JP2003514535A - 複合リノール酸を製造する方法 - Google Patents

複合リノール酸を製造する方法

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ソイレ・テュンッキュネン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、複合リノール酸、特に、そのシス−9、トランス−11異性体をリノール酸から発酵により製造する方法に関する。本発明はまた、この方法により製造された産物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、複合リノール酸を製造するための方法に関する。特に、複合リノー
ル酸、とりわけそのシス−9、トランス−11異性体をリノール酸から発酵によ
り製造する方法を開示する。
【0002】 (発明の背景) CLAは、複合リノール酸の種々の異性体についての包括的用語である。その
2つの異性体(シス−9、トランス−11異性体、すなわちボビン酸およびトラ
ンス−10、シス−12異性体)にのみ生物学的活性が認められている。合成的
に製造された市販のCLAは、すべての異なるCLA異性体を一般的に含有し、
c9,t11異性体は40%に過ぎない。一方、ミルクはc9,t11−18:2
異性体を80%含有する。
【0003】 いくつかの研究報告によると、動物脂肪は、とりわけ試験動物において癌を阻
止し、生長因子に影響を与え、生体内での脂肪組織の量を調節し得る脂肪酸を含
有する。ハンバーガー肉を調べて、Michael Pariza は、複合リノール酸(CL
A)と検定された脂肪酸が含有されていることを発見した。動物試験でCLA含
有食を摂取した群で、対照群に比して乳癌、胃癌、大腸癌の発生が減少した(Pa
riza, M.W., Loretz, L.J., Storkson, J.M., Holland, N.C., Mutagens and mo
dulator of mutagenesis in fried ground beef, Cancer Res. (Suppl.), 1983,
43: 2444s-2446s; Pariza, M.W., Hargraves, W.A., A beef-derived mutagene
sis modulator inhibits initiation of mouse epidermal tumors by 7, 12-dim
ethylbenzanthracene, Carcinogenesis, 1985, 1985, 6: 591-593)。ヒト細胞の
組織培養においても、CLAは癌細胞の発育を阻害し得る。CLAがどのように
作用し得るかはまだ未知であるが、CLAが腫瘍形成の種々の段階、多くの生長
因子、肝での癌原性物質の代謝に対して作用を有することが知られている。CL
Aが抗酸化物質として作用することも示唆されており(Ip, C., Chin, S.F., Sc
imeca, J.A., Pariza, M.W., Mammary cancer prevention by congugated dieno
ic derivatives of linoleic acid, Cancer Res., 1991, 51: 6118-6124)、これ
によりこの化合物が遊離基の有害作用から細胞膜を保護するのであろう。この化
合物のコレステロール低下作用も調べられ、この物がコレステロール低下剤のよ
うに高密度リポタンパク質(HDL)の量を下げないことが分かっている(Lee,
K.N., Kritchevsky, D., Pariza, M.W., Conjugated linoleic acid and ather
osclerosis in rabbits, Atherosclerosis, 1994, 108: 19-25)。CLAは、脂
肪組織を分割することがわかっているので、減量剤にも好適であり得る(Park e
t al., Changes in Body Composition in Mice during Feeding and Withdrawal
of Conjugated Linoleic Acid, Lipids, 1999, 34: 243-248)。
【0004】 他方、非複合リノール酸は、有害作用、例えば、乳癌に対する促進作用を有す
ることが報告されている。非複合リノール酸の抗微生物作用も一般に知られてい
る。
【0005】 CLAを化学的または酵素的異性化によりつくることができる。天然のCLA
は、例えば反芻動物の第一胃においてポリ不飽和脂肪酸から細菌 Butyrivibrio
fibrisolvens の生物活性の結果として形成され、それから乳汁および肉に分泌
される。乳汁および肉はCLAの最上の供給原である。
【0006】 食物から摂取されるCLAの量が過去十年間でかなり減少していることがわか
