JP4191242B2 - 取り外し可能に接続された前方部分を有するパンツおむつ又は衛生パンティ - Google Patents

Description

本発明は前方部分と、後方部分と、中間股部分と、内方及び外方ケーシングシート間に包被された吸収体とを含むパンツおむつ又は衛生パンティに関し、ここで前記前方部分は後方部分へ第１取り付け部により取り外し可能に接合される。
所謂オールインワンおむつは、おむつを着用している年齢的に少しばかり大きい子供用の、時にはトレーニングパンツと呼ばれる、パンツおむつに益々取って代わられている。パンツおむつは多くの良好な特徴を有する。パンツおむつは着用者にうまくフィットして、子供が立った状態で着脱し易く、子供に履かせた後にしっかりと適正位置に固定され、また快適な態様で、子供の動きに合わせて子供の体の形状に一致する。またパンツおむつは従来のアンダーパンツに似ており、パンツおむつをどの様に使用するかを理解することは容易であり、それにより、多くの場合、おむつを着用している年齢的に幾分大きい子供がパンツおむつを着用するのに必要とされる簡単な操作を自分自身で行うことを可能ならしめる。しかしながら、パンツおむつは、ある種の欠点も有する。これらは使用者が仰向けになった状態で交換することが困難であり、おむつの上に着用した衣料物品を、パンツおむつ交換時に、完全に取り外す必要がある。使用済みパンツおむつをオールインワンおむつと同じ態様で巻き上げて袋の中に密封できない。尚、糞便を含んだ汚れたパンツおむつは、パンツおむつを除去する時に着用者が汚れる恐れがある。
ＧＢ−Ａ−２２６７０２４は、これらの欠点を除去するように意図された上記種類のパンツおむつを教示している。第１解放可能取り付け部は各側縁の近くで前方部分に於て弱化線を含み、また再取り付け可能取り付け部は前方部分と後方部分との間のそれぞれの側部−縁接続部から、前方部分にわたって僅かに内方へ延びるフラップへ取り付けられたフック・アンド・ループ型ファスナーから成る。かかるパンツおむつを開放するために手で多くの操作を行う必要があり、一方、パンツおむつの開放は弱化線が比較的に接近しにくいものであるため困難である。更に、弱化線により形成された接合部はパンツおむつの製造を複雑にする。
本発明の目的は、上記周知のパンツおむつと類似したもので、従来のパンツおむつの欠点を除去し且つ少しの手操作により容易に開放でき、また製造が容易にできるパンツおむつを提供することである。
この目的は、冒頭で述べた種類のパンツおむつ又は衛生パンティにより本発明に従い達成され、前記パンツおむつ又は衛生パンティの特徴とするところは可撓性材料片が前記前方部分にわたって延び且つ第１解放可能取り付け部により前記前方部分へその面の大部分にわたって接合され、前記第１解放可能取り付け部は中央に位置する材料片区域の両側で、中央区域の側縁から前方部分の各側縁まで延び、また前記材料片は後方部分へ接合されることである。第１取り付け部は大きな面にわたって延びるので、この取り付け部を高度の安全性をもって寸法決めでき、パンツおむつ使用中に、特にパンツおむつ着用時に発生する力が第１取り付け部により十分余裕をもって取り上げられる一方、同時に取り付け部は前記前方部分から可撓性材料片を順次取り外すことにより容易に解放可能である。
本発明の一好適実施例に於て、前記材料片は第２取り付け部により前方部分へ再取り付け可能に接続され、また第１取り付け手段は前記取り付け部を解放するとき破壊される。便利には第１取り付け部は疎らな配置模様の溶着又は膠着部から成り、また材料片は弾性があり伸張状態で装着されウエスト弾性体として機能する。前記材料片の中央区域に設けられた手段は前記片を中央区域からパンツおむつの各側縁へ延びる二つの部分に分割し、また第２再取り付け可能取り付け部はパンツおむつの縦方向対称線の両側に前記中央区域内で材料片と前記前方部分との間へ設けられ、前記取り付け部は材料片の各二つの部分を前方パンツおむつ部分へ接合する。
次に本発明は添付図面に関して記載される。
図１は本発明のパンツおむつの一実施例の概略正面図である。
図２は図１のパンツおむつの正面図であり、開放状態でおむつを示す。
図３は図１と類似した図であり本発明のパンツおむつの第２実施例を示す。
