JP2003315332A - スクリーニング方法 - Google Patents

スクリーニング方法

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JP2003315332A JP2002109165A JP2002109165A JP2003315332A JP 2003315332 A JP2003315332 A JP 2003315332A JP 2002109165 A JP2002109165 A JP 2002109165A JP 2002109165 A JP2002109165 A JP 2002109165A JP 2003315332 A JP2003315332 A JP 2003315332A
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州司 日沼
Akira Fujii
亮 藤井
Yuji Kawamata
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Masataka Miwa
真敬 三輪
Masaki Hosoya
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アゴニスト/アンタゴニストのスクリーニン
グ等の提供。 【解決手段】 配列番号1、配列番号:5、配列番号:
7、配列番号:14または配列番号:16で表わされる
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有する新規Gタンパク質共役型レセプタータンパ
ク質またはその塩およびコレステロール代謝関連物質を
用いることを特徴とする該レセプタータンパク質または
その塩とコレステロール代謝関連物質との結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング方法などを
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト脾臓由来の新
規Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその
塩とリガンドであるコレステロール代謝関連物質とを用
いるスクリーニング方法、マウス、ラット、ウシまたは
ウサギ由来の新規Gタンパク質共役型レセプタータンパ
ク質およびそのDNA、オーファンレセプターのリガン
ド決定方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】多くのホルモンや神経伝達物質などの生
理活性物質は、細胞膜に存在する特異的なレセプタータ
ンパク質を通じて生体の機能を調節している。これらの
レセプタータンパク質のうち多くは共役しているguanin
e nucleotide-binding protein(以下、Gタンパク質と
略称する場合がある)の活性化を通じて細胞内のシグナ
ル伝達を行ない、また、7個の膜貫通領域を有する共通
した構造をもっていることから、Gタンパク質共役型レ
セプタータンパク質あるいは7回膜貫通型レセプタータ
ンパク質(7TMR)と総称される。Gタンパク質共役
型レセプタータンパク質は生体の細胞や臓器の各機能細
胞表面に存在し、それら細胞や臓器の機能を調節する分
子、例えば、ホルモン、神経伝達物質および生理活性物
質等の標的として生理的に重要な役割を担っている。レ
セプターは生理活性物質との結合を介してシグナルを細
胞内に伝達し、このシグナルにより細胞の賦活や抑制と
いった種々の反応が惹起される。各種生体の細胞や臓器
の内の複雑な機能を調節する物質と、その特異的レセプ
タータンパク質、特にはGタンパク質共役型レセプター
タンパク質との関係を明らかにすることは、各種生体の
細胞や臓器の機能を解明し、それら機能と密接に関連し
た医薬品開発に非常に重要な手段を提供することとな
る。
【0003】例えば、生体の種々の器官では、多くのホ
ルモン、ホルモン様物質、神経伝達物質あるいは生理活
性物質による調節のもとで生理的な機能の調節が行なわ
れている。特に、生理活性物質は生体内の様々な部位に
存在し、それぞれに対応するレセプタータンパク質を通
してその生理機能の調節を行っている。生体内には未知
のホルモンや神経伝達物質その他の生理活性物質も多
く、それらのレセプタータンパク質の構造に関しても、
これまで報告されていないものが多い。さらに、既知の
レセプタータンパク質においてもサブタイプが存在する
かどうかについても分かっていないものが多い。生体に
おける複雑な機能を調節する物質と、その特異的レセプ
タータンパク質との関係を明らかにすることは、医薬品
開発に非常に重要な手段である。また、レセプタータン
パク質に対するアゴニスト、アンタゴニストを効率よく
スクリーニングし、医薬品を開発するためには、生体内
で発現しているレセプタータンパク質の遺伝子の機能を
解明し、それらを適当な発現系で発現させることが必要
であった。近年、生体内で発現している遺伝子を解析す
る手段として、cDNAの配列をランダムに解析する研
究が活発に行なわれており、このようにして得られたc
DNAの断片配列がExpressed Sequence Tag(EST)
としてデータベースに登録され、公開されている。しか
し、多くのESTは配列情報のみであり、その機能を推
定することは困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、Gタンパク質共
役型レセプタータンパク質と生理活性物質(すなわち、
リガンド)との結合を阻害する物質や、結合して生理活
性物質(すなわち、リガンド)と同様なシグナル伝達を
引き起こす物質は、これらレセプターの特異的なアンタ
ゴニストまたはアゴニストとして、生体機能を調節する
医薬品として活用されてきた。従って、このように生体
内での生理発現において重要であるばかりでなく、医薬
品開発の標的ともなりうるGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質を新規に見出し、その遺伝子(例えばcD
NA)をクローニングすることは、新規Gタンパク質共
役型レセプタータンパク質の特異的リガンドや、アゴニ
スト、アンタゴニストを見出す際に、非常に重要な手段
となる。しかし、Gタンパク質共役型レセプターはその
全てが見出されているわけではなく、現時点でもなお、
未知のGタンパク質共役型レセプター、また対応するリ
ガンドが同定されていない、いわゆるオーファンレセプ
ターが多数存在しており、新たなGタンパク質共役型レ
セプターの探索および機能解明が切望されている。Gタ
ンパク質共役型レセプターは、そのシグナル伝達作用を
指標とする、新たな生理活性物質(すなわち、リガン
ド)の探索、また、該レセプターに対するアゴニストま
たはアンタゴニストの探索に有用である。一方、生理的
なリガンドが見出されなくても、該レセプターの不活化
実験(ノックアウト動物)から該レセプターの生理作用
を解析することにより、該レセプターに対するアゴニス
トまたはアンタゴニストを作製することも可能である。
これら該レセプターに対するリガンド、アゴニストまた
はアンタゴニストなどは、Gタンパク質共役型レセプタ
ーの機能不全に関連する疾患の予防および/または治療
薬や診断薬として活用することが期待できる。さらにま
た、Gタンパク質共役型レセプターの遺伝子変異に基づ
く、生体での該レセプターの機能の低下または昂進が、
何らかの疾患の原因となっている場合も多い。この場合
には、該レセプターに対するアンタゴニストやアゴニス
トの投与だけでなく、該レセプター遺伝子の生体内(ま
たはある特定の臓器)への導入や、該レセプター遺伝子
に対するアンチセンス核酸の導入による、遺伝子治療に
応用することもできる。この場合には該レセプターの塩
基配列は遺伝子上の欠失や変異の有無を調べるために必
要不可欠な情報であり、該レセプターの遺伝子は、該レ
セプターの機能不全に関与する疾患の予防および/また
は治療薬や診断薬に応用することもできる。一方、従来
のリガンド等の探索・決定方法では、例えば真核生物由
来の細胞を用いて、レセプターに対する結合分子をスク
リーニングする場合、従来は該レセプターを安定的に発
現する、いわゆる安定細胞株(stable cell line)を樹
立しなければならず、この細胞株の樹立には特別な細胞
を必要とした。またスクリーニングには複数の測定の組
合せが必要であり、試験化合物が複数存在すると、時間
がかかるためにその実施が困難であった。つまり、従来
のリガンド等の探索・決定方法には、(1)使用可能な
細胞系が限定される、(2)該細胞系の樹立に時間がか
かる、(3)複数の測定法を組み合わせるために、検体
数が多くなるとその実施が困難になる等の問題があっ
た。これらの問題を解決するための、各種の細胞系が使
用でき、かつ短時間で測定等を実施できる方法の開発が
望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特別な細胞株を必要としないスクリーニ
ング方法を見出した。さらに、ヒト脾臓由来のGタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質のリガンドがコレステ
ロール代謝関連物質であることを見出した。本発明者ら
は、これらの知見に基づいて、さらに研究を重ねた結
果、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、[1](1)配列番
号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レセ
プタータンパク質または該レセプタータンパク質の部分
ペプチドまたはその塩および(2)コレステロール代謝
関連物質を用いることを特徴とする該レセプタータンパ
ク質またはその塩とコレステロール代謝関連物質との結
合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング
方法、[2]配列番号:5で表されるアミノ酸配列を含
有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質または
該レセプタータンパク質の部分ペプチドまたはその塩を
用いる上記[1]記載のスクリーニング方法、[3]配
列番号:7で表されるアミノ酸配列を含有するGタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質または該レセプタータ
ンパク質の部分ペプチドまたはその塩を用いる上記
[1]記載のスクリーニング方法、[4]配列番号:1
4で表されるアミノ酸配列を含有するGタンパク質共役
型レセプタータンパク質または該レセプタータンパク質
の部分ペプチドまたはその塩を用いる上記[1]記載の
スクリーニング方法、[5]配列番号:16で表される
アミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプター
タンパク質または該レセプタータンパク質の部分ペプチ
ドまたはその塩を用いる上記[1]記載のスクリーニン
グ方法、[6](1)配列番号:1で表されるアミノ酸
配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
するGタンパク質共役型レセプタータンパク質または該
レセプタータンパク質の部分ペプチドまたはその塩およ
び(2)コレステロール代謝関連物質を含有することを
特徴とする該レセプタータンパク質またはその塩とコレ
ステロール代謝関連物質との結合性を変化させる化合物
またはその塩のスクリーニング用キット、[7]上記
[1]記載のスクリーニング方法または上記[6]記載
のスクリーニング用キットを用いて得られうるコレステ
ロール代謝関連物質と配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質または
その塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
[8]上記[7]記載の化合物またはその塩を含有して
なる医薬、[9]上記[1]記載のスクリーニング方法
または上記[6]記載のスクリーニング用キットを用い
て得られうる、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩
に対するアゴニストを含有してなる炎症性疾患または移
植医療後の過剰免疫反応の予防および/または治療剤、
[10]上記[1]記載のスクリーニング方法または上
記[6]記載のスクリーニング用キットを用いて得られ
うる、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質またはその塩に対する
アンタゴニストを含有してなる免疫不全または感染症の
予防および/または治療剤、[11]哺乳動物に対し
て、上記[1]記載のスクリーニング方法または上記
[6]記載のスクリーニング用キットを用いて得られう
る、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もし
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク
質共役型レセプタータンパク質またはその塩に対するア
ゴニストの有効量を投与することを特徴とする炎症性疾
患または移植医療後の過剰免疫反応の予防および/また
は治療方法、[12]哺乳動物に対して、上記[1]記
載のスクリーニング方法または請求項6記載のスクリー
ニング用キットを用いて得られうる、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータ
ンパク質またはその塩に対するアンタゴニストの有効量
を投与することを特徴とする免疫不全または感染症の予
防および/または治療方法,[13]炎症性疾患または
移植医療後の過剰免疫反応の予防および/または治療剤
を製造するための、上記[1]記載のスクリーニング方
法または上記[6]記載のスクリーニング用キットを用
いて得られうる、配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
るGタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその
塩に対するアゴニストの使用、[14]免疫不全または
感染症の予防および/または治療剤を製造するための、
上記[1]記載のスクリーニング方法または上記[6]
記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク質共役
型レセプタータンパク質またはその塩に対するアンタゴ
ニストの使用、[15]配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質また
はその塩の発現量を増加する化合物またはその塩を含有
してなる炎症性疾患または移植医療後の過剰免疫反応の
予防および/または治療剤、[16]配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータ
ンパク質またはその塩の発現量を減少させる化合物また
はその塩を含有してなる免疫不全または感染症の予防お
よび/または治療剤、[17]哺乳動物に対して、配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型
レセプタータンパク質またはその塩の発現量を増加する
化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とす
る炎症性疾患または移植医療後の過剰免疫反応の予防お
よび/または治療方法、[18]哺乳動物に対して、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク質共役
型レセプタータンパク質またはその塩の発現量を減少さ
せる化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴
とする免疫不全または感染症の予防および/または治療
方法、[19]炎症性疾患または移植医療後の過剰免疫
反応の予防および/または治療剤を製造するための配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型
レセプタータンパク質またはその塩の発現量を増加する
化合物またはその塩の使用、[20]免疫不全または感
染症の予防および/または治療剤を製造するための配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型
レセプタータンパク質またはその塩の発現量を減少させ
る化合物またはその塩の使用、[21]配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプター
タンパク質、その部分ペプチドまたはその塩を含有して
なる炎症性疾患または移植医療後の過剰免疫反応の予防
および/または治療剤、[22]配列番号:1で表わさ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータンパ
ク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオ
チドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる炎症性
疾患または移植医療後の過剰免疫反応の予防および/ま
たは治療剤、[23]配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質または
その部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有
するポリヌクレオチドを含有してなる中枢疾患、炎症性
疾患、循環器疾患、癌、呼吸器疾患、糖尿病、免疫系疾
患、肝臓・胆のう疾患、消化管疾患、感染症、肥満また
は移植医療後の過剰免疫反応の診断薬、[24]配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レ
セプタータンパク質、その部分ペプチドまたはその塩に
対する抗体を含有してなる免疫不全または感染症の予防
および/または治療剤、[25]配列番号:1で表わさ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータンパ
ク質、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含
有してなる中枢疾患、炎症性疾患、循環器疾患、癌、呼
吸器疾患、糖尿病、免疫系疾患、肝臓・胆のう疾患、消
化管疾患、感染症、肥満または移植医療後の過剰免疫反
応の診断薬、[26]配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質または
その部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有
するポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一
部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチドを含有
してなる免疫不全または感染症の予防および/または治
療剤、[27]配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその部
分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポ
リヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含
有してなるアンチセンスポリヌクレオチドを含有してな
る中枢疾患、炎症性疾患、循環器疾患、癌、呼吸器疾
患、糖尿病、免疫系疾患、肝臓・胆のう疾患、消化管疾
患、感染症、肥満または移植医療後の過剰免疫反応の診
断薬、[28]哺乳動物に対して、配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータン
パク質、その部分ペプチドまたはその塩の有効量を投与
することを特徴とする炎症性疾患または移植医療後の過
剰免疫反応の予防および/または治療方法、[29]哺
乳動物に対して、配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
るGタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその
部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する
ポリヌクレオチドの有効量を投与することを特徴とする
炎症性疾患または移植医療後の過剰免疫反応の予防およ
び/または治療方法、[30]哺乳動物に対して、配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型
レセプタータンパク質、その部分ペプチドまたはその塩
に対する抗体の有効量を投与することを特徴とする免疫
不全または感染症の予防および/または治療方法、[3
1]哺乳動物に対して、配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質また
はその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含
有するポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその
一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチドの有
効量を投与することを特徴とする免疫不全または感染症
の予防および/または治療方法、[32]炎症性疾患ま
たは移植医療後の過剰免疫反応の予防および/または治
療剤を製造するための、配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質、そ
の部分ペプチドまたはその塩の使用、[33]炎症性疾
患または移植医療後の過剰免疫反応の予防および/また
は治療剤を製造するための、配列番号:1で表わされる
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質
またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチド
を含有するポリヌクレオチドの使用、[34]免疫不全
または感染症の予防および/または治療剤を製造するた
めの、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質、その部分ペプチドま
たはその塩に対する抗体の使用、[35]免疫不全また
は感染症の予防および/または治療剤を製造するため
の、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もし
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク
質共役型レセプタータンパク質またはその部分ペプチド
をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオ
チドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなる
アンチセンスポリヌクレオチドの使用、[36]配列番
号:5、配列番号:7、配列番号14または配列番号:
16で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列(但し、配列番号:1で表されるア
ミノ酸配列を除く)を含有することを特徴とするGタン
パク質共役型レセプタータンパク質またはその塩、[3
7]上記[36]記載のGタンパク質共役型レセプター
タンパク質の部分ペプチドまたはその塩、[38]上記
[36]記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク
質または上記[37]記載の部分ペプチドをコードする
ポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、[3
9]DNAである上記[38]記載のポリヌクレオチ
ド、[40]配列番号:6、配列番号:8、配列番号:
13または配列番号:15で表される塩基配列を有する
上記[38]記載のポリヌクレオチド、[41]上記
[38]記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベク
ター、[42]上記[41]記載の組換えベクターで形
質転換させた形質転換体、[43]上記[42]記載の
形質転換体を培養し、上記[36]記載のGタンパク質
共役型レセプタータンパク質を生成せしめることを特徴
とする上記[36]記載のGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質またはその塩の製造法、[44]上記[3
6]記載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質も
しくは上記[37]記載の部分ペプチドまたはその塩に
対する抗体、[45]上記[36]記載のGタンパク質
共役型レセプタータンパク質のシグナル伝達を不活性化
する中和抗体である上記[44]記載の抗体、[46]
上記[44]記載の抗体を含有してなる診断薬、[4
7]中枢疾患、炎症性疾患、循環器疾患、癌、呼吸器疾
患、糖尿病、免疫系疾患、肝臓・胆のう疾患、消化管疾
患、感染症、肥満または移植医療後の過剰免疫反応の診
断薬である上記[46]記載の診断薬、[48]上記
[44]記載の抗体を含有してなる医薬、[49]免疫
不全または感染症の予防および/または治療剤である上
記[48]記載の医薬、[50]上記[36]記載のG
タンパク質共役型レセプタータンパク質、その部分ペプ
チドまたはその塩を含有してなる医薬、[51]炎症性
疾患または移植医療後の過剰免疫反応の予防および/ま
たは治療剤である上記[50]記載の医薬、[52]上
記[38]記載のポリヌクレオチドを含有してなる医
薬、[53]炎症性疾患または移植医療後の過剰免疫反
応の予防および/または治療剤である上記[52]記載
の医薬、[54]上記[38]記載のポリヌクレオチド
を含有してなる診断剤、[55]中枢疾患、炎症性疾
患、循環器疾患、癌、呼吸器疾患、糖尿病、免疫系疾
患、肝臓・胆のう疾患、消化管疾患、感染症、肥満また
は移植医療後の過剰免疫反応の診断薬である上記[5
4]記載の診断薬、[56]上記[38]記載のポリヌ
クレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有し
てなるアンチセンスポリヌクレオチド、[57]上記
[56]記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有し
てなる医薬、[58]免疫不全または感染症の予防およ
び/または治療剤である上記[57]記載の医薬、[5
9]上記[56]記載のアンチセンスポリヌクレオチド
を含有してなる診断剤、[60]中枢疾患、炎症性疾
患、循環器疾患、癌、呼吸器疾患、糖尿病、免疫系疾
患、肝臓・胆のう疾患、消化管疾患、感染症、肥満また
は移植医療後の過剰免疫反応の診断薬である上記[5
9]記載の診断薬、[61]リガンドが決定されていな
いレセプタータンパク質を発現し、かつ、cAMPレス
ポンスエレメント/プロモーターの下流にレポータータ
ンパク質をコードするDNAを連結したプラスミドを含
有する動物細胞に、試験化合物を添加し、レポータータ
ンパク質の活性を測定することを特徴とする該レセプタ
ータンパク質に対するリガンドの決定方法、[62]
(1)リガンドが決定されていないレセプタータンパク
質をコードするDNAを含有するプラスミドおよび
(2)cAMPレスポンスエレメント/プロモーターの
下流にレポータータンパク質をコードするDNAを連結
したプラスミドを含有する動物細胞を培養し、試験化合
物を添加してレポータータンパク質の活性を測定するこ
とを特徴とする上記[61]記載の方法、[63]レセ
プタータンパク質がGタンパク質共役型レセプタータン
パク質である上記[61]または[62]記載の方法、
[64]Gタンパク質共役型レセプタータンパク質が、
配列番号:5、配列番号:7、配列番号:14または配
列番号:16で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは
実質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク質共
役型レセプタータンパク質である上記[63]記載の方
法、[65]プロモーターがTATA様配列である上記
[61]または[62]記載の方法、[66]レポータ
ータンパク質がルシフェラーゼである上記[61]また
は[62]記載の方法、[67]プラスミドがcAMP
レスポンスエレメントの下流にTATA様プロモーター
およびレポータータンパク質をコードする遺伝子を連結
したものである上記[61]または[62]記載の方
法、[68]動物細胞が、リガンドが決定されていない
2種類以上のレセプタータンパク質を発現している上記
[61]または[62]記載の方法、[69]細胞が抑
制性Gタンパク質αサブユニットGiをコードする遺伝
子を含有するプラスミドを含む上記[61]または[6
2]記載の方法、[70]さらにフォルスコリンを添加
する上記[61]または[62]記載の方法、[71]
2種類以上のレセプタータンパク質が類似の特徴を有す
ることを特徴とする上記[68]記載の方法、[72]
類似の特徴がレポータータンパク質の基礎発現量および
(または)フォルスコリン添加時のレポータータンパク
質の発現量である上記[68]記載の方法、[73]予
め2種類以上のレセプタータンパク質をそれぞれ単独で
発現させた時のレポータータンパク質の基礎発現量およ
び(または)フォルスコリン添加時のレポータータンパ
ク質の発現量を測定し、該レポータータンパク質の発現
量が同程度である2種類以上のレセプタータンパク質を
組み合わせて発現させることを特徴とする上記[68]
記載の方法等に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるGタンパク質
共役型レセプタータンパク質(以下、本発明のレセプタ
ータンパク質と略記する場合がある)は、配列番号:
1、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:14また
は配列番号:16で表わされるアミノ酸配列と同一もし
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター
タンパク質である。本発明のレセプタータンパク質は、
例えば、ヒトやその他の哺乳動物(例えば、モルモッ
ト、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サ
ルなど)のあらゆる細胞(例えば、脾細胞、神経細胞、
グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細
胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細
胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細
胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラル
キラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単
球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細
胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、ま
たはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞な
ど)や血球系の細胞、またはそれらの細胞が存在するあ
らゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁頭
核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、視床下核、大
脳皮質、延髄、小脳、後頭葉、前頭葉、側頭葉、被殻、
尾状核、脳染、黒質)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎
臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮
膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心
臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、末梢血球、前立腺、
睾丸、精巣、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など
に由来するタンパク質であってもよく、また合成タンパ
ク質であってもよい。
【0008】配列番号:1、配列番号:5、配列番号:
7、配列番号:14または配列番号:16で表わされる
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、
例えば、配列番号:1、配列番号:5、配列番号:7、
配列番号:14または配列番号:16で表わされるアミ
ノ酸配列と約50%以上、好ましくは約60%以上、よ
り好ましくは約70%以上、さらに好ましくは約80%
以上、なかでも好ましくは約90%以上、最も好ましく
は約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙
げられる。本発明の配列番号:1、配列番号:5、配列
番号:7、配列番号:14または配列番号:16で表わ
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するタンパク質としては、例えば、配列番号:1、配
列番号:5、配列番号:7、配列番号:14または配列
番号:16で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一の
アミノ酸配列を有し、配列番号:1、配列番号:5、配
列番号:7、配列番号:14または配列番号:16で表
わされるアミノ酸配列と実質的に同質の活性を有するタ
ンパク質などが好ましい。実質的に同質の活性として
は、例えば、リガンド結合活性、シグナル情報伝達作用
などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの活性が
性質的に同質であることを示す。したがって、リガンド
結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性が同等
(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5〜2
0倍、より好ましくは約0.5〜2倍)であることが好
ましいが、これらの活性の程度やタンパク質の分子量な
どの量的要素は異なっていてもよい。リガンド結合活性
やシグナル情報伝達作用などの活性の測定は、公知の方
法に準じて行なうことができるが、例えば、後に記載す
るリガンドの決定方法やスクリーニング方法に従って測
定することができる。
【0009】また、本発明のレセプタータンパク質とし
ては、配列番号:1、配列番号:5、配列番号:7、
配列番号:14または配列番号:16で表わされるアミ
ノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30
個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好まし
くは数個(1〜5個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸
配列、配列番号:1、配列番号:5、配列番号:7、
配列番号:14または配列番号:16で表わされるアミ
ノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜30個
程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましく
は数個(1〜5個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配
列、配列番号:1、配列番号:5、配列番号:7、配
列番号:14または配列番号:16で表わされるアミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個
程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましく
は数個(1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換
されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせたア
ミノ酸配列を含有するタンパク質なども用いられる。
【0010】本明細書におけるレセプタータンパク質
は、ペプチド表記の慣例に従って、左端がN末端(アミ
ノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有するレセ
プタータンパク質をはじめとする、本発明のレセプター
タンパク質は、C末端がカルボキシル基(−COO
H)、カルボキシレート(−COO-)、アミド(−CO
NH2)またはエステル(−COOR)の何れであって
もよい。ここでエステルにおけるRとしては、例えば、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくは
n−ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、シクロペ
ンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル
基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリ
ール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル
−C1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどの
α−ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキ
ル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイ
ルオキシメチル基などが用いられる。本発明のレセプタ
ータンパク質がC末端以外にカルボキシル基(またはカ
ルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基が
アミド化またはエステル化されているものも本発明のレ
セプタータンパク質に含まれる。この場合のエステルと
しては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いら
れる。さらに、本発明のレセプタータンパク質には、上
記したタンパク質において、N末端のメチオニン残基の
アミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチルなど
のC2-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保
護されているもの、N端側が生体内で切断され生成した
グルタミル基がピログルタミン酸化したもの、分子内の
アミノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、
アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ
基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチ
ルなどのC2-6アルカノイル基などのC1-6アシル基な
ど)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したい
わゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれ
る。本発明のレセプタータンパク質の具体例としては、
例えば、配列番号:1、配列番号:5、配列番号:7、
配列番号:14または配列番号:16で表わされるアミ
ノ酸配列を含有するレセプタータンパク質などが用いら
れる。
【0011】本発明のレセプタータンパク質の部分ペプ
チド(以下、部分ペプチドと略記する場合がある)とし
ては、上記した本発明のレセプタータンパク質の部分ペ
プチドであれば何れのものであってもよいが、例えば、
本発明のレセプタータンパク質分子のうち、細胞膜の外
に露出している部位であって、実質的に同質のレセプタ
ー結合活性を有するものなどが用いられる。具体的に
は、配列番号:1、配列番号:5、配列番号:7、配列
番号:14または配列番号:16で表わされるアミノ酸
配列を有するレセプタータンパク質の部分ペプチドとし
ては、疎水性プロット解析において細胞外領域(親水性
(Hydrophilic)部位)であると分析された部分を含む
ペプチドである。また、疎水性(Hydrophobic)部位を
一部に含むペプチドも同様に用いることができる。個々
のドメインを個別に含むペプチドも用い得るが、複数の
ドメインを同時に含む部分のペプチドでも良い。本発明
の部分ペプチドのアミノ酸の数は、上記した本発明のレ
セプタータンパク質の構成アミノ酸配列のうち少なくと
も20個以上、好ましくは50個以上、より好ましくは
100個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが好
ましい。実質的に同一のアミノ酸配列とは、これらアミ
ノ酸配列と約50%以上、好ましくは約60%以上、よ
り好ましくは約70%以上、さらに好ましくは約80%
以上、なかでも好ましくは約90%以上、最も好ましく
は約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を示す。
ここで、「実質的に同質のレセプター活性」とは、上記
と同意義を示す。「実質的に同質のレセプター活性」の
測定は上記と同様に行なうことができる。
【0012】また、本発明の部分ペプチドは、上記アミ
ノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10
個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ
酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1または2個
以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1
〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))の
アミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列中の1ま
たは2個以上(好ましくは、1〜10個程度、より好ま
しくは数個、さらに好ましくは1〜5個程度)のアミノ
酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。また、本発
明の部分ペプチドはC末端が通常カルボキシル基(−C
OOH)またはカルボキシレート(−COO-)である
が、上記した本発明のタンパク質のごとく、C末端がア
ミド(−CONH2)またはエステル(−COOR)で
あってもよい。本発明の部分ペプチドがC末端以外にカ
ルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している
場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化され
ているものも本発明の部分ペプチドに含まれる。この場
合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステ
ルなどが用いられる。さらに、本発明の部分ペプチドに
は、上記した本発明のレセプタータンパク質と同様に、
N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基で保護され
ているもの、N端側が生体内で切断され生成したGln
がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側
鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、あ
るいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペ
プチドなども含まれる。本発明のレセプタータンパク質
またはその部分ペプチドの塩としては、酸または塩基と
の生理学的に許容される塩が挙げられ、とりわけ生理学
的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩として
は、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素
酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ
酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、
酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いら
れる。
【0013】本発明のレセプタータンパク質またはその
塩は、上記したヒトやその他の哺乳動物の細胞または組
織から公知のレセプタータンパク質の精製方法によって
製造することもできるし、後に記載する本発明のレセプ
タータンパク質をコードするDNAを含有する形質転換
体を培養することによっても製造することができる。ま
た、後に記載するタンパク質合成法またはこれに準じて
製造することもできる。ヒトやその他の哺乳動物の組織
または細胞から製造する場合、ヒトやその他の哺乳動物
の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出
を行ない、得られた抽出液を逆相クロマトグラフィー、
イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィ
ーを組み合わせることにより精製単離することができ
る。
【0014】本発明のレセプタータンパク質もしくはそ
の部分ペプチドまたはその塩またはそのアミド体の合成
には、通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることが
できる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチ
ル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン
樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジル
アルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹
脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニル
アセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4
−(2’,4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチ
ル)フェノキシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフ
ェニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを
挙げることができる。このような樹脂を用い、α−アミ
ノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的と
するタンパク質の配列通りに、公知の各種縮合方法に従
い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパ
ク質を切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高
希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施
し、目的のタンパク質またはそのアミド体を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、タンパク質合
成に使用できる各種活性化試薬を用いることができる
が、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド類
としては、DCC、N,N’−ジイソプロピルカルボジ
イミド、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロ
リル)カルボジイミドなどが用いられる。これらによる
活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、H
OOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加する
か、または、対応する酸無水物またはHOBtエステル
あるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミ
ノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができ
る。
【0015】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範
囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は
通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応
を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基
の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十
分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても十
分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチ
ルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化す
ることができる。
【0016】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニ
ル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベン
ジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマン
チルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロ
イル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジ
フェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられ
る。カルボキシル基は、例えば、アルキルエステル化
(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ターシ
ャリーブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シク
ロヘプチル、シクロオクチル、2−アダマンチルなどの
直鎖状、分枝状もしくは環状アルキルエステル化)、ア
ラルキルエステル化(例えば、ベンジルエステル、4−
ニトロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステ
ル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエス
テル化)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカル
ボニルヒドラジド化、ターシャリーブトキシカルボニル
ヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって保護
することができる。セリンの水酸基は、例えば、エステ
ル化またはエーテル化によって保護することができる。
このエステル化に適する基としては、例えば、アセチル
基などの低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロ
イル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。
