JP2004273301A - 誘導加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加熱物が軽量であっても浮き上がることなく、充分な入力電力による加熱を確保でき、加熱効率を向上した誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】加熱コイル21と被加熱物29との間に設けられかつその主成分は低透磁率の金属としその中に磁性体38を分散させた電気導体27とを備え、電気導体27は加熱コイル21に対向して被加熱物29を配置した時の加熱コイル21の等価直列抵抗を大きくするとともに、加熱コイル21の発生する磁界が被加熱物29に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有するように、漏れ磁束を電気導体27に吸収・発熱させ、その発生熱をプレート28を介して被加熱物29に伝えることで加熱効率を高めることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】加熱コイル21と被加熱物29との間に設けられかつその主成分は低透磁率の金属としその中に磁性体38を分散させた電気導体27とを備え、電気導体27は加熱コイル21に対向して被加熱物29を配置した時の加熱コイル21の等価直列抵抗を大きくするとともに、加熱コイル21の発生する磁界が被加熱物29に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有するように、漏れ磁束を電気導体27に吸収・発熱させ、その発生熱をプレート28を介して被加熱物29に伝えることで加熱効率を高めることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭やオフィス、レストラン、工場などで使用される誘導加熱装置に関するものであり、さらに詳しくはアルミニウムや銅といった低透磁率かつ高電気伝導率なる特性の材料でできた被加熱物を加熱する誘導加熱調理器、誘導加熱式湯沸かし器、誘導加熱式アイロン、またはその他の誘導加熱式加熱装置等で、特にアルミニウムを加熱可能とする誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
誘導加熱コイルで高周波磁界を発生させ、電磁誘導による渦電流で鍋等の被加熱物を加熱する誘導加熱調理器において、アルミニウム製の被加熱物を加熱できるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような、誘導加熱調理器においてアルミニウム製の被加熱物を加熱すると被加熱物に浮力が働き浮き上がるという課題があった。本願発明はこの課題を解決する手段に関するものであり、以下まず、従来の誘導加熱調理器を図6と図7を用いて説明する。
【0004】
図6は従来の誘導加熱調理器の断面図である。図6において、鍋の形状をした被加熱物1が、加熱コイル2を有する誘導加熱部3の上方に設けられたプレート4の上に載置されている。プレート4は例えば厚み4mmのセラミック材等の絶縁板である。加熱コイル2はインバータを有した駆動回路5から高周波電流が供給されて高周波磁界を発生し、被加熱物1に高周波磁界を与える。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−75620号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の誘導加熱調理器では、被加熱物1の底部に誘起される電流と加熱コイル2の電流との相互作用で、被加熱物1の底部に加熱コイル2から遠ざかろうとする反発力が生じる。被加熱物1が鉄などの抵抗率がある程度大きい高透磁率材料で作られている場合には、所望の加熱出力を得るために必要な電流値が少なくてよいのでこの反発力は比較的小さい。また鉄などでは磁束が被加熱物1を流れるので磁気的引力が働き、被加熱物1が浮き上がったりずれたりする恐れはない。
【0007】
被加熱物1がアルミニウムや銅といった低透磁率かつ高電気伝導率の材料で作られている場合には、所望の加熱出力を得るために加熱コイル2に流す電流を大きくして被加熱物1に大電流を誘起させる必要がある。その結果反発力が大きくなる。
【0008】
また、アルミニウムの被加熱物1には鉄などの高透磁率材料の場合のような磁気的引力が働かないので、加熱コイル2の磁界と誘起電流の磁界の作用により被加熱物1を加熱コイル2から遠ざける方向に大きな力が働く。この力は被加熱物1に浮力として働く。被加熱物1の重量が軽い場合には、被加熱物1がこの浮力によりプレート4の載置面から浮き上がって移動するおそれがある。
【0009】
図7の(a)は加熱コイル2に流される電流の向きを被加熱物1の側からみた図であり、同(b)は、加熱コイル2に流される電流にもとづいて被加熱物1に誘導により生じて流される渦電流を図7の(a)と同じ方向から見た図である。図7の(a)及び(b)に示すように被加熱物1を流れる渦電流は加熱コイル2に流れる電流と逆向きでかつ略同形状のループ状である。従ってこの2つの環状の電流は加熱コイル2の面積と実質的に同じ断面積の2つの永久磁石が同種の極同士(例えばN極とN極)を対向して置いたことと同じ状態になる。その結果被加熱物1と加熱コイル2との間には大きな反発力が生じる。
【0010】
この現象は、被加熱物1の材料がアルミニウムや銅という電気的伝導率が小さい物質である場合に顕著である。これに対して同じ低透磁率材料であっても、非磁性SUSはアルミニウムや銅よりも電気伝導率が低い材料であるから、加熱コイル2に流す電流が少なくても充分な発熱が得られる。したがって被加熱物1に流れる渦電流も小さく、それ故被加熱物1に誘導される磁界は小さい。
【0011】
発明者は、前記したアルミニウム製の被加熱物に働く浮力を低減する研究開発を行い、特願2002−235970号の特許出願を行った。この誘導加熱装置の構成は、被加熱物を誘導加熱するための加熱コイル、前記被加熱物を載置するための電気絶縁性を有する非磁性物のプレート、及び、前記加熱コイルと前記プレートとの間に設けられ、少なくとも一部が前記プレートに直接または熱伝導性を有する部材を介して接し、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時、前記加熱コイルの等価直列抵抗を増加させかつ、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に与える浮力を低減させる作用を与える電気導体を備えたものである。
【0012】
この構成で、アルミニウム製の被加熱物が軽量であっても浮き上がることなく充分な入力電力による加熱を確保できるようになったが、鉄製の被加熱物を加熱する場合に比べると加熱効率すなわち火力感が若干劣るという課題があった。
