JP2003310657A - 使い捨て吸収性物品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄時に丸め込んで固定する廃棄用止着テー
プを設けた吸収性物品において、ウエスト部から折り畳
むようにして、廃棄用止着テープの長さの節約が可能
で、また、廃棄用止着テープを巻き込まないで折り畳む
ことができる使い捨て吸収性物品を提供する。 【解決手段】 胴回り域３に廃棄用止着テープ６を配設
した使い捨て吸収性物品１において、折り畳み位置を指
示する目印７をウエスト開口部２から廃棄用止着テープ
のウエスト側上端縁近傍までの胴回り域で、腹側及び背
側のいずれか一方又は両方に、胴回りの右身ごろから左
身ごろに亘って設けることにより、使用後の廃棄時にウ
エスト部から折り畳ませるように誘導して、廃棄用止着
テープの長さの節約を可能とし、製造コストを低減す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、使用後の廃棄処理
が容易である使い捨て吸収性物品に関し、更に、詳しく
は折り畳み位置を指示する目印を有する使い捨て吸収性
物品に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、通常の下着と同様に立位で着用
し、幼児は勿論のこと高年齢児のトイレットトレーニン
グ用として、あるいは失禁者用、成人用として使用する
ことを意図とした使い捨ておむつが開発されて上市され
ている。ところが、これら使い捨ておむつは、使用後お
むつを丸めて廃棄する際、丸めた状態で固定することが
できず、廃棄処理がし難いと共に、流動性の高い軟便や
下痢便等の***物が露出してしまうことがあり、廃棄処
理の衛生面においても問題があった。

【０００３】そのため、実公平８−１０３０５公報に開
示されている使い捨ておむつのように、おむつに廃棄時
止着用の廃棄用止着テープを設けて、使用後おむつをそ
の長手方向に丸めて、この廃棄用止着テープをおむつの
裏面シートに止着し、おむつを丸めた状態で固定して廃
棄処分を行う技術（段落〔００３０〕、図５参照）が提
供されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この技
術では、おむつをその長手方向に丸めた後、廃棄用止着
テープの止着部をその長さ方向に延長して、前後のウエ
スト部を跨いでおむつの裏面シートに止着して固定する
ことになるため、廃棄用止着テープが前後のウエスト部
を跨ぐ分、長い廃棄用止着テープが必要となり、部品の
コストが高くなっていた。また、***物が最も多く溜ま
るおむつの股間部から上方のウエスト開口部に向けて折
り畳んでいくため、最後までウエスト開口部その他が塞
がれず、おむつに溜まった***物やその臭いが漏れ易い
という不都合があった。

【０００５】この不都合を解消しようとして、まずウエ
スト開口部を塞いでおむつに溜まった***物やその臭い
が漏れ出さない様にウエスト側から折り畳むようにする
と、使用者が折り曲げる場所を特定できないため、最初
の折幅が短くなってウエスト開口部を塞ぐことができな
い、逆に折幅が長くなりすぎて廃棄用止着テープも一緒
に丸め込んでしまうといった不都合もあった。

【０００６】本発明は、以上のような課題に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、廃棄時に丸め込んで固定
する廃棄用止着テープを設けた吸収性物品において、ウ
エスト部から折り畳むようにして、廃棄用止着テープの
長さの節約が可能で、また、廃棄用止着テープを巻き込
まないで折り畳むことができる使い捨て吸収性物品を提
供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、吸収
性物品のウエスト開口部から廃棄用止着テープの股間部
側下端縁までの胴回り域に折り畳み位置を指示する目印
を設け、使用者に、この目印を基準として、吸収性物品
を折り曲げてウエスト側から胴回り域を折り畳ませるよ
うにし、また、股間部を下方からウエスト側に向けて折
り畳ませて、廃棄用止着テープの止着部で止着させるよ
うにすることにより、廃棄用止着テープの長さが短くて
も止着できるようになることを見出し、本発明を完成す
るに至ったのである。

【０００８】更に言えば、本発明に係る使い捨て吸収性
物品に関し、本発明は吸収性物品のウエスト開口部から
廃棄用止着テープの股間部側下端縁までの胴回り域に折
り畳み位置を指示する目印を設け、これによって、使用
後の折り畳み方を誘導するという発想がないところに提
供されたものである。

【０００９】より具体的には、本発明は、以下のような
ものを提供する。

【００１０】（１） 体液を吸収する吸収体を備えると
共に、ウエスト開口部、胴回り域、股間部及びレッグ開
口部を有し、吸収性物品の外面側に廃棄用止着テープを
配設した使い捨て吸収性物品において、使用済みの前記
使い捨て吸収性物品の折り畳み位置を指示する目印が設
けられたことを特徴とする使い捨て吸収性物品を提供す
る。

