JP2003347854A - 電力増幅器 - Google Patents

電力増幅器

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JP2003347854A
JP2003347854A JP2002156181A JP2002156181A JP2003347854A JP 2003347854 A JP2003347854 A JP 2003347854A JP 2002156181 A JP2002156181 A JP 2002156181A JP 2002156181 A JP2002156181 A JP 2002156181A JP 2003347854 A JP2003347854 A JP 2003347854A
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signal
envelope
distortion
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level
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JP2002156181A
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Toshimitsu Matsuyoshi
俊満 松吉
Kaoru Ishida
石田  薫
Seiji Fujiwara
誠司 藤原
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/32Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion
    • H03F1/3241Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion using predistortion circuits
    • H03F1/3247Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion using predistortion circuits using feedback acting on predistortion circuits
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2200/00Indexing scheme relating to amplifiers
    • H03F2200/102A non-specified detector of a signal envelope being used in an amplifying circuit

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  • Nonlinear Science (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力増幅器で発生する低域側のIM3と高域
側のIM3のレベル差が大きい場合でも、大きな歪抑制
効果が得られるプリディストーション歪補償付き増幅器
を実現する。 【解決手段】 電力増幅回路117は、原信号を増幅す
る。包絡線検波器119は、原信号の包絡線成分と同じ
成分を有する包絡線信号を生成する。歪信号生成回路1
12は、電力増幅回路117によって原信号が増幅され
る際に発生する歪成分をうち消すための歪信号を、原信
号に基づいて生成する。電力合成器116において、包
絡線信号が原信号に注入される。これによって、歪成分
の非対称性が解消される。電力増幅回路117におい
て、歪信号が原信号に注入される。これによって、歪成
分が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力増幅器に関
し、より特定的には、信号を増幅する際に発生する歪を
補償することができるプリディストーション歪補償付き
電力増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信機器の基地局における
送信装置においては、多数の信号チャンネルを一括して
増幅する必要から、高効率でかつ線形性の高い電力増幅
器が求められる。電力増幅器の線形性を高めるために
は、例えばプリディストーション方式などの歪補償回路
の採用が不可欠である。
【0003】図16は、従来の電力増幅器の構成を示す
ブロック図である。図16に示す電力増幅器は、入力端
子601と、出力端子602と、電力分配器603と、
遅延器604と、歪発生回路605と、可変減衰器60
6と、可変位相器607と、電力合成器608と、電力
増幅回路609と、方向性結合器610と、制御部61
1とを備える。
【0004】上記のように構成されたプリディストーシ
ョン歪補償付き増幅器において、入力端子601から入
力されたキャリア信号は、電力分配器603によって2
分配される。2分配された一方のキャリア信号に基づい
て、歪発生回路605は歪信号を発生させる。この歪信
号は、可変減衰器606および可変位相器607によっ
て振幅および位相が調整され、電力合成器608に入力
される。一方、電力合成器603によって2分配された
他方のキャリア信号は、遅延器604によって遅延され
た後、電力合成器608に入力される。電力合成器60
8は、振幅および位相が調整された歪信号と遅延された
キャリア信号とを合成して電力増幅回路609へ出力す
る。電力合成器608から出力された信号は、電力増幅
回路609によって増幅され、出力端子602から外部
へ出力される。
【0005】電力増幅回路609と出力端子602との
間には、方向性結合器610が設けられている。方向性
結合器610は、電力増幅回路609から出力される信
号を分岐し、制御部611へ出力する。制御部611
は、キャリア信号を増幅する際に電力増幅回路609に
おいて発生する相互変調歪(以下、単に「歪」と呼ぶ)
と、電力合成器608に入力される歪信号とが、同振幅
かつ逆位相となるように、可変減衰器606および可変
位相器607を制御する。
【0006】以上のように、従来のプリディストーショ
ン歪補償付き電力増幅器では、キャリア信号を増幅する
際に電力増幅回路609において発生する歪信号と同振
幅かつ逆位相の歪信号を発生させる。さらに、電力増幅
回路609へ入力されるキャリア信号に当該歪信号を予
め付加しておく(すなわち、発生歪と同振幅かつ逆位相
の歪成分を増幅器の入力側に注入する)。これによっ
て、従来のプリディストーション歪補償付き増幅器は、
電力増幅回路609で発生する歪を低減している。以上
を実現する回路構成は、例えば、特開2000−261
252号公報で開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図16
に示される従来のプリディストーション歪補償付き増幅
器は、以下に示す課題を有していた。すなわち、電力増
幅回路609で発生する歪に成分(以下、「IM3成
分」と記載する)は、低周波側に発生する3次歪成分
(以下、「IM3L成分」と記載する)と、高周波側に
発生する3次歪成分(以下、「IM3U成分」と記載す
る)とがあるが、両者のレベル差が大きい場合、IM3
LおよびIM3U成分の双方に対して大きな歪抑制量を
実現することができない。なぜなら、上記のように歪成
分(IM3L成分およびIM3U成分)の非対称性が大
きい場合、歪発生回路605において発生させる歪信号
を、IM3LおよびIM3U成分の双方と同振幅かつ逆
位相にすることは困難だからである。
【0008】それ故に、本発明の目的は、電力増幅器で
発生するIM3L成分とIM3U成分とのレベル差が大
きい場合でも、大きな歪抑制効果を得ることができるプ
リディストーション歪補償付き増幅器を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明は、周波数が異なる複数の信号を含んだ原信号を増
幅する電力増幅器であって、原信号を入力する信号入力
手段と、信号入力手段から入力された原信号を増幅する
増幅手段と、増幅手段によって増幅された信号を外部へ
出力する信号出力手段と、原信号の包絡線成分と同じ成
分を有する包絡線信号を生成する包絡線信号生成手段
と、増幅手段によって原信号が増幅される際に発生する
歪成分をうち消すための歪信号を、当該原信号に基づい
て生成する歪信号生成手段と、信号入力手段から信号出
力手段までの信号増幅経路に包絡線信号を注入し、歪成
分の非対称性を解消する第1の包絡線信号注入手段と、
信号増幅経路に歪信号を注入し、歪成分を抑制する歪信
号注入手段とを備えている。
【0010】上記第1の発明によれば、包絡線信号によ
って電力増幅器において発生する歪成分の非対称性を解
消することができる。さらに、歪信号によって電力増幅
器において発生する歪成分の非対称性を解消することが
できる。すなわち、電力増幅器は、包絡線信号および歪
信号という2つの信号を用いることによって、歪成分に
おける非対称性の解消と歪成分の低減とを別個に行う。
従来の方法では、増幅手段において発生する歪成分の非
対称性に合致するように歪信号を生成することができな
いので、非対称性を有する歪成分を十分に抑制すること
ができなかった。しかし、上記第1の発明によれば、包
絡線信号によって歪成分の非対称性を解消することがで
きるので、従来の方法によって生成される歪信号を用い
ても、大きな歪抑制効果を得ることができる。
【0011】第2の発明は、第1の発明に従属する発明
であって、包絡線信号のレベルを検出する包絡線信号検
出手段と、包絡線信号検出手段によって検出される包絡
線信号のレベルに基づいて、信号増幅経路に注入される
包絡線信号の振幅および位相を調整する第1の包絡線信
号調整手段とをさらに備えている。
【0012】上記第2の発明によれば、包絡線信号自身
のレベルに応じて、信号増幅経路に注入すべき包絡線信
号の振幅および位相が調整される。ここで、包絡線信号
のレベルは原信号のレベルに応じて変化し、注入すべき
包絡線信号の振幅および位相は原信号のレベルに応じて
変化する。以上より、注入すべき包絡線信号の振幅およ
び位相を、包絡線信号自身のレベルに基づいて適切な値
に調整することによって、歪成分の非対称性をより正確
に解消することができる。従って、より大きな歪抑制効
果を得ることができる。
【0013】第3の発明は、第2の発明に従属する発明
であって、第1の包絡線信号調整手段は、包絡線信号検
出手段によって検出される包絡線信号のレベルと、歪成
分中の低周波側成分と高周波側成分との間のレベル差を
最小にするときの包絡線信号の振幅および位相との対応
を示すテーブルを予め記憶しておき、当該テーブルを用
いて当該包絡線信号の振幅および位相を調整する。
【0014】上記第3の発明によれば、予め用意された
テーブルを用いることによって、信号増幅経路に注入す
べき包絡線信号の振幅および位相を容易に決定すること
ができる。
【0015】第4の発明は、第1の発明に従属する発明
であって、信号入力手段から歪信号注入手段までの歪信
号生成経路に包絡線信号を注入し、歪信号が有する周波
数成分であって歪成分に対応する周波数成分の非対称性
を解消する第2の包絡線信号注入手段をさらに備えてい
る。
【0016】上記第4の発明によれば、歪信号の周波数
成分において生じている非対称性、すなわち、歪信号に
おける高周波側の周波数成分と低周波側の周波数成分と
の間で生じているレベル差を、包絡線信号によって解消
することができる。ここで、歪信号においても、増幅手
段において発生する歪成分における非対称性と比較して
大きくはないものの、非対称性が生じている。また、本
発明においては、歪成分の非対称性については包絡線信
号によって解消されている。従って、非対称性が解消さ
れた歪成分を抑制するための歪信号についても、非対称
性を有しないことが好ましい。以上より、歪信号につい
ても非対称性を解消することによって、歪抑制をより正
確に行うことができる。
【0017】第5の発明は、第4の発明に従属する発明
であって、包絡線信号のレベルを検出する包絡線信号検
出手段と、包絡線信号検出手段によって検出される包絡
線信号のレベルに基づいて、歪信号生成経路に注入され
る包絡線信号の振幅および位相を調整する第2の包絡線
信号調整手段とをさらに備えている。
【0018】上記第5の発明によれば、包絡線信号自身
のレベルに応じて、歪信号生成経路に注入すべき包絡線
信号の振幅および位相が調整される。ここで、包絡線信
号のレベルは原信号のレベルに応じて変化し、注入すべ
