JP2003294911A - 反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置

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JP2003294911A
JP2003294911A JP2002262049A JP2002262049A JP2003294911A JP 2003294911 A JP2003294911 A JP 2003294911A JP 2002262049 A JP2002262049 A JP 2002262049A JP 2002262049 A JP2002262049 A JP 2002262049A JP 2003294911 A JP2003294911 A JP 2003294911A
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隆史 細川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量生産に適し、反射率が低く、耐擦傷性に
優れ、耐久性、耐候性に優れ、被接触媒体に対するシリ
コン成分の転写が起こらない反射防止膜及び反射が防止
されたフィルムまたは画像表示装置を提供する。 【解決手段】 側鎖に下記一般式1で表わされるポリシ
ロキサン繰り返し単位を含んでなる重合体グラフト部位
を有するポリマーまたはオリゴマーを含有する低屈折率
層を有してなる反射防止膜、前記反射防止膜を透明基材
上に配置してなる反射防止フィルム、及び前記反射防止
膜を配置してなる画像表示装置。 【化1】 一般式1中、R1、R2は同一であっても異なっていてもよ
く、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。p
は10〜500の整数を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射防止膜ならび
にそれを用いた反射防止フィルムおよび表示装置(特に
液晶表示装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】反射防止膜は一般に、外光の反射による
コントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光
学干渉の原理を用いて反射率を低減するように光学製品
などの表面に設置される。特に、良好な視認性を求めら
れる陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ
パネル(PDP)や液晶表示装置(LCD)のような画
像表示装置において、その表示面の最表面に配置され
る。
【0003】このような反射防止膜は、高屈折率層の上
に適切な膜厚の低屈折率層を形成することにより作製で
きる。低屈折率層素材としては反射防止性能の観点から
できる限り屈折率の低い素材が望まれ、同時にディスプ
レイの最表面に用いられるため高い耐擦傷性が要求され
る。また低い反射率性能を発現するために膜厚の均一性
も重要であり、塗布型材料においては、塗布性、レベリ
ング性も重要なファクターになる。
【0004】厚さ100nm前後の薄膜において高い耐擦傷
性を実現するためには、皮膜自体の強度、および下層へ
の密着性を高めることが重要である。材料の屈折率を下
げる手段としては、フッ素原子を導入する、密度を
下げる(空隙を導入する)という手段があるがいずれも
皮膜強度および密着性が損なわれ耐擦傷性が低下する方
向である。
【0005】低屈折率性を保ちながら耐擦傷性を大きく
向上させる手段として表面への滑り性付与が有効であ
る。滑り性付与に対してはフッ素の導入、シリコーンの
導入等の手法が有効であり、これらの手段は表面張力を
下げるために他の目的であるレベリング性付与等にも効
果が期待できる。低屈折率層に含フッ素ポリマーを用い
る場合にはそれ自体でも滑り性を有しているが、単独で
は溶解性と滑り性の両立が難しく、シリコーン化合物と
組み合わせることが従来より行われてきた。
【0006】低屈折率層素材に対して少量のシリコーン
化合物を添加することにより、滑り性発現効果および耐
擦傷性良効果は顕著に現れる。また、滑り性に加えて撥
水性、防汚性等の効果も発現する。しかし一方で、低屈
折率層素材との相溶性(皮膜の透明性)、経時あるいは
高温条件下でのブリードアウト、接触媒体へのシリコー
ン成分の転写、これらに伴う性能の劣化、製造ラインの
汚染等さまざまな問題があった。特に反射防止膜におい
ては、相溶性不足によるヘイズ発生は光学性能を悪化さ
せるため大きな問題である。また塗布後の膜を巻き取っ
た際に、膜の裏面にシリコーンが付着することがその後
の加工工程に支障をきたすため大きな問題になってい
る。すなわち、シリコーン部位のみ効果的に表面に偏在
させて、シリコーンに結合した残りの部位は低屈折率層
皮膜中に効果的にアンカリングさせる技術が求められて
いる。
【0007】この問題に対して特開平11−18962
1号(特許文献1)、同11−228631号(特許文
献2)、特開2000−313709号(特許文献3)
公報にはシリコーンマクロアゾ開始剤を用いてポリシロ
キサンブロック共重合成分を導入した含フッ素オレフィ
ン共重合体およびその反射防止膜用途への適用が記載さ
れている。該手法により皮膜の均一性、耐久性は大幅に
向上するが、ポリシロキサン含有含フッ素オレフィン共
重合体の製造において、ポリシロキサン含率を上げるた
めにシリコーンマクロアゾ開始剤の量を増やすと、残存
開始剤あるいは開始剤種同士のラジカルカップリングに
よって生成した成分の除去が著しく困難となり、結果ポ
リシロキサン成分の導入量を制御することは必ずしも容
易ではなかった。
【0008】シリコーン成分を含フッ素共重合体にグラ
フトさせる手法としては、特開昭56−28219号
(特許文献4)にはエポキシ基を含有する含フッ素オレ
フィン共重合体とアミノ基含有ポリシロキサンとの高分
子反応について記載されており、特開平2−25155
5号(特許文献5)、同2−308806号(特許文献
6)、同6−322053号(特許文献7)にシリコン
マクロマーと含フッ素オレフィンの共重合体に関して記
載されているが、反射防止膜用途への適用に関しては記
載がない。また、上記同様該手法でもシリコーン成分の
導入量を上げようとした際に、精製が困難となる。
【0009】
【特許文献1】特開平11−189621号公報
([0001]〜[0004])
【特許文献2】特開平11−228631号公報
([0005]〜[0007])
【特許文献3】特開2000−313709号公報
([0007]〜[0008])
【特許文献4】特開昭56−28219号公報 (第
6〜7頁)
【特許文献5】特開平2−251555号公報 (第
7〜8頁)
【特許文献6】特開平2−308806号公報 (第
8頁)
【特許文献7】特開平6−322053号公報
([0004])
【0010】以上のような背景から、低屈折率層皮膜の
均一性を損なうことなく、シリコーン成分の導入量を意
のままに制御する技術が求められていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、第1
に大量生産に適した塗布型の反射防止膜を提供すること
であり、第2に反射率が低く、耐擦傷性に優れた反射防
止膜を提供することであり、第3に耐久性、耐候性に優
れた反射防止膜を提供することであり、第4に被接触媒
体に対するシリコン成分の転写が起こらない反射防止膜
を提供することにあり、第5に反射が防止されたフィル
ムまたは画像表示装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、側鎖に
ポリシロキサン繰り返し単位を含んでなる重合体グラフ
ト部位を有するポリマーまたはオリゴマー(以下、単
に、グラフトポリマーということがある。)を含有する
低屈折率層を有することを特徴とする反射防止膜により
達成される。以下にその手段を(1)〜(7)として示
す。 (1)側鎖に下記一般式1で表わされるポリシロキサン
繰り返し単位を含んでなる重合体グラフト部位を有する
ポリマーまたはオリゴマーを含有する低屈折率層を有す
ることを特徴とする反射防止膜。
【0013】
【化2】
【0014】一般式1中、R1、R2は同一であっても異な
っていてもよく、水素原子、アルキル基またはアリール
基を表す。pは10〜500の整数を表す。 (2)前記グラフトポリマーが、下記一般式2で表され
るポリシロキサン含有ビニル単量体を単独重合または共
重合させることにより得られるグラフトポリマーである
ことを特徴とする(1)項記載の反射防止膜。
【0015】
【化3】
【0016】一般式2中、R1、R2およびpは一般式1と
同じ意味を表す。R3〜R5は同一であっても異なっていて
もよく、水素原子または1価の有機基を表し、R6は水素
原子またはメチル基を表す。Lは連結基を表し、nは0
または1を表す。 (3)前記一般式2で表されるポリシロキサン含有ビニ
ル単量体が下記一般式3で表されることを特徴とする
(2)項記載の反射防止膜。
【0017】
【化4】
【0018】一般式3中、R1〜R6、pは一般式2と同じ
意味を表す。L’は炭素数1〜25のアルキレン基、ま
たはアリーレン基を表す。 (4)前記グラフトポリマーが下記一般式4で表される
ことを特徴とする(1)〜(3)項記載の反射防止膜。
【0019】
【化5】
【0020】一般式4中、R1〜R6、L’、pは一般式3
と同じ意味を表す。Rfは炭素数1〜30の直鎖、分岐ま
たは脂環式構造を有する含フッ素アルキル基を表し、R
7は水素原子またはメチル基を表す。Aは架橋反応に関
与し得る反応性基を少なくとも1つ以上含有する構成成
分を表し、Bは任意の構成成分を表す。a〜dはそれぞれ
各構成成分の質量分率(%)を表し、それぞれ0.01
≦a≦95、5≦b≦95、0≦c≦90、0≦d≦9
0の関係を満たす値をあらわす。 (5)前記一般式4で表されるグラフトポリマーにおい
て、Aで表される構成成分がラジカル重合性基またはカ
チオン重合性基を含有することを特徴とする(1)〜
(4)記載の反射防止膜。 (6)前記低屈折率層が、含フッ素オレフィン共重合体
を含むことを特徴とする(1)〜(5)項記載の反射防
止膜。 (7)前記Aで表される構成成分が(メタ)アクリロイ
ル基を有し、かつ、前記一般式4で表される含フッ素グ
ラフトポリマー中にも(メタ)アクリロイル基を有する
