JP2003501780A - 絶縁された電気導体 - Google Patents

絶縁された電気導体

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Abstract

(57)【要約】 テープの少なくとも一方の側にエマルジョン析出ポリマー被覆を有する含浸マイカテープを含んでなる第1の内側テープ(22)、並びにテープ巻き付け又は押し出しされたフルオロポリマーを含む第2の外側層(24)を有するワイヤ及びケーブル絶縁システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (技術分野) 本発明は絶縁された電気導体に関する。
【0002】 (発明の導入) イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニーから商品名カプ
トン(Kapton:登録商標)およびテフゼル(Tefzel:登録商標)でそれぞれ販売
されているような、ポリイミド(例えばポリピロメリトイミド)およびエチレン
−コ−テトラフルオロエチレンコポリマーは、ある種のポリエーテルイミドポリ
マーと同様に、良好な熱的性質、機械的性質および燃焼特性(または自己消火性
)を有するものとして知られている。したがって、これらのポリマーは高性能ワ
イヤ(電線)およびケーブルの絶縁材料として用いられる。既存の薄肉の高性能
ワイヤおよびケーブルの構造は、幾つかの異なるタイプのジャケット構造を利用
している。これらは、単層または複数層の架橋ポリ(エチレン−コ−テトラフル
オロエチレン)(例えばスペック55(Spec55:登録商標)ワイヤ)、ポリイミ
ド(例えばカプトン)、およびPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)テープ
の外側ラップで被覆されたカプトン・テープの内側層から成る複合ワイヤ(comp
osite wire)構造を含む。これらの公知の構造はすべて、本発明のワイヤよりも
1または複数の重要な点において劣っている。例えば、スペック55ワイヤは最
高200℃と格付けされているが、高温では比較的低いカットスルー(または切
断)抵抗を有する。ほとんどのポリイミドは熱可塑性ではなく、したがって、溶
融押出によってこれらを導体に被覆することは容易になし得ない。一般に、これ
らはテープに形成され、導体には、テープの一部がオーバーラップするように(
または重なり合うように)テープが巻き付けられる。しかしながら、ポリイミド
テープはセルフシール性(または自己封止式)ではない。ポリイミドのコア層の
一方の側または場合により両側をフルオロポリマーで被覆し、それによりラミネ
ートされたテープ構造を形成し、巻き付け後、それを加熱して巻き付けたテープ
をそれ自身に融合させ得ることが知られている。これらのラミネートから作製さ
れたテープ、および当該テープを巻き付けることにより電気導体を絶縁すること
は、公知である。従来技術のワイヤ構造を説明するものとして、例えば、米国特
許第3,616,177号、第4,628,003号、5,106,673号、
5,220,133号、5,238,748号および5,399,434号が参
照される。これらの開示および本出願で論じられる他の特許、特許出願、および
公報は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0003】 現在使用されているポリイミドは、芳香族縮合ポリマーであるため、そのよう
なポリイミドで絶縁されたワイヤは、加水分解およびアークトラッキングの両方
に対して不十分な耐性をしばしば示す。加水分解は、水の存在下で生じる化学反
応であるが、他の化学種によってもしばしば促進される化学反応であり、ポリマ
ーの分子量を減少させることによってポリマーの機械的強度を一般に減少させる
。アークトラッキングは、短絡が導体と地面との間で、または導体と絶縁材に通
じる外部の伝導媒体との間で、例えば導体と別の導体との間で(例えば2つのワ
イヤが擦れ合うとき)、導体と金属構造物との間で(例えばワイヤが機体のよう
な支持金属構造物に擦れるとき)、もしくは導体と伝導性の低い流体との間で発
生した場合に、電気アークの存在下で突発故障することである。そのような故障
は、電気アークの高温にて急速に伝わる機械的なダメージを絶縁材にもたらす。
【0004】 ポリイミドのアークトラッキングおよび加水分解の両方に対する耐性が一般に
不十分であるために、例えば航空宇宙産業のような要求の厳しい用途のためのワ
イヤは、電気導体を2つの巻き付け層で絶縁することにより、しばしば製造され
る。2つの巻き付け層は、ポリイミドまたはポリイミド−フルオロポリマーラミ
ネートの内側層およびフルオロポリマー、特にポリテトラフルオロエチレンの外
側層である。米国特許第5,220,133号はこの複数層の巻き付け構造の使
用を開示しており、それは、特に小さい直径および重量を有する絶縁導体に有用
であり、そのために特に航空宇宙用途での使用に望ましいとされている。しかし
ながら、ポリテトラフルオロエチレンテープが外側層として使用されると、ポリ
テトラフルオロエチレンを焼結し溶融するのに必要とされる高い温度が、スズで
めっきした銅導体のスズめっきを損傷する場合がある。また、得られるポリテト
ラフルオロエチレンの外側層はしるしを付けることが難しく、また絶縁ワイヤの
外面はステップの付いた輪郭であって、取り扱い中に容易に損傷される輪郭を有
する。説明したように、複合カプトン/PTFEワイヤは、平らでない外面を有
する傾向にあり、そのような外面は角に引っかかる場合があり、また作業場で取
り扱っている又は架設している間に裂ける場合がある。PTFE外側層が損傷さ
れると、したがってカプトンであるポリイミド内側層が加水分解およびアークト
ラッキングに付されることとなる。当然、この問題は、カプトンのジャケット層
の外側にPRTEテープの被覆を有しないカプトンワイヤにおいて悪化する。
【0005】 航空宇宙および他の高機能用途における絶縁導体に用いるポリイミド絶縁体の
最も一般的な代替物は、現在のところ、架橋フルオロポリマーを利用している。
内側層が架橋されていない又は少し架橋された結晶性ポリ(エチレン−コ−テト
ラフルオロエチレン)および外側層が高度に架橋された結晶性ポリ(エチレン−
コ−テトラフルオロエチレン)である二重層で絶縁された導体は、米国特許第5
,059,483号で説明されている。これらの材料および構造はアークトラッ
キングおよび加水分解に対する耐性がポリイミドベースの絶縁体よりも大きいも
のではあるが、それらは約200℃でのみ熱的に安定であり、約150℃を超え
る温度では劣ったカットスルー性能を示す。「ピンチ」とも称されるカットスル
ー性能は、特定の温度にて鈍い刃(もしくはブレード)またはエッジがワイヤの
絶縁材に入り込むのに必要とされる力として測定される。
【0006】 高性能(特に機体)ワイヤおよびケーブルにおいて特に望まれる特性は、軽量
、小径、良好なカットスルー、アークトラッキングおよび磨耗耐性、ならびに熱
安定性、低い燃焼性、水および普通溶剤に対して敏感でないこと、ならびに平滑
な外面輪郭である。フルオロポリマー単独又は他の材料(例えばポリイミド)と
組み合わせたフルオロポリマーを含め、現在入手できるポリマーはいずれも、こ
れらの所望の性能特性を満たすワイヤ絶縁材を提供しない。性能特性のこの所望
の組み合わせを示し、またそれぞれがアークトラッキングおよび加水分解に対す
る耐性を有する材料を含んで成る絶縁ワイヤを製造することが特に望ましいであ
ろう。このことは、外側の保護層のダメージに由来し、それにより下側層を劣化
に曝す故障モード(例えば、下に位置するポリイミド層を保護するポリテトラフ
ルオロエチレン外側層が裂けること)を回避するであろう。
【0007】 高温にて良好なカットスルー性能を、他に必要とされる高性能ワイヤ特性と組
み合わせて得ることは特に困難である。良好なカットスルー抵抗を得るための最
も直接的なやり方は、厚肉(または厚い壁)を利用することであるが、このアプ
ローチはコスト、直径および重量を上昇させるという不都合をもたらす。第2に
、ワイヤの使用温度定格(ポリマーの軟化温度よりも低い)よりも十分に高い溶
融またはガラス転移温度を有する熱可塑性ポリマーを使用し得る。しかしながら
、これらの材料は、非常に高価であり(例えばポリアリールエーテルケトン)、
加水分解されやすく(例えばある種の縮合ポリマー)、アークトラッキングを起
こしやすく(例えば多くの芳香族ポリマー)、あるいは/ならびに熱劣化に対し
て不十分な耐性を有する(例えばポリオレフィンおよびポリエステル)。ポリマ
ーの軟化温度を超えると、例えば加熱撓み温度によって測定されるように、厚肉
であってもカットスルー性能に対して有利な影響をほとんど与えない。第3に、
強くて薄いフィルムまたはテープ(例えば芳香族ポリエステルもしくはポリイミ
ドフィルム)をワイヤの絶縁材の1つの要素として用いることができる。これら
のテープは、多くの熱可塑性樹脂で認められる制限を受ける。それらが芳香族ポ
リイミド縮合ポリマーである場合、それらは高価であり、アークトラッキングお
よび加水分解の両方に付され、一方、ポリエステルは不十分な熱老化特性(また
は耐熱老化性)を示す。
【0008】 他の点ではほぼ要求を満たしている溶融加工可能なポリマーのカットスルー性
能を、架橋により又は補強用の有機もしくは無機フィラーを混合して複合材料を
形成することにより向上させようとする試みもまた、高温でのカットスルーを有
意に向上させることができなかった。両方の場合において、ポリマーが熱で軟化
すると、カットスルー抵抗は許容できないレベルに低下する。これは、30体積
%までのヒュームドシリカ、ガラス繊維またはマイカのような補強用フィラーを
導入したポリマーについても同様である。さらにまた、30体積%または場合に
よりそれ以下のフィラーを導入することは、そのことが都合よく押出加工され得
ないほど粘度の大きい材料をもたらす場合、あるいはテープを巻きつけるのに十
分な引張りおよび/または伸び特性を有しないテープをもたらす場合には、実用
的ではない。
【0009】 必要とされる他の物理的、化学的および電気的特性とともに、高温で必要なカ
ットスルー抵抗を有するワイヤ絶縁システムに関する研究において、連続繊維を
含むワイヤ構造もまた開発された。繊維は幾つかの方法、例えば連続繊維をらせ
ん状に直接的に巻き付ける、適当なポリマー中に密に詰めた繊維を含むテープを
巻き付ける、ポリマーを含浸させた又は含浸させていない目の詰まった布をテー
プとして巻き付けることによって、あるいはワイヤ上で繊維を編組する(または
ブレード(braid)する)ことによって、ワイヤ構造中に組み込むことができる
。しかしながら、高温でのカットスルーを向上させる目的で、押出されたポリマ
