素吸蔵合金の結晶と水素化物の結晶のそれぞれが維持された状態の一体化物(水素吸蔵材料)を得ることができる。高圧プレス法やメカニカルアロイング法の条件は、実施の形態1の場合と同様である。
【0021】
水素吸蔵合金粉末と混合する水素化物粉末の量は、水素吸蔵合金粉末100体積部あたり100〜1000体積部であることが好ましい。水素化物粉末の量が多すぎると、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分に水素化物粉末に行き渡らない。一方、水素化物粉末の量が少なすぎると、外部に有効に取り出せる水素の貯蔵量の大きな水素貯蔵材料を得ることができない。
【0022】
なお、上記水素貯蔵材料からなる水素貯蔵容器については、水素吸蔵合金粉末と水素化物粉末とを混合して接合し、一体化させた水素貯蔵材料を用いること以外、実施の形態1と同様にして得ることができる。
【0023】
実施の形態3
本実施の形態にかかる水素貯蔵材料は、水素吸蔵合金粉末と、Mg粉末とを混合して接合し、一体化させたものである。
Mg粉末は、通常、室温では吸蔵した水素を放出できないが、これを水素吸蔵合金粉末と一体化することにより、室温でも水素を外部に有効に取り出すことができるようになる。この現象は、水素吸蔵合金には、気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用があることに基づいている。従って、最大で、水素吸蔵合金が吸蔵する水素とMg粉末が吸蔵する水素の合計量を、室温において迅速に放出させることが可能となり、外部に有効に取り出せる水素の貯蔵量を従来以上に高めることができる。
【0024】
水素吸蔵合金には、実施の形態1で述べた水素吸蔵合金と同様のものを用いることができるが、これらのうちでは、Mg粉末と一体化しやすいことや、水素の吸蔵および放出を促進する作用が強いことから、LaNi5が特に好ましい。
【0025】
混合された水素吸蔵合金粉末とMg粉末とを一体化する方法としては、高圧プレス法、メカニカルアロイング法等が挙げられる。これらの方法によれば、水素吸蔵合金の結晶とMg結晶のそれぞれが維持された状態の一体化物(水素吸蔵材料)を得ることができる。高圧プレス法やメカニカルアロイング法の条件は、実施の形態1の場合と同様である。
【0026】
Mg粉末の平均粒径は、1〜100μmであることが好ましい。Mg粉末の平均粒径が大きすぎると、一体化が困難になるとともに、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分にMg粉末に行き渡らない。一方、Mg粉末の平均粒径が小さすぎると、水素吸蔵合金と接合させる際に発火することがある。
【0027】
水素吸蔵合金粉末と混合するMg粉末の量は、水素吸蔵合金粉末100体積部あたり100〜1000体積部であることが好ましい。Mg粉末の量が多すぎると、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分にMg粉末に行き渡らない。一方、Mg粉末の量が少なすぎると、外部に有効に取り出せる水素の貯蔵量の大きな水素貯蔵材料を得ることができない。
【0028】
なお、上記水素貯蔵材料からなる水素貯蔵容器については、水素吸蔵合金粉末とMg粉末とを混合して接合し、一体化させた水素貯蔵材料を用いること以外、実施の形態1と同様にして得ることができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
《実施例1》
実施の形態1にかかる水素貯蔵材料の一例を用いて、図1に示したような水素貯蔵容器を作製した。
(i)水素貯蔵材料の調製
水素貯蔵材料A1
平均粒径50μmのLaNi5粉末(100重量部のLaNi5あたりの水素貯蔵量は1.2重量部)20体積部と、平均内径0.1μm、平均長1μmのカーボンナノチューブ(カーボンナノチューブ100重量部あたりの水素貯蔵量は7.6重量部)80体積部とを混合し、得られた混合物を、メカニカルアロイング法(条件:振動数10ヘルツで10時間稼働)により、一体化して、水素貯蔵材料A1を得た。得られた水素貯蔵材料をX線回折法により分析したところ、LaNi5に特有のピークおよびカーボンナノチューブに特有のピークが観測された。このことから、LaNi5とカーボンナノチューブは、それぞれ独自の結晶を保持していることが確認できた。
【0031】