【0013】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、アルミニウム製の被加熱物が軽量であっても浮き上がることなく、充分な入力電力による加熱を確保でき、加熱効率を高めた誘導加熱装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられかつその主成分は低透磁率の金属としその中に磁性体を分散させた電気導体とを備え、前記電気導体は前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を大きくするとともに、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有するようにしている。
【0015】
この構成により、アルミニウム製の被加熱物が軽量であっても浮き上がることなく、充分な入力電力による加熱を確保できる。また、電気導体の主成分を低透磁率の金属としその中に磁性体を分散させることによって、漏れ磁束(被加熱物や電気導体に到達する磁束以外の磁束)を電気導体に吸収・発熱させることができる。その結果、その発生熱をプレートを介して被加熱物に伝えることで加熱効率を高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、本発明の誘導加熱装置は、アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられかつその主成分は低透磁率の金属としその中に磁性体を分散させた電気導体とを備え、前記電気導体は前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を大きくするとともに、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有してなることにより、加熱コイルから発生する磁界は電気導体の影響を受けて向き及び強度分布が変わる。
【0017】
一方、電気導体がない場合には、加熱コイルから発生する高周波磁界は、加熱コイルから発生した磁界を相殺する様に被加熱物に誘導電流が誘起する。この結果、加熱コイル電流と方向が逆で平行な誘導電流が高電気伝導率の被加熱体に誘導され、その電流と加熱コイルから放射される磁界との相互作用により、被加熱体に浮力が発生する。
【0018】
しかしながら、当該電気導体が存在することにより、加熱コイルから発生する磁界は、電気導体と被加熱物に鎖交するため、両者に誘導電流電流を発生することになる。すなわち、電気導体に誘導された誘導電流の発生する磁界と被加熱物に誘導された電流の発生する磁界の重畳磁界が、加熱コイルの発生する磁界の変化を妨げるように電気導体及び被加熱物に誘導電流が流れることになる。
【0019】
つまり、被加熱物に誘導される電流の分布が、電気導体に誘導電流が発生することにより変わることになる。この電流分布の変化で、加熱コイルの等価直列抵抗が大きくなることにより、同一出力を得る場合の加熱コイルに流す電流値を小さくすることができ、被加熱物に作用する浮力が低減するとともに、電気導体が被加熱物に働くべき浮力の一部を分担することで被加熱物に作用する浮力が低減できることになるわけである。併せて、加熱コイル、加熱コイルを駆動する共振電流を発生するインバータに使用されるスイッチング素子、及び共振コンデンサ等の高周波部品のスイッチング損失を低減することができるという作用をも有するものである。
【0020】
ここで、電気導体の主成分を低透磁率の金属としその中に磁性体を分散させることによって、漏れ磁束(被加熱物や電気導体に到達する磁束以外の磁束)を電気導体に吸収・発熱させ、その発生熱をプレートを介して被加熱物に伝えることで加熱効率を高めるものである。
【0021】
請求項2に記載の発明は、特に電気導体の表面に磁性体を形成させるものであり、表面に磁性体を形成させるこの方法は、比較的簡単、安価で方法も多種存在し、自由度が大きいという利点がある。
【0022】
請求項3に記載の発明は、特に電気導体の被加熱体側の表面に磁性体を形成させるものであり、漏れ磁束による発熱は被加熱体側に集中し、効率よく被加熱物に熱移動できるとともに、加熱コイルは電気導体から熱を受けにくくなるので、加熱コイルのロスを低減することも可能になる。
【0023】
請求項4に記載の発明は、特に電気導体の外周側に磁性体を形成させるものであり、外周側は内周側に比べて磁束の密度が疎であるため、電気導体の発熱が少なくて済み、また、外周側は比較的低い温度の雰囲気と広範囲に隣接しているので冷却性が向上する。
【0024】
請求項5に記載の発明は、特に電気導体は物理的な処理によって表面に磁性体を形成させるものであり、例えば塗装、溶着、溶射、接合等によるものである。この方法は、基材に用いる電気導体は一定で各種方法の取捨選択が自由であるという利点と、比較的安価において処理が可能であり量産性が高い。
【0025】
請求項6に記載の発明は、特に、電気導体は化学的な処理によって表面に磁性体を形成させるものであり、例えば基材自体を酸化あるいは腐食等を施すことによって磁性体を形成させるものである。この方法は、基材自体に処理するため機械的な強度が高いとともに、物理的な処理のように付着物を伴わないため層間伝熱による損失が少なく電気導体の放熱効率が高い。
【0026】
【実施例】
以下本発明の誘導加熱装置の好適な実施例について、図1から図7を参照しながら説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施例における誘導加熱装置(例えば誘導加熱調理器)の加熱コイル21を含む誘導加熱部42の構成を示す分解斜視図であり、図2は誘導加熱部42の組立斜視図である。図3は誘導加熱部42と誘導加熱調理器の本体の上部に固定されたプレート28及びプレート28に載置された被加熱物29を示す断面図である。
【0028】
図1、図2及び図3において、耐熱樹脂製のコイルベース22の上面に4つのコの字型の強磁性体である、第1の磁性体のフェライトコア23、24、25、26が放射状に配置され、前記コイルベース22に一体成型で取り付けられている。各フェライトコアは全体として加熱コイル21に向って開いたコの字状に形成されている。コイルベース22はフェライトコア23〜26の表面を覆うように成形され、加熱コイル21とフェライトコア23〜26とを電気的に絶縁する構成になっている。なおフェライトコア23〜26の放熱のため一部を露出させてもよい。加熱コイル21は細い素線を束ねた撚り線を平板状に巻回したコイルである。加熱コイル21の両端末はコイルベース22に設けられた端子板61、62にそれぞれ接続されている。端子板61、62は図示していない高周波電源に接続されている。
【0029】
加熱コイル21を保持するために、加熱コイル21の上には、耐熱プラスチックの成形品によるコイルホルダ37が設けられている。コイルホルダ37の上にはカーボン等の材料で形成された導電膜32が集積マイカ製の熱遮蔽板30、31の間に挟まれて設けられている。導電膜32は英文字のCの形をしている。導電膜32に接続されている2個の端子33A、33Bは、コネクタ34Aに接続されている。端子33A、33Bはコネクタ34Aを経て切り換え装置34Bに接続される。切り替え装置34Bは端子33A、33B間の導通をチェックする機能と端子33A、33Bをコンデンサ34に接続する機能を有する。切り換え装置34Bは加熱コイル動作時は端子33A、33Bをコンデンサ34に接続する。コンデンサ34は一端を商用電源の電位、あるいは加熱コイル21に高周波電流を供給するインバータに入力される商用電源を整流した出力の電位あるいは大地電位あるいはその他の低電位部に接続される。