ーの外側層の下に編組された繊維を含むワイヤは、2つの重大な欠点を有する。
第1に、本質的に手間のかかる加工である編組によって繊維を巻き付ける必要が
あるために、それらは加工するのに費用がかかる。第2に、高いカットスルー力
は一般に、周囲のポリマーが相当硬いか不撓性である場合にのみ、編組された繊
維によって得られる。米国特許第5,171,635号は、150℃でのカット
スルー値を報告しているが、その値は場合によっては23℃で観察される値のご
く一部にすぎない。より高い温度でのカットスルー値は、しばしば報告されない
。それは、これらの温度で熱的に安定である物質、例えばETFEまたはPFA
(ポリ(パーフルオロプロピルビニルエーテル−コ−テトラフルオロエチレン)
)が非常に軟らかくて、カットスルーの刃またはエッジが絶縁材内に押し進んだ
ときに繊維を支持できないことによる。
【0010】 マイカテープ(または雲母テープ)は、1または複数のポリマー層と組み合わ
されてワイヤおよびケーブルの絶縁に長い間使用されてきた。これは、この鉱物
が、良好な耐火性および高い絶縁値を与える優れた熱的および絶縁特性を有する
ことによる。マイカ自身もまた、加水分解を促進する化学物質を含む広範囲の化
学物質に対して非常に安定である。尤も、既存のマイカテープは、本発明のマイ
カテープと比較すると、以下の1または複数の不利な点を有する: (a)溶剤または熱により誘発される層間剥離が生じやすい; (b)耐アークトラッキング性材料を使用した場合に、必要な接着剤層が熱劣化
する; (c)高温に曝した後で特に、過度に厚く及び/または堅くなる; (d)環境適合性でない、および/または、長い、したがって高価な製造時間を
必要とする、溶液型材料を使用する; (e)後に被覆するテープまたは他の材料の層を接合することが難しい材料を含
む平らでない表面; (f)実用的な加工速度で(特に小さなゲージの導体に)テープを巻き付けるに
は、機械的強度が不十分である
【0011】 その結果、従来技術のテープは、航空宇宙および海洋用途のような厳しい環境
で使用する場合には特に、次善のものである。我々は今や、まったく予期しない
ことに、以下で説明する本発明の製造方法および構造を使用することにより、こ
れらの従来のマイカテープの制約の多くが実質的に克服されることを見出した。
【0012】 さらに、我々は、薄肉の軽量絶縁材を提供するために、本発明のマイカテープ
を薄層として本発明のワイヤ構造で使用すると、予期しないことに非常に高いカ
ットスルー力(少なくとも50N)が広い範囲の温度で得られることを見出した
。これらのカットスルー力は、ポリイミド絶縁体の不利な点を有することなく、
同じ厚さのポリイミドジャケットを有するワイヤについて得られるカットスルー
力と同様である。本発明の1つの態様において、二重層構造が用いられ、その構
造において導体は第1に本発明の(以下に定義される)被覆マイカテープで被覆
され、それからテープで巻きつけられた又は押出しされたパーフルオロポリマー
の第2の外側層が被覆マイカテープの周囲に適用される。この二重層構造のカッ
トスルー抵抗は、本発明に従って製造される組み合わされた被覆マイカテープ/
パーフルオロポリマー二重層構造に等しい厚さを有するパーフルオロポリマー層
のみから成るジャケットよりも、特に高温で優れている。
【0013】 特許請求の範囲に記載の被覆マイカテープを採用する本発明のワイヤはまた、
架橋されたETFEで覆われたワイヤ構造ならびに従来技術のマイカテープを含
む既存のワイヤよりも優れた優れた熱安定性を示す。ポリイミドと比較して、我
々の絶縁構造は優れた耐薬品性およびアークトラッキング耐性ならびに優れたワ
イヤストリッピング(または皮むき)特性(重要な架設コスト要因である)を有
する。幾つかの他の公知のワイヤ構造は、耐薬品性の点においてポリイミドより
も優れているが、それらは明らかにカットスルーおよび熱安定性において劣って
いる。同様に、他の公知のワイヤ構造は重量および/または厚さの問題を課す。
したがって、本発明のワイヤ構造は、比類なく、性能の最適な均衡を与えるとい
う点に関して優れており、例えば航空宇宙および海洋用途での苛酷な使用条件の
要求を満たすという点に関して特に優れていることが明らかである。
【0014】 マイカは、広範囲の水和ケイ酸アルミニウム鉱物に一般的に適用される総称で
あり、常にではないが、シート状の構造、ならびに種々の程度の可撓性、弾性、
硬度、および薄層に裂け得る性質を有することにより特徴付けられる。マイカは
種々の組成で自然界に存在する。白雲母および金雲母は、工業的に重要な2つの
天然マイカである。フッ素金雲母は広く使用されている合成マイカである。天然
および合成マイカは、ともに本発明の実施で使用するのに適しており、スメクタ
イト、ならびにモンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、
バーミキュライト、タルクおよび種々の緑泥石およびイライトを含む関連する2
:1型層鉱物を含む種々の他の関連するケイ酸アルミニウムも同様である。本発
明で使用される「マイカ」という用語は、いわゆる「平均陰電荷(average nega
tive charge)」ケイ酸アルミニウムをすべて包むことを意図する。そのような
ケイ酸アルミニウムの多くを説明するものとして、例えば米国特許第4,707
,298号が参照される。マイカは、高い絶縁耐力、均一な誘電率、低い電力損
失(高い力率)、高い電気抵抗率、および低い温度膨張係数のために、多くの工
業用途に用いられ、特に電気および電子工業に用いられている。マイカはまた、
少なくとも600℃の温度に耐える。更に、マイカは難燃性で、煙または他の煙
霧を発することがなく、また、特にその層に垂直な方向において熱の不良導体で
ある。マイカはアークトラッキングおよび電食に対して良好な耐性を有し、溶剤
、酸、塩基および鉱油のような殆どの化学薬品に耐性がある。それはまた良好な
圧縮強度を有し、引張および曲げ応力の存在下で具合良く挙動する。
【0015】 ワイヤ絶縁用のテープで使用するマイカペーパーの製造は、数ある用途の中で
も特によく知られている。1つの製造プロセス(機械的プロセス)は、鉱物を高
圧水ジェットの作用に付し、雲母鉱物の有利な物理的および化学的特性を概して
保っている数μmの厚さのフラットな粒子集合体を製造する。得られた水のスラ
リーは、マイカペーパーの連続シートを形成する一種の抄紙機に供給される。マ
イカ鉱物を層間剥離してフラットな粒子集合体にする他のプロセスは、熱−化学
的および焼成プロセスを含む。得られた水性スラリーはそれから、機械的プロセ
スにより得られたものと同じ方法で処理される。
【0016】 しかしながら、そのようなマイカペーパーの化学的および機械的特性は、工業
用途で、特にワイヤおよびケーブル絶縁材として使用され得るようになる前に、
相当向上させなければならない。これまでは、これはマイカペーパーに高分子物
質(含浸剤)を含浸させ、マイカペーパーにポリマーフィルムまたはガラス繊維
布のような補強材料をラミネートしてマイカシート形成することにより通常行わ
れていた(ここで使用される「マイカシート」および「マイカテープ」という用
語は、このような含浸され、補強されたマイカ製品を称し;マイカテープは一般
に比較的幅の狭いマイカシートペーパーのストリップ(または帯状物)を指し、
通常、周知のスリット技術によってマイカシートから作製される)。従来技術の
マイカシートまたはペーパーにおいて、含浸剤は一般に接着剤層としても機能し
、マイカシートとガラス布またはポリマーフィルム補強材との間に介在する。ガ
ラス布の場合、含浸剤は通常、ガラス布にも浸透する。これらの構造において、
含浸溶液は、マイカペーパーと補強層とを接触させている間または接触させた後
に適用され得る。
【0017】 従来技術の可撓性のマイカシートおよびテープは、ほぼ常に、三層構造によっ
て特徴付けられる:ポリマーを含浸させたマイカペーパー層、補強層、および含
浸ペーパーと補強層との間に介在する接着剤層である。含浸ポリマーと接着剤層
は、同じ物質であっても異なる物質であってもよく、1つの工程または別々の工
程で適用してよい。マイカペーパーの含浸は、水の吸収およびマイカ粒子の層間
剥離を防止するために必要である。含浸物質は、一般にはエポキシまたはシリコ
ーンのような熱硬化性物質である。マイカペーパーに含浸させるために、層は同
じまたは異なる物質であってよく、1つまたは別々の工程で適用してよい。マイ
カペーパーの含浸は、水の吸収およびマイカ粒子の層間剥離を防止するために必
要である。含浸物質は、一般にはエポキシ、シリコーンまたはポリイミドのよう
な熱硬化性物質である。マイカペーパーに含浸させるために、含浸物は比較的非
粘性の混合物として一般に適用され、比較的非粘性の混合物は、例えば、マイカ
ペーパーの層間剥離を生じさせない比較的非極性である有機溶媒にポリマーまた
はポリマー前駆体を溶解した溶液である。補強層には、ガラス布、連続ガラス繊
維、ならびにポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミドおよびフルオロポリマ
ーのような種々のポリマーフィルムが含まれる。布または繊維を補強材として使
用する場合、接着剤層は一般に補強材に入り込み、補強材をある程度囲む。
【0018】 可撓性のマイカペーパーテープを補強するものとして現在知られている材料、
構造および方法は、残念ながら多くの欠点:厚すぎる、曲げにくい、高温および
/または溶剤中で層間剥離しやすい、熱不安定性である、環境に害を及ぼす、お
よび表面がセルフシール性でない及び/または接合するのが困難である、といっ
た欠点を有する。したがって、それらは低コスト、軽量、薄肉の製品、例えば機
体のワイヤまたはケーブルの絶縁材を製造するのには不利である。従来の技術は
、高性能の耐火性を提供すると主張されている全ての実施例において少なくとも
75μmの厚さのマイカテープ層の使用を、また、いわゆる「超」薄型テープに
おいて25μmのものの使用を教示している。さらにまた、報告によれば、補強
層は、マイカペーパーにラミネートするプロセスの間、裂ける又はしわが寄るこ
となく取り扱うためには少なくとも12μmの厚さでなければならない。これら
の補強層はしばしば25〜50μmの厚さであって、中程度の寸法の導体に堅い
テープを一様にテープ巻き付け(またはテープ・ラッピング)するのに必要な張
力を与える。接着剤層はまた、幾分平らでないマイカペーパーの表面、および補
強材をそれに接合するのに用いられる貼り合わせプロセスの特質に起因して、テ
ープの厚さに著しく寄与する。
【0019】 従来技術のマイカシートおよびテープの構造および製造方法は、結果として、
それらを堅い(または曲がりにくい)ものにした。ワイヤおよびケーブル用途に