っている。食物分析からの計算によると1970年代で平均的食事は1日につき
約0.45gのCLAを含有していた。ミルクおよび乳製品の使用の減少により
、平均のCLA1日摂取量が現在では0.25gとなった。食物中の天然CLA
を増加せしめることが健康上の観点から非常に重要である。研究者によると、C
LA摂取を倍にすると癌の危険性を減じることができよう。
【0007】 CLA源としてのすべての食物、特に、ミルクの重要性について、いくつかの
研究が発表されている。例えば、フインランドの疫学的調査(Knekt et al.、口
頭発表)によると、ミルクの使用が乳癌の危険性を減少した。現在、乳脂肪中の
CLA濃度は餌の質にかなり依存して季節的に変動する(2.4〜28.1mg/
g脂肪)。
【0008】 腸管中の有益な微生物がCLAをつくることがわかっている。特に第一胃にお
いて生じる細菌 Butyrivibrio fibrisolvens およびそのイソメラーゼ酵素につ
いて研究されている。しかし、この細菌は嫌気性であるので、工業的規模でCL
Aをつくり得ない。この株が必要とする完全な嫌気性状態を得るのは困難であり
、経済的でないからである(米国特許5,856,149、Pariza et al.)。
【0009】 Propionibacterium acnes もCLAをつくることが知られている。しかし、こ
の病原性株は、つくられたCLAをさらに他の脂肪酸に還元するレダクターゼ酵
素をも産生する(Verhulst et al., System. Appln. Microbiol., 9: 12-15 (19
87))。
【0010】 いくつかのプロピオン酸バクテリウムがリノール酸を複合シス−9、トランス
−11の形態に転換し得ることも一般に知られている。
【0011】 さらに、遊離リノール酸のCLAへの転換はトリグリセリド形態における脂肪
酸の転換よりも効率的であることが一般に知られている。しかし、遊離のリノー
ル酸はプロピオン酸バクテリウムの生長に対する阻害作用を比較的低濃度で有し
、この作用が複合リノール酸、特にそのシス−9、トランス−11形態の大規模
での産生を妨げる。
【0012】 米国特許5,856,149(Pariza および Yang) は、非複合で不飽和(9お
よび12位での二重結合)脂肪酸の Lactobacillus reuterii 特に L. reuterii
PYR8 株による転換によりシス−9、トランス−11脂肪酸をつくる方法を開示
している。この開示では、CLA産生株の単離について記載され、45の単離株
のうち僅か4が所望のリノール酸イソメラーゼ活性を有し、リノール酸からCL
Aをつくり得る。この研究者は、つくられたCLA量が細胞の量に直接比例する
ことを観察し、リノール酸イソメラーゼが細胞生長における機能的な意味をもた
ない蓄積酵素であると推定した。この開示は、リノール酸の細菌生長に対する阻
害作用について言及しておらず、したがって、この問題を解消する解決法を提起
していない。
【0013】 文献(J., Jiang, L. Bjoerck, R. Fonden: Production of conjugated linol
eic acid by dairy starter cultures, J. Appl. Nicrobiol., 85 (1998), pp.
95-105) によると、プロピオン酸バクテリウムはリノール酸をCLAに転換でき
る。生育培地に加えられたリノール酸をCLAに転換する19種の異なる出発物
細菌の能力が調べられ、成熟チーズが他の乳製品よりも高いレベルのCLAを含
有することが認められた。7 lactobacillus 株、4 lactococcus 株、2 strep
tococcus 株、6プロピオン酸バクテリウムについてリノール酸からCLAをM
RS、ミルク、乳酸ナトリウム培地においてつくる能力が調べられた。さらに、
異なるリノール酸濃度についてリノール酸をMRS肉汁に Tween 80 界面活性剤
水溶液中で加えて調べられた。試験された細菌のうち少数のプロピオン酸バクテ
リウムのみが生物的転換活性を有した。6種の株のうち3種、すなわち Propion
ibacterium freudenreichii ssp. freudenreichii PFF および PFF6、 P. freud
enreichii ssp. shermanii PFS が活性を示した。元のリノール酸濃度750μ
g/mlから高収率265μg/mlのCLAが PFF6 株で得られた。つくられ
たCLAのうち、70ないし90%が生物学的に活性のc9,t11異性体であ
った。lactobacillus、lactococcus、streptococcus はいずれもCLAを産生し
なかった。
【0014】 このように、Jiang et al.に記載の方法では、最良のプロピオン酸バクテリウ
ム、PFF6 株が、加えられたリノール酸のわずか35%をCLAに転換できる。
