JP2003318034A - 放熱器およびそれ用いた磁界発生装置 - Google Patents

放熱器およびそれ用いた磁界発生装置

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JP2003318034A
JP2003318034A JP2002117238A JP2002117238A JP2003318034A JP 2003318034 A JP2003318034 A JP 2003318034A JP 2002117238 A JP2002117238 A JP 2002117238A JP 2002117238 A JP2002117238 A JP 2002117238A JP 2003318034 A JP2003318034 A JP 2003318034A
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heat
conductive wires
heat conducting
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conductive
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JP2002117238A
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Akihiro Yamashita
昭裕 山下
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品の放熱器において、高周波磁界中で
も渦電流損失による自己発熱を生じることなく、効果的
に放熱可能な放熱器と、それを用いた磁界発生装置を実
現する。 【解決手段】 相互に電気的に絶縁された複数の導電性
ワイヤ1によって成る熱伝導部2と放熱部3を備え、発
熱箇所に熱伝導部2を近接して配置することによって熱
を放熱部3まで効率よく運び放熱することによって、高
い放熱性能が得られる。この放熱構成により温度上昇を
抑制でき、良好な磁気特性を維持できる磁界発生装置が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放熱器およびそれを
用いた磁界発生装置に関し、特に高周波磁界中で使用す
る電子部品に用いる放熱器と高周波の磁界発生装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子部品の放熱器としてはアルミ
ニウム製等の金属構造物を用いたものがよく知られてい
る。しかしながら多くの放熱器が金属構造物としての形
状であるため、導電性が高く、高周波磁界中では渦電流
の発生により自己発熱を生じる場合がある。
【0003】これに対して高周波磁界中で使用する放熱
器として、偏向ヨークのヒートシンクの例が特公平7−
82818号に開示されている。特公平7−82818
号に開示されるヒートシンクは熱伝導度の良いセラミッ
クス製ヒートシンクを用いることにより渦電流損失によ
る自己発熱をおこさずに放熱を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に高周波駆動され
る磁界発生装置の発熱原因としては、磁芯のコア損、コ
イル巻線の銅損があげられる。また誘導加熱装置のよう
に磁界結合を用いて二次側負荷に電力を供給する場合に
は、一次側の磁界発生装置に帰還してくる二次側負荷の
発熱が生じる。
【0005】従来の技術に示したセラミックス製のヒー
トシンク等はコア損と銅損を放熱することを目的として
おり、セラミックスは金属と比較して熱伝導率が低いた
め、このような二次側負荷の帰還による熱等に対しては
効果が低い。またセラミックスは金属に比べて加工性も
悪いため、複雑な形状を形成することが難しく、発熱体
