JP2003519660A - 耐糖能に影響を与える薬剤を調製するための、環状エーテルの使用 - Google Patents

耐糖能に影響を与える薬剤を調製するための、環状エーテルの使用

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JP2003519660A JP2001551482A JP2001551482A JP2003519660A JP 2003519660 A JP2003519660 A JP 2003519660A JP 2001551482 A JP2001551482 A JP 2001551482A JP 2001551482 A JP2001551482 A JP 2001551482A JP 2003519660 A JP2003519660 A JP 2003519660A
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ボー アーレン,
シュークン ユ,
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ダニスコ エイ/エス
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    • A61P5/50Drugs for disorders of the endocrine system of the pancreatic hormones for increasing or potentiating the activity of insulin

Abstract

(57)【要約】 本発明は、耐糖能障害に影響を与えるための薬剤としての、環状エーテルの使用に関する。本発明は、耐糖性障害を処置するおよび/またはGLP−1を調節する薬剤の製造における環状エーテルの使用を提供する。本発明はまた、薬剤における使用のための組成物を提供する。この組成物は、活性成分としての環状エーテル;および必要に応じて薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤を含む。ここで、この環状エーテルは耐糖性に影響を及ぼし得、および/またはGLP−1を調節し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、糖尿病のような耐糖性障害の調節に関連する。
【0002】 (発明の背景) 糖尿病は、英国単独で100万人以上に影響する主な健康問題である。糖尿病
およびその続発症は、全国民健康保険経費の5−6%を計上すると推定されてい
る。
【0003】 2型糖尿病の進展は、膵臓が十分な量でインスリンを分泌できないことによる
。2型糖尿病の前には多くの場合、インスリン抵抗性の時期がある。インスリン
抵抗性は、グルコース代謝を適切に調節するインスリンの能力の障害による。
【0004】 グリコーゲンは、炭素およびエネルギー貯蔵のための肝臓および筋肉における
グルコース、および血糖(すなわちグルコース)ホメオスタシスの維持のための
動的なプールのような、炭水化物の主なポリマーである。グルコースの合成およ
び分解はどちらも、酵素的およびホルモンレベルのいずれにおいても厳格な制御
下にあることが知られており、そして多くの疾患が、グリコーゲン代謝の障害(
糖尿病を含む)に関連することが知られている(Larner、1990)。
【0005】 グリコーゲンの分解は、多くの代謝経路を通じて進み得る。グリコーゲンは、
遊離のグルコース分子を生じさせるαグルコシダーゼによって分解され得る。グ
リコーゲンはまた、グルコース−1−リン酸を産生するグリコーゲンホスホリラ
ーゼによって分解され得る。それはホスファターゼによって遊離のグルコースに
転化され得る(Larner、1990)。
【0006】 グリコーゲンはまた、アンヒドロフルクトース経路によって分解され得る。こ
こで、グリコーゲンはα−1,4−グルカンリアーゼによって1,5−アンヒド
ロ−D−フルクトース(「1,5AnFru」)に転化され(Yuら、1999
)、それは次いでさらに代謝される。この代謝経路の1つの産物は、1,5−ア
ンヒドロ−D−グルシトール(1,5AnGlc−オール)である。1,5An
Glc−オールは、ヒトの脳脊髄液および血漿に見出され、そして尿に分泌され
得る。1,5AnGlc−オールのレベルは、正常人でだいたい20−40μg
ml-1血漿であるが、糖尿病患者では約0−10μg ml-1血漿の減少した
レベルで見出される(Yamanouchiら、1989;Stickleおよ
びTurk、1997)。
【0007】 この代替のグリコーゲン分解経路は、Escherichia coli、菌
類および藻類で(概説のためにはYuら、1999を参照のこと)、およびラッ
トの肝臓でも(Kametaniら、1996)示された。1,5AnFruは
、遊離の状態で、例えば約0.4μg g-1新鮮ラット肝臓組織、および紅藻G
racilariopsis leameiformisの約1.9mg g-1 の新鮮組織までで生じる(Brobergら、1999)。
【0008】 糖尿病の分子的基礎の理解、およびブドウ糖不耐性を軽減する治療の供給に、
かなりの努力が向けられてきた。
【0009】 (発明の要旨) 現在驚くべきことに、環状エーテル、特に1,5−アンヒドロ−D−フルクト
ース(1,5AnFru)または1,5AnFruに基づく誘導体もしくは1,
5AnFruから得た誘導体が、哺乳類におけるグルコース代謝の調節、特にブ
ドウ糖耐性の増加に有用であることが示された。
【0010】 本発明によって、本発明者らはグルコース代謝を、環状エーテルを含む薬剤を
用いて調節し得ることを見出した。好ましくは、この環状エーテルは1,5An
Fruであるか、または1,5AnFruから誘導されるか、または1,5An
Fruに基づく。より詳しくは、環状エーテルは、グルカゴン様ペプチド1(G
LP−1)またはインスリンのような、グルコース代謝に関わる特定のタンパク
質を調節し得る。
【0011】 従って、本発明の1つの局面は、医薬においてまたは医薬として使用する組成
物(薬剤とも呼ばれる)に関連する。ここで、この組成物はグルコース代謝を調
節する環状エーテルを含む。好ましくは、この環状エーテルは、グルコース代謝
に関わるタンパク質を通じて作用する。
【0012】 参照を簡単にするために、本発明のこれらおよびさらなる局面を、適切な節の
見出しのもとに議論する。しかし、各節の教示は必ずしもそれぞれの特定の節に
制限されない。
【0013】 (本発明の詳細な局面) 1つの局面によって、本発明は、グルコース代謝を調節するための医薬を提供
する。
【0014】 より具体的には、本発明は、耐糖性障害を処置するおよび/またはGLP−1
を調節する薬剤の製造における環状エーテルの使用を提供する。
【0015】 別の局面によって、本発明は薬剤としての環状エーテルの使用を提供する。
【0016】 さらに、本発明はグルコース代謝を調節する薬剤の製造のための、環状エーテ
ルの使用を提供する。
【0017】 よって、本発明は、耐糖性障害を処置するおよび/またはGLP−1を調節す
る薬剤の製造における、環状エーテル、またはその薬学的に受容可能な形態(例
えば塩)の使用を提供する。
【0018】 本発明はまた、薬剤における使用のための組成物を提供する。この組成物は、
活性成分としての環状エーテル;および必要に応じて薬学的に受容可能なキャリ
ア、希釈剤、または賦形剤を含む。ここで、この環状エーテルは耐糖性に影響を
及ぼし得、および/またはGLP−1を調節し得る。
【0019】 本発明はまた、治療方法を提供する。この方法は、被検体に本発明による組成
物を、耐糖性障害に影響を及ぼし得る量および/またはGLP−1を調節し得る
量で投与する工程を包含する。
【0020】 本発明はまた、本発明による組成物を調製するためのプロセスを提供する。こ
のプロセスは、本発明による環状エーテルを提供する工程;およびこの環状エー
テルを薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤と混合する工程を含
む。
【0021】 本発明はまた、耐糖性障害に影響を及ぼすおよび/またはGLP−1を調節す