【００１１】本発明の使い捨て吸収性物品によれば、折
り畳み位置を指示する目印を設けている。このため、吸
収性物品を使用後に廃棄処理する際に、使用者がどこか
ら折って良いかが特定できるため、最初の折幅が短くて
ウエスト開口部を十分に内側に丸め込むことができない
という問題が解消されると共に、逆に折幅が長すぎて廃
棄用止着テープも一緒に丸め込んでしまうという問題も
解消される。

【００１２】（２） 前記折り畳み位置を指示する目印
は、前記吸収性物品の胴回り域に設けられたものである
ことを特徴とする（１）に記載の使い捨て吸収性物品を
提供する。

【００１３】本発明の使い捨て吸収性物品によれば、折
り畳み位置を指示する目印を胴回り域に設けている。こ
のため、吸収性物品を使用後に廃棄処理する際に、使用
者がどこから折って良いかが特定できるため、最初の折
幅が短くてウエスト開口部を十分に内側に丸め込むこと
ができないという問題が解消されると共に、逆に折幅が
長すぎて廃棄用止着テープも一緒に丸め込んでしまうと
いう問題も解消される。

【００１４】（３） 前記折り畳み位置を指示する目印
は、前記胴回り域の腹側及び背側のいずれか一方又は
両方に設けられたものである。前記ウエスト開口部か
ら前記廃棄用止着テープの股間部側下端縁までの胴回り
域に設けられたものであることを特徴とする（１）又は
（２）に記載の使い捨て吸収性物品を提供する。

【００１５】本発明の使い捨て吸収性物品によれば、こ
の目印は、胴回り域の腹側及び背側のいずれか一方又は
両方に、且つ廃棄用止着テープを巻き込まない位置、好
ましくは、ウエスト開口部から廃棄用止着テープの股間
部側下端縁までの胴回り域に設けられている。これによ
って、使用者がどこから折って良いかが特定できるた
め、最初の折幅が短くてウエスト開口部を十分に内側に
丸め込むことができないという問題が解消されると共
に、逆に折幅が長すぎて廃棄用止着テープも一緒に丸め
込んでしまうという問題も解消される。しかも、この目
印は、先にウエスト開口部を折り込むようにして折り畳
むものと誘導されているので、まずウエスト開口部が塞
がれて、溜まった***物やその臭いが漏れ出るのを防止
できる。尚、この目印としては、連続あるいは不連続な
線状，帯状，凹凸等の形状でゴム等の弾性体や糸，フィ
ルム，不織布等の非弾性体の部材を配設したものや矢印
等の記号，模様，文字等の印刷等が挙げられる。

【００１６】（４） 前記折り畳み位置を指示する目印
は、他の部位と異なる色、形状あるいは部材により区分
されたものであることを特徴とする（１）から（３）記
載の使い捨て吸収性物品を提供する。

【００１７】本発明の使い捨て吸収性物品によれば、折
り畳み位置を指示する目印はおむつの他の部位と異なる
色、形状あるいは部材としている。これによって、吸収
性物品の他の部位と色、形状、部材が異なるので、折り
畳む位置を容易に認識できることになる。ここで、色は
少なくとも一色以上であって、吸収性物品の生地の色と
配色が異なるものであるのが好ましい。また、その形状
は連続あるいは不連続な直線状、ジグザグ状、凹凸状の
ものや矢印といった記号や模様等が挙げられるが、特に
これらに限定されるものではない。また、その部材もゴ
ム等の弾性体や糸、フィルム、不織布等の非弾性体等が
挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
更には、熱溶融シールにより形成された剛性部あるいは
凹凸部であるとか印刷等による表示であってもよい。要
するに、吸収性物品の他の部位と異なることが視覚ある
いは蝕感により認識されるものであれば、特に限定され
ない。

【００１８】（５） 前記折り畳み位置を指示する目印
は、配色の異なる部材で構成されたものであることを特
徴とする（１）から（４）いずれか記載の使い捨て吸収
性物品を提供する。

