JP2003309322A - 自己形成量子ドットを用いた半導体発光素子 - Google Patents

自己形成量子ドットを用いた半導体発光素子

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自己形成量子ドットを用いた半導体発光素子
に関し、設計自由度を高く保ったまま、優れた素子特性
と高い信頼性を得る。 【解決手段】 半導体中に光を伝搬させる導波構造と伝
搬光を増幅する活性層3が複数の量子ドット4,5を含
み、且つ、前記量子ドット4,5の下に互いに格子定数
の異なる複数の材料が周期的に繰返し併設されていると
ともに、前記繰返しの周期が光の伝搬方向に沿って伝搬
光の媒質内半波長の自然数倍の周期であり、且つ、前記
量子ドット4,5の密度または大きさの少なくとも一方
を、前記繰返し周期をもって周期的に変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自己形成量子ドット
を用いた半導体発光素子に関するものであり、特に、光
通信システムの光源として用いている半導体レーザや半
導体光増幅器(SOA)等の半導体発光素子における外
部反射や戻り光に対して安定に動作させるための活性領
域の構成に特徴のある自己形成量子ドットを用いた半導
体発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の光通信システムの高速化、高機能
化にともない、その光源として、波長安定性に優れた半
導体レーザや半導体光増幅器等の半導体発光素子が必要
とされており、特に、高出力動作のため後端面に高反射
膜を施した場合や外部反射による戻り光が生じた場合に
も波長飛びが生じないことが求められている。
【0003】従来、光通信システムに用いる光源として
は、モード安定性の良い単一波長レーザとして共振器方
向に周期的な利得変調を設けた利得結合型DFB(分布
帰還型)レーザが提案されている。なお、本明細書にお
ける利得結合型DFBレーザには、屈折率結合特性と利
得結合特性の双方を合わせ持つ複素結合型DFBレーザ
も含まれるものである。
【0004】この様な利得結合型DFBレーザにおける
利得変調の実現方法には幾つかの方法があるが、なかで
も多重量子井戸(MQW)活性層の一部を周期的にエッ
チング除去した構造は、他の方法に比べて比較的大きな
利得結合係数を確保できること、利得結合と屈折率結合
の位相が合致すること、及び、余計な吸収が発生しない
ことと言った利点を備えている(必要ならば、特願20
01−338407号参照)。
【0005】また、この様な多重量子井戸活性層の代わ
りに、電子の状態が3次元全方向に量子化された構造で
ある量子ドットを活性層に用いた利得結合型DFBレー
ザも提案されている(必要ならば、特開2001−32
6421号公報参照)。
【0006】このような量子ドットを活性層に用いた利
得結合型DFBレーザにおいては、格子不整合系材料を
特定の条件で気相エピタキシャル成長することで自己形
成される量子ドットを用いている。この格子不整合材料
を用いた自己形成量子ドットの形成過程は、所謂Str
anski−Krastanovモードでの3次元成長
である(必要ならば、上述の特開2001−32642
1号公報、或いは、特開平9−326506号公報参
照)。
【0007】即ち、格子不整合による歪エネルギーが弾
性限界を超えない成長初期には平坦な薄いエピタキシャ
ル層( 濡れ層) が形成されるが,成長層厚が増すにつれ
て3次元的な成長が起こり,格子不整合材料が島状に結
集する。これは、平坦なエピタキシャル層を形成する場
合の歪エネルギーに対して、3次元成長した場合の平均
的な歪エネルギーが小さく、結晶学的により安定な状態
であるためと考えられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の利得結合型DFBレーザにおいては、一様に形成
した活性層の一部を周期的にエッチング除去した後、新
たに半導体材料で埋め込む必要があるため、活性層と半
導体層との界面にはエッチングおよび埋め込み再成長に
よるダメージが入りやすく、初期特性や長期信頼性の悪
化につながるという問題点がある。
【0009】また、上述の特開2001−326421
