JP2003311950A - インクジェット式記録装置及びインクジェット式記録方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置及びインクジェット式記録方法

Info

Publication number
JP2003311950A
JP2003311950A JP2002126039A JP2002126039A JP2003311950A JP 2003311950 A JP2003311950 A JP 2003311950A JP 2002126039 A JP2002126039 A JP 2002126039A JP 2002126039 A JP2002126039 A JP 2002126039A JP 2003311950 A JP2003311950 A JP 2003311950A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric field
chamber
ejection
ink
ink jet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002126039A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3950004B2 (ja
Inventor
Akihito Sakata
明史 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SII Printek Inc
Original Assignee
SII Printek Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SII Printek Inc filed Critical SII Printek Inc
Priority to JP2002126039A priority Critical patent/JP3950004B2/ja
Publication of JP2003311950A publication Critical patent/JP2003311950A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3950004B2 publication Critical patent/JP3950004B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各ノズル開口から吐出されるインクの吐出特
性を安定させることができるインクジェット記録装置及
びインクジェット式記録方法を提供する。 【解決手段】 インクを吐出させる所定のチャンバ28
b以外のその他のチャンバでインクを吐出可能な少なく
とも一つの待機チャンバ28eの少なくとも一方の側壁
29d、29eに、予備駆動電界に対応して当該予備駆
動電界と同一方向で発生され且つ当該予備駆動電界より
も発生期間の短い非吐出予備駆動電界を少なくとも含む
待機駆動電界を発生させる待機駆動信号を、インク滴を
吐出させるための駆動電界を発生させる駆動信号と共に
出力して、インク滴を吐出する直前の各チャンバの状態
を均一に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、プリン
タ、ファックスなどに適用されるインクジェット式記録
装置及びインクジェット式記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクを吐出する複数のノズ
ルを有するインクジェットヘッドを用いて被記録媒体に
文字や画像を記録するインクジェット式記録装置が知ら
れている。かかるインクジェット式記録装置では、イン
クジェットヘッドのノズルが被記録媒体に対向するよう
にヘッドホルダに設けられ、このヘッドホルダはキャリ
ッジに搭載され被記録媒体の搬送方向とは直交する方向
に走査されるようになっている。
【0003】このようなインクジェットヘッドのヘッド
チップの一例の分解概略を図13に、また、要部断面を
図14に示す。
【0004】図13及び図14に示すように、圧電セラ
ミックプレート101には、複数のチャンバ102が並
設され、各チャンバ102は、側壁103で分離されて
いる。各チャンバ102の長手方向一端部は圧電セラミ
ックプレート101の一端面まで延設されており、他端
部は、他端面までは延びておらず、深さが徐々に浅くな
っている。このような各チャンバ102内の両側壁10
3の開口側表面には、長手方向に亘って、駆動電界印加
用の電極105が形成されている。
【0005】また、圧電セラミックプレート101のチ
ャンバ102の開口側には、カバープレート107が接
着剤109を介して接合されている。このカバープレー
ト107には、各チャンバ102の浅くなった他端部と
連通する凹部となる共通インク室111と、この共通イ
ンク室111の底部からチャンバ102とは反対方向に
貫通するインク供給口112とを有する。
【0006】さらに、圧電セラミックプレート101と
カバープレート107との接合体のチャンバ102が開
口している端面には、ノズルプレート115が接合され
ており、ノズルプレート115の各チャンバ102に対
向する位置にはノズル開口117が形成されている。
【0007】なお、圧電セラミックプレート101のノ
ズルプレート115とは反対側でカバープレート107
とは反対側の面には、配線基板120が固着されてい
る。配線基板120には、各電極105とボンディング
ワイヤ121等で接続された配線122が形成され、こ
の配線122を介して電極105に駆動電圧を印加でき
るようになっている。
【0008】このように構成されるヘッドチップでは、
インク供給口112から各チャンバ102内にインクを
充填し、所定のチャンバ102の両側の側壁103に電
極105を介して所定の駆動電界を作用させると、側壁
103が撓み変形してチャンバ102内の容積が一時的
に変化し、これにより、チャンバ102内のインクがノ
ズル開口117から吐出する。
【0009】例えば、図15に示すように、チャンバ1
02aに対応するノズル開口117からインクを吐出す
る場合には、そのチャンバ102a内の電極105a、
105bに正の駆動電圧を印加すると共にそれぞれに対
向する電極105c、105dを接地するようにする。
これにより、側壁103a、103bにはチャンバ10
2aに向かう方向の駆動電界が作用し、これが圧電セラ
ミックプレート101の分極方向と直交すれば、圧電厚
みすべり効果により側壁103a、103bがチャンバ
102a方向に撓み変形し、チャンバ102a内の容積
が減少してインクに対する圧力が増加し、ノズル開口1
17からインクが吐出する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のインクジェット式記録装置に搭載されるインク
ジェットヘッドでは、チャンバの並び方向の位置、イン
ク滴の吐出数、あるいはインク滴の吐出頻度等の吐出率
