JP2003295468A - 感光性平版印刷版材料の製版方法 - Google Patents

感光性平版印刷版材料の製版方法

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JP2003295468A JP2002095740A JP2002095740A JP2003295468A JP 2003295468 A JP2003295468 A JP 2003295468A JP 2002095740 A JP2002095740 A JP 2002095740A JP 2002095740 A JP2002095740 A JP 2002095740A JP 2003295468 A JP2003295468 A JP 2003295468A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高感度で経時保存性の安定した、印刷性能の良
好な平版印刷版製版物を提供する。 【解決手段】有機ホウ素塩、および側鎖に重合性二重結
合を有しかつカルボキシル基を有する高分子結着剤の酸
価が50mgKOH/g以上である高分子結着剤を含有
する感光性平版印刷版をスルホン化した芳香族炭化水素
を含有する現像液で処理する事で基本的には解決され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性平版印刷版材
料の製版方法に関する。更に詳しくは、レーザーを用い
て画像形成可能な感光性平版印刷版材料の製版方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】光重合開始剤と色素増感剤および重合性
化合物を有し、色素増感剤が吸収した光エネルギーを光
重合開始剤のラジカル開裂に利用し、発生するラジカル
による重合性化合物の重合を利用した平版印刷版の開発
は、従来の紫外光露光に感光し画像形成を行う方法に加
えて、可視光領域の光に対する感度を大幅に向上させ、
アルゴンイオンレーザー(488nm)やFD−YAG
(532nm)等の光源を利用し、これらレーザーによ
る直接描画、製版が可能な系が実用化されている。
【0003】露光光源として可視光レーザー以外に、7
50nm以上の領域に発光する高出力半導体レーザーや
YAGレーザー等が光源として利用されるようになり、
これら光源の出力に合わせた感光材料およびこれを利用
した印刷版の開発が盛んに行われるようになってきた。
【0004】上記の光重合系を構成する光重合開始剤と
増感剤の組み合わせの技術が開示されている。例えば有
機ホウ素アニオンとカチオン色素の組み合わせが特開昭
62−143044号、同62−150242号、特開
平5−5988号、特開2000−89455号公報等
に記載されている。光重合開始剤の他の例としては、チ
タノセン化合物と増感剤の組み合わせについて特開昭6
3−221110号公報等に見られる。更に、トリハロ
アルキル置換トリアジン化合物とシアニン色素の組み合
わせについては特開平2−189548号公報等に見ら
れ、ヘキサアリールビイミダゾール化合物と色素の組み
合わせについては特開平1−279903号公報などに
記載されている。赤外吸収色素と重合開始剤について
は、特開2000−122273号、特開2001−2
90271号、特開2001−228611号などに記
載されているが、高感度化や赤外光感光性化する事によ
り、平版印刷版の感光層の経時保存安定性への影響は益
々顕著になり、感光層の感度が経時保存中に低下する問
題や熱的にかぶりが生じる問題、非画像部が経時的に支
持体(アルミニウム等)に強固に接着するため現像時に
溶出不良を生じる又は、強固に接着した非画像部を溶出
する為に平版印刷版として必要不可欠な画像部の強度の
低下を招く等の問題があり、未だ充分な感度と印刷性能
を両立させる系が見出されていない。
【0005】これらの問題に対して、特公昭56−39
464号、特開平7−306528号、同10−301
280号、同10−312056号及び特開2000−
112147号等に記載されているベンジルアルコール
やトリエタノールアミン又は,ポリオキシエチレン−ポ
リオキシプロピレン共重合体等を含むアルカリ性現像液
で現像を行ってもインキ受理性を阻害したり、充分な画
像強度が得られず印刷版としての耐刷性が不充分であっ
たり、平版印刷版を経時保存した際に非画像部を完全に
溶出できず印刷時に汚れを発生させる等平版印刷版とし
ての良好な印刷性能が得られていない。
【0006】その他、特開平9−15870号にはスル
ホン酸基を有するアニオン性界面活性剤と特定のジオー
ルとを組み合わせ現像性を高めたカラーフィルター用現
像液が開示されているが、平版印刷版を安定に現像でき
るものではなかった。又、特開2001−133991
号には、水混和性有機溶媒と表面活性化合物を含む現像
液が開示されているが、これもジアゾニウム塩を使用し
ないレーザー光直描型光重合系感光性平版印刷版では、
平版印刷版を経時保存した際に非画像部を完全に溶出で
きず印刷時に汚れを発生させる等平版印刷版としての良
好な印刷性能が得られていない。
【0007】上記の種々の問題を解決する為には、
(1)印刷性能を低下させず、特に画像部の強度を低下
させる事なく非画像部を完全に溶出する現像液。(2)
高感度で感光層の経時保存安定性の優れた感光層を持っ
た平版印刷版。が必要であり、それによって成し得る高
感度で経時保存性の安定した、印刷性能の良好な平版印
刷版製版物が切望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高感度で経
時保存性の安定した、印刷性能の良好な平版印刷版製版
物を与えることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、有機ホウ素
塩、および側鎖に重合性二重結合を有しかつカルボキシ
ル基を有する高分子結着剤の酸価が50mgKOH/g
以上である高分子結着剤を含有する感光性平版印刷版を
スルホン化した芳香族炭化水素化合物を含有する現像液
で処理する事で基本的には解決される。
【0010】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意
検討した結果、色素による増感可能な有機ホウ素塩を重