る薬剤の製造における1,5AnFruの使用を提供する。
【0022】 (好ましい局面) 好ましくは、環状エーテルは糖である。
【0023】 好ましくは、環状エーテルはヘキソース環を有する。
【0024】 好ましくは、環状エーテルは以下の1つ以上から選択される:1,5AnFr
u、1,5AnFruの活性模倣物、1,5AnFruに基づく環状エーテル、
1,5AnFruから誘導される環状エーテル(例えば、互変異性体もしくはそ
の水和物)、または1,5AnFruの脱水生成物、またはその互変異性体また
はその水和物、またはその誘導体。
【0025】 より好ましくは、環状エーテルは1,5AnFruである。
【0026】 好ましくは、薬剤または組成物は糖尿病を処置するために使用される。
【0027】 (有用性) 本発明は、耐糖性障害を処置するおよび/またはGLP−1を調節し得る化合
物を提供するので、有用である。
【0028】 本発明の非常に好ましい局面によって、本発明者らは、1,5AnFruおよ
びその異性体および誘導体が、1,5AnFruの経口摂取後血中の内分泌(I
ncretin)グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)およびインスリンレベ
ルを上昇させることによって耐糖性を増加し得ることを示す結果を提示する。
【0029】 従って、本発明はグルコース代謝を調節し得る化合物を提供する。
【0030】 (グリコーゲン/グルコース代謝) グリコーゲンは、炭素およびエネルギー貯蔵のための、および血糖ホメオスタ
シスを維持する動的プールとして、肝臓および筋肉における炭水化物の主要なポ
リマーである。合成および分解はどちらも、酵素的レベルおよびホルモンレベル
のいずれにおいても厳格な調節下にあることが知られており、そして多くの疾患
がグリコーゲンの代謝障害に関連することが公知である(Mathewsおよび
van Holde、1990)。
【0031】 グリコーゲンの分解は、α−グルコシダーゼによって遊離グルコースへ、およ
びグリコーゲンホスホリラーゼによって、ホスファターゼによって遊離グルコー
スへ転化され得るグルコース−1−リン酸へ触媒される(Larner、199
0)。glycogenin(Alonsoら、1995)およびPTG(グリ
コーゲン標的化タンパク質;Printenら、1997)のような新規タンパ
ク質もまた、これらのプロセスに関与していると考えられる。
【0032】 上記で示したように、さらなるグリコーゲン分解経路はアンヒドロフルクトー
ス経路である(Yuら、1999)。この経路において、グリコーゲンはまずα
−1,4−グルカンリアーゼによって1,5−アンヒドロ−D−フルクトース(
1,5AnFru)へ変換される(Yuら、1999);形成された1,5An
Fruは、NADPH依存性1,5AnFru特異的還元酵素によって1,5−
アンヒドロ−D−グルシトール(1,5AnGlc−オール)へ還元され、これ
はキナーゼによって1,5AnGlc−オール6−リン酸へ、さらにリン酸化さ
れ得る(Shigaら、1999、Yuら、1999)。
【0033】 この代替グリコーゲン分解経路の生理学的機能は、菌類、藻類、およびE.c
oliにおいて解明されてきた。例えば、この経路の代謝物は、E.coliに
おけるグルコースの取り込み、グリコーゲンの合成および分解を調節する(Sh
igaら、1999)。しかし、対照的に、哺乳類においては、この代替グリコ
ーゲン分解経路の生理学的重要性、およびグリコーゲンホメオスタシスおよび炭
素代謝一般に対する影響についてほとんど知られていない。
【0034】 現在の研究は、マウスにおけるグルコースホメオスタシスおよびインスリン分
泌に及ぼす1,5AnFruの影響を調査する。得られた結果は、経口投与され
た1,5AnFruが、静脈内耐糖性ではなく経口耐糖性後の耐糖性およびイン
スリン分泌を増加させることを示す。
【0035】 次いで本発明者らは、1,5AnFruが経口グルコース後のグルカゴン様ペ
プチド−1(GLP−1)の血漿レベルに影響を与えるかどうかを調査した。な
ぜなら、GLP−1は膵島ホルモン分泌を調節する主な消化管ホルモンであるた
めである(Ahren、1998)。
【0036】 (グルコース代謝の調節) 本発明は、グルコース代謝を調節し得る化合物を提供する点で、有用である。
【0037】 グルコース代謝の調節は、グルコースの隔離、例えばグリコーゲンもしくはデ
ンプンもしくは長鎖糖もしくはグルコースの他のポリマー形態への、またはそれ
からの、グルコースの重合または脱重合の増加または減少のような、グルコース
代謝に及ぼす影響を指す。グルコース代謝の調節はまた、クエン酸回路または他
の分解経路によるような、グルコースの異化作用を指す。グルコース代謝の調節
はまた、グルコース代謝に関連する何らかの方法で、インスリン、またはGLP
−1、または他のポリペプチドによるような、関連するシグナルの減弱を指す。
【0038】 (インスリン) 本発明の環状エーテルは、(直接または間接的に)インスリン作用に影響を及
ぼす。
【0039】 用語「インスリン作用」は、インスリン自身またはインスリン作用に影響を及
ぼし得る実体の作用を含む。
【0040】 本明細書中で使用される「インスリン作用に影響を及ぼす」との用語は、イン
スリン作用が増強、増加、増幅、阻害、逆転、ダウンレギュレート、または何ら
かの方法で調節されることを意味する。
【0041】 用語「影響を与える」はまた、インスリンの効果を模倣すること、インスリン
の内因性効果を変えること、またはインスリンの1つ以上の効果を調節すること
を含むように意図される。これらのインスリンの効果は、糖尿病、または耐糖性
障害に影響された生物体由来の細胞または組織において見出されるものであり得
、あるいは糖尿病または耐糖性障害によって影響されない生物体から得られた細
胞または組織において見出され得る。
【0042】 インスリン関連組織は、何らかの方法でインスリンと関与していることが公知
か、または推定されるかのいずれかの任意の組織である。この関与は、インスリ
ンを産生する、またはインスリンの産生を調節またはそれに影響を与える組織の
ように直接的であり得る。インスリン関連組織は、例えばインスリンの存在また
は欠如に反応してその代謝を変えることによって、何らかの方法でインスリンに
反応するものであり得、あるいはインスリン作用に対する発展した抵抗性、また
はインスリンの存在または欠如に対する発展した抵抗性を有するものであり得る
【0043】 「インスリン標的組織」は、インスリンが効果を有する組織である。この用語
は、インスリンが通常効果を有するが、インスリン作用に対して発展した抵抗性
を有し得る組織を含む。この用語はまた、インスリンが通常効果を有さないが、
インスリン作用に対して感受性を発展させ得る組織を含む。このような組織は、
筋肉、脂肪、または肝臓を含む。
【0044】 環状エーテルがインスリンに影響を与えるかまたは模倣するかどうかを決定す
ることは、環状エーテルの存在および非存在下でのインスリンの1つ以上の効果
の評価を指し、そして環状エーテルがこれらの特徴または効果の1つ以上に影響
を与えたかどうかを決定することを指す。環状エーテルがインスリンに影響を与
えるかまたは模倣するかどうかを決定するためにモニターされ得るインスリン効
果の例は、インスリンシグナル伝達またはグルコース代謝に関与すると考えられ
る1つ以上の分子の発現レベルを測定することを含み得る。モニターされ得る他
の効果は、1つ以上のグルコース代謝および/またはインスリン関連シグナル伝
達経路の刺激を測定すること、グリコーゲン合成または分解のレベルをモニター
すること、またはグリコーゲンシンターゼのような酵素の活性を評価することを
含むがこれに限定されない。これらの特徴または効果のいずれかが、1つ以上の
環状エーテルの存在または非存在下で異なることが見出される場合、またはイン
スリンまたはGLP−1または他のそのような分子のレベルが変化する場合、こ
の環状エーテルはインスリン作用に影響を与えたまたは模倣したと判断される。
【0045】 現在インスリン作用の研究に使用される不死化筋肉細胞株、例えばげっ歯類か
ら得たもの(例えばL6およびC2C12)が存在する。従って、そのような先
