JP2003314397A - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁

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JP2003314397A
JP2003314397A JP2002120823A JP2002120823A JP2003314397A JP 2003314397 A JP2003314397 A JP 2003314397A JP 2002120823 A JP2002120823 A JP 2002120823A JP 2002120823 A JP2002120823 A JP 2002120823A JP 2003314397 A JP2003314397 A JP 2003314397A
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pressure
hydraulic chamber
valve
piston
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Genichi Murakami
元一 村上
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射弁の噴射時期に誤差が生じることを
防止する。 【解決手段】 ピエゾアクチュエータ303により1次
ピストン303aを変位させ、この1次ピストンの変位
を油圧室301内の油を介して2次ピストン300aに
伝達することにより、1次ピストンの変位を増幅して2
次ピストンに伝達し、2次ピストンにより制御弁300
を作動させて燃料噴射を行う。噴射終了後油圧室からリ
ークした油量を低圧燃料通路213から油圧室に向う燃
料の流れのみを許容する逆止弁を介して油圧室に充填す
る際に、逆止弁の開弁差圧が2次ピストンの変位が大き
いほど大きくなるように設定することにより、油圧室に
油が過度に充填されることを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料噴射弁に関
し、詳細にはニードル弁体に作用する燃料油圧力を制御
することにより、燃料噴射制御を行う高圧燃料噴射弁に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種の燃料噴射弁の例としては、例え
ば特開平11−166653号公報に記載されたものが
ある。
【0003】同公報の燃料噴射弁は、ピエゾアクチュエ
ータにより駆動される第1のピストンと、この第1のピ
ストンと油圧室を介して対向する第2のピストンとを備
えており、ピエゾアクチュエータにより第1のピストン
を押動し、第1のピストンにより油圧室内の燃料油を介
して第2のピストンを押動し、第2のピストンを変位さ
せることにより燃料噴射を行う構造とされている。
【0004】このように、油圧室内の燃料油を介して第
1のピストンの変位を第2のピストンに伝達することに
より、第1と第2のピストンの断面積の比に応じて第1
のピストンの変位を増幅して第2のピストンに伝達する
ことが可能となり、比較的変位量の少ないピエゾアクチ
ュエータを用いた場合でも充分に大きな第2のピストン
の変位を得ることが可能となる。
【0005】このように、油圧室内の燃料油を介してピ
ストンの変位を伝達する場合には、変位伝達時に油圧室
内の燃料油は第1のピストンにより圧縮され一時的に高
圧になり、ピストンの外周の摺動部などから油圧室外に
リークする問題がある。このため、燃料噴射を繰返すと
次第に油圧室内の燃料油量が減少し、第1のピストンの
作動初期の圧力が低下してしまうようになり、第2のピ
ストンが変位を開始する時期、すなわち燃料噴射開始時
期が遅延する問題が生じる。
【0006】上記特開平11−166653号公報の燃
料噴射弁では、油圧室を低圧燃料の流れる低圧燃料通路
に連通する連通路を設け、この連通路に低圧燃料通路か
ら油圧室に向う燃料の流れのみを許容する逆止弁を設け
ることにより上記問題を解決している。
【0007】すなわち、第2のピストンを押動し燃料噴