合開始剤とし、側鎖に重合性二重結合を有しかつカルボ
キシル基を有する高分子結着剤を使用する事により高感
度化を実現し平版印刷版として必要な極めて強固な画像
を形成させた。又、その高分子結着剤の酸価を限定し、
スルホン化した芳香族炭化水素化合物を含有する現像液
で処理する事により、強固な画像を形成しつつ安定した
平版印刷版の感光層の経時保存性を実現した。
【0011】即ち、有機ホウ素塩、側鎖に重合性二重結
合を有しかつカルボキシル基を有する高分子結着剤、及
び高分子結着剤の酸価、スルホン化した芳香族炭化水素
化合物を含有する現像液で処理、この4つのファクター
を兼ね備える事により到達できる平版印刷版の性能を見
出し本発明を完成するに至った。
【0012】更に、赤外線レーザー用ネガ型平版印刷版
においては、赤外光吸収色素を添加する事が必要になる
が、赤外光吸収色素は、一般的に共役系が長く延びた構
造を有するため疎水性が増し又分解し易い為に、平版印
刷版の感光層に大きな影響を与える構成となるので本発
明は有用な手段となる。
【0013】
【発明の実施形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明に用いられるスルホン化した芳香族炭化水素
は、芳香族スルホン酸であり具体的には、ベンゼンスル
ホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン
酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、又は
これらのアルカリ金属塩が挙げられるがこれに限定され
ない。又、これらの化合物を単独もしくは二種以上併用
する事ができる。好ましい化合物としては、具体的に
は、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニル
エーテルジスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコ
ハク酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル
硫酸カリウム、アルキル硫酸アンモニウム、アルキル硫
酸トリエタノールアミン、アルキル硫酸ジエタノールア
ミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリ
ウム等が挙げられる。特に好ましい化合物としては、ア
ルキルナフタレンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩で
ある。
【0014】現像液中に於けるスルホン化した芳香族炭
化水素の割合については好ましい範囲が存在し、現像液
トータル1000重量部において該スルホン化した芳香
族炭化水素は3重量部から40重量部の範囲で含まれて
いることが好ましく更に好ましくは10重量部から30
重量部の範囲である。
【0015】本発明の平版印刷版に用いられる有機ホウ
素塩としては、特に化1で示される有機ホウ素アニオン
を有する化合物を用いることが好ましい。
【0016】
【化1】
【0017】化1において、R21,R22,R23およびR
24は各々同じであっても異なっていても良く、アルキル
基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの
内で、R21,R22,R23およびR24の内の一つがアルキ
ル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に
好ましい。
【0018】上記の有機ホウ素アニオンは、これと塩を
形成するカチオンが同時に存在する。この場合のカチオ
ンとしては、アルカリ金属イオンおよびオニウムイオン
が挙げられる。オニウム塩としては、アンモニウム、ス
ルホニウム、ヨ一ドニウムおよびホスホニウム化合物が
挙げられる。アルカリ金属イオンおよびオニウム化合物
と有機ホウ素アニオンとの塩を用いる場合には、別に増
感色素を添加することで色素が吸収する光の波長範囲で
の感光性を付与することが行われる。
【0019】本発明に係わる好ましい様態の一つとし
て、有機ホウ素塩を380nm〜1300nmの波長域
に増感する増感色素とともに含む感光性組成物であり、
この場合の有機ホウ素塩は可視光から赤外光の波長領域
に感光性を示さず、増感色素の添加によって初めてこう
した波長領域の光に感光性を示すものである。
【0020】この場合の有機ホウ素塩としては、先に示
した化1で表される有機ホウ素アニオンを含む塩であ
り、塩を形成するカチオンとしてはアルカリ金属イオン
およびオニウム化合物が好ましく使用される。特に好ま
しい例は、有機ホウ素アニオンとのオニウム塩として、
テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、ト
リアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリア
リールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙
げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を以下に示
す。
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】感光性組成物中に於ける有機ホウ素塩の割
合については好ましい範囲が存在し、感光性組成物トー
タル100重量部において該有機ホウ素塩は0.1重量
部から50重量部の範囲で含まれていることが好まし
い。
【0024】本発明は高分子結着剤として、側鎖に重合
性二重結合を有しかつカルボキシル基含有モノマーを共
重合成分として有するポリマーを用いる。該高分子結着
剤は、経時保存性の安定した印刷性能の良好な平版印刷
版を提供する為には、50mgKOH/g以上の酸価の
ものを使用しなければならない。高分子結着剤の酸価が
50mgKOH/gより小さいとアルカリ水溶液を用い
ての現像の際、未露光部の溶出性が低下し、印刷物の非
画像部の汚れが発生してしまう。又は、現像時間が長く
かかりすぎるため生産性の低下を引き起こす。その上、
たとえ現像が可能であっても、平版印刷版の経時保存に
より溶出性の悪化が激しく、経時前と同じ条件では、現
