JP2003529695A - トンネル構成部材用のシール組合せ体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも、突き合せされる２つの構成部材と、エラストマー材料製シール形材１０，１１と、各構成部材とシール形材間の接触面１３用（特に、２つのシール形材１０，１１間の接触面用）の潤滑剤１４とから成るシール組合せ体に係わる。シール形材は、２つの構成部材間の間隙を埋めてシールをなす。構成部材は、特にセグメントとして形成され、該セグメントは、縦横方向の継ぎ目を形成する態様で組合せて管状トンネルを構成する部材である。各セグメントの突き合せ側辺全体に亘って、少なくとも１つの連続する凹所が形成されており、各凹所にシール形材１０，１１が配置され、もって、奥所シール構造の枠組みが形成される。本発明のシール組合せ体の特徴は、少なくとも１つのシール形材１０，１１に、接触面１３の領域で少なくとも２つの突起１２を設けた点である。この突起が密封室を作り、その内部に潤滑剤１４が収容される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、シール組合せ体に係わり、少なくとも、特にコンクリートまたは鉄
筋コンクリート製の互いに突き合わされる２つの構成部材と、該２つの構成部材
間の間隙を埋めるエラストマー材料製シール形材とを含み、前記構成部材が特に
セグメント（タビング）であり、該セグメントは、縦横方向の継ぎ目を形成する
態様で組合せて管状トンネルを構成する部材であり、しかも該セグメントが、そ
の突き合わせ側辺に（好ましくは、セグメント突き合わせ側辺全体に亘って）、
少なくとも１つの凹所を有し、各凹所内にシール形材が位置づけられ、もって奥
所シール構造の枠組みが形成され、さらに、各構成部材とシール形材の間の接触
面、特に２つのシール形材（ＤＥ−Ａ−１９８２６４８２、ＵＳ−Ａ−４９４６
３０９、ＷＯ−Ａ−９３／１４２９７）の間の接触面用の潤滑剤を含むシール組
合せ体に関するものである。

【０００２】 ここで、特に主な用途として挙げなければならないトンネル建造物の場合、２
つの互いに突き合わされるシール形材の接触面は、通常、平坦に重ね合わされる
。タビングの組付け時に、シール形材相互間の滑りをよくするために、通常、接
触面に潤滑剤が施される。シール形材は挿入時に圧縮され、潤滑剤が接触面から
横へ妨げられることなく押し出される。その際、接触面間の静止摩擦は、圧縮力
の増加により、また潤滑剤が失われることで増大する。

【０００３】 国際公開公報ＷＯ−Ａ−９３／１４２９７で、シール形材の接触面領域に、形
材の基体よりも硬質で摩擦の小さい付加層を設けることが提案されている。それ
によって潤滑剤を減らし、場合によっては潤滑剤を用いることなく付加層が本来
の滑り問題を引き受けるようになされている。しかし、この提案は、シール形材
の弾力性さらにはシール（密封）性能にマイナスの影響を与える欠点がある。

【０００４】 前記欠点を除去するため、特許請求の範囲の請求項１に記載された本発明のシ
ール組合せ体では、少なくとも１つのシール形材が、接触面領域に少なくとも２
つの突起を有し、該突起が密封室を形成し、該密封室内に潤滑剤が封入される。 シール組合せ体の好ましい特徴が請求項２から請求項７までに記載されている
。

【０００５】 以下、本発明の具体例について略示図を見ながら説明する。 図１に、トンネル築造分野で用いるシール組合せ体１を示す。このシール組合
せ体では、互いに突き合わされる２つのコンクリート製セグメント２，３が間隙
４を画成している。これらの各セグメントは凹所５、６を有し、該凹所内に、エ
ラストマー材料製の索状シール形材７，８が配置されている。該シール形材は、
通常、条溝と孔とを有するが、これに関する詳細については、公開公報ＤＥ−Ａ
−１９８２６４８２を参照されたい。

【０００６】 互いに突き合わされるセグメント２，３が押し合わされ、間隙４の間隔が狭め
られる結果、両シール形材７、８は、力と反力の相互作用によりシール性能を発
揮する。接触面９の領域には、セグメント組付け時にシール形材相互の滑り特性
をよくするために潤滑剤が施される。

