JP2004010869A - インクジェット用記録液及び記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粘度調整を容易に行なうことができ、かつ、吐出安定性と高画質を両立するインクジェット用水性記録液の開発。
【解決手段】インクジェット用水性記録液において、下記一般式(1)で示されるポリオキシエチレン系化合物を含有するインクジェット用記録液並びに当該記録液を用いたインクジエット記録方法。
CmHnCOO(CH2CH2O)xCOCmHn (1)
(式中、mは2〜20及びnは2〜41のそれぞれ整数であり、xはmの2倍以上の数である。)
【選択図】 なし
【解決手段】インクジェット用水性記録液において、下記一般式(1)で示されるポリオキシエチレン系化合物を含有するインクジェット用記録液並びに当該記録液を用いたインクジエット記録方法。
CmHnCOO(CH2CH2O)xCOCmHn (1)
(式中、mは2〜20及びnは2〜41のそれぞれ整数であり、xはmの2倍以上の数である。)
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを機械的な圧力差を生じさせることによって吐出、飛翔させる被記録材のインクジェット記録に使用するインクの粘度調整が容易で、吐出安定性に優れたインクジェット用記録液及びインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常3cp前後の低粘度のインクがインクジェット記録方式に一般的に使用されている。機械的な圧力差を生じさせることによってインクを吐出、飛翔させて被記録材に対して記録を行うインクジェット記録において使用する水性インクには、その方式に適合する適正な粘度、表面張力などのインク特性を有するが要求される。一般的に低粘度インクは水性、高粘度インクは油性のものが多く、油性インクは粘度調整が容易であるが、環境面、安全面で問題があることから、インクジェット記録においては水性インクが多く使われている。
【0003】
水性インクの粘度を調整する方法としては、高粘度水性有機溶剤、例えばグリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールの使用や高分子樹脂系増粘剤、各種ポリエチレングリコール、アルギン酸ソーダやメトキシメチルセルロースの使用が挙げられる。しかしながら、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの高粘度水性有機溶剤での粘度調整には多くのこれら有機溶剤が必要となりインク全体に占める割合が多くなる。そのため、紙面上での乾燥速度が遅くなること、あるいは滲みなどにより画質低下をもたらすなどの問題があり、また、顔料分散系では凝集による分散安定性の低下を引き起こす要因となる。
【0004】
また、高分子樹脂系増粘剤はノズル詰まりが発生しやすく、吐出安定性を確保することが難しい。他方ポリエチレングリコールは吐出性は良好であるが滲みや印字濃度の低下など画質面でのデメリットが大きい。また、アルギン酸ソーダやメトキシメチルセルロースもノズル詰まりが発生しやすく吐出安定性の確保が困難である。このように水性インクにおいては粘度調整が難しく、吐出安定性と高画質とを両立する適切な粘度調整剤が見出されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記背景のもと、本発明の目的は機械的な圧力差を生じさせることによって水性インクを吐出、飛翔させ記録を行うインクジェット記録において、粘度調整を容易に行なうことができ、かつ、吐出安定性と高画質を両立するインクジェット用水性記録液を開発することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を進めた結果、特定のポリオキシエチレン化合物を用いることによって、粘度調整が容易で、吐出安定性に優れ、しかも高画質を得ることができる新規なインクジェット用記録液の開発に成功した。
すなわち、本発明は、機械的な圧力差を生じさせることによってインクを吐出、飛翔させ被記録材に対して記録を行うインクジェット記録に使用する水性インクにおいて、下記一般式(1)で示されるポリオキシエチレン化合物を含有する新規なインクジェット用記録液を提供するものである。
CmHnCOO(CH2CH2O)xCOCmHn (1)
(式中、mは2〜20、nは2〜41のそれぞれ整数であり、xはmの2倍以上の数である。)
また、本発明は、上記インクジェット用記録液を用いたインクジエット記録方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で示されるポリオキシエチレン化合物を含むインクジエット用記録液は、5cp以上の粘度でも少量の添加で容易に粘度調整をおこなうことができ、しかも、記録媒体上での滲みも少なく安定的した吐出が得られる。一般式(1)で示されるポリオキシエチレン化合物としては、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコールなどが例示される。その使用量は、インク全量に対して、重量比で0.1から5%含有せしめることが望ましい。0.1%未満では十分な粘度調整を行なうことができず、他方、5%を超えると吐出不良が発生し易くなる。
【0008】
一般式(1)中のxの数については10以上、200以内であることが望ましい。xが10未満では粘度調整のために一般式(1)の化合物が多量(5wt%以上)に必要となり、他方、200を超えると、ごく少量(0.1wt%未満)で粘度が上昇し粘度制御が難しくなる。
また、mの数については10以上、17以内が望ましい。mの数が10未満では増粘効果が小さくなるため、上記xと同じように粘度調整に一般式(1)の化合物が多量(5wt%以上)必要になり、他方、17を超えるとインク液への溶解性が低下するため可溶化剤の添加が必要となる。