像する事ができず常に安定した性能を得る事ができな
い。
【0025】前記高分子結着剤の酸価には、好ましい範
囲が存在し、250mgKOH/g以上500mgKO
H/g以下である。
【0026】上記のカルボキシル基含有モノマーとして
は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−カルボ
キシエチルエステル、メタクリル酸2−カルボキシエチ
ルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレ
イン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエ
ステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げら
れる。
【0027】上記のポリマー側鎖に重合性二重結合を導
入する場合のモノマーとしては、アリルアクリレート、
アリルメタクリレート、ビニルアクリレート、ビニルメ
タクリレート、1−プロペニル−アクリレート、1−プ
ロペニル−メタクリレート、β−フェニル−ビニル−メ
タクリレート、β−フェニル−ビニル−アクリレート、
ビニルメタクリルアミド、ビニルアクリルアミド、α−
クロロ−ビニル−メタクリレート、α−クロロ−ビニル
−アクリレート、β−メトキシ−ビニル−メタクリレー
ト、β−メトキシ−ビニル−アクリレート、ビニル−チ
オ−アクリレート、ビニル−チオ−メタクリレート等が
挙げられる。
【0028】本発明に用いられる高分子結着剤として特
に好ましくは、ビニル基が置換したフェニル基を側鎖に
有し、かつカルボキシ基含有モノマーを共重合成分とし
て有するポリマーである。ビニル基が置換したフェニル
基は直接もしくは連結基を介して主鎖と結合したもので
あり、連結基としては特に限定されず、任意の基、原子
またはそれらの複合した基が挙げられる。また、前記フ
ェニル基は置換可能な基もしくは原子で置換されていて
も良く、また、前記ビニル基はハロゲン原子、カルボキ
シ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミ
ノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基等で置換されていても良い。上記した側鎖に
ビニル基が置換したフェニル基を有する重合体とは、更
に詳細には、下記化4で表される基を側鎖に有するもの
である。
【0029】
【化4】
【0030】式中、Z1は連結基を表し、R1、R2、及
びR3は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、ス
ルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ
基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ
基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ
基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R4は置
換可能な基または原子を表す。n1は0または1を表
し、m1は0〜4の整数を表し、k1は1〜4の整数を表
す。
【0031】上記一般式について更に詳細に説明する。
1の連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレ
ン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R5
−、−C(O)−O−、−C(R6)=N−、−C
(O)−、スルホニル基、複素環基、及び下記化5で表
される基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げら
れる。ここでR5及びR6は、水素原子、アルキル基、ア
リール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキ
ル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有してい
てもよい。
【0032】
【化5】
【0033】上記複素環基としては、ピロール環、ピラ
ゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾ
ール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサ
ジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チア
ジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、イ
ンダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾ
ール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、
ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリ
ジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ト
リアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複
素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、更にこれ
らの複素環には置換基が結合していても良い。化4で表
される基の例を以下に示すが、これらの例に限定される
ものではない。
【0034】
【化6】
【0035】
【化7】
【0036】
【化8】
【0037】
【化9】
【0038】上記化4で表される基の中には好ましいも
のが存在する。即ち、R1及びR2が水素原子でR3が水
素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル
基、エチル基等)であるものが好ましい。更に、Z1
連結基としては複素環を含むものが好ましく、k1は1
または2であるものが好ましい。