【００１９】本発明の使い捨て吸収性物品によれば、こ
の目印は配色の異なる部材としたので、吸収性物品の他
の部位とは異なった色を呈している。これによって、吸
収性物品の他の部位と色が異なるので、目視により折り
畳む位置を容易に認識できることになる。ここで、色は
少なくとも一色以上であって、吸収性物品の生地の色と
配色が異なるものであるのが好ましい。また、部材とし
ては、ゴム等の弾性体や糸、フィルム、不織布等の非弾
性体が挙げられるが、特にこれらに限定されるものでは
ない。要するに、吸収性物品の他の部位と異なることが
視覚あるいは蝕感により認識されるものであれば、特に
限定されない。

【００２０】（６） 前記配色の異なる部材は、弾性部
材であることを特徴とする（５）に記載の使い捨て吸収
性物品を提供する。

【００２１】本発明の使い捨て吸収性物品によれば、こ
の目印は配色の異なる部材を弾性部材としている。これ
によって、吸収性物品の他の部位と色が異なった部材な
ので、折り畳む位置を容易に認識できると共に、胴回り
域及びウエスト開口部を弾性化する部材と同一素材とな
るので、胴回り域及びウエスト開口部の弾性部材を張設
する時に、色の異なった弾性部材を同時に設けることが
できると共に、見た目や着用した際の違和感がなくな
る。

【００２２】（７） 前記配色の異なる部材は、非弾性
部材であることを特徴とする（５）に記載の使い捨て吸
収性物品を提供する。

【００２３】（８） 前記目印は、ライン状、帯状、折
れ線状の形状であることを特徴とする（１）から（７）
いずれか記載の使い捨て吸収性物品を提供する。

【００２４】本発明の使い捨て吸収性物品によれば、こ
の目印はライン状、帯状、折れ線状の形状としている。
目印の部材を胴回り域やウエスト開口部に配設された弾
性部材と色を違えた弾性部材とした場合、目印の形状が
ライン状，帯状，折れ線状の形状であると胴回り域やウ
エスト開口部に弾性部材を配設すると同時に連続的に設
けることができる。これによって、胴回り域やウエスト
開口部に配設されている弾性部材とは形状が異なるの
で、折り畳む位置を目視で容易に認識できるだけでな
く、目印を設ける作業が容易となり、生産性が向上す
る。

【００２５】（９） 前記目印は、剛性部あるいは凹凸
が形成されたものであることを特徴とする（１）から
（５）いずれか記載の使い捨て吸収性物品を提供する。

【００２６】本発明の使い捨て吸収性物品によれば、こ
の目印は熱溶融シールにより剛性部あるいは凹凸部が形
成されたものとしたので、おむつの他の部位と性状が異
なることになり、この目印を視覚だけでなく触感によっ
ても認識できる。

【００２７】（１０） 体液を吸収する吸収体を備える
と共に、ウエスト開口部、胴回り域、股間部及びレッグ
開口部を有し、前記吸収性物品の外面側に廃棄用止着テ
ープを配設した使い捨て吸収性物品において、折り畳み
位置を指示する目印と該目印に応じて長さが調整された
廃棄用止着テープとの組み合わせにより、使用後の吸収
性物品の折り畳みかたを誘導する方法を提供する。

【００２８】本発明の使い捨て吸収性物品によれば、折
り畳み位置を指示する目印と該目印に応じて長さが調整
された廃棄用止着テープとを組み合わせた構成にしたの
で、使用者は、使用後の吸収性物品をこの目印を基準と
して、ウエスト開口部を折り曲げて、胴回り域を折り畳
み、一方、股間部を下方端から折り畳んだ後に、予め長
さを調整した廃棄用止着テープで巻き込んだ股間部を止
着することになる。この際、股間部はこの目印の位置ま
で折り畳んで丸められ、廃棄用止着テープはこの目印を
超えて展開されて止着されることになる。

【００２９】このため、目印と廃棄用止着テープとの距
離が短いほど廃棄用止着テープの長さは短くてすむこと
になる。このように、折り畳み用目印を設けることによ
り、使用者にウエスト開口部側を目印で折り畳むこと
で、まずウエスト開口部が塞がれて、しかも廃棄用止着
テープを巻き込むことなく吸収性物品を丸めて処理でき
るという吸収性物品の折り畳みかたを誘導することにな
る。

【００３０】（１１） 体液を吸収する吸収体を備える
と共に、ウエスト開口部、胴回り域、股間部及びレッグ
開口部を有し、前記吸収性物品の外面側に廃棄用止着テ
ープを配設した使い捨て吸収性物品において、使い捨て
吸収性物品の胴回り域に折り畳み位置を指示する目印を
設けることにより、「使用後に折り畳んで廃棄用止着テ
ープで止着して廃棄処理する際の廃棄用止着テープ」の
長さを短縮させる方法を提供する。