射を行った後、ピエゾアクチュエータへの電圧の印加を
停止すると第1のピストンは復帰スプリングに押動され
逆方向に(第2のピストンから遠ざかる方向に)移動す
る。この、第1のピストンの逆方向の変位も油圧室内の
燃料油を介して第2のピストンに伝達され、第2のピス
トンも逆方向(第1のピストンに近づく方向)に変位す
る。このとき、油圧室内の圧力はわずかに低下するため
逆止弁が開弁し、低圧燃料通路から油圧室内に燃料が流
入するようになる。このため、燃料噴射時にリークによ
り油圧室外に流出した分の燃料油が燃料噴射後のピスト
ン復帰動作中に補充され、油圧室内の油量が一定に維持
されるようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、特開
平11−166653号公報の燃料噴射弁では油圧室内
の燃料油が燃料噴射動作毎に油圧室外に流出して油圧室
の容積が次第に減少することは防止できるものの、逆に
逆止弁を介して必要以上に油圧室内に燃料油が流入して
しまい、油圧室内の油量が増大してしまう場合が生じ
る。例えば、第2のピストンはハウジング内に設けたボ
ア内を摺動するが、ピストンとボアとのクリアランスは
リークを少なくするために比較的小さく設定されてお
り、ピストンとボアとの摺動抵抗が比較的大きくなって
いる場合がある。
【0009】燃料噴射動作時には逆止弁は閉弁している
ため第1のピストンの変位により油圧室内には大きな圧
力が発生する。このため、第2のピストンの摺動抵抗が
多少大きくても燃料噴射時の第2のピストンの動作には
影響は生じない。しかし、燃料噴射終了後の復帰時に
は、第2のピストンの摺動抵抗が大きいと第1のピスト
ンが逆方向に変位しても油圧室内の圧力がある程度低下
しないと第2のピストンの復帰動作が開始されなくな
る。このため、摺動抵抗が大きい場合は第2のピストン
が第1のピストンの動作に追従して復帰動作を開始する
前に油圧室内の圧力が大きく低下して逆止弁が開弁して
しまう場合が生じる。このように、第2のピストンが完
全に元の位置まで復帰する前に燃料油が流入すると、次
第に油圧室内の油量が増大してしまい、第1のピストン
の変位開始時の油圧室内初期圧が次第に上昇し、第2の
ピストンの変位開始時期が早くなってしまい、燃料噴射
時期に誤差が生じる問題がある。
【0010】本発明は上記従来技術の問題に鑑み、油圧
室内の燃料油を介して第1のピストンの変位を第2のピ
ストンに伝達することにより燃料噴射を行う燃料噴射弁
において、燃料噴射動作を繰返しても燃料噴射時期に誤
差を生じない燃料噴射弁を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、ハウジングと、該ハウジング内に形成された高
圧燃料通路と、前記ハウジングに開口するとともに前記
高圧燃料通路に接続される燃料噴射孔と、前記ハウジン
グ内に形成され前記高圧燃料通路に連通する制御室内の
燃料油圧を受けて前記燃料噴射孔を閉鎖するニードル弁
体と、前記制御室をハウジング内の低圧燃料通路に接続
し制御室内の油圧を低下させることにより前記ニードル
弁体を前記燃料噴射孔を開放する方向に移動させて前記
燃料噴射孔から高圧燃料通路内の燃料を噴射させる制御
弁と、該制御弁を押動し前記制御室を前記低圧燃料通路
に接続させる2次ピストンと、前記ハウジング内の前記
2次ピストンの一端に面して形成された油圧室と、該油
圧室に一端が面して配置された1次ピストンと、該1次
ピストンを油圧室側に押動する駆動部とを備え、前記駆
動部により前記1次ピストンを押動、変位させ、該変位
を油圧室内の燃料油を介して前記2次ピストンに伝達
し、前記2次ピストンを前記制御弁を押動する方向に変
位させることにより燃料噴射を行う燃料噴射弁であっ
て、前記油圧室と前記低圧燃料通路とを連通する連通路
と、該連通路に設けられ前記油圧室内圧力が前記低圧燃
料通路圧力に対して所定の開弁差圧以上低くなったとき
に開弁して前記低圧燃料通路内の燃料を前記油圧室内に
補充する逆止弁を備え、前記逆止弁の前記開弁差圧を前
記2次ピストンの前記変位に応じて増大させるようにし
たことを特徴とする燃料噴射弁が提供される。