行技術のげっ歯類細胞株は、グルコース代謝および耐糖性の局面を研究するのに
価値がある。
【0046】 (糖尿病) 好ましい局面において、本発明は糖尿病の処置に関する。
【0047】 多くの遺伝子産物が、糖尿病のようなグルコース代謝障害と関連付けられる。
例えば、下記に示すものは、疾患遺伝子の細胞遺伝地図位置を示すOMIM M
orbid Map(http://www.ncbi.nlm.nih.go
v/Omim/searchmorbid.html)から抽出したものである
【0048】
【表1】 本明細書中に記載される環状エーテルを含む薬剤組成物は、上記の表に示した
もののいずれかのような、またはGLP−1もしくはインスリンのような(本明
細書中でさらに詳しく論じる)、またはグルコース代謝に関連する任意の他のポ
リペプチドのような、糖尿病関連ポリペプチドを調節することに作用し得る。
【0049】 (グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)) 1つの局面において、本発明はGLP−1の調節に関する。
【0050】 これに関して、GLP−1が、内分泌(incretin)ホルモンとして食
後インスリン分泌の消化管調節に関与していることが公知である。GLP−1は
増加したインスリン分泌、抑制されたグルカゴン分泌、および阻害された胃の空
洞化によって生じる抗糖尿病性(antidiabetogenic)作用を発
揮することも公知である(Nauckら、1997;Holstら、1998;
Nauck 1998;Ahren 1998)。
【0051】 しかし、糖尿病処置におけるGLP−1の開発のためには、外来性GLP−1
の投与が、ヒトにおいて1.5分より少ないというその短い半減期のために(D
eaconら、1995)、および早い胃腸分解のためにペプチドを非経口投与
する必要性のために、主な制限を有する。これらの制限を回避するための試みは
、バッカル(Gutniakら、1997)のような代替投与経路、GLP−1
分解酵素、ジペプチジルペプチダーゼIV(DDP−IV、HolstおよびD
eacon、1998)の合わせられた阻害、およびDPPIV抵抗性アナログ
の使用(Deaconら、1998)を含む。本発明はこれらの問題のいくつか
または全てを克服する。
【0052】 GLP−1についての背景の教示は、http://www.ncbi.nl
m.nih.gov/Ominにおいて、Victor A.McKusick
らによって提示された。参照を簡単にするために、以下の情報をその情報源から
抽出した。
【0053】 グルカゴン様ペプチド1(GLP1)は、プレプログルカゴン分子(1380
30)から得られるホルモンであり、そして腸L細胞によって分泌される。それ
はグルコース誘導インスリン分泌の最も強力な刺激剤であり、そして胃腺による
インビボ酸分泌も抑制する。COS細胞におけるラット膵島cDNAライブラリ
ーの一時的発現によって、Thorens(1992)は、GLP1受容体(G
LP1R)のcDNAを単離した。COS細胞にトランスフェクトして、受容体
はGLP1と高い親和性で結合し、そしてアデニル酸シクラーゼの活性化とカッ
プリングした。それは、グルカゴン(GCG;138030)、胃抑制性ポリペ
プチド(GIP;137240)、血管作用性腸ポリペプチド(VIP;192
320)、またはセクレチン(SCT;182099)のような、関連する構造
および同様の機能を有するペプチドと結合しなかった。受容体は463アミノ酸
の長さで、そして7つの膜貫通ドメインを含む。セクレチン(SCTR;182
098)、カルシトニン(CALCR;114131)、および上皮小体ホルモ
ン(PTHR;168468)の受容体とのみ配列相同性が見出された。これら
は共に新しく特徴付けられたG共役受容体ファミリーを形成する。Dillon
ら(1993)もまた、GLP1R遺伝子に対応するcDNAをクローニングし
た。Stoffelら(1993)は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーショ
ンによって、GLP1R遺伝子を6p21に位置を決定した。Kershawら
(1995)は、近位第17染色体の主要組織適合性領域に対するマウスGlp
1r動原体(centromeric)の遺伝地図作製を報告した。
【0054】 (環状エーテル) 本発明は、環状エーテルの薬剤としての使用に関する。
【0055】 環状エーテルは、以下の式Iを有する:
【0056】
【化4】 ここで、R1およびR2は、H、−OH、=Oから独立して選択されるか、または
環状エーテルの環上の隣接する原子との結合を表し; ここでR3は−OH基を含む置換基であり;そして ここでR4およびR5は、H、−OH、=Oから独立して選択されるか、または環
状エーテルの環上の隣接する原子との結合を表し; ただし、化合物は環内に少なくとも3つの炭素原子を含む。
【0057】 好ましくは、環状エーテルは糖である。
【0058】 任意の適切な糖であり得る糖は、天然に存在し得、またはそれは合成物であり
得、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0059】 用語「糖」は、ポリヒドロキシアルデヒドまたはポリヒドロキシケトンを意味
する。ポリヒドロキシアルデヒドまたはポリヒドロキシケトンは、光学的に活性
であり得る。
【0060】 糖は、モノサッカリドまたはオリゴサッカリドであり得る。好ましくは、糖は
モノサッカリドである。
【0061】 糖は、ペントースまたはヘキソースであり得る。好ましくは、糖はヘキソース
である。
【0062】 1,5AnFruまたはその誘導体に基づき得る環状エーテルは、少なくとも
3つの炭素原子を含み、さらに独立して変わる割合で水素および酸素原子を含む
複素環分子であり得る。分子の例は、1,5AnFruに基づき得るか、または
それから誘導され得る。
【0063】 典型的には、環状エーテルは、複素環式ヒドロカルビル環を含む。本明細書中
で、用語「ヒドロカルビル基」は、少なくともCおよびHを含み、そして必要に
応じて、1つ以上の他の適当な置換基を含み得る基を意味する。そのような置換
基の例として、ハロ−、ヒドロキシ、アルコキシ−、ニトロ−、アルキル基、環
状基等、およびその組み合わせを含み得る。置換基が環状基である可能性に加え
て、置換基の組み合わせが環状基を形成し得る。ヒドロカルビル基が1つ以上の
Cを含む場合、これらの炭素は必ずしも互いに結合している必要はない。例えば
、これらの炭素の少なくとも2つが、適切な元素または基を介して結合し得る。
ヒドロカルビル基は、へテロ原子を含む。適切なヘテロ原子は、当業者に明らか
であり、そしてたとえば硫黄、窒素および酸素が挙げられる。
【0064】 好ましくは、環状エーテルは、以下の式IIを有する:
【0065】
【化5】 ここで、R1、R2、R3、R4およびR5は上記で定義した通りである。
【0066】 より好ましくは、環状エーテルは、以下の式IIIを有する:
【0067】
【化6】 ここでR1、R2、R3、R4およびR5は上記で定義した通りである。
【0068】 好ましくは、R3は−CH2OH基である、または−CH2OH基を含む。
【0069】 好ましくは、R1およびR2は−OHまたは=Oから独立して選択される。
【0070】 好ましくは、R4およびR5の少なくとも1つはHである。
【0071】 好ましくは、環状エーテルは5または6員環を含む。
【0072】 より好ましくは、環状エーテルは、以下の1つ以上から選択される:1,5A
nFru、または1,5AnFruの活性模倣物、1,5AnFruに基づく環
状エーテル、1,5AnFruから誘導される環状エーテル(例えば、その互変
異性体もしくは水和物)、または1,5AnFruの脱水生成物、またはその互
変異性体もしくは水和物、またはその誘導体。
【0073】 環状エーテルは、低カロリー値を有し得、および/または無カロリーであり得
、そして非毒性である。
【0074】 (1,5−アンヒドロ−D−フルクトース(1,5AnFru)) 示されたように、好ましい局面において、環状エーテルは、以下の1つ以上か
ら選択される:1,5AnFru、または1,5AnFruの活性模倣物、1,