また、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジ
ル基、テトラヒドロピラニル基、t−ブチル基などであ
る。チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、
例えば、Bzl、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジ
ル、Br−Z、ターシャリーブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、
Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼ
ンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bu
m、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0017】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニ
トロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロ
フェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N
−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕
などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたもの
としては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられ
る。保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd
−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気
流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジ
イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリ
ジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモ
ニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸
処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温
度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソ
ール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、
パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタン
ジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなカ
チオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンの
イミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロ
フェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリ
プトファンのインドール保護基として用いられるホルミ
ル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタ
ンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外
に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによる
アルカリ処理によっても除去される。
【0018】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護、保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化など
は公知の手段から、また保護基は公知の基から、それぞ
れ適宜選択され、適用される。タンパク質のアミド体を
得る別の方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端
アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化して保護した
後、アミノ基側にペプチド(タンパク質)鎖を所望の鎖
長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ
基の保護基のみを除いたタンパク質とC末端のカルボキ
シル基の保護基のみを除去したタンパク質とを製造し、
この両タンパク質を上記したような混合溶媒中で縮合さ
せる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮
合により得られた保護タンパク質を精製した後、上記方
法によりすべての保護基を除去し、所望の粗タンパク質
を得ることができる。この粗タンパク質は既知の各種精
製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥すること
で所望のタンパク質のアミド体を得ることができる。タ
ンパク質のエステル体を得るには、例えば、カルボキシ
末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール
類と縮合しアミノ酸エステルとした後、タンパク質のア
ミド体と同様にして、所望のタンパク質のエステル体を
得ることができる。
【0019】本発明のタンパク質の部分ペプチドまたは
その塩は、公知のペプチドの合成法に従って、あるいは
本発明のタンパク質を適当なペプチダーゼで切断するこ
とによって製造することができる。ペプチドの合成法と
しては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによ
っても良い。すなわち、本発明のタンパク質を構成し得
る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合さ
せ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離するこ
とにより目的のペプチドを製造することができる。公知
の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の
〜に記載された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明の部分ペプチドを精
製単離することができる。上記方法で得られる部分ペプ
チドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当な
塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合
は、公知の方法によって遊離体に変換することができ
る。
【0020】本発明のレセプタータンパク質をコードす
るポリヌクレオチドとしては、上記した本発明のレセプ
タータンパク質をコードする塩基配列(DNAまたはR
NA、好ましくはDNA)を含有するものであればいか
なるものであってもよい。該ポリヌクレオチドとして
は、本発明のレセプタータンパク質をコードするDN
A、mRNA等のRNAであり、二本鎖であっても、一
本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、
二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハイブリッドでも
よい。一本鎖の場合は、センス鎖(すなわち、コード
鎖)であっても、アンチセンス鎖(すなわち、非コード
鎖)であってもよい。本発明のレセプタータンパク質を
コードするポリヌクレオチドを用いて、例えば、公知の
実験医学増刊「新PCRとその応用」15(7)、1997記載
の方法またはそれに準じた方法により、本発明のレセプ
タータンパク質のmRNAを定量することができる。
【0021】本発明のレセプタータンパク質をコードす
るDNAとしては、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブ
ラリー、上記した細胞または組織由来のcDNA、上記
した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DN
Aのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクター
は、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファ
ージミドなどいずれであってもよい。また、上記した細
胞または組織より全RNAまたはmRNA画分を調製し
たものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase
Chain Reaction(以下、RT−PCR法と略称する)
によって増幅することもできる。具体的には、本発明の
レセプタータンパク質をコードするDNAとしては、例
えば、配列番号:2、配列番号:6、配列番号:8、配
列番号:13または配列番号:15で表わされる塩基配
列を含有するDNA、または配列番号:2、配列番号:
6、配列番号:8、配列番号:13または配列番号:1
5で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件
下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のレセ
プタータンパク質と実質的に同質の活性(例、リガンド
結合活性、シグナル情報伝達作用など)を有するレセプ
タータンパク質をコードするDNAであれば何れのもの
でもよい。配列番号:2、配列番号:6、配列番号:
8、配列番号:13または配列番号:15で表わされる
塩基配列とハイブリダイズできるDNAとしては、例え
ば、配列番号:2、配列番号:6、配列番号:8、配列
番号:13または配列番号:15で表わされる塩基配列
と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好まし
くは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同
性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられ
る。
【0022】ハイブリダイゼーションは、公知の方法あ
るいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クロ
ーニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et
al.,Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の
方法などに従って行なうことができる。また、市販のラ
イブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の
方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハ
イストリンジェントな条件に従って行なうことができ
る。該ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナト
リウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜2
0mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜
65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19m
Mで温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具体的
には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有す
るレセプタータンパク質をコードするDNAとしては、
配列番号:2で表わされる塩基配列を含有するDNAな
どが用いられる。また配列番号:5で表わされるアミノ
酸配列を含有するレセプタータンパク質をコードするD
NAとしては、配列番号:6で表わされる塩基配列を含
有するDNAなどが用いられる。配列番号:7で表わさ
れるアミノ酸配列を含有するレセプタータンパク質をコ
ードするDNAとしては、配列番号:8で表わされる塩
基配列を含有するDNAなどが用いられる。配列番号:
14で表わされるアミノ酸配列を含有するレセプタータ
ンパク質をコードするDNAとしては、配列番号:13
で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ
る。配列番号:16で表わされるアミノ酸配列を含有す
るレセプタータンパク質をコードするDNAとしては、
配列番号:15で表わされる塩基配列を含有するDNA
などが用いられる。
【0023】本発明のレセプタータンパク質をコードす
るDNAの塩基配列の一部、または該DNAと相補的な
塩基配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドとは、
下記の本発明の部分ペプチドをコードするDNAを包含
するだけではなく、RNAをも包含する意味で用いられ
る。本発明に従えば、Gタンパク質共役型レセプタータ
ンパク質遺伝子の複製または発現を阻害することのでき
るアンチセンス・ポリヌクレオチド(核酸)を、クロー
ン化した、あるいは決定されたGタンパク質共役型レセ
プタータンパク質をコードするDNAの塩基配列情報に
基づき設計し、合成しうる。そうしたポリヌクレオチド
(核酸)は、Gタンパク質共役型レセプタータンパク質
遺伝子のRNAとハイブリダイズすることができ、該R
NAの合成または機能を阻害することができるか、ある
いはGタンパク質共役型レセプタータンパク質関連RN
Aとの相互作用を介してGタンパク質共役型レセプター
タンパク質遺伝子の発現を調節・制御することができ
る。Gタンパク質共役型レセプタータンパク質関連RN
Aの選択された配列に相補的なポリヌクレオチド、およ
びGタンパク質共役型レセプタータンパク質関連RNA
と特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレ
オチドは、生体内および生体外でGタンパク質共役型レ
セプタータンパク質遺伝子の発現を調節・制御するのに
有用であり、また病気などの治療または診断に有用であ
る。用語「対応する」とは、遺伝子を含めたヌクレオチ
ド、塩基配列または核酸の特定の配列に相同性を有する
あるいは相補的であることを意味する。ヌクレオチド、
塩基配列または核酸とペプチド(タンパク質)との間で
「対応する」とは、ヌクレオチド(核酸)の配列または
その相補体から誘導される指令にあるペプチド(タンパ
ク質)のアミノ酸を通常指している。Gタンパク質共役
型レセプタータンパク質遺伝子の5’端ヘアピンルー
プ、5’端6ベースペア・リピート、5’端非翻訳領
域、ポリペプチド翻訳開始コドン、タンパク質コード領
域、ORF翻訳開始コドン、3’端非翻訳領域、3’'
端パリンドローム領域、および3’'端ヘアピンループ
は好ましい対象領域として選択しうるが、Gタンパク質
共役型レセプタータンパク質遺伝子内の如何なる領域も
対象として選択しうる。
【0024】目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に
相補的なポリヌクレオチドとの関係、即ち対象物とハイ
ブリダイズすることができるポリヌクレオチドとの関係
は、「アンチセンス」であるということができる。アン
チセンス・ポリヌクレオチドは、2−デオキシ−D−リ
ボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、D−
リボースを含有しているポリヌクレオチド、プリンまた
はピリミジン塩基のN−グリコシドであるその他のタイ
プのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチド骨格を
有するその他のポリマー(例えば、市販のタンパク質、
核酸および合成配列特異的な核酸ポリマー)または特殊
な結合を含有するその他のポリマー(但し、該ポリマー
はDNAやRNA中に見出されるような塩基のペアリン
グや塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含
有する)などが挙げられる。それらは、二本鎖DNA、
一本鎖DNA、二本鎖RNA、一本鎖RNA、さらにD
NA:RNAハイブリッドであることができ、さらに非
修飾ポリヌクレオチド(または非修飾オリゴヌクレオチ
ド)、さらには公知の修飾の付加されたもの、例えば当
該分野で知られた標識のあるもの、キャップの付いたも
の、メチル化されたもの、1個以上の天然のヌクレオチ
ドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド修飾の
されたもの、例えば非荷電結合(例えば、メチルホスホ
ネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カ
ルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合または
硫黄含有結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロ
ジチオエートなど)を持つもの、例えばタンパク質(ヌ
クレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、トキシン、
抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなど)や糖
(例えば、モノサッカライドなど)などの側鎖基を有し
ているもの、インターカレート化合物(例えば、アクリ
ジン、ソラレンなど)を持つもの、キレート化合物(例
えば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、酸化性の金
属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するも
の、修飾された結合を持つもの(例えば、αアノマー型
の核酸など)であってもよい。ここで「ヌクレオシ
ド」、「ヌクレオチド」および「核酸」とは、プリンお
よびピリミジン塩基を含有するのみでなく、修飾された
その他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良
い。こうした修飾物は、メチル化されたプリンおよびピ
リミジン、アシル化されたプリンおよびピリミジン、あ
るいはその他の複素環を含むものであってよい。修飾さ
れたヌクレオチドおよび修飾されたヌクレオチドはまた
糖部分が修飾されていてよく、例えば、1個以上の水酸
基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換されていたり、
あるいはエーテル、アミンなどの官能基に変換されてい
てよい。
【0025】本発明のアンチセンス・ポリヌクレオチド
(核酸)は、RNA、DNA、あるいは修飾された核酸
(RNA、DNA)である。修飾された核酸の具体例と
しては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そ
してポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドアミ
ドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定さ
れるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のよ
うな方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内で
のアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセ
ンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセンス
鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし
毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さなも
のにする。こうした修飾は当該分野で数多く知られてお
り、例えば J. Kawakami et al.,Pharm Tech Japan, Vo
l. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T. Cr
ooke et al. ed., Antisense Research and Applicatio
ns, CRC Press, 1993 などに開示がある。本発明のアン
チセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された糖、
塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミクロス
フェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療
により適用されたり、付加された形態で与えられること
ができうる。こうして付加形態で用いられるものとして
は、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジ
ンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高め
たり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例え
ば、ホスホリピド、コレステロールなど)といった疎水
性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質として
は、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステリ
ルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。こ
うしたものは、核酸の3'端あるいは5'端に付着させる
ことができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介し
て付着させることができうる。その他の基としては、核
酸の3'端あるいは5'端に特異的に配置されたキャップ
用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseなどのヌク
レアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられ
る。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチレング
リコール、テトラエチレングリコールなどのグリコール
をはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙
げられるが、それに限定されるものではない。アンチセ
ンス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明の
生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいはGタンパク質
共役型レセプタータンパク質の生体内や生体外の翻訳系
を用いて調べることができる。該核酸はまた公知の各種
の方法で細胞に適用できる。
【0026】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、上記した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、上記した細胞・組織由来のcDNA、上記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バク
テリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミド
などいずれであってもよい。また、上記した細胞・組織
よりmRNA画分を調製したものを用いて直接RT−P
CR法によって増幅することもできる。
【0027】具体的には、本発明の部分ペプチドをコー
ドするDNAとしては、例えば、(1)配列番号:2、
配列番号:6、配列番号:8、配列番号:13または配
列番号:15で表わされる塩基配列を有するDNAの部
分塩基配列を有するDNA、または(2)配列番号:
2、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:13また
は配列番号:15で表わされる塩基配列とハイストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有
し、本発明のレセプタータンパク質ペプチドと実質的に
同質の活性(例、リガンド結合活性、シグナル情報伝達
作用など)を有するレセプタータンパク質をコードする
DNAの部分塩基配列を有するDNAなどが用いられ
る。配列番号:2、配列番号:6、配列番号:8、配列
番号:13または配列番号:15で表わされる塩基配列
ハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番
号:2、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:13
または配列番号:15で表わされる塩基配列と約70%
以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90
%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する
塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0028】本発明のレセプタータンパク質またはその
部分ペプチド(以下、本発明のレセプタータンパク質と
略記する場合がある)を完全にコードするDNAのクロ
ーニングの手段としては、本発明のレセプタータンパク
質の部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用い
てPCR法によって増幅するか、または適当なベクター
に組み込んだDNAを本発明のレセプタータンパク質の
一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合
成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーシ
ョンによって選別することができる。ハイブリダイゼー
ションの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング
(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold
Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法など
に従って行なうことができる。また、市販のライブラリ
ーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従
って行なうことができる。
【0029】DNAの塩基配列の置換は、PCRや公知
のキット、例えば、MutanTM−super Exp
ress Km(宝酒造)、MutanTM−K(宝酒
造)などを用いて、ODA−LA PCR法、Gapp
ed duplex法、Kunkel法などの公知の方
法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことがで
きる。クローン化されたレセプタータンパク質をコード
するDNAは目的によりそのまま、または所望により制
限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用す
ることができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始
コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳
終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有し
ていてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コド
ンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加するこ
ともできる。本発明のレセプタータンパク質の発現ベク
ターは、例えば、(イ)本発明のレセプタータンパク質
をコードするDNAを含有するDNA(例えば、cDN
A)から目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該D
NA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流
に連結することにより製造することができる。ベクター
としては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR32
2、pBR325、pUC12、pUC13)、枯草菌
由来のプラスミド(例、pUB110、pTP5、pC
194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19、pS
H15)、λファージなどのバクテリオファージ、レト
ロウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルスな
どの動物ウイルスなどの他、pA1−11、pXT1、
pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Ne
oなどが用いられる。本発明で用いられるプロモーター
としては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切な
プロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、
動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモータ
ー、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CM
Vプロモーター、HSV-TKプロモーターなどが挙げ
られる。これらのうち、CMVプロモーター、SRαプ
ロモーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリ
ヒア属菌である場合は、trpプロモーター、lacプ
ロモーター、recAプロモーター、λPLプロモータ
ー、lppプロモーターなどが、宿主がバチルス属菌で
ある場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモー
ター、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場
合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、G
APプロモーター、ADHプロモーターなどが好まし
い。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモ
ーター、P10プロモーターなどが好ましい。
【0030】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等が挙げられる。特に、CHO(dhfr-)細胞
を用いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する
場合、目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても
選択できる。また、必要に応じて、宿主に合ったシグナ
ル配列を、本発明のレセプタータンパク質のN端末側に
付加する。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、Ph
oA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列などが、
宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シ
グナル配列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主
が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、SUC2
・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合には、
インシュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・
シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ
利用できる。このようにして構築された本発明のレセプ
タータンパク質をコードするDNAを含有するベクター
を用いて、形質転換体を製造することができる。
【0031】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH
1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160(1
968)〕、JM103〔ヌクイレック・アシッズ・リ
サーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,309
(1981)〕、JA221〔ジャーナル・オブ・モレキ
ュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y),120巻,517(1978)〕、HB101〔ジ
ャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,41
巻,459(1969)〕、C600〔ジェネティックス
(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用い
られる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・ズ
ブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,
24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemis
try),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
酵母としては、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)AH22、AH22
-、NA87−11A、DKD−5D、20B−1
2、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomy
ces pombe)NCYC1913、NCYC2036、ピ
キア・パストリス(Pichia pastoris)などが用いられ
る。
【0032】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、ヨトウガの幼虫由来株化細胞(Spod
optera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia n
iの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来の
High FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の
細胞またはEstigmena acrea由来の細胞などが用いられ
る。ウイルスがBmNPVの場合は、カイコ由来株化細
胞(Bombyx mori N;BmN細胞)などが用いられる。
該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL17
11)、Sf21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴ
ィボ(In Vivo),13, 213-217,(1977))などが用いられ
る。昆虫としては、例えば、カイコの幼虫などが用いら
れる〔前田ら、ネイチャー(Nature),315巻,59
2(1985)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞
COS−7、Vero、チャイニーズハムスター細胞C
HO(以下、CHO細胞と略記)、dhfr遺伝子欠損
チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(d
hfr-)細胞と略記)、マウスL細胞,マウスAtT
−20、マウスミエローマ細胞、ラットGH3、ヒトF
L細胞、ヒトHEK293細胞などが用いられる。
【0033】エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,2110
(1972)やジーン(Gene),17巻,107(198
2)などに記載の方法に従って行なうことができる。バ
チルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキュラー
・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular
& General Genetics),168巻,111(1979)
などに記載の方法に従って行なうことができる。酵母を
形質転換するには、例えば、メッソズ・イン・エンザイ
モロジー(Methods in Enzymology),194巻,18
2−187(1991)、プロシージングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オ
ブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),75巻,1929(1978)などに記載の方法
に従って行なうことができる。昆虫細胞または昆虫を形
質転換するには、例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/
Technology),6, 47-55(1988))などに記載の方法に従
って行なうことができる。動物細胞を形質転換するに
は、例えば、細胞工学別冊8新細胞工学実験プロトコー
ル.263−267(1995)(秀潤社発行)、ヴィ
ロロジー(Virology),52巻,456(1973)に記
載の方法に従って行なうことができる。このようにし
て、Gタンパク質共役型レセプタータンパク質をコード
するDNAを含有する発現ベクターで形質転換された形
質転換体が得られる。宿主がエシェリヒア属菌、バチル
ス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用され
る培地としては液体培地が適当であり、その中には該形
質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他
が含有せしめられる。炭素源としては、例えば、グルコ
ース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源
としては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コー
ンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、
大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、
無機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水
素ナトリウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。ま
た、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加
してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0034】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、「プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4505
(1980)」や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地
〔Bitter, G. A. ら、「プロシージングズ・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ
・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),
81巻,5330(1984)」が挙げられる。培地の
pHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約
20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じ
て通気や撹拌を加える。
【0035】宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換
体を培養する際、培地としては、Grace's Insect Mediu
m(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(196
2))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加え
たものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.
4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3
〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿
主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Science),122巻,501(19
52)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),
8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地
〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・ア
ソシエーション(The Journal of the American Medica
l Association)199巻,519(1967)〕,19
9培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フ
ォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding o
fthe Society for the Biological Medicine),73
巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8
であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約
15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。以上のようにして、形質転換体の細胞内、細胞膜ま
たは細胞外に本発明のGタンパク質共役型レセプタータ
ンパク質を生成せしめることができる。
【0036】上記培養物から本発明のレセプタータンパ
ク質を分離精製するには、例えば、下記の方法により行
なうことができる。本発明のレセプタータンパク質を培
養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、
公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩
衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結
融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠
心分離やろ過によりレセプタータンパク質の粗抽出液を
得る方法などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩
酸グアニジンなどのタンパク質変性剤や、トリトンX−
100TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。培養
液中にレセプタータンパク質が分泌される場合には、培
養終了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分
離し、上清を集める。このようにして得られた培養上
清、あるいは抽出液中に含まれるレセプタータンパク質
の精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行
なうことができる。これらの公知の分離、精製法として
は、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透
析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差
を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの
荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラ
フィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液
体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方
法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法
などが用いられる。
【0037】このようにして得られるレセプタータンパ
ク質が遊離体で得られた場合には、公知の方法あるいは
それに準じる方法によって塩に変換することができ、逆
に塩で得られた場合には公知の方法あるいはそれに準じ
る方法により、遊離体または他の塩に変換することがで
きる。なお、組換え体が産生するレセプタータンパク質
を、精製前または精製後に適当なタンパク質修飾酵素を
作用させることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペ
プチドを部分的に除去することもできる。タンパク質修
飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシ
ン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナー
ゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。このようにして
生成する本発明のレセプタータンパク質またはその塩の
活性は、標識したリガンドとの結合実験および特異抗体
を用いたエンザイムイムノアッセイなどにより測定する
ことができる。
【0038】以下に、本発明のスクリーニング方法につ
いて詳述する。本発明のGタンパク質共役型レセプター
タンパク質とコレステロール代謝関連物質との結合性を
変化させる化合物(アゴニスト、アンタゴニストなど)
のスクリーニング方法特定のアミノ酸配列を含有する本
発明のタンパク質(例えば、本発明のレセプタータンパ
ク質、その部分ペプチドまたはその塩(以下、本発明の
レセプタータンパク質等と略記する場合がある))を用
いるか、または組換え型タンパク質等の発現系を構築
し、該発現系を用いた結合アッセイ系を用いることによ
って、試験化合物(例えば、リガンドであるコレステロ
ール代謝関連物質(例、胆汁酸(例、タウロリトコール
酸、グリコリトコール酸、タウロデオキシコール酸、グ
リコデオキシコール酸、ノルデオキシコール酸、7−ケ
トリトコール酸、5β−プレグナン−3,20−オン、
コール酸、リトコール酸、デオキシコール酸、タウロコ
ール酸、グリココール酸、ケノデオキシコール酸、ウル
ソデオキシコール酸、タウロケノデキシコール酸、グリ
コケノデオキシコール酸)、エピアンドロステロン、
(+)−4−アンドロステン−3,17−ジオン、シス
−アンドロステロン、11β−ヒドロキシプロゲステロ
ン、17α−ヒドロキシプロゲステロン、11−デオキ
シコルチコステロン、11−デオキシコルチゾール、デ
ヒドロイソアンドロステロン、3α−ヒドロキシ−5α
−プレグナン−20−オン、4−プレグネン−20α−
オール−3−オン、5α−デヒドロテストステロン、テ
ストステロン、プロゲステロン、またはこれらの塩
等))と本発明のタンパク質等との結合性を変化させる
化合物(例えば、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性
化合物、合成化合物、発酵生産物など)またはその塩を
効率よくスクリーニングすることができる。このような
試験化合物には、(イ)あるタンパク質(例えば、Gタ
ンパク質共役型レセプター)を介して細胞刺激活性(例
えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内
Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生
成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内
タンパク質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低
下などを促進する活性または抑制する活性、レポーター
遺伝子の発現誘導活性など)を有する化合物(いわゆ
る、本発明のレセプタータンパク質に対するアゴニス
ト)、(ロ)該細胞刺激活性を有しない化合物(いわゆ
る、本発明のレセプタータンパク質に対するアンタゴニ
スト)、(ハ)生理活性物質(例えば、コレステロール
代謝関連物質)と本発明のGタンパク質共役型レセプタ
ータンパク質との結合力を増強する化合物、あるいは
(ニ)生理活性物質(例えば、コレステロール代謝関連
物質)と本発明のGタンパク質共役型レセプタータンパ
ク質との結合力を減少させる化合物などが含まれる(な
お、上記(イ)の化合物は、後述のリガンド決定方法に
よってスクリーニングすることが好ましい)。
【0039】本発明では、(1)試験化合物1単独で結
合活性を測定し、(2)さらに、試験化合物2について
結合活性を測定し、(3)そして、(1)と(2)の結
果を比較する。すなわち、本発明は、(i)本発明のレ
セプタータンパク質もしくはその部分ペプチドまたはそ
の塩と、コレステロール代謝関連物質とを接触させた場
合と(ii)本発明のレセプタータンパク質もしくはそ
の部分ペプチドまたはその塩と、コレステロール代謝関
連物質および試験化合物とを接触させた場合との比較を
行なうことを特徴とするコレステロール代謝関連物質と
本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分ペプチ
ドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはそ
の塩のスクリーニング方法を提供する。本発明のスクリ
ーニング方法においては、(i)と(ii)の場合にお
ける、例えば、該レセプタータンパク質等に対するコレ
ステロール代謝関連物質の結合量、細胞刺激活性などを
測定して、比較することを特徴とする。
【0040】より具体的には、本発明は、 標識したコレステロール代謝関連物質を、本発明のレ
セプタータンパク質等に接触させた場合と、標識したコ
レステロール代謝関連物質および試験化合物を本発明の
レセプタータンパク質等に接触させた場合における、標
識したコレステロール代謝関連物質の該レセプタータン
パク質等に対する結合量を測定し、比較することを特徴
とするコレステロール代謝関連物質と本発明のレセプタ
ータンパク質等との結合性を変化させる化合物またはそ
の塩のスクリーニング方法、 標識したコレステロール代謝関連物質を、本発明のレ
セプタータンパク質等を含有する細胞または該細胞の膜