おいて、堅いテープは、高い張力がテープ巻き付けの間に用いられる場合でも、
小さいゲージの導体(例えば0.50mm2は20アメリカワイヤゲージ(20A
WG)に相当する)に適合しないであろう。堅さ(または剛性もしくはスティフ
ネス)を減少させ、または可撓性(もしくはフレキシビリティ)を向上させるた
めに、より薄いテープを製造することが通常考えられるであろう。しかしながら
、上述したように、これは公知の構造および方法を使用して実現することはでき
ない。ガラス布は、マイカテープの補強材としてしばしば使用されて、テープの
可撓性をある程度向上させ、したがって小さなゲージのワイヤに対し、より良好
な適合性を与える。しかしながら、この補強材は、その構造において繊維を一部
重複させることに起因して、その厚さが少なくとも37μmである。ガラス布は
、推奨されるようにマイカ層が導体に隣接して巻き付けられる場合に、非常に粗
い、あるいはそうでない場合には不均一な外側表面を与えるという難点を更に有
する(マイカ層を外側に向けて従来技術のテープを巻き付けると、マイカがテー
プから取れる又は剥がれ落ちる)。したがって、ガラス布を使用する場合、平滑
なワイヤ絶縁表面を得るべく、常に好ましいとされているように、平らでないマ
イカテープのきめを平滑にするために、押出またはテープ巻き付けにより、特に
厚いポリマーのオーバー層を塗布する必要があるが、そうすることによって、小
径で軽量のワイヤ絶縁材を提供するという目的はだめになる。より可撓性のマイ
カテープを提供する別の方法は、ペーパーの含浸のために、また接着剤層として
、シリコーンポリマーを使用することである。シリコーンポリマーは、繰り返し
の基−Si(R1)(R2)O−およびSi(R1)O2−によって特徴付けられ、後者の
基は架橋を与え、したがって溶剤中への不溶性を付与するように作用する。これ
らの基においてR1およびR2はアルキルおよび/またはアリール基であり、最大
の熱安定度および酸化安定度を得るために、好ましくはメチルもしくはフェニル
基である。シリコーン樹脂は最も可撓性のあるマイカテープ構造を与えるが、メ
チルおよびフェニル置換基を有するシリコーン樹脂であっても200℃以上では
熱酸化分解しやすい。酸化分解は、シリカ(SiO2)に富んだポリマーをもた
らし、それは酸化されていないシリコーンポリマーよりも堅くなるであろう。し
たがって、200℃を超える温度での用途に使用する場合、シリコーン樹脂は絶
えず酸化して、さらにより堅くなる。マイカテープが多量のシリコーンポリマー
を含んでいる場合、結局、それは比較的僅かに撓ませた場合でもひび割れが生じ
やすいワイヤ絶縁物となる。
【0020】 米国特許第4,286,010号は、マイカペーパーと、エラストマーの含浸
剤(即ち、トルエン溶液として塗布されるポリブタジエン)で接合させたガラス
布補強材との組み合わせを教示する。この含浸剤は、2つの層が互いに接触する
ようにマイカペーパーおよび布の両方に塗布され、溶液はマイカペーパーに浸透
すると同時に布を包んで、2つの層を一体に接合する。したがって、得られるマ
イカシートまたはテープは、マイカペーパーとガラス布層との間に介在したポリ
ブタジエン層を含む。米国特許第4,704,322号は、エポキシ含浸物質の
使用を教示する。この含浸溶液は、2つの層を接触させている間または接触させ
た後で、再びマイカペーパー−ガラス布に塗布され、構造は布への接合部を形成
しているエポキシをマイカペーパーの表面に有する。米国特許第4,707,2
09号は、テープ巻き付けに適していない堅いマイカシートであって、添加剤を
含むポリシロキサンバインダーを重量基準で約5%〜14%含浸させて吸湿に対
する耐性を向上させた複数のマイカペーパー層を含むマイカシートを教示する。
このラミネートは、ポリマーフィルムまたは布の補強材を使用しない。米国特許
第4,769,276号は、電気または光ファイバーケーブル用の、マイカで被
覆された電気絶縁性の防火接着テープを教示しており、当該テープは少なくとも
1つのマイカペーパーのシート、およびマイカペーパーシートにバインダーもし
くは接着剤によって接合している少なくとも1つの補強またはバッキングシート
を含み、バインダー材料がマイカペーパーとバッキングシートとの間に位置する
ものである。米国特許第5,079,077号は、電線用の絶縁テープであって
、マイカペーパー、ガラス布の補強層、および補強層の上にコートされ且つ補強
層に浸透しているシリコーン樹脂の接着剤層を含むテープを教示する。この構造
においてマイカペーパーは、そのモジュラスが過度に増加することを避けるため
に含浸されていないが、シリコーン樹脂接着剤はこの場合でもマイカペーパーと
布との間に位置して2つの層を一体に接合している。欧州特許出願第059,8
66号は、9重量%までのポリマーフィブリルを含むマイカペーパーを含み、マ
イカペーパーがポリマーフィルムまたは多孔性ポリマーシートに溶融結合され、
それからマイカペーパーと補強層との間に必要な接合を与えるために樹脂が含浸
されてプリプレグの形態をなしている絶縁シートを教示する。
【0021】 これらの従来技術のすべての構成において、接着剤層はマイカペーパーと補強
層(例えばポリマーフィルムまたはガラス布)との間に位置する。この層は薄い
ものであり得るが、それにもかかわらず、非常に薄いテープを作製しようとする
場合には特に、それはテープの全体の重量および厚さを著しく増加させる。この
接着剤層はまた、特にそれがほぼ常に硬化するために、テープの堅さ(またはス
ティフネス)を増加させる。さらにまた、上記に示す従来技術で説明された方法
(即ち、溶液中の含浸剤を使用してマイカペーパーを補強材に接合させる)で用
いられ得る、ほぼ全ての含浸剤は、200℃以上で酸化分解に付されるために、
これらの従来技術のマイカテープはこの温度以上で不安定になる傾向にあり、時
間がたつにつれて砕けやすく脆くなる。従来技術のテープの製造において大量に
使用される、これらの硬化含浸剤は、炭化水素溶剤をベースとする系として一般
に適用され、それらは更に、環境に重い負担を課し、あるいは蒸発させた溶媒を
回収するために用いる必要がある廃物処理システムに重い負担を課す。
【0022】 欧州特許出願第525,795号は、マイカペーパー上に被覆されるフッ素化
ポリウレタンを、後で硬化される粘稠液体として使用することを教示する。ポリ
ウレタンはマイカの薄い構造物上で補強コーティングとして、あるいは多層のそ
のような構造物の接着剤として作用する。ポリウレタンは、例えば1〜5μmの
厚さである、非常に薄い層の形成を許容しない粘稠液体である。また、そのよう
な粘稠材料は、ポリウレタンの良溶剤が存在しない場合は特に、実質的にマイカ
ペーパー層に浸透せず、またマイカペーパー層に接合しない。更に、ポリウレタ
ンを硬化させる時間はかなり長く(例えば150℃にて1時間)、したがって、
そのようなコーティングを使用することは過度に時間を消費する。そのような長
い硬化時間は、連続的なマイカシートまたはテープの生産を許容せず、更には製
造コストを上昇させる。したがって、この欧州特許出願で説明された製造方法お
よび材料は、非常に限られた範囲で応用でき、例えばポリエチレンまたはポリテ
トラフルオロエチレンフィルムのような補強材をマイカペーパーに接合させるた
めに使用することはできないであろう。
【0023】 マイカフレークを、典型的には中間のスラリーもしくは溶液段階を経て、ポリ
マー中に分散させることもまた知られている。日本国特許公開60/253,1
05(A2)(イノウエ)は、芳香族ポリイミドおよび1〜33%のマイカ粒子
を含む混合物から成る28μmの層で導体を被覆することにより作製されるワイ
ヤ(絶縁破壊およびカットスルーに対して耐性があるとされている)を説明する
。この出願において、マイカはフィラーとして存在し、ポリイミドを補強するよ
うに作用する。米国特許第3,520,845号は、高性能ポリマーによってめ
いめいが取り囲まれているマイカフレークを含む電気絶縁シート材料を教示する
。欧州特許出願第155,191号は、シートまたはストリップ(もしくは帯状
物)の形態の電気絶縁材料の製造方法であって、硬化性液状樹脂中でマイカフレ
ークのスラリーを形成する工程、マイカフレークが重なっているような厚さのス
ラリーの層を形成する工程、それからそのように形成された層を圧力で固める工
程を含む製造方法を教示する。そのような複合材料は堅く、ならびに/あるいは
、マイカの含有量が不十分であることに起因して、カットスルーまたは高性能ワ
イヤおよびケーブルに必要な他の機械的特性が不十分なものである。それは、マ
イカペーパーの充填密度が、マイカおよびバインダーの混合物で形成することに
より得られるものよりもずっと大きいことによる。
【0024】 1997年5月2日に発行された欧州公報第770,259号は、複数層のガ
ラス布で裏打ちされたマイカテープを使用する、低オーバーラップのマイカテー
プ巻き付けワイヤを教示する。米国特許第3,900,701号は、シロキサン
ポリマーを含浸させたマイカシートで作製したマイカテープから成る少なくとも
2つの誘電材料の層を有する複数の絶縁層を有するケーブルを教示する。米国特
許第3,823,255号は、電気導体のコア、導体を取り囲む無機電気絶縁材
料(例えばマイカテープ)から成る第1の難燃性バリヤー層、第1のバリヤー層
を被覆するポリマー層材料、第1のポリマー層を取り囲む第2の難燃性無機バリ
ヤー層(例えばマイカテープ)、および最後に第2のポリマーのオーバー層を含
むケーブル構造を教示する。英国特許出願第2170646は、マイカ−シリコ
ーン樹脂テープをらせん状に巻き付けた多心ケーブルを教示する。米国特許第4
,031,286号は、フルオロカーボンポリマー、コロイダルシリカ、および
マイカ粒子を含む水性のコーティング組成物を教示する。米国特許第4,079
,191号は、導体を囲む雲母の絶縁層、および雲母の層を囲む、独立して適用
されたフルオロポリマーの外側ジャケットの層を含む多層ワイヤ絶縁システムを
教示する。それは、フルオロポリマーの外側層を押出または粉体被覆により適用
してよいことを更に教示している。すべての従来技術のワイヤおよびケーブルは
、これらの絶縁ワイヤおよびケーブルが利用する従来技術のマイカテープに関し
てこれまでに特定した性能上の欠点を1または複数有する。従来技術のマイカテ
ープは、マイカペーパーに補強材を接合するために溶剤感受性含浸材料を使用す
ることに起因して、溶剤中で層間剥離しやすい。更に、この接合層および含浸材
料は一般に、かなり穏やかな温度にて熱老化させている間に酸化して分解する傾
向にあり、砕けやすく、脆いワイヤ絶縁を与える。更に、テープは厚く、また比
較的堅くなる傾向にあり、したがって、非常に薄い、軽量のワイヤ絶縁を特に小