ことを特徴とする(4)〜(6)項記載の反射防止膜。 (8)前記含フッ素オレフィン共重合体が側鎖にラジカ
ル重合性基またはカチオン開環重合性基を有する繰り返
し単位を有するポリマーであることを特徴とする(1)
〜(7)に記載の反射防止膜。 (9)(1)〜(8)項記載の反射防止膜を透明基材上
に配置したことを特徴とする反射防止フィルム。 (10)(1)〜(9)項記載の反射防止膜又は反射防
止フィルムを配置したことを特徴とする画像表示装置。 上記一般式1〜4の単量体またはグラフトポリマーの繰
り返し単位の重合形態に特に制限はなく、ブロック重合
体、ランダム重合体などの態様がありうる。本発明の反
射防止膜とは、低屈折率層のみからなる単層構成でもよ
く、また、中・高低屈折率層、ハードコート層などと積
層した多層構成であってもよい。この反射防止膜は、前
もって形成して画像表示装置に配置してもよく、また、
画像表示装置などに直接(その場で)形成し配置しても
よい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の反射防止膜に関し
て説明する。
【0022】[反射防止膜の層構成]本発明の反射防止膜
の代表的な層構成を図1を参照して説明する。
【0023】図1は、好ましい反射防止膜の層構成を示
す断面模式図である。図1の(a)に示す態様は、透明
支持体4、ハードコート層3、高屈折率層2、そして低
屈折率層1の順序の層構成を有する。(a)のように、
高屈折率層2と低屈折率層1とを有する反射防止膜で
は、特開昭59−50401号公報に記載されているよ
うに、高屈折率層が下記式(I)、低屈折率層が下記式
(II)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0024】
【数1】
【0025】式中、mは正の整数(一般に1、2または
3)であり、n1は高屈折率層の屈折率であり、そし
て、d1は高屈折率層の層厚(nm)である。
【0026】
【数2】
【0027】式中、nは正の奇数(一般に1)であり、
2は低屈折率層の屈折率であり、そして、d2は低屈折
率層の層厚(nm)である。高屈折率層の屈折率n
1 は、一般に透明フィルムより少なくとも0.05高
く、そして、低屈折率層の屈折率n2 は、一般に高屈折
率層の屈折率より少なくとも0.1低くかつ透明フィル
ムより少なくとも0.05低い。更に、高屈折率層の屈
折率n1 は、一般に1.57〜2.40の範囲にある。
【0028】図1の(b)に示す態様は、透明支持体
4、ハードコート層3、中屈折率層5、高屈折率層2、
そして低屈折率層1の順序の層構成を有する。(b)の
ように、中屈折率層5、高屈折率層2と低屈折率層1と
を有する反射防止膜では、特開昭59−50401号公
報に記載されているように、中屈折率層が下記式(II
I)、高屈折率層が下記式(IV)、低屈折率層が下記式
(V)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0029】
【数3】
【0030】式中、hは正の整数(一般に1、2または
3)であり、n3は中屈折率層の屈折率であり、そし
て、d3は中屈折率層の層厚(nm)である。
【0031】
【数4】
【0032】式中、jは正の整数(一般に1、2または
3)であり、n4は高屈折率層の屈折率であり、そし
て、d4は高屈折率層の層厚(nm)である。
【0033】
【数5】
【0034】式中、kは正の奇数(一般に1)であり、
5は低屈折率層の屈折率であり、そして、d5は低屈折
率層の層厚(nm)である。
【0035】中屈折率層の屈折率n3 は、一般に1.5
〜1.7の範囲にあり、高屈折率層の屈折率n4 は、一
般に1.7〜2.2の範囲にある。
【0036】また、式(I)〜(V)中のλは光線の波
長であり、可視領域の反射防止層として用いる場合のλ
は380〜680nmの範囲の値であり、それ以外に可
視光線以外にも可視領域近傍の紫外線、赤外線に対して
も有効である。ここで記載した高屈折率、中屈折率、低
屈折率とは層相互の相対的な屈折率の高低をいう。例え
ば中屈折率層は高屈折率層に添加する高屈折率無機微粒
子の含率をかえるなどの方法で作製される。以上の層構
成を有する本発明の反射防止膜において少なくとも、本
発明に従い改良された低屈折率層を用いる。
【0037】[低屈折率層]低屈折率層は好ましくは図
1の(a)(b)に示すごとく高屈折率層の上層に配置さ
れる。低屈折率層の上側が反射防止膜の表面である。低
屈折率層の屈折率は、その下の層の屈折率より低ければ
よく特に制限されるものではないが、好ましくは1.2
0〜1.49であり、1.20〜1.45であることが
より好ましく、1.20〜1.43であることが特に好
ましい。低屈折率層の厚さは、50〜400nmである
ことが好ましく、50〜200nmであることがさらに
好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であること
が好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1
%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層
の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度試験でH以上であるこ
とが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、
3H以上であることが最も好ましい。
【0038】本発明において低屈折率層は、側鎖にポリ
シロキサン部位を含む重合単位を有するグラフトポリマ
ーを含有する組成物を、必要に応じて任意の低屈折率ポ
リマーとともに、より高屈折率である層上に塗設、硬化
させることによって形成することができる。
【0039】本発明に好ましく用いられる、一般式1で
表されるポリシロキサン部位を側鎖に有するグラフトポ
リマーについて説明する。一般式1で表されるポリシロ
キサン部位を側鎖に有するグラフトポリマーは、特にそ
の主鎖構造に制限はないが、好ましくはエチレン性不飽
和基を重合せしめて得られる構造を有し、ポリシロキサ
ン部位と主鎖とは直接結合していても良く、適当な連結
基を介して結合していても良い。
【0040】一般式1中、R1,R2は水素原子、アルキ
ル基、アリール基または水素原子を表わす。アルキル基
としては炭素数1〜4が好ましく、例としてメチル基、
トリフルオロメチル基、エチル基等が挙げられる。アリ
ール基としては炭素数6〜20が好ましく、例としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これらの中でもメ
チル基およびフェニル基が好ましく、特に好ましくはメ
チル基である。pは10〜500の整数を表わし、好ま
しくは50〜300であり、特に好ましくは100〜2
50の場合である。
【0041】側鎖に一般式(1)であらわされるポリシ
ロキサン構造を有するポリマーは、例えばJ.Appl.Poly
m.Sci.2000,78,1955、特開昭56−28219号公報等
に記載のごとく、エポキシ基、水酸基、カルボキシル、
酸無水物基等の反応性基を有するポリマーに対して、相
対する反応性基(例えばエポキシ基、酸無水物基に対し
てアミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、水酸基
等)を片末端に有するポリシロキサンを高分子反応によ
って導入する方法、ポリシロキサン含有シリコンマクロ
マーを重合させる方法によって合成されるが、本発明で
はシリコンマクロマーの重合によって導入する方法が特
に好ましい。
【0042】シリコンマクロマーとしてはその重合性基
に特に制限はないが、一般式2で表されるような構造が
好ましく、一般式2においてR1,R2,pは一般式1と
同じ意味を表す。R3〜R5はそれぞれ、置換または無置
換の1価の有機基または水素原子を表わし、好ましくは
炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、オ
クチル基等)、炭素数1〜10のアルコキシ基(メトキ
シ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等)、炭素数6か
ら20のアリール基(フェニル基、ナフチル基等)を表
わし、より好ましくはフェニル基または炭素数1〜5の
アルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。R
6は水素原子またはメチル基を表わす。Lは連結基を表
し、好ましくは炭素数1〜25から成るものであり、重
合可能なビニル基を連結し得るものであれば特に制限は
ないが、より好ましくは下記一般式5あるいは一般式6
で表されるような構造を有する。nは0または1を表
す。こうした一般式2で表されるような化合物は、例え
ば特開平6−322053号記載の方法で合成される。
【0043】
【化6】
【0044】
【化7】
【0045】上記一般式5および6においてL’は置換
もしくは無置換の直鎖、分岐もしくは脂環式のアルキレ
ン基、または置換もしくは無置換のアリーレン基を表
し、好ましくは炭素数1〜25のアルキレン基、または
アリーレン基を表し、より好ましくは、炭素数1〜25
の無置換の直鎖アルキレン基であり、特に好ましくはエ
チレン基またはプロピレン基である。
【0046】これら含シリコンマクロマーのうち特に好
ましいのは、一般式3で表される構造であり、一般式3
中、R1〜R6、pは一般式2中で用いられているものと
同じ意味を表し、L’は一般式5及び6中で用いられて
いるものと同じものを表す。
【0047】以下に本発明に有用な側鎖にポリシロキサ
ン部位を含む重合単位(繰り返し単位)の好ましい例を
示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
【化8】
【0049】
【化9】
【0050】
【化10】
【0051】
【化11】
【0052】
【化12】
【0053】
【化13】
【0054】
【化14】
【0055】本発明のグラフトポリマーは上記ポリシロ
キサン部位を有する重合単位と、他の単量体成分(例え
ば、低屈折率性、相溶性、等を目的として導入される単
量体成分や、架橋反応性基を有する単量体成分)との共
重合体であってよい。
【0056】低屈折率層に任意の量を添加しうるという
点から、本発明のグラフトポリマーはある程度の低屈折
