JP2004010782A - 光触媒層形成用組成物、着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体、その製造方法及び着臭防止方法 - Google Patents

光触媒層形成用組成物、着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体、その製造方法及び着臭防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】適度な多孔質度を有し、優れた光触媒活性を維持しつつ、着臭防止効果に優れる光触媒層を形成できる光触媒層形成用組成物、着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体、その製造方法及び着臭防止方法を提供する。
【解決手段】光触媒の粉末及び/又はゾル、金属酸化物ゾル及び/又は金属水酸化物ゾル、並びに下記式(1)で表されるシラン化合物を含有してなる光触媒層形成用組成物、基体と、該基体上に、前記組成物から形成された着臭防止機能を有する光触媒層とを有する光触媒層担持構造体、その製造方法及び着臭防止方法。
Figure 2004010782

【0010】
(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルキル基又は親水性置換基を末端に有する炭化水素基を表し、R、Rは炭素数1〜6のアルキル基等を表し、n1、n2、n4及びn5は0又は1〜3の整数を表し、n3は1又は2を表す。但し、n1+n2+n3+n4+n5=4である。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光触媒層形成用組成物、着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体、その製造方法及び着臭防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光触媒を含有する組成物から得られる塗膜は、光(紫外線)を受けて有機物の分解、消臭、抗菌等の効果を発現する。そして、その性質を利用して、従来から、該組成物を種々の基体上に塗工、乾燥して光触媒層を形成することが行なわれている。
【0003】
例えば、特開平11−207871号公報には、スラット表面に光触媒が担持されてなる光触媒担持ブラインドが提案されている。この光触媒担持ブラインドは、スラット表面に接着剤層を介して、光触媒を含有する光触媒層形成用塗布液を塗布・乾燥させることにより製造される。そして、接着剤層及び光触媒層を特定の組成とすることにより、優れた光触媒活性と耐久性を付与している。
【0004】
ところで、光触媒層は表面積を大きくして光触媒活性を高めるために多孔質にするのが好ましいとされている。その一方、光触媒担持ブラインド等のように光強度が弱い空間(例えば、室内)に設置される光触媒担持体の場合には、人間の居住空間である室内で発生する種々の悪臭物(主に有機物)が多孔質の光触媒層に吸着しやすい。
【0005】
ところが、光強度が弱い空間では光触媒層に吸着した有機物が光分解されるのに長時間を要し、吸着した悪臭物が光分解される前に他の分子と置換して、空気中に逆に拡散してしまう場合がある。例えば、人間の吐息等に含まれる水分と有機物が置換して室内に拡散し、室内に再拡散する有機物が不快臭をもたらす場合があり、問題となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる要求に応えるべくなされたものであって、適度な多孔質度を有し、優れた光触媒活性と着臭防止機能とを兼ね備えた光触媒層を形成することができる光触媒層形成用組成物、着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体、その製造方法及び着臭防止方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の組成を有する光触媒層形成用組成物を用いて、基体上に、直接又はその他の層を介して、優れた光触媒活性と着臭防止機能とを兼ね備えた光触媒層を形成することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
かくして本発明の第1によれば、光触媒の粉末及び/又はゾル、金属酸化物ゾル及び/又は金属水酸化物ゾル、並びに式(1)
【0009】
【化2】
Figure 2004010782
【0010】
(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルキル基又は親水性置換基を末端に有する炭化水素基を表し、R、Rは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表し、n1、n2、n4及びn5は、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表し、n3は1又は2を表す。ただし、n1+n2+n3+n4+n5=4である。)で表されるシラン化合物を含有してなる光触媒層形成用組成物を提供する。
【0011】
本発明の第2によれば、基体と、該基体上に本発明の光触媒層形成用組成物から形成された着臭防止機能を有する光触媒層とを有することを特徴とする着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体が提供される。
【0012】
本発明の第3によれば、基体上に、直接又はその他の層を介して、本発明の光触媒層形成用組成物を塗工し、乾燥することにより、着臭防止機能を有する光触媒層を形成する工程を有する、着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体の製造方法が提供される。
本発明の製造方法は、基体上に接着層形成用組成物を塗工し、乾燥することにより、接着層を形成する工程と、該接着層上に、本発明の光触媒層形成用組成物を塗工し、乾燥することにより着臭防止機能を有する光触媒層を形成する工程とを有するのが好ましい。
【0013】
本発明の第4によれば、基体表面に、直接又はその他の層を介して、本発明の光触媒層形成用組成物を塗工し、乾燥することにより、着臭防止機能を有する光触媒層を形成することを特徴とする光触媒層の着臭防止方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光触媒層形成用組成物、着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体及び該担持構造体の製造方法、並びに着臭防止方法について詳細に説明する。
【0015】
1)光触媒層形成用組成物
本発明の光触媒層形成用組成物は、光触媒の粉末及び/又はゾル、金属酸化物ゾル及び/又は金属水酸化物ゾル、並びに前記式(1)で表されるシラン化合物を含有してなることを特徴とする。
【0016】
(A)光触媒の粉末及び/又はゾル
本発明に用いる光触媒は、粉末状、ゾル状、溶液状等、光触媒層の乾燥温度で乾燥したときに、基体又は接着剤層と固着して光触媒活性を示すものであればいずれも使用することができる。ゾル状の光触媒を使用する場合、粒子径が20nm以下、好ましくは5nm〜20nmのものを使用すると、光触媒層の透明性が向上し、直線透過率が高くなるため特に好ましい。また、下地の基体に色や模様が印刷されている場合には、下地の色や柄を損なうことなく、透明な光触媒層を形成することができる。
【0017】
光触媒としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ロジウム、酸化レニウム等の酸化物等の粉末及び/又はゾルを用いることができる。これらの中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化鉄及び酸化ニオブが好ましく、アナターゼ型二酸化チタンが優れた光触媒活性を示す点から特に好ましい。