との密着性にも課題が生じる場合がある。逆に銅やアル
ミニウム等の非磁性の金属構造物は熱伝導率は高いが、
導電性も高く、単にこれを放熱器として用いた場合は渦
電流損失による自己発熱が生じることになり、高周波磁
界中などでは放熱効果を十分に引き出せないものであっ
た。
【0006】本発明は、金属等の導電性材料を用いても
高周波磁界で励起される渦電流損失による自己発熱を抑
制でき、かつ複雑な形状の放熱対象にも密着性を高くし
て、放熱性能に優れた放熱器を提供することを目的とす
る。また本発明は、高周波駆動時でも高い放熱性能を有
することにより温度上昇が抑制でき、それにより良好な
磁気特性が維持できる磁界発生装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の放熱器は、複数の導電性ワイヤからなる熱
伝導部と、前記熱伝導部に接続された前記複数の導電性
ワイヤからなる放熱部と、を備えており、発熱箇所の熱
を渦電流損失の少ない熱伝導部を介して放熱部へ運搬す
るものである。この本発明によれば放熱性能の高い放熱
器が得られる。この熱伝導部として、複数の導電性ワイ
ヤが密集してなる熱伝導部を用いることにより熱の伝導
性を向上できる。また本発明の放熱器は、複数の第1の
導電性ワイヤからなる熱伝導部と、前記熱伝導部に接続
された複数の第2の導電性ワイヤからなる放熱部と、を
備えていても良い。ここで複数の各導電性ワイヤがそれ
ぞれ相互に電気的に絶縁されることにより、放熱器が導
電性材料で構成されていても渦電流損失は極めて小さく
できる。
【0008】一方、本発明の磁界発生装置は、上記の本
発明の放熱器を備えたものであり、駆動電流を通電する
コイルと、前記コイルにより励磁される磁芯とを有し、
高温部近傍に複数の導電性ワイヤからなる熱伝導部が配
され、前記熱伝導部に接続された前記複数の導電性ワイ
ヤからなる放熱部が設けられている。これにより良好な
熱輸送を可能とする熱伝導部を発熱部に近接して配置で
き、発熱による温度上昇が低く、良好な磁気特性を維持
できる磁界発生装置が得られる。また本発明の磁界発生
装置は、駆動電流を通電するコイルと、前記コイルによ
り励磁される磁芯とを有し、高温部近傍に複数の第1の
導電性ワイヤからなる熱伝導部が配され、前記熱伝導部
に接続された複数の第2の導電性ワイヤからなる放熱部
が設けられていても同様である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、少なくとも一部を複数の導電性ワイヤを用いて構成
した熱伝導部と、前記熱伝導部に接続された複数の導電
性ワイヤで構成された放熱部と、を備えた放熱器とした
ものであり、導電性ワイヤは熱伝導率も高い故にこれを
複数用いて伝熱性に優れた熱伝導部を形成して熱輸送を
行うことができ、また導電性ワイヤは形状的に表面積を
広くとることができる故に高い放熱性を有する放熱部を
構成できるとともに、ワイヤ形状のため高周波磁界中で
も渦電流損失が抑制されて自己発熱が少ないため、放熱
器として高い放熱効果が得られるという作用を有する。
【0010】本発明の請求項2に記載の発明は、複数の
導電性ワイヤとして、リッツ線からなる導電性ワイヤ、
を用いた請求項1に記載の放熱器としたものであり、細
い複数ワイヤよりなるリッツ線を用いることにより形状
的に渦電流損失を効果的に低減できるため、高い放熱効
果が得られるという作用を有する。
【0011】本発明の請求項3に記載の発明は、複数の
導電性ワイヤとして、相互に電気的に絶縁された複数の
導電性ワイヤ、を用いた請求項1および2に記載の放熱
器としたものであり、渦電流損失を効果的に低減できる
ため、高い放熱効果が得られるという作用を有する。
【0012】本発明の請求項4に記載の発明は、複数の
導電性ワイヤが、相互に絶縁された中で部分的に相互接
触を有し、前記相互接触によっても電気的には開ループ
となっている請求項1および2に記載の放熱器としたも
