JP2003298241A - プリント基板の製造方法、プリント基板および積層基板 - Google Patents

プリント基板の製造方法、プリント基板および積層基板

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JP2003298241A
JP2003298241A JP2002094223A JP2002094223A JP2003298241A JP 2003298241 A JP2003298241 A JP 2003298241A JP 2002094223 A JP2002094223 A JP 2002094223A JP 2002094223 A JP2002094223 A JP 2002094223A JP 2003298241 A JP2003298241 A JP 2003298241A
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prepreg
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circuit board
manufacturing
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JP2002094223A
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English (en)
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Hiroaki Hasegawa
浩昭 長谷川
Hideaki Ninomiya
秀明 二宮
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Original Assignee
TDK Corp
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な工程で精度の良いプリント基板
が得られ、しかも歩留まりがよく、さらには積層基板と
したときに内部に形成した素子の精度にも優れたプリン
ト基板の製造方法、プリント基板および積層基板を提供
する。 【解決手段】 少なくともプリント基板材料であるプリ
プレグをプレスして成形するに際し、プレス時のプリプ
レグの流れ率を0.01〜5%に規制する構成のプリン
ト基板の製造方法とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本各発明は、プリント基板、
多層プリント配線板等の積層基板を形成するプリント基
板の製造方法に関し、詳しくは、プリプレグと金属箔と
を加熱加圧することにより形成されるプリント基板の製
造方法、プリント基板および積層基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリプレグに金属箔を貼着したプ
リント基板、基板形成用プレス装置により形成される。
ここで、基板形成プレス装置は、その具体的な構成を説
明すると、例えば図2に示すように、一対のプレス部材
21a,21b間に一対の金属板23a,23bを配
し、各金属板23a,23b間にガラスクロス等に樹脂
を含浸したプリプレグ等の絶縁樹脂と銅箔等の金属箔と
の圧着材料25を配し、プレス部材を介して各金属板2
3a,23bを加熱加圧することによってプリプレグ2
5を溶融し、これを熱圧着してプリント基板を形成して
いる。
【0003】なお、図2において、圧着材料25とステ
ンレスなどの金属板23a,23bの間にはリリースフ
ィルム24a,24bが配置され、成形されたプリプレ
グの剥離を容易にしている。なお、このリリースフィル
ム24a,24bは、材料によってはなくてもよい。ま
た、金属板23a,23bとプレス部材21a,21b
との間には、クッション部材22a,22bが配置され
ている。
【0004】ところで、プレス部材から金属板へと熱を
伝達させて金属板を加熱してプリプレグを溶融すると、
樹脂が急激に溶融され、プレス部材外部に樹脂が流出
し、形成されたプリント基板の周囲に余剰な樹脂が付着
したり、所望の厚さのプリント基板を形成することがで
きない虞がある。
【0005】さらに、上記のプリント配線板を製造する
プレス法では、基板の厚みを均一にするため、クッショ
ン材を使用してコントロールしている。しかし、この方
法では完全な平坦化および厚みばらつきの小さいプリン
ト基板を製造するのは困難である。
【0006】このため、このようなプリント基板を実際
の回路形成に適用すると、絶縁層としての厚さが異な
り、電気特性やビア形成における誤差が大きくなってし
まう。厚みバラツキの少ない部分はプレス装置の中央部
付近で形成された領域になるが、この部分のみを使用す
るとすると、周囲の材料は切り捨てることになり、パタ
ーン形成可能な領域の歩留りが悪くなる。また、このよ