【0018】
また、本発明においては、これらの光触媒に加えて、Pt、Rh、RuO、Ru、Nb、Cu、Sn、Ni、Fe、Ag等の金属もしくはこれらの金属酸化物を添加することができる。
【0019】
光触媒の粉末及び/又はゾルの含有量は多量なほど触媒活性が高くなるが、優れた接着性が得られる点から、光触媒層形成用組成物の固形分に対して75重量%以下、光触媒活性の点から10重量%以上、好ましくは15重量%〜60重量%、より好ましくは20重量%〜60重量%の範囲である。
【0020】
(B)金属酸化物ゾル及び/又は金属水酸化物ゾル
金属酸化物ゾル及び/又は金属水酸化物ゾルは、光触媒粉末又はゲルを固着し、基体又は接着剤層と強固に接着させる効果を有し、光触媒層担持構造体の長期耐久性や耐候性を高める役割を果たす。また、該担持構造体の多孔質度を高め光触媒活性を向上させる。
【0021】
金属酸化物ゾル及び/又は金属水酸化物ゾルの金属成分としては、例えば,珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、ニオブ、タンタル、タングステン及びスズ等が挙げられる。また、これらの金属酸化物ゾル及び/又は金属水酸化物ゾルを単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することにより、着臭防止機能を有する光触媒層の基体又は接着剤層に対する密着性を高めることができる。
【0022】
金属酸化物ゾル及び/又は金属水酸化物ゾルの配合量は特に制限されないが、光触媒層担持構造体の長期耐久性や耐候性を高める観点から、好ましくは0.01〜40重量%、より好ましくは0.1〜30重量%である。
【0023】
(C)シラン化合物
本発明に用いるシラン化合物は、前記式(1)で表される化合物である。かかるシラン化合物を光触媒層形成用組成物に配合すると、光触媒層の多孔質度を適度に低下させ、優れた光触媒活性を維持しつつ、着臭防止効果を高めることができる。
【0024】
式(1)中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルキル基又は親水性置換基を末端に有する炭化水素基を表す。
前記炭素数2〜6のアルキル基としては、例えば、エチル基,n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
【0025】
炭素数2〜6のアルキル基の置換基としては、例えば、水酸基;メルカプト基;シアノ基;カルボキシル基;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基;アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の置換基を有していてもよいアミノ基;エポキシ基;等が挙げられる。置換基が2以上の場合、置換基は同一又は相異なっていてもよい。
【0026】
本発明においては、これらの中でも、置換基を有していてもよい炭素数2又は3のアルキル基が好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数2又は3のアルキル基の具体例としては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−プロポキシエチル基等のアルコキシアルキル基;メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、2−メチルチオエチル基、2−エチルチオエチル基等のアルキルチオアルキル基;クロロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、γ−クロロプロピル基等のハロアルキル基;メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基等のアルコキシカルボニルアルキル基;γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−アクリロキシプロピル基等が挙げられる。
【0027】
親水性置換基を末端に有する炭化水素基の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等が挙げられる。炭化水素基は、その末端に親水性置換基を有するものであれば、総炭素数は特に制限されないが、総炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜6である。
【0028】
前記親水性置換基を末端に有する炭化水素基のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、2−ペンチニル基、2−ヘキシニル基等が挙げられる。また、アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
【0029】
親水性置換基は、水と相互作用することができる極性基(原子団)であり、例えば、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルケニルオキシカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、アミド基(−C(=O)NH)、アルコキシアルキル基、エポキシ基、グリシジルオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、シアノ基、ウレイド基、3,4−エポキシシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0030】
末端に親水性置換基を有するアルキル基としては、例えば、ヒドロキメチル基、2−ヒドロキエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基等の水酸基を末端に有するアルキル基;クロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、4−クロロブチル基等のハロゲン原子を末端に有するアルキル基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、5−メトキシペンチル基、6−メトキシヘキシル基等のアルコキシ基を末端に有するアルキル基;カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、4−カルボキシブチル基、5−カルボキシペンチル基、6−カルボキシヘキシル基等のカルボキシル基を末端に有するアルキル基;メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、3−メトキシカルボニルプロピル基、4−メトキシカルボニルブチル基、5−メトキシカルボニルペンチル基、6−メトキシカルボニルヘキシル基等のアルコキシカルボニル基を末端に有するアルキル基;
【0031】
プロペニルカルボニルメチル基、イソプロペニルカルボニルメチル基、2−プロペニルカルボニルエチル基、2−イソプロペニルカルボニルエチル基、3−プロペニルカルボニルプロピル基、3−イソプロペニルカルボニルプロピル基、4−プロペニルカルボニルブチル基、4−イソプロペニルカルボニルブチル基、5−プロペニルカルボニルペンチル基、6−プロペニルカルボニルヘキシル基等のアルケニルカルボニル基を末端に有するアルキル基;メトキシカルボニルオキシメチル基、エトキシカルボニルオキシメチル、プロポキシカルボニルオキシメチル基、2−メトキシカルボニルオキシエチル基、2−エトキシカルボニルオキシエチル基、3−メトキシカルボニルオキシプロピル基、4−メトキシカルボニルオキシブチル基、5−メトキシカルボニルオキシペンチル基、6−メトキシカルボニルオキシヘキシル基等のアルコキシカルボニルオキシ基を末端に有するアルキル基;
【0032】