のであり、各々の導電性ワイヤが相互に絶縁された中で
部分的に相互接触を有しても電気的には開ループとして
おけば渦電流による自己発熱を抑制することができるた
め、高い放熱効果が得られるという作用を有する。
【0013】本発明の請求項5に記載の発明は、熱伝導
部を複数の導電性ワイヤが密集して構成したことを特徴
とする請求項1記載の放熱器としたものであり、複数の
導電性ワイヤを密集させて熱輸送に優れた熱伝導部を構
成し、これにより小さな発熱箇所でも熱伝導部を密着さ
せることもできるため、高い放熱効果が得られるという
作用を有する。
【0014】本発明の請求項6に記載の発明は、熱伝導
部を構成する複数の導電性ワイヤが相互に接着されてい
る請求項5に記載の放熱器としたものであり、熱伝導部
における各導電性ワイヤの相互作用により熱伝導性の向
上とともに安定した熱輸送が図れるため、高い放熱効果
が得られるという作用を有する。
【0015】本発明の請求項7に記載の発明は、放熱部
を構成する複数の導電性ワイヤが相互に空間を介して分
離されている請求項5および6に記載の放熱器としたも
のであり、複数の導電性ワイヤを相互に空間を介して分
離することにより放熱部の熱交換表面積を大きくするこ
とができ、空間への放熱が効果的に行われるため、高い
放熱効果が得られるという作用を有する。
【0016】本発明の請求項8に記載の発明は、熱伝導
部と放熱部とを別部材で構成し、前記熱伝導部材と前記
放熱部とを接合したことを特徴とする請求項1記載の放
熱器としたものであり、熱伝導部と放熱部をそれぞれ最
適に構成できるため、高い放熱効果が得られるという作
用を有する。
【0017】本発明の請求項9に記載の発明は、前記複
数の第1の導電性ワイヤがそれぞれ相互に電気的に絶縁
されており、かつ前記複数の第2の導電性ワイヤがそれ
ぞれ相互に電気的に絶縁されていることを特徴とする請
求項8に記載の放熱器としたものであり、渦電流損失に
よる自己発熱が極めて抑制されるため、高い放熱効果が
得られるという作用を有する。
【0018】本発明の請求項10に記載の発明は、第1
の導電性ワイヤと第2の導電性ワイヤとの、両方もしく
は一方にリッツ線からなる導電性ワイヤを用いた請求項
8および9に記載の放熱器としたものであり、渦電流損
失による自己発熱が効果的に低減されるため、高い放熱
効果が得られるという作用を有する。
【0019】本発明の請求項11に記載の発明は、前記
複数の第1の導電性ワイヤ相互の電気的接続と前記複数
の第2の導電性ワイヤ相互の電気的接続が、開ループを
形成していることを特徴とする請求項8に記載の放熱器
としたものであり、各導電性ワイヤに電気的な接続が生
じても開ループとすることによって、高周波磁界中の渦
電流損失による自己発熱を抑制することができるため、
高い放熱効果が得られるという作用を有する。
【0020】本発明の請求項12に記載の発明は、第1
の導電性ワイヤと第2の導電性ワイヤとの間に、良好な
熱伝導性を有する接続部を設けた請求項8から11に記
載の放熱器としたものであり、熱伝導部と放熱部をそれ
ぞれ最適に構成する際に熱伝導部から放熱部への熱の移
動が妨げられることなく行われるため、高い放熱効果が
得られるという作用を有する。
【0021】本発明の請求項13に記載の発明は、熱伝
導部を構成する複数の第1の導電性ワイヤが相互に密集
している請求項8から12に記載の放熱器としたもので
あり、第1の導電性ワイヤを密集させて熱輸送に優れた
熱伝導部を構成し、小さな発熱箇所でも伝導部を密着で
きるため、高い放熱効果が得られるという作用を有す
る。
【0022】本発明の請求項14に記載の発明は、熱伝
導部を構成する複数の第1の導電性ワイヤが相互に接着
されている請求項8から13に記載の放熱器としたもの
であり、熱伝導部における第1の導電性ワイヤの相互作
用により熱伝導性の向上とともに安定した熱輸送が図