【００３１】本発明の使い捨て吸収性物品によれば、該
吸収性物品の胴回り域に折り畳み位置を指示する目印を
設けたので、使用後の吸収性物品をこの目印を基準とし
て、ウエスト開口部を折り曲げて、廃棄用止着テープの
先端位置まで胴回り域を折り畳んで巻き込み、一方、股
間部を下方から折り畳んだあとに、予め長さを調整した
廃棄用止着テープで巻き込んだ股間部を止着するが、こ
の際、吸収性物品を丸めた状態の股間部がこの目印の近
傍に位置することになる。また、胴回り域はウエスト開
口部を折り込むようにして目印で折り畳まれているの
で、従来のようなウエスト開口部を跨いだ止着とならな
いため、廃棄用止着テープの長さを短くできる。

【００３２】（１２） 体液を吸収する吸収体を備える
と共に、ウエスト開口部、胴回り域、股間部及びレッグ
開口部を有し、前記吸収性物品の外面側に廃棄用止着テ
ープを配設した使い捨て吸収性物品において、前記ウエ
スト開口部を折り曲げてウエスト開口部側を折り畳む操
作を誘導するための折り畳み位置を指示する目印を吸収
性物品の胴回り域に備え、この目印を基準として、前記
ウエスト側がウエスト開口部を折り込むようにして折り
畳まれた後、前記股間部が該股間部の下方端から折り畳
まれ、これら折り畳まれたものが前記廃棄用止着テープ
で止着されることを特徴とする使い捨て吸収性物品を提
供する。

【００３３】本発明の使い捨て吸収性物品によれば、該
吸収性物品の胴回り域に折り畳み位置を指示する目印を
設けたので、使用後の吸収性物品をこの目印を基準とし
て、ウエスト開口部を折り曲げて、ウエスト開口部側が
折り畳まれ、一方、股間部が下方から折り畳まれた後
に、予め長さを調整した廃棄用止着テープで折り畳まれ
た股間部を止着するものとしたので、吸収性物品を折り
畳む際は、まずウエスト開口部が塞がれることになる。
更に、吸収性物品を丸めた状態の股間部が廃棄用止着テ
ープの近傍に位置することになるので、止着するための
廃棄用止着テープの長さを短くすることができる。

【００３４】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態につい
て、図を参照にしながら説明する。

【００３５】図１は本発明に係る使い捨て吸収性物品の
一実施形態を示す斜視図で、（ａ）は背側を示す図、
（ｂ）は腹側を示す図であり、図２は本発明に係る使い
捨て吸収性物品を折り畳む手順を示す概略斜視図であ
り、図３（ａ）は図１に示す使い捨て吸収性物品におけ
る廃棄用止着テープの斜視図であり、図３（ｂ）はそれ
を展開させた状態図で、図４は本発明に係る使い捨て吸
収性物品を丸めて、止着した状態を示す斜視図である。

【００３６】図１に示すように、本実施形態の使い捨て
吸収性物品１は、ウエスト開口部２、胴回り域３、股間
部４及びレッグ開口部５を有し、前記胴回り域３に廃棄
用止着テープ６を配設した使い捨て吸収性物品におい
て、液透過性の表面シート８、液不透過性の裏面シート
９および体液を吸収する吸収体１０とを有し、吸収性物
品１の外面側に、廃棄時に吸収性物品を丸め込んで固定
するための止着用の細帯状の廃棄用止着テープ６を、吸
収性物品１の股間部からウエスト開口部の方向に向けて
その一端を固定して配設してある。そして、吸収性物品
１の腹側には、胴回り域３でウエスト開口部２から廃棄
用止着テープ６のウエスト側上端縁との胴回り域の略中
間に相当する位置に着色された弾性部材からなる一本の
折り畳み位置を指示する目印７が設けてある。

【００３７】更に詳細に説明すると、本実施形態の使い
捨て吸収性物品１は、砂時計状の吸収体１０が表面シー
ト８及び裏面シート９により挟持・固定され、該吸収体
１０の周縁部における胴回り域３やウエスト開口部２及
びレッグ開口部５には着用した際に身体にフィットさせ
るための複数本の弾性部材１１が表面シート８と裏面シ
ート９とにより固定されて設けられており、前記裏面シ
ート９の背側の表面（吸収性物品１の背側の外面側）
に、廃棄時止着用の細帯状の廃棄用止着テープ６が吸収
性物品１の股間部からウエスト開口部に向けてその一端
を固定して配設されている。