【0012】すなわち、請求項1の発明では油圧室に燃
料を補充する逆止弁の開弁差圧は2次ピストンの変位が
大きいほど大きくなるように設定されている。このた
め、燃料噴射後の復帰動作中2次ピストンの変位が大き
い状態では逆止弁の開弁差圧が大きくなり、油圧室内の
圧力が比較的大きく低下しても逆止弁は開弁しない。
【0013】このため、2次ピストンの摺動抵抗が大き
く1次ピストンの復帰動作に対する追従が遅れ、一時的
に油圧室内の圧力が低下した場合でも油圧室内に燃料油
が流入しない。一方、逆止弁の開弁差圧は2次ピストン
の変位が小さくなるにつれて減少するため、2次ピスト
ンが元の位置に復帰後も燃料油のリークにより油圧室内
の圧力が低下している場合には逆止弁はわずかな圧力差
で開弁して適量の燃料油が油圧室内に補充される。この
ため、本発明では、燃料噴射動作を繰返した場合でも油
圧室内の燃料油量は適切に維持され、燃料噴射開始時期
が変動することが防止される。
【0014】請求項2に記載の発明によれば、ハウジン
グと、該ハウジング内に形成された高圧燃料通路と、前
記ハウジングに開口するとともに前記高圧燃料通路に接
続される燃料噴射孔と、前記ハウジング内に形成され前
記高圧燃料通路に連通する制御室内の燃料油圧を受けて
前記燃料噴射孔を閉鎖するニードル弁体と、前記制御室
をハウジング内の低圧燃料通路に接続し制御室内の油圧
を低下させることにより前記ニードル弁体を前記燃料噴
射孔を開放する方向に移動させて前記燃料噴射孔から高
圧燃料通路内の燃料を噴射させる制御弁と、該制御弁を
押動し前記制御室を前記低圧燃料通路に接続させる2次
ピストンと、前記ハウジング内の前記2次ピストンの一
端に面して形成された油圧室と、該油圧室に一端が面し
て配置された1次ピストンと、該1次ピストンを油圧室
側に押動する駆動部とを備え、前記駆動部により前記1
次ピストンを押動、変位させ、該変位を油圧室内の燃料
油を介して前記2次ピストンに伝達し、前記2次ピスト
ンを前記制御弁を押動する方向に変位させることにより
燃料噴射を行う燃料噴射弁であって、前記油圧室と前記
低圧燃料通路とを連通する連通路と、該連通路に設けら
れ前記油圧室内圧力が前記低圧燃料通路圧力より低くな
ったときに開弁して前記低圧燃料通路内の燃料を前記油
圧室内に補充する逆止弁と、前記1次ピストンが前記油
圧室から遠ざかる方向に変位するときに前記油圧室容積
が所定の最大値に到達したときに前記1次ピストンと前
記2次ピストンとを機械的に連結し、前記油圧室容積が
前記最大値を越えることを防止するストッパ手段と、を
備えたことを特徴とする、燃料噴射弁が提供される。
【0015】すなわち、請求項2の発明では1次ピスト
ンと2次ピストンとを機械的に連結して油圧室の容積が
最大値を超えることを防止するストッパ手段が設けられ
ている。このため、摺動抵抗により2次ピストンの復帰
動作が遅れた場合でも油圧室容積が所定の最大値に到達
すると2次ピストンが1次ピストンに機械的に連結さ
れ、1次ピストンにより2次ピストンが強制的に復帰さ
せられるようになり、油圧室容積は最大値を越えること
がない。これにより、油圧室内の圧力が大きく低下して
逆止弁が開弁することが防止されるため、油圧室内の油
量が増減することが防止され燃料噴射を繰返した場合で
も燃料噴射開始時期が変動することが防止される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。図1、図2は、本発明が適
用されるディーゼル機関用燃料噴射弁10の一般的な構
造と作動原理とを説明する断面図であり、図1は燃料噴
射停止中の状態を、図2は燃料噴射時の状態を示してい
る。
【0017】図1において、101はほぼ円筒形状の燃
料噴射弁ハウジング、103はハウジング1先端に設け
られた燃料噴射孔、105はニードル弁体を示す。ハウ
ジング101内には、図示しない高圧燃料系から高圧の
燃料が供給される高圧燃料通路123が形成されてい
る。またハウジング101内のニードルガイド部105
aの下部周囲には噴射室107が、またニードルガイド
部105aの上部には制御室109が、それぞれ形成さ
れている。