の違いによって、各インク滴の吐出量、吐出スピード等
の吐出特性にばらつきが生じてしまうという問題があ
る。
【0011】例えば、インクジェットヘッドの端部側に
配置されたチャンバと、その他の位置に配置されたチャ
ンバとでは、インク滴の吐出スピードに差が生じるとい
う問題がある。また、所定のチャンバに連通するノズル
開口から複数のインク滴を連続的に吐出する場合と、待
機状態のチャンバに連通するノズル開口からインク滴を
単発的に吐出する場合とでは、インク滴の吐出スピード
に差が生じてしまうという問題がある。さらに、全ノズ
ル開口からインク滴を吐出する場合と、所定のノズル開
口から単発的にインク滴を吐出する場合とでは、インク
滴の吐出量に差が生じてしまうという問題がある。
【0012】また、このような問題は、低温環境下、す
なわち、インクの粘度が比較的高いと特に発生しやす
い。
【0013】本発明は、このような事情に鑑み、各ノズ
ル開口から吐出されるインクの吐出特性を安定させるこ
とができるインクジェット記録装置及びインクジェット
式記録方法を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、圧電セラミックプレートにノズル開
口に連通し且つインクの充填されたチャンバを複数並設
すると共に各チャンバの両側の側壁に電極が設けられた
インクジェットヘッドを具備し、前記電極を介して前記
側壁に前記チャンバ内の容積を一時的に増大させる予備
駆動電界と当該予備駆動電界に連続し前記チャンバ内の
容積を一時的に減少させる吐出駆動電界とからなる駆動
電界を発生させることでインクを吐出させるインクジェ
ット式記録装置において、インクを吐出させる所定のチ
ャンバ以外のその他のチャンバでインクを吐出可能な少
なくとも一つの待機チャンバの少なくとも一方の側壁
に、前記予備駆動電界に対応して当該予備駆動電界と同
一方向で発生され且つ当該予備駆動電界よりも発生期間
の短い非吐出予備駆動電界を少なくとも含む待機駆動電
界を発生させる待機駆動信号を、前記駆動電界を発生さ
せる駆動信号と共に出力する駆動手段を具備することを
特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0015】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記非吐出予備駆動電界のピークが、前記予備駆動
電界のピークと略同一であることを特徴とするインクジ
ェット式記録装置にある。
【0016】本発明の第3の態様は、第1又は2の態様
において、前記予備駆動電界の発生期間をxとし、前記
予備駆動電界と前記吐出駆動電界との間隔をyとしたと
きに、前記吐出駆動電界の発生期間が2x−yで表され
る長さであることを特徴とするインクジェット式記録装
置にある。
【0017】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記非吐出予備駆動電界の発生期間
が、前記予備駆動電界の発生期間の1/2以下であるこ
とを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0018】本発明の第5の態様は、第4の態様におい
て、前記非吐出予備駆動電界の発生期間が、前記予備駆
動電界の発生期間の1/10以下であることを特徴とす
るインクジェット式記録装置にある。
【0019】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様において、前記待機駆動電界が、前記吐出駆動電
界に対応して当該吐出駆動電界と同一方向で発生される
非吐出駆動電界を含むことを特徴とするインクジェット
式記録装置にある。
【0020】本発明の第7の態様は、第1〜6の何れか
の態様において、前記待機駆動電界は、インクを吐出す
る直前の待機チャンバに対応して発生させることを特徴
とするインクジェット式記録装置にある。
【0021】本発明の第8の態様は、第1〜6の何れか
の態様において、前記待機駆動電界は、全ての待機チャ
ンバに対応して発生させることを特徴とするインクジェ
ット式記録装置にある。
【0022】本発明の第9の態様は、第1〜8の何れか
の態様において、前記待機駆動電界は、前記待機チャン
バの両方の側壁に対応して発生させることを特徴とする
インクジェット式記録装置にある。
【0023】本発明の第10の態様は、第1〜9の何れ
かの態様において、前記待機駆動電界は、前記待機チャ
ンバの一方の側壁のみに対応して発生させることを特徴
とするインクジェット式記録装置にある。
【0024】本発明の第11の態様は、第1〜10の何
れかの態様において、前記電極の全てが、前記駆動信号
又は前記待機駆動信号が独立して出力される個別電極で
あることを特徴とするインクジェット式記録装置にあ
る。
【0025】本発明の第12の態様は、第1〜10の何
れかの態様において、前記チャンバ内の相対向する一対
の電極が、前記駆動信号又は前記待機駆動信号が出力さ
れる一対の個別電極であることを特徴とするインクジェ
ット式記録装置にある。
【0026】本発明の第13の態様は、第1〜10の何
れかの態様において、前記チャンバのそれぞれの間に、
前記インクの充填されないダミーチャンバが設けられ該
ダミーチャンバ内の側壁に前記電極が設けられているこ
とを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0027】本発明の第14の態様は、圧電セラミック
プレートにノズル開口に連通し且つインクの充填された
チャンバを複数並設すると共に各チャンバの両側の側壁
に電極が設けられたインクジェットヘッドを具備し、前
記電極を介して前記側壁に前記チャンバ内の容積を一時
的に増大させる予備駆動電界と当該予備駆動電界に連続
し前記チャンバ内の容積を一時的に減少させる吐出駆動
電界とからなる駆動電界を発生させることでインクを吐
出させるインクジェット式記録方法において、インクを
吐出させる所定のチャンバ以外のその他のチャンバでイ
ンクを吐出可能な少なくとも一つの待機チャンバの少な
くとも一方の側壁に、前記予備駆動電界に対応して当該
予備駆動電界と同一方向で発生され且つ当該予備駆動電
界よりも発生期間の短い非吐出予備駆動電界を少なくと
も含む待機駆動電界を発生させる待機駆動信号を、前記
駆動電界を発生させる駆動信号と共に出力することを特
徴とするインクジェット式記録方法にある。
【0028】本発明の第15の態様は、第14の態様に
おいて、前記非吐出予備駆動電界のピークが、前記予備
駆動電界のピークと略同一であることを特徴とするイン
クジェット式記録方法にある。
【0029】本発明の第16の態様は、第14又は15
の態様において、前記予備駆動電界の発生期間をxと
し、前記予備駆動電界と前記吐出駆動電界との間隔をy
としたときに、前記吐出駆動電界の発生期間が2x−y
で表される長さとすることを特徴とするインクジェット
式記録方法にある。
【0030】本発明の第17の態様は、第14〜16の
何れかの態様において、前記非吐出予備駆動電界の発生
期間が、前記予備駆動電界の発生期間の1/2以下であ