れ、小さな発熱箇所でも熱伝導部を密着できるため、高
い放熱効果が得られるという作用を有する。
【0023】本発明の請求項15に記載の発明は、駆動
電流を通電するコイルと、前記コイルにより励磁される
磁芯と、請求項1から14に記載の放熱器のいずれか
と、を備えた磁界発生装置としたものであり、請求項1
から15までの放熱器のいずれかを用いることにより、
駆動により発生する熱を効果的に放熱でき、また磁界に
よる放熱器の自己発熱も抑制されるため、温度上昇が少
なく、それ故に良好な磁気特性が維持できる磁界発生装
置が得られるという作用を有する。
【0024】本発明の請求項16に記載の発明は、駆動
電流を通電するコイルと、前記コイルにより励磁される
磁芯とを有し、高温部近傍に複数の導電性ワイヤからな
る熱伝導部が配され、前記熱伝導部に接続された前記複
数の導電性ワイヤからなる放熱部が設けられた磁界発生
装置としたものであり、放熱を効果的に行えるととも
に、高周波磁界中でも形状的に導電性ワイヤの自己発熱
が少ないため、温度上昇が少なく、それ故に良好な磁気
特性が維持できる磁界発生装置が得られるという作用を
有する。
【0025】本発明の請求項17に記載の発明は、駆動
電流を通電するコイルと、前記コイルにより励磁される
磁芯とを有し、高温部近傍に複数の第1の導電性ワイヤ
からなる熱伝導部が配され、前記熱伝導部に接続された
複数の第2の導電性ワイヤからなる放熱部が設けられた
磁界発生装置としたものであり、発熱箇所から効果的に
熱輸送と放熱を行うことができるとともに、高周波磁界
中でも形状的に各導電性ワイヤの自己発熱が少ないた
め、温度上昇が少なく、それ故に良好な磁気特性が維持
できる磁界発生装置が得られるという作用を有する。
【0026】本発明の請求項18に記載の発明は、熱伝
導部を構成する複数の導電性ワイヤ、もしくは複数の第
1の導電性ワイヤが密集してなる請求項16および17
に記載の磁界発生装置であり、発熱箇所が小さい場合で
も、効率的に放熱ができ、温度上昇が少なく、それ故に
良好な磁気特性が維持できる磁界発生装置が得られると
いう作用を有する。
【0027】本発明の請求項19に記載の発明は、複数
の導電性ワイヤからなる熱伝導部が、磁芯近傍に配置さ
れた請求項16から18のいずれかに記載の磁界発生装
置としたものであり、磁芯近傍の熱を効果的に放熱でき
るため、コア損が大きくても温度上昇が少なく、それ故
に良好な磁気特性が維持できる磁界発生装置が得られる
という作用を有する。
【0028】本発明の請求項20に記載の発明は、複数
の導電性ワイヤからなる熱伝導部が、コイル近傍に配置
された請求項16から18のいずれかに記載の磁界発生
装置としたものであり、銅損を効果的に放熱できるた
め、銅損が大きくても温度上昇が少なく、それ故に良好
な磁気特性が維持できる磁界発生回路が得られるという
作用を有する。
【0029】本発明の請求項21に記載の発明は、熱伝
導部が、磁芯もしくはコイルの近傍にある発熱体の近傍
に配置された請求項16から18のいずれかに記載の磁
界発生装置としたものであり、二次側回路負荷から帰還
する熱を効果的に放熱でき、特に二次側で大きな熱を発
生する場合でも温度上昇の少ない一次側磁界発生回路が
得られることにより、それ故に良好な磁気特性が維持で
きる磁界発生装置が得られるという作用を有する。 (実施の形態1)以下、本発明の実施の形態について、
図1から図2用いて説明する。
【0030】図1は本発明の一実施の形態による放熱器
を示す斜視図を示し、1は導電性ワイヤで、導電性ワイ
ヤ1は少なくとも導電性を有する金属などで構成された
線状体であれば良いが、本実施の形態では、前記線状体
の表面を覆うような絶縁物で構成されたコーティングを
行ったものを用いた。2は熱伝導部、3は放熱部であ
る。導電性ワイヤ1は銅線等の金属表面を絶縁物でコー
ティングされており、例えばポリウレタン被覆電線やポ