画分に接触させた場合と、標識したコレステロール代謝
関連物質および試験化合物を本発明のレセプタータンパ
ク質等を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させ
た場合における、標識したコレステロール代謝関連物質
の該細胞または該膜画分に対する結合量を測定し、比較
することを特徴とするコレステロール代謝関連物質と本
発明のレセプタータンパク質等との結合性を変化させる
化合物またはその塩のスクリーニング方法、 標識したコレステロール代謝関連物質を、本発明のD
NAを含有する形質転換体を培養することによって細胞
膜上に発現したレセプタータンパク質等に接触させた場
合と、標識したコレステロール代謝関連物質および試験
化合物を本発明のDNAを含有する形質転換体を培養す
ることによって細胞膜上に発現した本発明のレセプター
タンパク質等に接触させた場合における、標識したコレ
ステロール代謝関連物質の該レセプタータンパク質等に
対する結合量を測定し、比較することを特徴とするコレ
ステロール代謝関連物質と本発明のレセプタータンパク
質等との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
リーニング方法、
【0041】本発明のレセプタータンパク質等を活性
化する化合物(例えば、本発明のレセプタータンパク質
等に対するコレステロール代謝関連物質など)を本発明
のレセプタータンパク質等を含有する細胞に接触させた
場合と、本発明のレセプタータンパク質等を活性化する
化合物および試験化合物を本発明のレセプタータンパク
質等を含有する細胞に接触させた場合における、レセプ
ターを介した細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内c
AMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、
c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活性ま
たは抑制する活性、レポーター遺伝子の発現誘導活性な
ど)を測定し、比較することを特徴とするコレステロー
ル代謝関連物質と本発明のレセプタータンパク質等との
結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、および 本発明のレセプタータンパク質等を活性化する化合物
(例えば、本発明のレセプタータンパク質等に対するコ
レステロール代謝関連物質など)を本発明のDNAを含
有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発
現した本発明のレセプタータンパク質等に接触させた場
合と、本発明のレセプタータンパク質等を活性化する化
合物および試験化合物を本発明のDNAを含有する形質
転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発
明のレセプタータンパク質等に接触させた場合におけ
る、レセプターを介する細胞刺激活性(例えば、アラキ
ドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、
細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトー
ルリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリ
ン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進す
る活性または抑制する活性、レポーター遺伝子の発現誘
導活性など)を測定し、比較することを特徴とするリガ
ンドと本発明のレセプタータンパク質等との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提
供する。まず、本発明のスクリーニング方法に用いる本
発明のレセプタータンパク質等としては、上記した本発
明のレセプタータンパク質等を含有するものであれば何
れのものであってもよいが、本発明のレセプタータンパ
ク質等を含有する哺乳動物の臓器の細胞膜画分が好適で
ある。しかし、特にヒト由来の臓器は入手が極めて困難
なことから、スクリーニングに用いられるものとして
は、組換え体を用いて大量発現させたヒト由来のレセプ
タータンパク質等などが適している。
【0042】本発明のレセプタータンパク質等を製造す
るには、上記の方法が用いられるが、本発明のDNAを
哺乳細胞や昆虫細胞で発現することにより行なうことが
好ましい。目的とするタンパク質部分をコードするDN
A断片には相補DNAが用いられるが、必ずしもこれに
制約されるものではない。例えば、遺伝子断片や合成D
NAを用いてもよい。本発明のレセプタータンパク質を
コードするDNA断片を宿主動物細胞に導入し、それら
を効率よく発現させるためには、該DNA断片を昆虫を
宿主とするバキュロウイルスに属する核多角体病ウイル
ス(nuclear polyhedrosis virus;NPV)のポリヘド
リンプロモーター、SV40由来のプロモーター、レト
ロウイルスのプロモーター、メタロチオネインプロモー
ター、ヒトヒートショックプロモーター、サイトメガロ
ウイルスプロモーター、SRαプロモーターなどの下流
に組み込むのが好ましい。発現したレセプターの量と質
の検査は公知の方法で行うことができる。例えば、文献
〔Nambi,P.ら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカ
ル・ケミストリー(J. Biol. Chem.),267巻,19555〜19
559頁,1992年〕に記載の方法に従って行なうことができ
る。したがって、本発明のスクリーニング方法におい
て、本発明のレセプタータンパク質等を含有するものと
しては、公知の方法に従って精製したレセプタータンパ
ク質等であってもよいし、該レセプタータンパク質等を
含有する細胞を用いてもよく、また該レセプタータンパ
ク質等を含有する細胞の膜画分を用いてもよい。
【0043】本発明のスクリーニング方法において、本
発明のレセプタータンパク質等を含有する細胞を用いる
場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで
固定化してもよい。固定化方法は公知の方法に従って行
なうことができる。本発明のレセプタータンパク質等を
含有する細胞としては、該レセプタータンパク質等を発
現した宿主細胞をいうが、該宿主細胞としては、大腸
菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが好まし
い。細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、公知の方
法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。
細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナ
イザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーや
ポリトロン(Kinematica社製)のよる破砕、超音波によ
る破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細い
ノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられ
る。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心
分離法などの遠心力による分画法が主として用いられ
る。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜300
0rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、
上清をさらに高速(15000rpm〜30000rp
m)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画
分とする。該膜画分中には、発現したレセプタータンパ
ク質等と細胞由来のリン脂質や膜タンパク質などの膜成
分が多く含まれる。該レセプタータンパク質等を含有す
る細胞や膜画分中のレセプタータンパク質の量は、1細
胞当たり103〜108分子であるのが好ましく、105
〜107分子であるのが好適である。なお、発現量が多
いほど膜画分当たりのリガンド結合活性(比活性)が高
くなり、高感度なスクリーニング系の構築が可能になる
ばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測定できるよ
うになる。
【0044】コレステロール代謝関連物質と本発明のレ
セプタータンパク質等との結合性を変化させる化合物を
スクリーニングする上記の〜を実施するためには、
例えば、適当なレセプタータンパク質画分と、標識した
コレステロール代謝関連物質が必要である。レセプター
タンパク質画分としては、天然型のレセプタータンパク
質画分か、またはそれと同等の活性を有する組換え型レ
セプタータンパク質画分などが望ましい。ここで、同等
の活性とは、同等のリガンド結合活性、シグナル情報伝
達作用などを示す。標識したコレステロール代謝関連物
質としては、標識したコレステロール代謝関連物質、標
識したコレステロール代謝関連物質アナログ化合物など
が用いられる。例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、
35S〕などで標識されたコレステロール代謝関連物質
などが用いられる。具体的には、コレステロール代謝関
連物質と本発明のレセプタータンパク質等との結合性を
変化させる化合物のスクリーニングを行なうには、まず
本発明のレセプタータンパク質等を含有する細胞または
細胞の膜画分を、スクリーニングに適したバッファーに
懸濁することによりレセプタータンパク質標品を調製す
る。バッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6
〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーな
どのリガンドとレセプタータンパク質との結合を阻害し
ないバッファーであればいずれでもよい。また、非特異
的結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween−
80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコ
レートなどの界面活性剤をバッファーに加えることもで
きる。さらに、プロテアーゼによるレセプターやリガン
ドの分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E−
64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテ
アーゼ阻害剤を添加することもできる。0.01ml〜
10mlの該レセプター溶液に、一定量(5000cp
m〜500000cpm)の標識したコレステロール代
謝関連物質を添加し、同時に10-4M〜10-10Mの試
験化合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知
るために大過剰の未標識のコレステロール代謝関連物質
を加えた反応チューブも用意する。反応は約0℃から5
0℃、望ましくは約4℃から37℃で、約20分から2
4時間、望ましくは約30分から3時間行う。反応後、
ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄
した後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シン
チレーションカウンターまたはγ−カウンターで計測す
る。拮抗する物質がない場合のカウント(B0)から非
特異的結合量(NSB)を引いたカウント(B0−NS
B)を100%とした時、特異的結合量(B−NSB)
が、例えば、50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能
力のある候補物質として選択することができる。
【0045】コレステロール代謝関連物質と本発明のレ
セプタータンパク質等との結合性を変化させる化合物ス
クリーニングする上記の〜の方法を実施するために
は、例えば、レセプタータンパク質を介する細胞刺激活
性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、
細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGM
P生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細
胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの活性化、pH
の低下などを促進する活性または抑制する活性、レポー
ター遺伝子の発現誘導活性など)を公知の方法または市
販の測定用キットを用いて測定することができる。具体
的には、まず、本発明のレセプタータンパク質等を含有
する細胞をマルチウェルプレート等に培養する。スクリ
ーニングを行なうにあたっては前もって新鮮な培地ある
いは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、
試験化合物などを添加して一定時間インキュベートした
後、細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産
物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の
指標とする物質(例えば、アラキドン酸など)の生成
が、細胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合
は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行
なってもよい。また、cAMP産生抑制などの活性につ
いては、フォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増
大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検出す
ることができる。細胞刺激活性を測定してスクリーニン
グを行なうには、適当なレセプタータンパク質を発現し
た細胞が必要である。本発明のレセプタータンパク質等
を発現した細胞としては、天然型の本発明のレセプター
タンパク質等を有する細胞株、上記の組換え型レセプタ
ータンパク質等を発現した細胞株などが望ましい。試験
化合物としては、例えば、ペプチド、タンパク質、非ペ
プチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出
液、植物抽出液、動物組織抽出液などが用いられ、これ
ら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合
物であってもよい。
【0046】コレステロール代謝関連物質と本発明のレ
セプタータンパク質等との結合性を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング用キットは、本発明のレセ
プタータンパク質等、本発明のレセプタータンパク質等
を含有する細胞、または本発明のレセプタータンパク質
等を含有する細胞の膜画分を含有するものなどである。
本発明のスクリーニング用キットの例としては、次のも
のが挙げられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 Gタンパク質共役型レセプター標品 本発明のレセプタータンパク質を発現させたCHO細胞
を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37
℃、5%CO2、95%airで2日間培養したもの。 標識コレステロール代謝関連物質 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識したコレステロール代謝関連物質 水溶液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存
し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。 コレステロール代謝関連物質標準液 コレステロール代謝関連物質を0.1%ウシ血清アルブ
ミン(シグマ社製)を含むPBSで1mMとなるように
溶解し、−20℃で保存する。
【0047】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセ
プタータンパク質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1m
lで2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴
に加える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、標識コレステロール代謝関連物質を5μl加え、室
温にて1時間反応させる。非特異的結合量を知るために
は試験化合物の代わりに10-3Mのコレステロール代謝
関連物質を5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識リガンドを0.2N NaOH
−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA
(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式で求める。 PMB=[(B−NSB)/(B0−NSB)]×10
0 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0048】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、リガンドであるコレステロール代謝関連物質と本発
明のレセプタータンパク質等との結合性を変化させる作
用を有する化合物であり、具体的には、(イ)Gタンパ
ク質共役型レセプターを介して細胞刺激活性(例えば、
アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+
遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノ
シトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク
質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを
促進する活性または抑制する活性、レポーター遺伝子の
発現誘導活性など)を有する化合物(いわゆる、本発明
のレセプタータンパク質に対するアゴニスト)、(ロ)
該細胞刺激活性を有しない化合物(いわゆる、本発明の
レセプタータンパク質に対するアンタゴニスト)、
(ハ)コレステロール代謝関連物質と本発明のGタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質との結合力を増強する
化合物、あるいは(ニ)コレステロール代謝関連物質と
本発明のGタンパク質共役型レセプタータンパク質との
結合力を減少させる化合物である。該化合物としては、
ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合
物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な
化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよ
い。
【0049】本発明のレセプタータンパク質等に対する
アゴニストは、本発明のレセプタータンパク質等に対す
るコレステロール代謝関連物質が有する生理活性と同様
の作用を有しているので、該コレステロール代謝関連物
質活性に応じて安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のレセプタータンパク質等に対するアンタゴニス
トは、本発明のレセプタータンパク質等に対するコレス
テロール代謝関連物質が有する生理活性を抑制すること
ができるので、該コレステロール代謝関連物質活性を抑
制する安全で低毒性な医薬として有用である。コレステ
ロール代謝関連物質と本発明のGタンパク質共役型レセ
プタータンパク質との結合力を増強する化合物は、本発
明のレセプタータンパク質等に対するコレステロール代
謝関連物質が有する生理活性を増強するための安全で低
毒性な医薬として有用である。コレステロール代謝関連
物質と本発明のGタンパク質共役型レセプタータンパク
質との結合力を減少させる化合物は、本発明のレセプタ
ータンパク質等に対するコレステロール代謝関連物質が
有する生理活性を減少させるための安全で低毒性な医薬
として有用である。例えば、中枢疾患(例えば、アルツ
ハイマー病、痴呆、摂食障害など)、炎症性疾患(例え
ば、アレルギー、リュウマチ、変形性関節症、エリテマ
トーデスなど)、循環器疾患(例えば、高血圧症、心肥
大、狭心症、動脈硬化症等)、癌(例えば、非小細胞肺
癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部
癌、結腸癌、直腸癌等)、呼吸器疾患(例えば、肺炎、
気管支炎、喘息、肺繊維症など)、糖尿病、免疫系疾患
(例えば、クローン病、アトピー性皮膚炎、自己免疫疾
患、免疫不全、白血病等)、肝臓・胆のう疾患(例え
ば、肝硬変、肝炎、肝不全、胆汁うっ滞症、結石等)、
消化管疾患(例えば、潰瘍、腸炎、吸収不良等)、感染
症、肥満、移植医療後の過剰免疫反応などの疾患の予防
および/または治療剤として有用である。これらの疾患
のうち、免疫機能、マクロファージ機能などが亢進する
ことに起因する疾患(例えば、炎症性疾患、移植医療後
の過剰免疫反応など)には、特に本発明のレセプタータ
ンパク質等を介した生理活性を増強させる化合物(例、
アゴニスト)が有効である。一方、免疫機能、マクロフ
ァージ機能などが抑制されることに起因する疾患(例え
ば、免疫不全、感染症など)には、特に本発明のレセプ
タータンパク質等を介した生理活性を減少させる化合物
(例、アンタゴニスト)が有効である。
【0050】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上記の医薬(組成物)として使用する場合、常套手段
に従って実施することができる。例えば、該化合物また
はその塩を、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル
剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口
的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得
る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形
で非経口的に使用できる。例えば、該化合物またはその
塩を、生理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形
剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一
般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混
和することによって製造することができる。これら製剤
における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得
られるようにするものである。錠剤、カプセル剤などに
混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチ
ン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムのよう
な結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンス
ターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ス
テアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖
またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカ
モノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられ
る。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記タイ
プの材料にさらに油脂のような液状担体を含有すること
ができる。注射のための無菌組成物は注射用水のような
ベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天
然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の
製剤実施に従って処方することができる。注射用の水性
液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の
補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−
マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、
適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノー
ル)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例、
ポリソルベート80TM、HCO−50)などと併用して
もよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油など
が用いられ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベン
ジルアルコールなどと併用してもよい。また、該化合物
またはその塩は、例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩
衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩
化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤
(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコー
ルなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェ
ノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製
された注射液は通常、適当なアンプルに充填される。こ
のようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、
例えば、ヒトやその他の哺乳動物(例えば、ラット、マ
ウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル
など)に対して投与することができる。該化合物または
その塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方
法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に
例えば、高血圧症患者(60kgとして)においては、
一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0
〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgであ
る。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与
対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なる
が、例えば、注射剤の形では通常例えば、高血圧症患者
(60kgとして)においては、一日につき約0.01
〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、
より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射によ
り投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60
kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0051】さらに、本発明のGタンパク質共役型レセ
プタータンパク質に対するリガンドの定量法を以下に説
明する。本発明のレセプタータンパク質等は、コレステ
ロール代謝関連物質(例、胆汁酸(例、タウロリトコー
ル酸、グリコリトコール酸、タウロデオキシコール酸、
グリコデオキシコール酸、ノルデオキシコール酸、7−
ケトリトコール酸、5β−プレグナン−3,20−オ
ン、コール酸、コール酸、リトコール酸、デオキシコー
ル酸、タウロコール酸、グリココール酸、ケノデオキシ
コール酸、ウルソデオキシコール酸、タウロケノデキシ
コール酸、グリコケノデオキシコール酸、エピアンドロ
ステロン)、(+)−4−アンドロステン−3,17−
ジオン、シス−アンドロステロン、11β−ヒドロキシ
プロゲステロン、17α−ヒドロキシプロゲステロン、
11−デオキシコルチコステロン、11−デオキシコル
チゾール、デヒドロイソアンドロステロン、3α−ヒド
ロキシ−5α−プレグナン−20−オン、4−プレグネ
ン−20α−オール−3−オン、5α−デヒドロテスト
ステロン、テストステロン、プロゲステロン、またはこ
れらの塩等)に対して結合性を有しているので、生体内
におけるコレステロール代謝関連物質濃度を感度良く定
量することができる。本発明の定量法は、例えば、競合
法と組み合わせることによって用いることができる。す
なわち、被検体を本発明のレセプタータンパク質等と接
触させることによって被検体中のコレステロール代謝関
連物質濃度を測定することができる。具体的には、例え
ば、以下のまたはなどに記載の方法あるいはそれに
準じる方法に従って用いることができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和4
9年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行)
【0052】本発明の、リガンドが未知のレセプタータ
ンパク質に対するリガンドの決定方法について詳述す
る。本発明のリガンドの決定方法は、(1)リガンドが
決定されていないレセプタータンパク質を発現し、かつ
エンハンサー/プロモーターの下流にレポータータンパ
ク質をコードするDNAを連結したプラスミドを含有す
る細胞に、試験化合物を添加し、発現誘導されるレポー
タータンパク質の活性を測定する方法、(2)(i)リ
ガンドが決定されていないレセプタータンパク質をコー
ドするDNAを含有するプラスミドおよび(ii)エン
ハンサー/プロモーターの下流にレポータータンパク質
をコードするDNAを連結したプラスミドを含有する細
胞を培養し、試験化合物を添加し、発現誘導されるレポ
ータータンパク質の活性を測定する方法などである。該
レセプタータンパク質としては、例えばGタンパク質共
役型レセプタータンパク質などが用いられる。具体例と
しては、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタン
パク質共役型レセプタータンパク質や、WO96/05
302、EP−A−711831、EP−A−7890
76、EP−A−1103563、EP−A−1103
562、特開平8−154682号公報、特開平8−2
83295号公報、特開平8−196278号公報、特
開平8−245697号公報、特開平8−266280
号公報、特開平9−51795号公報、特開平9−12
1865号公報、特開平9−2388686号公報、特
開平10−146192号公報に記載のGタンパク質共
役型レセプタータンパク質などが挙げられる。レセプタ
ー発現プラスミドとしては真核生物由来の細胞で該レセ
プタータンパク質を発現させるためのプロモーター、原
核生物で増殖させる場合の選択マーカーとして用いる薬
剤耐性遺伝子(例えば、アンピシリン耐性遺伝子)など
を含有するプラスミドがあげられる。エンハンサー/プ
ロモーターの下流にレポータータンパク質をコードする
DNAを含む(真核生物由来)細胞に、導入可能なプラ
スミドとしては、市販のプラスミドなどのいかなるプラ
スミドでもよい。公知の方法にて酵素活性を検出できる
ような酵素遺伝子を含むようなプラスミドが好ましく用
いられる。エンハンサーとしては、例えば、SV40、
パピローマウイルス等のウイルス由来のエンハンサー、
レトロウイルスのLTR、cAMPレスポンスエレメン
ト(cAMP応答配列)(CRE)等が用いられ、好ま
しくはcAMPレスポンスエレメントである。プロモー
ターとしては、例えば、SV40プロモーター、CMV
プロモーター、HSVのチミジンキナーゼ遺伝子のTA
TA様プロモーター等が用いられ、好ましくはTATA
様プロモーターである。レポータータンパク質遺伝子と
しては、例えば、ルシフェラーゼ遺伝子、β−ガラクト
シダーゼ遺伝子、GFP遺伝子、アルカリフォスファタ
ーゼ遺伝子等が用いられる。かかるプラスミドの具体例
としては、cAMPレスポンスエレメントの下流にTA
TA様プロモーターおよびレポータータンパク質(例、
ルシフェラーゼ遺伝子)をコードする遺伝子を連結した
プラスミド、例えばpCRE−Luc(Clontec
h社)などが用いられる。上記で用いられる細胞として
は、真核生物由来の細胞が挙げられ、好ましくは、動物
細胞(例、サル細胞COS−7、Vero、CHO細
胞、CHO(dhfr-)細胞、マウスL細胞、マウス
AtT−20、マウスミエローマ細胞、ラットGH3、
ヒトFL細胞、ヒトHEK293細胞など)などが用い
られる。該細胞は、2種以上(好ましくは2〜3種)の
レセプタータンパク質を発現していてもよい。2種類以
上のレセプタータンパク質を発現させる場合は、類似の
特徴を有する2種類以上のレセプタータンパク質を選択
するのが良い。類似の特徴としては、例えば、2種類以
上のレセプタータンパク質をそれぞれ単独で発現させた
時のレポータータンパク質の発現量などが挙げられる。
具体的には、2種類以上のレセプタータンパク質をそれ
ぞれ単独で発現させた場合におけるレポータータンパ
ク質の基礎発現量および(または)フォルスコリン添
加時のレポータータンパク質の発現量を指標として、各
レセプタータンパク質の特徴を区別することができる。
すなわち、リガンドが決定されていない2種類以上のレ
セプタータンパク質を発現させてリガンドを決定する場
合、あらかじめレポータータンパク質の基礎発現量が低
いもの、中程度のもの、明らかに高いものなどに区分け
をしたり、あるいはフォルスコリン添加によってレポー
タータンパク質の発現量が上昇しにくいレセプタータン
パク質を明らかにしておくことが望ましい。なぜなら
ば、例えばレポータータンパク質の基礎発現量が高いレ
セプタータンパク質とレポータータンパク質の基礎発現
量が低いレセプターの2種類のレセプタータンパク質を
発現させた場合、後者にリガンドがヒットした場合にレ
ポータータンパク質発現量の上昇が見えにくくなるから
である。したがって、得られた情報をもとに、(1)レ
ポータータンパク質の基礎発現量が高いレセプタータン
パク質と低いレセプタータンパク質の混合は避けるのが
好ましい、(2)フォルスコリン添加によるレポーター
タンパク質の発現量の上昇が顕著なレセプタータンパク
質とそうでないレセプタータンパク質は混合しないほう
が好ましい、(3)レポータータンパク質の基礎発現量
が同程度であるレセプタータンパク質同士を組み合わせ
て発現させるのが好ましい。このように類似の特徴を有
するレセプタータンパク質の組み合わせとしては、例え
ば、APJ(アペリンレセプター;ジーン(Gene)、第
136巻、第355頁(1993年))とTGR−1(特開
2002−078492号)との組み合わせが挙げられ
る。
【0053】リガンドの決定方法の具体例を以下に記載
する。細胞を96ウェルプレートに播種し、例えば10
%ウシ胎児血清を含むDMEMで一晩培養する。ここ
で、例えば市販のトランスフェクションキットを用い
て、レセプタータンパク質発現プラスミドおよびレポー
タープラスミドを同時に細胞に導入し、細胞をさらに一
晩培養することにより、細胞内でレセプタータンパク質
を一過性に発現させる。細胞を洗浄し、さらに培地を無
血清化した後、試験化合物を添加する。エンハンサーが
CREである場合、試験化合物と同時にフォルスコリン
を添加してもよい。一定時間インキュベーションを行っ
た後、細胞を溶解し、レポータータンパク質の活性を測
定する。前記の決定方法において、ベースラインが高
く、シグナルの検出が困難な場合には、該ベースライン
を低下させる手段を講じるとよい。例えばレセプタータ
ンパク質がGタンパク質共役型レセプタータンパク質
(GPCR)の場合、Gタンパク質のサブユニットであ
るGαタンパク質のうち、cAMP抑制効果を示すGi
タンパク質を添加することにより、シグナル検出が容易
となる。Giタンパク質はまたGiタンパク質をコード
するDNAを発現するプラスミドとして、レセプタータ
ンパク質プラスミドおよびレポータープラスミドと共に
細胞に導入することができる。この場合、3種のプラス
ミド(レセプタープラスミド:レポータープラスミド:
Giプラスミド)の混合比は、5〜15:1:1〜6程
度が好ましく、さらには7:1:3程度であるのが好ま
しい。
【0054】本発明のレセプタータンパク質もしくはそ
の部分ペプチドまたはその塩に対する抗体は、本発明の
レセプタータンパク質もしくはその部分ペプチドまたは
その塩を認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗
体、モノクローナル抗体の何れであってもよい。本発明
のレセプタータンパク質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩(以下、本発明のレセプタータンパク質等と略
記する場合がある)に対する抗体は、本発明のレセプタ
ータンパク質等を抗原として用い、公知の抗体または抗
血清の製造法に従って製造することができる。
【0055】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のレセプタータンパク質等は、哺乳動物に対して
投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担
体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生
能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全
フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通常
2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。
用いられる哺乳動物としては、例えば、サル、ウサギ、
イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギが挙
げられるが、マウスおよびラットが好ましく用いられ
る。モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗
原を免疫された温血動物、例えば、マウスから抗体価の
認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓ま
たはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞
を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル
抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血
清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化レセプタ
ータンパク質等と抗血清とを反応させたのち、抗体に結
合した標識剤の活性を測定することにより行なうことが
できる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミ
ルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256巻、
495頁(1975年)〕に従い実施することができ
る。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコ
ール(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられる
が、好ましくはPEGが用いられる。骨髄腫細胞として
は、例えば、NS−1、P3U1、SP2/0などが挙
げられるが、P3U1が好ましく用いられる。用いられ
る抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ま
しい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG(好ま
しくは、PEG1000〜PEG6000)が10〜8
0%程度の濃度で添加され、約20〜40℃、好ましく
は約30〜37℃で約1〜10分間インキュベートする
ことにより効率よく細胞融合を実施できる。
【0056】モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの
スクリーニングには種々の方法が使用できるが、例え
ば、レセプタータンパク質等の抗原を直接あるいは担体
とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハ
イブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素
などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用い
られる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗
体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロ
ブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイ
ブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで
標識したレセプタータンパク質等を加え、固相に結合し
たモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられ
る。モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれに
準じる方法に従って行なうことができるが、通常はHA
T(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添
加した動物細胞用培地などで行なうことができる。選別
および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育でき
るものならばどのような培地を用いても良い。例えば、
1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含
むRPMI1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含
むGIT培地(和光純薬工業(株))またはハイブリド
ーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0057】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナ
ル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法
〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気
泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテ
インAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗
体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精
製法〕に従って行なうことができる。
【0058】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に
したがって製造することができる。例えば、免疫抗原
(レセプタータンパク質等の抗原)とキャリアータンパ
ク質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の
製造法と同様に哺乳動物に免疫を行ない、該免疫動物か
ら本発明のレセプタータンパク質等に対する抗体含有物
を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造で
きる。哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原と
キャリアータンパク質との複合体に関し、キャリアータ
ンパク質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比
は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して
抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率
で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、
ウシサイログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモ
シアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜2
0、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用
いられる。また、ハプテンとキャリアーのカプリングに
は、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルア
ルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、
チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル
試薬等が用いられる。縮合生成物は、温血動物に対し
て、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希
釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高
めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイ
ントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2
〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なうことが
できる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫され
た哺乳動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取
することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の
測定は、上記の血清中の抗体価の測定と同様にして測定
できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノ
クローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分
離精製法に従って行なうことができる。
【0059】本発明の配列番号:5、配列番号:7、配
列番号14または配列番号:16で表わされるアミノ酸
配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列(但
し、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を除く)を含
有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質または
その塩、その部分ペプチドまたはその塩、および該レセ
プタータンパク質またはその部分ペプチドをコードする
DNAは新規物質であり、(1)本発明のGタンパク質
共役型レセプタータンパク質の機能不全に関連する疾患
の予防および/または治療剤、(2)遺伝子診断剤、
(3)本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペ
プチドの発現量を変化させる化合物を含有する各種疾病
の予防および/または治療剤、(4)本発明のGタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質に対するリガンドの定
量法、(5)本発明のGタンパク質共役型レセプタータ
ンパク質とリガンドとの結合性を変化させる化合物(ア
ゴニスト、アンタゴニスト)を含有する各種疾病の予防
および/または治療剤、(6)本発明のレセプタータン
パク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の定量、
(7)細胞膜における本発明のレセプタータンパク質ま
たはその部分ペプチドの量を変化させる化合物を含有す
る各種疾病の予防および/または治療剤、(8)本発明
のレセプタータンパク質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩に対する抗体による中和、(9)本発明のGタ
ンパク質共役型レセプタータンパク質をコードするDN
Aを有する非ヒト動物の作出などに用いることができ
る。本発明のレセプタータンパク質もしくは部分ペプチ
ドまたはその塩(以下、本発明のレセプタータンパク質
等と略記する場合がある)、本発明のレセプタータンパ
ク質またはその部分ペプチドをコードするDNA(以
下、本発明のDNAと略記する場合がある)および本発
明のレセプタータンパク質等に対する抗体(以下、本発
明の抗体と略記する場合がある)の用途について、以下
に具体的に説明する。
【0060】(1)本発明のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質の機能不全に関連する疾患の予防および
/または治療剤 本発明のレセプタータンパク質に対するリガンドが有す
る作用に応じて、本発明のレセプタータンパク質また
は該レセプタータンパク質をコードするDNAを、本
発明のレセプタータンパク質の機能不全に関連する疾患
の予防および/または治療剤などの医薬として使用する
ことができる。例えば、生体内において本発明のレセプ
タータンパク質が減少しているためにリガンドの生理作
用が期待できない(該レセプタータンパク質の欠乏症)
患者がいる場合に、本発明のレセプタータンパク質を
該患者に投与し該レセプタータンパク質の量を補充した
り、(イ)本発明のレセプタータンパク質をコードす
るDNAを該患者に投与し発現させることによって、あ
るいは(ロ)対象となる細胞に本発明のレセプタータン
パク質をコードするDNAを挿入し発現させた後に、該
細胞を該患者に移植することなどによって、患者の体内
におけるレセプタータンパク質の量を増加させ、リガン
ドの作用を充分に発揮させることができる。すなわち、
本発明のレセプタータンパク質をコードするDNAは、
安全で低毒性な本発明のレセプタータンパク質の機能不
全に関連する疾患の予防および/または治療剤として有
用である。本発明のレセプタータンパク質は、例えば、
中枢疾患(例えば、アルツハイマー病、痴呆、摂食障害
など)、炎症性疾患(例えば、アレルギー、リュウマ
チ、変形性関節症、エリテマトーデスなど)、循環器疾
患(例えば、高血圧症、心肥大、狭心症、動脈硬化症
等)、癌(例えば、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、
胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌
等)、呼吸器疾患(例えば、肺炎、気管支炎、喘息、肺
繊維症など)、糖尿病、免疫系疾患(例えば、クローン
病、アトピー性皮膚炎、自己免疫疾患、免疫不全、白血
病等)、肝臓・胆のう疾患(例えば、肝硬変、肝炎、肝
不全、胆汁うっ滞症、結石等)、消化管疾患(例えば、
潰瘍、腸炎、吸収不良等)、感染症、肥満、移植医療後
の過剰免疫反応などの疾患の予防および/または治療剤
として有用である。これらの疾患のうち、免疫機能、マ
クロファージ機能などが亢進することに起因する疾患
(例えば、炎症性疾患、移植医療後の過剰免疫反応な
ど)には、特に本発明のレセプタータンパク質等を介し
た生理活性を増強させる化合物(例、アゴニスト)が有
効である。一方、免疫機能、マクロファージ機能などが
抑制されることに起因する疾患(例えば、免疫不全、感
染症など)には、特に本発明のレセプタータンパク質等
を介した生理活性を減少させる化合物(例、アンタゴニ
スト)が有効である。本発明のレセプタータンパク質を
上記予防および/または治療剤として使用する場合は、
常套手段に従って製剤化することができる。一方、本発
明のレセプタータンパク質をコードするDNA(以下、
本発明のDNAと略記する場合がある)を上記予防およ
び/または治療剤として使用する場合は、本発明のDN
Aを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイ
ルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイル
スベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手
段に従って実施することができる。本発明のDNAは、
そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤ととも
に、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテー
テルによって投与できる。例えば、本発明のレセプタ
ータンパク質または該レセプタータンパク質をコード
するDNAは、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセ
ル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経
口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し
得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の
形で非経口的に使用できる。例えば、本発明のレセプ
タータンパク質または該レセプタータンパク質をコー
ドするDNAを生理学的に認められる公知の担体、香味
剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などと
ともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量
形態で混和することによって製造することができる。こ
れら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な
容量が得られるようにするものである。
【0061】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液
としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶
解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール
などと併用してもよい。
【0062】また、上記予防および/または治療剤は、
例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリ
ウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通
常、適当なアンプルに充填される。このようにして得ら
れる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトやそ
の他の哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒ
ツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投
与することができる。本発明のレセプタータンパク質の
投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などに
より差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、
高血圧症患者(60kgとして)においては、一日につ
き約0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0〜5
0mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非
経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、
対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例
えば、注射剤の形では通常例えば、高血圧症患者(60
kgとして)においては、一日につき約0.01〜30
mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好
ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与
するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当
たりに換算した量を投与することができる。
【0063】本発明のDNAの投与量は、投与対象、対
象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口
投与の場合、一般的に例えば、高血圧症患者(60kg
として)においては、一日につき約0.1mg〜100
mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは
約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合
は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与
方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では
通常例えば、高血圧症患者(60kgとして)において
は、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは
約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜1
0mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ
る。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を
投与することができる。
【0064】(2)遺伝子診断剤 本発明のDNAは、プローブとして使用することによ
り、ヒトまたはその他の哺乳動物(例えば、ラット、マ
ウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル
など)における本発明のレセプタータンパク質またはそ
の部分ペプチドをコードするDNAまたはmRNAの異
常(遺伝子異常)を検出することができるので、例え
ば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは
発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発
現過多などの遺伝子診断剤として有用である。より具体
的には、中枢疾患(例えば、アルツハイマー病、痴呆、
摂食障害など)、炎症性疾患(例えば、アレルギー、喘
息、リュウマチなど)、循環器疾患(例えば、高血圧症、
心肥大、狭心症、動脈硬化症等)、癌(例えば、非小細
胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮
頸部癌、結腸癌、直腸癌等)、糖尿病、免疫系疾患(例
えば、自己免疫疾患、免疫不全、白血病等)、肝臓・胆
のう疾患(例えば、肝硬変、肝炎、肝不全、胆汁うっ滞
症、結石等)、消化管疾患(例えば、潰瘍、腸炎、吸収
不良等)、肥満などの疾患の遺伝子診断診断剤として有
用である。本発明のDNAを用いる上記の遺伝子診断
は、例えば、公知のノーザンハイブリダイゼーションや
PCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),第5
巻,874〜879頁(1989年)、プロシージング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings of theNa
tional Academy of Sciences of the United States of
America),第86巻,2766〜2770頁(198
9年))などにより実施することができる。
【0065】(3)本発明のレセプタータンパク質また
はその部分ペプチドの発現量を変化させる化合物を含有
する各種疾病の予防および/または治療剤 本発明のレセプタータンパク質は上記のとおり、例え
ば、中枢機能など生体内で何らかの重要な役割を果たし
ていると考えられる。したがって、本発明のレセプター
タンパク質またはその部分ペプチドの発現量を変化させ
る化合物は、本発明のレセプタータンパク質の機能不全
に関連する疾患、例えば、中枢疾患(例えば、アルツハ
イマー病、痴呆、摂食障害など)、炎症性疾患(例え
ば、アレルギー、リュウマチ、変形性関節症、エリテマ
トーデスなど)、循環器疾患(例えば、高血圧症、心肥
大、狭心症、動脈硬化症等)、癌(例えば、非小細胞肺
癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部
癌、結腸癌、直腸癌等)、呼吸器疾患(例えば、肺炎、
気管支炎、喘息、肺繊維症など)、糖尿病、免疫系疾患
(例えば、クローン病、アトピー性皮膚炎、自己免疫疾
患、免疫不全、白血病等)、肝臓・胆のう疾患(例え
ば、肝硬変、肝炎、肝不全、胆汁うっ滞症、結石等)、
消化管疾患(例えば、潰瘍、腸炎、吸収不良等)、感染
症、肥満、移植医療後の過剰免疫反応などの疾患の予防
および/または治療剤として有用である。これらの疾患
のうち、免疫機能、マクロファージ機能などが亢進する
ことに起因する疾患(例えば、炎症性疾患、移植医療後
の過剰免疫反応など)には、特に本発明のレセプタータ
ンパク質等の発現を促進する化合物が有効である。一
方、免疫機能、マクロファージ機能などが抑制されるこ
とに起因する疾患(例えば、免疫不全、感染症など)に
は、特に本発明のレセプタータンパク質等の発現を阻害
する化合物が有効である。該化合物を本発明のレセプタ
ータンパク質の機能不全に関連する疾患の予防および/
または治療剤として使用する場合は、常套手段に従って
製剤化することができる。例えば、該化合物は、必要に
応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、
マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水も
しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶
液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用
できる。例えば、該化合物を生理学的に認められる公知
の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、
結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求さ
れる単位用量形態で混和することによって製造すること
ができる。これら製剤における有効成分量は指示された
範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
【0066】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液
としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶
解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール
などと併用してもよい。
【0067】また、上記予防および/または治療剤は、
例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリ
ウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通
常、適当なアンプルに充填される。このようにして得ら
れる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトやそ
の他の哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒ
ツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投
与することができる。該化合物またはその塩の投与量
は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差
異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、高血圧
症患者(60kgとして)においては、一日につき約
0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、
より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に
投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓
器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、
注射剤の形では通常例えば、高血圧症患者(60kgと
して)においては、一日につき約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。
【0068】(4)本発明のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質に対するリガンドの定量法 本発明のレセプタータンパク質等は、リガンドに対して
結合性を有しているので、生体内におけるリガンド濃度
を感度良く定量することができる。本発明の定量法は、
例えば、競合法と組み合わせることによって用いること
ができる。すなわち、被検体を本発明のレセプタータン
パク質等と接触させることによって被検体中のリガンド
濃度を測定することができる。具体的には、例えば、以
下のまたはなどに記載の方法あるいはそれに準じる
方法に従って用いることができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和4
9年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行)
【0069】(5)本発明のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質とリガンドとの結合性を変化させる化合
物(アゴニスト、アンタゴニスト)を含有する各種疾病
の予防および/または治療剤 本発明のレセプタータンパク質は上記のとおり、例えば
中枢機能など生体内で何らかの重要な役割を果たしてい
ると考えられる。従って、本発明のレセプタータンパク
質とリガンドとの結合性を変化させる化合物(アゴニス
ト、アンタゴニスト)は、本発明のレセプタータンパク
質の機能不全に関連する疾患の予防および/または治療
剤として用いることができる。該化合物を本発明のレセ
プタータンパク質の機能不全に関連する疾患の予防およ
び/または治療剤として使用する場合は、常套手段に従
って製剤化することができる。例えば、該化合物は、必
要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル
剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは
水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性
溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使
用できる。例えば、該化合物を生理学的に認められる公
知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定
剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要
求される単位用量形態で混和することによって製造する
ことができる。これら製剤における有効成分量は指示さ
れた範囲の適当な容量が得られるようにするものであ
る。
【0070】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液
としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶
解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール
などと併用してもよい。
【0071】また、上記予防および/または治療剤は、
例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリ
ウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通
常、適当なアンプルに充填される。このようにして得ら
れる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトやそ
の他の哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒ
ツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投
与することができる。該化合物またはその塩の投与量
は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差
異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、高血圧
症患者(60kgとして)においては、一日につき約
0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、
より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に
投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓
器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、
注射剤の形では通常例えば、高血圧症患者(60kgと
して)においては、一日につき約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。
【0072】(6)本発明のレセプタータンパク質もし
くはその部分ペプチドまたはその塩の定量 本発明の抗体は、本発明のレセプタータンパク質等を特
異的に認識することができるので、被検液中の本発明の
レセプタータンパク質等の定量、特にサンドイッチ免疫
測定法による定量などに使用することができる。すなわ
ち、本発明は、例えば、(i)本発明の抗体と、被検液
および標識化レセプタータンパク質等とを競合的に反応
させ、該抗体に結合した標識化レセプタータンパク質等
の割合を測定することを特徴とする被検液中の本発明の
レセプタータンパク質等の定量法、(ii)被検液と担体
上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明
の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶
化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被
検液中の本発明のレセプタータンパク質等の定量法を提
供する。上記(ii)においては、一方の抗体が本発明の
レセプタータンパク質等のN端部を認識する抗体で、他
方の抗体が本発明のレセプタータンパク質等のC端部に
反応する抗体であることが好ましい。
【0073】本発明のレセプタータンパク質等に対する
モノクローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗
体と称する場合がある)を用いて本発明のレセプタータ
ンパク質等の測定を行なえるほか、組織染色等による検
出を行なうこともできる。これらの目的には、抗体分子
そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(a
b')2、Fab'、あるいはFab画分を用いてもよい。
本発明のレセプタータンパク質等に対する抗体を用いる
測定法は、特に制限されるべきものではなく、被測定液
中の抗原量(例えば、レセプタータンパク質量)に対応
した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的
または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を
含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定
法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、
ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサ
ンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性の点
で、後に記載するサンドイッチ法を用いるのが特に好ま
しい。標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤とし
ては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光
物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例え
ば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが
用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大きな
ものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−
グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキ
シダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光
物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッ
センイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質と
しては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシ
フェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体
あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−アビジン系
を用いることもできる。
【0074】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常、タンパク質あるいは
酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を
用いる方法でもよい。担体としては、例えば、アガロー
ス、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポ
リスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹
脂、あるいはガラス等が用いられる。サンドイッチ法に
おいては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検
液を反応させ(1次反応)、さらに標識化した本発明の
モノクローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不
溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液
中の本発明のレセプタータンパク質量を定量することが
できる。1次反応と2次反応は逆の順序に行なっても、
また、同時に行なってもよいし時間をずらして行なって
もよい。標識化剤および不溶化の方法は上記のそれらに
準じることができる。また、サンドイッチ法による免疫
測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用い
られる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感
度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を
用いてもよい。本発明のサンドイッチ法によるレセプタ
ータンパク質等の測定法においては、1次反応と2次反
応に用いられる本発明のモノクローナル抗体はレセプタ
ータンパク質等の結合する部位が相異なる抗体が好まし
く用いられる。すなわち、1次反応および2次反応に用
いられる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体
が、レセプタータンパク質のC端部を認識する場合、1
次反応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例
えばN端部を認識する抗体が用いられる。
【0075】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原と
(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/
F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液中
の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶性
抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、上
記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、および、
第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1
抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を
用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック法で
は、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗
体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、
あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反
応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固
相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、い
ずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量す
る。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中
で抗原抗体反応の結果、生じた不溶性の沈降物の量を測
定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物
しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレー
ザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0076】これら個々の免疫学的測定法を本発明の測
定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のレセプタータンパク質またはその塩の測定系を構築
すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細について
は、総説、成書などを参照することができる〔例えば、
入江 寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和4
9年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」
(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫
測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年
発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)
(医学書院、昭和62年発行)、「メソッズ・イン・エ
ンジモノジー(Methods in ENZYMOLOGY)」 Vol. 70(Im
munochemical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Im
munochemical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Im
munochemical Techniques(PartC))、 同書 Vol. 84(Imm
unochemical Techniques(Part D:Selected Immunoassay
s))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part
E:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Me
thods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques
(Part I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibo
dies))(以上、アカデミックプレス社発行)など参照〕。
以上のように、本発明の抗体を用いることによって、本
発明のレセプタータンパク質またはその塩を感度良く定
量することができる。さらに、本発明の抗体を用いて、
生体内での本発明のレセプタータンパク質またその塩を
定量することによって、本発明のレセプタータンパク質
の機能不全に関連する各種疾患の診断をすることができ
る。また、本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中
に存在する本発明のレセプタータンパク質等を特異的に
検出するために使用することができる。また、本発明の
レセプタータンパク質等を精製するために使用する抗体
カラムの作製、精製時の各分画中の本発明のレセプター
タンパク質等の検出、被検細胞内における本発明のレセ
プタータンパク質の挙動の分析などのために使用するこ
とができる。
【0077】(7)細胞膜における本発明のレセプター
タンパク質またはその部分ペプチドの量を変化させる化
合物を含有する各種疾病の予防および/または治療剤 本発明のレセプタータンパク質は上記のとおり、例え
ば、中枢機能など生体内で何らかの重要な役割を果たし
ていると考えられる。したがって、細胞膜における本発
明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチドの量
を変化させる化合物は、本発明のレセプタータンパク質
の機能不全に関連する疾患、例えば、中枢疾患(例え
ば、アルツハイマー病、痴呆、摂食障害など)、炎症性
疾患(例えば、アレルギー、リュウマチ、変形性関節
症、エリテマトーデスなど)、循環器疾患(例えば、高
血圧症、心肥大、狭心症、動脈硬化症等)、癌(例え
ば、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、
乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌等)、呼吸器疾患
(例えば、肺炎、気管支炎、喘息、肺繊維症など)、糖
尿病、免疫系疾患(例えば、クローン病、アトピー性皮
膚炎、自己免疫疾患、免疫不全、白血病等)、肝臓・胆
のう疾患(例えば、肝硬変、肝炎、肝不全、胆汁うっ滞
症、結石等)、消化管疾患(例えば、潰瘍、腸炎、吸収
不良等)、感染症、肥満、移植医療後の過剰免疫反応な
どの疾患の予防および/または治療剤として有用であ
る。これらの疾患のうち、免疫機能、マクロファージ機
能などが亢進することに起因する疾患(例えば、炎症性
疾患、移植医療後の過剰免疫反応など)には、特に本発
明のレセプタータンパク質等の発現量を促進する化合物
が有効である。一方、免疫機能、マクロファージ機能な
どが抑制されることに起因する疾患(例えば、免疫不
全、感染症など)には、特に本発明のレセプタータンパ
ク質等の発現を阻害する化合物が有効である。該化合物
を本発明のレセプタータンパク質の機能不全に関連する
疾患の予防および/または治療剤として使用する場合
は、常套手段に従って製剤化することができる。例え
ば、該化合物は、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプ
セル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして
経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容
し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤
の形で非経口的に使用できる。例えば、該化合物を生理
学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒク
ル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認めら
れた製剤実施に要求される単位用量形態で混和すること
によって製造することができる。これら製剤における有
効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるよう
にするものである。
【0078】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液
としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶
解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール
などと併用してもよい。
【0079】また、上記予防および/または治療剤は、
例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリ
ウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通
常、適当なアンプルに充填される。このようにして得ら
れる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトやそ
の他の哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒ
ツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投
与することができる。該化合物またはその塩の投与量
は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差
異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、高血圧
症患者(60kgとして)においては、一日につき約
0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、
より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に
投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓
器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、
注射剤の形では通常例えば、高血圧症患者(60kgと
して)においては、一日につき約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。
【0080】(8)本発明のレセプタータンパク質、そ
の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体による中
和 本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分ペプチ
ドまたはその塩に対する抗体の、それらレセプタータン
パク質などに対する中和活性とは、すなわち、該レセプ
タータンパク質の関与するシグナル伝達機能を不活性化
する活性を意味する。従って、該抗体が中和活性を有す
る場合は、該レセプタータンパク質の関与するシグナル
伝達、例えば、該レセプタータンパク質を介する細胞刺
激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊
離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内c
GMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変
動、細胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの活性
化、pHの低下などを促進する活性または抑制する活性
など)を不活性化することができる。したがって、該レ
セプタータンパク質の過剰発現などに起因する疾患の予
防および/または治療に用いることができる。
【0081】(9)本発明のGタンパク質共役型レセプ
タータンパク質をコードするDNAを有する動物の作出 本発明のDNAを用いて、本発明のレセプタータンパク
質等を発現するトランスジェニック動物を作出すること
ができる。動物としては、非ヒト哺乳動物(例えば、ラ
ット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)など(以下、動物と略記する場合があ
る)が挙げれるが、特に、マウス、ウサギなどが好適で
ある。本発明のDNAを対象動物に導入するにあたって
は、該DNAを動物細胞で発現させうるプロモーターの
下流に結合した遺伝子コンストラクトとして用いるのが
一般に有利である。例えば、ウサギ由来の本発明のDN
Aを導入する場合、これと相同性が高い動物由来の本発
明のDNAを動物細胞で発現させうる各種プロモーター
の下流に結合した遺伝子コンストラクトを、例えば、ウ
サギ受精卵へマイクロインジェクションすることによっ
て本発明のレセプタータンパク質等を高産生するDNA
導入動物を作出できる。このプロモーターとしては、例
えば、ウイルス由来プロモーター、メタロチオネイン等
のユビキアスな発現プロモーターも使用しうるが、好ま
しくは脳で特異的に発現するNGF遺伝子プロモーター
やエノラーゼ遺伝子プロモーターなどが用いられる。
【0082】受精卵細胞段階における本発明のDNAの
導入は、対象動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在
するように確保される。DNA導入後の作出動物の胚芽
細胞において本発明のレセプタータンパク質等が存在す
ることは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体
細胞の全てに本発明のレセプタータンパク質等を有する
ことを意味する。遺伝子を受け継いだこの種の動物の子
孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明のレセプ
タータンパク質等を有する。本発明のDNA導入動物
は、交配により遺伝子を安定に保持することを確認し
て、該DNA保有動物として通常の飼育環境で飼育継代
を行うことができる。さらに、目的DNAを保有する雌
雄の動物を交配することにより、導入遺伝子を相同染色
体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄
の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを
有するように繁殖継代することができる。本発明のDN
Aが導入された動物は、本発明のレセプタータンパク質
等が高発現させられているので、本発明のレセプタータ
ンパク質等に対するアゴニストまたはアンタゴニストの
スクリーニング用の動物などとして有用である。本発明
のDNA導入動物を、組織培養のための細胞源として使
用することもできる。例えば、本発明のDNA導入マウ
スの組織中のDNAもしくはRNAを直接分析するか、
あるいは遺伝子により発現された本発明のレセプタータ
ンパク質が存在する組織を分析することにより、本発明
のレセプタータンパク質等について分析することができ
る。本発明のレセプタータンパク質等を有する組織の細
胞を標準組織培養技術により培養し、これらを使用し
て、例えば、脳や末梢組織由来のような一般に培養困難
な組織からの細胞の機能を研究することができる。ま
た、その細胞を用いることにより、例えば、各種組織の
機能を高めるような医薬の選択も可能である。また、高
発現細胞株があれば、そこから、本発明のレセプタータ
ンパク質等を単離精製することも可能である。
【0083】(10)ノックアウト動物 本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳
動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物を提供する。すなわち、本発明は、(1)本発明の
DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
(2)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来の
β−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不
活性化された上記(1)記載の胚幹細胞、(3)ネオマ
イシン耐性である上記(1)記載の胚幹細胞、(4)非
ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である上記(1)記載の胚幹
細胞、(5)ゲッ歯動物がマウスである上記(4)記載
の胚幹細胞、(6)本発明のDNAが不活性化された該
DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(7)該DNAがレポ
ーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポー
ター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制
御下で発現しうる上記(6)記載の非ヒト哺乳動物、
(8)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である上記(6)記
載の非ヒト哺乳動物、(9)ゲッ歯動物がマウスである
上記(8)記載の非ヒト哺乳動物、および(10)上記
(7)記載の動物に、試験化合物を投与し、レポーター
遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のDN
Aに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合
物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0084】本発明の「DNAが不活性化された非ヒト
哺乳動物胚幹細胞」とは、該非ヒト哺乳動物が有する本
発明のDNAに人為的に変異を加えることにより、DN
Aの発現能を抑制するか、あるいは該DNAがコードし
ている本発明のポリペプチドの活性を実質的に喪失させ
ることにより、DNAが実質的に本発明のポリペプチド
の発現能を有さない(以下、本発明のノックアウトDN
Aと称することがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以
下、ES細胞と略記する)をいう。非ヒト哺乳動物とし
ては、前記と同様のものが用いられる。本発明のDNA
に人為的に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子
工学的手法により該DNA配列の一部又は全部の削除、
他DNAを挿入または置換させることによって行なうこ
とができる。これらの変異により、例えば、コドンの読
み取り枠をずらしたり、プロモーターあるいはエクソン
の機能を破壊することにより本発明のノックアウトDN
Aを作製すればよい。
【0085】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細
胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の
具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が
有する本発明のDNAを単離し、そのエクソン部分にネ
オマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を
代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレ
ポーター遺伝子等を挿入することによりエクソンの機能
を破壊するか、あるいはエクソン間のイントロン部分に
遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、ポリA
付加シグナルなど)を挿入し、完全なメッセンジャーR
NAを合成できなくすることによって、結果的に遺伝子
を破壊するように構築したDNA配列を有するDNA鎖
(以下、ターゲッティングベクターと略記する)を、例
えば相同組換え法により該動物の染色体に導入し、得ら
れたES細胞について本発明のDNA上あるいはその近
傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼ
ーション解析あるいはターゲッティングベクター上のD
NA配列とターゲッティングベクター作製に使用した本
発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列をプライマー
としたPCR法により解析し、本発明のノックアウトE
S細胞を選別することにより得ることができる。また、
相同組換え法等により本発明のDNAを不活化させる元
のES細胞としては、例えば、前述のような既に樹立さ
れたものを用いてもよく、また公知のEvansとKaufmanの
方法に準じて新しく樹立したものでもよい。例えば、マ
ウスのES細胞の場合、現在、一般的には129系のE
S細胞が使用されているが、免疫学的背景がはっきりし
ていないので、これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背
景が明らかなES細胞を取得するなどの目的で例えば、
C57BL/6マウスやC57BL/6の採卵数の少な
さをDBA/2との交雑により改善したBDF1マウス
(C57BL/6とDBA/2とのF1)を用いて樹立
したものなども良好に用いうる。BDF1マウスは、採
卵数が多く、かつ、卵が丈夫であるという利点に加え
て、C57BL/6マウスを背景に持つので、これを用
いて得られたES細胞は病態モデルマウスを作出したと
き、C57BL/6マウスとバッククロスすることでそ
の遺伝的背景をC57BL/6マウスに代えることが可
能である点で有利に用い得る。
【0086】また、ES細胞を樹立する場合、一般には
受精後3.5日目の胚盤胞を使用するが、これ以外に8
細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより
効率よく多数の初期胚を取得することができる。また、
雌雄いずれのES細胞を用いてもよいが、通常雄のES
細胞の方が生殖系列キメラを作出するのに都合が良い。
また、煩雑な培養の手間を削減するためにもできるだけ
早く雌雄の判別を行なうことが望ましい。ES細胞の雌
雄の判定方法としては、例えば、PCR法によりY染色
体上の性決定領域の遺伝子を増幅、検出する方法が、そ
の1例としてあげることができる。この方法を使用すれ
ば、従来、核型分析をするのに約106個の細胞数を要
していたのに対して、1コロニー程度のES細胞数(約
50個)で済むので、培養初期におけるES細胞の第一
次セレクションを雌雄の判別で行なうことが可能であ
り、早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初
期の手間は大幅に削減できる。
【0087】また、第二次セレクションとしては、例え
ば、G−バンディング法による染色体数の確認等により
行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常
数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の
関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウト
した後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n
=40である細胞)に再びクローニングすることが望ま
しい。このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その
増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすい
ので、注意深く継代培養することが必要である。例え
ば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上
でLIF(1−10000U/ml)存在下に炭酸ガス
培養器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気また
は5%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃で
培養するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、ト
リプシン/EDTA溶液(通常0.001−0.5%トリ
プシン/0.1−5mM EDTA、好ましくは約0.1
%トリプシン/1mM EDTA)処理により単細胞化
し、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方法な
どがとられる。このような継代は、通常1−3日毎に行
なうが、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な細
胞が見受けられた場合はその培養細胞は放棄することが
望まれる。
【0088】ES細胞は、適当な条件により、高密度に
至るまで単層培養するか、または細胞集塊を形成するま
で浮遊培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋など
の種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり
〔M. J. Evans及びM. H. Kaufman, ネイチャー(Natur
e)第292巻、154頁、1981年;G. R. Martin プロシー
ディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U.