【0030】
熱遮蔽板30の上にマイカ製の耐熱シート63が設けられている。耐熱シート63の上に電気導体27が設けられている。電気導体27は2つの所定の幅を有する円弧状の電気導体半体27a、27bから構成されている。電気導体27はその上部にある被加熱物29を載せるためのプレート28の下面に当接しまたは接着されている。電気導体27は必ずしも接着されている必要はなく直接又は熱を伝導する電気絶縁性を有する部材や導電性部材を介してプレート28に押し当てるようにしてもよい。プレート28の材料は好ましくは耐熱セラミックであり高い電気絶縁性と金属より小さな所定の熱伝導性を有する。電気導体半体の数は2つに限定されるものではなく、更に分割して多くの数にしてもよい。多くの数(複数)に分割した電気導体はそれぞれほぼ均等な大きさにし、相互の間隔をほぼ均等にするのが被加熱物への浮上がり力の中心周りでの均等な配分と加熱力の均等な配分の上で望ましい。
【0031】
たとえば本願発明者の先出願である特願2002−066553の実施例のように単数のC字状の電気導体を用いたものでは浮上抑制力が中心周りに均等でないから被加熱部の一隅が浮き上がろうとしたり、被加熱物がある方向に横すべりしやすい点があった。電気導体を複数にすることにより、加熱コイルの磁界により電気導体に発生する誘導電流が分断される。その結果誘導加熱による電気導体の発熱を抑制することができる。
【0032】
また加熱コイルの磁界により誘導される被加熱物の誘導電流の分布が変わるので、加熱コイルの等価直列抵抗が大きくなる。その結果加熱コイルの電流が低減し、被加熱体に与える浮力も低減する。また、電気導体が所定の幅を有し、加熱コイルの巻き線の巻き方向に沿った形状で相互に間隔を設けて配置されているので、効率よく電気導体に電流が誘導されて等価直列抵抗を大きくするので浮力低減効果が増す。
【0033】
複数の電気導体の大きさと相互の間隔をほぼ均等にすることにより、加熱コイルから出て被加熱物に鎖交する磁束の分布が実質的に回転対称になる。その結果、被加熱物に働く浮力が中心の周りにバランス(平衡)をもって配分される。またフェライトコア23〜26が、複数に分割された電気導体27の隙間の部分に対向しないようにするのが望ましい。これにより、隙間の部分で強くなる磁界を他の方向に分散させて磁界を均一にすることができる。
【0034】
電気導体半体27a、27bはそれぞれ厚さが約1mm、幅が約35mmの板により形成され、半円の円弧状に形成されている。電気導体半体27aと27bとの間隙27cは約10mmである。電気導体半体27a、27bは、それぞれの脚部27e、27fによりコイルホルダー37を挟んでコイルーベース22にねじ止めされる。電気導体27の具体的寸法の実施例は、外径が180mm、内径が約110mm(加熱コイル21の外径が約180mm、内径が約165mmの場合)である。
【0035】
ここで、電気導体27は、図4(a)のようにアルミニウム(またはアルミニウム合金)を主成分とし、それに磁性体38を加えたものであり、磁性体38を加える方法としては特に限定されるものではない。磁性体38の加え方としては、例えば粉末冶金技術のような方法により、アルミニウム中に磁性ステンレス、ニッケル等の磁性体38を分散させる方法がある。
【0036】
あるいは、物理的な処理として塗装、溶射、溶接、接合等によって磁性体38を加える方法があり、具体的には磁性粉入りの塗装、PVD、粉体溶射、クラッド材等がある。
【0037】
また、化学的な処理としてめっき、陽極酸化等によって磁性体38を加える方法があり、具体的にはニッケルめっきや磁性アルマイト処理等がある。これらの処理によるといずれも図4(b)のように電気導体27の表面に磁性体38が形成されることになる。また、マスキング等を施せば、磁性体38のつけかたは多種多様で、例えば片面のみ磁性体38を形成したり、外周側のみ磁性体38を形成したりすることが可能であり、その時々において設計の最適化を図ればよい。
【0038】
電気導体27の中央の開口部39において、図5に示すフェライトコア23〜26の外側の立ち上がり部であるフェライトコア23b〜26bの上端面は電気導体27の外周より外側に位置している。また内側の立ち上がり部であるフェライトコア23c〜26cの上端面は開口部39の内周より内側に位置するようにしてある。図3において、誘導加熱部42の下方に第2の磁性体3845が設けられている。磁性体3845は、例えば透磁率の高い厚さ0.15mmの珪素鋼板等を縦横が15mm及び20mm程度のほぼ扇形に形成した部材である。磁性体3845は、加熱コイル21により被加熱物29周囲に漏洩する磁界が不均一である場合に、その磁界分布を均一に調整して低減するために用いる。サーミスタ35がホルダー36にはめ込まれて、プレート28の裏面に当接されプレート28の温度を検出する。プレート28は絶縁物である耐熱セラミックス製で、その上にアルミニウム製の被加熱物29が加熱コイル22に対向する様に載置される。
【0039】
以下に本実施例の誘導加熱装置の動作を説明する。加熱コイル21に図示を省略した高周波電源から約70kHzの高周波電流を流すと、加熱コイル21は、高周波磁界を発生する。加熱コイル21の下方には、高透磁率材料であるフェライトコア23〜26があるので下方へ向かう磁束はフェライトコア23〜26によって集束され、磁界が加熱コイル21の下方に拡がるのを防止できる。すなわちフェライトコア23〜26は加熱コイル下方及び側方での損失を抑制し加熱効率を高める作用をする。
【0040】
加熱コイル21の上方に出た磁束は電気導体27に鎖交し、電気導体27に誘導電流が誘起される。電気導体27の厚みは前記のとおり約1mmで磁束の浸透深さ以上の厚みを有するので、電気導体27に鎖交する磁束の大部分はほとんど電気導体27を貫通せず外周側または内周側に迂回してから被加熱物29の方向に導かれる。
【0041】
被加熱物29に誘起される誘導電流は、加熱コイル21の発生する磁界と、電気導体27に誘起される電流により発生する磁界とが重畳した磁界が被加熱物29に鎖交することにより発生する。従って電気導体27が存在することにより、被加熱物29に誘導される電流分布が変化する。さらに電気導体27に発生する電流の分布の影響が加わることにより、加熱コイル21の等価直列抵抗が大きくなる。
【0042】
加熱コイル21の等価直列抵抗が大きくなると、同じ加熱コイル電流において被加熱物29の発熱量が大きくなる。その結果同一の熱出力を得ようとする場合の加熱コイル電流を小さくすることができ、それに伴い浮力も低減する。
【0043】
また、図3に示すように電気導体27をプレート28当接させて、電気導体27の熱を熱伝導でプレート28に逃がし一部の熱を被加熱物29に与ることにより電気導体27の温度上昇を抑制することができ、周囲の部品に対する温度による悪影響を与えるのを防止できる。それとともに、前記の加熱効率の低下をカバーすることが可能である。
