JP2003328065A - 成形性に優れる展伸用マグネシウム薄板およびその製造方法 - Google Patents
成形性に優れる展伸用マグネシウム薄板およびその製造方法Info
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Abstract
伸用マグネシウム薄板およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 Alを1〜9重量%、Mnを0.1〜2
重量%を含有し、残部がMg及び不可避の不純物からな
る押し出しMg合金板を圧延し、圧延後の板厚が0.2
〜2mmであり、圧延方向に対して平行方向の降伏強度
をY1、抗張力をT1、圧延方向に対して直角方向の降
伏強度をY2、抗張力をT2とした時、T1およびT2
が200〜350MPaであり、(Y1/T1)値ある
いは、(Y2/T2)値の少なくとも1つの値が0.7
以下であり、平均結晶粒径が3〜100μmであること
を特徴とする成形性に優れる展伸用マグネシウム薄板お
よびその製造方法
Description
におけるプレス成形性に優れた安価な展伸用マグネシウ
ム薄板およびその製造方法に関する。
み数mm〜数十mmの鋳造スラブ、あるいは押し出しに
よる厚板を繰り返し熱処理、熱間圧延、温間圧延、冷間
圧延することにより薄板とされている。このように繰り
返し熱処理、熱間圧延、温間圧延等されて製造される薄
Mg合金板は、室温〜温間域以下の温度、すなわち冷間
での加工性が劣ると共に、経済性の点でも割高であり、
広く使用されるに至ってない。
く、軽量化できることから安価で、成形性に優れたMg
合金板の要求が高まっていて、プレス成形性に優れたマ
グネシウム合金として、特開平6−293944号公
報、特開平6−25788号公報、特開平9−4106
6号公報等がある。特開平6−293944号公報は、
200℃で、温間でのプレス成形性を改善するための組
成、圧延条件について示したものである。特開平6−2
5788号公報および特開平9−41066号公報は、
マグネシウムにリチウムを添加し、hcp構造のα相中
にbcc構造のβ相を1部生成させたり、あるいはβ単
相にすることにより、冷間における延性や曲げ加工性を
改善しているが、リチウムは活性な金属であるため工業
的に大量に取り扱うには安全上問題があるばかりでな
く、高価でマグネシウムの耐食性を著しく低下させるも
のである。
ているものがあるが、例えば特開平5−293529号
公報、特開平6−81089公報、特開2000−27
1693号公報、特開2001−252703号公報等
においては、熱間における加工を効率的に行うことを目
的としており、成形性の改善を目的としてない。特開2
000−271693号公報は、結晶粒微細化を目的と
し大ひずみを付与する加工法や条件を検討したものであ
り、結晶粒径が1μm以下に微細化されているが成形性
の改善については言及されてない。また、形状が限定さ
れるあるいは熱間鍛造を繰り返し行う必要があり、薄肉
のマグネシウム合金板は作製できないものである。
熱設備を必要とし、特殊な潤滑油が必要となり、また、
その脱脂が必要となり、多くの問題点を伴うものであ
る。
なされたものであり、加工性、特に冷間での張り出し加
工性、曲げ性などのプレス成形性に優れ、かつ経済性の
点でも安価な成形性に優れる展伸用マグネシウム薄板お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
鋭意検討した結果、下記のマグネシウム合金が加工性に
優れていることを見いだして本発明を完成させた。
ム薄板は、Alを1〜9重量%、Mnを0.1〜2重量
%を含有し、残部がMg及び不可避の不純物からなる押
し出しMg合金板を圧延し、圧延後の板厚が0.2〜2
mmであり、圧延方向に対して平行方向の降伏強度をY
1、抗張力をT1、圧延方向に対して直角方向の降伏強
度をY2、抗張力をT2とした時、T1およびT2が2
00〜350MPaであり、(Y1/T1)値あるい
は、(Y2/T2)値の少なくとも1つの値が0.7以
下であり、平均結晶粒径が3〜100μmであることを
特徴とする。
ム薄板は、前記Mg合金を圧延後、150〜400℃の
温度範囲で熱処理をすることが望ましい。また、前記M
g合金は、更にZr、Y、Ag、Si及びCaのうちい
ずれか1種類以上を含有することが望ましい。
ム薄板の製造方法は、Alを1〜9重量%、Mnを0.