うな基板中央部付近においてさえも、未だ満足しうる精
度が得られているとはいえなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比較
的簡単な工程で精度の良いプリント基板が得られ、しか
も歩留まりがよく、さらには積層基板としたときに内部
に形成した素子の精度にも優れたプリント基板の製造方
法、プリント基板および積層基板を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1) 少なくともプリ
ント基板材料であるプリプレグをプレスして成形するに
際し、プレス時のプリプレグの流動率を0.01〜5%
に規制するプリント基板の製造方法。 (2) 上下に配置されたプレス部材と、このプレス部
材の上下動を規制しないように周囲に配置された枠部材
とを有する金型内に、少なくともプリント基板材料であ
るプリプレグを配置し、プレス部材により熱プレスして
プリプレグを平坦化するプリント基板の製造方法。 (3) 前記プレス時のプリプレグの流動率は、プリプ
レグを直接加熱するかまたは熱風をあてて処理して規制
する上記(1)または(2)のプリント基板の製造方
法。 (4) 前記加熱処理は、少なくとも金属板、およびク
ッション材の積層体を用いてプレスしながら処理する上
記(3)のプリント基板の製造方法。 (5) 前記金型は、少なくとも枠部材に加熱部材が配
置され、熱が均一にプリプレグに印加されるようにコン
トロールされている上記(1)〜(4)のいずれかのプ
リント基板の製造方法。 (6) 基板内の板厚変動率が±3.5%以内であるプ
リント基板。 (7) 上記(6)のプリント基板が複数積層され、内
部導体により形成されたキャパシタの精度が±4%以内
である積層基板。
【0009】上記(1)の構成によれば、流動率を規制
するだけでよいので、比較的簡単な工程で精度の良いプ
リント基板が得られ、しかも歩留まりがよく、さらには
積層基板としたときに内部に形成した素子の精度にも優
れたプリント基板の製造方法が得られる。上記(2)の
構成によれば、従来からセラミック製品に用いられてい
る金型を流用することができ、低コストで高精度のプリ
ント基板が得れる。上記(3)の構成によれば、流動率
がプリプレグの加熱処理により規制できるので、処理作
業が容易で、流動率を簡単に調整することができる。上
記(4)の構成によれば、さらに高精度のプリント基板
が得られる。上記(5)の構成によれば、さらに高精度
のプリント基板が得られる。上記(6)の構成によれ
ば、実用的に優れた、高性能の回路形成が可能なプリン
ト基板が得られる。上記(7)の構成によれば、実用的
に優れた、高精度のキャパシタが形成されたプリント基
板が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のプリント基板の製造方法
は、上下に配置されたプレス部材と、このプレス部材の
上下動を規制しないように周囲に配置された枠部材とを
有する金型内に、少なくともプリント基板材料であるプ
リプレグを配置し、前記プレス部材により熱プレスして
プリプレグを平坦化するものである。
【0011】このように、枠部材を有する金型でプリプ
レグを熱プレスして平坦化することにより、極めて高精
度に基板厚みを規制することができ、基板自体の平坦
性、厚み精度を高めると共に、そこに形成される回路素
子の精度を高めることができる。
【0012】次ぎに図を参照しつつ本発明方法について
説明する。図1は、本発明方法に用いられる製造装置の
構成例を示した概略断面図である。図において、一対の
プレス板1a、1b間に金型下パンチ4aと、金型上パ
ンチ4bとが配置され、さらにこれら金型パンチ4a,
4b間にリリースフィルム5a,5bを介して原材料で
あるプリプレグ6および必要により銅箔などの金属箔
(図中省略する)が配置されている。なお、用いる原材
料によりリリースフィルム5a,5bは省略してもよ
い。
【0013】また、上部プレス板1bと金型上パンチ4
bとの間には、平衡治具3が配置されている。この平衡
治具3は、一対の平衡平板3a,3bを連結ボール3c
を介して接合したもので、連結ボールを中心に一対の平
衡平板3a,3bは、自由に揺動することができ、上部
プレス板1bと、金型上パンチ4bとの平衡度のズレを
吸収できるようになっている。
【0014】さらに、前記金型下パンチ4aと、金型上
パンチ4bの周囲には、これら金型パンチ4a,4bに
よる熱圧縮動作を規制しないように、枠部材2a,2b
が配置され、プリプレグ6の熱圧縮の際に金型パンチ4
a,4bの加圧面と平衡な方向へのプリプレグの流動を
規制している。
【0015】そして、このような装置を用い、金型2,
4内に配置されたプリプレグを加熱・加圧することで、
プリプレグを所定の厚さに規制すると共に、加熱硬化に
よりプリプレグを硬化させて基板とする。その際、プリ
