JP2004004152A - 一次元集光光学系および光量分布補正照明光学系、ならびに露光ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された線像または照明光を形成し、この線像または照明光を用いて良好な露光を行うことができるようにする。
【解決手段】光源11からの光がコリメータレンズ12の作用によって平行光束とされ、光量分布補正光学系13に入射される。光量分布補正光学系13は、平行光束を線像15にしたときに、その光量分布が均一となるように、その平行光束の各出射位置での光束幅を変化させる。光束幅を変化させることにより、通常では光量分布が大きくなっている中央部の光束を、光量の不足している周辺部へと生かすことができ、全体として光の利用効率を落とさずに、線像15の光量分布が均一化される。
【選択図】 図1
【解決手段】光源11からの光がコリメータレンズ12の作用によって平行光束とされ、光量分布補正光学系13に入射される。光量分布補正光学系13は、平行光束を線像15にしたときに、その光量分布が均一となるように、その平行光束の各出射位置での光束幅を変化させる。光束幅を変化させることにより、通常では光量分布が大きくなっている中央部の光束を、光量の不足している周辺部へと生かすことができ、全体として光の利用効率を落とさずに、線像15の光量分布が均一化される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光束を1方向のみに収束させて線像を形成するための一次元集光光学系、ならびにこの一次元集光光学系によって形成された線像を用いて露光を行う露光ヘッドに関する。また本発明は、空間変調器などを照明するための光量分布補正照明光学系、ならびにこの光量分布補正照明光学系による照明光を用いて露光を行う露光ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
線像を形成するための光学系は、例えば、光源からの光束を平行光束にするコリメータレンズと、その平行光束を1方向にのみ収束させる作用を持つシリンドリカルレンズとを組み合わせることで構成することができる。このような一次元集光光学系によって形成された線像は、例えば、別の光学系でその線像をスクリーン上に投影して走査することで、スクリーン上に2次元の画像を形成させるような装置に使用される。またこのような一次元集光光学系を、一次元的な空間変調器を用いた露光ヘッドに利用することも考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような一次元集光光学系において、光源からの光束の断面形状が、円形や楕円形であった場合、その光源からの光束を1方向に収束させて線像を形成すると、その線像の光強度分布(光量分布)は、図9に示したように、中央部が高く、周辺部が低いものとなる。なお、図9において、横軸は、光軸を中心とした線像の形成方向の座標を示し、縦軸は、光量比(%)を示す。
【0004】
光源からの光束の断面が矩形形状であれば、光束を1方向に収束させても、その線像の光量分布は略均一になる。光束の断面を矩形形状にする方法としては、矩形形状の開口を設けることが考えられるが、開口を挿入して、円形または楕円形の光束を矩形にすると、その開口による光の蹴られが生じることから、光の利用効率が小さくなってしまうという問題がある。
【0005】
その他にも、線像の光量分布を略均一にするための方法としては、中央部の透過率が低く、周辺部の透過率が高い光学フィルターを挿入する方法が考えられる。しかしながら、この場合にも、特に中央部の光束に関して光の利用効率が小さくなってしまうという問題がある。
【0006】
以上の光量分布の不均一性の問題は、線像を形成する場合以外、例えば、2次元的な空間変調器を用いた露光ヘッドにおける、その空間変調器への照明光についても同様に起こりうる。例えば光源としてレーザ光源を用いて、これをコリメータにより平行光束にして照明光とする場合、その光量分布は、一般にガウス分布となっており、中央部の光量が高く周辺部が低くなる。このため、光量分布が不均一となり、良好な露光の妨げとなるおそれがある。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された線像を形成することができる一次元集光光学系と、この一次元集光光学系によって形成された線像を用いて良好な露光を行うことができる露光ヘッドとを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された照明光を得ることができる光量分布補正照明光学系と、この光量分布補正照明光学系による照明光を用いて良好な露光を行うことができる露光ヘッドとを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点に係る一次元集光光学系は、光源からの平行光束を1方向に収束させて線像を形成する一次元集光光学系であって、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように、各出射位置における光束幅を変化させ、光源からの平行光束を線像にしたときに、その光量分布が略均一となるようにする光量分布補正光学系と、光量分布補正光学系からの光束を1方向にのみ収束させて線像を形成する集光光学系とを備えたものである。
【0009】
本発明の第2の観点に係る一次元集光光学系は、光束を1方向に収束させて線像を形成する一次元集光光学系であって、光源と、光源からの光束を平行光束にするコリメータレンズと、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように、各出射位置における光束幅を変化させ、コリメータレンズによって形成された平行光束を線像にしたときに、その光量分布が略均一となるようにする光量分布補正光学系と、光量分布補正光学系からの光束を1方向にのみ収束させて線像を形成する集光光学系とを備えたものである。
【0010】
本発明の第1および第2の観点に係る一次元集光光学系では、光量分布補正光学系に平行光束が入射される。光量分布補正光学系では、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにし、平行光束を線像にしたときに、その光量分布が略均一となるようにする。すなわち、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、全体として、光の利用効率を落とさずに、線像の光量分布が略均一化される。
【0011】
本発明の第1および第2の観点に係る一次元集光光学系において、光量分布補正光学系は、例えば、線像の長手方向にのみパワーを持ち、それと直交する方向にはパワーを持たないように構成されている。
【0012】
本発明の第1および第2の観点に係る一次元集光光学系において、光量分布補正光学系を、入射された平行光束の全体の光束幅を変えずに出射するものとした場合、光軸に近い中心部の入射光束に対しては周辺部に比べてその光束幅を拡大し、周辺部の入射光束に対しては中心部に比べてその光束幅を縮小するような作用を施すように構成することができる。
【0013】
本発明の第1および第2の観点に係る一次元集光光学系において、光量分布補正光学系を、入射された平行光束の全体の光束幅を“縮小”して出射するものとした場合、光軸に近い中心部の入射光束に対する縮小率を周辺部に比べて小さくし、周辺部の入射光束に対する縮小率を中心部に比べて大きくするような作用を施すように構成することができる。
【0014】
本発明の第1および第2の観点に係る一次元集光光学系において、光量分布補正光学系を、入射された平行光束の全体の光束幅を“拡大”して出射するものとした場合、光軸に近い中心部の入射光束に対する拡大率を周辺部に比べて大きくし、周辺部の入射光束に対する拡大率を中心部に比べて小さくするような作用を施すように構成することができる。
【0015】
このように、本発明の第1および第2の観点に係る一次元集光光学系では、全体として光を拡大、縮小するか否かにかかわらず適用可能である。
【0016】
本発明による光量分布補正照明光学系は、光源と、光源からの光束を平行光束にして照明光を形成するコリメータレンズと、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように、各出射位置における光束幅を変化させ、コリメータレンズによって形成された照明光の光量分布が、被照射面において略均一となるようにする光量分布補正光学系とを備えたものである。
【0017】
本発明による光量分布補正照明光学系では、光源からの光束がコリメータレンズによって平行光束にされることにより、照明光が形成される。光量分布補正光学系では、この照明光について、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにし、被照射面に照射したときに、その光量分布が略均一となるようにする。すなわち、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、全体として、光の利用効率を落とさずに、光量分布が略均一化された照明光が得られる。
【0018】
本発明の第1の観点に係る露光ヘッドは、本発明の第2の観点に係る一次元集光光学系と、この一次元集光光学系によって形成された線像を変調する1次元の空間変調器と、この空間変調器によって変調された光束を露光面に結像させる結像光学系とを備えたものである。
【0019】
この第1の観点に係る露光ヘッドでは、一次元集光光学系における光量分布補正光学系によって光量分布が略均一化された線像が、空間変調器上に形成され、それが空間変調器によって変調される。その変調光は、結像光学系によって露光面に結像される。これにより、露光が行われる。光量分布補正光学系によって光量分布が略均一化された線像を露光に用いることにより、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、良好な露光が行われる。
【0020】
本発明の第2の観点に係る露光ヘッドは、上記本発明による光量分布補正照明光学系と、この光量分布補正照明光学系からの照明光を変調する2次元の空間変調器と、この空間変調器によって変調された光束を露光面に結像させる結像光学系とを備えたものである。
【0021】
この第2の観点に係る露光ヘッドでは、光量分布補正照明光学系における光量分布補正光学系によって光量分布が略均一化された照明光が、空間変調器上に照射され、それが空間変調器によって変調される。その変調光は、結像光学系によって露光面に結像される。これにより、露光が行われる。光量分布補正光学系によって光量分布が略均一化された照明光を露光に用いることにより、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、良好な露光が行われる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の一実施の形態に係る一次元集光光学系の構成例を示している。図1において、(B)は、線像の形成方向の断面を示し、(A)は、それに直交する方向の断面を示している。
【0024】
この一次元集光光学系1は、線像を形成するためのものであり、例えば、線像を別の光学系でスクリーン上に投影して走査することで、スクリーン上に2次元の画像を形成させるような装置に使用される。また、後述する第2の実施の形態に示すように、一次元的な空間変調器を用いた露光ヘッドにも利用される。
【0025】
この一次元集光光学系1は、光軸Z1に沿って、光線の進む順に、光源11と、この光源11からの光束を平行光束にするコリメータレンズ12と、コリメータレンズ12からの平行光束の光量分布を補正するための光量分布補正光学系13と、光量分布補正光学系13からの光束を1方向にのみ収束させて、結像位置Simgに線像15を形成する集光光学系14とを備えている。
【0026】
集光光学系14は、例えば、線像15の長手方向(図のX方向)にはパワーを持たず、線像15に直交する方向(図のY方向)にのみパワーを有するようなシリンドリカルレンズによって構成されている。一方、光量分布補正光学系13は、集光光学系14とは逆に、線像15の長手方向にのみパワーを有し、それと直交する方向にはパワーを持たない構成となっている。
【0027】
光量分布補正光学系13は、光源11からの平行光束を線像15にしたときに、その光量分布が略均一となるようにするためのものである。この光量分布補正光学系13は、図2を参照して後に詳述するように、光軸Z1に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように、各出射位置における光束幅を変化させるようになっている。
【0028】
次に、この一次元集光光学系1の作用および効果について説明する。
【0029】
この一次元集光光学系1では、光源11からの光がコリメータレンズ12の作用によって平行光束とされ、光量分布補正光学系13に入射される。光量分布補正光学系13は、平行光束を線像15にしたときに、その光量分布が略均一となるように、その平行光束の各出射位置での光束幅を変化させる。集光光学系14は、光量分布補正光学系13からの光束を1方向にのみ収束させて、結像位置Simgに線像15を形成する。このようにして形成された線像15は、例えば、別の光学系によってスクリーン上に投影され、走査されることで2次元の画像を形成する。また線像15は、空間変調器を用いた露光ヘッドにおける、空間変調器への照明光としても利用される。
【0030】
ここで、図2を参照して、光量分布補正光学系13の作用をさらに詳述する。まず、図2(A)に示したように、入射光束と出射光束とで、その全体の光束幅(全光束幅)H0,H1が同じである場合について説明する。なお、図2(A)において、符号51,52で示した部分は、光量分布補正光学系13における入射面および出射面を仮想的に示したものである。
【0031】
光量分布補正光学系13において、光軸Z1に近い中心部に入射した光束と、周辺部に入射した光束とのそれぞれの光束幅h0,h1が、同一であるものとする(h0=h1)。光量分布補正光学系13は、入射側において同一の光束幅h0,h1であった光に対し、中心部の入射光束については、その光束幅h0を拡大し、逆に、周辺部の入射光束に対してはその光束幅h1を縮小するような作用を施す。すなわち、中心部の出射光束の幅h10と、周辺部の出射光束の幅h11とについて、h11<h10となるようにする。光束幅の比率で表すと、出射側における中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなっている((h11/h10)<1)。
【0032】
このように光束幅を変化させることにより、通常では光量分布が大きくなっている中央部の光束を、光量の不足している周辺部へと生かすことができ、全体として光の利用効率を落とさずに、線像15の光量分布が略均一化される。均一化の度合いは、例えば、有効領域内における光量ムラが30%以内、好ましくは20%以内となるようにする。
【0033】
このような光量分布補正光学系13による作用、効果は、入射側と出射側とで、全体の光束幅を変える場合(図2(B),(C))においても同様である。
【0034】
図2(B)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅H2に“縮小”して出射する場合(H0>H2)を示している。このような場合においても、光量分布補正光学系13は、入射側において同一の光束幅h0,h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さなるようにする。光束の縮小率で考えると、中心部の入射光束に対する縮小率を周辺部に比べて小さくし、周辺部の入射光束に対する縮小率を中心部に比べて大きくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
【0035】