ることを特徴とするインクジェット式記録方法にある。
【0031】本発明の第18の態様は、第17の態様に
おいて、前記非吐出予備駆動電界の発生期間が、前記予
備駆動電界の発生期間の1/10以下であることを特徴
とするインクジェット式記録方法にある。
【0032】本発明の第19の態様は、第14〜18の
何れかの態様において、前記非吐出駆動電界が、前記吐
出駆動電界に対応して当該吐出駆動電界と同一方向で発
生される非吐出駆動電界を含むことを特徴とするインク
ジェット式記録方法にある。
【0033】本発明の第20の態様は、第14〜19の
何れかの態様において、前記非吐出駆動電界は、インク
を吐出する直前の待機チャンバに対応して発生させるこ
とを特徴とするインクジェット式記録方法にある。
【0034】本発明の第21の態様は、第14〜19の
何れかの態様において、前記非吐出駆動電界は、全ての
待機チャンバに対応して発生させることを特徴とするイ
ンクジェット式記録方法にある。
【0035】本発明の第22の態様は、第14〜21の
何れかの態様において、前記非吐出駆動電界を、前記待
機チャンバの両方の側壁に対応して発生させることを特
徴とするインクジェット式記録方法にある。
【0036】本発明の第23の態様は、第14〜21の
何れかの態様において、前記非吐出駆動電界を、前記待
機チャンバの片側の側壁のみに対応して発生させること
を特徴とするインクジェット式記録方法にある。
【0037】かかる本発明では、インクを吐出させない
待機チャンバの側壁に待機駆動電界を発生させること
で、インクを吐出させる直前のチャンバの状態を常に一
定の状態に維持できるため、各ノズル開口から吐出され
るインクの吐出特性が安定する。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0039】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係るインクジェット式記録装置の概略図である。
【0040】図1に示すように、本実施形態のインクジ
ェット式記録装置10は、ヘッドが走査されるシリアル
方式のインクジェット式記録装置であり、インクを吐出
させるインクジェットヘッド20が設けられたヘッドユ
ニット100を具備する。このヘッドユニット100は
キャリッジ11上に固定されており、キャリッジ11は
一対のガイドレール12a、12b上に軸方向に移動自
在に搭載されている。
【0041】また、ガイドレール12a、12bの一端
側には駆動モータ13が設けられており、この駆動モー
タ13による駆動力が、当該駆動モータ13に連結され
たプーリ14aと、ガイドレール12a、12bの他端
側に設けられたプーリ14bとの間に掛け渡されたタイ
ミングベルト15に沿って移動されるようになってい
る。
【0042】さらに、キャリッジ11の搬送方向と直交
する方向の両端部側には、ガイドレール12a、12b
に沿ってそれぞれ一対の搬送ローラ16、17が設けら
れている。これらの搬送ローラ16、17は、キャリッ
ジ11の下方に当該キャリッジ11の搬送方向とは直交
する方向に被記録媒体Sを搬送するものである。
【0043】そして、これら搬送ローラ16、17によ
って被記録媒体Sを送りつつキャリッジ11をその送り
方向とは直交方向に走査することにより、インクジェッ
トヘッド20によって被記録媒体S上に文字及び画像等
が記録される。
【0044】ここで、インクを吐出させるインクジェッ
トヘッドの一例について説明する。なお、図2は、本発
明の実施形態1に係るインクジェットヘッドの分解斜視
図であり、図3は、ヘッドチップの分解斜視図であり、
図4は、インクジェットヘッドの組立工程を示す概略斜
視図である。
【0045】図2に示すように、本実施形態のインクジ
ェットヘッド20は、ヘッドチップ21と、このヘッド
チップ21の一方面側に設けられるベースプレート22
と、ヘッドチップ21の他方面側に設けられるヘッドカ
バー23と、ヘッドチップ21を駆動するための駆動回
路24が搭載された配線基板25とを有する。
【0046】まず、ヘッドチップ21について詳しく説
明する。図3及び図4に示すように、ヘッドチップ21
を構成する圧電セラミックプレート26には、ノズル開
口27に連通してインクを吐出させるチャンバ28が複
数並設され、各チャンバ28は、側壁29で分離されて
いる。
【0047】各チャンバ28の長手方向一端部は、圧電
セラミックプレート26の一端面まで延設されており、
他端部は、他端面までは延びておらず、深さが徐々に浅
くなっている。なお、各チャンバ28は、例えば、円盤
状のダイスカッターにより形成され、深さが徐々に浅く
なった部分は、ダイスカッターの形状を利用して形成さ
れる。
【0048】また、各チャンバ28内の両側の側壁28
の開口側表面には、長手方向に亘って、チャンバ28毎
に独立した駆動信号が出力される一対の個別電極30が
それぞれ形成されている。この一対の個別電極30は、
例えば、公知の斜め方向からの蒸着によって各チャンバ
28内の各側壁29にそれぞれ形成される。
【0049】さらに、圧電セラミックプレート26のチ
ャンバ28の開口側には、インク室プレート31が接合
されている。このインク室プレート31には、各チャン
バ28の浅くなった他端部のみと連通する凹部となるイ
ンク室32と、このインク室32の底部からチャンバ2
8とは反対方向に貫通するインク供給口33とが設けら
れている。
【0050】ここで、本実施形態では、各チャンバ28
は、ブラック(B)、イエロー(Y)、マゼンダ
(M)、シアン(C)の各色のインクに対応したグルー
プに分かれており、インク室32及びインク供給口33
は、それぞれ4つずつ設けられている。
【0051】なお、インク室プレート31は、例えば、
セラミックプレート、金属プレート等で形成することが
できるが、圧電セラミックプレート26との接合後の変
形等を考えると、熱膨張率の近似したセラミックプレー
トを用いるのが好ましい。
【0052】また、圧電セラミックプレート26とイン
ク室プレート31の接合体とのチャンバ28が開口して
いる端面には、ノズルプレート34が接合されている。
このノズルプレート34の各チャンバ28に対向する位
置にはノズル開口27が形成されている。
【0053】さらに、ノズルプレート34は、圧電セラ
ミックプレート26とインク室プレート31との接合体
のチャンバ28が開口している端面の面積よりも大きく
なっている。このノズルプレート34は、ポリイミドフ
ィルムなどに、例えば、エキシマレーザ装置を用いてノ
ズル開口27を形成したものである。また、図示しない
が、ノズルプレート34の被印刷物に対向する面には、
インクの付着等を防止するために撥水性を有する撥水膜
が設けられている。
【0054】なお、本実施形態では、圧電セラミックプ
レート26とインク室プレート31との接合体のチャン
バ28が開口している端部の周囲には、ノズル支持プレ
ート35が配置されている。このノズル支持プレート3
5は、ノズルプレート34の接合体端面の外側と接合さ