率性を有することが好ましい。ポリマーの屈折率を下げ
る手法としては前述の通りフッ素を導入することが好ま
しく、本発明のグラフトポリマーに低屈折率性を付与す
る目的で導入するモノマーとしては一般式7で表される
ような構造を有するものが好ましい。
【0057】
【化15】
【0058】一般式7中、R7は水素原子またはメチル
基を表し、Rfは炭素数1〜30の含フッ素アルキル基
を表わす。また、置換可能な基(例えばアルコキシ基、
アシルオキシ基、ハロゲン原子等)で置換されていても
良い。好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素
数1〜15の含フッ素アルキル基であり、直鎖(例えば
-CF2CF3,-CH2(CF2)4H,-CH2(CF2)8CF3,-CH2CH2(CF2)4H
等)であっても、分岐構造(例えばCH(CF3)2,CH2CF(C
F3)2,CH(CH3)CF2CF3,CH(CH3)(CF2)5CF2H等)を有してい
ても良く、また脂環式構造(好ましくは5員環または6
員環、例えばパーフルオロシクロへキシル基、パーフル
オロシクロペンチル基またはこれらで置換されたアルキ
ル基等)を有していても良い。
【0059】以下に一般式7で表される単量体(M1)の
例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0060】
【化16】
【0061】
【化17】
【0062】
【化18】
【0063】
【化19】
【0064】
【化20】
【0065】
【化21】
【0066】本発明の反射防止フィルターを形成する組
成物中のグラフトポリマーはさらに架橋反応に関与し得
る反応性基を含有する重合単位を有することが好まし
い。架橋反応に関与し得る反応性基としては例えば、活
性水素原子を有する基(たとえば水酸基、アミノ基、カ
ルバモイル基、メルカプト基、β―ケトエステル基、ヒ
ドロシリル基、シラノール基等)、カチオン重合可能な
基(エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビ
ニルオキシ基等)、酸無水物、ラジカル種による付加ま
たは重合が可能な不飽和2重結合を有する基(アクリロ
イル基、メタクリロイル基、アリル基等)、加水分解性
シリル基(例えばアルコキシシリル基、アシルオキシシ
リル基等)、求核剤によって置換され得る基(活性ハロ
ゲン原子、スルホン酸エステル等)等が挙げられる。
【0067】これらのうちで不飽和2重結合を有する基
は水酸基を有するポリマーを合成した後、(メタ)アク
リル酸クロライド等の酸ハライド、(メタ)アクリル酸
無水物等の酸無水物を作用させる等の方法で導入しても
良く、3―クロロプロピオン酸エステル部位を有するビ
ニルモノマーを重合させた後で脱塩化水素を行う等の定
法によって形成しても良い。また同様に他の官能基もモ
ノマー段階から導入されていても良いし、水酸基等の反
応性基を有するポリマーを合成後に導入しても良い。
【0068】上記の架橋反応性基の中では、好ましくは
水酸基、カチオン重合性基、ラジカル重合性基、または
加水分解性シリル基であるが、より好ましくは、カチオ
ン重合性基またはラジカル重合性基であり、特に好まし
くは、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基である。
【0069】以下このような架橋反応性基を有する重合
単位(A)の好ましい例を示すが本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0070】
【化22】
【0071】
【化23】
【0072】
【化24】
【0073】
【化25】
【0074】本発明のグラフトポリマーは、基材への密
着性、溶剤への溶解性、他の塗布液組成物との相溶性、
透明性等種々の観点から上述した以外にも、他の重合単
位(B)を有してもよく、こうした重合単位の例として
は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブ
チルアクリレート、イソブチルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチル
メタクリレート、ステアリルメタクリレート、メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニル
エーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−
メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等を挙げることが出来る。
【0075】以上のような観点から本発明のグラフトポ
リマーは一般式4で表される形態が好ましい。なお、一
般式4において用いたA、Bはそれぞれ上記で説明した
A、Bに対応する。
【0076】一般式4においてa〜dは各単量体成分の
質量分率(%)を表わし、それぞれ0.01≦a≦9
5、5≦b≦95、0≦c≦90、0≦d≦90の関係
を満たすように選択される。
【0077】低屈折率層を構成するポリマーとして本発
明に規定するポリシロキサン部位を有するグラフトポリ
マーのみを用いる場合、素材に十分な耐傷性を付与し、
かつ透明性、耐久性を損なわないためには一般式3で表
される単量体成分の質量分率を表すaは0.01≦a≦
20の範囲であることが好ましく、0.1≦a≦5であ
ることがさらに好ましい。
【0078】一般式7で表される単量体(M1)成分は
素材の屈折率を下げる目的で導入され、その質量分率b
は30≦b≦95であることが好ましく、50≦b≦8
0であることがさらに好ましい。
【0079】A成分が少なすぎると素材の強度が低下す
る場合があり、逆に過剰に導入すると屈折率を上げるこ
とになるため、その質量分率cは5≦c≦70であるこ
とが好ましく、10≦c≦50であることがさらに好ま
しい。
【0080】本発明に規定するポリシロキサン部位を有
するグラフトポリマーは上記のように、他のポリマー成
分を加えることなしに用いることも出来るが、滑り性を
付与する目的で、他の低屈折率用素材を添加する形態が
好ましい。
【0081】低屈折率用素材としては、パーフルオロア
ルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオ
ロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキ
シシラン)の加水分解、脱水縮合物の他、含フッ素モノ
マー単位と架橋反応性付与のための構成単位を構成成分
とする含フッ素共重合体が挙げられる。
【0082】含フッ素モノマー単位の具体例としては、
例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレ
ン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ
素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6F
M(商品名、大阪有機化学製)やM−2020(商品
名、ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニル
エーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロ
オレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性
等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレン
である。
【0083】架橋反応性付与のための構成単位としては
グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエ
ーテルのように分子内にあらかじめ自己架橋性官能基を
有するモノマーの重合によって得られる構成単位、カル
ボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有
するモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール
(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレ
イン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる構成単
位、これらの構成単位に高分子反応によって(メタ)ア
クリルロイル基等の架橋反応性基を導入した構成単位
(例えばヒドロキシ基に対してアクリル酸クロリドを作
用させる等の手法で導入できる)が挙げられる。
【0084】また上記含フッ素モノマー単位、架橋反応
性付与のための構成単位以外に溶剤への溶解性、皮膜の
透明性等の観点から適宜フッ素原子を含有しないモノマ
ーを共重合することもできる。併用可能なモノマー単位
には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、
プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン
等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エ
チレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導
体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビ
ニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド
類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘ
キシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アク
リロニトリル誘導体等を挙げることができる。
【0085】上記のポリマーに対しては特開平10−2
5388号および特開平10−147739号に記載の
ごとく適宜硬化剤を併用しても良い。
【0086】本発明の反射防止膜低屈折率層に、別途添
加して用いる含フッ素ポリマーとして好ましいのは、パ
ーフルオロオレフィンとビニルエーテル類またはビニル
エステル類のランダム共重合体である。特に単独で架橋
反応可能な基((メタ)アクリロイル基等のラジカル反