径の導体に形成することを許容しない。最後に、ワイヤおよびケーブル絶縁用の
マイカテープを従来技術の方法および構造を使用して補強する公知の方法および
材料は、十分に平滑で薄いテープであって、適当な補強材料または表面コーティ
ング(例えばポリテトラフルオロエチレンのようなパーフルオロポリマー)を有
し、隣接するマイカテープまたは他のワイヤ絶縁材料(即ち、押出された又はテ
ープ巻き付けされた外側コーティング)に接合する又はセルフシールするテープ
を与えない。マイカテープと外側ポリマー層との間の強固な結合は、しわの寄ら
ない、ストリップ可能な、機械的に強いワイヤおよびケーブルの絶縁を提供する
のに必要である。
【0025】 現在のタイプのマイカテープで製造したワイヤは、一般には1または複数のマ
イカテープ層が導体に隣接して巻き付けられ、それから外側ポリマー層が押出ま
たはテープ巻き付けのいずれかにより適用されて構成されている。用いられる導
体は一般に、例えば米国特許第4,079,191号(ロバートソン(Robertos
on))で挙げられているような、中程度の寸法から大寸法、0.50mm2(20
AWG)から8.0mm2(8AWG)である。それは、従来技術のマイカテープ
が比較的堅く、したがってより小さい導体に容易に適合させ得ないからである。
ロバートソンは、上述の通常の構造を有する75〜130μm(0.003〜0
.005インチ)の厚さのマイカ層を含む(ゼネラル・エレクトリック社の工業
用テープ)を使用することを教示する。ここでは、マイカの厚さは必要な耐火特
性を得るために必要であると考えられている。軽量の構造物で使用するための「
例外的に薄い」ガラス−マイカテープを含むワイヤは、ハートリー(Hartley)
らの「難燃性ワイヤ構造のための新しいシリコーン技術(New Silicone Technol
ogies for Flame Retardant Wire Constructions)」国際ワイヤおよびケーブル
シンポジウム(International Wire and Cable Symposium)会報、567頁(1
986年)で説明されている。ここで説明されている「極薄」テープは75μm
(0.003インチ)の厚さであり、厚さ25μmのマイカ層、および補強材と
して50μmのガラス布を含む。シリコーン樹脂含浸材料は、マイカペーパーに
浸透し、マイカペーパーを補強材に接合する。この場合でも、ワイヤは他の従来
技術のワイヤおよびケーブルに関して説明した欠点を有する。これらの「極薄」
テープであっても、薄肉および軽量を必要とする要求の厳しい大抵の機体ワイヤ
用途で使用するのに適していない。
【0026】 (発明の概要) ワイヤ絶縁(wire insulation)に要求される性能特性(performance characteri
steics)は、ある程度の矛盾を有しており、例えば、軽量であること及び厚みが
小さいことは、高カットスルー抵抗とは相容れない傾向にあるということはきわ
めて明白である。従って、複数の絶縁層を有しており、今日のワイヤ構成よりも
多くの性能特性に関して特に優れているワイヤ及びケーブル(wire and cable)の
構成に対して需要がある。特に、本発明は、良好な可剥性(ストリッパビリティ
、strippability)、難燃性(flame resistance)、熱安定性(heat stability)、カ
ットスルー抵抗、摩耗強度(abrasion strength)、耐溶剤性(solvent resistance
)を有しており、並びに、加水分解及びアークトラッキングの両者に対する耐性
を有する特有のワイヤ構成を提供することを目的とする。更に、厚い及び/又は
重い絶縁材の層を必要とせずにそれらの利点をもたらすことのできるワイヤ構成
は強く望まれている。
【0027】 重量及び寸法を小さくするためにより薄く、種々の基材(特に、小さな直径の
ワイヤ)に適合するためにより可撓性であり、向上した熱的性能を提供し、溶剤
又は熱にさらされる間の層間剥離(delamination)に耐え、より環境適合性のある
方法を用いて製造することができる、特有のマイカシート及びテープ物品、並び
にそれらを製造する方法は、更に必要とされている。種々の重要な取扱い要求及
び特性要求を満たすために、セルフシール性(または自己封止性;self-sealing
)を有するか、又は、マイカテープをそれ自体に若しくはワイヤ絶縁に用いられ
る他の種々の材料、例えばテープ巻き付け(tape-wrapped)又は押し出した外側ポ
リマー層に対して接合(接着、bond)させることができる材料を有するマイカシー
ト及びテープ物品、並びにそれらを製造する方法を提供することもまた有用であ
ろう。
【0028】 本発明は、長尺電気導体並びに該導体を包囲する電気絶縁材を有してなる絶縁
された電気導体であって、前記電気絶縁材は、以下に説明するように包囲被覆マ
イカテープ層を有しており、導体に物理的に直接接触して該導体を包囲する内側
の電気絶縁層、及び内側の雲母質層(micaceous layer)に物理的に直接接触して
該雲母質層を包囲する外側の電気絶縁層であって、押し出し又はテープ巻き付け
されたポリマー層である外側の電気絶縁層を有する絶縁された電気導体を提供す
るものである。上述したような構成で複数の層を有する構成も本発明では意図し
ている。
【0029】 従って、本発明は、第1の要旨において、 (a)長尺電気導体、並びに (b)該導体を包囲する電気絶縁材であって、 (i)前記導体を包囲する内側の被覆マイカテープ層であって、被覆マイカ
テープは約2〜約30重量%の第1のポリマー含浸剤を含み、少なくとも一方の
側が第2のポリマーの液体ディスパージョンから付着したポリマー層により被覆
されている内側の被覆マイカテープ層;及び (ii)前記被覆マイカテープ層を包囲する外側の電気絶縁ポリマー層 を有する電気絶縁材 を有してなる絶縁された電気導体を提供する。
【0030】 本発明には、更に、第1のポリマー含浸剤を2〜30重量%含むマイカペーパ
ーコア、並びに含浸マイカペーパーの少なくとも一方の側に、第2のポリマーの
液体ディスパージョン、好ましくは水性ディスパージョンから直接付着(または
析出もしくはデポジット)した第2のポリマー層を有してなる新規な被覆された
マイカシート又はテープ状物品も含まれる。更に、本発明には、このようなマイ
カシート又はテープ物品を製造するための新しい方法も含まれる。本明細書にお
いて、「含浸マイカテープ又はシート(impregnated mica tape or sheet)」とい
う用語は、ディスパージョン付着ポリマー層を適用する前の含浸マイカペーパー
を意味する。このポリマー層の適用後では、本発明のマイカシート又はテープは
、「被覆」マイカシート又はテープ(coated mica sheet or tape)と称される
。そのようなポリマーディスパージョン被覆(またはディスパージョン塗布)は
、含浸マイカシート又はテープのいずれかの側又は両側に適用することができる
。この被覆シート又はテープは、所望される滑らかな表面を得るために、その後
カレンダー処理される。
【0031】 (発明の詳細な説明) 以下、図面を参照して本発明を説明する。 図面を参照するうえで、同様の番号は本発明の絶縁された電気導体の同様の要
素を示している。図1は、本発明の第1の態様における絶縁された電気導体の正
面側の断面図である。絶縁されたワイヤ20は長尺の電気導体10を有しており
、長尺電気導体10はそれぞれ金属メッキ14を有する金属ワイヤ12のストラ
ンドとして示されている。電気導体10には図示するようなストランドワイヤ(
または撚線;stranded wire)に代えてソリッドワイヤ(または単線)を用いるこ
ともできるが、航空宇宙産業の用途などの振動がファクターとなる用途には、一
般的にストランドワイヤが好ましい。本発明の被覆マイカテープは種々の金属の
ソリッドワイヤ及びストランドワイヤのいずれの絶縁処理にも好適に用いること
ができる。
【0032】 電気導体10は一般的には銅製であるが、銅合金製、アルミニウム製、又はそ
の他の導電性金属製であってもよい。金属ワイヤが銅製又は銅合金製である場合
、酸化作用から銅を保護し、導体のはんだ付け適性(solderability)を向上させ
るために、金属メッキ14によってメッキすることが一般的に行われる。しかし
、本発明の電気導体として使用するには、メッキしていない銅又は銅合金ワイヤ
も適している。一般的な金属メッキ14は、スズ、銀、ニッケル又はその他の一
般的に用いられるメッキ用金属などである。そのようなメッキは、ストランドを
構成する個々のワイヤに対して、高純度の金属を均一な厚みにて電気メッキする
ことによって一般に形成される。
【0033】 ストランド化した銅ワイヤは、種々の形態で入手できる。ワイヤは、中央のコ
アが同じ撚り方向及び同じ撚り長さにてらせん状に巻かれる1又はそれ以上の層
のストランドによって包囲されるユニレイ(unilay)の構成であってもよいし、中
央のコアが交互の撚り方向及び増加する撚り長さ(ピッチの長さ、length of la
y)にてらせん状に巻かれる1又はそれ以上の層のストランドによって包囲され
るコンセントリック・ストランディング(concentric stranding)によって構成さ
れていてもよいし、中央のコアが同じ撚り方向及び増加する撚り長さにてらせん
状に巻かれる1又はそれ以上の層のストランドによって包囲されるユニディレク
ショナル・コンセントリック・ストランディング(unidirectional concentric s
tranding)によって構成されていてもよい。
【0034】 そのようなストランド銅ワイヤは、種々の商業的供給元から容易に入手するこ
とができる。例えば、Hudson International Conductors (Ossining, New York)
は、それぞれスズの電気メッキ層によって被覆されている200μm直径(32
AWG)の19ストランドからなるユニレイ・ストランド銅ワイヤを供給してい
る。そのような19/32AWGストランドワイヤは約950μmの公称外側直
径を有しており、813μm直径(20AWG)の等価導体直径を有する、即ち
、813μm直径(20AWG)のソリッド・ワイヤ(solid wire、単線)と効果
に関して同等(等価、effective equivalent)であると考えられている。
【0035】 電気導体10は、2層の電気絶縁材20によって包囲されている。この発明の
第1の態様において、内側の電気絶縁層22は電気導体を直接包囲しており、本
明細書のこれ以降の部分でより詳細に説明する本発明の包囲被覆マイカテープを
有している。被覆マイカテープ層22それ自体は、押し出し又はテープ巻き付け
(もしくはテープ・ラップ)ポリマー層である外側の電気絶縁層24によって包