れて、ノズルプレート34を安定して保持するためのも
のである。
【0055】ここで、このようなヘッドチップ21を具
備するインクジェットヘッド20について詳細に説明す
る。
【0056】図2及び図4に示すように、インクジェッ
トヘッド20は、ヘッドチップ21を構成する圧電セラ
ミックプレート26のノズル開口27側とは反対側の端
部に、例えば、ボンディングワイヤ等を介して一対の個
別電極30に接続される図示しない配線パターンが形成
されている。
【0057】また、圧電セラミックプレート26とイン
ク室プレート31との接合体のノズル支持プレート35
の後端側には、圧電セラミックプレート26側のアルミ
ニウム製のベースプレート22と、インク室プレート3
1側のヘッドカバー23とが組み付けられる。このヘッ
ドカバー23には、インク室プレート31のインク供給
口33のそれぞれに連通するインク導入路36が設けら
れている。
【0058】そして、ベースプレート22及びヘッドカ
バー23は、ベースプレート22の係止孔22aにヘッ
ドカバー23の係止シャフト23aを係合することによ
り固定され、両者で圧電セラミックプレート26とイン
ク室プレート31との接合体を挟持する。
【0059】また、図4(a)に示すように、圧電セラ
ミックプレート26の後端側に突出したベースプレート
22上には配線基板25が固着されている。この配線基
板25上には、ヘッドチップ21を駆動するための駆動
ICを有する駆動回路24が搭載され、後述する駆動回
路24とフレキシブルケーブルとが異方性導電膜37を
介して接続される。これにより、図4(b)のインクジ
ェットヘッド20が完成する。
【0060】さらに、上述したインクジェットヘッド2
0は、インクカートリッジを保持するタンクホルダ40
に組み付けられてヘッドユニット100が形成される。
【0061】ここで、インクジェットヘッド20を組み
付けるタンクホルダ40の一例について図5を参照して
説明する。なお、図5は、本実施形態に係るタンクホル
ダの一例を示す概略斜視図である。
【0062】図5に示すように、タンクホルダ40は、
一方面が開口した略箱形形状を有し、インクカートリッ
ジが着脱自在に保持可能なものである。
【0063】また、タンクホルダ40の底壁上面には、
インクカートリッジの底部に形成された開口部と、イン
ク導入路36とを連結させる連結部41が設けられてい
る。この連結部41は、例えば、ブラック(B)、イエ
ロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)の各色のイ
ンク毎に設けられている。
【0064】さらに、連結部41内には図示しないイン
ク流路が形成され、その開口となる連結部41の先端に
は、フィルタ42が設けられている。
【0065】この連結部41内に形成されたインク流路
は、底壁の裏面側まで連通して形成されており、各イン
ク流路は、タンクホルダ40の裏面側に設けられた流路
基板43の側壁に開口するヘッド連結口44に連通して
いる。
【0066】また、タンクホルダ40の側面には、上述
したインクジェットヘッド20を保持固定するヘッド保
持部45が設けられている。
【0067】このようなヘッド保持部45には、配線基
板25上に設けられた駆動回路24を包囲する略コ字状
に立設された包囲壁46と、この包囲壁46内にあって
インクジェットヘッド20のベースプレート22及び配
線基板25に設けられた係止孔22bと係合する係合シ
ャフト47が立設されている。
【0068】そして、上述したタンクホルダ40のヘッ
ド保持部45にインクジェットヘッド20が搭載される
ことでヘッドユニット100が完成する。このとき、ヘ
ッドカバー23に形成されたインク導入路36は、流路
基板43のヘッド連結口44に連結されている。
【0069】ここで、各チャンバ28内の側壁29に設
けられた一対の個別電極30に駆動信号を出力する駆動
手段を駆動回路24に表して詳細に説明する。なお、図
6は、駆動回路とヘッドチップとの配線の接続状態を示
す概略図である。
【0070】図6に示すように、駆動回路24には、外
部からの電源と、印刷信号等の外部信号とからなる外部
回路50とが外部配線51を介して接続されている。こ
れにより、外部信号が外部配線51を介して外部回路5
0から駆動回路24に出力される。
【0071】また、駆動回路24は、フレキシブルケー
ブル38を介して各チャンバ28内の側壁29に設けら
れた一対の個別電極30にそれぞれ接続されている。こ
れにより、駆動回路24に入力された外部信号は、各チ
ャンバ28内の一対の個別電極30に駆動信号としてそ
れぞれ出力されることになる。
【0072】なお、本実施形態では、各チャンバ28の
側壁29を形成する圧電セラミックプレート26の分極
方向は、チャンバ28の底部からインク室プレート31
側に向かって各側壁29が突出する方向と同一方向であ
る。
【0073】ここで、インクジェット式記録装置10の
駆動方法について詳細に説明する。なお、図7は、圧電
セラミックプレートの断面図及び一対の個別電極に付与
される駆動波形を示す図であり、図8は、駆動波形の詳
細を説明する図であり、図9は、チャンバの両側の側壁
の動きを説明する圧電セラミックプレートの断面図であ
る。
【0074】図7に示す駆動波形60a〜60fは、各
チャンバ28a〜28f内の一対の電極30にそれぞれ
印加される駆動電圧を示す。また、駆動波形61は、駆
動波形60a〜60cによってチャンバ28bの両側の
側壁29a、29bに発生させる駆動電界を示す。ま
た、駆動波形62は、駆動波形60d〜60fによって
チャンバ28eの両側の側壁29d、29eに発生させ
る駆動電界を示す。
【0075】本実施形態では、このような駆動波形6
1、62によってチャンバ28b(ノズル開口27)か
らインク滴を吐出後、連続してチャンバ28b、28e
からインク滴を吐出させるようになっている。すなわ
ち、チャンバ28bからインク滴を吐出させる場合は、
チャンバ28eはインクを吐出しない待機状態となり、
この待機状態から続いてチャンバ28b、28eから同
時にインク滴を吐出させるようになっている。
【0076】さらに、本実施形態のインク滴を吐出させ
るための駆動電界は、チャンバ28b、28e内の容積
を一時的に増大させる予備駆動電界と、予備駆動電界に
連続してチャンバ28b、28e内の容積を一時的に減
少させる吐出駆動電界とからなる。なお、予備駆動電界
は、駆動波形61のA及びE領域と駆動波形62のE領
域とで表され、吐出駆動電界は、駆動波形61のC及び
G領域と駆動波形62のG領域とに表されている。
【0077】ここで、このような予備駆動電界と吐出駆
動電界とのそれぞれの発生期間は、次の関係を満たして
いることが好ましい。すなわち、図8に示すように、予
備駆動電界の発生期間をxとし、予備駆動電界の発生期
間と吐出駆動電界の発生期間との間隔をyとしたとき
に、吐出駆動電界の発生期間が2x−yで表される長さ
であることが好ましい。これにより、各ノズル開口27
からインク滴を良好に吐出することができる。
【0078】一方、駆動波形61のC領域に表された吐