水素貯蔵材料A2
平均粒径60μmのVTi0.01粉末(100重量部のVTi0.01あたりの水素貯蔵量は2.4重量部)20体積部と、平均内径0.1μm、平均長1μmのカーボンナノチューブ(カーボンナノチューブ100重量部あたりの水素貯蔵量は7.6重量部)80体積部とを混合し、得られた混合物を、メカニカルアロイング法(条件:振動数10ヘルツで10時間稼働)により、一体化して、水素貯蔵材料A2を得た。得られた水素貯蔵材料をX線回折法により分析したところ、VTi0.01に特有のピークおよびカーボンナノチューブに特有のピークが観測された。このことから、LaNi5とカーボンナノチューブは、それぞれ独自の結晶を保持していることが確認できた。
【0032】
(ii)水素貯蔵容器の作製およびその評価
得られた水素貯蔵材料A1を、内容積が10cm3のステンレス鋼製の方形容器に充填し、容器を密封した。次いで、室温下、この容器内に、容器内圧が10MPaで平衡になるまで水素を供給した。そして、同じく室温下で、容器内から水素の排気を行った。その結果、水素貯蔵材料A1の100重量部あたり、3.8重量部の水素を室温下で有効に取り出すことができた。
また、同様の操作を水素貯蔵材料A2についても行ったところ、水素貯蔵材料A2の100重量部あたり、4.9重量部の水素を室温下で有効に取り出すことができた。
【0033】
以上のように、本発明によれば、室温で外部に有効に取り出せる水素量を従来以上に高めた高容量の水素貯蔵材料が得られる。そして、これを内包した水素貯蔵容器によれば、室温で低エネルギーで燃料電池を稼動することができる。
【0034】
《実施例2》
実施の形態2にかかる水素貯蔵材料の一例を用いて、図1に示したような水素貯蔵容器を作製した。
(i)水素貯蔵材料の調製
水素貯蔵材料B1
平均粒径50μmのLaNi5粉末(100重量部のLaNi5あたりの水素貯蔵量は1.2重量部)20体積部と、平均粒径10μmのLiAlH4(100重量部のLiAlH4あたりの水素貯蔵量は8.0重量部)80体積部とを混合し、得られた混合物を、高圧プレス法(条件:Ar雰囲気下、100トン/cm2の圧力を印加)により、一体化して、水素貯蔵材料B1を得た。得られた水素貯蔵材料をX線回折法により分析したところ、LaNi5に特有のピークおよびLiAlH4に特有のピークが観測された。このことから、LaNi5とLiAlH4は、それぞれ独自の結晶を保持していることが確認できた。
【0035】
水素貯蔵材料B2
平均粒径60μmのVTi0.01粉末(100重量部のVTi0.01あたりの水素貯蔵量は2.4重量部)20体積部と、平均粒径10μmのLiAlH480体積部とを混合し、得られた混合物を、高圧プレス法(条件:Ar雰囲気下、100トン/cm2の圧力を印加)により、一体化して、水素貯蔵材料B2を得た。得られた水素貯蔵材料をX線回折法により分析したところ、VTi0.01に特有のピークおよびLiAlH4に特有のピークが観測された。このことから、LaNi5とLiAlH4は、それぞれ独自の結晶を保持していることが確認できた。
【0036】
(ii)水素貯蔵容器の作製およびその評価
水素貯蔵材料A1の代わりに、水素貯蔵材料B1を用いたこと以外、実施例1と同様の水素貯蔵容器を作製し、同様の評価を行った。その結果、水素貯蔵材料B1の100重量部あたり、3.3重量部の水素を室温下で有効に取り出すことができた。
また、同様の操作を水素貯蔵材料B2についても行ったところ、水素貯蔵材料B2の100重量部あたり、4.5重量部の水素を室温下で有効に取り出すことができた。
【0037】
以上のように、水素化物を用いることによっても、室温で外部に有効に取り出せる水素量を従来以上に高めた高容量の水素貯蔵材料が得られる。そして、これを内包した水素貯蔵容器によれば、室温で低エネルギーで燃料電池を稼動することができる。
【0038】
《実施例3》
実施の形態3にかかる水素貯蔵材料の一例を用いて、図1に示したような水素貯蔵容器を作製した。
(i)水素貯蔵材料の調製
水素貯蔵材料C1
平均粒径50μmのLaNi5粉末(100重量部のLaNi5あたりの水素貯蔵量は1.2重量部)20体積部と、平均粒径10μmのMg粉末(Mg粉末100重量部あたりの水素貯蔵量は6.5重量部)80体積部とを混合し、得られた混合物を、メカニカルアロイング法(条件:振動数10ヘルツで10時間稼働)により、一体化して、水素貯蔵材料C1を得た。得られた水素貯蔵材料をX線回折法により分析したところ、LaNi5に特有のピークおよびMgに特有のピークが観測された。このことから、LaNi5とMgは、それぞれ独自の結晶を保持していることが確認できた。
