JP2003305358A - 濾過ケークの融解方法およびその装置 - Google Patents

濾過ケークの融解方法およびその装置

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JP2003305358A JP2002110130A JP2002110130A JP2003305358A JP 2003305358 A JP2003305358 A JP 2003305358A JP 2002110130 A JP2002110130 A JP 2002110130A JP 2002110130 A JP2002110130 A JP 2002110130A JP 2003305358 A JP2003305358 A JP 2003305358A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿潤性に富む濾過ケーク、特にビス(2−ヒ
ドロキシエチル)テレフタレートを主成分とする濾過ケ
ークをコンパクトな設備で効率良く、短時間で融解する
方法、並びにその装置を提供する。 【解決手段】 濾過ケークを融解する融解器と、融解器
から排出される液を溜める融解液受槽と、融解液受槽の
液を融解器に循環させる手段と、循環液を加熱する加熱
手段とを備えた濾過ケークの融解装置であって、該融解
器は濾過ケーク投入用の開閉式上蓋を有し、該融解器の
内部には濾過ケークを固形の状態では底部に落下させな
いが融解液として底部に落下させるように配列した伝熱
管束と、循環液を伝熱管束上のケークに噴射する噴射手
段とを有し、かつ好ましくは該融解器の底部には融解液
の固化を防止する加熱手段を有する濾過ケークの融解装
置、並びにこの装置を用いて濾過ケークを融解する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は濾過ケークの融解方
法およびその装置に関する。さらに詳しくは、濾過ケー
ク、特にビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート
を主たる溶質とするエチレングリコール溶液から該ビス
(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを晶析させ、
濾過する精製処理で得られた濾過ケークを効率良く融解
する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレート(以下、PETまたはペットということがあ
る)は、例えばボトル、シートやフィルム、繊維等の製
品として大量に生産、使用されている。これら製品は、
通常、使用後廃棄されるが、廃棄品、特に廃棄ボトルに
よる環境悪化が社会問題となり、これらを回収、再利用
するリサイクルシステムが検討され、一部社会システム
として実施されている。回収されたPET製品、例えば
ボトル、フィルム、繊維等は、エチレングリコール(以
下、EGということがある)で解重合できるポリマーか
らなるので、粉砕してから、単独であるいは2種以上を
混合した状態で解重合することができる。そして、得ら
れる解重合反応生成液からはPETの単量体であるビス
(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(以下、BH
ETということがある)を精製分離し、得られる高純度
のBHETは公知の方法で重縮合することによってポリ
マーとし、さらに該ポリマーは成形して再びPET製品
とすることができ、完全循環型リサイクルシステムの構
築が可能である。
【0003】本発明者は、このシステムに係る方法を先
に提案(特開2000−16962号)したが、商業生
産規模で、BHETを溶質とするEG溶液から固液分離
が可能な大きさでBHETを晶析させるのは、この方法
以外に例を見ない。そしてさらに検討を進めた結果、晶
析物をフィルタープレスにて固液分離するのが、商業生
産規模での技術として、特に好ましい方法であることを
知見した。
【0004】このフィルタープレスを用いて固液分離を
行う場合、間歇的に一度に多量の濾過ケークが平板状で
各濾室から落下排出されるが、この濾過ケークは次の処
理に付するために、フィルタープレスの次のサイクルで
の排出が開始される迄の間、例えば10〜40分の間に
全量を融解しなければならないケースが多い。
【0005】本発明者の更なる検討の結果、濾過ケーク
の再融解を加熱撹拌槽で行う場合、平板状の濾過ケーク