号公報における第2の実施の形態のように、ウェットエ
ッチングによって周期的に凹凸を設けた構造の上に選択
的に活性層を形成することも可能である。
【0010】この場合、活性層を直接エッチングする必
要がないため比較的ダメージが入りにくいが、ウェット
エッチングによる凹凸形状の形成において特定の結晶面
方位を出す必要があるため、基板の面方位や共振器の方
向が制限され、これにより、他の素子と集積する場合の
設計自由度が低いという問題点がある。
【0011】したがって、本発明は、設計自由度を高く
保ったまま、優れた素子特性と高い信頼性を得ることを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、ここで、図1を参照して本発明にお
ける課題を解決するための手段を説明する。 図1参照 上記の課題を解決するために、本発明は、半導体中に光
を伝搬させる導波構造と伝搬光を増幅する活性層3を有
する自己形成量子ドットを用いた半導体発光素子におい
て、前記活性層3が複数の量子ドット4,5を含み、且
つ、前記量子ドット4,5の下に互いに格子定数の異な
る複数の材料が周期的に繰返し併設されているととも
に、前記繰返しの周期が光の伝搬方向に沿って伝搬光の
媒質内半波長の自然数倍の周期であり、且つ、前記量子
ドット4,5の密度または大きさの少なくとも一方が、
前記繰返し周期をもって周期的に変化することを特徴と
する。
【0013】この様な格子定数の異なる複数の材料によ
る周期的構造を設けることによって、量子ドット4,5
の密度または大きさの少なくとも一方を同じ繰返し周期
をもって周期的に変化させることができるので、活性層
3の成長後に、活性層3を周期的に直接エッチングする
ことなく、利得分布を形成することができる。
【0014】また、それによって、活性層3にエッチン
グに伴うダメージが導入されることがないので初期特性
や信頼性の低下を招くことがなく、また、他の素子と集
積する場合の設計自由度を高く保つことができる。
【0015】なお、この様な格子定数の異なる複数の材
料を適当に選ぶことによって、屈折率の大きな材料の上
に形成された量子ドット層の利得を、屈折率の小さな材
料の上に形成された量子ドット層の利得よりも大きくす
ることができ、この場合には、DFBモードのうちスト
ップバンドの長波長側のモードで発振するので、温度上
昇などによるモード飛びが発生することがなく、安定な
単一波長動作が得られる。
【0016】同様に、格子定数の異なる複数の材料を適
当に選ぶことによって、屈折率の大きな材料の上に形成
された量子ドット層の屈折率が、屈折率の小さな材料の
上に形成された量子ドット層の屈折率よりも小さくなる
ようにすることも可能であり、この場合には、格子定数
の異なる複数の材料による周期的な屈折率分布が量子ド
ット4,5による屈折率分布を相殺するので、より利得
結合型として動作させることができる。
【0017】また、量子ドット4,5のサイズが周期的
に変化する場合において、格子定数の異なる複数の材料
からなる周期的構造の周期を、サイズの大きな量子ドッ
ト4の共鳴光の媒質内半波長の自然数倍と合致させるこ
とによって、小さな量子ドット5は発振波長に対して透
明になるため、大きな利得変調を得ることができる。
【0018】また、この様な基板と格子定数の異なる半
導体層2は超格子構造層によって構成しても良く、それ
によって、ミスフィット転位等を発生することなく、基
板との間の歪みを大きな範囲で任意に設定することが可
能になる。
【0019】また、上述の半導体発光素子は、半導体光
増幅器として用いても良いが、典型的な形態としては、
活性層3の利得が上記繰返し周期で周期的に変化し、前
記周期的利得変化によって伝搬光が分布帰還を受ける利
得結合分布帰還型レーザである。
【0020】また、量子ドット4,5は、利得を稼ぐた
めに複数積層させることが望ましく、例えば、現在の成
長技術においては、4〜5層積層させることが望まし
い。
【0021】
【発明の実施の形態】ここで、図2乃至図5を参照し
て、本発明の第1の実施の形態の利得結合型DFBレー
ザを説明する。なお、図2(a)乃至図3(e)は共振
器方向に平行な面で切った鉛直断面図であり、また、図
3(f)乃至図4(i)は共振器方向に垂直な面で切っ