【０００７】 圧縮時に、接触面から側方へ潤滑剤が押し出されないようにするために、本発
明は次の提案を行なうものである。すなわち、両シール形材７、８の少なくとも
一方が少なくとも２つの突起を有し、該突起により密封室が形成され、該密封室
内に潤滑剤が封入される。 以下、本発明の構想をシール形材について説明するが、このシール形材につい
ては、特許明細書ＵＳ−Ａ−４９４６３０９で説明されている。

【０００８】 図２に示す各シール形材１０，１１は２つの突起１２を有し、該突起が、共通
接触面１３の領域に密封室を形成し、該密封室内に、好ましくは潤滑ペースト形
態の潤滑剤１４が収容されている。この収容は、図示のように、シール形材をず
らして突き合わせても可能である。圧縮時には、これらの突起が障壁となって、
潤滑剤が横へ押し出されることが難しくなるか、または阻止される。両シール形
材は、潤滑剤のクッションに接して滑動する。この効果は、両シール形材に設け
ておくのが好ましい切欠き１５によって更に強化される。これらの切欠きは、潤
滑剤１４用の溜まりとして働く。

【０００９】 特に好ましいのは、潤滑剤１４が膨潤性ペーストの場合である。膨潤性ペース
トは、滑動機能のほかに、水または湿気と反応してペーストが膨張することによ
る付加的シール機能をも有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 トンネル建造分野におけるシール組合せ体。

【図２】 潤滑剤を内包する互いに突き合わされた２つのシール形材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カッセル、ディエター ドイツ連邦共和国 ロンネンベルク、シル フヴェグ 22 Ｆターム(参考） 2D055 GC09 3J040 AA11 AA18 CA04 EA01 EA16 EA21 FA05 FA20 HA15

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも、互いに突き合わされる２つの構成部材（２，３
   ）と、該２つの構成部材間の間隙（４）を埋めてシールを行なうエラストマー材
   料製シール形材（７，８，１０，１１）とを含み、 前記構成部材（２，３）が特にセグメントであり、該セグメントは、縦横方向
   の継ぎ目を形成する態様で組合せて管状トンネルを構成する部材であり、前記セ
   グメントが、その突き合わせ側辺に、好ましくはセグメント突き合わせ側辺全体
   に亘って、少なくとも１つの凹所を有し、各凹所（５，６）内に前記シール形材
   （７，８，１０，１１）が位置づけられ、もって奥所シール構造の枠組みが形成
   され、 さらに、前記各構成部材と前記シール形材の間の接触面（９，１３）、特に２
   つのシール形材（７，８，１０，１１）間の接触面用の潤滑剤（１４）を含むシ
   ール組合せ体（１）において、 少なくとも１つの前記シール形材（７，８，１０，１１）が、前記接触面（９
   ，１３）の領域に少なくとも２つの突起（１２）を有し、該突起が密封室を形成
   し、該密封室内に潤滑剤（１４）が収容されることを特徴とするシール組合せ体
   。
2. 【請求項２】 少なくとも１つのシール形材（７，８，１０，１１）が、接
   触面（９，１３）の領域に少なくとも１つの切欠き（１５）を有し、該切欠きが
   潤滑剤（１４）用の溜まりとして役立つことを特徴とする請求項１に記載された
   シール組合せ体。
3. 【請求項３】 少なくとも２つの切欠き（１５）（好ましくは２〜４の切欠
   き）が存在することを特徴とする請求項２に記載されたシール組合せ体。
4. 【請求項４】 互いに突き合わされる２つのシール形材（７，８，１０，１
   １）の各々が、接触面（９，１３）の領域に少なくとも１つの切欠き（１５）を
   有することを特徴とする請求項２または請求項３に記載されたシール組合せ体。
5. 【請求項５】 互いに突き合わされる２つのシール形材（７，８，１０，１
   １）の各々が、接触面（９，１３）の領域に少なくとも２つの突起（１２）を有
   することを特徴とする請求項１から請求項４までのいずれか１項に記載されたシ
   ール組合せ体。
6. 【請求項６】 前記潤滑剤（１４）が潤滑ペーストであることを特徴とする
   請求項１から請求項５までのいずれか１項に記載されたシール組合せ体。
7. 【請求項７】 前記潤滑剤（１４）が膨潤性潤滑ペーストであることを特徴
   とする請求項６に記載されたシール組合せ体。