を粉砕し、所定時間内に加熱撹拌槽へ仕込み、融解しな
ければならないが、このケークは粘着性があり、粉砕機
や供給機の部分で粘着し、粉砕や送り出しが極めて困難
であること、さらに伝熱面積が大きくかつ熱容量の大き
な融解槽を必要とし、熱容量が少ないときには攪拌槽内
でケークが塊状となり、極めて大きな撹拌動力を必要と
し不経済であることが明らかになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者はこの問題を
解決すべく検討した結果、多量の濾過ケークを密に配列
した伝熱管束の上に堆積させ、堆積したケークの重量で
該ケークを伝熱管に密着させながら加熱融解すると共
に、加熱した融解液を堆積ケークにほぼ均一に噴射して
該ケークを融解するシステムが、濾過ケークを容易にし
かも短時間で融解でき、融解の効率化および設備のコン
パクト化が達成できることを見出し、本発明に到達し
た。
【0007】従って、本発明の第1の目的は、湿潤性に
富む濾過ケーク、特にビス(2−ヒドロキシエチル)テ
レフタレートを主成分とする濾過ケークを効率良く、短
時間で融解するコンパクトな装置を提供することにあ
る。
【0008】本発明の第2の目的は、湿潤性に富む濾過
ケーク、特にビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレ
ートを主成分とする濾過ケークをコンパクトな設備で効
率良く、短時間で融解する方法を提供することにある。
【0009】本発明のその他の目的や利点は、以下の更
なる説明から明らかになろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の第1の目的は、濾過ケークを融解する融解器と、融解
器から排出される液を溜める融解液受槽と、融解液受槽
の液を融解器に循環させる手段と、循環液を加熱する加
熱手段と融解液の取出し口を備えた濾過ケークの融解装
置であって、該融解器は濾過ケーク投入用の開閉式上蓋
を有し、該融解器の内部には濾過ケークを融解するため
の配列した伝熱管束と、循環液を伝熱管束上のケークに
噴射する噴射手段を有することを特徴とする濾過ケーク
の融解装置によって達成される。
【0011】さらに、本発明の第2の目的は、上記融解
装置の開閉式上蓋を開いて濾過ケークを投入し、投入後
の上蓋は融解処理の間閉じた状態にし、該融解器に投入
され伝熱管束上に堆積したケークは伝熱管束で加熱する
と共に器内の循環液噴射手段から循環液を噴射すること
で融解し、融解した液は伝熱管束の隙間から融解器内の
底部に落下させ、さらに該底部に設けた排出口から融解
液受槽へ移送し、融解液受槽の液は循環手段で循環液噴
射手段に循環させ、その途中で加熱手段にて所定の温度
に加熱し、噴射手段から堆積ケーク上に噴射することを
特徴とする濾過ケークの融解方法によって達成される。
【0012】本発明は、さらに好ましい態様として、融
解槽の底部には融解液の固化を防止するための加熱手段
を有すること、前記伝熱管束がフィン付き伝熱管であり
かつ約40kgの濾過ケークを3mの高さから落下させ
たときの衝撃に耐えるものであること、前記伝熱管束が
2段以上の配列からなりかつ上段と下段の伝熱管束が三
角型配列で水平に配列されていること、前記循環液噴射
手段を融解器の側壁上部に上蓋の開閉が自由にできかつ
ケークの投入の邪魔にならないように設置しかつ該噴射
手段は循環液の冷却固化を防止して閉塞しないような構
造とすること、前記融解器の上蓋に冷却手段を設けて濾
過ケークに同伴する溶媒の蒸気を器外へ発散させなよう
にすること、前記融解器の底部から融解液受槽への液移
送にU字シール機能を有する加熱配管を用い、該U字シ
ール機能で溶融液受槽からの蒸気が溶融器へ流入するの
を防止すること、前記濾過ケークがビス(2−ヒドロキ
シエチル)テレフタレートを主たる固形成分とするケー
クであること、等を包含する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を引用
しながら説明する。
【0014】図1は本発明における濾過ケークの融解装
置の一例を示す概要図であり、図2は該融解装置を構成
する融解器のA−A方向断面図である。
【0015】図1において、1は濾過ケークを融解する
融解器、2は融解器1の底部から排出される液を溜める
融解液受槽、3は融解液受槽2の液を融解器1に循環さ
せる手段としての循環ポンプ、4は循環液を加熱する加
熱手段としての加熱器、5は融解液受槽2からの蒸気を