た断面図である。 図2(a)参照 まず、n型InP基板11上に、MOCVD法(有機金
属気相成長法)を用いて、厚さが、例えば、50nmの
n型GaInAsP層12を成長させる。このn型Ga
InAsP層12は組成波長は1.1μmであり、In
Pより格子定数が小さく、例えば、−0.5%の歪量と
する。
【0022】図2(b)参照 次いで、レジストを塗布したのち干渉露光法或いは電子
ビーム露光法を用いて露光し、現像することによって、
所望の周期の回折格子状のレジストパターン13を形成
する。この場合の回折格子状のレジストパターン13の
繰返し周期は発振光の媒質内波長の半波長である200
nmとする。
【0023】図2(c)参照 次いで、レジストパターン13をマスクとして、n型G
aInAsP層12の露出部をエッチング除去してn型
GaInAsP歪層14を形成する。
【0024】図2(d)参照 次いで、レジストパターン13を除去したのち、再びM
OCVD法を用いてn型InP層15を埋込成長させ
る。この場合、n型InP層15は、n型GaInAs
P歪層14と上面が一致するように成長するのが望まし
いが、場合によってはn型GaInAsP歪層14の上
面を覆っても良く、この場合には、n型GaInAsP
歪層14の上面を覆うn型InP層15の厚さをn型G
aInAsP歪層14の影響が表面に現れる程度に薄く
する必要がある。
【0025】この第1の実施の形態においては、図2
(d)において破線で示した円内に拡大して示したよう
に、n型GaInAsP歪層14の上を覆うn型InP
層15の厚さは、例えば、20nmとする。
【0026】図3(e)参照 次いで、特開平9−326506号公報に記載された方
法を用い、例えば、500℃の成長温度において、3分
子層相当分のInAsを供給してInAs量子ドット1
7,18を形成した後、AlGaInAs中間層19を
20nm成長させるという工程を繰り返し、計5層のI
nAs量子ドット17,18からなるInAs系量子ド
ット活性層16を形成し、次いで、p型InPクラッド
層20を成長させる。
【0027】この自己形成量子ドットの形成過程では、
成長初期に形成される濡れ層での歪エネルギーが弾性限
界を超えた時点で3次元成長が始まるため、InAs量
子ドット17,18の形成過程は、成長層と下地となる
層の格子定数の差、すなわち格子不整合度に大きく依存
する。
【0028】この場合、一般に、Stranski−K
rastanovモードで成長する範囲では,格子不整
合度が大きいほど量子ドットの密度は大きく、且つ、サ
イズは小さくなるが、InAsとGaInAsPの方が
InAsとInPよりも格子不整合度が大きいため、n
型InP層15上に成長するInAs量子ドット17
は、n型GaInAsP歪層14上に成長するInAs
量子ドット18に比べて、密度が小さく、且つ、サイズ
が大きくなる。
【0029】図3(f)参照 次いで、全面に厚さが、例えば、0.3μmのSiO2
膜を堆積させたのち、一般的なフォトリソグラフィー技
術を用いて共振器方向に平行な幅が、例えば、1.2μ
mのストライプ状のSiO2 パターン21を形成し、次
いで、このSiO2 パターン21をマスクとして異方性
ドライエッチングを施すことによってn型InP基板1
1に達するストライプ状メサ22を形成する。
【0030】図4(g)参照 次いで、再びMOCVD法を用いて、SiO2 パターン
21を選択性マスクとして、p型InP埋込層23及び
n型InP電流ブロック層24を選択的に成長させてス
トライプ状メサ22の側面を埋め込む。
【0031】図4(h)参照 次いで、SiO2 パターン21を除去したのち、再びM
OCVD法を用いて、厚さが、例えば、2μmのp型I
nPクラッド層25及び厚さが、例えば、0.5μmの
p型GaInAsPコンタクト層26を順次成長させ
る。
【0032】図4(i)参照 次いで、全面にSiO2 保護膜27を設けたのち、スト
ライプ状メサ22に対応するコンタクト用の開口部を形
成し、p側電極28を設けるとともに、n型InP基板
11の裏面にn側電極29を設けることによって量子ド
ットを用いた発振波長1.3μm帯の利得結合型DFB
レーザの基本構造が完成する。
【0033】図5(a)及び(b)参照 図5(a)は、この様にして形成した本発明の第1の実