この研究者によると、プロピオン酸バクテリウムのCLA産生はその遊離リノー
ル酸に対する耐性に正相関する。この研究でまた、リノール酸が細菌の生長を阻
害する抗微生物作用を有することが確認された。この開示は、抗微生物性脂肪酸
の作用は洗剤などの界面活性剤、例えば Tween 80 やタンパク質を用いることに
より低下することがあると述べている。しかし、この面での研究はなされておら
ず、この開示は可能性ある有用な技法について述べていない。
【0015】 WO99/29886(J. Jiang, L. Bjoerck, R. Fonden) は、上記の文献
の研究結果に部分的に基づいている。その適用は、インビトロでCLAをつくる
ために食材で有用な具体的な細菌を利用することに関している。Propionibacter
ium freudenreichii ssp. freudenreichii および P. freudenreichii ssp. she
rmanii に加えて、適当な細菌に Bafidobacterium breve がある。この開示によ
ると、発酵を乳化剤の存在で実施できる。例として Tween 80 およびレシチンが
ある。しかし、乳化剤の使用はこの開示の実施例に記載されていない。得られる
最良の結果は上記開示と同じであると報告されている。すなわち、246.4μ
g/mlの生物活性c9,t11異性体が元のリノール酸濃度750μg/ml
から、株 PFF6 を用いて得られた。収率は33%以下である。
【0016】 したがって、改善された収率でもって複合リノール酸を産生する方法が提供さ
れることは、明らかに必要である。遊離リノール酸の最大可能量をCLAの出発
物質として利用しようとするときに、基本的なことは、遊離リノール酸の抗微生
物作用に関連する問題をいかにして小さくまたは無くし得るかである。
【0017】 (発明の簡単な記述) 本発明の目的は、複合リノール酸を優れた収率で製造するための新しい方法を
提供することである。 本発明の目的はまた、本発明方法を用いて製造され、多量のCLAを含有する
新規な産物を提供することである。
【0018】 (発明の詳細な記述) 本発明は、遊離リノール酸の細菌生長に対する作用が、リノール酸を培地に、
細菌の生長をかなり阻害するのではなく、培養の際に細菌に利用されるような形
態で、添加することにより低下されるとの考えに基づく。
【0019】 本発明により、リノール酸を反応肉汁にミセル(微胞)混合物として添加すると
きに、いかなる他の形態のリノール酸よりも非常に低い細菌生長に対する阻害作
用を有することが分かった。適当に多量の界面活性剤の添加により、培養状態で
リノール酸はミセルで保持される。これも、それだけでリノール酸の細菌生長に
対する阻害作用を低下する。培養におけるミセル状リノール酸の使用およびその
ミセルの安定化もCLAの収率を非常に改善する。
【0020】 ミセル化リノール酸を発酵の出発物質をして使用すること、および適当なリノ
ール酸対界面活性剤の比率を選択することにより、リノール酸のCLAへの90
%以上の転換が可能であり、形成されたCLAの97%以上が培地に分泌される
。本発明により、細菌がリノール酸をCLA、特にc9,t11異性体に効率的
に転換せしめ得る形態に、その生長に対するリノール酸の阻害作用による反応な
しに、多量のリノール酸を製造することを開発した。
【0021】 このように、本発明は、リノール酸からCLAを微生物で製造する方法に関す
る。この方法は、出発物質として使用されるリノール酸をミセルの形態で反応肉
汁に添加することを特徴とする。
【0022】 ミセルは遊離リノール酸および界面活性剤を適当な比率で含有する。 本発明はさらに、本発明方法により製造された産物、それ自体の使用、機能性
食品および健康増進物質の製造における使用に関する。
【0023】 ミセル化は、リノール酸とミセル形成界面活性剤とを適当な比率でアルカリ性
の下に混合するという簡単な方法で実施できる。製造には、特別の条件や特別の
施設を必要としない。この方法は簡単であり、費用がかからず、大規模でも実施
が容易である。
【0024】 遊離リノール酸を本発明のミセル化に使用する。遊離リノール酸は市販されて
いる。あるいは、遊離リノール酸は、植物油、例えば、ベニバラ油、トウモロコ
シ油、ヒマワリ油などから、それ自体公知の方法(参照、例えば、Christie, W.
W., Gas Chromatography and Lipids - a Practical Guide, 2 edition, 1989,
The Oily Press, Ary, Scotland)によるけん化を用いて遊離の脂肪酸を加水分
解して製造することもできる。
【0025】 これは、純粋で遊離リノール酸が非常に高価なことを考慮するとしばしば経済
的な別法となる。さらに、合成されたリノール酸は、化学的残留物からして食品
材料における使用にかならずしも常に適切といえない。