図１及び図２は本発明の第１実施例によるパンツおむつを示す。パンツおむつはアンダーパンツと同態様で着用されるよう意図され、その特徴とするところはパンツおむつを着脱時に着用者の臀部にわたって容易に引っ張ることができるように伸張可能な弾性ウエスト部分を設けたことであり、またその弾力性は着用時にパンツおむつがパンツおむつのウエスト部分の弾性により生ぜしめられる収縮力で適正位置にしっかりと保持されるのを保証する程度のものである。製品寸法の数を制限すると同時に、これら機能上の要件を満たすために、パンツおむつは８０％よりも大きい伸張度を有することが好ましく、即ち、ウエスト部分を弛緩状態又は非伸張状態に於けるパンツおむつのウエスト部分の周囲部の１．８倍に相当する程度にまで伸張可能にすべきである。パンツおむつ着用時に、ウエスト部分の総合収縮力、即ち前方部分、後方部分及び側方部分に付与された弾性力により生ぜしめられる力の合計、は好ましくは３Ｎを越える。
図１及び図２に示すパンツおむつはスウェーデン特許出願第９２００６６３−４号に記載のパンツおむつと同態様で適当に構成され、また前記パンツおむつは内方ケーシングシート２と外方ケーシングシート３との間に包被された吸収体１を含む。内方ケーシングシート２は透液性であり、また例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル又はその混合物の繊維から作られた不織材料から成る。またビスコース繊維も使用できる。内方ケーシングシートを例えば有孔ポリエチレンシートの如き有孔プラスチックシートから形成することも想到される。外方ケーシングシート３は不透液性であるか又は少なくとも疎水性であり、また例えば、ポリエチレンのシートか、あるいはポリオレフィンにより被覆又は積層された不織材料のシート、を含むことができ、それにより不透液性に又は少なくとも疎水性になる。審美的及び心理的な理由により、外方ケーシングシート３は二つの層、即ち、内方不透液性層と内方層の外側に配置される紡織繊維状材料の層とから成ることができる。これにより着用者はパンツおむつをこれまでのようにそれほどプラスチック衣料として見たり感じたりしなくなるであろう。外方ケーシングシートがこの、今最後に述べた構成を有するとき、不透液性シートは紡織繊維又は織物状シートと同じ延長部を有することは必要ではなく、前記シートよりも小さくすることができ、例えば不透液性ケーシング材料をパンツおむつの側方部分から省略できる。
吸収体１は熱可塑性溶融繊維及び／又は所謂超吸収性材料の粒子の混合材を含む又は含まないセルロースフラッフパルプを含有でき、吸収体１は一つ又はそれ以上の層から成ることができる。
アンダーパンツと同様に、図１及び図２に示すパンツおむつはウエスト開口と、従来態様で脚弾性体４，５を備えた二つの脚開口とを有する。パンツおむつは着用者の脚を脚開口に通して挿入し、次いで着用者の臀部を覆いパンツおむつを引き上げることにより着用される。好ましくは、ウエスト開口で、即ちウエスト部分の最上方部分で弾性素子により生ぜしめられる収縮力はウエスト部分の残余部に於て生ぜしめられる収縮力よりも大きい。これは吸収体が吸収した尿で飽和状態にある時でさえ、パンツおむつがその意図された位置で着用状態に留まることを保証する。
パンツおむつは前方部分６、後方部分７及び中間股部分８を含む。繊維状不織材料又は可塑性材料から作られ且つ弾性的であるか又は適当な方法で弾性化された材料片９は、側縁間で前方部分６を横方向に横切って延び、また後方部分へパンツおむつの前方部分の外側で側方に位置する部分で接合される。片９は疎らな配置模様の溶着又は膠着点１０によりパンツおむつの前方部分の外方ケーシングシート３へ接合され、この配置模様はパンツおむつの縦方向対称線に関して中央になる区域１１を除いて本質的に前記材料片の全体にわたって延びる。材料片９は、パンツおむつの縦方向対称線に沿って延びる分離線１２により二つの部分１３，１４に分割される。再取り付け可能ファスナー手段は分離線１２の両側で中央区域１１内に装着される。例えばこれらの再取り付け可能ファスナー手段は、材料片９に設けられた雄部分１５，１６を含む外方向に突出したフック手段を有するベルクロ形式の如き、フック・アンド・ループ手段の形態を有することができる。図示の実施例に於て、ファスナー装置のループ状雌部分１７はケーシングシート３に装着されるバンド又はストリップを形成するように一体化される。
図１及び図２から見られるように、上記二つの部分１３，１４はパンツおむつの後方部分のケーシングシートから突出したフラップを形成し、このように前記後方部分と一体化される。しかしながら、代わりに、二つの部分１３，１４は、パンツおむつの後方部分から分離し且つ例えば溶着の如き適当な方法で側縁へ取り付けた片から構成できることは理解されよう。