【0018】高圧燃料通路123は、噴射室107と制
御室109との両方に接続されており、燃料噴射弁の閉
弁時(燃料噴射停止時)には、噴射室107と制御室1
09内の圧力は共に高圧燃料通路123内の圧力と等し
くなる。この状態では、制御室109に面するニードル
ガイド部105aの上部面積と、噴射室107に面する
ニードルガイド部105aの下部面積との差によりニー
ドルガイド部105aは燃料圧力により図1の下方向に
押圧されている。
【0019】また、制御室109内にはニードルガイド
部105a上部を燃料噴射孔103方向に押圧するスプ
リング111が設けられており、上述した燃料圧力によ
り生じる押圧力とスプリング111の付勢力とにより、
ニードル弁体105の先端部は燃料噴射孔103周囲の
ノズルシート部に押圧されて燃料噴射孔103を閉塞し
ている。
【0020】従って、制御室109内と油圧室107内
の圧力とが等しい場合にはニードル弁体105は閉弁位
置に移動、保持されるとともに、燃料噴射孔103を通
じてニードル弁体105に作用する気筒内燃焼圧力によ
りニードル弁体105が開弁方向に移動してしまい誤噴
射が生じることが防止される。
【0021】また、ハウジング101内には、制御室1
09と油圧制御通路201を介して接続されるリーク室
130が設けられている。リーク室130は、リーク通
路117を介して低圧燃料通路213に接続されている
他、燃料供給通路203を介して高圧燃料通路123に
接続されている。
【0022】図1に300で示すのは、リーク室130
とリーク通路117、及びリーク室130と燃料供給通
路203とを互いに排他的に接続する制御弁である。制
御弁300は円筒状の2次ピストン300aを備えてお
り、2次ピストン300a上部には油圧室301が形成
されている。また、油圧室301には2次ピストン部分
300aに対向してピエゾアクチュエータ303に接続
された1次ピストン303aが配置されている。また、
油圧室301内には1次ピストンをピエゾアクチュエー
タ303に向けて押圧するスプリング305が設けられ
ている。
【0023】図2は、図1のピエゾアクチュエータ30
3に電圧を印加した状態(燃料噴射中の状態)を示して
いる。ピエゾアクチュエータ303に電圧を印加する
と、ピエゾアクチュエータ303は伸張し1次ピストン
303aは図2に示すように下方に変位する。このピス
トン303aの変位は油圧室301内の燃料油を介して
制御弁300上部の2次ピストン300aに伝えられ
る。すなわち、1次ピストン303aがピエゾアクチュ
エータ303により下方に変位すると、制御弁300は
1次ピストン303aの変位にピストン305と制御弁
300上部の2次ピストン部300aとの断面積の比を
を乗じた変位量だけ下方に変位する。
【0024】従って、ピエゾアクチュエータ303に電
圧を印加すると、ピエゾアクチュエータ303の変位は
増幅されて2次ピストン300aに伝達され、制御弁3
00は図1下方に比較的大きく変位し、リーク室130
とリーク通路117とを連通させるとともに、リーク室
130を燃料供給通路203から遮断する。
【0025】これにより、ニードルガイド部105a上
部の制御室109内の燃料油が油圧制御通路201を通
り、リーク室130からリーク通路117を通って低圧
燃料通路213に流出するため制御室109内の圧力が
噴射室107内の圧力より低下し、ニードル105は噴
射室107内の燃料圧力に押動され図2に示すように上
方に移動する。このため、燃料噴射孔103が開放され
噴射室107内の高圧の燃料が噴射孔103から噴射さ
れる。すなわち、ピエゾアクチュエータ303に電圧が
印加されると燃料噴射弁10からは燃料が噴射される。
【0026】一方、ピエゾアクチュエータ303への電
圧の印加が停止されると、ピエゾアクチュエータ303
は収縮し、ピエゾアクチュエータに接続された1次ピス
トン303aはスプリング305に押動され上方に変位
する。この1次ピストン303aの変位は油圧室301
内の燃料を介して2次ピストン300aに伝達され、制
御弁300は上方に変位し、リーク室130と燃料供給