き包絡線信号の振幅および位相は原信号のレベルに応じ
て変化する。以上より、注入すべき包絡線信号の振幅お
よび位相を、包絡線信号自身のレベルに基づいて適切な
値に調整することによって、歪信号における非対称性を
より正確に解消することができる。従って、歪抑制をよ
り正確に行うことができる。
【0019】第6の発明は、第5の発明に従属する発明
であって、第2の包絡線信号調整手段は、包絡線信号検
出手段によって検出される包絡線信号のレベルと、歪信
号における低周波側成分と高周波側成分との間のレベル
差を最小にするときの当該包絡線信号の振幅および位相
との対応を示すテーブルを予め記憶しておき、当該テー
ブルを用いて、当該包絡線信号の振幅および位相を調整
する。
【0020】上記第6の発明によれば、予め用意された
テーブルを用いることによって、歪信号生成経路に注入
すべき包絡線信号の振幅および位相を容易に決定するこ
とができる。
【0021】第7の発明は、第1の発明に従属する発明
であって、包絡線信号および歪信号の注入後における増
幅手段の出力信号の包絡線成分についてレベルを検出す
る包絡線成分検出手段と、包絡線成分検出手段によって
検出される出力信号の包絡線成分レベルに基づいて、当
該包絡線成分レベルが最小となるように、信号増幅経路
に注入される包絡線信号の振幅および位相を調整する第
3の包絡線信号調整手段とをさらに備えている。
【0022】上記第7の発明によれば、増幅手段によっ
て増幅された信号における包絡線成分に基づいて、信号
増幅経路に注入される包絡線信号の振幅および位相が調
整される。包絡線信号および歪信号の注入後における信
号の包絡線成分に基づいて調整されるので、何らかの要
因によって包絡線信号の振幅および位相の適切な値が変
化した場合であっても、当該変化に応じて振幅および位
相を適切な値に調整することができる。また、テーブル
を用いる必要がないため、高価なメモリや記憶回路を用
いることなく電力増幅器を構成することができる。
【0023】第8の発明は、第7の発明に従属する発明
であって、第3の包絡線信号調整手段は、包絡線信号の
振幅を任意の値に固定して、当該包絡線信号の位相を0
°から360°まで変化させた場合における、包絡線成
分レベルの変化幅が所定値以上となるか否かを判定する
レベル判定手段と、レベル判定手段によって変化幅が所
定値以上であると判定された場合、包絡線成分レベルが
最小となるように、当該包絡線信号の位相を決定する位
相決定手段と、位相決定手段によって決定された位相に
おいて、包絡線成分レベルが最小となるように、包絡線
信号の振幅を決定するレベル決定部とを含んでいる。
【0024】上記第8の発明によれば、まず、包絡線成
分レベルの変化幅が所定値以上となる振幅の値が設定さ
れ、設定された振幅の値において最適な位相の値が決定
される。ここで、最適な位相を決定する上で、包絡線信
号の振幅によっては最適な位相の値が存在しない場合が
ある。また、最適な位相の値が存在するか否かは、包絡
線成分レベルの変化幅によって判定することができる。
従って、包絡線信号の振幅および位相を単に変化させ、
包絡線成分レベルが最小になる値を決定しようとした場
合、最適な位相の値がないような値に包絡線信号の振幅
が決定されてしまうおそれがある。これに対して、上記
のように、包絡線成分レベルの変化幅に基づいて最適な
位相の値が存在するか否かを判定した後、位相を決定す
ることによって、最適な位相および振幅を常に決定する
ことができる。
【0025】第9の発明は、第1の発明に従属する発明
であって、包絡線信号および歪信号の注入後における増
幅手段の出力信号のレベルを検出する出力信号検出手段
と、出力信号検出手段によって検出される出力信号のレ
ベルに基づいて、当該出力信号に含まれる歪成分が最小
となるように、歪信号を調整する歪信号調整手段とをさ
らに備えている。
【0026】上記第9の発明によれば、包絡線信号およ
び歪信号の注入後における信号の包絡線成分に基づいて
歪信号が調整されるので、何らかの要因によって歪信号
の振幅および位相の適切な値が変化した場合であって
も、当該変化に応じて振幅および位相を適切な値に調整
することができる。
【0027】第10の発明は、第1の発明に従属する発
明であって、包絡線信号生成手段は、原信号から包絡線
信号を生成する。
【0028】上記第10の発明によれば、増幅すべき原
信号から包絡線信号を生成するので、周波数が異なる複
数の信号を含んだ信号を増幅する電力増幅器であれば、
どのようなものであっても包絡線信号を生成し、本発明
を適用することができる。
【0029】第11の発明は、第1の発明に従属する発
明であって、ベースバンド信号から変調によって得られ
る変調信号を生成する変調手段をさらに備え、信号入力
手段は、変調信号を原信号として入力し、包絡線信号生
成手段は、ベースバンド信号から包絡線信号を生成す
る。
【0030】上記第11の発明によれば、ベースバンド
信号から包絡線信号が生成されるので、原信号から生成
する場合に比べて、あらゆる入力レベルに対して包絡線
信号を正確に生成することができる。従って、回路のダ
イナミックレンジを大きくすることができる。
【0031】第12の発明は、ベースバンド信号から変
調によって得られる一定の周波数帯域を持つ原信号を増
幅する電力増幅器であって、増幅の際に発生する歪成分
をうち消すための歪信号が原信号に含まれるように、ベ
ースバンド信号を修正するベースバンド信号修正手段
と、ベースバンド信号変換手段によって修正されたベー
スバンド信号から変調によって原信号を生成する変調手
段と、変調手段によって変調された原信号を入力する信
号入力手段と、信号入力手段から入力された原信号を増
幅する増幅手段と、増幅手段によって増幅された信号を
外部へ出力する信号出力手段と、原信号の包絡線成分と
同じ成分を有する包絡線信号を、ベースバンド信号に基
づいて生成する包絡線信号生成手段と、信号入力手段か
ら信号出力手段までの信号増幅経路に包絡線信号を注入
し、歪成分の非対称性を解消する包絡線信号注入手段と
を備えている。
【0032】上記第12の発明によれば、増幅手段にお
いて発生する歪成分を抑制するための歪補償を、ベース
バンド信号領域において行っている。かかる歪補償の方
法を行う場合においても、本発明を適用することができ
る。また、この場合、変調手段によって変調された後の
原信号については、歪成分に対応する周波数成分が低周
波側と高周波側で等しいレベルになる。従って、包絡線
信号によって歪成分の非対称性を解消することによっ
て、大きな歪抑制効果を得ることができる。
【0033】第13の発明は、周波数が異なる複数の信
号を含んだ原信号を増幅する電力増幅器であって、原信
号を入力する信号入力手段と、信号入力手段から入力さ
れた原信号を増幅する増幅手段と、増幅手段によって増
幅された信号を外部へ出力する信号出力手段と、原信号
の包絡線成分と同じ成分を有する包絡線信号を、当該原
信号に基づいて生成する包絡線信号生成手段と、増幅手
段によって原信号が増幅される際に発生する歪成分をう
ち消すための歪信号を、当該原信号に基づいて生成する
歪信号生成手段と、信号入力手段から信号出力手段まで
の信号増幅経路に歪信号を注入し、歪成分を抑制する歪
信号注入手段と、信号入力手段から歪信号注入手段まで
の歪信号生成経路に包絡線信号を注入し、当該歪信号に
含まれる周波数成分であって歪成分に対応する周波数成
分の非対称性を、当該歪成分における非対称性と一致さ
せる包絡線信号注入手段とを備えている。
【0034】上記第13の発明によれば、歪信号に含ま
れる周波数成分であって歪成分に対応する周波数成分に
おける低周波側の成分と高周波側の成分とのレベル差
を、歪成分における低周波側の成分と高周波側の成分と
のレベル差に等しくなるように、包絡線信号を用いて歪
信号を調整する。以上のように、歪成分のレベル差に応
じた歪信号を用いることによって、大きな歪抑制効果を
得ることができる。
【0035】第14の発明は、周波数が異なる複数の信
号を含んだ原信号を増幅する方法であって、原信号を増
幅する信号増幅ステップと、原信号の包絡線成分と同じ
成分を有する包絡線信号を生成する包絡線信号生成ステ
ップと、原信号を増幅する際に発生する歪成分をうち消
すための歪信号を、当該原信号に基づいて生成する歪信
号生成ステップと、原信号を入力する入力端から信号増
幅ステップにおいて増幅された信号を外部へ出力する出
力端までの信号増幅経路に包絡線信号を注入することに
よって歪成分の非対称性を解消するステップと、信号増
幅経路に歪信号を注入することによって歪成分を抑制す
るステップとを備えている。
【0036】第15の発明は、ベースバンド信号から変
調によって得られる一定の周波数帯域を持つ原信号を増
幅する方法であって、増幅の際に発生する歪成分をうち
消すための歪信号が原信号に含まれるように、ベースバ
ンド信号を修正するベースバンド信号修正ステップと、
ベースバンド信号変換ステップにおいて修正されたベー
スバンド信号から変調によって原信号を生成する変調ス
テップと、変調ステップにおいて変調された原信号を増
幅する信号増幅ステップと、原信号の包絡線成分と同じ
成分を有する包絡線信号を、ベースバンド信号に基づい
て生成する包絡線信号生成ステップと、原信号を入力す
る入力端から信号増幅ステップにおいて増幅された信号
を外部へ出力する出力端までの信号増幅経路に包絡線信
号を注入し、歪成分の非対称性を解消する包絡線信号注
入ステップとを備えている。
【0037】第16の発明は、周波数が異なる複数の信
号を含んだ原信号を増幅する方法であって、原信号を増
幅する信号増幅ステップと、原信号の包絡線成分と同じ
成分を有する包絡線信号を、当該原信号に基づいて生成
する包絡線信号生成ステップと、原信号を増幅する際に
発生する歪成分をうち消すための歪信号を、当該原信号
に基づいて生成する歪信号生成ステップと、原信号を入
力する入力端から信号増幅ステップにおいて増幅された
信号を外部へ出力する出力端までの信号増幅経路に歪信
号を注入し、歪成分を抑制する歪信号注入ステップと、
原信号を入力する入力端から歪信号が注入される歪信号
注入端までの歪信号生成経路に包絡線信号を注入し、当
該歪信号に含まれる周波数成分であって歪成分に対応す
る周波数成分の非対称性を、当該歪成分における非対称
性と一致させる包絡線信号注入ステップとを備えてい
る。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。なお全ての実施形態
および全ての図面において、同様の構成要素に対して
は、同一の符号を付与する。以下、第1〜第4の実施の
形態について説明する。
【0039】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施形態に係る電力増幅器のブロック図である。図
1において、本電力増幅器は、入力端子101と、出力
端子102と、方向性結合器103、115および11
8と、電力分配器104、106および120と、遅延
器105および107と、歪発生素子108と、可変減
衰器109、113、123および125と、可変位相
器110、114、124および126と、電力合成器
111および116と、電力増幅回路117と、包絡線
検波器119と、制御回路122、128および129
と、信号レベル検出器127および129とを備えてい
る。
【0040】歪発生素子108および電力増幅回路11
7は、例えば電界効果型トランジスタ(FET)等のト
ランジスタによって構成される。また、遅延器105お
よび107は、例えばセミリジッドケーブル等の同軸ケ
ーブルによって構成される。制御回路122、128お
よび129は、例えばROM等のメモリ(記憶装置)に
よって構成される。
【0041】歪信号生成回路112は、電力分配器10
6と、遅延器107と、歪発生素子108と、可変減衰
器109と、可変位相器110と、電力合成器111と
によって構成される。歪信号生成回路112は、原信号
に基づいて、歪信号を生成する。ここで、原信号とは、
本電力増幅器で増幅すべきキャリア成分からなる信号で
あり、入力端子101から入力される。歪信号とは、原
信号が増幅される際に発生する歪成分をうち消すための
信号である。歪信号は、電力増幅回路117において発
生する歪成分のみを含んでいる。
【0042】図1において、入力端子101は、方向性
結合器103に接続される。方向性結合器103の出力
の一端は、電力分配器104に接続される。電力分配器
104の出力の一端は、遅延器105を介して電力合成
器116の入力の一端に接続される。一方、電力分配器
104の出力の他端は、電力分配器106に接続され