【0039】
水素貯蔵材料C2
平均粒径60μmのVTi0.01粉末(100重量部のVTi0.01あたりの水素貯蔵量は2.4重量部)20体積部と、平均粒径10μmのMg粉末80体積部とを混合し、得られた混合物を、メカニカルアロイング法(条件:振動数10ヘルツで10時間稼働)により、一体化して、水素貯蔵材料C2を得た。得られた水素貯蔵材料をX線回折法により分析したところ、VTi0.01に特有のピークおよびMgに特有のピークが観測された。このことから、LaNi5とMgは、それぞれ独自の結晶を保持していることが確認できた。
【0040】
(ii)水素貯蔵容器の作製およびその評価
水素貯蔵材料A1の代わりに、水素貯蔵材料C1を用いたこと以外、実施例1と同様の水素貯蔵容器を作製し、同様の評価を行った。その結果、水素貯蔵材料C1の100重量部あたり、3.6重量部の水素を室温下で有効に取り出すことができた。
また、同様の操作を水素貯蔵材料C2についても行ったところ、水素貯蔵材料C2の100重量部あたり、4.6重量部の水素を室温下で有効に取り出すことができた。
【0041】
以上のように、Mg粉末を用いることによっても、室温で外部に有効に取り出せる水素量を従来以上に高めた高容量の水素貯蔵材料が得られる。そして、これを内包した水素貯蔵容器によれば、室温で低エネルギーで燃料電池を稼動することができる。
【0042】
なお、上記実施例1〜3では、水素吸蔵合金とC元素を含む結晶との組み合わせ、水素吸蔵合金と水素化物との組み合わせ、そして水素吸蔵合金とMgの組み合わせの場合について述べたが、水素吸蔵合金粉末と、C元素を含む結晶粉末、水素化物粉末およびMg粉末より選ばれる3種もしくは2種とを組み合わせても、同様の効果が得られることは言うまでもない。本発明は、これらの場合も包含するものである。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、室温で外部に有効に取り出せる水素量を従来以上に高めた高容量の水素貯蔵材料が得られる。従って、高容量かつコンパクトな水素貯蔵容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素貯蔵容器の一例の断面図である。
【符号の説明】
1 水素貯蔵材料
2 容器
3 水素流通管
4 水素圧制御弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素吸蔵材料およびそれを用いた水素貯蔵容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題ならびにエネルギー問題の観点から、燃料電池自動車、定置用燃料電池、および携帯用燃料電池への適用を目指した燃料電池技術の開発が活発化している。燃料電池の種類としては多種知られているが、なかでも燃料として水素を用い、酸化剤として空気もしくは酸素を用いる固体高分子型燃料電池の商品化がなされつつある。
【0003】
水素の燃料電池への供給方法に関しては、水素源から逐次水素を発生させて供給する方法と、貯蔵された水素を徐々に供給する方法がある。水素の発生方法としては、水の電気分解や、化石燃料の改質が挙げられ、水素の貯蔵方法としては、高圧水素あるいは液体水素にして貯蔵する方法や、水素貯蔵材料に水素を吸蔵させる貯蔵方法がある。
【0004】
燃料電池の広範囲の普及のためには、室温低圧動作が可能で、高容量かつ外部からのエネルギー供給が殆ど必要ない水素供給装置が必要不可欠である。特に、燃料電池自動車ならびに携帯用燃料電池においては、こういった性能の水素供給装置が威力を発揮する。上記を鑑みると、従来の水素供給方法のなかでは、水素貯蔵材料に水素を吸蔵させ、これを徐々に燃料電池に供給する方法が有力候補となる。
【0005】
水素貯蔵材料については、水素吸蔵合金、炭素元素を含む結晶粉末、水素化合物(ケミカルハイドライド)などが有望である。
例えば、V(バナジウム)含有水素吸蔵合金の場合、室温動作では、2.5重量%の水素を貯蔵可能である。
また、300℃以上の高温動作では、Mg金属が7重量%程度の水素を貯蔵可能であることが確かめられている。