ント基板を構成する銅箔などの金属箔をプリプレグの上
下いずれか一方、あるいは双方に配置し、熱圧着して銅
箔付きプリント基板としてもよい。
【0016】熱圧着時の加圧圧力としては、使用する材
料や、基板の大きさ、規制する基板厚さなどにより適切
な圧力とすればよい。具体的には、0.5〜15MPa 、
特に0.5〜12MPa 程度が好ましい。
【0017】また、熱圧着時の加熱温度としては、プリ
プレグがある程度流動化し、かつ硬化する温度であるこ
とが必要である。具体的には用いる材料によるが、通常
室温から加熱し、その最高温度は250℃以下、特に2
20℃程度以下である。圧着時間としては、少なくとも
流動化および熱硬化に必要な時間を含むものであり、や
はり材料により異なるが、通常0.5〜4時間、特に
0.5〜2時間程度である。
【0018】熱圧縮成型時には、プリプレグ6が均一に
加熱されることが重要である。しかし、図1の装置の場
合、この平衡治具3が、一対の平衡平板3a,3bを連
結ボール3cを介して接合したものであるため、プレス
板1bから金型上パンチ4bに熱が伝達されにくい。そ
こで、図示例のように枠部材2a,2bに、好ましくは
その周囲に加熱部材7a,7bを配置して加熱し、プリ
プレグ6が均一に加熱されるようにするとよい。また、
枠部材2a,2b中に加熱部材7を埋め込むようにして
取り付けてもよい。
【0019】このため、金型4および枠部材2は、比較
的熱伝導率の良好な材料で形成するようにするとよい。
また、加熱加圧に耐えられだけの強度と耐熱性も必要で
ある。具体的には、超硬、ダイス鋼等を用いればよい。
【0020】加熱部材としては、通常用いられているヒ
ータ、具体的にはニクロム、炭素、導電性樹脂、セラミ
ック等を用いたヒータと、加熱温度を検出する熱電対、
白金、サーミスタなどの温度検出素子とを組み合わせ、
これを所定の温度が得られるような公知の温度制御回路
で制御すればよい。このとき、加熱ムラはプリプレグ面
内で±5℃以内とするとよい。
【0021】また、熱圧縮時の雰囲気としては、用いる
材料により大気圧下でも、減圧下でも最適な雰囲気とす
ればよい。特に、嫌気性の反応が進行するような材料を
選択した場合には減圧下での圧縮作業が有効であり、さ
らに減圧下での作業は脱泡効果が得られる点からも望ま
しい。
【0022】本発明方法においては、上記金型によりプ
リプレグを熱圧縮成形する前に、原料であるプリプレグ
を加熱処理しておくことが望ましい。
【0023】このように、加熱圧縮する前に予めプリプ
レグを熱処理することで、プリプレグの熱硬化がある程
度進行して、加熱圧縮時のプリプレグの流動率を所望の
範囲に規制することができる。具体的には、流動率は好
ましくは0.01〜5%、より好ましくは0.05〜3
%である。ここで、流動率とは、所定面積の四角いプリ
プレグシートを所定の温度・圧力の条件で圧縮したとき
に、元の大きさから広がった縦横最大距離の平均値を百
分率で表した値である。
【0024】流動率が上記範囲より少なすぎると、プリ
プレグが硬化しすぎたため成形が困難になり、多すぎる
と流動化しすぎて金型から流れ出したり、厚みムラが生
じるようになってくる。
【0025】このような熱処理温度としては、用いる材
料の熱硬化温度によって異なるため、使用する材料が上
記流動率となるような温度を選択して設定する必要があ
る。
【0026】プリプレグを熱処理する手法としては、加
熱した基板上にプリプレグを配置して直接加熱したり、
恒温槽内に配置してもよいが、熱風循環型の乾燥機を用
いて熱風を当てて処理すると容易に加熱処理を行うこと
ができる。また、大気雰囲気での処理を嫌うような材料
を用いる場合には、減圧下での熱処理を行うとよい。
【0027】さらに、本発明方法では、上記金型での成
型工程前に、従来の手法と同様な熱圧縮行程により、あ
る程度プリプレグを成型しておいてもよい。このよう
に、予めプリプレグを成型しておくことで、さらに厚み
精度、平坦性に優れたプリプレグを得ることができる。
【0028】このような従来の手法によるプレ成型工程
を図2に沿って説明する。図2において、一対のプレス
部材21a,21b間に一対の金属板23a,23bを
配し、各金属板23a,23b間にガラスクロス等に樹
脂を含浸したプリプレグ等の圧着材料25を配し、プレ
ス部材を介して各金属板23a,23bを加熱加圧する
ことによってプリプレグ25を溶融し、これを熱圧着し
てプリント基板をプレ成型する。
【0029】なお、図2において、圧着材料25とステ
ンレスなどの金属板23a,23bの間にはリリースフ
ィルム24a,24bが配置され、成型されたプリプレ
グの剥離を容易にしている。また、金属板23a,23
bとプレス部材21a,21bとの間には、クッション
部材22a,22bが配置されている。
【0030】金属板23a,23bは、通常ステンレス
等の可撓性を有し、所定の強度、耐腐食性を有する金属