施の形態の利得結合型DFBレーザの概略的斜視図であ
り、図5(b)は図5(a)における破線で示す平行四
辺形部の拡大図である。図に示すように、InAs量子
ドット17とInAs量子ドット18の密度とサイズは
下地構造を反映して互いに異なっているので、InAs
量子ドット17,18の密度分布及びサイズ分布に応じ
た利得変調によって分布帰還が生じ、利得結合型DFB
レーザとして発振する。
【0034】この様に、本発明の第1の実施の形態にお
いては、活性層を直接エッチングせずに周期的な利得変
調が実現しているため、しきい値電流が低く、大きなス
ロープ効率が得られる。
【0035】また、この場合にはInPよりGaInA
sPの屈折率が大きいので、この屈折率が大きいn型G
aInAsP層14上における利得を大きくすることに
よって、長波長側のモードで発振させることができ、温
度が上昇した場合にもモード飛びが発生することがない
ので、安定な動作が可能になる。
【0036】次に、図6を参照して、本発明の第2の実
施の形態の利得結合型DFBレーザを説明するが、歪層
をGaInAsPからInAsPに置き換えた以外の基
本的な構成は上記の第1の実施の形態と同様であるの
で、製造工程の説明は省略する。 図6(a)及び(b)参照 図6(a)は、本発明の第2の実施の形態の利得結合型
DFBレーザの概略的斜視図であり、図6(b)は図6
(a)における破線で示す平行四辺形部の拡大図であ
る。
【0037】InAsPはInPより格子定数が大きい
ため、InAsP歪層31の歪量は0.5%の圧縮歪と
なり、InAsとInPの方がInAsとInAsPに
比べて格子不整合度が大きいため、InAs量子ドット
17,18の密度はInAsP歪層31上よりもn型I
nP層15上の方が大きくなり、この密度分布によって
周期的な利得変調が生じる。
【0038】また、InPより屈折率の大きなInAs
P歪層31上のInAs量子ドット17の方が、屈折率
の小さなn型InP層15上のInAs量子ドット18
よりも密度が小さいため、導波光の感じる実効的な屈折
率差が小さくなるため、InAsP歪層31とn型In
P層15との周期構造に起因して導波光の感じる周期的
な屈折率変調が小さく抑えられて、周期的な利得変調に
よる分布帰還の効果がより強く現れる。
【0039】次に、図7を参照して、本発明の第3の実
施の形態の利得結合型DFBレーザを説明するが、歪層
をGaInAsP超格子歪層に置き換えた以外の基本的
な構成は上記の第1の実施の形態と同様であるので、製
造工程の説明は省略する。 図7(a)及び(b)参照 図7(a)は、本発明の第3の実施の形態の利得結合型
DFBレーザの概略的斜視図であり、図7(b)は図7
(a)における破線で示す平行四辺形部の拡大図であ
る。
【0040】この超格子歪層32は、GaInAsP格
子整合層33とGaInAsP歪層34とを交互に積層
したものであり、ここでは、GaInAsP歪層34は
圧縮歪1.0%で厚さが5nm、GaInAsP格子整
合層33は厚さが10nmで、1〜10ペアからなる超
格子構造とする。なお、GaInAsP格子整合層33
とGaInAsP歪層34の組成波長はともに1.1μ
mとする。
【0041】この場合、InAsとInPの方がInA
sとGaInAsP超格子に比べて格子不整合度が大き
いため、InAs量子ドット17,18の密度は超格子
歪層32上よりもn型InP層15上の方が大きくな
り、この密度分布によって周期的な利得変調が生じる。
【0042】この本発明の第3の実施の形態において
は、歪層として超格子歪層32を用いているので、ミス
フィット転位を発生させることなく歪量を大きくするこ
とができるので、利得分布の変化をより大きくすること
ができる。
【0043】次に、図8を参照して、本発明の第4の実
施の形態の利得結合型DFBレーザを説明するが、歪層
をGaInAsP歪層に置き換えた点、及び、下地の周
期構造の周期以外の基本的な構成は上記の第1の実施の
形態と同様であるので、製造工程の説明は省略する。 図8(a)及び(b)参照 図8(a)は、本発明の第4の実施の形態の利得結合型
DFBレーザの概略的斜視図であり、図8(b)は図8
(a)における破線で示す平行四辺形部の拡大図であ
る。このGaInAsP歪層35の歪量は、圧縮歪0.