【0026】 ベニバラ油はリノール酸の好適な材料である。この物は78%以上のリノール
酸を含有し、それから得られる遊離の脂肪酸物は市販の遊離リノール酸よりも百
倍も経済的である。
【0027】 本発明の観点からして、界面活性剤の選択は重要なパラメーターではない。例
えば、マイクロ生物学の分野で広く使用されているポリオキシエチレンソルビタ
ンエステル(Tween 製剤)(いくつかの製造業者、例えば、Fluka や Sigma)およ
びPEG20ソルビタンオレエート Kotilen-0/1 VL (Dr. W. Kolb AG) が本目
的に適している。いくつかの他の界面活性剤も使用できる。
【0028】 上記のように、ミセル化リノール酸のCLAへの転換は、発酵により効率的に
実施できる。発酵において、リノール酸をCLAに転換できるいかなる細菌も使
用可能である。そのような細菌は上記の背景技術で述べた。しかし、好都合な発
酵は、食品用の細菌、特にプロピオン酸バクテリウムで行い得る。適当な株には
、例えば、Propionibacterium freudenreichii 種、特に亜種 P. freudenreichi
i ssp. freudenreichii および P. freudenreichii ssp. shermanii に属する種
がある。
【0029】 ミセル性リノール酸は、界面活性剤すなわち洗剤を培地に、培地の作用を消失
せしめるような量で添加することにより安定化する。上記の物質、Tween および
Kotilen などを界面活性剤として使用できる。適切な界面活性剤の濃度は、添
加されるミセル性リノール酸の量および使用される培地に依存する。界面活性剤
は、通常0.5ないし1.5%、好ましくは1%で使用する。ミセル化リノール酸
は、このようにCLAの出発物質として発酵肉汁に添加する。
【0030】 本発明の新規な技術により、リノール酸を少なくとも1,000μg/ml培
地まで発酵肉汁に、細菌生長のかなりの変化または転換効率の低下なしに、添加
できる。バイオ転換が本発明法では既知の方法よりも非常に優れている。すなわ
ち、少なくとも80%のリノール酸がCLAに転換し、少なくとも75%のCL
A量が生物学的に最も活性な異性体である。
【0031】 発酵はそれ自体既知の方法で実施する。培地および条件は、最適量のCLAを
提供するのに使用される株が必要とする要件を満たすように選択する。本発明が
公知になると、適切な発酵パラメーターの選択は当業者に明らかである。
【0032】 ミセル化リノール酸を用いて、リノール酸の生長阻害作用を消失せしめて、細
菌生長に関連するCLAをつくることができる。CLAは、他の目的での細胞産
生と同時につくることもできる。本発明方法のひとつの特徴は、CLAを細胞培
養またはそれからの分離の後に、睡眠中すなわち非生長性の細胞によってつくり
得ることである。これによってCLAを栄養培地中および緩衝液中の両方でつく
り得る。リノール酸界面活性剤ミセルを安定にするために、界面活性剤の分離的
添加を緩衝液において必要としない。所望ならば、関連の細菌を利用する製造過
程においてつくられる(食用)産物中にCLAが直接生じるように、CLA形成
を組み合すこともできる。
【0033】 発酵において形成され、細胞外に分泌されたCLAを発酵肉汁から既存の技術
により分離し、そして所望に応じて、それ自体既知の方法で高度に精製されたC
LA産物に改変できる。あるいは、CLAおよび細菌細胞を含有する発酵肉汁を
そのまま使用するか、またはCLAを細菌細胞とともに濃縮または乾燥すること
ができる。
【0034】 得られたCLA含有産物を健康増進物質などとして使用できる。産物を機能性
食品などの製造にも使用できる。
【0035】 本明細書において、用語の食品は、広い意味で使用されるものであって、固体
、ゲル状、液体の形態を取り得るすべての食べられる物、インスタント食品物、
本発明産物が消費に際して添加物として加えられるような物、その構成成分とな
るような物を包含する。例えば、食品は、乳業、食肉加工業、食品加工業、飲料
産業、製パン業、製菓業の産物である。典型的な産物には、乳製品、例えば、ヨ
ーグルト、カード乳、カードチーズ、酸乳、バターミルク、他の発酵乳飲料、未
熟チーズ、熟成チーズ、スナック充填剤などがある。飲料、例えば、ホエー飲料
、果実飲料、ビールも別の重要な群を構成する。
【0036】 凍結乾燥製剤、例えば、CLA含有カプセル、プロピオン酸バクテリウム末、
CLA含量がプロピオン酸バクテリウム活性により増加した発酵乳産物も好まし
い実施態様である。
【0037】 下記において、本発明を実施例でもって詳細に記載する。これらの実施例は本
発明の説明を意図するだけであり、いかなる場合もその範囲を限定するものでは
ない。
【0038】 参考例1 ミセル化の細菌生長に対する作用およびCLAの産生 本発明方法の作用を検定するために、比較試験を実施した。遊離リノール酸、