リイミド被覆電線等で実現できる。導電性ワイヤ1の構
成材料としては、Cu,Al,Fe,Au,Ag,N
i,Ti等の金属材料グループから選ばれる単体材料、
或いは金属材料グループ内で構成される合金、更には、
金属材料グループから選ばれる単体材料或いは合金材料
と、金属材料グループ以外の元素との合金等が好適に用
いられる。なお、特に好ましいのは、非磁性材料である
Cu或いはCu合金で構成された導電性ワイヤ1を用い
ることが好ましい。
【0031】また、導電性ワイヤ1の断面形状は、円
形,半円形状,楕円形状,矩形状,方形状,多角形状
等、仕様に応じて適宜選定できる。
【0032】更に、導電性ワイヤ1の表面をコーティン
グする絶縁物材料としては、ポリイミドアミド,ポリエ
ステルイミド,ポリエステル等も用いることができる。
【0033】また、コーティング材を含めた導電性ワイ
ヤ1の直径としては、0.05mm〜3mm程度のもの
が好適に用いられ、0.05mmよりも細いと、所定の
弾性を有することができなかったり、或いは加工性が悪
かったり等の不具合が生じる。更に3mmよりも大きい
と曲げ加工などが難しかったり、熱伝導部2と他の部材
との接触面積が小さな区案留等の不具合が生じる。
【0034】図1の放熱器は、導電性ワイヤ1を交互に
向きをかえて配列した構成になっており、熱伝導部2の
部分で各導電性ワイヤ1が相互に密集した構成となって
いる。これは例えば、ポリウレタン被覆電線等の導電性
ワイヤを並べた状態で短時間に導電性ワイヤ1に大電流
を通電して導電性ワイヤ1表面の被覆を溶融させながら
接着を行う等によっても容易に実現できる。ここで導電
性ワイヤ1は可撓性に優れており、これを密集させたり
相互に接着したりしても、発熱体や高温部などの様々な
形状に形成できるため、熱伝導部2は複雑な形状の放熱
対象にも密着性を高くして熱輸送を良好にできるのであ
る。
【0035】なお、本実施の形態では、熱伝導部2は導
電性ワイヤ1を密着して構成したが、導電性ワイヤ1の
間に板状体や線状体などの導電性材料或いは絶縁材料で
構成されたものを挟み込んで構成してもよい。
【0036】更に、本実施の形態では、導電性ワイヤ1
は全て同一構成(中心部分がCu,或いはCu合金で構
成され、コーティング材がポリウレタン)としたが、周
期的或いは非周期的に材料の異なる(中心部分やコーテ
ィング材)を組み合わせて構成しても良い。これらは、
仕様などによって適宜異ならせることが好ましい。
【0037】また図1の放熱部3は隣接する各導電性ワ
イヤ1が互いに接触しない構成になっているため、大き
な放熱表面積が確保できる。銅線等の導電性ワイヤ1は
相互に絶縁されているため、高周波磁界中で使用しても
形状的に渦電流損失の発生は少なく、これにより導電性
ワイヤ1の自己発熱が抑制される。また各々の導電性ワ
イヤ1は開ループであるため誘導電流による発熱の発生
もない。導電性ワイヤ1同士がコーティング材の膜厚な
どが薄くなることなどによって、複数箇所で接触した場
合には、外部磁界によって電流の流れが閉ループとなり
渦電流が発生し、熱伝導部2が発熱した不具合が生じ
る。しかし導電性ワイヤ1同士が数カ所で接触したとし
ても、渦電流が発生しないすなわち前述の開ループとな
る程度の接触は許容でき、更に非常に僅かな長さの閉ル
ープが生じたとしても、その部分で発生する熱は非常に
小さいので、許容できる。
【0038】この様に、できるだけ導電性ワイヤ1同士
の接触を防止する様に対策を講じることが好ましく、こ
の方法としては、導電性ワイヤ1のコーティング材の膜
厚を厚くしたり、膜厚バラツキを抑えたり、材料を選択
したりすること等が挙げられる。
【0039】したがって図1の放熱器は、効果的な放熱
が可能となっており、金属等の導電性材料を用いても高
周波磁界で励起される渦電流損失による自己発熱を抑制
でき、かつ複雑な形状の放熱対象にも密着性を高くし
て、放熱性能に優れている。