S.A.)第78巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschmanら、
ジャーナル・オブ・エンブリオロジー・アンド・エクス
ペリメンタル・モルフォロジー、第87巻、27頁、1985
年〕、本発明のES細胞を分化させて得られる本発明の
DNA発現不全細胞は、インビトロにおける本発明のポ
リペプチドの細胞生物学的検討において有用である。
【0089】本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
は、該動物のmRNA量を公知の方法を用いて測定して
間接的にその発現量を比較することにより、正常動物と
区別することが可能である。該非ヒト哺乳動物として
は、前記と同様のものが用いられる。本発明のDNA発
現不全非ヒト哺乳動物は、例えば、前述のようにして作
製したターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞また
はマウス卵細胞に導入し、導入によりターゲッティング
ベクターの本発明のDNAが不活性化されたDNA配列
が遺伝子相同組換えにより、マウス胚幹細胞またはマウ
ス卵細胞の染色体上の本発明のDNAと入れ換わる相同
組換えをさせることにより、本発明のDNAをノックア
ウトさせることができる。本発明のDNAがノックアウ
トされた細胞は、本発明のDNA上またはその近傍のD
NA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーショ
ン解析またはターゲッティングベクター上のDNA配列
と、ターゲッティングベクターに使用したマウス由来の
本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列とをプライ
マーとしたPCR法による解析で判定することができ
る。非ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、遺伝子相
同組換えにより、本発明のDNAが不活性化された細胞
株をクローニングし、その細胞を適当な時期、例えば、
8細胞期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、作
製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮
に移植する。作出された動物は正常な本発明のDNA座
をもつ細胞と人為的に変異した本発明のDNA座をもつ
細胞との両者から構成されるキメラ動物である。該キメ
ラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発明のDNA座を
もつ場合、このようなキメラ個体と正常個体を交配する
ことにより得られた個体群より、全ての組織が人為的に
変異を加えた本発明のDNA座をもつ細胞で構成された
個体を、例えば、コートカラーの判定等により選別する
ことにより得られる。このようにして得られた個体は、
通常、本発明のポリペプチドのヘテロ発現不全個体であ
り、本発明のポリペプチドのヘテロ発現不全個体同志を
交配し、それらの産仔から本発明のポリペプチドのホモ
発現不全個体を得ることができる。
【0090】卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞
核内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入
することによりターゲッティングベクターを染色体内に
導入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ること
ができ、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に
比べて、遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変
異のあるものを選択することにより得られる。このよう
にして本発明のDNAがノックアウトされている個体
は、交配により得られた動物個体も該DNAがノックア
ウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継
代を行なうことができる。
【0091】さらに、生殖系列の取得および保持につい
ても常法に従えばよい。すなわち、該不活化DNAの保
有する雌雄の動物を交配することにより、該不活化DN
Aを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得
しうる。得られたホモザイゴート動物は、母親動物に対
して、正常個体1,ホモザイゴート複数になるような状
態で飼育することにより効率的に得ることができる。ヘ
テロザイゴート動物の雌雄を交配することにより、該不
活化DNAを有するホモザイゴートおよびヘテロザイゴ
ート動物を繁殖継代する。本発明のDNAが不活性化さ
れた非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明のDNA発現不
全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に有用である。
また、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発
明のポリペプチドにより誘導され得る種々の生物活性を
欠失するため、本発明のポリペプチドの生物活性の不活
性化を原因とする疾病のモデルとなり得るので、これら
の疾病の原因究明及び治療法の検討に有用である。
【0092】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commission
on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当
該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を
下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場
合は、特に明示しなければL体を示すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0093】Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0094】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェノール Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0095】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 配列番号:1 本発明で用いられるヒト由来の新規Gタンパク質共役型
レセプタータンパク質TGR5のアミノ酸配列を示す。 配列番号:2 本発明で用いられるヒト由来の新規Gタンパク質共役型
レセプタータンパク質TGR5をコードするcDNAの
塩基配列を示す。 配列番号:3 以下の参考例1におけるPCR反応で使用したプライマ
ー1の塩基配列を示す。 配列番号:4 以下の参考例1におけるPCR反応で使用したプライマ
ー2の塩基配列を示す。 配列番号:5 本発明のマウス心臓由来の新規Gタンパク質共役型レセ
プタータンパク質mTGR5のアミノ酸配列を示す。 配列番号:6 本発明のマウス心臓由来の新規Gタンパク質共役型レセ
プタータンパク質mTGR5をコードするcDNAの塩
基配列を示す。 配列番号:7 本発明のラット心臓由来の新規Gタンパク質共役型レセ
プタータンパク質rTGR5アミノ酸配列を示す。 配列番号:8 本発明のラット心臓由来の新規Gタンパク質共役型レセ
プタータンパク質rTGR5をコードするcDNAの塩
基配列を示す。 配列番号:9 以下の実施例5におけるPCR反応で使用したプライマ
ー1の塩基配列を示す。 配列番号:10 以下の実施例5におけるPCR反応で使用したプライマ
ー2の塩基配列を示す。 配列番号:11 以下の実施例5におけるPCR反応で使用したプライマ
ー3の塩基配列を示す。 配列番号:12 以下の実施例5におけるPCR反応で使用したプライマ
ー4の塩基配列を示す。 配列番号:13 ウシ型TGR5のDNA配列を示す。 配列番号:14 ウシ型TGR5のアミノ酸配列を示す。 配列番号:15 ウサギ型TGR5のDNA配列を示す。 配列番号:16 ウサギ型TGR5のアミノ酸配列を示す。 配列番号:17 以下の実施例6におけるPCR反応で使用したbFプラ
イマーの塩基配列を示す。 配列番号:18 以下の実施例6におけるPCR反応で使用したbRプラ
イマーの塩基配列を示す。 配列番号:19 以下の実施例7におけるPCR反応で使用したrabb
itFプライマーの塩基配列を示す。 配列番号:20 以下の実施例7におけるPCR反応で使用したrabb
itRプライマーの塩基配列を示す。 配列番号:21 以下の実施例11におけるIL−1α mRNA発現量
の定量に使用したプライマーの塩基配列を示す。 配列番号:22 以下の実施例11におけるIL−1αmRNA発現量の
定量に使用したプライマーの塩基配列を示す。 配列番号:23 以下の実施例11におけるIL−1αmRNA発現量の
定量に使用したプローブの塩基配列を示す。 配列番号:24 以下の実施例11におけるIL−1β mRNA発現量
の定量に使用したプライマーの塩基配列を示す。 配列番号:25 以下の実施例11におけるIL−1βmRNA発現量の
定量に使用したプライマーの塩基配列を示す。 配列番号:26 以下の実施例11におけるIL−1βmRNA発現量の
定量に使用したプローブの塩基配列を示す。 配列番号:27 以下の実施例11におけるIL−6 mRNA発現量の
定量に使用したプライマーの塩基配列を示す。 配列番号:28 以下の実施例11におけるIL−6 mRNA発現量の
定量に使用したプライマーの塩基配列を示す。 配列番号:29 以下の実施例11におけるIL−6 mRNA発現量の
定量に使用したプローブの塩基配列を示す。 配列番号:30 以下の実施例11におけるIL−8 mRNA発現量の
定量に使用したプライマーの塩基配列を示す。 配列番号:31 以下の実施例11におけるIL−8 mRNA発現量の
定量に使用したプライマーの塩基配列を示す。 配列番号:32 以下の実施例11におけるIL−8 mRNA発現量の
定量に使用したプローブの塩基配列を示す。 配列番号:33 以下の実施例11におけるTNFα mRNA発現量の
定量に使用したプライマーの塩基配列を示す。 配列番号:34 以下の実施例11におけるTNFα mRNA発現量の
定量に使用したプライマーの塩基配列を示す。 配列番号:35 以下の実施例11におけるTNFα mRNA発現量の
定量に使用したプローブの塩基配列を示す。 配列番号:36 ヒト型GPR7リガンド前駆体Hのアミノ酸配列を示
す。 配列番号:37 ヒト型GPR7リガンド前駆体HをコードするDNAの
塩基配列を示す。 配列番号:38 GPR7のアミノ酸配列を示す。 配列番号:39 GPR7をコードするDNAの塩基配列を示す。 配列番号:40 参考例4でヒト型GPR7リガンド前駆体Hをコードす
るcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示
す。 配列番号:41 参考例4でヒト型GPR7リガンド前駆体Hをコードす
るcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示
す。 配列番号:42 参考例2で用いたプライマーの塩基配列を示す。 配列番号:43 参考例2で用いたプライマーの塩基配列を示す。
【0096】以下の参考例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)JM109/pC
R4−hTGR5は、平成12(2000)年4月3日
から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便
番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研
究所 特許生物寄託センター(旧 通商産業省工業技術
院生命工学工業技術研究所(NIBH))に寄託番号F
ERM BP−7114として、平成12(2000)
年3月23日から大阪府大阪市淀川区十三本町2丁目1
7番85号(郵便番号532−8686)の財団法人・
発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16410と
して寄託されている。以下の実施例5で得られた形質転
換体エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)DH5α
/pAKKO1.11H−rTGR5は、平成14(2
002)年2月7日から茨城県つくば市東1丁目1番地
1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政
法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託
番号FERM BP−7877として、平成14(20
02)年1月10日から大阪府大阪市淀川区十三本町2
丁目17番85号(郵便番号532−8686)の財団
法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 167
45として寄託されている。以下の実施例5で得られた
形質転換体エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)D
H5α/pCR2.1−mTGR5は、平成14(20
02)年2月7日から茨城県つくば市東1丁目1番地1
中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法
人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番
号FERMBP−7878として、平成14(200
2)年1月10日から大阪府大阪市淀川区十三本町2丁
目17番85号(郵便番号532−8686)の財団法
人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 1674
6として寄託されている。以下の実施例6で得られた形
質転換体エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)JM
109/pTAbTGR5−1は、平成14(200
2)年2月7日から茨城県つくば市東1丁目1番地1
中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人
産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号
FERM BP−7879として、平成14(200
2)年1月17日から大阪府大阪市淀川区十三本町2丁
目17番85号(郵便番号532−8686)の財団法
人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 1674
7として寄託されている。以下の実施例7で得られた形
質転換体エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)JM
109/pTArabbitTGR5−1は、平成14
(2002)年2月7日から茨城県つくば市東1丁目1
番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立
行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに
寄託番号FERM BP−7880として、平成14
(2002)年1月17日から大阪府大阪市淀川区十三
本町2丁目17番85号(郵便番号532−8686)
の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO
16748として寄託されている。後述の参考例4で得
られた形質転換体Escherichia coli J
M109/pTAhGPR7−1は、Escheric
hia coli JM109/pTAhGPR7L−1
として2001年6月27日から茨城県つくば市東1丁
目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の
独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センタ
ーに寄託番号FERM BP−7640として、200
1年6月19日から大阪府大阪市淀川区十三本町2丁目
17番85号(郵便番号532−8686)の財団法人
・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16644
として寄託されている。
【0097】
【実施例】以下に参考例および実施例を示して、本発明
をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定
するものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作
は、モレキュラー・クローニング(Molecular clonin
g)に記載されている方法に従った。
【0098】参考例1 ヒト脾臓のGタンパク質共役型
レセプタータンパク質をコードするcDNAのクローニ
ングと塩基配列の決定 ヒト脾臓cDNA(Clontech)を鋳型とし、2個のプラ
イマー、プライマー1(配列番号:3)およびプライマ
ー2(配列番号:4)を用いてPCR反応を行った。該
反応における反応液の組成は上記cDNAを1/10量
鋳型として使用し、Advantage−GC2 Po
lymerase Mix(Clontech)1/50量、プ
ライマー1(配列番号:3)およびプライマー2(配列
番号:4)を各0.5μM、dNTPs200μM、お
よび酵素に添付のバッファーを1/5量、GC Mel
tを1/5量加え、20μlの液量とした。PCR反応
は、94℃・5分の後、94℃・30秒、60℃・30
秒、68℃・2分のサイクルを30回繰り返し、最後に
68℃・5分の伸長反応を行った。該PCR反応産物を
TAクローニングキット(Invitrogen)の処方に従いプ
ラスミドベクターpCR4(Invitrogen)へサブクロー
ニングした。これを大腸菌JM109に導入し、cDN
Aを持つクローンをアンピシリンを含むLB寒天培地中
で選択した。個々のクローンの配列を解析した結果、新
規Gタンパク質共役型レセプタータンパク質をコードす
るcDNA配列(配列番号:2)を得た。このcDNA
により導き出されるアミノ酸配列(配列番号:1)を有
する新規Gタンパク質共役型レセプタータンパク質をT
GR5と命名した。また配列番号:2で表わされるDN
Aを含有する形質転換体を大腸菌(Escherichia coli)
JM109/pCR4−hTGR5と命名した。
【0099】実施例1 TGR5を一過性に発現させた
HEK293細胞における、コレステロール代謝関連物
質による活性の検出 コレステロール代謝関連物質によるTGR5特異的な刺
激活性の検出は、CREプロモーターの発現誘導によっ
て産生されるレポーター遺伝子産物(ルシフェラーゼ)
の発現量を指標に行った。HEK293細胞を増殖培地
(DMEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium)(Gi
bcoBRL)に10%ウシ胎児血清(GibcoBRL)を添加した
もの)に懸濁し、1×105cells/wellの濃
度にてコラーゲンでコートされたBlack well
96ウェルプレート(ベクトンディッキンソン社)にま
いた。37℃、5%CO2条件下で一晩培養した後、レ
ポーター遺伝子を含むプラスミドであるpCRE−Lu
c(Clontech)と同時に、公知の方法により動物細胞で
の発現用ベクターpAKKO−111H(Biochem. Bio
phys. Acta, Hinuma, S. etal., 1219, 251-259, 1994
記載のpAKKO−1.111Hと同一のプラスミドベ
クター)にTGR5遺伝子を挿入して作製した発現ベク
タープラスミド、または、TGR5遺伝子を含まないも
とのpAKKO−111Hを用いて細胞のトランスフェ
クションを以下のとおりに行った。OPTI−MEM−
I(GibcoBRL)とLipofectamineTM 20
00 Reagent(GibcoBRL)を24:1にて混合
することにより、リポフェクトアミン希釈液を調製し
た。また、OPTI−MEM−I、TGR5発現ベクタ
ープラスミドまたはもとのベクタープラスミド(240
ng/μl)およびpCRE−Luc(240ng/μ
l)を24:0.9:0.1にて混合することによりD
NA希釈液を調製した。リポフェクトアミン希釈液とD
NA希釈液を等量混合し、20分間室温で静置すること
によりDNAとリポフェクトアミンの複合体を形成させ
た後、上記のHEK293細胞を培養したプレートに2
5μl添加し、さらに37℃、5%CO2条件下で一晩
培養した。トランスフェクトしたHEK293細胞をア
ッセイ用培地(DMEMに0.1%ウシ血清アルブミン
を添加したもの)にて洗浄した後、アッセイ用培地にて
希釈したリトコール酸(和光純薬)およびプロゲステロ
ン(和光純薬)を2×10 -5Mとなるよう添加し、37
℃、5%CO2条件下で4時間培養した。培養上清を捨
てて、ルシフェラーゼ活性測定用の基質であるピッカジ
ーンLT2.0(東洋インキ製造株式会社)を50μl
添加し、プレートリーダー(ARVO sxマルチラベ
ルカウンター、Wallac社)を用いてルシフェラーゼの発
光量を測定した。その結果、配列番号:2で表される塩
基配列を有するTGR5遺伝子を導入したHEK293
細胞特異的に、リトコール酸、プロゲステロンによるル
シフェラーゼ活性の上昇が認められた(図6)。
【0100】実施例2 Gタンパク質共役型レセプター
タンパク質発現プラスミドおよびレポータープラスミド
の宿主細胞への導入 公知の方法によって作製した各種Gタンパク質共役型レ
セプタータンパク質cDNA、すなわち甲状腺ホルモン
刺激因子レセプター(TRHR)、ニューロメジンUレ
セプター(FM−3およびTGR−1)、プロラクチン
放出因子レセプター(hGR3)、アペリンレセプター
(APJ)などを挿入した動物細胞用発現プラスミドを
用いて、大腸菌JM109を形質転換し、得られたコロ
ニーを単離・培養後、QIAGEN Plasmid Maxi Kit(キア
ゲン)を用いてプラスミドの調製を行なった。また、c
AMPレスポンスエレメント(CRE)の下流にレポー
ターとしてルシフェラーゼ遺伝子が連結されたpCRE
−Luc(Clontech)のレポータープラスミドを同様に
して調製した。Gタンパク質共役型レセプタータンパク
質発現プラスミドおよびレポータープラスミドを導入す
る宿主細胞としては、HEK293細胞をコラーゲンタ
イプIでコートした96-well黒色プレート(ベクトンデ
ィッキンソン社)に100,000 cells/well、培養液量10
0μlで播種し、一晩培養した。同じくCHO(dhf
-)細胞をpAKKO-111Hで形質転換したCHO−moc
k細胞をコスター社の96−well黒色プレートに4
0,000 cells/well、培養液量100μlで播種し、一
晩培養した。いずれの細胞についても、プレートで培養
するための培地はDMEM(GibcoBRL社)に10%のウ
シ胎児血清のみを添加したものを用いた。各プラスミド
を240ng/μlの濃度に希釈し、Gタンパク質共役
型レセプタータンパク質の発現プラスミド9μlとレポ
ータープラスミド1μlの割合で240μlのOpti-MEM
-I(GibcoBRL社)に添加した。これを、同じく240μ
lのOpti-MEM-Iに10μlのリポフェクトアミン2000
(GibcoBRL社)を添加したものと等量混合して、リポフ
ェクトアミン2000に添付のマニュアル記載の方法に従っ
てリポソームとプラスミドの複合体を形成させた。ま
た、効率的なスクリーニングの実施のためには、240
ng/μlの濃度で3種類のレセプター発現プラスミド
を5μlずつ添加し、他の試薬の比率は前出と同じもの
を調製した。これらを25μl/wellずつHEK2
93あるいはCHO−mock細胞の培養液に添加し、
37℃で一晩培養してプラスミドの導入を行った。CH
O−mock細胞については、プラスミド添加後4時間
以降に培養液をアッセイバッファー(0.1%のウシ血
清アルブミンを添加したDMEM)に交換し、無血清化
をおこなった。
【0101】実施例3 レポーターアッセイによるリガ
ンド活性の検出 HEK293細胞についてはアッセイの1時間前に培養
液を実施例2に記載のアッセイバッファーに交換し、プ
レインキュベーションを行なった。アッセイバッファー
にリガンドあるいはリガンド候補化合物を溶解したもの
を用意し、実施例2で準備したHEK293細胞または
CHO−mock細胞に添加した。また、アッセイバッ
ファーに終濃度2μMのフォルスコリンを添加した条件
でのアッセイも同様にして実施した。サンプルを添加後
に4時間のインキュベーションを行ない、レセプターを
介したリガンドのアゴニスト活性によって惹起される細
胞内シグナル伝達に由来するレポーター遺伝子の転写・
翻訳の促進あるいは抑制を誘導した。インキュベーショ
ン終了後に各ウェルのアッセイバッファーを除去し、ピ
ッカジーンLT2.0(東洋インキ社)発光基質を50
μlずつ加えた。細胞が溶解し、基質と充分に混合した
後、各ウェルのレポーター遺伝子の発現誘導量に由来す
る発光量を実施例1記載のプレートリーダーにて測定し
た。実施例2および3に記載の方法に従って各種のGタ
ンパク質共役型レセプタータンパク質cDNAを挿入し
た発現プラスミドを用い、HEK293細胞においてリ
ガンド刺激によるレポーター遺伝子の発現誘導を測定し
た。レセプターを介して細胞内へシグナルを伝達するG
タンパク質αサブユニットの種類としてGsに共役する
CRFRについては、フォルスコリン非添加、添加のい
ずれの条件においてもリガンド添加によるレポーター遺
伝子の活性化が検出された。また、抑制性であるGαi
に共役するAPJについては、フォルスコリン添加条件
において、リガンド添加によるレポーター遺伝子発現の
抑制が検出された。また、Gqに共役するレセプターT
RHR、FM−3、TGR−1については、フォルスコ
リン添加条件においてレポーター遺伝子の発現の促進が
検出された。GqおよびGiの両方に共役するレセプタ
ーhGR3についても、同様にフォルスコリン添加条件
においてレポーター遺伝子の発現の促進が検出された
(図7)。
【0102】実施例4 抑制性Gタンパク質αサブユニ
ットGi発現プラスミドを用いたレポーターアッセイ 実施例2に示したGタンパク質レセプター発現プラスミ
ドと同様の方法によって抑制性Gタンパク質αサブユニ
ット(Gi)プラスミドを作製、調製した(ここで、Gi
ついては、動物種を問わない)。これを3μl、レセプ
ター発現プラスミドを7μl、レポータープラスミドを
1μlの割合で240μlのOpti-MEM-Iに添加し、その
他の条件は実施例2と同様の方法でHEK293あるい
はCHO−mock細胞にDNAを導入した。これら3
種のプラスミドの混合比は全体の量を11μlとした場
合、Giが1から6、好ましくは1から3が適当であ
る。これらを実施例3の方法に従ってアッセイを行いリ
ガンド活性を検出した。すなわち、Giを用いたTGR
5のリトコール酸に対する反応を検出した結果、CHO
−mock細胞を用いたGタンパク質レセプターTGR
5のアッセイにおいて、GiをTGR5と同時に発現さ
せることにより、リガンド非添加時(リガンド(−))
のルシフェラーゼ活性を大幅に低下させることができ、
その結果リガンド(リトコール酸、2×10-5M、リガ
ンド(+))による活性の上昇を検出することが可能と
なった(図8)。
【0103】実施例5 マウスおよびラット型TGR5
タンパク質をコードするcDNAのクローニングと塩基
配列の決定 配列番号:9で表されるオリゴDNAをセンス鎖プライ
マー1として、配列番号:10で表されるオリゴDNA
をアンチセンス鎖プライマー2として、各々0.4μ
M、GC2 DNA Polymerase(CLONTECH社製)0.3μl、
5x Buffer 6μl、GC-Melt 6μl、dNTP (TaKaRa社製)
0.2 mM、鋳型DNAとしてMarathon-ReadyMouse cDNA l
ibrary (CLONTECH社製)の心臓cDNA溶液3μl、滅
菌水9.9μlからなる混合液30μlを調製し、サー
マルサイクラー(GeneAmp PCR system model 9700 (App
lied Biosystems社製))を用いて、最初に94℃で20
秒間置いた後、94℃で30秒、64℃で30秒、68
℃で2分を1サイクルとして5サイクル、続いて94℃
で30秒、62℃で30秒、68℃で2分を1サイクル
として5サイクル、続いて94℃で30秒、60℃で3
0秒、68℃で2分を1サイクルとして35サイクル、
最後に68℃で7分伸長反応させるタッチダウンPCR
のプログラムでPCR反応を行った。次に、反応終了液
の一部をエチジウムブロマイドを含む1.5%アガロー
スゲルを用いて電気泳動後、UV照射のもと分子量マー
カー換算で1kb付近の位置にPCR反応で増幅された
DNAに対応するバンドを確認した。次に塩基配列を決
定する為にpCR2.1−TOPO(Invitrogen社製)
を用いてTAクローニングし、該プラスミドを大腸菌D
H5α株のコンピテントセルに導入した。アンピシリン
含有LB寒天培地上で出現するアンピシリン耐性形質転
換株のコロニーの中から外来DNA断片が挿入されてい
たプラスミドを保持していたクローンをコロニーPCR
により選択し、挿入DNAの塩基配列を決定するために
ABI PRISM BigDye Terminator Cycle Sequencing FS Re
ady Reaction Kit(Applied Biosystems社製)を用いた
シーケンス反応を製品添付資料の条件にしたがって、サ
ーマルサイクラー(GeneAmp PCR system model 9700 (A
pplied Biosystems社製))で行った後、該反応試料をD
NAシーケンサーABI PRISM 3100 Genetic Analyzer(Ap
plied Biosystems社製)で分析した。その結果、PCR
産物から配列番号:6で表される990塩基の塩基配列
からなり、配列番号:5で表される新規の329個のア
ミノ酸、すなわちTGR5に相同性のある構造遺伝子配
列を決定できた。配列番号:5を含有する新規Gタンパ
ク質共役型レセプタータンパク質をmTGR5と命名し
た。さらに、この形質転換体をエシェリヒア・コリ(Es
cherichia coli)DH5α/pCR2.1−mTGR5
と命名した。配列番号:11で表されるオリゴDNAを
センス鎖プライマー3として、配列番号:12で表され
るオリゴDNAをアンチセンス鎖プライマー4として、
各々0.4 μM、Advantage2 DNA Polymerase (CLONTECH
社製)0.3μl、10x Buffer 3μl、dNTP (TaKaRa社製)
0.2 mM、鋳型DNAとしてMarathon-Ready Rat cDNAl
ibrary (CLONTECH社製)の心臓cDNA溶液3μl、滅菌
水18.9μlからなる混合液30μlを調製し、サーマルサ
イクラー(GeneAmp PCR system model 9700 (Applied B
iosystems社製))を用いて、最初に94℃で20秒間置
いた後、94℃で30秒、64℃で30秒、68℃で2
分を1サイクルとして5サイクル、続いて94℃で30
秒、62℃で30秒、68℃で2分を1サイクルとして
5サイクル、続いて94℃で30秒、60℃で30秒、
68℃で2分を1サイクルとして35サイクル、最後に
68℃で7分伸長反応させるタッチダウンPCRのプロ
グラムでPCR反応を行った。次に、反応終了液の一部
をエチジウムブロマイドを含む1.5%アガロースゲル
を用いて電気泳動後、UV照射のもと分子量マーカー換
算で1kb付近の位置にPCR反応で増幅されたDNA
に対応するバンドを確認した。次に塩基配列を決定する
為にpCR2.1−TOPO(Invitrogen社製)を用い
てTAクローニングし、該プラスミドを大腸菌DH5α
株のコンピテントセルに導入した。アンピシリン含有L
B寒天培地上で出現するアンピシリン耐性形質転換株の
コロニーの中から外来DNA断片が挿入されていたプラ
スミドを保持していたクローンをコロニーPCRにより
選択し、挿入DNAの塩基配列を決定するためにABI PR
ISM BigDye Terminator Cycle Sequencing FS Ready Re
action Kit(Applied Biosystems社製)を用いたシーケ
ンス反応を製品添付資料の条件にしたがって、サーマル
サイクラー(GeneAmp PCR system model 9700 (Applied
Biosystems社製))で行った後、該反応試料をDNAシ
ーケンサーABI PRISM 3100 Genetic Analyzer(Applied
Biosystems社製)で分析した。その結果、PCR産物か
ら配列番号:8で表される990塩基の塩基配列からな
り、配列番号:7で表される新規の329個のアミノ
酸、すなわちTGR5に相同性のある構造遺伝子配列を
決定できた。配列番号:7を含有する新規Gタンパク質
共役型レセプタータンパク質をrTGR5と命名した。
次に、pCR2.1−TOPOに挿入したDNA断片
を、プライマー3、プライマー4に付加された制限酵素
SalI、SpeIサイトで酵素消化し、切り出された
rTGR5の配列を持つDNA断片を、発現プラスミド
pAKKO1.11H(Hinuma, S., Hosoya, M., Og
i., Tanaka, H., Nagai, Y., and Onda, H.(1994)Bio
chim. Biophys. Acta 1129, 251-259)のSalI、S
peIサイトに挿入し、該プラスミドを大腸菌DH5α
株のコンピテントセルに導入した。アンピシリン含有L
B寒天培地上で出現するアンピシリン耐性形質転換株の
コロニーの中からrTGR5断片が挿入されていたプラ
スミドを保持していたクローンをコロニーPCRにより
選択した。さらに、この形質転換体をエシェリヒア・コ
リ(Escherichia coli)DH5α/pAKKO1.11
H−rTGR5と命名した。
【0104】実施例6 ウシ脾臓cDNAからのPCR
法によるTGR5タンパク質をコードするcDNAのク
ローニングと塩基配列の決定の取得 ウシ脾臓cDNAを鋳型として、配列番号:17で表さ
れるプライマーbFおよび配列番号:18で表されるプ
ライマーbRを用いて、PCRによる増幅を行った。P
CRの反応液はcDNA溶液1μl、0.5μl bF
(10μM)、0.5μl bR(10μM)、2.5
μl添付の10×反応液、2.5μl dNTP(10
mM)、0.5μl Advantage2 DNA polymerase(クロ
ーンテック社)、17.5μl蒸留水を加えて合計25
μlにした。反応液を、Thermal Cycler9600(ABI
社)を用いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95
℃2分の変性の後、98℃10秒、63℃20秒、72
℃60秒のサイクルを30回繰り返した。PCR産物の
一部を用いて電気泳動で約1000bpのPCR産物の
増幅を確認した後、PCR産物をQiagen PCR purificat
ion Kit(キアゲン社)を用いて精製し、直接配列決定
を行ったところ配列番号:13の配列が得られた。配列
番号:13のDNA配列から予測されるアミノ酸配列を
配列番号:14に示す。次に、ゲルから回収したPCR
産物をTAクローニングキット(Invitrogen社)を用い
て大腸菌JM109にサブクローニングし、大腸菌JM10
9/pTAbTGR5-1を取得した。サブクローニングで得られた
大腸菌からプラスミドpTAbTGR5-1をプラスミド抽出機
(クラボウ社)を用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を
決定し、その配列がウシ型TGR5遺伝子であることを
確認した。
【0105】実施例7 ウサギ脾臓cDNAからのPC
R法によるTGR5タンパク質をコードするcDNAの
クローニングと塩基配列の決定の取得 ウサギ脾臓cDNAを鋳型として、配列番号:19で表
されるプライマーrabbitFおよび配列番号:20
で表されるプライマーrabbitRを用いて、PCR
による増幅を行った。PCRの反応液はcDNA溶液1
μl、0.5μl rabbitF(10μM)、0.
5μl rabbitR(10μM)、2.5μl添付
の10×反応液、2.5μl dNTP(10mM)、
0.5μl Advantage2 DNA polymerase(クローンテッ
ク社)、17.5μl蒸留水を加えて合計25μlにし
た。反応液を、ThermalCycler9600(ABI社)を用い
てPCR反応にかけた。PCRの条件は95℃2分の変
性の後、98℃10秒、63℃20秒、72℃60秒の
サイクルを30回繰り返した。PCR産物の一部を用い
て電気泳動で約1000bpのPCR産物の増幅を確認
した後、PCR産物をQiagen PCR purificationKit(キ
アゲン社)を用いて精製し、直接配列決定を行ったとこ
ろ配列番号:15で表される塩基配列がえられた。配列
番号:15で表されるDNA配列から予測されるアミノ
酸配列を配列番号:16で示す。次に、ゲルから回収し
たPCR産物をTAクローニングキット(Invitrogen
社)を用いて大腸菌JM109にサブクローニングし、
大腸菌JM109/pTArabbitTGR5-1を取得した。サブクロー
ニングで得られた大腸菌からプラスミドpTArabbitTGR5-
1をプラスミド抽出機(クラボウ社)を用いて抽出し、
挿入断片の塩基配列を決定し、その配列がウサギ型TG
R5遺伝子であることを確認した。
【0106】実施例8 ヒト、ウサギ、ウシ、マウスお
よびラット型TGR5の胆汁酸刺激によるレポーター遺
伝子の発現量上昇の検出 実施例1に示したのと同様の方法により、動物細胞での
発現用ベクターpAKKO-111Hに、実施例5に示したマウス
およびラット型TGR5遺伝子、実施例6に示したウシ
型TGR5遺伝子、および実施例7に示したウサギ型T
GR5遺伝子を挿入してそれぞれの遺伝子の発現ベクタ
ーを作製した。これらとインサートが挿入されていない
元の発現ベクターおよび実施例1に示したヒト型TGR
5発現ベクターを実施例4に示した方法に従い、抑制性
Gタンパク質αサブユニット(Gi)、レポータープラ
スミドとともにCHO−Mock細胞に一過性に発現さ
せた。これを実施例3の方法に従い胆汁酸の刺激による
レポータ遺伝子の発現量を検出した。胆汁酸としてはタ
ウロリトコール酸(TCLA)、リトコール酸(LC
A)、デオキシコール酸(DCA)、ケノデオキシコー
ル酸(CDCA)、をそれぞれ10μMで使用した。ま
たレポーター遺伝子発現のポジティブコントロールとし
てはフォルスコリン(FSK、2μM)を用いた。その
結果いずれの動物種由来のTGR5を発現させても、胆
汁酸添加区で胆汁酸を添加しない区(Base)より高
いルシフェラーゼ活性が検出された(図9)。このこと
からヒト型TGR5と同様にウサギ、ウシ、マウスおよ
びラット型TGR5も胆汁酸のレセプターとして作用す
ることが示された。
【0107】実施例9 ウサギ肺胞マクロファージの貪
食活性に対するタウロリトコール酸(TLCA)の抑制
作用 ウサギ(NZW、メス、体重2.5−3.0kg前後)
から麻酔下にて血清および肺を採取した。PBS(phos
phate-buffered saline)を気管より注入して洗浄する
ことにより、肺内の肺胞マクロファージ細胞を含む懸濁
液を回収した。得られた細胞をさらにPBSで洗浄後、
培地(DMEMに2%FBS、0.1mM非必須アミノ
酸、50μg/mlストレプトマイシン、50U/ml
ペニシリン、50μg/mlゲンタマイシンを添加した
もの。いずれもGibcoBRL社)に懸濁し、単核細胞分離液
であるFicoll−Paque Plus(アマシャ
ムファルマシア社)上に重層・遠心処理し、赤血球を除
いた。単核細胞を培地にて洗浄後、0.25×106
wellの濃度で24ウェルプレートに播種し37℃、
5%CO2条件下で一晩培養した。培地を除き、TLC
A100μMを加えた培地、あるいはコントロールの培
地を0.5ml添加して、さらに16時間培養した。同
じウサギより採取した血清50μl、加熱により殺菌処
理した酵母懸濁液0.8×108/mlを30μl添加
し37℃、5%CO2条件下で40分間培養した。0.