上記パンツおむつはパンツおむつの上に着用したズボン又は同様の衣料を除去する必要なしに、単に中央区域１１の分離線１２により形成されたルースフラップを掴んで、片９の二つの部分１３，１４を引っ張って前方部分６から解放することにより除去し交換できる。これは容易に行われるが、なぜならパンツおむつの前方部分から部分１３，１４を引っ張るときに同時に外方ケーシングシート３と材料片９との間の少数の取り付け点１０を破断する必要があるだけだからである。部分１３，１４が前方部分から完全に緩められると、パンツおむつは図２に示す形状となり、ここで前方部分はもはや後方部分へは接続されていない。このようにパンツおむつの後方又は前方部分を着用者の脚の間に挿入できる。交換用パンツおむつは、上述の態様でパンツおむつの前方部分を緩め、着用者の脚の間に交換用パンツおむつの前方又は後方部分を挿入することにより、着用者に配置することができる。側方部分はパンツおむつをファスナー手段１５−１７で再取り付けすることにより共に取り付けられ、前記パンツおむつは、勿論、パンツおむつが再取り付けと共に正確な最終位置まで引き上げられていない場合、アンダーパンツと同態様で正確な最終位置まで引き上げることができる。
取り外されたパンツおむつは部分１３，１４が図２に示す位置にある状態で巻き上げられ、このように巻き上げられたパンツおむつはパンツおむつ部分１３，１４を共に結束することにより又はファスナー１５−１７により包装形態に固定される。
このように上述のパンツおむつは、ほんの少しの手操作で、また簡単且つ容易に理解できる態様で、容易に接近できるフラップにより開放可能である。パンツおむつの使用時及び取扱時に生じると考えられる全ての負荷の場合に於て、材料片がパンツおむつの前方部分へしっかりと取り付けられて維持されるように取り付け配置模様を寸法決めすることも容易であり、また同時に外方ケーシングシートから材料片を解放するために同時破断する必要がある取り付け点の数は材料片を適当な小さい力で緩めることができる程度の少ない数にすることを保証するのも容易である。取り付け配置模様を均一にする必要はないが、便利にはより密に、あるいはパンツおむつの前方部分の側部−縁部分で及び前記部分の上方隅部分でより強固にすることができ、これらの部分がパンツおむつ着用時に着用者の体に対して折り畳まれることを防ぐ。図３に於て、かかる不均一な取り付け配置模様を有する本発明によるパンツおむつの第２実施例を示す。図３のパンツおむつは異なった取り付け配置模様が設けられているという点だけ図１のおむつと異なる。故に図１の対応素子と同種の図３のパンツおむつの素子は、１００を加えた図１と同じ参照符号が付与され、また更なる記述をする必要はない。図３に示す実施例に於て、取り付け点が中央区域と側縁部分との間に存在しないように、取り付け点１１０の不均一な配置模様は中央区域１１１の両側で中断される。取り付け点のかかる中断された配置模様を可能にするために、更には材料片１０９を適当な小さい力により緩めることができるように、取り付け点を含んだ部域の総合計は十分に大きくしなければならない。故に図３に開示された実施例の材料片１０９は取り付け点１１０の疎らな配置模様を、その部域の少なくとも５０％、好ましくは７５％、有するべきである。
また本発明のパンツおむつは容易に製造でき、なぜなら適用される製造工程は特別な溶着又は膠着操作を付加して従来通りに適用されるものにできるからである。また使用されるパンツおむつは衛生的な観点から良好な態様で取り扱うこともできる。
上記実施例の一変化例に於て、開放パンツおむつは各材料片９，１０９の個別の部分１３，１４及び１１３，１１４を共に結束することにより再取り付けされる。この変化例はベルクロ型又は他の型の再取り付け可能ファスナーは必要としない。
上記実施例に於て、材料片９，１０９はウエスト弾性体を形成し、故に伸張状態で装着され、ここでパンツおむつの後方部分は従来型のウエスト弾性体を備えるか、又はかかる弾性体が無くてもよい。図示のパンツおむつの他の変化例に於て、材料片９，１０９はパンツおむつの後方部分を横切って横方向に延び且つ前記後方部分へ取り付けることもでき、用途の広いウエスト弾性体を形成する。