【００３８】ここで、表面シート８としては、親水性繊
維で形成された不織布や開孔処理を施したフィルム等が
挙げられる。親水性繊維としてはポリオレフィン系、ポ
リエステル系、ポリアミド系の各繊維、ポリエチレン／
ポリプロピレン又はポリエステルからなるシ−スアンド
コア型又はサイドバイサイド型等の複合繊維等の熱可塑
性繊維を親水処理したものや、パルプ、レーヨン、アセ
テート、コットン等の吸水性繊維等を使用することがで
きる。開孔フィルムとしては、ポリエチレンやポリプロ
ピレン等のポリオレフィン系フィルムが好ましい。

【００３９】また、裏面シート９としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン等の
フィルムやフィルムと不織布のラミネートシートが使用
され、透湿性を有することが好ましい。

【００４０】また、吸収体１０としては、親水性繊維に
高吸収性ポリマー粒子を併用したものが好ましく、親水
性繊維としては、粉砕パルプや綿、麻などの天然繊維、
レーヨンやアセテートなどの再生繊維、ポリオレフィン
系、ポリエステル系、ポリアミド系などの熱可塑性繊維
に親水処理を施したものを使用することができる。また
高吸収性ポリマー粒子としては、例えばポリアクリル酸
ナトリウム、アクリル酸−ビニルアルコール共重合体、
ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、デンプン−アクリル
酸グラフト共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共
重合体及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等の公知
のものを使用することができる。尚、図示していない
が、吸収体１０はパルプ等で形成されるティッシュぺー
パーや親水処理された不織布、例えばスパンボンドやＳ
ＭＳ（スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド）
等のウエット時の強度が強い不織布で包むことも可能で
ある。

【００４１】また、弾性部材としては、天然ゴム、ウレ
タン系等の合成ゴム、ポリオレフィン系，ポリエステル
系，ポリスチレン系等の熱可塑性剛性樹脂からなる伸縮
弾性を有する糸ゴム、平ゴムを使用することができる。

【００４２】また、廃棄用止着テープ６としては、例え
ば、図３に示すように、その長さ方向に３つ折に折り畳
んだ状態で配設されており、これにより、その使用時に
長さを延長し得るようになっている。すなわち、裏面シ
ート９に接合固定される固定部６ａと、廃棄時に吸収性
物品１を丸めて止着するための止着部６ｂと、固定部６
ａ及び止着部６ｂとを連結するための中間部６ｃとから
なり、固定部６ａ、中間部６ｃ及び止着部６ｂは、一面
に粘着剤が塗着された台紙６ｄ、６ｄ"、６ｄ'からなっ
ている。中間部６ｃは、台紙６ｄ''の裏面側の略中央域
で粘着剤により固定部６ａと接合され、表面の一方の端
部を折り曲げて止着部６ｂの裏面側に粘着剤により接合
されている。

【００４３】また、台紙６ｄ、６ｄ'、６ｄ''を形成す
る材料としては、フィルム、紙不織布あるいはこれらの
複合材等を好ましく用いることができる。また、固定部
６ａの台紙６ｄは、裏面シート９と同じ素材で形成され
ていることが特に好ましく、これによって、吸収性物品
１の外面と同様のものとなり、廃棄用止着テープ６が目
立たずに外観上優れた吸収性物品となる。この場合、止
着部６ｂや中間部６ｃの台紙６ｄ'、６ｄ''と固定部６
ａの台紙６ｄとを異なる材料で形成することもできる。

【００４４】また、台紙６ｄ、６ｄ'、６ｄ"に塗着する
粘着剤としては、例えば、スチレン系ブロックポリマー
あるいは天然ゴム、ブタジエン、アクリル酸エステル等
を主剤とする粘着剤が挙げられる。

【００４５】尚、廃棄用止着テープ６は、この形状に限
定されるものでなく、ウエスト側に展開して使うタイプ
のもの、例えば、台紙を同一の材料とした細長いテープ
として、このテープを三つ折にしたものでもよい。ま
た、メカニカルファスナー等として粘着剤に代えてフッ
クで止着してもよい。