【0044】
またプレート28の下面に電気導体27を当接させることにより、その下側に耐熱シート63、熱遮蔽板30、31、導電膜32、コイルホルダ37などを積層して位置決めされる加熱コイル21と前記プレート28間の距離を正確に設定できる。
【0045】
この構成により、電気導体27の発熱は効率よくプレート28に伝導させて放散させることができる。それ故電気導体27の発熱が加熱コイル21や周囲の部品に温度上昇による悪影響を及ぼすのを抑制する。また伝導熱で被加熱物29の温度を上げ、加熱効率を高めることもできる。
【0046】
電気導体27をプレート28に耐熱接着剤を用いて接着してもよい。その構造によると、接着により電気導体27がプレートに密着するので、電気導体27の熱がプレートに熱伝導で伝わって放熱され電気導体の放熱性が向上する。また、接着後の電気導体の取り扱いに手間がかからない。なお電気導体27は導電膜32を介在させてプレート28の下面に当接させたりまたは接着しても良い。
【0047】
電気導体27は、2つの電気導体半体27a、27bの間に被加熱物29の底面に対向するよう面内において約10mmの間隙27c(図1,図2)を設けて配設している。この間隙27cを設けないほうが等価直列抵抗(Rs)の増加効果は大きい。しかし、間隙27cを設けない場合には、電気導体半体27a、27bの誘導電流が多いため発熱量が極めて大きく加熱効率の低下も大きい。間隙27cを設けると、間隙27cを設けない場合より等価直列抵抗の増加は少なくなる。しかし間隙27cを設けることにより、電気導体27に誘起される電流と逆方向でかつ略平行に加熱コイル21の中心の回りを流れる周回電流が流れないようになる。これにより結果的に分布の異なる誘導電流が電気導体27内に流れることになる。それ故、電気導体27の発熱が抑制されるとともに等価直列抵抗を増加させる作用を生じる。
【0048】
加熱コイル22の上部に熱遮蔽板30と31に挟んで設けた導電膜32は、コンデンサ34(図1、図2)を介して商用電源電位、インバータの入力電位となる電源電流整流器の出力電位、またはアース電位に接続される。これにより加熱コイル21から漏洩するリーク電流を低減することができる。この導電膜32は膜厚が約30ミクロン程度と薄く選ばれる。したがって電気伝導率も小さいので誘導電流も極めて少ない。そのため加熱コイル21から発生する磁界の分布を変える作用はほとんどない。また導電膜32は電気導体27のような等価直列抵抗の増加作用、加熱コイル電流の低減作用及び浮力低減作用もほとんどない。
【0049】
また、電気導体27に磁性体38を分散させることにより、漏れ磁束(被加熱物29や電気導体27に到達する磁束以外の磁束)を電気導体27に吸収・発熱させ、その発生熱をプレート28を介して被加熱物29に伝えることで加熱効率をより高めることが可能になる。
【0050】
また、電気導体27の表面に磁性体38を形成させることによっても同様の効果が得られ、この方法は、比較的簡単、安価で方法も多種存在し、自由度が大きいという利点がある。
【0051】
特に電気導体27の被加熱体29側の表面に磁性体38を形成させれば、漏れ磁束による発熱は被加熱体29側に集中し、効率よく被加熱物29に熱移動できるとともに、加熱コイル21は電気導体27から熱を受けにくくなるので、加熱コイル21のロスを低減することも可能になる。
【0052】
また、電気導体27の外周側に磁性体を形成させれば、外周側は内周側に比べて磁束の密度が疎であるため、電気導体27の発熱が少なくて済み、また、外周側は比較的低い温度の雰囲気と広範囲に隣接しているので冷却性が向上する。
【0053】
物理的な処理によって表面に磁性体38を形成させるのは、基材に用いる電気導体27は一定で各種方法の取捨選択が自由で、また、比較的安価において処理が可能であり量産性が高いという利点がある。
【0054】
化学的な処理によって表面に磁性体38を形成させるのは、基材自体に処理するため機械的な強度が高いとともに、物理的な処理のように付着物を伴わないため層間伝熱による損失が少なく電気導体27の放熱効率が高いという利点がある。
【0055】
なお、電気導体27に磁性体38を加えることで、加熱コイル21の等価直列抵抗を大きくして、浮力を低減することも可能である。しかしながら、電気導体27が必要以上に発熱しないよう磁性体38の含有量に注意し、浮力低減と発熱の設計バランスをとることが肝要である。但し、本実施例のように、磁性体38を分散させたり、表面に薄く処理することにより、磁性体38が発熱しにくい構成をとっているので、この面からも有利である。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、アルミニウム製の被加熱物が軽量であっても浮き上がることなく、充分な入力電力による加熱を確保でき、加熱効率を向上した誘導加熱装置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の要部斜視図
【図2】本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の要部断面図
【図3】図2の誘導加熱部のIII−III断面図
【図4】(a)磁性体を加えた電気導体の断面図
(b)表面に磁性体を形成させた電気導体の断面図
【図5】フェライトコア23、24、25、及び26の斜視図
【図6】従来の誘導加熱装置の断面図
【図7】(a)従来の誘導加熱装置の加熱コイルに流れる電流を示す図
(b)従来の誘導加熱装置の被加熱物に流れる電流を示す図
【符号の説明】
21 加熱コイル
27 電気導体
29 被加熱物
38 磁性体
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭やオフィス、レストラン、工場などで使用される誘導加熱装置に関するものであり、さらに詳しくはアルミニウムや銅といった低透磁率かつ高電気伝導率なる特性の材料でできた被加熱物を加熱する誘導加熱調理器、誘導加熱式湯沸かし器、誘導加熱式アイロン、またはその他の誘導加熱式加熱装置等で、特にアルミニウムを加熱可能とする誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
誘導加熱コイルで高周波磁界を発生させ、電磁誘導による渦電流で鍋等の被加熱物を加熱する誘導加熱調理器において、アルミニウム製の被加熱物を加熱できるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような、誘導加熱調理器においてアルミニウム製の被加熱物を加熱すると被加熱物に浮力が働き浮き上がるという課題があった。本願発明はこの課題を解決する手段に関するものであり、以下まず、従来の誘導加熱調理器を図6と図7を用いて説明する。
【0004】