【0009】
本発明の好ましい態様によれば、本発明の記録液には、下記一般式(2)で示されるソフタノールEP5035、ソフタノールEP9050
【化1】
あるいはソフタノール150(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、アセチレングリコール系界面活性剤を含有せしめるとさらに好ましい結果が得られる。アセチレングリコール系界面活性剤の例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどのアセチレングリコール系界面活性剤、例えばサーフィノール104、82、465、485(日信化学(株)製)あるいはTGなどを用いることができる。特にサーフィノール104やTGを用いると記録品質も良くなる。これら界面活性剤の添加量は、インク組成物に対し0.1〜5重量%程度が好ましく、より好ましくは0.5〜1.5重量%程度である。
【0010】
つぎに、本発明の記録液に用いる着色剤については、基本的に水溶性染料であれば問題なく使用することが可能である。具体的には酸性染料、直接染料、反応性染料などである。これらの染料の中から、耐水性、耐光性、また、安全性に優れる染料を選択して用いる。
これら着色剤についてカラーインデックスナンバー(CI)で示すと、青系:ピグメントブルー1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,16,17,22赤系:ピグメントレッド1,2,3,5,10,16,23,30,31,48:1,48:2,49:1,52,53:1,57:1,58:4,63,122黄色系:ピグメントイエロー3,12,13,14,15,23,55,74,83,93,95,97,128,154,167,193黒系:カーボンブラックなどが挙げられる。
【0011】
上記各系統のインクとして、青系インクはピグメントブルー15:3と15:4、赤系インクはピグメントレッド122、黄色系インクはピグメントイエロー74、128、黒系インクはカーボンブラックが好ましい。これら着色材の含有量については特に制限されるものではないが、通常0.1〜10重量%の範囲で用いられる。
【0012】
また、本発明の記録液に使用される水溶性有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン等のケトン類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、チオジグリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノフェニルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、1,5−ペンタンジオール、1,4‐ブタンジオール1,3−プロパンジオール等のアルコール類、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の硫黄含有化合物、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール,トリエタノールアミン,モルホリン等の多官能化合物、あるいは2ピリドン、N−メチルピロリドン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の窒素含有化合物が挙げられる。
【0013】
上記の水溶性有機溶媒の中では、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、N−メチルピロリドン、エチルカルビトール、1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコールなどが好ましい。
これら有機溶剤の使用量は、インクの全量を100とした場合、通常1〜50部で使用され、より好ましくは1〜40部である。有機溶媒に対し、水の割合が低くなると印刷した場合滲みが生じたり、乾燥性が低下する。
【0014】
また、本発明の記録液には、通常使用されている他の添加剤、例えば、防カビ剤、pH調整剤、キレート化剤、防錆剤、紫外線吸収剤等の適当量を添加してもよい。防カビ剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビタン酸ナトリウム、pH調整剤としてトリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどが挙げられる。
このようにして調製された記録液の粘度は20mPa・s以下が好ましく、より好ましくは5〜15mPa・sである。またその表面張力は20〜60mN/mの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜50mN/mである。
【0015】
【実施例】
次に、実施例および比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらに限定されるものではない。
実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例6:
色剤、有機溶媒、粘度調整剤、樹脂、及びイオン交換水の各組成成分の所定量を加えてよく混合した混合液に、界面活性剤を加えて、さらに2時間攪拌混合した後、1.2μmのメンブランフィルターで濾過して各記録液を調整した。各記録液の粘度は約7cpに粘度調整した。
実施例及び比較例の各記録液の組成成分及びその配合量(重量%)については、下記表1に纏めて掲載した。
なお、上記実施例以外に前記一般式(1)のポリオキシエチレン系化合物を0.1重量%以下で調製したインクはほとんど含有しないものと粘度が大きく変わらず増粘効果は見られず、また、5重量%を超えて含有させたものは数日放置するとインクの流動性が低下し、いずれも記録液として適さないものであった。