図2(C)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅H3に“拡大”して出射する場合(H0<H3)を示している。このような場合においても、光量分布補正光学系13は、入射側において同一の光束幅h0,h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さなるようにする。光束の拡大率で考えると、中心部の入射光束に対する拡大率を周辺部に比べて大きくし、周辺部の入射光束に対する拡大率を中心部に比べて小さくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
【0036】
このように、本実施の形態に係る一次元集光光学系1によれば、光量分布補正光学系13において、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸Z1に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比を入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにしたので、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、開口やフィルターを用いた場合とは異なり、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された線像15を形成することができる。
【0037】
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、上記第1の実施の形態の一次元集光光学系1を用いた露光ヘッドについて説明する。
【0038】
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る露光ヘッドの構成例を示している。図15において、(B)は、一次元空間変調器20上に形成する線像の形成方向の断面を示し、(A)は、それに直交する方向の断面を示している。
【0039】
この露光ヘッド2は、線像を形成する一次元集光光学系1と、この一次元集光光学系1からの線像を変調する一次元空間変調器20と、一次元集光光学系1からの線像を一次元空間変調器20に向けて反射する反射ミラー21と、一次元空間変調器20からの変調光束を、露光面40に結像させる結像光学系30とを備えている。
【0040】
一次元集光光学系1は、上記第1の実施の形態において説明したとおり、光源11、コリメータレンズ12、光量分布補正光学系13、および集光光学系14を備えている。光量分布補正光学系13は、例えば、線像の長手方向にのみパワーを有する2枚のレンズL11,L12によって構成されている。光量分布補正光学系13は、一次元空間変調器20上に形成される線像の長手方向の光量分布が、一次元空間変調器20の有効範囲内で略均一になるようにするためのものである。
【0041】
一次元空間変調器20は、例えばGLV(グレーティング・ライト・バルブ)によって構成されている。GLVは、可動格子と固定格子とを多数、交互に一次元状に並列配置した構成となっている。可動格子と固定格子は、それぞれリボン状の反射面を備えている。可動格子は、制御信号に応じて所定方向に変位するようになっており、これにより、入射光を変調させるようになっている。
【0042】
一次元空間変調器20はまた、例えばDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)によって構成されていても良い。DMDは、多数のマイクロミラーを基板(例えばシリコン基板)上に配列し、各マイクロミラーの反射面の角度を、制御信号に応じて変更可能としたものである。DMDでは、各マイクロミラーの反射面の角度を制御することにより、入射光の変調制御が可能となっている。
【0043】
結像光学系30は、例えば2つのレンズ群31,32を含んで構成されている。一次元空間変調器20をGLVにしたときには、結像光学系30の第1群31と第2群32との間に、GLVからの0次光を遮光するための遮光板33が設けられる。
【0044】
この露光ヘッド2に用いる光源11としては、例えば、入射端から入射されたレーザ光を出射端から出射する、複数の光ファイバの出射端を、アレイ状に配列したファイバアレイ光源を使用することができる。この場合、複数の光ファイバの出射端は、特にGLVなどの一次元空間変調器20を使用する場合は、一次元アレイ状に配列されていることが望ましい。なお、特に後述する第3の実施の形態の露光ヘッド3のように、DMDなどの二次元空間変調器80(図25)を使用する場合は、2次元アレイ状に配列されていても良い。このファイバアレイ光源において、各光ファイバには、複数の半導体レーザの各々から出射された複数のレーザ光を合波して入射させるようにしても良いし(後述の図17に示す構成)、複数の発光点を備えた単一の半導体レーザの各発光点から出射された複数のレーザ光を合波して入射させるようにしても良い(後述の図23、図24に示す構成)。
【0045】
このように各光ファイバに複数のレーザ光を合波して入射させる合波レーザ光源の構成にすることにより、高輝度、高出力の光を得ることができ、露光に好適な性能が得られる。また、アレイ化する光ファイバの本数が少なくて済み、低コストで実施できる。さらに、光ファイバの本数を少なくできるので、アレイ化した際の発光領域が小さくなる(高輝度化する)。
【0046】
この露光ヘッド2において、光源11をファイバアレイ光源とする場合、図16に示したように、例えばクラッド径60μm、コア径25μmのマルチモードファイバ30を線像形成方向に近接して複数本(例えば25本)並べ、それらの端面からの射出光束を使用する。具体的な構成は後述するが、各マルチモードファイバ30の入射端には、例えば7個の半導体レーザを接続する。このようにしたマルチモードファイバ30を近接配置したファイバアレイ光源からの射出光束の断面形状は、例えば全体としてほぼ円形で、その断面内での光量分布はほぼ均一なものとなる。後述の実施例2では、このようなファイバアレイ光源を光源11として使用した例を示す。
【0047】
なお、シングルモードファイバの入射端に1個の半導体レーザを接続した場合には、ファイバからの射出光束の光量分布がガウス分布となる。本実施の形態は、このような場合にも適用可能である。
【0048】
また、マルチモードファイバのコア径を小さくして、シングルモードファイバの構成に近づける等により、光量分布が均一分布とガウス分布との中間になった場合にも、適用可能である。
【0049】
ところで、光源11の発光部の大きさが小さいほど、光量分布補正光学系13からの光束が平行光束化され、焦点深度の大きい露光ヘッド2を実現できる。露光ヘッド2に必要とされる光量を実現し、かつ、発光部を小さくするために、1本のファイバに入射させる半導体レーザの本数を多数にし、ファイバのクラッド径を小さくすることが望ましい。後述の実施例2では、通常の光ファイバのクラッド径がφ125μmであるのに対して、クラッド径がφ60μmである例を示した。
【0050】
その他、コア径50μm,NA=0.2のマルチモードファイバに、それぞれ、14個の半導体レーザからの光を入射させるような構成も可能である。クラッド部の厚さが薄いと、ファイバ内を伝搬する光伝搬効率が低下するが、波長400nmの場合、クラッド径60μmに対してコア径がφ50μm以下であれば、実用上問題ない。従って、本実施の形態の露光ヘッド2に関して、好ましい条件は、コア径φ50μm以下である。
【0051】
また、2次元空間変調器の場合には、ファイバアレイまたはファイババンドルの構成で、発光部が小さい形態であることが好ましい。
【0052】
また、この露光ヘッド2に用いる光源11として、ファイバアレイ光源ではなく、レーザアレイ光源を用いることもできる。レーザアレイ光源としては、発光点となる“単一の出射端”を有する複数の半導体レーザを、その出射端が所定方向に配列されるように構成したもの(後述の図21に示す構成)であっても良いし、発光点となる複数の出射端が所定方向に配列されているマルチキャビティレーザを、所定方向に複数配列した構成(後述の図22に示す構成)であっても良い。このようなレーザアレイ光源からの射出光束の断面内での光量分布は、例えばガウス分布となっており、中央部の光量が高く、周辺部が低くなっている。
【0053】
次に、この光源11の構成についてさらに具体的に説明する。
【0054】
まず、光源11を、マルチモードファイバ30を用いたファイバアレイ光源にする場合の構成例について説明する。図17は、マルチモードファイバ30の入射端側の構造を示している。各マルチモードファイバ30の入射端側には、ヒートブロック90上に配列固定された複数(例えば7個)のチップ状の横マルチモードまたはシングルモードのGaN系半導体レーザLD1〜LD7と、これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられた複数のコリメータレンズ91〜97と、これらコリメータレンズ91〜97によって平行光束化されたレーザ光を集光してマルチモードファイバ30のコア30Aの入射端面に入射させる集光レンズ200とが配置されている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7、コリメータレンズ91〜97、および集光レンズ200と、1つのマルチモードファイバ30とで1つの合波レーザ光源(ファイバ光源)が形成されている。このファイバ光源を複数並列配置することで、1つのファイバアレイ光源が構成される。
【0055】
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長がすべて共通(例えば405nm)であり、最大出力もすべて共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7として、350nm〜450nmの波長範囲内において、上記の405nm以外の発振波長を備えるものを用いても良い。
【0056】
各ファイバ光源は、図18および図19に示したように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ240内に収納されている。パッケージ240の開口は、図19に示したように、パッケージ蓋241によって閉口されるようになっている。ファイバ光源は、パッケージ240内を脱気処理後に封止ガスを導入し、その開口をパッケージ蓋241で閉じることにより形成された閉空間(封止空間)内に気密封止される。
【0057】
パッケージ240の底面には、ベース板242が固定されている。このベース板242の上面に、ヒートブロック90と、集光レンズ200を保持する集光レンズホルダ245と、マルチモードファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダ246とが取り付けられている。マルチモードファイバ30の出射端部は、パッケージ240の壁面に形成された開口からパッケージ240外に引き出されている。
【0058】
また、ヒートブロック90の側面には、コリメータレンズホルダ244が取り付けられており、このコリメータレンズホルダ244によりコリメータレンズ91〜97が保持されている。パッケージ240の横壁面には開口が形成され、この開口を通して、GaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給するための配線247がパッケージ240外に引き出されている。
【0059】
なお、図19においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザLD1〜LD7およびコリメータレンズ91〜97のうち、1つのGaN系半導体レーザLD7およびコリメータレンズ97にのみ符号を付して図示している。
【0060】
図20は、コリメータレンズ91〜97の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ91〜97の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を、光軸に平行な平面で細長く切り取ったような形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズ91〜97は、例えば、光学樹脂または光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ91〜97の各々は、その長さ方向が、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図20の左右方向)に対して直交する方向になるように配置される。また、コリメータレンズ91〜97は、隣接するもの同士が、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向に密接して配置されている。
【0061】
ところで、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、例えば、発光幅が2μmの活性層を備え、この活性層に平行な方向と直角な方向の広がり角が、各々例えば10°,30°の状態のレーザビームB1〜B7を発するものが用いられる。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。従って、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように、細長形状の各コリメータレンズ91〜97に対して、広がり角が大きい方向が長さ方向と一致し、広がり角が小さい方向が幅方向(長さ方向に直交する方向)と一致する状態で入射する。
【0062】
以上のように、1つのファイバ光源が複数のGaN系半導体レーザLD1〜LD7を備え、このファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を、光源11として使用することができる。なお、1つのファイバ光源を、単一の半導体レーザのみを備えた構成にし、この単一の半導体レーザのみを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を、光源11として使用することもできる。この場合、各ファイバ光源では、1個の発光点を有する単一の半導体レーザからのレーザ光が、1つの光ファイバに入射され、その出射端から出射される。
【0063】
また、光源11として、マルチモードファイバ30を用いることなく、半導体レーザをアレイ状に並べたレーザアレイ光源を使用しても良い。レーザアレイ光源としては例えば、図21に示したように、ヒートブロック100上に複数(例えば7個)のチップ状の半導体レーザLD11〜LD17を並列配置したものを使用することができる。
【0064】
また、図22(B)に示したように、複数のマルチキャビティレーザ110を、ヒートブロック100上に並列配置したマルチキャビティレーザアレイを、光源11として使用しても良い。マルチキャビティレーザ110は、図22(A)にも示したように、所定方向に複数(例えば5個)の発光点110Aが配列されている。マルチキャビティレーザアレイでは、この発光点110Aの配列方向と同方向に、複数のマルチキャビティレーザ110が並列配置されている。
【0065】
また、ファイバアレイ光源において、各光ファイバに入射させるレーザ光は、チップ状の複数のGaN系半導体レーザLD1〜LD7から出射されたレーザ光を合波したものに限定されない。
【0066】
例えば、図23に示したように、複数(例えば3個)の発光点110Aを有する1つのマルチキャビティレーザ110を用い、その各発光点110Aから出射されたレーザ光を合波するようにしても良い。この場合、各ファイバ光源は、1つのマルチキャビティレーザ110と、集光レンズ120と、1つのマルチモードファイバ130とを備えた構成となる。このファイバ光源を複数並列配置することで、1つのファイバアレイ光源が構成される。マルチキャビティレーザ110は、例えば発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
【0067】
