JP2004009027A - 農業用作業車 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の薬液散布作業においては、散布作業中に薬液タンク内の薬液が無くなった場合、オペレータは一時圃場端部まで該農業用作業車を手動操作で移動させ、薬液を補充した後、薬液タンク内の薬液が無くなった場所まで農業用作業車を移動させ、薬液散布作業を再開していたが、圃場内における薬液タンク内の薬液が無くなった場所はオペレータの記憶に頼っていたため、実際の位置と作業を再開させた位置とがずれて、薬液を一度も散布していない場所(未散布領域)や、薬液を複数回散布する場所(重複散布領域)が生じる原因となっていた。
【解決手段】GPSユニット102と、内界センサ122と、株倣いセンサ123とを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車101の自律走行コントローラ110に、薬液が無くなった時点、または予め設定した量を下回った時点の該農業用作業車の位置を記憶する。
【選択図】    図16

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)と、方位センサや傾斜センサ、車速センサなどの内界センサと、株倣いセンサとを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車の走行作業管理の技術に関する。
詳細には、自律走行中に散布していた薬液が無くなり、作業を中断した位置をGPSにより計測・記憶しておき、薬液補充後、自律走行により作業を中断した位置に復帰して、作業を再開する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、既に作物が栽培されている圃場において、GPSやセンサ類を備え、自律的に走行・作業を行う農業用作業車が知られている。該農業用作業車の例としては、散布機を搭載した散布作業機などが挙げられる。このような農業用作業車は、圃場内の作業開始地点まではオペレータが農業用作業車を運転する。そして、オペレータは作業開始地点に到達後、該作業車から降りて圃場の外に退出し、作業車は自律走行・作業を開始する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の水田への薬液散布作業においては、オペレータが農業用作業車に搭乗して手動で運転・散布作業を行っていた。そして、該散布作業中に薬液タンク内の薬液が無くなった場合、オペレータは一時圃場端部まで該農業用作業車を移動させ、薬液を補充した後、薬液タンク内の薬液が無くなった場所まで農業用作業車を移動させ、薬液散布作業を再開していた。
このとき、圃場内における薬液タンク内の薬液が無くなった場所はオペレータの記憶に頼っていたため、実際の位置と作業を再開させた位置とがずれて、薬液を一度も散布していない場所(未散布領域)や、薬液を複数回散布する場所(重複散布領域)が生じる原因となっていた。この重複散布は薬剤の無駄な使用となるばかりでなく、薬害にも通じてしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、GPSと、内界センサとを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車であって、
タンク内の液面レベル検知手段と記憶手段を処理手段と接続して、自律走行作業中において、薬液が無くなった時点、または予め設定した量を下回った時点の該農業用作業車の位置を記憶するものである。
【0006】
請求項2においては、薬液が無くなった時点、または予め設定した量を下回った時点で散布を停止して圃場端部まで自律走行・停車するものである。
【0007】
請求項3においては、前記圃場端部で薬液補充を行った後、前記薬液が無くなった時点、または予め設定した量を下回った時点の該農業用作業車の位置まで自律走行するとともに作業を再開するものである。
【0008】
請求項4においては、GPSと、内界センサとを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車であって、
薬液タンクに薬液量計測手段を設け、単位走行距離または単位走行時間当たりの散布量を算出し、薬液が無くなる、または予め設定した量を下回るまでの走行距離または走行時間を計算・表示するものである。
【0009】
請求項5においては、前記薬液補充時に、圃場の未散布領域に散布するために必要な薬液の量を計算・表示するものである。
【0010】
請求項6においては、前記必要な薬液量と薬液の希釈倍率から、薬液補充時に必要な薬剤量を表示するものである。
【0011】
請求項7においては、次の散布工程において薬液が無くなる、または予め設定した量を下回ることが計算により予測される場合は現在の散布工程終了後、圃場端部に移動・待機するものである。
【0012】
請求項8においては、GPSと、内界センサとを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車であって、
収納位置と作業位置に開閉する左右側方ブームと、前方ブームとでブーム部が構成され、該ブームに薬液散布用ノズルを複数設け、ブーム毎に薬液の供給・停止を行うバルブを設け、バルブの開閉と左右側方ブームの開閉を制御手段で制御可能にするとともに、
圃場角地の薬液散布工程を複数設定し、該工程を選択可能に構成したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の側面図、図2は本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の平面図、図3はブーム部の薬液配管経路を示す図、図4は本発明における自律走行システムの模式図、図5は移動局ユニットを示す図、図6は基準局ユニットを示す図、図7は本機コントローラと自律走行コントローラの接点部を示す模式図、図8はPDA表示部の表示例を示す模式図、図9は本発明の農業用作業車による自律走行経路の第一実施例を示す模式図、図10は本発明における自律走行のフローチャート図、図11は本発明の農業用作業車による自律走行経路の第二実施例を示す模式図、図12は中幅散布領域を含む圃場における自律走行経路の実施例を示す模式図、図13は薬液タンクの後面図、図14は薬液配管系統を示す模式図、図15は薬液補充用の自律誘導経路の実施例を示す図、図16は薬液補充作業のフローチャート図、図17は薬液補充用の自律誘導経路の別実施例を示す図、図18は薬液補充作業の別実施例におけるフローチャート図、図19は圃場角地の散布作業の第一実施例を示す模式図、図20は圃場角地の散布作業の第二実施例を示す模式図、図21は圃場角地の散布作業の第三実施例を示す模式図である。
【0014】
まず、本発明に係る農業用作業車の実施の一形態である散布作業機101について、図1及び図2を用いて説明する。なお、本発明は本実施例の散布作業機101に限定されるものではなく、圃場内を設定されたルートに従って作業を行う農業用作業車に適用可能である。
散布作業機101は乗用型の走行車両22と、該走行車両22の前部及び側部に配設されたブーム部35と、該走行車両の後部に配設されたポンプ部36と、該ポンプ部36の前部に配設された薬液タンク24等で構成されている。
【0015】
前記走行車両22の前端より後方へ向けて、左右一対のメインフレーム6L・6Rが平行に水平方向に延設され、該メインフレーム6L・6Rの前部下方にはフロントアクスルケース92Fを介して前輪7・7が支承され、後部下方にはリアアクスルケース92Rを介して後輪8・8が支承されている。