【0040】図2は本発明の一実施の形態による磁界発
生装置を示す斜視図であり、図1で示した放熱器を用い
ている。ここで、4は磁芯、5はボビン(図示しない)
に巻かれたコイルである。コイル5に交流電流を通電す
ることにより、磁芯4内部に磁界を発生する。図2の磁
界発生装置では、コア4の上面に放熱器10が配されて
おり、主にコア損失による発熱を効果的に放熱する。近
年は磁気部品を小型化するため、通電する電流の周波数
を高くする傾向があるが、このように周波数が増加する
と磁芯のヒステリシス損失等が増大して発熱が大きくな
る。また周波数が高くなると、磁界発生装置近傍に置か
れた金属では、洩れ磁束、あるいは開磁路の場合は発生
する磁束自体による渦電流損失が発生する。図2に示す
磁界発生装置の放熱構成は全体が相互に絶縁された導電
性ワイヤ1で構成された放熱器10を用いているため、
このような渦電流損失は発生しにくく、それ故に金属製
の放熱構成であっても自己発熱が抑制されている。さら
に導電性ワイヤ1のコア部は金属であるため熱伝導性が
良好であるため、図2の磁界発生装置においては高い放
熱効果を得ることができ、これにより温度上昇が抑制で
き、低温下に近いような良好な磁気特性が維持できる。
またこの放熱構成は、細い導電性ワイヤで形成されてい
るため、形状の加工が簡単にでき、複雑な形状にも対応
が容易なのである。
【0041】また、図2において、熱伝導部2において
コアと接触する部分は平坦構造とすることが好ましく、
そのための手段としては例えば、導電性ワイヤ1を断面
半円形形状とすることで実現できる。この場合、導電性
ワイヤ1が円形状であると、熱伝導部2とコア2との接
触面積が小さくなり、放熱効果が低下することが考えら
れる。従って、放熱器10が搭載される部材の表面形状
を考慮して、熱伝導部2を構成する導電性ワイヤ1の断
面形状等を適宜選択する必要がある。
【0042】更に、例えば放熱器10とコア4との間に
シリコングリスやシリコンゴムのシートなどの熱伝導性
良い部材を介在させる様に構成しても良い。
【0043】(実施の形態2)図3は本発明の他の実施
の形態による放熱器を示す斜視図を示し、6は導電性ワ
イヤで、導電ワイヤ6は図1で示したものと同じ様な形
状や材料である。7は導電性ワイヤ6が収束された熱伝
導部、8は放熱部である。図3では、熱伝導部7を発熱
箇所に接触させて放熱部8へ熱輸送を行い、放熱部8に
て空気中への放熱を行う。この熱伝導部7は導電性ワイ
ヤが密集しており形状が小さいため、発熱箇所が大きく
表面に露出していない場合でも良好な熱輸送により放熱
効果を高めることができる。またコイルの銅損が問題と
なるような磁界発生装置に用いる場合は、コイルの層間
やコイルとボビンの間に熱伝導部7を挟み込むことによ
り効果的な放熱が可能となる。この場合も導電性ワイヤ
6は相互に絶縁されているので、渦電流を発生は少ない
が、導電性ワイヤ7をリッツ線で構成すれば、より渦電
流損失を低減し、効果的な放熱が可能となる。
【0044】図4は本発明の他の実施の形態による磁界
発生装置を示す斜視図を示すが、これは図3の放熱器を
用いた磁界発生装置の一実施例となっている。コイル5
と磁芯4の間に熱伝導部7を差し込むことにより、コイ
ル5で発生する銅損による発熱を効果的に放熱すること
が可能となっており、温度上昇が抑制できて良好な磁気
特性が維持できる磁界発生装置が得られている。
【0045】図5は本発明の他の実施の形態による磁界
発生装置を示す斜視図を示し、図5において11は導電
性ワイヤ、点線で囲まれた12は放熱部、同じく点線で
囲まれた13は熱伝導部、14はボビン(図示しない)
に巻かれたコイル、15は磁芯である。熱伝導部13の
一部をボビンと磁芯15の間に挿入することにより、磁
芯15とコイル14で発生する熱を効率的に放熱部12
に運搬して放熱を行う。本実施の形態では導電性ワイヤ
11を10本用いて構成しているが、装置の温度上昇許