本発明の他の実施例（図示せず）に於て、パンツおむつの前方部分と材料片とを接合する手段は再取り付け可能であり、例えば再取り付け可能接着被覆から成る。またこの場合、取り付け部は疎らな配置模様の個々の膠着点から成る。恐らくはこの取り付け部は、例えばベルクロファスナーの如きフック・アンド・ループ型の、機械的再取り付け可能ファスナーの形態を有することができる。この場合、中央区域に再取り付け可能ファスナー手段を設けることは必要ではない。勿論、最初にパンツおむつを開放するとき破壊される取り付け点を再取り付け可能取り付け点の配置模様に含むことができる。
負荷が広い部域にわたって広げられるように取り付け配置模様が前記材料片の面の大部分にわたって延び、それらがパンツおむつの通常使用時に破断される恐れなしに容易に開放できる態様で形成可能であることは上述の実施例から明かであろう。
上述の実施例は専らパンツおむつに関するものであるが、本発明は衛生パンティ、即ち月経流体又は軽失禁流体を吸収するよう意図された吸収体が一体的に形成されたアンダーパンツ、の場合にも採用できることは理解されよう。
記載及び図示の実施例は本発明の範囲内で改変できることもまた理解されよう。例えば、材料片を二つの個別部分に分割する分離線に代えて、引裂ストリップ又はパーホレーションの線を使用できる。また分離線の縁は解放可能テープ又は同類物により共に保持することもできる。材料片は弾力性を必要としないが、なぜならパンツおむつは例えば二つのケーシングシート間に伸張状態で装着された弾性糸の如き、従来型のウエスト弾性体を備えることができるからである。フック・アンド・ループ型以外の型の再取り付け可能ファスナー手段、例えば再取り付け可能接着ファスナー、ビードと協働溝とから成る形状拘束型（shape-bound）ファスナー、等を使用できる。故に本発明は専ら以下の請求の範囲の内容により制限される。

Claims (4)

1. 前方部分（６；１０６）と、後方部分（７；１０７）と、中間股部分（８；１０８）と、内方及び外方ケーシングシート（それぞれ２及び３；１０２及び１０３）間に包被された吸収体（１；１０１）と、前記前方部分（６；１０６）にわたって延びまた前記後方部分（７；１０７）に接合されている可撓性材料片（９；１０９）とを含むパンツおむつ又は衛生パンティであって、ここで前記前方部分（６；１０６）は前記後方部分（７；１０７）へ第１解放可能取り付け部（１０；１１０）により取り外し可能に接合されるパンツおむつ又は衛生パンティに於て、前記可撓性材料片（９；１０９）は前記前方部分（６；１０６）の側縁間で前記前方部分（６；１０６）を横方向に横切って延び且つ前記第１解放可能取り付け部（１０；１１０）により前記前方部分へその面の少なくとも５０％にわたって接合され、前記第１解放可能取り付け部（１０；１１０）は前記前方部分（６；１０６）の対向側縁に対して中央に位置する前記材料片（９；１０９）の区域（１１；１１１）の両側で前記中央区域（１１；１１１）の側縁から前記前方部分（６；１０６）の各側縁まで延び、前記第１解放可能取り付け部（１０；１１０）が疎らな配置模様の溶着又は膠着部から成り、また前記材料片（９；１０９）が前記材料片を前記中央区域（１１；１１１）から前記前方部分（６；１０６）の各側縁まで延びる二つの部分（１３，１４；１１３，１１４）に分離するための分離線（１２；１１２）を前記中央区域（１１；１１１）に於て含み、
   前記材料片（９；１０９）は第２取り付け部（１５ないし１７；１１５、１１６）により前記前方部分（６；１０６）へ再取り付け可能に取り付けられており、
   前記第１解放可能取り付け部（１０；１１０）は再取り付け可能でなく前記第１解放可能取り付け部を緩めるとき破壊されることを特徴とするパンツおむつ又は衛生パンティ。
2. 取り付け配置模様は前記前方部分（６；１０６）の側縁部分及び前記前方部分の上方隅部分に於て他の部分よりも密であることを特徴とする請求の範囲第１項記載のパンツおむつ。
3. 前記材料片（９；１０９）は弾力性があり且つ伸張状態で装着されウエスト弾性体として機能することを特徴とする請求の範囲第１項又は第２項記載のパンツおむつ。
4. 前記材料片（９；１０９）と前記前方部分（６；１０６）との間の前記第２再取り付け可能取り付け部（１５ないし１７；１１５，１１６）は前記中央区域（１１；１１１）内でおむつの縦方向対称線の両側に配置され、ここで前記取り付け部（それぞれ１５，１７及び１６，１７；１１５，１１６）は前記材料片（９；１０９）の部分（１３，１４；１１３，１１４）をパンツおむつの前記前方部分へ取り付けることを特徴とする請求の範囲第１項記載のパンツおむつ。

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