JP2003296960A - 光学ヘッド及びディスク再生装置 - Google Patents

光学ヘッド及びディスク再生装置

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JP2003296960A
JP2003296960A JP2002098046A JP2002098046A JP2003296960A JP 2003296960 A JP2003296960 A JP 2003296960A JP 2002098046 A JP2002098046 A JP 2002098046A JP 2002098046 A JP2002098046 A JP 2002098046A JP 2003296960 A JP2003296960 A JP 2003296960A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数種類の記録媒体に対してクロストーク等
の影響による再生特性の劣化を低減する効果を実現す
る。 【解決手段】 光源としてのレーザダイオード51、光
源からの光を分離するグレーティング52、光路を変更
させるビームスプリッター53、拡散する光を平行光に
変換するコリメータレンズ54、焦点合わせを行う対物
レンズ55、光を分離するウォラストンプリズム56、
非点収差を打ち消すシリンドリカルレンズ57、光の強
さを検出するフォトディテクタ58とを備える光学ヘッ
ド22において、次世代MD1及び次世代MD2の両デ
ィスクに対して有効な位相補償量を有する位相補償板5
9を光路中に挿入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ヘッド及びデ
ィスク再生装置に関し、特に、異なる物理フォーマット
を有する複数の光ディスクに対してデータを記録及び/
又は再生する光学ヘッド及びディスク再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のディスクドライブ装置の光学系に
ついて説明する。図27は、ディスクリート光学系70
0を示す図である。ディスクリート光学系700におい
て、レーザ−ダイオード71から出射された光はグレー
ティング72により、読取光として使用される0次光と
トラッキングサーボに使用される1次光とに分離され
る。これらの光はビームスプリッター73を透過した
後、コリメータレンズ74で平行光となり、対物レンズ
75により光ディスク90上に集光される。
【0003】光ディスク90で反射した光は対物レンズ
75により平行光に変換され、コリメータレンズ74に
より収束光に変換される。そして、ビームスプリッター
73を経由してウォラストンプリズム76に向かう。ウ
ォラストンプリズム76は、入射した光を、サーボ系に
使用されるメイン信号とMO(Magneto-Optical)信号
に使用されるI,J信号とに分離する。これらの光はシ
リンドリカルレンズ77に入射し、シリンドリカルレン
ズ77は、非点収差法によるフォーカスエラー信号を生
成する。シリンドリカルレンズ77を出射した光は、フ
ォトディテクタにより電気信号に変換され、所定の演算
を施すことにより、フォーカスエラー信号、トラッキン
グエラー信号、RF信号が出力される。
【0004】また、図28は、従来のディスクドライブ
装置における集積光学系800を示す図である。集積光
学系800において、レーザダイオード81から出射さ
れた光は、プリズム82の斜面で反射し、対物レンズ8
3を通過する。対物レンズ83を通過した光は、収束光
となり、光ディスク90の記録面で合焦する。光ディス
ク90の表面を照射した光は、光ディスク90の反射面
で反射し、対物レンズ83により収束光に変換され、プ
リズム82の斜面を透過してフォトディテクタ84上に
集光される。プリズム82は、入射した光をMO信号に
使われるI,J信号に分離する。分離された光は、フォ
トディテクタ84によって、電気信号に変換され、所定
の演算を施すことにより、フォーカスエラー信号、トラ
ッキングエラー信号、RF信号に変換される。
【0005】上述のような光学系では、光ディスク90
の表面に光を照射し、その反射光を検出することによっ
て、光ディスクを再生する。従来の光ディスクには、デ
ィスクの記録面にグルーブと呼ばれる案内溝が設けられ
たものがある。このような光ディスクを再生する場合、
ディスクドライブ装置は、グルーブの内部を照射し、グ
ルーブの内に記録された情報を読み出す。しかしなが
ら、ディスクドライブ装置の制御には、ばらつきがあ
り、光スポットの大きさがグルーブのトラック幅よりも
広くなるときがある。グルーブから漏れた光は、目的の
グルーブに隣接するランドの表面で反射し、この反射光
は、再生光のなかに混入してしまう。この現象は、クロ
ストークと呼ばれ、再生特性を劣化させる原因になって
いる。
【0006】そこで、戻り光の光路に位相補償素子を挿
入することでランドからのクロストーク成分を制限し、
再生特性の劣化を防止する記述が提案されている。光デ
ィスクは、種類ごとに最適な位相補償量に違いがある。
そのため、例えば、複数種類の光ディスクを再生可能な
ディスクドライブ装置では、位相の補償領域を変更可能
な液晶素子等を用いることによって、光ディスク毎に最
適な位相補償量に切り替えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
液晶素子は、温度変化等によりその特性が変化するた
め、例えば、温度検出を行って、温度変化に応じた位相
補償量の制御等が必要となり、位相補償部分の回路構成
が複雑化し、光学ヘッド自体が複雑化・大型化してしま
うといった問題点があった。
【0008】そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされ
たものであって、単純な構成により、複数種類の記録媒
体に対して、クロストーク等の影響による再生特性の劣
化を低減する効果を実現できる光学ヘッド及びディスク
再生装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明に係る光学ヘッドは、光学記録媒体に記
録されたデータを読み取るためのレーザ光が照射される
レーザ光源と、光学記録媒体と対向配置される対物レン
ズと、光学記録媒体からの戻り光を目的の光に分離する
光学系と、光学系からの光を電気信号に変換する信号変
換手段と、対物レンズと光学系との間に配置された位相
補償部とを有し、位相補償部の位相補償量は、異なる物
理フォーマットを有する複数の光学記録媒体に対して、
該光学記録媒体からの反射光のクロストークを低減する
値であることを特徴とする。
【0010】また、上述した目的を達成するために、本
発明に係るディスク再生装置は、互いに異なる光学記録
媒体に異なる記録形式で記録されたデータを同一の光学
的仕様によって再生するディスク再生装置であって、光
学記録媒体に記録されたデータを読み取るためのレーザ
光が照射されるレーザ光源と、光学記録媒体と対向配置
される対物レンズと、光学記録媒体からの戻り光を目的
の光に分離する光学系と、光学系からの光を電気信号に
変換する信号変換手段と、対物レンズと光学系との間に
配置された位相補償部とを有し、位相補償部の位相補償
量は、異なる物理フォーマットを有する複数の光学記録
媒体に対して、該光学記録媒体からの反射光のクロスト
ークを低減する値であることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、複数種類の記録媒体に
対して、クロストーク等の影響による再生特性の劣化を
低減する効果を実現したものである。
【0012】以下、本発明を適用した具体例について、
図面を参照して詳細に説明する。本具体例では、ディス
ク状の記録媒体として光磁気記録媒体、ミニディスク
(登録商標)を再生するディスク再生装置に適用した場
合について説明する。
【0013】ここでは、ミニディスクにおいて通常用い
られる記録フォーマットとは異なる信号方式を適用する
ことによって、従来のミニディスクの記録容量を増加す
ることを実現した記録形式と、高密度記録技術及び新規
ファイルシステムを適用することによって、従来のミニ
ディスクと筐体外形及び記録再生光学系に互換性を有し
つつ、記録容量を飛躍的に増加した記録形式との両形式
に対応したそれぞれの記録媒体を再生する場合に関して
例示する。特に、通常用いられる記録形式とは異なる形
式を適用することによって、従来の光磁気記録媒体を用
いて、その記録容量を増加することを実現したディスク
を「次世代MD1」とし、高密度記録可能な新規記録媒
体に対して新規記録形式を適用することにより、記録容
量の増加を実現したディスクを「次世代MD2」として
説明する。
【0014】本具体例において使用される位相補償板
は、従来ミニディスク、次世代MD1、次世代MD2の
各々に適した位相補償量を有しており、これら各ディス
クの再生特性を向上させる。以下では、次世代MD1、
次世代MD2の仕様についての説明をしたのち、本発明
を適用した具体例について詳細に説明する。
【0015】1.ディスク仕様及びエリア構造 まず、従来のミニディスクの仕様について図1を用いて
説明する。ミニディスク(及びMD−DATA)の物理
フォーマットは、以下のように定められている。トラッ
クピッチは、1.6μm、ビット長は、0.59μm/
bitとなる。また、レーザ波長λは、λ=780nm
であり、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45として
いる。記録方式としては、グルーブ(ディスク盤面上の
溝)をトラックとして記録再生に用いるグルーブ記録方
式を採用している。また、アドレス方式は、ディスク盤
面上にシングルスパイラルのグルーブを形成し、このグ
ルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブル
(Wobble)を形成したウォブルドグルーブを利用する方
式を採っている。なお、本明細書では、ウォブルとして
記録される絶対アドレスをADIP(Address in Pregr
oove)ともいう。
【0016】従来のミニディスクでは、記録データの変
調方式としてEFM(8−14変換)変調方式が採用さ
れている。また、誤り訂正方式としては、ACIRC
(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code)を
用いている。また、データインターリーブには、畳み込
み型を採用している。これにより、データの冗長度は、
46.3%となっている。
【0017】また、従来のミニディスクにおけるデータ
の検出方式は、ビットバイビット方式であって、ディス
ク駆動方式としては、CLV(Constant Linear Veroci
ty)が採用されている。CLVの線速度は、1.2m/
sである。
【0018】記録再生時の標準のデータレートは、13
3kB/s、記録容量は、164MB(MD−DATA
では、140MB)である。また、データの最小書換単
位(クラスタ)は、32個のメインセクタと4個のリン
クセクタによる36セクタで構成されている。
【0019】続いて、本具体例として示す次世代MD1
に関して説明する。次世代MD1は、上述した従来のミ
ニディスクと記録媒体の物理的仕様は、同一である。そ
のため、トラックピッチは、1.6μm、レーザ波長λ