【0039】化4で示される基を有し、かつカルボキシ
基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーの例
を下記に示す。式中、数字は共重合体トータル組成10
0重量%中に於ける各繰り返し単位の重量%を表す。
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】
【化12】
【0043】
【化13】
【0044】
【化14】
【0045】本発明のポリマーは、更に他のモノマーを
共重合体成分として含んでもよい。他のモノマーとして
は、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシス
チレン、4一アセトキシスチレン、4−カルポキシスチレ
ン、4一アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メ
トキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等の
メタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエ
ステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル
酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ
プロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール
モノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリ
コールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリ
コールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメ
タクリル酸エステル類、メタクリル酸2−ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル等の
アミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル
酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステル
と同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとして
ビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリル
アミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルス
ルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその
塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホ
ン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有す
るモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジ
ン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール
等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アン
モニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオ
キシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタク
リロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルク
ロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメ
チルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピ
リジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルア
ミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミ
ド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキ
シエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアク
リルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミ
ド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニト
リル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイ
ミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロビオン酸ビ
ニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニ
ル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、
ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、
N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テト
ラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシ
ラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマーが挙げ
られる。
【0046】本発明に係わる高分子結着剤の分子量につ
いては好ましい範囲が存在し、重量平均分子量として1
000から100万の範囲にあることが好ましく、さら
に5000から50万の範囲にあることがさらに好まし
い。
【0047】本発明の感光性平版印刷版の感光層は、更