出駆動電界によってチャンバ28bからインク滴を吐出
させる場合、本実施形態では、待機状態のチャンバ28
eの両側の側壁29d、29eに駆動波形60d〜60
eによってチャンバ28eからインク滴を吐出させない
程度の待機駆動電界(駆動波形62のA〜C領域)を発
生させている。
【0079】このような待機駆動電界は、本実施形態で
は、予備駆動電界に対応して予備駆動電界と同一方向で
発生され且つ予備駆動電界よりも発生期間の短い非吐出
予備駆動電界と、吐出駆動電界に対応して吐出駆動電界
と同一方向で発生される非吐出駆動電界とからなる。な
お、非吐出予備駆動電界は、駆動波形62のA領域に表
されている。また、非吐出駆動電界は、駆動波形62の
C領域で表されており、本実施形態では、チャンバ28
bからインクを吐出させた吐出駆動電界(駆動波形61
のC領域)と同一の駆動電界としている。
【0080】ここで、非吐出予備駆動電界の発生期間
は、予備駆動電界の発生期間の1/2以下、特に、1/
10以下であることが好ましく、1/18とするのが最
適である。これにより、非吐出駆動電界との組み合わせ
によっても、インク滴が誤吐出されることなく、所定の
側壁に電界を発生させることができる。
【0081】また、非吐出予備駆動電界のピークは、予
備駆動電界のピークと略同一であることが好ましい。こ
れにより、予備駆動電界の発生期間を変更することのみ
で、非吐出予備駆動電界を容易に発生させることができ
る。
【0082】以下、インクを吐出させる際の各チャンバ
の両側の側壁の動きについて詳細に説明する。
【0083】インク滴が吐出されるチャンバ28bで
は、印刷信号の入力に伴い、駆動波形60bのA領域で
チャンバ28b内の一対の個別電極30に予備駆動電圧
が印加されて、チャンバ28bの両側の側壁29a、2
9bに予備駆動電界が発生する。これにより、チャンバ
28bの各側壁29a、29bが、その略中央部が外側
に向かって離れるように撓み変形してチャンバ28b内
の容積を一時的に増大させる(図9(a)参照)。
【0084】このとき、チャンバ28e内の一対の個別
電極30には非吐出予備駆動電圧が印加されて、チャン
バ28eの両側の側壁29d、29eには予備駆動電界
よりも発生期間が短い非吐出予備駆動電界が発生する。
これにより、チャンバ28eの各側壁29d、29e
も、その略中央部が外側に向かって離れるように撓み変
形するが、その変形量はチャンバ28bの側壁29a、
29bよりも小さい。
【0085】続いて、駆動波形60a、60cのC領域
でチャンバ28a、28c内に設けられた一対の個別電
極30に吐出駆動電圧が印加され、チャンバ28bの両
側の側壁29a、29bに吐出駆動電界が発生する。こ
れにより、チャンバ28bの各側壁29a、29bの略
中央部が内側に向かって近接するように撓み変形してチ
ャンバ28b内の容積が増大している状態から一時的に
減少し、ノズル開口27からインク滴が吐出される(図
9(b)参照)。
【0086】一方、チャンバ28bの各側壁29a、2
9bに吐出駆動電界を発生させたのと同時に、駆動波形
60d、60fのC領域では、チャンバ28d、28f
内の一対の個別電極30に、チャンバ28a、28c内
の一対の個別電極30に印加される吐出駆動電圧と同等
の非吐出駆動電圧が印加されることで、チャンバ28e
の両側の側壁29d、29eに非吐出駆動電界を発生さ
せている。これにより、チャンバ28eの各側壁29
d、29eの略中央部が内側に向かって近接するように
撓み変形してチャンバ28b内の容積が増大している状
態から、容積が一時的に減少する(図9(b)参照)。
このとき、チャンバ28eの非吐出予備駆動電界による
容積の増加量が、チャンバ28bの予備駆動電界による
増加量よりも小さいため、チャンバ28e内に充填され
たインクは、チャンバ28eから吐出されることはな
い。
【0087】その後、インク滴を吐出させたチャンバ2
8bの両側の側壁29a、29bに駆動波形61のE及
びG領域で表される予備駆動電界と吐出駆動電界とを発
生させると共に、待機状態のチャンバ28eの両側の側
壁29d、29eに駆動波形62のE及びG領域で表さ
れる予備駆動電界と吐出駆動電界とを発生させることに
より、チャンバ28b、28e内からインク滴がそれぞ
れ同時に吐出される。
【0088】このように、チャンバ28bからインク滴
を吐出させた際に、待機状態としたチャンバ28eの両
側の側壁29d、29eにインク滴を吐出させない程度
の待機駆動電界(非吐出予備駆動電界及び非吐出駆動電
界)を発生させることにより、次のインク滴の吐出時に
は、インク滴を吐出させたチャンバ28bと待機状態の
チャンバ28eとが同じ状態に保持されるため、各チャ
ンバ28b、28eから吐出されるインクの吐出特性は
略同一となる。
【0089】以上説明したように、待機状態にあるチャ
ンバ28eの側壁29d、29eに待機駆動電界を発生
させておくことにより、インク滴を吐出させる直前の各
チャンバの状態を均一に保持することができるため、イ
ンク滴を連続して吐出させるチャンバ28bと、待機状
態からインク滴を吐出させるチャンバ28eとのインク
吐出特性が均一化される。
【0090】すなわち、一度に複数のインク滴を吐出す
る場合と、比較的少ない数のインク滴を吐出する場合と
でのインク吐出特性の差が小さく抑えられる。また、イ
ンク吐出時の各チャンバ28の状態を一定に保持できる
ため、チャンバ28の並設方向の位置の違いによるイン
ク吐出特性のばらつきも防止することができる。
【0091】したがって、各ノズル開口からは、常に安
定した吐出量及び吐出スピードでインク滴が吐出され、
常に良好な印刷品質を得ることができる。
【0092】なお、本実施形態では、待機状態のチャン
バ28eの側壁29d、29eに、非吐出予備駆動電界
と非吐出駆動電界とからなる待機駆動電界を発生させる
ようにしたが、これに限定されず、例えば、図10に示
すように、駆動波形60d〜60fによって非吐出予備
駆動電界のみからなる待機駆動電界(駆動波形62のA
〜C領域)を発生させるようにしてもよい。
【0093】また、本実施形態では、待機状態のチャン
バの両側の側壁に待機駆動電界を発生させるようにした
が、これに限定されず、少なくとも一方の側壁に発生さ
せればよい。
【0094】さらに、待機駆動電界は、インクを吐出さ
せる直前の待機状態のチャンバのみに選択的に発生させ
るようにしてもよいが、全ての待機状態のチャンバに常
に発生させるようにしてもよい。
【0095】このように全ての待機状態のチャンバに常
に待機駆動電界を発生させることにより、低温環境下で
あってもインク粘度の上昇による吐出不良を防止するこ
とができる。これは、インクを吐出する際には、常に全
てのチャンバ28の側壁29に電界が変形されることに
より、インクの温度を上昇させてインクの粘度を低下さ
せることができるからである。また、このように待機駆
動電界を発生させることによってインクの粘度を低下さ
せることができるため、比較的粘度の高いインクも用い
ることができ、インクの選択範囲が広がる。
【0096】ここで、下記の各実施例及び比較例のイン