は、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、N
A=0.45である。記録方式としては、グルーブ記録
方式を採用している。また、アドレス方式は、ADIP
を利用する。このように、ディスクドライブ装置におけ
る光学系の構成やADIPアドレス読出方式、サーボ処
理は、従来のミニディスクと同様であるため、従来ディ
スクとの互換性が達成されている。
【0020】次世代MD1は、記録データの変調方式と
して、高密度記録に適合したRLL(1−7)PP変調
方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity pre
serve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition r
unlength))を採用している。また、誤り訂正方式とし
ては、より訂正能力の高いBIS(Burst IndicatorSub
code)付きのRS−LDC(Reed Solomon−Long Dista
nce Code)方式を用いている。
【0021】具体的には、ホストアプリケーション等か
ら供給されるユーザデータの2048バイトに4バイト
のEDC(Error Detection Code)を付加した2052
バイトを1セクタ(データセクタ、後述するディスク上
の物理セクタとは異なる)とし、図2に示すように、Se
ctor0〜Sector31の32セクタを304列×216行の
ブロックにまとめる。ここで、各セクタの2052バイ
トに対しては、所定の疑似乱数との排他的論理和(Ex-O
R)をとるようなスクランブル処理が施される。このス
クランブル処理されたブロックの各列に対して32バイ
トのパリティを付加して、304列×248行のLDC
(Long Distance Code)ブロックを構成する。このLD
Cブロックにインターリーブ処理を施して、152列×
496行のブロック(Interleaved LDC Block)とし、
これを図3に示すように38列ずつ1列の上記BISを
介して配列することで155列×496行の構造とし、
さらに先頭位置に2.5バイト分のフレーム同期コード
(Frame Sync)を付加して、1行を1フレームに対応さ
せ、157.5バイト×496フレームの構造とする。
この図3の各行が、後述する図9に示す1レコーディン
グブロック(クラスタ)内のデータ領域のFrame10〜Fra
me505の496フレームに相当する。
【0022】以上のデータ構造において、データインタ
ーリーブは、ブロック完結型とする。これによりデータ
の冗長度は、20.50%になる。また、データの検出
方式として、PR(1,2,1)MLによるビタビ復号
方式を用いる。
【0023】ディスク駆動方式には、CLV方式を用
い、その線速度は、2.4m/sとする。記録再生時の
標準データレートは、4.4MB/sである。この方式
を採用することにより、総記録容量を300MBにする
ことができる。変調方式をEFMからRLL(1−7)
PP変調方式とすることによって、ウインドウマージン
が0.5から0.666となるため、1.33倍の高密
度化が実現できる。また、データの最小書換単位である
クラスタは、16セクタ、64kBで構成される。この
ように記録変調方式をCIRC方式からBIS付きのR
S−LDC方式及びセクタ構造の差異とビタビ復号を用
いる方式にすることで、データ効率が53.7%から7
9.5%となるため、1.48倍の高密度化が実現でき
る。
【0024】これらを総合すると、次世代MD1は、記
録容量を従来ミニディスクの約2倍である300MBに
することができる。
【0025】一方、次世代MD2は、例えば、磁壁移動
検出方式(DWDD:Domain WallDisplacement Detect
ion)等の高密度化記録技術を適用した記録媒体であっ
て、上述した従来ミニディスク及び次世代MD1とは、
物理フォーマットが異なっている。次世代MD2は、ト
ラックピッチが1.25μm、ビット長が0.16μm
/bitであり、線方向に高密度化されている。
【0026】また、従来ミニディスク及び次世代MD1
との互換を採るため、光学系、読出方式、サーボ処理等
は、従来の規格に準じて、レーザ波長λは、λ=780
nm、光学ヘッド22の開口率は、NA=0.45とす
る。記録方式は、グルーブ記録方式、アドレス方式は、
ADIPを利用した方式とする。また、筐体外形も従来
ミニディスク及び次世代MD1と同一規格とする。
【0027】但し、従来ミニディスク及び次世代MD1
と同等の光学系を用いて、上述のように従来より狭いト
ラックピッチ及び線密度(ビット長)を読み取る際に
は、デトラックマージン、ランド及びグルーブからのク
ロストーク、ウォブルのクロストーク、フォーカス漏
れ、CT信号等における制約条件を解消する必要があ
る。そのため、次世代MD2では、グルーブの溝深さ、
傾斜、幅等を変更した点が特徴的である。具体的には、
グルーブの溝深さを160nm〜180nm、傾斜を6
0°〜70°、幅を600nm〜800nmの範囲と定
める。
【0028】また、次世代MD2は、記録データの変調
方式として、高密度記録に適合したRLL(1−7)P
P変調方式(RLL;Run Length Limited、PP:Pari
ty preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transi
tion runlength))を採用している。また、誤り訂正方
式としては、より訂正能力の高いBIS(Burst Indica
tor Subcode)付きのRS−LDC(Reed Solomon−Lon
g Distance Code)方式を用いている。
【0029】データインターリーブは、ブロック完結型
とする。これによりデータの冗長度は、20.50%に
なる。またデータの検出方式は、PR(1,−1)ML
によるビタビ復号方式を用いる。また、データの最小書
換単位であるクラスタは、16セクタ、64kBで構成
されている。
【0030】ディスク駆動方式には、ZCAV方式を用
い、その線速度は、2.0m/sとする。記録再生時の
標準データレートは、9.8MB/sである。したがっ
て、次世代MD2では、DWDD方式及びこの駆動方式
を採用することにより、総記録容量を1GBにできる。
【0031】本具体例に示す次世代MD1の盤面上のエ
リア構造例を図4、図5に模式的に示す。次世代MD1
は、従来ミニディスクと同じ媒体であって、ディスクの
最内周側は、プリマスタードエリアとして、PTOC
(Premasterd Table Of Contents)が設けられている。
ここには、ディスク管理情報が物理的な構造変形による
エンボスピットとして記録されている。
【0032】プリマスタードエリアより外周は、光磁気
記録可能なレコーダブルエリアとされ、記録トラックの
案内溝としてのグルーブが形成された記録再生可能領域
である。このレコーダブルエリアの最内周側は、UTO
C(User Table Of Contents)領域であって、このUT
OC領域には、UTOC情報が記述されるとともに、プ
リマスタードエリアとの緩衝エリアや、レーザ光の出力
パワー調整等のために用いられるパワーキャリブレーシ
ョンエリアが設けられている。
【0033】次世代MD2は、図5に示すように、高密
度化を図るためにプリピットを用いない。したがって、
次世代MD2には、PTOC領域がない。次世代MD2
には、レコーダブルエリアのさらに内周領域に、著作権
保護のための情報、データ改竄チェックのための情報、
他の非公開情報等を記録するユニークIDエリア(Uniq
ue ID;UID)が設けられている。このUIDエリア
は、次世代MD2に適用されるDWDD方式とは異なる
記録方式で記録されている。
【0034】なお、ここでは、次世代MD1及び次世代
MD2に音楽データ用のオーディオトラックとデータト
ラックとをディスク上に混在記録することもできる。こ
の場合、例えば、図6に示すように、データエリアに少
なくとも1つのオーディオトラックが記録されたオーデ
ィオ記録領域AAと、少なくとも1つのデータトラック
が記録されたPC用データ記録領域DAとがそれぞれ任
意の位置に形成されることになる。
【0035】一連のオーディオトラックやデータトラッ
クは、ディスク上で必ずしも物理的に連続して記録され
る必要はなく、図6に示すように複数のパーツに分割し
て記録されていてもよい。パーツとは、物理的に連続し
て記録される区間を示す。すなわち、図6のように物理
的に離れた2つのPCデータ記録領域が存在する場合で
も、データトラックの数としては、1つの場合もあり、
複数の場合もある。但し、図6は、次世代MD1の物理
的仕様に関して示したものであるが、次世代MD2に関
しても同様に、オーディオ記録領域AAとPC用データ
記録領域DAとを混在して記録することができる。
【0036】上述した物理的仕様を有する次世代MD1
と次世代MD2との互換性を有した記録再生装置の具体
例に関しては、後段で詳細に説明する。
【0037】2.ディスクの管理構造 図7及び図8に基づいて、本具体例のディスクの管理構
造を説明する。図7は、次世代MD1のデータ管理構造
を示したものであり、図8は、次世代MD2のデータ管
理構造を示したものである。
【0038】次世代MD1では、上述したように、従来
のミニディスクと同一の媒体であるため、次世代MD1
では、従来ミニディスクで採用されているように書換不
可能なエンボスピットによりPTOCが記録されてい
る。このPTOCには、ディスクの総容量、UTOC領
域におけるUTOC位置、パワーキャリブレーションエ
リアの位置、データエリアの開始位置、データエリアの
終了位置(リードアウト位置)等が管理情報として記録
されている。
【0039】次世代MD1では、ADIPアドレス00
00〜0002には、レーザの書込出力を調整するため
のパワーキャリブレーションエリア(Rec Power Calibr
ation Area)が設けられている。続く0003〜000
5には、UTOCが記録される。UTOCには、トラッ
ク(オーディオトラック/データトラック)の記録・消
去等に応じて書き換えられる管理情報が含まれ、各トラ
ック及びトラックを構成するパーツの開始位置、終了位
置等を管理している。また、データエリアにおいて未だ
トラックが記録されていないフリーエリア、すなわち書
込可能領域のパーツも管理している。UTOC上では、
PC用データ全体をMDオーディオデータによらない1
つのトラックとして管理している。そのため、仮にオー
ディオトラックとデータトラックとを混在記録したとし
ても、複数のパーツに分割されたPC用データの記録位
置を管理できる。
【0040】また、UTOCデータは、このUTOC領
域における特定のADIPクラスタに記録され、UTO
Cデータは、このADIPクラスタ内のセクタ毎に、そ
の内容が定義されている。具体的には、UTOCセクタ
0(このADIPクラスタ内の先頭のADIPセクタ)
は、トラックやフリーエリアにあたるパーツを管理して
おり、UTOCセクタ1及びセクタ4は、トラックに対
応した文字情報を管理している。また、UTOCセクタ
2には、トラックに対応した記録日時を管理する情報が
書き込まれる。
【0041】UTOCセクタ0は、記録されたデータや
記録可能な未記録領域、さらにデータの管理情報等が記