る。電力分配器106の出力の一端は、遅延器107を
介して電力合成器111の入力の一端に接続される。一
方、電力分配器106の出力の他端は、歪発生素子10
8、可変減衰器109および可変位相器110を介して
電力合成器111の入力の一端に接続される。電力合成
器111は、可変減衰器113、可変位相器114を介
して方向性結合器115に接続される。方向性結合器1
15の出力の一端は、電力合成器116の入力の一端に
接続される。電力合成器116の出力は、電力増幅回路
117および方向性結合器118を介して出力端子10
2に入力される。
【0043】一方、方向性結合器103の出力の他端
は、包絡線検波器119に接続される。包絡線検波器1
19の出力は、電力分配器120に入力される。電力分
配器120の第1の出力端子は、可変減衰器123およ
び可変位相器124を介して歪発生素子108の出力側
に接続される。電力分配器120の第2の出力端子は可
変減衰器125および可変位相器126を介して電力増
幅回路117の出力側に接続される。電力分配器120
の第3の出力端子は制御回路122を介して、可変減衰
器123および125ならびに可変位相器124および
126の制御端子に接続される。
【0044】また、方向性結合器115の出力の他端
は、信号レベル検出器129に接続される。信号レベル
検出器129の出力は、制御回路130を介して可変減
衰器109および可変位相器110の制御端子に入力さ
れる。方向性結合器118の出力の他端は、信号レベル
検出器127に接続される。信号レベル検出器127の
出力は、制御回路128を介して可変減衰器113およ
び可変位相器114の制御端子に入力される。
【0045】以下、本実施形態に係る電力増幅器の動作
を説明する。まず、本電力増幅器の動作の概要を説明す
る。図1に示す電力増幅回路117において原信号を発
生する際に発生する歪成分は、非対称性を有している。
すなわち、電力増幅回路117において原信号を増幅す
る際に発生する歪成分おいては、IM3U成分(原信号
の高周波側で発生する成分)とIM3L成分(原信号の
低周波側で発生する成分)との間で、レベル差が生じて
いる。ここで、かかる非対称性は、原信号の包絡線成分
が要因となって生じるものである。そこで、本電力増幅
器は、原信号の包絡線信号を用いて、電力増幅回路11
7において原信号を発生する際に発生する歪成分の非対
称性を解消する。包絡線信号とは、原信号の包絡線成分
と同じ成分を有する信号である。歪成分が非対称性を有
する要因である包絡線成分を包絡線信号を用いてうち消
すことによって、当該非対称性を解消することができ
る。さらに、本電力増幅器は、非対称性が解消された場
合における歪成分を歪信号を用いて抑制する。歪信号
は、歪信号生成回路112によって生成される信号であ
る。歪信号は、IM3L成分とIM3U成分とのレベル
差が等しくなるように生成される。
【0046】次に、本電力増幅器の動作の詳細を説明す
る。図2は、図1に示す回路の各端子における信号の周
波数スペクトラムを示す図である。なお、ここでは、原
信号として、周波数f1およびf2の2つの正弦波(キ
ャリア)信号が入力端子101に入力された場合を考え
る。この端子を端子aとし(図1参照)、そのスペクト
ラムを図2(a)に示す。入力された原信号は、方向性
結合器103によって2分配される。
【0047】方向性結合器103によって2分配された
一方の出力信号は、電力分配器104によってさらに2
分配される。電力分配器104によって2分配された一
方の出力信号は、増幅器117において増幅される原信
号として用いられる。すなわち、この出力信号は、遅延
器105を介して電力合成器116の入力側の一端に入
力される。この端子を端子bとし、そのスペクトラムを
図2(b)に示す。端子bにおけるスペクトラムは、端
子aのものと同様、キャリア成分(f1およびf2)の
みである。一方、電力分配器104によって2分配され
た他方の出力信号は、上述した歪信号を生成するために
用いられる。すなわち、この出力信号は、歪信号生成回
路112に入力される。歪信号生成回路112における
歪信号の生成動作については、後述する。
【0048】一方、方向性結合器103によって2分配
された他方の出力信号は、上述した包絡線信号を生成す
るために用いられる。当該出力信号は、包絡線検波器1
19で包絡線検波される。すなわち、包絡線検波器11
9は、原信号の包絡線成分(2キャリアの差の周波数成
分)を出力する。ここで、原信号の包絡線成分として包
絡線検波器119から出力される信号が、上述した包絡
線信号である。包絡線信号は、原信号の包絡線成分を示
す信号である。
【0049】包絡線検波器119によって生成された包
絡線信号は、電力分配器120で3分配される。ここ
で、電力分配器120で3分配された包絡線信号を、そ
れぞれ第1、第2および第3の包絡線信号と呼ぶ。第1
の包絡線信号は、可変減衰器123および可変位相器1
24を経由して、歪発生素子108の出力側に注入され
る。また、第2の包絡線信号は、可変減衰器125およ
び可変位相器126を経由して、電力増幅回路117の
出力側に注入される。また、第3の包絡線信号は、信号
レベル検出器121に入力される。信号レベル検出器1
21は、第3の包絡線信号の信号レベルを検出する。制
御回路122は、信号レベル検出器121によって検出
された信号レベルに基づいて、上記第1および第2の包
絡線信号の振幅および位相を制御する。制御回路122
の動作については後述する。
【0050】以下、歪信号生成回路112における歪信
号の生成動作について説明する。なお、歪信号生成回路
112の構成は、歪発生素子108の出力側に包絡線信
号が注入される点を除いて、図16に示す歪信号生成回
路の構成と同様である。歪信号生成回路112に入力さ
れた信号は、電力分配器106でさらに2分配される。
電力分配器106によって2分配された一方の出力信号
は遅延器107を通って電力合成器111の入力の一端
に入力される。この端子を端子cとし、そのスペクトラ
ムを図2(c)に示す。端子cにおけるスペクトラム
は、端子aのものと同様、キャリア成分(f1およびf
2)のみである。一方、電力分配器106の他方の出力
信号は、歪発生素子108に入力される。歪発生素子1
08は、入力された原信号に基づいて、IM3成分(歪
成分)を生成する。ここで、IM3成分の周波数をf3
(低周波側)およびf4(高周波側)とする。すなわ
ち、歪発生素子108の出力側からは、キャリア成分
(f1およびf2)からなる原信号に加えて、歪成分
(f3およびf4)からなる歪信号が出力される。
【0051】ここで、歪発生素子108から出力される
信号には、上述した第1の包絡線信号が注入される。こ
れは、歪発生素子108から出力される信号に含まれる
IM3L成分(周波数f3)とIM3U成分(周波数f
4)とのレベル差を等しくするためである。以下、詳細
を説明する。
【0052】図3は、図1に示す歪発生素子108にお
ける入出力信号のスペクトラムの様子を示す図である。
図3(a)に示すように、包絡線信号を歪発生素子10
8に注入しない場合、歪発生素子108において生成さ
れるIM3成分について、f3とf4との間で約3dB
の差が発生する。この要因は、歪発生素子108に入力
される原信号の包絡線成分である。ここで、歪発生素子
108に包絡線信号を注入することで、包絡線成分を要
因として生じるIM3成分の非対称性を解消することが
できる。また、歪補償素子108に包絡線信号を注入す
ることによって、歪発生素子108において生成される
信号の歪特性、すなわちIM3成分のレベル差が変化す
る。具体的には、注入される包絡線信号の振幅および位
相によって、歪発生素子108において生成される信号
の歪特性が変化する。従って、図3(b)に示すよう
に、所定の振幅および位相を有する包絡線信号を歪発生
素子108に注入することによって、歪発生素子108
で発生するIM3L成分とIM3U成分とのレベルをほ
ぼ等しくすることができ、IM3成分の非対称性を解消
することができる。なお、所定の振幅および位相を有す
る包絡線信号は、歪発生素子108において生成される
信号の包絡線成分と同振幅および逆位相となる信号であ
る。本実施形態においては、制御回路122は、可変減
衰器123および可変位相器124を用いて、第1の包
絡線信号の振幅および位相を調整する。所定の振幅およ
び位相の調整方法の詳細については、後述する。
【0053】歪発生素子108の出力信号は、上述のよ
うに包絡線信号を注入された後、可変減衰器109およ
び可変位相器110によって振幅および位相を調整され
る。振幅および位相を調整された信号は、電力合成器1
11の入力側の一端に入力される。この端子を端子dと
し、そのスペクトラムを図2(d)に示す。なお、端子
dにおけるスペクトラムは、キャリア成分(f1および
f2)と、IM3成分(f3およびf4)とからなる。
電力合成器111は、端子cからの入力と、端子dから
の入力とを合成して出力する。
【0054】ここで、上記可変減衰器109および可変
位相器110は、端子cにおける信号のキャリア成分
(f1およびf2)と、端子dにおける信号のキャリア
成分とが同振幅かつ逆位相となるように、制御回路13
0によって制御される。その結果、電力合成器111の
出力側においてはキャリア成分が抑制され、IM3成分
(f3およびf4)のみが出力される。つまり、電力合
成器111から出力される信号は、歪信号のみである。
以上のように、歪信号生成回路112によって歪信号が
生成される。
【0055】歪信号生成回路112から出力される歪信
号は、可変減衰器113および可変位相器114によっ
て振幅および位相を調整される。なお、可変減衰器11
3および可変位相器114は、原信号を電力増幅回路1
17によって増幅する際に発生するIM3成分であって
包絡線信号により非対称性が解消されたIM3成分と、
同振幅かつ逆位相となるように調整される。歪信号は、
振幅および位相を調整された後、方向性結合器115に
よって2分配される。方向性結合器115によって2分
配された一方の歪信号は、信号レベル検出器129に入
力される。信号レベル検出器129は、入力した歪信号
の信号レベルを検出する。制御回路130は、信号レベ
ル検出器129によって検出された信号レベルに応じた
制御電圧を発生し、可変減衰器109および可変位相器
110を制御する。具体的には、制御回路130は、信
号レベル検出器129によって検出された信号レベルが
できるだけ小さくなるように、可変減衰器109および
可変位相器110を用いて歪発生素子108からの出力
信号の振幅および位相を調整する。これによって、上述
したように、当該出力信号は、そのキャリア成分と端子
cにおける信号のキャリア成分とが同振幅かつ逆位相に
なるように調整されることとなる。
【0056】一方、方向性結合器115によって2分配
された他方の歪信号は、電力合成器116に入力され
る。これによって、原信号に歪信号が注入されることに
なる。なお、この端子を端子eとし、そのスペクトラム
を図2(e)に示す。図2(e)のように、端子eにお
いて歪成分のみを有する歪信号が発生していることがわ
かる。なお、図2(e)におけるスペクトラムについて
は、IM3L成分とIM3U成分とのレベルがほぼ等し
くなっている。電力合成器116に入力された歪信号
は、端子cから入力される原信号と合成され、電力合成
器の端子fから出力される。端子fにおける信号のスペ
クトラムを図2(f)に示す。図2(f)のように、端
子fにおけるスペクトラムは、キャリア成分(f1およ
びf2)と、歪成分(f3およびf4)とからなる。
【0057】電力合成器116によって合成された信号
は、電力増幅回路117に入力される。ここで、上記可
変減衰器113および可変位相器114は、原信号を電
力増幅回路117によって増幅する際に発生するIM3
成分であって包絡線信号により非対称性が解消されたI
M3成分と、同振幅かつ逆位相となるように調整され
る。その結果、電力増幅回路117の出力側において
は、包絡線成分以外の要因によって発生するIM3成分
が抑制される。このように、原信号に歪信号を合成した
信号を電力増幅回路117に入力することによって、包
絡線信号以外の要因によって発生するIM3成分を抑制
することができる。ただし、この段階では、包絡線成分
を要因として生じるIM3成分の非対称性については解
消されていない。
【0058】また、電力増幅回路117から出力される
信号には、前述の第2の包絡線信号が注入される。これ
は、電力増幅回路117において信号を増幅する際に発
生するIM3成分について、包絡線成分が要因となって
生じる非対称性を解消するためである。以下、詳細を説