5AnFruに基づく環状エーテル、1,5AnFruから誘導される環状エー
テル(例えば、その互変異性体もしくは水和物)、または1,5AnFruの脱
水生成物、またはその互変異性体もしくは水和物、またはその誘導体。
【0075】 1,5−アンヒドロ−D−フルクトース(1,5AnFru)は、比較的安価
、非毒性、低カロリーの糖である。1,5AnFruは、驚くべきことに、耐糖
性を増加させることが見出された。この効果は、1,5AnFruがグルカゴン
様ペプチド(GLP−1)およびインスリンのレベルを上昇させることによって
もたらされるようである。従って、1,5AnFru自体が、または他の成分と
組み合わせて、GLP−1および/またはインスリン関連疾患の処置薬剤の成分
として有用である。
【0076】 (1,5AnFruの産生) 1,5AnFruは、グリコーゲンおよびマルトース、マルトサッカリド(m
altosaccharides)のような関連する基質に対するα−1,4−
グルカンリアーゼの作用によって形成され得る。あるいは、1,5AnFruは
、デンプンを基質として使用してグルカンリアーゼによって産生され得る(Yu
ら、1999)。
【0077】 (1,5AnFruに基づく誘導体および分子) 1,5AnFruの適切な誘導体は、1,5AnFruの異性体を含み得る。
これは、Ahmad(1995)、Brobergら(1998)、Ander
sen(1999)によって化学的に、そしてYuら(1999)およびAnd
ersenら(1999)によって機能的に記載された。
【0078】 1,5AnFruの適切な誘導体はまた、1,5AnFruの異性体、水和物
(例えばスキーム1を参照のこと)および脱水生成物およびこれらの水和物(例
えばスキーム2を参照のこと)、ならびに4−デオキシ−グリセロ−ヘキソ−2
,3−diluo−フラノース(Brobergら、1998)、1,5−アン
ヒドロ−D−グルシトール(1,5AnGlc−オール)、1,5AnGlc−
オール6−リン酸(Sakumaら、1998;Yuら、1999)および他を
含み得る。
【0079】
【化7】 スキーム1.1,5AnFruの誘導体の例:互変異性体および水和物。
【0080】
【化8】 スキーム1A.本明細書中で議論される糖の構造。1,5−アンヒドロフルクト
ースは、水性溶液中では1,5−アンヒドロフルクトース水和物で存在すること
に注意。
【0081】
【化9】 スキーム2.1,5AnFruの誘導体の例:脱水生成物およびその互変異性体
および水和物。
【0082】 (模倣物) 1つの局面において、環状エーテルは1,5AnFru構造体の模倣物であり
得る。
【0083】 用語「模倣物」は、本明細書中で使用される場合、同様のまたは異なる構造を
有するが、同様の機能的効果を有することを意味する。言い換えると、異なる化
学基または残基が、1,5AnFruまたはその活性部分と同様の立体的形状を
含み得る。
【0084】 (薬学的形態) 本発明の環状エーテルは、環状エーテルの薬学的に受容可能な形態であり得る
。環状エーテルは、以下の式Iの環状エーテルの薬学的に受容可能な形態であり
得る:
【0085】
【化10】 ここで、R1およびR2は、H、−OH、=Oから独立して選択され、または環状
エーテルの環上の隣接する原子との結合を表し; ここでR3は−OH基を含む置換基であり;そして ここでR4およびR5は、H、−OH、=Oから独立して選択され、または環状エ
ーテルの環上の隣接する原子との結合を表し; ただし、この化合物は環内に少なくとも3つの炭素原子を含む。
【0086】 薬学的に受容可能な形態は、式Iの誘導体からなり得る。例えば、式Iのヒド
ロキシル基の1つ以上は、誘導体化され得る。これらの誘導体化ヒドロキシル基
の1つ以上は、エステル基であり得る。
【0087】 エステル基は、アシルエステルであり得る。エステル基は、アセチルエステル
であり得る。エステル基はエステル化脂肪酸であり得る。
【0088】 本発明の化合物が1,5AnFruである場合、エステル化誘導体は、以下:
【0089】
【化11】 に示す6−O−アシル−1,5−アンヒドロ−D−フルクトースであり得る。
【0090】 本発明によるエステル化誘導体は、1999年3月19日に出願された英国特
許出願第9906458.6号で開示された1つ以上の誘導体であり得る。
【0091】 本発明の環状エーテルは、薬学的に受容可能な塩の形態で投与され得る。
【0092】 薬学的に受容可能な塩は、当業者に周知であり、そして例えばJ.Pharm
.Sci.、66、1−19(1977)でBergeらによって記載されたも
のを含む。適当な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成され、そして塩酸
塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩(hydroiodide)、硝酸塩、硫酸
塩、重硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、グルコ
ン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コ
ハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、蟻酸塩、安息香酸塩、メ
タンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、およびp−ト
ルエンスルホン酸塩が挙げられる。
【0093】 1つ以上の酸性環状エーテルが存在する場合、適切な薬学的に受容可能な塩基
付加塩が、非毒性塩を形成する塩基から形成され得、そしてアルミニウム、カル
シウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛、およびジエタ
ノールアミンのような薬学的に活性なアミンの塩を含む。
【0094】 本発明はまた、本発明の環状エーテルの、両性イオン形態の使用を含む。
【0095】 特許請求の範囲で使用される用語は、これらの形態を包含する。
【0096】 (立体異性体および幾何異性体) 環状エーテルのいくつかは、立体異性体および/または幾何異性体として存在
し得る−例えばそれらは1つ以上の不斉中心および/または幾何中心を有し得、
それで2つ以上の立体異性体および/または幾何異性体形態で存在し得る。本発
明は、それら阻害剤の個々の立体異性体および幾何異性体、ならびにそれらの混
合物の全ての使用を意図する。特許請求の範囲で使用された用語は、これらの形
態を含む。
【0097】 (溶媒和物) 本発明はまた、本発明の環状エーテルの、溶媒和物形態の使用を含む。請求で
使用された用語は、これらの形態を含む。
【0098】 (プロドラッグ) 本発明はまた、本発明の環状エーテルの、プロドラッグ形態の使用を含む。請
求で使用された用語は、これらの形態を含む。
【0099】 (他の活性成分) 本発明の組成物はまた、環状エーテルに加えて、他の治療的物質を含み得る。
【0100】 (治療) 本発明の環状エーテルは、治療薬として−すなわち治療的適用において使用さ
れ得る。
【0101】 「治療」という用語は、治癒効果、軽減効果、および予防効果を含む。
【0102】 治療は、ヒトに対するものであってもよいし、または動物に対するものであっ
てもよい。
【0103】 治療は、グルコース代謝障害、糖尿病または関連する病気の治療を含み得る。
【0104】 治療は、変化したグルコース代謝、糖尿病、または慢性疾患に関連する状態を
治療するものであり得る。
【0105】 (医薬品組成物) 1つの局面では、本発明は医薬品組成物を提供し、これは、本発明による組成
物、および必要に応じて薬剤学的に受容可能な担体、希釈剤、または賦形剤(そ
の組み合せを含む)を含む。
【0106】 医薬品組成物は、ヒト医薬および獣医薬においてヒトまたは動物のための用法
であり得、そして典型的には任意の1つ以上の薬剤学的に受容可能な希釈剤、担
体、または賦形剤を含む。治療的使用のための受容可能な担体または希釈剤は、
薬学分野で周知であり、そして例えばRemington’s Pharmac
eutical Sciences、Mack Publishing Co.