通路203とを連通させるとともに、リーク室130を
リーク通路117から遮断する。これにより、リーク室
130は燃料供給通路203を介して高圧燃料通路12
3に連通し、圧力が上昇する。一旦リーク通路117が
制御弁300により遮断されると、リーク室130内の
圧力により制御弁300は上方に向けて押圧され、リー
ク通路117の遮断がより確実になる。
【0027】リーク通路117が遮断されると、制御室
109内の圧力は高圧燃料通路123から流入する燃料
により上昇し、ニードル105は制御室109内圧によ
り下方に押動され、図1に示す閉弁位置に移動し、その
位置に保持される。すなわち、ピエゾアクチュエータ3
03への電圧の印加が停止すると、燃料噴射弁10から
の燃料噴射は停止する。
【0028】上述のように、燃料噴射弁10からの燃料
噴射の開始及び停止は、ピエゾアクチュエータ303に
接続された1次ピストンと制御弁300に接続された2
次ピストンとが油圧室301内の燃料油を介して協働す
ることにより行われる。なお、ピエゾアクチュエータ3
03を直接に制御弁300に接続しないで、1次ピスト
ン303a、油圧室301、2次ピストン300aを介
してピエゾアクチュエータ303から制御弁300を駆
動しているのは、次の二つの理由による。
【0029】まず、第1にピエゾアクチュエータ303
の電圧印加による伸張量は比較的小さいため、直接ピエ
ゾアクチュエータ303で制御弁300を駆動すると制
御弁300の充分な変位を得ることができない。このた
め、本実施形態では、断面積の異なる1次ピストン30
3a(断面積大)と2次ピストン300a(断面積小)
とを油圧室301内の燃料油を介して協働させることに
より、ピエゾアクチュエータ303の変位を増幅して制
御弁300の充分に大きな変位を得るようにしているの
である。
【0030】第2に、制御弁300はリーク室130を
燃料供給通路203に接続し、かつリーク通路117か
ら遮断する噴射停止位置(図1)とリーク室130を燃
料供給通路203から遮断し、かつリーク通路117に
接続する噴射位置(図2)との2つの位置をとる必要が
ある。このため、直接ピエゾアクチュエータ303を接
続した場合には、接続部材の長さは制御弁300が上記
2つの位置をとることができるように極めて高精度に設
定する必要がある。また、燃料噴射弁10は使用時に高
温に曝されるため、仮に上記接続部材長さを高精度に設
定したとしても、使用時の接続部材の熱膨張のために制
御弁300の作動に誤差が生じる可能性がある。このた
め、本実施形態ではピエゾアクチュエータ303と制御
弁300とは直接に接続することなく、油圧室301内
の燃料油を介して接続するようにしているのである。
【0031】ところで、油圧室301は、油圧室からの
燃料油の出入りが全くない完全な密閉状態に維持されて
いれば油圧室内の油量(1次ピストンと2次ピストンと
の間の油量)は一定に維持されるが、実際にはピエゾア
クチュエータ303通電時には油圧室内の燃料油は1次
ピストン303aにより一時的に加圧され高圧になる。
このため、燃料噴射毎に少量の燃料油が1次ピストンや
2次ピストン300aとハウジングとの摺動部からリー
ク室130にリークし、燃料噴射を繰返すと油圧室内の
油量は徐々に減少する。油圧室内の油量が減少すると、
ピエゾアクチュエータ303の通電停止時の油圧室内圧
もそれに応じて低下するため、ピエゾアクチュエータ通
電開始時の油圧室内初期圧力も低下するようになり、ア
クチュエータに通電開始後制御弁130が燃料噴射位置
(図2)に移動を開始するタイミングが徐々に遅れるよ
うになり、通電開始から実際の燃料噴射開始までの遅れ
時間が増大するようになる。
【0032】これを防止するために、例えば前述の特開
平11−210582号公報166653号公報の燃料
噴射弁では、油圧室を低圧燃料の流れる低圧燃料通路に
連通する連通路を設け、この連通路に低圧燃料通路から
油圧室に向う燃料の流れのみを許容する逆止弁を設け、
燃料噴射動作時に油圧室から流出する油量を逆止弁を介
して補充するようにしている。
【0033】ところが、前述したようにこのような逆止