遊離リノール酸と界面活性剤、実施例1でミセル化されたリノール酸と界面活性
剤を含有する培地におけるプロピオン酸バクテリウムの生長およびCLA産生を
調べた。対照として、添加のない同じ培地(陽性生長対照)および界面活性剤の
み添加の培地を使用した。
【0039】 試験のために、プロピオン酸バクテリウム株、Propionibacterium freudenrei
chii ssp. shermanii JS (PJS)、DMS 7067、P. freudenreichii ssp. freudenre
ichii 131 (P131) をMRS肉汁中で下記とともに最初に培養した。 1)添加なし、 2)600μg/mlのリノール酸、 3)5mg/mlのリノール酸を含有する保存液由来の600μg/mlのリ
ノール酸および1% Tween 80 水溶液(最終濃度、Tween 0.2%)の添加、 4)0.9% Kotilen および実施例1によりミセル化された600μg/ml
リノール酸の添加、 5)0.9% Kotilen のみの添加(リノール酸なし)。
【0040】 PSJ株を、5%ホエー浸透物(Valio Oy)、2%カゼイン水解物(Valio Oy)
、1%酵母抽出物(LabM) を上記1)ないし5)とともに含有するホエーを基に
する培地中でも培養した。
【0041】 各細菌株を培養基中で2回30℃で72時間培養し、ついで各試験肉汁を1%
新鮮培養物とともにインキュベートした。試験培養物を30℃で4日間監視して
、培養物の細胞密度を Klett メーターでの濁度として測定した。培養に終り(
96時間)に、形成したCLAの量をガスクロマトグラフィーで、c9,t11
異性体を別個に、および他の異性体とともに測定した。
【0042】 脂肪酸の検定を下記文献の方法を少し改変して行った。M. Suutari, K. Liukk
onen, S. Laakso;Temperature adaptation in yeasts: the role of fatty aci
ds, J. Gen. Microbiol., 136 (1990) 1469-1474。培養物のサンプルを検定用に
取り、細胞を遠心分離した(5,000g、15分間)。上清液を0.2μmフィ
ルターで濾過し、サンプル0.2ないし0.5mlを得た。細胞の塊を水道水で洗
った。上清サンプルおよび水洗細胞を凍結乾燥した。
【0043】 凍結乾燥サンプルに、3.7MのNaOHの49%メタノール液であるけん化
試薬1mlを添加した。サンプルを窒素処理し、混合し、閉管中100℃で水浴
で30分間、その間1度攪拌してインキュベートした。サンプルを室温に冷やし
、それに3.3MのHClの48%メタノール液であるメチル化試薬4mlを添
加した。サンプルを窒素処理し、混合し、サンプル管を80℃で水浴中10分間
インキュベートし、ついで冷やした。脂肪酸のメチルエステルを、ヘキサン/メ
チルtブチルエーテル溶液(1:1)1.5mlをサンプルに加え、ついで管腔
を10分間激しく振ることにより抽出した。下の水層をパスツール・ピペットで
除去した。有機層を、0.3MのNaOH3mlをサンプルに加え、5分間激し
く振ることにより洗浄した。サンプルを遠心分離し(5,000g、20分間)
、有機サンプル層をパスツール・ピペットで回収した。サンプルを硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、窒素処理を行った。
【0044】 脂肪酸のメチルエステルをガスクロマトグラフィー(Hewlett Packard 5890
series II, Pennsylvania, USA)で検定した。これにはフレームイオン化検出器
(FID)および自動サンプル化装置(Hewlett Packard 7673A)が結合されて
いる。毛管カラム(HP-FFAP、25x0.2mx0.3μm)を検定に使用した。
サンプルを分割注入した(分割比1:20、中隔洗浄速度1ないし2ml/分)
。カラムの入口圧は150kPaであり、担体ガス(ヘリウム)のカラムへの流
入速度は約1ml/分であった。メーキャップ・ガス(空気)の流入速度は30
ml/分であり、水素の検出器への流入速度は40ml/分であった。注入温度
および検出器温度は250℃であった。オーブン温度は70ないし200℃であ
った。温度を毎分25℃の比率で上げる。結果をガスクロマトグラフィーに接続
の HP Chemstation ソフトウエアーで処理しアウトプットした。
【0045】 サンプルの脂肪酸を、その停留時間を測定し既知の脂肪酸標準物と比較して、
同定した。Sigma 社の製剤を複合リノール酸の同定に使用した。この製剤はCL
Aのシス・トランス−9,11および−10,12の異性体の混合物である。脂肪
酸を定量するために、C19:0脂肪酸メチルエステル(ノナデカン酸メチルエ
ステル、Sigma) を内部標準物として使用した。
【0046】 細菌の生長結果を表1.1に示す.