明する。
【0059】図4は、図1に示す電力増幅回路117に
おける入出力信号のスペクトラムの様子を示す図であ
る。図4(a)に示すように、包絡線信号を電力増幅回
路117に注入しない場合、電力増幅回路117におい
て生成されるIM3成分について、f3とf4との間で
約10dBの差が発生する。この要因は、電力増幅回路
117に入力される原信号の包絡線成分である。ここ
で、電力増幅回路117に包絡線信号を注入することに
よって、包絡線成分を要因として生じるIM3成分の非
対称性を解消することができる。また、電力増幅回路1
17に包絡線信号を注入することによって、電力増幅回
路117において生成される信号の歪特性、すなわちI
M3成分のレベル差が変化する。具体的には、包絡線信
号の振幅および位相によって、電力増幅回路117にお
いて生成される信号の歪特性が変化する。以上より、図
4(b)に示すように、所定の振幅および位相を有する
包絡線信号を電力増幅回路117に注入することによっ
て、包絡線成分を要因として発生する成分を抑制するこ
とができ、電力増幅回路117で発生するIM3成分
(f3およびf4)のレベルをほぼ等しくすることがで
きる。なお、所定の振幅および位相を有する包絡線信号
とは、電力増幅回路117において生成される信号の包
絡線成分と同振幅かつ逆位相となる信号である。本実施
形態においては、制御回路122は、可変減衰器125
および可変位相器126を用いて、第2の包絡線信号の
振幅および位相を調整する。所定の振幅および位相の調
整方法の詳細については、後述する。
【0060】本実施形態においては、上述のように、電
力増幅回路117に入力される信号には、キャリア成分
を有する原信号に加え、IM3成分を有する歪信号が含
まれている(図2(f)参照)。従って、当該歪信号に
よって、電力増幅回路117において信号を増幅する際
に生じるIM3成分の内、包絡線成分以外の要因によっ
て発生する成分(図4(b)のf3およびf4)が抑制
される。さらに、図4(b)に示すように、包絡線信号
によって、IM3成分について、包絡線成分を要因とし
て発生する非対称性が解消される。以上のように、歪信
号および包絡線信号によって、電力増幅回路117にお
いて発生するIM3成分について大きな歪抑制効果を得
ることができる。なお、電力増幅回路117の出力信号
に包絡線信号が注入された後の端子を端子gとし、その
スペクトラムを図2(g)に示す。
【0061】電力増幅回路117の出力信号は、第2の
包絡線信号を注入された後、方向性結合器118で2分
配される。方向性結合器118によって2分配された一
方の出力信号は出力端子102から外部に出力される。
方向性結合器118によって2分配された他方の出力信
号は、信号レベル検出器127に入力される。信号レベ
ル検出器127は、入力した信号のレベルを検出する。
制御回路128は、信号レベル検出器127によって検
出された信号レベルに応じた制御電圧を発生し、可変減
衰器113および可変位相器114を制御する。これ
は、電力増幅回路117の動作点が何らかの理由によっ
て変化した場合、その変化に応じて注入する歪信号を調
整するためである。具体的には、制御回路128は、信
号レベル検出器127によって検出される信号のレベル
に基づいて、当該信号に含まれるIM3成分が最小とな
るように、歪信号を調整する。本実施形態においては、
制御回路128は、信号レベル検出器127によって検
出される信号レベルと、可変減衰器113の減衰量およ
び可変位相器114の位相量の最適値とを対応付けたテ
ーブルを格納しておく。つまり、制御回路128は、電
力増幅回路117の動作点が変化したことを、信号レベ
ル検出器127によって検出される信号レベルによって
検知し、当該信号レベルに応じた振幅および位相となる
ように歪信号を調整する。なお、上記テーブルは、予め
実験やシミュレーションに基づいて作成しておく。以上
によって、電力増幅回路117の動作点(出力電力レベ
ル)が変化した場合でも、その変化に応じて、電力増幅
回路117に入力する歪信号の振幅および位相を最適に
なるように制御することができる。
【0062】次に、制御回路122における制御方法の
詳細について説明する。まず、第1の包絡線信号に関す
る制御、すなわち、可変減衰器123および可変位相器
124の制御について説明する。前述のように、制御回
路122は、信号レベル検出器121によって検出され
た信号レベル(第3の包絡線信号の信号レベル)に基づ
いて、可変減衰器123および可変位相器124を制御
する。具体的には、制御回路122は、包絡線信号の信
号レベルの値と、可変減衰器123の減衰量および可変
位相器124の位相量について設定すべき値とを対応付
けたテーブルを格納しており、当該テーブルに基づい
て、可変減衰器123の減衰量および可変位相器124
の位相量を決定する。当該テーブルは、レベル検出器1
21によって検出される第1の包絡線信号のレベルと、
歪補償素子108から出力された信号におけるIM3成
分中の低周波側成分と高周波側成分との間のレベル差を
最小にするときの当該第1の包絡線信号の振幅および位
相との対応を示す。ここで、上記テーブルは、予め実験
やシミュレーションに基づいて作成される。以下、上記
テーブルの作成方法を詳細に説明する。
【0063】図5は、図1に示す歪発生素子108にお
いて発生する歪と、歪発生素子108に注入される包絡
線信号の位相(注入位相)との関係を示す図である。ま
た、図6は、図1に示す歪発生素子108において発生
する歪と、歪発生素子108に注入される包絡線信号の
レベル(注入レベル)との関係を示す図である。図5に
示すように、歪発生素子108において発生する歪と注
入位相との関係は、IM3L成分(周波数f3)とIM
3U成分(周波数f4)とで異なる特性を有する。ここ
で、IM3L成分の特性とIM3U成分の特性との交点
(点A)の値をとるように注入位相を調整することで、
IM3L成分とIM3U成分とのレベルを等しくするこ
とができる。また、注入レベルを調整する場合も上記と
同様、IM3L成分の特性とIM3U成分の特性との交
点(点B)の値をとるように注入レベルを調整すること
で、IM3L成分とIM3U成分とのレベルを等しくす
ることができる。
【0064】図7は、図1に示す歪発生素子108にお
いて発生する歪と、歪発生素子108に入力される信号
の入力レベルとの関係を示す図である。歪発生素子10
8に入力される信号の入力レベルが変化すると、図5お
よび図6に示すグラフの特性が変化する。そのため、図
7に示すように、歪発生素子108に入力される信号の
入力レベルが変化すれば、歪発生素子108において発
生する歪量も変化する。従って、歪発生素子108に入
力される信号の入力レベルが変化した場合、図5および
図6に示す交点AおよびBの位置も変化する。つまり、
歪発生素子108に入力される信号の入力レベルが変化
した場合、設定すべき注入レベルおよび注入位相の値も
変化する。また、制御回路122は、入力レベルの変化
を包絡線信号のレベルによって検知する。以上より、本
実施形態においては、制御回路122は、包絡線信号の
レベルと設定すべき注入レベルおよび注入位相の値とを
対応付けたテーブルを用いて、注入レベルおよび注入位
相を決定する。なお、当該テーブルは、予め実験やシミ
ュレーションに基づいて作成しておく。
【0065】次に、第2の包絡線信号に関する制御、す
なわち、可変減衰器125および可変位相器126の制
御について説明する。第2の包絡線信号に関する制御に
おいても、図5、図6および図7に示す関係と同様の関
係がある。従って、第2の包絡線信号に関する制御にお
いても、第1の包絡線信号に関する制御の場合と同様、
制御回路122は、包絡線信号のレベルと設定すべき注
入レベルおよび注入位相の値とを対応付けたテーブルを
用いて、注入レベルおよび注入位相を決定する。当該テ
ーブルは、レベル検出器121によって検出される第2
の包絡線信号のレベルと、電力増幅回路117から出力
された信号における歪成分中の低周波側成分と高周波側
成分との間のレベル差を最小にするときの当該第2の包
絡線信号の振幅および位相との対応を示す。この場合、
当該テーブルは、予め実験やシミュレーションに基づい
て作成しておく。
【0066】(第2の実施の形態)以下、本発明の第2
の実施形態について説明する。図8は、本発明の第2の
実施形態に係る電力増幅器のブロック図である。前述の
ように、図8において第1の実施形態と同じ構成要素に
は図1と同一の符号を付与している。また、かかる構成
要素の動作は、第1の実施形態と同様であるので、以下
には第1の実施形態と異なる箇所だけを説明する。
【0067】第1の実施形態と第2の実施形態との相違
点は、第2の実施形態では、方向性結合器118の出力
を、低域通過フィルタ(LPF)142およびレベル検
出器143を介して、制御回路144に入力する構成を
とっている点である。すなわち、第1の実施の形態で
は、方向性結合器118の出力の一方を信号レベル検出
器127に直接入力していた。これに対して、第2の実
施形態では、方向性結合器118の出力の一方を電力分
配器141に入力し、電力分配器141の出力の一方を
信号レベル検出器127に入力している。また、電力分
配器141の他方の出力は、低域通過フィルタ142お
よび信号レベル検出器143を介して制御回路144に
入力される。さらに、制御回路144からの出力は、可
変減衰器125および可変位相器126の制御端子に入
力される構成となっている。なお、信号レベル検出器1
27および制御回路130の動作は、第1の実施の形態
と同様であるので説明を省略する。以下、電力分配器1
41から低域通過フィルタ142へ入力された後の動作
を詳細に説明する。
【0068】低域通過フィルタ142は、電力分配器1
41から出力された信号の内、低周波領域の成分、すな
わち、包絡線成分を抽出する。これによって、電力増幅
回路117で発生する低周波領域の歪成分(包絡線成
分)のみを取り出すことができる。レベル検出器143
は、低域通過フィルタ142によって抽出された包絡線
成分の信号レベルを検出する。検出された信号レベル
は、制御回路144に入力される。制御回路144は、
レベル検出器143によって検出された信号レベルに応
じて制御電圧を発生し、当該制御電圧によって可変減衰
器125および可変位相器126を制御する。具体的に
は、制御回路144は、信号レベル検出器143で検出
される信号レベルが最小となるように、可変減衰器12
5の減衰量および可変位相器126の位相量を調整す
る。以下、制御回路144における減衰量および位相量
の決定処理を説明する。
【0069】まず、制御回路144において減衰量およ
び位相量の初期値を決定する処理を説明する。図9は、
図8に示す制御回路144における減衰量および位相量
の初期値決定処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示す処理は、制御回路144が信号レベル検出器
143から信号レベルを示す情報を最初に入力したこと
により開始される。まず、制御回路144は、電力増幅
回路117に注入される包絡線信号のレベル(注入レベ
ル)および位相(注入位相)を、予め定められた値に設
定する(ステップS1)。ここで、予め定められた値
は、任意の値であってよい。
【0070】ステップS1の次に、制御回路144は、
注入位相を0°から360°まで変化させ、そのときの
包絡線成分のレベル変化を読み取る(ステップS2)。
具体的には、制御回路144は、可変位相器125の位
相値を0°から360°まで変化させ、その際に信号レ
ベル検出器143から入力される信号レベルを記憶して
おく。次に、制御回路144は、ステップS2における
注入位相の変化に伴って、包絡線成分の信号レベルが所
定値以上変化したか否かを判定する(ステップS3)。
具体的には、制御回路144は、ステップS2において
記憶しておいた信号レベルの内、最大値と最小値との差
を算出する。算出された値が予め定められた所定値以上
であれば、包絡線成分の信号レベルが所定値以上変化し
たと判定される。逆に、算出された値が予め定められた
所定値未満であれば、包絡線成分の信号レベルが所定値
以上変化しなかったと判定される。ここで、所定値は、
予め定められている。当該所定値をどのような値に設定
すべきかについては後述する。以上のステップS2およ
びS3の処理によって、注入レベルが適切な値であるか
否かを判定することができる。以下、詳細を説明する。
【0071】図10は、図8に示す電力増幅回路117
において発生する包絡線成分のレベルと、電力増幅回路
