JP2004191916A - 反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置 Download PDF

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JP2004191916A JP2003153413A JP2003153413A JP2004191916A JP 2004191916 A JP2004191916 A JP 2004191916A JP 2003153413 A JP2003153413 A JP 2003153413A JP 2003153413 A JP2003153413 A JP 2003153413A JP 2004191916 A JP2004191916 A JP 2004191916A
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Tatsuhiko Obayashi
達彦 大林
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Abstract

【課題】反射率が低く、傷がつきにくく、防汚性、帯電防止性に優れた反射防止膜、並びにこれを用いた反射防止フィルム及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】含フッ素共重合体を含有する反射防止膜であって、含フッ素共重合体以外の成分としてポリオキシアルキレン鎖含有成分と−Si(R)(R)O−(RおよびRはアルキル基、ハロアルキル基またはアリール基を表わす)で表わされる繰り返し単位を有するポリシロキサン成分とを含有してなる反射防止膜、並びに透明支持体上に前記反射防止膜を設置してなる反射防止フィルム及び前記反射防止フィルムを配置してなる画像表示装置。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止膜、反射防止フィルムならびにそれを用いた表示装置(特に液晶表示装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】
反射防止フィルムは一般に、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)のようなディスプレイ装置において、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減する様ディスプレイの最表面に配置される。
【0003】
このような反射防止フィルムは、支持体上に高屈折率層、さらにその上に適切な膜厚の低屈折率層を形成することにより作製できる。生産性の観点からは各層をウェット塗布で形成できることが好ましい。
ウェット塗布が可能な低屈折率層の材料としては屈折率の低い含フッ素共重合体が知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、含フッ素共重合体は負に帯電しやすく、反射防止膜の表面にごみが付着しやすいという問題がある。
【0004】
これに対して低屈折率層より下層に帯電防止層を設ける技術が従来より知られている(例えば特許文献2参照)。該手法に従い帯電性は改善されるが、帯電防止機能のみを目的とした層を設ける場合には、反射防止膜の層数の増加に伴い生産性が低下するという問題、着色やヘイズの上昇等の問題があった。またハードコート層、高屈折率層等に帯電防止材料を混合することも可能であるが、それぞれの層に必要な機能を発現するための障害になる場合が多い。
【0005】
帯電防止素材としてイオン性ポリマーを含フッ素ポリマー層に添加する技術も開示されている(例えば特許文献3参照。)。しかしイオン性ポリマーの添加は含フッ素ポリマーと相溶性が悪い場合が多く、低屈折率層の屈折率が高くなる問題があった。
【0006】
一方、含フッ素ポリマー層に正帯電性のシリコーン成分を添加して帯電防止性を向上させる技術が開示されている(例えば特許文献4参照)。該技術に従えば帯電防止とともに撥水、撥油性にも効果があるが、フッ素ポリマー種によってはこれだけでは十分なレベルに到達することは難しく、効果を高めるためにシリコーン成分を増量すると、耐傷性の低下、接触媒体へのシリコーン成分の転写等の問題が生じる。
以上より、できるだけ少量の添加物で膜質を損なわず十分な効果を発現する技術が望まれていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−92323号公報(段落[0008])
【特許文献2】
特開平11−326602号公報(段落[0006])
【特許文献3】
特開2002−121482号公報(段落[0009])
【特許文献4】
特開2002−55205号公報(段落[0006])
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、第1に反射率が低く、傷がつきにくく、防汚性、帯電防止性に優れた反射防止膜を提供することにあり、第2に上記特性に優れた反射防止膜を透明支持体上に設けた反射防止フィルムを提供することに有り、第3に防塵性、防汚性、耐傷性に優れ、反射が防止された画像表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、以下に示す1)〜14)の本発明によって達成された。