【表1】 結果からすると、濃度600μg/mlのリノール酸そのもの、およびそれに
1% Tween 水溶液を加えたものが、対照に比べて両株の生長を阻害するようで
ある。本発明によりミセル化されたリノール酸の相当量を使用すると、リノール
酸の生長に対する作用が低下し、株の生長が対照とほぼ同じになった。
【0047】 MSRを基にする肉汁におけるPSJおよびP131により形成されたCLA
の量を、表1.2に示す。ホエーを基にする培地におけるPSJ株での対応結果
を、表1.3に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】 結果からして、本発明のミセル化がリノール酸のCLAへのほぼ100%の転
換を行うようである。そのうち75%以上が好適なc9,t11CLA異性体で
ある。リノール酸をそのまま添加すると、32%のみがCLAに転換し、リノー
ル酸に1%界面活性剤液を加えると、47%のみがCLAに転換する。このよう
に、本発明によるミセル化で、リノール酸の細菌生長に対する阻害作用の減少お
よびリノール酸からのCLA産生の増大という両者について、非常によい結果を
得る。
【0051】 実施例1 リノール酸のミセルへの製造 ミセル保存液をつくるために、リノール酸(シス−9,トランス−12オクタ
デカジエン酸、L−1376、Sigma) 300mgを試験管に秤量し、ソルビタ
ンオレエート界面活性剤(Kotilen 0/1またはTween 80)0.36mlを含む酸素
非含有蒸留水10mlを加え緩やかに混合した。混合物に2N水酸化ナトリウム
液を、混合物がほぼ澄明になるように滴下した(約0.5ないし0.6ml)。溶
液を50ml容量のフラスコに移し、フラスコに酸素を含まない蒸留水を満たし
て、6mg/mlリノール酸を含有するメセル保存液を得た。溶液を適当なバッ
チに分け、空気を窒素ガスで除き、バッチを凍結保存した。
【0052】 ミセルの保存溶液を上記以上に濃縮するか、稀釈することもできる。遊離リノ
ール酸とソルビタンオレエート界面活性剤との量の比率を上記のように保持する
ことが基本である。
【0053】 実施例2 リノール酸と界面活性剤の細菌生長に対する作用およびCLAの産生 リノール酸の界面活性剤との比率の効果を、ホエーを基にした生育肉汁および
MRS肉汁(LabM) においてプロピオン酸バクテリウムを培養物150mlで培
養して調べた。ホエーを基にした生育肉汁は2%のホエー浸透物(Valio Oy)、
0.5%のトリプトン(LabM)、1%の酵母抽出物(LabM) を含有する。リノール
酸を上記の保存液のような培地に、培地中の遊離リノール酸濃度が600μg/
mlであるミセルの形態で加えた。所望量のソルビタンオレエート界面活性剤(
Kotilen 0/1 または Tween 80) を培地に別個に加えた。培地のpHを6.3に調
整し、プロピオン酸バクテリウム株 P. freudenreichii ssp. shermanii JS を
ホエーを基にした生育肉汁中で培養しておいた2%(v/v)接種物として培養
物で使用した。培養を温度30℃で行った。細菌生長を96時間監視した。これ
には Klett-Summerson 色素計(filtre No. 66) で培地の懸濁度を測定した。C
LAおよびリノール酸をガスクロマトグラフィーで検査した。
【0054】 結果を表2に示す。ここでのCLA産生、およびPJS微生物細胞により形成
されたCLAについての実施例3および4のCLA結果は、全CLA濃度から界
面活性剤の培地で生じたCLA量を引いて計算した。CLAの収率は下記のよう
に計算した:形成したCLAのg/最初のLAのg。
【0055】
【表4】
【0056】 リノール酸を大量にミセル形態でPSJ株の生育培地に、細胞の生長を完全に
阻害することなく、加えることができる。表2の結果からすると、界面活性剤の
添加はリノール酸の阻害作用を低下せしめ得るようである。リノール酸の界面活
性剤に対する比率が培地において適切であるとき、リノール酸の量が培地で増加
し、細胞生長に関連するCLAへの転換が少量のリノール酸で効率よく起きる。
このようにして、工業的に有意量の所望シス−9、トランス−11異性体を得る
。リノール酸濃度600μg/mlで界面活性剤含量0.9ないし1%がこの試
験で最適であった。より多量も使用できる。
【0057】 実施例3 pH調整発酵におけるCLAの産生 プロピオン酸バクテリウムを工業的規模で培養するのに最も効率的な方法は、
培地のpHを細菌生長に最適に維持し得る発酵器中で行うことである。PJSを
生育する手段による複合リノール酸の製造方法を、発酵器培養において溶液量2
リットルで検討した。実施例2のホエー浸透物肉汁を生育培地として使用した。
生育肉汁は、ミセル化リノール酸400、600、1000、1400μg/m
lおよび Kotilen 界面活性剤0.6、0.9、1.5%をそれぞれ含有する。培養
中、生育培地のpHをリノール酸濃度400、600、1000μg/mlでは
6.3に、リノール酸濃度1400μg/mlでは6.5に、アンモニウム液の自
動添加により保持した。培養温度は30℃であり、混合速度は100rpmであ
った。生存プロピオン酸バクテリウムの濃度を緩衝性乳酸ナトリウム寒天におい