また、炭素は、室温以下で、7重量%程度の水素を吸蔵することが知られているが、室温では吸蔵した水素を放出しない。また、水素化合物は、室温での放出速度が極めて遅く、実用的でないうえ、水素化合物の再生も困難である。
すなわち、室温動作が可能な水素貯蔵材料としては、水素吸蔵合金が実用的であるが、外部に有効に取り出せる水素の吸蔵量は、水素吸蔵合金の2.5重量%までが限界である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、燃料電池に用いる水素貯蔵部として有望な水素貯蔵材料が有する上記問題を鑑みてなされたものであり、室温で外部に有効に取り出せる水素の吸蔵量を従来以上に高めた水素貯蔵材料、およびそれを用いた水素貯蔵容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水素吸蔵合金粉末および炭素元素を含む結晶粉末からなる水素貯蔵材料であって、前記水素吸蔵合金粉末と前記炭素元素を含む結晶粉末とは、混合された状態で互いに接合されており、前記水素吸蔵合金の結晶および前記炭素元素を含む結晶は、いずれも維持されている水素貯蔵材料に関する。
本発明は、また、水素吸蔵合金粉末および水素化合物粉末からなる水素貯蔵材料であって、前記水素吸蔵合金粉末と前記水素化合物粉末とは、混合された状態で互いに接合されており、前記水素吸蔵合金の結晶および前記水素化合物の結晶は、いずれも維持されている水素貯蔵材料に関する。
本発明は、また、水素吸蔵合金粉末およびMg粉末からなる水素貯蔵材料であって、前記水素吸蔵合金粉末と前記Mg粉末とは、混合された状態で互いに接合されており、前記水素吸蔵合金の結晶および前記Mgの結晶は、いずれも維持されている水素貯蔵材料に関する。
本発明は、また、上記の水素貯蔵材料からなる水素貯蔵容器に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
本実施の形態にかかる水素貯蔵材料は、水素吸蔵合金粉末と、C元素を含む結晶粉末とを混合して接合し、一体化させたものである。C元素を含む結晶粉末は、通常、室温では吸蔵した水素を放出しないが、これを水素吸蔵合金粉末と一体化することにより、室温でも、その全てまたは一部を外部に有効に取り出すことができるようになる。この現象は、水素吸蔵合金には、気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用があることに基づいている。従って、最大で、水素吸蔵合金が吸蔵する水素とC元素を含む結晶粉末が吸蔵する水素の合計量を、室温において放出させることが可能となり、外部に有効に取り出せる水素の貯蔵量を従来以上に高めることができる。
【0009】
水素吸蔵合金には、(1)希土類元素と、NiまたはCoとを、原子比1:5で含む六方晶を主相とする希土類含有水素吸蔵合金(例えばLaNi5、LaCo5、PrNi5、PrCo5など)、(2)遷移金属と、Tiおよび/またはZrとを、原子比(1.5〜2):1で含むラーベス相を主相とするラーベス相含有水素吸蔵合金(例えばTiMn1.5、ZrMn2、Ti0.7Zr0.3Mn2など)、(3)bcc相を主相とするV含有水素吸蔵合金(例えばVTi0.01、Ti0.25Cr0.35V0.4など)、(4)TiFe、(5)TiCo、(6)CaNi5などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、C元素を含む結晶粉末と一体化しやすいことや、水素の吸蔵および放出を促進する作用が強いことから、LaNi5が特に好ましい。
【0010】
水素吸蔵合金粉末の平均粒径は、10〜100μmであることが好ましい。水素吸蔵合金粉末の平均粒径が大きすぎると、C元素を含む結晶粉末との一体化が困難になるとともに、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分にC元素を含む結晶粉末に行き渡らない。一方、水素吸蔵合金粉末の平均粒径が小さすぎると、合金粉末の表面酸化により、一体化による水素の吸蔵・放出の活性化が困難となる。
【0011】
C元素を含む結晶粉末には、例えばカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、フラーレン、黒鉛などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で、用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、水素吸蔵量が多いことから、カーボンナノチューブが特に好ましい。