にエチレン性不飽和化合物を含有するのが好ましい。こ
れを組み合わせることによって更に高感度が実現でき、
また印刷性能に優れた平版印刷版を得ることができる。
【0048】本発明に係わるエチレン性不飽和化合物と
しては、分子内に2個以上の重合性二重結合を有する重
合性化合物が挙げられる。好ましいエチレン性不飽和化
合物の例としては、1,4−ブタンジオールジアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレング
リコールジアクリレート、トリスアクリロイルオキシエ
チルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールグリセロールトリアク
リレート、グリセロールエポキシトリアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート等の多官能アクリル系モノマーが挙げら
れる。
【0049】或いは、上記の重合性化合物に代えてラジ
カル重合性を有するオリゴマーも好ましく使用され、ア
クリロイル基、メタクリロイル基を導入した各種オリゴ
マーとしてポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタ
ン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレー
ト等も同様に使用されるが、これらもエチレン性不飽和
化合物として同様に好ましく用いることができる。
【0050】エチレン性不飽和化合物として、更に好ま
しい態様は、分子内にビニル基が置換したフェニル基を
2個以上を有する重合性化合物が挙げられる。該化合物
を使用した場合に於いて、発生するラジカルにより生成
するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋
を行うため、高感度の感光性平版印刷版を作成する上で
極めて好ましい。
【0051】分子内にビニル基が置換したフェニル基を
2個以上有する重合性化合物は、代表的には下記一般式
で表される。
【0052】
【化15】
【0053】式中、Z2は連結基を表し、R11、R12
びR13は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、ス
ルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ
基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ
基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ
基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R14は置
換可能な基または原子を表す。m2は0〜4の整数を表
し、k2は2以上の整数を表す。
【0054】更に詳細に説明する。Z2の連結基として
は、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン
基、アリーレン基、−N(R15)−、−C(O)−O
−、−C(R16)=N−、−C(O)−、スルホニル
基、複素環基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙
げられる。ここでR15及びR16は、水素原子、アルキル
基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、
アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有
していてもよい。
【0055】上記複素環基としては、ピロール環、ピラ
ゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾ
ール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサ
ジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チア
ジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、イ
ンダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾ
ール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、
ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリ
ジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ト
リアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複
素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらに
は置換基が結合していても良い。
【0056】上記化15で表される化合物の中でも好ま
しい化合物が存在する。即ち、R11及びR12は水素原子
でR13は水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル
基(メチル基、エチル基等)で、k2は2〜10の化合
物が好ましい。以下に化15で表される化合物の具体例
を示すが、これらの例に限定されるものではない。
【0057】
【化16】
【0058】
【化17】
【0059】
【化18】
【0060】上記のようなエチレン性不飽和化合物が、
感光性平版印刷版の感光層中に占める割合に関しては好
ましい範囲が存在し、感光層トータル100重量部中に
おいてエチレン性不飽和化合物は1重量部から60重量
部の範囲で含まれることが好ましく、さらに5重量部か
ら50重量部の範囲で含まれることが特に好ましい。
【0061】本発明に係わる有機ホウ素塩とともに使用
する好ましい光重合開始剤としてトリハロアルキル置換
化合物が挙げられる。ここで言うトリハロアルキル置換
化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロ
モメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくと
も一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、
該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合
物としてs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール
誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロアルキル基がス
ルホニル基を介して芳香族環或いは含窒素複素環に結合
したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
【0062】トリハロアルキル置換した含窒素複素環化
合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好まし
い例を化19および化20に示す。
【0063】
【化19】
【0064】
【化20】
【0065】トリハロアルキル置換化合物を用いる場合
に於いて、その感光性平版印刷版の感光層中に於ける好
ましい範囲が存在し、感光層トータル100重量部中に
於ける割合として0.1重量部から50重量部の範囲で
含まれることが好ましい。さらに、これらは前述した有
機ホウ素塩とともに感光層中に含まれている場合におい
て特に感度が向上するため好ましく、この場合有機ホウ
素塩に対する割合としては、有機ホウ素塩1重量部に対
してトリハロアルキル置換化合物は0.1重量部から5
0重量部の範囲で含まれていることが好ましい。
【0066】本発明に係わる増感色素については、38
0nm〜1300nmの波長域において光重合開始剤の
分解を増感するものであり、種々のカチオン性色素、ア
ニオン性色素および電荷を有しない中性の色素としてメ
ロシアニン、クマリン、キサンテン、チオキサンテン、
アゾ色素等が使用できる。これらの内で特に好ましい例
は、カチオン色素としてのシアニン、カルボシアニン、
へミシアニン、メチン、ポリメチン、トリアリールメタ
ン、インドリン、アジン、チアジン、キサンテン、オキ
サジン、アクリジン、ローダミン、およびアザメチン色
素から選ばれる色素である。これらのカチオン性色素と
の組み合わせに於いては特に高感度でかつ保存性に優れ
るために好ましく使用される。さらには近年380〜4
10nmの範囲に発振波長を有するバイオレット半導体
レーザーを搭載した出力機(プレートセッター)が開発
されている。この出力機に対応する高感度である感光系
としては増感色素としてピリリウム系化合物やチオピリ
リウム系化合物を含む系が好ましい。本発明に関わる好
ましい増感色素の例を下例に示す。
【0067】
【化21】
【0068】
【化22】
【0069】
【化23】
【0070】
【化24】
【0071】
【化25】
【0072】
【化26】
【0073】又、750nm以上の近赤外から赤外光の
波長領域の光に感光性を持たせる系に於いては、増感色
素として赤外光に波長領域に吸収を有することが必要で
あり、こうした目的で使用される特に好ましい例を化2
7および化28に示す。
【0074】
【化27】
【0075】
【化28】
【0076】上記のような増感色素と光重合開始剤との
量的な比率に於いて好ましい範囲が存在する。増感色素
1重量部に対して光重合開始剤は0.01重量部から1
00重量部の範囲で用いることが好ましく、更に好まし
くは光重合開始剤は0.1重量部から50重量部の範囲
で使用することが好ましい。
【0077】感光性平版印刷版を構成する他の要素とし
て重合禁止剤の添加も好ましく行うことが出来る。例え
ば、キノン系、フェノール系等の化合物が好ましく使用
され、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、カテ
コール、t−ブチルカテコール、2−ナフトール、2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の化合物が好ま
しく用いられる。これらの重合禁止剤と先に述べたエチ
レン性不飽和化合物との好ましい割合は、エチレン性不
飽和化合物1重量部に対して0.001から0.1重量
部の範囲で使用することが好ましい。
【0078】感光性平版印刷版を構成する他の要素とし
て着色剤の添加も好ましく行うことが出来る。着色剤と
しては露光および現像処理後に於いて画像部の視認性を
高める目的で使用されるものであり、カーボンブラッ
ク、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色
素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素
および顔料を使用することが出来、バインダー1重量郡
に対して0.005重量部から0.5重量部の範囲で好
ましく添加することが出来る。
【0079】感光性平版印刷版を構成する要素について
は上述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して
含有することも出来る。例えばブロッキングを防止する
目的もしくは現像後の画像のシャープネス性を向上させ
る等の目的で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加
することも好ましく行われる。
【0080】平版印刷版の感光層自体の厚みに関して
は、支持体上に0.5ミクロンから10ミクロンの範囲
の乾燥厚みで形成することが好ましく、さらに1ミクロ
ンから5ミクロンの範囲であることが耐刷性を大幅に向
上させるために極めて好ましい。感光層は上述の3つの
要素を混合した溶液を作成し、公知の種々の塗布方式を
用いて支持体上に塗布、乾燥される。支持体について
は、例えばフィルムやポリエチレン被覆紙を使用しても
良いが、より好ましい支持体は、研磨され、陽極酸化皮
膜を有するアルミニウム板である。
【0081】本発明に係わるレーザー走査露光に使用す
る特に好ましいレーザー光源は、近赤外領域に発振波長
を有するレーザーであり、各種半導体レーザー、YAG
レーザーやガラスレーザー等の固体レーザーが最も好ま
しい。