囲されており、ポリマー層である外側の電気絶縁層24についても本明細書のこ
れ以降の部分でより詳細に説明する。
【0036】 第1の態様において、内側の電気絶縁層22を形成する被覆マイカテープは、
当業者に知られている方法によって電気導体10に巻き付けられている。標準的
なテープ巻き付け装置は、例えば、United States Machinery Corporation (Nor
th Billerica, Massachusetts)又はE.J.R. Engineering and Machine Company I
ncorporated (Lowell, Massachusetts)などの企業から商業的に入手することが
でき、これら又はその他の同様の装置を用いて電気導体に絶縁テープを巻き付け
る技術は、既に知られている。
【0037】 内側層22は被覆マイカテープの1又は複数の層から構成することができる。
単一テープ層を形成するには、テープはほぼ0%のオーバーレイ(または重なり
)にて巻き付けられ、従って「バット・ラップされる (butt-wrapped)」(また
は突き合わせて巻き付けられる)。しかしながら、製造環境において、バット・
ラッピング(butt-wrapping)を形成する際に、テープの隣接するラップどうしの
間における小さなギャップを避けることができない。従って、約50%のオーバ
ーラップ(または重なり)を用いて、或いは、それぞれバット・ラップされる2
つのテープを適用することによって得ることができる、少なくとも2つの被覆マ
イカテープ層を形成することが好ましい。バット・ラップされたテープの2層の
場合、バット・ラップされる第2のテープ層は、最も内側の第1のテープ層にお
いて隣接するラップどうしの間に生じ得る小さなギャップを実質的に覆うように
巻き付けるべきである。バット・ラップされる2層の構成によって、特に押し出
しされる外側層に関して、より滑らかな仕上がりのワイヤ表面の輪郭がもたらさ
れることになるが、オーバーラップの程度は本発明に関してあまり重要な要素で
はない。所望する場合には、それ以上の被覆マイカテープの層を適用して、向上
した機械的強度、例えばより大きなカットスルー抵抗をワイヤに付与することも
できる。
【0038】 被覆マイカテープのラップした層どうしの結合(接着)を形成するため、被覆
マイカテープの少なくとも1つの表面は1μm程度の厚みの熱可塑性ポリマー被
覆を有することが好ましく、マイカテープの両方の表面が熱可塑性ポリマー被覆
によって被覆され、熱可塑性ポリマー被覆どうしの間にマイカペーパー層がサン
ドイッチ状に挟まれることが特に好ましい。このテープポリマー被覆層がその溶
融温度に達すると、ポリマー被覆層は接着剤として機能し、被覆されたテープは
隣接する層に、例えばもう1つのマイカテープ層に、又は外側の押し出し層若し
くはテープラップ層24に結合又は自己シールすることになる。2つの被覆マイ
カテープどうしの間に十分な結合(接着)を得るためには、テープは比較的滑ら
かな表面を有し、密接に接触する必要がある。このことは、テープラッピング工
程の間に十分なテンションを用いることによって容易に達成される。インライン
(in-line)プロセスとして、外側層24を適用する直前に内側層22を加熱する
ことも有用である。結合領域に必要な温度を付与し得るいずれかの好適な炉(fur
nace)(例えば、誘導炉(induction furnace)、赤外炉(infrared oven)、強制空
気炉(forced air oven))を用いることができる。以下に説明するように、マイ
カテープ上の被覆ポリマーは外側絶縁層24との親和性を有することが好ましく
、異なるポリマーを有する第2のテープをも被覆として第1のテープ層上に適用
する場合には、別に被覆されるマイカテープの被覆層とも親和性を有することが
好ましい。
【0039】 外側の電気絶縁層24は、押し出し/テープラッピング(巻き付け)によって
好適に適用することができる種々のポリマーを有することができる。外側の電気
絶縁層24のための好適な材料には、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンコポ
リマー、並びにフルオロポリマー(例えば、ポリ(ビニリデンフルオライド)(
PVDF)、ポリ(エチレン−コ−テトラフルオロ−エチレン)(ETFE)、ポ
リ(クロロトリフルオロエチレン)(CTFE)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレ
ン−コ−テトラフルオロエチレン)(FEP)、ポリ(パーフルオロプロピルビニ
ルエーテル−コ−テトラフルオロエチレン)(PFA)、ポリ(パーフルオロメチ
ルビニルエーテル−コ−テトラフルオロエチレン)(MFA)、及びポリテトラフ
ロオロエチレン(PTFE))等が含まれる。加水分解及び/又はアークトラッ
キングに対して最も耐性を有するワイヤを提供するために、芳香族性の高いポリ
マー、例えばポリエステル(例えば、ポリ(エチレン−コ−テレフタレート)(P
ET)、ポリ(ブチレン−コ−テレフタレート)(PBT)及びポリ(エチレン−
コ−ナフタレート)(PEN)等)並びにポリイミド等を用いることは航空宇宙用
のワイヤ及びケーブルには好ましくないが、ある種の用途には好適である。航空
宇宙用途に用いることに関して特に有利なワイヤを提供するという点では、本発
明の外側層24に用いるのに最も好適なポリマーは、PFA、MFA又はETF
E、特に照射線架橋結合したETFEである。
【0040】 外側層24の材料についてはその主要な重合体成分を示して既に説明している
が、それらはポリマー処方技術において常套のその他の成分、例えば、酸化防止
剤、UV安定剤、顔料若しくは他の着色剤若しくは乳白剤(opacifying agent)(
例えば、二酸化チタン)、照射線架橋結合を促進するプロラド(prorads、照射
線増強剤)、難燃剤及びマーキング性向上剤等を含んでよいことが理解されるべ
きである。外側層24は1以上の層を含むこともでき、例えば、最も外側の薄い
ポリマー層はマーキング特性を促進するか又は特定の色を付与するための添加剤
を含むが、下側の外側層24の本体はそれらの添加剤の一部若しくは全部を含ま
ないようにすることもできる。
【0041】 被覆マイカテープ及び外側層である層22及び24は、共にワイヤ絶縁を有し
ているが、それぞれに適する相対的なライン速度(line speeds)に応じて、それ
ぞれ1又は別々の操作にて適用することができる。外側層24がテープラップ(t
ape-wrapped)される場合には、層22及び24の両者を適用する1ステップ操作
(one-step operation)も実施できる。外側層が押し出しによって適用される場合
には、テープラッピングの速度の10〜100倍のライン速度にて一般に実施さ
れ、層22及び24を適用する独立した処理工程が一般に好ましい。
【0042】 図2は本発明の第2の態様例を示しており、そこでは内側ポリマー層16が導
体10と被覆マイカテープ層22との間に配されている。この内側層16は、常
套の方法、例えば粉体被覆、テープラッピング又は押し出し等の方法によって適
用することができる。内側層16は、ワイヤ取扱い及び装着特性、例えば絶縁ス
トリップ・フォース及び/又はシュリンクバック等についてより大きな程度での
制御をもたらすことができる。好適なポリマーには、ポリエチレン、ポリエチレ
ンコポリマー、及びフルオロポリマー(例えば、PVDF、ETFE、CTFE
、FEP、PFA、MFA、及びPTFE)等が含まれる。
【0043】 図3は本発明の第3の態様例を示しており、2つの被覆マイカテープ層22A
と22Bとの間にポリマー層18が配されている。この態様では、2つの層22
A及び22Bは「バット・ラップ(butt-wrap)」によって適用する必要がある。
ポリマー層18は、層22Aと22Bとの間に向上した接着剤結合を付与し、そ
れによって所望の性能特性(performance properties)、例えば防皺性及び摩耗耐
性(wrinkling and abrasion resistance)を向上させることができる。この態様
から、種々の態様にて示されるマイカテープ層は被覆マイカペーパーを含まない
1又はそれ以上の層を有し得るということが判る。本発明のこの態様及びその他
の態様において、層22とは、少なくとも1つの被覆マイカペーパー層を有する
層を意味することを意図しており、層22は外側層24よりも導体に対してより
近くに位置する。 複数のマイカ被覆テープ及び/又はポリマー層を有する本発明の他の態様例も
、当然のことながら想定することができ、それらも本発明の範囲内に含まれる。
【0044】 本発明の態様例の説明に示すような層22に用いられる被覆マイカテープそれ
自体、及びその製造方法はいずれも新規な発明である。この被覆マイカペーパー
シートは以下のようにして製造される:最初にマイカペーパーにオリゴマー(ポ
リマー前駆物質)又はポリマー溶液を含浸させ、溶媒を蒸発させてオリゴマー含
浸剤を硬化させ、十分な構造保全性を付与して更なる処理を可能にする。次に、
含浸ペーパーに以下に説明するようなポリマー又はポリマー混合物の溶媒ディス
パージョンを被覆する。厚さ75μmまで、好ましくは厚さ50μm以下、最も
好ましくは厚さ35μm以下の市販のマイカペーパーが適している。好適なペー
パーには、例えば、コジェビ(Cogebi)社(ベルギー)によってCogemica(登録
商標)の商品名にて販売されているものがある。このペーパーは、これまでに説
明したような天然産の又は合成マイカとして知られている種々のマイカから、当
業者に既知の装置及び技術を用いて形成されたものであってよい。
【0045】 マイカペーパーは、通常は非水性溶媒中でモノマー、オリゴマー又はポリマー
を含浸させることによって、形状的に安定であり、その後に行われる処理工程に
おいて裂けることなく取り扱うことができ、並びに要求される性能特性、特に耐
湿性を有するペーパーに形成される。マイカペーパー含浸に今日において用いら
れるポリマーは、それ自体でマイカペーパーに損傷を与えることのない溶液とし
てペーパーへ適用することができることを条件として、その他のポリマーと同様
に適する。好適な溶媒には比較的非極性の液体、例えば、高級アルコール、ケト
ン、並びに脂肪族及び芳香族炭化水素化合物、並びにそれらの混合物等が含まれ
る。含浸ポリマーは、熱硬化性プラスチック(若しくはそれらの前駆物質)又は
熱可塑性プラスチックであってよい。熱硬化性の含浸剤を得るには、熱硬化性ポ
リマーのモノマー若しくはオリゴマー前駆物質の溶液、例えばポリイミド、エポ
キシ又はシリコーンのポリマー前駆物質溶液が用いられる。これらのポリマー前
駆物質溶液は、例えば、Kerimid(登録商標)(Ciba Geigy)の商品名で販売され