また、メインフレーム6L・6R上であって走行車両22前部にはエンジン9を被覆するボンネット10が配設されている。該ボンネット10後方のカバー上に操作パネル11が設けられており、該操作パネル11の上方には操向ハンドル12が設けられて、操作パネル11及び操向ハンドル12等で散布作業機101の操縦部を構成している。
【0016】
また、メインフレーム6L・6R後部上には薬液タンク24が配設されており、該薬液タンク24の前部中央には運転席14が形成されて、該薬液タンク24によって側部と後部を取り囲まれるように載置されている。そして、薬液タンク24とボンネット10の間にはステップ13が設けられ、該ステップ13に乗降するための乗降ステップ56・56がメインフレーム6L・6Rに取り付けられている。
【0017】
前記ブーム部35は、薬液を散布するための複数のノズル23・23・・・を有するブーム40と、該ブーム40の昇降や展開を行うための機構より構成されている。
ブーム40は走行車両22の前方に位置する前方ブーム41と、該前方ブーム41の両端に枢支され、折畳み可能に側方に延設されている左右の側方ブーム42L・42Rから構成されている。そして、該ブーム40には薬液を散布するための複数のノズル23・23・・・が一定間隔をおいて配設されている。
そして、前方ブーム41と側方ブーム42L・42Rの間には、それぞれブーム開閉用シリンダ43・43が介装され、該ブーム開閉用シリンダ43・43を伸縮させることによって、側方ブーム42L・42Rを前方ブーム41と略一直線となるよう左右水平方向へ延設した作業位置と、前後方向で後ろ上がりに位置させた収納位置に回動可能としている。
【0018】
また、平行リンクにより前方ブーム41とメインフレーム6L・6Rの前部の間が連結され、該平行リンクの一方とメインフレーム6L・6Rの間にブーム昇降用シリンダ38・38を介装し、該ブーム昇降用シリンダ38・38を伸縮させることによってブーム40を上下昇降可能とした昇降リンク機構37が構成されている。
さらに、前方ブーム41の左右略中央が昇降リンク機構37に対して左右傾倒可能に支持され、該前方ブーム41と昇降リンク機構37の間にブーム水平制御用シリンダ39を介装して、走行車両22が傾いてもブーム40が略水平姿勢を保持するようブーム40を水平制御する構成としている。
【0019】
前記ポンプ部36は、エンジン9から動力を得て薬液タンク24内の薬液をノズル23・23・・・へ圧送する噴霧ポンプ4と、該噴霧ポンプ4から吐出される薬液の制御に関わる散布量制御装置3等で構成されている。
噴霧ポンプ4は、走行車両22の後部に延設したサブフレーム52L・52R上に支持部材を介して該噴霧ポンプ4のクランクケースに内装されたクランク軸が車両前後方向に位置するよう配設され、該クランクケースの右上部にはエアチャンバや安全弁等が設けられている。
また、散布量制御装置3は、流量制御弁や、該流量制御弁の開閉に関わるモータ等より構成され、噴霧ポンプ4のクランクケース周囲に配設されている。
【0020】
上述の如く構成される散布作業機101は、ブーム40を広げた状態で走行車両22により圃場を走行すると同時に、薬液タンク24内の薬液が、ポンプ部36により調量されるとともにブーム部35に圧送されてブーム40に設けられたノズル23・23・・・から散布され、薬液散布作業を行う。
【0021】
図3に示すように、配管175はポンプ部36にその一端が接続され、他端側は三つに分岐してそれぞれ散布開閉バルブ176・177・178に接続される。電磁バルブ等より構成される散布開閉バルブ176・177・178は互いに独立して開閉可能に構成され、その開閉動作は本機コントローラ169と接続して制御される。
配管179は右側方ブーム42Rに沿って配設され、その一端はフレキシブルホース179aにより散布開閉バルブ176に接続される。そして、配管179の他端側は閉塞されており、中途部に複数のノズル23が設けられている。同様に、配管180は前方ブーム41に沿って配設され、その一端はフレキシブルホース180aにより散布開閉バルブ177に接続される。そして、配管180の他端側は閉塞されており、中途部に複数のノズル23が設けられている。配管181は左側方ブーム42Lに沿って配設され、その一端はフレキシブルホース181aにより散布開閉バルブ178に接続される。
【0022】
エンジン9からの動力は、主クラッチ173を介してミッションケース174に伝達され、該ミッションケース174にて変速され、前後のアクスルケース92F・92R(図1に図示)を介して前輪7・7および後輪8・8を駆動する。このとき、エンジン9からの動力をミッションケース174に動力を伝達・遮断する主クラッチ173を動作させる主クラッチ用アクチュエータ182(後述する自律操作手段124の一つである)は、本機コントローラ169に接続されており、該本機コントローラ169により動作が制御される。
主クラッチ173が「切」(エンジン9の動力は遮断され、ミッションケース174に伝達されない)のとき、散布開閉バルブ176・177・178は全て閉止状態になるよう構成される。また、側方ブーム42L・42Rが閉じられて収納位置に配置されたときも、閉じられた方の側方ブームに対応する散布開閉バルブが閉じるように構成されている。
【0023】
このように構成することにより、散布作業機101の発進・停止に連動して、薬液散布系統の開閉が行われる。結果として、停車時に局所的に薬液散布量が多くなったり、逆に発進時すぐに散布されず、薬液散布が行われない場所が生じることがなく、散布作業を確実に行うことが可能である。
なお、本機コントローラ169は前述した如く散布開閉バルブ176・177・178および主クラッチ用アクチュエータ182を操作するのみならず、ブームの昇降・開閉やその他のアクチュエータを搭乗時・遠隔操作時に操作するためのものである。他の機能については後で詳述する。
【0024】
そして、散布作業機101は、操縦者が車両に搭乗して操向ハンドル12や操作レバー等を操作して走行・作業する手動操縦モードと、操縦者が車両に搭乗せずにGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を利用して車両の位置情報を得て自律走行プログラムにより圃場を走行しながら薬液散布作業を行う自動操縦モードを運転席14近傍または無線操作手段133に設けた切換手段で選択することが可能に構成されている。
【0025】
次に、本発明の農業用作業車におけるGPSについて説明する。
GPS(グローバル・ポジショニング・システム)とは、元来航空機・船舶等の航法支援用として開発されたシステムであって、上空約二万キロメートルを周回する二十四個のGPS衛星(六軌道面に四個ずつ配置)、GPS衛星の追跡と管制を行う管制局、測位を行うための利用者の受信機で構成される。
GPSを用いた測量方法としては、単独側位、相対側位、DGPS(ディファレンシャルGPS)側位、RTK−GPS(リアルタイムキネマティック−GPS)側位など種々の方法が挙げられる。
【0026】
単独側位とは、GPS衛星から送信される衛星の位置や時刻などの情報を一台のアンテナで受信する方法である。衛星から電波が発信されてから受信機に到達するまでに要した時間を測り、該時間と電波の速度から距離を求める
このとき、位置の判っているGPS衛星を動く基準点とし、四個以上の衛星から観測点までの距離を同時に知ることにより観測点の位置を決定する。
【0027】
