JP2003295437A - ネガ型レジスト組成物 - Google Patents

ネガ型レジスト組成物

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JP2003295437A
JP2003295437A JP2002095475A JP2002095475A JP2003295437A JP 2003295437 A JP2003295437 A JP 2003295437A JP 2002095475 A JP2002095475 A JP 2002095475A JP 2002095475 A JP2002095475 A JP 2002095475A JP 2003295437 A JP2003295437 A JP 2003295437A
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JP2002095475A
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Yutaka Adegawa
豊 阿出川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性放射線(電子線、X線又はEUV)によ
るパターン形成において、高感度、高解像力で、現像欠
陥が低減されたネガ型レジスト組成物を提供する。 【解決手段】 (A)アルカリ可溶性樹脂、(B)活性
放射線の照射により酸を発生する化合物、及び、(C)
架橋剤を含有するネガ型レジスト組成物において、該ア
ルカリ可溶性樹脂がグラフトポリマーであることを特徴
とするレジスト組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、活性放射線(電子
線、X線又はEUV(Extreme Ultraviolet))の照射に
よるパターン形成のためのネガ型レジスト組成物に関す
る。 【0002】 【従来の技術】集積回路はその集積度を益々高めてお
り、超LSIなどの半導体基板の製造に於いてはハーフ
ミンクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が
必要とされるようになってきた。その必要性を満たすた
めにフォトリソグラフィーに用いられる照射装置の使用
波長は益々短波化し、今では、遠紫外光やエキシマレー
ザー光(XeCl、KrF、ArFなど)が検討される
までなってきている。更に、電子線またはX線により更
に微細なパターン形成が検討されるに至っている。 【0003】特に電子線あるいはX線は次世代もしくは
次々世代のパターン形成技術として位置付けられてい
る。電子線リソグラフィーは、加速された電子線がレジ
スト材料を構成する原子と衝突散乱を起こす過程でエネ
ルギーを放出し、レジスト材料を感光させるものであ
る。高加速化した電子線を用いることで直進性が増大
し、電子散乱の影響が少なくなり高解像で矩形な形状の
パターン形成が可能となるが、一方では電子線の透過性
が高くなり、感度が低下してしまう。この様に、電子線
リソグラフィーにおいては、感度と解像性・レジスト形
状がトレードオフの関係にあり、これを如何に両立し得
るかが課題であった。 【0004】従来より化学増幅型ネガレジストについて
は種々のアルカリ可溶性樹脂が提案されてきた。特開平
8−152717号には部分アルキルエーテル化された
ポリビニルフェノールが、特開平6−67431号、特
開平10−10733号にはビニルフェノールとスチレ
ンの共重合体が、特許第2505033号にはノボラッ
ク樹脂が、特開平7−311463号、特開平8−29
2559号には単分散ポリビニルフェノールがそれぞれ
開示されているが、これらのアルカリ可溶性樹脂では電
子線あるいはX線照射下での感度と解像性を高いレベル
で両立し得るものではなかった。 【0005】電子線レジストでは、まずバインダーが電
子線を受け,ここから発生する二次電子を酸発生剤が受
け取って分解し、酸が発生すると報告されている。バイ
ンダーに二次電子を発生しやすい構造、形態をとりいれ
ることにより酸発生効率が高く、電子線レジストに有利
と考えられる。また、EUVやX線レジストも同じく二
次電子により酸発生剤が分解して酸が発生すると報告さ
れており、バインダーに二次電子を発生しやすい構造、
形態をとりいれることは同様に有効に作用するものと考
えられる。 【0006】J.Vac.Sci.Technol.,B(1998)16(6),37
01には、画像形成用アクリルポリマーの幹に,帯電防止
用の導電ポリマーの枝をグラフトしたグラフトポリマー
を用いたネガ型レジスト材料によって電子線リソグラフ
ィー時のパターンずれを防止する技術が記載されてい
る。しかしながら,高感度と高解像力を両立するには不
十分であった。また,US5055379号にはゼラチンを枝部
としてグラフトした染料含有微粒子を含むネガ型ホトレ
ジストが開示されているが,電子線あるいはX線露光に
おいて高感度と高解像力を両立するものではない。ま
た,Polymer(1990),31(8)には,光架橋性シリコン含
有グラフトポリマーを用いて架橋効率を向上した2層レ
ジストシステムが記載されているが,電子線あるいはX
線露光において高感度と高解像力を両立するのにはまだ
不十分であった。特開平2−103215号には,アルキル
基,ハロゲン置換されたアルキル基,アルキルエーテル
基、あるいは、フェニルアルキル基を有するアクリルア
ミドポリマーあるいは、アクリルエステルポリマーを枝
部に有するグラフトポリマーを有する活性エネルギー線
硬化型樹脂組成物により支持体密着性が向上する技術が
開示されているが、電子線あるいはX線露光において高
感度と高解像力を両立するには不十分であった。さら
に、Indian J.Technol.,(1976)14(9)、444には、4−
及び4'−グリシドキシカルコンに枝部として無水マレイ
ン酸/スチレン交互共重合体をグラフトしたグラフトポ
リマーを有するUV架橋のネガ型ホトレジストが開示さ
れているが、電子線あるいはX線露光において高感度と
高解像力を両立するのにはまだ不十分であった。また、
これらの組成物やプロセスによって現像欠陥を改良する
ことも十分ではなかった。 【0007】また、従来の電子線及びX線用レジスト組
成物は、高感度、高解像力とともに、現像欠陥を低減す
ることは困難であった。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、活性
放射線(電子線、X線又はEUV)の照射によるパター
ン形成において、高感度、高解像力で、現像欠陥が低減
されたネガ型レジスト組成物を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
下記のネガ型レジスト組成物により上記目的が達成され
る。 【0010】(1)(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)
活性放射線の照射により酸を発生する化合物、及び、
(C)架橋剤を含有するネガ型レジスト組成物におい
て、該アルカリ可溶性樹脂がグラフトポリマーであるこ
とを特徴とするネガ型レジスト組成物。 【0011】以下に、更に、本発明の好ましい態様を挙
げる。 (2)該アルカリ可溶性樹脂が、アルカリ可溶性基を含
有する繰り返し単位をグラフトポリマーの幹部に有し、
枝部が導電性ポリマーではないことを特徴とする(1)
に記載のネガ型レジスト組成物。 (3)該アルカリ可溶性樹脂が、アルカリ可溶性基を含
有する繰り返し単位をグラフトポリマーの枝部に有する
ことを特徴とする(1)に記載のネガ型レジスト組成
物。 (4)グラフトポリマーである該アルカリ可溶性樹脂
が、下記一般式(1)で表わされる構造単位を含むこと
を特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のネ
ガ型レジスト組成物。 【0012】 【化1】 【0013】式中、 R1は水素原子、ハロゲン原子、シ
アノ基、置換基を有していても良い、アルキル基又はハ
ロアルキル基を表す。R2は水素原子、置換基を有して
いても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラルキル基、あるいはアシル基を表す。R3、R4
は同じでも異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基、又は置換基を有していても良い、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、もしくはアリール基を表す。Aは単結合、置換基を
有しても良い、アルキレン基、アルケニレン基、シクロ
アルキレン基、もしくはアリーレン基、又は−O−、−
SO2−、−O−CO−R5−、−CO−O−R6−、−
CO−N(R7)−R8−を表す。R5、R6、R8は同じ
でも異なっていても良く、単結合、置換基を有しても良
い、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン
基、もしくはアリーレン基の単独、又はこれらの基とエ
ーテル構造、エステル構造、アミド構造、ウレタン構造
もしくはウレイド構造の群より選択される少なくとも1
種が一緒になって形成した2価の基を表す。R7は同じ
でも異なっていても良く、水素原子、置換基を有してい
ても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル
基、又はアリール基を表す。nは1〜3の整数を表す。
また複数のR2、又はR2とR3もしくはR4が結合して環
を形成しても良い。 【0014】(5) グラフトポリマーである該アルカ
リ可溶性樹脂が、下記条件(a)および(b)を満たす
ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載
のネガ型レジスト組成物。 (a)炭素数6以上20以下の芳香環及び該芳香環に直
接あるいは連結基を介して結合したエチレン性不飽和基
を有するモノマーから誘導される繰り返し単位を少なく
とも一種有すること。 (b)該芳香環のπ電子と芳香環上の置換基の非共有電
子対の電子数の間に次の関係が成り立つこと。 【0015】 【数1】 【0016】(ここで、Nπは、π電子総数を表し、N
loneは該置換基としての炭素数1以上12以下の直鎖
状、分岐状、あるいは環状のアルコキシ基、アルケニル
オキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ま
たは水酸基の非共有電子対の総電子数を表す。2つ以上
のアルコキシ基または水酸基は隣り合う二つが互いに結
合して5員環以上の環構造を形成してもよい。) (6) グラフトポリマーである該アルカリ可溶性樹脂
が、以下の一般式(3)〜(7)で表される繰り返し単
位の少なくとも一つを構成成分として有することを特徴
とする上記(5)に記載のネガ型レジスト組成物。 【0017】 【化2】【0018】 【化3】【0019】一般式(3)〜(7)において、 R
101は、水素原子あるいはメチル基を表す。Lは二価の
連結基を表す。Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、
Rj、Rk、Rlはそれぞれ独立に、炭素数1から12の直鎖
状、分岐状、あるいは、環状のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アラルキル基、あるいは水素原子を表
す。また、これらは互いに連結して炭素数24以下の5
員以上の環を形成しても良い。l,m,n,p,q,r,s,t,u,v,w,
xは0〜3までの整数を表し、l+m+n=2,3、 p+q+r=0,1,
2,3、 s+t+u=0,1,2,3、 v+w+x=0,1,2,3を満たす。 (7) グラフトポリマーである該アルカリ可溶性樹脂
が、下記の群から選ばれることを特徴とする上記(1)
〜(3)のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。 (c)部分アルキルエーテル化したポリヒドロキシスチ
レンを、幹部及び/または枝部に有するグラフトポリマ
ー。 (d)ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体を、幹部
及び/または枝部に有するグラフポリマー。 (e)ポリヒドロキシスチレンを幹部、アルキルエーテ
ル化スチレン及び/又はスチレンを枝部に有するグラフ
トポリマー。 (f)ポリヒドロキシスチレンを枝部、アルキルエーテ
ル化スチレン及び/又はスチレンを幹部に有するグラフ
トポリマー。 【0020】(8)グラフトマーの重量平均分子量が2
000〜500000、より好ましくは3000〜30
0000であることを特徴とする上記(1)〜(7)の
いずれかに記載のネガ型レジスト組成物。 (9)(B)成分の化合物が、スルホニウム、又はヨー
ドニウムのスルホン酸塩化合物から選択されることを特
徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のネガ型
レジスト組成物。 (10)(B)成分の化合物が、N−ヒドロキシイミド
のスルホン酸エステル化合物であることを特徴とする上
記(1)〜(9)のいずれかに記載のネガ型レジスト組
成物。 (11)(C)成分が、分子内にベンゼン環原子団を3
〜5個含み、分子量は1200以下であり、ヒドロキシ
メチル基及び/又はアルコキシメチル基をそのベンゼン
環原子団に2個以上有するフェノール誘導体であること
を特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の
ネガ型レジスト組成物。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明のネガ型レジスト組
成物について説明する。 【0022】〔1〕(B)活性放射線の照射により酸を
発生する化合物(以下、酸発生剤ともいう) 本発明において用いられる酸発生剤は、活性放射線(電
子線、X線又はEUV)の照射により酸を発生する化合
物であればいずれの化合物でも用いることができる。そ
のような酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始
剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光
変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている
公知の電子線、X線又はEUVの照射により酸を発生す