【0082】本発明の現像液に用いられるアルカリ水溶
液としては、珪酸アルカリや塩基からなる現像液が挙げ
られpH12.5〜13.5の範囲であることが好まし
い。本発明に用いられる珪酸アルカリは、好ましくは水
に溶解したときにアルカリ性を示すものであり、例えば
珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム等のアル
カリ金属ケイ酸塩や、珪酸アンモニウム等があり、これ
らは単独又は2種類以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0083】本発明の好ましい実施態様として珪酸アル
カリがアルカリ金属のケイ酸塩又は珪酸アンモニウムで
ありそのSiO2/M20モル比(Mはアルカリ金属原子
又はアンモニウム基を表す。)が0.5〜0.3が好ま
しく、特に0.5〜2.0が好ましい。
【0084】本発明に用いられる現像液にはその他の種
々界面活性剤と併用することができ、アニオン系、カチ
オン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられる。
これらの併用する界面活性剤は、現像液中に0.001
〜10重量%、より好ましくは0.01〜5重量%の範
囲で添加される。
【0085】本発明に用いられる現像液には、種々現像
安定化剤が用いる事がでいる。それらの好ましい例とし
て、特開平6−282079号公報記載の糖アルコール
のポリエチレングリコール付加物、テトラブチルホスホ
ニウムブロマイドなどのホスホニウム塩及びジフェニル
ヨードニウムクロライドなどのヨードニウム塩が好まし
い例として挙げられる。更には、特開昭50−5132
4号公報記載のアニオン界面活性剤又は両性界面活性
剤、また特開昭55−95946号公報記載の水溶性カ
チオン性ポリマー、特開昭56−142528号公報に
記載されている水溶性の両性高分子電解質がある。更
に、特開昭59−84241号公報のアルキレングリコ
ールが付加された有機ホウ素化合物、特開昭61−21
5554号公報記載の重量平均分子量300以上のポリ
エチレングリコール、特開昭63−175858号公報
のカチオン性基を有する含フッ素界面活性剤、特開平2
−39157号公報の酸又はアルコールニ4モル以上の
エチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオ
キシド付加物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙
げられる。
【0086】本発明に用いられる現像液は使用時よりも
水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水
で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。こ
の場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさない程度
が適当であり、含有物にもよるが、通常、濃縮液:水=
1:0〜1:10程度に濃縮する事ができる。又、容器
としてはアルカリ性であることから、炭酸ガスを透過し
ない、しかも安全上輸送中に破損することのない材料を
用いることが好ましく、通常ハードボトル、キュービテ
ナー等の樹脂製容器が好ましく用いられる。
【0087】本発明の処理方法においては、露光後通常
自動現像機で処理を行う。自動現像機は、一般に現像部
と後処理部とからなり、印刷版を搬送する装置と、各処
理液槽及びスプレー槽から成り、露光済みの印刷版を水
平に搬送しながら、ポンプで組み上げた各処理液をスプ
レーノズルから吹き付けて現像及び後処理するものであ
る。又、最近は現像液が満たされた現像槽中に液中ガイ
ドロールなどによって印刷版を浸漬搬送させて現像処理
する方法が開発されており、この様な現像方法も本発明
に好適に適用できる。この様な自動現像液においては、
現像処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら
処理することができる。
【0088】この様な組成の現像液で現像処理された印
刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラ
ビアガムやデンプン誘導体等を主成分とするフィニッシ
ャーや保護ガム液で後処理を施される。本発明の印刷版
の後処理はこれらの処理を種々組み合わせて用いること
ができ、例えば、現像→水洗→界面活性剤を含有するリ
ンス液処理や現像→水洗→フィニッシャー液による処理
がリンス液やフィニッシャー液の疲労が少なく好まし
い。更にリンス液やフィニッシャー液を用いた向流多段
処理も好ましい態様である。これらの後処理は、一般に
現像部と後処理部とからなる自動現像機を用いて行われ
る。後処理液は、スプレーノズルから吹き付ける方法、
処理液が満たされた処理槽中を搬送する方法が用いられ
る。又、現像後一定量の少量の水性水を版面に供給して
水洗し、その廃液を現像液原液の希釈水として再利用す
る方法も知られている。この様な自動処理においては、
各処理液に処理量や稼働時間に応じてそれぞれの補充液
を補充しながら処理することが出来る。また、実質的に
未使用の後処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式
も適用できる。この様な処理によって得られた平版印刷
版は、オフセット印刷機に掛けられ、印刷に用いられ
る。
【0089】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0090】実施例1 高分子結着剤として使用するアルカリ化溶性ポリマーの
合成例として特開2000−290271号公報に記載
した方法に従い、クロロメチルスチレンとビスムチオー
ルを等モル反応させて得たモノマーとメタクリル酸をト
リエチルアミンで中和してエタノール中で重合を行い、
重合終了後クロロメチルスチレンを付加することにより
合成した化29の仕込み量(x、y)を変化させ合成例
1〜5を合成した。仕込み量x、yについては、表1に
記載した。
【0091】
【化29】
【0092】
【表1】
【0093】表1の高分子結着剤合成例1〜5を使用し
下記の処方による感光性組成液をワイアバーを使用し