相対側位とは、二台以上の受信機を使い、同時に四個以上の同じGPS衛星を観測する方法であり、GPS衛星の位置を基準として、GPS衛星からの電波信号それぞれの受信機に到達する時間差(電波の位相差)を測定して、二点(二台の受信機)間の相対的な位置関係を求める。
各測定点で同じ衛星の電波を受信し、衛星から発射された電波が同じような気象条件の中を通過してくることから、二点(二台の受信機)間の観測値の差を取ることにより、観測値に含まれる衛星の位置誤差や対流圏・電離層遅延量などの誤差を解消することができる。
【0028】
DGPS(ディファレンシャルGPS)側位、RTK−GPS(リアルタイムキネマティック−GPS)側位は、位置が判っている基準局と、位置を求めようとする観測点とで同時にGPS観測を行い、基準局で観測したデータを無線等の方法で観測点にリアルタイムで送信し、基準局の位置成果に基づいて観測点の位置をリアルタイムに求める方法である。
DGPS(ディファレンシャルGPS)側位は、基準局と観測点の両点で単独側位を行い、基準局において位置成果と観測された座標値の差を求め、観測点に補正情報として送信する。
RTK−GPS(リアルタイムキネマティック−GPS)側位は、基準局と観測点の両点で位相の測定(相対側位)を行い、基準局で観測した位相データを観測点に送信する、
観測点のGPS受信機では、受信データと基準局から送信されたデータとをリアルタイムで解析することにより、観測点の位置を決定する。
【0029】
本発明においては、測定精度の高いRTK−GPS側位方式が採用されているが、前記他の方式を用いてもよく、限定されない。
【0030】
図4に示すように、本発明におけるGPSユニット102は、主に、散布作業機101本体に搭載される移動局ユニット103と、水田などの圃場の近くに設置される基準局側ユニット104からなる。該基準局ユニット104は地面に固定された基準局の役割を果たし、移動局側ユニット103は位置を求めようとする移動局(観測点)として機能する。
図5に示すように、散布作業機101本体上面の運転席14の後部から正面視門型のフレーム105が立設されている。フレーム105の横架部105aおよび立設部105b・105bで囲まれる部分には収納部106が設けられ、該収納部106に移動局ユニット103の内、GPSアンテナ108を除く部材が収納される。GPSアンテナ108はフレーム105の横架部105a上面に固設される。
【0031】
移動局ユニット103は、GPSアンテナ108の他、GPS受信部109、CPUやRAMやROM等を備える制御手段となる処理部110、操作部111、表示部112、無線部113などで構成される。
GPSアンテナ108で受信されたGPS衛星からの電波信号は、ケーブルでGPS受信部109を経て処理部110に送信される。操作部111は後述する自律走行の設定や、GPSの初期設定などを行うためのインターフェースであり、処理部110にケーブル接続されている。表示部112は処理部110にケーブル接続されており、処理部110におけるデータ処理の状況や、操作部111により入力された各種設定を表示する。無線部113は基準局ユニット104およびオペレータが携帯する無線操作手段133と、移動局ユニット103とが無線交信するためのものである。また、無線操作手段133からの制御信号を受信し、該無線操作手段133からの作動確認信号が途絶えたときは散布作業機101の自律走行を停止させるための受信部107が設けられている。
【0032】
なお、本実施例においては移動局ユニット103をフレーム105に固設しているが、例えばGPSアンテナ108以外の移動局ユニット103を構成する他の部材はボンネット9に収納し、運転席14の前に位置する操縦部の操作パネル11に、操作部111および表示部112を組み込む構成としても良い。
また、操作部111はキーボードやスイッチ、レバー、押しボタン、ダイアルなどオペレータが入力操作可能であればよく、その形式は限定されない。さらに、操作部111と表示部112をタッチパネルとし、一体化してもよい。
また、処理部110、操作部111および表示部112として、既存のパソコンを使用してもよい。
【0033】
基準局ユニット104も移動局ユニット103と略同じ構成であり、GPSアンテナ114、GPS受信部115、処理部116、操作部117、表示部118、無線部119などで構成される。
【0034】
図5に示すように、基準局ユニット104のGPSアンテナ114は支柱114aにより地面より立設される。基準局ユニット104を構成するGPSアンテナ114以外の部材は筐体120に収納可能に構成される。
なお、基準局ユニット104は本発明の散布作業機101を使用する圃場の近傍に常設してもよく、あるいは使用後撤去可能な構成としても良い。
【0035】
次に、本発明の散布作業機101における自律走行システムについて、図4を用いて説明する。該自律走行システムは、前述のGPSユニット102の他、自律走行プログラム121や、散布作業機101の種々の情報を検出する内界センサ122、株倣いセンサ123、自律走行・作業をするための自律操作手段124などからなる。
【0036】
ある時刻に発信されたGPS衛星125からの電波信号は、散布作業機101に設けられた移動局ユニット103のGPSアンテナ108により受信され、GPS受信部109を経て処理部110に送信される。
【0037】
一方、前記GPS衛星125から同時刻に発信された電波信号は、圃場付近に設置された基準局ユニット104のGPSアンテナ114によっても受信され、GPS受信部115を経て処理部116に送信される。さらに、無線部119から無線部113を経て処理部110に無線送信される。
【0038】
処理部110では、前記基準局ユニット104において受信された電波信号と、移動局ユニット103において受信された電波信号とを比較対照し、同時刻に発信された電波信号がGPSアンテナ108およびGPSアンテナ114で受信されたときの位相差や、複数の衛星からの電波信号情報に基づき、移動局ユニット103と基準局ユニット104との相対位置を計算し、移動局ユニット103の位置計算を行う。上記の計算は処理部110に格納された自律走行プログラム121により行われる。
【0039】
このように構成することにより、散布作業機101と基準局ユニット104との三次元の相対位置、すなわち、圃場内における散布作業機101の位置(高さ方向のデータを含む)を高精度かつリアルタイムで測定可能である。
【0040】
内界センサ122は、速度、姿勢、エンジン回転数、ステアリングの操舵角など、散布作業機101を自律走行させる上で必要な情報を検知するためのセンサ類を指す。より具体的には、エンジン回転数センサ、車速センサ、操舵角センサ、方位センサ、ロール傾斜センサ、ピッチ傾斜センサなどである。これら内界センサ122からの検知信号は、処理部110に送信される。
なお、本実施例においては、内界センサ122のうち、方位センサ、ロール傾斜センサ、ピッチ傾斜センサなどは移動局ユニット103と同じ収納部106内に配設されているが、これらのセンサ類の配設位置については特に限定されない。
【0041】
株倣いセンサ123は、散布作業機101の機体前部下面(前輪7・7前方)に配設される。株倣いセンサ123は散布作業機101が作物を車輪で踏んだりしないように、圃場に所定の間隔を空けて植わっている作物を検知し、該散布作業機101の走行方向を制御するために用いられる。株倣いセンサ123からの検知信号も処理部110に送信される。
【0042】