この構成のファイバ光源では、マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110Aの各々から出射された各レーザビームBが、集光レンズ120によって集光され、マルチモードファイバ130のコア130Aに入射する。コア130Aに入射したレーザ光は、ファイバ内を伝搬し、1本に合波されてその出射端から出射される。
【0068】
この構成のファイバ光源においては、マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110Aを、マルチモードファイバ130のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ120として、マルチモードファイバ130のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ110からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザビームBのマルチモードファイバ130への結合効率を上げることができる。
【0069】
また、図24に示したように、ヒートブロック111上に複数(例えば9個)のマルチキャビティレーザ110が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を、各ファイバ光源に用いても良い。複数のマルチキャビティレーザ110は、各チップの発光点110Aの配列方向と同じ方向に配列されて、ヒートブロック111上に固定されている。
【0070】
この場合、各ファイバ光源は、複数のマルチキャビティレーザ110を有したレーザアレイ140と、各マルチキャビティレーザ110に対応させて複数のマイクロレンズを配置したレンズアレイ114と、レーザアレイ140とレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、集光レンズ120と、1つのマルチモードファイバ130とを備えた構成となる。このファイバ光源を複数並列配置することで、1つのファイバアレイ光源が構成される。
【0071】
このファイバ光源では、複数のマルチキャビティレーザ110の複数の発光点110Aの各々から出射された各レーザビームBが、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光束化される。平行光束化されたレーザビームLは、集光レンズ120によって集光され、マルチモードファイバ130のコア130Aに入射する。コア130Aに入射したレーザ光は、ファイバ内を伝搬し、1本に合波されてその出射端から出射される。
【0072】
なお、このファイバ光源を、ケーシング内に収納し、マルチモードファイバ130の出射端部を、そのケーシングから引き出してレーザモジュールを構成することもできる。
【0073】
次に、この露光ヘッド2の作用、動作について説明する。
【0074】
この露光ヘッド2では、光源11からの光がコリメータレンズ12の作用によって平行光束とされ、光量分布補正光学系13に入射される。光量分布補正光学系13は、平行光束を線像にしたときに、その光量分布が略均一となるように、その平行光束の各出射位置での光束幅を変化させる。
【0075】
例えば光源11として、図16に示したようなファイバアレイ光源などを用いた場合には、その射出光束の断面形状が全体としてほぼ円形となっているので、それをそのまま線像にすると、線像中央部の光量が高く、線像周辺部の光量が低くなる。光量分布補正光学系13は、中央部の光束幅を大きくし、周辺部の光束幅を狭めるようにして、この光量分布を補正する。
【0076】
また例えば光源11として、レーザアレイ光源などを用いた場合には、その光量分布が一般にガウス分布となっているので、それをそのまま線像にすると、ファイバアレイ光源を用いた場合よりもさらに、線像中央部の光量が高く、線像周辺部の光量が低くなる。この場合、光量分布補正光学系13は、ファイバアレイ光源を用いた場合に比べて、さらに中央部の光束幅をより大きくし、周辺部の光束幅をより狭めるような補正を行う。
【0077】
集光光学系14は、光量分布補正光学系13からの光束を1方向にのみ収束させて、一次元空間変調器20上に線像を形成する。一次元空間変調器20は、図示しない露光制御回路において、その露光パターンに応じて発生された制御信号に基づいて、線像を変調する。一次元空間変調器20としてGLVを用いた場合には、結像光学系30の第1群31と第2群32との間に設けられた遮光板33によって変調光の0次光が遮光される。1次光は、遮光板33で遮光されることなく、露光に用いられる。結像光学系30は、一次元空間変調器20からの変調光束を、露光面40に結像させる。このとき、結像光学系30は、一次元空間変調器20上の線像形成面と露光面40とが共役な関係になるように結像させる。従って、露光面40上の露光像は、一次元空間変調器20上に形成された線像と同様、その光量分布が略均一化されたものとなる。この露光ヘッド2では、例えば露光面40を線像に直交させる方向に移動させることにより2次元的な露光を行うこともできる。
【0078】
このように、本実施の形態に係る露光ヘッド2によれば、光量分布補正光学系13によって光量分布が略均一化された線像を一次元空間変調器20上に形成し、それを露光に用いるようにしたので、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、良好な露光を行うことができる。
【0079】
[第3の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、1次元の線像の光量分布を略均一化する場合について述べたが、この光量分布の均一化の手法は、照明光などの2次元的な光束の光量分布を略均一化する場合にも応用できる。本実施の形態では、光量分布の均一化の手法を、二次元空間変調器を用いた露光ヘッドに応用した場合について説明する。
【0080】
図25は、本発明の第3の実施の形態に係る露光ヘッドの構成例を示している。図25において、(A),(B)は、互いに直交する断面での構成を示している。
【0081】
この露光ヘッド3は、例えばDMDなどの二次元空間変調器80を備えている。この露光ヘッド3はまた、光軸Z1に沿って、光線の進む順に、光源11と、この光源11からの光束を平行光束にし、被照射面である二次元空間変調器80への照明光とするコリメータレンズ12と、コリメータレンズ12からの照明光の光束幅を拡大するアナモフィックプリズム83と、照明光の光量分布(照度分布)を補正するための光量分布補正光学系13Aと、その補正された照明光を二次元空間変調器80に向けて反射する反射ミラー81とを備えている。この露光ヘッド3はまた、二次元空間変調器80からの変調光束を、露光面70に結像させる結像光学系60を備えている。
【0082】
本実施の形態において、光源11、コリメータレンズ12、および光量分布補正光学系13Aが、本発明における「光量分布補正照明光学系」に対応する。
【0083】
光源11としては、例えば半導体レーザをアレイ状に並べたレーザアレイ光源を使用する。このようなレーザアレイ光源からの射出光束の断面内での光量分布は、一般にガウス分布となっており、中央部の光量が高く、周辺部が低くなっている。また、光源11としては、ファイバアレイ光源を使用しても良い。レーザアレイ光源およびファイバアレイ光源の構成は、上記第2の実施の形態で説明したものと同様である。
【0084】
アナモフィックプリズム83は、例えば2つのプリズムP1,P2によって構成され、コリメータレンズ12からの照明光を、二次元空間変調器80の有効領域に合わせて拡大するようになっている。図25の例では、光束幅を、1方向(図のX方向)に拡大している。
【0085】
光量分布補正光学系13Aは、例えば2枚の非球面レンズL11A,L12Aによって構成されている。光量分布補正光学系13Aは、上記第1および第2の実施の形態における光量分布補正光学系13とは異なり、特定方向だけではなく、全方向にパワーを有している。この光量分布補正光学系13Aは、入射光束の中央部の光束幅を広げ、周辺部の光束幅を狭める作用を持ち、二次元空間変調器80上の光量を有効範囲内で略均一化するようになっている。
【0086】
結像光学系60は、例えば2つのレンズ群61,62を含んで構成され、二次元空間変調器80による変調光を二次元空間変調器80と共役な関係になるように露光面40に結像させるようになっている。
【0087】
この露光ヘッド3では、光源11からの光束が、コリメータレンズ12の作用によって照明用に平行光束とされ、アナモフィックプリズム83により二次元空間変調器80の有効範囲に合わせた光束幅にされた後、光量分布補正光学系13Aに照明光として入射される。光量分布補正光学系13Aは、その照明光の光量分布が被照射面である二次元空間変調器80上で略均一となるように、その平行光束の各出射位置での光束幅を変化させる。
【0088】
例えば光源11としてレーザアレイ光源を用いた場合には、その光量分布が一般にガウス分布となっているので、中央部の光束幅を大きくし、周辺部の光束幅を狭めるような補正を行う。この補正後の照明光によって、二次元空間変調器80が照明される。
【0089】
二次元空間変調器80は、図示しない露光制御回路において、その露光パターンに応じて発生された制御信号に基づいて、照明光を変調する。結像光学系60は、二次元空間変調器80からの変調光束を、露光面70に結像させる。二次元空間変調器80と露光面70とは共役な関係になっているので、光量分布の均一化された照明に基づく変調光が、露光面40に結像され、良好に2次元的な露光が行われる。
【0090】
このように、本実施の形態に係る露光ヘッド3によれば、光量分布補正光学系13Aによって光量分布が略均一化された照明光によって二次元空間変調器80を照明し、それにより露光を行うようにしたので、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、良好な2次露光を行うことができる。
【0091】
【実施例】
次に、上記実施の形態に対する具体的な実施例について説明する。
【0092】
[実施例1](実施例1−1〜1−3)
まず、第1の実施の形態に対応する、一次元集光光学系(実施例1−1,1−2)と、第3の実施の形態に対応する、光量分布補正照明光学系(実施例1−3)について説明する。
【0093】
<実施例1−1>
本例は、光源11がファイバアレイ光源など、その出射光束の断面形状が全体としてほぼ円形で、その断面内での光量分布がほぼ均一なものであり、かつ、円形の光束から線像を形成する場合についての実施例である。
【0094】
図3は、本実施例に係る一次元集光光学系の構成を示している。図4は、この一次元集光光学系において、最も外側を通る光線の光路を示したものである。図3および図4において、(B)は、線像の形成方向の断面を示し、(A)は、それに直交する方向の断面を示している。なお、図3において、符号riは、i番目(i=0〜14)の構成要素の面の曲率半径を示し、符号diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸上の面間隔を示す。ri,diは、光源11を0番目として、光線の進む順に順次増加させるようにして番号iを付している。
【0095】
この一次元集光光学系は、光軸Z1に沿って、光線の進む順に、光源11と、コリメータレンズ12と、光量分布補正光学系13と、集光光学系14とを備えている。コリメータレンズ12は、光源11側から順に、4枚のレンズL1〜L4で構成されている。光量分布補正光学系13は、光源11側から順に、線像15の長手方向(図3のX方向)にのみパワーを有する2枚のレンズL11,L12で構成されている。集光光学系14は、線像15に直交する方向(図3のY方向)にのみパワーを有する1枚のシリンドリカルレンズL21によって構成されている。
【0096】
図5(A),(B)は、図3に示した一次元集光光学系の具体的なレンズデータを示している。図5(A)に示した基本レンズデータにおける面番号Siの欄には、光源11を0番目として、光線の進む順に順次増加させるようにして番号iを付した、各構成要素の面の番号を示している。曲率半径ri(rhi,rvi)、および面間隔diの欄には、図3(A)に付した符号ri,diに対応する面の値を示す。曲率半径riおよび面間隔diの値の単位はミリメートル(mm)である。Niの欄には、i番目の光学要素の波長405nmに対する屈折率の値を示す。
【0097】
なお、曲率半径riについては、線像15の長手方向(図3のX方向)における曲率半径rhiと、これに直交する方向(図3のY方向)における曲率半径rviとを示す。
【0098】
本実施例では、光量分布補正光学系13におけるレンズL11の物体側の面(第9面)の線像方向の曲率半径rh9と、レンズL12の像側の面(第12面)の線像方向の曲率半径rh12とが非球面形状となっている。また、集光光学系14の像側の面(第13面)の線像方向に直交する方向の曲率半径rv13が非球面形状となっている。
【0099】
図5(B)に示した非球面データは、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における係数である。なお、図5(B)に示した非球面を表す数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10−2」であることを示す。
【0100】
【数1】
ただし、
Z:光軸から高さρの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)
ρ:光軸からの距離(mm)
K:円錐係数
C:近軸曲率(1/r,r:近軸曲率半径)
ai:第i次(i=3〜10)の非球面係数
【0101】
図6は、光量分布補正光学系13に入射した各光線の変化の状態を示したものである。図6に示したように、光量分布補正光学系13によって、中心部の入射光束については、その光束幅が拡大され、逆に、周辺部の入射光束に対してはその光束幅が縮小されている。なお、符号51,52で示した部分は、光量分布補正光学系13における入射面および出射面を仮想的に示したものである。
【0102】
ここで、具体的なレンズデータは省略するが、参考として、全体の光束幅を2倍にして出射するような構成にした場合における、光量分布補正光学系13での各光線の変化の状態を、図7に示す。この場合にも、光量分布補正光学系13によって、出射側において、中心部の入射光束については、その光束幅が拡大され、逆に、周辺部の入射光束に対してはその光束幅が縮小されている。
【0103】
図8は、この一次元集光光学系によって形成された線像の光量分布を示している。なお、図8において、横軸は、光軸を中心とした線像の形成方向の座標を示し、縦軸は、光量比(%)を示す。
【0104】
図8から分かるように、本実施例では、光量分布の補正を行わない従来の光学系における光量分布(図9)と比べて、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、略均一化された光量分布が得られている。
【0105】
<実施例1−2>
本例は、光源11が、図21等に示したレーザアレイ光源など、その出射光束の断面の光量分布がガウス分布であり、かつ、そのガウス分布の光束から線像を形成する場合についての実施例である。
【0106】
本実施例の光学系は、光量分布補正光学系13のレンズデータを除き、実施例1−1と同様である。従って、ここでは光量分布補正光学系13のレンズデータのみを実施例として、図10(A),(B)に示す。レンズデータの符号の意味は、実施例1−1(図5(A),(B))と同様である。
【0107】
本実施例では、実施例1−1と同様、光量分布補正光学系13におけるレンズL11の物体側の面(第9面)の線像方向の曲率半径rh9と、レンズL12の像側の面(第12面)の線像方向の曲率半径rh12とが非球面形状(非円筒面)となっている。図10(B)は、この各面の非球面データを示している。各係数は、上述の式(A)における係数を示す。
【0108】
図12は、本実施例の一次元集光光学系によって形成された線像の光量分布を示している。なお、図12において、横軸は、光軸を中心とした線像の形成方向の座標を示し、縦軸は、光量比(%)を示す。なお、参考として図11に、光量分布の補正を行わなかった場合の線像の光量分布を示す。