録されているデータ領域である。例えば、ディスクにデ
ータを記録する際、ディスクドライブ装置は、UTOC
セクタ0からディスク上の未記録領域を探し出し、ここ
にデータを記録する。また、再生時には、再生すべきデ
ータトラックが記録されているエリアをUTOCセクタ
0から判別し、そのエリアにアクセスして再生動作を行
う。
【0042】なお、次世代MD1では、PTOC及びU
TOCは、従来のミニディスクシステムに準拠する方
式、ここではEFM変調方式により変調されたデータと
して記録されている。したがって、次世代MD1は、E
FM変調方式により変調されたデータとして記録された
領域と、RS−LDC及びRLL(1−7)PP変調方
式で変調された高密度データとして記録された領域とを
有することになる。
【0043】また、ADIPアドレス0032に記述さ
れるアラートトラックには、従来ミニディスクのディス
クドライバ装置に次世代MD1を挿入したとしても、こ
の媒体が従来ミニディスクのディスクドライバ装置に対
応していないことを知らせるための情報が格納されてい
る。この情報は、「このディスクは、この再生装置に対
応していないフォーマットです。」等の音声データ、或
いは警告音データとしてもよい。また、表示部を備える
ディスクドライバ装置であれば、この旨を表示するため
のデータであってもよい。このアラートトラックは、従
来ミニディスクに対応したディスクドライバ装置でも読
取可能なように、EFM変調方式によって記録されてい
る。
【0044】ADIPアドレス0034には、次世代M
D1のディスク情報を表したディスクディスクリプショ
ンテーブル(Disc Discription Table;DDT)が記録
される。DDTには、フォーマット形式、ディスク内論
理クラスタの総数、媒体固有のID、このDDTの更新
情報、不良クラスタ情報等が記述される。
【0045】DDT領域からは、RS−LDC及びRL
L(1−7)PP変調方式で変調された高密度データと
して記録されるため、アラートトラックとDDTとの間
には、ガードバンド領域が設けられている。
【0046】また、RLL(1−7)PP変調方式で変
調された高密度データが記録される最も若いADIPア
ドレス、すなわち、DDTの先頭アドレスには、ここを
0000とする論理クラスタ番号(Logical Cluster Nu
mber;LCN)が付される。1論理クラスタは、65,
536バイトであり、この論理クラスタが読み書き最小
単位となる。なお、ADIPアドレス0006〜003
1は、リザーブされている。
【0047】続くADIPアドレス0036〜0038
には、認証によって公開可能となるセキュアエリア(Se
cure Area)が設けられている。このセキュアエリアに
よって、データを構成する各クラスタの公開可・不可等
の属性を管理している。特に、このセキュアエリアで
は、著作権保護のための情報、データ改竄チェックのた
めの情報等を記録する。また、このほかの各種の非公開
情報を記録することができる。この公開不可領域は、特
別に許可された特定外部機器のみが限定的にアクセスで
きるようになっており、このアクセス可能な外部機器を
認証する情報も含まれる。
【0048】ADIPアドレス0038からは、書込及
び読取自由なユーザエリア(User Area)(任意データ
長)とスペアエリア(Spare Area)(データ長8)とが
記述される。ユーザエリアに記録されたデータは、LC
Nの昇順に並べたとき、先頭から2,048バイトを1
単位としたユーザセクタ(User Sector)に区切られて
おり、PC等の外部機器からは、先頭のユーザセクタを
0000とするユーザセクタ番号(User Sector Numbe
r;USN)を付してFATファイルシステムにより管
理されている。
【0049】続いて、次世代MD2のデータ管理構造に
ついて図8を用いて説明する。次世代MD2は、PTO
Cエリアを持たない。そのため、ディスクの総容量、パ
ワーキャリブレーションエリアの位置、データエリアの
開始位置、データエリアの終了位置(リードアウト位
置)等のディスク管理情報は、PDPT(PreFormat Di
sc Parameter Table)として全てADIP情報に含まれ
て記録されている。データは、BIS付きのRS−LD
C及びRLL(1−7)PP変調方式で変調され、DW
DD方式で記録されている。
【0050】また、リードインエリア及びリードアウト
エリアには、レーザパワーキャリブレーションエリア
(Power Cariburation Area;PCA)が設けられる。
次世代MD2では、PCAに続くADIPアドレスを0
000としてLCNを付ける。
【0051】また、次世代MD2では、次世代MD1に
おけるUTOC領域に相当するコントロール領域が用意
されている。図8には、著作権保護のための情報、デー
タ改竄チェックのための情報、他の非公開情報等を記録
するユニークIDエリア(Unique ID;UID)が示さ
れているが、実際には、このUIDエリアは、リードイ
ン領域のさらに内周位置に、通常のDWDD方式とは異
なる記録方式で記録されている。
【0052】次世代MD1及び次世代MD2のファイル
は、ともにFATファイルシステムに基づいて管理され
る。例えば、各データトラックは、それぞれ独自にFA
Tファイルシステムを持つ。或いは、複数のデータトラ
ックにわたって1つのFATファイルシステムを記録す
るようにもできる。
【0053】3.ADIPセクタ/クラスタ構造とデー
タブロック 続いて、本発明の具体例として示す次世代MD1及び次
世代MD2のADIPセクタ構造とデータブロックとの
関係について図9を用いて説明する。従来のミニディス
ク(MD)システムでは、ADIPとして記録された物
理アドレスに対応したクラスタ/セクタ構造が用いられ
ている。本具体例では、説明の便宜上、ADIPアドレ
スに基づいたクラスタを「ADIPクラスタ」と記す。
また、次世代MD1及び次世代MD2におけるアドレス
に基づくクラスタを「レコーディングブロック(Record
ing Block)」あるいは「次世代MDクラスタ」と記
す。
【0054】次世代MD1及び次世代MD2では、デー
タトラックは、図9に示すようにアドレスの最小単位で
あるクラスタの連続によって記録されたデータストリー
ムとして扱われ、1レコーディングブロック(1次世代
MDクラスタ)は、図9に示すように16セクタあるい
は1/2ADIPクラスタにより構成されている。
【0055】図9に示す1レコーディングブロック(1
次世代MDクラスタ)のデータ構造としては、10フレ
ームのプリアンブルと、6フレームのポストアンブル
と、496フレームのデータ部とからなる512フレー
ムから構成されている。さらにこのレコーディングブロ
ック内の1フレームは、同期信号領域と、データ、BI
S、DSVとからなる。
【0056】また、1レコーディングブロックの512
フレームのうち、有意のデータが記録される496フレ
ームを16等分した各31フレームをアドレスユニット
(Address Unit)とよぶ。また、このアドレスユニット
の番号をアドレスユニットナンバ(Address Unit Numbe
r;AUN)とよぶ。このAUNは、全てのアドレスユ
ニットに付される番号であって、記録信号のアドレス管
理に使用される。
【0057】次世代MD1のように、ADIPに記述さ
れた物理的なクラスタ/セクタ構造を有する従来ミニデ
ィスクに対して、1−7PP変調方式で変調された高密
度データを記録する場合、ディスクに元々記録されたA
DIPアドレスと、実際に記録するデータブロックのア
ドレスとが一致しなくなるという問題が生じる。ランダ
ムアクセスは、ADIPアドレスを基準として行われる
が、ランダムアクセスでは、データを読み出す際、所望
のデータが記録された位置近傍にアクセスしても、記録
されたデータを読み出せるが、データを書き込む際に
は、既に記録されているデータを上書き消去しないよう
に正確な位置にアクセスする必要がある。そのため、A
DIPアドレスに対応付けした次世代MDクラスタ/次
世代MDセクタからアクセス位置を正確に把握すること
が重要となる。
【0058】そこで、次世代MD1の場合、媒体表面上
にウォブルとして記録されたADIPアドレスを所定規
則で変換して得られるデータ単位によって高密度データ
クラスタを把握する。この場合、ADIPセクタの整数
倍が高密度データクラスタになるようにする。この考え
方に基づいて、従来ミニディスクに記録された1ADI
Pクラスタに対して次世代MDクラスタを記述する際に
は、各次世代MDクラスタを1/2ADIPクラスタ区
間に対応させる。
【0059】したがって、次世代MD1では、従来のM
Dクラスタの1/2クラスタが最小記録単位(レコーデ
ィングブロック(Recording Block))として対応付け
されている。
【0060】一方、次世代MD2では、1クラスタが1
レコーディングブロックとして扱われるようになってい
る。
【0061】なお、本具体例では、前述したように、ホ
ストアプリケーションから供給される2048バイト単
位のデータブロックを1論理データセクタ(Logical Da
ta Sector;LDS)とし、このとき同一レコーディン
グブロック中に記録される32個の論理データセクタの
集合を論理データクラスタ(Logical Data Cluster;L
DC)としている。
【0062】以上説明したようなデータ構造とすること
により、次世代MDデータを任意位置へ記録する際、媒
体に対してタイミングよく記録できる。また、ADIP
アドレス単位であるADIPクラスタ内に整数個の次世
代MDクラスタが含まれるようにすることによって、A
DIPクラスタアドレスから次世代MDデータクラスタ
アドレスへのアドレス変換規則が単純化され、換算のた
めの回路又はソフトウェア構成が簡略化できる。
【0063】なお、図9では、1つのADIPクラスタ
に2つの次世代MDクラスタを対応付ける例を示した
が、1つのADIPクラスタに3以上の次世代MDクラ
スタを配することもできる。このとき、1つの次世代M
Dクラスタは、16ADIPセクタから構成される点に
限定されず、EFM変調方式とRLL(1−7)PP変
調方式におけるデータ記録密度の差や次世代MDクラス
タを構成するセクタ数、また1セクタのサイズ等に応じ
て設定することができる。
【0064】続いて、ADIPのデータ構造に関して説
明する。図10(a)には、次世代MD2のADIPの
データ構造が示され、図10(b)には、次世代MD1
のADIPのデータ構造が示されている。
【0065】次世代MD1では、同期信号と、ディスク
におけるクラスタ番号等を示すクラスタH(Cluster
H)情報及びクラスタL(Cluster L)情報と、クラスタ
内におけるセクタ番号等を含むセクタ情報(Secter)と
が記述されている。同期信号は、4ビットで記述され、
クラスタHは、アドレス情報の上位8ビットで記述さ
れ、クラスタLは、アドレス情報の下位8ビットで記述
され、セクタ情報は、4ビットで記述される。また、後
半の14ビットには、CRCが付加されている。以上、
42ビットのADIP信号が各ADIPセクタのヘッダ
部に記録されている。
【0066】また、次世代MD2では、4ビットの同期
信号データと、4ビットのクラスタH(Cluster H)情
報、8ビットのクラスタM(Cluster M)情報及び4ビ