る化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用する
ことができる。 【0023】例えば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム
塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム
塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合
物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル
型保護基を有する酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に
代表されるスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化
合物を挙げることができる。また、これらの酸を発生す
る基、あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導
入した化合物、たとえば、特開昭63−26653号、
特開昭55−164824号、特開昭62−69263
号、特開昭63−146038号、特開昭63−163
452号、特開昭62−153853号、特開昭63−
146029号等に記載の化合物を用いることができ
る。さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許
第126,712号等に記載の酸を発生する化合物も使
用することができる。 【0024】本発明においては、有機酸を発生するオニ
ウム塩化合物が好ましく、特に好ましくは下記一般式
(I)〜一般式(III)で示されるオニウム塩化合物で
ある。 【0025】 【化4】 【0026】〔一般式(I)〜(III)において、R1〜R
37は、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、ヒドロ
キシル基、ハロゲン原子、又は−S−R38で示せる基を
表す。−S−R38中のR38は、アルキル基又はアリール
基を表す。R1〜R38は、同一であってもよく、異なっ
ていてもよい。R1〜R15の場合、その中から選択され
る二つ以上は互いに直接末端で結合しあい、あるいは酸
素、イオウ及び窒素から選ばれる元素を介して結合しあ
って環構造を形成していてもよい。R16〜R27の場合
も、同じように環構造を形成していてもよい。R28〜R
37の場合も、同じように環構造を形成していてもよい。
-はスルホン酸のアニオンである。〕 【0027】一般式(I)〜一般式(III)中のR1〜R
37は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキ
シル基、ハロゲン原子、または、−S−R38で示すこと
ができる基である。 【0028】R1〜R37が表すアルキル基は、直鎖状で
もよく、分岐状でもよく、環状でもよい。直鎖状又は分
岐状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t
−ブチル基など、例えば炭素数1〜4個のアルキル基を
挙げることができる。環状アルキル基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基など炭素数3〜8個のアルキル基を挙げることができ
る。R1〜R37が表すアルコキシ基は、直鎖状でもよ
く、分岐状でもよく、環状アルコキシ基でもよい。直鎖
状又は分岐状アルコキシ基としては、例えば炭素数1〜
8個のもの例えばメトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシ
エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブト
キシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、オクチ
ルオキシ基などを挙げることができる。環状アルコキシ
基としては、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロ
ヘキシルオキシ基が挙げられる。 【0029】R1〜R37が表すハロゲン原子としては、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げるこ
とができる。R1〜R37が表す−S−R38中のR38は、
アルキル基、又はアリール基である。R38が表すアルキ
ル基の範囲としては、例えばR1〜R37が表すアルキル
基として既に列挙したアルキル基中のいずれをも挙げる
ことができる。R38が表すアリール基は、フェニル基、
トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基など、炭素
数6〜14個のアリール基を挙げることができる。R1
〜R38が表すアルキル基以下、アリール基までは、いず
れも基の一部に更に置換基を結合して炭素数を増やして
いてもよく、置換基を有していなくてもよい。更に結合
していてもよい置換基としては、好ましくは、炭素数1
〜4個のアルコキシ基、炭素数6〜10個のアリール
基、炭素数2〜6個のアルケニル基を挙げることがで
き、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキ
シカルボニル基、ニトロ基等も挙げることができる。そ
の他、ハロゲン原子でもよい。たとえば、フッ素原子、
塩素原子、沃素原子を挙げることができる。 【0030】一般式(I)中のR1〜R15で示す基は、
そのうちの2つ以上が結合し、環を形成していてもよ
い。環は、R1〜R15で示す基の末端が直接結合して形
成してもよい。炭素、酸素、イオウ、及び窒素から選択
される1種又は2種以上の元素を介して間接的に結びあ
い、環を形成していてもよい。R1〜R15のうちの2つ
以上が結合して形成する環構造としては、フラン環、ジ
ヒドロフラン環、ピラン環、トリヒドロピラン環、チオ
フェン環、ピロール環などに見られる環構造と同一の構
造を挙げることができる。一般式(II)中のR 16〜R27
についても同様のことを言うことができる。2つ以上が
直接又は間接に結合し、環を形成していてもよい。一般
式(III)中のR28〜R37についても同様である。 【0031】一般式(I)〜(III)はX-を有する。一
般式(I)〜(III)が有するX-は、スルホン酸のアニ
オンである。アニオンを形成している酸は、アルキルス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン
酸、又はアントラセンスルホン酸の中から選択される酸
であることが好ましい。酸には1以上のフッ素原子が置
換しているとより好ましい。又はその酸は、そのフッ素
原子とともにあるいはフッ素原子に代え、アルキル基、
アルコキシル基、アシル基、アシロキシル基、スルホニ
ル基、スルホニルオキシ基、スルホニルアミノ基、アリ
ール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、から
なる群から選択された少なくとも1種の有機基を有し、
しかも、その有機基は少なくとも1個のフッ素原子を更
に置換していることが好ましい。また、上記のアルキル
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン
酸、又はアントラセンスルホン酸は、フッ素以外のハロ
ゲン原子、水酸基、ニトロ基等で置換されていてもよ
い。 【0032】X-のアニオンを形成するベンゼンスルホ
ン酸などに結合するアルキル基は、例えば炭素数1〜1
2のアルキル基である。アルキル基は、直鎖状でもよ
く、分岐状でもよく、環状でもよい。少なくとも1個の
フッ素原子、好ましくは25個以下のフッ素原子が置換
している。具体的にはトリフロロメチル基、ペンタフロ
ロエチル基、2,2,2−トリフロロエチル基、ヘプタ
フロロプロピル基、ヘプタフロロイソプロピル基、パー
フロロブチル基、パーフロロオクチル基、パーフロロド
デシル基、パーフロロシクロヘキシル基等を挙げること
ができる。なかでも、全てフッ素で置換された炭素数1
〜4のパーフロロアルキル基が好ましい。アルキル基と
ともにあるいは単独で上記のベンゼンスルホン酸などに
結合するアルコキシ基は、炭素数が1〜12のアルコキ
シ基である。アルコキシ基は、直鎖状でもよく、分岐状
でもよく、環状でもよい。少なくとも1個のフッ素原
子、好ましくは25個以下のフッ素原子が置換してい
る。具体的にはトリフロロメトキシ基、ペンタフロロエ
トキシ基、ヘプタフロロイソプロピルオキシ基、パーフ
ロロブトキシ基、パーフロロオクチルオキシ基、パーフ
ロロドデシルオキシ基、パーフロロシクロヘキシルオキ
シ基等を挙げることができる。なかでも、全てフッ素で
置換された炭素数1〜4のパーフロロアルコキシ基が好
ましい。アルキル基とともにあるいは単独で上記のベン
ゼンスルホン酸などに結合するアシル基は、炭素数2〜
12、1〜23個のフッ素原子で置換されているものが
好ましい。具体的にはトリフロロアセチル基、フロロア
セチル基、ペンタフロロプロピオニル基、ペンタフロロ
ベンゾイル基等を挙げることができる。 【0033】アルキル基とともにあるいは単独で上記の
ベンゼンスルホン酸などに結合するアシロキシ基は、炭
素数が2〜12、1〜23個のフッ素原子で置換されて
いるものが好ましい。具体的にはトリフロロアセトキシ
基、フロロアセトキシ基、ペンタフロロプロピオニルオ
キシ基、ペンタフロロベンゾイルオキシ基等を挙げるこ
とができる。アルキル基とともにあるいは単独で上記の
ベンゼンスルホン酸などに結合するスルホニル基として
は、炭素数が1〜12、1〜25個のフッ素原子で置換
されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメタ
ンスルホニル基、ペンタフロロエタンスルホニル基、パ
ーフロロブタンスルホニル基、パーフロロオクタンスル
ホニル基、ペンタフロロベンゼンスルホニル基、4−ト
リフロロメチルベンゼンスルホニル基等を挙げることが
できる。アルキル基とともにあるいは単独で上記のベン
ゼンスルホン酸などに結合する上記スルホニルオキシ基
としては、炭素数が1〜12、1〜25個のフッ素原子
で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロ
ロメタンスルホニルオキシ、パーフロロブタンスルホニ
ルオキシ基、4−トリフロロメチルベンゼンスルホニル
オキシ基等を挙げることができる。アルキル基とともに
あるいは単独で上記のベンゼンスルホン酸などに結合す
る上記スルホニルアミノ基としては、炭素数が1〜12
であって、1〜25個のフッ素原子で置換されているも
のが好ましい。具体的にはトリフロロメタンスルホニル
アミノ基、パーフロロブタンスルホニルアミノ基、パー
フロロオクタンスルホニルアミノ基、ペンタフロロベン
ゼンスルホニルアミノ基等を挙げることができる。 【0034】アルキル基とともにあるいは単独で上記の
ベンゼンスルホン酸などに結合する上記アリール基とし
ては、炭素数が6〜14、1〜9個のフッ素原子で置換
されているものが好ましい。具体的にはペンタフロロフ
ェニル基、4−トリフロロメチルフェニル基、ヘプタフ
ロロナフチル基、ノナフロロアントラニル基、4−フロ
ロフェニル基、2,4−ジフロロフェニル基等を挙げる
ことができる。アルキル基とともにあるいは単独で上記
のベンゼンスルホン酸などに結合する上記アラルキル基
としては、炭素数が7〜10、1〜15個のフッ素原子
で置換されているものが好ましい。具体的にはペンタフ
ロロフェニルメチル基、ペンタフロロフェニルエチル
基、パーフロロベンジル基、パーフロロフェネチル基等
を挙げることができる。アルキル基とともにあるいは単
独で上記のベンゼンスルホン酸などに結合する上記アル
コキシカルボニル基としては、炭素数が2〜13、1〜
25個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。
具体的にはトリフロロメトキシカルボニル基、ペンタフ
ロロエトキシカルボニル基、ペンタフロロフェノキシカ
ルボニル基、パーフロロブトキシカルボニル基、パーフ
ロロオクチルオキシカルボニル基等を挙げることができ
る。 【0035】このようなアニオンの中で、最も好ましい
-はフッ素置換ベンゼンスルホン酸アニオンであり、
中でもペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、
3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン
酸アニオンが特に好ましい。また、上記含フッ素置換基
を有するアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸、又はアントラセンスルホン酸は、
さらに直鎖状、分岐状あるいは環状アルコキシ基、アシ
ル基、アシロキシ基、スルホニル基、スルホニルオキシ
基、スルホニルアミノ基、アリール基、アラルキル基、
アルコキシカルボニル基(これらの炭素数範囲は前記の
ものと同様)、ハロゲン(フッ素を除く)、水酸基、ニ
トロ基等で置換されてもよい。 【0036】以下に、これらの一般式(I)〜(III)で
表される化合物及びその他の具体例を示すが、これに限
定されるものではない。また、以下の具体例の各化合物
のカチオン部と別の化合物のアニオン部と組み合わせた
化合物も、酸発生剤の具体例として例示できる。一般式
(I)で表される化合物の具体例を以下に示す。 【0037】 【化5】【0038】 【化6】【0039】 【化7】【0040】一般式(II)で表される化合物の具体例を
以下に示す。 【0041】 【化8】【0042】 【化9】 【0043】一般式(III)で表される化合物の具体例
を以下に示す。 【0044】 【化10】【0045】 【化11】【0046】 【化12】【0047】式(I)〜(III)で表される化合物以外
の化合物の具体例を以下に示す。 【0048】 【化13】 【0049】 【化14】【0050】 【化15】 【0051】 【化16】 【0052】 【化17】【0053】 【化18】【0054】一般式(I)、一般式(II)の化合物は、
次のような方法で合成できる。例えば、アリールマグネ
シウムブロミドなどのアリールグリニャール試薬とフェ
ニルスルホキシドとを反応させ、得られたトリアリール
スルホニウムハライドを対応するスルホン酸と塩交換す
る。別の方法もある。例えば、フェニルスルホキシドと