【0109】
図12から分かるように、本実施例では、光量分布の補正を行わなかった場合(図11)と比べて、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、略均一化された光量分布が得られている。
【0110】
<実施例1−3>
本例は、光源11が図21等に示したレーザアレイ光源など、その出射光束の断面の光量分布がガウス分布であり、かつ、そのガウス分布の光束を、2次元空間変調器などを照明する照明光として利用する場合についての実施例である。
【0111】
本実施例の光量分布補正照明光学系の概略は、実施例1−1の一次元集光光学系の構成要素から、集光光学系14を除いた構成となっている。光量分布補正光学系13Aは、回転対称の2つの非球面レンズL11A,L12Aから構成されている。
【0112】
ここでは本実施例の特徴部分である光量分布補正光学系13Aのデータのみをレンズデータとして、図13(A),(B)に示す。レンズデータの符号の意味は、実施例1−1(図5(A),(B))と同様である。また、比較しやすいよう、各面のデータには、実施例1−1,1−2と同じ面番号を付している。
【0113】
なお、実施例1−1,1−2は、線像を形成する光学系であるため、曲率半径riについて、2方向の曲率半径rhi,rviを示したが、本実施例は、線像を形成する光学系ではないため、曲率半径riは各断面方向において同一(回転対称)となっている。
【0114】
本実施例では、光量分布補正光学系13AにおけるレンズL11Aの物体側の面(第9面)の曲率半径r9と、レンズL12Aの像側の面(第12面)の線像方向の曲率半径r12とが非球面形状となっている。図13(B)は、この各面の非球面データを示している。各係数は、上述の式(A)における係数を示す。
【0115】
図14は、本実施例の光量分布補正照明光学系によって得られる照明光の光量分布を示している。なお、図14において、横軸は、光軸からの座標を示し、縦軸は、光量比(%)を示す。光量分布の補正を行わなかった場合の光量分布は、図11同様である。
【0116】
図14から分かるように、本実施例では、光量分布の補正を行わなかった場合(図11)と比べて、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、略均一化された光量分布が得られている。
【0117】
[実施例2](実施例2−1,2−2)
次に、第2の実施の形態に対応する露光ヘッドの2つの実施例について説明する。
【0118】
<実施例2−1>
本実施例の全体構成は、図15(A),(B)に示した露光ヘッド2と概略同様である。本実施例において、光源11としては、ファイバアレイ光源を使用した。具体的には、クラッド径60μm、コア径25μmのマルチモードファイバを線像形成方向に25本並べ、それらの端面からの射出光束を使用した。各マルチモードファイバの入射端には、7個の半導体レーザを接続した。射出光束全体の広がり角はNA=0.3相当であり、射出光束の断面形状は、全体としてほぼ円形で、その断面内での光量分布はほぼ均一なものを使用した。
【0119】
コリメータレンズ12としては、NA=0.3、焦点距離50mmのものを使用した。集光光学系14としては、実施例1−1と同様、線像15に直交する方向にのみパワーを有する1枚の非球面シリンドリカルレンズL21によって構成した。集光光学系14は、NA=0.3、焦点距離50mmのものを使用した。集光光学系14によって、一次元空間変調器20上に幅25μmの線像を形成した。光量分布補正光学系13は、実施例1−1と同様、光源11側から順に、線像15の長手方向にのみパワーを有する2枚のレンズL11,L12の構成とした。
【0120】
一次元空間変調器20としては、有効長さ27mm、有効幅25μmのGLVを使用した。結像光学系30は、2つのレンズ群31,32で構成し、第1群31および第2群32ともに、NA=0.3、焦点距離60mmとした。これにより、一次元空間変調器20からの変調光束を、1倍で露光面40に結像させるようにした。
【0121】
一次元空間変調器20からの0次光は、結像光学系30の第1群31と第2群32との間に設けられた遮光板33で遮光し、1次光を、遮光板33で遮光することなく、露光に用いるようにした。
【0122】
以上の構成により、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、一次元空間変調器20上で略均一化された光量分布の線像が得られ、これにより、良好な露光を行うことができた。
【0123】
<実施例2−2>
本実施例の全体構成も、図15(A),(B)に示した露光ヘッド2と概略同様である。本実施例において、光源11としては、ファイバアレイ光源を使用した。具体的には、クラッド径60μm、コア径25μmのマルチモードファイバを線像形成方向に25本並べ、それらの端面からの射出光束を使用した。各マルチモードファイバの入射端には、7個の半導体レーザを接続した。射出光束全体の広がり角はNA=0.2相当であり、射出光束の断面形状は、全体としてほぼ円形で、その断面内での光量分布はほぼ均一なものを使用した。
【0124】
コリメータレンズ12としては、NA=0.2、焦点距離75mmのものを使用した。集光光学系14としては、実施例1−1と同様、線像15に直交する方向にのみパワーを有する1枚の非球面シリンドリカルレンズL21によって構成した。集光光学系14は、NA=0.2、焦点距離75mmのものを使用した。集光光学系14によって、一次元空間変調器20上に幅25μmの線像を形成した。光量分布補正光学系13は、実施例1−1と同様、光源11側から順に、線像15の長手方向にのみパワーを有する2枚のレンズL11,L12の構成とした。
【0125】
一次元空間変調器20としては、有効長さ27mm、有効幅25μmのGLVを使用した。結像光学系30は、2つのレンズ群31,32で構成し、第1群31として、NA=0.2、焦点距離60mmのものを使用し、第2群32として、NA=0.25、焦点距離48mmのものを使用した。これにより、一次元空間変調器20からの変調光束を、0.8倍で露光面40に結像させるようにした。
【0126】
一次元空間変調器20からの0次光は、結像光学系30の第1群31と第2群32との間に設けられた遮光板33で遮光し、1次光を、遮光板33で遮光することなく、露光に用いるようにした。
【0127】
以上の構成によっても、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、一次元空間変調器20上で略均一化された光量分布の線像が得られ、これにより、良好な露光を行うことができた。
【0128】
[実施例3]
次に、第3の実施の形態に対応する露光ヘッドの実施例について説明する。本実施例の全体構成は、図25(A),(B)に示した露光ヘッド3と概略同様である。
【0129】
本実施例において、光源11としては、レーザ光源からのガウス分布の光束を使用した。より具体的には、中央部の強度に対して1/e2(e;自然対数の底)の強度となる径をビーム径として、その広がり角が34°×17°のものを使用した。
【0130】
コリメータレンズ12としては、NA=0.3、焦点距離50mmのものを使用した。アナモフィックプリズム83では、1方向(図25(B)のX方向)に光束幅を約2倍にし、ビーム径(1/e2となる径)が29.2mmの平行光束になるようにした。光量分布補正光学系13Aは、実施例1−3と同様、2枚の非球面レンズL11A,L12Aによって構成した。
【0131】
二次元空間変調器80としては、有効域が24mm×18mmのDMDを使用した。結像光学系60は、2つのレンズ群61,62で構成し、第1群61および第2群62ともに、NA=0.3、焦点距離60mmとした。これにより、二次元空間変調器80からの変調光束を、1倍で露光面70に結像させるようにした。
【0132】
以上の構成により、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、二次元空間変調器80上で略均一化された光量分布の照明光が得られ、これにより、良好な2次元露光を行うことができた。
【0133】
なお、本発明は、上記各実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔および屈折率の値などは、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
【0134】
また、上記各実施の形態および各実施例では、光源11からの光束をコリメータレンズ12によって平行光束にする場合について説明したが、コリメータレンズ12を用いなくとも平行光束が得られる場合は、コリメータレンズ12を構成から省略することができる。
【0135】
また、上記各実施の形態では、空間変調器として、GLVおよびDMDの例を挙げたが、その他、例えばPLZT(Plomb Lanthanum Zirconate Titanate)素子や、FLC(Ferroelectoric Liquid Crystal)等を用いた空間変調器を使用しても良い。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の一次元集光光学系によれば、光量分布補正光学系において、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比を入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにしたので、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、光学系全体として、光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された線像を形成することができる。
【0137】
また、請求項13に記載の露光ヘッドによれば、光量分布補正光学系によって光量分布が略均一化された線像を、1次元の空間変調器上に形成し、その変調光により露光を行うようにしたので、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、良好な露光を行うことができる。
【0138】
また、請求項14ないし16のいずれか1項に記載の光量分布補正照明光学系によれば、光量分布補正光学系において、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比を入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにしたので、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、光学系全体として、光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された照明光を得ることができる。
【0139】
また、請求項17に記載の露光ヘッドによれば、光量分布補正光学系によって光量分布が略均一化された照明光を、2次元の空間変調器上に照射し、その変調光により露光を行うようにしたので、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、良好な露光を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る一次元集光光学系の構成例を示す光学系配置図である。
【図2】光量分布補正光学系による光束幅の補正の概念についての説明図である。
【図3】実施例1−1に係る一次元集光光学系の光学系配置図である。
【図4】実施例1−1に係る一次元集光光学系の構成を光路と共に示す光学系配置図である。
【図5】実施例1−1に係る一次元集光光学系のレンズデータを示す説明図である。
【図6】実施例1−1における光量分布補正光学系による各光束の変化の状態を示す図である。
【図7】全体の光束幅を2倍にした場合における光量分布補正光学系による各光束の変化の状態を示す図である。
【図8】実施例1−1に係る一次元集光光学系における光量分布を示す図である。
【図9】従来の一次元集光光学系における光量分布を示す図である。
【図10】実施例1−2における光量分布補正光学系のレンズデータを示す説明図である。
【図11】光源がガウス分布で、光量分布の補正を行わずに線像を形成した場合の光量分布を示す図である
【図12】実施例1−2に係る一次元集光光学系における光量分布を示す図である。
【図13】実施例1−3における光量分布補正光学系のレンズデータを示す説明図である。
【図14】実施例1−3に係る光量分布補正照明光学系における光量分布を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る露光ヘッドの構成例を示す光学系配置図である。
【図16】ファイバアレイ光源の出射端側の構造を示す説明図である。
【図17】ファイバアレイ光源を構成するファイバ光源の光学系の一例を示す構成図である。
【図18】ファイバ光源の構造を示す平面図である。
【図19】ファイバ光源の構造を示す平面図である。
【図20】ファイバ光源の構造を示す平面図である。
【図21】レーザアレイ光源の一例を示す構成図である。
【図22】レーザアレイ光源の他の例を示す構成図である。
【図23】ファイバ光源の他の例を示す構成図である。
【図24】ファイバ光源のさらに他の例を示す構成図である。
【図25】
本発明の第3の実施の形態に係る露光ヘッドの構成例を示す光学系配置図である。
【符号の説明】
Z1…光軸、1…一次元集光光学系、2,3…露光ヘッド、11…光源、12…コリメータ、13…光量分布補正光学系、14…集光光学系、15…線像、20…一次元空間変調器、30,130…マルチモードファイバ、80…二次元空間変調器、110…マルチキャビティレーザ、110A…発光点。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光束を1方向のみに収束させて線像を形成するための一次元集光光学系、ならびにこの一次元集光光学系によって形成された線像を用いて露光を行う露光ヘッドに関する。また本発明は、空間変調器などを照明するための光量分布補正照明光学系、ならびにこの光量分布補正照明光学系による照明光を用いて露光を行う露光ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
線像を形成するための光学系は、例えば、光源からの光束を平行光束にするコリメータレンズと、その平行光束を1方向にのみ収束させる作用を持つシリンドリカルレンズとを組み合わせることで構成することができる。このような一次元集光光学系によって形成された線像は、例えば、別の光学系でその線像をスクリーン上に投影して走査することで、スクリーン上に2次元の画像を形成させるような装置に使用される。またこのような一次元集光光学系を、一次元的な空間変調器を用いた露光ヘッドに利用することも考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような一次元集光光学系において、光源からの光束の断面形状が、円形や楕円形であった場合、その光源からの光束を1方向に収束させて線像を形成すると、その線像の光強度分布(光量分布)は、図9に示したように、中央部が高く、周辺部が低いものとなる。なお、図9において、横軸は、光軸を中心とした線像の形成方向の座標を示し、縦軸は、光量比(%)を示す。
【0004】
光源からの光束の断面が矩形形状であれば、光束を1方向に収束させても、その線像の光量分布は略均一になる。光束の断面を矩形形状にする方法としては、矩形形状の開口を設けることが考えられるが、開口を挿入して、円形または楕円形の光束を矩形にすると、その開口による光の蹴られが生じることから、光の利用効率が小さくなってしまうという問題がある。
【0005】
その他にも、線像の光量分布を略均一にするための方法としては、中央部の透過率が低く、周辺部の透過率が高い光学フィルターを挿入する方法が考えられる。しかしながら、この場合にも、特に中央部の光束に関して光の利用効率が小さくなってしまうという問題がある。
【0006】