図6は従来の誘導加熱調理器の断面図である。図6において、鍋の形状をした被加熱物1が、加熱コイル2を有する誘導加熱部3の上方に設けられたプレート4の上に載置されている。プレート4は例えば厚み4mmのセラミック材等の絶縁板である。加熱コイル2はインバータを有した駆動回路5から高周波電流が供給されて高周波磁界を発生し、被加熱物1に高周波磁界を与える。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−75620号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の誘導加熱調理器では、被加熱物1の底部に誘起される電流と加熱コイル2の電流との相互作用で、被加熱物1の底部に加熱コイル2から遠ざかろうとする反発力が生じる。被加熱物1が鉄などの抵抗率がある程度大きい高透磁率材料で作られている場合には、所望の加熱出力を得るために必要な電流値が少なくてよいのでこの反発力は比較的小さい。また鉄などでは磁束が被加熱物1を流れるので磁気的引力が働き、被加熱物1が浮き上がったりずれたりする恐れはない。
【0007】
被加熱物1がアルミニウムや銅といった低透磁率かつ高電気伝導率の材料で作られている場合には、所望の加熱出力を得るために加熱コイル2に流す電流を大きくして被加熱物1に大電流を誘起させる必要がある。その結果反発力が大きくなる。
【0008】
また、アルミニウムの被加熱物1には鉄などの高透磁率材料の場合のような磁気的引力が働かないので、加熱コイル2の磁界と誘起電流の磁界の作用により被加熱物1を加熱コイル2から遠ざける方向に大きな力が働く。この力は被加熱物1に浮力として働く。被加熱物1の重量が軽い場合には、被加熱物1がこの浮力によりプレート4の載置面から浮き上がって移動するおそれがある。
【0009】
図7の(a)は加熱コイル2に流される電流の向きを被加熱物1の側からみた図であり、同(b)は、加熱コイル2に流される電流にもとづいて被加熱物1に誘導により生じて流される渦電流を図7の(a)と同じ方向から見た図である。図7の(a)及び(b)に示すように被加熱物1を流れる渦電流は加熱コイル2に流れる電流と逆向きでかつ略同形状のループ状である。従ってこの2つの環状の電流は加熱コイル2の面積と実質的に同じ断面積の2つの永久磁石が同種の極同士(例えばN極とN極)を対向して置いたことと同じ状態になる。その結果被加熱物1と加熱コイル2との間には大きな反発力が生じる。
【0010】
この現象は、被加熱物1の材料がアルミニウムや銅という電気的伝導率が小さい物質である場合に顕著である。これに対して同じ低透磁率材料であっても、非磁性SUSはアルミニウムや銅よりも電気伝導率が低い材料であるから、加熱コイル2に流す電流が少なくても充分な発熱が得られる。したがって被加熱物1に流れる渦電流も小さく、それ故被加熱物1に誘導される磁界は小さい。
【0011】
発明者は、前記したアルミニウム製の被加熱物に働く浮力を低減する研究開発を行い、特願2002−235970号の特許出願を行った。この誘導加熱装置の構成は、被加熱物を誘導加熱するための加熱コイル、前記被加熱物を載置するための電気絶縁性を有する非磁性物のプレート、及び、前記加熱コイルと前記プレートとの間に設けられ、少なくとも一部が前記プレートに直接または熱伝導性を有する部材を介して接し、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時、前記加熱コイルの等価直列抵抗を増加させかつ、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に与える浮力を低減させる作用を与える電気導体を備えたものである。
【0012】
この構成で、アルミニウム製の被加熱物が軽量であっても浮き上がることなく充分な入力電力による加熱を確保できるようになったが、鉄製の被加熱物を加熱する場合に比べると加熱効率すなわち火力感が若干劣るという課題があった。
【0013】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、アルミニウム製の被加熱物が軽量であっても浮き上がることなく、充分な入力電力による加熱を確保でき、加熱効率を高めた誘導加熱装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられかつその主成分は低透磁率の金属としその中に磁性体を分散させた電気導体とを備え、前記電気導体は前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を大きくするとともに、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有するようにしている。
【0015】
この構成により、アルミニウム製の被加熱物が軽量であっても浮き上がることなく、充分な入力電力による加熱を確保できる。また、電気導体の主成分を低透磁率の金属としその中に磁性体を分散させることによって、漏れ磁束(被加熱物や電気導体に到達する磁束以外の磁束)を電気導体に吸収・発熱させることができる。その結果、その発生熱をプレートを介して被加熱物に伝えることで加熱効率を高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、本発明の誘導加熱装置は、アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられかつその主成分は低透磁率の金属としその中に磁性体を分散させた電気導体とを備え、前記電気導体は前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を大きくするとともに、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有してなることにより、加熱コイルから発生する磁界は電気導体の影響を受けて向き及び強度分布が変わる。
【0017】
一方、電気導体がない場合には、加熱コイルから発生する高周波磁界は、加熱コイルから発生した磁界を相殺する様に被加熱物に誘導電流が誘起する。この結果、加熱コイル電流と方向が逆で平行な誘導電流が高電気伝導率の被加熱体に誘導され、その電流と加熱コイルから放射される磁界との相互作用により、被加熱体に浮力が発生する。
【0018】
しかしながら、当該電気導体が存在することにより、加熱コイルから発生する磁界は、電気導体と被加熱物に鎖交するため、両者に誘導電流電流を発生することになる。すなわち、電気導体に誘導された誘導電流の発生する磁界と被加熱物に誘導された電流の発生する磁界の重畳磁界が、加熱コイルの発生する磁界の変化を妨げるように電気導体及び被加熱物に誘導電流が流れることになる。
【0019】
つまり、被加熱物に誘導される電流の分布が、電気導体に誘導電流が発生することにより変わることになる。この電流分布の変化で、加熱コイルの等価直列抵抗が大きくなることにより、同一出力を得る場合の加熱コイルに流す電流値を小さくすることができ、被加熱物に作用する浮力が低減するとともに、電気導体が被加熱物に働くべき浮力の一部を分担することで被加熱物に作用する浮力が低減できることになるわけである。併せて、加熱コイル、加熱コイルを駆動する共振電流を発生するインバータに使用されるスイッチング素子、及び共振コンデンサ等の高周波部品のスイッチング損失を低減することができるという作用をも有するものである。