応性基、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合性基
等)を有していることが好ましい。これらの架橋反応性
基含有重合単位はポリマーの全重合単位の5〜70mol%
を占めていることが好ましく、特に好ましくは30〜6
0mol%の場合である。
【0087】すなわち上記のような架橋性反応部位を併
せ持つ含フッ素オレフィン共重合体を別途合成し、この
重合体を成分として含む塗布液に本発明に規定するポリ
シロキサン部位を有するグラフトポリマーを添加して塗
設する形態が特に好ましいといえる。
【0088】本発明に規定するポリシロキサン部位を有
するグラフトポリマーが上記のごとく他の含フッ素オレ
フィン共重合体と組み合わせて使用される場合、一般式
3で表される単量体の質量分率であるaは20≦a≦9
0であることが好ましく、50≦a≦80であることが
さらに好ましい。
【0089】M1成分は屈折率を下げ、かつ併用する含
フッ素オレフィン共重合体との相溶性を高める目的で導
入され、M1の質量分率であるbは、5≦b≦80であ
ることが好ましく、10≦b≦50であることがさらに
好ましい。
【0090】Aで表される成分は併用する含フッ素オレ
フィンの架橋性反応部位と反応性を示すように選択され
ることが好ましく、Aの質量分率を表すcは、5≦c≦
50であることが好ましく、10≦c≦30であること
がさらに好ましい。
【0091】本発明に規定するポリシロキサン部位を側
鎖に有するグラフトポリマーの主鎖を構成する重合単位
の平均重合度としては3〜10000程度であることが
好ましく、15〜1000程度であることがより好まし
く、20〜500程度であることが特に好ましい。
【0092】本発明の低屈折率層形成組成物は、通常、
本発明に規定するポリシロキサン部位を有するグラフト
ポリマーを、必要に応じて適当な含フッ素ポリマーと組
み合わせて作製される。この組成物は、通常、液の形態
をとり、好ましくは適当な溶剤に溶解して作製される。
この際ポリマーの総濃度は、用途に応じて適宜選択され
るが一般的には0.01〜60質量%程度であり、好ま
しくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1〜20質
量%程度である。上記溶剤としては、本発明に規定する
ポリシロキサン部位を有するグラフトポリマーを含む組
成物が沈殿を生じることなく、均一に溶解または分散さ
れるものであれば特に制限はなく2種類以上の溶剤を併
用することもできる。好ましい例としては、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、
エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン
等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、
等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、水
などを挙げることができる。
【0093】素材に十分な耐傷性を付与するためには、
別途含フッ素オレフィン共重合体の添加をする/しない
にかかわらず、本発明に規定するポリシロキサン部位が
低屈折率層塗膜硬化後の全固形分に対し、0.01〜2
0質量%程度(より好ましくは0.5〜15質量%程
度、特に好ましくは1〜10質量%程度)となるように
組成物を調製することが好ましい。
【0094】表1および表2に本発明で有用なポリマー
の具体例を示すが本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、含フッ素オレフィン共重合体を加えて用い
る場合の重合単位の組み合わせ例を表1に、含フッ素オ
レフィンを加えずに用いる場合の重合単位の組み合わせ
例を表2に表記した。表中の数値はそれぞれの重合単位
の質量分率(%)を示す。また、表中の略号は以下を表
す。 n−BuMA:n−ブチルメタクリレート t−BuMA:t−ブチルメタクリレート CHMA:シクロへキシルメタクリレート
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】本発明に用いられるポリマーの合成は種々
の重合方法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、沈
殿重合、塊状重合、乳化重合によって行なうことができ
る。またこの際、回分式、半連続式、連続式等の公知の
操作で合成することができる。
【0098】重合の開始方法はラジカル開始剤を用いる
方法、光または放射線を照射する方法等がある。これら
の重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二「高分
子合成方法」改定版(日刊工業新聞社刊、1971)や
大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同
人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されてい
る。
【0099】上記重合方法のうち、特にラジカル開始剤
を用いた溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いられ
る溶剤は、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブ
タノールのような種々の有機溶剤の単独あるいは2種以
上の混合物でも良いし、水との混合溶媒としても良い。
【0100】重合温度は生成するポリマーの分子量、開
始剤の種類などと関連して設定する必要があり0℃以下
から100℃以上まで可能であるが、50〜100℃の
範囲で重合を行なうことが好ましい。シリコンマクロマ
ーの共重合反応性が悪い場合には適宜モノマーを滴下ま
たは分割して添加しても良い。
【0101】得られたポリマーの再沈殿溶媒としては、
イソプロパノール、ヘキサン、メタノール等が好まし
い。
【0102】本発明の低屈折率層形成組成物には適宜硬
化触媒、あるいは硬化剤等が配合されても良く公知のも
のを使用することができる。これらは、本発明に規定す
るポリシロキサン部位を側鎖に有するグラフトポリマー
中の架橋反応性部位の硬化反応性に応じて選択される。
【0103】例えば本発明に規定するポリシロキサン部
位を側鎖に有するグラフトポリマーが加水分解性シリル
基を硬化反応性部位として含有する場合には、ゾルゲル
反応の触媒として公知の酸あるいは塩基触媒を配合する
ことができ、例えば塩酸、硫酸、硝酸などの無機ブレン
ステッド酸類、シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン
酸、パラトルエンスルホン酸などの有機ブレンステッド
酸類、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテー
ト、ジブチル錫ジオクテート、トリイソプロポキシアル
ミニウム、テトラブトキシジルコニウム等のルイス酸
類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアな
どの無機塩基類、トリエチルアミン、ピリジン、テトラ
メチルエチレンジアミンなどの有機塩基類などを挙げる
ことができるが、特に酸触媒が好ましく、中でもパラト
ルエンスルホン酸等の有機ブレンステッド酸類またはジ
ブチル錫ジラウレート等のルイス酸類が好ましい。
【0104】これらの硬化触媒の添加量は触媒の種類、
硬化反応性部位の違いによってまちまちであるが、一般
的には低屈折率層形成組成物全固形分に対して0.1〜
15質量%程度が好ましく、より好ましくは0.5〜5
質量%程度である。
【0105】また、低屈折率層形成組成物の保存安定性
の観点から光の作用によって酸あるいは塩基等の硬化促
進剤を発生する化合物を使用しても良い。これらの化合
物を使用する場合には、活性エネルギー線の照射によっ
て皮膜の硬化が可能になる。
【0106】光の作用により酸を発生する化合物として
は、例えば有機エレクトロニクス材料研究会(ぶんしん
出版)編「イメージング用有機材料」p187〜19
8、特開平10−282644号等に種々の例が記載さ
れておりこれら公知の化合物を使用することができる。
具体的には、RSO3 -(Rはアルキル基、アリール基を表
す)、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、BF4 -等をカウンターイオン
とするジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム
塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム
塩、アルソニウム塩等の各種オニウム塩、トリハロメチ
ル基が置換したオキサジアゾール誘導体やS−トリアジ
ン誘導体等の有機ハロゲン化物、有機酸のo−ニトロベ
ンジルエステル、ベンゾインエステル、イミノエステ
ル、ジスルホン化合物等が挙げられ、好ましくは、オニ
ウム塩類、特に好ましくはスルホニウム塩、ヨードニウ
ム塩類である。光の作用で塩基を発生する化合物も公知
のものを使用することができ、具体的にはニトロベンジ
ルカルバメート類、ジニトロベンジルカルバメート類等
を挙げることができる。
【0107】本発明では特に光の作用により酸を発生す
る化合物を用いることが好ましい。このような化合物と
してはスルホン酸ベンゾインエステル等を挙げることが
できる。これらの光の作用により、酸あるいは塩基を発
生する化合物と併用して増感色素も好ましく用いること
ができる。本発明の光の作用によって硬化反応を促進す
る化合物の添加量としては、低屈折率層形成組成物中の
全固形分に対して0.1〜15%が好ましく、より好ま
しくは0.5〜5%である。
【0108】また、この際特開昭61−258852号
等に記載のごとく有機シリケート(各種アルコキシシラ
ン加水分解部分縮合物)等を硬化剤として併用しても良
い。これらの硬化剤を使用する場合には、上記含フッ素
共重合体100部当り、0.5〜300質量部程度の添
加量が好ましく、特に、含フッ素共重合体100部当
り、5.0〜100質量部程度の添加量とすることが好
ましい。
【0109】一方硬化反応性部位が水酸基等の活性水素
を有する基である場合には硬化剤を配合することが好ま
しく、かかる硬化剤としては、例えばポリイソシアネー
ト系、アミノプラスト、多塩基酸またはその無水物など