【0012】
C元素を含む結晶粉末の平均粒径は、100μm以下であることが好ましい。C元素を含む結晶粉末の平均粒径が大きすぎると、水素吸蔵合金粉末との一体化が困難になるとともに、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分にC元素を含む結晶粉末に行き渡らない。
【0013】
混合された水素吸蔵合金粉末とC元素を含む結晶粉末とを一体化する方法としては、高圧プレス法、メカニカルアロイング法等が挙げられる。これらの方法によれば、水素吸蔵合金の結晶とC元素を含む結晶のそれぞれが維持された状態の一体化物(水素吸蔵材料)を得ることができる。
高圧プレス法では、例えばAr雰囲気下で100トン/cm2程度の圧力を混合物に印加することが好ましい。また、メカニカルアロイング法は、Ar雰囲気下で行うことが好ましく、10ヘルツ程度の振動数で10時間程度実施することが好ましい。
【0014】
水素吸蔵合金粉末と混合するC元素を含む結晶粉末の量は、水素吸蔵合金粉末100体積部あたり100〜1000体積部であることが好ましい。C元素を含む結晶粉末の量が多すぎると、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分にC元素を含む結晶粉末に行き渡らない。一方、C元素を含む結晶粉末の量が少なすぎると、外部に有効に取り出せる水素の貯蔵量の大きな水素貯蔵材料を得ることができない。
【0015】
次に、上記水素貯蔵材料からなる水素貯蔵容器について、図1を参照しながら説明する。水素貯蔵容器は、図1に示すように、水素吸蔵合金粉末とC元素を含む結晶粉末とを混合して接合し、一体化させた水素貯蔵材料1を、水素を密封可能な材料からなる容器2に充填することにより、得ることができる。容器2には、水素の注入と排出を行うための水素流通管3、および容器内の水素圧を制御するための水素圧制御弁4を設ければよい。
【0016】
実施の形態2
本実施の形態にかかる水素貯蔵材料は、水素吸蔵合金粉末と、水素化物粉末とを混合して接合し、一体化させたものである。
水素化物粉末は、通常、室温では吸蔵した水素の放出が極めて遅く、実用的には殆ど放出できないが、これを水素吸蔵合金粉末と一体化することにより、室温でも水素を迅速に外部に有効に取り出すことができるようになる。この現象は、水素吸蔵合金には、気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用があることに基づいている。従って、最大で、水素吸蔵合金が吸蔵する水素と水素化物粉末が吸蔵する水素の合計量を、室温において迅速に放出させることが可能となり、外部に有効に取り出せる水素の貯蔵量を従来以上に高めることができる。また、水素放出後に、元の水素化物を再生する水素化反応も、水素吸蔵合金の作用により促進される。
【0017】
水素吸蔵合金には、実施の形態1で述べた水素吸蔵合金と同様のものを用いることができるが、これらのうちでは、水素化物粉末と一体化しやすいことや、水素の吸蔵および放出を促進する作用が強いことから、LaNi5が特に好ましい。
【0018】
水素化物には、式:AxByHz(Aはアルカリ金属またはアルカリ土類金属、Bは硼素またはアルミニウム、Hは水素であり、0≦x≦10、0≦y≦20、1≦z≦30であり、xとyは同時に0になることはない)で表される化合物を用いることが好ましい。このような水素化物として、例えばLiAlH4、LiBH4、NaAlH4、NaBH4などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
水素化物粉末の平均粒径は、100μm以下であることが好ましい。水素化物粉末の平均粒径が大きすぎると、一体化が困難になるとともに、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分に水素化物粉末に行き渡らない。
【0020】
混合された水素吸蔵合金粉末と水素化物粉末とを一体化する方法としては、高圧プレス法、メカニカルアロイング法等が挙げられる。これらの方法によれば、水素吸蔵合金の結晶と水素化物の結晶のそれぞれが維持された状態の一体化物(水素吸蔵材料)を得ることができる。高圧プレス法やメカニカルアロイング法の条件は、実施の形態1の場合と同様である。