【0016】
【表1】
【0017】
<評価試験>
実施例及び比較例で調製した各記録液について、下記の方法により、吐出安定性、印字濃度及び滲み性の各評価試験を行なった。その評価結果を表2に示す。
1)吐出安定性
各試験液について、シャープ(株)製AJ2000改造機を用い、連続的に印刷を行ったときの印字可能枚数をカウントした。
印刷枚数がかすれ無しに50枚を超えた場合を◎、20〜50枚であった場合を○、5〜20枚であった場合を△、5枚未満であった場合を×と評価した。
【0018】
2)印字濃度
PPC用紙(シャープ(株)製SF4AM3)に特定のパターンを印刷し、このパターンをX−LiteにてO.D.を測定した。O.D.が1.2以上を高濃度印字であると評価した。
3)滲み性
PPC用紙(シャープ(株)製SF4AM3)に特定のパターンを印刷し、このパターンを目視にて観察した。滲みがほとんど見られないものを○、少し観察されるものを△、滲みが明らかに観察されるものを×、評価できないものは−と評価した
【0019】
【表2】
【0020】
表2から明らかなように、実施例1〜実施例3の一般式(1)で示されるポリオキシエチレン化合物(粘度調整剤)を含有せしめた記録液は、吐出安定性、印字濃度および滲み性のいずれにおいても好結果が得られた。他方、他の粘度調整剤を含有せしめた比較例の記録液は、一部吐出安定性でよい結果が得られているものの、画質低下、滲み、濃度の低下等がみられ、いずれも各実施例の記録液に比して明らかに劣るものであった。
【0021】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明により、吐出安定性と高濃度印字(O.D. 1.2以上)を具備し、しかも滲みがなく高画質を得ることができる記録液が提供された。したがって、本発明の記録液はインクジエット用の記録液として有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを機械的な圧力差を生じさせることによって吐出、飛翔させる被記録材のインクジェット記録に使用するインクの粘度調整が容易で、吐出安定性に優れたインクジェット用記録液及びインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常3cp前後の低粘度のインクがインクジェット記録方式に一般的に使用されている。機械的な圧力差を生じさせることによってインクを吐出、飛翔させて被記録材に対して記録を行うインクジェット記録において使用する水性インクには、その方式に適合する適正な粘度、表面張力などのインク特性を有するが要求される。一般的に低粘度インクは水性、高粘度インクは油性のものが多く、油性インクは粘度調整が容易であるが、環境面、安全面で問題があることから、インクジェット記録においては水性インクが多く使われている。
【0003】
水性インクの粘度を調整する方法としては、高粘度水性有機溶剤、例えばグリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールの使用や高分子樹脂系増粘剤、各種ポリエチレングリコール、アルギン酸ソーダやメトキシメチルセルロースの使用が挙げられる。しかしながら、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの高粘度水性有機溶剤での粘度調整には多くのこれら有機溶剤が必要となりインク全体に占める割合が多くなる。そのため、紙面上での乾燥速度が遅くなること、あるいは滲みなどにより画質低下をもたらすなどの問題があり、また、顔料分散系では凝集による分散安定性の低下を引き起こす要因となる。
【0004】
また、高分子樹脂系増粘剤はノズル詰まりが発生しやすく、吐出安定性を確保することが難しい。他方ポリエチレングリコールは吐出性は良好であるが滲みや印字濃度の低下など画質面でのデメリットが大きい。また、アルギン酸ソーダやメトキシメチルセルロースもノズル詰まりが発生しやすく吐出安定性の確保が困難である。このように水性インクにおいては粘度調整が難しく、吐出安定性と高画質とを両立する適切な粘度調整剤が見出されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記背景のもと、本発明の目的は機械的な圧力差を生じさせることによって水性インクを吐出、飛翔させ記録を行うインクジェット記録において、粘度調整を容易に行なうことができ、かつ、吐出安定性と高画質を両立するインクジェット用水性記録液を開発することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を進めた結果、特定のポリオキシエチレン化合物を用いることによって、粘度調整が容易で、吐出安定性に優れ、しかも高画質を得ることができる新規なインクジェット用記録液の開発に成功した。
すなわち、本発明は、機械的な圧力差を生じさせることによってインクを吐出、飛翔させ被記録材に対して記録を行うインクジェット記録に使用する水性インクにおいて、下記一般式(1)で示されるポリオキシエチレン化合物を含有する新規なインクジェット用記録液を提供するものである。
CmHnCOO(CH2CH2O)xCOCmHn (1)
(式中、mは2〜20、nは2〜41のそれぞれ整数であり、xはmの2倍以上の数である。)
また、本発明は、上記インクジェット用記録液を用いたインクジエット記録方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で示されるポリオキシエチレン化合物を含むインクジエット用記録液は、5cp以上の粘度でも少量の添加で容易に粘度調整をおこなうことができ、しかも、記録媒体上での滲みも少なく安定的した吐出が得られる。一般式(1)で示されるポリオキシエチレン化合物としては、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコールなどが例示される。その使用量は、インク全量に対して、重量比で0.1から5%含有せしめることが望ましい。0.1%未満では十分な粘度調整を行なうことができず、他方、5%を超えると吐出不良が発生し易くなる。