5%であり、また、組成波長は1.1μmとする。
【0044】この場合、InAsとInPの方がInA
sとGaInAsPに比べて格子不整合度が大きいた
め、n型GaInAsP歪層35上のInAs量子ドッ
ト17よりもn型InP層15上のInAs量子ドット
18の方がサイズが小さくなる。
【0045】ここで、この第4の実施の形態における下
地の周期構造の周期は、n型GaInAsP歪層35上
のInAs量子ドット17の共鳴光の媒質内での半波長
に設定しているので、より大きな利得変調を得ることが
できる。
【0046】即ち、量子ドットの共鳴波長はサイズが大
きいほど長波長になるので、サイズの大きなInAs量
子ドット17の共鳴光に周期を合致させた場合、サイズ
の小さなInAs量子ドット18は発振光に対して透明
になるので、より大きな利得変調を得ることができる。
【0047】以上、本発明の各実施の形態を説明してき
たが、本発明は各実施の形態に記載した構成に限られる
ものではなく、各種の変更が可能である。例えば、上記
の各実施の形態の説明においては、主に光通信用半導体
レーザに用いられるInP基板上の材料系で説明した
が、この様なInP系に限られるものではなく、例え
ば、GaAs基板上のInAs量子ドット、AlSb
系、GaSb系、InSb系等の他の材料系にも適用さ
れるものである。
【0048】また、歪層や量子ドットを覆う中間層の材
料についても上記実施の形態における材料に限られるも
のではなく、本発明の効果が現れる範囲で自由に設定で
きる。
【0049】また、上記各実施の形態においては、基板
上に直接歪層を成長させているが、基板上に、n型In
Pバッファ層やGaInAsP光閉じ込め層を設けて、
その上に歪層を設けても良いものである。
【0050】また、上記の各実施の形態においては、歪
層を設けたのち選択的にエッチングして周期的構造を形
成しているが、エッチング工程におけるダメージを低減
するために、歪層上にn型InP層等の保護層を設けた
のちエッチングしても良いものである。
【0051】また、上記の各実施の形態においては、量
子ドット活性層の上にp型InPクラッド層を成長させ
ているが、量子ドット活性層の上にGaInAsP光閉
じ込め層を介してp型InPクラッド層を成長させても
良いものである。
【0052】また、上記の各実施の形態においては、電
流狭窄構造をPBH構造で形成しているが、この様なP
BH構造に限られるものではなく、通常のBH構造等の
他の公知の各種の電流狭窄構造を適用できるものであ
る。
【0053】また、上記の各実施の形態においては、基
板をn型基板としたDFBレーザとして説明している
が、p型基板を用いても良いことは言うまでもなく、そ
の場合には、各実施の形態における各層の導電型を反転
させれば良い。
【0054】また、上記の各実施の形態においては、利
得結合型DFBレーザとして説明しているが、利得結合
型DFBレーザに限られるものではなく、レーザ発振し
ない程度にバイアスして半導体光増幅器(SOA)とし
て用いても良いものである。
【0055】ここで、再び、図1を参照して、改めて本
発明の詳細な構成を説明する。 再び図1参照 (付記1) 半導体中に光を伝搬させる導波構造と伝搬
光を増幅する活性層3を有する半導体発光素子におい
て、前記活性層3が複数の量子ドット4,5を含み、且
つ、前記量子ドット4,5の下に互いに格子定数の異な
る複数の材料が周期的に繰返し併設されているととも
に、前記繰返しの周期が光の伝搬方向に沿って伝搬光の
媒質内半波長の自然数倍の周期であり、且つ、前記量子
ドット4,5の密度または大きさの少なくとも一方が、
前記繰返し周期をもって周期的に変化することを特徴と
する自己形成量子ドットを用いた半導体発光素子。 (付記2) 上記格子定数の異なる複数の材料のうち、
屈折率の大きな材料の上に形成された量子ドット層の利
得が、屈折率の小さな材料の上に形成された量子ドット
層の利得より大きいことを特徴とする付記1記載の自己
形成量子ドットを用いた半導体発光素子。 (付記3) 上記格子定数の異なる複数の材料のうち、
屈折率の大きな材料の上に形成された量子ドット層の屈
折率が、屈折率の小さな材料の上に形成された量子ドッ
ト層の屈折率より小さいことを特徴とする付記1記載の
自己形成量子ドットを用いた半導体発光素子。 (付記4) 上記繰り返し周期で、上記量子ドットのサ
イズが周期的に変化しており、前記周期が前記量子ドッ
ト4,5のうちサイズの大きな量子ドット4の共鳴光の
媒質内半波長の自然数倍と合致していることを特徴とす
る付記1乃至3のいずれか1に記載の自己形成量子ドッ
トを用いた半導体発光素子。 (付記5) 上記格子定数の異なる複数の材料による周
期的構造のうち、少なくとも一部の層が超格子構造から
なることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載
の自己形成量子ドットを用いた半導体発光素子。 (付記6) 上記活性層3の利得が上記繰返し周期で周
期的に変化し、前記周期的利得変化によって伝搬光が分
布帰還を受けることによって利得結合分布帰還型レーザ
として動作することを特徴とする付記1乃至5のいずれ
か1に記載の自己形成量子ドットを用いた半導体発光素
子。 (付記7) 上記量子ドット4,5が複数積層されてい
ることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1に記載の
自己形成量子ドットを用いた半導体発光素子。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、活性層を直接エッチン
グすることなしに利得結合型DFBレーザを製造するこ
とができるため、エッチングダメージによる特性悪化お
よび長期信頼性の悪化を防ぐことができ、また、特定の
基板面方位や共振器方向に依らずに周期的な利得変調が
実現できるため、利得結合型DFBレーザを他の素子と
集積する場合の設計自由度を大きく保つことができ、ひ
いては、光通信分野における高速化或いは高機能化に寄
与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の利得結合型DFB
レーザの途中までの製造工程の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の利得結合型DFB
レーザの図2以降の途中までの製造工程の説明図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施の形態の利得結合型DFB
レーザの図3以降の製造工程の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の利得結合型DFB
レーザの構成説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の利得結合型DFB
レーザの構成説明図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態の利得結合型DFB
レーザの構成説明図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態の利得結合型DFB
レーザの構成説明図である。
【符号の説明】
1 半導体層 2 半導体層 3 活性層 4 量子ドット 5 量子ドット 11 n型InP基板 12 n型GaInAsP層 13 レジストパターン 14 n型GaInAsP歪層 15 n型InP層 16 InAs系量子ドット活性層 17 InAs量子ドット 18 InAs量子ドット 19 AlGaInAs中間層 20 p型InPクラッド層 21 SiOパターン 22 ストライプ状メサ 23 p型InP埋込層 24 n型InP電流ブロック層 25 p型InPクラッド層 26 p型GaInAsPコンタクト層 27 SiO2 保護膜 28 p側電極 29 n側電極 31 n型InAsP歪層 32 超格子歪層 33 n型GaInAsP格子整合層 34 n型GaInAsP歪層 35 n型GaInAsP歪層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体中に光を伝搬させる導波構造と伝
    搬光を増幅する活性層を有する半導体発光素子におい
    て、前記活性層が複数の量子ドットを含み、且つ、前記
    量子ドットの下に互いに格子定数の異なる複数の材料が
    周期的に繰返し併設されているとともに、前記繰返しの
    周期が光の伝搬方向に沿って伝搬光の媒質内半波長の自
    然数倍の周期であり、且つ、前記量子ドットの密度また
    は大きさの少なくとも一方が、前記繰返し周期をもって
    周期的に変化することを特徴とする自己形成量子ドット
    を用いた半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 上記格子定数の異なる複数の材料のう
    ち、屈折率の大きな材料の上に形成された量子ドット層
    の利得が、屈折率の小さな材料の上に形成された量子ド
    ット層の利得より大きいことを特徴とする請求項1記載
    の自己形成量子ドットを用いた半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 上記格子定数の異なる複数の材料のう
    ち、屈折率の大きな材料の上に形成された量子ドット層
    の屈折率が、屈折率の小さな材料の上に形成された量子
    ドット層の屈折率より小さいことを特徴とする請求項1
    記載の自己形成量子ドットを用いた半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 上記繰り返し周期で、上記量子ドットの
    サイズが周期的に変化しており、前記周期が前記量子ド
    ットのうちサイズの大きな量子ドットの共鳴光の媒質内
    半波長の自然数倍と合致していることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれか1項に記載の自己形成量子ドット
    を用いた半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 上記格子定数の異なる複数の材料による
    周期的構造のうち、少なくとも一部の層が超格子構造か
    らなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項
    に記載の自己形成量子ドットを用いた半導体発光素子。
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