材料が用いられ、その表面は、成型するプリプレグ表面
の転写面となることからプリプレグ表面に求められる平
坦性以上の平坦性を有していることが必要であり、通常
所謂鏡面仕上げがなされている。
【0031】クッション部材は、プリプレグに均一に圧
力が加えられるように緩衝部材として機能するものであ
れば、その材料はいかなるものであってもよい。具体的
には、紙、ゴム、布、樹脂材料等のなかから好適な材料
を選択すればよい。
【0032】このようなプレ成形工程におけるプリプレ
グの処理条件は、上記加熱処理時の条件と同様であり、
処理後の流動化率も同様である。なお、プレス時の圧力
としては、通常、0.5〜5MPa、特に0.5〜4MPa
程度が好ましい。
【0033】このように、本発明の金型を用いた成形方
法により、さらには熱処理、プレ成形処理を併用するこ
とで、従来では達成が極めて困難であった、±2μm 以
下、特に±1μm 以下の平坦性の実現、厚みムラを低減
させることができる。このため厚み変動率を±4%以
下、特に±3%以下とすることができる。
【0034】本発明の製造方法に用いられる樹脂は特に
限定されるものではなく、成形性、加工性、積層時の接
着性、電気的特性に優れた樹脂材料の中から適宜選択し
て用いることができる。具体的には、熱硬化性樹脂が好
ましい。
【0035】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステ
ル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル(オ
キサイド)樹脂、ビスマレイミドトリアジン(シアネー
トエステル)樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリビニルベ
ンジルエーテル樹脂等が挙げられる。
【0036】これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、
2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合して
用いる場合の混合比は任意である。
【0037】本発明では基板材料として、樹脂材料の他
に各種有機、無機のフィラーを分散させてもよい。ま
た、2種以上の異なる複合誘電体材料を用いた積層体に
より、電子部品を構成してもよいし、2種以上の異なる
分散材料を含有させてもよい。このように2種以上の種
類の異なる複合誘電体材料を組み合わせたり2種以上の
異なる粉体、また同種であっても組成、電気(誘電率
等)、磁気特性の異なる粉体と樹脂とを混合することに
よって、誘電率や透磁率の調整が容易となり、各種電子
部品に合わせた特性に調整することができる。
【0038】また、このようなハイブリッド層を用いて
基板、電子部品を形成する場合、接着剤等を用いること
なく、銅箔との接着やパターニングが実現でき、かつ多
層化を実現することができる。こうしたパターニングや
多層化処理は、通常の基板製造工程と同じ工程でできる
ので、コストダウンおよび作業性の改善を図ることがで
きる。また、このようにして得られる基板による電子部
品は、高強度で、高周波特性の向上したものである。
【0039】プリント基板材料に用いられるガラスクロ
ス等の強化繊維は、目的・用途に応じて種々のものであ
ってよく、市販品をそのまま用いることができる。この
ときの強化繊維は、電気的な特性に応じてEガラスクロ
ス(ε=7、tanδ=0.003、 1GHz)、Dガラ
スクロス(ε=4、tanδ=0.0013、 1GH
z)、Hガラスクロス(ε=11、tanδ=0.003、
1GHz)等を使い分けてもよい。また、層間密着力向
上のため、カップリング処理などを行ってもよい。その
厚さは100μm 以下、特に20〜60μm であること
が好ましい。布重量としては、120g/m2 以下、特に
20〜70g/m2 が好ましい。
【0040】また、樹脂とガラスクロスとの配合比は、
重量比で、樹脂/ガラスクロスが4/1〜1/1である
ことが好ましい。このような配合比とすることによって
本発明の効果が向上する。これに対し、この比が小さく
なって、樹脂量が少なくなると銅箔との密着力が低下
し、基板の平滑性に問題が生じる。逆にこの比が大きく
なって、樹脂量が多くなると使用できるガラスクロスの
選択が困難となり、薄肉での強度の確保が困難となる。
【0041】使用する金属箔としては、金、銀、銅、ア
ルミニウムなど導電率の良好な金属のなかから好適なも
のを用いればよい。これらのなかでも特に銅が好まし
い。
【0042】金属箔を作製する方法としては、電解、圧
延法等種々の公知の方法を用いることができるが、箔ピ
ール強度をとりたい場合には電解箔を、高周波特性を重
視したい場合には、表面凹凸による表皮効果の影響の少
ない圧延箔を使用するとよい。
【0043】金属箔の厚みとしては、8〜70μm が好
ましく、特に12〜35μm が好ましい。