1)含フッ素共重合体を含有する反射防止膜であって、含フッ素共重合体以外の成分としてポリオキシアルキレン鎖含有化合物および−Si(R)(R)O−(RおよびRはアルキル基、ハロアルキル基またはアリール基を表わす)で表わされる繰り返し単位を有するポリシロキサン成分とを含有することを特徴とする反射防止膜。
【0011】
2)前記の含フッ素共重合体、ポリオキシアルキレン鎖含有成分及びポリシロキサン成分がともにラジカル反応性基を含有していることを特徴とする上記1)に記載の反射防止膜。
【0012】
3)前記のポリオキシアルキレン鎖含有成分およびポリシロキサン成分が、それぞれ異なる化合物であることを特徴とする上記1)または2)記載の反射防止膜。
【0013】
4)前記のポリオキシアルキレン鎖含有成分とポリシロキサン成分とが同一化合物に含有されることを特徴とする上記1)または2)記載の反射防止膜。
【0014】
5)上記4)記載の化合物が下記一般式1で表わされることを特徴とする上記4)記載の反射防止膜。
【0015】
【化1】
Figure 2004191916
【0016】
一般式1中、RおよびRはアルキル基、ハロアルキル基またはアリール基を表わし、Yはポリオキシアルキレン鎖含有重合単位を表し、Zは任意の重合単位を表し単一成分でも複数の成分でも良く、x、y、zはそれぞれの重合単位のモル%を表し、0<x<100、0<y<100、0≦z<100、x+y+z=100を満たす値を表す。
【0017】
6)上記一般式1記載の化合物が下記一般式2で表されることを特徴とする上記5記載の反射防止膜。
【0018】
【化2】
Figure 2004191916
【0019】
一般式2中、R、R、Z、x、y、zは上記一般式1と同じ意味を表す。Rはアルキル基、ハロアルキル基またはアリール基を表わす。LおよびLは連結鎖を表す。mは2〜1000の整数を表す。w1およびw2は0または1を表す。Aはラジカル反応性基を表す。
【0020】
7)前記化合物が下記一般式3で表されることを特徴とする上記4記載の反射防止膜。
【0021】
【化3】
Figure 2004191916
【0022】
一般式3中、RおよびRは一般式1と同じ意味を表わし、Lは炭素数1〜10の連結鎖を表し、Rは水素原子または炭素数1〜10の置換基を表す。aは10〜1000の整数を表す。w3は0または1を表す。XおよびXはメチル基または水素原子を表す。Yはポリオキシアルキレン鎖含有置換基を表し、Zは任意の重合単位を表し単一成分でも複数の成分でも良く、p,q,rはそれぞれの重合単位のモル%を表し、0<p<100,0<q<100、0≦r<100、p+q+r=100を満たす値を表す。
【0023】
8)前記一般式3で表わされる化合物が下記一般式4で表わされることを特徴とする上記7)記載の反射防止膜。
【0024】
【化4】
Figure 2004191916
【0025】
一般式4中、R、R、R、L、a、w3、X、X、Z、p、q、rはそれぞれ一般式3と同じ意味を表す。LおよびLは連結鎖を表す。nは2〜1000の整数を表す。w4およびw5は0または1を表す。Aはラジカル反応性基を表す。
【0026】
9)前記含フッ素共重合体が下記一般式5で表わされることを特徴とする上記1)〜7)に記載の反射防止膜。
【0027】
【化5】
Figure 2004191916
【0028】
一般式5中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、bは0または1を表す。Xは水素原子またはメチル基を表す。Bは任意のビニルモノマーの重合単位を表し、単一成分であっても複数の成分で構成されていても良い。s、t、uはそれぞれの構成成分のモル%を表し、20≦s≦60、5≦t≦80、0≦u≦75、s+t+u=100を満たす値を表す。
【0029】
10)電解質塩を含有することを特徴とする上記1)〜9)のいずれか1項に記載の反射防止膜。
【0030】
11)電解質塩がアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩であることを特徴とする上記10)に記載の反射防止膜。
【0031】
12)ポリオキシアルキレン鎖含有成分に含まれるオキシアルキレン単位(OCHCH)に対して、電解質塩の添加モル比が、0.1〜300モル%の範囲であることを特徴とする上記10)または11)に記載の反射防止膜。
【0032】
13)透明支持体上に上記1)〜12)に記載の反射防止膜を設置したことを特徴とする反射防止フィルム。
【0033】
14)上記13)に記載の反射防止フィルムを配置したことを特徴とする画像表示装置。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の反射防止膜は低屈折率層のみからなる単層構成でもよく、また、中・高・低屈折率層、ハードコート層などと積層した多層構成であってもよい。好ましくは多層構成の形態であり、特に好ましくは中・高・低屈折率層の3層以上の層を積層してなる形態である。この反射防止膜は、画像表示装置などに直接(その場で)形成し配置してもよいが、前もって反射防止フィルムを形成してから画像表示装置に配置することが好ましい。
【0035】
[反射防止膜の代表的層構成]
以下に本発明の反射防止膜の代表的な層構成を図1を参照して説明する。