内界センサ122、株倣いセンサ123からの検知信号、およびGPSユニット102による散布作業機101の位置情報に基づき、処理部110内に格納された自律走行プログラム121によって散布作業機101の速度、姿勢、エンジン回転数、ステアリングの操舵角などを自律操作するための信号が自律操作手段124に送信される。該自律操作手段124は、より具体的には、ステアリング駆動アクチュエータやステアリング駆動電磁弁(図示せず)、ブーム昇降用パワーシリンダ(ブーム昇降用シリンダ38に相当)、ブーム開閉用パワーシリンダ(ブーム開閉用シリンダ43に相当)、ブーム水平制御用パワーシリンダ(ブーム水平制御用シリンダ39に相当)、アクセルアクチュエータ、主クラッチ用アクチュエータなどである。
なお、本実施例においては、GPSユニット102から得られる散布作業機101の位置情報は高さ方向に対しても高い精度を持つ。そのため、自律作業中に圃場からブーム40までの高さが略一定となるようブーム昇降用シリンダ38を制御し、薬液の散布状態を略一定にすることが可能である。
【0043】
無線操作手段133はオペレータが携帯し、散布作業機101から離れた位置から各種の操作を行う複数のスイッチ等を備えたものである。図4に示すように、本実施例の無線操作手段133は内部に合計六点の接点スイッチを備え、それぞれ第一ボタン163、第二ボタン164、第三ボタン165、第四ボタン166、第五ボタン167、第六ボタン168によりオン・オフされる。
自律走行時においてオペレータが行う遠隔操作としては、次の十種類の操作が挙げられる。すなわち、(1)非常時の緊急停止(エンジン停止)は第一ボタン163、(2)散布作業機の発進・停車は第二ボタン164、(3)ブーム上昇は第四ボタン166、(4)ブーム下降は第六ボタン168、(5)右側方ブーム開は第三ボタン165+第四ボタン166、(6)右側方ブーム閉は第三ボタン165+第六ボタン168、(7)左側方ブーム開は第五ボタン167+第四ボタン166、(8)左側方ブーム閉は第五ボタン167+第六ボタン168、(9)株倣いセンサ上昇は第三ボタン165+第五ボタン167+第四ボタン166、(10)株倣いセンサ下降は第三ボタン165+第五ボタン167+第六ボタン168、である。
このように一つまたは複数のボタンを組み合わせて押すことにより、操作性を損なわず、無線操作手段133に設けられた接点スイッチの個数(本実施例においては六個)よりも多い種類(本実施例では十種類)の操作を可能としている。
【0044】
図7に示すように、無線部113に備えられる受信機202は1チャンネルから6チャンネルまで計六個の接点スイッチを有しており、それぞれ無線操作手段133の第一ボタン163、第二ボタン164、第三ボタン165、第四ボタン166、第五ボタン167、第六ボタン168を操作することにより各ボタンに対応する接点スイッチが作動し、自律走行コントローラである処理部110に無線操作手段133からの操作信号を送信する。処理部110の接点出力部にはそれぞれ、ブーム上昇、ブーム下降などそれぞれの操作に対応する接点出力が備えられている。
【0045】
例えば、ブームを上昇させようとして、無線操作手段133を操作する(ボタン166を押す)と、受信機202において、該操作に対応する4チャンネルの接点スイッチがオンとなって、処理部110にボタン166が押されたことを示す信号が送信される。
前述したように、本実施例においては第四ボタン166を使用する遠隔操作が四種類存在する。具体的には、ブーム上昇(第四ボタン166)、右側方ブーム開(第三ボタン165+第四ボタン166)、左側方ブーム開(第五ボタン167+第四ボタン166)、株倣いセンサ上昇(第三ボタン165+第五ボタン167+第四ボタン166)である。処理部110は、第四ボタン166に対応する4チャンネルからのみ信号が送信されていることを確認し、ブーム上昇を行うための出力接点203より信号を出し、遠隔操作リレー204を作動させる。結果として、ブーム上昇を行うための本機コントローラ169側の入力接点205に信号が送信される。また、遠隔操作リレー204とは並列に手動スイッチ206が設けられており、オペレータが散布作業機101に搭乗時、手動によってもブーム上昇が可能に構成されている。該手動スイッチ206は運転席14近傍に配置される。本機コントローラ169はブームシリンダ制御リレーに送信し、ブーム40を上昇させる。
このように、入力接点203、遠隔操作リレー204、出力接点205、手動スイッチ206からなるブーム上昇リレー部207が自律走行コントローラである処理部110と本機コントローラ169の間に形成されている。また、ブーム上昇リレー部207と略同じ構成であり、ブーム下降、ブーム開閉など他の遠隔操作にそれぞれ対応するリレー部が処理部110と本機コントローラ169の間に併設される(図示せず)。
【0046】
以上の如く、自律走行中においてもブームの上昇・下降や散布作業機の発信・停止を遠隔操作可能に構成することにより、圃場中に看板や鉄塔脚が立設されていたり、圃場周囲に木立がある場合でも、これらと散布作業機101とが接触しないようにオペレータが遠隔操作にて回避することが可能である。
【0047】
また、圃場外に、図4に示す遠隔監視モニタ161を設置することもできる。該遠隔監視モニタ161は、自律走行コントローラである移動局ユニット103の処理部110と無線LANで接続可能に構成され、散布作業機101の諸情報を表示部161aに表示したり、制御パラメータを遠隔で変更することが可能である。
【0048】
さらに、前記遠隔監視モニタ161として、PDA(Personal Digital Assistance)162を使用することも可能である。該PDA162は、自律走行コントローラである移動局ユニット103の処理部110と無線LAN接続可能に構成され、前記無線操作手段133と同様の指示を散布作業機101に対して行うことができる。さらに散布作業機101の諸情報を該PDA162の表示部162aに表示したり、制御パラメータを遠隔で変更することが可能である。すなわち、PDA162はサイズが小さくオペレータが携帯可能であり、表示部162a、タッチパネルやボタンなどの入力手段、および通信機能を備えるので、前記無線操作手段133と遠隔監視モニタ161の機能を併せ持つものである。
【0049】
図8にPDA162の表示部162aの表示例を示す。該表示部162aには散布作業機101の情報(例えば、GPSユニット102により得られる位置情報、当該圃場の薬液必要量や薬液タンク24内の薬液残量、薬液散布速度(単位時間当たりの散布量)から予想される薬液補給までの時間)が表示される情報ウインドウ170、当該圃場の形状および圃場内の散布作業機位置171a、自律走行経路および薬液補充位置171bを示す平面図171、および前記無線操作手段133のボタンに相当するコマンドボタン172・172・・・などが表示される。
なお、表示部162aの表示方法などは限定されるものではなく、前記情報ウインドウ170、平面図171、コマンドボタン172の表示を順に切替えられる構成とするなどしてもよい。
【0050】
続いて、散布作業方法の第一実施例を図9および図10を用いて説明する。