1%フクシン液(和光純薬社)を60μl添加した後、
細胞をはがして遠心し、懸濁液を顕微鏡にて観察した。
フクシンにより酵母は染色されるが肺胞マクロファージ
により貪食された酵母は染色されないことを利用して、
貪食活性を示したマクロファージの算定を行った。その
結果、図10に示すとおり、TLCAを添加した場合に
おいて、マクロファージの免疫機能のひとつである貪食
活性の著明な低下が認められた。
【0108】実施例10 ウサギ肺胞マクロファージに
おける、リポ多糖(LPS)で誘導された腫瘍壊死因子
(TNF)αの分泌に対するTLCAの抑制効果 実施例9の方法で採取したウサギ肺胞マクロファージを
0.25×106/wellの濃度に希釈し24ウェル
プレートで一晩培養後、LPS刺激で誘導されるTNF
α分泌に対する影響を検討した。TLCA50μMを含
む培地あるいはコントロール培地0.5mlに交換して
1時間培養後、同濃度のTLCA含有培地あるいはコン
トロール培地にLPS(E.coli O111:B4
和光純薬)を加えたもの(添加時の濃度1ng/ml)
0.5mlを添加し、37℃、5%CO2条件下でさら
に12時間培養した。培養後、上清を回収し、TNF感
受性細胞株L929(理化学研究所)に対する増殖抑制
作用を指標にTNFα量を測定した。L929細胞を
1.2×104/wellにて96ウェルプレートに播
種し37℃、5%CO2条件下で一晩培養後、肺胞マク
ロファージ培養上清を適当に希釈し、2μg/mlアク
チノマイシンD(和光純薬社)存在下で一晩培養した。
標準サンプルとしてはヒト組み換え型TNFα(Gen
zyme社)を使用した。L929細胞の増殖はCel
l Counting Kit−8(和光純薬社)によっ
て測定した。その結果、図11に示すように、TLCA
を添加することにより、顕著なTNFα分泌量の低下が
認められた。
【0109】実施例11 ウサギ肺胞マクロファージの
各種サイトカインmRNA発現量に対するタウロリトコ
ール酸(TLCA)の抑制作用 実施例9の方法で採取したウサギ肺胞マクロファージを
0.25×106/wellの濃度に希釈し6ウェルプ
レートで一晩培養後、TLCA100μMを含む培地あ
るいはコントロール培地1.5mlに交換して1時間培
養後、同濃度のTLCA含有培地あるいはコントロール
培地にLPS(E.coli O111:B4、和光純
薬社)を加えたもの(添加時の濃度1ng/ml)1.
5mlを添加し、37℃、5%CO2条件下でさらに2
時間培養した。培地を除去後、Isogen(ニッポン
ジーン社)3mlを加え、マニュアルにしたがい全RN
Aを調製した。1μgの全RNAを、SuperScriptII逆
転写酵素(Gibco BRL社)を用いてマニュアルに従いc
DNAを合成し、25ng 全RNA/μlに相当する
cDNA溶液を調製した。各種サイトカインのmRNA
発現量定量はABI prism 7700 Sequence Detector(ABI
社)を用いて行った。各反応には配列番号:21から3
5で表されるそれぞれのサイトカインに特異的なプライ
マー、プローブを設計し使用した。PCR反応液はUniv
ersal PCR master mix(ABI社)12.5μl、それぞ
れのプライマーを各々100μMのものを0.225μ
lずつ、5μMのプローブを1.25μl、上記で調製
したcDNA溶液1μlを加え、全量を蒸留水で25μ
lとした。それぞれのサンプルは50℃で2分間、95
℃で10分間置いた後、95℃で15秒、60℃で1分
のサイクルを40回繰り返し定量のための反応を行っ
た。その結果、TNFα、IL−1α、IL−1β、I
L−6、IL−8のいずれのサイトカインにおいてもT
LCAの添加により明らかに発現量が低下し、ウサギ肺
胞マクロファージに対するTLCAによる各種のサイト
カインのmRNA発現抑制作用が見出された(図1
2)。
【0110】実施例12 TGR5遺伝子導入THP−
1細胞の作製 ヒトマクロファージ細胞株THP−1にTGR5遺伝子
を導入することによりTGR5高発現細胞を樹立した。
まず、定法に従いヒトTGR5のcDNAをpcDNA
3.1(Invitrogen社)に組み込んだpcDNA−TG
R5を作製した。THP−1を培地(RPMI1640
10%FBS)にて培養し、定法に従い、リポフェク
トアミン(GibcoBRL社)を用いてpcDNA−TGR5
を導入した。その後、G418(GibcoBRL社)を培地に
添加して耐性株を選択し、安定的にTGR5を高発現す
る細胞株、THP−TGR5を樹立した。
【0111】実施例13 THP−TGR5における、
リポ多糖(LPS)で誘導された腫瘍壊死因子(TN
F)αの分泌およびmRNA発現量に対するTLCAの
抑制効果 実施例12で得たTHP−TGR5あるいはもとのTH
P−1細胞を0.5×106/wellの濃度に希釈し
て10-8Mのホルボールエステル(和光純薬)存在下で
24ウェルプレートで一晩培養後、LPS刺激で誘導さ
れるTNFα分泌に対する影響を検討した。TLCA1
00μMを加えた培地あるいはコントロール培地0.5
mlにて1時間培養後、同濃度のTLCA含有培地ある
いはコントロール培地にLPSを加えたもの(添加時の
濃度50ng/ml)0.5mlを添加し、37℃、5
%CO2条件下で24時間培養した。培養後、上清を回
収し、実施例10と同じようにTNFα含量をL929
の増殖抑制活性により定量した。またTHP−1とTH
P−TGR5の全RNAはLPS添加の2時間後に細胞
から実施例11と同様の方法で調製した。ヒト型TNF
α mRNAの発現量はTaqMan Cytokine Gene Expressi
on plate I(ABI社)を使用して求めた。定量値はT
HP−1細胞のLPS、TLCAをともに添加しなかっ
た区値を1とした時の相対値で示した。その結果、図1
3に示すように、THP−TGR5ではTLCA添加に
より顕著なTNFα分泌量の低下が認められた、一方、
もとのTHP−1では顕著なTNFα分泌抑制作用は見
られなかった。またmRNAも同様にTLCA添加によ
る顕著な発現量の低下が認められた。これらのことか
ら、ウサギ肺胞マクロファージで認められたTNFα分
泌抑制効果は明らかにTGR5を介したものであること
が確認され、生体内においてTGR5がこうした免疫機
能の制御に関わることが示された。
【0112】実施例14 CHO細胞に発現させたTG
R5−GFP融合タンパク質のタウロリトコール酸添加
による細胞内移行 TGR5のC末端に翻訳のフレーム合わせてオワンクラ
ゲより単離されたGreen Fluorescent Protein(GF
P)cDNAをつないだ融合タンパク質を発現させるた
めの発現プラスミドを構築した。その際GFP cDN
AにはGFPの発現ベクターpQBI25(宝酒造)か
ら切り出した断片を用いた。TGR5はPCR法により
その終止コドンを制限酵素NheIの認識配列に修正
し、ここにGFP断片を連結して、実施例1に記載の発
現ベクターpAKKO−111Hに挿入した。このよう
にして得たTGR5とGFPの融合タンパク質(以下、
TGR5-GFP)発現ベクターのプラスミド を以下の
方法でCHO-mock細胞にトランスフェクションし
た。CHO-mock細胞は増殖培地[DMEM(Du
lbecco's Modified Eagle Med
ium)(GIBCOBRL社)に10%ウシ胎児血清
(GIBCO BRL社)を添加したもの]に懸濁し、
0.6×105cells/チャンバーの濃度にてチェ
ンバー数4つのLab−TekIIカバーグラスチェンバ
ー(Nalgen Nunc社)にまき、37℃、5%
CO2条件下で一晩培養した後にトランスフェクション
した。トランスフェクションにはLipofectam
ineTM 2000 Reagent(GIBCO BRL社)を
用いた。まずLipofectamineTM 2000
Reagent 2μlとOPTI−MEM−I(GIBCO
BRL社)50μlを混合し、20分間室温で静置するこ
とによりDNAとリポフェクトアミンの複合体を形成さ
せた後、上記のCHO細胞を培養したチェンバーに10
0μl添加し、さらに37℃、5%CO2条件下で一晩
培養した。培地を共焦点顕微鏡観察用培地[Hank
s' Balanced Salt Solution(G
IBCO BRL社)に0.1%ウシ アルブミン(Es
sentially Fatty Acid Free、
GIBCO BRL社)を懸濁したもの]に置き換え、
共焦点顕微鏡(ライカ社)でGFPの蛍光像を観察し
た。その際、GFPの励起は488nmで行った。その
結果TGR5−GFP融合タンパク質は細胞膜に観察さ
れた(図14)。この細胞にタウロリトコール酸を10
-5Mとなるように培地に添加30分後には、GFPの蛍
光が細胞膜ではなく、細胞質に移動していることが見出
された(図15)。このことはTGR5が細胞膜に発現
するGタンパク質共役型のレセプターであるとともに、
TGR5がタウロリトコール酸に反応して細胞質へ移
行、すなわちインタナリゼーションしたことを示してい
た。
【0113】実施例15 タウロリトコール酸添加によ
るTGR5発現CHO細胞でのMAPキナーゼ活性化 実施例1で作製したTGR5発現ベクターを用いて公知
の方法で作製した安定的なTGR5発現CHO(CHO
−TGR5)またはCHO−mock細胞を3×105
/wellの濃度で6ウェルプレートに撒いて、血清低
濃度培地(核酸不含MEMα培地に0.5%の透析ウシ
胎児血清を添加したもの)にて一晩培養し、さらに無血
清培地(核酸不含MEMα培地に0.1%ウシ血清アル
ブミンを添加したもの)に交換して一晩培養した。新し
い無血清培地に交換して3時間培養後、2μMのタウロ
リトコール酸(TLCA)を添加した。0−20分イン
キュベーションしたのち、サンプルバッファー(TEFCO
社)で細胞を溶解・抽出しSDS−PAGEによって分
離を行った。その後PhosphoPlus p44/42 MAP kinase(T
hr202/Tyr204)Antibody Kit(Cell Signaling Technol
ogy, Inc)を用いたウエスタンブロッテイングを行っ
た。その結果、図16に示す通り、TGR5発現CHO
細胞でのみ、TLCA添加後5分をピークにMAPキナ
ーゼのリン酸化によって示される当該タンパク質の活性
化が起こることが分かった。
【0114】実施例16 TGR5発現CHO細胞にお
ける各種胆汁酸のcAMP産生上昇活性 CHO−TGR5を2×104/wellの濃度で96
ウェルプレートに撒いて一晩培養後、cAMP産生量の
測定に用いた。アッセイ用バッファー(DMEMに0.
1%ウシ血清アルブミン、0.2mM 3-Isobutyl-1-methylx
anthine, IBMXを添加したもの)で細胞を2回洗浄し、
30分プレインキュベーションした。細胞を2回洗浄し
た後、アッセイ用バッファーに希釈したサンプルを細胞
に添加して20分間インキュベーションした。培養上清
を捨てて、cAMP Screen System(ABI)によってcA
MP産生量を測定した。ポジティブコントロールとし
て、リトコール酸(LCA)10μMを用いた。cAM
P産生量はポジティブコントロールを100%とした場
合の%値で表した。その結果、図17に示す通りタウロ
リトコール酸(TLCA)、リトコール酸(LCA)、
デオキシコール酸(DCA)、ケノデオキシコール酸
(CDCA)、コール酸(CA)の順で濃度依存的なc
AMP産生の上昇が観察された。また、2μMの濃度で
その他の胆汁酸やコレステロール代謝化合物などによる
CHO−TGR5におけるcAMP産生上昇活性を比較
し、その結果を図18に示した。LCA、DCA、CD
CA、CAのそれぞれにおいて、タウリン抱合体
(T)、グリシン抱合体(G)、非抱合体(F)のいず
れもcAMP産生上昇活性を有することが分かった。
【0115】実施例17 ヒトTGR5 mRNA発現
分布解析 mRNAの発現量の定量にはABI PRISM 770
0 SequenceDetector(アプライドバ
イオシステムズ社)を用いた。発現量の定量に用いるプ
ライマーとプローブは、ヒト型TGR5の塩基配列(配
列番号:2)をもとにABI PRISM 7700 S
equenceDetector専用のソフトウエアP
rimerExpress(アプライドバイオシステム
ズ社)を利用してデザインした。鋳型となるcDNA
は、ヒト各種組織由来のpolyA+RNA(クロンテ
ック社)1μgからランダムプライマーを用いて42℃
で合成した。逆転写反応にはSuperScriptI
I逆転写酵素(GIBCOBRL社)を用い、添付のマ
ニュアルに従って反応を行い、反応終了後エタノール沈
殿して100μlに溶解した。また分画したヒト血球由
来のcDNAとしてはMultiple Tissue
cDNA(MYTCTM)panels Human Bl
ood Fractions (クロンテック社)を使用し
た。ABIPRISM 7700 SequenceDe
tectorの反応液はTaqMan Univers
al PCR Master Mix(アプライドバイオ
システムズ社)のマニュアルにしたがい、マスターミッ
クスを12.5μl、プライマーを0.9μM、プロー
ブを0.25μM、各サンプルのcDNA溶液を1μl
で混ぜ合わせ、蒸留水で25μlとして調製した。AB
I PRISM 7700SequenceDetect
orでの反応は、50℃で2分、95℃で10分の後、
95℃ 15秒、60℃ 1分のサイクルを40回繰り返
して行った。ヒト各種組織でのTGR5 mRNAの発
現分布を図19に示す。胎盤、脾臓、肺など免疫に関与
する組織での高発現が見出された。またヒト血球でのT
GR5 mRNAの発現量を図20に示す。CD14を
発現している血球、すなわち単球・マクロファージでの
高発現が見出された。
【0116】実施例18 ウサギTGR5 mRNA発
現分布解析 実施例17と同様の方法でウサギ型TGR5 mRNA
の発現量を求めた。用いたプライマーとプローブはウサ
ギTGR5(配列番号:15)をもとにデザインした。
ウサギの各種組織由来の全RNAは、北山ラベス社より
購入したNZW雌性 体重2.5−3.0kg前後の個
体より各組織を取得し、Isogen(ニッポンジーン
社)を用い、付属のマニュアルにしたがって調製した。
cDNAは調製した全RNA 1μgから実施例17と
同様の方法で合成した。ただし逆転写反応後は40μl
に溶解した。ウサギ型TGR5 mRNAの発現は図2
1に示したように、免疫に関与する脾臓、肺胞マクロフ
ァージや胸腺で高発現していた。
【0117】実施例19 TLCAによるウサギ肺胞マ
クロファージのcAMP産生上昇 実施例9の方法で調製したウサギ肺胞マクロファージを
培地(DMEMに2%FBS、0.1mM非必須アミノ
酸、50μg/mlストレプトマイシン、50U/ml
ペニシリン、50μg/mlゲンタマイシンを添加した
もの)に懸濁し2×105/wellの濃度で96ウェ
ルプレートに撒き一晩培養した。細胞をDMEMに0.
1% BSA、1mM IBMXを加えた培地で2回洗浄
した後、同じ培地に希釈したTLCA 200μMある
いは培地を添加して4分間インキュベーションした。cA
MP Screen System(ABI)によってcAMP産生量を
測定した結果、図22に示す通りTLCA添加によりc
AMP産生量の上昇が認められた。
【0118】実施例20 ウサギ肺胞マクロファージの
貪食活性におよぼす各種胆汁酸の抑制効果 実施例9の方法に従い、ウサギ肺胞マクロファージを調
製し、各種胆汁酸による貪食能抑制効果を検討した。そ
の結果、図23に示すとおり、TLCAの他、GLC
A、LCAを100μMにて添加した場合において、マ
クロファージの免疫機能のひとつである貪食活性の著明
な低下が認められた。
【0119】実施例21 ウサギ肺胞マクロファージか
らのTNFα分泌に対する胆汁酸の抑制効果 実施例9の方法で調製したウサギ肺胞マクロファージを
培地(DMEMに2%FBS、0.1mM非必須アミノ
酸、50μg/mlストレプトマイシン、50U/ml
ペニシリン、50μg/mlゲンタマイシンを添加した
もの)に懸濁し0.25×106/wellの濃度で2
4ウェルプレートに撒き一晩培養した。同じ培地を用い
て胆汁酸を希釈してグラフに表示した濃度にて肺胞マク
ロファージに添加して1時間培養した。さらに、同じ濃
度の胆汁酸サンプルにリポ多糖(LPS、E.coli
O111:B4 和光純薬)を添加したものを追加し
て加え、12時間培養した。LPSの濃度は1ng/m
lにて加えた。培養後、培養上清を回収し、実施例10
と同様に上清中のTNFαを定量した。その結果、図2
4に示す通り、TGR5にアゴニスト活性を示す胆汁酸
の添加により濃度依存的にTNFα分泌量の抑制活性が
認められた。
【0120】実施例22 TGR5遺伝子を導入したT
HP−1細胞におけるcAMP産生上昇 THP−1あるいは実施例12で得たTGR5高発現細
胞株THP−TGR5をアッセイ用培地(DMEMに
0.1% BSAと1mM IBMXを添加したもの)で
洗浄後、1×105/wellにて96ウェルプレート
に撒いた。上記アッセイ用培地にて希釈した胆汁酸を添
加して20分間インキュベーションした。その後cAMP S
creen System(ABI)によってcAMP産生量を測定
した結果、図25に示す通りTHP−TGR5において
TLCA、LCA、DCA添加によるcAMP産生量の
上昇が認められた。一方THP−1ではTLCAによる
cAMP産生上昇は認められないことから、これらの胆
汁酸によるcAMP上昇はTGR5を介した反応である
ことが確かめられた。
【0121】実施例23 LPSで刺激されたTHP−
TGR5からの腫瘍壊死因子(TNF)α分泌に対する
各種胆汁酸の抑制効果 実施例13と同様にTHP−TGR5あるいはTHP−
1細胞を処理し、LPSで刺激されたTNFα分泌に対
する各種胆汁酸の抑制効果を検討した。LPS刺激は1
2時間とし、培養上清を回収後、実施例13と同じく、
バイオアッセイによるTNFα含有量の測定を行った。
その結果、図26に示す通り、THP−TGR5では胆
汁酸の濃度依存性にTNFα分泌量の低下が認められ
た。一方、THP−1では顕著なTNFα分泌抑制作用
は見られなかった(図27)。これらのことから、ウサ
ギ肺胞マクロファージで認められたTNFα分泌抑制効
果は明らかにTGR5を介したものであることが確認さ
れ、生体内においてTGR5がこうした免疫機能の制御
に関わることが示された。
【0122】参考例1 ヒト染色体DNAを用いたPC
R法によるヒトGPR7 DNAの増幅 ヒト染色体DNAを鋳型として、2種の合成プライマー
(配列番号:42および配列番号:43)を用いたPC
R法によるDNA増幅を行なった。合成プライマーはレ
セプタータンパク質に翻訳される領域の遺伝子が増幅さ
れるように構築したが、その際に遺伝子の5’側に制限
酵素ClaIの認識する塩基配列が付加され、3’側に
制限酵素SpeIの認識する塩基配列が付加されるよう
に、5’側および3’側にそれぞれの制限酵素の認識配
列を付加した。反応液の組成は、ヒト染色体DNA(タ
カラ)0.5μg、合成DNAプライマー各1μM、0.8 mM dNTP
s、1 mM MgCl2、KODポリメラーゼ(トーヨーボー)1μl
および酵素に付属のバッファーで、総反応量は50μlと
した。増幅のためのサイクルはサーマルサイクラー(タ
カラ)を用い、94℃・60秒の加熱の後、98℃・15秒、65
℃・2秒、74℃・30秒のサイクルを35回繰り返した。増
幅産物の確認は、0.8%アガロースゲル電気泳動の後、エ
チジウムブロマイド染色によって行なった。
【0123】参考例2 PCR産物のプラスミドベクタ
ーへのサブクローニングおよび挿入DNA部分の塩基配
列の解読による増幅DNA配列の確認 参考例1で行なったPCR反応液を0.8%の低融点ア
ガロースゲル電気泳動により分離し、バンドの部分をか
みそりで切り出した後、細片化、フェノール抽出、フェ
ノール・クロロホルム抽出、エタノール沈殿の操作を行
なってDNAを回収した。pCR-ScriptTM Amp SK(+)クロ
ーニングキット(ストラタジーン)の処方に従い、回収
したDNAをプラスミドベクターpCR-Script Amp SK(+)
へサブクローニングした。これをエシェリヒア・コリ(E
scherichia coli) DH5αcompetent cell(トーヨーボ
ー)に導入して形質転換した後、DNA挿入断片を持つ
クローンをアンピシリン、IPTGおよびX−galを
含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみ
を滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体E. col
i DH5α/GPR7を得た。個々のクローンをアンピシリンを
含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit
(キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調製した。調
製したDNAの一部に対して制限酵素ClaIおよびS
peIによる切断を行ない、挿入されているレセプター
DNA断片の大きさを確認した。塩基配列の決定のため
の反応はDyeDeoxyTerminator Cycle Sequence Kit (App
lied Biosystems社)を用いて行ない、蛍光式自動シーケ
ンサーを用いて解読した(配列番号:39)。配列番
号:39で表わされる塩基配列を有するDNAを保持するp
CR-Script Amp SK(+)プラスミドを、pCR-ScriptヒトGPR
7と命名した。配列番号:39で表わされる塩基配列を
有するDNAがコードするヒトGPR7のアミノ酸配列
を配列番号:38に示した。ここで配列を決定したヒト
GPR7のDNA配列はO’Dowdらの報告(O'Dow
d, B. F. et al.、Genomics、28巻、84-91頁、1995年)
にあるDNA配列とは2塩基が異なっていた。これらは
配列番号:39の893番目および894番目に当た
り、O’Dowdらの報告ではそれぞれCおよびGであ
るが、本参考例ではGおよびCであった。これにより、
翻訳されるアミノ酸配列において配列番号:38の29
6番目のアミノ酸が、O’Dowdらの報告のThrが
本実施例ではSerとなる。
【0124】参考例3 ヒト全脳cDNAからのPCR
法によるGPR7リガンド前駆体遺伝子の取得と発現プ
ラスミドの構築 クローンテック社より購入したヒト全脳cDNAを鋳型
として、以下の2種類の合成DNAを用いて、PCRに
よる増幅を行った。 GSF1: 5'-GTCGACATGGCCCGGTCCGCGACACTGGCGGCC-3'(配
列番号:40) GSR2: 5'-GCTAGCAGCGGTGCCAGGAGAGGTCCGGGCTCA-3'(配
列番号:41) PCRの反応液はcDNA溶液1μl、0.5μl GSF
1(10 μM)、0.5μl GSR2(10μM)、2.5μ
l添付の10×反応液、2.5μl dNTP(10m
M)、0.5μl KlenTaq(クローンテック)、17.
5μl大塚蒸留水を加えて合計25μlにした。反応液
を、ThermalCycler9600を用いてPCR反応にかけた。
PCRの条件は95℃2分の変性の後、98℃10秒、
60℃20、72℃20秒のサイクルを35回繰り返し
た。PCR産物の一部を用いて電気泳動で約400bp
のPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物をQIAGEN
PCR purification Kitを用いて精製し、直接配列決定
を行ったところ図28(配列番号:37)で示す配列が
えられた。図28のDNA配列から予測されるアミノ酸
配列は図29(配列番号:36)に示すものであった。
次に、ゲルから回収したPCR産物をTAクローニング
キット(Invitrogen社)を用いて大腸菌JM109にサ
ブクローニングし、大腸菌JM109/pTAhGPR7-1を取得し
た。サブクローニングで得られた大腸菌からプラスミド
pTAhGPR7-1をプラスミド抽出機(クラボウ社)を用いて
抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、その配列が図2
8と同じヒト型GPR7リガンドcDNAであることを
確認した。次にそのプラスミドから制限酵素SalIお
よびNheIによって消化後約0.4kbのヒト型GP
R7リガンドcDNA断片を得た。さらに、動物細胞用
の発現ベクターであるpAKKO-111Hはマルチクローニング
サイト部分の制限酵素サイトSalIおよびNheIに
よって消化後、電気泳動を行い、ベクター部分を回収し
た。以上の操作によって調製したヒト型GPR7リガン
ドcDNA断片および発現ベクターをライゲーションに
よって連結し、大腸菌JM109を形質転換してE.coli
JM109/pAK-S64を得た。形質転換体E.coli JM109/pAK-S
64を培養し、プラスミドpAK-S64のDNAを大量に調製し
た。
【0125】参考例4 GPR7発現プラスミドおよび
レポータープラスミドのチャイニーズハムスターオバリ
ー(CHO)細胞での一過的な発現 参考例3で得たヒト型GPR7 DNAを、公知の方法
により動物細胞用発現プラスミドpAKKO-111Hに挿
入したプラスミドを用いて大腸菌JM109を形質転換
した。得られたコロニーを単離・培養後、QIAGEN Plasm
id Maxi Kit(キアゲン社)を用いてGPR7発現プラス
ミドDNAの調製を行なった。また、cAMPレスポン
スエレメント(CRE)の下流にレポーターとしてルシ
フェラーゼ遺伝子が連結されたpCRE-Luc(クロンテック
社)のプラスミドDNAを同様の方法で調製した。GP
R7発現プラスミドおよびpCRE-Lucはレセプター遺伝子
を挿入していない発現ベクターを導入したCHO細胞に
一過性に発現させた。CHO細胞は96−ウェルプレー
ト(コーニングコースター社)に40,000 細胞/ウェ
ル、培養液量100μlで播種し、37℃で一晩培養し
た。プレート上での培養にはDMEM(Dulbecco's mod
ified Eagle's medium, GibcoBRL社)に10%のウシ胎
児血清のみを添加した培地を用いた。各プラスミドは24
0ng/μlの濃度に希釈し、GPR7の発現プラスミド9
μlとpCRE-Luc 1μlの割合で240μlのOpti-MEM-
I(GibcoBRL社)に添加した。これを、同じく240μ
lのOpti-MEM-Iに10μlのリポフェクトアミン2000
(GibcoBRL社)を添加したものと等量混合して、リポフ
ェクトアミン2000に添付のマニュアル記載の方法に従っ
てリポソームとプラスミドDNAの複合体を形成させ
た。これを25μl/wellずつCHO細胞の培養液に添加
し、その4時間後に培養液をアッセイバッファー(0.