以上の光量分布の不均一性の問題は、線像を形成する場合以外、例えば、2次元的な空間変調器を用いた露光ヘッドにおける、その空間変調器への照明光についても同様に起こりうる。例えば光源としてレーザ光源を用いて、これをコリメータにより平行光束にして照明光とする場合、その光量分布は、一般にガウス分布となっており、中央部の光量が高く周辺部が低くなる。このため、光量分布が不均一となり、良好な露光の妨げとなるおそれがある。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された線像を形成することができる一次元集光光学系と、この一次元集光光学系によって形成された線像を用いて良好な露光を行うことができる露光ヘッドとを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された照明光を得ることができる光量分布補正照明光学系と、この光量分布補正照明光学系による照明光を用いて良好な露光を行うことができる露光ヘッドとを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点に係る一次元集光光学系は、光源からの平行光束を1方向に収束させて線像を形成する一次元集光光学系であって、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように、各出射位置における光束幅を変化させ、光源からの平行光束を線像にしたときに、その光量分布が略均一となるようにする光量分布補正光学系と、光量分布補正光学系からの光束を1方向にのみ収束させて線像を形成する集光光学系とを備えたものである。
【0009】
本発明の第2の観点に係る一次元集光光学系は、光束を1方向に収束させて線像を形成する一次元集光光学系であって、光源と、光源からの光束を平行光束にするコリメータレンズと、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように、各出射位置における光束幅を変化させ、コリメータレンズによって形成された平行光束を線像にしたときに、その光量分布が略均一となるようにする光量分布補正光学系と、光量分布補正光学系からの光束を1方向にのみ収束させて線像を形成する集光光学系とを備えたものである。
【0010】
本発明の第1および第2の観点に係る一次元集光光学系では、光量分布補正光学系に平行光束が入射される。光量分布補正光学系では、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにし、平行光束を線像にしたときに、その光量分布が略均一となるようにする。すなわち、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、全体として、光の利用効率を落とさずに、線像の光量分布が略均一化される。
【0011】
本発明の第1および第2の観点に係る一次元集光光学系において、光量分布補正光学系は、例えば、線像の長手方向にのみパワーを持ち、それと直交する方向にはパワーを持たないように構成されている。
【0012】
本発明の第1および第2の観点に係る一次元集光光学系において、光量分布補正光学系を、入射された平行光束の全体の光束幅を変えずに出射するものとした場合、光軸に近い中心部の入射光束に対しては周辺部に比べてその光束幅を拡大し、周辺部の入射光束に対しては中心部に比べてその光束幅を縮小するような作用を施すように構成することができる。
【0013】
本発明の第1および第2の観点に係る一次元集光光学系において、光量分布補正光学系を、入射された平行光束の全体の光束幅を“縮小”して出射するものとした場合、光軸に近い中心部の入射光束に対する縮小率を周辺部に比べて小さくし、周辺部の入射光束に対する縮小率を中心部に比べて大きくするような作用を施すように構成することができる。
【0014】
本発明の第1および第2の観点に係る一次元集光光学系において、光量分布補正光学系を、入射された平行光束の全体の光束幅を“拡大”して出射するものとした場合、光軸に近い中心部の入射光束に対する拡大率を周辺部に比べて大きくし、周辺部の入射光束に対する拡大率を中心部に比べて小さくするような作用を施すように構成することができる。
【0015】
このように、本発明の第1および第2の観点に係る一次元集光光学系では、全体として光を拡大、縮小するか否かにかかわらず適用可能である。
【0016】
本発明による光量分布補正照明光学系は、光源と、光源からの光束を平行光束にして照明光を形成するコリメータレンズと、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように、各出射位置における光束幅を変化させ、コリメータレンズによって形成された照明光の光量分布が、被照射面において略均一となるようにする光量分布補正光学系とを備えたものである。
【0017】
本発明による光量分布補正照明光学系では、光源からの光束がコリメータレンズによって平行光束にされることにより、照明光が形成される。光量分布補正光学系では、この照明光について、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにし、被照射面に照射したときに、その光量分布が略均一となるようにする。すなわち、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、全体として、光の利用効率を落とさずに、光量分布が略均一化された照明光が得られる。
【0018】
本発明の第1の観点に係る露光ヘッドは、本発明の第2の観点に係る一次元集光光学系と、この一次元集光光学系によって形成された線像を変調する1次元の空間変調器と、この空間変調器によって変調された光束を露光面に結像させる結像光学系とを備えたものである。
【0019】
この第1の観点に係る露光ヘッドでは、一次元集光光学系における光量分布補正光学系によって光量分布が略均一化された線像が、空間変調器上に形成され、それが空間変調器によって変調される。その変調光は、結像光学系によって露光面に結像される。これにより、露光が行われる。光量分布補正光学系によって光量分布が略均一化された線像を露光に用いることにより、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、良好な露光が行われる。
【0020】
本発明の第2の観点に係る露光ヘッドは、上記本発明による光量分布補正照明光学系と、この光量分布補正照明光学系からの照明光を変調する2次元の空間変調器と、この空間変調器によって変調された光束を露光面に結像させる結像光学系とを備えたものである。
【0021】
この第2の観点に係る露光ヘッドでは、光量分布補正照明光学系における光量分布補正光学系によって光量分布が略均一化された照明光が、空間変調器上に照射され、それが空間変調器によって変調される。その変調光は、結像光学系によって露光面に結像される。これにより、露光が行われる。光量分布補正光学系によって光量分布が略均一化された照明光を露光に用いることにより、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、良好な露光が行われる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の一実施の形態に係る一次元集光光学系の構成例を示している。図1において、(B)は、線像の形成方向の断面を示し、(A)は、それに直交する方向の断面を示している。
【0024】
この一次元集光光学系1は、線像を形成するためのものであり、例えば、線像を別の光学系でスクリーン上に投影して走査することで、スクリーン上に2次元の画像を形成させるような装置に使用される。また、後述する第2の実施の形態に示すように、一次元的な空間変調器を用いた露光ヘッドにも利用される。
【0025】
この一次元集光光学系1は、光軸Z1に沿って、光線の進む順に、光源11と、この光源11からの光束を平行光束にするコリメータレンズ12と、コリメータレンズ12からの平行光束の光量分布を補正するための光量分布補正光学系13と、光量分布補正光学系13からの光束を1方向にのみ収束させて、結像位置Simgに線像15を形成する集光光学系14とを備えている。
【0026】
集光光学系14は、例えば、線像15の長手方向(図のX方向)にはパワーを持たず、線像15に直交する方向(図のY方向)にのみパワーを有するようなシリンドリカルレンズによって構成されている。一方、光量分布補正光学系13は、集光光学系14とは逆に、線像15の長手方向にのみパワーを有し、それと直交する方向にはパワーを持たない構成となっている。
【0027】
光量分布補正光学系13は、光源11からの平行光束を線像15にしたときに、その光量分布が略均一となるようにするためのものである。この光量分布補正光学系13は、図2を参照して後に詳述するように、光軸Z1に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように、各出射位置における光束幅を変化させるようになっている。
【0028】
次に、この一次元集光光学系1の作用および効果について説明する。
【0029】
この一次元集光光学系1では、光源11からの光がコリメータレンズ12の作用によって平行光束とされ、光量分布補正光学系13に入射される。光量分布補正光学系13は、平行光束を線像15にしたときに、その光量分布が略均一となるように、その平行光束の各出射位置での光束幅を変化させる。集光光学系14は、光量分布補正光学系13からの光束を1方向にのみ収束させて、結像位置Simgに線像15を形成する。このようにして形成された線像15は、例えば、別の光学系によってスクリーン上に投影され、走査されることで2次元の画像を形成する。また線像15は、空間変調器を用いた露光ヘッドにおける、空間変調器への照明光としても利用される。
【0030】
ここで、図2を参照して、光量分布補正光学系13の作用をさらに詳述する。まず、図2(A)に示したように、入射光束と出射光束とで、その全体の光束幅(全光束幅)H0,H1が同じである場合について説明する。なお、図2(A)において、符号51,52で示した部分は、光量分布補正光学系13における入射面および出射面を仮想的に示したものである。
【0031】
光量分布補正光学系13において、光軸Z1に近い中心部に入射した光束と、周辺部に入射した光束とのそれぞれの光束幅h0,h1が、同一であるものとする(h0=h1)。光量分布補正光学系13は、入射側において同一の光束幅h0,h1であった光に対し、中心部の入射光束については、その光束幅h0を拡大し、逆に、周辺部の入射光束に対してはその光束幅h1を縮小するような作用を施す。すなわち、中心部の出射光束の幅h10と、周辺部の出射光束の幅h11とについて、h11<h10となるようにする。光束幅の比率で表すと、出射側における中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなっている((h11/h10)<1)。
【0032】
このように光束幅を変化させることにより、通常では光量分布が大きくなっている中央部の光束を、光量の不足している周辺部へと生かすことができ、全体として光の利用効率を落とさずに、線像15の光量分布が略均一化される。均一化の度合いは、例えば、有効領域内における光量ムラが30%以内、好ましくは20%以内となるようにする。
【0033】
このような光量分布補正光学系13による作用、効果は、入射側と出射側とで、全体の光束幅を変える場合(図2(B),(C))においても同様である。
【0034】
図2(B)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅H2に“縮小”して出射する場合(H0>H2)を示している。このような場合においても、光量分布補正光学系13は、入射側において同一の光束幅h0,h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さなるようにする。光束の縮小率で考えると、中心部の入射光束に対する縮小率を周辺部に比べて小さくし、周辺部の入射光束に対する縮小率を中心部に比べて大きくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
【0035】
図2(C)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅H3に“拡大”して出射する場合(H0<H3)を示している。このような場合においても、光量分布補正光学系13は、入射側において同一の光束幅h0,h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さなるようにする。光束の拡大率で考えると、中心部の入射光束に対する拡大率を周辺部に比べて大きくし、周辺部の入射光束に対する拡大率を中心部に比べて小さくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
【0036】
このように、本実施の形態に係る一次元集光光学系1によれば、光量分布補正光学系13において、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸Z1に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比を入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにしたので、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、開口やフィルターを用いた場合とは異なり、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された線像15を形成することができる。
【0037】
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、上記第1の実施の形態の一次元集光光学系1を用いた露光ヘッドについて説明する。
【0038】
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る露光ヘッドの構成例を示している。図15において、(B)は、一次元空間変調器20上に形成する線像の形成方向の断面を示し、(A)は、それに直交する方向の断面を示している。
【0039】
この露光ヘッド2は、線像を形成する一次元集光光学系1と、この一次元集光光学系1からの線像を変調する一次元空間変調器20と、一次元集光光学系1からの線像を一次元空間変調器20に向けて反射する反射ミラー21と、一次元空間変調器20からの変調光束を、露光面40に結像させる結像光学系30とを備えている。
【0040】
一次元集光光学系1は、上記第1の実施の形態において説明したとおり、光源11、コリメータレンズ12、光量分布補正光学系13、および集光光学系14を備えている。光量分布補正光学系13は、例えば、線像の長手方向にのみパワーを有する2枚のレンズL11,L12によって構成されている。光量分布補正光学系13は、一次元空間変調器20上に形成される線像の長手方向の光量分布が、一次元空間変調器20の有効範囲内で略均一になるようにするためのものである。
【0041】
一次元空間変調器20は、例えばGLV(グレーティング・ライト・バルブ)によって構成されている。GLVは、可動格子と固定格子とを多数、交互に一次元状に並列配置した構成となっている。可動格子と固定格子は、それぞれリボン状の反射面を備えている。可動格子は、制御信号に応じて所定方向に変位するようになっており、これにより、入射光を変調させるようになっている。
【0042】
一次元空間変調器20はまた、例えばDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)によって構成されていても良い。DMDは、多数のマイクロミラーを基板(例えばシリコン基板)上に配列し、各マイクロミラーの反射面の角度を、制御信号に応じて変更可能としたものである。DMDでは、各マイクロミラーの反射面の角度を制御することにより、入射光の変調制御が可能となっている。
【0043】