ットのクラスタL(Cluster L)情報と、4ビットのセ
クタ情報とが記述される。後半の18ビットには、BC
Hのパリティが付加される。次世代MD2でも同様に4
2ビットのADIP信号が各ADIPセクタのヘッダ部
に記録されている。
【0067】ADIPのデータ構造では、上述したクラ
スタH(Cluster H)情報、クラスタM(Cluster M)及
びクラスタL(Cluster L)情報の構成は、任意に決定
できる。また、ここに他の付加情報を記述することもで
きる。例えば、図11に示すように、次世代MD2のA
DIP信号において、クラスタ情報を上位8ビットのク
ラスタH(Cluster H)と下位8ビットのクラスタL(C
luster L)とで表すようにし、下位8ビットで表される
クラスタLに替えて、ディスクコントロール情報を記述
することもできる。ディスクコントロール情報として
は、サーボ信号補正値、再生レーザパワー上限値、再生
レーザパワー線速補正係数、記録レーザパワー上限値、
記録レーザパワー線速補正係数、記録磁気感度、磁気−
レーザパルス位相差、パリティ等があげられる。
【0068】4.ディスクドライブ装置 図12及び図13を用いて、次世代MD1及び次世代M
D2の記録再生に対応したディスクドライブ装置10の
具体例について説明する。ここでは、ディスクドライブ
装置10は、パーソナルコンピュータ(以下、PCと記
す。)100と接続でき、次世代MD1及び次世代MD
2をオーディオデータのほか、PC等の外部ストレージ
として使用できる。
【0069】ディスクドライブ装置10は、メディアド
ライブ部11と、メモリ転送コントローラ12と、クラ
スタバッファメモリ13と、補助メモリ14と、USB
インターフェイス15、16と、USBハブ17と、シ
ステムコントローラ18と、オーディオ処理部19とを
備える。
【0070】メディアドライブ部11は、装填された従
来ミニディスク、次世代MD1、及び次世代MD2等の
個々のディスク90に対する記録/再生を行う。メディ
アドライブ部11の内部構成は、図13で後述する。
【0071】メモリ転送コントローラ12は、メディア
ドライブ部11からの再生データやメディアドライブ部
11に供給する記録データの送受制御を行う。クラスタ
バッファメモリ13は、メディアドライブ部11によっ
てディスク90のデータトラックから高密度データクラ
スタ単位で読み出されたデータをメモリ転送コントロー
ラ12の制御に基づいてバッファリングする。補助メモ
リ14は、メディアドライブ部11によってディスク9
0から読み出されたUTOCデータ、CATデータ、ユ
ニークID、ハッシュ値等の各種管理情報や特殊情報を
メモリ転送コントローラ12の制御に基づいて記憶す
る。
【0072】システムコントローラ18は、USBイン
ターフェイス16、USBハブ17を介して接続された
PC100との間で通信可能とされ、このPC100と
の間の通信制御を行って、書込要求、読出要求等のコマ
ンドの受信やステイタス情報、その他の必要情報の送信
等を行うとともに、ディスクドライブ装置10全体を統
括制御している。
【0073】システムコントローラ18は、例えば、デ
ィスク90がメディアドライブ部11に装填された際
に、ディスク90からの管理情報等の読出をメディアド
ライブ部11に指示し、メモリ転送コントローラ12に
よって読み出されたPTOC、UTOC等の管理情報等
を補助メモリ14に格納させる。
【0074】システムコントローラ18は、これらの管
理情報を読み込むことによって、ディスク90のトラッ
ク記録状態を把握できる。また、CATを読み込ませる
ことにより、データトラック内の高密度データクラスタ
構造を把握でき、PC100からのデータトラックに対
するアクセス要求に対応できる状態となる。
【0075】また、ユニークIDやハッシュ値により、
ディスク認証処理及びその他の処理を実行したり、これ
らの値をPC100に送信し、PC100上でディスク
認証処理及びその他の処理を実行させる。
【0076】システムコントローラ18は、PC100
から、あるFATセクタの読出要求があった場合、メデ
ィアドライブ部11に対して、このFATセクタを含む
高密度データクラスタの読出を実行する旨の信号を与え
る。読み出された高密度データクラスタは、メモリ転送
コントローラ12によってクラスタバッファメモリ13
に書き込まれる。但し、既にFATセクタのデータがク
ラスタバッファメモリ13に格納されていた場合、メデ
ィアドライブ部11による読出は必要ない。
【0077】このとき、システムコントローラ18は、
クラスタバッファメモリ13に書き込まれている高密度
データクラスタのデータから、要求されたFATセクタ
のデータを読み出す信号を与え、USBインターフェイ
ス15,USBハブ17を介して、PC100に送信す
るための制御を行う。
【0078】また、システムコントローラ18は、PC
100から、あるFATセクタの書込要求があった場
合、メディアドライブ部11に対して、このFATセク
タを含む高密度データクラスタの読出を実行させる。読
み出された高密度データクラスタは、メモリ転送コント
ローラ12によってクラスタバッファメモリ13に書き
込まれる。但し、既にこのFATセクタのデータがクラ
スタバッファメモリ13に格納されていた場合は、メデ
ィアドライブ部11による読出は必要ない。
【0079】また、システムコントローラ18は、PC
100から送信されたFATセクタのデータ(記録デー
タ)をUSBインターフェイス15を介してメモリ転送
コントローラ12に供給し、クラスタバッファメモリ1
3上で該当するFATセクタのデータの書き換えを実行
させる。
【0080】また、システムコントローラ18は、メモ
リ転送コントローラ12に指示して、必要なFATセク
タが書き換えられた状態でクラスタバッファメモリ13
に記憶されている高密度データクラスタのデータを記録
データとしてメディアドライブ部11に転送させる。こ
のとき、メディアドライブ部11は、装着されている媒
体が従来ミニディスクであればEFM変調方式で、次世
代MD1又は次世代MD2であればRLL(1−7)P
P変調方式で高密度データクラスタの記録データを変調
して書き込む。
【0081】なお、本具体例として示すディスクドライ
ブ装置10において、上述した記録再生制御は、データ
トラックを記録再生する際の制御であり、MDオーディ
オデータ(オーディオトラック)を記録再生する際のデ
ータ転送は、オーディオ処理部19を介して行われる。
【0082】オーディオ処理部19は、入力系として、
例えば、ライン入力回路/マイクロフォン入力回路等の
アナログ音声信号入力部、A/D変換器、及びデジタル
オーディオデータ入力部を備える。また、オーディオ処
理部19は、ATRAC圧縮エンコーダ/デコーダ、圧
縮データのバッファメモリを備える。さらに、オーディ
オ処理部19は、出力系として、デジタルオーディオデ
ータ出力部、D/A変換器及びライン出力回路/ヘッド
ホン出力回路等のアナログ音声信号出力部を備えてい
る。
【0083】ディスク90に対してオーディオトラック
が記録されるのは、オーディオ処理部19にデジタルオ
ーディオデータ(又は、アナログ音声信号)が入力され
る場合である。入力されたリニアPCMデジタルオーデ
ィオデータ、或いはアナログ音声信号で入力された後、
A/D変換器で変換されて得られたリニアPCMオーデ
ィオデータは、ATRAC圧縮エンコードされ、バッフ
ァメモリに蓄積される。その後、所定タイミング(AD
IPクラスタ相当のデータ単位)でバッファメモリから
読み出され、メディアドライブ部11に転送される。
【0084】メディアドライブ部11では、転送された
圧縮データをEFM変調方式又はRLL(1−7)PP
変調方式で変調してディスク90にオーディオトラック
として書き込む。
【0085】メディアドライブ部11は、ディスク90
からオーディオトラックを再生する場合、再生データを
ATRAC圧縮データ状態に復調してオーディオ処理部
19に転送する。オーディオ処理部19は、ATRAC
圧縮デコードを行ってリニアPCMオーディオデータと
し、デジタルオーディオデータ出力部から出力する。或
いは、D/A変換器によりアナログ音声信号としてライ
ン出力/ヘッドホン出力を行う。
【0086】なお、この図12に示す構成は、一例であ
って、例えば、ディスクドライブ装置10をPC100
に接続してデータトラックのみ記録再生する外部ストレ
ージ機器として使用する場合は、オーディオ処理部19
は、不要である。一方、オーディオ信号を記録再生する
ことを主たる目的とする場合、オーディオ処理部19を
備え、さらにユーザインターフェイスとして操作部や表
示部を備えることが好適である。また、PC100との
接続は、USBに限らず、例えば、IEEE(The Inst
itute of Electrical and Electronics Engineers,In
c.:アメリカ電気・電子技術者協会)の定める規格に準
拠した、いわゆるIEEE1394インターフェイスの
ほか、汎用の接続インターフェイスが適用できる。
【0087】続いて、従来ミニディスク、次世代MD1
及び次世代MD2を記録再生するためのメディアドライ
ブ部11の構成を図13を用いて、さらに詳細に説明す
る。
【0088】メディアドライブ部11は、従来ミニディ
スク、次世代MD1及び次世代MD2を記録再生するた
めに、特に、記録処理系として、従来ミニディスクの記
録のためのEFM変調・ACIRCエンコードを実行す
る構成と、次世代MD1及び次世代MD2の記録のため
のRLL(1−7)PP変調・RS−LDCエンコード
を実行する構成とを備える点が特徴的である。また、再
生処理系として、従来ミニディスクの再生のためのEF
M復調・ACIRCデコードを実行する構成と、次世代
MD1及び次世代MD2の再生にPR(1,2,1)M
L及びビタビ復号を用いたデータ検出に基づくRLL
(1−7)復調・RS−LDCデコードを実行する構成
を備えている点が特徴的である。
【0089】メディアドライブ部11は、装填されたデ
ィスク90をスピンドルモータ21によってCLV方式
又はZCAV方式にて回転駆動する。記録再生時には、
このディスク90に対して、光学ヘッド22からレーザ
光が照射される。
【0090】光学ヘッド22は、記録時に記録トラック
をキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出
力を行い、また再生時には、磁気カー効果により反射光
からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出
力を行う。このため、光学ヘッド22は、レーザ出力手
段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッター
や対物レンズ等からなる光学系及び反射光を検出するた
めのディテクタが搭載されている。光学ヘッド22に備
えられる対物レンズとしては、例えば2軸機構によって
ディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可
能に保持されている。
【0091】また、本具体例では、媒体表面の物理的仕
様が異なる従来ミニディスク及び次世代MD1と、次世
代MD2とに対して最大限の再生特性を得るために、両
ディスクに対してデータ読取り時のビットエラーレート
を最適化できる位相補償板を、光学ヘッド22の読取光