【0020】
ここで、電気導体の主成分を低透磁率の金属としその中に磁性体を分散させることによって、漏れ磁束(被加熱物や電気導体に到達する磁束以外の磁束)を電気導体に吸収・発熱させ、その発生熱をプレートを介して被加熱物に伝えることで加熱効率を高めるものである。
【0021】
請求項2に記載の発明は、特に電気導体の表面に磁性体を形成させるものであり、表面に磁性体を形成させるこの方法は、比較的簡単、安価で方法も多種存在し、自由度が大きいという利点がある。
【0022】
請求項3に記載の発明は、特に電気導体の被加熱体側の表面に磁性体を形成させるものであり、漏れ磁束による発熱は被加熱体側に集中し、効率よく被加熱物に熱移動できるとともに、加熱コイルは電気導体から熱を受けにくくなるので、加熱コイルのロスを低減することも可能になる。
【0023】
請求項4に記載の発明は、特に電気導体の外周側に磁性体を形成させるものであり、外周側は内周側に比べて磁束の密度が疎であるため、電気導体の発熱が少なくて済み、また、外周側は比較的低い温度の雰囲気と広範囲に隣接しているので冷却性が向上する。
【0024】
請求項5に記載の発明は、特に電気導体は物理的な処理によって表面に磁性体を形成させるものであり、例えば塗装、溶着、溶射、接合等によるものである。この方法は、基材に用いる電気導体は一定で各種方法の取捨選択が自由であるという利点と、比較的安価において処理が可能であり量産性が高い。
【0025】
請求項6に記載の発明は、特に、電気導体は化学的な処理によって表面に磁性体を形成させるものであり、例えば基材自体を酸化あるいは腐食等を施すことによって磁性体を形成させるものである。この方法は、基材自体に処理するため機械的な強度が高いとともに、物理的な処理のように付着物を伴わないため層間伝熱による損失が少なく電気導体の放熱効率が高い。
【0026】
【実施例】
以下本発明の誘導加熱装置の好適な実施例について、図1から図7を参照しながら説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施例における誘導加熱装置(例えば誘導加熱調理器)の加熱コイル21を含む誘導加熱部42の構成を示す分解斜視図であり、図2は誘導加熱部42の組立斜視図である。図3は誘導加熱部42と誘導加熱調理器の本体の上部に固定されたプレート28及びプレート28に載置された被加熱物29を示す断面図である。
【0028】
図1、図2及び図3において、耐熱樹脂製のコイルベース22の上面に4つのコの字型の強磁性体である、第1の磁性体のフェライトコア23、24、25、26が放射状に配置され、前記コイルベース22に一体成型で取り付けられている。各フェライトコアは全体として加熱コイル21に向って開いたコの字状に形成されている。コイルベース22はフェライトコア23〜26の表面を覆うように成形され、加熱コイル21とフェライトコア23〜26とを電気的に絶縁する構成になっている。なおフェライトコア23〜26の放熱のため一部を露出させてもよい。加熱コイル21は細い素線を束ねた撚り線を平板状に巻回したコイルである。加熱コイル21の両端末はコイルベース22に設けられた端子板61、62にそれぞれ接続されている。端子板61、62は図示していない高周波電源に接続されている。
【0029】
加熱コイル21を保持するために、加熱コイル21の上には、耐熱プラスチックの成形品によるコイルホルダ37が設けられている。コイルホルダ37の上にはカーボン等の材料で形成された導電膜32が集積マイカ製の熱遮蔽板30、31の間に挟まれて設けられている。導電膜32は英文字のCの形をしている。導電膜32に接続されている2個の端子33A、33Bは、コネクタ34Aに接続されている。端子33A、33Bはコネクタ34Aを経て切り換え装置34Bに接続される。切り替え装置34Bは端子33A、33B間の導通をチェックする機能と端子33A、33Bをコンデンサ34に接続する機能を有する。切り換え装置34Bは加熱コイル動作時は端子33A、33Bをコンデンサ34に接続する。コンデンサ34は一端を商用電源の電位、あるいは加熱コイル21に高周波電流を供給するインバータに入力される商用電源を整流した出力の電位あるいは大地電位あるいはその他の低電位部に接続される。
【0030】
熱遮蔽板30の上にマイカ製の耐熱シート63が設けられている。耐熱シート63の上に電気導体27が設けられている。電気導体27は2つの所定の幅を有する円弧状の電気導体半体27a、27bから構成されている。電気導体27はその上部にある被加熱物29を載せるためのプレート28の下面に当接しまたは接着されている。電気導体27は必ずしも接着されている必要はなく直接又は熱を伝導する電気絶縁性を有する部材や導電性部材を介してプレート28に押し当てるようにしてもよい。プレート28の材料は好ましくは耐熱セラミックであり高い電気絶縁性と金属より小さな所定の熱伝導性を有する。電気導体半体の数は2つに限定されるものではなく、更に分割して多くの数にしてもよい。多くの数(複数)に分割した電気導体はそれぞれほぼ均等な大きさにし、相互の間隔をほぼ均等にするのが被加熱物への浮上がり力の中心周りでの均等な配分と加熱力の均等な配分の上で望ましい。
【0031】
たとえば本願発明者の先出願である特願2002−066553の実施例のように単数のC字状の電気導体を用いたものでは浮上抑制力が中心周りに均等でないから被加熱部の一隅が浮き上がろうとしたり、被加熱物がある方向に横すべりしやすい点があった。電気導体を複数にすることにより、加熱コイルの磁界により電気導体に発生する誘導電流が分断される。その結果誘導加熱による電気導体の発熱を抑制することができる。
【0032】
また加熱コイルの磁界により誘導される被加熱物の誘導電流の分布が変わるので、加熱コイルの等価直列抵抗が大きくなる。その結果加熱コイルの電流が低減し、被加熱体に与える浮力も低減する。また、電気導体が所定の幅を有し、加熱コイルの巻き線の巻き方向に沿った形状で相互に間隔を設けて配置されているので、効率よく電気導体に電流が誘導されて等価直列抵抗を大きくするので浮力低減効果が増す。
【0033】
複数の電気導体の大きさと相互の間隔をほぼ均等にすることにより、加熱コイルから出て被加熱物に鎖交する磁束の分布が実質的に回転対称になる。その結果、被加熱物に働く浮力が中心の周りにバランス(平衡)をもって配分される。またフェライトコア23〜26が、複数に分割された電気導体27の隙間の部分に対向しないようにするのが望ましい。これにより、隙間の部分で強くなる磁界を他の方向に分散させて磁界を均一にすることができる。
【0034】
電気導体半体27a、27bはそれぞれ厚さが約1mm、幅が約35mmの板により形成され、半円の円弧状に形成されている。電気導体半体27aと27bとの間隙27cは約10mmである。電気導体半体27a、27bは、それぞれの脚部27e、27fによりコイルホルダー37を挟んでコイルーベース22にねじ止めされる。電気導体27の具体的寸法の実施例は、外径が180mm、内径が約110mm(加熱コイル21の外径が約180mm、内径が約165mmの場合)である。