【0021】
水素吸蔵合金粉末と混合する水素化物粉末の量は、水素吸蔵合金粉末100体積部あたり100〜1000体積部であることが好ましい。水素化物粉末の量が多すぎると、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分に水素化物粉末に行き渡らない。一方、水素化物粉末の量が少なすぎると、外部に有効に取り出せる水素の貯蔵量の大きな水素貯蔵材料を得ることができない。
【0022】
なお、上記水素貯蔵材料からなる水素貯蔵容器については、水素吸蔵合金粉末と水素化物粉末とを混合して接合し、一体化させた水素貯蔵材料を用いること以外、実施の形態1と同様にして得ることができる。
【0023】
実施の形態3
本実施の形態にかかる水素貯蔵材料は、水素吸蔵合金粉末と、Mg粉末とを混合して接合し、一体化させたものである。
Mg粉末は、通常、室温では吸蔵した水素を放出できないが、これを水素吸蔵合金粉末と一体化することにより、室温でも水素を外部に有効に取り出すことができるようになる。この現象は、水素吸蔵合金には、気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用があることに基づいている。従って、最大で、水素吸蔵合金が吸蔵する水素とMg粉末が吸蔵する水素の合計量を、室温において迅速に放出させることが可能となり、外部に有効に取り出せる水素の貯蔵量を従来以上に高めることができる。
【0024】
水素吸蔵合金には、実施の形態1で述べた水素吸蔵合金と同様のものを用いることができるが、これらのうちでは、Mg粉末と一体化しやすいことや、水素の吸蔵および放出を促進する作用が強いことから、LaNi5が特に好ましい。
【0025】
混合された水素吸蔵合金粉末とMg粉末とを一体化する方法としては、高圧プレス法、メカニカルアロイング法等が挙げられる。これらの方法によれば、水素吸蔵合金の結晶とMg結晶のそれぞれが維持された状態の一体化物(水素吸蔵材料)を得ることができる。高圧プレス法やメカニカルアロイング法の条件は、実施の形態1の場合と同様である。
【0026】
Mg粉末の平均粒径は、1〜100μmであることが好ましい。Mg粉末の平均粒径が大きすぎると、一体化が困難になるとともに、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分にMg粉末に行き渡らない。一方、Mg粉末の平均粒径が小さすぎると、水素吸蔵合金と接合させる際に発火することがある。
【0027】
水素吸蔵合金粉末と混合するMg粉末の量は、水素吸蔵合金粉末100体積部あたり100〜1000体積部であることが好ましい。Mg粉末の量が多すぎると、水素吸蔵合金の気体水素分子を水素原子に分解して固体中に取り込むのを促進する作用と、固体中の水素原子を水素分子として放出するのを促進する作用が十分にMg粉末に行き渡らない。一方、Mg粉末の量が少なすぎると、外部に有効に取り出せる水素の貯蔵量の大きな水素貯蔵材料を得ることができない。
【0028】
なお、上記水素貯蔵材料からなる水素貯蔵容器については、水素吸蔵合金粉末とMg粉末とを混合して接合し、一体化させた水素貯蔵材料を用いること以外、実施の形態1と同様にして得ることができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
《実施例1》
実施の形態1にかかる水素貯蔵材料の一例を用いて、図1に示したような水素貯蔵容器を作製した。
(i)水素貯蔵材料の調製
水素貯蔵材料A1
平均粒径50μmのLaNi5粉末(100重量部のLaNi5あたりの水素貯蔵量は1.2重量部)20体積部と、平均内径0.1μm、平均長1μmのカーボンナノチューブ(カーボンナノチューブ100重量部あたりの水素貯蔵量は7.6重量部)80体積部とを混合し、得られた混合物を、メカニカルアロイング法(条件:振動数10ヘルツで10時間稼働)により、一体化して、水素貯蔵材料A1を得た。得られた水素貯蔵材料をX線回折法により分析したところ、LaNi5に特有のピークおよびカーボンナノチューブに特有のピークが観測された。このことから、LaNi5とカーボンナノチューブは、それぞれ独自の結晶を保持していることが確認できた。
【0031】
水素貯蔵材料A2