結像光学系30は、例えば2つのレンズ群31,32を含んで構成されている。一次元空間変調器20をGLVにしたときには、結像光学系30の第1群31と第2群32との間に、GLVからの0次光を遮光するための遮光板33が設けられる。
【0044】
この露光ヘッド2に用いる光源11としては、例えば、入射端から入射されたレーザ光を出射端から出射する、複数の光ファイバの出射端を、アレイ状に配列したファイバアレイ光源を使用することができる。この場合、複数の光ファイバの出射端は、特にGLVなどの一次元空間変調器20を使用する場合は、一次元アレイ状に配列されていることが望ましい。なお、特に後述する第3の実施の形態の露光ヘッド3のように、DMDなどの二次元空間変調器80(図25)を使用する場合は、2次元アレイ状に配列されていても良い。このファイバアレイ光源において、各光ファイバには、複数の半導体レーザの各々から出射された複数のレーザ光を合波して入射させるようにしても良いし(後述の図17に示す構成)、複数の発光点を備えた単一の半導体レーザの各発光点から出射された複数のレーザ光を合波して入射させるようにしても良い(後述の図23、図24に示す構成)。
【0045】
このように各光ファイバに複数のレーザ光を合波して入射させる合波レーザ光源の構成にすることにより、高輝度、高出力の光を得ることができ、露光に好適な性能が得られる。また、アレイ化する光ファイバの本数が少なくて済み、低コストで実施できる。さらに、光ファイバの本数を少なくできるので、アレイ化した際の発光領域が小さくなる(高輝度化する)。
【0046】
この露光ヘッド2において、光源11をファイバアレイ光源とする場合、図16に示したように、例えばクラッド径60μm、コア径25μmのマルチモードファイバ30を線像形成方向に近接して複数本(例えば25本)並べ、それらの端面からの射出光束を使用する。具体的な構成は後述するが、各マルチモードファイバ30の入射端には、例えば7個の半導体レーザを接続する。このようにしたマルチモードファイバ30を近接配置したファイバアレイ光源からの射出光束の断面形状は、例えば全体としてほぼ円形で、その断面内での光量分布はほぼ均一なものとなる。後述の実施例2では、このようなファイバアレイ光源を光源11として使用した例を示す。
【0047】
なお、シングルモードファイバの入射端に1個の半導体レーザを接続した場合には、ファイバからの射出光束の光量分布がガウス分布となる。本実施の形態は、このような場合にも適用可能である。
【0048】
また、マルチモードファイバのコア径を小さくして、シングルモードファイバの構成に近づける等により、光量分布が均一分布とガウス分布との中間になった場合にも、適用可能である。
【0049】
ところで、光源11の発光部の大きさが小さいほど、光量分布補正光学系13からの光束が平行光束化され、焦点深度の大きい露光ヘッド2を実現できる。露光ヘッド2に必要とされる光量を実現し、かつ、発光部を小さくするために、1本のファイバに入射させる半導体レーザの本数を多数にし、ファイバのクラッド径を小さくすることが望ましい。後述の実施例2では、通常の光ファイバのクラッド径がφ125μmであるのに対して、クラッド径がφ60μmである例を示した。
【0050】
その他、コア径50μm,NA=0.2のマルチモードファイバに、それぞれ、14個の半導体レーザからの光を入射させるような構成も可能である。クラッド部の厚さが薄いと、ファイバ内を伝搬する光伝搬効率が低下するが、波長400nmの場合、クラッド径60μmに対してコア径がφ50μm以下であれば、実用上問題ない。従って、本実施の形態の露光ヘッド2に関して、好ましい条件は、コア径φ50μm以下である。
【0051】
また、2次元空間変調器の場合には、ファイバアレイまたはファイババンドルの構成で、発光部が小さい形態であることが好ましい。
【0052】
また、この露光ヘッド2に用いる光源11として、ファイバアレイ光源ではなく、レーザアレイ光源を用いることもできる。レーザアレイ光源としては、発光点となる“単一の出射端”を有する複数の半導体レーザを、その出射端が所定方向に配列されるように構成したもの(後述の図21に示す構成)であっても良いし、発光点となる複数の出射端が所定方向に配列されているマルチキャビティレーザを、所定方向に複数配列した構成(後述の図22に示す構成)であっても良い。このようなレーザアレイ光源からの射出光束の断面内での光量分布は、例えばガウス分布となっており、中央部の光量が高く、周辺部が低くなっている。
【0053】
次に、この光源11の構成についてさらに具体的に説明する。
【0054】
まず、光源11を、マルチモードファイバ30を用いたファイバアレイ光源にする場合の構成例について説明する。図17は、マルチモードファイバ30の入射端側の構造を示している。各マルチモードファイバ30の入射端側には、ヒートブロック90上に配列固定された複数(例えば7個)のチップ状の横マルチモードまたはシングルモードのGaN系半導体レーザLD1〜LD7と、これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられた複数のコリメータレンズ91〜97と、これらコリメータレンズ91〜97によって平行光束化されたレーザ光を集光してマルチモードファイバ30のコア30Aの入射端面に入射させる集光レンズ200とが配置されている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7、コリメータレンズ91〜97、および集光レンズ200と、1つのマルチモードファイバ30とで1つの合波レーザ光源(ファイバ光源)が形成されている。このファイバ光源を複数並列配置することで、1つのファイバアレイ光源が構成される。
【0055】
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長がすべて共通(例えば405nm)であり、最大出力もすべて共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7として、350nm〜450nmの波長範囲内において、上記の405nm以外の発振波長を備えるものを用いても良い。
【0056】
各ファイバ光源は、図18および図19に示したように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ240内に収納されている。パッケージ240の開口は、図19に示したように、パッケージ蓋241によって閉口されるようになっている。ファイバ光源は、パッケージ240内を脱気処理後に封止ガスを導入し、その開口をパッケージ蓋241で閉じることにより形成された閉空間(封止空間)内に気密封止される。
【0057】
パッケージ240の底面には、ベース板242が固定されている。このベース板242の上面に、ヒートブロック90と、集光レンズ200を保持する集光レンズホルダ245と、マルチモードファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダ246とが取り付けられている。マルチモードファイバ30の出射端部は、パッケージ240の壁面に形成された開口からパッケージ240外に引き出されている。
【0058】
また、ヒートブロック90の側面には、コリメータレンズホルダ244が取り付けられており、このコリメータレンズホルダ244によりコリメータレンズ91〜97が保持されている。パッケージ240の横壁面には開口が形成され、この開口を通して、GaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給するための配線247がパッケージ240外に引き出されている。
【0059】
なお、図19においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザLD1〜LD7およびコリメータレンズ91〜97のうち、1つのGaN系半導体レーザLD7およびコリメータレンズ97にのみ符号を付して図示している。
【0060】
図20は、コリメータレンズ91〜97の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ91〜97の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を、光軸に平行な平面で細長く切り取ったような形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズ91〜97は、例えば、光学樹脂または光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ91〜97の各々は、その長さ方向が、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図20の左右方向)に対して直交する方向になるように配置される。また、コリメータレンズ91〜97は、隣接するもの同士が、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向に密接して配置されている。
【0061】
ところで、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、例えば、発光幅が2μmの活性層を備え、この活性層に平行な方向と直角な方向の広がり角が、各々例えば10°,30°の状態のレーザビームB1〜B7を発するものが用いられる。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。従って、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように、細長形状の各コリメータレンズ91〜97に対して、広がり角が大きい方向が長さ方向と一致し、広がり角が小さい方向が幅方向(長さ方向に直交する方向)と一致する状態で入射する。
【0062】
以上のように、1つのファイバ光源が複数のGaN系半導体レーザLD1〜LD7を備え、このファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を、光源11として使用することができる。なお、1つのファイバ光源を、単一の半導体レーザのみを備えた構成にし、この単一の半導体レーザのみを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を、光源11として使用することもできる。この場合、各ファイバ光源では、1個の発光点を有する単一の半導体レーザからのレーザ光が、1つの光ファイバに入射され、その出射端から出射される。
【0063】
また、光源11として、マルチモードファイバ30を用いることなく、半導体レーザをアレイ状に並べたレーザアレイ光源を使用しても良い。レーザアレイ光源としては例えば、図21に示したように、ヒートブロック100上に複数(例えば7個)のチップ状の半導体レーザLD11〜LD17を並列配置したものを使用することができる。
【0064】
また、図22(B)に示したように、複数のマルチキャビティレーザ110を、ヒートブロック100上に並列配置したマルチキャビティレーザアレイを、光源11として使用しても良い。マルチキャビティレーザ110は、図22(A)にも示したように、所定方向に複数(例えば5個)の発光点110Aが配列されている。マルチキャビティレーザアレイでは、この発光点110Aの配列方向と同方向に、複数のマルチキャビティレーザ110が並列配置されている。
【0065】
また、ファイバアレイ光源において、各光ファイバに入射させるレーザ光は、チップ状の複数のGaN系半導体レーザLD1〜LD7から出射されたレーザ光を合波したものに限定されない。
【0066】
例えば、図23に示したように、複数(例えば3個)の発光点110Aを有する1つのマルチキャビティレーザ110を用い、その各発光点110Aから出射されたレーザ光を合波するようにしても良い。この場合、各ファイバ光源は、1つのマルチキャビティレーザ110と、集光レンズ120と、1つのマルチモードファイバ130とを備えた構成となる。このファイバ光源を複数並列配置することで、1つのファイバアレイ光源が構成される。マルチキャビティレーザ110は、例えば発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
【0067】
この構成のファイバ光源では、マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110Aの各々から出射された各レーザビームBが、集光レンズ120によって集光され、マルチモードファイバ130のコア130Aに入射する。コア130Aに入射したレーザ光は、ファイバ内を伝搬し、1本に合波されてその出射端から出射される。
【0068】
この構成のファイバ光源においては、マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110Aを、マルチモードファイバ130のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ120として、マルチモードファイバ130のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ110からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザビームBのマルチモードファイバ130への結合効率を上げることができる。
【0069】
また、図24に示したように、ヒートブロック111上に複数(例えば9個)のマルチキャビティレーザ110が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を、各ファイバ光源に用いても良い。複数のマルチキャビティレーザ110は、各チップの発光点110Aの配列方向と同じ方向に配列されて、ヒートブロック111上に固定されている。
【0070】
この場合、各ファイバ光源は、複数のマルチキャビティレーザ110を有したレーザアレイ140と、各マルチキャビティレーザ110に対応させて複数のマイクロレンズを配置したレンズアレイ114と、レーザアレイ140とレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、集光レンズ120と、1つのマルチモードファイバ130とを備えた構成となる。このファイバ光源を複数並列配置することで、1つのファイバアレイ光源が構成される。
【0071】
このファイバ光源では、複数のマルチキャビティレーザ110の複数の発光点110Aの各々から出射された各レーザビームBが、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光束化される。平行光束化されたレーザビームLは、集光レンズ120によって集光され、マルチモードファイバ130のコア130Aに入射する。コア130Aに入射したレーザ光は、ファイバ内を伝搬し、1本に合波されてその出射端から出射される。
【0072】
なお、このファイバ光源を、ケーシング内に収納し、マルチモードファイバ130の出射端部を、そのケーシングから引き出してレーザモジュールを構成することもできる。
【0073】
次に、この露光ヘッド2の作用、動作について説明する。
【0074】
この露光ヘッド2では、光源11からの光がコリメータレンズ12の作用によって平行光束とされ、光量分布補正光学系13に入射される。光量分布補正光学系13は、平行光束を線像にしたときに、その光量分布が略均一となるように、その平行光束の各出射位置での光束幅を変化させる。
【0075】
例えば光源11として、図16に示したようなファイバアレイ光源などを用いた場合には、その射出光束の断面形状が全体としてほぼ円形となっているので、それをそのまま線像にすると、線像中央部の光量が高く、線像周辺部の光量が低くなる。光量分布補正光学系13は、中央部の光束幅を大きくし、周辺部の光束幅を狭めるようにして、この光量分布を補正する。
【0076】
また例えば光源11として、レーザアレイ光源などを用いた場合には、その光量分布が一般にガウス分布となっているので、それをそのまま線像にすると、ファイバアレイ光源を用いた場合よりもさらに、線像中央部の光量が高く、線像周辺部の光量が低くなる。この場合、光量分布補正光学系13は、ファイバアレイ光源を用いた場合に比べて、さらに中央部の光束幅をより大きくし、周辺部の光束幅をより狭めるような補正を行う。