て、厚みが0.24mmである砂目立て処理および陽極
酸化処理を施したアルミ板上に乾燥膜厚が3ミクロンに
なるよう塗設し、感光性組成物が塗布された試料を作成
した。 高分子結着剤(合成例1〜5)10%ジオキサン溶液 100重量部 光重合開始剤として 化3中(BC−5) 2重量部 化20中(BS−1) 1重量部 エチレン性不飽和化合物 化16中(C−1) 5重量部 増感色素として 化27中(S−33) 0.3重量部 重合禁止剤として 2,6−ジ−t−ブチルクレゾール 0.1重量部 溶媒として 1,3−ジオキソラン 20重量部 シクロヘキサノン 20重量部
【0094】作成した平版印刷版試料の加熱保存安定性
を調べるために、80℃に調節した乾燥機内に0〜6時
間の間で加熱時間を変えて保存した試料を用い、現像性
評価として露光を行わずに下記の現像液1を使用して3
5℃の液温において1秒間隔で現像液に浸漬を行い、感
光層被膜が溶出できる最小の時間を求めることで現像性
の評価を行った。この時間が短くかつ80℃加熱に於い
ても変化が少ないものが良好である。結果を表2にまと
めた。
【0095】 <現像液1> 35%アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム (ヘ゜レックスNBL(花王(株)製界面活性剤) 60g KOH 15g 20%珪酸カリ水溶液(SiO2を20%含む) 10g ベンジルアルコール 10g 水で 1L
【0096】
【表2】
【0097】作成したサンプル1〜5を感光性印刷版と
し保存安定性を調べるために、作成直後の試料と併せ
て、温度40℃、相対湿度80%に調節した加湿器内に
1ヶ月保存を行った試料も作成した(サンプル6〜1
0)。各々の試料を830nm半導体レーザーを搭載し
た外面ドラム方式プレートセッターとして、大日本スク
リーン製造株式会社製PT−R4000を使用して、ド
ラム回転速度1200rpmでレーザー照射エネルギー
を高感度感材用に100mJ/cm2で露光を行った。露
光後に自動現像機として大日本スクリーン製造株式会社
製PS版用自動現像機PD−912を使用し、上記現像
液1及び下記現像液2を使用して30℃の液温で15秒
間現像を行ない平版印刷版上に下記ガム液を塗布し印刷
用サンプルを作成した。
【0098】 <現像液2> KOH 15g 20%珪酸カリ水溶液(SiO2を20%含む) 10g ベンジルアルコール 10g 水で 1L
【0099】<ガム液> リン酸1カリ 5gアラヒ゛アカ゛ム 30g デヒドロ酢酸Na 0.5g EDTA2Na 1g 水で 1L
【0100】作成したサンプルの印刷試験を行った。印
刷試験として、インキ乗り試験としては、オフセット印
刷機はRyobi3200(リョ−ビ(株)社製オフセッ
ト印刷機の商標)を使用し、インキはGEOS−G藍H
(大日本インキ化学工業(株)社製)、湿し水はアスト
ロマークIII(株式会社日研化学研究所社製湿し水)の
1%水溶液を使用しインキの乗った枚数で評価。汚れ性
としては、印刷機はハイデルベルグTOK(Heidelberg
社製オフセット印刷機の商標)、インキはFINE I
NKニュウーチャンピオン紫S(大日本インキ化学工業
(株)社製)、湿し水はEu−3(富士写真フィルム
(株)社製のPS版用湿し水)の0.5%水溶液を使用
し、1万枚印刷したサンプルの地汚れを評価。耐刷性と
しては、印刷機はハイデルベルグTOK(Heidelberg社
製オフセット印刷機の商標)を使用し、インキはBES
T ONE墨H(T&KTOKA(株)社製)、湿し水
はアストロマークIII(株式会社日研化学研究所社製湿
し水)の1%水溶液を使用し、画像部が欠落し印刷がで
きなくなった枚数で評価。汚れ性、耐刷性については、
下記評価基準にて評価し、表3にまとめた。
【0101】インキ乗り 均一にインキの乗った枚数で評価。 汚れ性 ○:極めて良好 ○△:良好 △:若干汚れ △×:汚れ ×:全面汚れ 耐刷性 ○:20万枚以上 ○△:10万枚〜20万枚未満 △:5万枚〜10万枚未満 ×:5万枚未満
【0102】
【表3】
【0103】
【発明の効果】上記実施例より明らかなように、本発明
の平版印刷版製版物は、高感度で経時保存性の安定し
た、印刷性能の良好なことが解る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA01 AA11 AA12 AB03 AC08 AD01 BC32 BC42 BC51 BC81 BC85 CA28 CA50 CC20 FA10 FA17 2H096 AA07 BA06 BA20 EA04 GA08 GA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ホウ素塩、および側鎖に重合性二重
    結合を有しかつカルボキシル基を有する高分子結着剤の
    酸価が50mgKOH/g以上である高分子結着剤を含
    有する感光層を有する平版印刷版をスルホン化した芳香
    族炭化水素化合物を含有する現像液で処理する事を特徴
    とする感光性平版印刷版の製版方法。
  2. 【請求項2】 前記高分子結着剤の酸価が250mgK
    OH/g以上500mgKOH/g以下である請求項1
    記載の感光性平版印刷版の製版方法。
  3. 【請求項3】 前記高分子結着剤が、側鎖にビニル基を
    置換したフェニル基を有する重合体である請求項1又は
    2記載の感光性平版印刷版の製版方法。
  4. 【請求項4】 前記感光層が、更にエチレン性不飽和化
    合物を含有する請求項1、2又は3記載の感光性平版印
    刷版の製版方法。
  5. 【請求項5】 前記平版印刷版が赤外線レーザー用ネガ
    型平版印刷版である請求項1、2、3又は4記載の感光
    性平版印刷版の製版方法。
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JP2007025238A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Fujifilm Holdings Corp 重合性組成物及びそれを用いたネガ型平版印刷版原版

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