平均粒径60μmのVTi0.01粉末(100重量部のVTi0.01あたりの水素貯蔵量は2.4重量部)20体積部と、平均内径0.1μm、平均長1μmのカーボンナノチューブ(カーボンナノチューブ100重量部あたりの水素貯蔵量は7.6重量部)80体積部とを混合し、得られた混合物を、メカニカルアロイング法(条件:振動数10ヘルツで10時間稼働)により、一体化して、水素貯蔵材料A2を得た。得られた水素貯蔵材料をX線回折法により分析したところ、VTi0.01に特有のピークおよびカーボンナノチューブに特有のピークが観測された。このことから、LaNi5とカーボンナノチューブは、それぞれ独自の結晶を保持していることが確認できた。
【0032】
(ii)水素貯蔵容器の作製およびその評価
得られた水素貯蔵材料A1を、内容積が10cm3のステンレス鋼製の方形容器に充填し、容器を密封した。次いで、室温下、この容器内に、容器内圧が10MPaで平衡になるまで水素を供給した。そして、同じく室温下で、容器内から水素の排気を行った。その結果、水素貯蔵材料A1の100重量部あたり、3.8重量部の水素を室温下で有効に取り出すことができた。
また、同様の操作を水素貯蔵材料A2についても行ったところ、水素貯蔵材料A2の100重量部あたり、4.9重量部の水素を室温下で有効に取り出すことができた。
【0033】
以上のように、本発明によれば、室温で外部に有効に取り出せる水素量を従来以上に高めた高容量の水素貯蔵材料が得られる。そして、これを内包した水素貯蔵容器によれば、室温で低エネルギーで燃料電池を稼動することができる。
【0034】
《実施例2》
実施の形態2にかかる水素貯蔵材料の一例を用いて、図1に示したような水素貯蔵容器を作製した。
(i)水素貯蔵材料の調製
水素貯蔵材料B1
平均粒径50μmのLaNi5粉末(100重量部のLaNi5あたりの水素貯蔵量は1.2重量部)20体積部と、平均粒径10μmのLiAlH4(100重量部のLiAlH4あたりの水素貯蔵量は8.0重量部)80体積部とを混合し、得られた混合物を、高圧プレス法(条件:Ar雰囲気下、100トン/cm2の圧力を印加)により、一体化して、水素貯蔵材料B1を得た。得られた水素貯蔵材料をX線回折法により分析したところ、LaNi5に特有のピークおよびLiAlH4に特有のピークが観測された。このことから、LaNi5とLiAlH4は、それぞれ独自の結晶を保持していることが確認できた。
【0035】
水素貯蔵材料B2
平均粒径60μmのVTi0.01粉末(100重量部のVTi0.01あたりの水素貯蔵量は2.4重量部)20体積部と、平均粒径10μmのLiAlH480体積部とを混合し、得られた混合物を、高圧プレス法(条件:Ar雰囲気下、100トン/cm2の圧力を印加)により、一体化して、水素貯蔵材料B2を得た。得られた水素貯蔵材料をX線回折法により分析したところ、VTi0.01に特有のピークおよびLiAlH4に特有のピークが観測された。このことから、LaNi5とLiAlH4は、それぞれ独自の結晶を保持していることが確認できた。
【0036】
(ii)水素貯蔵容器の作製およびその評価
水素貯蔵材料A1の代わりに、水素貯蔵材料B1を用いたこと以外、実施例1と同様の水素貯蔵容器を作製し、同様の評価を行った。その結果、水素貯蔵材料B1の100重量部あたり、3.3重量部の水素を室温下で有効に取り出すことができた。
また、同様の操作を水素貯蔵材料B2についても行ったところ、水素貯蔵材料B2の100重量部あたり、4.5重量部の水素を室温下で有効に取り出すことができた。
【0037】
以上のように、水素化物を用いることによっても、室温で外部に有効に取り出せる水素量を従来以上に高めた高容量の水素貯蔵材料が得られる。そして、これを内包した水素貯蔵容器によれば、室温で低エネルギーで燃料電池を稼動することができる。
【0038】
《実施例3》
実施の形態3にかかる水素貯蔵材料の一例を用いて、図1に示したような水素貯蔵容器を作製した。
(i)水素貯蔵材料の調製
水素貯蔵材料C1
平均粒径50μmのLaNi5粉末(100重量部のLaNi5あたりの水素貯蔵量は1.2重量部)20体積部と、平均粒径10μmのMg粉末(Mg粉末100重量部あたりの水素貯蔵量は6.5重量部)80体積部とを混合し、得られた混合物を、メカニカルアロイング法(条件:振動数10ヘルツで10時間稼働)により、一体化して、水素貯蔵材料C1を得た。得られた水素貯蔵材料をX線回折法により分析したところ、LaNi5に特有のピークおよびMgに特有のピークが観測された。このことから、LaNi5とMgは、それぞれ独自の結晶を保持していることが確認できた。