例えば図9に示すような平面視長方形の圃場である水田126で散布作業を行う場合、水田126内に均一に、言い換えれば、一度も散布されていない場所(未散布領域)や複数回散布される場所(重複散布領域)が生じないように薬液を散布することが重要である。よって、散布作業を行う散布作業機101が左右の側方ブーム42L・42Rを車体側方に伸ばした時の横幅(以後「全幅」と呼ぶ。10メートル程度)と略同じ幅を持つ水田126の外縁部126a(図9における斜線部)を残し、該外縁部126aの内側に位置する作業開始地点128(または作業開始地点131)から散布作業を開始する。最後に外縁部126aを一周しながら散布作業して作業終了地点129(または作業終了地点132)から散布作業機101が水田126の外に退出する。すなわち、図9において実線および点線で示された経路に沿って散布作業機101が走行しつつ、散布作業を行うのである。
このとき、図9に示される散布作業機101の走行経路のうち、実線で示された部分は薬液散布作業を行いつつ走行する工程(以後「散布工程」と呼ぶ)を示し、点線で示された部分は薬液散布作業を行わずに走行する工程(以後、「移動工程」と呼ぶ)を示している。
【0051】
本発明の散布作業機101における散布作業の場合、水田126端部の任意の地点である作業車進入地点127までオペレータが散布作業機101を運転し、作業車進入地点127(圃場内)で停車させて散布作業機101から降りる。次に、オペレータは携帯している無線操作手段133により、散布作業機101の自律走行を開始させる(自律走行開始ボタンを押す)。散布作業機101は作業直前に水田126の外縁部126aを周回し、GPSユニット102から得られた水田126の形状を処理部110に記憶し、自律走行プログラム121により、水田126の形状に関する情報を基に作業経路を自動作成しておくか、予め圃場毎の作業経路データを作成しておき、処理部110に記憶しておく。
【0052】
散布作業機101は処理部110内に格納されている自律走行プログラム121により、水田126の形状に関する情報を基に作業車進入地点127から作業開始地点128までの作業車誘導経路を自動作成する。
散布作業機101は前記作業車誘導経路(作業車進入地点127から作業開始地点128まで)を自律走行後、停車することなく薬液散布作業を開始し、GPSユニット102による位置情報を基に自律走行を続ける。最後に作業終了地点129まで到達すると、散布作業機101は自動的に自律走行を終了し、停車する。
【0053】
なお、散布作業機101の自律走行経路は幾通りも作成することが可能であるが、作業速度の観点から見れば、走行経路が最も短い経路を選択することが望ましい。ただし、実際には圃場内に障害物(看板・鉄塔脚など)が存在したり、圃場の特定箇所が軟弱地盤であったり、あるいは作業車が圃場に進入できる地点が特定の場所に制約されるなど、種々の状況が考えられる。
また、散布作業機101が一度散布作業を行った場所を再び通過することは、薬液散布による害虫駆除・防除効果の観点から見て好ましいことではない。よって、処理部110に予め諸条件を入力するか、記憶させておくとともに、これらの諸条件を加味した上で最適の走行経路を選択可能に自律走行プログラム121を構成することが重要である。
【0054】
次に、散布作業方法の第二実施例を図11を用いて説明する。
第一実施例と同じ水田126に散布作業を行う場合でも、作成し得る自律走行経路は幾つもある。第一実施例では水田126の外縁部126aを全周残して内部から散布作業を行う経路を採用したが、第二実施例では、四方ある圃場端部のうち、一端のみに隣接する外縁部126b(図11における斜線部)を残し、作業開始地点184から散布作業を開始し、最後に該外縁部126bを通って作業車進入地点183に戻ってくる。
なお、第二実施例では、作業車進入位地点183と作業終了地点185とを同じ場所としたが、圃場端部の別の地点に作業終了地点を配置しても良い。
【0055】
水田126は、平面視略長方形であり、その長辺が全幅の偶数倍に略同じであったが、図12示す水田186は、平面視略長方形であり、その長辺が全幅の略奇数倍である。
前述したように、散布作業機101が一度散布作業を行った場所を再び通過することは、薬液散布による害虫駆除・防除効果の観点から見て好ましいことではない。しかし、圃場周囲の状況などにより散布作業機101の作業車進入経路が限定され、作業車進入地点187と作業終了地点189とを一致させなければならない場合、薬液が既に散布された場所を通らないように作業経路を作成するのは困難である。
そこで、水田186の左右縁部近傍を中幅作業領域186a(図12中の斜線部)とし、該作業領域を走行時は左右の側方ブーム42L・42Rの一方(本実施例では右側方ブーム42R)を収納位置に回動させた状態で自律走行・散布作業を行う。なお、本実施例では右側方ブーム42Rを収納位置に回動させた状態で自律走行・散布作業を行っているが、逆に左側方ブーム42Lを収納位置に回動させた状態でも同様の効果を奏する。
【0056】
本実施例の散布作業機101のブーム部であるブーム40は、前方ブーム41および左右の側方ブーム42L・42Rからなり、それぞれについて独立して薬液の供給・停止を行う散布開閉バルブ176・177・178が設けられている。よって、本実施例においては前方ブーム41のみ(短幅散布)、前方ブーム41+左右どちらかの側方ブーム42(中幅散布)、全てのブーム(全幅散布)、というように種々の薬液散布形態を選択することが可能である。
従って、圃場のサイズに合わせて散布作業機101の散布幅を変更し、圃場に均一に(未散布領域や重複散布領域を生じることなく)薬液散布を行うとともに、既に薬液を散布した場所を通らない走行経路を選択することが可能である。
なお、本実施例ではブームが三分割(前方ブーム41と左右の側方ブーム42L・42R)構造であったが、例えば五分割構造とし、それぞれのブームに薬液散布配管、ノズルおよび散布開閉バルブを設けることにより、散布幅を圃場により精密に合わせた状態で散布作業を行うことが可能である。
【0057】
次に、自律走行中における薬液タンク24内の薬液量の管理、および薬液が無くなった場合の散布作業機101の挙動について説明を行う。
本実施例の散布作業機101の薬液タンク24は運転席14を側面及び後面から覆う形状を有している。該薬液タンク24内には、図14に示すように薬液量計測手段である液面レベル検知手段190が設けられる。該液面レベル検知手段190は静電容量式、光学式、超音波式などのレベルセンサまたは液面センサであり、薬液タンク24内の薬液量を検知し、本機コントローラ169に送信可能に構成される。このとき、液面レベル検知手段190は液面の上限および下限を検知する形式としても、液面レベルを精度良く計測する形式としてもよい。
【0058】
図13に示す如く、薬液タンク24後部下面の左右略中央には該薬液タンク24から薬液を送り出す吸水口24aが設けられていて、該吸水口24aから噴霧ポンプ4の薬液流入口まではホース46を介して連通接続されている。そして、同じく薬液タンク24の背面下部には、ポンプ部36から薬液タンク24へ還流される薬液の戻り口94a・95a・96a・97aが前記吸水口24aを中心として左右に二つずつ設けられている。これらの戻り口94a・95a・96a・97aは薬液タンク24の下部に設けられて、該戻り口94a・95a・96a・97aより薬液タンク24へ還流される薬液の流圧を利用して薬液タンク24内の薬液を撹拌する構成とされている。
【0059】
図14に示す如く、薬液は薬液タンク24の吸水口24aからホース46を介して三方切換コック77へ流入し、ストレーナ78で異物を除去された後、噴霧ポンプ4内に流入する。
【0060】
噴霧ポンプ4のクランクケースには、エアチャンバ及び安全弁が前後に配されており、ピストンの往復動で圧送された薬液を蓄圧して吐出口より一定圧力で吐出することが可能である。