冷却、還流するコンデンサー、6は伝熱管(束)、7は
伝熱管束6の上に堆積したケーク、8は循環液を堆積ケ
ーク7に噴射する噴射手段としてのジャケット式シャワ
ーヘッダー、9はU字シールジャケット配管、10は融
解器1の開閉式上蓋、11は融解器1の底部を加熱する
加熱ジャケット(または加熱コイル)、12は上蓋10
を冷却する冷却ジャケット(または冷却コイル)、13
は融解液の取出し口である。なお、融解液の移送管はジ
ャケット付き管であり、該ジャケットに熱媒、例えばス
チームを通して融解液が固化しないように加熱する。そ
こで、14はジャケット式配管スチーム入口、15はジ
ャケット式配管スチームドレン出口、16は伝熱管およ
びメルター底部ジャケットのスチーム入口、17a,1
7bは伝熱管およびメルター底部ジャケットのスチーム
ドレン出口、18は上蓋冷却の冷却水入口、19は上蓋
冷却の冷却水出口、20はジャケット式配管のスチーム
ドレン出口、21は冷却水入口、22は冷却水出口、2
3はスチームドレン出口、24は加熱器スチーム入口、
25は加熱器スチームドレン出口である。
【0016】前記融解装置において、融解器1は濾過ケ
ーク投入用の冷却ジャケット(または冷却コイル)12
付き開閉式上蓋10を有し、該融解器1の内部には濾過
ケークを固形の状態では底部に落下させないが融解液と
して底部に落下させるように水平に配列した伝熱管束6
と、循環液を伝熱管束6上の堆積ケーク7に噴射する噴
射手段としてのジャケット式シャワーヘッダー8とを有
し、かつ該融解器1の底部外部には融解液の固化を防止
する加熱ジャケット(または加熱コイル)11を有す
る。この底部加熱は融解器1の全体(但し、上蓋10を
除く)、あるいは伝熱管束6を設けた位置近傍より下側
を加熱ジャケットまたは加熱コイルで過熱することで兼
ねてもよい。前記開閉式上蓋10は濾過ケークを融解器
1に投入するときは開くが、融解処理の間は閉止する。
そして、上蓋10は冷却ジャケット12に冷却水を通す
ことで冷却されており、これによって融解器内部の蒸気
は上蓋10およびその近傍で冷却され、蒸気として器外
に発散するのを防止する。濾過ケークの投入は、濾過機
(好ましくはフィルタープレス)を融解器1の上部に設
置し、該融解器1の上蓋10を開いた状態で、該濾過機
(好ましくはフィルタープレス)からケークを脱落させ
る手段で行うのが簡便である。ケーク投入が終了すれ
ば、該上蓋を閉じる。濾過機と融解器1の伝熱管束6と
の間隔は短いほど好ましいが、通常は設備上の制約から
2〜3mの間隔をとることになろう。
【0017】前記伝熱管6はフィン付き伝熱管であるこ
とが好ましい。このフィンとしては、例えば平行流フィ
ンまたは直行流フィンであるヘリカルフィン、ローフィ
ン、ディスクフィン、スターフィン、スタンドフィン等
を挙げることができる。また、該伝熱管束6は約40k
gの濾過ケークを3mの高さから落下させたときの衝撃
に耐えるものであることが好ましい。さらには、このフ
ィンは約35〜40kgのケークの塊が、合わせて2,
000〜3,000kgとなる量で、約3mの高さから
一度に落下する衝撃に耐えるものとするのが好ましい。
伝熱管は相互にフィンとフィンの間にかみ合わせて近接
して設置することが好ましい。さらに、該伝熱管束6は
2段以上の配列からなり、かつ上段と下段の伝熱管束が
三角型配列(3本の配管の位置が三角型となるような配
列)で水平に配列されていることが好ましい。また、該
伝熱管束6は下側の段ほど管束の密度を高くすること
が、固形ケークを溶融器1の底部に落下させないように
するのに有効である。伝熱管相互の間隔は、濾過ケーク
の特性にもよるが、2〜20mm、さらには 5〜10
mmであることが好ましい。
【0018】前記伝熱管束6に熱媒、例えばスチームを
通して、該管を所定の温度に維持し、所定の熱量を濾過
ケークに伝えるが、この温度としては90〜197℃、
さらに110〜150℃であることが好ましい。
【0019】前記伝熱管束6上に堆積したケーク7の層
は該伝熱管束6からの伝熱とジャケット式シャワーヘッ
ダー8からの加熱循環液の噴射とで上下方向から加熱さ
れて融解する。
【0020】融解した液は融解器1の底部で好ましくは
一箇所に集められ、U字シール機能を有する移送管(U
字シール管)を経て融解液受槽2に流下する。このU字
シール管を設けることで融解液受槽2中の蒸気が融解器
1に流入するのを防止する。融解液受槽2中の液は液移
送ポンプ3にて加熱器4に送られる。融解処理後の液或