光路中に設ける。この光学ヘッドの構成は、後述する項
目7において詳細に説明する。
【0092】ディスク90を挟んで光学ヘッド22と対
向する位置には、磁気ヘッド23が配置されている。磁
気ヘッド23は、記録データによって変調された磁界を
ディスク90に印加する。また、図示しないが光学ヘッ
ド22全体及び磁気ヘッド23をディスク半径方向に移
動させためのスレッドモータ及びスレッド機構が備えら
れている。
【0093】このメディアドライブ部11では、光学ヘ
ッド22、磁気ヘッド23による記録再生ヘッド系、ス
ピンドルモータ21によるディスク回転駆動系のほか
に、記録処理系、再生処理系、サーボ系等が設けられ
る。記録処理系としては、従来ミニディスクに対する記
録時にEFM変調、ACIRCエンコードを行う部位
と、次世代MD1及び次世代MD2に対する記録時にR
LL(1−7)PP変調、RS−LDCエンコードを行
う部位とが設けられる。
【0094】また、再生処理系としては、従来ミニディ
スクの再生時にEFM変調に対応する復調及びACIR
Cデコードを行う部位と、次世代MD1及び次世代MD
2の再生時にRLL(1−7)PP変調に対応する復調
(PR(1,2,1)ML及びビタビ復号を用いたデー
タ検出に基づくRLL(1−7)復調)、RS−LDC
デコードを行う部位とが設けられる。
【0095】光学ヘッド22のディスク90に対するレ
ーザ照射によりその反射光として検出された情報(フォ
トディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光
電流)は、RFアンプ24に供給される。RFアンプ2
4では、入力された検出情報に対して電流−電圧変換、
増幅、マトリクス演算等を行い、再生情報としての再生
RF信号、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエ
ラー信号FE、グルーブ情報(ディスク90にトラック
のウォブリングにより記録されているADIP情報)等
を抽出する。
【0096】従来ミニディスクの再生時には、RFアン
プで得られた再生RF信号は、コンパレータ25、PL
L回路26を介して、EFM復調部27及びACIRC
デコーダ28で処理される。再生RF信号は、EFM復
調部27で2値化されてEFM信号列とされた後、EF
M復調され、さらにACIRCデコーダ28で誤り訂正
及びデインターリーブ処理される。オーディオデータで
あれば、この時点でATRAC圧縮データの状態とな
る。このとき、セレクタ29は、従来ミニディスク信号
側が選択されており、復調されたATRAC圧縮データ
がディスク90からの再生データとしてデータバッファ
30に出力される。この場合、図12のオーディオ処理
部19に圧縮データが供給される。
【0097】一方、次世代MD1又は次世代MD2の再
生時には、RFアンプで得られた再生RF信号は、A/
D変換回路31、イコライザ32、PLL回路33、P
RML回路34を介して、RLL(1−7)PP復調部
35及びRS−LDCデコーダ36で信号処理される。
再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部35にお
いて、PR(1,2,1)ML及びビタビ復号を用いた
データ検出によりRLL(1−7)符号列としての再生
データを得て、このRLL(1−7)符号列に対してR
LL(1−7)復調処理が行われる。さらに、RS−L
DCデコーダ36にて誤り訂正及びデインターリーブ処
理される。
【0098】この場合、セレクタ29は、次世代MD1
・次世代MD2側が選択され、復調されたデータがディ
スク90からの再生データとしてデータバッファ30に
出力される。このとき、図12のメモリ転送コントロー
ラ12に対して復調データが供給される。
【0099】RFアンプ24から出力されるトラッキン
グエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEは、サー
ボ回路37に供給され、グルーブ情報は、ADIPデコ
ータ38に供給される。
【0100】ADIPデコータ38は、グルーブ情報に
対してバンドパスフィルタにより帯域制限してウォブル
成分を抽出した後、FM復調、バイフェーズ復調を行っ
てADIPアドレスを抽出する。抽出された、ディスク
上の絶対アドレス情報であるADIPアドレスは、従来
ミニディスク及び次世代MD1の場合であれば、MDア
ドレスデコーダ39を介し、次世代MD2の場合であれ
ば、次世代MD2アドレスデコーダ40を介してドライ
ブコントローラ41に供給される。
【0101】ドライブコントローラ41では、各ADI
Pアドレスに基づいて、所定の制御処理を実行する。ま
たグルーブ情報は、スピンドルサーボ制御のためにサー
ボ回路37に戻される。
【0102】サーボ回路37は、例えばグルーブ情報に
対して再生クロック(デコード時のPLL系クロック)
との位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、C
LVサーボ制御及びZCAVサーボ制御のためのスピン
ドルエラー信号を生成する。
【0103】またサーボ回路37は、スピンドルエラー
信号や、上記のようにRFアンプ24から供給されたト
ラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、或いは
ドライブコントローラ41からのトラックジャンプ指
令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(ト
ラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制
御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、モータドラ
イバ42に対して出力する。すなわち、上記サーボエラ
ー信号や指令に対して位相補償処理、ゲイン処理、目標
値設定処理等の必要処理を行って各種サーボ制御信号を
生成する。
【0104】モータドライバ42では、サーボ回路37
から供給されたサーボ制御信号に基づいて所定のサーボ
ドライブ信号を生成する。ここでのサーボドライブ信号
としては、2軸機構を駆動する2軸ドライブ信号(フォ
ーカス方向、トラッキング方向の2種)、スレッド機構
を駆動するスレッドモータ駆動信号、スピンドルモータ
21を駆動するスピンドルモータ駆動信号となる。この
ようなサーボドライブ信号により、ディスク90に対す
るフォーカス制御、トラッキング制御、及びスピンドル
モータ21に対するCLV制御又はZCAV制御が行わ
れる。
【0105】ディスク90に対して記録動作が実行され
る際には、図12に示したメモリ転送コントローラ12
から高密度データ、或いはオーディオ処理部19からの
通常のATRAC圧縮データが供給される。
【0106】従来ミニディスクに対する記録時には、セ
レクタ43が従来ミニディスク側に接続され、ACIR
Cエンコーダ44及びEFM変調部45が機能する。こ
の場合、オーディオ信号であれば、オーディオ処理部1
9からの圧縮データは、ACIRCエンコーダ44でイ
ンターリーブ及びエラー訂正コード付加が行われた後、
EFM変調部45においてEFM変調される。EFM変
調データがセレクタ43を介して磁気ヘッドドライバ4
6に供給され、磁気ヘッド23がディスク90に対して
EFM変調データに基づいた磁界印加を行うことで変調
されたデータが記録される。
【0107】次世代MD1及び次世代MD1に対する記
録時には、セレクタ43が次世代MD1・次世代MD2
側に接続され、RS−LCDエンコーダ47及びRLL
(1−7)PP変調部48が機能する。この場合、メモ
リ転送コントローラ12から送られた高密度データは、
RS−LCDエンコーダ47でインターリーブ及びRS
−LDC方式のエラー訂正コード付加が行われた後、R
LL(1−7)PP変調部48にてRLL(1−7)変
調される。
【0108】RLL(1−7)符号列に変調された記録
データは、セレクタ43を介して磁気ヘッドドライバ4
6に供給され、磁気ヘッド23がディスク90に対して
変調データに基づいた磁界印加を行うことでデータが記
録される。
【0109】レーザドライバ/APC49は、上記のよ
うな再生時及び記録時においてレーザダイオードにレー
ザ発光動作を実行させるが、いわゆるAPC(Automati
c Lazer Power Control)動作も行う。具体的には、図
示しないが、光学ヘッド22内には、レーザパワーモニ
タ用のディテクタが設けられており、このモニタ信号が
レーザドライバ/APC49にフィードバックされるよ
うになっている。レーザドライバ/APC49は、モニ
タ信号として得られた現在のレーザパワーを予め設定さ
れているレーザパワーと比較して、その誤差分をレーザ
駆動信号に反映させることによって、レーザダイオード
から出力されるレーザパワーが設定値で安定化されるよ
うに制御している。ここで、レーザパワーは、ドライブ
コントローラ41によって、再生レーザパワー及び記録
レーザパワーとしての値がレーザドライバ/APC49
内部のレジスタにセットされる。
【0110】ドライブコントローラ41は、システムコ
ントローラ18からの指示に基づいて、以上の各動作
(アクセス、各種サーボ、データ書込、データ読出の各
動作)が実行されるように各構成を制御する。なお、図
13において一点鎖線で囲った各部は、1チップの回路
として構成することもできる。
【0111】ところで、ディスク90が図6のように、
予めデータトラック記録領域とオーディオトラック記録
領域とが分割して領域設定されている場合、システムコ
ントローラ18は、記録再生するデータがオーディオト
ラックかデータトラックかに応じて、設定された記録領
域に基づいたアクセスをメディアドライブ部11のドラ
イブコントローラ41に指示することになる。
【0112】また、装着されたディスク90に対して、
PC用のデータ又はオーディオデータの何れか一方のみ
を記録許可し、これ以外のデータの記録を禁止する制御
を行うようにもできる。すなわち、PC用のデータとオ
ーディオデータとを混在しないように制御することもで
きる。
【0113】したがって、本具体例として示すディスク
ドライブ装置10は、上述した構成を備えることによ
り、従来ミニディスク、次世代MD1及び次世代MD2
の間の互換性を実現できる。
【0114】また、本具体例における光学ヘッド22に
は、位相補償板が設けられており、この位相補償板によ
って、クロストークを小さくし、ミニディスク、次世代
MD1、次世代MD2の再生特性を向上させる。この光
学ヘッドおよび位相補償板の構成については、後述す
る。
【0115】5.データトラックのセクタ再生処理 以下、上述したディスクドライブ装置10によって、次
世代MD1及び次世代MD2に対する再生処理、記録処
理について説明する。データ領域に対するアクセスで
は、例えば、外部のPC100からディスクドライブ装
置10のシステムコントローラ18に対して、USBイ
ンターフェイス16を経由して「論理セクタ(以下、F
ATセクタと記す。)」単位で記録又は再生する指示が
与えられる。データクラスタは、図7に示したように、
PC100からみれば、2048バイト単位に区切られ
てUSNの昇順にFATファイルシステムに基づいて管
理されている。一方、ディスク90におけるデータトラ
ックの最小書換単位は、それぞれ65,536バイトの