【0008】
一般式(1)中のxの数については10以上、200以内であることが望ましい。xが10未満では粘度調整のために一般式(1)の化合物が多量(5wt%以上)に必要となり、他方、200を超えると、ごく少量(0.1wt%未満)で粘度が上昇し粘度制御が難しくなる。
また、mの数については10以上、17以内が望ましい。mの数が10未満では増粘効果が小さくなるため、上記xと同じように粘度調整に一般式(1)の化合物が多量(5wt%以上)必要になり、他方、17を超えるとインク液への溶解性が低下するため可溶化剤の添加が必要となる。
【0009】
本発明の好ましい態様によれば、本発明の記録液には、下記一般式(2)で示されるソフタノールEP5035、ソフタノールEP9050
【化1】
あるいはソフタノール150(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、アセチレングリコール系界面活性剤を含有せしめるとさらに好ましい結果が得られる。アセチレングリコール系界面活性剤の例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどのアセチレングリコール系界面活性剤、例えばサーフィノール104、82、465、485(日信化学(株)製)あるいはTGなどを用いることができる。特にサーフィノール104やTGを用いると記録品質も良くなる。これら界面活性剤の添加量は、インク組成物に対し0.1〜5重量%程度が好ましく、より好ましくは0.5〜1.5重量%程度である。
【0010】
つぎに、本発明の記録液に用いる着色剤については、基本的に水溶性染料であれば問題なく使用することが可能である。具体的には酸性染料、直接染料、反応性染料などである。これらの染料の中から、耐水性、耐光性、また、安全性に優れる染料を選択して用いる。
これら着色剤についてカラーインデックスナンバー(CI)で示すと、青系:ピグメントブルー1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,16,17,22赤系:ピグメントレッド1,2,3,5,10,16,23,30,31,48:1,48:2,49:1,52,53:1,57:1,58:4,63,122黄色系:ピグメントイエロー3,12,13,14,15,23,55,74,83,93,95,97,128,154,167,193黒系:カーボンブラックなどが挙げられる。
【0011】
上記各系統のインクとして、青系インクはピグメントブルー15:3と15:4、赤系インクはピグメントレッド122、黄色系インクはピグメントイエロー74、128、黒系インクはカーボンブラックが好ましい。これら着色材の含有量については特に制限されるものではないが、通常0.1〜10重量%の範囲で用いられる。
【0012】
また、本発明の記録液に使用される水溶性有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン等のケトン類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、チオジグリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノフェニルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、1,5−ペンタンジオール、1,4‐ブタンジオール1,3−プロパンジオール等のアルコール類、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の硫黄含有化合物、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール,トリエタノールアミン,モルホリン等の多官能化合物、あるいは2ピリドン、N−メチルピロリドン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の窒素含有化合物が挙げられる。
【0013】
上記の水溶性有機溶媒の中では、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、N−メチルピロリドン、エチルカルビトール、1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコールなどが好ましい。
これら有機溶剤の使用量は、インクの全量を100とした場合、通常1〜50部で使用され、より好ましくは1〜40部である。有機溶媒に対し、水の割合が低くなると印刷した場合滲みが生じたり、乾燥性が低下する。
【0014】
また、本発明の記録液には、通常使用されている他の添加剤、例えば、防カビ剤、pH調整剤、キレート化剤、防錆剤、紫外線吸収剤等の適当量を添加してもよい。防カビ剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビタン酸ナトリウム、pH調整剤としてトリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどが挙げられる。
このようにして調製された記録液の粘度は20mPa・s以下が好ましく、より好ましくは5〜15mPa・sである。またその表面張力は20〜60mN/mの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜50mN/mである。
【0015】
【実施例】