【0035】
ここで、電気導体27は、図4(a)のようにアルミニウム(またはアルミニウム合金)を主成分とし、それに磁性体38を加えたものであり、磁性体38を加える方法としては特に限定されるものではない。磁性体38の加え方としては、例えば粉末冶金技術のような方法により、アルミニウム中に磁性ステンレス、ニッケル等の磁性体38を分散させる方法がある。
【0036】
あるいは、物理的な処理として塗装、溶射、溶接、接合等によって磁性体38を加える方法があり、具体的には磁性粉入りの塗装、PVD、粉体溶射、クラッド材等がある。
【0037】
また、化学的な処理としてめっき、陽極酸化等によって磁性体38を加える方法があり、具体的にはニッケルめっきや磁性アルマイト処理等がある。これらの処理によるといずれも図4(b)のように電気導体27の表面に磁性体38が形成されることになる。また、マスキング等を施せば、磁性体38のつけかたは多種多様で、例えば片面のみ磁性体38を形成したり、外周側のみ磁性体38を形成したりすることが可能であり、その時々において設計の最適化を図ればよい。
【0038】
電気導体27の中央の開口部39において、図5に示すフェライトコア23〜26の外側の立ち上がり部であるフェライトコア23b〜26bの上端面は電気導体27の外周より外側に位置している。また内側の立ち上がり部であるフェライトコア23c〜26cの上端面は開口部39の内周より内側に位置するようにしてある。図3において、誘導加熱部42の下方に第2の磁性体3845が設けられている。磁性体3845は、例えば透磁率の高い厚さ0.15mmの珪素鋼板等を縦横が15mm及び20mm程度のほぼ扇形に形成した部材である。磁性体3845は、加熱コイル21により被加熱物29周囲に漏洩する磁界が不均一である場合に、その磁界分布を均一に調整して低減するために用いる。サーミスタ35がホルダー36にはめ込まれて、プレート28の裏面に当接されプレート28の温度を検出する。プレート28は絶縁物である耐熱セラミックス製で、その上にアルミニウム製の被加熱物29が加熱コイル22に対向する様に載置される。
【0039】
以下に本実施例の誘導加熱装置の動作を説明する。加熱コイル21に図示を省略した高周波電源から約70kHzの高周波電流を流すと、加熱コイル21は、高周波磁界を発生する。加熱コイル21の下方には、高透磁率材料であるフェライトコア23〜26があるので下方へ向かう磁束はフェライトコア23〜26によって集束され、磁界が加熱コイル21の下方に拡がるのを防止できる。すなわちフェライトコア23〜26は加熱コイル下方及び側方での損失を抑制し加熱効率を高める作用をする。
【0040】
加熱コイル21の上方に出た磁束は電気導体27に鎖交し、電気導体27に誘導電流が誘起される。電気導体27の厚みは前記のとおり約1mmで磁束の浸透深さ以上の厚みを有するので、電気導体27に鎖交する磁束の大部分はほとんど電気導体27を貫通せず外周側または内周側に迂回してから被加熱物29の方向に導かれる。
【0041】
被加熱物29に誘起される誘導電流は、加熱コイル21の発生する磁界と、電気導体27に誘起される電流により発生する磁界とが重畳した磁界が被加熱物29に鎖交することにより発生する。従って電気導体27が存在することにより、被加熱物29に誘導される電流分布が変化する。さらに電気導体27に発生する電流の分布の影響が加わることにより、加熱コイル21の等価直列抵抗が大きくなる。
【0042】
加熱コイル21の等価直列抵抗が大きくなると、同じ加熱コイル電流において被加熱物29の発熱量が大きくなる。その結果同一の熱出力を得ようとする場合の加熱コイル電流を小さくすることができ、それに伴い浮力も低減する。
【0043】
また、図3に示すように電気導体27をプレート28当接させて、電気導体27の熱を熱伝導でプレート28に逃がし一部の熱を被加熱物29に与ることにより電気導体27の温度上昇を抑制することができ、周囲の部品に対する温度による悪影響を与えるのを防止できる。それとともに、前記の加熱効率の低下をカバーすることが可能である。
【0044】
またプレート28の下面に電気導体27を当接させることにより、その下側に耐熱シート63、熱遮蔽板30、31、導電膜32、コイルホルダ37などを積層して位置決めされる加熱コイル21と前記プレート28間の距離を正確に設定できる。
【0045】
この構成により、電気導体27の発熱は効率よくプレート28に伝導させて放散させることができる。それ故電気導体27の発熱が加熱コイル21や周囲の部品に温度上昇による悪影響を及ぼすのを抑制する。また伝導熱で被加熱物29の温度を上げ、加熱効率を高めることもできる。
【0046】
電気導体27をプレート28に耐熱接着剤を用いて接着してもよい。その構造によると、接着により電気導体27がプレートに密着するので、電気導体27の熱がプレートに熱伝導で伝わって放熱され電気導体の放熱性が向上する。また、接着後の電気導体の取り扱いに手間がかからない。なお電気導体27は導電膜32を介在させてプレート28の下面に当接させたりまたは接着しても良い。
【0047】
電気導体27は、2つの電気導体半体27a、27bの間に被加熱物29の底面に対向するよう面内において約10mmの間隙27c(図1,図2)を設けて配設している。この間隙27cを設けないほうが等価直列抵抗(Rs)の増加効果は大きい。しかし、間隙27cを設けない場合には、電気導体半体27a、27bの誘導電流が多いため発熱量が極めて大きく加熱効率の低下も大きい。間隙27cを設けると、間隙27cを設けない場合より等価直列抵抗の増加は少なくなる。しかし間隙27cを設けることにより、電気導体27に誘起される電流と逆方向でかつ略平行に加熱コイル21の中心の回りを流れる周回電流が流れないようになる。これにより結果的に分布の異なる誘導電流が電気導体27内に流れることになる。それ故、電気導体27の発熱が抑制されるとともに等価直列抵抗を増加させる作用を生じる。
【0048】
加熱コイル22の上部に熱遮蔽板30と31に挟んで設けた導電膜32は、コンデンサ34(図1、図2)を介して商用電源電位、インバータの入力電位となる電源電流整流器の出力電位、またはアース電位に接続される。これにより加熱コイル21から漏洩するリーク電流を低減することができる。この導電膜32は膜厚が約30ミクロン程度と薄く選ばれる。したがって電気伝導率も小さいので誘導電流も極めて少ない。そのため加熱コイル21から発生する磁界の分布を変える作用はほとんどない。また導電膜32は電気導体27のような等価直列抵抗の増加作用、加熱コイル電流の低減作用及び浮力低減作用もほとんどない。
【0049】
また、電気導体27に磁性体38を分散させることにより、漏れ磁束(被加熱物29や電気導体27に到達する磁束以外の磁束)を電気導体27に吸収・発熱させ、その発生熱をプレート28を介して被加熱物29に伝えることで加熱効率をより高めることが可能になる。
【0050】