【００４６】而して、本実施形態の使い捨て吸収性物品
１は、図１（ｂ）に示すように、吸収性物品の腹側にお
いて、胴回り域３でウエスト開口部２から廃棄用止着テ
ープ６のウエスト側上端縁との略中間位置に、着色され
た弾性部材からなる一本の折り畳み位置を指示する目印
７が右身ごろから左身ごろに亘って配設されている。そ
して、該折り畳み位置を指示する目印７はウエスト開口
部２を吸収性物品の表面（腹側）に折り畳むための目印
の役目を果たしている。尚、この目印は、吸収性物品１
の表面（腹側）に設けたが、吸収物品１の背側か、また
は、腹側と背側との両方に設けてもよい。また、その位
置は、廃棄用止着テープを巻き込まない位置、好ましく
は、ウエスト開口部２から廃棄用止着テープ６の股間部
側下端縁までの胴回り域３であり、より好ましくは、廃
棄用止着テープ６をウエスト側に展開した際の止着テー
プの上端縁（例えば本実施形態に使用の廃棄用止着テー
プ６の場合には、図３（ｂ）に示す廃棄用止着テープ６
の台紙６ｂの先端縁）が位置する部位から廃棄用止着テ
ープ６の股間部側下端縁までの胴回り域３である。更
に、下方ウエスト開口部２を確実に折り込めるように、
ウエスト開口部２を除いた位置がより好ましい。

【００４７】本実施形態における折り畳み位置を指示す
る目印７は、吸収性物品１のウエスト開口部２や胴回り
域３を弾性化するための弾性部材１１が配設される折、
吸収性物品１の裏面シート９や表面シート８と配色が異
なった色、例えば青色等に着色された弾性部材を少なく
とも一本以上を同時に配設して設けている。尚、この目
印７の色は、これに限定されるものではなく、吸収性物
品１の生地と異なっていて視覚で認識できる色であれば
よい。また、この色は、一色でなくても多色を組み合わ
せてもよい。また、この目印７は、上記のように、吸収
性物品１の腹側において設けたが、吸収性物品１の背側
又は背側と腹側との両方に設けてもよい。

【００４８】また、この目印７の部材は、上記の弾性部
材に限られるものではなく、糸、フィルム、不織布等の
非弾性体であってもよい。更には、特に部材を配さず
に、印刷等により折り畳み位置を表示したものであって
もよい。また、凹凸になるように加工したものでもよ
い。この加工としては、例えば熱溶融シールを線状ある
いはパターン状に配置して、このシールを熱で溶融する
ことで溶融部と非溶融部との剛性の差異や凹凸を形成さ
せること等が挙げられる。このように、凹凸部や剛性の
差異による目印である場合は、視覚だけでなく、感触に
より折り畳み位置を認識することができ、目が不自由な
方にとって有効な手段となる。また、このように折り畳
み位置に剛性の異なる部材を配することにより、その部
分が曲げ易くなるので、吸収性物品１を目印７の位置で
折り曲げ易い構造とする機能を付与することもできる。

【００４９】これら部材は、表面シート８と裏面シート
９との間に挟持させるのが表面シート８と裏面シート９
とを接合する際に、目印も同時に配設できるので好まし
いが、これに限定されるものではない。吸収性物品１の
表面シート８の表面に設けてもよいし、表面シート８及
び裏面シート９いずれに設けてもよい。更に、その形状
は、本実施形態ではライン状としたが、鋸歯のような折
れ線状や細長な帯状であってもよい。更に、連続したも
のあるいは不連続なものであってもよい。また、矢印等
の記号、柄模様といった印刷その他であってもよい。

【００５０】いずれにしても、この目印は、目視によっ
て、折り畳み位置が認識できるものであればよいが、特
に弾性部材であると吸収性物品１のウエスト開口部２や
胴回り域３を弾性化するために使用する弾性部材と同質
の部材であるので、着用した際の違和感がなく特に好ま
しい。また、胴回り域３やウエスト開口部２の弾性部材
を配設する際に、同時に目印も配設できるので好まし
い。