1%のウシ血清アルブミンを添加したDMEM)に交換
して無血清化し、37℃で一晩培養した。
【0126】参考例5 リガンド遺伝子のCHO細胞で
の発現 参考例4で作製したヒト型リガンドcDNAを挿入した
動物細胞用発現プラスミドpAK-S64を参考例5と同様の
方法でCHO細胞に一過性に発現させた。ただし細胞は6-
ウェルプレート(ファルコン社)に600,000細胞/ウェル
で播種し、一晩培養の後、リガンド遺伝子プラスミドを
導入した。240ng/μlの濃度に希釈したプラスミドを10
μlと240 μlのOpti-MEM-Iに添加し、これを、同じく24
0 μlのOpti-MEM-Iに10 μlのリポフェクトアミン2000
を添加したものと等量混合して、リポフェクトアミン20
00に添付のマニュアル記載の方法に従ってリポソームと
プラスミドDNAの複合体を形成させた。これを500μl/ウ
ェルずつCHO細胞の培養液に添加し、その4時間後に
培養液をアッセイバッファーに交換し、無血清化をおこ
なった。培地交換の18時間後に各ウェルの培地を回収
しリガンドペプチドを含むCHO細胞培養上清を得た。
【0127】実施例24 レポーターアッセイによるリ
ガンド活性の検出 参考例4の方法に従いGPR7を一過性に発現させたC
HO細胞の培養液に、参考例5で調製したpAK-S64発現
培養上清および終濃度2 μMとなるようにホルスコリン
を添加した。またリガンド遺伝子を挿入していない空の
発現ベクター(pAKKO-111H)を参考例5の方法で一過
性に発現させたCHO細胞の培養上清も同様に添加し
た。その際発現上清はアッセイバッファーにて2倍、4
倍、8倍、16倍に希釈した。上清を添加してから4時
間、37℃でインキュベーションを行ない、レセプター
を介したリガンドのアゴニスト活性によって惹起される
細胞内シグナル伝達に由来するレポーター(ルシフェラ
ーゼ)遺伝子の転写・翻訳の促進あるいは抑制を誘導し
た。インキュベーション終了後に各ウェルのアッセイバ
ッファーを除去し、PicaGene LT2.0 (東洋インキ社)
発光基質を50μlずつ加えた。細胞が溶解し、基質と
充分に混合した後、各ウェルのレポーター遺伝子の発現
誘導量に由来する発光量をプレートリーダー(ARVOsxマ
ルチラベルカウンター、PerkinElmer社)を用いて測定
した。その結果、pAK-S64の培養上清を添加した際にの
みレポーター遺伝子の発現抑制がルシフェラーゼ活性の
低下として検出された(図30)。さらに、この抑制の程
度はpAK-S64の培養上清の濃度依存的であった。このこ
とはpAK-S64に挿入されたプラスミドによって発現した
産物が、GPR7を介した細胞内のシグナルを伝達し
た、すなわちGPR7のリガンドとして作用したことを
示している。
【0128】
【発明の効果】本発明のスクリーニング方法/キットを
用いることにより、新規Gタンパク質共役型レセプター
タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩とリ
ガンドであるコレステロール代謝関連物質との結合性を
変化させる化合物またはその塩が得られ、該化合物また
はその塩は、中枢疾患(例えば、アルツハイマー病、痴
呆、摂食障害など)、炎症性疾患(例えば、アレルギー、
喘息、リュウマチなど)、循環器疾患(例えば、高血圧
症、心肥大、狭心症、動脈硬化症等)、癌(例えば、非
小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、
子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌等)、糖尿病、免疫系疾患
(例えば、自己免疫疾患、免疫不全、白血病等)、肝臓
・胆のう疾患(例えば、肝硬変、肝炎、肝不全、胆汁う
っ滞症、結石等)、消化管疾患(例えば、潰瘍、腸炎、
吸収不良等)、肥満などの予防および/または治療等の
医薬等として用いることができる。本発明の、リガンド
が決定されていないレセプタータンパク質のリガンドの
決定方法では、各種の細胞系が使用できるため簡便であ
り、かつ短時間で測定等を実施することができる。
【0129】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Screening method <130> P02-0051 <150> JP 2001-114203 <151> 2001-04-12 <150> JP 2001-180562 <151> 2001-06-14 <150> JP 2001-214922 <151> 2001-07-16 <150> JP 2001-397767 <151> 2001-12-27 <150> JP 2002-45728 <151> 2002-02-22 <160> 43 <210> 1 <211> 330 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Thr Pro Asn Ser Thr Gly Glu Val Pro Ser Pro Ile Pro Lys Gly 5 10 15 Ala Leu Gly Leu Ser Leu Ala Leu Ala Ser Leu Ile Ile Thr Ala Asn 20 25 30 Leu Leu Leu Ala Leu Gly Ile Ala Trp Asp Arg Arg Leu Arg Ser Pro 35 40 45 Pro Ala Gly Cys Phe Phe Leu Ser Leu Leu Leu Ala Gly Leu Leu Thr 50 55 60 Gly Leu Ala Leu Pro Thr Leu Pro Gly Leu Trp Asn Gln Ser Arg Arg 65 70 75 80 Gly Tyr Trp Ser Cys Leu Leu Val Tyr Leu Ala Pro Asn Phe Ser Phe 85 90 95 Leu Ser Leu Leu Ala Asn Leu Leu Leu Val His Gly Glu Arg Tyr Met 100 105 110 Ala Val Leu Arg Pro Leu Gln Pro Pro Gly Ser Ile Arg Leu Ala Leu 115 120 125 Leu Leu Thr Trp Ala Gly Pro Leu Leu Phe Ala Ser Leu Pro Ala Leu 130 135 140 Gly Trp Asn His Trp Thr Pro Gly Ala Asn Cys Ser Ser Gln Ala Ile 145 150 155 160 Phe Pro Ala Pro Tyr Leu Tyr Leu Glu Val Tyr Gly Leu Leu Leu Pro 165 170 175 Ala Val Gly Ala Ala Ala Phe Leu Ser Val Arg Val Leu Ala Thr Ala 180 185 190 His Arg Gln Leu Gln Asp Ile Cys Arg Leu Glu Arg Ala Val Cys Arg 195 200 205 Asp Glu Pro Ser Ala Leu Ala Arg Ala Leu Thr Trp Arg Gln Ala Arg 210 215 220 Ala Gln Ala Gly Ala Met Leu Leu Phe Gly Leu Cys Trp Gly Pro Tyr 225 230 235 240 Val Ala Thr Leu Leu Leu Ser Val Leu Ala Tyr Glu Gln Arg Pro Pro 245 250 255 Leu Gly Pro Gly Thr Leu Leu Ser Leu Leu Ser Leu Gly Ser Ala Ser 260 265 270 Ala Ala Ala Val Pro Val Ala Met Gly Leu Gly Asp Gln Arg Tyr Thr 275 280 285 Ala Pro Tyr Arg Ala Ala Ala Gln Arg Cys Leu Gln Gly Leu Trp Gly 290 295 300 Arg Ala Ser Arg Asp Ser Pro Gly Pro Ser Ile Ala Tyr His Pro Ser 305 310 315 320 Ser Gln Ser Ser Val Asp Leu Asp Leu Asn 325 330 <210> 2 <211> 990 <212> DNA <213> Human <400> 2 atgacgccca acagcactgg cgaggtgccc agccccattc ccaagggggc tttggggctc 60 tccctggccc tggcaagcct catcatcacc gcgaacctgc tcctagccct gggcatcgcc 120 tgggaccgcc gcctgcgcag cccacctgct ggctgcttct tcctgagcct actgctggct 180 gggctgctca cgggtctggc attgcccaca ttgccagggc tgtggaacca gagtcgccgg 240 ggttactggt cctgcctcct cgtctacttg gctcccaact tctccttcct ctccctgctt 300 gccaacctct tgctggtgca cggggagcgc tacatggcag tcctgaggcc actccagccc 360 cctgggagca ttcggctggc cctgctcctc acctgggctg gtcccctgct ctttgccagt 420 ctgcccgctc tggggtggaa ccactggacc cctggtgcca actgcagctc ccaggctatc 480 ttcccagccc cctacctgta cctcgaagtc tatgggctcc tgctgcccgc cgtgggtgct 540 gctgccttcc tctctgtccg cgtgctggcc actgcccacc gccagctgca ggacatctgc 600 cggctggagc gggcagtgtg ccgcgatgag ccctccgccc tggcccgggc ccttacctgg 660 aggcaggcaa gggcacaggc tggagccatg ctgctcttcg ggctgtgctg ggggccctac 720 gtggccacac tgctcctctc agtcctggcc tatgagcagc gcccgccact ggggcctggg 780 acactgttgt ccctcctctc cctaggaagt gccagtgcag cggcagtgcc cgtagccatg 840 gggctgggcg atcagcgcta cacagccccc tggagggcag ccgcccaaag gtgcctgcag 900 gggctgtggg gaagagcctc ccgggacagt cccggcccca gcattgccta ccacccaagc 960 agccaaagca gtgtcgacct ggacttgaac 990 <210> 3 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify DNA encoding TGR5 <400> 3 gatgacgccc aacagcactg gcgaggtgcc 30 <210> 4 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify DNA encoding TGR5 <400> 4 ttagttcaag tccaggtcga cactgctttg g 31 <210> 5 <211> 329 <212> PRT <213> Mouse <400> 5 Met Met Thr Pro Asn Ser Thr Glu Leu Ser Ala Ile Pro Met Gly Val 5 10 15 Leu Gly Leu Ser Leu Ala Leu Ala Ser Leu Ile Val Ile Ala Asn Leu 20 25 30 Leu Leu Ala Leu Gly Ile Ala Leu Asp Arg His Leu Arg Ser Pro Pro 35 40 45 Ala Gly Cys Phe Phe Leu Ser Leu Leu Leu Ala Gly Leu Leu Thr Gly 50 55 60 Leu Ala Leu Pro Met Leu Pro Gly Leu Trp Ser Arg Asn His Gln Gly 65 70 75 80 Tyr Trp Ser Cys Leu Leu Leu His Leu Thr Pro Asn Phe Cys Phe Leu 85 90 95 Ser Leu Leu Ala Asn Leu Leu Leu Val His Gly Glu Arg Tyr Met Ala 100 105 110 Val Leu Gln Pro Leu Arg Pro His Gly Ser Val Arg Leu Ala Leu Phe 115 120 125 Leu Thr Trp Val Ser Ser Leu Phe Phe Ala Ser Leu Pro Ala Leu Gly 130 135 140 Trp Asn His Trp Ser Pro Asp Ala Asn Cys Ser Ser Gln Ala Val Phe 145 150 155 160 Pro Ala Pro Tyr Leu Tyr Leu Glu Val Tyr Gly Leu Leu Leu Pro Ala 165 170 175 Val Gly Ala Thr Ala Leu Leu Ser Val Arg Val Leu Ala Thr Ala His 180 185 190 Arg Gln Leu Cys Glu Ile Arg Arg Leu Glu Arg Ala Val Cys Arg Asp 195 200 205 Val Pro Ser Thr Leu Ala Arg Ala Leu Thr Trp Arg Gln Ala Arg Ala 210 215 220 Gln Ala Gly Ala Thr Leu Leu Phe Leu Leu Cys Trp Gly Pro Tyr Val 225 230 235 240 Ala Thr Leu Leu Leu Ser Val Leu Ala Tyr Glu Arg Arg Pro Pro Leu 245 250 255 Gly Pro Gly Thr Leu Leu Ser Leu Ile Ser Leu Gly Ser Thr Ser Ala 260 265 270 Ala Ala Val Pro Val Ala Met Gly Leu Gly Asp Gln Arg Tyr Thr Ala 275 280 285 Pro Trp Arg Thr Ala Ala Gln Arg Cys Leu Arg Val Leu Arg Gly Arg 290 295 300 Ala Lys Arg Asp Asn Pro Gly Pro Ser Thr Ala Tyr His Thr Ser Ser 305 310 315 320 Gln Cys Ser Ile Asp Leu Asp Leu Asn 325 <210> 6 <211> 990 <212> DNA <213> Mouse <400> 6 atgatgacac ccaacagcac tgagctgtcg gccattccca tgggggttct ggggctttcc 60 ttggccctgg caagcctcat cgtcatcgcc aacctgctcc tggccctagg catcgccctg 120 gaccgccact tgcgcagccc acctgctggc tgcttcttcc taagcctact actagccggg 180 ctgctcacag ggctggcact gcccatgctg cctgggctat ggagccggaa ccatcagggc 240 tactggtcct gcctccttct ccacttgacc cccaactttt gtttcctttc cctgcttgcc 300 aatctgctgc tggtgcatgg ggaacgctac atggcagtgt tgcagccact ccggccccat 360 ggaagtgtgc ggctagccct gttcctcacc tgggtcagct ccctgttctt tgccagcctg 420 cctgctctgg gctggaacca ttggagccct gatgccaact gcagctccca agctgtcttc 480 ccagccccct acctctacct ggaagtttat ggcctcctgt tgcctgccgt gggggccact 540 gcccttctct ctgtccgcgt gttggccact gcccaccgcc agctgtgtga gatccgccga 600 ctggagcggg cagtgtgccg cgatgtaccc tcaaccctgg ctagggctct cacctggagg 660 caggctaggg cacaggcagg agccacactg ctcttcttgc tgtgttgggg gccctatgtg 720 gccacattgc tcctgtcagt cttggcctat gagcgtcgcc caccactagg gcctggaact 780 ctgttatcgc tcatctcatt gggcagcacc agtgctgccg ctgtgcctgt ggccatgggg 840 ctgggtgatc agcgctacac agccccctgg aggacagctg cccaaaggtg tctacgagtg 900 cttcgaggaa gagccaagag ggacaatcca ggccccagca ctgcctacca caccagtagc 960 caatgcagca ttgacctgga cttgaattag 990 <210> 7 <211> 329 <212> PRT <213> Rat <400> 7 Met Met Ser His Asn Thr Thr Glu Leu Ser Ala Ile Pro Arg Gly Val 5 10 15 Gln Glu Leu Ser Leu Val Leu Ala Ser Leu Ile Val Ile Ala Asn Leu 20 25 30 Leu Leu Ala Leu Gly Ile Val Leu Asp Arg His Leu Arg Ser Pro Pro 35 40 45 Ala Gly Cys Phe Phe Leu Ser Leu Leu Leu Ala Gly Leu Leu Thr Gly 50 55 60 Leu Ala Leu Pro Thr Leu Pro Gly Leu Trp Asn Arg Ser His Gln Gly 65 70 75 80 Tyr Trp Ser Cys Leu Leu Leu His Leu Ala Pro Asn Phe Cys Phe Leu 85 90 95 Ser Leu Leu Ala Asn Leu Leu Leu Val His Gly Glu Arg Tyr Met Ala 100 105 110 Val Leu Gln Pro Leu Arg Pro His Gly Ser Val Arg Leu Ala Leu Phe 115 120 125 Leu Thr Trp Ile Ser Ser Leu Leu Phe Ala Ser Leu Pro Ala Leu Gly 130 135 140 Trp Asn His Trp Ser Pro Gly Ala Asn Cys Ser Ser Gln Ala Ile Phe 145 150 155 160 Pro Ala Pro Tyr Leu Tyr Leu Glu Val Tyr Gly Leu Leu Leu Pro Ala 165 170 175 Val Gly Ala Thr Ala Leu Leu Ser Val Arg Val Leu Ala Thr Ala His 180 185 190 His Gln Leu Arg Glu Ile Arg Arg Leu Glu Arg Ala Val Cys Arg Asp 195 200 205 Ala Pro Ser Thr Leu Ala Arg Ala Leu Thr Trp Arg Gln Ala Arg Ala 210 215 220 Gln Ala Gly Ala Thr Leu Leu Phe Leu Leu Cys Trp Gly Pro Tyr Val 225 230 235 240 Ala Thr Leu Leu Leu Ser Val Leu Ala Tyr Glu Arg Arg Pro Pro Leu 245 250 255 Gly Pro Val Thr Leu Leu Ser Leu Ile Ser Leu Gly Ser Ala Ser Ala 260 265 270 Ala Val Val Pro Val Ala Met Gly Leu Gly Asp Gln Arg Tyr Thr Ala 275 280 285 Pro Trp Arg Thr Ala Ala Gln Arg Trp Leu Gln Val Leu Arg Gly Arg 290 295 300 Pro Lys Arg Ala Asn Pro Gly Pro Ser Thr Ala Tyr His Ser Ser Ser 305 310 315 320 Gln Cys Ser Thr Asp Leu Asp Leu Asn 325 <210> 8 <211> 990 <212> DNA <213> Rat <400> 8 atgatgtcac acaacaccac tgagctgtca gccattccca gaggggttca ggagctttcc 60 ctggtcctgg caagcctcat cgtcatcgcc aacctgctcc tggccctagg cattgtcctg 120 gaccgccact tacgcagccc acctgctggc tgcttctttc taagcctact actagctggg 180 ctactcacag ggttggcact gcccacgctg cctgggctat ggaataggag ccatcagggg 240 tactggtcct gcctccttct ccacttggcc cccaactttt gtttcctctc cctgcttgcc 300 aatctgctgc tggtgcatgg ggaacgctac atggcagtgt tgcagccact ccggccccat 360 gggagtgtgc ggctagccct gttcctcacc tggatcagct ccctgctctt tgccagcctg 420 cctgctctgg gctggaacca ctggagtcct ggtgccaact gcagctccca ggctatcttc 480 ccagccccct acctttacct cgaagtctat gggctcctgc tgcccgctgt gggggccact 540 gcccttctct ctgtccgagt gttggccact gcccaccacc agctgcggga gatccgcaga 600 ctggagcggg cggtgtgccg tgatgcaccc tcaaccctag cgagggctct cacctggagg 660 caggctaggg cacaggcagg agccacactg ctctttttgc tgtgttgggg gccctatgtg 720 gccacattgc tcctgtcagt cttggcctat gagcggcggc caccactagg gcctgtaact 780 ctgttatctc tcatctcatt gggcagtgcc agtgctgcag ttgtgcctgt ggccatgggt 840 ctgggtgatc agcgctacac ggccccctgg aggacagctg cccaaaggtg gctacaagtg 900 cttcgaggaa gacccaagag ggccaatcca ggccccagca ctgcctacca ctccagtagc 960 caatgcagca ctgacttgga cttgaattag 990 <210> 9 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer 1 used in Example 5 <400> 9 aaagtcgacc catgatgaca cccaacagca c 31 <210> 10 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer 2 used in Exaple 5 <400> 10 aaaactagtc ctaattcaag tccaggtcaa t 31 <210> 11 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer 3 used in Example 5 <400> 11 aaagtcgacc atgatgtcac aca 23 <210> 12 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer 4 used in Example 5 <400> 12 aaaactagtc ctaattcaag tccaagtcag tgc 33 <210> 13 <211> 990 <212> DNA <213> Bovine <400> 13 atgacatcca acagcaccag ggaggtgccc agccccgttc ctgcaggggc cctggggctc 60 tccctggccc tggcaagcct catcgtcgct gccaacctgc tcctggccgt gggtatcgcc 120 ggggaccgcc gcctgcgcag cccgcccgct ggctgcttct tcctgagtct tctgctggca 180 gggctgctca cggggctggc gctgcccgcg ctgcccgtcc tatggagcca gagccgccgg 240 ggctactggt cctgcctctt cctctacttg gctcccaact tctgcttcct ctccctgctc 300 gccaacctcc tactggtgca cggggagcgc tacatggccg tgctgcggcc cctgcggccc 360 cgtgggagca tgcggctggc cctgctcctc acctgggctg cccccttgct ctttgccagc 420 ctgcctgccc tgggctggaa ccactgggcc cctggtggca actgcagctc ccaggccgtc 480 ttcccagccc cctacctcta cctcgaaatc tatgggctcc tgctgccggc tgtgggcgcg 540 gccgccctcc tctcggtccg cgtgctggtc actgcgcacc gccagctgca ggacatccgc 600 cggctggagc gggccgtgtg ccgcggggcg ccctcggccc tggcccgagc cctcacctgg 660 cggcaggcca gggcgcaggc tggggccacg ttgctctttg ggctgtgctg ggggccctac 720 gtggccaccc tgctgctctc tgtcctggcc tttgagcagc gcccgccact agggcccgga 780 actctgctgt ccctcatctc actgggcagc gccagtgcgg cggccgtgcc cgtggccatg 840 gggctgggtg atcagcgcta tacaggcccc tggagggtgg ccgcccagaa gtggctccgg 900 atgctgcggg gcagaccgca gagcagtcct ggtcccagca ccgcctacca taccagcagc 960 caaagcagcg tggaccttga cttgaactag 990 <210> 14 <211> 329 <212> PRT <213> Bovine <400> 14 Met Thr Ser Asn Ser Thr Arg Glu Val Pro Ser Pro Val Pro Ala Gly 5 10 15 Ala Leu Gly Leu Ser Leu Ala Leu Ala Ser Leu Ile Val Ala Ala Asn 20 25 30 Leu Leu Leu Ala Val Gly Ile Ala Gly Asp Arg Arg Leu Arg Ser Pro 35 40 45 Pro Ala Gly Cys Phe Phe Leu Ser Leu Leu Leu Ala Gly Leu Leu Thr 50 55 60 Gly Leu Ala Leu Pro Ala Leu Pro Val Leu Trp Ser Gln Ser Arg Arg 65 70 75 80 Gly Tyr Trp Ser Cys Leu Phe Leu Tyr Leu Ala Pro Asn Phe Cys Phe 85 90 95 Leu Ser Leu Leu Ala Asn Leu Leu Leu Val His Gly Glu Arg Tyr Met 100 105 110 Ala Val Leu Arg Pro Leu Arg Pro Arg Gly Ser Met Arg Leu Ala Leu 115 120 125 Leu Leu Thr Trp Ala Ala Pro Leu Leu Phe Ala Ser Leu Pro Ala Leu 130 135 140 Gly Trp Asn His Trp Ala Pro Gly Gly Asn Cys Ser Ser Gln Ala Val 145 150 155 160 Phe Pro Ala Pro Tyr Leu Tyr Leu Glu Ile Tyr Gly Leu Leu Leu Pro 165 170 175 Ala Val Gly Ala Ala Ala Leu Leu Ser Val Arg Val Leu Val Thr Ala 180 185 190 His Arg Gln Leu Gln Asp Ile Arg Arg Leu Glu Arg Ala Val Cys Arg 195 200 205 Gly Ala Pro Ser Ala Leu Ala Arg Ala Leu Thr Trp Arg Gln Ala Arg 210 215 220 Ala Gln Ala Gly Ala Thr Leu Leu Phe Gly Leu Cys Trp Gly Pro Tyr 225 230 235 240 Val Ala Thr Leu Leu Leu Ser Val Leu Ala Phe Glu Gln Arg Pro Pro 245 250 255 Leu Gly Pro Gly Thr Leu Leu Ser Leu Ile Ser Leu Gly Ser Ala Ser 260 265 270 Ala Ala Ala Val Pro Val Ala Met Gly Leu Gly Asp Gln Arg Tyr Thr 275 280 285 Gly Pro Trp Arg Val Ala Ala Gln Lys Trp Leu Arg Met Leu Arg Gly 290 295 300 Arg Pro Gln Ser Ser Pro Gly Pro Ser Thr Ala Tyr His Thr Ser Ser 305 310 315 320 Gln Ser Ser Val Asp Leu Asp Leu Asn 325 <210> 15 <211> 993 <212> DNA <213> Rabbit <400> 15 atgacaccca acagcaccgg ggaggtgcct ggccccatcc ccaggggcgc cctggagctg 60 tcactggccc tggcaagcct catcatcgca gccaacctgc tcctggcgct gggcatcgcc 120 tgcgaccgcc gccttcgcag cccaccggcc ggctgcttct tcctgagcct gttgctggcc 180 gggctgctta cggggctggc actgcccact ctgccagggc tctggagaca gagccaccgg 240 ggctattggt cctgcctgct cgtctacttg gctcccaact tctccttcct ctccctgctc 300 gccaacctcc tgctggtgca cggggagcgc tatgtggcgg tgctgcggcc actccagcct 360 ccggggagca tccggctggc cctgctcctc acctggaccg gccccctgct ctttgccagc 420 ctgccggccc tgggctggaa ccactggggc cctgaggcca actgcagctc ccagaccatc 480 ttcccagcgc cctacctcta cctcgaagtc tacgggctcc tgctgccggc cgtgggggcc 540 gcggcccttc tctcggctca cgtgctgctg gccgcccacc gccagctgca ggacatccgc 600 cggctggagc gggccgtgtg ccgcgacgcg ccctccgccc tggcccgggc ccttacctgg 660 aggcaggcgc gggcgcaggc tggagccacg ctgctctttg ggctgtgctg ggggccctat 720 gtggccacgc tgttcctgtc ggtcctggcc tatgagcagc gcccacctct agggcccgga 780 actctgctgt ctctcctctc cctgggcagt gccagcgcgg cggccgtgcc cgtggccatg 840 gggctgggtg atcaccgcta cacagcgccc tggagggcgg ccgcccggag gtggctgcgg 900 gggctgcggg ggagaggctc ccaggctagc cctggcccca gcactgccta ccacaccagc 960 agccaaagca gcgtggacgt ggacttgaac tga 993 <210> 16 <211> 330 <212> PRT <213> Rabbit <400> 16 Met Thr Pro Asn Ser Thr Gly Glu Val Pro Gly Pro Ile Pro Arg Gly 5 10 15 Ala Leu Glu Leu Ser Leu Ala Leu Ala Ser Leu Ile Ile Ala Ala Asn 20 25 30 Leu Leu Leu Ala Leu Gly Ile Ala Cys Asp Arg Arg Leu Arg Ser Pro 35 40 45 Pro Ala Gly Cys Phe Phe Leu Ser Leu Leu Leu Ala Gly Leu Leu Thr 50 55 60 Gly Leu Ala Leu Pro Thr Leu Pro Gly Leu Trp Arg Gln Ser His Arg 65 70 75 80 Gly Tyr Trp Ser Cys Leu Leu Val Tyr Leu Ala Pro Asn Phe Ser Phe 85 90 95 Leu Ser Leu Leu Ala Asn Leu Leu Leu Val His Gly Glu Arg Tyr Val 100 105 110 Ala Val Leu Arg Pro Leu Gln Pro Pro Gly Ser Ile Arg Leu Ala Leu 115 120 125 Leu Leu Thr Trp Thr Gly Pro Leu Leu Phe Ala Ser Leu Pro Ala Leu 130 135 140 Gly Trp Asn His Trp Gly Pro Glu Ala Asn Cys Ser Ser Gln Thr Ile 145 150 155 160 Phe Pro Ala Pro Tyr Leu Tyr Leu Glu Val Tyr Gly Leu Leu Leu Pro 165 170 175 Ala Val Gly Ala Ala Ala Leu Leu Ser Ala His Val Leu Leu Ala Ala 180 185 190 His Arg Gln Leu Gln Asp Ile Arg Arg Leu Glu Arg Ala Val Cys Arg 195 200 205 Asp Ala Pro Ser Ala Leu Ala Arg Ala Leu Thr Trp Arg Gln Ala Arg 210 215 220 Ala Gln Ala Gly Ala Thr Leu Leu Phe Gly Leu Cys Trp Gly Pro Tyr 225 230 235 240 Val Ala Thr Leu Phe Leu Ser Val Leu Ala Tyr Glu Gln Arg Pro Pro 245 250 255 Leu Gly Pro Gly Thr Leu Leu Ser Leu Leu Ser Leu Gly Ser Ala Ser 260 265 270 Ala Ala Ala Val Pro Val Ala Met Gly Leu Gly Asp His Arg Tyr Thr 275 280 285 Ala Pro Trp Arg Ala Ala Ala Arg Arg Trp Leu Arg Gly Leu Arg Gly 290 295 300 Arg Gly Ser Gln Ala Ser Pro Gly Pro Ser Thr Ala Tyr His Thr Ser 305 310 315 320 Ser Gln Ser Ser Val Asp Val Asp Leu Asn 325 330 <210> 17 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> bF Primer <400> 17 gtcgacatga catccaacag caccagggag gtg 33 <210> 18 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> bR Primer <400> 18 gctagcctag ttcaagtcaa ggtccacgct gct 33 <210> 19 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> rabbitF Primer <400> 19 gtcgacatga cacccaacag caccggggag gtg 33 <210> 20 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> rabbitR Primer <400> 20 actagttcag ttcaagtcca cgtccacgct gct 33 <210> 21 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer designed for IL-1 alfa mRNA quantification <400> 21 gaagatgaac ctgtgctgct a 21 <210> 22 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer designed for IL-1 alfa mRNA quantification <400> 22 tcactctcgc tgtctgtgat g 21 <210> 23 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <221> misc_binding <223> Probe designed for IL-1 alfa mRNA quantification, labeled 5'-termi nal with FAM and 3'-terminal with TAMRA <400> 23 aggaaatgcc tgagacaccc agga 24 <210> 24 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer designed for IL-1 beta mRNA quantification <400> 24 gcacgtatga gctgaaagct 20 <210> 25 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer designed for IL-1 beta mRNA quantification <400> 25 actcatggag aacaccactt gt 22 <210> 26 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <221> misc_binding <223> Probe designed for IL-1 beta mRNA quantification, labeled 5'-termi nal with FAM and 3'-terminal with TAMRA <400> 26 tccacctcaa tgcagagaat ctga 24 <210> 27 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer designed for IL-6 mRNA quantification <400> 27 agcatcctgg agaccatcaa g 21 <210> 28 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer designed for IL-6 mRNA quantification <400> 28 cctttctgtt catgcagttg ac 22 <210> 29 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <221> misc_binding <223> Probe designed for IL-6 mRNA quantification, labeled 5'-terminal w ith FAM and 3'-terminal with TAMRA <400> 29 agctgaggaa agagatgtgt gaccatga 28 <210> 30 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer designed for IL-8 mRNA quantification <400> 30 ctctttgtga agctgcagtt ct 22 <210> 31 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer designed for IL-8 mRNA quantification <400> 31 ggtgtggagt gtgtctttat gc 22 <210> 32 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <221> misc_binding <223> Probe designed for IL-8 mRNA quantification, labeled 5'-terminal w ith FAM and 3'-terminal with TAMRA <400> 32 cacggattgg tacagagctt cgatgc 26 <210> 33 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer designed for TNF alfa mRNA quantification <400> 33 tcaccctcag atcagcttct c 21 <210> 34 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer designed for TNF alfa mRNA quantification <400> 34 tggttgtccg tgagcttca 19 <210> 35 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <221> misc_binding <223> Probe designed for TNF alfa mRNA quantification, labeled 5'-termin al with FAM and 3'-terminal with TAMRA <400> 35 cgtagtagca aacccgcaag tgga 24 <210> 36 <211> 125 <212> PRT <213> Human <400> 36 Met Ala Arg Ser Ala Thr Leu Ala Ala Ala Ala Leu Ala Leu Cys Leu 5 10 15 Leu Leu Ala Pro Pro Gly