対応する芳香族化合物をメタンスルホン酸/五酸化二リ
ンあるいは塩化アルミなどの酸触媒を用いて縮合、塩交
換する方法がある。また、ジアリールヨードニウム塩と
ジアリールスルフィドを酢酸銅などの触媒を用いて縮
合、塩交換する方法などによって合成できる。上記のい
ずれの方法でも、フェニルスルホキシドは、置換基をベ
ンゼン環に置換させていてもよく、そのような置換基が
なくてもよい。一般式(III)の化合物は過ヨウ素酸塩
を用いて芳香族化合物を反応させることにより合成可能
である。 【0055】また、本発明で使用される酸発生剤として
は、N−ヒドロキシイミドのスルホン酸エステル化合物
が好ましい。N−ヒドロキシイミドのスルホン酸エステ
ル化合物としては、例えば下記一般式(PAG6)で表
されるイミノスルホネート誘導体が挙げられる。 【0056】 【化19】 【0057】R60は、置換基を有していてもよいアルキ
ル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示
す。A60は、置換基を有していてもよい、アルキレン
基、環状アルキレン基、アルケニレン基、環状アルケニ
レン基、又はアリーレン基を示す。上記一般式(PAG
6)中、R60は、置換基を有していてもよいアルキル基
(好ましくは炭素数1〜18、具体例としては、例え
ば、メチル基、エチル基、CF3、C49等が挙げられ
る)、又は、置換基を有していてもよいアリール基(好
ましくは炭素数6〜14、具体例としては、例えば、フ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる)を示す。 【0058】A60は、置換基を有していてもよい、アル
キレン基(好ましくは炭素数2〜10)、環状アルキレ
ン基(好ましくは炭素数6〜14)、アルケニレン基
(好ましくは炭素数2〜10)、環状アルケニレン基
(好ましくは炭素数6〜14)、又はアリーレン基(好
ましくは炭素数6〜14、例えばベンゼン環、ナフタレ
ン環を含む2価の基)を示す。ここで、環状アルキレン
基としては、シクロヘキサン残基、ノルボルナン残基等
が挙げられる。環状アルケニレン基としては、シクロヘ
キセン残基、ノルボルネン残基等が挙げられる。また、
上記の基中で、環状構造を有するものは、環を構成する
炭素原子の代わりに酸素原子等を含んでいてもよい。 【0059】これら基が有していてもよい置換基とし
て、好ましくは、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数
1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、
塩素原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール
基、炭素数2〜6個のアルケニル基、シアノ基、ヒドロ
キシ基、カルボキシ基、炭素数2〜5個のアルコキシカ
ルボニル基、ニトロ基、樟脳残基等が挙げられる。 【0060】以下、一般式(PAG6)で示される化合
物の具体例を示す。本発明の内容がこれらに限定される
ものではない。 【0061】 【化20】 【0062】 【化21】【0063】 【化22】 【0064】 【化23】【0065】 【化24】 【0066】これらの化合物は、例えばG.F. Jaubert
著、Ber., 28, 360(1895)、D.E. Amesら著、J. Chem. S
oc., 3518(1955)又はM.A. Stolbergら著、J. Amer. Chc
m. Soc., 79, 2615(1957)等に記載の方法により製造さ
れる。環状N−ヒドロキシイミド化合物と、R60−SO
2Cl(式中、R60は前記と同じ意味を有する。)で示
されるスルホン酸クロリドとを、塩基性条件下に、例え
ば、L. Baucrら著、J. Org. Chem., 24, 1293(1959)等
に記載の方法に従い製造することができる。 【0067】本発明で使用する酸発生剤の含有量は、全
ネガ型レジスト組成物の固形分に対し、0.1〜20重
量%が適当であり、好ましくは0.5〜15重量%、更
に好ましくは1〜12重量%である。 【0068】(他の酸発生剤)本発明においては、上記
一般式(I)〜一般式(III)で表わされる化合物ま
たは(PAG6)で表される化合物と共に、活性放射線
の照射により分解して酸を発生する他の化合物を併用し
てもよい。一般式(I)〜一般式(III)または(P
AG6)で表わされる化合物とともに、他の化合物を用
いる場合には、一般式(I)〜一般式(III)または
(PAG6)で表わされる化合物と、活性放射線の照射
により分解して酸を発生する他の化合物との比率は、モ
ル比で100/0〜20/80、好ましくは90/10
〜40/60、更に好ましくは80/20〜50/50
である。 【0069】〔2〕アルカリ可溶性樹脂 本発明においてアルカリ可溶性樹脂として、水には不溶
であり、アルカリ水溶液には可溶なグラフトマー(アル
カリ可溶性グラフトマー)が使用される。アルカリ可溶
性樹脂のアルカリ溶解速度は、0.261Nテトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定
(23℃)して20Å/秒以上のものが好ましい。特に
好ましくは200Å/秒以上のものである(Åはオング
ストローム)。 【0070】本発明で使用されるアルカリ可溶性グラフ
トマーは、幹ポリマーと枝ポリマーからなる。アルカリ
可溶性基は、幹ポリマーと枝ポリマーとのいずれが有し
ていてもよい。 【0071】アルカリ可溶性基としては、ポリヒドロキ
シスチレンあるいはヒドロキシスチレンの共重合体など
フエノール部位を有するもの、ポリピニル安息香酸ある
いはビニル安息香酸の共重合体など、カルポン酸を有す
るもの、ポリスチレンスルホン酸あるいはスチレンスル
ホン酸共重合体などスルホン酸を有するものなどが挙げ
られるが、フエノール部位を有するものが好ましい。 【0072】枝ポリマーを形成する繰り返し単位として
は、アルカリ可溶性基含有繰り返し単位や、スチレン、
ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどの(共重合
による)炭化水素繰り返し単位、モノ、ジ、トリーアル
コキシスチレンなどのスチレン誘導体から誘導される繰
り返し単位などが挙られる。 【0073】幹ポリマーを形成する繰り返し単位として
は、アルカリ可溶性基含有繰り返し単位や、スチレン、
ピニルナフタレン、ビニルアントラセンなどの(共重合
による)炭化水素繰り返し単位、モノ、ジ、トリ−アル
コキシスチレンなどのスチレン誘導体から誘導される繰
り返し単位などが挙られる。また、(メタ)アクリルエ
ステル、(メタ)アクリルアミドなどから誘導される繰
り返し単位が挙げられる。 【0074】枝ポリマーを構成する繰り返し単位と幹ポ
リマーを構成する繰り返し単位とのモル比は、通常1:
99〜99:1、好ましくは5:95〜95:5であ
る。幹ポリマーにおける枝ポリマー成長の反応点の間隔
は、平均で幹ポリマーの繰り返し単位として、1〜20
個、好ましくは1〜5個である。アルカリ可溶性基は、
全繰り返し単位中40〜99モル%、好ましくは45〜
95モル%含有する。好ましくは、幹ポリマーに40〜
90モル%、枝ポリマーに60〜100モル%である。
アルカリ可溶性グラフトマーの重量平均分子量は、好ま
しくは2,000〜500,000、更に好ましくは
3,000〜300,000である。アルカリ可溶性グ
ラフトマーの使用量は、レジスト組成物の全重量(溶媒
を除く)を基準として、通常30〜90重量%、好まし
くは50〜80重量%である。 【0075】アルカリ可溶性グラフトマーはの合成方法
としては、幹ポリマー上に重合開始点を発生させ、枝モ
ノマーを重合する方法、幹ポリマーと枝ポリマーを結合
する方法、幹モノマーと枝モノマー(マクロモノマー)
を共重合させる方法がある。これら3つのうちいずれを
使用しても、本発明のアルカリ可溶性樹胎を合成するこ
とができるが、製造適性などの点から好ましくは、マク
ロモノマーを使用する方法が挙げられる。グラフトポリ
マー合成方法については、「グラフと重合とその応用」
井手文雄著、1977、高分子刊行会、あるいは、「新高分
子実験学2、高分子の合成・反応」高分子学会編、1995
年、共立出版株式会社に記載されている。また、マクロ
モノマーを利用する方法は「マクロモノマーの化学と工
業」山下雄他著、1989、アイシーピーにも記載されてい
る。 【0076】(2−1)本発明におけるアルカリ可溶性
グラフトマーは、下記一般式(1)で表される構造単位
を幹部及び/又は枝部に含有する樹脂であることが好ま
しい。 【0077】 【化25】 【0078】式中、 R1は水素原子、ハロゲン原子、シ
アノ基、置換基を有していても良い、アルキル基又はハ
ロアルキル基を表す。R2は水素原子、置換基を有して
いても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラルキル基、あるいはアシル基を表す。R3、R4
は同じでも異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基、又は置換基を有していても良い、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、もしくはアリール基を表す。Aは単結合、置換基を
有しても良い、アルキレン基、アルケニレン基、シクロ
アルキレン基、もしくはアリーレン基、又は−O−、−
SO2−、−O−CO−R5−、−CO−O−R6−、−
CO−N(R7)−R8−を表す。R5、R6、R8は同じ
でも異なっていても良く、単結合、置換基を有しても良
い、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン
基、もしくはアリーレン基の単独、又はこれらの基とエ
ーテル構造、エステル構造、アミド構造、ウレタン構造
もしくはウレイド構造の群より選択される少なくとも1
種が一緒になって形成した2価の基を表す。R7は同じ
でも異なっていても良く、水素原子、置換基を有してい
ても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル
基、又はアリール基を表す。nは1〜3の整数を表す。
また複数のR2、又はR2とR3もしくはR4が結合して環
を形成しても良い。 【0079】(2−2)また、アルカリ可溶性グラフト
マーが、幹部及び/又は枝部に、下記条件(a)および
(b)を満たす繰り返し単位、更に、下記の一般式
(3)〜 (7)で表される繰り返し単位を有する樹脂であること
も好ましい。 (a)炭素数6以上20以下の芳香環及び該芳香環に直
接あるいは連結基を介して結合したエチレン性不飽和基
を有するモノマーから誘導される繰り返し単位を少なく
とも一種有すること。 (b)該芳香環のπ電子と芳香環上の置換基の非共有電
子対の電子数の間に次の関係が成り立つこと。 【0080】 【数2】 【0081】(ここで、Nπは、π電子総数を表し、N
loneは該置換基としての炭素数1以上12以下の直鎖
状、分岐状、あるいは環状のアルコキシ基、アルケニル
オキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ま
たは水酸基の非共有電子対の総電子数を表す。2つ以上
のアルコキシ基または水酸基は隣り合う二つが互いに結
合して5員環以上の環構造を形成してもよい。) 【0082】 【化26】 【0083】 【化27】【0084】一般式(3)〜(7)において、 R
101は、水素原子あるいはメチル基を表す。Lは二価の
連結基を表す。Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、
Rj、Rk、Rlはそれぞれ独立に、炭素数1から12の直鎖
状、分岐状、あるいは、環状のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アラルキル基、あるいは水素原子を表
す。また、これらは互いに連結して炭素数24以下の5
員以上の環を形成しても良い。l,m,n,p,q,r,s,t,u,v,w,
xは0〜3までの整数を表し、l+m+n=2,3、 p+q+r=0,1,
2,3、 s+t+u=0,1,2,3、 v+w+x=0,1,2,3を満たす。 【0085】一般式(1)で表わされる構造単位以外
に、他の繰返し構造単位を含んでいてもよい。 【0086】また、式(1)において、R1〜R4、R7
のアルキル基としては、例えば炭素数1〜8個のアルキ
ル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2-エ
チルヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることがで
きる。 R2〜R4、R7のシクロアルキル基は単環型でも
良く、多環型でも良い。単環型としては炭素数3〜8個
の例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基を好ましく挙げることができる。多環型と
しては例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソ
ボロニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリ
シクロデカニル基等を好ましく挙げることができる。R
3、R4のアルケニル基としては、例えば炭素数2〜8個
のアルケニル基であって、具体的には、ビニル基、アリ
ル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基を好ましく挙げ
ることができる。 【0087】R2〜R4、R7のアリール基としては、例
えば炭素数6〜15個のアリール基であって、具体的に
は、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,
4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリ
ル基等を好ましく挙げることができる。R2〜R4、R7
のアラルキル基としては、例えば炭素数7〜12個のア
ラルキル基であって、具体的には、ベンジル基、フェネ
チル基、ナフチルメチル基等を好ましく挙げることがで
きる。 【0088】R1のハロアルキル基としては、例えば炭
素数1〜4個のハロアルキル基であって、具体的にはク
ロロメチル基、クロロエチル基、クロロプロピル基、ク
ロロブチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基等を好