117に注入される包絡線信号の位相(注入位相)との
関係を示す図である。また、図11は、図8に示す電力
増幅回路117において発生するIM3成分のレベル
と、電力増幅回路117に注入される注入位相との関係
を示す図である。上述のステップS2では、図10に示
す特性における包絡線成分レベルの最小値および最大値
を読み取り、ステップS3では、包絡線成分レベルの変
化幅、すなわち、最大値と最小値との差が所定値以上で
あるか否かを判定する。ここで、図10に示す包絡線成
分レベルの変化幅を検出することによって、図11に示
すIM3成分レベルの変化幅を算出することができる。
また、図10および図11に示す特性は、包絡線信号の
注入レベルによって変化する。すなわち、包絡線信号の
注入レベルを上げると、包絡線成分レベルおよびIM3
成分レベルの変化幅が大きくなる。また、包絡線信号の
注入レベルを下げると、包絡線成分レベルおよびIM3
成分レベルの変化幅が小さくなる。
【0072】ここで、図11に示す特性においては、I
M3成分レベルの変化幅が小さい場合、IM3L成分
(周波数f3)の特性を示す曲線と、IM3U成分(周
波数f4)の特性を示す曲線との交点がなくなってしま
う。図12は、IM3成分レベルの変化幅が小さい場合
における、図11の特性を示す図である。図11に示す
特性は、IM3成分レベルの変化幅が小さくなると、図
12のように交点がなくなってしまう。図12の場合、
注入位相をどのように動かしても、IM3L成分とIM
3U成分とのレベル差が等しくなることがない。つま
り、IM3成分レベルの変化幅が小さい場合、制御回路
144は、IM3L成分とIM3U成分とのレベル差が
等しくなるような適切な値に注入位相を決定することが
できない。従って、この場合、制御回路144は、IM
3成分レベルの変化幅が小さすぎる、すなわち、注入レ
ベルが小さすぎると判定すべきである。上述のように、
IM3成分レベルの変化幅は、包絡線成分レベルの変化
幅から得ることができるので、制御回路144は、注入
レベルが小さすぎることを、包絡線成分レベルの変化幅
によって判定する。以上より、制御回路144は、包絡
線成分レベルの変化幅が所定値以下である場合、注入レ
ベルが低すぎると判定する。ここで、所定値は、IM3
L成分とIM3U成分との特性が交点をもつような、包
絡線成分レベルの変化幅に設定される。当該所定値は、
予め実験等によって算出される。
【0073】図9の説明に戻り、ステップ3の判定結果
が否定の場合、制御回路144は、注入レベルを上げる
(ステップS4)。具体的には、制御回路144は、注
入レベルを例えば1dB上げるように可変減衰器125
を制御する。ステップS4の後、制御回路144は、ス
テップS2の処理を行い、注入レベルが適切な値と判定
されるまで、ステップS2からS4までの一連の処理を
繰り返す。
【0074】一方、ステップ3の判定結果が肯定の場
合、制御回路144は、包絡線信号の注入位相を決定す
る(ステップS5)。ここで、図10および図11にお
いて、包絡線成分のレベルが最小となる場合における注
入位相の値θは、IM3L成分とIM3U成分とのレベ
ルが等しくなる場合の注入位相の値と等しくなる。これ
は、電力増幅回路117に入力される信号の包絡線成分
が、電力増幅回路117において発生するIM3L成分
とIM3U成分とのレベル差を生じさせる要因となるた
めである。従って、制御回路144は、包絡線成分レベ
ルが最小となる値(図10の場合はθ)に注入位相を決
定することによって、IM3L成分とIM3U成分との
レベルが等しくすることができる。
【0075】注入位相の決定後、制御回路144は、包
絡線信号の注入レベルを決定する(ステップS6)。具
体的には、制御回路144は、可変減衰器125を用い
て注入レベルのみを変化させ、その際に信号レベル検出
器143から入力される信号レベルを検出する。そし
て、検出される信号レベルが最小となる場合の値に注入
レベルを決定する。最後に、制御回路144は、微調整
を行い(ステップS7)、処理を終了する。微調整を行
う理由は、ステップS6において注入レベルを変化させ
たことによって、注入位相の最適な値が変化している可
能性があるためである。このように、ステップS5およ
びステップS6において決定された値の周辺で注入位相
および注入レベルを再度変化させることによって、より
正確な最適値を算出することができる。以上ステップS
1〜S7の処理によって、制御回路144は、可変減衰
器125の減衰量および可変位相器126の位相量の初
期値を決定する。
【0076】初期値決定後においては、制御回路144
は、電力増幅回路117の出力電力の変動に応じて、可
変減衰器125および可変位相器126を制御する。具
体的には、電力増幅器の117の出力電力が変動したこ
とを検知した場合、制御回路144は、まず注入レベ
ル、すなわち、可変減衰器125の減衰量を変動させ
る。レベル検出器143によって検出される信号レベル
が変動に応じて変化するので、制御回路144は、当該
信号レベルが最小となる値に注入レベルを決定する。次
に、制御回路144は、注入位相、すなわち、可変位相
器126の位相量を変動させて、レベル検出器143に
よって検出される信号レベルが最小となる値に注入位相
を決定する。
【0077】以上のように、本実施形態においては、電
力増幅回路117の出力端子に注入する包絡線信号の振
幅および位相を、電力増幅回路117の出力信号に基づ
いて調整する。これによって、本実施形態に係る電力増
幅器では、電力増幅回路117の出力端子に注入する包
絡線信号をリアルタイムで制御することができる。ま
た、本電力増幅器は、可変減衰器125および可変位相
器126を入力レベルに応じて制御するためのテーブル
を必要としない。その結果、制御速度が速くなり、高価
なメモリや大規模な記憶回路を省略することができる。
【0078】なお、上記第2の実施形態においては、図
9に示すフローチャートの処理に従って、注入レベルお
よび注入位相の初期値が決定された。ここで、他の実施
形態においては、予め作成したテーブルを用いて初期値
を決定してもよい。具体的には、電力増幅回路117に
おいて発生する包絡線成分を各入力レベルごとに予め測
定しておき、測定結果に基づいて入力レベルと可変減衰
器125の減衰量および可変位相器126の位相量との
対応を示すテーブルを作成しておく。作成したテーブル
を制御回路144に記憶させておき、初期値決定の際に
は当該テーブルを用いる。以上の方法で、初期値を決定
してもよい。
【0079】(第3の実施の形態)以下、本発明の第3
の実施形態について説明する。図13は、本発明の第3
の実施形態に係る電力増幅器のブロック図である。前述
のように、図13において第1の実施形態と同じ構成要
素には図1と同一の符号を付与している。また、かかる
構成要素の動作は、第1の実施形態と同様であるので、
以下には第1の実施形態と異なる箇所だけを説明する。
【0080】第1の実施形態と第3の実施形態との相違
点は、第3の実施形態では、包絡線信号をベースバンド
信号から生成している点である。すなわち、第1の実施
形態では、入力端子101から入力された高周波の信号
に基づいて、包絡線検波器119によって包絡線信号を
生成していた。これに対して、第3の実施形態では、原
信号の包絡線成分をベースバンド信号から直接生成する
構成にしたものである。
【0081】ベースバンド信号生成部151は、ベース
バンド信号であるI信号およびQ信号(IQ信号)を生
成して出力する。出力されたIQ信号は2分配され、一
方が変調部152に、他方が包絡線生成回路153に入
力される。変調部152に入力されたIQ信号は直交変
調され、変調信号に変換される。本実施形態における変
調部152の出力端子は、第1および第2の実施形態に
おける方向性結合器103の一方の出力端子に相当す
る。従って、本実施形態においては、上記変調信号が原
信号となり、電力増幅回路117によって増幅される。
一方、包絡線生成回路153に入力されたIQ信号は、
変調部152の出力信号である原信号の包絡線成分を示
す包絡線信号に変換される。本実施形態における包絡線
生成回路153の出力端子は、第1、第2の実施の形態
における包絡線検波器119の出力端子に相当する。変
調部152の出力、および、包絡線生成回路153の出
力以降の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0082】以上のように、本実施形態では、変調信号
(原信号)に変調される前のベースバンド信号から包絡
線信号を生成する。この場合、原信号から生成する場合
に比べて、あらゆる入力レベルに対して包絡線信号を正
確に生成することができる。その結果、回路のダイナミ
ックレンジを大きくすることができる。
【0083】なお、本実施形態では第1の実施形態と同
様、入力信号から生成される包絡線信号を用いて可変減
衰器125および可変位相器126の制御を行った。こ
こで、他の実施形態においては、第2の実施形態のよう
に、方向性結合器118から出力される信号の包絡線成
分を用いて、可変減衰器125および可変位相器126
を制御することも可能である。この場合、第2の実施形
態と同様の効果が得られる。
【0084】(第4の実施の形態)以下、本発明の第4
の実施形態について説明する。図14は、本発明の第4
の実施形態に係る電力増幅器のブロック図である。前述
のように、図14において第1または第3の実施形態と
同じ構成要素には図1または図13と同一の符号を付与
している。また、かかる構成要素の動作は、第1または
第3の実施形態と同様であるので、以下には第1または
第3の実施形態と異なる箇所だけを説明する。
【0085】第4の実施形態と第1から第3の実施形態
との相違点は、ベースバンド信号領域で歪抑制を行う点
である。すなわち、第1から第3の実施形態において
は、歪信号生成回路112を用いて歪信号を生成し、当
該歪信号を電力増幅回路117に入力される信号に注入
することによって高周波信号領域において歪抑制を行っ
た。これに対して、本実施形態においては、方向性結合
器118からの出力を復調してIQ信号を生成し、当該
IQ信号をベースバンド信号修正回路161に注入する
ことによってベースバンド信号領域で歪抑制を行う。な
お、電力増幅回路117において発生するIM3成分の
内、包絡線成分に起因する成分を抑制するために包絡線
信号を用いる点については、他の実施形態と同様であ
る。
【0086】本実施形態に係る電力増幅器においては、
ベースバンド信号生成部151から出力されたIQ信号
は2分配され、一方がベースバンド信号修正回路161
に、他方が包絡線生成回路153に入力される。包絡線
生成回路153に入力されたIQ信号は、変調部152
から出力される信号の包絡線成分を示す包絡線信号に変
換される。以降の動作は、第1の実施形態と同様であ
る。
【0087】一方、ベースバンド信号修正回路161に
入力されたIQ信号は、変調部152において原信号に
変換される際に歪を発生するように修正される。つま
り、ベースバンド信号修正回路161は、電力増幅回路
117における増幅の際に発生する歪成分をうち消すた
めの歪信号が原信号に含まれるように、入力したIQ信
号を修正する。ここで、ベースバンド信号修正回路16
1によって修正されたIQ信号を、歪んだIQ信号と呼
ぶ。変調部152は、歪んだIQ信号を直交変調し、変
調信号である原信号を出力する。図15は、図14に示
す変調部152の入出力関係を示す図である。図15の
ように、変調部152に歪んだIQ信号を入力した場
合、出力される原信号のスペクトルにはIM3成分(f
3およびf4)が含まれている。ここで、図15に示す
IM3L成分とIM3U成分とのレベル差は、必ず等し
くなる。また、変調部152において発生する歪成分
は、当該歪成分を含まない信号が電力増幅回路117に
よって増幅された際に発生する歪成分と、同振幅かつ逆
位相になるように生成される。このように、変調部15
2から出力される信号は、第1の実施形態における電力
合成器116から出力される信号と同様である。すなわ
ち、変調部152から出力される信号は、ベースバンド
信号生成部151で生成されるベースバンド信号から得
られる原信号と、第1の実施形態における歪信号とを合
成した信号である。ベースバンド信号修正回路161
は、上記原信号と歪信号とを合成した信号が変調部15
2で発生するように、IQ信号を変換するものである。
【0088】変調部152によって変調された原信号
は、電力増幅回路117によって増幅される。電力増幅
回路117からの出力信号には、包絡線信号が注入され
る。これによって、出力信号に含まれるIM3成分のレ