また、前記噴霧ポンプ4の吐出口から吐出された薬液のうち、設定圧力以上の余水は安全弁79からホース94を経て、薬液タンク24背面に設けられた戻り口94aに還流される。
【0061】
一方、設定圧力以下の薬液はホース45を通じて散布量制御装置3へと導かれる。散布量制御装置3は、二つの流量制御弁(噴霧側バルブ91、戻し側バルブ90)によって、ブーム40のノズル23・23・・・に圧送する薬液の量を制御している。該散布量制御装置3はモータ30により開閉され、該モータ30は、本機コントローラ169により作動する構成となっている。該本機コントローラ169への指令は、運転席14付近に設けられた手動スイッチによっても、自律走行コントローラである制御部110によっても行うことが可能である。
噴霧ポンプ4からホース45を介して分岐管32に流入した薬液は、ここで、噴霧側経路と薬液タンク戻り側経路に分岐される。該分岐管32の薬液タンク戻り側経路であるホース95の中途部には戻し側バルブ90が配設されており、該戻し側バルブ90が開いているときは、薬液はホース95を経て、薬液タンク24の背面下部に設けられた戻り口95aより薬液タンク24へ還流する。
【0062】
一方、分岐管32から噴霧側経路へ送られた薬液は、ホース99を通って噴霧側バルブ91へ導かれる。噴霧側バルブ91は、散布作業時には開かれて、該噴霧側バルブ91の開放具合によって、ブーム40に設けられたノズル23・23・・・より噴出する薬液の量を制御する。
【0063】
噴霧側バルブ91を通過した薬液は、さらに、撹拌分岐管33に流入する。該撹拌分岐管33には二つの撹拌排出口96b・97bが設けられており、夫々の撹拌排出口96b・97bには薬液タンク後下部に設けられた戻り口96a・97aへ接続されるホース96・97が連結されている。撹拌排出口96b・97bから圧送された薬液は、薬液タンク24へ還流して該薬液タンク24内の薬液を撹拌する。従って、前述の二つのタンク戻り口94a・95aと合わせて、合計四つの戻り口94a・95a・96a・97aから薬液タンク24内へ送られる薬液の流れを利用して、薬液は防除作業中は常に撹拌され、薬液の濃度に偏りが発生したり、沈殿等が生じたりしないように構成される。
【0064】
また、前記撹拌分岐管33には流量センサ57が設けられている。従って、該流量センサ57によって、ブーム40のノズル23・23・・・に圧送される薬液量を検知することが可能である。また、流量センサ57に替わり、圧力センサを設けることも可能である。該流量センサ57は本機コントローラ169に接続され、流量に関するデータを送信可能に構成される。
前記撹拌分岐管33を通過した薬液は吐出バルブ31に到達し、該吐出バルブ31が開放されているときはブーム40に設けられたノズル23・23・・・へ配管175を通って送られる。配管175から下流側の構成については、図3に示す通りである。
【0065】
自律走行時における薬液量管理方法は、以下に挙げる二種類が考えられる。
【0066】
第一の薬液量管理方法について図15および図16を用いて説明する。
自律走行中において薬液タンク24内の薬液が無くなった時点(より厳密には、薬液タンク24内の薬液が完全に無くなるまでポンプ部36の運転を続けると、噴霧ポンプ4が故障する恐れがあるため、液面レベル検知手段190により薬液タンク24下限付近に液面があることが検知された時点が好ましい)でポンプ部36の運転を停止すると共に、薬液散布バルブ176・177・178や噴霧側バルブ91を閉じる。そして、薬液タンク24内の薬液が無くなった時点の圃場内における散布作業機101の位置208(以後「散布作業中断地点」と呼ぶ)に関する情報をGPSユニット102から得ると共に、処理部110に記憶する。
【0067】
続いて、散布作業中断地点208から薬液補充地点209(オペレータが圃場内に足を踏み入れることなく薬液補充が可能な圃場端部)までの自律誘導経路を自律走行プログラム121により作成する。このとき、該自律誘導経路は極力未散布領域を通過するように構成することが好ましい。そして散布作業機101は該薬液補充地点209まで自律走行で戻り、停車する。オペレータが薬液タンク24に薬液を補充後、無線操作手段133やPDA162などで再開ボタン(無線操作手段133においては発進・停車用の第二ボタン164に相当し、PDA162においてはコマンドボタンの一つである「作業再開」ボタンに相当する)を押すと、散布作業機101は散布作業中断地点208まで自律走行し、該散布作業中断地点208に到達した時点で散布作業を再開する。
【0068】
このように構成することにより、散布作業中断地点をオペレータの記憶に頼らず、位置精度の高いGPSユニットによる位置情報を基に、散布作業機は散布作業中断地点と薬液補充地点との間の誘導経路を自動作成し、自律走行で散布作業中断地点と薬液補充地点との間を往復し、薬液を補充して散布作業を再開するので、既に薬液散布を行った場所と、これから散布を行う場所の境界である散布作業中断地点に精度良く復帰し、圃場内に未散布領域や重複散布領域を生じることなく、均一かつ確実な散布作業を行うことが可能である。
また、オペレータは散布作業中断地点と薬液補充地点との間を手動運転する必要がなく、薬液補充地点(圃場端部)で待機しておき、薬液を補充するだけで良いので作業性に優れる。
【0069】
第二の薬液量管理方法について、図17および図18を用いて説明する。
自律走行中において、流量センサ57から薬液流量(単位時間当たりの薬液散布量)、液面レベル検知手段190から薬液タンク24内の薬液残量に関する情報が本機コントローラ169を経て処理部110に送信される。処理部110内に格納された自律走行プログラム121では、前記情報に基づいて現在の薬液タンク24内の薬液量や薬液が無くなる(薬液タンク24下限付近に液面が来たことが検知される)時点までの予想走行距離(または予想走行時間)が計算される。この予想走行距離(または時間)はPDA162の表示部162aや遠隔監視モニタ161の表示部161aに表示される。
自律走行プログラム121により作成された自律走行経路は、薬液を散布しながら走行する部分(散布工程)と、薬液散布を行わずに走行している部分(移動工程)が交互に繋がった構成となっている。
【0070】
ある散布工程途中において薬液タンク24内の薬液が無くなるかどうかは、前述した予想走行距離(または予想走行時間)と比較することにより判断することが可能である。例えば、図17中の散布工程210の途中にある予想散布中断地点211において、薬液が無くなる(薬液タンク24下限付近に液面が来たことが検知される)ことが計算により予測されるとする。この場合、散布作業機101はその一つ前の散布工程212の終了地点212aから圃場端部の薬液補充地点213(オペレータが圃場内に足を踏み入れることなく薬液補充が可能な圃場端部)までの自律誘導経路および薬液補充地点213から散布工程210の開始地点210aまでの自律誘導経路を自律走行プログラム121にて作成し、該自律誘導経路に沿って該薬液補充地点213まで自律走行し、停車する。
【0071】
オペレータが薬液を補充後、無線操作手段133やPDA162などで再開ボタン(例えば無線操作手段133においては発進・停車用の第二ボタン164に相当し、PDA162においてはコマンドボタンの一つである「作業再開」ボタンに相当する)を押すと、散布作業機101は次の散布工程である散布工程210の開始地点210aまで自律走行し、該開始地点210aに到達した時点で散布作業を再開する。
【0072】