クジェット式記録装置においてそれぞれインク滴を吐出
させ、チャンバ(ノズル開口)の配列位置とインク吐出
スピードとの関係を調べた。その結果を図11(a)に
示す。
【0097】(実施例1)実施例1のインクジェット式
記録装置では、所定のチャンバからインク滴を吐出させ
る際に、待機チャンバの側壁に非吐出予備駆動電界と非
吐出駆動電界とからなる待機駆動電界を発生させた。
【0098】(実施例2)実施例2のインクジェト式記
録装置は、所定のチャンバからインク滴を吐出させる際
に、待機チャンバの側壁に非吐出予備駆動電界のみから
なる待機駆動電界を発生させるようにした以外は、実施
例1のインクジェット式記録装置と同様である。
【0099】(比較例1)比較例1のインクジェット式
記録装置は、所定のチャンバからインク滴を吐出させる
際に、待機チャンバの側壁に待機駆動電界を発生させる
ことなく停止状態とした以外は、実施例1のインクジェ
ット式記録装置と同様である。
【0100】図11(a)のグラフに示すように、実施
例1及び2のインクジェット式記録装置では、各ノズル
開口から吐出されるインク滴の吐出スピードの差が比較
的小さい。これに対し、比較例1のインクジェット式記
録装置では、ヘッドの端部側に設けられたノズル開口
(ノズル番号1)から吐出されたインク滴の吐出スピー
ドだけが、他のノズル開口から吐出されたインク滴の吐
出スピードよりも明らかに速くなっていることが分か
る。
【0101】この結果から明らかなように、本発明のイ
ンクジェット式記録装置によれば、チャンバの配列位置
に拘わらず、安定したインク吐出特性が得られる。
【0102】次に、上記の実施例1及び比較例1のイン
クジェット式記録ヘッドを用いて、全ノズル開口からイ
ンク滴を吐出させた場合のインク滴の吐出量と、1つの
ノズル開口からインク滴を吐出させた場合とのインク滴
の吐出量との差を調べた。その結果を図11(b)に示
す。
【0103】図11(b)のグラフから明らかなよう
に、実施例1のインクジェット式記録装置では、全ノズ
ルからインク滴を吐出させた場合と、1つのノズル開口
からインク滴を吐出させた場合とのインク滴の吐出量
は、駆動電圧に拘わらずほぼ一致している。これに対
し、比較例1のインクジェット式記録ヘッドでは、1つ
のノズル開口からインク滴を吐出させた場合、全ノズル
開口からインク滴を吐出させた場合と比較して、何れの
駆動電圧でもインク滴の吐出量が20%以上低下してい
ることが分かる。
【0104】この結果から明らかなように、本発明のイ
ンクジェット式記録ヘッドでは、一度に吐出するインク
滴の数に拘わらず、安定したインク吐出特性が得られ
る。
【0105】(他の実施形態)以上、本発明の一実施形
態について説明したが、本発明はこのような構成に限定
されるものではない。
【0106】例えば、上述の本実施形態では、各チャン
バ28a〜28f内の側壁29に一対の個別電極30を
設けたインクジェットヘッドを例示して説明したが、本
発明のインクジェット式記録装置に搭載されるインクジ
ェットヘッドはこれに限定されるものではない。
【0107】例えば、図12に示すように、各チャンバ
28a〜28fの側壁29a〜29eに駆動信号がそれ
ぞれ独立して出力される個別電極30Aを設けたタイプ
のインクジェットヘッドであってもよい。
【0108】また、例えば、インクの充填されるチャン
バのそれぞれの間にインクの充填されないダミーチャン
バが設けられたタイプのインクジェットヘッドであって
もよい。なお、このタイプのインクジェットヘッドは、
各チャンバの両側の側壁の分極方向が、上述のタイプの
インクジェットヘッドとは逆方向となる。
【0109】このような何れのタイプのインクジェット
ヘッドを用いた場合であっても、待機状態のチャンバの
側壁に待機駆動電界を発生させてインクを吐出させない
程度にチャンバを容積変化させることにより、上述した
実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0110】また、上述した実施形態では、インクジェ
ットヘッドを走査するシリアル型のインクジェット式記
録装置を例示して説明したが、本発明は、インクジェッ
トヘッドが固定されたライン型のインクジェット式記録
装置等の他のタイプのインクジェット式記録装置にも適
用することができる。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクを吐出させない待機チャンバの少なくとも一方の
側壁に駆動電界と同一方向で且つ待機チャンバからイン
クを吐出させない程度で且つ予備駆動電界に対応して発
生されこの予備駆動電界よりも発生期間の短い非吐出予
備駆動電界を少なくとも含む待機駆動電界を発生させる
ようにしたので、インクを吐出する際の各チャンバが略
均一な状態に保持される。したがって、各チャンバから
吐出されるインクの吐出安定性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録装置の概略図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッ
ドの分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るヘッドチップの分解
斜視図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッ
ドの組立工程を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態1に係るタンクホルダの一例
を示す概略斜視図である。
【図6】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの概略構成を示す図である。
【図7】本発明の実施形態1に係る圧電セラミックプレ
ートの断面図及び一対の個別電極に付与される駆動波形
を示す図である。
【図8】本発明の実施形態1に係る駆動波形を示す図で
ある。
【図9】本発明の実施形態1に係るチャンバの両側の動
きを説明する圧電セラミックプレートの断面図である。
【図10】本発明の実施形態1に係る圧電セラミックプ
レートの断面図及び一対の個別電極に付与される駆動波
形の他の例を示す図である。
【図11】各実施例及び比較例のインクジェット式記録
装置でのインク吐出特性を示すグラフである。
【図12】本発明の他の実施形態に係るインクジェット
式記録装置の概略構成を示す図である。
【図13】従来技術に係るインクジェットヘッドのヘッ
ドチップの概要を示す概略斜視図である。
【図14】従来技術に係るインクジェットヘッドのヘッ
ドチップの概要を示す断面図である。
【図15】従来技術に係るインクジェットヘッドのヘッ
ドチップの概要を示す断面図である。
【符号の説明】
10 インクジェット式記録装置 20 インクジェットヘッド 21 ヘッドチップ 22 ベースプレート 23 ヘッドカバー 24 駆動回路 25 配線基板 26 圧電セラミックプレート 27 ノズル開口 28、28a〜28f チャンバ 29、29a〜29e 側壁 30 一対の個別電極 30A 個別電極 34 ノズルプレート 40 タンクホルダ 50 外部回路 51 外部配線 60a〜60f、61、62 駆動波形 100 ヘッドユニット