【0039】
水素貯蔵材料C2
平均粒径60μmのVTi0.01粉末(100重量部のVTi0.01あたりの水素貯蔵量は2.4重量部)20体積部と、平均粒径10μmのMg粉末80体積部とを混合し、得られた混合物を、メカニカルアロイング法(条件:振動数10ヘルツで10時間稼働)により、一体化して、水素貯蔵材料C2を得た。得られた水素貯蔵材料をX線回折法により分析したところ、VTi0.01に特有のピークおよびMgに特有のピークが観測された。このことから、LaNi5とMgは、それぞれ独自の結晶を保持していることが確認できた。
【0040】
(ii)水素貯蔵容器の作製およびその評価
水素貯蔵材料A1の代わりに、水素貯蔵材料C1を用いたこと以外、実施例1と同様の水素貯蔵容器を作製し、同様の評価を行った。その結果、水素貯蔵材料C1の100重量部あたり、3.6重量部の水素を室温下で有効に取り出すことができた。
また、同様の操作を水素貯蔵材料C2についても行ったところ、水素貯蔵材料C2の100重量部あたり、4.6重量部の水素を室温下で有効に取り出すことができた。
【0041】
以上のように、Mg粉末を用いることによっても、室温で外部に有効に取り出せる水素量を従来以上に高めた高容量の水素貯蔵材料が得られる。そして、これを内包した水素貯蔵容器によれば、室温で低エネルギーで燃料電池を稼動することができる。
【0042】
なお、上記実施例1〜3では、水素吸蔵合金とC元素を含む結晶との組み合わせ、水素吸蔵合金と水素化物との組み合わせ、そして水素吸蔵合金とMgの組み合わせの場合について述べたが、水素吸蔵合金粉末と、C元素を含む結晶粉末、水素化物粉末およびMg粉末より選ばれる3種もしくは2種とを組み合わせても、同様の効果が得られることは言うまでもない。本発明は、これらの場合も包含するものである。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、室温で外部に有効に取り出せる水素量を従来以上に高めた高容量の水素貯蔵材料が得られる。従って、高容量かつコンパクトな水素貯蔵容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素貯蔵容器の一例の断面図である。
【符号の説明】
1 水素貯蔵材料
2 容器
3 水素流通管
4 水素圧制御弁
Claims (6)
- 水素吸蔵合金粉末および炭素元素を含む結晶粉末からなる水素貯蔵材料であって、前記水素吸蔵合金粉末と前記炭素元素を含む結晶粉末とは、混合された状態で互いに接合されており、前記水素吸蔵合金の結晶および前記炭素元素を含む結晶が、いずれも維持されている水素貯蔵材料。
- 水素吸蔵合金粉末および水素化合物粉末からなる水素貯蔵材料であって、前記水素吸蔵合金粉末と前記水素化合物粉末とは、混合された状態で互いに接合されており、前記水素吸蔵合金の結晶および前記水素化合物の結晶が、いずれも維持されている水素貯蔵材料。
- 水素吸蔵合金粉末およびMg粉末からなる水素貯蔵材料であって、前記水素吸蔵合金粉末と前記Mg粉末とは、混合された状態で互いに接合されており、前記水素吸蔵合金の結晶および前記Mgの結晶が、いずれも維持されている水素貯蔵材料。
- 前記水素吸蔵合金が、(1)希土類元素と、NiまたはCoとを、原子比1:5で含む六方晶を主相とする希土類含有水素吸蔵合金、(2)遷移金属と、Tiおよび/またはZrとを、原子比(1.5〜2):1で含むラーベス相を主相とするラーベス相含有水素吸蔵合金、(3)bcc相を主相とするV含有水素吸蔵合金、(4)TiFe、(5)TiCoおよび(6)CaNi5よりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の水素貯蔵材料。
- 前記水素化合物が、式:AxByHz(Aはアルカリ金属またはアルカリ土類金属、Bは硼素またはアルミニウム、Hは水素であり、0≦x≦10、0≦y≦20、1≦z≦30であり、xとyは同時に0になることはない)で表される化合物である請求項2記載の水素貯蔵材料。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の水素貯蔵材料からなる水素貯蔵容器。
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