ているポリイミド前駆物質溶液、Epon 828(登録商標)(Shell)として販売され
ているエポキシ前駆物質溶液、及びWacker K(登録商標)(Wacker GmbH)として
販売されているシリコーン前駆物質溶液のように、マイカペーパー含浸用として
よく知られている。好適な溶媒中で溶液を形成するシリコーン又は炭化水素化合
物系エラストマー等も好適なポリマー含浸剤である。高温の用途には、ポリイミ
ド及びシリコーン前駆物質熱硬化性樹脂が好ましい含浸剤である。特に、メチル
及びフェニル置換シリコーンポリマー:−Si(R1)(R2)−O−[式中、R1
びR2はメチル基又はフェニル基である。]は、優れた熱安定性及びアークトラ
ッキング耐性をもたらす。
【0046】 含浸ポリマー溶液は、種々の方法、例えば、浸漬塗布、キスロール塗布、接触
塗布、スプレー塗布又は真空含浸などによって適用することができる。ポリマー
溶液を適用した後、通常は溶媒の沸点よりも高い温度にて溶媒を蒸発させ、熱硬
化性含浸剤については、架橋結合反応を完了させ、及び最適な機械的強度を得る
ため、より高い温度の熱処理が必要とされることもある。例えば、ジメチルシリ
コーンポリマー含浸剤を用いる場合、2〜30重量%(最初のマイカペーパー重
量に対する百分率)の含浸剤をマイカペーパーへ適用して、必要な寸法安定性及
び強度を含浸ペーパーに付与し、続く塗布工程のために準備する。マイカペーパ
ーに、触媒及び/又は熱により開始される架橋結合に好適な官能基を含むジメチ
ルシリコーンポリマー3〜15重量%を含浸させることはより好ましい。その後
に行われる液体(好ましくは水性)ポリマーディスパージョンを用いる塗布工程
において必要とされる溶媒耐性をマイカペーパーに付与するに際して、比較的低
レベルの含浸ポリマーは驚くほど効果的である。ポリマー含浸をより低いレベル
で用いることによって、いくつかの利点がもたらされる。第1に、得られる含浸
マイカテープは、高い使用温度にさらされた場合に、含浸剤の酸化による硬化し
やすさの程度が軽減され、従って、導体を露出させ得る摩滅(fraying)や亀裂(cr
acking)を生じる可能性がより低くなる。第2に、含浸剤のレベルを低減するこ
とによって、マイカテープは、溶剤安定性でありながら、水又はその他の液体分
散媒体中でのポリマーディスパージョンとして適用される、その後に付与される
被覆に対して、著しく強い結合を提供するのに十分な多孔性を有する。分散した
ポリマー粒子は、マイカペーパーの表面に浸透して、強い接着結合を形成するこ
とができる。従来の技術では、マイカペーパーをポリマー若しくはガラス繊維補
強層に結合させるために中間の接着剤層を用いることが必要であったり、マイカ
ペーパーの表面にその後に硬化させる粘着性被覆(viscous coating)を用いたり
していた。本発明の被覆マイカテープは、そのような接着剤層や硬化被覆を必要
とせず、従って、好適な溶剤分散性ポリマー、例えばパーフルオロポリマーを用
いる場合に、優れた熱安定性及び溶剤耐性を有する一方で、同時に、既知のテー
プよりも薄く、より可撓性のあるテープを得ることができる。ジメチルシリコー
ン以外のポリマーを用いる場合の含浸添加量の最適な範囲は異なるかもしれない
が、通常は上述のような2〜30重量%の添加重量範囲内となると考えられる。
【0047】 含浸マイカテープには、その少なくとも一方の側に、キャリヤー液体中でポリ
マーのディスパージョンが塗布される。ディスパージョン中のポリマーは、ポリ
マー含浸剤中に存在する第1のポリマーとは異なる第2の(もう1種の)ポリマ
ーであることが好ましい。我々の知る限りにおいて、この液体ディスパージョン
塗布技術は、従来はマイカペーパーに適用されていなかった。この方法は、ポリ
マーディスパージョンを含浸マイカペーパーに直接適用し、乾燥工程においてキ
ャリヤー液体を蒸発させ、その後、ポリマーをその溶融温度以上の温度にて焼結
(またはシンタリングもしくは焼成)して、ペーパー上に連続するポリマーフィ
ルムを形成することを含む。最も一般的な(そして環境的に適合性のある)ポリ
マーのディスパージョンは、水系のもの、従って水性ディスパージョンである。
これらのディスパージョン中におけるポリマー粒子は、一般に、10〜500ナ
ノメートルの範囲の直径を有している。好適で、商業的に入手できる水性ディス
パージョンの例は、PTFE 30B(登録商標)及びFEP 121A(登録
商標)(いずれもDu Pontから)である。商業的に広範に入手できるポリマーラテ
ックスも好適である。好適な水性ディスパージョンは、40〜60%のポリマー
、ディスパージョンを安定化させる(従って、早期沈降を防止する)ための3〜
10%の界面活性剤、及び水を通常含む。水系ディスパージョンは一般的であり
最も環境適合性があるが、その他のディスパージョン、例えばアルコールディス
パージョンも本発明に適する。ポリマーディスパージョンを含浸マイカペーパー
に適用するのは、含浸ポリマーを適用するのに用いた方法に類似する方法によっ
て行うこともできる。しかしながら、ポリマーディスパージョンから得られるフ
ィルムを、キャスティング成形(casting)の間にマイカペーパー表面に均一な厚
みで形成し、乾燥及び焼結の後で均一なポリマー被覆厚みを得るためには、注意
が必要である。この操作は、ディスパージョンを適用する間及び適用した直後に
、分散液体が実質的に取り除かれ、それによって物質の流れが防止されるまで、
マイカペーパーシートを垂直方向に引き出す(draw)ことによって実施することが
できる。通常は、分散液体をその沸点よりも高い温度にて除去し、付着(または
析出)したポリマーはその溶融温度よりも高い温度にて焼結して、個々の粒子を
溶融させて実質的に非多孔質の連続したフィルム状とする。ディスパージョンの
適用、含浸マイカシート上でのポリマーの乾燥及び焼結の各工程は、1つの連続
プロセスにて行うことが便利である。
【0048】 1又はそれ以上のポリマー層を、含浸マイカペーパーに連続的に適用すること
ができる。図4は、2層からなる本発明の被覆マイカシート又はテープ28の第
1の実施の形態を示しており、2層は含浸マイカペーパー30及びポリマーディ
スパージョンを適用することによって得られる単一のポリマー被覆40からなる
。ポリマー被覆40は、単一の塗布工程から得ることができ、あるいは同じディ
スパージョンを用いる複数の塗布工程から得ることができる。ポリマー被覆40
におけるクラック(場合によって、「マッドクラック(mudcracks)」とも称す
る)を防止するため、適用されるフィルムの厚さを約5〜約25μmに制限する
ことが好ましい(実際の最大厚さは、分散液体、ディスパージョン中のポリマー
及びポリマー濃度に依存する)。従って、約25μmよりも大きな厚さを有する
ポリマー層40を所望する場合には、1回よりも多いコーティングを連続して行
うことが好都合である。図5は、第2の態様における3層からなる被覆マイカシ
ート若しくはテープ28を示しており、3層は、含浸マイカペーパー30、マイ
カペーパーの一方の側におけるポリマー被覆40、及びペーパーの他方の側にお
ける第2のポリマー被覆50からなる。ポリマー被覆40及び50は同じポリマ
ーであっても異なるポリマーであってもよく、1回の塗布工程でも複数回の塗布
工程でも適用することができる。
【0049】 本発明の第3の態様の被覆マイカシート又はテープは、図6に示すように、5
層の構成を有している。この場合には、ポリマー層40及び50にそれぞれ追加
の薄いポリマー被覆44及び54が適用されている。ポリマー層44及び54は
それぞれ、層40及び50から化学的組成及び/又は分子量によって識別される
。別法として、層44及び54は、2つのシート又はテープどうし、又はシート
若しくはテープを結合させるべきもう1つの材料への接着を促進する接着剤層で
あってもよい。
【0050】 本発明のシート又はテープの第4の態様を、図7に示している。これは7層の
構成であって、含浸マイカペーパーの2つの表面に直接キャスト(cast)されてい
る薄いポリマー層46及び56を有している。ポリマー層46にはもう1つの薄
いポリマー層40がキャストされており、ポリマー層56にはポリマー層40よ
りも厚みの大きい層50がキャストされている。最後に、層40及び50の表面
に更なる薄層44及び54がキャストされている。例えば、層46及び56は、
マイカ層30と、層40及び50との間の接着を促進することができる。その他
の種々の態様、例えば、層40及び50が等しい厚さである7層構成の態様を行
うこともでき、そのような変更態様は本発明の範囲に含まれる。
【0051】 1又はそれ以上のポリマー層に、フィラー、添加剤及び補強剤を含ませること
もできる。フィラーには、非溶融性のポリマー粒子及び/又は無機粒子、例えば
、特に、クレー、ガラス球、ガラス繊維、及びヒュームドシリカ等が含まれる。
ポリマー層中に存在させ得る添加剤には、抗酸化剤、紫外線安定剤、顔料、又は
その他の着色剤、若しくは乳白剤(例えば、二酸化チタン)、プロラド(照射線
架橋結合を促進する添加剤)及び難燃剤等が含まれる。1又はそれ以上のポリマ
ー層の中に、連続ファイバー、例えば、ガラスファイバー若しくはヤーン、配向
ポリマーファイバー又はガラス繊維製品を含ませることもできる。 図8は、非対称な厚さの2つのフルオロポリマー層54及び56の間にヤーン
層50’が配されている本発明のもう1つの態様を示している。
【0052】 実施例1 2.3N/cmの初期引張強度を有する、厚さ15μm、幅30cmおよび長
さ100mの市販のマイカペーパー(Cogemica(登録商標)、コジェビ(Cogebi
))に、トルエン中のジメチルまたはフェニルメチル・シリコーンオリゴマー溶
液を含浸させた(購入時、いずれも50重量%溶液:Wacker K)。シリコーンオ
リゴマー溶液を、トルエン希釈して表1に示す所望の濃度とした後、キスロール
塗布法(kiss-coating)によりマイカペーパーの片面に適用した。150℃/3
0秒間にてトルエンを蒸発させ、また、これにより重合化した。還流KOH溶液
を用いる抽出法により、含浸マイカペーパーに存在するシリコーンポリマーの重
量百分率を求めた。また、2種類の濃度の異なるジメチルおよびフェニルメチル
シリコーンオリゴマー溶液の双方を用いて作製したいくつかのサンプルについて
の引張強度特性および吸水特性を表1に示す。サンプル3の4重量%程度の少量
シリコーン樹脂含浸量によって、非常に良好な耐水性が得られることは明らかで
ある。これに対して、未処理のマイカペーパーは、水と接触するとほぼ直ちに分
解する。更に重要かつ驚くべき結果は、シリコーンオリゴマー材料を用いて含浸
させたマイカペーパーについての引張強度が、全ての含浸量にて著しく増加した