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックスプレートにノズル開口
    に連通し且つインクの充填されたチャンバを複数並設す
    ると共に各チャンバの両側の側壁に電極が設けられたイ
    ンクジェットヘッドを具備し、前記電極を介して前記側
    壁に前記チャンバ内の容積を一時的に増大させる予備駆
    動電界と当該予備駆動電界に連続し前記チャンバ内の容
    積を一時的に減少させる吐出駆動電界とからなる駆動電
    界を発生させることでインクを吐出させるインクジェッ
    ト式記録装置において、インクを吐出させる所定のチャ
    ンバ以外のその他のチャンバでインクを吐出可能な少な
    くとも一つの待機チャンバの少なくとも一方の側壁に、
    前記予備駆動電界に対応して当該予備駆動電界と同一方
    向で発生され且つ当該予備駆動電界よりも発生期間の短
    い非吐出予備駆動電界を少なくとも含む待機駆動電界を
    発生させる待機駆動信号を、前記駆動電界を発生させる
    駆動信号と共に出力する駆動手段を具備することを特徴
    とするインクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記非吐出予備駆動
    電界のピークが、前記予備駆動電界のピークと略同一で
    あることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記予備駆動
    電界の発生期間をxとし、前記予備駆動電界と前記吐出
    駆動電界との間隔をyとしたときに、前記吐出駆動電界
    の発生期間が2x−yで表される長さであることを特徴
    とするインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記非
    吐出予備駆動電界の発生期間が、前記予備駆動電界の発
    生期間の1/2以下であることを特徴とするインクジェ
    ット式記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記非吐出予備駆動
    電界の発生期間が、前記予備駆動電界の発生期間の1/
    10以下であることを特徴とするインクジェット式記録
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記待
    機駆動電界が、前記吐出駆動電界に対応して当該吐出駆
    動電界と同一方向で発生される非吐出駆動電界を含むこ
    とを特徴とするインクジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記待
    機駆動電界は、インクを吐出する直前の待機チャンバに
    対応して発生させることを特徴とするインクジェット式
    記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記待
    機駆動電界は、全ての待機チャンバに対応して発生させ
    ることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかにおいて、前記待
    機駆動電界は、前記待機チャンバの両方の側壁に対応し
    て発生させることを特徴とするインクジェット式記録装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れかにおいて、前記
    待機駆動電界は、前記待機チャンバの一方の側壁のみに
    対応して発生させることを特徴とするインクジェット式
    記録装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れかにおいて、前
    記電極の全てが、前記駆動信号又は前記待機駆動信号が
    独立して出力される個別電極であることを特徴とするイ
    ンクジェット式記録装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10の何れかにおいて、前
    記チャンバ内の相対向する一対の電極が、前記駆動信号
    又は前記待機駆動信号が出力される一対の個別電極であ
    ることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜10の何れかにおいて、前
    記チャンバのそれぞれの間に、前記インクの充填されな
    いダミーチャンバが設けられ該ダミーチャンバ内の側壁
    に前記電極が設けられていることを特徴とするインクジ
    ェット式記録装置。
  14. 【請求項14】 圧電セラミックプレートにノズル開口
    に連通し且つインクの充填されたチャンバを複数並設す
    ると共に各チャンバの両側の側壁に電極が設けられたイ
    ンクジェットヘッドを具備し、前記電極を介して前記側
    壁に前記チャンバ内の容積を一時的に増大させる予備駆
    動電界と当該予備駆動電界に連続し前記チャンバ内の容
    積を一時的に減少させる吐出駆動電界とからなる駆動電
    界を発生させることでインクを吐出させるインクジェッ
    ト式記録方法において、インクを吐出させる所定のチャ
    ンバ以外のその他のチャンバでインクを吐出可能な少な
    くとも一つの待機チャンバの少なくとも一方の側壁に、
    前記予備駆動電界に対応して当該予備駆動電界と同一方
    向で発生され且つ当該予備駆動電界よりも発生期間の短
    い非吐出予備駆動電界を少なくとも含む待機駆動電界を
    発生させる待機駆動信号を、前記駆動電界を発生させる
    駆動信号と共に出力することを特徴とするインクジェッ
    ト式記録方法。
  15. 【請求項15】 請求項14において、前記非吐出予備
    駆動電界のピークが、前記予備駆動電界のピークと略同
    一であることを特徴とするインクジェット式記録方法。
  16. 【請求項16】 請求項14又は15において、前記予
    備駆動電界の発生期間をxとし、前記予備駆動電界と前
    記吐出駆動電界との間隔をyとしたときに、前記吐出駆
    動電界の発生期間が2x−yで表される長さとすること
    を特徴とするインクジェット式記録方法。
  17. 【請求項17】 請求項14〜16の何れかにおいて、
    前記非吐出予備駆動電界の発生期間が、前記予備駆動電
    界の発生期間の1/2以下であることを特徴とするイン
    クジェット式記録方法。
  18. 【請求項18】 請求項17において、前記非吐出予備
    駆動電界の発生期間が、前記予備駆動電界の発生期間の
    1/10以下であることを特徴とするインクジェット式
    記録方法。
  19. 【請求項19】 請求項14〜18の何れかにおいて、