【００５１】本実施形態の使い捨て吸収性物品１は、上
述の如く構成されているので、図２(ａ)乃至（ｄ）を参
照して下記に記述するように、使用後の廃棄性に優れる
と共に、廃棄時に吸収性物品１を丸めて固定する際の廃
棄用止着テープの長さを短くできる。ここで、図２(ａ)
は、折り畳み位置を指示する目印で吸収性物品のウエス
ト側を折り曲げた状態を示す概略斜視図であり、図２
（ｂ）は、ウエスト側を折り畳んで巻き込む状態を示す
概略斜視図であり、図２(ｃ)は、股部間を下方から折り
畳んで巻き込む状態を示す概略斜視図であり、図２
（ｄ）は、廃棄用止着テープで、股間部の巻き込みを止
着した状態を示す概略斜視図である。上記使い捨て吸収
性物品１は、この種のパンツ型使い捨て吸収性物品と同
様にして用いられる。そして、使用後においては、図２
（ａ）に示すように、まず折り畳み位置を指示する目印
７が設けられた位置でウエスト開口部側を廃棄用止着テ
ープ６が配設されていない側（腹側）に吸収性物品１の
ウエスト開口部２を折り込むようにして折り曲げる。次
いで、図２（ｂ）に示すように、この折り曲げ位置を基
点としてウエスト開口部２を内側に折り込むようにして
折り畳んでいく。尚、この際の折り畳みは、廃棄用止着
テープ６の先端近傍までとし、この廃棄用止着テープ６
を超えないものとする。一方、図２（ｃ）に示すよう
に、股間部４の下方端から股間部を同じく折り畳んでい
く。その後、図２（ｄ）に示すように、廃棄用止着テー
プ６を展開して、折り畳んだ股間部４の裏面シート９に
廃棄用止着テープの止着部６ｂの粘着剤で止着して、吸
収性物品を丸めた状態で固定する。

【００５２】図４は上記の手順で折り畳まれた吸収性物
品１を廃棄用止着テープ６で止着した状態を表わしたも
ので、吸収性物品１のウエスト側を折り畳んで丸めた部
分（廃棄用止着テープ６の固定部６ａが接合固定されて
いる側）に固定された廃棄用止着テープ６を下方に展開
して、股間部を折り畳んで丸めた部分に止着部６ｂで止
着して固定している。

【００５３】以上は、廃棄時に吸収性物品１を丸めて固
定したが、赤ちゃん用おむつのように小サイズの吸収性
物品の場合は、図５に示すように折り畳んでもよい。す
なわち、図５（ａ）に示すように、折り畳み位置を示す
目印で吸収物品１のウエスト側を折り畳む。次いで、図
５（ｂ）に示すように、ウエスト開口部２を覆うように
して股間部４を折り畳む。その後、図５（ｃ）に示すよ
うに、廃棄用止着テープ６を展開して、折り畳んだ股間
部４の裏面シート９に廃棄用止着テープの止着部６ｂの
粘着剤で止着して、折り畳んだ吸収性物品１を固定す
る。

【００５４】これによって、吸収性物品を容易に且つ衛
生的に廃棄することができる。また、目印７はウエスト
開口部２から廃棄用止着テープ６の股間部側下端縁まで
の胴回り域３に設けられているので、吸収性物品１を折
り畳む際は、廃棄用止着テープ６を巻き込むことはな
い。また、吸収性物品１を折り畳んだ際、図４に示すよ
うに、廃棄用止着テープ６は股間部４を丸め込んだ部位
の近傍に位置することになるので、廃棄用止着テープ６
の長さも折り畳み位置を指示する目印に応じて調整で
き、止着する際の長さは短いもので対応できることにな
る。更に、折り畳み位置を指示する目印とこの目印に応
じて調整された廃棄用止着テープとの組み合わせによ
り、この目印の位置でおむつを折り畳むという使用者の
動作を誘導し、折り畳み方の試行錯誤等によって、一定
の折り畳み方に収束していくことになる。

【００５５】尚、本発明の使い捨て吸収性物品における
目印の形態及びそれを設ける位置は、上記実施形態に制
限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可
能である。また、吸収性物品の形態や廃棄用止着テープ
の形状及びこれらの素材等も、上記実施形態に制限され
るものではない。

【００５６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の使い捨吸
収性物品は、ウエスト開口部と廃棄用止着テープの股間
部側下端縁までの胴回り域に折り畳み位置を指示する目
印を設けたので、吸収性物品を使用した後の廃棄時にお
いて、この目印を基準にしてウエスト側をその開口部を
内側に折り込むようにして折り畳むことができることに
なる。これによって、ウエスト開口部が確実に塞がれ、
***物や臭いが漏れる恐れがない。また、折り畳む際
に、廃棄用止着テープを巻き込んでしまうことがない。

【００５７】更に、ウエスト側からと股間部側から吸収
性物品を巻き込んで折り畳むので、廃棄用止着テープの
近傍まで巻き込みが可能となり、廃棄用止着テープの長
さも折り畳み位置を指示する目印に応じて調整でき、廃
棄用止着テープの長さを短くすることができる。これに
よって、部品のコストが低減するので、製造コストも大
幅に低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は本発明に係る使い捨て吸収性物品の一
実施形態を示す斜視図で、（ａ）は背側を示す図、
（ｂ）は腹側を示す図である。