ベル差が抑制される。包絡線信号が注入された後の当該
出力信号の一部は、方向性結合器118によって抽出さ
れ、復調部162に入力される。復調部162は、電力
増幅回路117の出力をIQ信号に復調する。ベースバ
ンド信号修正回路161は、復調されたIQ信号と、ベ
ースバンド信号生成部から入力されたIQ信号とを比較
し、比較の結果によって出力すべきIQ信号を変更す
る。
【0089】以上のように、電力増幅回路117で発生
するIM3成分の内、包絡線成分に起因する成分以外の
成分をベースバンド領域で抑制することも可能である。
なお、この場合、変調部152から出力される信号のI
M3L成分とIM3U成分とのレベル差は必ず等しくな
る。従って、第1から第3の実施形態のように、歪発生
素子108に包絡線信号を注入する構成は不要である。
第4の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様
の効果を得ることができる。
【0090】なお、本実施形態では第1の実施形態と同
様、入力信号から生成される包絡線信号を用いて可変減
衰器125および可変位相器126の制御を行った。こ
こで、他の実施形態においては、第2の実施形態のよう
に、方向性結合器118から出力される信号の包絡線成
分を用いて、可変減衰器125および可変位相器126
を制御することも可能である。この場合、第2の実施形
態と同様の効果が得られる。
【0091】以上のように、上記第1から第4の実施形
態によれば、電力増幅回路117に包絡線信号を注入す
ることによって、原信号の包絡線成分が要因となって発
生するIM3成分を抑制する。従って、電力増幅回路1
17において発生するIM3成分における、IM3L成
分とIM3U成分との間のレベル差をなくすことができ
る。このように、IM3L成分とIM3U成分との間の
レベル差をなくした上で、歪信号を用いて歪補償を行う
ことによって、IM3L成分およびIM3U成分の双方
に対して大きな歪抑制量を実現することができる。
【0092】さらに、第1から第3の実施形態において
は、歪発生素子108に包絡線信号を注入することによ
って、歪信号におけるIM3L成分とIM3U成分との
レベルを等しくしている。これによって、歪発生素子1
08から出力される信号における、IM3L成分とIM
3U成分との間のレベル差をなくすことができる。それ
ゆえ、歪信号生成回路112において、IM3L成分と
IM3U成分との間のレベル差がほとんどない歪信号を
生成することができ、歪信号についてIM3成分の非対
称性を解消することができる。上述のように、本実施形
態においては、電力増幅回路117に包絡線信号を注入
することによって、原信号の包絡線成分が要因となって
発生するIM3成分を抑制している。従って、歪信号を
注入することによって抑制すべきIM3成分について
は、IM3L成分とIM3U成分との間のレベル差がほ
とんどないものと考えられる。以上より、歪信号のIM
3L成分とIM3U成分との間のレベル差を等しくする
ことによって、より大きな歪抑制効果を得ることができ
る。
【0093】なお、上記第1から第3の実施形態では、
歪発生素子108および電力増幅回路117の両方に包
絡線信号を注入したが、歪発生素子108で発生するI
M3L成分とIM3U成分とのレベル差が小さい場合、
電力増幅回路117のみに包絡線信号を注入する構成と
してもよい。
【0094】また、歪発生素子108のみに包絡線信号
を注入する構成としてもよい。図5に示すように、注入
レベルおよび注入位相を制御することによって、歪発生
素子108から出力される信号のIM3L成分とIM3
U成分とのレベル差を自由に調整することが可能であ
る。従って、包絡線信号を注入することによって、歪信
号に含まれる周波数成分であって電力増幅回路117に
おいて発生する歪成分に対応する周波数成分の非対称性
を、当該歪成分における非対称性と一致させることが可
能である。すなわち、電力増幅回路117において発生
するIM3L成分とIM3U成分とのレベル差と等しい
レベル差を有するように、歪発生素子108の出力信号
を調整することが可能である。具体的には、歪発生素子
108において、電力増幅回路117において発生する
IM3U成分およびIM3L成分のそれぞれと、同振幅
かつ逆位相の成分を含む信号を生成することによって、
電力増幅回路117において発生するIM3U成分およ
びIM3L成分のそれぞれを抑制することが可能であ
る。上記第1から第3の実施形態においては、歪発生素
子108から出力される信号のIM3成分の非対称性を
解消するために、歪発生素子108に包絡線信号を注入
したが、上記のように、歪発生素子108から出力され
る信号のIM3成分の非対称性を、電力増幅回路117
から出力される信号のIM3成分の非対称性と一致させ
るために、歪発生素子108に包絡線信号を注入しても
よい。
【0095】なお、上記第1から第4の実施形態では、
包絡線信号を歪発生素子108と電力増幅回路117と
の出力端子に注入した。ここで、上記実施形態において
電力増幅器117の出力端子に注入されている包絡線信
号は、原信号を入力してから電力増幅器117によって
増幅された信号を外部へ出力するまでの信号増幅経路に
注入するものであれば、どこに注入されてもよい。例え
ば、他の実施形態においては、包絡線信号を電力増幅器
117の入力端子、あるいは入力側または出力側の電源
供給端子に注入することも可能である。なお、電力分配
器104および遅延器105は、注入箇所より前に構成
される必要があり、方向性結合器118は、注入箇所よ
り後に構成される必要がある。また、上記実施形態にお
いて歪発生素子108の出力端子に注入されている包絡
線信号は、原信号を入力してから歪発生素子108によ
って生成された信号を電力増幅器117へ注入するまで
の歪信号生成経路に注入するものであれば、どこに注入
されてもよい。例えば、他の実施形態においては、包絡
線信号を歪補償素子108の入力端子、あるいは入力側
または出力側の電源供給端子に注入することも可能であ
る。なお、電力分配器106は、注入箇所より前に構成
される必要があり、方向性結合器115は、注入箇所よ
り後に構成される必要がある。上記の場合も本実施形態
の場合と同様の効果が得られる。なお、歪発生素子10
8へ包絡線信号を注入する端子と、電力増幅回路117
へ包絡線信号を注入する端子とは同一である必要はな
い。
【0096】また、上記第1から第3の実施形態では、
方向性結合器115の出力信号のみが信号レベル検出器
129に入力される構成であった。ここで、他の実施形
態においては、方向性結合器115の出力信号に加え、
方向性結合器118の出力信号を信号レベル検出器12
9に入力することも可能である。その場合も本実施形態
の場合と同様の効果が得られる。
【0097】また、上記第1から第3の実施形態におい
ては、信号レベル検出器127において信号全体のレベ
ルを検出した。さらに、制御回路128において、予め
作成されたテーブルを用いて、可変減衰器113の減衰
量および可変位相器114の位相量を決定した。ここ
で、他の実施形態においては、信号レベル検出器127
において信号のIM3成分のレベルを検出し、制御回路
128においてIM3成分のレベルができるだけ小さく
なるように可変減衰器113および可変位相器114を
制御するようにしてもよい。例えば、制御回路128
は、可変減衰器113の減衰量を増加方向に変化させ、
信号レベル検出器127によって検出されるIM3成分
のレベルが大きくなれば、当該減衰量を減少方向に変化
させる。逆に、信号レベル検出器127によって検出さ
れるIM3成分のレベルが小さくなれば、当該減衰量を
増加方向に変化させる。以上の処理を繰り返すことによ
って、制御回路128は、IM3成分のレベルができる
だけ小さくなるように制御することができる。なお、上
記した制御方法は、制御回路130においても用いるこ
とができる。
【0098】なお、上記第1から第4の実施形態では、
歪発生素子108および電力増幅回路117にFETを
用いたが、両者にバイポーラトランジスタを用いること
も可能である。また歪発生素子108はダイオードを用
いて構成することも可能である。以上の場合でも本実施
形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態では、
遅延器104および106にセミリジッドケーブル等の
同軸ケーブルを用いたが、これらを例えばマイクロスト
リップ線路等、他の伝送線路を用いて構成することも可
能である。また、遅延器104および106として、遅
延フィルタを用いることも可能である。また、本実施形
態で用いたような、伝播遅延時間が固定された遅延器に
限らず、例えば可変遅延フィルタのように遅延時間を変
化させることができる遅延器を用いることも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電力増幅器のブ
ロック図である。
【図2】図1に示す回路の各端子における信号の周波数
スペクトラムを示す図である。
【図3】図1に示す歪発生素子108における入出力信
号のスペクトラムの様子を示す図である。
【図4】図1に示す電力増幅回路117における入出力
信号のスペクトラムの様子を示す図である。
【図5】図1に示す歪発生素子108において発生する
歪と、歪発生素子108に注入される包絡線信号の位相
(注入位相)との関係を示す図である。
【図6】図1に示す歪発生素子108において発生する
歪と、歪発生素子108に注入される包絡線信号のレベ
ル(注入レベル)との関係を示す図である。
【図7】図1に示す歪発生素子108において発生する
歪と、歪発生素子108に入力される信号の入力レベル
との関係を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る電力増幅器のブ
ロック図である。
【図9】図8に示す制御回路144における減衰量およ
び位相量の初期値決定処理の流れを示すフローチャート
である。
【図10】図8に示す電力増幅回路117において発生
する包絡線成分のレベルと、電力増幅回路117に注入
される包絡線信号の位相(注入位相)との関係を示す図
である。
【図11】図8に示す電力増幅回路117において発生
するIM3成分のレベルと、電力増幅回路117に注入
される注入位相との関係を示す図である。
【図12】IM3成分レベルの変化幅が小さい場合にお
ける、図11の特性を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る電力増幅器の
ブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る電力増幅器の
ブロック図である。
【図15】図14に示す変調部152の入出力関係を示
す図である。
【図16】従来の電力増幅器の構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
101 入力端子 102 出力端子 103、115、118 方向性結合器 104、106、120、141 電力分配器 105、107 遅延器 108 歪発生素子 109、113、123、125 可変減衰器 110、114、124、126 可変位相器 111、116 電力合成器 112 歪信号生成回路 117 電力増幅回路 119 包絡線検波器 122、128、129、144 制御回路 127、129、143 信号レベル検出器 142 低域通過フィルタ(LPF) 151 ベースバンド信号生成部 152 変調部 153 包絡線生成回路 161 ベースバンド信号修正回路 162 復調部
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月8日(2002.8.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】上記のように構成されたプリディストーシ
ョン歪補償付き増幅器において、入力端子601から入
力されたキャリア信号は、電力分配器603によって2
分配される。2分配された一方のキャリア信号に基づい
て、歪発生回路605は歪信号を発生させる。この歪信
号は、可変減衰器606および可変位相器607によっ
て振幅および位相が調整され、電力合成器608に入力
される。一方、電力分配器603によって2分配された
他方のキャリア信号は、遅延器604によって遅延され
た後、電力合成器608に入力される。電力合成器60
8は、振幅および位相が調整された歪信号と遅延された
キャリア信号とを合成して電力増幅回路609へ出力す
る。電力合成器608から出力された信号は、電力増幅