ことである。例えば、わずか4%のジメチルシリコーン(サンプル3)で、この
特性において8倍の増加をもたらす。引張強度の増加により、例えば、より大き
な張力で巻き付けることが可能なマイカテープが提供される。テープの張力は、
ロバスト(robust)な(または厳しい)テープ巻き付けプロセスと、ストリッピ
ング力およびテープ−テープ接着性などの重要なワイヤ特性の制御とに関して重
要である。
【0053】
【表1】
【0054】 実施例2 実施例1におけるサンプル2の含浸マイカペーパー上に、水性ディスパージョ
ンからポリマーを直接にキャストして、図6に示すような5層構造:中央の含浸
マイカテープ層、マイカペーパーの両側に固着したPTFE、およびFEP/P
TFEのトップ層を含む被覆マイカテープ28を得た。各ポリマー分散層は、含
浸マイカペーパー上に別々の工程でキャストした。パーフルオロポリマー基板上
での濡れを向上させるために1%のZonyl FSN(登録商標)界面活性剤(DuPont
Corporation)を添加したPTFE 30Bの水性ディスパージョン(60%ポ
リマー固体;DuPont Corporation)を、含浸マイカペーパー上にキスロール塗布
法によりコーティングした。このディスパージョンから加熱により(150℃/
30秒間)水を除去し、PTFEを焼結して(370℃/30秒間)、厚さ11
μmのPTFE層を得た。キスロール塗布、乾燥および焼結工程を1つの連続プ
ロセスにおいて連続して実施した。その後、厚さ11μmのPTFEコーティン
グをマイカペーパーの反対側に同様にして設けた。PTFE 30B/FEP
120Aの水性分散混合物(DuPont Corporation)の1:1混合物から、これを
同じ条件下にて適用、乾燥および焼結して、各々2μmの厚さのトップコート層
を作製した。完成した5層被覆マイカテープは42μmの全体厚さおよび29N
/cmの引張強度を有していた。
【0055】 実施例3 実施例1におけるサンプル3の含浸マイカペーパーを、いくつかの異なる水性
ポリマーディスパージョンで連続的にコーティングして、図7と同様ではあるが
、被覆マイカペーパーの両側で同様のポリマー厚さを有する、7層構造体を得た
。1つの浸漬塗布工程にて、実施例2で用いた1:1のPTFE 30B/FE
P 120A混合物から、マイカペーパーの2つの面に直接に固着する2つの層
をキャストした。これらのコーティングは各々2μm厚さであった。続いて、3
μmのPTFE 30B(Zonyl FSN分散剤を含む)を各面に別々の工程で設け
た。最後に、1:1のPTFE 30B/FEP 120A混合物から2μm厚
さのトップコートをキャストして、28μmの全体厚さおよび11N/cmの引
張強度を有する完成した被覆マイカテープを得た。
【0056】 実施例4 図8に示すような幅30cmおよび長さ100mの、ガラスヤーンで補強した
マイカシートを、2種の厚さ:15μmおよび20μmを有する市販のマイカペ
ーパーから作製した。実施例1におけるサンプル3と同様にしてマイカペーパー
を含浸し、その後、2μmのPTFE 30B/FEP 120Aの1:1混合
物で両面をコーティングした。10μmのPTFE 30B層の適用の間に、ガ
ラスヤーン(Owens-Corning;D1800 1/01.OZ 620-1 7636)をマイカシートの片
面に適用した。ガラスヤーンをPTFE水性ディスパージョン層(ウェット)上
に連続的に供給し、その後直ぐに、上述のように乾燥および焼結させた。1およ
び2ヤーン/mm幅(1.0および0.5mm間隔)のヤーン密度を有するマイ
カシートサンプルを得た。PTFE 30B/FEP 120Aの1:1混合物
から成る厚さ2μmの仕上げトップコートを、ガラスヤーンを含む層の上に適用
した。これら4つのテープの引張強度を表2に示す。DuPont Corporationの製品
であるOasis(登録商標)テープは工業用の複合機体ワイヤを作製するために用
いられる。このテープは、PTFEおよびFEPで両面がコーティングされた1
6μm厚さのポリイミド層を含む。1ヤーン/mm幅とすることにより引張強度
を3倍に増加させ;また、2ヤーン/mmでは市販のOasisテープにより得られ
る強度よりも大きい強度が得られる。
【0057】
【表2】
【0058】 実施例5 シリコーンを含浸させたマイカペーパーに薄いポリマーフィルムを積層(lami
nation)することを含む従来の作製方法を用いてマイカテープを作製した。これ
により、従来の構成および方法を用いて作製された薄いテープの溶剤特性および
熱老化特性と、本発明の被覆マイカテープの構成および方法により得られる特性
とを比較できた。実施例1のサンプル2と同様にして作製された含浸マイカペー
パー(含浸後の厚さ20μm)の片側を、5μm厚さの1:1のPTFE 30
B/FEP 120A水性分散混合物でキスロール塗布した。マイカペーパーの
もう片側を、フェニルメチルシリコーン樹脂(トルエン中の25%溶液)の5μ
m厚さの層でキスロール塗布し、そして、150℃/30秒間乾燥させて粘着性
表面を得た。これに、19μm厚さのPTFEフィルム(DF1700フィルム
:Chemfab Corporation)を2−ロールのカレンダーを用いて積層し、次いで、
オーブンで熱硬化させた(300℃/2分間)。含浸マイカペーパー上のシリコ
ーン層と接触するこのDF1700フィルムのPTFE面を、接着を助長する1
μmのFEPでコーティングした。
【0059】 22℃におけるSkydrol(登録商標)500B(Monsanto:一般的な航空宇宙用作
動油)に対する耐性および320℃における熱老化の双方について、従来の積層
方法により作製されたこの実施例5のテープの性能を本発明の被覆マイカテープ
(実施例3に記載されるもの)と比較した。まず第1に、薄いマイカペーパーと
薄いポリマーフィルムとを出発材料として用いたにもかかわらず従来のテープの
作製方法および構成では49μmの厚さを有するテープが得られ;本実施例にて
比較されるように、本発明の被覆マイカテープよりも21μm厚かった。より薄
いPTFE補強フィルムを用いることにより従来のテープの厚さを減少させるこ
とは、より薄いフィルムがより高価であり、また、該フィルムがしわになりやす
く、裂けやすいので取扱い難いという理由により実用的でない。第2に、Skydro
l 500Bに対する本発明の被覆マイカテープの耐性が優れ、従来の積層方法により
作製されたテープが劣っていることは、本発明の低い重量ゲイン(low weight g
ain)および層間剥離に対する耐性から明らかである。この非常に望ましい性質
は、本発明の被覆マイカテープまたはシートの構成および方法が、ポリマー補強
層と含浸マイカペーパーとの間に介在する接着性のコーティングを用いていない
ことにより得られるものである。第3に、本発明の被覆マイカテープは、320
℃で5日間の熱老化後にも分解せず、これに対して、従来のテープはオーブンに
て脱色し、脆化し、終には層間剥離する。従来のテープの脱色、脆化および層間
剥離は、シリコーン接着剤の熱分解により直接的にもたらされるものである。
【0060】
【表3】
【0061】 実施例6 ワイヤサンプル(0.35mm2(20AWG)の、ニッケルめっきした19
−ストランドの銅導体)を、機械的特性の測定および機体ワイヤに使用される他
のワイヤの性能との比較のために作製した。作製したワイヤの構成を表4に示す
。サンプル1〜5は、導体に隣接する、50%オーバーラップさせたマイカテー
プ層により構成される。これら5つのサンプルの外側層は、3層の50%オーバ
ーラップさせたPTFEテープ(Garlock(登録商標)テープ;NEO−LP−
ホワイト 3579;厚さ1.5ミル、幅1/4インチ、非焼結、レーザ・マー
カブル・テープ;Coltec Industries)または押出成形したPFA 450(DuP
ont Corporation)のいずれかである。外側の絶縁層を適用する前に、内側のマ
イカテープを、700℃に設定したオーブンにて25フィート/分で加熱してセ
ルフシールさせた。外側層として使用するPTFEテープを、最初の2つの層を
巻き付け、そして3番目の層を適用した後に焼結した。Spec55(登録商標)ワイ
ヤは、架橋ETFEから成る市販のワイヤ(Raychem Wire and Cable、55PC0213
-20-9)である。複合ワイヤは、50%オーバラップさせた1のOasisテープおよ
びPTFEテープ外側層から作製される市販品(Tensolite、BMS 13−6
0−1/1−20)である。
【0062】 これらワイヤの機械的特性を、室温(RT)および260℃におけるカットス
ルー力(ボーイング社材料規格(Boeing Material Specification)、BMS
13−60により、5ミル半径のブレードを使用)、ワイヤ−ワイヤ摩耗(BM
S 13−60による)、およびスクレープ(または掻き取り;scrape)試験(
5ミル半径のブレード、ストローク長5cm、30ストローク/分)について、
表4に比較した。マイカテープ層を含むワイヤサンプル1〜5は全て、PFA
450ワイヤサンプル(これは、カットスルー力の特性についてのマイカの値を
示す)に比べて室温にて3倍以上のカットスルー力を与えた。同様に、これら5
つのマイカテープサンプルについて260℃で測定されるカットスルー力は、P
FA 450およびSpec55の両方のカットスルー力の10倍以上であった。この
特性に対する業界目標値は50Nである。ワイヤ−ワイヤ摩耗に関して、ワイヤ
サンプル4および5をPFA 450サンプルと比較することにより、マイカテ
ープの利点が更に明らかとなる:マイカテープを用いるとサイクルが7〜10倍
に増加する。最後に、マイカテープを用いる際のスクレープにおける改善は良(
good)から秀(excellent)であり、ワイヤサンプル3〜5を複合ワイヤサンプ
ルと比較することにより理解される。PFA 450を外側層に用いると(サン
プル4および5)、スクレープは良であり、PTFEテープを外側層として用い
る場合(サンプル3)、スクレープは優(very good)であった。
【0063】
【表4】
【0064】 実施例7 実施例3の厚さ28μmの被覆マイカテープと、薄肉ワイヤ構成の厚さ30μ
mの市販のポリイミドジャケットとを、ドライ・アークトラッキング試験におけ
る性能について比較した。ニッケルめっきした、0.50mm2(20AWG)
の19−ストランドの導体に、実施例3の被覆マイカテープおよび厚さ30μm
、幅6mmのポリイミドテープ(Oasis(登録商標)テープ;DuPont Corporatio
n)を巻き付けた。どちらの構成についてもオーバーラップを50%とした。Oas
isテープには、4μmのPTFEおよびFEPで片側がコーティングされ、10