【0077】
集光光学系14は、光量分布補正光学系13からの光束を1方向にのみ収束させて、一次元空間変調器20上に線像を形成する。一次元空間変調器20は、図示しない露光制御回路において、その露光パターンに応じて発生された制御信号に基づいて、線像を変調する。一次元空間変調器20としてGLVを用いた場合には、結像光学系30の第1群31と第2群32との間に設けられた遮光板33によって変調光の0次光が遮光される。1次光は、遮光板33で遮光されることなく、露光に用いられる。結像光学系30は、一次元空間変調器20からの変調光束を、露光面40に結像させる。このとき、結像光学系30は、一次元空間変調器20上の線像形成面と露光面40とが共役な関係になるように結像させる。従って、露光面40上の露光像は、一次元空間変調器20上に形成された線像と同様、その光量分布が略均一化されたものとなる。この露光ヘッド2では、例えば露光面40を線像に直交させる方向に移動させることにより2次元的な露光を行うこともできる。
【0078】
このように、本実施の形態に係る露光ヘッド2によれば、光量分布補正光学系13によって光量分布が略均一化された線像を一次元空間変調器20上に形成し、それを露光に用いるようにしたので、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、良好な露光を行うことができる。
【0079】
[第3の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、1次元の線像の光量分布を略均一化する場合について述べたが、この光量分布の均一化の手法は、照明光などの2次元的な光束の光量分布を略均一化する場合にも応用できる。本実施の形態では、光量分布の均一化の手法を、二次元空間変調器を用いた露光ヘッドに応用した場合について説明する。
【0080】
図25は、本発明の第3の実施の形態に係る露光ヘッドの構成例を示している。図25において、(A),(B)は、互いに直交する断面での構成を示している。
【0081】
この露光ヘッド3は、例えばDMDなどの二次元空間変調器80を備えている。この露光ヘッド3はまた、光軸Z1に沿って、光線の進む順に、光源11と、この光源11からの光束を平行光束にし、被照射面である二次元空間変調器80への照明光とするコリメータレンズ12と、コリメータレンズ12からの照明光の光束幅を拡大するアナモフィックプリズム83と、照明光の光量分布(照度分布)を補正するための光量分布補正光学系13Aと、その補正された照明光を二次元空間変調器80に向けて反射する反射ミラー81とを備えている。この露光ヘッド3はまた、二次元空間変調器80からの変調光束を、露光面70に結像させる結像光学系60を備えている。
【0082】
本実施の形態において、光源11、コリメータレンズ12、および光量分布補正光学系13Aが、本発明における「光量分布補正照明光学系」に対応する。
【0083】
光源11としては、例えば半導体レーザをアレイ状に並べたレーザアレイ光源を使用する。このようなレーザアレイ光源からの射出光束の断面内での光量分布は、一般にガウス分布となっており、中央部の光量が高く、周辺部が低くなっている。また、光源11としては、ファイバアレイ光源を使用しても良い。レーザアレイ光源およびファイバアレイ光源の構成は、上記第2の実施の形態で説明したものと同様である。
【0084】
アナモフィックプリズム83は、例えば2つのプリズムP1,P2によって構成され、コリメータレンズ12からの照明光を、二次元空間変調器80の有効領域に合わせて拡大するようになっている。図25の例では、光束幅を、1方向(図のX方向)に拡大している。
【0085】
光量分布補正光学系13Aは、例えば2枚の非球面レンズL11A,L12Aによって構成されている。光量分布補正光学系13Aは、上記第1および第2の実施の形態における光量分布補正光学系13とは異なり、特定方向だけではなく、全方向にパワーを有している。この光量分布補正光学系13Aは、入射光束の中央部の光束幅を広げ、周辺部の光束幅を狭める作用を持ち、二次元空間変調器80上の光量を有効範囲内で略均一化するようになっている。
【0086】
結像光学系60は、例えば2つのレンズ群61,62を含んで構成され、二次元空間変調器80による変調光を二次元空間変調器80と共役な関係になるように露光面40に結像させるようになっている。
【0087】
この露光ヘッド3では、光源11からの光束が、コリメータレンズ12の作用によって照明用に平行光束とされ、アナモフィックプリズム83により二次元空間変調器80の有効範囲に合わせた光束幅にされた後、光量分布補正光学系13Aに照明光として入射される。光量分布補正光学系13Aは、その照明光の光量分布が被照射面である二次元空間変調器80上で略均一となるように、その平行光束の各出射位置での光束幅を変化させる。
【0088】
例えば光源11としてレーザアレイ光源を用いた場合には、その光量分布が一般にガウス分布となっているので、中央部の光束幅を大きくし、周辺部の光束幅を狭めるような補正を行う。この補正後の照明光によって、二次元空間変調器80が照明される。
【0089】
二次元空間変調器80は、図示しない露光制御回路において、その露光パターンに応じて発生された制御信号に基づいて、照明光を変調する。結像光学系60は、二次元空間変調器80からの変調光束を、露光面70に結像させる。二次元空間変調器80と露光面70とは共役な関係になっているので、光量分布の均一化された照明に基づく変調光が、露光面40に結像され、良好に2次元的な露光が行われる。
【0090】
このように、本実施の形態に係る露光ヘッド3によれば、光量分布補正光学系13Aによって光量分布が略均一化された照明光によって二次元空間変調器80を照明し、それにより露光を行うようにしたので、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、良好な2次露光を行うことができる。
【0091】
【実施例】
次に、上記実施の形態に対する具体的な実施例について説明する。
【0092】
[実施例1](実施例1−1〜1−3)
まず、第1の実施の形態に対応する、一次元集光光学系(実施例1−1,1−2)と、第3の実施の形態に対応する、光量分布補正照明光学系(実施例1−3)について説明する。
【0093】
<実施例1−1>
本例は、光源11がファイバアレイ光源など、その出射光束の断面形状が全体としてほぼ円形で、その断面内での光量分布がほぼ均一なものであり、かつ、円形の光束から線像を形成する場合についての実施例である。
【0094】
図3は、本実施例に係る一次元集光光学系の構成を示している。図4は、この一次元集光光学系において、最も外側を通る光線の光路を示したものである。図3および図4において、(B)は、線像の形成方向の断面を示し、(A)は、それに直交する方向の断面を示している。なお、図3において、符号riは、i番目(i=0〜14)の構成要素の面の曲率半径を示し、符号diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸上の面間隔を示す。ri,diは、光源11を0番目として、光線の進む順に順次増加させるようにして番号iを付している。
【0095】
この一次元集光光学系は、光軸Z1に沿って、光線の進む順に、光源11と、コリメータレンズ12と、光量分布補正光学系13と、集光光学系14とを備えている。コリメータレンズ12は、光源11側から順に、4枚のレンズL1〜L4で構成されている。光量分布補正光学系13は、光源11側から順に、線像15の長手方向(図3のX方向)にのみパワーを有する2枚のレンズL11,L12で構成されている。集光光学系14は、線像15に直交する方向(図3のY方向)にのみパワーを有する1枚のシリンドリカルレンズL21によって構成されている。
【0096】
図5(A),(B)は、図3に示した一次元集光光学系の具体的なレンズデータを示している。図5(A)に示した基本レンズデータにおける面番号Siの欄には、光源11を0番目として、光線の進む順に順次増加させるようにして番号iを付した、各構成要素の面の番号を示している。曲率半径ri(rhi,rvi)、および面間隔diの欄には、図3(A)に付した符号ri,diに対応する面の値を示す。曲率半径riおよび面間隔diの値の単位はミリメートル(mm)である。Niの欄には、i番目の光学要素の波長405nmに対する屈折率の値を示す。
【0097】
なお、曲率半径riについては、線像15の長手方向(図3のX方向)における曲率半径rhiと、これに直交する方向(図3のY方向)における曲率半径rviとを示す。
【0098】
本実施例では、光量分布補正光学系13におけるレンズL11の物体側の面(第9面)の線像方向の曲率半径rh9と、レンズL12の像側の面(第12面)の線像方向の曲率半径rh12とが非球面形状となっている。また、集光光学系14の像側の面(第13面)の線像方向に直交する方向の曲率半径rv13が非球面形状となっている。
【0099】
図5(B)に示した非球面データは、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における係数である。なお、図5(B)に示した非球面を表す数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10−2」であることを示す。
【0100】
【数1】
ただし、
Z:光軸から高さρの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)
ρ:光軸からの距離(mm)
K:円錐係数
C:近軸曲率(1/r,r:近軸曲率半径)
ai:第i次(i=3〜10)の非球面係数
【0101】
図6は、光量分布補正光学系13に入射した各光線の変化の状態を示したものである。図6に示したように、光量分布補正光学系13によって、中心部の入射光束については、その光束幅が拡大され、逆に、周辺部の入射光束に対してはその光束幅が縮小されている。なお、符号51,52で示した部分は、光量分布補正光学系13における入射面および出射面を仮想的に示したものである。
【0102】
ここで、具体的なレンズデータは省略するが、参考として、全体の光束幅を2倍にして出射するような構成にした場合における、光量分布補正光学系13での各光線の変化の状態を、図7に示す。この場合にも、光量分布補正光学系13によって、出射側において、中心部の入射光束については、その光束幅が拡大され、逆に、周辺部の入射光束に対してはその光束幅が縮小されている。
【0103】
図8は、この一次元集光光学系によって形成された線像の光量分布を示している。なお、図8において、横軸は、光軸を中心とした線像の形成方向の座標を示し、縦軸は、光量比(%)を示す。
【0104】
図8から分かるように、本実施例では、光量分布の補正を行わない従来の光学系における光量分布(図9)と比べて、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、略均一化された光量分布が得られている。
【0105】
<実施例1−2>
本例は、光源11が、図21等に示したレーザアレイ光源など、その出射光束の断面の光量分布がガウス分布であり、かつ、そのガウス分布の光束から線像を形成する場合についての実施例である。
【0106】
本実施例の光学系は、光量分布補正光学系13のレンズデータを除き、実施例1−1と同様である。従って、ここでは光量分布補正光学系13のレンズデータのみを実施例として、図10(A),(B)に示す。レンズデータの符号の意味は、実施例1−1(図5(A),(B))と同様である。
【0107】
本実施例では、実施例1−1と同様、光量分布補正光学系13におけるレンズL11の物体側の面(第9面)の線像方向の曲率半径rh9と、レンズL12の像側の面(第12面)の線像方向の曲率半径rh12とが非球面形状(非円筒面)となっている。図10(B)は、この各面の非球面データを示している。各係数は、上述の式(A)における係数を示す。
【0108】
図12は、本実施例の一次元集光光学系によって形成された線像の光量分布を示している。なお、図12において、横軸は、光軸を中心とした線像の形成方向の座標を示し、縦軸は、光量比(%)を示す。なお、参考として図11に、光量分布の補正を行わなかった場合の線像の光量分布を示す。
【0109】
図12から分かるように、本実施例では、光量分布の補正を行わなかった場合(図11)と比べて、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、略均一化された光量分布が得られている。
【0110】
<実施例1−3>
本例は、光源11が図21等に示したレーザアレイ光源など、その出射光束の断面の光量分布がガウス分布であり、かつ、そのガウス分布の光束を、2次元空間変調器などを照明する照明光として利用する場合についての実施例である。
【0111】
本実施例の光量分布補正照明光学系の概略は、実施例1−1の一次元集光光学系の構成要素から、集光光学系14を除いた構成となっている。光量分布補正光学系13Aは、回転対称の2つの非球面レンズL11A,L12Aから構成されている。
【0112】
ここでは本実施例の特徴部分である光量分布補正光学系13Aのデータのみをレンズデータとして、図13(A),(B)に示す。レンズデータの符号の意味は、実施例1−1(図5(A),(B))と同様である。また、比較しやすいよう、各面のデータには、実施例1−1,1−2と同じ面番号を付している。
【0113】
なお、実施例1−1,1−2は、線像を形成する光学系であるため、曲率半径riについて、2方向の曲率半径rhi,rviを示したが、本実施例は、線像を形成する光学系ではないため、曲率半径riは各断面方向において同一(回転対称)となっている。
【0114】
本実施例では、光量分布補正光学系13AにおけるレンズL11Aの物体側の面(第9面)の曲率半径r9と、レンズL12Aの像側の面(第12面)の線像方向の曲率半径r12とが非球面形状となっている。図13(B)は、この各面の非球面データを示している。各係数は、上述の式(A)における係数を示す。
【0115】
図14は、本実施例の光量分布補正照明光学系によって得られる照明光の光量分布を示している。なお、図14において、横軸は、光軸からの座標を示し、縦軸は、光量比(%)を示す。光量分布の補正を行わなかった場合の光量分布は、図11同様である。
【0116】
図14から分かるように、本実施例では、光量分布の補正を行わなかった場合(図11)と比べて、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、略均一化された光量分布が得られている。
【0117】
[実施例2](実施例2−1,2−2)
次に、第2の実施の形態に対応する露光ヘッドの2つの実施例について説明する。
【0118】
<実施例2−1>
本実施例の全体構成は、図15(A),(B)に示した露光ヘッド2と概略同様である。本実施例において、光源11としては、ファイバアレイ光源を使用した。具体的には、クラッド径60μm、コア径25μmのマルチモードファイバを線像形成方向に25本並べ、それらの端面からの射出光束を使用した。各マルチモードファイバの入射端には、7個の半導体レーザを接続した。射出光束全体の広がり角はNA=0.3相当であり、射出光束の断面形状は、全体としてほぼ円形で、その断面内での光量分布はほぼ均一なものを使用した。
【0119】
コリメータレンズ12としては、NA=0.3、焦点距離50mmのものを使用した。集光光学系14としては、実施例1−1と同様、線像15に直交する方向にのみパワーを有する1枚の非球面シリンドリカルレンズL21によって構成した。集光光学系14は、NA=0.3、焦点距離50mmのものを使用した。集光光学系14によって、一次元空間変調器20上に幅25μmの線像を形成した。光量分布補正光学系13は、実施例1−1と同様、光源11側から順に、線像15の長手方向にのみパワーを有する2枚のレンズL11,L12の構成とした。