弁を設けて油圧室への油の補充を行うと、2次ピストン
の摺動抵抗が大きい場合には逆に油圧室に補充される油
量が油圧室からリークする油量より大きくなり、油圧室
に油が過充填されてしまう場合が生じる。
【0034】油圧室に油が過充填されると、ピエゾアク
チュエータの通電停止時の油圧室内圧がそれに応じて増
大し、アクチュエータ通電開始時の油圧室初期内圧が上
昇するようになる。このため、油圧室に油が過充填され
るとアクチュエータに通電開始後制御弁が燃料噴射位置
に移動を開始するタイミングが徐々に早くなり、通電開
始から実際の燃料噴射開始までの時間が短くなり、燃料
噴射タイミングに誤差を生じるようになる問題がある。
【0035】本実施形態では、上記従来技術と同様に逆
止弁を用いて油圧室に油を補充するものの、逆止弁の開
弁差圧を2次ピストンの変位に応じて変化させることに
より上記問題を解決している。
【0036】図3は、本実施形態の燃料噴射弁の油圧室
301近傍の詳細構造を示す拡大図である。図3におい
て、図1と同じ参照符号は同様な要素を示している。図
3に示すように、本実施形態では2次ピストン300a
の周囲のハウジング101部分には環状の連通路314
が形成されており、この環状連通路314は連通路31
3を介して低圧燃料通路213(図1参照)に接続され
ている。また、環状連通路314の上縁部は油圧室30
1に開口しており、油圧室301は環状連通路314及
び連通路313を介して低圧燃料通路213に接続され
ている。図3に符号315でその全体を示すのは環状連
通路314の油圧室301への開口部分に配置された逆
止弁である。
【0037】逆止弁315は、環状連通路314の油圧
室への開口部分を閉鎖し、油圧室301と低圧燃料通路
213との連通を遮断する環状の弁体315bを備えて
いる。また、本実施形態では2次ピストン300aの油
圧室側端部は油圧室301内に突出したフランジ部31
0aが形成されており、逆止弁315の弁体315aは
2次ピストン300aの周囲に嵌装されている。また、
フランジ部310aと弁体315aとの間には圧縮スプ
リング315bが設けられており、フランジ部310a
に対して弁体315aを下方、すなわち弁体315aが
環状連通路314の開口を閉鎖する方向に押圧してい
る。
【0038】本実施形態においても、燃料噴射動作時に
は油圧室301内の油は1次ピストン303aにより加
圧され一時的に高圧になる。この状態では、逆止弁31
5の弁体315aは油圧室内の油圧とスプリング315
bとにより環状連通路314の開口に押圧されているた
め、油圧室301から環状連通路314には油のリーク
は生じないが、1次ピストンとハウジングとの間の摺動
部などから油圧室外にリークする油が存在するため油圧
室内の油量は燃料噴射毎に減少する。
【0039】燃料噴射が停止すると1次ピストンの復帰
動作に伴い油圧室内の油圧が低下するが、この油圧低下
により環状連通路314内の油圧(低圧燃料通路213
内の油圧)と油圧室内の油圧との差が押圧スプリング3
15bの押圧力に相当する差圧より大きくなると弁体3
15aはスプリング315bの押圧力に抗して環状連通
路314の開口を開放し、環状連通路314(低圧燃料
通路213)から油圧室内に燃料油が補充される。すな
わち、本実施形態においても逆止弁315により油圧室
301にリーク分の油量が補充される。
【0040】しかし、本実施形態では逆止弁315の開
弁差圧を決定するスプリング315bは弁体315aと
2次ピストン300aのフランジ310aとの間で圧縮
されているため、2次ピストン300aの下方への変位
量が大きいほどスプリング315bの圧縮量は大きくな
り、逆止弁315の開弁差圧が大きくなる。
【0041】このため、燃料噴射終了後に摺動抵抗のた
めに2次ピストン300aの噴射停止位置への復帰が遅
れた場合、すなわち燃料噴射後に2次ピストン300a
の変位の低下が遅れた場合には、逆止弁315の開弁差
圧は大きい値に保持される。従って本実施形態では、2
次ピストン300aの噴射停止位置への復帰が遅れた場
合には逆止弁315は開弁せず、2次ピストン300a
が噴射停止位置に復帰して逆止弁の開弁差圧が低下した