(A.R.Gennaro編、1985)において記載されている。薬剤学的な
担体、賦形剤、または希釈剤の選択は、意図する投与経路および標準的な薬学業
務に関して選択され得る。医薬品組成物は、担体、賦形剤、または希釈剤として
−またはそれに加えて−、任意の適当な結合剤、潤滑剤、懸濁剤、コーティング
剤、可溶化剤を含んでもよい。
【0107】 保存剤、安定化剤、色素、および香料でさえ、医薬品組成物に提供され得る。
保存剤の例は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびp−ヒドロキシ安息香酸
のエステルを含む。抗酸化剤および懸濁剤も使用され得る。
【0108】 異なる送達システムに依存して、異なる組成物/処方の必要条件が存在し得る
。例として、本発明の医薬品組成物は、ミニポンプを用いて、または粘膜経路に
よって(例えば、鼻腔内スプレーまたは吸入エアロゾルまたは摂取可能な溶液と
して)、または非経口的に(例えば静脈内、筋肉内、または皮下経路によって送
達されるように(ここでは、組成物は、注射可能な形態によって処方される))
送達されるように処方され得る。あるいは、処方物は両方の経路によって送達さ
れるように設計され得る。
【0109】 薬剤が胃腸粘膜を通じて粘膜から送達される場合、胃腸管を通る間、安定なま
まであることが可能でなければならない:例えば、それはタンパク質溶解性分解
に抵抗性、酸性pHに安定、および胆汁の界面活性効果に抵抗性でなければなら
ない。
【0110】 適当ならば、医薬品組成物は、吸入によって、坐剤または膣坐剤の形態で、ロ
ーション剤、溶液、クリーム剤、軟膏または散布剤の形態で局所的に、皮膚パッ
チの使用によって、デンプンまたは乳酸またはチョークのような賦形剤を含む錠
剤の形態で経口的に、または単独または賦形剤と混合してカプセルまたはovu
lesで、または香料または着色料を含むエリキシル、溶液、または懸濁液の形
態で投与され得るか、またはそれらは例えば静脈内、筋肉内、または皮下に非経
口的に注射され得る。非経口投与のために、組成物は、他の物質、例えば溶液を
血液と等張にするのに十分な塩またはモノサッカリドを含み得る、滅菌水性溶液
の形で最も良く使用され得る。口腔投与または舌下投与のために、組成物は伝統
的な方法で処方され得る錠剤またはロゼンジの形態で投与され得る。
【0111】 糖尿病の治療において、本発明の化合物は、血糖低下させるスルホニルウレア
、メグルチニド(meglitinide)アナログ、イミダゾリジンおよびグ
アニジン誘導体、またはGLP−1およびその誘導体のような、他のインスリン
分泌性の薬剤と組み合わせて使用され得る。他のインスリン分泌性(insli
notropic)薬剤は、W.J.Malaisse、1999、モノサッカ
リドエステルのインスリン分泌作用:治療的展望、Diabetologia、
42:286−291において開示されている。
【0112】 (投与) 典型的には、医師が個々の患者に最も適した実際の投与量を決定し、そしてそ
れは特定の患者の年齢、体重およ応答、および状態の重症度によって変わる。下
記の投与量は、平均的な場合の例示である。もちろん、より高いまたは低い投与
量範囲が正当な個々の場合が存在し得る。
【0113】 本発明の組成物(またはその成分部分)は、経口投与され得る。それに加えて
、またはあるいは、本発明の組成物(またはその成分部分)は、直接注入によっ
て投与され得る。それに加えて、またはあるいは、本発明の組成物(またはその
成分部分)は、局所投与され得る。それに加えて、またはあるいは、本発明の組
成物(またはその成分部分)は、吸入によって投与され得る。それに加えて、ま
たはあるいは、本発明の組成物(またはその成分部分)はまた、非経口、粘膜、
筋肉内、静脈内、皮下、眼内、または経皮投与手段の1つ以上によって投与され
得、そしてそのような投与のために処方される。
【0114】 必要性によって、薬剤を0.0001から3000mg/kg体重(例えば、
0.01から100mg/kg、より好ましくは0.1から1mg/kg体重)
の投与量で投与し得る。
【0115】 さらなる例示として、本発明の薬剤は、1日1回または2回のような、1日あ
たり1から10回のレジメンに従って投与され得る。任意の特定の患者のための
、特定の投与量レベルおよび投与回数は変わり得、そして採用された特定の化合
物の活性、その化合物の代謝的安定性および作用時間、年齢、体重、全体的な健
康状態、性別、食事、投与様式および時間、***速度、薬剤の組み合せ、特定の
状況の重症度、および宿主が受けている治療を含む様々な因子に依存する。
【0116】 「投与された」という用語はまた、例えば、鼻腔内スプレーまたは吸入エアロ
ゾルとして、または摂取可能な溶液として粘膜経路による;送達としては、注射
可能な形態による非経口経路(例えば静脈内、筋肉内または皮下経路)による送
達が挙げられるが、これに限らない。
【0117】 従って、本発明の環状エーテルは、以下の経路の1つ以上によって投与され得
る:経口投与、注射(直接注入のような)、局所、吸入、非経口投与、粘膜投与
、筋肉内投与、静脈内投与、皮下投与、眼内投与、または経皮投与。
【0118】 いくつかの適用に関して、好ましくは、薬剤は経口投与される。
【0119】 ここで、環状エーテル(またはその誘導体)は、液体または固体形態のいずれ
かで、または他の適当な成分と混合して与えられる。それは清涼飲料に溶解し得
る、または選択された食品に加え得る。
【0120】 従って、好ましくは、本発明の組成物は、グルコース代謝障害の治療のために
経口投与される。
【0121】 (1,5AnFruおよび糖代謝) 菌類および藻類において、1,5AnFruは、ストレス条件下において抗生
物質に転換され得る(Bauteら、1988)(Bauteら、1998;B
robergら、1999)の一方で、哺乳類およびE.coliにおいては、
1,5AnFruはNADPH依存性還元酵素によって1,5−無水グルシトー
ルに還元される(Sakumaら、1998;Yuら、1999)。このポリオ
ールは、リン酸化またはpreurineに直接ろ過され得る。ここでそれは管
再吸収に関してグルコースと競合する(Yamanouchiら、1992)。
低い1,5−無水グルシトールの血漿レベルが、糖尿病において糖尿と関連する
ことが示されており、そして血漿1,5−無水グルシトールは、糖尿病における
血糖コントロールのマーカーであることが示唆された(Yamanouchiら
、1989;StickleおよびTurk、1997)。血漿1,5−無水グ
ルシトールの大部分は、食事摂取から得られ、そして少ない部分のみが1,5−
無水フルクトースのインビボ還元から得られる(Yamanouchiら、19
92)。
【0122】 それはグリコーゲンの代替分解経路を表すので、本発明者らは、マウスにおい
てインスリン分泌およびグルコース処理におけるその影響を調査した。本発明者
らは、適切な投与量レベルの1,5AnFruが、インビボにおける静脈内耐糖
能テストの間、およびインビトロにおいて分離した膵島をインキュベートした時
、インキュベーション培養液中のグルコースレベル上昇後に、グルコース刺激イ
ンスリン分泌を阻害することを見出した。
【0123】 膵島からのインスリン分泌の阻害は、本発明による1,5AnFru(または
その誘導体)によるグルコキナーゼおよびヘキソキナーゼの阻害によるものであ
り得る。
【0124】 本明細書中で、1,5AnFruの胃投与は、胃耐糖能テストの間、インスリ