このように構成することにより、流量センサや液面レベル検知手段からの情報に基づき、薬液タンク内の薬液が無くなる前に薬液補充を行うことが可能であり、作業効率が向上する。例えば、薬液補充地点からの距離が大きい場所で薬液が無くなり、長い距離の自律誘導経路を往復する薬液補充作業となることを回避し、総走行距離が極力短い自律走行経路を作成することが容易となる。
また、薬液タンク内の薬液残量を常にモニタリングしているので、手動作業時においても、薬液が無くなる時点をオペレータが把握することが容易であり作業性に優れる。
【0073】
さらに、薬液補充時に、当該圃場の残りの未散布領域に散布するために必要な薬液量が計算により判るので、これを機体備え付けの表示手段あるいはPDA162や遠隔監視モニタ161の表示部に表示することもできる。このように構成することにより、オペレータは補充する薬液量を必要最小限とし、経済的な散布作業を行うことが可能である。
また、薬液は通常、大量の水を薬液タンク24に給水し、次いで薬剤の原液などを添加し、溶解・攪拌して生成するが、液面レベル検知手段190により給水量が正確に把握されるので、所定の希釈倍率を自律走行プログラム121に記憶させておき、該希釈倍率および給水量から添加する薬剤の原液などの量を計算し、機体備え付けの表示手段あるいはPDA162や遠隔監視モニタ161の表示部に表示することもできる。このように構成することにより、薬液補充時にオペレータが給水量を測定し、希釈倍率から薬剤の添加量を計算する作業を省略することが可能であり、作業性に優れる。
【0074】
また、商品として出荷する作物への農薬散布は、収穫日の所定日数前から以後は禁じられているが、本発明では、散布日時、散布場所、散布作業経路、単位面積当たりの薬液散布量、散布した薬液の種類、および希釈倍率などの作業情報を処理部110に記憶しておくことが可能である。そのため、該作業情報を商品として出荷する作物の生育情報として添付することにより、作物の信頼性が向上する。また、次回の散布作業計画を立てる際にも該作業情報を活用することが可能である。
【0075】
続いて、圃場の角地を旋回しながら散布作業を行う際の散布作業機101の動作について図19から図21を用いて説明する。
本発明の散布作業機101は、通常走行作業時後退できない構成となっている。従って、特に角地で旋回しながら散布作業を行う場合は、未散布領域を極力小さくするために走行経路、ブームの散布幅および姿勢を工夫することが重要である。
【0076】
本発明においては角地の旋回方法として三種類の旋回方法を用意し、本機側の手動スイッチまたはPDA162のコマンドボタン172の一つである「旋回方法選択」を押すことにより任意の旋回方法を選択可能に構成した。前記三種類の旋回方法は(A)時間優先旋回、(B)中幅均一旋回、(C)全幅均一旋回、である。
なお、以後は散布作業機101の右側面が圃場191の端部に沿った状態で前進して角地191aに進入し、左(平面視反時計回り)に90度旋回して、該角地191aから退出するケースを例に説明を行う。
【0077】
まず、(A)の時間優先旋回について説明する。図19に示すように、作業散布機101は、左右の側方ブーム42L・42Rを側方に延出し、全幅散布(左右の側方ブーム42L・42Rが機体の左右に延出し、散布幅が最も大きい状態での薬液散布)を行いつつ、圃場191の角地191aに進入する。そして、自律走行経路上の旋回開始点192に到達した時点で左側方ブーム42Lに設けられた配管181への薬液供給を制御する散布開閉バルブ178を閉じ、左側方ブーム42Lからの薬液散布をオフにする。散布作業機101は90度左に旋回し、全幅散布再開地点193までは前方ブーム41および右側方ブーム42Rからの薬液散布を行う。続いて散布作業機101は全幅散布再開地点193に到達した時点で前記散布開閉バルブ178を開き、再び全幅散布を行いつつ角地191aから退出する。
この旋回方法は旋回に要する時間が短いため、作業時間の観点から見て優れているが、図19中の斜線部で示す未散布領域194の面積が三種類の旋回方法の中で最も大きくなるという問題がある。
【0078】
次に、(B)の中幅均一旋回について説明する。図20に示すように、作業散布機101は、右側方ブーム42Rを閉じて収納位置に配置し、左側方ブーム42Lは左側方に延出した中幅散布(左側方ブーム42Lと前方ブーム41とを併せた長さとなる散布幅での薬液散布)を行いつつ、圃場191の角地191aに進入する。そして、自律走行経路上の旋回開始点195に到達した時点で左側方ブーム42Lに設けられた配管181への薬液供給を制御する散布開閉バルブ178を閉じ、左側方ブーム42Lからの薬液散布をオフにする。散布作業機101は90度左に旋回し、短幅散布再開地点193までは前方ブーム41からのみの短幅散布を行う。続いて散布作業機101は中幅散布再開地点193に到達した時点で前記散布開閉バルブ178を開き、再び中幅散布を行いつつ角地191aから退出する。
この旋回方法は図20中の斜線部で示す未散布領域197の面積が、(A)の時間優先旋回における未散布領域194より小さく、後述する(C)の全幅均一旋回における未散布領域201よりやや大きい。また、作業幅が(A)の時間優先旋回よりも小さい中幅であるため、自律走行経路の全長が(A)の時間優先旋回の場合に比べて増加し、作業時間はやや長くなる。
【0079】
続いて、(C)の全幅均一旋回について説明する。図21に示すように、作業散布機101は、左右の側方ブーム42L・42Rを側方に延出した全幅散布を行いつつ、圃場191の角地191aに進入する。そして、散布作業機101の進入方向前方の圃場端部直近にある自律走行経路上の旋回開始点199に到達した時点で、右側方ブーム42Rを閉じて収納位置に配置すると共に、散布開閉バルブ176・177・178を全て閉じて、全てのブームからの薬液散布をオフにする。散布作業機101は左旋回後続けて右旋回するS字型の走行経路を経て全幅散布再開地点200に到達するまでは薬液を全く散布せずに自律走行する。続いて、散布作業機101は全幅散布再開地点200に到達した時点で、右側方ブーム42Rを開いて作業位置に配置すると共に、散布開閉バルブ176・177・178を全て開いて、全てのブームからの薬液散布をオンにし、再び全幅散布を行いつつ角地191aから退出する。
この旋回方法は、旋回作業の過程でブームを開閉するなどやや複雑な動作を伴い、旋回に要する時間は(A)の時間優先旋回より長いが、自律走行経路の全長は(A)の時間優先旋回よりやや長くなるだけであり、全体の作業時間で見れば(A)の時間優先旋回と略同じである。また、図21中の斜線部で示す未散布領域201の面積が三種類の旋回方法の中で最も小さく、均一散布を行う上では最も優れている。
【0080】
以上の如く構成することにより、自律走行時において、それぞれ特徴の異なる三種類の旋回方法を使用状況に応じて選択し、オペレータのニーズに適した散布作業を行うことが可能である。
また、後退不可能な構成の散布作業機において自律走行作業を行う場合でも、角地に至るまで略均一な散布作業を行うことが可能である。
【0081】
なお、本実施例においては、散布作業機101の本機コントローラ169と自律走行コントローラである処理部110とは別体であり、これらの間をケーブルで接続する構成としたが、これらを一体化して、CPUやRAMやROM等を備える一つの制御手段により制御する構成としても良い。
【0082】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0083】
即ち、請求項1に示す如く、GPSと、内界センサとを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車であって、