容値に応じて導電性ワイヤ11の数を増減しても構わな
い。
【0046】次に放熱部12にRITSワイヤを用いた
実施の形態について図6と図7を用いて説明する。図
6、図7は本発明の他の実施の形態による磁界発生装置
を示す斜視図を示している。
【0047】図6において11から15までは図5の構
成要素と同一であり、16はRITZワイヤである。
【0048】本実施の形態では図3に示すように、RI
TSワイヤ16からなる放熱部12と導電性ワイヤ11
からなる熱伝導部13を接続することにより放熱器を構
成している。RITSワイヤ16は数本から120本程
度の導電性ワイヤを縒り合わせて構成したものであり、
渦電流損失を有効に低減できる。また、RITSワイヤ
16を用いることにより単線の導電性ワイヤ11に比較
して大きな放熱表面積を得ることができるので、さらに
効果的な放熱が可能となる。放熱部12と熱伝導部13
の接続は樹脂接着材料による接着や、はんだ付け等を用
いる。はんだ付けの場合、接着部に渦電流損失が生じる
ので、接着面積を最小限にすることが望ましい。次に図
8を用いて熱伝導部11の断面形状について説明する。
図8は本発明の他の実施の形態による磁界発生装置を示
す断面図を示している。図8において17は熱伝導部を
構成する導電性ワイヤの断面であり、18は磁芯15の
断面であり、19はボビンの断面であり、20は2層に
巻かれたコイル14の断面である、21はボビン19と
磁芯18の間の空隙である。図8に示すように導電性ワ
イヤ17をひらたくつぶれた形状とすることにより、磁
芯18とボビン19との密着性を向上させ、熱を効率よ
く放熱部12へ伝達することを可能としている。導電性
ワイヤ17の形状については発熱部との密着性が確保で
きる形状であれば、真円や楕円、長方形、また対称性の
ない形状で構わない。さらに空隙21部分に放熱用シリ
コングリース等を充填すれば、さらに熱伝達効果が向上
する。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1から1
4に記載の放熱器によれば、金属等の導電性材料を用い
ても高周波磁界で励起される渦電流損失による自己発熱
を抑制でき、かつ複雑な形状の放熱対象にも密着性を高
くして、放熱性能に優れた効果が得られる。
【0050】また本発明の請求項15から21に記載の
磁界発生装置によれば、高周波駆動時でも高い放熱性能
を有することにより温度上昇が抑制でき、それにより良
好な磁気特性が維持できるという有利な効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による放熱器を示す斜視
【図2】本発明の一実施の形態による磁界発生装置を示
す斜視図
【図3】本発明の他の実施の形態による放熱器を示す斜
視図
【図4】本発明の他の実施の形態による磁界発生装置を
示す斜視図
【図5】本発明の他の実施の形態による磁界発生装置を
示す斜視図
【図6】本発明の他の実施の形態による磁界発生装置を
示す斜視図
【図7】本発明の他の実施の形態による磁界発生装置を
示す斜視図
【図8】本発明の他の実施の形態による磁界発生装置を
示す断面図
【符号の説明】
1 導電性ワイヤ 2 熱伝導部 3 放熱部 4 磁芯 5 コイル 6 導電性ワイヤ 7 熱伝導部 8 放熱部

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部を複数の導電性ワイヤを用
    いて構成した熱伝導部と、前記熱伝導部に接続され複数
    の導電性ワイヤで構成された放熱部と、を備えた放熱
    器。
  2. 【請求項2】複数の導電性ワイヤとして、リッツ線から
    なる導電性ワイヤ、を用いた請求項1に記載の放熱器。
  3. 【請求項3】複数の導電性ワイヤとして、相互に電気的
    に絶縁された複数の導電性ワイヤを用いた請求項1,2
    いずれか1に記載の放熱器。