大きさを有した次世代MDクラスタであり、この次世代
MDクラスにタは、LCNが与えられている。
【0116】FATにより参照されるデータセクタのサ
イズは、次世代MDクラスタよりも小さい。そのため、
ディスクドライブ装置10では、FATにより参照され
るユーザセクタを物理的なADIPアドレスに変換する
とともに、FATにより参照されるデータセクタ単位で
の読み書きをクラスタバッファメモリ13を用いて、次
世代MDクラスタ単位での読み書きに変換する必要があ
る。
【0117】図14に、PC100からあるFATセク
タの読出要求があった場合のディスクドライブ装置10
におけるシステムコントローラ18における処理を示
す。
【0118】システムコントローラ18は、USBイン
ターフェイス16を経由してPC100からのFATセ
クタ#nの読出命令を受信すると、指定されたFATセ
クタ番号#nのFATセクタが含まれる次世代MDクラ
スタ番号を求める処理を行う。
【0119】まず、仮の次世代MDクラスタ番号u0を
決定する。次世代MDクラスタの大きさは、65536
バイトであり、FATセクタの大きさは、2048バイ
トであるため、1次世代MDクラスタのなかには、FA
Tセクタは、32個存在する。したがって、FATセク
タ番号(n)を32で整数除算(余りは、切り捨て)し
たもの(u0)が仮の次世代MDクラスタ番号となる。
【0120】続いて、ディスク90から補助メモリ14
に読み込んであるディスク情報を参照して、データ記録
用以外の次世代MDクラスタ数uxを求める。すなわ
ち、セキュアエリアの次世代MDクラスタ数である。
【0121】上述したように、データトラック内の次世
代MDクラスタのなかには、データ記録再生可能なエリ
アとして公開しないクラスタもある。そのため、予め補
助メモリ14に読み込んでおいたディスク情報に基づい
て、非公開のクラスタ数uxを求める。その後、非公開
のクラスタ数uxを次世代MDクラスタ番号u0に加
え、その加算結果uを実際の次世代MDクラスタ番号#
uとする。
【0122】FATセクタ番号#nを含む次世代MDク
ラスタ番号#uが求められると、システムコントローラ
18は、クラスタ番号#uの次世代MDクラスタが既に
ディスク90から読み出されてクラスタバッファメモリ
13に格納されているか否かを判別する。もし格納され
ていなければ、ディスク90からこれを読み出す。
【0123】システムコントローラ18は、読み出した
次世代MDクラスタ番号#uからADIPアドレス#a
を求めることでディスク90から次世代MDクラスタを
読み出している。
【0124】次世代MDクラスタは、ディスク90上で
複数のパーツに分かれて記録されることもある。したが
って、実際に記録されるADIPアドレスを求めるため
には、これらのパーツを順次検索する必要がある。そこ
でまず、補助メモリ14に読み出してあるディスク情報
からデータトラックの先頭パーツに記録されている次世
代MDクラスタ数pと先頭の次世代MDクラスタ番号p
xとを求める。
【0125】各パーツには、ADIPアドレスによって
スタートアドレス/エンドアドレスが記録されているた
め、ADIPクラスタアドレス及びパーツ長から、次世
代MDクラスタ数pと先頭の次世代MDクラスタ番号p
xとを求めることができる。続いて、このパーツに、目
的となっているクラスタ番号#uの次世代MDクラスタ
が含まれているか否かを判別する。含まれていなけれ
ば、次のパーツに移る。すなわち、注目していたパーツ
のリンク情報によって示されるパーツである。以上によ
り、ディスク情報に記述されたパーツを順に検索してい
き、目的の次世代MDクラスタが含まれているパーツを
判別する。
【0126】目標の次世代MDクラスタ(#u)が記録
されたパーツが発見されたら、このパーツの先頭に記録
される次世代MDクラスタ番号pxと、目標の次世代M
Dクラスタ番号#uの差を求めることで、そのパーツ先
頭から目標の次世代MDクラスタ(#u)までのオフセ
ットを得る。
【0127】この場合、1ADIPクラスタには、2つ
の次世代MDクラスタが書き込まれるため、このオフセ
ットを2で割ることによって、オフセットをADIPア
ドレスオフセットfに変換することができる(f=(u
−px)/2)。
【0128】但し、0.5の端数が出た場合は、クラス
タfの中央部から書き込むこととする。最後に、このパ
ーツの先頭ADIPアドレス、すなわちパーツのスター
トアドレスにおけるクラスタアドレス部分にオフセット
fを加えることで、次世代MDクラスタ(#u)を実際
に書き込む記録先のADIPアドレス#aを求めること
ができる。以上がステップS1において再生開始アドレ
ス及びクラスタ長を設定する処理にあたる。なお、ここ
では、従来ミニディスクか、次世代MD1か次世代MD
2かの媒体の判別は、別の手法により、既に完了してい
るものとする。
【0129】ADIPアドレス#aが求められると、シ
ステムコントローラ18は、メディアドライブ部11に
ADIPアドレス#aへのアクセスを命じる。これによ
りメディアドライブ部11では、ドライブコントローラ
41の制御によってADIPアドレス#aへのアクセス
が実行される。
【0130】システムコントローラ18は、ステップS
2において、アクセス完了を待機し、アクセスが完了し
たら、ステップS3において、光学ヘッド22が目標と
する再生開始アドレスに到達するまで待機し、ステップ
S4において、再生開始アドレスに到達したことを確認
すると、ステップS5において、メディアドライブ部1
1に次世代MDクラスタの1クラスタ分のデータ読取開
始を指示する。
【0131】メディアドライブ部11では、これに応じ
て、ドライブコントローラ41の制御により、ディスク
90からのデータ読出を開始する。光学ヘッド22、R
Fアンプ24、RLL(1−7)PP復調部35、RS
−LDCデコーダ36の再生系で読み出したデータを出
力し、メモリ転送コントローラ12に供給する。
【0132】このとき、システムコントローラ18は、
ステップS6において、ディスク90との同期がとれて
いるか否かを判別する。ディスク90との同期が外れて
いる場合、ステップS7において、データ読取りエラー
発生の旨の信号を生成する。ステップS8において、再
度読取りを実行すると判別された場合は、ステップS2
からの工程を繰り返す。
【0133】1クラスタ分のデータを取得すると、シス
テムコントローラ18は、ステップS10において、取
得したデータのエラー訂正を開始する。ステップS11
において、取得したデータに誤りあれば、ステップS7
に戻ってデータ読取りエラー発生の旨の信号を生成す
る。また、取得したデータに誤りがなければ、ステップ
S12において、所定のクラスタを取得したか否かを判
別する。所定のクラスタを取得していれば、一連の処理
を終了し、システムコントローラ18は、このメディア
ドライブ部11による読出動作を待機し、読み出されて
メモリ転送コントローラ12に供給されたデータをクラ
スタバッファメモリ13に格納させる。取得していない
場合、ステップS6からの工程を繰り返す。
【0134】クラスタバッファメモリ13に読み込まれ
た次世代MDクラスタの1クラスタ分のデータは、複数
個のFATセクタを含んでいる。そのため、この中から
要求されたFATセクタのデータ格納位置を求め、1F
ATセクタ(2048バイト)分のデータをUSBイン
ターフェイス15から外部のPC100へと送出する。
具体的には、システムコントローラ18は、要求された
FATセクタ番号#nから、このセクタが含まれる次世
代MDクラスタ内でのバイトオフセット#bを求める。
そして、クラスタバッファメモリ13内のバイトオフセ
ット#bの位置から1FATセクタ(2048バイト)
分のデータを読み出させ、USBインターフェイス15
を介してPC100に転送する。
【0135】以上の処理により、PC100からの1F
ATセクタの読出要求に応じた次世代MDセクタの読み
出し・転送が実現できる。
【0136】6.データトラックのセクタ書込処理 次に、PC100からあるFATセクタの書込要求があ
った場合のディスクドライブ装置10におけるシステム
コントローラ18の処理を図15に基づいて説明する。
【0137】システムコントローラ18は、USBイン
ターフェイス16を経由してPC100からのFATセ
クタ#nの書込命令を受信すると、上述したように指定
されたFATセクタ番号#nのFATセクタが含まれる
次世代MDクラスタ番号を求める。
【0138】FATセクタ番号#nを含む次世代MDク
ラスタ番号#uが求められると、続いて、システムコン
トローラ18は、求められたクラスタ番号#uの次世代
MDクラスタが既にディスク90から読み出されてクラ
スタバッファメモリ13に格納されているか否かを判別
する。格納されていなければ、ディスク90からクラス
タ番号uの次世代MDクラスタを読み出す処理を行う。
すなわち、メディアドライブ部11にクラスタ番号#u
の次世代MDクラスタの読出を指示し、読み出された次
世代MDクラスタをクラスタバッファメモリ13に格納
させる。
【0139】また、上述のようにして、システムコント
ローラ18は、書込要求にかかるFATセクタ番号#n
から、このセクタが含まれる次世代MDクラスタ内での
バイトオフセット#bを求める。続いて、PC100か
ら転送されてくる当該FATセクタ(#n)への書込デ
ータとなる2048バイトのデータをUSBインターフ
ェイス15を介して受信し、クラスタバッファメモリ1
3内のバイトオフセット#bの位置から、1FATセク
タ(2048バイト)分のデータを書き込む。
【0140】これにより、クラスタバッファメモリ13
に格納されている当該次世代MDクラスタ(#u)のデ
ータは、PC100が指定したFATセクタ(#n)の
みが書き換えられた状態となる。そこでシステムコント
ローラ18は、クラスタバッファメモリ13に格納され
ている次世代MDクラスタ(#u)をディスク90に書
き込む処理を行う。以上がステップS21における記録
データ準備工程である。この場合も同様に、媒体の判別
は、別の手法により既に完了しているものとする。
【0141】続いて、システムコントローラ18は、ス
テップS22において、書込を行う次世代MDクラスタ
番号#uから、記録開始位置のADIPアドレス#aを
設定する。ADIPアドレス#aが求められたら、シス
テムコントローラ18は、メディアドライブ部11にA
DIPアドレス#aへのアクセスを命じる。これにより
メディアドライブ部11では、ドライブコントローラ4
1の制御によってADIPアドレス#aへのアクセスが
実行される。
【0142】ステップS23において、アクセスが完了
したことを確認すると、ステップS24において、シス
テムコントローラ18は、光学ヘッド22が目標とする
再生開始アドレスに到達するまで待機し、ステップS2
5において、データのエンコードアドレスに到達したこ
とを確認すると、ステップS26において、システムコ
ントローラ18は、メモリ転送コントローラ12に指示
して、クラスタバッファメモリ13に格納されている次
世代MDクラスタ(#u)のデータのメディアドライブ
部11への転送を開始する。
【0143】続いて、システムコントローラ18は、ス
テップS27において、記録開始アドレスに到達したこ
とを確認すると、メディアドライブ部11に対しては、
ステップS28において、この次世代MDクラスタのデ
ータのディスク90への書込開始を指示する。このと