ときに初めて逆止弁が開弁するようになる。すなわち、
本実施形態によれば、燃料噴射終了時に油圧室に燃料油
が過充填されることが防止され、燃料噴射を繰返した場
合でも、燃料噴射開始時期の変動が生じない。
【0042】次に、図4を用いて本発明の第2の実施形
態について説明する。本実施形態では、逆止弁の開弁差
圧を2次ピストンの変位に応じて変化させる代りに、油
圧室301の容積が所定の最大値を越えることがないよ
うに1次ピストンと2次ピストンとを連動させる点が図
3の実施形態と相違している。
【0043】なお、図4においても図1、図3と同じ参
照符号は同様な要素を示している。図4の実施形態で
は、油圧室301は1次ピストン303a内に形成され
た連通路319を介して低圧燃料通路213に接続され
ている。また、逆止弁315の弁体315aを連通路3
19の油圧室への開口に押圧するスプリング315bは
弁体と油圧室301の底面との間に配置されているた
め、逆止弁315の開弁差圧は2次ピストン300aの
変位によっては変化しない。
【0044】本実施形態では、2次ピストン300a上
面には棒状のストッパ部材321が設けられている。ス
トッパ部材321は1次ピストン303aの中央に設け
られた連通路319に挿通されており、その端部には1
次ピストン303a内の連通路319に形成された係止
部303bに係合するフランジ321aが設けられてい
る。
【0045】図4に示すように、1次ピストン303a
と2次ピストン300aとが完全に噴射停止位置に復帰
した状態では、1次ピストン303aの係止部303b
とストッパ部材321のフランジ321aとの間には軸
線方向に寸法dの隙間が生じている。例えば、燃料噴射
終了後に摺動抵抗により2次ピストン300aの噴射停
止位置への復帰が遅れた場合には、1次ピストン303
aと2次ピストン300aとの距離が大きくなり油圧室
の容積が増大する。そして、その結果油圧室内の圧力が
低下して逆止弁315が開弁するようになり、連通路3
19から油圧室内に油が流入し油圧室に油が充填される
ようになる。この場合、1次ピストン303aと2次ピ
ストン300aとの距離が大きくなるほど油圧室内の圧
力の低下も大きくなり逆止弁315が開弁しやすくな
る。
【0046】しかし、本実施形態では1次ピストンと2
次ピストンとの距離が図4の状態からdだけ増大すると
ストッパ部材321のフランジ321aと1次ピストン
303aの係止部303bとが係合するため、それ以上
1次ピストンと2次ピストンとの間隔が大きくなること
がない。すなわち、本実施形態では摺動抵抗により2次
ピストンの復帰が遅れた場合でも、ストッパ部材321
により2次ピストン300aは強制的に復帰させられる
ようになり油圧室の容積は所定の最大容積を越えること
がない。このため、2次ピストンの復帰が遅れた場合で
も油圧室の圧力が大きく低下することがないため、逆止
弁315が開弁して必要以上に油圧室に油が充填される
ことが防止される。
【0047】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、1次ピ
ストンの変位を油圧を介して2次ピストンに伝達するこ
とにより燃料噴射を行う燃料噴射弁において、燃料噴射
動作を繰返すことにより燃料噴射時期に誤差が生じるこ
とを防止可能とする共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料噴射弁の一般的な構成と作動原理
とを説明する図である。
【図2】本発明の燃料噴射弁の一般的な構成と作動原理
とを説明する図である。
【図3】本発明の燃料噴射弁の構成の一実施形態を説明
する断面図である。
【図4】本発明の燃料噴射弁の構成の別の実施形態を説
明する断面図である。
【符号の説明】
10…燃料噴射弁 101…ハウジング 103…燃料噴射孔 105…ニードル 123…高圧燃料通路 130…リーク室 213…低圧燃料通路 300…制御弁 300a…2次ピストン 303…ピエゾアクチュエータ 303a…1次ピストン 310…油圧室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、該ハウジング内に形成さ