ましく挙げることができる。 【0089】R2のアシル基としては、例えば炭素数1
〜8個のアシル基であって、具体的には、ホルミル基、
アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイ
ル基、ベンゾイル基等を好ましく挙げることができる。 【0090】A、R5、R6、R8のアルキレン基として
は、好ましくは置換基を有していても良い、メチレン
基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレ
ン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げら
れる。A、R5、R6、R8のアルケニレン基としては、
好ましくは置換基を有していても良い、エテニレン基、
プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数2〜6個のも
のが挙げられる。 【0091】A、R5、R6、R8のシクロアルキレン基
としては、好ましくは置換基を有していても良い、シク
ロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数5〜8
個のものが挙げられる。A、R5、R6、R8のアリーレ
ン基としては、好ましくはフェニレン基、トリレン基、
ナフチレン基等の炭素数6〜12個のものが挙げられ
る。 【0092】これらの基に置換される置換基としては、
アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロ
キシル基、カルボキシル基等の活性水素を有するもの
や、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
沃素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基等)、チオエーテル基、アシ
ル基(アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基
等)、アシロキシ基(アセトキシ基、プロパノイルオキ
シ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル
基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プ
ロポキシカルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙
げられる。特にアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシ
ル基等の活性水素を有するものが好ましい。 【0093】また、複数のR2、又はR2とR3もしくは
4が結合して形成した環としては、ベンゾフラン環、
ベンゾジオキソノール環、ベンゾピラン環等の酸素原子
を含有する4〜7員環が挙げられる。 【0094】本発明に用いられる一般式(1)で表わさ
れる構造単位を含有するアルカリ可溶性グラフトマー
は、下記モノマー(8)、必要により他の重合性モノマ
ーをラジカル重合、リビングアニオン重合することによ
り得ることができる。 【0095】 【化28】 【0096】一般式(8)に於けるR1、R2、R3
4、A及びnは、一般式(1)に於けるR1、R2
3、R4、A及びnと同義である。 【0097】アルカリ可溶性グラフトマーは、一般式
(1)で表される繰り返し構造単位のみからなる樹脂で
あっても良いが、更に本発明のレジストの性能を向上さ
せる目的で、他の重合性モノマーを共重合させても良
い。 【0098】使用することができる共重合モノマーとし
ては、以下に示すものが含まれる。例えば、上記以外の
アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル
酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビ
ニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロ
トン酸エステル類などから選ばれる付加重合性不飽和結
合を1個有する化合物である。 【0099】具体的には、例えばアクリル酸エステル
類、例えばアルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜1
0のものが好ましい)アクリレート(例えば、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シ
クロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸
オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルア
クリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート2,2
−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒド
ロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパン
モノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレ
ート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレー
ト、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリル
アクリレート、など)アリールアクリレート(例えばフ
ェニルアクリレートなど); 【0100】メタクリル酸エステル類、例えば、アルキ
ル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好まし
い)メタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソ
プロピルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、
アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シク
ロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、
クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロ
キシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメ
タクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタ
クリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、フルフリルメタクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど)、
アリールメタクリレート(例えば、フェニルメタクリレ
ート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレー
トなど); 【0101】アクリルアミド類、例えば、アクリルアミ
ド、N−アルキルアクリルアミド、(アルキル基として
は、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒ
ドロキシエチル基、ベンジル基などがある。)、N−ア
リールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフ
ェニル基、トリル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、
シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシ
フェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルアクリ
ルアミド(アルキル基としては、炭素原子数1〜10の
もの、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブ
チル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などがあ
る。)、N,N−ジアリールアクリルアミド(アリール
基としては、例えばフェニル基などがある。)、N−メ
チル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエ
チル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミ
ドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど; 【0102】メタクリルアミド類、例えば、メタクリル
アミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基と
しては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル
基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒド
ロキシエチル基、シクロヘキシル基などがある。)、N
−アリールメタクリルアミド(アリール基としては、フ
ェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルメタクリ
ルアミド(アルキル基としては、エチル基、プロピル
基、ブチル基などがある。)、N,N−ジアリールメタ
クリルアミド(アリール基としては、フェニル基などが
ある。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリ
ルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミ
ド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなど;
アリル化合物、例えば、アリルエステル類(例えば、酢
酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウ
リン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリ
ル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルな
ど)、アリルオキシエタノールなど; 【0103】ビニルエーテル類、例えば、アルキルビニ
ルエーテル(例えば、ヘキシルビニルエーテル、オクチ
ルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキ
シルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、
エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエ
ーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニル
エーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキ
シエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニル
エーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエ
チルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチル
ビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒド
ロフルフリルビニルエーテルなど)、ビニルアリールエ
ーテル(例えばビニルフェニルエーテル、ビニルトリル
エーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−
2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエ
ーテル、ビニルアントラニルエーテルなど); 【0104】ビニルエステル類、例えば、ビニルブチレ
ート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテ
ート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビ
ニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジ
クロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニル
ブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニ
ルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−
フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシ
レート、安息香酸ビニル、サルチル酸ビニル、クロル安
息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ
酸ビニルなど; 【0105】スチレン類、例えば、スチレン、アルキル
スチレン(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレ
ン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルス
チレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキ
シルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレ
ン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフ
ルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセ
トキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例
えば、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルス
チレン、ジメトキシスチレンなど)、ハロゲンスチレン
(例えば、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリク
ロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルス
チレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードス
チレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2
−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フル
オル−3−トリフルオルメチルスチレンなど)、カルボ
キシスチレン; 【0106】クロトン酸エステル類、例えば、クロトン
酸アルキル(例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘ
キシル、グリセリンモノクロトネートなど);イタコン
酸ジアルキル類(例えば、イタコン酸ジメチル、イタコ
ン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど);マレイン酸
あるいはフマール酸のジアルキルエステル類(例えば、
ジメチルマレレート、ジブチルフマレートなど)、無水
マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、マレイロニトリル等がある。その他、一般
的には共重合可能である付加重合性不飽和化合物であれ
ばよい。 【0107】この中で、カルボキシスチレン、N−(カ
ルボキシフェニル)アクリルアミド、N−(カルボキシ
フェニル)メタクリルアミド等のようなカルボキシル基
を有するモノマー、マレイミド等、アルカリ溶解性を向
上させるモノマーが共重合成分として好ましい。本発明
における樹脂中の他の重合性モノマーの含有量として
は、全繰り返し単位に対して、50モル%以下が好まし
く、より好ましくは30モル%以下である。 【0108】以下に一般式(1)で表される繰り返し構
造単位を有する樹脂(幹部及び/又は枝部)の好ましい
具体例を示すが、本発明がこれに限定されるものではな
い。 【0109】 【化29】【0110】 【化30】【0111】 【化31】【0112】 【化32】【0113】 【化33】【0114】 【化34】【0115】 【化35】【0116】 【化36】【0117】 【化37】【0118】 【化38】【0119】上記具体例中のnは正の整数を表す。x、
y、zは樹脂組成のモル比を表し、2成分からなる樹脂
では、x=10〜95、y=5〜90、好ましくはx=
40〜90、y=10〜60の範囲で使用される。3成
分からなる樹脂では、 x=10〜90、y=5〜8
5、z=5〜85、好ましくはx=40〜80、y=1
0〜50、z=10〜50の範囲で使用される。 【0120】一般式(1)で表される繰り返し構造単位
を有するアルカリ可溶性グラフトマーの分子量は重量平
均で好ましくは3,000〜300,000であり、よ
り好ましくは3,000〜100,000の範囲で使用
される。分子量分布は1〜10であり、好ましくは1〜
3、更に好ましくは1〜1.5の範囲のものが使用され
る。分子量分布が小さいものほど、解像度、レジスト形
状、及びレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラ
フネス性に優れる。一般式(1)で表される繰り返し構
造単位の含有量は、全体の樹脂に対して、5〜100モ
ル%、好ましくは10〜90モル%である。 【0121】本発明に用いられる一般式(1)で表わさ
れる構造単位を含有するアルカリ可溶性グラフトマー
(幹部及び/又は枝部)は、Macromolecules (1995), 2
8(11),3787〜3789, Polym. Bull. (Berlin)(1990), 24
(4), 385〜389,特開平8−286375に記載されてい
る方法により合成することができる。即ち、ラジカル重
合もしくはリビングアニオン重合法により目的のアルカ
リ可溶性グラフトマーを得ることができる。これらの樹
脂は1種で使用しても良いし、複数を混合して用いても
良い。 【0122】ここで、重量平均分子量はゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもっ
て定義される。 【0123】(2−2)本発明におけるアルカリ可溶性
グラフトマーの他の好ましい態様の1つは、下記条件
(a)および(b)を満たす繰り返し単位を含有する。 (a)炭素数6以上20以下の芳香環及び該芳香環に直
接あるいは連結基を介して結合したエチレン性不飽和基
を有するモノマーから誘導される繰り返し単位を少なく
とも一種有すること。 (b)該芳香環のπ電子と芳香環上の置換基の非共有電
子対の電子数の間に前記式(1)の関係が成り立つこ
と。 【0124】ここで、Nπは、π電子総数を表し、N
loneは該置換基としての炭素数1以上12以下の直鎖
状、分岐状、あるいは環状のアルコキシ基、アルケニル
オキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ま
たは水酸基の非共有電子対の総電子数を表す。2つ以上
のアルコキシ基または水酸基は隣り合う二つが互いに結
合して5員環以上の環構造を形成してもよい。 【0125】特に、式(1)中のNπ+(1/2)N
loneは、10〜40の範囲であることが二次電子を発生
しやすい構造であるため好ましい。好ましい芳香環とし
ては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フ
ェナントレン環、ビフェニル等を挙げることができ、好
ましい芳香環上の置換基としては、水酸基、メトキシ
基、エトキシ基、イソプロピル基等を挙げることができ
る。また、π電子総数Nπが10以上となる芳香環(例
えばナフタレン環、アントラセン環またはフェナントレ
ン環、ビフェニルのような芳香環)であれば、この芳香
環上の置換基は非共有電子対を有さない基(Nlone=0
となる基)であっても良く、例えば、水素、飽和アルキ
ル基などを挙げることができる。 【0126】(2−2−1)より具体的には、アルカリ
可溶性グラフトマーは、前記一般式(3)〜(7)で表
される繰り返し単位を構成成分として有することが好ま
しい。 【0127】一般式(3)〜(7)において、 R
101は、水素原子あるいはメチル基を表す。Lは二価の
連結基を表す。Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、
Rj、Rk、Rlはそれぞれ独立に、炭素数1から12の直鎖
状、分岐状、あるいは、環状のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アラルキル基、あるいは水素原子を表
す。また、これらは互いに連結して炭素数24以下の5
員以上の環を形成しても良い。l,m,n,p,q,r,s,t,u,v,w,
xは0〜3までの整数を表し、l+m+n=2,3、 p+q+r=0,1,
2,3、 s+t+u=0,1,2,3、 v+w+x=0,1,2,3を満たす。 【0128】Ra、Rb、Rcの例としては、水素、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペ
ンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、アリル基、ベンジル基、フ
ェニル基、クミル基などが挙げられる。また、互いに連
結して、メチル置換ジオキソール環、エチル置換ジオキ
ソール環、フェニル置換ジオキソール環、ジメチル置換
ジオキソール環、ジオキサン環を形成するものも例とし
て挙げられる。 【0129】Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlの例
としては、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロ
ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、アリ
ル基、ベンジル基、フェニル基、クミル基などが挙げら
れる。Rd〜Rf、Rg〜Ri又はRj〜Rlは、ジオキソール環、
メチル置換ジオキソール環、エチル置換ジソキソール
環、フェニル置換ジオキソール環、ジメチル置換ジオキ
ソール環、ジオキサン環を形成するものも例として挙げ
られる。 【0130】Lの例としては、単結合、−CH2−、−
COO−、−COOCH2−、−OCH2CH2O−、−
OCH2−、−CONH−などが挙げられる。 【0131】Yの表す各芳香環における、主鎖に結合す
る結合手、あるいは置換基に結合する結合手の位置は芳
香環上のいずれでも良い。 【0132】これらは、下記(9)〜(13)のモノマ
ーの単独重合、或いは必要により前記と同様の他の共重
合モノマーとの共重合によって得ることができる。 【0133】 【化39】 【0134】 【化40】【0135】上記において、R1a、R101、Ra〜Rl、
l、m、n、p、q、r、s、t、u、v、w、xは、前記と同義で
ある。上記の内、分子内に水酸基を有するモノマーを使
用する場合は、あらかじめ水酸基を保護しておき重合後
に保護基を外す方法が好ましい。また、酸分解性の基で
保護する場合も、ポリマー合成終了後に保護基を導入す
る方法が一般的である。 【0136】これらの構造の好ましい具体例を以下に挙
げるがこれらに限定されるものではない。 【0137】 【化41】【0138】 【化42】 【0139】 【化43】 【0140】 【化44】 【0141】 【化45】 【0142】 【化46】 【0143】 【化47】【0144】 【化48】【0145】 【化49】【0146】 【化50】【0147】 【化51】【0148】 【化52】 【0149】 【化53】 【0150】 【化54】【0151】 【化55】 【0152】 【化56】【0153】 【化57】【0154】 【化58】 【0155】(2−2−2)更に、本発明に於けるアル
カリ可溶性グラフトマー(幹部及び/又は枝部)とし
て、部分アルキルエーテル化したポリヒドロキシスチレ
ン及びヒドロキシスチレン/スチレン共重合体も好まし
い。 【0156】部分アルキルエーテル化されたポリヒドロ
キシスチレンに於いて、アルキルエーテル化されたフェ
ノール単位(mol)/フェノール単位(mol)は、
1/99〜30/70の範囲が好ましい。 【0157】ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体に
於いて、ヒドロキシスチレン単位(mol)/スチレン
単位(mol)は、70/30〜95/5の範囲が好ま
しい。 【0158】以下に、本発明に於ける部分アルキルエー
テル化したポリヒドロキシスチレンの好ましい具体例を
挙げるが、本発明がこれに限定されるものではない。 【0159】 【化59】【0160】 【化60】 【0161】 【化61】【0162】 【化62】 【0163】 【化63】 【0164】 【化64】【0165】本発明における、上記(2−2−1)及び
(2−2−2)に記載のアルカリ可溶性グラフトマー
は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等の公
知の方法によって合成できる。対応するモノマーを組み
合わせてラジカル重合を行うのが最も簡便であるが、モ
ノマーによってはカチオン重合、アニオン重合を利用し
た場合に、より好適に合成できる。また、重合開始種に
よってモノマーが重合以外の反応を起こす場合には、適
当な保護基を導入したモノマーを重合し、重合後に脱保
護することによって望む重合体を得ることができる。ま
た、アルコキシを有する重合体については、対応する水
酸基を有する重合体の水酸基をエーテル化反応を行うこ
とによっても望む重合体を得ることができる。重合法に
ついては、実験化学講座28高分子合成、新実験化学講
座19高分子化学[I]等に記載されている。 【0166】上記アルカリ可溶性グラフトマーは、重量
平均分子量が好ましくは3、000〜300,000、
より好ましくは3,000〜100,000、更に好ま
しくは3,000〜50,000である。 【0167】上記アルカリ可溶性グラフトマーの分子量
分布(Mw/Mn)は、1.0〜1.5であることが好
ましく、これにより、特にレジストを高感度化すること
ができる。なお、このような分子量分布のグラフトマー
は、上記合成方法において、リビングアニオン重合を利
用することによって合成することができる。 【0168】本発明のレジスト組成物において、上記ア
ルカリ可溶性グラフトマーとともに、他のアルカリ可溶
性樹脂を併用することもできる。併用する場合のアルカ
リ可溶性樹脂としては、例えばノボラック樹脂、水素化
ノボラツク樹脂、アセトン−ピロガロール樹脂、o−ポ
リヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン、
水素化ポリヒドロキシスチレン、ハロゲンもしくはアル
キル置換ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレン
−N−置換マレイミド共重合体、o/p−ヒドロキシス
チレン共重合体、ポリヒドロキシスチレンの水酸基に対
する一部O−アルキル化物(例えば、5〜30モル%の
O−メチル化物、O−(1−メトキシ)エチル化物、O
−(1−エトキシ)エチル化物、O−2−テトラヒドロ
ピラニル化物、O−(t−ブトキシカルボニル)メチル
化物等)もしくはO−アシル化物(例えば、5〜30モ
ル%のo−アセチル化物、O−(t−ブトキシ)カルボ
ニル化物等)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ス
チレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチ
レン−ヒドロキシスチレン共重合体、カルボキシル基含
有メタクリル系樹脂及びその誘導体を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。 【0169】特に好ましい他のアルカリ可溶性樹脂は、
ノボラック樹脂及びo−ポリヒドロキシスチレン、p−
ポリヒドロキシスチレン及びこれらの共重合体、アルキ
ル置換ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレ
ンの一部O−アルキル化、もしくはO−アシル化物、ス
チレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチ
レン−ヒドロキシスチレン共重合体である。該ノボラッ
ク樹脂は、下記の所定のモノマーを主成分として、酸性
触媒の存在下、アルデヒド類と付加縮合させることによ
り得られる。 【0170】所定のモノマーとしては、フェノール、m
−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール等のク
レゾール類、2,5−キシレノール、3,5−キシレノ
ール、3,4−キシレノール、2,3−キシレノール等
のキシレノール類、m−エチルフェノール、p−エチル
フェノール、o−エチルフェノール、p−t−ブチルフ
ェノール、p−オクチルフエノール、2,3,5−トリ
メチルフェノール等のアルキルフェノール類、p−メト
キシフェノール、m−メトキシフェノール、3,5−ジ
メトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノ
ール、m−エトキシフェノール、p−エトキシフェノー
ル、m−プロポキシフェノール、p−プロポキシフェノ
ール、m−ブトキシフェノール、p−ブトキシフェノー
ル等のアルコキシフェノール類、2−メチル−4−イソ
プロピルフェノール等のビスアルキルフェノール類、m
−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クロ
ロフェノール、ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノー
ルA、フェニルフェノール、レゾルシノール、ナフトー
ル等のヒドロキシ芳香化合物を単独もしくは2種類以上
混合して使用することができるが、これらに限定される
ものではない。 【0171】アルデヒド類としては、例えばホルムアル
デヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセ
トアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−
フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズア
ルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒド
ロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒ
ド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズア
ルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベ
ンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−メ
チルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、
p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデ
ヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド、フルフラー
ル、クロロアセトアルデヒド及びこれらのアセタール
体、例えばクロロアセトアルデヒドジエチルアセタール
等を使用することができるが、これらの中で、ホルムア
ルデヒドを使用するのが好ましい。これらのアルデヒド
類は、単独でもしくは2種類以上組み合わせて用いられ
る。酸性触媒としては塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ
酸等を使用することができる。 【0172】ノボラック樹脂の重量平均分子量は、1,
000〜30,000の範囲であることが好ましい。
1,000未満では照射部の現像後の膜減りが大きく、
30,000を越えると現像速度が小さくなってしま
う。特に好適なのは2,000〜20,000の範囲で
ある。また、ノボラック樹脂以外の前記ポリヒドロキシ
スチレン、及びその誘導体、共重合体の重量平均分子量
は、2000以上、好ましくは2000〜30000、
より好ましくは2000〜20000である。ここで、
重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーのポリスチレン換算値をもって定義される。 【0173】アルカリ可溶性グラフトマーと併用するア
ルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、1,000〜3
0,000の範囲であることが好ましい。1,000未
満では照射部の現像後の膜減りが大きく、30,000
を越えると現像速度が小さくなってしまう。さらに好適
なのは2,000〜20,000の範囲である。感度が
特に優れている点で特に好ましいアルカリ可溶性樹脂の
重量平均分子量は、2,000〜9,000の範囲であ
り、より好ましくは2,500〜9,000の範囲であ
り、さらに好ましくは3,000〜9,000の範囲で
ある。また、アルカリ可溶性樹脂の分子量分布(Mw/
Mn)は、1.0〜1.5となる(単分散ポリマー)ほ
うが現像残さが少なくなり好ましい。感度が特に優れて
いる点で特に好ましいアルカリ可溶性樹脂の分子量分布
(Mw/Mn)は、1.0〜1.4であり、より好まし
くは1.0〜1.3であり、さらに好ましくは1.0〜
1.2である。ここで、重量平均分子量はゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をも
って定義される。併用するアルカリ可溶性樹脂の添加量
は、アルカリ可溶性グラフトマーの重量に対して、通常
0〜50重量%である。 【0174】〔3〕架橋剤 本発明のネガ型レジスト組成物では、アルカリ可溶性樹
脂、酸発生剤とともに、酸により架橋する化合物(以
下、適宜、酸架橋剤又は単に架橋剤と称する)を使用す
る。 (3)−1 架橋剤は、フェノール誘導体を使用するこ
とができる。好ましくは、分子量が1200以下、分子
内にベンゼン環を3〜5個含み、さらにヒドロキシメチ
ル基またはアルコキシメチル基を合わせて2個以上有
し、そのヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基を少
なくともいずれかのベンゼン環に集中させ、あるいは振
り分けて結合してなるフェノール誘導体を挙げることが
できる。このようなフェノール誘導体を用いることによ
り、本発明の効果をより顕著にすることができる。ベン
ゼン環に結合するアルコキシメチル基としては、炭素数
6個以下のものが好ましい。具体的にはメトキシメチル
基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−
プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、i−ブト
キシメチル基、sec−ブトキシメチル基、t−ブトキ
シメチル基が好ましい。さらに、2−メトキシエトキシ
基及び、2−メトキシ−1−プロピル基の様に、アルコ
キシ置換されたアルコキシ基も好ましい。これらのフェ
ノール誘導体の内、特に好ましいものを以下に挙げる。 【0175】 【化65】 【0176】 【化66】【0177】 【化67】 【0178】 【化68】【0179】 【化69】【0180】(式中、L1〜L8は、同じであっても異な
っていてもよく、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル
基又はエトキシメチル基を示す。) ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応
するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物
(上記式においてL1〜L8が水素原子である化合物)と
ホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによっ
て得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐた
めに、反応温度を60℃以下で行うことが好ましい。具
体的には、特開平6−282067号、特開平7−64
285号等に記載されている方法にて合成することがで
きる。アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体
は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘
導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって
得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐため
に、反応温度を100℃以下で行うことが好ましい。具
体的には、欧州特許EP632003A1等に記載され
ている方法にて合成することができる。このようにして
合成されたヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル
基を有するフェノール誘導体は、保存時の安定性の点で
好ましいが、アルコキシメチル基を有するフェノール誘
導体は保存時の安定性の観点から特に好ましい。ヒドロ
キシメチル基またはアルコキシメチル基を合わせて2個
以上有し、いずれかのベンゼン環に集中させ、あるいは
振り分けて結合してなるこのようなフェノール誘導体
は、単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせ
て使用してもよい。 【0181】(3)−2 上記フェノール誘導体以外に
も、下記の(i)、(ii)の化合物が架橋剤として使
用できる。 (i) N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチ
ル基、若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合
物 (ii) エポキシ化合物 【0182】これらの架橋剤については以下に詳細に説
明する。 (i) N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチ
ル基、若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合
物としては、欧州特許公開(以下、「EP−A」と記載
する)第0,133,216号、***特許第3,63
4,671号、同第3,711,264号に開示された
単量体及びオリゴマー−メラミン−ホルムアルデヒド縮
合物並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合物、EP−A第
0,212,482号に開示されたアルコキシ置換化合
物等に開示されたベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド
縮合物等が挙げられる。更に好ましい例としては、例え
ば、少なくとも2個の遊離N−ヒドロキシメチル基、N
−アルコキシメチル基、若しくはN−アシルオキシメチ
ル基を有するメラミン−ホルムアルデヒド誘導体が挙げ
られ、中でもN−アルコキシメチル誘導体が特に好まし
い。 【0183】(ii) エポキシ化合物としては、一つ
以上のエポキシ基を含む、モノマー、ダイマー、オリゴ
マー、ポリマー状のエポキシ化合物を挙げることができ
る。例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンと
の反応生成物、低分子量フェノール−ホルムアルデヒド
樹脂とエピクロルヒドリンとの反応生成物等が挙げられ
る。その他、米国特許第4,026,705号公報、英
国特許第1,539,192号公報に記載され、使用さ
れているエポキシ樹脂を挙げることができる。 【0184】本発明においては、上記のフェノール誘導
体が好ましい。上記のフェノール誘導体に加え、例えば
上述のような他の架橋剤(i)、(ii)を併用するこ
ともできる。上記のフェノール誘導体に加えて併用しう
る他の架橋剤の比率は、モル比で100/0〜20/8
0、好ましくは90/10〜40/60、更に好ましく
は80/20〜50/50である。 【0185】架橋剤は、全レジスト組成物固形分中、3
〜70重量%、好ましくは5〜50重量%の添加量で用
いられる。架橋剤の添加量が3重量%未満であると残膜
率が低下し、また、70重量%を越えると解像力が低下
し、更にレジスト液の保存時の安定性の点で余り好まし
くない。 【0186】〔4〕(E)有機塩基性化合物 本発明で用いることのできる好ましい有機塩基性化合物
とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中
でも含窒素塩基性化合物が好ましい。好ましい化学的環
境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることが
できる。 【0187】 【化70】 【0188】ここで、R250 、R251 及びR252 は、同
一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜6個のア
ルキル基、炭素数1〜6個のアミノアルキル基、炭素数
1〜6個のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20個
の置換もしくは非置換のアリール基を表し、ここで、R
251 とR252 は、互いに結合して環を形成してもよい。
253 、R254 、R255 及びR256 は、同一でも異なっ
てもよく、炭素数1〜6個のアルキル基を表す。 【0189】更に好ましい化合物は、一分子中に異なる
化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化
合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のア
ミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もし
くはアルキルアミノ基を有する化合物である。 【0190】好ましい具体例としては、置換もしくは未
置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジ
ン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置
換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未