き、メディアドライブ部11では、これに応じてドライ
ブコントローラ41の制御により、ディスク90へのデ
ータ書込を開始する。すなわち、メモリ転送コントロー
ラ12から転送されてくるデータについて、RS−LD
Cエンコーダ47、RLL(1−7)PP変調部48、
磁気ヘッドドライバ46、磁気ヘッド23及び光学ヘッ
ド22の記録系でデータ記録を行う。
【0144】このとき、システムコントローラ18は、
ステップS29において、ディスク90との同期がとれ
ているか否かを判別する。ディスク90との同期が外れ
ている場合、ステップS30において、データ読取りエ
ラー発生の旨の信号を生成する。ステップS31におい
て、再度読取りを実行すると判別された場合は、ステッ
プS2からの工程を繰り返す。
【0145】1クラスタ分のデータを取得すると、シス
テムコントローラ18は、ステップS32において、所
定のクラスタを取得したか否かを判別する。所定のクラ
スタを取得していれば、一連の処理を終了する。
【0146】以上の処理により、PC100からの1F
ATセクタの書込要求に応じた、ディスク90へのFA
Tセクタデータの書込が実現される。つまり、FATセ
クタ単位の書込は、ディスク90に対しては、次世代M
Dクラスタ単位の書換として実行される。
【0147】7.光学ヘッドの構造 本具体例の光学ヘッド22は、上述した次世代MD1と
次世代MD2の両ディスクに対して最適な再生特性を発
揮できる位相補償板を設けたことを特徴としている。
【0148】以下、図面を参照して本具体例の光学ヘッ
ド22の光学系について説明する。以下の具体例では、
従来ミニディスクと次世代MD1との最適な位相補償量
に関して、従来ミニディスクをあげて説明しているが、
従来ミニディスクと次世代MD1は、同一の物理フォー
マットを有するため、次世代MD1に対しても同様の説
明を示しているものとする。
【0149】図16は、本具体例における光学ヘッド2
2の光学系501を示した模式図である。図16に示す
光学系は、ディスクリート光学系であり、光源としての
レーザダイオード51、光源からの光を分離するグレー
ティング52、光路を変更させるビームスプリッター5
3、拡散する光を平行光に変換するコリメータレンズ5
4、焦点合わせを行う対物レンズ55、光を分離するウ
ォラストンプリズム56、非点収差を打ち消すシリンド
リカルレンズ57、光の強さを検出するフォトディテク
タ58、反射光の位相を調節する位相補償板59を有す
る。
【0150】レーザダイオード51は、入力される電気
信号に応じて光を出射する。グレーティング52は、レ
ーザダイオード51から出射された光を、読取光として
使用する0次光とトラッキングエラーの検出に使用する
1次光との2種類の光に分離する。これらの0次光およ
び1次光は、ビームスプリッター53を透過した後、コ
リメータレンズ54によって平行光に変換される。コリ
メータレンズ54を透過した光は、対物レンズ55によ
って集光され、光ディスク90の表面を照射する。
【0151】光ディスク90の表面を照射した光は、光
ディスク90の反射面において反射され、対物レンズ5
5により平行光に変換され、コリメータレンズ54によ
って収束光に変換された後、ビームスプリッター53を
経由して位相補償板59に向かう。
【0152】位相補償板59は、光の位相を調整するこ
とにより、反射光のクロストークを小さくし、再生特性
を向上させる。反射光のクロストークとは、2つ以上の
信号が重畳してしまう現象のことであり、例えば、光ス
ポットがトラック幅より広い場合、目的のトラックに隣
接するトラックの反射光が混入するときなどに生じる。
図17は、位相補償板を設けたときとそうでないときの
エラーレートを示す図である。図17において、位相補
償板を設けたときのエラーレートの値は丸の符号で表示
し、そうでないときのエラーレートの値は四角の符号で
表示している。図17に示すように、位相補償板を設け
たときのエラーレートは、位相補償板を設けていないと
きのエラーレートと比較して値が小さくなっており、位
相補償板により再生特性が向上することが分かる。
【0153】ウォラストンプリズム56は、位相補償板
59から出射した光を、サーボ系に使用されるメイン信
号とMO(Magneto-Optical)信号に使用されるI,J
信号とに分離する。また、シリンドリカルレンズ57
は、非点収差法によるフォーカスエラー信号を生成す
る。
【0154】フォトディテクタ58は、入射した光を電
気信号に変換する。図18は、フォトディテクタ58に
形成されたディテクタパターンを示す図である。図18
に示すように、フォトディテクタ58には、A〜Jの8
つの受光部が設けられており、グレーティング52によ
って分離された1次光は、E,Fの受光部に入射し、ウ
ォラストンプリズム56によって分離されたI,J信号
はI,Jの受光部に入射する。
【0155】フォトディテクタ58は、各ディテクタA
〜Jの受光部に入射した光を電気信号に変換する。ディ
スクドライブ装置10は、この電気信号を以下の式
(1)〜(3)に代入し、フォーカスエラー信号、トラ
ッキングエラー信号、RF信号を算出する。 フォーカスエラー信号=(A+C)−(B+D) … (1) トラッキングエラー信号=E−F … (2) MO(RF)信号=I−J … (3) 上述したように、ディスクドライブ装置10には、位相
補償板59が設けられており、位相補償板59は、クロ
ストークを小さくし、再生特性を向上させる。位相補償
板59は、光の位相を調節するが、この調節する位相の
大きさを位相補償量という。位相補償板59の位相補償
量と再生特性は関連しており、位相補償量が変化する
と、それに応じて再生特性も変化する。また、再生特性
と位相補償量の関係は再生する光ディスク90の種類毎
に異なり、最適な位相補償量も光ディスクの種類毎に異
なる。
【0156】図19は、次世代MD2における位相補償
量とエラーレートの関係を示すグラフである。図19に
よると、次世代MD2のエラーレートは、位相補償量0
〜20[deg]のあいだ減少し、20[deg]付近
で最小になったのち、30[deg]まで上昇し、その
後、60[deg]まで変化しない。
【0157】また、図20は、従来ミニディスクにおけ
る位相補償量とCNR(Carrier toNoise Ratio)の関
係を示す図である。図20によると、CNRは、位相補
償量が0〜18[deg]のあいだ上昇し、その後、位
相補償量が50[deg]になるまで減少する。
【0158】図19,20において、位相補償量が0
[deg]の値は、位相補償板59を設けないときの再
生特性を示している。従来ミニディスクを再生するディ
スクドライブ装置では、位相補償板59を設けていない
ため、光学ヘッド22としては0[deg]を中心に±
10[deg]の位相差になっている。ここで、従来ミ
ニディスクの0[deg]の再生特性と同じ値をとる位
相補償量は、30[deg]であるため、位相補償板5
9の位相補償量+光学ヘッドの位相補償量、すなわち、
30±10[deg](20〜40[deg])の位相
補償板を用いると、従来ミニディスクの再生特性を変更
させることなく、次世代MDの再生特性を向上させるこ
とができる。
【0159】また、図19において、位相補償量が0
[deg]のときの再生特性とその他のときの再生特性
とを比較すると、次世代MD2では、位相補償量が0
[deg]ときのエラーレートよりその他のときのエラ
ーレートのときの方が低くなっており、位相補償板59
を設けると、位相補償量の大小に関わらず再生特性が向
上することが分かる。
【0160】さらに、従来ミニディスクにおいて、位相
補償量が0〜28[deg]のときのCNRは、位相補
償量が0[deg]のときのCNRより高い値になって
おり、位相補償量が0〜28[deg]である位相補償
板59を設けると、再生特性が向上することが分かる。
【0161】このように、次世代MD2の再生特性は、
位相補償板59を設けることにより向上し、従来ミニデ
ィスクの再生特性は、位相補償量が0〜28[deg]
の位相補償板59を設けることにより向上する。そのた
め、位相補償量が0〜28[deg]の位相補償板59
を設けると、次世代MD2と従来ミニディスクの両ディ
スクの再生特性が向上する。
【0162】以下、本発明を適応したディスクリート光
学系のその他の具体例について説明する。以下に説明す
るディスクリート光学系は、位相補償板59の挿入箇所
が異なるのみであり、その他の構成は同一である。その
ため、ディスクドライブ装置10の各部品の名称及び構
成は、上述したディスクドライブ装置10のものを適用
する。
【0163】図21に示すディスクリート光学系502
では、コリメータレンズ54と対物レンズ55との間に
位相補償板59を設けている。コリメータレンズ54と
対物レン55ズとの間を通過する光は平行光である。そ
のため、位相補償板59には偏りのない光が通過するた
め、位相補償板59による位相補償量の誤差が生じにく
くなっている。
【0164】また、図22に示すディスクリート光学系
503では、ビームスプリッター53とコリメータレン
ズ54の間に位相補償板59を設けている。この場合ビ
ームスプリッター53と位相補償板59は一体的に作る
ことができるので、部品の点数が減少し、光学ヘッド2
2を小さくすることができる。
【0165】次に、集積光学系を用いたディスクドライ
ブ装置10の具体例を説明する。図23は、ディスクド
ライブ装置10の光学系を模式的に示す図である。図2
3に示すように、集積光学系601は、対物レンズ63
と対物レンズ63を除く光学系を一体的に形成した集積
素子60とから構成される。集積素子60は、光源とし
てのレーザダイオード61、光を分離させるプリズム6
2、光を集光させる対物レンズ63、光の強さを検出す
るフォトディテクタ64、反射光の位相を調節する位相
補償板65を有する。
【0166】レーザダイオード61は、入力される電気
信号に応じて光を出射する。レーザダイオード61から
出射された光は、プリズム62の斜面で反射し、対物レ
ンズ63を通過する。対物レンズ63を通過した光は、
収束光となり、光ディスク90の記録面で合焦する。
【0167】光ディスク90の表面を照射した光は、光
ディスク90の反射面において反射し、対物レンズ63
により収束光に変換され、位相補償板65を透過する。
位相補償板65は、光の位相を調節することにより、反
射光のクロストークを小さくし、再生特性を向上させ
る。この位相補償板65は、上記のディスクリート光学
系と同様な位相補償板65であり、従来ミニディスクと
次世代MD2の両方の再生特性を向上するような位相補
償量を有している。
【0168】位相補償板65を透過した光は、プリズム
62の斜面を透過してフォトディテクタ64上に集光さ
れる。プリズム62は、異方性を持つ結晶でできてお
り、偏光方向により屈折率が異なって見えるため、入射
した光をMO信号に使われるI,J信号に分離すること
ができる。
【0169】フォトディテクタ64は、入射した光を電
気信号に変換する。図24は、フォトディテクタ64に
形成されたディテクタパターンを示す図である。図24
に示すように、フォトディテクタ64には、a〜d、I
x、Iy、Jx、Jyの10個の受光部が設けられてお
り、各受光部a〜d、Ix、Iy、Jx、Jyに入射さ
れた光を電気信号に変換する。ディスクドライブ装置1
0は、この電気信号を以下の式(4)〜(6)に入力