タンク内の液面レベル検知手段と記憶手段を処理手段と接続して、自律走行作業中において、薬液が無くなった時点、または予め設定した量を下回った時点の該農業用作業車の位置を記憶するので、散布作業中断地点をオペレータの記憶に頼らず、圃場内に未散布領域や重複散布領域を生じることなく、均一かつ確実な散布作業を行うことが可能である。
【0084】
請求項2に示す如く薬液が無くなった時点、または予め設定した量を下回った時点で散布を停止して圃場端部まで自律走行・停車するので、オペレータは散布作業中断地点と薬液補充地点との間を手動運転する必要がない。よって薬液補充地点(圃場端部)で待機しておき、薬液を補充するだけで良いので作業性に優れる。
【0085】
請求項3に示す如く、前記圃場端部で薬液補充を行った後、前記薬液が無くなった時点、または予め設定した量を下回った時点の該農業用作業車の位置まで自律走行するとともに作業を再開するので、散布作業中断地点をオペレータの記憶に頼る必要がない。また、オペレータは散布作業中断地点と薬液補充地点との間を手動運転する必要がなく、薬液補充地点(圃場端部)で待機しておき、薬液を補充するだけで良いので作業性に優れる。
【0086】
請求項4に示す如くGPSと、内界センサとを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車であって、
薬液タンクに薬液量計測手段を設け、単位走行距離または単位走行時間当たりの散布量を算出し、薬液が無くなる、または予め設定した量を下回るまでの走行距離または走行時間を計算・表示するので、流量センサや液面レベル検知手段などの薬液量計測手段からの情報に基づき、薬液タンク内の薬液が無くなる前に薬液補充を行うことが可能であり、作業効率が向上する。
【0087】
請求項5に示す如く、前記薬液補充時に、圃場の未散布領域に散布するために必要な薬液の量を計算・表示するので、オペレータは補充する薬液量を必要最小限とし、経済的な散布作業を行うことが可能である。
【0088】
請求項6に示す如く、前記必要な薬液量と薬液の希釈倍率から、薬液補充時に必要な薬剤量を表示するので、薬液補充時にオペレータが給水量を測定し、希釈倍率から薬剤の添加量を計算する作業を省略することが可能であり、作業性に優れる。
【0089】
請求項7に示す如く、次の散布工程において薬液が無くなる、または予め設定した量を下回ることが計算により予測される場合は現在の散布工程終了後、圃場端部に移動・待機するので、薬液タンク内の薬液が無くなる前に薬液補充を行うことが可能であり、作業効率が向上する。
【0090】
請求項8に示す如く、GPSと、内界センサとを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車であって、
収納位置と作業位置に開閉する左右側方ブームと、前方ブームとでブーム部が構成され、該ブームに薬液散布用ノズルを複数設け、ブーム毎に薬液の供給・停止を行うバルブを設け、バルブの開閉と左右側方ブームの開閉を制御手段で制御可能にするとともに、
圃場角地の薬液散布工程を複数設定し、該工程を選択可能に構成したので、圃場角地に略均一な散布を行いつつ、オペレータのニーズに適した散布作業を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の側面図。
【図2】本発明の農業用作業車の一実施例である散布作業機の平面図。
【図3】ブーム部の薬液配管経路を示す図。
【図4】本発明における自律走行システムの模式図。
【図5】移動局ユニットを示す図。
【図6】基準局ユニットを示す図。
【図7】本機コントローラと自律走行コントローラの接点部を示す模式図。
【図8】PDA表示部の表示例を示す模式図。
【図9】本発明の農業用作業車による自律走行経路の第一実施例を示す模式図。
【図10】本発明における自律走行のフローチャート図。
【図11】本発明の農業用作業車による自律走行経路の第二実施例を示す模式図。
【図12】中幅散布領域を含む圃場における自律走行経路の実施例を示す模式図。
【図13】薬液タンクの後面図。
【図14】薬液配管系統を示す模式図。
【図15】薬液補充用の自律誘導経路の実施例を示す図。
【図16】薬液補充作業のフローチャート図。
【図17】薬液補充用の自律誘導経路の別実施例を示す図。
【図18】薬液補充作業の別実施例におけるフローチャート図。
【図19】圃場角地の散布作業の第一実施例を示す模式図。
【図20】圃場角地の散布作業の第二実施例を示す模式図。
【図21】圃場角地の散布作業の第三実施例を示す模式図。
【符号の説明】
23 ノズル
24 薬液タンク
40 ブーム
41 前方ブーム
42L・42R 側方ブーム
101 農業用作業機
102 GPSユニット
103 移動局ユニット
104 基準局ユニット
108 GPSアンテナ
122 内界センサ
123 株倣いセンサ
176・177・178 散布開閉バルブ
190 液面レベル検知手段

Claims (8)

  1. GPSと、内界センサとを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車であって、
    タンク内の液面レベル検知手段と記憶手段を処理手段と接続して、自律走行作業中において、薬液が無くなった時点、または予め設定した量を下回った時点の該農業用作業車の位置を記憶することを特徴とする農業用作業車。
  2. 薬液が無くなった時点、または予め設定した量を下回った時点で散布を停止して圃場端部まで自律走行・停車することを特徴とする請求項1に記載の農業用作業車。
  3. 前記圃場端部で薬液補充を行った後、前記薬液が無くなった時点、または予め設定した量を下回った時点の該農業用作業車の位置まで自律走行するとともに作業を再開することを特徴とする請求項2に記載の農業用作車。
  4. GPSと、内界センサとを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車であって、
    薬液タンクに薬液量計測手段を設け、単位走行距離または単位走行時間当たりの散布量を算出し、薬液が無くなる、または予め設定した量を下回るまでの走行距離または走行時間を計算・表示することを特徴とする農業用作業車。
  5. 前記薬液補充時に、圃場の未散布領域に散布するために必要な薬液の量を計算・表示することを特徴とする請求項4に記載の農業用作業車。
  6. 前記必要な薬液量と薬液の希釈倍率から、薬液補充時に必要な薬剤量を表示することを特徴とする請求項5に記載の農業用作業車。
  7. 次の散布工程において薬液が無くなる、または予め設定した量を下回ることが計算により予測される場合は現在の散布工程終了後、圃場端部に移動・待機することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の農業用作業車。
  8. GPSと、内界センサとを搭載し、自律的に作業を行う農業用作業車であって、
    収納位置と作業位置に開閉する左右側方ブームと、前方ブームとでブーム部が構成され、該ブームに薬液散布用ノズルを複数設け、ブーム毎に薬液の供給・停止を行うバルブを設け、バルブの開閉と左右側方ブームの開閉を制御手段で制御可能にするとともに、
    圃場角地の薬液散布工程を複数設定し、該工程を選択可能に構成したことを特徴とする農業用作業車。
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