【図２】 本発明に係る使い捨て吸収性物品を折り畳ん
で巻き込む手順を示す概略斜視図である。

【図３】 図１に示す使い捨て吸収性物品における廃棄
用止着テープを示す図で、（ａ）はその斜視図であり、
（ｂ）はそれを展開させた状態図である。

【図４】 本発明に係る使い捨て吸収性物品を丸めて、
止着した状態を示す斜視図である。

【図５】 本発明に係る使い捨て吸収性物品を折り畳む
手順を示す概略斜視図である。

【符号の説明】

１ 使い捨て吸収性物品 ２ ウエスト開口部 ３ 胴回り域 ４ 股間部 ５ レッグ開口部 ６ 廃棄用止着テープ ７ 目印 ８ 裏面シート ９ 表面シート １０ 吸収体 １１ 弾性部材

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 体液を吸収する吸収体を備えると共に、
   ウエスト開口部、胴回り域、股間部及びレッグ開口部を
   有し、吸収性物品の外面側に廃棄用止着テープを配設し
   た使い捨て吸収性物品において、 使用済みの前記使い捨て吸収性物品の折り畳み位置を指
   示する目印が設けられたことを特徴とする使い捨て吸収
   性物品。
2. 【請求項２】 前記折り畳み位置を指示する目印は、前
   記吸収性物品の胴回り域に設けられたものであることを
   特徴とする請求項１に記載の使い捨て吸収性物品。
3. 【請求項３】 前記折り畳み位置を指示する目印は、 前記胴回り域の腹側及び背側のいずれか一方又は両方
   に設けられたものである。 前記ウエスト開口部から前記廃棄用止着テープの股間
   部側下端縁までの胴回り域に設けられたものである。 ことを特徴とする請求項１又は２に記載の使い捨て吸収
   性物品。
4. 【請求項４】 前記折り畳み位置を指示する目印は、他
   の部位と異なる色、形状あるいは部材により区分された
   ものであることを特徴とする請求項１から３いずれか記
   載の使い捨て吸収性物品。
5. 【請求項５】 前記目印は、配色の異なる部材で構成さ
   れたものであることを特徴とする請求項１から４いずれ
   か記載の使い捨て吸収性物品。
6. 【請求項６】 前記配色の異なる部材は、弾性部材であ
   ることを特徴とする請求項５に記載の使い捨て吸収性物
   品。
7. 【請求項７】 前記配色の異なる部材は、非弾性部材で
   あることを特徴とする請求項５に記載の使い捨て吸収性
   物品。
8. 【請求項８】 前記目印は、ライン状、帯状、折れ線状
   の形状であることを特徴とする請求項１から７いずれか
   記載の使い捨て吸収性物品。
9. 【請求項９】 前記目印は、剛性部あるいは凹凸部によ
   り形成されているものであることを特徴とする請求項１
   から５いずれか記載の使い捨て吸収性物品。
10. 【請求項１０】 体液を吸収する吸収体を備えると共
    に、ウエスト開口部、胴回り域、股間部及びレッグ開口
    部を有し、吸収性物品の外面側に廃棄用止着テープを配
    設した使い捨て吸収性物品において、 折り畳み位置を指示する目印と該目印に応じて長さが調
    整された廃棄用止着テープとの組み合わせにより、使用
    後の吸収性物品の折り畳みかたを誘導する方法。
11. 【請求項１１】 体液を吸収する吸収体を備えると共
    に、ウエスト開口部、胴回り域、股間部及びレッグ開口
    部を有し、吸収性物品の外面側に廃棄用止着テープを配
    設した使い捨て吸収性物品において、 使い捨て吸収性物品の胴回り域に折り畳み位置を指示す
    る目印を設けることにより、「使用後に折り畳んで廃棄
    用止着テープで止着して廃棄処理する際の廃棄用止着テ
    ープ」の長さを短縮させる方法。
12. 【請求項１２】 体液を吸収する吸収体を備えると共
    に、ウエスト開口部、胴回り域、股間部及びレッグ開口
    部を有し、吸収性物品の外面側に廃棄用止着テープを配
    設した使い捨て吸収性物品において、 前記ウエスト開口部を折り曲げてウエスト側を折り畳む
    操作を誘導するための折り畳み位置を指示する目印を吸
    収性物品の胴回り域に備え、この目印を基準として、前
    記ウエスト側がウエスト開口部を折り込むようにして折
    り畳まれた後、前記股間部が該股間部の下方端から折り
    畳まれ、これら折り畳まれたものが前記廃棄用止着テー
    プで止着されることを特徴とする使い捨て吸収性物品。