回路609によって増幅され、出力端子602から外部
へ出力される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施形態に係る電力増幅器のブロック図である。図
1において、本電力増幅器は、入力端子101と、出力
端子102と、方向性結合器103、115および11
8と、電力分配器104、106および120と、遅延
器105および107と、歪発生素子108と、可変減
衰器109、113、123および125と、可変位相
器110、114、124および126と、電力合成器
111および116と、電力増幅回路117と、包絡線
検波器119と、制御回路122、128および130
と、信号レベル検出器127および129とを備えてい
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】歪発生素子108および電力増幅回路11
7は、例えば電界効果型トランジスタ(FET)等のト
ランジスタによって構成される。また、遅延器105お
よび107は、例えばセミリジッドケーブル等の同軸ケ
ーブルによって構成される。制御回路122、128お
よび130は、例えばROM等のメモリ(記憶装置)に
よって構成される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】方向性結合器103によって2分配された
一方の出力信号は、電力分配器104によってさらに2
分配される。電力分配器104によって2分配された一
方の出力信号は、電力増幅回路117において増幅され
る原信号として用いられる。すなわち、この出力信号
は、遅延器105を介して電力合成器116の入力側の
一端に入力される。この端子を端子bとし、そのスペク
トラムを図2(b)に示す。端子bにおけるスペクトラ
ムは、端子aのものと同様、キャリア成分(f1および
f2)のみである。一方、電力分配器104によって2
分配された他方の出力信号は、上述した歪信号を生成す
るために用いられる。すなわち、この出力信号は、歪信
号生成回路112に入力される。歪信号生成回路112
における歪信号の生成動作については、後述する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】図3は、図1に示す歪発生素子108にお
ける入出力信号のスペクトラムの様子を示す図である。
図3(a)に示すように、包絡線信号を歪発生素子10
8に注入しない場合、歪発生素子108において生成さ
れるIM3成分について、f3とf4との間で約3dB
の差が発生する。この要因は、歪発生素子108に入力
される原信号の包絡線成分である。ここで、歪発生素子
108に包絡線信号を注入することで、包絡線成分を要
因として生じるIM3成分の非対称性を解消することが
できる。また、歪発生素子108に包絡線信号を注入す
ることによって、歪発生素子108において生成される
信号の歪特性、すなわちIM3成分のレベル差が変化す
る。具体的には、注入される包絡線信号の振幅および位
相によって、歪発生素子108において生成される信号
の歪特性が変化する。従って、図3(b)に示すよう
に、所定の振幅および位相を有する包絡線信号を歪発生
素子108に注入することによって、歪発生素子108
で発生するIM3L成分とIM3U成分とのレベルをほ
ぼ等しくすることができ、IM3成分の非対称性を解消
することができる。なお、所定の振幅および位相を有す
る包絡線信号は、歪発生素子108において生成される
信号の包絡線成分と同振幅および逆位相となる信号であ
る。本実施形態においては、制御回路122は、可変減
衰器123および可変位相器124を用いて、第1の包
絡線信号の振幅および位相を調整する。所定の振幅およ
び位相の調整方法の詳細については、後述する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】次に、制御回路122における制御方法の
詳細について説明する。まず、第1の包絡線信号に関す
る制御、すなわち、可変減衰器123および可変位相器
124の制御について説明する。前述のように、制御回
路122は、信号レベル検出器121によって検出され
た信号レベル(第3の包絡線信号の信号レベル)に基づ
いて、可変減衰器123および可変位相器124を制御
する。具体的には、制御回路122は、包絡線信号の信
号レベルの値と、可変減衰器123の減衰量および可変
位相器124の位相量について設定すべき値とを対応付
けたテーブルを格納しており、当該テーブルに基づい
て、可変減衰器123の減衰量および可変位相器124
の位相量を決定する。当該テーブルは、信号レベル検出
器121によって検出される第1の包絡線信号のレベル
と、歪発生素子108から出力された信号におけるIM
3成分中の低周波側成分と高周波側成分との間のレベル
差を最小にするときの当該第1の包絡線信号の振幅およ
び位相との対応を示す。ここで、上記テーブルは、予め
実験やシミュレーションに基づいて作成される。以下、
上記テーブルの作成方法を詳細に説明する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】次に、第2の包絡線信号に関する制御、す
なわち、可変減衰器125および可変位相器126の制
御について説明する。第2の包絡線信号に関する制御に
おいても、図5、図6および図7に示す関係と同様の関
係がある。従って、第2の包絡線信号に関する制御にお
いても、第1の包絡線信号に関する制御の場合と同様、
制御回路122は、包絡線信号のレベルと設定すべき注
入レベルおよび注入位相の値とを対応付けたテーブルを
用いて、注入レベルおよび注入位相を決定する。当該テ
ーブルは、信号レベル検出器121によって検出される
第2の包絡線信号のレベルと、電力増幅回路117から
出力された信号における歪成分中の低周波側成分と高周
波側成分との間のレベル差を最小にするときの当該第2
の包絡線信号の振幅および位相との対応を示す。この場
合、当該テーブルは、予め実験やシミュレーションに基
づいて作成しておく。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】第1の実施形態と第2の実施形態との相違
点は、第2の実施形態では、方向性結合器118の出力
を、低域通過フィルタ(LPF)142および信号レベ
ル検出器143を介して、制御回路144に入力する構
成をとっている点である。すなわち、第1の実施の形態
では、方向性結合器118の出力の一方を信号レベル検
出器127に直接入力していた。これに対して、第2の
実施形態では、方向性結合器118の出力の一方を電力
分配器141に入力し、電力分配器141の出力の一方
を信号レベル検出器127に入力している。また、電力
分配器141の他方の出力は、低域通過フィルタ142
および信号レベル検出器143を介して制御回路144
に入力される。さらに、制御回路144からの出力は、
可変減衰器125および可変位相器126の制御端子に
入力される構成となっている。なお、信号レベル検出器
127および制御回路130の動作は、第1の実施の形
態と同様であるので説明を省略する。以下、電力分配器
141から低域通過フィルタ142へ入力された後の動
作を詳細に説明する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】低域通過フィルタ142は、電力分配器1
41から出力された信号の内、低周波領域の成分、すな
わち、包絡線成分を抽出する。これによって、電力増幅
回路117で発生する低周波領域の歪成分(包絡線成
分)のみを取り出すことができる。信号レベル検出器1
43は、低域通過フィルタ142によって抽出された包
絡線成分の信号レベルを検出する。検出された信号レベ
ルは、制御回路144に入力される。制御回路144
は、信号レベル検出器143によって検出された信号レ
ベルに応じて制御電圧を発生し、当該制御電圧によって
可変減衰器125および可変位相器126を制御する。
具体的には、制御回路144は、信号レベル検出器14
3で検出される信号レベルが最小となるように、可変減
衰器125の減衰量および可変位相器126の位相量を
調整する。以下、制御回路144における減衰量および
位相量の決定処理を説明する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】ステップS1の次に、制御回路144は、
注入位相を0°から360°まで変化させ、そのときの
包絡線成分のレベル変化を読み取る(ステップS2)。
具体的には、制御回路144は、可変位相器12の位
相値を0°から360°まで変化させ、その際に信号レ
ベル検出器143から入力される信号レベルを記憶して
おく。次に、制御回路144は、ステップS2における
注入位相の変化に伴って、包絡線成分の信号レベルが所
定値以上変化したか否かを判定する(ステップS3)。
具体的には、制御回路144は、ステップS2において
記憶しておいた信号レベルの内、最大値と最小値との差
を算出する。算出された値が予め定められた所定値以上
であれば、包絡線成分の信号レベルが所定値以上変化し
たと判定される。逆に、算出された値が予め定められた
所定値未満であれば、包絡線成分の信号レベルが所定値
以上変化しなかったと判定される。ここで、所定値は、
予め定められている。当該所定値をどのような値に設定
すべきかについては後述する。以上のステップS2およ
びS3の処理によって、注入レベルが適切な値であるか
否かを判定することができる。以下、詳細を説明する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】初期値決定後においては、制御回路144
は、電力増幅回路117の出力電力の変動に応じて、可
変減衰器125および可変位相器126を制御する。具
体的には、電力増幅器の117の出力電力が変動したこ
とを検知した場合、制御回路144は、まず注入レベ
ル、すなわち、可変減衰器125の減衰量を変動させ
る。信号レベル検出器143によって検出される信号レ
ベルが変動に応じて変化するので、制御回路144は、
当該信号レベルが最小となる値に注入レベルを決定す
る。次に、制御回路144は、注入位相、すなわち、可
変位相器126の位相量を変動させて、信号レベル検出
器143によって検出される信号レベルが最小となる値
に注入位相を決定する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正内容】
【0095】なお、上記第1から第4の実施形態では、
包絡線信号を歪発生素子108と電力増幅回路117と
の出力端子に注入した。ここで、上記実施形態において
電力増幅回路117の出力端子に注入されている包絡線
信号は、原信号を入力してから電力増幅回路117によ
って増幅された信号を外部へ出力するまでの信号増幅経
路に注入するものであれば、どこに注入されてもよい。
例えば、他の実施形態においては、包絡線信号を電力増
回路117の入力端子、あるいは入力側または出力側
の電源供給端子に注入することも可能である。なお、電
力分配器104および遅延器105は、注入箇所より前
に構成される必要があり、方向性結合器118は、注入
箇所より後に構成される必要がある。また、上記実施形
態において歪発生素子108の出力端子に注入されてい
る包絡線信号は、原信号を入力してから歪発生素子10
8によって生成された信号を電力増幅回路117へ注入
するまでの歪信号生成経路に注入するものであれば、ど
こに注入されてもよい。例えば、他の実施形態において
は、包絡線信号を歪発生素子108の入力端子、あるい
は入力側または出力側の電源供給端子に注入することも
可能である。なお、電力分配器106は、注入箇所より
前に構成される必要があり、方向性結合器115は、注
入箇所より後に構成される必要がある。上記の場合も本
実施形態の場合と同様の効果が得られる。なお、歪発生
素子108へ包絡線信号を注入する端子と、電力増幅回
路117へ包絡線信号を注入する端子とは同一である必
要はない。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正内容】
【0098】なお、上記第1から第4の実施形態では、
歪発生素子108および電力増幅回路117にFETを
用いたが、両者にバイポーラトランジスタを用いること
も可能である。また歪発生素子108はダイオードを用
いて構成することも可能である。以上の場合でも本実施
形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態では、
遅延器10および10にセミリジッドケーブル等の