プロペニルカルボニルオキシメチル基、イソプロペニルカルボニルオキシメチル基、2−プロペニルカルボニルオキシエチル基、2−イソプロペニルカルボニルオキシエチル基、3−プロペニルカルボニルオキシプロピル基、3−イソプロペニルカルボニルオキシプロピル基、4−プロペニルカルボニルオキシブチル基、4−イソプロペニルカルボニルオキシブチル基、5−プロペニルカルボニルオキシペンチル基、6−プロペニルカルボニルオキシヘキシル基等のアルケニルオキシカルボニルオキシ基を末端に有するアルキル基;アミノメチル基、メチルアミノメチル基、ジメチルアミノメチル基、2−アミノエチル基、2−ジメチルアミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、5−アミノペンチル基、6−アミノヘキシル基等のアミノ基又はアルキルアミノ基を末端に有するアルキル基;
【0033】
アミノメチルアミノメチル基、2−アミノエチルアミノメチル基、2−(アミノメチルアミノ)エチル基、2−(2’−アミノエチルアミノ)エチル基、3−(2’−アミノエチルアミノ)プロピル基、3−〔2−(4’−ビニルベンジルアミノ)エチルアミノ〕プロピル基、4−(2’−アミノエチルアミノ)ブチル基、5−(2’−アミノエチルアミノ)ペンチル基、6−(2’−アミノエチルアミノ)ヘキシル基等の置換されていてもよいアミノアルキルアミノ基を末端に有するアルキル基;(4−ビニルベンジル)アミノメチル基、2−[(4−ビニルベンジル)アミノ]エチル基、3−[(4−ビニルベンジル)アミノ]プロピル基、4−[(4−ビニルベンジル)アミノ]ブチル基等のビニルベンジルアミノ基を末端に有するアルキル基;アセチルアミノメチル基、ベンゾイルアミノメチル基、2−(N−アセチルアミノ)エチル基、3−(N−アセチルアミノ)プロピル基、4−(N−アセチルアミノ)ブチル基、5−(N−アセチルアミノ)ペンチル基、6−(N−アセチルアミノ)ヘキシル基等のアシルアミノ基を末端に有するアルキル基;
【0034】
アミドメチル基、N−メチルアミドメチル基、N,N−ジメチルアミドメチル基、2−アミドエチル基、3−アミドプロピル基、4−アミドブチル基、5−アミドペンチル基、6−アミドヘキシル基等のアミド基を末端に有するアルキル基;(2−メトキシ)エトキシメチル基、エトキシメトキシメチル基、2−(メトキシメトキシ)エチル基、2−(2’−メトキシエトキシ)エチル基、3−(2’−メトキシエトキシ)プロピル基、4−(2’−メトキシエトキシ)ブチル基、5−(2’−メトキシエトキシ)ペンチル基、6−(2’−メトキシエトキシ)ヘキシル基等のアルコキシアルキル基を末端に有するアルキル基;グリシジル基、2−エポキシエチル基、3−エポキシプロピル基、4−エポキシブチル基、5−エポキシペンチル基、6−エポキシヘキシル基等のエポキシ基を末端に有するアルキル基;グリシジルオキシメチル基、2−グリシジルオキシエチル基、3−グリシジルオキシプロピル基、4−グリシジルオキシブチル基、5−グリシジルオキシペンチル基、6−グリシジルオキシヘキシル基等のグリシジルオキシ基を末端に有するアルキル基;
【0035】
メルカプトメチル基、2−メルカプトエチル基、3−メルカプトプロピル基、4−メルカプトブチル基、5−メルカプトペンチル基、6−メルカプトヘキシル基等のメルカプト基を末端に有するアルキル基;メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、2−メチルチオエチル基、3−メチルチオプロピル基、4−メチルチオブチル基、5−メチルチオペンチル基、6−メチルチオヘキシル基等のアルキルチオ基を末端に有するアルキル基;シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基、5−シアノペンチル基、6−シアノヘキシル基等のシアノ基を末端に有するアルキル基;ウレイドメチル基、2−ウレイドエチル基、3−ウレイドプロピル基、4−ウレイドブチル基、5−ウレイドペンチル基、6−ウレイドヘキシル基等のウレイド基を末端に有するアルキル基;(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル基、2−(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、4−(3’、4’−エポキシシクロヘキシル)ブチル基、5−(3’、4’−エポキシシクロヘキシル)ペンチル基、6−(3’、4’−エポキシシクロヘキシル)ヘキシル基等の3,4−エポキシシクロヘキシル基を末端に有するアルキル基;等が挙げられる。
【0036】
親水性置換基を末端に有するアルケニル基としては、例えば、3−メトキシー1−プロペニル基、3−エトキシ−1−プロペニル基、4−メトキシ−1−ブテニル基、5−メトキシ−1−ペンテニル基、6−メトキシ−1−ヘキセニル基等の末端にアルコキシ基を有するアルケニル基;3−エポキシ−1−プロペニル基、4−エポキシ−1−ブテニル基、5−エポキシ−1−ペンテニル基、6−エポキシ−1−ヘキセニル基等のエポキシ基を末端に有するアルケニル基;等が挙げられる。
【0037】
親水性置換基を末端に有するアルキニル基としては、例えば、3−メトキシー1−プロピニル基、3−エトキシ−1−プロピニル基、4−メトキシ−1−ブチニル基、5−メトキシ−1−ペンチニル基、6−メトキシ−1−ヘキシニル基等の末端にアルコキシ基を有するアルキニル基;3−エポキシ−1−プロピニル基、4−エポキシ−1−ブチニル基、5−エポキシ−1−ペンチニル基、6−エポキシ−1−ヘキシニル基等のエポキシ基を末端に有するアルキニル基;等が挙げられる。
【0038】
親水性置換基を末端に有するアリール基としては、例えば、4−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、4−(2−メトキシ)エトキシフェニル基、4−アミノフェニル基、2,4−ジアミノフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、4−アセチルアミノフェニル基、4−カルボキシフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、4−アセチルアミノフェニル基、4−アミドフェニル基、4−メルカプトフェニル基、4−メチルチオフェニル基、4−グリシジルフェニル基、4−グリシジルオキシフェニル基、4−(2−エポキシ)エトキシフェニル基、4−シアノフェニル基等の親水性置換基を有するフェニル基;6−メトキシ−1−ナフチル基;6−メトキシ−2−ナフチル基等の親水性置換基を有するナフチル基;等が挙げられる。
【0039】
これらの中でも、Rは、炭素数2若しくは3のアルキル基、又は親水性の置換基を末端に有するアルキル基であるのが特に好ましい。
【0040】
、Rは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。かかる置換基を有していてもよいアルキル基のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
【0041】
前記R及びRの置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、前記Rの炭素数2又は3のアルキル基の置換基として列記したものと同様なものが挙げられる。
【0042】
これらの中でも、Rは炭素数1〜3のアルキル基であるのが好ましく、メチル基及びエチル基であるのがより好ましい。またRは、メチル基、エチル基、n−プロピル基等の炭素数1〜8のアルキル基;又はメトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−プロポキシエチル基等の炭素数1〜8のアルコキシ基が置換した炭素数1〜8のアルキル基であるのが好ましい。
【0043】
n1、n2、n4及びn5は、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表し、n3は1又は2を表す。ただし、n1+n2+n3+n4+n5=4である。
【0044】