  4. 【請求項4】複数の導電性ワイヤが、相互に絶縁された
    中で部分的に相互接触を有し、前記相互接触によっても
    電気的には開ループとなっている請求項1,2いずれか
    1に記載の放熱器。
  5. 【請求項5】熱伝導部を複数の導電性ワイヤが密集して
    構成したことを特徴とする請求項1記載の放熱器。
  6. 【請求項6】熱伝導部を構成する複数の導電性ワイヤが
    相互に接着されている請求項5に記載の放熱器。
  7. 【請求項7】放熱部を構成する複数の導電性ワイヤが相
    互に空間を介して分離されている請求項5,6いずれか
    1に記載の放熱器。
  8. 【請求項8】熱伝導部と放熱部とを別部材で構成し、前
    記熱伝導部材と前記放熱部とを接合したことを特徴とす
    る請求項1記載の放熱器。
  9. 【請求項9】複数の第1の導電性ワイヤがそれぞれ相互
    に電気的に絶縁されており、かつ前記複数の第2の導電
    性ワイヤがそれぞれ相互に電気的に絶縁されていること
    を特徴とする請求項8に記載の放熱器。
  10. 【請求項10】第1の導電性ワイヤと第2の導電性ワイ
    ヤとの、両方もしくは一方にリッツ線からなる導電性ワ
    イヤを用いた請求項8,9いずれか1に記載の放熱器。
  11. 【請求項11】複数の第1の導電性ワイヤと複数の第2
    の導電性ワイヤとが、相互に電気的に絶縁された中で部
    分的に電気的な相互接続を有し、前記相互接触によって
    も電気的には開ループとなっていることを特徴とする請
    求項8〜10いずれか1に記載の放熱器。
  12. 【請求項12】第1の導電性ワイヤと第2の導電性ワイ
    ヤとの間に、良好な熱伝導性を有する接続部を設けた請
    求項8〜11いずれか1に記載の放熱器。
  13. 【請求項13】熱伝導部を構成する複数の第1の導電性
    ワイヤが相互に密集している請求項8〜12いずれか1
    に記載の放熱器。
  14. 【請求項14】熱伝導部を構成する複数の第1の導電性
    ワイヤが相互に接着されている請求項8〜13いずれか
    1に記載の放熱器。
  15. 【請求項15】駆動電流を通電するコイルと、前記コイ
    ルにより励磁される磁芯と、請求項1〜14いずれか1
    に記載の放熱器と、を備えた磁界発生装置。
  16. 【請求項16】駆動電流を通電するコイルと、前記コイ
    ルにより励磁される磁芯とを有し、高温部近傍に複数の
    導電性ワイヤからなる熱伝導部が配され、前記熱伝導部
    に接続された前記複数の導電性ワイヤからなる放熱部が
    設けられた磁界発生装置。
  17. 【請求項17】駆動電流を通電するコイルと、前記コイ
    ルにより励磁される磁芯とを有し、高温部近傍に複数の
    第1の導電性ワイヤからなる熱伝導部が配され、前記熱
    伝導部に接続された複数の第2の導電性ワイヤからなる
    放熱部が設けられた磁界発生装置。
  18. 【請求項18】熱伝導部を構成する複数の導電性ワイ
    ヤ、もしくは複数の第1の導電性ワイヤが密集してなる
    請求項16,17いずれか1に記載の磁界発生装置。
  19. 【請求項19】複数の導電性ワイヤからなる熱伝導部
    が、磁芯近傍に配置された請求項16〜18のいずれか
    1に記載の磁界発生装置。
  20. 【請求項20】複数の導電性ワイヤからなる熱伝導部
    が、コイル近傍に配置された請求項16〜18のいずれ
    か1に記載の磁界発生装置。
  21. 【請求項21】熱伝導部が、磁芯もしくはコイルの近傍
    にある発熱体の近傍に配置された請求項16〜18のい
    ずれか1に記載の磁界発生装置。
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