を挙げることができる。
【0110】ポリイソシアネート系としては、m−キシ
リレンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物、
メチルシリルトリイソシアネートなどのシリルイソシア
ネート化合物、およびこれらイソシアネート化合物の部
分縮合物、多量体や、多価アルコール、低分子量ポリエ
ステル皮膜などとの付加物、イソシアネート基をフェノ
ールなどのブロック化剤でブロックしたブロックポリイ
ソシアネート化合物などが挙げられる。
【0111】アミノプラストとしては、メラミン皮膜、
グアナミン皮膜、尿素皮膜などが採用される。中でもメ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど
の低級アルコールの1種または2種以上により少なくと
も部分的にエーテル化されたメチロールメラミン(例え
ばヘキサメチルエーテル化メチロールメラミン、ヘキサ
ブチルエーテル化メチロールメラミン、メチルブチル混
合エーテル化メチロールメラミン、メチルエーテル化メ
チロールメラミン、ブチルエーテル化メチロールメラミ
ン等)、あるいはこれらの縮合物などが挙げられる。
【0112】多塩基酸またはその無水物としては、ピロ
メリット酸、無水ピロメリット酸、トリメリット酸、無
水トリメリット酸、フタル酸、無水フタル酸などの芳香
族多価カルボン酸またはその無水物やマレイン酸、無水
マレイン酸、コハク酸、無水コハク酸などの脂肪族多価
カルボン酸またはその無水物などが例示される。
【0113】本発明において、各成分の配合量は適宜選
定することが可能であるが、本発明に規定するポリシロ
キサン部位を側鎖に有するグラフトポリマー100質量
部当り、硬化剤が0.5〜300質量部程度の量が好ま
しく、特に、本発明に規定するポリシロキサン部位を側
鎖に有するグラフトポリマー100質量部当り、硬化剤
を5.0〜100質量部程度とすることが好ましい。ま
た本発明に規定するポリシロキサン部位を側鎖に有する
グラフトポリマーとこれらの硬化剤をあらかじめ部分的
に縮合させても良い。
【0114】上記の硬化剤とともに硬化反応を促進させ
るため、必要に応じて適宜硬化促進触媒を用いることが
できる。これらの例としては、加水分解性シリル基の硬
化触媒として前記した塩基または酸触媒を挙げることが
でき、また前記したとおり光の作用によってこれらの触
媒を生成する化合物も好ましく使用することができる。
これらの添加量の好ましい範囲も加水分解性シリル基の
硬化触媒として前記した範囲と同様である。
【0115】ポリマーの架橋反応性部位がカチオン重合
可能な基(エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル
基、ビニルオキシ基等)を有する場合にも硬化触媒とし
て上記同様の酸触媒を添加することができる。
【0116】この際特に他の硬化剤を併用しなくても良
いが、これらのカチオン重合性基と反応可能な多官能化
合物(例えば、ピロメリット酸、トリメリット酸、フタ
ル酸、マレイン酸、コハク酸等の多塩基、上記カチオン
重合性基を一分子中に複数有する化合物)を硬化剤とし
て併用することもできる。
【0117】これらの硬化剤を添加する場合、本発明に
規定するポリシロキサン部位を側鎖に有するグラフトポ
リマー100質量部当り、0.5〜300質量部程度の
添加量が好ましく、特に、本発明に規定するポリシロキ
サン部位を側鎖に有するグラフトポリマー100質量部
当り、5.0〜100質量部程度の添加量が好ましい。
【0118】一方、ポリマーの架橋反応性部位がラジカ
ル重合可能な不飽和2重結合(アクリロイル基、メタク
リロイル基等)を有する場合にはラジカル重合開始剤を
添加することが好ましい。ラジカル重合開始剤としては
熱の作用によりラジカルを発生するもの、あるいは光の
作用によりラジカルを発生するもののいずれの形態も可
能である。
【0119】熱の作用によりラジカル重合を開始する化
合物としては、有機あるいは無機過酸化物、有機アゾ及
びジアゾ化合物等を用いることができる。具体的には、
有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲン
ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸
化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロ
ぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫
酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として
2−アゾービスーイソブチロニトリル、2−アゾービス
ープロピオニトリル、2−アゾ−ビスーシクロヘキサン
ジニトリル等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼ
ン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等を挙げることが
できる。
【0120】光の作用によりラジカル重合を開始する化
合物を使用する場合は、活性エネルギー線の照射によっ
て皮膜の硬化が行われる。このような光ラジカル重合開
始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、
ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール
類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合
物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、
ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香
族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例には、
2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセ
トフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メ
チル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェ
ノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。
ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸
エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルお
よびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベン
ゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジク
ロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン
およびp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィ
ンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾ
イルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。これ
らの光ラジカル重合開始剤と併用して増感色素も好まし
く用いることができる。
【0121】熱または光の作用によってラジカル重合を
開始する化合物の添加量としては、炭素―炭素二重結合
の重合が開始する量であれば良いが、一般的には低屈折
率層形成組成物中の全固形分に対して0.1〜15%が
好ましく、より好ましくは0.5〜5%である。
【0122】上記したように、上記本発明に規定するポ
リシロキサン部位を側鎖に有するグラフトポリマーがラ
ジカル重合可能な不飽和2重結合を有する場合には、他
の硬化剤を併用しなくても良いが、硬化剤としてこれら
の不飽和結合と反応し得る多官能の不飽和モノマー(例
えば、ジペンタエリスロトールヘキサ(メタ)アクリレ
ート等、多価のアルコールから誘導される(メタ)アク
リレートモノマー)を添加しても良い。
【0123】これらの硬化剤を添加する場合も他の硬化
剤と同様に、本発明に規定するポリシロキサン部位を側
鎖に有するグラフトポリマー100質量部当り、0.5
〜300質量部程度の添加量が好ましく、特に、本発明
に規定するポリシロキサン部位を側鎖に有するグラフト
ポリマー100質量部当り、5.0〜100質量部程度
の添加量が好ましい。
【0124】本発明の低屈折率層形成組成物にはさらに
膜強度あるいは塗布性の改良のためにコロイダルシリカ
を添加しても良い。このようなコロイダルシリカとして
は、粒子径は5〜50nmのものが用いられるが、好ま
しくは、5〜30nmのものであり、特に好ましくは、
粒子径8〜20nmのものである。このようなコロイダ
ルシリカは、例えばI.M.Thomas著,Appl.Opt.25,1481(19
86)等に記載の手法に順じて、テトラアルコキシシラン
を原料としてアンモニア水等の触媒を用いて加水分解・
重縮合することにより調製することができる。また市販
のものでは、日産化学工業(株)製スノーテックスIPA
−ST、同MEK−ST、日本エアロジル(株)製AE
ROSIL300、同AEROSIL130、 同AE
ROSIL50(いずれも商品名)等を利用することも
できる。
【0125】コロイダルシリカの添加量は、低屈折率層
塗膜硬化後の全固形分の5〜95質量%の範囲が好まし
く、より好ましくは10〜70質量%、特に好ましく
は、20〜60質量%の場合である。
【0126】その他低屈折率層、低屈折率層形成組成物
には各種シランカップリング剤、界面活性剤、増粘剤、
レベリング剤などの添加剤を必要に応じて適宜添加して
も良い。
【0127】[高・中屈折率層]本発明の反射防止膜
が、多層膜の態様をとる場合、一般に、低屈折率層は、
低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層
(即ち、前記の高屈折率層、中屈折率層)と共に用いら
れる。
【0128】上記低屈折率層より高い屈折率を有する層