置換のインダゾール、イミダゾール、置換もしくは未置
換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換
もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプ
リン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしく
は未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジ
ン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換も
しくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げら
れる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル
基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールア
ミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロ
キシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水
酸基、シアノ基である。 【0191】特に好ましい化合物として、グアニジン、
1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テト
ラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダ
ゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾ
ール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニル
イミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾー
ル、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−ア
ミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメ
チルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2
−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチル
ピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミ
ノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリ
ジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピ
リジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2
−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチ
ル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イ
ミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジ
ン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、
5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、
ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジ
ン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6
−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラ
ゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエ
チル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定され
るものではない。 【0192】これらの含窒素塩基性化合物は、単独であ
るいは2種以上一緒に用いられる。電子線またはX線に
より酸を発生する化合物と有機塩基性化合物の組成物中
の使用割合は、(電子線またはX線により酸を発生する
化合物)/(有機塩基性化合物)(モル比)=2.5〜
300であることが好ましい。該モル比が2.5未満で
は低感度となり、解像力が低下する場合があり、また、
300を越えると照射後加熱処理までの経時でレジスト
パターンの太りが大きくなり、解像力も低下する場合が
ある。(電子線またはX線により酸を発生する化合物)
/(有機塩基性化合物)(モル比)は、好ましくは5.
0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。こ
れら含窒素塩基性化合物の添加は、レジスト膜の引き置
き経時安定性(PCD安定性及びPED安定性)を改善
する効果がある。ここで、PCD(Post Coating Delay)
安定性とは、基板にレジスト組成物を塗布後、照射装置
内あるいは装置外に放置した場合の塗膜安定性であり、
また、PED(Post Exposure Delay)安定性とは、照射
後に加熱操作を行うまでの間、照射装置内あるいは装置
外に放置した場合の塗膜安定性である。 【0193】〔5〕界面活性剤類 本発明のネガ型レジスト組成物には、界面活性剤を加え
ることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノール
エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテ
ル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコ
ポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモ
ノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビ
タンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソル
ビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル
類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシ
エチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレ
ンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性
剤、エフトップEF301,EF303,EF352
(新秋田化成(株)製)、メガファックF171,F1
73 (大日本インキ(株)製)、フロラ−ドFC43
0,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガ
ードAG710,サーフロンS−382,SC101,
SC102,SC103,SC104,SC105,S
C106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、
オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業
(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系
(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄社
油脂化学工業(株)製)、トロイゾルS−366(トロ
イケミカル(株)製)等を挙げることができる。尚、フ
ッ素系及びシリコン系界面活性剤のうち少なくとも1種
の界面活性剤が配合されることが好ましい。また、フッ
素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤が配合され
ることも好ましい。これらの界面活性剤として、例えば
特開昭62-36663号、特開昭61-226746号、特開昭61-2267
45号、特開昭62-170950号、特開昭63-34540号、特開平7
-230165号、特開平8-62834号、特開平9-54432号、特開
平9-5988号、米国特許5405720号, 米国特許5360692号,
米国特許5529881号, 米国特許5296330号, 米国特許5436
098号, 米国特許5576143号, 米国特許5296143号, 米国
特許5294511号、 及び、米国特許5824451号記載の界面
活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそ
のまま用いることもできる。 市販の界面活性剤とし
て、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)
製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、
メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本イ
ンキ(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、10
3、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−
366(トロイケミカル社製)等のフッ素系界面活性剤
又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。また
ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)
製)もシリコン系界面活性剤として用いることができ
る。これらの界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中
の固形分100重量部当たり、通常、0.001〜2重
量部、好ましくは0.01〜1重量部である。これらの
界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつか
の組み合わせで添加することもできる。これらの界面活
性剤の添加により、レジスト膜の面内均一性が増し、解
像力が向上する効果がある。 【0194】〔6〕溶剤 本発明のネガ型レジスト組成物は、上記各成分を溶解す
る溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する
溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノ
ン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラ
クトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メ
チル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エト
キシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン
酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリド
ン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を
単独あるいは混合して使用する。特に好ましい溶媒は、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/
プロピレングリコールモノメチルエーテルの比率(重量
比)が100/0〜30/70、好ましくは100/0
〜50/50、更に好ましくは100/0〜80/20
の混合溶媒である。 【0195】〔7〕染料 本発明のネガ型レジスト組成物には必要に応じて、更に
染料などを含有させることができる。好適な染料として
は油性染料及び塩基性染料がある。具体的にはオイルイ
エロー#101、オイルイエロー#103、オイルピン
ク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBO
S,オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイ
ルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリ
エント化学工業株式会社製)、クリスタルバイオレット
(CI42555)、メチルバイオレット(CI425
35)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイ
トグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI
52015)等を挙げることができる。 【0196】精密集積回路素子の製造などにおいてレジ
スト膜上へのパターン形成工程は、基板(例:シリコン
/二酸化シリコン皮覆、ガラス基板、ITO基板等の透
明基板等)上に、本発明のネガ型レジスト組成物を塗布
し、次に電子線、X線又はEUV描画装置を用いて照射
を行い、加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好
なレジストパターンを形成することができる。本発明の
ネガ型レジスト組成物の現像液としては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリ
ウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機ア
ルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一
アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の
第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミ
ン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリ
エタノーアミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウム
ヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロ
ール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の
水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類
の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、
ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用するこ
ともできる。これらの現像液の中で好ましくは第四アン
モニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウ
ムヒドロオキシド、コリンである。 【0197】 【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明の内容がこれにより限定されるものでは
ない。 1.構成素材の合成例 【0198】(1)酸発生剤 (C1)ペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチル
アンモニウム塩の合成 ペンタフロロベンゼンスルホニルクロリド25gを氷冷
下メタノール100mlに溶解させ、これに25%テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液100gをゆ
っくり加えた。室温で3時間攪拌するとペンタフロロベ
ンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の溶液が
得られた。この溶液をスルホニウム塩、ヨードニウム塩
との塩交換に用いた。 【0199】(C2)トリフェニルスルホニウムペンタ
フロロベンゼンスルホネートの合成 ジフェニルスルホキシド50gをベンゼン800mlに
溶解させ、これに塩化アルミニウム200gを加え、2
4時間還流した。反応液を氷2Lにゆっくりと注ぎ、こ
れに濃塩酸400mlを加えて70℃で10分加熱し
た。この水溶液を酢酸エチル500mlで洗浄し、ろ過
した後にヨウ化アンモニウム200gを水400mlに
溶解したものを加えた。析出した粉体をろ取、水洗した
後酢酸エチルで洗浄、乾燥するとトリフェニルスルホニ
ウムヨージドが70g得られた。トリフェニルスルホニ
ウムヨージド30.5gをメタノール1000mlに溶
解させ、この溶液に酸化銀19.1gを加え、室温で4
時間攪拌した。溶液をろ過し、これに過剰量のペンタフ
ロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の
溶液を加えた。反応液を濃縮し、これをジクロロメタン
500mlに溶解し、この溶液を5%テトラメチルアン
モニウムヒドロキシド水溶液、および水で洗浄した。有
機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮するとトリフ
ェニルスルホニウムペンタフロロベンゼンスルホネート
(I−1)が得られた。 【0200】(C3)ジ(4−t−アミルフェニル)ヨ
ードニウムペンタフロロベンゼンスルホネートの合成 t−アミルベンゼン60g、ヨウ素酸カリウム39.5
g、無水酢酸81g、ジクロロメタン170mlを混合
し、これに氷冷下濃硫酸66.8gをゆっくり滴下し
た。氷冷下2時間攪拌した後、室温で10時間攪拌し
た。反応液に氷冷下、水500mlを加え、これをジク
ロロメタンで抽出、有機相を炭酸水素ナトリウム、水で
洗浄した後濃縮するとジ(4−t−アミルフェニル)ヨ
ードニウム硫酸塩が得られた。この硫酸塩を、過剰量の
ペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニ
ウム塩の溶液に加えた。この溶液に水500mlを加
え、これをジクロロメタンで抽出、有機相を5%テトラ
メチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、および水で洗
浄した後濃縮するとジ(4−t−アミルフェニル)ヨー
ドニウムペンタフロロベンゼンスルホネート(III−
1)が得られた。以下に示す酸発生剤PAG−1および
PAG−2についても上記と同様の方法を用いて合成で
きる。 【0201】(2)アルカリ可溶性グラフトマーの合成 (合成例1)p-t-ブトキシスチレンマクロモノマー(Mw
2600;末端メタクリレート:東亜合成製)を17.6g,p-
t-ブトキシスチレン4.4gを乾燥THFに溶解し,窒素
気流下70℃に加熱した。和光純薬製アゾ系ラジカル開
始剤V−601、前記モノマー総量の80mol%加えた。6時
間反応させた後、反応液をTHFで希釈し、メタノール
中に沈殿させ、精製してポリマーを取り出した。常法に
より酸で分解してGP1を得た。GPC測定により、重量
平均分子量(Mw)、分子量分散度(Mw/Mn)を求めた。 【0202】(合成例2)合成例1においてp-t−ブト
キシスチレンの代わりに、3,4−ジメトキシスチレンを
用いたこと以外は同様にして(GP2)を得た。 【0203】(合成例3)合成例1においてp-t−ブト
キシスチレンの代わりに、1−ビニルナフタレンを用い
たを用いたこと以外は同様にして(GP3)を得た。 【0204】(合成例4)合成例1においてp-t−ブト
キシスチレンの代わりに、m-t−ブトキシステレンを用
いたこと以外は同様にして(GP4)を得た。 【0205】(合成例5)合成例1においてp-t−ブト
キシスチレン4.4gの代わりに、p-ビニル安息香酸2gを
用いたこと以外は同様にして(GP5)を得た。 【0206】(合成例6)合成例1においてp-t−ブト
キシスチレンの代わりに、スチレンを用いたこと以外は
同様にして(GP6)を得た。 【0207】(合成例7)(GP1)12.5gをアセトン
50mlに溶解し,炭酸カリウム0・57g及びヨウ化エチル3
・2gを加えて6時間加熱還流した。反応液をろ過した
後、ろ液をpH3の酢酸水溶液1Lに滴下して沈殿させ、沈
殿物をろ過して集めた。真空乾燥した後、アセトン/へ
キサンを用いて分別沈殿して低分子量成分を除いて(G
P7)を得た。 【0208】(合成例8)p-t−ブトキシスチレンマク
ロモノマーの代わりに、スチレンマクロモノマーを用い
て合成例1と同様にして(GP8)を得た. 【0209】(合成例9)GP1をアセトン/ヘキサン
により分別沈殿し、濃厚相にさらにヘキサンを加え、得
られた希薄相を濃縮して分子量分布の狭いポリマー(G
P9)を得た。 (合成例10)ポリヒドロキシスチレン(VP-5000:日本
曹達製)10gをメタノールに溶解し、p-t−ブトキシスチ
レン10g、和光純薬製アゾ系ラジカル開始剤V−601を
前記モノマー総量の10mol%を加え、脱気を行して、電
子線を照射した、反応液をTHFで希釈し,メタノール中
に沈殿させ、精製してポリマーを取り出した。常法によ
り酸で分解して(GP10)を得た。 (合成例11)p-t−ブトキシスチレンをV−601及びメ
ルカブトエタールの存在下重合し、末端ヒドロシルポリ
マーを得た。末端水酸基をトシルクロリドでトシル化
し、ベース存在下でポリヒドロキシスチレン(VP-5000:
日本曹達製)と反応した。取り出したポリマーを酸で処
理して(GP11)を得た。 【0210】(合成例1〜11のアルカリ可溶性グラフ
トポリマー)合成例1〜11の本発明のアルカリ可溶性
グラフトポリマーを以下にに示す。 【0211】 【化71】【0212】 【化72】【0213】 【化73】 【0214】 【化74】【0215】(3) 架橋剤 架橋剤〔HM−1〕の合成 1−〔α−メチル−α-(4−ヒドロキシフェニル)エ
チル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチル〕ベンゼン20g(本州化学工業(株)製T
risp−PA)を10%水酸化カリウム水溶液に加
え、撹拌、溶解した。次にこの溶液を撹伴しながら、3
7%ホルマリン水溶液60mlを室温下で1時間かけて
徐々に加えた。さらに室温下で6時間撹伴した後、希硫
酸水溶液に投人した。析出物をろ過し、十分水洗した
後、メタノール30mlより再結晶することにより、下
記構造のヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体
〔HM−1]の白色粉末20gを得た。純度は92%で
あった(液体クロマトグラフィー法)。 【0216】 【化75】 【0217】架橋剤〔MM−1〕の合成 上記合成例で得られたヒドロキシメチル基を有するフェ
ノール誘導体〔HM−1〕20gを1リットルのメタノ
ールに加え、加熱撹拌し、溶解した。次に、この溶液に
濃硫酸1mlを加え、12時間加熱還流した。反応終了
後、反応液を冷却し、炭酸カリウム2gをを加えた。こ
の混合物を十分濃縮した後、酢酸エチル300mlを加
えた。この溶液を水洗した後、濃縮乾固させることによ
り、下記構造のメトキシメチル基を有するフェノール誘
導体〔MM−1〕の白色固体22gを得た。純度は90
%であった(液体クロマトグラフィー法)。 【0218】 【化76】【0219】さらに、同様にして以下に示すフェノール
誘導体を合成した。 【0220】 【化77】 【0221】 【化78】【0222】 【化79】【0223】2.実施例<電子線照射> (1)レジストの塗設 表1に示す組成のフォトレジスト組成物の溶液を調製
し、各々0.1μmのフィルターで濾過した。各レジス
ト溶液をスピンコーターを利用して、8インチシリコン
ウエハー上に塗布し、120℃、90秒間真空吸着型の
ホットプレートで乾燥して、膜厚0.3μmのレジスト
膜を得た。 (2)レジストパターンの作製 このレジスト膜に電子線描画装置(加速電圧50Ke
V)を用いて照射を行った。照射後にそれぞれ110℃
の真空吸着型ホットプレートで60秒間加熱を行い、
2.38重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキ
サイド(TMAH)水溶液で60秒間浸漬し、30秒間
水でリンスして乾燥した。得られたパターンの断面形状
を走査型電子顕微鏡により観察した。 (3)評価方法 〔感度及び解像力〕感度は、0.20μmライン(ライ
ン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射量を感
度とし、その照射量における限界解像力(ラインとスペ
ースが分離解像)を解像力とした。0.20μmライン
(ライン:スペース=1:1)が解像しないものついて
は限界の解像力を解像力とし、その時の照射量を感度と
した。 〔現像欠陥数〕上記のようにして得られたレジストパタ
ーンについて、ケーエルエー・テンコール株式会社製K
LA−2112機により現像欠陥数を測定し、得られた
1次データ値を現像欠陥数とした。現像欠陥が認められ
たものについて、現像欠陥数が1〜10個のものをA、
11〜499のものをB、500個以上をCとした。そ
の結果を表1〜2に示す。 【0224】 【表1】【0225】 【表2】 【0226】上記表1〜2に示した各成分の詳細を以下
に示す。 【0227】 【化80】【0228】P−101: ポリ(p−ヒドロキシスチ
レン)Mw 10,000 Mw/Mn=1.4 P−102: ノボラック樹脂 m−クレゾール/p−クレゾール=45/55(モル
比) Mw 6,500 【0229】 【化81】 【0230】 【化82】 【0231】 【化83】 【0232】(溶剤) PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート (有機塩基性化合物) B−1: 2,4,5−トリフェニルイミダゾール B−2: 1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−
5−エン B−3: 4−ジメチルアミノピリジン B−4: 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ
カ−7−エン B−5: N-シクロヘキシル−N'-モルホリノエチルチ
オウレア 【0233】(界面活性剤) W−1: トロイゾル S−366(トロイケミカル社
製) W−2: メガファック F−176(大日本インキ化
学工業社製) W−3: メガファック R08(大日本インキ化学工
業社製) W−4: ポリシロキサンポリマー KP−341(信
越化学工業社製) W−5: サーフロン S−382(旭硝子社製) 【0234】実施例1、8、9、18、19、20及び
22において、有機塩基性化合物をそれぞれ、B−2、
B−3、B−4、B−5に変更して実施したところ、同
等の性能が得られた。また、実施例1、8、9、18、
19、20及び22において界面活性剤を、それぞれW
−2、W−3、W−4、W−5に変更して実施したとこ
ろ、同等の性能が得られた。実施例1、8、9、18、
19、20及び22において、溶剤をプロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル=80/20(wt/wt)に変更して同
様に実施したところ、同様な効果が得られた。 【0235】表2の結果から、本発明のレジスト組成物
は、高感度、高解像力で、現像欠陥が軽減されているこ
とがわかる。 【0236】3.実施例<等倍X線照射> 上記実施例1及び比較例1の各レジスト組成物を夫々用
い、上記実施例1におけるのと同様の方法で膜厚0.4
0μmのレジスト膜を得た。次いで、等倍X線照射装置
(ギャップ値;20nm)を用いた以外は上記実施例1
と同様にして照射を行い、上記実施例1と同様の方法で
評価した。その結果、実施例1及び比較例1とほぼ同様
の結果が得られた。 【0237】 【発明の効果】本発明により、高感度、高解像力で、現
像欠陥が低減されたネガ型電子線、X線又はEUV用化
学増幅型レジスト組成物を提供することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)活性放
    射線の照射により酸を発生する化合物、及び、(C)架
    橋剤を含有するネガ型レジスト組成物において、該アル
    カリ可溶性樹脂がグラフトポリマーであることを特徴と
    するネガ型レジスト組成物。
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Cited By (3)

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