1〜2重量%を含有し、残部がMg及び不可避の不純物
からなる押し出しMg合金板を圧延し、圧延後の板厚が
0.2〜2mmであり、圧延方向に対して平行方向の降
伏強度をY1、抗張力をT1、圧延方向に対して直角方
向の降伏強度をY2、抗張力をT2とした時、T1およ
びT2が200〜350MPaであり、(Y1/T1)
値あるいは、(Y2/T2)値の少なくとも1つの値が
0.7以下であり、平均結晶粒径が3〜100μmであ
ることを特徴とする。
は、Alを1〜9重量%、Mnを0.1〜2重量%を含
有し、残部がMg及び不可避の不純物からなる鋳造ビレ
ットを直接押し出すことにより、耳割れや破断を抑制し
つつ大ひずみを付与しながら板を作製することによって
得られる。各成分の適正な濃度範囲は下記の通りであ
る。
耐食性、強度、鋳造性を改善する効果があり、1重量%
以上添加する必要がある。9重量%を超えると、晶出物
を溶体化できず、脆化する。より好ましくは、1〜3.
5重量%の範囲が良い。
果があり、0.1重量%以上添加することが必要であ
る。2重量%を超えると、晶出物を溶体化できず、脆化
する。
効な成分であり、2重量%の添加でこの効果が飽和す
る。
効な成分であり、8重量%を超えると脆化する。
量は、強度を改善するために必要であり、これらの成分
の合計が2重量%を超えると、脆化する。
押し出す。押し出し条件としては、押し出し温度の範囲
が350〜450℃、押し出し速度が1〜100m/
分、押し出し比が50以上、望ましくは100以上、厚
みが0.5〜2.5mmの範囲が望ましい。
圧延後の板厚が0.2〜2mmの範囲になるように、冷
間あるいは温間圧延を施す。冷間圧延の場合、圧延率
は、0.5〜30%の範囲が好ましい。温間圧延の場
合、温度200〜300℃の範囲で0.5〜40%の範
囲が好ましい。0.5%未満では、押し出し時の表面疵
の解消ができず、上限(冷間圧延では、30%。温間圧
延では40%)を超えると、加工性が悪化する。圧延方
法として、上下ロールの周速の異なる異周速圧延の適用
も加工性の点から望ましい。その場合の圧延率は、等速
圧延範囲と同じ範囲で差し支えない。温間圧延は、20
0〜350℃で、組成により適切な温度で設定すれば良
い。
行方向及び直角方向とも200〜350MPaの範囲に
なるように、更に、圧延方向に対して平行方向の降伏強
度をY1、抗張力をT1、圧延方向に対して直角方向の
降伏強度をY2、抗張力をT2とした時、(Y1/T
1)値あるいは、(Y2/T2)値の少なくとも1つの
値が0.7以下であり、平均結晶粒径が3〜100μm
にすることが好ましい。
金をX線回折を行った結果、X線強度比[(0002)
面のX線強度]/[(101(上バー)0)面のX線強
度]を18以下となるようなランダムな結晶方位となっ
た。
済的に困難であり、逆に、100μmを超えると、加工
性が劣る。
度範囲で熱処理すると、ひずみの回復、再結晶化が生
じ、なおかつ、結晶粒の成長が起こりにくいため、加工
性が改善すると考えられる。
照して具体的に説明する。
%Mnの組成を有するビレットを温度400℃、押し出
し速度5m/分の条件で押し出しを行い、板厚を0.5
2mmとした。更に、冷間圧延により板厚0.5mmの
展伸用マグネシウム合金薄板を得た。
の特性を評価した。評価結果を表1に示す。評価方法は
下記に示す通りである。
ISZ2201の6号試験片を使って、引張試験にて測
定し評価した。引張強度と降伏強度の比は測定結果から
計算して求めた。なお、表1において、RD平行は、圧
延方向に対して平行方向に引張を行った試験結果であ
り、RD直角は圧延方向に対して直角に引張を行った試
験結果を示す。
クセン試験機によりマグネシウム合金薄板を張出しを行