一般式(1)で表されるシラン化合物としては、例えば、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン等のRが炭素数2〜6のアルキル基であるアルコキシシラン;
【0045】
ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシブチルトリエトキシシラン等のRが水酸基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0046】
メトキシメチルトリメトキシラン、メトキシメチルトリエトキシシラン、エトキシメチルトリメトキシシラン、エトキシメチルトリエトキシシラン、2−メトキシエチルトリメトキシシラン、2−メトキシエチルトリエトキシシラン、2−エトキシエチルトリメトキシシラン、2−エトキシエチルトリエトキシシラン、3−メトキシプロピルトリメトキシシラン、3−メトキシプロピルトリエトキシシラン等のRがアルコキシ基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0047】
カルボキシメチルトリメトキシシラン、カルボキシメチルトリエトキシシラン、2−カルボキシエチルトリメトキシシラン、2−カルボキシエチルトリエトキシシラン、3−カルボキシプロピルトリメトキシシラン、3−カルボキシプロピルトリエトキシシラン、4−カルボキシブチルトリメトキシシラン、4−カルボキシブチルトリエトキシシラン等のRがカルボキシル基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0048】
クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、フルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、4−クロロブチルトリメトキシシラン等のRがハロゲン原子を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0049】
メトキシカルボニルメチルトリメトキシラン、メトキシカルボニルメチルトリエトキシラン、エトキシカルボニルメチルトリメトキシシラン、エトキシカルボニルメチルトリエトキシシラン、プロポキシカルボニルメチルトリメトキシシラン、プロポキシカルボニルメチルトリエトキシシラン、2−メトキシカルボニルエチルトリメトキシシラン、2−メトキシカルボニルエチルトリエトキシシラン、2−エトキシカルボニルエチルトリメトキシシラン、2−エトキシカルボニルエチルトリエトキシシラン、3−メトキシカルボニルプロピルトリメトキシシラン、3−メトキシカルボニルプロピルトリエトキシシラン、4−メトキシカルボニルブチルトリメトキシシラン、4−メトキシカルボニルブチルトリエトキシシラン等のRがアルコキシカルボニル基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0050】
プロペニルカルボニルメチルトリメトキシシラン、プロペニルカルボニルメチルトリエトキシシラン、イソプロペニルカルボニルメチルトリメトキシシラン、イソプロペニルカルボニルメチルトリエトキシシラン、2−プロペニルカルボニルエチルトリメトキシシラン、2−プロペニルカルボニルエチルトリエトキシシラン、2−イソプロペニルカルボニルエチルトリメトキシシラン、2−イソプロペニルカルボニルエチルトリエトキシシラン、3−プロペニルカルボニルプロピルトリメトキシシラン、3−プロペニルカルボニルプロピルトリエトキシシラン、3−イソプロペニルカルボニルプロピルトリメトキシシラン、3−イソプロペニルカルボニルプロピルトリエトキシシラン等のRがアルケニルカルボニル基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0051】
メトキシカルボニルオキシメチルトリメトキシシラン、メトキシカルボニルオキシメチルトリエトキシシラン、エトキシカルボニルオキシメチルトリメトキシシラン、エトキシカルボニルオキシメチルトリエトキシシラン、プロポキシカルボニルオキシメチルトリメトキシシラン、プロポキシカルボニルオキシメチルトリエトキシシラン、2−メトキシカルボニルオキシエチルトリメトキシシラン、2−メトキシカルボニルオキシエチルトリエトキシシラン、2−エトキシカルボニルオキシエチルトリメトキシシラン、2−エトキシカルボニルオキシエチルトリエトキシシラン、3−メトキシカルボニルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メトキシカルボニルオキシプロピルトリエトキシシラン等のRがアルコキシカルボニルオキシ基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0052】
プロペニルカルボニルオキシメチルトリメトキシシラン、プロペニルカルボニルオキシメチルトリエトキシシラン、イソプロペニルカルボニルオキシメチルトリメトキシシラン、イソプロペニルカルボニルオキシメチルトリエトキシシラン、2−プロペニルカルボニルオキシエチルトリメトキシシラン、2−プロペニルカルボニルオキシエチルトリエトキシシラン、2−イソプロペニルカルボニルオキシエチルトリメトキシシラン、2−イソプロペニルカルボニルオキシエチルトリエトキシシラン、3−プロペニルカルボニルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−プロペニルカルボニルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−イソプロペニルカルボニルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソプロペニルカルボニルオキシプロピルトリエトキシシラン等のRがアルケニルオキシカルボニルオキシ基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0053】
アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルトリエトキシシラン、メチルアミノメチルトリメトキシシラン、メチルアミノメチルトリエトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノトリエトキシシラン、2−(ジメチルアミノ)エチルトリメトキシシラン、2−(ジメチルアミノ)エチルトリエトキシシラン、3−(ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(ジメチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、4−(ジメチルアミノ)ブチルトリメトキシシラン等のRがアミノ基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0054】
アミノメチルアミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−(アミノメチルアミノ)エチルトリメトキシシラン、2−(アミノメチルアミノ)エチルトリエトキシシラン、2−(2’−アミノエチルアミノ)エチルトリメトキシシラン、2−(2’−アミノエチルアミノ)エチルトリエトキシシラン、2−(2’−アミノエチルアミノ)エチルメトリジメトキシシラン、3−(2’−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(2’−アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−〔2−(4’−ビニルベンジルアミノ)エチルアミノ〕プロピルトリメトキシシラン、3−〔2−(4’−ビニルベンジルアミノ)エチルアミノ〕プロピルトリエトキシシラン、4−(2’−アミノエチルアミノ)ブチルトリメトキシシラン、4−(2’−アミノエチルアミノ)ブチルトリエトキシシラン、5−(2’−アミノエチルアミノ)ペンチルトリメトキシシラン、6−(2’−アミノエチルアミノ)ヘキシルトリメトキシシラン等のRが置換されていてもよいアミノアルキルアミノ基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0055】