次に、実施例および比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらに限定されるものではない。
実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例6:
色剤、有機溶媒、粘度調整剤、樹脂、及びイオン交換水の各組成成分の所定量を加えてよく混合した混合液に、界面活性剤を加えて、さらに2時間攪拌混合した後、1.2μmのメンブランフィルターで濾過して各記録液を調整した。各記録液の粘度は約7cpに粘度調整した。
実施例及び比較例の各記録液の組成成分及びその配合量(重量%)については、下記表1に纏めて掲載した。
なお、上記実施例以外に前記一般式(1)のポリオキシエチレン系化合物を0.1重量%以下で調製したインクはほとんど含有しないものと粘度が大きく変わらず増粘効果は見られず、また、5重量%を超えて含有させたものは数日放置するとインクの流動性が低下し、いずれも記録液として適さないものであった。
【0016】
【表1】
【0017】
<評価試験>
実施例及び比較例で調製した各記録液について、下記の方法により、吐出安定性、印字濃度及び滲み性の各評価試験を行なった。その評価結果を表2に示す。
1)吐出安定性
各試験液について、シャープ(株)製AJ2000改造機を用い、連続的に印刷を行ったときの印字可能枚数をカウントした。
印刷枚数がかすれ無しに50枚を超えた場合を◎、20〜50枚であった場合を○、5〜20枚であった場合を△、5枚未満であった場合を×と評価した。
【0018】
2)印字濃度
PPC用紙(シャープ(株)製SF4AM3)に特定のパターンを印刷し、このパターンをX−LiteにてO.D.を測定した。O.D.が1.2以上を高濃度印字であると評価した。
3)滲み性
PPC用紙(シャープ(株)製SF4AM3)に特定のパターンを印刷し、このパターンを目視にて観察した。滲みがほとんど見られないものを○、少し観察されるものを△、滲みが明らかに観察されるものを×、評価できないものは−と評価した
【0019】
【表2】
【0020】
表2から明らかなように、実施例1〜実施例3の一般式(1)で示されるポリオキシエチレン化合物(粘度調整剤)を含有せしめた記録液は、吐出安定性、印字濃度および滲み性のいずれにおいても好結果が得られた。他方、他の粘度調整剤を含有せしめた比較例の記録液は、一部吐出安定性でよい結果が得られているものの、画質低下、滲み、濃度の低下等がみられ、いずれも各実施例の記録液に比して明らかに劣るものであった。
【0021】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明により、吐出安定性と高濃度印字(O.D. 1.2以上)を具備し、しかも滲みがなく高画質を得ることができる記録液が提供された。したがって、本発明の記録液はインクジエット用の記録液として有用である。
Claims (5)
- インクジェット用水性記録液において、下記一般式(1)で示されるポリオキシエチレン系化合物を含有することを特徴とするインクジェット用記録液。
CmHnCOO(CH2CH2O)xCOCmHn (1)
(式中、mは2〜20及びnは2〜41のそれぞれ整数であり、xはmの2倍以上の数である。) - 記録液全量に対して、一般式(1)で示される化合物を重量比で0.1〜5%含有する請求項1記載のインクジェット用記録液。
- 一般式(1)中xが10〜200の数の化合物である請求項1記載のインクジェット用記録液。
- 一般式(1)中mが10〜17の数の化合物である請求項1記載のインクジェット用記録液。
- 機械的な圧力差を生じさせることによってインクを吐出させる記録方式において、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用記録液を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002170346A JP2004010869A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | インクジェット用記録液及び記録方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002170346A JP2004010869A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | インクジェット用記録液及び記録方法 |
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JP (1) | JP2004010869A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010102253A (ja) * | 2008-10-27 | 2010-05-06 | Dainippon Printing Co Ltd | 紫外線遮断層含有カラーフィルタ |
JP2016124278A (ja) * | 2015-01-08 | 2016-07-11 | キヤノン株式会社 | 画像記録方法、インク及び液体組成物 |
-
2002
- 2002-06-11 JP JP2002170346A patent/JP2004010869A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010102253A (ja) * | 2008-10-27 | 2010-05-06 | Dainippon Printing Co Ltd | 紫外線遮断層含有カラーフィルタ |
JP2016124278A (ja) * | 2015-01-08 | 2016-07-11 | キヤノン株式会社 | 画像記録方法、インク及び液体組成物 |
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