また、電気導体27の表面に磁性体38を形成させることによっても同様の効果が得られ、この方法は、比較的簡単、安価で方法も多種存在し、自由度が大きいという利点がある。
【0051】
特に電気導体27の被加熱体29側の表面に磁性体38を形成させれば、漏れ磁束による発熱は被加熱体29側に集中し、効率よく被加熱物29に熱移動できるとともに、加熱コイル21は電気導体27から熱を受けにくくなるので、加熱コイル21のロスを低減することも可能になる。
【0052】
また、電気導体27の外周側に磁性体を形成させれば、外周側は内周側に比べて磁束の密度が疎であるため、電気導体27の発熱が少なくて済み、また、外周側は比較的低い温度の雰囲気と広範囲に隣接しているので冷却性が向上する。
【0053】
物理的な処理によって表面に磁性体38を形成させるのは、基材に用いる電気導体27は一定で各種方法の取捨選択が自由で、また、比較的安価において処理が可能であり量産性が高いという利点がある。
【0054】
化学的な処理によって表面に磁性体38を形成させるのは、基材自体に処理するため機械的な強度が高いとともに、物理的な処理のように付着物を伴わないため層間伝熱による損失が少なく電気導体27の放熱効率が高いという利点がある。
【0055】
なお、電気導体27に磁性体38を加えることで、加熱コイル21の等価直列抵抗を大きくして、浮力を低減することも可能である。しかしながら、電気導体27が必要以上に発熱しないよう磁性体38の含有量に注意し、浮力低減と発熱の設計バランスをとることが肝要である。但し、本実施例のように、磁性体38を分散させたり、表面に薄く処理することにより、磁性体38が発熱しにくい構成をとっているので、この面からも有利である。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、アルミニウム製の被加熱物が軽量であっても浮き上がることなく、充分な入力電力による加熱を確保でき、加熱効率を向上した誘導加熱装置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の要部斜視図
【図2】本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の要部断面図
【図3】図2の誘導加熱部のIII−III断面図
【図4】(a)磁性体を加えた電気導体の断面図
(b)表面に磁性体を形成させた電気導体の断面図
【図5】フェライトコア23、24、25、及び26の斜視図
【図6】従来の誘導加熱装置の断面図
【図7】(a)従来の誘導加熱装置の加熱コイルに流れる電流を示す図
(b)従来の誘導加熱装置の被加熱物に流れる電流を示す図
【符号の説明】
21 加熱コイル
27 電気導体
29 被加熱物
38 磁性体
Claims (6)
- アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられかつその主成分は低透磁率の金属としその中に磁性体を分散させた電気導体とを備え、前記電気導体は前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を大きくするとともに、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有してなる誘導加熱装置。
- アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられかつその主成分は低透磁率の金属としその表面に磁性体を形成させた電気導体とを備え、前記電気導体は前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を大きくするとともに、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有してなる誘導加熱装置。
- 電気導体の被加熱体側の表面に磁性体を形成させた請求項2に記載の誘導加熱装置。
- 電気導体の外周側に磁性体を形成させた請求項2または3に記載の誘導加熱装置。
- 物理的な処理によって電気導体の表面に磁性体を形成させた請求項2〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
- 化学的な処理によって電気導体の表面に磁性体を形成させた請求項2〜4にいずれか1項に誘導加熱装置。
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JP2003063296A Pending JP2004273301A (ja) | 2003-03-10 | 2003-03-10 | 誘導加熱装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004273301A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007087795A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 誘導加熱装置 |
JP2010010038A (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-14 | Mitsubishi Electric Corp | 誘導加熱調理器 |
EP2170010A2 (en) | 2008-09-29 | 2010-03-31 | Hitachi Ltd. | Electromagnetic induction heating device |
JP2012069289A (ja) * | 2010-09-21 | 2012-04-05 | Pola Chem Ind Inc | 誘導加熱装置 |
CN103791531A (zh) * | 2014-02-28 | 2014-05-14 | 张继云 | 多用途火锅电磁炉 |
-
2003
- 2003-03-10 JP JP2003063296A patent/JP2004273301A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007087795A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 誘導加熱装置 |
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EP2170010A2 (en) | 2008-09-29 | 2010-03-31 | Hitachi Ltd. | Electromagnetic induction heating device |
JP2012069289A (ja) * | 2010-09-21 | 2012-04-05 | Pola Chem Ind Inc | 誘導加熱装置 |
CN103791531A (zh) * | 2014-02-28 | 2014-05-14 | 张继云 | 多用途火锅电磁炉 |
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