アセチルアミノメチルトリメトキシシラン、アセチルアミノメチルトリエトキシシラン、ベンゾイルアミノメチルトリメトキシシラン、ベンゾイルアミノメチルトリエトキシシラン、2−(N−アセチルアミノ)エチルトリメトキシシラン、2−(N−アセチルアミノ)エチルトリエトキシシラン、3−(N−アセチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−アセチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、4−(N−アセチルアミノ)ブチルトリメトキシシラン、5−(N−アセチルアミノ)ペンチルトリエトキシシラン、6−(N−アセチルアミノ)ヘキシルトリメトキシシラン等のRがアシルアミノ基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0056】
アミドメチルトリメトキシシラン、アミドメチルトリエトキシシラン、N−メチルアミドメチルトリメトキシシラン、N−メチルアミドメチルトリエトキシシラン、N,N−ジメチルアミドメチルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミドメチルトリエトキシシラン、2−アミドエチルトリメトキシラン、2−アミドエチルトリエトキシラン、3−アミドプロピルトリメトキシシラン、3−アミドプロピルトリエトキシシラン、4−アミドブチルトリメトキシシラン、4−アミドブチルトリエトキシシラン、5−アミドペンチルトリメトキシシラン、6−アミドヘキシルトリメトキシシラン基等のRがアミド基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0057】
(2−メトキシ)エトキシメチルトリメトキシシラン、(2−メトキシ)エトキシメチルトリエトキシシラン、エトキシメトキシメチルトリメトキシシラン、エトキシメトキシメチルトリメエトキシシラン、2−(メトキシメトキシ)エチルトリメトキシシラン、2−(メトキシメトキシ)エチルトリエトキシシラン、2−(2’−メトキシエトキシ)エチルトリメトキシシラン、2−(2’−メトキシエトキシ)エチルトリエトキシシラン、3−(2’−メトキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−(2’−メトキシエトキシ)プロピルトリエトキシシラン、4−(2’−メトキシエトキシ)ブチルトリメトキシシラン、4−(2’−メトキシエトキシ)ブチルトリエトキシシラン、5−(2’−メトキシエトキシ)ペンチルトリメトキシシラン、6−(2’−メトキシエトキシ)ヘキシルトリメトキシシラン等のRがアルコキシアルキル基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0058】
グリシジルトリメトキシシラン、グリシジルトリエトキシシラン、2−エポキシエチルトリメトキシシラン、2−エポキシエチルトリエトキシシラン、3−エポキシプロピルトリメトキシシラン、3−エポキシプロピルトリエトキシシラン、4−エポキシブチルトリメトキシシラン、4−エポキシブチルトリエトキシシラン、5−エポキシペンチルトリメトキシシラン、6−エポキシヘキシルトリメトキシシラン基等のRがエポキシ基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0059】
グリシジルオキシメチルトリメトキシシラン、グリシジルオキシメチルトリエトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、4−グリシジルオキシブチルトリメトキシシラン、4−グリシジルオキシブチルトリエトキシシラン、5−グリシジルオキシペンチルトリメトキシシラン、6−グリシジルオキシヘキシルトリメトキシシラン基等のRがグリシジルオキシ基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0060】
メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、5−メルカプトペンチルトリメトキシシラン、6−メルカプトヘキシルトリメトキシシラン等のRがメルカプト基を末端に有するアルキル基であるアルコキシラン;
【0061】
メチルチオメチルトリメトキシシラン、メチルチオメチルトリエトキシシラン、エチルチオメチルトリメトキシシラン、エチルチオメチルトリエトキシシラン、2−メチルチオエチルトリメトキシシラン、2−メチルチオエチルトリエトキシシラン、3−メチルチオプロピルトリメトキシシラン、3−メチルチオプロピルトリエトキシシラン、4−メチルチオブチルトリメトキシシラン、4−メチルチオブチルトリエトキシシラン、5−メチルチオペンチルトリメトキシシラン、6−メチルチオヘキシルトリメトキシシラン等のRがアルキルチオ基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0062】
シアノメチルトリメトキシシラン、シアノメチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、4−シアノブチルトリメトキシシラン、4−シアノブチルトリエトキシシラン、5−シアノペンチルトリメトキシシラン、6−シアノヘキシルトリメトキシシラン基等のRがシアノ基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0063】
ウレイドメチルトリメトキシシラン、ウレイドメチルトリエトキシシラン、2−ウレイドエチルトリメトキシシラン、2−ウレイドエチルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、4−ウレイドブチルトリメトキシシラン、4−ウレイドブチルトリエトキシシラン、5−ウレイドペンチルトリメトキシシラン、6−ウレイドヘキシルトリメトキシシラン等のRがウレイド基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0064】
(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、2−(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、4−(3’、4’−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、4−(3’、4’−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、5−(3’、4’−エポキシシクロヘキシル)ペンチルトリメトキシシラン、6−(3’、4’−エポキシシクロヘキシル)ヘキシルトリメトキシシラン等のRが3,4−エポキシシクロヘキシル基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0065】
メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のRがメタクリロキシ基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0066】
クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、4−クロロブチルトリメトキシシラン等のRがハロゲン原子を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン;
【0067】