し、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、
RF信号を算出する。 フォーカスエラー信号=((a+d)−(b+c))−((Ix+Jx)−(I y+Jy)) … (1) トラッキングエラー信号=(a+b)−(c+d) … (2) MO(RF)信号=(Ix+Iy)−(Jx+Jy)… (3) 上記の集積光学系601では、対物レンズと集積光学系
の間に位相補償板65が設けられている。この位相補償
板65は、適切な位相補償量を有しており、従来ミニデ
ィスクと次世代MD2との両方の光ディスクの再生特性
が向上するようになる。
【0170】以下、集積光学系のその他の具体例につい
て説明する。以下に示すディスクドライブ装置の集積光
学系は、位相補償板の挿入箇所が異なるだけである。そ
のため、集積光学系の各部品の名称及び構成は、上述し
た集積光学系のものを適用するものとする。
【0171】図25に示す集積光学系602では、集積
光学素子60に位相補償板65が固定されている。この
ように、位相補償板65と集積光学素子60を一体化す
ると、部品の点数が減少し、光学ヘッド22を小さくす
ることができる。また、集積光学素子60の上部には、
光を透過させるための窓が設けられている。位相補償板
65をこの窓の表面に密着させることにより、窓と位相
補償板65の間に塵や埃などが溜まることがなくなる。
【0172】図26に示す集積光学系603は、プリズ
ム62の上側に位相補償板65が固定されている。この
ように、位相補償板65を集積光学素子60に内蔵させ
ると、部品の点数が減少し、光学ヘッド22を小さくす
ることができる。
【0173】以上のように、本発明を適応したディスク
ドライブ装置10は、従来ミニディスクと次世代MD
1、次世代MD2に適した位相補償板65を設けること
により、従来ミニディスクの再生特性を悪化させること
なく、次世代MD1、次世代MD2の再生特性を向上す
る。
【0174】また、液晶素子を使った位相補償と比較し
て、位相補償量を変更させる構成が不要になるため、光
学ヘッド22の構成が単純化し、光学ヘッドの製作工程
の単純化や光学ヘッド22のダウンサイジングに繋が
る。
【0175】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る光学ヘッド、及びこの光学ヘッドを適用したディスク
再生装置によれば、光学記録媒体に記録されたデータを
読み取るためのレーザ光が照射されるレーザ光源と、光
学記録媒体と対向配置される対物レンズと、光学記録媒
体からの戻り光を目的の光に分離する光学系と、光学系
からの光を電気信号に変換する信号変換手段と、対物レ
ンズと光学系との間に配置された位相補償部とを有し、
位相補償部の位相補償量は、異なる物理フォーマットを
有する複数の光学記録媒体に対して、該光学記録媒体か
らの反射光のクロストークを低減する値とすることによ
り、単純な構成により、複数種類の記録媒体に対して、
クロストーク等の影響による再生特性の劣化を低減する
効果を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例として示す次世代MD1及び次
世代MD2、並びに従来のミニディスクの仕様を説明す
る図である。
【図2】本発明の具体例として示す次世代MD1及び次
世代MD2における誤り訂正方式のBIS付きRS−L
DCブロックを説明する図である。
【図3】本発明の具体例として示す次世代MD1及び次
世代MD2の1レコーディングブロック内のBIS配置
を説明する図である。
【図4】本発明の具体例として示す次世代MD1のディ
スク盤面上のエリア構成を説明する模式図である。
【図5】本発明の具体例として示す次世代MD2のディ
スク盤面上のエリア構成を説明する模式図である。
【図6】本発明の具体例として示す次世代MD1のディ
スクにオーディオデータとPC用データとを混在記録し
た場合の盤面上のエリア構成を説明する模式図である。
【図7】本発明の具体例として示す次世代MD1のデー
タ管理構造を説明する模式図である。
【図8】本発明の具体例として示す次世代MD2のデー
タ管理構造を説明する模式図である。
【図9】本発明の具体例として示す次世代MD1及び次
世代MD2のADIPセクタ構造とデータブロックとの
関係を説明する模式図である。
【図10】(a)は、次世代MD2のADIPデータ構
造を示す模式図であり、(b)は、次世代MD1のAD
IPデータ構造を示す模式図である。
【図11】本発明の具体例として示す次世代MD2のデ
ータ管理構造の変形例を説明する模式図である。
【図12】本発明の具体例として示す次世代MD1及び
次世代MD2に対して互換性を有して記録再生を行うデ
ィスクドライブ装置を説明するブロック図である。
【図13】上記ディスクドライブ装置のメディアドライ
ブ部を説明するブロック図である。
【図14】上記ディスクドライブ装置において次世代M
D1及び次世代MD2のセクタ再生処理を説明するフロ
ーチャートである。
【図15】上記ディスクドライブ装置において次世代M
D1及び次世代MD2のセクタ記録処理を説明するフロ
ーチャートである。
【図16】本発明を適用したディスクリート光学系の具
体例を説明する模式図である。
【図17】位相補償部の有無による再生特性の差を示す
図である。
【図18】ディテクタパターンを示す図である。
【図19】次世代MD2における位相補償量とエラーレ
ートの関係を示す図である。
【図20】従来ミニディスクにおける位相補償量とエラ
ーレートの関係を示す図である。
【図21】本発明の具体例として示す光学ヘッドの光学
系を説明する模式図である。
【図22】本発明を適用したディスクリート光学系の具
体例を説明する模式図である。
【図23】本発明を適用したディスクリート光学系の具
体例を説明する模式図である。
【図24】ディテクタパターンを示す図である。
【図25】本発明を適用した集積光学系の具体例を説明
する模式図である。
【図26】本発明を適用した集積光学系の具体例を説明
する模式図である。
【図27】従来のディスクリート光学系を説明する模式
図である。
【図28】従来の集積光学系を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 次世代MD、2 次世代MD 10 ディスクドラ
イブ装置、11 メディアドライブ部、12 メモリ転
送コントローラ、13 クラスタバッファメモリ、14
補助メモリ、15,16 USBインターフェイス、
17 USBハブ、18 システムコントローラ、19
オーディオ処理部、21 スピンドルモータ、22
光学ヘッド、23 磁気ヘッド、24 RFアンプ、2
5 コンパレータ、26 PLL回路、27 EFM復
調部、28 ACIRCデコーダ、29 セレクタ、3
0 データバッファ、31 A/D変換回路、32 イ
コライザ、33 PLL回路、34 PRML回路、3
5 RLL(1−7)PP復調部、36 RS−LDC
デコーダ、37 サーボ回路、38 ADIPデコー
ダ、39 MDアドレスデコーダ、40 次世代MD2
アドレスデコーダ、41 ドライブコントローラ、42
モータドライバ、43 セレクタ、44 ACIRC
エンコーダ、45 EFM変調部、46 磁気ヘッドド
ライバ、47RS−LDCエンコーダ、48 RLL
(1−7)PP変調部、49 レーザドライバ/AP
C、51,61 レーザダイオード、55,63 対物
レンズ、56 ウォラストンプリズム、57 シリンド
リカルレンズ、62 プリズム、58,64 フォトデ
ィテクタ、59,65 位相補償板、54 コリメータ
レンズ、90 光ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 富士 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 渡辺 誠 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D119 AA01 AA05 AA06 AA14 AA41 BA01 BB05 DA05 JA70 5D789 AA01 AA05 AA06 AA14 AA41 BA01 BB05 DA05 JA70

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学記録媒体に記録されたデータを読み
    取るためのレーザ光を出力するレーザ光源と、 上記光学記録媒体と対向配置される対物レンズと、 上記光学記録媒体からの戻り光を目的の光に分離する光
    学系と、 上記光学系からの光を電気信号に変換する信号変換手段
    と、 上記対物レンズと上記光学系との間に配置された位相補
    償部とを有し、 上記位相補償部の位相補償量は、異なる物理フォーマッ
    トを有する複数の光学記録媒体に対して、該光学記録媒
    体からの反射光のクロストークを低減する値であること
    を特徴とする光学ヘッド。
  2. 【請求項2】 平行光を生成するコリメータレンズを上
    記対物レンズと上記光学系との間に備え、 上記位相補償部は、上記対物レンズと上記コリメータレ
    ンズとの間に配置されることを特徴とする請求項1記載
    の光学ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記位相補償部の位相補償量は、20度
    以上の値であることを特徴とする請求項1記載の光学ヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】 上記レーザ光の波長は、780nmであ
    り、上記レーザ光源の開口率は、NA=0.45である
    ことを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  5. 【請求項5】 互いに異なる光学記録媒体に異なる記録
    形式で記録されたデータを同一の光学的仕様によって再
    生するディスク再生装置において、 光学記録媒体に記録されたデータを読み取るためのレー
    ザ光を出力するレーザ光源と、 上記光学記録媒体と対向配置される対物レンズと、 上記光学記録媒体からの戻り光を目的の光に分離する光
    学系と、 上記光学系からの光を電気信号に変換する信号変換手段
    と、 上記対物レンズと上記光学系との間に配置された位相補
    償部とを有し、 上記位相補償部の位相補償量は、異なる物理フォーマッ
    トを有する複数の光学記録媒体に対して、該光学記録媒
    体からの反射光のクロストークを低減する値であること
    を特徴とするディスク再生装置。
  6. 【請求項6】 平行光を生成するコリメータレンズを上
    記対物レンズと上記光学系との間に備え、 上記位相補償部は、上記対物レンズと上記コリメータレ
    ンズとの間に配置されることを特徴とする請求項5記載
    のディスク再生装置。
  7. 【請求項7】 上記位相補償部の位相補償量は、20度
    以上の値であることを特徴とする請求項5記載のディス
    ク再生装置。
  8. 【請求項8】 上記レーザ光の波長は、780nmであ
    り、上記レーザ光源の開口率は、NA=0.45である
    ことを特徴とする請求項5記載のディスク再生装置。
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