ン分泌および耐糖能を強化することを示す。
【0125】 胃のグルコース後のマウスにおけるGLP−1血漿レベルを調査する。GLP
−1は、腸のグルコース作用によって、インスリン分泌を強化するインクレチン
(incretin)ホルモンとして放出される消化管ホルモンである(Ahr
en、1998)。1,5AnFruは胃グルコースに対するGLP−1の反応
を著しく増強することが見出された。従って、胃1,5AnFruによって増幅
されたインスリン反応は、増加したGLP−1レベルによるものであり得る。従
って、1,5AnFru(またはその誘導体)は腸L細胞からのGLP−1分泌
を刺激し得る。
【0126】 グルコースは、管腔側からの吸収によって腸L細胞からのGLP−1の分泌を
活性化し得る(Sugiyamaら、1994)。1,5AnFruは、消化管
でのグルコース吸収を遅延させ得、擬四糖類(pseudotetrasacc
haride)アカルボースと同様に、より多くのグルコースがL細胞に達する
ことを可能にする。それは腸α−グルコシダーゼの阻害によって経口スクロース
後のGLP−1分泌を増加させ、それによってグルコースの消化管吸収を、より
高いL細胞密度を有する消化管遠位部まで遅延させる(Seifarthら、1
988)。1,5AnFru(またはその誘導体)は、腸L細胞からのGLP−
1分泌を直接刺激し得る。
【0127】 L細胞からのGLP−1分泌は、ナトリウム−グルコース同時輸送メカニズム
によって支配され、そしてグルコース、ガラクトース、メチル−α−グルコシド
および3−O−メチルグルコースのような、このメカニズムを活性化する炭水化
物はGLP−1分泌を刺激するが、2−デオキシ−グルコースおよびN−アセチ
ル−グルコサミンのような、この管腔ナトリウム/グルコース輸送の基質でない
炭水化物は、GLP−1分泌を刺激しない(Ritzelら、1997)。それ
に加えて、フルクトースはGLP−1分泌をナトリウムから独立して刺激するの
で、ナトリウム非依存性GLP−1分泌も見出された(Ritzelら、199
7)。
【0128】 従って、1,5AnFru(またはその誘導体)は、ナトリウム/グルコース
輸送メカニズムの基質であり得、そして従ってこの経路を通じてGLP−1分泌
を活性化するか、または、フルクトースのように、ナトリウム非依存性のメカニ
ズムによって活性化し得る。
【0129】 本発明の環状エーテルは、内因性GLP−1分泌を増幅するために有利に利用
され得る。これは、食事摂取後のインスリン分泌を増幅する(Nauckら、1
997)。これは、糖尿病で多くの場合に見られる、食後GLP−1分泌の抑制
の観点で特に興味深い(Toft−Nielsenら、1999)。従って、本
発明は、本発明による組成物の投与によって、内因性GLP−1分泌を増幅し、
そしてグルコースの胃投与後の耐糖能を改善する方法を提供する。
【0130】 広い範囲の炭水化物がGLP−1の分泌を刺激し得ることが知られており、そ
して可能性のあるメカニズムは、これらの炭水化物と特徴付けされていない糖セ
ンサーとの相互作用であり得る。それは、L細胞にGLP−1を産生させ、それ
が、次いでインスリンを産生する細胞のGLP−1受容体と相互作用する(Sh
imaら、1990;Ritzelら、1997)。
【0131】 腸内の厳しい化学的および生物学的条件のために、本発明者らは(理論にしば
られることを望まずに)1,5AnFruは異なる異性体および誘導体(スキー
ム1および2)に変換され得ると考える。本発明者らは、少なくともそれらのほ
とんどは、ヘキソース環を必要とする、提示されたモデル(Shimaら、19
90;Ritzelら、1997)による糖センサーと相互作用すると考える。
【0132】 (要旨) 1,5AnFru(またはその誘導体)の使用は、GLP−1およびインスリ
ンを増加させることによって、耐糖能を有利に増加させる。
【0133】 従って、本発明によって、環状エーテルおよびその誘導体は、グルカゴン様ペ
プチド1(GLP−1)およびインスリンを増加させることによって耐糖能を増
加させるために有利に使用され得、そして従って耐糖能障害またはGLP−1ま
たはインスリンに関連する疾患に罹患している患者の状態を改善する薬剤として
有用である。
【0134】 (実施例) 本発明は、ここで例示によって記載される。ここで付随する図に言及する: グラフである図1 グラフである図2 グラフである図3 グラフである図4。 より詳しくは: 図1 麻酔したマウスにおける、0.2または1g/kgの1,5AnFru添
加のありまたはなしの、グルコース(1g/kg)の静脈内注射直前、および1
、5、10、20、30、および50分後の血漿インスリンおよびグルコースレ
ベル。平均±SEMを示す。nは各グループのマウスの数を示す。 図2 異なる濃度のグルコースまたは1,5AnFru(3.3または11.1
mmol/lグルコース)の存在下で60分間インキュベート中の、一晩培養し
た単離マウス膵島からのインスリン分泌。値は平均±SEMである。各点で24
観察した。 図3 麻酔したマウスにおける、1,5AnFru(150mg/マウス)の添
加のありまたはなしの、胃管栄養法によるグルコース(150mg/マウス)投
与直前、および投与の15、30、60、90、および120分後の血漿インス
リンおよびグルコース。平均±SEMを示す。nは各グループのマウスの数を示
す。 図4 麻酔したマウスにおける、1,5AnFru(150mg/マウス)の付
加ありまたはなしの、胃管栄養法によるグルコース(150mg/マウス)投与
直前、および15、30、および60分後の血漿GLP−1。平均±SEMを示
す。nは各グループのマウスの数を示す。
【0135】 (一般的な方法) (動物) 20−25gの非絶食NMRIマウス(Bomholdtgaard Bre
eding and Research Center、Ry、Denmark
)を、研究を通じて用いる。動物には標準ペレット食および水道水を随意に与え
る。
【0136】 (静脈内耐糖能テスト) ミダゾラム(DormicumR、Hoffman−La−Roche、Ba
sel、Switzerland、0.4mg/マウス)および、フルアニソン
(0.9mg/マウス)とフェンタニル(0.02mg/マウス;Hypnor
R、Janssen、Bearse、Belgium)との組み合せの腹腔内
注射でマウスを麻酔する。その後、血液試料を、ヘパリン化したチューブ内の、
眼球後、眼窩内、毛細血管叢から採取し、その後D−グルコース(Britis
h Drug Houses、Poole、UK;1g/kg)を、単独または
1,5AnFru(Danisco Ltd、Copenhagen、Denm
ark;0.2または1g/kg)と共に、迅速に静脈内注射する;1つの実験
のシリーズでは、1,5AnFruを単独で与える(1g/kg)。体積負荷は
10μl/g体重である。1、5、10、20、30および50分後に新たな血
液試料を採取する。別の実験のセットでは、上記のようなグルコースの静脈内注
射直前に採取するゼロの血液試料の5分前に、胃管栄養法によって1,5AnF
ruを与える(0.2g/kg)。上記のように血液試料を採取する。直ちに4
℃で遠心した後に、血漿を分離し、そして−20℃で、または分析まで保存する
【0137】 (胃耐糖能テスト) マウスを一晩絶食させ、そして上記のように麻酔する。麻酔導入後、D−グル
コース(0.5ml中150mg/マウス)を単独、または1,5AnFru(
150mg/マウス)と共に、胃に留置した胃管栄養法チューブ(外側直径1.