シアノメチルトリメトキシシラン、シアノメチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、4−シアノブチルトリメトキシシラン等のRがシアノ基を末端に有するアルキル基であるアルコキシシラン化合物;
【0068】
3−メトキシ−1−プロペニルトリメトキシシラン、3−メトキシー1−プロペニルトリエトキシシラン、3−エトキシ−1−プロペニルトリメトキシシラン、3−エトキシ−1−プロペニルトリエトキシシラン、4−メトキシ−1−ブテニルトリメトキシシラン、4−メトキシ−1−ブテニルトリエトキシシラン、5−メトキシ−1−ペンテニルトリメトキシシラン、5−メトキシ−1−ペンテニルトリエトキシシラン、6−メトキシ−1−ヘキセニルトリメトキシシラン、6−メトキシ−1−ヘキセニルトリエトキシシラン等のRがアルコキシ基を末端に有するアルケニル基であるアルコキシシラン;
【0069】
3−エポキシ−1−プロペニルトリメトキシシラン、3−エポキシ−1−プロペニルトリエトキシシラン、4−エポキシ−1−ブテニルトリメトキシシラン、4−エポキシ−1−ブテニルトリエトキシシラン、5−エポキシ−1−ペンテニルトリメトキシシラン、5−エポキシ−1−ペンテニルトリエトキシシラン、6−エポキシ−1−ヘキセニルトリメトキシシラン、6−エポキシ−1−ヘキセニルトリエトキシシラン等のRがエポキシ基を末端に有するアルケニル基であるアルコキシシラン;
【0070】
3−メトキシ−1−プロピニルトリメトキシシラン、3−メトキシ−1−プロピニルトリエトキシシラン、3−エトキシ−1−プロピニルトリメトキシシラン、3−エトキシ−1−プロピニルトリエトキシシラン、4−メトキシ−1−ブチニルトリメトキシシラン、4−メトキシ−1−ブチニルトリエトキシシラン、5−メトキシ−1−ペンチニルトリメトキシシラン、5−メトキシ−1−ペンチニルトリエトキシシラン、6−メトキシ−1−ヘキシニルトリメトキシシラン、6−メトキシ−1−ヘキシニルトリエトキシシラン等のRが末端にアルコキシ基を有するアルキニル基であるアルコキシシラン;
【0071】
3−エポキシ−1−プロピニルトリメトキシシラン、3−エポキシ−1−プロピニルトリエトキシシラン、4−エポキシ−1−ブチニルトリメトキシシラン、4−エポキシ−1−ブチニルトリエトキシシラン、5−エポキシ−1−ペンチニルトリメトキシシラン、5−エポキシ−1−ペンチニルトリエトキシシラン、6−エポキシ−1−ヘキシニルトリメトキシシラン、6−エポキシ−1−ヘキシニルトリエトキシシラン等のRがエポキシ基を末端に有するアルキニル基であるうアルコキシシラン;
【0072】
4−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシフェニルトリエトキシシラン、4−メトキシフェニルトリメトキシシラン、4−メトキシフェニルトリエトキシシラン、2,4−ジメトキシフェニルトリメトキシシラン、2,4−ジメトキシフェニルトリエトキシシラン、3,5−ジメトキシフェニルトリメトキシシラン、3,5−ジメトキシフェニルトリエトキシシラン、2,4,6−トリメトキシフェニルトリメトキシシラン、4−(2−メトキシ)エトキシフェニルトリメトキシシラン、4−アミノフェニルトリメトキシシラン、4−アミノフェニルトリエトキシシラン、2,4−ジアミノフェニルトリメトキシシラン、4−ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、4−アセチルアミノフェニルトリメトキシシラン、4−カルボキシフェニルトリメトキシシラン、4−メトキシカルボニルフェニルトリメトキシシラン、4−アセチルアミノフェニルトリメトキシシラン、4−アミドフェニルトリメトキシシラン、4−メルカプトフェニルトリメトキシシラン、4−メチルチオフェニルトリメトキシシラン、4−グリシジルフェニルトリメトキシシラン、4−グリシジルオキシフェニルトリメトキシシラン、4−グリシジルオキシフェニルトリエトキシシラン、4−(2−エポキシ)エトキシフェニルトリメトキシシラン、4−(2−エポキシ)エトキシフェニルトリエトキシシラン、4−シアノフェニルトリメトキシシラン基等のRが親水性置換基を有するフェニル基であるアルコキシシラン;
【0073】
6−メトキシ−1−ナフチルトリメトキシシラン、6−メトキシ−2−ナフチルトリメトキシシラン基等のR1が親水性置換基を有するナフチル基であるアルコキシシラン;等が挙げられる。これらのシラン化合物は単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0074】
前記式(1)で表されるシラン化合物の配合量は特に制限されないが、本発明の優れた効果を得るためには、光触媒層形成用組成物に対し、好ましくは0.0001〜10重量%、より好ましくは0.001〜5重量%である。
【0075】
(D)光触媒層形成用組成物の調製
本発明の光触媒層形成用組成物は、光触媒の粉末及び/又はゾル、金属酸化物ゾル及び/又は金属水酸化物ゾル、並びに前記式(1)で表されるシラン化合物を所定割合で混合することにより調製することができる。光触媒層形成用組成物の全固形分量は、酸化物換算で、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%の範囲である。
【0076】
光触媒層形成用組成物は、良質な光触媒層を得るために沈殿等のない均一な溶液又は分散液とすることが必要である。従って、該組成物を調製する際には、pHが局部的に偏ったり、沈殿が生じることのないように、十分に撹拌しながら、各配合成分を少量ずつ滴下していくのが好ましい。
【0077】
また本発明においては、該組成物に界面活性剤をさらに添加するのも好ましい。界面活性剤を添加することにより、消泡効果をさらに高め、より均一に溶解又は分散された組成物を得ることができ、膜質のよい光触媒層を形成することができる。
【0078】
界面活性剤としては、金属イオンの混入を防止し、ゾルの分散性を高める観点から、例えば、ポリオキシエチレン系、ノニルフェノールエーテル系、フッ素ポリマー系等の非イオン性界面活性剤の使用が好ましい。
【0079】
界面活性剤の添加量は、該組成物の固形分全体に対して、通常10〜1,000ppm、好ましくは10〜100ppmとなる範囲である。
なお、界面活性剤は、予め光触媒液又はシラン化合物の溶液又は分散液に添加しておくこともできる。
【0080】
2)着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体及びその製造方法
本発明の着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体は、基体と、該基体上に本発明の光触媒層形成用組成物から形成された層とを有することを特徴とする。
【0081】
用いる基体としては、直接又はその他の層を介して光触媒を担持可能なものであれば特に限定されない。基体の材質としては、例えば、セラミックス、ガラス、陶器、ほうろう、コンクリート等の無機質材料;合成樹脂、繊維類、紙類、木質材料等の有機質材料;鉄、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属質材料;等が挙げられる。基体の形状としては、フィルム状、シート状、板状、管状、繊維状、網状等どのような形状のものでもよい。基体の厚みは特に制限されないが、10μm以上のものであれば、表面に接着層及び光触媒層を強固に担持することができるので好ましい。また、基体としては単層からなるものでも、積層体であってもよい。
【0082】
本発明の担持構造体においては、基体と光触媒層との間に、その他の層を介在させるのが好ましい。その他の層としては、例えば、接着剤層が挙げられる。接着層は、基体と光触媒層との接着性を高めるとともに、光触媒により基体材料が劣化又は分解されるのを防止するために形成される。
【0083】
接着剤層は、▲1▼シリコン含有量2〜60重量%のシリコン変性樹脂、▲2▼コロイダルシリカを5〜40重量%含有する樹脂、又は▲3▼式(2)