【0044】本発明において、プリプレグを得るには、
所定の配合比とした誘電体材料と樹脂、必要により誘電
体材料、磁性体材料、難燃剤等を含み、溶剤に混練して
スラリー化したペーストを塗布して、乾燥(Bステージ
化)する工程に従う。この場合に用いられる溶剤は揮発
性溶剤が好ましく、ペーストの粘度を調整し塗工しやす
くする目的で用いられる。混練はボールミル、撹拌等に
より公知の方法によって行えばよい。ペーストを金属箔
上に塗工、またはガラスクロスに含浸することにより、
形成することができる。
【0045】プリプレグの乾燥(Bステージ化)は、含
有する誘電体材料粉、必要により磁性体材料粉、難燃剤
の含有量などにより適宜調整すればよい。乾燥、Bステ
ージ化した後の厚みは50〜300μm 程度が好まし
く、その用途や要求される特性(パターン幅および精
度、直流抵抗)等により最適な膜厚に調整すればよい。
【0046】このようなプリプレグ、銅箔付き基板、積
層基板等と素子構成パターン、構成材料を組み合わせる
ことにより、プリント基板、積層基板、電子部品を得る
ことができる。
【0047】本発明のプリント基板を積層化するために
は、先ず、上記方法により両面銅張基板を得、必要な回
路パターン等を形成した後、さらにその両面にプリプレ
グ、銅箔を順に配置して熱圧着すればよい。さらに積層
する場合には、同様にして積層、熱圧着してゆけばよ
い。また、両面銅張基板の両面に、樹脂付き銅箔(ガラ
スクロスレス)を配置して積層してもよい。
【0048】本発明のプリント基板、積層基板を応用し
た電子部品は、コンデンサ(キャパシタ)、コイル(イ
ンダクタ)、フィルター等の他、これらと、あるいはそ
れ以外に配線パターン、増幅素子、機能素子を組み合わ
せ、アンテナや、RFモジュール(RF増幅段)、VC
O(電圧制御発振回路)、パワーアンプ(電力増幅段)
等の高周波電子回路、光ピックアップなどに用いられる
重畳モジュール等の高周波用電子部品を得ることができ
る。
【0049】この場合、本発明の基板は、極めて厚み精
度が良いため、内部導体、外部導体により形成される回
路素子の精度を飛躍的に向上させることができ、製品間
のバラツキも少なくなる。
【0050】具体的には、内部導体を用いてキャパシタ
を形成した場合、好ましくは±4%以内、より好ましく
は±2%以内の精度が得られる。
【0051】
【実施例】〔実施例1〕プリプレグ材料として、ガラス
クロス含有エポキシ系プリプレグ:三菱ガス化学(株)
製 GEPL-150 、厚さ130μm 、大きさ500mm×50
0mmを用いた。このプリプレグを加熱処理した後、図1
の金型による成型を行ったサンプル1、図2に沿ったプ
レ成形の後金型成型を行ったサンプル2、および図2の
従来手法のみの成型による比較サンプルを作製した。
【0052】このときの成型条件としては、以下の通り
である。 〔熱処理〕 加熱温度:105℃ 加熱時間:30分間 処理後のサンプルの流動率:1.9% なお、流動率は80cm角、厚さ125μm のサンプルを
3MPa で130℃、5分間加圧したときの広がった部
分の百分率とした(以下同)。
【0053】〔プレ成型〕 加熱温度:105℃ 加圧圧力:1MPa 処理時間:30分間 処理後のサンプルの流動率:0.8%
【0054】 〔金型成型〕 加熱温度:50℃から130℃、昇温2℃/分、保持時間30分 130℃から180℃、昇温2℃/分、保持時間60分 その後室温まで冷却 加圧圧力:6MPa 金型枠にもリボンヒータを配置し、プレス板面内で上記
設定温度が±5℃の精度となるように制御した。
【0055】得られた、サンプル1、サンプル2、およ
び比較サンプルの所定範囲内での厚みバラツキを求め、
これを3次元グラフとしたものをそれぞれ図3〜5に示
す。
【0056】図3〜5から明らかなように、サンプル
1、2とも比較サンプルより厚みバラツキが抑制され、
平坦になっていることがわかる。このとき、サンプル1
では最小値126μm 、最大値129μm で、厚みバラ
ツキは3μm であった。また、サンプル2では最小値1
17μm 、最大値119μm で、厚みバラツキは2μm
であった。一方、比較サンプルでは最小値120μm 、
最大値133μm で、厚みバラツキは13μm にも達し
た。
【0057】さらに、基板面内110×120mm、90
×100mm、70×80mm、50×60mmの範囲での厚
みバラツキを求めた。結果を図6に示す。
【0058】図6から明らかなように、各サンプル中、
サンプル2のバラツキが最も少なく、サンプル1も十分
満足できる値であった。一方、比較サンプルは、端部付
近も含む広いエリアでの厚みバラツキが大きく、中心部
付近ではバラツキがある程度減少していることがわか
る。
【0059】〔実施例2〕プリプレグ材料として、ガラ
スクロス含有エポキシ系プリプレグ:三菱ガス化学
(株)製、GEPL−150、厚さ130μm 、大きさ