同軸ケーブルを用いたが、これらを例えばマイクロスト
リップ線路等、他の伝送線路を用いて構成することも可
能である。また、遅延器10および10として、遅
延フィルタを用いることも可能である。また、本実施形
態で用いたような、伝播遅延時間が固定された遅延器に
限らず、例えば可変遅延フィルタのように遅延時間を変
化させることができる遅延器を用いることも可能であ
る。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 101 入力端子 102 出力端子 103、115、118 方向性結合器 104、106、120、141 電力分配器 105、107 遅延器 108 歪発生素子 109、113、123、125 可変減衰器 110、114、124、126 可変位相器 111、116 電力合成器 112 歪信号生成回路 117 電力増幅回路 119 包絡線検波器 122、128、130、144 制御回路121、 127、129、143 信号レベル検出器 142 低域通過フィルタ(LPF) 151 ベースバンド信号生成部 152 変調部 153 包絡線生成回路 161 ベースバンド信号修正回路 162 復調部
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 誠司 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 5J090 AA04 AA41 CA27 FA07 GN03 GN04 GN07 HA26 HN03 HN08 HN14 HN17 HN23 KA15 KA16 KA42 KA55 MA14 MA20 SA14 TA01 TA02 TA03 TA07 5J500 AA04 AA41 AC27 AF07 AH26 AK15 AK16 AK42 AK55 AM14 AM20 AS14 AT01 AT02 AT03 AT07 NH03 NH08 NH14 NH17 NH23

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数が異なる複数の信号を含んだ原信
    号を増幅する電力増幅器であって、 前記原信号を入力する信号入力手段と、 前記信号入力手段から入力された原信号を増幅する増幅
    手段と、 前記増幅手段によって増幅された信号を外部へ出力する
    信号出力手段と、 前記原信号の包絡線成分と同じ成分を有する包絡線信号
    を生成する包絡線信号生成手段と、 前記増幅手段によって前記原信号が増幅される際に発生
    する歪成分をうち消すための歪信号を、当該原信号に基
    づいて生成する歪信号生成手段と、 前記信号入力手段から前記信号出力手段までの信号増幅
    経路に前記包絡線信号を注入し、前記歪成分の非対称性
    を解消する第1の包絡線信号注入手段と、 前記信号増幅経路に前記歪信号を注入し、前記歪成分を
    抑制する歪信号注入手段とを備える、電力増幅器。
  2. 【請求項2】 前記包絡線信号のレベルを検出する包絡
    線信号検出手段と、 前記包絡線信号検出手段によって検出される包絡線信号
    のレベルに基づいて、前記信号増幅経路に注入される前
    記包絡線信号の振幅および位相を調整する第1の包絡線
    信号調整手段とをさらに備える、請求項1に記載の電力
    増幅器。
  3. 【請求項3】 前記第1の包絡線信号調整手段は、前記
    包絡線信号検出手段によって検出される包絡線信号のレ
    ベルと、前記歪成分中の低周波側成分と高周波側成分と
    の間のレベル差を最小にするときの前記包絡線信号の振
    幅および位相との対応を示すテーブルを予め記憶してお
    き、当該テーブルを用いて当該包絡線信号の振幅および
    位相を調整する、請求項2に記載の電力増幅器。
  4. 【請求項4】 前記信号入力手段から前記歪信号注入手
    段までの歪信号生成経路に前記包絡線信号を注入し、前
    記歪信号が有する周波数成分であって前記歪成分に対応
    する周波数成分の非対称性を解消する第2の包絡線信号
    注入手段をさらに備える、請求項1に記載の電力増幅
    器。
  5. 【請求項5】 前記包絡線信号のレベルを検出する包絡
    線信号検出手段と、 前記包絡線信号検出手段によって検出される包絡線信号
    のレベルに基づいて、前記歪信号生成経路に注入される
    前記包絡線信号の振幅および位相を調整する第2の包絡
    線信号調整手段とをさらに備える、請求項4に記載の電
    力増幅器。
  6. 【請求項6】 前記第2の包絡線信号調整手段は、前記
    包絡線信号検出手段によって検出される包絡線信号のレ
    ベルと、前記歪信号における低周波側成分と高周波側成
    分との間のレベル差を最小にするときの当該包絡線信号
    の振幅および位相との対応を示すテーブルを予め記憶し
    ておき、当該テーブルを用いて、当該包絡線信号の振幅
    および位相を調整する、請求項5に記載の電力増幅器。
  7. 【請求項7】 前記包絡線信号および前記歪信号の注入
    後における前記増幅手段の出力信号の包絡線成分につい
    てレベルを検出する包絡線成分検出手段と、 前記包絡線成分検出手段によって検出される前記出力信
    号の包絡線成分レベルに基づいて、当該包絡線成分レベ
    ルが最小となるように、前記信号増幅経路に注入される
    前記包絡線信号の振幅および位相を調整する第3の包絡
    線信号調整手段とをさらに備える、請求項1に記載の電
    力増幅器。
  8. 【請求項8】 前記第3の包絡線信号調整手段は、 前記包絡線信号の振幅を任意の値に固定して、当該包絡
    線信号の位相を0°から360°まで変化させた場合に
    おける、前記包絡線成分レベルの変化幅が所定値以上と
    なるか否かを判定するレベル判定手段と、 前記レベル判定手段によって前記変化幅が所定値以上で
    あると判定された場合、前記包絡線成分レベルが最小と
    なるように、当該包絡線信号の位相を決定する位相決定
    手段と、 前記位相決定手段によって決定された位相において、前
    記包絡線成分レベルが最小となるように、前記包絡線信
    号の振幅を決定するレベル決定部とを含む、請求項7に
    記載の電力増幅器。
  9. 【請求項9】 前記包絡線信号および前記歪信号の注入
    後における前記増幅手段の出力信号のレベルを検出する
    出力信号検出手段と、 前記出力信号検出手段によって検出される前記出力信号
    のレベルに基づいて、当該出力信号に含まれる歪成分が
    最小となるように、前記歪信号を調整する歪信号調整手
    段とをさらに備える、請求項1に記載の電力増幅器。
  10. 【請求項10】 前記包絡線信号生成手段は、前記原信
    号から前記包絡線信号を生成することを特徴とする、請
    求項1に記載の電力増幅器。
  11. 【請求項11】 ベースバンド信号から変調によって得
    られる変調信号を生成する変調手段をさらに備え、 前記信号入力手段は、前記変調信号を原信号として入力
    し、 前記包絡線信号生成手段は、前記ベースバンド信号から
    前記包絡線信号を生成することを特徴とする、請求項1
    に記載の電力増幅器。
  12. 【請求項12】 ベースバンド信号から変調によって得
    られる一定の周波数帯域を持つ原信号を増幅する電力増
    幅器であって、 増幅の際に発生する歪成分をうち消すための歪信号が前
    記原信号に含まれるように、前記ベースバンド信号を修
    正するベースバンド信号修正手段と、 前記ベースバンド信号変換手段によって修正されたベー
    スバンド信号から変調によって前記原信号を生成する変
    調手段と、 前記変調手段によって変調された原信号を入力する信号
    入力手段と、 前記信号入力手段から入力された原信号を増幅する増幅
    手段と、 前記増幅手段によって増幅された信号を外部へ出力する
    信号出力手段と、 前記原信号の包絡線成分と同じ成分を有する包絡線信号
    を、前記ベースバンド信号に基づいて生成する包絡線信
    号生成手段と、 前記信号入力手段から前記信号出力手段までの信号増幅
    経路に前記包絡線信号を注入し、前記歪成分の非対称性
    を解消する包絡線信号注入手段とを備える、電力増幅
    器。
  13. 【請求項13】 周波数が異なる複数の信号を含んだ原
    信号を増幅する電力増幅器であって、 前記原信号を入力する信号入力手段と、 前記信号入力手段から入力された原信号を増幅する増幅
    手段と、 前記増幅手段によって増幅された信号を外部へ出力する
    信号出力手段と、 前記原信号の包絡線成分と同じ成分を有する包絡線信号
    を、当該原信号に基づいて生成する包絡線信号生成手段
    と、 前記増幅手段によって前記原信号が増幅される際に発生
    する歪成分をうち消すための歪信号を、当該原信号に基
    づいて生成する歪信号生成手段と、 前記信号入力手段から前記信号出力手段までの信号増幅
    経路に前記歪信号を注入し、前記歪成分を抑制する歪信
    号注入手段と、 前記信号入力手段から前記歪信号注入手段までの歪信号
    生成経路に前記包絡線信号を注入し、当該歪信号に含ま
    れる周波数成分であって前記歪成分に対応する周波数成
    分の非対称性を、当該歪成分における非対称性と一致さ
    せる包絡線信号注入手段とを備える、電力増幅器。
  14. 【請求項14】 周波数が異なる複数の信号を含んだ原
    信号を増幅する方法であって、 前記原信号を増幅する信号増幅ステップと、 前記原信号の包絡線成分と同じ成分を有する包絡線信号
    を生成する包絡線信号生成ステップと、 前記原信号を増幅する際に発生する歪成分をうち消すた
    めの歪信号を、当該原信号に基づいて生成する歪信号生
    成ステップと、 前記原信号を入力する入力端から前記信号増幅ステップ
    において増幅された信号を外部へ出力する出力端までの
    信号増幅経路に前記包絡線信号を注入することによって
    前記歪成分の非対称性を解消するステップと、 前記信号増幅経路に前記歪信号を注入することによって
    前記歪成分を抑制するステップとを備える、電力増幅方
    法。
  15. 【請求項15】 ベースバンド信号から変調によって得
    られる一定の周波数帯域を持つ原信号を増幅する方法で
    あって、 増幅の際に発生する歪成分をうち消すための歪信号が前
    記原信号に含まれるように、前記ベースバンド信号を修
    正するベースバンド信号修正ステップと、 前記ベースバンド信号変換ステップにおいて修正された
    ベースバンド信号から変調によって前記原信号を生成す
    る変調ステップと、 前記変調ステップにおいて変調された原信号を増幅する
    信号増幅ステップと、 前記原信号の包絡線成分と同じ成分を有する包絡線信号
    を、前記ベースバンド信号に基づいて生成する包絡線信
    号生成ステップと、 前記原信号を入力する入力端から前記信号増幅ステップ
    において増幅された信号を外部へ出力する出力端までの
    信号増幅経路に前記包絡線信号を注入し、前記歪成分の
    非対称性を解消する包絡線信号注入ステップとを備え
    る、電力増幅方法。
  16. 【請求項16】 周波数が異なる複数の信号を含んだ原
    信号を増幅する方法であって、 前記原信号を増幅する信号増幅ステップと、 前記原信号の包絡線成分と同じ成分を有する包絡線信号
    を、当該原信号に基づいて生成する包絡線信号生成ステ
    ップと、 前記原信号を増幅する際に発生する歪成分をうち消すた
    めの歪信号を、当該原信号に基づいて生成する歪信号生
    成ステップと、 前記原信号を入力する入力端から前記信号増幅ステップ
    において増幅された信号を外部へ出力する出力端までの
    信号増幅経路に前記歪信号を注入し、前記歪成分を抑制
    する歪信号注入ステップと、 前記原信号を入力する入力端から前記歪信号が注入され
    る歪信号注入端までの歪信号生成経路に前記包絡線信号
    を注入し、当該歪信号に含まれる周波数成分であって前
    記歪成分に対応する周波数成分の非対称性を、当該歪成
    分における非対称性と一致させる包絡線信号注入ステッ
    プとを備える、電力増幅方法。
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