を形成するための有機材料としては、熱可塑性皮膜
(例、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリカー
ボネート、ポリスチレン以外の芳香環、複素環、脂環式
環状基を有するポリマー、またはフッ素以外のハロゲン
基を有するポリマー);熱低屈折率層形成組成物(例、
メラミン皮膜、フェノール皮膜、またはエポキシ皮膜な
どを硬化剤とする皮膜組成物);ウレタン形成性組成物
(例、脂環式または芳香族イソシアネートおよびポリオ
ールの組み合わせ);およびラジカル重合性組成物(上
記の化合物(ポリマー等)に二重結合を導入することに
より、ラジカル硬化を可能にした変性皮膜またはプレポ
リマーを含む組成物)などを挙げることができる。高い
皮膜形成性を有する材料が好ましい。上記より高い屈折
率を有する層は、有機材料中に分散した無機系微粒子も
使用することができる。上記に使用される有機材料とし
ては、一般に無機系微粒子が高屈折率を有するため有機
材料単独で用いられる場合よりも低屈折率のものも用い
ることができる。そのような材料として、上記に述べた
有機材料の他、アクリル系を含むビニル系共重合体、ポ
リエステル、アルキド皮膜、繊維素系重合体、ウレタン
皮膜およびこれらを硬化せしめる各種の硬化剤、硬化性
官能基を有する組成物など、透明性があり無機系微粒子
を安定に分散せしめる各種の有機材料を挙げることがで
きる。
【0129】さらに有機置換されたケイ素系化合物をこ
れに含めることができる。これらのケイ素系化合物は下
記一般式で表される化合物、あるいはその加水分解生成
物である。 Ra mb nSiZ(4-m-n) (ここでRa及びRbは、それぞれアルキル基、アルケニ
ル基、アリル基、またはハロゲン、エポキシ、アミノ、
メルカプト、メタクリロイルまたはシアノで置換された
炭化水素基を表し、Zは、アルコキシル基、アルコキシ
アルコキシル基、ハロゲン原子〜アシルオキシ基から選
ばれた加水分解可能な基を表し、m+nが1または2で
ある条件下で、m及びnはそれぞれ0、1または2であ
る。)
【0130】これらに分散される無機系微粒子の好まし
い無機化合物としては、アルミニウム、チタニウム、ジ
ルコニウム、アンチモンなどの金属元素の酸化物を挙げ
ることができる。これらの化合物は、微粒子状で、即ち
粉末または水および/またはその他の溶媒中へのコロイ
ド状分散体として、市販されている。これらをさらに上
記の有機材料または有機ケイ素化合物中に混合分散して
使用する。
【0131】上記より高い屈折率を有する層を形成する
材料として、被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自
身が液状である無機系材料(例、各種元素のアルコキシ
ド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物
(例、キレート化合物)、無機ポリマー)を挙げること
ができる。これらの好適な例としては、チタンテトラエ
トキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテ
トラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシ
ド、チタンテトラ−sec −ブトキシド、チタンテトラ−
tert−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アル
ミニウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムトリブ
トキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリ
ブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニ
ウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−
n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシ
ド、ジルコニウムテトラ−sec −ブトキシド及びジルコ
ニウムテトラ−tert−ブトキシドなどの金属アルコレー
ト化合物;ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチル
アセトネート)、ジブトキシチタニウムビス(アセチル
アセトネート)、ジエトキシチタニウムビス(アセチル
アセトネート)、ビス(アセチルアセトンジルコニウ
ム)、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウ
ムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、ア
ルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセ
テート及びトリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエチ
ルアセトアセテートなどのキレート化合物;さらには炭
素ジルコニルアンモニウムあるいはジルコニウムを主成
分とする無機ポリマーなどを挙げることができる。上記
に述べた他に、屈折率が比較的低いが上記の化合物と併
用できるものとしてとくに各種のアルキルシリケート類
もしくはその加水分解物、微粒子状シリカとくにコロイ
ド状に分散したシリカゲルも使用することができる。
【0132】高屈折率層の屈折率は、一般に1.70〜
2.20である。屈折率は、アッベ屈折率計を用いる測
定や、層表面からの光の反射率からの見積もりにより求
めることができる。高屈折率層の厚さは、5nm〜10
μmであることが好ましく、10nm〜1μmであるこ
とがさらに好ましく、30nm〜0.5μmであること
が最も好ましい。高屈折率層のヘイズは、5%以下であ
ることが好ましく、3%以下であることがさらに好まし
く、1%以下であることが最も好ましい。高屈折率層の
強度は、1kg荷重の鉛筆硬度でH以上であることが好
ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以
上であることが最も好ましい。
【0133】中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折
率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整す
る。中屈折率層の屈折率は、一般に1.50〜1.70
である。高屈折率層に無機微粒子とポリマーを用い、中
屈折率層は、高屈折率層よりも屈折率を低めに調節して
形成することが特に好ましい。中屈折率層のヘイズは、
3%以下であることが好ましい。
【0134】[その他の層]反射防止膜には、さらに、ハ
ードコート層、防湿層、帯電防止層、下塗り層や保護層
を設けてもよい。ハードコート層は、透明支持体に耐傷
性を付与するために設ける。ハードコート層は、透明支
持体とその上の層との接着を強化する機能も有する。ハ
ードコート層は、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリ
マー、エポキシ系ポリマー、シリコン系ポリマーやシリ
カ系化合物を用いて形成することができる。顔料をハー
ドコート層に添加してよい。アクリル系ポリマーは、多
官能アクリレートモノマー(例、ポリオールアクリレー
ト、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート)の重合反応により合成する
ことが好ましい。ウレタン系ポリマーの例には、メラミ
ンポリウレタンが含まれる。シリコン系ポリマーとして
は、シラン化合物(例、テトラアルコキシシラン、アル
キルトリアルコキシシラン)と反応性基(例、エポキ
シ、メタクリル)を有するシランカップリング剤との共
加水分解物が好ましく用いられる。二種類以上のポリマ
ーを組み合わせて用いてもよい。シリカ系化合物として
は、コロイダルシリカが好ましく用いられる。ハードコ
ート層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であ
る好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3
H以上であることが最も好ましい。透明支持体の上に
は、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、滑
り層や帯電防止層を設けてもよい。シールド層は、電磁
波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
【0135】[透明支持体]反射防止膜をCRT画像表
示面やレンズ表面に直接設ける場合を除き、反射防止膜
は透明支持体(透明基材)を有することが好ましい。透
明支持体としては、ガラス板よりもプラスチックフイル
ムの方が好ましい。プラスチックフイルムの材料の例に
は、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロー
ス、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、
ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロー
ス、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキ
サンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2
−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレー
ト、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン
(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフ
ィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチル
ペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタク
リレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリア
セチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテ
レフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好まし
い。透明支持体の光透過率は、80%以上であることが
好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透
明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好まし
く、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支
持体の屈折率は、1.4〜1.7であることが好まし
い。透明支持体には、赤外線吸収剤あるいは紫外線吸収
剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、透明支
持体の0.01〜20質量%であることが好ましく、
0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。滑
り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添
加してもよい。無機化合物の例には、SiO2 、TiO
2 、BaSO4 、CaCO3 、タルクおよびカオリンが
含まれる。透明支持体に、表面処理を実施してもよい。
表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電
処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー
放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理
およびオゾン酸化処理が含まれる。グロー放電処理、紫
外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好まし
く、グロー放電処理と紫外線処理がさらに好ましい。
【0136】[反射防止膜の形成]反射防止膜が、単層
又は前記のように多層の構成をとる場合は、各層は、デ
ィップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコー
ト法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラ
ビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許
2681294号明細書記載)により、塗布により形成
することができる。二層以上を同時に塗布してもよい。
同時塗布の方法については、米国特許2761791
号、同2941898号、同3508947号、同35
26528号の各明細書および原崎勇次著、コーティン
グ工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。反射
防止膜の反射率は低いほど好ましい。具体的には450
〜650nmの波長領域での平均反射率が2%以下であ
ることが好ましく、1%以下であることがさらに好まし
く、0.7%以下であることが最も好ましい。反射防止
膜(下記のアンチグレア機能がない場合)のヘイズは、
3%以下であることが好ましく、1%以下であることが
さらに好ましく、0.5%以下であることが最も好まし
い。反射防止膜の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H
以上であることが好ましく、2H以上であることがさら
に好ましい。反射防止膜は、外光を散乱させるアンチグ
レア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反
射防止膜の表面に凹凸を形成することにより得られる。
微粒子を使用した低屈折率層では、微粒子により反射防
止膜の表面に凹凸が形成できる。微粒子により得られる
アンチグレア機能では不充分な場合は、低屈折率層、高
屈折率層、中屈折率層あるいはハードコート層に比較的
大きな粒子(粒径:50nm〜2μm)を少量(0.1
〜50質量%)添加してもよい。反射防止膜がアンチグ
レア機能を有する場合、反射防止膜のヘイズは、3〜3
0%であることが好ましく、5〜20%であることがさ
らに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
【0137】反射防止膜は、液晶表示装置(LCD)、
プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロル
ミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置
(CRT)のような画像表示装置、または偏光板に適用
する。反射防止膜は、高屈折率層が画像表示装置の画像
表示面側になるように配置する。反射防止膜が透明支持
体を有する場合は、透明支持体側を画像表示装置の画像
表示面に接着する。反射防止膜は、さらに、ケースカバ
ー、光学用レンズ、眼鏡用レンズ、ウインドウシール
ド、ライトカバーやヘルメットシールドにも利用でき
る。
【0138】
【実施例】以下に実施例に基づき本発明についてさらに
詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0139】[合成例] 1)P1の合成 メチルエチルケトン100ml、S-(1)に対応する単量
体70g、M1-(1)25g、A-(11)に対応する単量体5
g、AIBN1gを混合し、系内を脱気し、窒素で置換
した。撹拌しつつ70℃まで昇温し、4時間該温度を保
持した後、反応液を大過剰量のイソプロピルアルコール
に投入し得られたポリマーを少量のメチルエチルケトン
に溶解して2回再沈殿を行うことによって残存モノマー
を完全に除去した。該ポリマーを減圧下乾燥させること
によりP1を得た。ポリマー収量は69.6gであっ
た。また、得られたポリマーの屈折率は1.401であ
り、平均重合度は53.61であった。本発明に有用な
他のポリマーも同様にして合成される。
【0140】2)パーフルオロオレフィン共重合体1
(PF-1)の合成 内容量100mlのステンレス製撹拌機付オートクレー
ブに酢酸エチル40ml、ヒドロキシエチルビニルエー
テル14.7gおよび過酸化ジラウロイル0.55gを
仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘ
キサフルオロプロピレン(HFP)25gをオートクレ
ーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ
内の温度が65℃に達した時点の圧力は5.4kg/c
であった。該温度を保持し8時間反応を続け、圧力
が3.2kg/cmに達した時点で加熱をやめ放冷し
た。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを
追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出し
た。得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカ
ンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿した
ポリマーを取り出した。さらにこのポリマーを少量の酢
酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うこと
によって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後ポリマ
ー28gを得た。次にこのポリマーの20gをN,N-ジ
メチルアセトアミド100mlに溶解、氷冷下アクリル
酸クロライド11.4gを滴下した後、室温で10時間
攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え水洗、有機層を抽
出後濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させ
ることによりPF-1を19g得た。得られたポリマー
の屈折率は1.421であった。
【0141】3)パーフルオロオレフィン共重合体2
(PF-2)の合成 内容量100mlのステンレス製撹拌機付オートクレー
ブに酢酸エチル31.0g、およびグリシジルビニルエ
ーテル(GVE)10.01g、エチルビニルエーテル
(EVE)1.80gおよび過酸化ジラウロイル0.3
98gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。
さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)18.78
gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。
オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は
5.4kg/cmであった。該温度を保持し8時間反
応を続け、圧力が3.2kg/cmに達した時点で加
熱をやめ放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反
応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反
応液を取り出した。反応液を大過剰のn−ヘキサンに投
入した。得られたポリマーを少量の酢酸エチルに溶解し
て2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に
除去した。該ポリマーを減圧下乾燥させることによりP
F−2を得た。得られたポリマーの屈折率は1.40で
あった。また、ポリマー収量は17.7gであった。
【0142】4)比較化合物1の合成 上記PF-2合成と同様の条件において、特開平11−
189621号公報記載のマクロアゾ開始剤(和光純薬
製VPS-1001(商品名))を0.6g加え重合を行な
うことにより、シリコンブロック共重合体部位が2質量
%導入された比較化合物1を得た。
【0143】(低屈折率層素材塗布液の調製)下記表3
に示す各成分を混合し、メチルイソブチルケトンに溶解
した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ
過して、低屈折率層用塗布液を調製した。なお、滑り成