【0084】
【化3】
Figure 2004010782
【0085】
〔式中、Rは、(アミノ基、カルボキシル基又は塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基を表し、m1は、0,1又は2を表し、m2及びm3はそれぞれ独立して、0又は1〜3の整数を表し、m4は2,3又は4を表す。ただし、m1+m2+m3+m4=4である。〕で表される化合物の重縮合反応生成物であるポリシロキサンを3〜60重量%含有する樹脂の1種若しくは2種以上からなるのが好ましい。
【0086】
シリコン含有量が2重量%未満のシリコン変性樹脂やコロイダルシリカの含有量が5重量%未満の樹脂、前記ポリシロキサン含有量が3重量%未満の樹脂では光触媒効果により接着剤層が劣化する。一方、シリコン含有量が60重量%をこえるシリコン変性樹脂では、接着層と基体との接着性が劣るものとなる。また、コロイダルシリカの含有量が40重量%を超える樹脂やポリシロキサンの含有量が60重量%を越える樹脂では、接着剤層が多孔質となり、下地の基体材料が光触媒により劣化したり、接着剤層と基体との接着性が乏しくなる。
【0087】
前記▲1▼のシリコン変性樹脂としては、例えば、アクリル−シリコン樹脂、エポキシ−シリコン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、例えば、エステル交換反応、シリコンマクロマーや反応性シリコンモノマーを用いたグラフト反応、ヒドロシリル化反応、ブロック共重合法等の種々の方法により製造することができる。シリコンが導入(変性)される樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらのうち、成膜性、強靭性及び基体との密着性の観点からアクリル樹脂及びエポキシ樹脂が好ましい。
【0088】
また、▲2▼及び▲3▼のコロイダルシリカあるいはポリシロキサンが導入される樹脂としては、アクリル樹脂、アクリル−シリコン樹脂、エポキシ−シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。これらのうち、耐久性に優れるアクリル−シリコン樹脂やエポキシ−シリコン樹脂等のシリコン変性樹脂が好ましい。
【0089】
また、前記▲3▼の樹脂の場合は、含まれるポリシロキサンが炭素数1〜5のアルコキシ基を含有するシリコンアルコキシドの加水分解物あるいは該加水分解物からの生成物である場合には、接着性及び耐久性に優れた接着剤層を形成することができるので特に好ましい。
【0090】
接着剤層は基体表面に直接又は他の層を介して、接着剤層用塗布液を塗布・乾燥することによって形成することができる。
接着剤層用塗布液は、少なくとも前記▲1▼〜▲3▼から選ばれる1種又は2種以上の樹脂を適当な溶媒に溶解又は分散させて調製することができる。
【0091】
接着剤層用塗布液に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;酢酸エチル等のエステル類;及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。混合溶媒で用いる場合、例えば、芳香族炭化水素(又はエステル類)とアルコール類との混合比(芳香族炭化水素又はエステル類:アルコール)は、重量比で20:80〜80:20の範囲が好ましい。
【0092】
また、前記接着剤層用塗布液には、光触媒作用による劣化を抑制する目的で、光安定化剤及び/又は紫外線吸収剤等を配合することにより耐久性をさらに向上させることができる。使用することができる光安定化剤としてはヒンダードアミン系光安定化剤を、また、紫外線吸収剤としてはトリアゾール系紫外線吸収剤をそれぞれ例示することができる。光安定化剤及び/又は紫外線吸収剤の添加量は、上記樹脂に対して、0.005重量%〜10重量%の範囲が好ましい。
【0093】
接着剤層を基体表面に形成する方法としては、接着剤層用塗布液をスプレーによる吹き付け法、ロールコーティング法、ディップコーティング法等により基体表面にコートし、乾燥する方法が挙げられる。塗膜の乾燥温度は、通常室温〜150℃の温度範囲である。
【0094】
また、接着剤層の厚みには特に制限はないが、通常0.1μm〜10μmである。接着剤層の厚みが0.1μm以上であれば、光触媒層を強固に接着し、耐久性の高い光触媒担持構造体を形成することができる。
【0095】
またこの場合には、基体と接着剤層との密着性をより高め、基体表面の変色や腐食を防止するために接着剤層を塗布する前に、例えば、特開平11−207871号公報に記載のごとき、予め基体表面にアクリル塗料を塗布しておくのも好ましい。
【0096】
基体表面上又は接着剤層上に、本発明の光触媒層形成用組成物を塗工して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥することにより、着臭防止機能を有する光触媒層を形成することができる。該組成物の塗工法としては特に制限されず、公知の塗工法を採用することができる。例えば、スプレーによる吹き付け法、ロールコーティング法、ディップコーティング法等が挙げられる。塗膜の乾燥温度は、通常、室温〜150℃の範囲である。
【0097】
光触媒層の乾燥後の厚みは0.1μm〜2μm、好ましくは0.5μm〜1.5μmである。光触媒層の厚みがこの範囲である場合に、光触媒層形成用組成物の塗膜表面にひび割れが生じたり、剥離することがなく、優れた着臭防止効果を得ることができる。
【0098】
以上のようにして得られる光触媒層担持構造体は、表面に透明で均一な膜質の着臭防止機能を有する光触媒層を有する。本発明の構造体の層に光が照射されることにより、ごみや塵が表面に付着するのを防止する機能(汚染防止機能)、アルデヒド類、アンモニア、アミン類等の悪臭物を分解する機能(悪臭物分解機能)等の優れた諸機能を発揮するとともに、悪臭物が表面に吸着するのを防止する機能(吸着防止機能)を発揮する。特に本発明の光触媒層担持構造体は、優れた着臭防止機能と悪臭防止機能とがバランスよく発揮されるものである。
【0099】
本発明の着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体は、特に光の強度が弱く、光触媒によって有機物(悪臭物)が分解されるのに長時間を要する場所に設置される物、例えば、ブラインド、カーテン、カーペット、各種家具類、照明器具等のインテリア部材;ドア、壁紙、窓ガラス、壁材等の屋内建築部材;照明灯、道路灯、トンネル照明灯、高速道路や新幹線の遮音壁等の屋外部材;包装資材、船底・魚網防止塗料、水処理用充填剤、ブラックライト等として使用することができる。
【0100】
3)着臭防止方法
本発明の光触媒層の着臭防止方法は、基体表面に、直接又はその他の層を介して、本発明の光触媒層形成用組成物を塗工し、乾燥することにより着臭防止機能を有する光触媒層を形成することを特徴とする。
【0101】
対象とする基体としては、前記光触媒層担持構造体に用いる基体として列記したものと同様なものが挙げられるが、建築物などの壁面であってもよい。また、光触媒層形成用組成物の塗工方法、乾燥条件などは、前記着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体を製造する場合と同様である。
【0102】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、光触媒層形成用組成物及び接着剤層用塗布液の各成分の種類、それらの配合割合等を自由に変更することができる。
【0103】
1)光触媒層形成用組成物の調製
(実施例1)