μmのPTFEおよびFEPでもう片側がコートされた16μmのポリイミドが
含まれている。被覆マイカテープおよびOasisテープのサンプルに、厚さ38μ
m、幅6mmの非焼結PTFEテープ(PTFE T613;Coltec Industrie
s)の1つの層を50%オーバーラップさせて巻き付けた。各サンプルを炉内で
850℃にて30秒間加熱して、PTFEテープを焼結し、全てのテープを融合
させた;これにより、57μmの厚さの絶縁壁を各々有する2つのワイヤサンプ
ルを得た。ボーイング社規格 BMS 13−60に記載の手順により、ドライ
・アークトラッキング耐性について双方のサンプルを試験した。結果を表5に示
す。市販のワイヤ構成において一般的に用いられるものよりも薄い、これら2つ
の構成に用いられるPTFEテープの薄いカバーによって、マイカテープおよび
Oasisテープのいずれもがアークトラッキングに対して幾分かより敏感なものと
なる。これにより、2つのテープ構成の相違点が強調され、例えばワイヤ絶縁材
の外側ポリマー層が損傷または使用により裂けまたは摩耗するような条件がシミ
ュレートされる。Oasisテープを用いて構成されたワイヤは、ポリイミドがアー
クトラッキングに対して本質的に敏感であるために、この試験では著しく悪い結
果となるが、これに対してマイカはそのような結果とならない。
【0065】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の絶縁された電気導体の第1の態様の断面図である。
【図2】 導体と被覆されたマイカテープ層との間に介在するポリマー層を
有する、本発明の絶縁された電気導体の第2の態様を示している。
【図3】 被覆されたマイカテープの2つの層の間に介在するポリマー層を
有する、本発明の絶縁された電気導体の第3の態様を示している。
【図4】 含浸マイカペーパーの一方の側に適用されたポリマー層被覆を有
する、本発明の被覆されたマイカシート又はテープの第1の態様を示している。
【図5】 含浸マイカペーパーの上側表面及び下側表面の両方にポリマー被
覆を有する、本発明の被覆されたマイカシート又はテープの第2の態様を示して
いる。
【図6】 含浸マイカペーパーの上側表面及び下側表面の両方に適用された
(同種又は異種のものであってよい)2つのポリマー層を有する、本発明の被覆
されたマイカシート又はテープの第3の態様を示している。
【図7】 含浸マイカペーパーの各表面に適用された(同種又は異種のポリ
マーの)3つのポリマー層を有する、本発明の被覆されたマイカシート又はテー
プの第4の態様を示している。
【図8】 2つのポリマー層の間に配置されたヤーン層を有する、本発明の
被覆されたマイカシート又はテープのもう1つの態様を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 コンパニー・ロワイアル・アストゥリエン ヌ・デ・ミーヌ・ディビジョン・コジェ ビ・ソシエテ・アノニム・(ベウ) Compagnie Royale As turienne des Mines, Division Cogebi, S ociete Anonyme (BE) ベルギー、ベー−1040ブリュッセル、リ ュ・ドゥ・ランドゥストリー46番 (72)発明者 エリック・ナイバーグ アメリカ合衆国94002カリフォルニア州ベ ルモント、ラデラ・ウェイ1208番 (72)発明者 フランク・ダブリュー・マーサー アメリカ合衆国94002カリフォルニア州ベ ルモント、サマーセット・ドライブ2535番 Fターム(参考) 5G303 AA06 AB20 BA02 CA04 5G309 PA02 5G315 CA01 CA02 CB02 CC01 CD11 5G333 AA03 AB05 BA05 CB12 CB13 DA05 DA20 DA25 FB03 FB12

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)長尺電気導体、並びに (b)該導体を包囲する電気絶縁材 を有してなる絶縁された電気導体であって、前記電気絶縁材が、 (i)前記導体を包囲する内側の被覆マイカテープ層であって、被覆マイカ
    テープは約2〜約30重量%の第1のポリマー含浸剤を含み、少なくとも一方の
    側が第2のポリマーの液体ディスパージョンから付着したポリマー層により被覆
    されている内側の被覆マイカテープ層;及び (ii)前記被覆マイカテープ層を包囲する外側の電気絶縁ポリマー層 を有してなる、絶縁された電気導体。
  2. 【請求項2】 (a)含浸前のペーパー重量基準で2〜30重量%のポリマ
    ー含浸剤が含浸されているマイカペーパーを有するマイカペーパーコア、並びに (b)含浸されたマイカペーパーの少なくとも一方の側に、液体ディスパージ
    ョンから直接付着したポリマー を有するテープ。
  3. 【請求項3】 ポリマー含浸剤は、式: 【化1】 −Si(R1)(R2)−O− で示される鎖状セグメントを有しているシリコーンポリマーである請求項1記載
    の絶縁された電気導体又は請求項2記載のテープ。
  4. 【請求項4】 R1及びR2が、メチル基又はフェニル基である請求項3記載
    の絶縁された電気導体又はテープ。
  5. 【請求項5】 マイカテープ若しくはマイカペーパーは両側が液体ディスパ
    ージョン付着ポリマーによって被覆されている請求項1記載の絶縁された電気導
    体又は請求項2記載のテープ。
  6. 【請求項6】 液体ディスパージョンから付着したポリマーがフルオロポリ
    マーである請求項1記載の絶縁された電気導体又は請求項2記載のテープ。
  7. 【請求項7】 ディスパージョン付着ポリマーは、ポリテトラフルオロエチ
    レン、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−コ−テトラフルオロエチレン)、ポリ
    (パーフルオロプロピルビニルエーテル−コ−テトラフルオロエチレン)及びポ
    リ(パーフルオロメチルビニルエーテル−コ−テトラフルオロエチレン)並びに
    これらの混合物からなる群から選ばれるパーフルオロポリマーである請求項6記
    載の絶縁された電気導体又はテープ。
  8. 【請求項8】 液体ディスパージョンの液体は水である請求項1記載の絶縁
    された電気導体又は請求項2記載のテープ。
  9. 【請求項9】 外側層のポリマー及びディスパージョン付着ポリマーは互い
    に接触した状態で加熱されると接着結合を形成する請求項1記載の絶縁された電
    気導体。
  10. 【請求項10】 内側層は約15〜100μmの範囲、好ましくは約20〜
    70μmの範囲の厚みを有する請求項1記載の絶縁された電気導体。
  11. 【請求項11】 外側層は約50〜300μmの範囲、好ましくは約75〜
    200μmの範囲の厚みを有する請求項1記載の絶縁された電気導体。
  12. 【請求項12】 外側層はパーフルオロポリマー、好ましくはポリ(エチレ
    ン−テトラフルオロエチレン)を含んでなる請求項1記載の絶縁された電気導体
  13. 【請求項13】 外側層は、テープ巻き付けされたポリマーフィルム、好ま
    しくはパーフルオロポリマーを含んでなるテープ巻き付けされたポリマーフィル
    ムを含んでなる請求項1記載の絶縁された電気導体。
  14. 【請求項14】 約75μmを越えず、好ましくは50μm以下の厚みを有
    する請求項2記載のテープ。
  15. 【請求項15】 ディスパージョン付着ポリマー層の厚みは30μmを越え
    ず、好ましくは20μmを越えない請求項2記載のテープ。
  16. 【請求項16】 少なくとも5N/cmの引張り強さを有する請求項2記載
    のテープ。
  17. 【請求項17】 溶媒付着ディスパージョンポリマー層は繊維製品又は連続
    する繊維を含む請求項2記載のテープ。
  18. 【請求項18】 溶媒付着ディスパージョンポリマー層は少なくとも3重量
    %の無機フィラーを含んでおり、好ましくは無機フィラーはファイバー、フレー
    ク又は高表面積シリカである請求項2記載のテープ。
  19. 【請求項19】 (a)約300〜3000μmの範囲の有効直径を有する
    ストランド化メッキ銅ワイヤを含む長尺電気導体、並びに (b)前記導体を包囲する電気絶縁材 を有してなる絶縁された電気導体であって、前記電気絶縁材が、 (i)前記導体を包囲する電気的に絶縁された内側の巻き付けテープ層であ
    って、テープは水性ディスパージョン付着パーフルオロポリマーによって両側を
    被覆されたマイカテープコア層を有しており、コア層は約15〜100μmの範
    囲の厚みを有している内側の巻き付けテープ層;及び (ii)前記内側のマイカテープ層に直接物理的に接触し及び該マイカテープ
    層を包囲する、少なくとも80重量%のパーフルオロポリマーを含んでなる電気
    的に絶縁された未架橋の外側層であって、約50〜300μmの範囲の厚みを有
    しており、前記内側層に接着されている外側層 を有してなる、絶縁された電気導体。
  20. 【請求項20】 導体とマイカテープ層との間に、独立して適用されたポリ
    マー層が存在する請求項1又は19記載の絶縁された電気導体。
  21. 【請求項21】 2〜30重量%のシリコーンポリマーが含浸されたマイカ
    ペーパーコアを含むテープであって、含浸コアは両方の表面に少なくとも2μm
    厚みのパーフルオロポリマー層が水性ディスパージョンから直接被覆されている
    テープ。
  22. 【請求項22】 (a)2〜30重量%のポリマー含浸剤によりマイカペー
    パーを処理する工程、及び (b)含浸マイカペーパーの少なくとも一方の表面をポリマーディスパージョ
    ンにより被覆する工程 を含む被覆マイカテープ又はシートを製造する方法。
  23. 【請求項23】 マイカテープの両側表面がポリマーによりディスパージョ
    ン被覆される請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 ディスパージョンは水である媒体を含む請求項22記載の
    方法。
  25. 【請求項25】 ポリマー含浸剤は、式: 【化2】 −Si(R1)(R2)−O− [式中、R1及びR2はメチル基又はフェニル基である。] で示される鎖状セグメントを含むシリコーンポリマーである請求項22記載の方
    法。
  26. 【請求項26】 ポリマーディスパージョンが複数の工程にて適用される請
    求項22記載の方法。
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