    前記非吐出駆動電界が、前記吐出駆動電界に対応して当
    該吐出駆動電界と同一方向で発生される非吐出駆動電界
    を含むことを特徴とするインクジェット式記録方法。
  20. 【請求項20】 請求項14〜19の何れかにおいて、
    前記非吐出駆動電界は、インクを吐出する直前の待機チ
    ャンバに対応して発生させることを特徴とするインクジ
    ェット式記録方法。
  21. 【請求項21】 請求項14〜19の何れかにおいて、
    前記非吐出駆動電界は、全ての待機チャンバに対応して
    発生させることを特徴とするインクジェット式記録方
    法。
  22. 【請求項22】 請求項14〜21の何れかにおいて、
    前記非吐出駆動電界を、前記待機チャンバの両方の側壁
    に対応して発生させることを特徴とするインクジェット
    式記録方法。
  23. 【請求項23】 請求項14〜21の何れかにおいて、
    前記非吐出駆動電界を、前記待機チャンバの片側の側壁
    のみに対応して発生させることを特徴とするインクジェ
    ット式記録方法。
JP2002126039A 2002-04-26 2002-04-26 インクジェット式記録装置及びインクジェット式記録方法 Expired - Fee Related JP3950004B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002126039A JP3950004B2 (ja) 2002-04-26 2002-04-26 インクジェット式記録装置及びインクジェット式記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002126039A JP3950004B2 (ja) 2002-04-26 2002-04-26 インクジェット式記録装置及びインクジェット式記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003311950A true JP2003311950A (ja) 2003-11-06
JP3950004B2 JP3950004B2 (ja) 2007-07-25

Family

ID=29540581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002126039A Expired - Fee Related JP3950004B2 (ja) 2002-04-26 2002-04-26 インクジェット式記録装置及びインクジェット式記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3950004B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007045107A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Sii Printek Inc インクジェットヘッド駆動方法、インクジェットヘッドおよび、インクジェット記録装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007045107A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Sii Printek Inc インクジェットヘッド駆動方法、インクジェットヘッドおよび、インクジェット記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3950004B2 (ja) 2007-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003182056A (ja) インクジェット式記録装置
JPH05131622A (ja) インクジエツト記録装置
JP2001246745A (ja) インクジェット記録ヘッド
JP2009166268A (ja) インクジェットヘッドチップ、インクジェットヘッドチップの駆動方法、インクジェットヘッド、及びインクジェット記録装置
JP4763418B2 (ja) インクジェットヘッドの駆動方法、インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
JP3950004B2 (ja) インクジェット式記録装置及びインクジェット式記録方法
US7866776B2 (en) Ink jet head driving method, ink jet head and ink jet recording apparatus
US6575551B2 (en) Ink jet head and ink jet recording apparatus
JP3872336B2 (ja) インクジェット式記録装置及びインクジェット式記録方法
US7175245B2 (en) Ink-jet head and ink-jet type recording apparatus
JP3730165B2 (ja) インクジェット式記録装置及び記録方法
JP2002144557A (ja) インクジェットヘッドの駆動方法
JPH106518A (ja) インクジェット記録装置
JP4694727B2 (ja) ヘッドチップユニット及びインクジェット式記録装置
JP4717425B2 (ja) インクジェット式記録装置及びインクジェット式記録方法
JP2002326351A (ja) ヘッドチップ
JP2002326352A (ja) ヘッドチップユニット及びインクジェット式記録装置
JP2011156766A (ja) 液体噴射ヘッド、および液体噴射装置
JP2023090426A (ja) 液体吐出ヘッド
JP2023041524A (ja) 液体吐出ヘッド
JP2002361860A (ja) インクジェットヘッド
JP2021024090A (ja) 液体吐出装置および液体吐出装置の駆動方法
JP2009107164A (ja) インクジェット記録装置
JP2004001274A (ja) インクジェットヘッド
JP2009184150A (ja) インクジェットヘッドの制御装置およびインクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040309

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3950004

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 4

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130427

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140427

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees