JP2003304137A - 電子部品 - Google Patents

電子部品

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JP2003304137A JP2003027663A JP2003027663A JP2003304137A JP 2003304137 A JP2003304137 A JP 2003304137A JP 2003027663 A JP2003027663 A JP 2003027663A JP 2003027663 A JP2003027663 A JP 2003027663A JP 2003304137 A JP2003304137 A JP 2003304137A
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高博 本河
Shuya Nakao
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックスからなる外表面部分を有し、レ
ーザーによるマーキングが可能であるだけでなく、機械
的強度に優れた外表面部分を有する電子部品を提供す
る。 【解決手段】 電子部品素体の外表面に、酸化チタンな
どの遷移金属元素を含有する抗折強度が147N/mm
2以上のセラミックスからなるセラミック材料層が形成
されており、該セラミックス材料層からなる外表面部分
にレーザーによるマーキングAが施されている、圧電共
振部品1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばセラミッ
ク多層基板などの電子部品に関し、より詳細には、レー
ザーを用いて外表面にマーキングが施される電子部品に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品には、品番、特性、製造ロット
などを表示するために外表面にマーキングが施されてい
る。電子部品の外表面にマーキングを施す方法として
は、インクを用いた印刷法やレーザーマーキング法が用
いられている。インクを用いた印刷法では、加熱乾燥工
程などを実施しなければならず、生産性が低く、かつ加
熱による電子部品の特性の劣化が生じる恐れがある。
【0003】これに対して、レーザーマーキング法で
は、マーキングを効率良く行うことができ、かつ電子部
品の劣化も生じ難い。下記の特許文献1には、レーザー
マーキング法によりマーキングが施された電子部品が開
示されている。ここでは、基板上に水晶振動片が実装さ
れ、該基板を覆うようにセラミックなどからなるキャッ
プが取り付けられている。キャップの外表面には、レー
ザー装置によるマーキングが施されている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−116363号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】セラミックスなどから
なるキャップでは、機械的強度が高いことが求められて
いる。従って、一般には、この種のキャップ材を構成す
るセラミックスとしては、アルミナが用いられている。
ところが、アルミナは、レーザー光が照射されたとして
も、アルミナは発色しないため、アルミナにはレーザー
によるマーキングはできなかった。
【0006】従来、上記特許文献1には、セラミックな
どからなるキャップにレーザー光を照射してマーキング
を施す方法が示されているが、この先行技術に記載の方
法では、アルミナのような強度に優れたセラミックスか
らなるキャップを用いることができなかった。よって、
上記特許文献1には、セラミックスの具体的な材料は示
されていないが、レーザーによるマーキングを行うに
は、チタン酸バリウム系セラミックスやチタン酸マグネ
シウム系セラミックスを用いなければならない。ところ
が、これらのレーザーでマーキングを行なうことができ
るセラミックスは、アルミナに比べて強度がかなり低
い。例えば、アルミナの抗折強度は245N/mm2
あるのに対し、これらのレーザーマーキング可能なセラ
ミックスの抗折強度は78.4〜147N/mm2程度
に過ぎなかった。
【0007】本発明の目的は、上述した従来技術の現状
に鑑み、レーザーによるマーキングを行なうことができ
るセラミックス層を外表面に有し、かつ該レーザーによ
るマーキングが施される外表面部分の機械的強度に優れ
た電子部品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の広い局面によれ
ば、電子部品素体と、前記電子部品素体の外表面に形成
されており、遷移金属元素酸化物を含み、抗折強度が1
47N/mm2以上のセラミックスを主体とする遷移金
属元素酸化物含有セラミックス層とを備えることを特徴
とする、電子部品が提供される。
【0009】本発明のある特定の局面では、前記電子部
品素体の外表面に、ガラスまたはガラスセラミックスに
より構成されており、液相焼結する第1の材料層と、前
記第1の材料層の焼結温度では焼結しない第2の材料層
が積層された構造が形成されており、該第2の材料層が
外表面側に配置されており、かつ前記遷移元素金属酸化
物含有セラミックス層を構成している。ここでは、第2
の材料層に遷移金属元素酸化物が添加されているが、焼
成に際し第1の材料層から染み出して来たガラス成分に
より、第2の材料層が第1の材料層に強固に固着され
る。すなわち、遷移金属元素酸化物をある程度配合した
セラミック組成は同時焼成した場合、他のセラミックス
との密着強度が低くなるが、上記第1,第2の材料層を
積層した構造では、遷移金属元素酸化物含有セラミック
ス材料層としての第2の材料層が上記第1の材料層に強
固に固着される。
【0010】本発明において、上記遷移金属元素酸化物
としては、特に限定されるわけではないが、例えば、酸
化チタン、酸化クロム及び酸化マンガンからなる群から
選ばれる少なくとも1種が用いられる。
【0011】また、本発明のさらに他の特定の局面で
は、上記遷移金属元素酸化物含有セラミックス層を構成
するセラミック材料としては、アルミナ、ジルコニア、
ムライトなどの抗折強度が147N/mm2以上の適宜
のセラミックスが用いられ得る。
【0012】本発明のある特定の局面では、上記遷移金
属元素酸化物の遷移金属元素酸化物含有セラミックス層
中における割合は、遷移金属元素酸化物及びセラミック
スの合計100重量%のうち5重量%以上とされる。5
重量%未満では、レーザー光による発色が安定しないた
め、レーザーマーキング不良が発生することがある。
【0013】また、本発明のある特定の局面では、上記
遷移金属元素酸化物の遷移金属元素酸化物含有セラミッ
クス層中における割合は、遷移金属元素酸化物及びセラ
ミックスの合計100重量%のうち40重量%未満とさ
れる。40重量%を超えると、電子部品の外表面部分の
強度が低下し、抗折強度147N/mm2以上のセラミ
ックスを用いた効果が損なわれることがある。
【0014】本発明のさらに他の特定の局面では、前記
遷移金属元素酸化物含有セラミックス層は、遷移金属元
素酸化物の含有重量%とトータル層厚みによって、レー
ザー光透過率が25%以下となるように設定されてお
り、それによって、レーザー光の電子部品素体内部への
透過が抑制され、レーザー光の電子部品素体内部への透
過による特性の劣化等を抑制することができる。
【0015】本発明のある特定の局面では、上記遷移金
属元素酸化物含有セラミックス層は、電子部品素体の上
面及び下面の双方に形成され、それによって電子部品の
管理工程を簡略化することができる。
【0016】本発明のさらに他の特定の局面では、上記
電子部品素体はセラミック多層基板である。もっとも、
本発明における電子部品の電子部品素体はセラミック多
層基板に限定されるものではない。また、電子部品は、
デバイスの一部を構成する部材、例えば、電子部品素子
を封止するためのキャップ材などであってもよい。
【0017】本発明のさらに他の特定の局面では、上記
セラミック多層基板は、内部に圧電体層と該圧電体層を
介して対向するように配置された複数の振動電極とを有
し、それによって内部に圧電振動素子が構成されてい
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明ら
かにする。
【0019】図1(a)及び(b)は、本発明の第1の
実施例に係る電子部品としての圧電共振部品を示す斜視
図及び縦断面図である。圧電共振部品1は、圧電共振素
子2の上下に、接着剤層3,4を介して第1,第2の外
装基板5,6を貼り合わせた構造を有する。
【0020】圧電共振部品1の外表面には、複数の外部
電極7〜9が形成されている。外部電極7〜9は、それ
ぞれ、圧電共振部品1において、圧電共振素子2、接着
剤層3,4及び外装基板5,6が積層されている積層体
の一対の側面及び下面並びに上面の一部に至るように形
成されている。言い換えれば、積層体の外周を巻回する
ように、但し、積層体の上面においては図示のように分
断されているように、外部電極7〜9が形成されてい
る。
【0021】図2(a)及び(b)は、圧電共振部品1
の分解斜視図及び下方に積層される外装基板の分解斜視
図である。図2(a)に示すように、圧電共振素子2
は、矩形板状の圧電板10を用いて構成されている。圧
電板10は、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスのよ
うな圧電セラミックスあるいは水晶などの圧電単結晶に
より構成される。
【0022】圧電板10の上面中央には、励振電極11
が形成されている。圧電板10の下面中央にも励振電極
が形成されており、下面の励振電極が励振電極11と圧
電板10を介して表裏対向されている。
【0023】励振電極11は、圧電板10の上面におい
て端縁10aに沿うように形成された引き出し電極12
に接続されている。引き出し電極12は、上記積層体の
一対の側面に露出されている。そして、引き出し電極1
2が、外部電極7に電気的に接続されている。
【0024】同様に、圧電板10の下面に形成された励
振電極も引き出し電極に接続されており、該引き出し電
極が外部電極9に電気的に接続されている。圧電共振素
子2は、エネルギー閉じ込め型の圧電共振素子である。
励振電極11が下面の励振電極と対向されている部分が
共振部を構成している。接着剤層3,4は共振部の振動
を妨げないための空間を形成するために、開口3a,4
aを有する。
【0025】図2(b)は、上方に配置される外装基板
5の分解斜視図である。外装基板5は、複数の材料層1
3〜17を、積層し、一体焼成した構造を有する。実際
には、材料層13〜17は一体焼成されて、上記外装基
板5が構成されている。ここで、材料層14,16が液
相焼結する材料から構成された第1の材料層であり、材
料層13,15,17が第1の材料層14,16の焼結
温度では焼結しない第2の材料層である。
【0026】すなわち、本実施例では、第1の材料層1
4,16と、第2の材料層13,15,17とが交互に
積層されている。そして、最外側層すなわち、上述した
積層体の上面は、第2の材料層13で構成されている。
【0027】上記液相焼結する第1の材料層14,16
を構成する材料としては、例えば、ガラスまたはガラス
−セラミックス複合材料などを用いることができる。よ
り具体的には、アノーサイト系結晶化ガラス、フォルス
テライト系結晶化ガラス、コージェライト系結晶化ガラ
ス、セルシアン系結晶化ガラスなどの結晶化ガラス、あ
るいはSiO2−MgO−Al23系、SiO2−Al2
3系、SiO2−Al23−CaO系、SiO2−Al2
3−BaO系、SiO2−CaO系などの種々の非結晶
化ガラスを用いて構成することができる。
【0028】また、第2の材料層13,15,17は、
上記液相焼結する第1の材料層14,16の焼結温度で
は焼結しない材料を用いて構成される。第2の材料層1
3,15,17は、本実施例では、酸化チタンを含有し
たアルミナにより構成されている。酸化チタンが含有さ
れるこのような材料としては、高融点の無機固体粉末を
例示することができ、より具体的には、アルミナ、ジル
コニア、ムライトなど、あるいはこれらの混合物が挙げ
られる。
【0029】他方、下方の外装基板6は図3に示す材料
層23〜27を内部電極28〜30を介して積層した構
造を有する。ここで、材料層23,25,27が第2の
材料層で構成されており、材料層24,26が第1の材
料層で構成されている。また、内部電極28と内部電極
29,30とが材料層25を介して積層されている。従
って、内部電極28〜30及び材料層25により三端子
型コンデンサが構成されている。内部電極28〜30
は、それぞれ、引き出し部28a〜30aを有する。引
き出し部28aが外部電極8に電気的に接続されてお
り、引き出し部29a,30aが、それぞれ、外部電極
7,9に接続されている。
【0030】従って、本実施例の圧電共振部品1では、
上記圧電共振素子と三端子型コンデンサとが接続された
容量内蔵型の圧電発振子が構成されている。図1に戻
り、本実施例の特徴は、圧電共振部品1を構成している
電子部品素体としての上記積層体の上面、すなわち外装
基板5の上面5aに、図1に破線Aで示すように、レー
ザーマーキング法によりマーキングが施されていること
にある。マーキングAは、圧電共振部品1の品番、特性
あるいは製造ロットなどを示す文字や記号で構成され
る。この文字や記号は特に限定されるものではない。
【0031】前述したように、従来の電子部品において
レーザーマーキングによりマーキングを施す場合、セラ
ミックス材料とてしは抗折強度が低いチタン酸バリウム
系セラミックスなどを用いなければならなかった。その
ため、電子部品の機械的強度が損なわれるという問題が
あった。
【0032】これに対して、本実施例では、外装基板5
の上面5aは、前述した第2の材料層13により構成さ
れている。第2の材料層13が、前述したように、酸化
チタンを含有したアルミナにより構成されている。アル
ミナの抗折強度は、245N/mm2と高い。従って、
酸化チタンを添加したとしても、十分な機械的強度を有
する。本実施例では、上記アルミナと酸化チタンの合計
100重量%に対し、酸化チタンが40重量%未満の割
合で添加されている。従って、アルミナだけではレーザ
ーによるマーキングは行ない得ないが、酸化チタンが含
有されていることにより上記外装基板5の上面5aにレ
ーザーによるマーキングが確実に施される。
【0033】すなわち、本実施例の圧電共振部品1の特
徴は、電子部品素体としての上記積層体上面にレーザー
マーキングを可能とする第2の材料層13が配置されて
いることにある。そして、第2の材料層13が上記のよ
うに酸化チタンを添加されたアルミナで構成されている
ので、強度の確保及びレーザーマーキングによるマーキ
ングの双方が果たされる。
【0034】なお、酸化チタンは、第2の材料層15,
17にも含有されていてもよいが、第2の材料層15,
17はマーキングが施される部分ではないため、酸化チ
タンが含有されていないほうが好ましい。
【0035】また、下方の外装基板6を構成する第2の
材料層23,25,27においては、酸化チタンは含有
されていない。外装基板5の上面5aにおいてのみマー
キングを施す場合には、第2の材料層27には酸化チタ
ンが含有されていないことが、強度の低下を抑制する上
で望ましい。
【0036】次に、図4〜図8を参照して、第2の材料
層13における酸化チタン含有量と、抗折強度及びレー
ザー光透過性との関係を示す。
【0037】図4は、酸化チタンが含有されていない場
合、すなわち、アルミナにより第2の材料層が構成され
ている場合の第2の材料層の抗折強度を1とした場合
の、酸化チタンの含有量による抗折強度の変化を示す。
抗折強度は三点曲げ強度を測定したものである。具体的
には、保持スパンを20mmとし、29mm×6mm×
厚さ1mmの焼結体に、荷重印加速度20mm/分で荷
重を加えることにより、抗折強度を測定した。図4から
明らかなように、酸化チタンの割合が多くなるにつれ
て、抗折強度が低下する。しかしながら、酸化チタン含
有量が全体の40重量%以下の場合には、抗折強度がア
ルミナとさほど変わらないことが分かる。従って、好ま
しくは、上記実施例のように、酸化チタンは、酸化チタ
ンとアルミナとの合計100重量%中、40重量%以下
の割合で含有されることが望ましい。
【0038】もっとも、酸化チタンの含有量が少な過ぎ
ると、レーザーによるマーキングが行ない得ないことに
なる。図5に示すように、酸化チタンの含有量が5重量
%以上になるとレーザー光によるマーキング不良が発生
しないことから、酸化チタンがレーザーのマーキングが
行ない得る量、通常、5重量%以上の割合で含有される
ことが望ましい。
【0039】ところで、レーザー光によるマーキングを
施した場合、レーザー光が電子部品の内部にまで浸入す
ると、特性の劣化を引き起こす恐れがある。図6は、第
2の材料層の酸化チタン含有量を一定とした場合の、酸
化チタン含有層のトータル厚みと、レーザー光の透過率
との関係を示す。図7は、第2の材料層の酸化チタン含
有層の厚みを一定とした場合の酸化チタン含有量とレー
ザー光の透過率との関係を示す。なお図6と図7におけ
るレーザー光の透過率は、YAGレーザーの波長1μm
の光を第2の材料層に直交する方向に照射した場合のレ
ーザー光透過率を示す。
【0040】図6,図7から明らかなように、第2の材
料層の厚みが厚くなるほど、また酸化チタン含有量が多
いほど、レーザー光の透過性は低下する。他方、図8
は、第2の材料層の酸化チタンの含有量が40重量%で
ある場合に、第2の材料層の厚みを変化させた場合の不
具合発生率を示す。ここで、不具合とは、外装基板内に
設けられた電極が破壊されたり、圧電基板の分極がデポ
ールされることなどを意味する。すなわち、第2の材料
層の酸化チタンの含有量が40重量%である場合、第2
の材料層の厚みが5μmよりも小さい条件、すなわち図
6に示したレーザー光の透過率が25%超える条件で
は、上記不具合発生率が高くなる。従って、レーザー光
の透過率が25%以下となるように酸化チタン含有量と
その第2の材料層の厚みを設定することが望ましいこと
がわかる。
【0041】上記のように、本実施例の圧電共振部品で
は、第1の材料層14,16,24,26と第2の材料
層13,15,17,23,25,27とが積層されて
いる。従って、焼成に際し、第1の材料層14,16,
24,26中に含まれていたガラス成分が第2の材料層
13,15,17,23,25,27側に浸透し、液相
焼結する第1の材料層14,16,24,26が焼成さ
れると、第1の材料層14,16,24,26と第2の
材料層13,15,17,23,25,27とが強固に
一体化される。特に、第1の材料層14,16,24,
26の焼成時の収縮が、第2の材料層13,15,1
7,23,25,27により拘束される。よって、第1
の材料層14,16,24,26の両主面における主面
と平行な方向における収縮が、材料層13,15,1
7,23,25,27の拘束作用により抑制され、寸法
精度の高い外装基板5,6が得られる。
【0042】加えて、酸化チタンを添加したアルミナで
は、他のセラミックス層との密着強度を高めることが困
難であったが、本実施例では、第2の材料層13は第1
の材料層14と上記のように強固に一体化されるため、
第2の材料層13に酸化チタンが含有されていたとして
も、第1,第2の材料層13,14が強固に密着されて
いる。従って、アルミナの抗折強度を利用して、外表面
の機械的強度を高め得るだけでなく、酸化チタンの含有
によりレーザーマーキングが可能とされる強固な積層体
を容易に得ることができる。
【0043】なお、上記実施例の圧電共振部品1では、
接着剤層3,4の厚みにより、圧電振動部の振動を妨げ
ないための空隙が内部に形成されていた。これに対し
て、図9に示す変形例のように、外装基板51,52
に、それぞれ、内面側に凹部51a,52aを形成する
ことにより、圧電振動部の振動を妨げないための空隙を
形成してもよい。なお、図9に示す圧電共振部品におい
ても、外装基板51,52は上記実施例と同様に構成さ
れている。もっとも、酸化チタン含有セラミックス層と
しての材料層13のみは他のセラミックス層と異なるハ
ッチングを付して示してある。
【0044】図10は、本発明の第2の実施例に係る圧
電共振部品61の縦断面図であり、第1の実施例の図1
(b)に相当する図である。第1の実施例の圧電共振部
品1では、積層体の上面にのみ酸化チタン含有アルミナ
からなる第2の材料層13が形成されていたが、図10
に示す第2の実施例では、積層体の下面にも、酸化チタ
ン含有アルミナからなる第2の材料層27Aが形成され
ている。このような第2の実施例のように、積層体の上
面及び下面の双方に酸化チタン含有アルミナからなるセ
ラミックス材料層を形成した場合、上面及び下面のいず
れにもおいてレーザーによるマーキングを施すことがで
きる。また、圧電共振部品61の方向性をなくすことが
できるので、製造に際しての工程管理を容易に行なうこ
とができる。
【0045】なお、上記実施例では、電子部品として、
圧電共振素子及び3端子型積層コンデンサが内蔵された
積層型の圧電共振部品を示したが、本発明はこのような
圧電共振部品に限定されるものではない。例えば、第1
の実施例において、圧電共振子構成部分を削除し、コン
デンサが内蔵されたセラミック多層基板を構成してもよ
く、さらにコンデンサや圧電共振素子以外の電子部品素
子が内部に構成されているセラミック多層基板にも本発
明を適用することができる。また、デバイスの部品とし
てのセラミックキャップにも本発明が適用され得る。す
なわち、本発明における電子部品素体とは、電子部品に
用いられる部品を広く含むものとする。
【0046】また、この発明において、遷移金属元素酸
化物としては、上述した実施例で用いられた酸化チタン
だけでなく、酸化クロム及び酸化マンガンなどを用いる
こともできる。
【0047】
【発明の効果】本発明に係る電子部品では、外表面に遷
移金属元素含有セラミックス材料層が形成されており、
該材料層を構成するセラミックスの抗折強度が147N
/mm 2以上であるため、レーザーによるマーキングが
可能であるだけでなく、機械的強度に優れた外表面部分
を有する電子部品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施例に係る
圧電共振部品の外観を示す斜視図及び略図的縦断面図。
【図2】(a)及び(b)は、第1の実施例の圧電共振
部品の分解斜視図及び上方の外装基板の分解斜視図。
【図3】第1の実施例で用いられている下方の外装基板
の分解斜視図。
【図4】酸化チタン含有アルミナからなるセラミックス
材料層における酸化チタン含有量と抗折強度との関係を
示す図。
【図5】酸化チタン含有アルミナかからなるセラミック
ス材料層における酸化チタン含有量と、レーザー光によ
るマーキング不良率との関係を示す図。
【図6】酸化チタン含有量が40重量%である酸化チタ
ン含有アルミナからなる第2の材料層の厚み、レーザー
光透過率との関係を示す図。
【図7】酸化チタン含有アルミナからなる第2の材料層
における酸化チタン含有量とレーザー光透過率との関係
を示す図。
【図8】酸化チタンの含有量が40重量%である酸化チ
タン含有アルミナからなる第2の材料層の厚みと、不具
合発生率との関係を示す図。
【図9】第1の実施例の変形例の圧電共振部品を説明す
るための分解斜視図。
【図10】本発明の第2の実施例に係る圧電共振部品の
縦断面図。
【符号の説明】
1…圧電共振部品(電子部品) 2…圧電共振素子 3,4…接着剤層 5,6…外装基板 5a…上面 7〜9…外部電極 13…酸化チタン含有アルミナからなるセラミックス材
料層としての第2の材料層 14,16…第1の材料層 15,17…第2の材料層 23,25,27…第2の材料層 24,26…第1の材料層 A…マーキング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本河 高博 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 中尾 修也 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J108 AA00 BB02 BB05 BB08 CC04 EE03 EE07 EE13 FF11 GG03 GG08 GG16 KK04 KK06 KK07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品素体と、前記電子部品素体の外
    表面に形成されており、遷移金属元素酸化物を含み、抗
    折強度が147N/mm2以上のセラミックスを主体と
    する遷移金属元素酸化物含有セラミックス層とを備える
    ことを特徴とする、電子部品。
  2. 【請求項2】 前記電子部品素体の外表面に、ガラスま
    たはガラスセラミックスにより構成されており、液相焼
    結する第1の材料層と、前記第1の材料層の焼結温度で
    は焼結しない第2の材料層とが積層された構造が形成さ
    れており、 第2の材料層が外表面側に配置されており、かつ前記遷
    移元素金属酸化物含有セラミックス層を構成している、
    請求項1に記載の電子部品。
  3. 【請求項3】 前記遷移金属元素酸化物が、酸化チタ
    ン、酸化クロム及び酸化マンガンからなる群から選択さ
    れた1種である、請求項1に記載の電子部品。
  4. 【請求項4】 前記遷移金属元素酸化物含有セラミック
    ス層を構成しているセラミックスが、アルミナである、
    請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品。
  5. 【請求項5】 前記遷移金属元素酸化物が、前記遷移金
    属元素酸化物含有セラミックス層において遷移金属元素
    酸化物とセラミックスとの合計100重量%のうち、5
    重量%以上の割合で含有されている、請求項1〜4のい
    ずれかに記載の電子部品。
  6. 【請求項6】 前記遷移金属元素酸化物が、前記遷移金
    属元素酸化物含有セラミックス層において遷移金属元素
    酸化物とセラミックスとの合計100重量%のうち、4
    0重量%未満の割合で含有されている、請求項1〜5の
    いずれかに記載の電子部品。
  7. 【請求項7】 前記遷移金属元素酸化物含有セラミック
    ス層は、遷移金属元素酸化物の含有重量%とトータル層
    厚みによって、レーザー光透過率が25%以下となるよ
    うに設定されている、請求項2〜6のいずれかに記載の
    電子部品。
  8. 【請求項8】 前記遷移金属元素酸化物含有セラミック
    ス層が、前記電子部品素体の上面及び下面に形成されて
    いる、請求項と1〜7のいずれかに記載の電子部品。
  9. 【請求項9】 前記電子部品素体がセラミック多層基板
    である、請求項1〜8のいずれかに記載の電子部品。
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