いは融解処理中の循環しなかった液(非循環液)は取出
し口13から融解液とした目的に沿って次の工程、例え
ば蒸留精製工程に送られる。この取出し口13は、図1
では融解液受槽2と循環ポンプ3を繋ぐ配管の途中に設
けてあるが、例えば融解液受槽2の底部に直接設けても
よく、また循環ポンプ3と加熱器4を繋ぐ配管の途中に
設けてもよい。後者の場合には、循環ポンプ3は融解液
を次の工程に移送するポンプの役目も兼ねることにな
る。そして。加熱器4への液量と次の工程への液量の配
分調整は調節弁を設けることで簡便に行なうことができ
る。例えば、融解処理後この調節弁の調整で加熱器4へ
の液量を0%とし、次の工程へ融解液を100%移送す
ることもできるし、また融解処理中この弁の調整で加熱
器4への液量を80%とし、次の工程への液量を20%
とすることもできる。
【0021】前記融解液受槽2から循環ポンプ3で加熱
器4へ送られ加熱された融解液は、ジャケット式加熱配
管を経てジャケット式シャワーヘッダー8へ入り、該ヘ
ッダ8から堆積ケーク7の上にできるだけ均一に勢い良
くシャワーされる。シャワー量は、融解処理時の総量
で、融解処理開始時の濾過ケークの重量に対して2〜2
0重量倍、さらには3〜10重量倍であることが好まし
い。因みに、融解時間を20分とし、シャワー量を2重
量倍とすると、20分の間に2重量倍の液をシャワーす
ることになる。加熱された融解液のシャワーによって濾
過ケークは上面からも融解し、融解器1の底部で集めら
れて融解液受槽2へ流下する。融解液受槽2にはベント
コンデンサー5が付けられてあり、該ベントコンデンサ
ー5で蒸発するEGを凝縮して還流する。加熱器4とし
てはジャケット付き単管方式の加熱器でもよいが、通常
用いられている多管方式の加熱器(例えば、熱交換器)
であることが好ましい。循環液は100〜150℃、さ
らには110〜130℃の温度に加熱するのが好まし
い。
【0022】前記ジャケット式シャワーヘッダー8は融
解器1の側壁上部で、上蓋10の開閉や濾過ケークの投
入に支障がない位置に複数(例えば、2〜10個)設置
されている。このヘッダーの位置は図2に示す位置であ
ることが好ましく、噴射液が両側壁上部からケークにほ
ぼ均一に噴射されるようにするのが好ましい。
【0023】前記堆積ケーク7は融解処理開始時の層厚
が10〜30mm、さらには20〜25mmであること
が好ましい。
【0024】本発明における濾過ケークは、通常その素
性は問わないが、特にビス(2−ヒドロキシエチル)テ
レフタレート(BHET)を主たる固形成分とする濾過
ケーク、さらにはBHETを主たる溶質とするエチレン
グリコール(EG)溶液から該BHETを晶析させ、濾
過する精製処理で得られた濾過ケークであることが好ま
しい。このBHETを主たる溶質とするEG溶液として
は、例えばPET製品を粉砕後、EGで解重合処理した
反応液、さらには該反応液を精製処理(例えば、脱色処
理、脱イオン処理等)した溶液等を挙げることができ
る。この濾過ケークは、通常、濾過機から排出された直
後のものであり、溶媒を含み、湿潤性に富んでいる。
【0025】前記BHETを主たる固形成分とする濾過
ケークは、溶媒であるEGを通常30〜50重量%含有
する。純粋なBHETは融点が111〜112℃の範囲
にあるが、これにEGが混入すると融点降下が著しく、
例えば1重量%のEGが混入することで融点が約1.2
〜1.3℃低下する。さらに、BHETのEGに対する
飽和溶解度は50℃で15%、70℃で40%、80℃
で65%、90℃では93%を示し、100℃付近の温
度であれば容易に液化する。従って、濾過ケークの融解
には90〜130℃、さらには95〜105℃の温度で
加熱することが好ましい。
【0026】本発明における濾過ケークの融解は上記温
度に加熱することで行うのが好ましい。その際、液中で
濾過ケークを融解する方法には融解液の伝熱係数が小さ
いためにケークの融解速度が小さいという不利がある
が、伝熱管束に圧着されたケークの塊は該伝熱管からの
効率のよい熱伝導によって融解が円滑に行われる。さら
に、堆積ケーク層表面に加熱された多量の液を連続して
強制的に勢い良くシャワーリングして該ケーク表面を洗
い流しつつ融解を進行させることは、堆積ケークの低部
および上面の両面からの積極的な融解が行われることに
なり、融解の効率がより一層高められる。
【0027】本発明の方法は、濾過ケークの融解装置と
して前記融解装置を用い、該融解装置の開閉式上蓋を開
いて濾過ケークを投入し、投入後の上蓋は融解処理の間