    れた高圧燃料通路と、前記ハウジングに開口するととも
    に前記高圧燃料通路に接続される燃料噴射孔と、前記ハ
    ウジング内に形成され前記高圧燃料通路に連通する制御
    室内の燃料油圧を受けて前記燃料噴射孔を閉鎖するニー
    ドル弁体と、前記制御室をハウジング内の低圧燃料通路
    に接続し制御室内の油圧を低下させることにより前記ニ
    ードル弁体を前記燃料噴射孔を開放する方向に移動させ
    て前記燃料噴射孔から高圧燃料通路内の燃料を噴射させ
    る制御弁と、該制御弁を押動し前記制御室を前記低圧燃
    料通路に接続させる2次ピストンと、 前記ハウジング内の前記2次ピストンの一端に面して形
    成された油圧室と、該油圧室に一端が面して配置された
    1次ピストンと、該1次ピストンを油圧室側に押動する
    駆動部とを備え、 前記駆動部により前記1次ピストンを押動、変位させ、
    該変位を油圧室内の燃料油を介して前記2次ピストンに
    伝達し、前記2次ピストンを前記制御弁を押動する方向
    に変位させることにより燃料噴射を行う燃料噴射弁であ
    って、 前記油圧室と前記低圧燃料通路とを連通する連通路と、
    該連通路に設けられ前記油圧室内圧力が前記低圧燃料通
    路圧力に対して所定の開弁差圧以上低くなったときに開
    弁して前記低圧燃料通路内の燃料を前記油圧室内に補充
    する逆止弁を備え、前記逆止弁の前記開弁差圧を前記2
    次ピストンの前記変位に応じて増大させるようにしたこ
    とを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 ハウジングと、該ハウジング内に形成さ
    れた高圧燃料通路と、前記ハウジングに開口するととも
    に前記高圧燃料通路に接続される燃料噴射孔と、前記ハ
    ウジング内に形成され前記高圧燃料通路に連通する制御
    室内の燃料油圧を受けて前記燃料噴射孔を閉鎖するニー
    ドル弁体と、前記制御室をハウジング内の低圧燃料通路
    に接続し制御室内の油圧を低下させることにより前記ニ
    ードル弁体を前記燃料噴射孔を開放する方向に移動させ
    て前記燃料噴射孔から高圧燃料通路内の燃料を噴射させ
    る制御弁と、該制御弁を押動し前記制御室を前記低圧燃
    料通路に接続させる2次ピストンと、 前記ハウジング内の前記2次ピストンの一端に面して形
    成された油圧室と、該油圧室に一端が面して配置された
    1次ピストンと、該1次ピストンを油圧室側に押動する
    駆動部とを備え、 前記駆動部により前記1次ピストンを押動、変位させ、
    該変位を油圧室内の燃料油を介して前記2次ピストンに
    伝達し、前記2次ピストンを前記制御弁を押動する方向
    に変位させることにより燃料噴射を行う燃料噴射弁であ
    って、 前記油圧室と前記低圧燃料通路とを連通する連通路と、
    該連通路に設けられ前記油圧室内圧力が前記低圧燃料通
    路圧力より低くなったときに開弁して前記低圧燃料通路
    内の燃料を前記油圧室内に補充する逆止弁と、前記1次
    ピストンが前記油圧室から遠ざかる方向に変位するとき
    に前記油圧室容積が所定の最大値に到達したときに前記
    1次ピストンと前記2次ピストンとを機械的に連結し、
    前記油圧室容積が前記最大値を越えることを防止するス
    トッパ手段と、を備えたことを特徴とする、燃料噴射
    弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009528480A (ja) * 2006-03-03 2009-08-06 ガンサー−ハイドロマグ アーゲー 内燃機関用燃料噴射バルブ
JP2019078214A (ja) * 2017-10-24 2019-05-23 株式会社デンソー 燃料噴射制御装置

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