2mm)によって投与する。15、30、45、60、90、および120分後
に血液試料を採取し、そして上記のように処理する。
【0138】 (インビトロにおけるインスリン分泌) 膵島を、4匹のマウスからコラゲナーゼ単離技術によって分離する。簡単には
、0.3mg/mlのCollagenase P(活性1.86U/mg;B
oehringer Mannheim Gmbh、Mannheim、Ger
many)を補充した3mlのハンクスの平衡塩類溶液(Sigma)で膵管か
ら逆に膵臓を満たす。次いで膵臓を取りだし、そして同じ溶液中で、37℃で2
0分間インキュベートする。リンスした後、膵島を立体顕微鏡下で、手で採取し
、そして10%の胎児ウシ血清、2.05mmol/lのL−グルタミン、2.
5μg/mlのアンフォテリシンB(GIBCO BRL、Paisley、S
cotland)、100IU/mlのペニシリンおよび100μg/mlのス
トレプトマイシン(Biol Ind、Beit Haemek、Israel
)を補充したRPMI1640培地中で一晩、37℃で、5%のCO2で平衡化
した加湿空気中でインキュベートする。一晩インキュベートした後、膵島を3回
洗浄し、次いで0.1%のヒト血清アルブミン(Sigma)および3.3mm
ol/lのグルコースを補充したHepes培養液(pH7.36)中で、37
℃で60分間プレインキュベートする。培養液は、以下からなる(mmol/l
で):125 NaCl、5.9 KCl、1.2 MgCl2、1.28 C
aCl2(全てSigma)、および25 Hepes(Boehringer
Mannheim)。プレインキュベーション後、3つの膵島のグループを、
グルコースおよび1,5AnFruを様々な濃度で補充した200μlの培養液
を含む別々の容器に移す。37℃で60分間インキュベートした後、25μlの
培養液を各容器から回収し、そして分析まで−20℃で保存する。
【0139】 (分析) 血漿インスリンは、モルモット抗ラットインスリン抗体、トレーサーとして12 5 I標識ブタインスリンおよびスタンダードとしてラットインスリン(Linc
o Research、St Charls、Mo、USA)を用いて放射免疫
化学的に決定される。遊離および結合放射活性は、抗IgG(ヤギ抗モルモット
)抗体(Linco)を用いて分離される。アッセイの感度は12pmol/l
であり、そして変動係数(coefficiency of variatio
n)は低および高レベルにおいて3%以下である。血漿グルコースは、グルコー
スオキシダーゼ法によって決定される。血漿GLP−1は、血漿試料をエタノー
ルで抽出した後、ラジオイムノアッセイによって測定される。5%のアルブミン
および0.1mol/lのNaClを含む400μlの0.05mol/lリン
酸ナトリウム緩衝液、pH7.5を、100μlのマウス血漿に氷上で加え、そ
してよく混合する。次いで混合物を70%のエタノール(vol/vol、最終
希釈)で抽出し、そして減圧下で遠心した後、残渣をアッセイ緩衝液で再構成し
、そして前に記載されたようにアッセイする(Frskovら、1994)。抗
血清(コード番号89390)は、腸GLP−1のC末端に高度に特異的であり
、そしてマウスGLP−1を認識する。この手順を用いた感度は5pmol/l
であり、そしてアッセイ内の変動係数は10%である。マウス血漿に加えたGL
P−1の回収は、期待値の±20%以内である。
【0140】 (統計学的分析) 平均±SEMを示す。血漿インスリンレベルの曲線下面積(AUCinsulin
を、台形法則によって計算する。統計学的分析を、ウィンドウズ(登録商標)シ
ステムのSPSSで行う。グループ間の統計学的比較を、Students t
−testで行う。
【0141】 (静脈内耐糖能テスト) 図1は、インスリンまたはグルコースの基底血漿レベルが、糖が単独で与えら
れた場合(1g/kg)、1,5AnFruによって影響されないことを示す。
しかし、グルコース(1g/kg)と共に与えられた場合、1,5AnFruは
1g/kgで与えられた場合にグルコース刺激インスリン分泌を阻害する。従っ
て、50分の研究時間のインスリン曲線下面積(AUCinsulin)は、グルコー
ス単独が与えられるコントロールでは14.4±2.1nmol/l×50分、
およびグルコースおよび0.2g/kgの1.5AnFruが与えられるマウス
で14.6±1.9nmol/l×50分であったのが、グルコースおよび1g
/kgの1.5AnFruが与えられるマウスでは8.6±1.9に抑制される
(p=0.021)。対照的に、静脈内グルコース投与後のグルコース排出は、
1,5AnFruによって影響されない。
【0142】 (インビトロにおけるインスリン分泌) 図2は、1,5AnFruは、単離膵島に11.1mmol/l以下の投与量
レベルで加えられた場合、グルコース刺激インスリン分泌に影響を与えないこと
を示す。しかし、16.7mmol/lの高投与量レベルの1,5AnFruが
11.1mmol/lのグルコースと共に加えられた場合、インスリン分泌の阻
害が観察される。
【0143】 (胃耐糖能テスト) 1,5AnFruがグルコースと共に胃管栄養法で与えられた場合、グルコー
スが単独で与えられた場合と比べて、血漿インスリンレベルが増加する(図3)
。従って、投与後最初の60分間でのAUCinsulinは1,5AnFruによっ
て、コントロールにおける60分での20.3±2.3nmol/lから、グル
コースおよび1,5AnFruを与えられたマウスにおける60分での32.9
±2.6nmol/lまで増加する(p=0.018)。続いて、グルコースと
1.5AnFruとを与えられたマウス(15.5±1.6mmol/l;p=
0.021)よりも、コントロールグループにおいてより高い60分のグルコー
ス値(22.1±2.8mmol/l)によって示されるように、グルコース排
泄が増加する。
【0144】 (胃管栄養法後の血漿GLP−1) 胃管栄養法によるグルコースの投与は、GLP−1の血漿レベルを増加させる
。GLP−1レベルの増加は、1,5AnFruおよびグルコースを組み合わせ
た投与によって強化される(図4)。従って、グルコース単独の投与後よりも、
グルコースを1,5AnFruと共に投与した後で、30分(30.8±6.1
対78.2±8.6pmol/l)および60分(8.2±5.9対28.8±
3.8pmol/l)値がどちらも高い(いずれもp<0.05)。
【0145】 (インビボおよびインビトロの両方における、グルコース刺激インスリン分泌
に対する1,5AnFruの影響を試験する) インビボで、インスリン分泌および耐糖能に対する糖の影響を、麻酔したマウ
スにおいて、静脈内耐糖能テストの間および1,5AnFruをグルコースと共
に胃管栄養法によって投与する場合に決定する。
【0146】 1g/kgで静脈内投与された場合、50分間の研究時間の間グルコース***
に影響を与えることなく、1,5AnFruは静脈内グルコース(1g/kg)
に対するインスリン反応を阻害することが見出された。
【0147】 分離した膵島とインキュベートした場合、16.7mmol/lの1,5An
Fruは、グルコース(11.1mM)刺激インスリン分泌を阻害する。さらに
、グルコース(150mg/マウス)と共に胃管栄養法によって与えられた場合
(150mg/マウス)、1,5AnFruは、抑制された60分血漿グルコー
スレベル(15.5±1.6mmol/l対22.1±2.8mmol/l(コ
ントロール);p=0.021)によって示されるように、耐糖能を増加させる
。同時に、インスリン分泌は1,5AnFruによって増加する(20.3±2
.3mmol/l(コントロール)に対して、60分間のAUCinsulinは32
.9±2.6であった;p=0.018)。
【0148】 さらに、1,5AnFruは、胃管栄養法によって与えられた場合、消化管ホ
ルモン、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)の血漿レベルの増加を強化す