い、破断する前の最大張出し高さを求めた。
い、電圧50kV、電流190mAの条件で、X線強度
を測定し、X線強度比[(0002)面のX線強度]/
[(101(上バー)0)面のX線強度]を求めた。
に、本発明の展伸用マグネシウム合金薄板は従来のマグ
ネシウム合金板(製造工程:スラブの押出し→温間圧延
→熱処理→冷間圧延)と比べて張出し加工性に優れてい
る。これは、従来法では、圧延による板厚減少率が高い
ため、板面に平行な底面の割合の高い圧延集合組織が発
達するが、押し出し加工度を高め、圧延条件、圧延加工
度を低減するなどにより板面に平行な底板面比の少ない
集合組織が得られる。
表1に示すような値を示す。集合組織の違いが、(Y1
/T1)比等に現れるものと推察されるが、その値が加
工性を改善していくものと考えられる。
X線強度]/[(101(上バー)0)面のX線強度]
が18以下では、圧延方向に対して平行方向あるいは直
角方向のいずれかの降伏比が0.7以下となる傾向を有
し、張出し加工性に優れているものと考えられる。
よびその製造方法は、スラブの押出し、温間圧延、熱処
理、冷間圧延の行程を通って製造される従来材に比べて
特に張り出し加工性が優れるものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 Alを1〜9重量%、Mnを0.1〜2
重量%を含有し、残部がMg及び不可避の不純物からな
る押し出しMg合金板を圧延し、圧延後の板厚が0.2
〜2mmであり、圧延方向に対して平行方向の降伏強度
をY1、抗張力をT1、圧延方向に対して直角方向の降
伏強度をY2、抗張力をT2とした時、T1およびT2
が200〜350MPaであり、(Y1/T1)値ある
いは、(Y2/T2)値の少なくとも1つの値が0.7
以下であり、平均結晶粒径が3〜100μmであること
を特徴とする成形性に優れる展伸用マグネシウム薄板 - 【請求項2】 前記Mg合金は、圧延後、150〜40
0℃の温度範囲で熱処理をすることを特徴とする請求項
1に記載の成形性に優れる展伸用マグネシウム薄板。 - 【請求項3】 前記Mg合金は、更にZr、Y、Ag、
Si及びCaのうちいずれか1種類以上含有することを
特徴とする請求項1または請求項2に記載の成形性に優
れる展伸用マグネシウム薄板。 - 【請求項4】 Alを1〜9重量%、Mnを0.1〜2
重量%を含有し、残部がMg及び不可避の不純物からな
る押し出しMg合金板を圧延し、圧延後の板厚が0.2
〜2mmであり、圧延方向に対して平行方向の降伏強度
をY1、抗張力をT1、圧延方向に対して直角方向の降
伏強度をY2、抗張力をT2とした時、T1およびT2
が200〜350MPaであり、(Y1/T1)値ある
いは、(Y2/T2)値の少なくとも1つの値が0.7
以下であり、平均結晶粒径が3〜100μmであること
を特徴とする成形性に優れる展伸用マグネシウム薄板の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002135282A JP2003328065A (ja) | 2002-05-10 | 2002-05-10 | 成形性に優れる展伸用マグネシウム薄板およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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- 2002-05-10 JP JP2002135282A patent/JP2003328065A/ja active Pending
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