【0120】
一次元空間変調器20としては、有効長さ27mm、有効幅25μmのGLVを使用した。結像光学系30は、2つのレンズ群31,32で構成し、第1群31および第2群32ともに、NA=0.3、焦点距離60mmとした。これにより、一次元空間変調器20からの変調光束を、1倍で露光面40に結像させるようにした。
【0121】
一次元空間変調器20からの0次光は、結像光学系30の第1群31と第2群32との間に設けられた遮光板33で遮光し、1次光を、遮光板33で遮光することなく、露光に用いるようにした。
【0122】
以上の構成により、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、一次元空間変調器20上で略均一化された光量分布の線像が得られ、これにより、良好な露光を行うことができた。
【0123】
<実施例2−2>
本実施例の全体構成も、図15(A),(B)に示した露光ヘッド2と概略同様である。本実施例において、光源11としては、ファイバアレイ光源を使用した。具体的には、クラッド径60μm、コア径25μmのマルチモードファイバを線像形成方向に25本並べ、それらの端面からの射出光束を使用した。各マルチモードファイバの入射端には、7個の半導体レーザを接続した。射出光束全体の広がり角はNA=0.2相当であり、射出光束の断面形状は、全体としてほぼ円形で、その断面内での光量分布はほぼ均一なものを使用した。
【0124】
コリメータレンズ12としては、NA=0.2、焦点距離75mmのものを使用した。集光光学系14としては、実施例1−1と同様、線像15に直交する方向にのみパワーを有する1枚の非球面シリンドリカルレンズL21によって構成した。集光光学系14は、NA=0.2、焦点距離75mmのものを使用した。集光光学系14によって、一次元空間変調器20上に幅25μmの線像を形成した。光量分布補正光学系13は、実施例1−1と同様、光源11側から順に、線像15の長手方向にのみパワーを有する2枚のレンズL11,L12の構成とした。
【0125】
一次元空間変調器20としては、有効長さ27mm、有効幅25μmのGLVを使用した。結像光学系30は、2つのレンズ群31,32で構成し、第1群31として、NA=0.2、焦点距離60mmのものを使用し、第2群32として、NA=0.25、焦点距離48mmのものを使用した。これにより、一次元空間変調器20からの変調光束を、0.8倍で露光面40に結像させるようにした。
【0126】
一次元空間変調器20からの0次光は、結像光学系30の第1群31と第2群32との間に設けられた遮光板33で遮光し、1次光を、遮光板33で遮光することなく、露光に用いるようにした。
【0127】
以上の構成によっても、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、一次元空間変調器20上で略均一化された光量分布の線像が得られ、これにより、良好な露光を行うことができた。
【0128】
[実施例3]
次に、第3の実施の形態に対応する露光ヘッドの実施例について説明する。本実施例の全体構成は、図25(A),(B)に示した露光ヘッド3と概略同様である。
【0129】
本実施例において、光源11としては、レーザ光源からのガウス分布の光束を使用した。より具体的には、中央部の強度に対して1/e2(e;自然対数の底)の強度となる径をビーム径として、その広がり角が34°×17°のものを使用した。
【0130】
コリメータレンズ12としては、NA=0.3、焦点距離50mmのものを使用した。アナモフィックプリズム83では、1方向(図25(B)のX方向)に光束幅を約2倍にし、ビーム径(1/e2となる径)が29.2mmの平行光束になるようにした。光量分布補正光学系13Aは、実施例1−3と同様、2枚の非球面レンズL11A,L12Aによって構成した。
【0131】
二次元空間変調器80としては、有効域が24mm×18mmのDMDを使用した。結像光学系60は、2つのレンズ群61,62で構成し、第1群61および第2群62ともに、NA=0.3、焦点距離60mmとした。これにより、二次元空間変調器80からの変調光束を、1倍で露光面70に結像させるようにした。
【0132】
以上の構成により、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、二次元空間変調器80上で略均一化された光量分布の照明光が得られ、これにより、良好な2次元露光を行うことができた。
【0133】
なお、本発明は、上記各実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔および屈折率の値などは、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
【0134】
また、上記各実施の形態および各実施例では、光源11からの光束をコリメータレンズ12によって平行光束にする場合について説明したが、コリメータレンズ12を用いなくとも平行光束が得られる場合は、コリメータレンズ12を構成から省略することができる。
【0135】
また、上記各実施の形態では、空間変調器として、GLVおよびDMDの例を挙げたが、その他、例えばPLZT(Plomb Lanthanum Zirconate Titanate)素子や、FLC(Ferroelectoric Liquid Crystal)等を用いた空間変調器を使用しても良い。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の一次元集光光学系によれば、光量分布補正光学系において、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比を入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにしたので、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、光学系全体として、光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された線像を形成することができる。
【0137】
また、請求項13に記載の露光ヘッドによれば、光量分布補正光学系によって光量分布が略均一化された線像を、1次元の空間変調器上に形成し、その変調光により露光を行うようにしたので、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、良好な露光を行うことができる。
【0138】
また、請求項14ないし16のいずれか1項に記載の光量分布補正照明光学系によれば、光量分布補正光学系において、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比を入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにしたので、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、光学系全体として、光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された照明光を得ることができる。
【0139】
また、請求項17に記載の露光ヘッドによれば、光量分布補正光学系によって光量分布が略均一化された照明光を、2次元の空間変調器上に照射し、その変調光により露光を行うようにしたので、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、良好な露光を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る一次元集光光学系の構成例を示す光学系配置図である。
【図2】光量分布補正光学系による光束幅の補正の概念についての説明図である。
【図3】実施例1−1に係る一次元集光光学系の光学系配置図である。
【図4】実施例1−1に係る一次元集光光学系の構成を光路と共に示す光学系配置図である。
【図5】実施例1−1に係る一次元集光光学系のレンズデータを示す説明図である。
【図6】実施例1−1における光量分布補正光学系による各光束の変化の状態を示す図である。
【図7】全体の光束幅を2倍にした場合における光量分布補正光学系による各光束の変化の状態を示す図である。
【図8】実施例1−1に係る一次元集光光学系における光量分布を示す図である。
【図9】従来の一次元集光光学系における光量分布を示す図である。
【図10】実施例1−2における光量分布補正光学系のレンズデータを示す説明図である。
【図11】光源がガウス分布で、光量分布の補正を行わずに線像を形成した場合の光量分布を示す図である
【図12】実施例1−2に係る一次元集光光学系における光量分布を示す図である。
【図13】実施例1−3における光量分布補正光学系のレンズデータを示す説明図である。
【図14】実施例1−3に係る光量分布補正照明光学系における光量分布を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る露光ヘッドの構成例を示す光学系配置図である。
【図16】ファイバアレイ光源の出射端側の構造を示す説明図である。
【図17】ファイバアレイ光源を構成するファイバ光源の光学系の一例を示す構成図である。
【図18】ファイバ光源の構造を示す平面図である。
【図19】ファイバ光源の構造を示す平面図である。
【図20】ファイバ光源の構造を示す平面図である。
【図21】レーザアレイ光源の一例を示す構成図である。
【図22】レーザアレイ光源の他の例を示す構成図である。
【図23】ファイバ光源の他の例を示す構成図である。
【図24】ファイバ光源のさらに他の例を示す構成図である。
【図25】
本発明の第3の実施の形態に係る露光ヘッドの構成例を示す光学系配置図である。
【符号の説明】
Z1…光軸、1…一次元集光光学系、2,3…露光ヘッド、11…光源、12…コリメータ、13…光量分布補正光学系、14…集光光学系、15…線像、20…一次元空間変調器、30,130…マルチモードファイバ、80…二次元空間変調器、110…マルチキャビティレーザ、110A…発光点。
Claims (17)
- 光源からの平行光束を1方向に収束させて線像を形成するための一次元集光光学系であって、
光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように、各出射位置における光束幅を変化させ、前記光源からの平行光束を線像にしたときに、その光量分布が略均一となるようにする光量分布補正光学系と、
前記光量分布補正光学系からの光束を1方向にのみ収束させて線像を形成する集光光学系と
を備えたことを特徴とする一次元集光光学系。 - 前記光量分布補正光学系は、線像の長手方向にのみパワーを持ち、それと直交する方向にはパワーを持たない
ことを特徴とする請求項1記載の一次元集光光学系。 - 前記光量分布補正光学系は、入射された平行光束の全体の光束幅を変えずに出射するものであり、
光軸に近い中心部の入射光束に対しては周辺部に比べてその光束幅を拡大し、周辺部の入射光束に対しては中心部に比べてその光束幅を縮小するような作用を施す
ように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の一次元集光光学系。 - 前記光量分布補正光学系は、入射された平行光束の全体の光束幅を縮小して出射するものであり、
光軸に近い中心部の入射光束に対する縮小率を周辺部に比べて小さくし、周辺部の入射光束に対する縮小率を中心部に比べて大きくするような作用を施す
ように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の一次元集光光学系。 - 前記光量分布補正光学系は、入射された平行光束の全体の光束幅を拡大して出射するものであり、
光軸に近い中心部の入射光束に対する拡大率を周辺部に比べて大きくし、周辺部の入射光束に対する拡大率を中心部に比べて小さくするような作用を施す
ように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の一次元集光光学系。 - 前記光量分布補正光学系は、形成される線像の光量ムラが30%以内となるように、その光量分布を略均一化する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の一次元集光光学系。 - 光束を1方向に収束させて線像を形成するための一次元集光光学系であって、
光源と、
前記光源からの光束を平行光束にするコリメータレンズと、
光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように、各出射位置における光束幅を変化させ、前記コリメータレンズによって形成された平行光束を線像にしたときに、その光量分布が略均一となるようにする光量分布補正光学系と、
前記光量分布補正光学系からの光束を1方向にのみ収束させて線像を形成する集光光学系と
を備えたことを特徴とする一次元集光光学系。 - 前記光量分布補正光学系は、線像の長手方向にのみパワーを持ち、それと直交する方向にはパワーを持たない
ことを特徴とする請求項7記載の一次元集光光学系。 - 前記光量分布補正光学系は、入射された平行光束の全体の光束幅を変えずに出射するものであり、
光軸に近い中心部の入射光束に対しては周辺部に比べてその光束幅を拡大し、周辺部の入射光束に対しては中心部に比べてその光束幅を縮小するような作用を施す
ように構成されていることを特徴とする請求項7または8に記載の一次元集光光学系。 - 前記光量分布補正光学系は、入射された平行光束の全体の光束幅を縮小して出射するものであり、
光軸に近い中心部の入射光束に対する縮小率を周辺部に比べて小さくし、周辺部の入射光束に対する縮小率を中心部に比べて大きくするような作用を施す
ことを特徴とする請求項7または8に記載の一次元集光光学系。 - 前記光量分布補正光学系は、入射された平行光束の全体の光束幅を拡大して出射するものであり、
光軸に近い中心部の入射光束に対する拡大率を周辺部に比べて大きくし、周辺部の入射光束に対する拡大率を中心部に比べて小さくするような作用を施す
ことを特徴とする請求項7または8に記載の一次元集光光学系。 - 前記光量分布補正光学系は、形成される線像の光量ムラが30%以内となるように、その光量分布を略均一化する
ことを特徴とする請求項7ないし11のいずれか1項に記載の一次元集光光学系。 - 前記請求項7ないし12のいずれか1項に記載の一次元集光光学系と、
この一次元集光光学系によって形成された線像を変調する1次元の空間変調器と、
この空間変調器によって変調された光束を露光面に結像させる結像光学系と
を備えたことを特徴とする露光ヘッド。 - 光源と、
前記光源からの光束を平行光束にして照明光を形成するコリメータレンズと、
光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように、各出射位置における光束幅を変化させ、前記コリメータレンズによって形成された照明光の光量分布が、被照射面において略均一となるようにする光量分布補正光学系と
を備えたことを特徴とする光量分布補正照明光学系。 - 前記光源は、断面の光量分布が、中央部から周辺部に行くに従い低くなるような光束を射出するものであり、
前記光量分布補正光学系は、光軸に近い中心部の入射光束に対しては周辺部に比べてその光束幅を拡大し、周辺部の入射光束に対しては中心部に比べてその光束幅を縮小するような作用を施す
ことを特徴とする請求項14記載の光量分布補正照明光学系。 - 前記光量分布補正光学系は、形成される照明光の光量ムラが30%以内となるように、その光量分布を略均一化する
ことを特徴とする請求項14または15に記載の光量分布補正照明光学系。 - 前記請求項14ないし16のいずれか1項に記載の光量分布補正照明光学系と、
この光量分布補正照明光学系からの照明光を変調する2次元の空間変調器と、
この空間変調器によって変調された光束を露光面に結像させる結像光学系と
を備えたことを特徴とする露光ヘッド。
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