る。本発明者らは、本明細書中で、腸に与えられた1,5AnFruは、GLP
−1の増加した血漿レベルによりインスリン分泌を増加させることによって、マ
ウスにおいて耐糖能を増加させることを開示する。
【0149】 上記の明細書中で述べられた全ての出版物は、本明細書中で参考文献に援用さ
れる。記載された本発明の方法およびシステムの様々な改変およびバリエーショ
ンが、本発明の範囲および意図から逸脱することなく、当業者に明らかである。
本発明を特定の好ましい実施形態に関連して記載したが、特許請求する本発明は
、そのような特定の実施形態に過度に制限されないことが理解されるべきである
。実際、化学、生化学、バイオテクノロジー、または関連する分野の技術者(t
hose skilled)に明らかな、本発明を実施するための記載された方
法の様々な改変が、上記の特許請求の範囲の範囲内であると意図される。
【0150】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、麻酔したマウスにおける、0.2または1g/kgの1,5AnFr
u添加のありまたはなしの、グルコース(1g/kg)の静脈内注射直前、およ
び1、5、10、20、30、および50分後の血漿インスリンおよびグルコー
スレベルを表すグラフである。平均±SEMを示す。nは各グループのマウスの
数を示す。
【図2】 図2は、異なる濃度のグルコースまたは1,5AnFru(3.3または11
.1mmol/lグルコース)の存在下で60分間インキュベート中の、一晩培
養した単離マウス膵島からのインスリン分泌を表すグラフである。値は平均±S
EMである。各点で24観察した。
【図3】 図3は、麻酔したマウスにおける、1,5AnFru(150mg/マウス)
の添加のありまたはなしの、胃管栄養法によるグルコース(150mg/マウス
)投与直前、および投与の15、30、60、90、および120分後の血漿イ
ンスリンおよびグルコースを表すグラフである。平均±SEMを示す。nは各グ
ループのマウスの数を示す。
【図4】 図4は、麻酔したマウスにおける、1,5AnFru(150mg/マウス)
の付加ありまたはなしの、胃管栄養法によるグルコース(150mg/マウス)
投与直前、および15、30、および60分後の血漿GLP−1を表すグラフで
ある。平均±SEMを示す。nは各グループのマウスの数を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C062 AA18 4C086 AA01 AA02 AA03 BA07 MA01 MA04 NA14 ZC02 ZC35

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐糖能障害を治療するための薬剤の製造における、環状エー
    テル、またはその薬剤学的に受容可能な形態(例えば塩)の使用であって、ここ
    で環状エーテルは式I: 【化1】 を有し、 ここで、R1およびR2は、H、−OH、=Oから独立に選択されるか、または該
    環状エーテルの環上の隣接する原子との結合を表し; ここでR3は、−OH基を含む置換基であり;そして ここでR4およびR5は、H、−OH、=Oから独立に選択されるか、または該環
    状エーテルの環上の隣接する原子との結合を表し; ただし、該環状エーテル化合物は環内に少なくとも3つの炭素原子を含む。
  2. 【請求項2】 前記環状エーテルが糖である、請求項1に記載の使用。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の使用であって、ここで環状
    エーテルは式II: 【化2】 を有し、 ここでR1、R2、R3、R4、およびR5は請求項1で定義されるとおりである、
    使用。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用であって、ここで
    環状エーテルは式III: 【化3】 を有し、ここでR1、R2、R3、R4、およびR5は請求項1で定義されるとおり
    である、使用。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の使用であって、ここで
    3は−CH2OH基であるか、または−CH2OH基を含む、使用。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか1項に記載の使用であって、ここで
    1およびR2は、−OHまたは=Oから独立に選択される、使用。
  7. 【請求項7】 R4およびR5の少なくとも1つがHである、請求項2〜6の
    いずれか1項に記載の使用。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用であって、ここで
    環状エーテルは5員環または6員環を含む、使用。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用であって、ここで
    前記環状エーテルは以下: 1,5無水フルクトース(「1,5AnFru」)、または1,5AnFru
    の活性模倣物、1,5AnFruに基づく環状エーテル、その互変異性体または
    水和物のような1,5AnFruから誘導される環状エーテル、または1,5A
    nFruの脱水産物、またはその互変異性体または水和物、またはその誘導体、
    の1つ以上から選択される、使用。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用であって、ここ
    で前記環状エーテルは1,5AnFruである、使用。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1つに記載の使用であって、こ
    こで前記薬剤は糖尿病を治療するためのものである、使用。
  12. 【請求項12】 薬剤における使用のための組成物であって、該組成物は以
    下: i)活性成分としての環状エーテルであって、ここで当該環状エーテルは、請求
    項1〜11のいずれか1項で定義されるとおりの環状エーテルである、環状エー
    テル;および必要に応じて ii)薬剤学的に受容可能な担体、希釈剤または賦形剤; を含み、ここで当該環状エーテルは、耐糖能に影響を与え得る、組成物。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の組成物であって、ここで該組成物はG
    LP−1を調節し、および/または糖尿病のような耐糖能障害を治療するための
    ものである、組成物。
  14. 【請求項14】 治療方法であって、該方法は、被検体に請求項12〜13
    のいずれか1項において定義されるとおりでかつ耐糖能障害に影響を与え得る量
    で組成物を投与することを含む、方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の方法であって、ここで前記耐糖能障害
    は糖尿病である、方法。
  16. 【請求項16】 請求項12〜13のいずれか1項において定義されるとお
    りの組成物を調製するプロセスであって、該プロセスは以下の工程: i)請求項1〜11のいずれか1項において定義されたとおりの環状エーテルを
    提供する工程;および ii)薬剤学的に受容可能な担体、希釈剤または賦形剤と該環状エーテルとを混
    合する、 を含む、プロセス。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載のプロセスであって、ここで前記組成物
    は、引き続いて耐糖能障害に影響を与えるおよび/またはGLP−1を調節する
    ために使用される、プロセス。
  18. 【請求項18】 耐糖能障害に影響を与えるための薬剤の製造における1,
    5AnFruの使用。
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