て測定した。この寒天を30℃で嫌気的に5ないし7日間インキュベートした。
【0058】 図1は、400μg/mgのリノール酸と0.6%のソルビタンオレエート界
面活性剤とを培地に加えたときの、リノール酸からのCLA形成を示す。リノー
ル酸のCLAへの転換がPSJ細胞の生長と同時的に明らかに起きる。
【0059】 表3は、発酵器中のCLA産生について、培養94時間後の400、600、
1000μg/mlの培地中のリノール酸含量と培養108および132時間後
の1400μg/mlの培地中のリノール酸含量を比較する。
【0060】
【表5】
【0061】 実施例4 細胞生長相後のCLAの産生 細胞生長相後にCLAを産生するプロピオン酸バクテリウムの能力を、実施例
3の発酵を様々に繰り返して検討した。メセル液中のリノール酸およびソルビタ
ンオレエート界面活性剤を肉汁に、PJS細胞の迅速生長相の終りのみに、培養
開始の51時間後に加えた。培地におけるリノール酸濃度は600μg/mlで
あり、界面活性剤濃度は0.9%であった。添加時の細胞濃度は1.8x1010 cfu/mlであった。その後に細胞生長を約3時間で停止し、ついで非常に緩
やかに続けた。
【0062】 細胞によるリノール酸からCLAへの転換は非常に速く起きた。CLAの収率
は3時間で45%、6時間で58%であった。この方法の利点は、発酵の全期間
が、リノール酸および界面活性剤が生育培地中に最初から存在している対応の培
養(約100時間)よりも短いことである(約60時間)。
【0063】 実施例5 緩衝液におけるCLA産生のための非生長性細菌細胞の使用 PJS細胞を、ホエーを基にした生育肉汁中で3日間30℃で培養した。細胞
を遠心分離し、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)で洗浄した。湿潤
細胞塊2.0を0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.8)50mlに加える
と、緩衝液中の細胞濃度が約3x1010となった。実施例1でミセル化したリ
ノール酸を加えると、緩衝液中のリノール酸濃度が600μg/mlとなった。
溶液を温度6℃または30℃で21時間インキュベートした。CLAの検定を、
GC法および分光光度計による波長235nmでの測定で行った。
【0064】 結果を表4に示す。非生長性PJS細胞による緩衝液中のCLA形成がいずれ
の試験温度でも生じた。30℃が最も効率的であった。栄養液中のCLA産生は
、ミセル形態にリノール酸を保持するための界面活性剤添加が必要である。適切
な界面活性剤濃度は溶液の出発物質に依存する。一方、緩衝液においては、別個
の緩衝液の反応肉汁への添加を必要としない。これは明らかに有害となることさ
えある。
【0065】
【表6】
【0066】 実施例6 ベニバラ油からのCLA産生 a)ベニバラ油のけん化 脂肪酸をベニバラ油から、緩和な条件で抗酸化剤とともにけん化して得る。抗
酸化剤でリノール酸の酸化を防止する。けん化のために、水酸化カリウムまたは
ナトリウム、エタノール、水、アスコルビン酸を、例えば下記の比率で使用する
:ベニバラ油10g、飽和KOH水溶液5ml、エタノール50ml、水10m
l(量を低くもできる)、アスコルビン酸1g。混合物を窒素処理し、蓋をしっ
かりと閉める。混合物を一夜磁気攪拌してけん化する。未けん化部分を溶液から
、例えばヘキサン30mlで抽出する。乳化を防ぐために、水を混合物に加える
こともできる。その後に溶液を濃塩酸で酸性にする(pH2〜3)。脂肪酸を溶
液から、例えば2回へキサン40mlで抽出する。ヘキサンを回転蒸発器で蒸発
し、脂肪を堅いねじ式キャップ付きの瓶に移し、窒素処理を数分間行う。ついで
脂肪混合物ができ、これを冷凍機に保存して酸化されるのを防止する。
【0067】 b)ミセルの形成 脂肪酸ミセルを遊離脂肪酸の混合物から本発明方法でつくる。この混合物はベ
ニバラ油から Kotilen、水、水酸化ナトリウムでもってつくり、例えば、下記の
比率である:ベニバラ油物700mg、水30ml、Kotilen 0.75ml、2
N水酸化ナトリウム液1.5ml。混合に先立ち、Kotilen および水を約40℃
に加熱できる。Kotilen を窒素処理した水と混合する。ベニバラ油物を混合物に
よく混ぜながら加える。最後に、水酸化ナトリウム液を滴下すると、混合物が澄
明になる。 c)CLAの産生 CLAは、脂肪溶液から細菌で例えば下記の方法でつくることができる。例え
ば、2%ホエー浸透物、0.5%カゼイン水解物、0.5%酵母抽出物、0.9%
Kotilen を含有する生育培地に、リノール酸および3日間生長した Propionibac
terium freudenreichii ssp. shermanii の2%接種物を含有する溶液を加える
。細菌でもって温度30℃で産生されたCLAの収率(%)を表5に示す。
【0068】
【表7】
【0069】 実施例7 乾燥CLAを含有する組成物の製造 Propionibacterium freudenreichii ssp. shermanii JS をホエー培地で培養
した。この培地は、2%ホエー浸透物(Valio Oy)、0.5%カゼイン水解物 (Va