Leu Ala Trp Tyr Lys Pro Ala Ala Gly His 20 25 30 Ser Ser Tyr Ser Val Gly Arg Ala Ala Gly Leu Leu Ser Gly Leu Arg 35 40 45 Arg Ser Pro Tyr Ala Arg Arg Ser Gln Pro Tyr Arg Gly Ala Glu Pro 50 55 60 Pro Gly Gly Ala Gly Ala Ser Pro Glu Leu Gln Leu His Pro Arg Leu 65 70 75 80 Arg Ser Leu Ala Val Cys Val Gln Asp Val Ala Pro Asn Leu Gln Arg 85 90 95 Cys Glu Arg Leu Pro Asp Gly Arg Gly Thr Tyr Gln Cys Lys Ala Asn 100 105 110 Val Phe Leu Ser Leu Arg Ala Ala Asp Cys Leu Ala Ala 115 120 125 <210> 37 <211> 375 <212> DNA <213> Human <400> 37 atggcccggt ccgcgacact ggcggccgcc gccctggcgc tgtgcctgct gctggcgccg 60 cctggcctcg cgtggtacaa gccagcggcg gggcacagct cctactcggt gggccgcgcc 120 gcggggctgc tgtccggcct ccgcaggtcc ccgtacgcgc ggcgctccca gccctacaga 180 ggggcggaac ccccgggcgg ggccggcgcc tccccggagc tgcaactgca ccccaggctg 240 cggagcctcg ctgtgtgcgt ccaggacgtc gccccaaacc tgcagaggtg cgagcggctc 300 cccgacggcc gcgggaccta ccagtgcaag gcgaacgtct tcctgtccct gcgcgcagcc 360 gactgcctcg ccgcc 375 <210> 38 <211> 328 <212> PRT <213> Human <400> 38 Met Asp Asn Ala Ser Phe Ser Glu Pro Trp Pro Ala Asn Ala Ser Gly 1 5 10 15 Pro Asp Pro Ala Leu Ser Cys Ser Asn Ala Ser Thr Leu Ala Pro Leu 20 25 30 Pro Ala Pro Leu Ala Val Ala Val Pro Val Val Tyr Ala Val Ile Cys 35 40 45 Ala Val Gly Leu Ala Gly Asn Ser Ala Val Leu Tyr Val Leu Leu Arg 50 55 60 Ala Pro Arg Met Lys Thr Val Thr Asn Leu Phe Ile Leu Asn Leu Ala 65 70 75 80 Ile Ala Asp Glu Leu Phe Thr Leu Val Leu Pro Ile Asn Ile Ala Asp 85 90 95 Phe Leu Leu Arg Gln Trp Pro Phe Gly Glu Leu Met Cys Lys Leu Ile 100 105 110 Val Ala Ile Asp Gln Tyr Asn Thr Phe Ser Ser Leu Tyr Phe Leu Thr 115 120 125 Val Met Ser Ala Asp Arg Tyr Leu Val Val Leu Ala Thr Ala Glu Ser 130 135 140 Arg Arg Val Ala Gly Arg Thr Tyr Ser Ala Ala Arg Ala Val Ser Leu 145 150 155 160 Ala Val Trp Gly Ile Val Thr Leu Val Val Leu Pro Phe Ala Val Phe 165 170 175 Ala Arg Leu Asp Asp Glu Gln Gly Arg Arg Gln Cys Val Leu Val Phe 180 185 190 Pro Gln Pro Glu Ala Phe Trp Trp Arg Ala Ser Arg Leu Tyr Thr Leu 195 200 205 Val Leu Gly Phe Ala Ile Pro Val Ser Thr Ile Cys Val Leu Tyr Thr 210 215 220 Thr Leu Leu Cys Arg Leu His Ala Met Arg Leu Asp Ser His Ala Lys 225 230 235 240 Ala Leu Glu Arg Ala Lys Lys Arg Val Thr Phe Leu Val Val Ala Ile 245 250 255 Leu Ala Val Cys Leu Leu Cys Trp Thr Pro Tyr His Leu Ser Thr Val 260 265 270 Val Ala Leu Thr Thr Asp Leu Pro Gln Thr Pro Leu Val Ile Ala Ile 275 280 285 Ser Tyr Phe Ile Thr Ser Leu Ser Tyr Ala Asn Ser Cys Leu Asn Pro 290 295 300 Phe Leu Tyr Ala Phe Leu Asp Ala Ser Phe Arg Arg Asn Leu Arg Gln 305 310 315 320 Leu Ile Thr Cys Arg Ala Ala Ala 325 <210> 39 <211> 1000 <212> DNA <213> Human <400> 39 atcgatatgg acaacgcctc gttctcggag ccctggcccg ccaacgcatc gggcccggac 60 ccggcgctga gctgctccaa cgcgtcgact ctggcgccgc tgccggcgcc gctggcggtg 120 gctgtaccag ttgtctacgc ggtgatctgc gccgtgggtc tggcgggcaa ctccgccgtg 180 ctgtacgtgt tgctgcgggc gccccgcatg aagaccgtca ccaacctgtt catcctcaac 240 ctggccatcg ccgacgagct cttcacgctg gtgctgccca tcaacatcgc cgacttcctg 300 ctgcggcagt ggcccttcgg ggagctcatg tgcaagctca tcgtggctat cgaccagtac 360 aacaccttct ccagcctcta cttcctcacc gtcatgagcg ccgaccgcta cctggtggtg 420 ttggccactg cggagtcgcg ccgggtggcc ggccgcacct acagcgccgc gcgcgcggtg 480 agcctggccg tgtgggggat cgtcacactc gtcgtgctgc ccttcgcagt cttcgcccgg 540 ctagacgacg agcagggccg gcgccagtgc gtgctagtct ttccgcagcc cgaggccttc 600 tggtggcgcg cgagccgcct ctacacgctc gtgctgggct tcgccatccc cgtgtccacc 660 atctgtgtcc tctataccac cctgctgtgc cggctgcatg ccatgcggct ggacagccac 720 gccaaggccc tggagcgcgc caagaagcgg gtgaccttcc tggtggtggc aatcctggcg 780 gtgtgcctcc tctgctggac gccctaccac ctgagcaccg tggtggcgct caccaccgac 840 ctcccgcaga cgccgctggt catcgctatc tcctacttca tcaccagcct gagctacgcc 900 aacagctgcc tcaacccctt cctctacgcc ttcctggacg ccagcttccg caggaacctc 960 cgccagctga taacttgccg cgcggcagcc tgacactagt 1000 <210> 40 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 40 gtcgacatgg cccggtccgc gacactggcg gcc 33 <210> 41 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 41 gctagcagcg gtgccaggag aggtccgggc tca 33 <210> 42 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 42 atcgatatgg acaacgcctc gttctcggag cc 32 <210> 43 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 43 actagtgtca ggctgccgcg cggcaagtta tc 32
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得られたTGR5をコードするcD
NAの塩基配列およびそれから推定されるアミノ酸配列
(一文字表記)を示す。
【図2】参考例1で得られたTGR5をコードするcD
NAの塩基配列およびそれから推定されるアミノ酸配列
(一文字表記)を示す(図1に続く)。
【図3】参考例1で得られたTGR5をコードするcD
NAの塩基配列およびそれから推定されるアミノ酸配列
(一文字表記)を示す(図2に続く)。
【図4】参考例1で得られたTGR5をコードするcD
NAの塩基配列およびそれから推定されるアミノ酸配列
(一文字表記)を示す(図3に続く)。
【図5】TGR5の疎水性プロット図である。
【図6】TGR5発現ベクターを導入したHEK293
細胞(A)およびもとのベクターのみを導入したHEK
293細胞(B)における、コレステロール代謝関連物
質による活性の検出(n=2)の結果を示す。
【図7】HEK293細胞におけるリガンド刺激に対す
るレポーター遺伝子の発現誘導の結果を示す。
【図8】Giを用いたTGR5のリトコール酸に対する
反応の結果を示す。
【図9】ヒト(B)、ウサギ(C)、ウシ(D)、マウ
ス(E)およびラット(F)型TGR5の胆汁酸刺激に
よるレポーター遺伝子の発現量上昇。胆汁酸はすべて1
0μMとなるように培地に添加した。Aはコントロール
(プラスミドのみ)を示す。
【図10】ウサギ肺胞マクロファージの貪食活性に対す
るTLCA(100μM)の抑制効果。n=3の平均
値。**,p<0.01で有意。
【図11】ウサギ肺胞マクロファージにおける、リポ多
糖(LPS)で誘導された腫瘍壊死因子(TNF)αの
分泌に対するTLCA(50μM)の抑制効果。n=3
の平均値。**,p<0.01で有意。
【図12】ウサギ肺胞マクロファージに対するTLCA
による各種のサイトカインのmRNA発現抑制作用を示
す。A:TNFα;B:IL−1α;C:IL−1β;
D:IL−6;E:IL−8のサイトカインの場合を表
す。
【図13】THP−TGR5における、リポ多糖(LP
S)で誘導された腫瘍壊死因子(TNF)αの分泌およ
びmRNA発現量に対するTLCA(100μM)の抑
制効果。分泌量:n=3の平均値。**,p<0.01
で有意。mRNA発現量:n=2の平均値。
【図14】CHO細胞に発現させたTGR5−GFP融
合タンパク質の局在を示す。図中の白線は4μmを示
す。
【図15】TGR5−GFPを発現させたCHO細胞に
TLCAを添加して30分後の融合タンパク質の局在を
示す。図中の白線は4μmを示す。
【図16】TLCAによるCHO−TGR5でのMAP
キナーゼ活性化の検出を表す。
【図17】CHO−TGR5におけるTLCA、LC
A、DCA、CDCA、CAのcAMP産生上昇活性を
表す。n=3の平均値。グラフ中の構造式は胆汁酸を示
す。
【図18】各種胆汁酸関連化合物(2μM)によるCH
O−TGR5におけるcAMP産生上昇活性の比較を示
す。n=3の平均値。TTNPBは(E)−[(テトラ
ヒドロテトラメチルナフタレニル)プロピル]ベンゾイ
ックアシッドの略称を表す。
【図19】ヒト各組織でのTGR5 mRNA発現分布
を示す。
【図20】ヒト血球でのTGR5 mRNA発現分布を
示す。
【図21】ウサギTGR5 mRNAの発現分布を示
す。
【図22】TLCAによるウサギ肺胞マクロファージの
cAMP産生上昇を示す。n=3の平均値。**,p<
0.01で有意。
【図23】ウサギ肺胞マクロファージの貪食活性におよ
ぼす各種胆汁酸の抑制効果を表す。n=3の平均値。*
*,p<0.01で有意。
【図24】ウサギ肺胞マクロファージからのTNFα分
泌に対する胆汁酸の抑制効果を表す。n=3の平均値。
**,p<0.01で有意。
【図25】胆汁酸添加によるTHP−TGR5細胞での
cAMP産生上昇を示す。n=3の平均値。**,p<
0.01で有意。
【図26】LPSで刺激されたTHP−TGR5からの
腫瘍壊死因子(TNF)α分泌に対する各種胆汁酸の抑
制効果を表す。n=3の平均値。**,p<0.01で
有意。
【図27】LPSで刺激されたTHP−1からの腫瘍壊
死因子(TNF)α分泌に対する各種胆汁酸の影響を表
す。n=3の平均値。
【図28】ヒト型GPR7リガンド前駆体HのDNA配
列を示す。
【図29】ヒト型GPR7リガンド前駆体Hのアミノ酸
配列を示す。
【図30】リガンド発現ベクターpAK-S64および空の発
現ベクター(pAKKO-111H)を発現させたCHO細胞の培養
上清を、GPR7 cDNAを挿入した発現プラスミド
を一過性に発現させたCHO細胞の培地にホルスコリン
(FSK)とともに添加し、リガンド刺激によるルシフ
ェラーゼ活性の抑制を検出した結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61K 48/00 4C084 48/00 A61P 3/06 4C085 A61P 3/06 29/00 4C086 29/00 31/00 4H045 31/00 37/02 37/02 37/06 37/06 C07K 14/705 C07K 14/705 16/28 16/28 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/02 15/09 ZNA G01N 33/15 Z C12P 21/02 A61K 37/02 C12Q 1/02 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/15 5/00 A (31)優先権主張番号 特願2001−397767(P2001−397767) (32)優先日 平成13年12月27日(2001.12.27) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2002−45728(P2002−45728) (32)優先日 平成14年2月22日(2002.2.22) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 川俣 裕二 茨城県つくば市松代4丁目22番地 松代4 丁目団地2号棟203号 (72)発明者 三輪 真敬 茨城県つくば市松代3丁目12番地1 武田 松代レジデンス513号 (72)発明者 細谷 昌樹 茨城県土浦市板谷1丁目711番地の83 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA36 FB03 FB07 4B024 AA01 AA11 BA44 BA63 CA04 CA07 CA11 DA02 DA05 DA11 EA02 EA03 EA04 FA02 FA06 GA01 GA11 HA01 HA11 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ05 QQ13 QR33 QR48 QR60 QR74 QR80 QS05 QS15 QS36 QX02 4B064 AG20 AG27 CA01 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA90X AA93Y AB01 AB02 BA01 BA08 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA02 AA13 AA16 CA18 CA32 NA14 ZB07 ZB08 ZB11 ZB31 ZC33 4C085 AA13 AA14 CC21 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA01 NA14 ZB07 ZB08 ZB11 ZB31 ZC33 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA50 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (73)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)配列番号:1で表されるアミノ酸
    配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
    するGタンパク質共役型レセプタータンパク質または該
    レセプタータンパク質の部分ペプチドまたはその塩およ
    び(2)コレステロール代謝関連物質を用いることを特
    徴とする該レセプタータンパク質またはその塩とコレス
    テロール代謝関連物質との結合性を変化させる化合物ま
    たはその塩のスクリーニング方法。
  2. 【請求項2】 配列番号:5で表されるアミノ酸配列を
    含有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質また
    は該レセプタータンパク質の部分ペプチドまたはその塩
    を用いる請求項1記載のスクリーニング方法。
  3. 【請求項3】 配列番号:7で表されるアミノ酸配列を
    含有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質また
    は該レセプタータンパク質の部分ペプチドまたはその塩
    を用いる請求項1記載のスクリーニング方法。
  4. 【請求項4】 配列番号:14で表されるアミノ酸配列
    を含有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質ま
    たは該レセプタータンパク質の部分ペプチドまたはその
    塩を用いる請求項1記載のスクリーニング方法。
  5. 【請求項5】 配列番号:16で表されるアミノ酸配列
    を含有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質ま
    たは該レセプタータンパク質の部分ペプチドまたはその
    塩を用いる請求項1記載のスクリーニング方法。
  6. 【請求項6】 (1)配列番号:1で表されるアミノ酸
    配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
    するGタンパク質共役型レセプタータンパク質または該
    レセプタータンパク質の部分ペプチドまたはその塩およ
    び(2)コレステロール代謝関連物質を含有することを
    特徴とする該レセプタータンパク質またはその塩とコレ
    ステロール代謝関連物質との結合性を変化させる化合物
    またはその塩のスクリーニング用キット。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のスクリーニング方法また
    は請求項6記載のスクリーニング用キットを用いて得ら
    れうるコレステロール代謝関連物質と配列番号:1で表
    わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータ
    ンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物ま
    たはその塩。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の化合物またはその塩を含
    有してなる医薬。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のスクリーニング方法また
    は請求項6記載のスクリーニング用キットを用いて得ら
    れうる、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一
    もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタン
    パク質共役型レセプタータンパク質またはその塩に対す
    るアゴニストを含有してなる炎症性疾患または移植医療
    後の過剰免疫反応の予防および/または治療剤。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項6記載のスクリーニング用キットを用いて得
    られうる、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同
    一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタ
    ンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩に対
    するアンタゴニストを含有してなる免疫不全または感染
    症の予防および/または治療剤。
  11. 【請求項11】 哺乳動物に対して、請求項1記載のス
    クリーニング方法または請求項6記載のスクリーニング
    用キットを用いて得られうる、配列番号:1で表わされ
    るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
    配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータンパク
    質またはその塩に対するアゴニストの有効量を投与する
    ことを特徴とする炎症性疾患または移植医療後の過剰免
    疫反応の予防および/または治療方法。
  12. 【請求項12】 哺乳動物に対して、請求項1記載のス
    クリーニング方法または請求項6記載のスクリーニング
    用キットを用いて得られうる、配列番号:1で表わされ
    るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
    配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータンパク
    質またはその塩に対するアンタゴニストの有効量を投与
    することを特徴とする免疫不全または感染症の予防およ
    び/または治療方法。
  13. 【請求項13】 炎症性疾患または移植医療後の過剰免
    疫反応の予防および/または治療剤を製造するための、
    請求項1記載のスクリーニング方法または請求項6記載
    のスクリーニング用キットを用いて得られうる、配列番
    号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
    に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レ
    セプタータンパク質またはその塩に対するアゴニストの
    使用。
  14. 【請求項14】 免疫不全または感染症の予防および/
    または治療剤を製造するための、請求項1記載のスクリ
    ーニング方法または請求項6記載のスクリーニング用キ
    ットを用いて得られうる、配列番号:1で表わされるア
    ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
    を含有するGタンパク質共役型レセプタータンパク質ま
    たはその塩に対するアンタゴニストの使用。
  15. 【請求項15】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配
    列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
    るGタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその
    塩の発現量を増加する化合物またはその塩を含有してな
    る炎症性疾患または移植医療後の過剰免疫反応の予防お
    よび/または治療剤。
  16. 【請求項16】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配
    列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
    るGタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその
    塩の発現量を減少させる化合物またはその塩を含有して
    なる免疫不全または感染症の予防および/または治療
    剤。
  17. 【請求項17】 哺乳動物に対して、配列番号:1で表
    わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータ
    ンパク質またはその塩の発現量を増加する化合物または
    その塩の有効量を投与することを特徴とする炎症性疾患
    または移植医療後の過剰免疫反応の予防および/または
    治療方法。
  18. 【請求項18】 哺乳動物に対して、配列番号:1で表
    わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータ
    ンパク質またはその塩の発現量を減少させる化合物また
    はその塩の有効量を投与することを特徴とする免疫不全
    または感染症の予防および/または治療方法。
  19. 【請求項19】 炎症性疾患または移植医療後の過剰免
    疫反応の予防および/または治療剤を製造するための配
    列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実
    質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク質共役
    型レセプタータンパク質またはその塩の発現量を増加す
    る化合物またはその塩の使用。
  20. 【請求項20】 免疫不全または感染症の予防および/
    または治療剤を製造するための配列番号:1で表わされ
    るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
    配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータンパク
    質またはその塩の発現量を減少させる化合物またはその
    塩の使用。
  21. 【請求項21】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配
    列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
    るGタンパク質共役型レセプタータンパク質、その部分
    ペプチドまたはその塩を含有してなる炎症性疾患または
    移植医療後の過剰免疫反応の予防および/または治療
    剤。
  22. 【請求項22】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配
    列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
    るGタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその
    部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する
    ポリヌクレオチドを含有してなる炎症性疾患または移植
    医療後の過剰免疫反応の予防および/または治療剤。
  23. 【請求項23】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配
    列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
    るGタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその
    部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する
    ポリヌクレオチドを含有してなる中枢疾患、炎症性疾
    患、循環器疾患、癌、呼吸器疾患、糖尿病、免疫系疾
    患、肝臓・胆のう疾患、消化管疾患、感染症、肥満また
    は移植医療後の過剰免疫反応の診断薬。
  24. 【請求項24】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配
    列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
    るGタンパク質共役型レセプタータンパク質、その部分
    ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる免疫
    不全または感染症の予防および/または治療剤。
  25. 【請求項25】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配
    列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
    るGタンパク質共役型レセプタータンパク質、その部分
    ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる中枢
    疾患、炎症性疾患、循環器疾患、癌、呼吸器疾患、糖尿
    病、免疫系疾患、肝臓・胆のう疾患、消化管疾患、感染
    症、肥満または移植医療後の過剰免疫反応の診断薬。
  26. 【請求項26】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配
    列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
    るGタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその
    部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する
    ポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を
    含有してなるアンチセンスポリヌクレオチドを含有して
    なる免疫不全または感染症の予防および/または治療
    剤。
  27. 【請求項27】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配
    列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
    るGタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその
    部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する
    ポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を
    含有してなるアンチセンスポリヌクレオチドを含有して
    なる中枢疾患、炎症性疾患、循環器疾患、癌、呼吸器疾
    患、糖尿病、免疫系疾患、肝臓・胆のう疾患、消化管疾
    患、感染症、肥満または移植医療後の過剰免疫反応の診
    断薬。
  28. 【請求項28】 哺乳動物に対して、配列番号:1で表
    わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータ
    ンパク質、その部分ペプチドまたはその塩の有効量を投
    与することを特徴とする炎症性疾患または移植医療後の
    過剰免疫反応の予防および/または治療方法。
  29. 【請求項29】 哺乳動物に対して、配列番号:1で表
    わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータ
    ンパク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌク
    レオチドを含有するポリヌクレオチドの有効量を投与す
    ることを特徴とする炎症性疾患または移植医療後の過剰
    免疫反応の予防および/または治療方法。
  30. 【請求項30】 哺乳動物に対して、配列番号:1で表
    わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータ
    ンパク質、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体
    の有効量を投与することを特徴とする免疫不全または感
    染症の予防および/または治療方法。
  31. 【請求項31】 哺乳動物に対して、配列番号:1で表
    わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータ
    ンパク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌク
    レオチドを含有するポリヌクレオチドと相補的な塩基配
    列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌク
    レオチドの有効量を投与することを特徴とする免疫不全
    または感染症の予防および/または治療方法。
  32. 【請求項32】 炎症性疾患または移植医療後の過剰免
    疫反応の予防および/または治療剤を製造するための、
    配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは
    実質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク質共
    役型レセプタータンパク質、その部分ペプチドまたはそ
    の塩の使用。
  33. 【請求項33】 炎症性疾患または移植医療後の過剰免
    疫反応の予防および/または治療剤を製造するための、
    配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは
    実質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタンパク質共
    役型レセプタータンパク質またはその部分ペプチドをコ
    ードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド
    の使用。
  34. 【請求項34】 免疫不全または感染症の予防および/
    または治療剤を製造するための、配列番号:1で表わさ
    れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
    酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータンパ
    ク質、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体の使
    用。
  35. 【請求項35】 免疫不全または感染症の予防および/
    または治療剤を製造するための、配列番号:1で表わさ
    れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
    酸配列を含有するGタンパク質共役型レセプタータンパ
    ク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオ
    チドを含有するポリヌクレオチドと相補的な塩基配列ま
    たはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオ
    チドの使用。
  36. 【請求項36】 配列番号:5、配列番号:7、配列番
    号14または配列番号:16で表わされるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列(但し、配
    列番号:1で表されるアミノ酸配列を除く)を含有する
    ことを特徴とするGタンパク質共役型レセプタータンパ
    ク質またはその塩。
  37. 【請求項37】 請求項36記載のGタンパク質共役型
    レセプタータンパク質の部分ペプチドまたはその塩。
  38. 【請求項38】 請求項36記載のGタンパク質共役型
    レセプタータンパク質または請求項37記載の部分ペプ
    チドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌク
    レオチド。
  39. 【請求項39】 DNAである請求項38記載のポリヌ
    クレオチド。
  40. 【請求項40】 配列番号:6、配列番号:8、配列番
    号:13または配列番号:15で表される塩基配列を有
    する請求項38記載のポリヌクレオチド。
  41. 【請求項41】 請求項38記載のポリヌクレオチドを
    含有する組換えベクター。
  42. 【請求項42】 請求項41記載の組換えベクターで形
    質転換させた形質転換体。
  43. 【請求項43】 請求項42記載の形質転換体を培養
    し、請求項36記載のGタンパク質共役型レセプタータ
    ンパク質を生成せしめることを特徴とする請求項36記
    載のGタンパク質共役型レセプタータンパク質またはそ
    の塩の製造法。
  44. 【請求項44】 請求項36記載のGタンパク質共役型
    レセプタータンパク質もしくは請求項37記載の部分ペ
    プチドまたはその塩に対する抗体。
  45. 【請求項45】 請求項36記載のGタンパク質共役型
    レセプタータンパク質のシグナル伝達を不活性化する中
    和抗体である請求項44記載の抗体。
  46. 【請求項46】 請求項44記載の抗体を含有してなる
    診断薬。
  47. 【請求項47】 中枢疾患、炎症性疾患、循環器疾患、
    癌、呼吸器疾患、糖尿病、免疫系疾患、肝臓・胆のう疾
    患、消化管疾患、感染症、肥満または移植医療後の過剰
    免疫反応の診断薬である請求項46記載の診断薬。
  48. 【請求項48】 請求項44記載の抗体を含有してなる
    医薬。
  49. 【請求項49】 免疫不全または感染症の予防および/
    または治療剤である請求項48記載の医薬。
  50. 【請求項50】 請求項36記載のGタンパク質共役型
    レセプタータンパク質、その部分ペプチドまたはその塩
    を含有してなる医薬。
  51. 【請求項51】 炎症性疾患または移植医療後の過剰免
    疫反応の予防および/または治療剤である請求項50記
    載の医薬。
  52. 【請求項52】 請求項38記載のポリヌクレオチドを
    含有してなる医薬。
  53. 【請求項53】 炎症性疾患または移植医療後の過剰免
    疫反応の予防および/または治療剤である請求項52記
    載の医薬。
  54. 【請求項54】請求項38記載のポリヌクレオチドを含
    有してなる診断剤。
  55. 【請求項55】 中枢疾患、炎症性疾患、循環器疾患、
    癌、呼吸器疾患、糖尿病、免疫系疾患、肝臓・胆のう疾
    患、消化管疾患、感染症、肥満または移植医療後の過剰
    免疫反応の診断薬である請求項54記載の診断薬。
  56. 【請求項56】 請求項38記載のポリヌクレオチドと
    相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチ
    センスポリヌクレオチド。
  57. 【請求項57】 請求項56記載のアンチセンスポリヌ
    クレオチドを含有してなる医薬。
  58. 【請求項58】 免疫不全または感染症の予防および/
    または治療剤である請求項57記載の医薬。
  59. 【請求項59】 請求項56記載のアンチセンスポリヌ
    クレオチドを含有してなる診断剤。
  60. 【請求項60】 中枢疾患、炎症性疾患、循環器疾患、
    癌、呼吸器疾患、糖尿病、免疫系疾患、肝臓・胆のう疾
    患、消化管疾患、感染症、肥満または移植医療後の過剰
    免疫反応の診断薬である請求項59記載の診断薬。
  61. 【請求項61】 リガンドが決定されていないレセプタ
    ータンパク質を発現し、かつ、cAMPレスポンスエレ
    メント/プロモーターの下流にレポータータンパク質を
    コードするDNAを連結したプラスミドを含有する動物
    細胞に、試験化合物を添加し、レポータータンパク質の
    活性を測定することを特徴とする該レセプタータンパク
    質に対するリガンドの決定方法。
  62. 【請求項62】 (1)リガンドが決定されていないレ
    セプタータンパク質をコードするDNAを含有するプラ
    スミドおよび(2)cAMPレスポンスエレメント/プ
    ロモーターの下流にレポータータンパク質をコードする
    DNAを連結したプラスミドを含有する動物細胞を培養
    し、試験化合物を添加してレポータータンパク質の活性
    を測定することを特徴とする請求項61記載の方法。
  63. 【請求項63】 レセプタータンパク質がGタンパク質
    共役型レセプタータンパク質である請求項61または請
    求項62記載の方法。
  64. 【請求項64】 Gタンパク質共役型レセプタータンパ
    ク質が、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:14
    または配列番号:16で表わされるアミノ酸配列と同一
    もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するGタン
    パク質共役型レセプタータンパク質である請求項63記
    載の方法。
  65. 【請求項65】 プロモーターがTATA様配列である
    請求項61または請求項62記載の方法。
  66. 【請求項66】 レポータータンパク質がルシフェラー
    ゼである請求項61または請求項62記載の方法。
  67. 【請求項67】 プラスミドがcAMPレスポンスエレ
    メントの下流にTATA様プロモーターおよびレポータ
    ータンパク質をコードする遺伝子を連結したものである
    請求項61または請求項62記載の方法。
  68. 【請求項68】 動物細胞が、リガンドが決定されてい
    ない2種類以上のレセプタータンパク質を発現している
    請求項61または請求項62記載の方法。
  69. 【請求項69】 細胞が抑制性Gタンパク質αサブユニ
    ットGiをコードする遺伝子を含有するプラスミドを含
    む請求項61または請求項62記載の方法。
  70. 【請求項70】 さらにフォルスコリンを添加する請求
    項61または請求項62記載の方法。
  71. 【請求項71】 2種類以上のレセプタータンパク質が
    類似の特徴を有することを特徴とする請求項68記載の
    方法。
  72. 【請求項72】 類似の特徴がレポータータンパク質の
    基礎発現量および(または)フォルスコリン添加時のレ
    ポータータンパク質の発現量である請求項71記載の方
    法。
  73. 【請求項73】 予め2種類以上のレセプタータンパク
    質をそれぞれ単独で発現させた時のレポータータンパク
    質の基礎発現量および(または)フォルスコリン添加時
    のレポータータンパク質の発現量を測定し、該レポータ
    ータンパク質の発現量が同程度である2種類以上のレセ
    プタータンパク質を組み合わせて発現させることを特徴
    とする請求項68記載の方法。
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