500mm×500mmを金型サイズにカットして用いた。
この材料を実施例1と同様にして加熱処理した後、両面
に銅箔を配置して圧着した。得られた銅箔付きプリプレ
グの銅箔面に所定のパターンを形成した。その後、さら
に上下に同様にプリプレグを配置して圧着し、内部導体
2層(材料3層)、および両端面に銅めっきを施してキ
ャパシタを作製した。
【0060】得られた、積層基板は厚み精度は上記実施
例1のサンプル1と同程度であり、形成されたキャパシ
タの容量は15.38pFであり、同様にして作製した1
0サンプルでのバラツキを含む設計値からの誤差は±3
%以内であった。なお、測定にはヒューレットパッカー
ド製、LCRメータ4285Aを用い、1MHz、1Vの
条件で測定した。得られたサンプルの所定範囲内での厚
みバラツキを求め、これを3次元グラフ化したものを図
7に示す。
【0061】〔実施例3〕実施例1、2においてプリプ
レグ材料として、ガラスクロスを含有しないエポキシ系
樹脂付き銅箔(松下電工(株)製、R−0880、厚さ
100μm 、大きさ510mm×340mm)を用いて、同
様の熱処理を行い、評価したが、同等の結果が得られ
た。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、比較的簡
単な工程で精度の良いプリント基板が得られ、しかも歩
留まりがよく、さらには積層基板としたときに内部に形
成した素子の精度にも優れたプリント基板の製造方法、
プリント基板および積層基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いられる基板成型用金型装置の
構成例を示す概略断面図である。
【図2】基板成型用厚縮装置の構成例を示す概略断面図
である。
【図3】実施例サンプル1の厚みバラツキを示す3次元
立体グラフである。
【図4】実施例サンプル2の厚みバラツキを示す3次元
立体グラフである。
【図5】実施例比較サンプルの厚みバラツキを示す3次
元立体グラフである。
【図6】実施例1の各サンプルの厚みバラツキを示すグ
ラフである。
【図7】実施例積層体サンプルの厚みバラツキを示す3
次元立体グラフである。
【符号の説明】
1 プレス板 2 枠部材 3 平衡治具 4 金型パンチ 5 剥離シート 6 プリプレグ 7 加熱部材
フロントページの続き Fターム(参考) 4F204 AA36 AC03 AD04 AD08 AD16 AG01 AG03 AH36 FA01 FB01 FB11 FG01 FN11 FN15 FN17 FQ15 5E346 AA02 AA12 AA32 CC04 CC09 CC10 CC12 CC13 CC32 CC34 CC38 CC39 DD02 DD12 EE01 EE06 EE09 EE13 GG08 GG22 GG28 HH06 HH21 HH33 HH40

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともプリント基板材料であるプリ
    プレグをプレスして成形するに際し、 プレス時のプリプレグの流動率を0.01〜5%に規制
    するプリント基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 上下に配置されたプレス部材と、このプ
    レス部材の上下動を規制しないように周囲に配置された
    枠部材とを有する金型内に、 少なくともプリント基板材料であるプリプレグを配置
    し、 プレス部材により熱プレスしてプリプレグを平坦化する
    プリント基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記プレス時のプリプレグの流動率は、
    プリプレグを直接加熱するかまたは熱風をあてて処理し
    て規制する請求項1または2のプリント基板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記加熱処理は、少なくとも金属板、お
    よびクッション材の積層体を用いてプレスしながら処理
    する請求項3のプリント基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金型は、少なくとも枠部材に加熱部
    材が配置され、熱が均一にプリプレグに印加されるよう
    にコントロールされている請求項1〜4のいずれかのプ
    リント基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 基板内の板厚変動率が±3.5%以内で
    あるプリント基板。
  7. 【請求項7】 請求項6のプリント基板が複数積層さ
    れ、内部導体により形成されたキャパシタの精度が±4
    %以内である積層基板。
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