分である含Siポリマーはいずれの塗布液についても固
形分に対して2質量%添加した。また表中、コロイダル
シリカは日産化学工業(株)製MEK−ST(商品名)を
表わす。 商品名 DEX314はナガセ化成工業(株)製エポキシ系硬
化剤を表わす。 商品名 SH-200 350csは東レダウコーニングシリコー
ン(株)製のジメチルシロキサンオイルを表す。 Irg907はチバガイギー製光重合開始剤 商品名 イルガ
キュア907を表し、固形分に対し5質量%添加した。U
V−1は下記光酸発生剤を表わし、固形分に対して2質
量%添加した。
【0144】
【化26】
【0145】表3中の( )内は各成分の質量部を表わ
す。また、滑り成分の平均重合度を[]内に添記した。
【0146】
【表3】
【0147】(二酸化チタン分散物の調製)コア/シェ
ル構造の二酸化チタン微粒子(TTO-55B(商品名)、シ
ェル材料;アルミナ粒子全体の9質量% 、石原産業
(株)製)30質量部、市販のアニオン性モノマー(P
M−21(商品名),日本化薬製)4.5質量部、市販
のカチオン性モノマー(DMAEA(商品名)、(株)
興人)0.3質量部およびシクロヘキサノン65.2質
量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、質量平
均径53nmの二酸化チタン分散物を調製した。
【0148】(中屈折率層用塗布液の調製)上記二酸化
チタン分散物49.60gに、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート(DPHA(商品名)、日本化薬
(株)製)を18.08g、光重合開始剤(イルガキュ
ア907(商品名)、チバガイギー社製)を0.920
g、光増感剤(カヤキュアーDETX(商品名)、日本
化薬(株)製)を0.307gおよびメチルエチルケト
ンを230.0gおよびシクロヘキサノンを500g添
加して撹拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フ
ィルターで濾過して中屈折率層の塗布液を調製した。
【0149】(高屈折率層用塗布液の調製)上記二酸化
チタン分散物110.0gに、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)製)を
6.29g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ
ガイギー社製)を0.520g、光増感剤(カヤキュア
ーDETX、日本化薬(株)製)を0.173gおよび
メチルエチルケトンを230.0gおよびシクロヘキサ
ノンを460.0g添加して撹拌した。孔径0.4μm
のポリプロピレン製フィルターで濾過して高屈折率層の
塗布液を調製した。
【0150】(ハードコート層用塗布液の調製)ペンタ
エリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレートの混合物(DPHA(商品
名)、日本化薬(株)製)125gおよびウレタンアク
リレートオリゴマー(UV−6300B(商品名)、日
本合成化学工業(株)製)125gを、439gの工業
用変性エタノールに溶解した。得られた溶液に、光重合
開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバ−ガイギ
ー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュア−DET
X(商品名)、日本化薬(株)製)5.0gを49gの
メチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を
撹拌した後、1ミクロンメッシュのフィルターでろ過し
てハードコート層の塗布液を調製した。
【0151】(反射防止膜の作製)厚さ80μmのトリ
アセチルセルロースフイルム(TAC−DU(商品
名)、富士写真フィルム(株)製)上に、上記のハード
コート層用塗布液をバーコーターを用いて塗布した。9
0℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化さ
せ、厚さ6μmのハードコート層を形成した。ハードコ
ート層の上に、上記中屈折率層用塗布液をバーコーター
を用いて塗布した。60℃で乾燥した後、紫外線を照射
して塗布層を硬化させ、中屈折率層(屈折率1.70、
膜厚70nm、TTB−55B、21体積%)を形成し
た。中屈折率層の上に、上記の高屈折率層用塗布液をバ
ーコーターを用いて塗布した。60℃で乾燥した後、紫
外線を照射して塗布層を硬化させ、高屈折率層(屈折率
1.95、膜厚75nm、TTB−55B、51体積
%)を形成した。高屈折率層の上に層の上に、上記表3
に示した低屈折率層用塗布液(本発明Ln1〜14およ
び比較例Ln15〜18)をバーコーターを用いて硬化
後の膜厚が85nmとなるように塗布し、塗布後窒素雰
囲気下で紫外線を照射した後、120℃で10分間加熱
し、その後室温まで放冷して低屈折率層を形成し、反射
防止膜を作製した。
【0152】(反射防止膜の評価)こうして得られた、
第1〜4層を塗設してなる膜(本発明1〜9、比較例1
〜3)について、下記性能評価を実施した。
【0153】(1)平均反射率 分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜7
80nmの波長領域において、入射角5°における分光
反射率を測定した。結果には450〜650nmの鏡面
平均反射率を用いた。
【0154】(2)鉛筆硬度評価 反射防止膜を温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿
した後、JIS K5400に記載の鉛筆硬度評価を行
った。
【0155】(3)耐傷性試験 膜表面(低屈折率層側)をスチールウール#0000を
用いて、200gの荷重下で10回擦った後に、傷のつ
くレベルを確認した。判定は次の基準に従った。 全くつかない :○ 細かい傷がつく:△ 傷が著しい :×
【0156】(4)密着性評価 碁盤目―セロテープ(登録商標)剥離試験をJISK5
400に準拠して行った。100分割した桝目の内の剥が
れずに残った数(x)をx/100の形で表記した。
【0157】(5)動摩擦係数の測定 試料を25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した
後、動摩擦測定機(商品名 HEIDON−14)で、
直径5mmのステンレス剛球を用い、荷重0.98N、速
度60cm/分で測定した。
【0158】(6)被接触媒体へのすべり成分の転写性
試験 80μmのトリアセチルセルロースフイルム(TD80
UF(商品名)、富士写真フィルム(株)製)と上記サ
ンプルを貼り合わせ2kg/m2の荷重をかけて25℃
で24時間放置した後、TACベース表面に転写したS
iの量をESCAを用いて測定し、Si/Cの面積比を
指標とした。なお転写試験前のベース表面のSi/C値は
0であった。
【0159】得られた結果を表4に示す。
【0160】
【表4】
【0161】本実施例から明らかなように、本発明の反
射防止膜は広い波長領域で、非常に低い表面反射率、か
つ十分に強靱な膜強度を有し、基盤への密着性にも優れ
ていることがわかる。また、比較例2〜4に比べても同
等のSi含率で動摩擦係数がより低くなっており耐傷性に
優れる。また皮膜表面のレベリング性に優れるため反射
率も低くなる。さらに被接触媒体へのシリコーン成分の
転写量も低いことが分る。
【0162】[反射防止膜を設置した表示装置の作成]上
記で作成した実施例1〜14、比較例1〜4の反射防止
膜を日本電気株式会社より入手したパーソナルコンピュ
ーターPC9821NS/340W(商品名)の液晶デ
ィスプレイ表面に貼り付け、表面装置サンプルを作成
し、その表面反射による風景映り込み程度を目視にて評
価した。本発明の実施例1〜14の反射防止膜を設置し
た表示装置は周囲の風景映り込みが殆どなく、快適な視
認性を示しかつ充分な表面強度を有するものであったの
に対し、比較例1〜4の膜を設置した表示装置は周囲の
映り込みは低減できるものの表面強度に劣るものであっ
た。
【0163】
【発明の効果】本発明の反射防止膜は、反射防止性能が
高く、耐傷性にも優れ、被接触媒体へのシリコーン成分
の転写性が低い。この反射防止膜を用いた画像表示装置
は、外光の映り込みが十分に防止されているうえ、耐傷
性も高いという優れた性質を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止膜が多層構成の場合を示す断
面模式図であり、(a)は4層構成、(b)は5層構成
の例を示す。
【符号の説明】
1 低屈折率層 2 高屈折率層 3 ハードコート層 4 透明支持体 5 中屈折率層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H091 FA37X FB02 LA16 2K009 AA05 AA06 AA15 BB13 BB24 BB28 CC02 CC03 CC09 CC23 CC24 CC26 CC33 CC34 CC42 DD02 DD05 EE03 4F100 AA20 AA21 AJ06 AK17 AK52A AK52K AL04A AT00B BA02 GB41 JK12 JM01 JN01B JN18A JN30A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側鎖に下記一般式1で表わされるポリシ
    ロキサン繰り返し単位を含んでなる重合体グラフト部位
    を有するポリマーまたはオリゴマーを含有する低屈折率
    層を有することを特徴とする反射防止膜。 【化1】 一般式1中、R1、R2は同一であっても異なっていてもよ
    く、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。p
    は10〜500の整数を表す。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の反射防止膜を透明基材上
    に配置したことを特徴とする反射防止フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の反射防止膜を配置したこ
    とを特徴とする画像表示装置。
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