閉じた状態にし、該融解器に投入され伝熱管束上に堆積
したケークは伝熱管束で加熱すると共に器内の循環液噴
射手段から循環液を勢い良く噴射することで融解し、融
解した液は伝熱管束の隙間から融解器内の底部に落下さ
せ、さらに該底部に設けた排出口から融解液受槽へ移送
し、融解液受槽の液の一部は循環手段で循環液噴射手段
に循環させ、その途中で加熱手段にて所定の温度に加熱
し、噴射手段から堆積ケーク上に噴射することで行う。
この融解処理は、通常、間歇的に濾過サイクルに合わせ
て行う。これによって、濾過機を融解器の上方に配置
し、濾過ケークを直接濾過機から融解器に投入すること
ができる。濾過ケークの投入時には融解器の上蓋を開
き、ケーク投入後は該上蓋を閉止する。濾過ケークの投
入量は、濾過機の能力にもよるが、通常、1回当り2,
000〜3,000kgとなろう。投入されたケークは
所定の温度に加熱された伝熱管束および循環液噴射手段
から噴射される循環液によって融解される。融解処理時
間は40分以下、さらには30分以下とするのが好まし
い。また、この処理時間の下限としては、好ましくは1
0分、さらに好ましくは15分が挙げられる。この間、
上蓋の冷却ジャケットまたは冷却コイルに冷却液を通
し、上蓋で溶媒蒸気を冷却、凝縮して、該蒸気が器外に
発散するのを防止する。融解した液は伝熱管束の隙間を
通って落下し、融解器内の底部に集められ、排液口から
U字シール管を経て融解液受槽に移送される。該受層の
融解液は取出され、その一部又は全部をケーク融解用の
循環液として循環させる。この液は液循環の途中で加熱
器によって所定の温度に加熱し、循環液噴射手段によっ
てケークの上に勢い良く均一に噴射する。融解液受槽か
ら取出された融解液は次の工程、例えば蒸留精製工程に
送られる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。
【0029】実施例1 図1に示した装置と同じシステムの装置を用い、該装置
の長さ12m、幅1.6mの融解器1の内部には44本
の伝熱管束6が設けてあり、この伝熱管束6には130
℃の熱媒を流すことができる。この伝熱管束6に130
℃の熱媒を通しながら融解器1の上蓋を開き、該伝熱管
束の上に厚さ22mm、重さ35kgの粗BHETケー
ク(濾過ケーク)7を72個投下した。次いで、上蓋を
閉じ、融解液受槽2から取出して130℃に予熱したB
HET融解液(循環液)を、融解器1側面上部の20箇
所に設けたシャワーヘッダー9から、50,000kg
/hrで噴射したところ、25分間でBHETケークを
完全に融解することができ、全量を融解液受槽2へ落す
ことが出来た。
【0030】この融解液2,520kgを蒸留装置に送
って蒸留精製し、すなわちエチレングリコールを主成分
とする低沸点物1,008kgを133Paの減圧下に
溜去し、高沸点物を215℃、13.3Paで分子蒸留
に付することにより、1,058kgの精製ビス(2−
ヒドロキシエチル)テレフタレートを得ることが出来
た。冷却固化した精製ビス(2−ヒドロキシエチル)テ
レフタレートは、白色で融点112℃、酸価0.4mg
KOH/gを有する高純度品であった。
【0031】比較例1 実施例1で使用した粗BHETケーク100kgを、3
00リットルのオートクレーブに投入し、150℃に加
熱して融解したところ、120分間処理した後で完全に
融解させることができた。この処理時間では、固液分離
工程前後の連続工程に支障を与え、該工程に組み込むこ
とができない。
【0032】また、得られた融解液を実施例1と同じ条
件で蒸留精製処理して精製ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレートを得た。このビス(2−ヒドロキシ
エチル)テレフタレートは、黄白色で、融点は110
℃、酸価は5mgKOH/gであった。
【0033】これらにより、操業性、品質の両面から実
施例1より劣ってることがわかった。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明の構成によって間歇
的に数10分ごとに固液分離機から排出されるケークを
その時間内に融解することが可能になり、固液分離工程
前後の連続工程に支障を与えることなく円滑に処理でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における濾過ケークの融解装置の一例を
示す概要図である。
【図2】図1の融解装置を構成する融解器のA−A方向
断面図である。
【符号の説明】
1:融解器 2:融解液受槽 3:循環ポンプ 4:加熱器 5:コンデンサー 6:堆積ケーク 7:伝熱管束 8:シャワーヘッダー 9:U字シール管 10:開閉式上蓋 11:底部加熱ジャケット 12:冷却コイル 13:融解液の取出し口 14:ジャケット式配管のスチーム入口 15:ジャケット式配管のスチームドレン出口 16:伝熱管およびメルター底部ジャケットのスチーム
入口 17a,17b:伝熱管およびメルター底部ジャケット
のスチームドレン出口 18:上蓋冷却用冷却水入口 19:上蓋冷却用冷却水出口 20:ジャケット式配管のスチームドレン出口 21:冷却水入口 22:冷却水出口 23:スチームドレン出口 24:加熱器スチーム入口 25:加熱器スチームドレン出口

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾過ケークを融解する融解器と、融解器
    から排出される液を溜める融解液受槽と、融解液受槽の
    液を融解器に循環させる手段と、循環液を加熱する加熱
    手段と融解液の取出し口を備えた濾過ケークの融解装置
    であって、該融解器は濾過ケーク投入用の開閉式上蓋を
    有し、該融解器の内部には濾過ケークを融解するための
    配列した伝熱管束と、循環液を伝熱管束上のケークに噴
    射する噴射手段を有することを特徴とする濾過ケークの
    融解装置。
  2. 【請求項2】 融解器が底部に融解液の固化を防止する
    ための加熱手段を有する請求項1に記載の融解装置。
  3. 【請求項3】 伝熱管束がフィン付き伝熱管からなりか
    つ約40kgの濾過ケークを3mの高さから落下させた
    ときの衝撃に耐えるものである請求項1または2に記載
    の融解装置。
  4. 【請求項4】 伝熱管束が2段以上の配列からなり、か
    つ上段と下段の伝熱管束が三角型配列で水平に配列され
    ている請求項1、2または3に記載の融解装置。
  5. 【請求項5】 循環液噴射手段を融解器の側壁上部に上
    蓋の開閉が自由にできかつケークの投入の邪魔にならな
    いように設置し、かつ該噴射手段は循環液の冷却固化を
    防止し、閉塞しないような構造を有する請求項1または
    2に記載の融解装置。
  6. 【請求項6】 融解器の上蓋に冷却手段を設けて濾過ケ
    ークに同伴する溶媒の蒸気を器外へ発散させなようにし
    ている請求項1または2に記載の融解装置。
  7. 【請求項7】 融解器の底部から融解液受槽への液移送
    にU字シール機能を有する加熱配管を用い、該U字シー
    ル機能で融解液受槽からの蒸気が融解器へ流入するのを
    防止する請求項1または2に記載の融解装置。
  8. 【請求項8】 濾過ケークがビス(2−ヒドロキシエチ
    ル)テレフタレートを主たる固形成分とする濾過ケーク
    である請求項1または2に記載の融解装置。
  9. 【請求項9】 請求項1の融解装置の開閉式上蓋を開い
    て濾過ケークを投入し、投入後の上蓋は融解処理の間閉
    じた状態にし、該融解器に投入され伝熱管束上に堆積し
    たケークは伝熱管束で加熱すると共に器内の循環液噴射
    手段から循環液を噴射することで融解し、融解した液は
    伝熱管束の隙間から融解器内の底部に落下させ、さらに
    該底部に設けた排出口から融解液受槽へ移送し、融解液
    受槽の液は循環手段で循環液噴射手段に循環させ、その
    途中で加熱手段にて所定の温度に加熱し、噴射手段から
    堆積ケーク上に噴射することを特徴とする濾過ケークの
    融解方法。
  10. 【請求項10】 濾過ケークがビス(2−ヒドロキシエ
    チル)テレフタレートを主たる固形成分とする濾過ケー
    クである請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 濾過ケークがビス(2−ヒドロキシエ
    チル)テレフタレートを主たる溶質とするエチレングリ
    コール溶液から該ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフ
    タレートを晶析させ、濾過する精製処理で得られた濾過
    ケークである請求項9または10に記載の方法。
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