lio Oy)、0.5%酵母抽出物 (Lab M)、リノール酸0.2gを含有し、実施例1
のようにミセル化されている。培地を1%新鮮細菌培地とともにインキュベート
し、培養中、pHを6.5に自動pH調節で保持し、温度を30℃に保持した。
4日間の培養後に、細胞培養物を培地とともに回転蒸発器で蒸発せしめて元の4
分の1にし、得た濃縮物を Heto 乾燥器で凍結乾燥した。粉末の収率は23ない
し25g/1000mlであった。得られた粉末はCLA8.056mg/g(
193mg/24g粉末)を含んでいた。すなわち、元のリノール酸の96%が
CLAに転換した。全CLAのうち、79%が生物学的に最も活性な異性体であ
った。結果を表6に示す。
【0070】
【表8】
【図面の簡単な説明】
【図1】 細胞濃度および脂肪酸濃度と培養時間との関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 マルヤッタ・ヴァハヴァセルケ フィンランド、エフイーエン−00400ヘル シンキ、アドルフ・リンドフォルシン・テ ィエ7番、ベー87 (72)発明者 アンニカ・メユレ−メキネン フィンランド、エフイーエン−00170ヘル シンキ、マウリンカトゥ4番、ベー19 (72)発明者 ソイレ・テュンッキュネン フィンランド、エフイーエン−00270ヘル シンキ、マンネルヘイミンティエ71番、ア ー14 (72)発明者 タルヤ・スオマライネン フィンランド、エフイーエン−00920ヘル シンキ、ラッルカンティエ1セー番 Fターム(参考) 4B064 AD88 CA02 CC04 CC09 CD07 DA10

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物手段によってリノール酸から複合リノール酸を製造す
    る方法であって、リノール酸を反応肉汁にミセル形態で加えることを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】 ミセルが界面活性剤も含むことを特徴とする、請求項1の方
    法。
  3. 【請求項3】 ミセル形成を、遊離リノール酸を界面活性剤とアルカリ条件
    で反応せしめることにより行うことを特徴とする、請求項1または2の方法。
  4. 【請求項4】 メセルがリノール酸とポリオキシエチレンソルビタン・モノ
    オレエートの混合物を含むことを特徴とする、請求項1−3の方法。
  5. 【請求項5】 複合リノール酸のシス−9、トランス−11異性体を主に製
    造することを特徴とする、請求項1−4の方法。
  6. 【請求項6】 転換をプロピオン酸バクテリウム(バクテリア)で行うこと
    を特徴とする、請求項1−5の方法。
  7. 【請求項7】 プロピオン酸バクテリウムが、種 Propionibacterium freud
    enreichii、そして好ましくは亜種 Propionibacterium freudenreichii ssp. fr
    eudenreichii または Propionibacterium freudenreichii ssp. shermanii に属
    する株であることを特徴とする、請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 プロピオン酸バクテリウムが、Propionibacterium freudenr
    eichii ssp. freudenreichii 131 または Propionibacterium freudenreichii s
    sp. shermanii JS であることを特徴とする、請求項7の方法。
  9. 【請求項9】 複合リノール酸の製造を細菌生育培地で同時的に行うことを
    特徴とする、請求項1−8の方法。
  10. 【請求項10】 転換を界面活性剤の存在で行うことを特徴とする、請求項
    1−9の方法。
  11. 【請求項11】 界面活性剤が、濃度0.5ないし1.5%で使用されるポリ
    オキシエチレンソルビタン・モノオレエートであることを特徴とする、請求項1
    0の方法。
  12. 【請求項12】 複合リノール酸の製造を細菌の培養の後に行うことを特徴
    とする、請求項1−8の方法。
  13. 【請求項13】 転換を、生育培地から分離された細胞で、界面活性剤の別
    個の添加なしに行うことを特徴とする、請求項12の方法。
  14. 【請求項14】 複合リノール酸の製造を食品の製造と関連して行うことを
    特徴とする、請求項1−13の方法。
  15. 【請求項15】 複合リノール酸を反応肉汁から単離し、場合により乾燥す
    ることを特徴とする、請求項1−13の方法。
  16. 【請求項16】 複合リノール酸および細菌細胞を濃縮し、場合により乾燥
    することを特徴とする、請求項1−13の方法。
  17. 【請求項17】 複合リノール酸および細菌細胞を回収し、濃縮し、凍結乾
    燥することを特徴とする、請求項16の方法。
  18. 【請求項18】 請求項1−17の方法により得ることができる産物。
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