光触媒ゾル(商品番号:STS−01、石原産業(株)製、固形分濃度30重量%、平均粒子径7nm)とコロイダルシリカ(粒子径20nm)を固形分重量比50:50になるように混合し、水に分散させ、硝酸でpH=2.0になるようにpH調整した(光触媒液)。次いで、得られた光触媒液に、市販のγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを酸化物換算で最終固形分の10重量%に当たる量をエチルアルコールとn−プロピルアルコールの混合溶剤(エチルアルコールとn−プロピルアルコールの混合重量比=10:1、含水率0.2重量%)に溶解させた溶液を加え、固形分濃度が10重量%の光触媒層形成用組成物(塗布液A)を得た。
【0104】
(実施例2)
実施例1において、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランの代わりに、市販の3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いた以外は実施例1と同様にして、光触媒層形成用組成物(塗布液B)を得た。
【0105】
(実施例3)
実施例1において、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランの代わりに、市販のN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランを用いた以外は実施例1と同様にして、光触媒層形成用組成物(塗布液C)を得た。
【0106】
(比較例1)
実施例1において、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランの代わりに、市販のテトラメトキシシランを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例の光触媒層形成用組成物(塗布液D)を得た。
【0107】
2)着臭防止機能を有する光触媒層担持ガラスの製造
上記で得られた塗布液A〜Dを用いて、以下の手順にて着臭防止機能を有する光触媒層担持ガラスを製造した。
【0108】
(1)接着剤層の形成
20mm×20mm×3mm(厚み)のガラス板上に、接着層用塗布液をディッピング法(40cm/min)により塗布した後、100℃で15分間乾燥させて厚さ約0.6μmの接着層を形成した。
接着層用塗布液は、シリコン含有量3重量%のアクリル−シリコン樹脂(ガラス転移温度20℃)、テトラメトキシシランの部分加水分解生成物であり、重合度が3〜6であるオリゴマーを固形分重量比65:35に混合し、エチルアルコール−酢酸エチル混合溶媒で固形分濃度が10重量%になるように希釈し、調製した。
【0109】
(2)着臭防止機能を有する光触媒層の形成
次に、接着層を形成したガラス板に、上記実施例及び比較例で調製した光触媒層形成用組成物(塗布液A〜D)をディッピング法(20cm/min)にてそれぞれ塗布し、100℃で15分間乾燥して、厚みが約0.4μmの光触媒層を形成した。それぞれ得られた光触媒層担持ガラスを、以下のごとくガラス板A〜Dとした。
【0110】
ガラス板A:塗布液Aを用いて光触媒層を形成したガラス板
ガラス板B:塗布液Bを用いて光触媒層を形成したガラス板
ガラス板C:塗布液Cを用いて光触媒層を形成したガラス板
ガラス板D:塗布液Dを用いて光触媒層を形成したガラス板
【0111】
3)各種性能試験
(1)付着性評価
JIS K5400に規定する碁盤目テープ法試験により付着性評価試験を行った、マス目は2mm間隔で25個とした。点数評価は、JIS K5400に記載の基準で行った。結果を第1表に示す。第1表から明らかなとおり、ガラス板A〜Dの評価点のすべてが10点であり、ガラス板A〜Dのいずれのガラス板の光触媒層も優れた付着性を有していた。
【0112】
(2)塗膜の透明性の評価
塗膜の透明性の評価をガラス板上に形成した塗膜のヘイズ率を測定することにより行った。ヘイズ率は濁度計(日本電色工業(株)製 300A)で測定した。ディッピング法により成膜しているので、両面に塗膜が形成されているので、片面当たりに換算した。結果を第1表に示す。
【0113】
(3)光触媒活性の評価
光触媒活性の評価をメチレンブルーの分解試験で行った。ガラス板A〜Dをメチレンブルー0.1重量%エチルアルコール溶液にディッピングして、メチレンブルーで着色した。ブラックライトで紫外線強度1.0mW/cmの光を20時間照射した。色差計で着色前、後、紫外線照射後の色差をそれぞれ測定し、着色前の明度(L)を0、着色後の明度を100とし、20時間照射後の明度からメチレンブルーの残存率(%)を算出した。結果を第1表に示す。
【0114】
(4)着臭防止効果の評価
ガラス板A〜Dにブラックライトで紫外線強度1.0mW/cmの光を10時間照射した後、光触媒層に約5cm程度の距離から息を吹きかけ、直ちに鼻の下にスラットを移動し、臭いをかいだ。異臭がほとんどない場合を○、異臭がする場合を×で評価し、5人で同一の試験を行い、もっとも多い評価を結果とした。結果を第1表に示す。第1表から、ガラス板A〜Cの場合は異臭がなく優れた着臭効果が認められたが、ガラス板Dの場合は明らかな異臭が認められた。
【0115】
【表1】
Figure 2004010782
【0116】
【発明の効果】
本発明の着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体は、優れた光触媒活性と着臭防止効果とを兼ね備えるため、表面に汚れが付着しにくく、基体表面から吸着された有機物の不快臭がすることがない。
本発明の着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体の製造方法によれば、本発明の担持構造体を簡便、かつ、効率よく製造することができる。
また、既存の建築物などの基体表面に、直接又はその他の層を介して、本発明の光触媒層形成用組成物を塗工し、乾燥するだけで、優れた防汚活性と着臭防止効果とを兼ね備えた光触媒層を形成することができ、表面に汚れが付着しにくく、基体表面から吸着された有機物の不快臭がすることがないという効果を得ることができる。

Claims (5)

  1. 光触媒の粉末及び/又はゾル、金属酸化物ゾル及び/又は金属水酸化物ゾル、並びに式(1)
    Figure 2004010782
    (式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルキル基又は親水性置換基を末端に有する炭化水素基を表し、R、Rは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表し、n1、n2、n4及びn5は、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表し、n3は1又は2を表す。ただし、n1+n2+n3+n4+n5=4である。)で表されるシラン化合物を含有することを特徴とする光触媒層形成用組成物。
  2. 基体と、該基体上に、請求項1に記載の光触媒層形成用組成物から形成された、着臭防止機能を有する光触媒層とを有することを特徴とする着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体。
  3. 基体上に、直接又はその他の層を介して、請求項1に記載の光触媒層形成用組成物を塗工し、乾燥することにより、着臭防止機能を有する光触媒層を形成する工程を有することを特徴とする、着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体の製造方法。
  4. 基体上に、接着層形成用組成物を塗工し、乾燥することにより接着層を形成する工程と、該接着層上に、請求項1に記載の光触媒層形成用組成物を塗工し、乾燥することにより、着臭防止機能を有する光触媒層を形成する工程とを有する着臭防止機能を有する光触媒層担持構造体の製造方法。
  5. 基体表面に、直接又はその他の層を介して、請求項1に記載の光触媒層形成用組成物を塗工し、乾燥することにより、着臭防止機能を有する光触媒層を形成することを特徴とする光触媒層の着臭防止方法。
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