図1は、本発明の反射防止膜を用いた反射防止フィルムの様々な層構成を示す断面模式図である。図1の(a)に示す態様は、透明支持体4、ハードコート層3、高屈折率層2、そして低屈折率層1の順序の層構成を有する。(a)のように、高屈折率層2と低屈折率層1とを有する反射防止膜では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、高屈折率層が下記式(I)、低屈折率層が下記式(II)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0036】
【数1】
Figure 2004191916
【0037】
式中、mは正の整数(一般に1、2または3)であり、nは高屈折率層の屈折率であり、そして、dは高屈折率層の層厚(nm)である。
【0038】
【数2】
Figure 2004191916
【0039】
式中、nは正の奇数(一般に1)であり、nは低屈折率層の屈折率であり、そして、dは低屈折率層の層厚(nm)である。
高屈折率層の屈折率nは、好ましくは透明支持体より少なくとも0.05高く、そして、低屈折率層の屈折率nは、好ましくは高屈折率層の屈折率より少なくとも0.1低くかつ透明支持体より少なくとも0.05低い。更に、高屈折率層の屈折率nは、好ましくは1.57〜2.40の範囲にある。
【0040】
図1の(b)に示す態様は、透明支持体4、ハードコート層3、中屈折率層5、高屈折率層2、そして低屈折率層1の順序の層構成を有する。(b)のように、中屈折率層5、高屈折率層2と低屈折率層1とを有する反射防止膜では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、中屈折率層が下記式(III)、高屈折率層が下記式(IV)、低屈折率層が下記式(V)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0041】
【数3】
Figure 2004191916
【0042】
式中、hは正の整数(一般に1、2または3)であり、nは中屈折率層の屈折率であり、そして、dは中屈折率層の層厚(nm)である。
【0043】
【数4】
Figure 2004191916
【0044】
式中、jは正の整数(一般に1、2または3)であり、nは高屈折率層の屈折率であり、そして、dは高屈折率層の層厚(nm)である。
【0045】
【数5】
Figure 2004191916
【0046】
式中、kは正の奇数(一般に1)であり、nは低屈折率層の屈折率であり、そして、dは低屈折率層の層厚(nm)である。
【0047】
中屈折率層の屈折率nは、一般に1.5〜1.7の範囲にあり、高屈折率層の屈折率nは、一般に1.7〜2.2の範囲にある。
【0048】
また、式(I)〜(V)中のλは可視光線の波長であり、380〜680nmの範囲の値である。ここで記載した高屈折率、中屈折率、低屈折率とは層相互の相対的な屈折率の高低をいう。例えば中屈折率層は高屈折率層に添加する高屈折率無機微粒子の含率をかえるなどの方法で作製される。
以上の層構成を有する反射防止膜に、本発明に従い改良された低屈折率層を用いる。
【0049】
[低屈折率層]
低屈折率層は図1の(a)(b)に示すごとく高屈折率層の上層に配置される。低屈折率層の上側が反射防止膜の表面である。
【0050】
本発明における低屈折率層は、含フッ素共重合体、及び含フッ素共重合体以外の成分としてポリオキシアルキレン鎖含有成分と−Si(R)(R)O−(RおよびRはアルキル基、ハロアルキル基またはアリール基を表わす)で表わされる繰り返し単位を有するポリシロキサン成分とを含有することが好ましい。上記ポリオキシアルキレン鎖含有成分およびポリシロキサン成分は、それぞれ異なる化合物であってもよく、又は同一化合物に含有されていても良い。
【0051】
低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.49であることが好ましく、1.20〜1.45であることがより好ましく、1.20〜1.44であることが特に好ましい。
低屈折率層の厚さは、50〜400nmであることが好ましく、50〜200nmであることがさらに好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
【0052】
本発明に用いられる含フッ素共重合体としては、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等)の他、含フッ素モノマー単位(例えば含フッ素ビニルモノマー、開環重合成性モノマー等)と架橋性基含有モノマー単位(例えばラジカル重合性基、カチオン重合性基、水酸基等を含有するビニルモノマー、開環重合性モノマー)よりなる共重合体が挙げられるが、好ましくは、含フッ素ビニルモノマー単位と架橋性ビニルモノマー単位よりなる共重合体である。
【0053】
含フッ素ビニルモノマーは重合したときにフッ素が主鎖の位置にあっても、側鎖の位置にあっても良いが、主鎖の部分にフッ素があることが好ましい。
含フッ素ビニルモノマーの例としてはフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(商品名 大阪有機化学製)やM−2020(商品名 ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。これらの含フッ素ビニルモノマーの組成比を上げれば屈折率を下げることができるが、皮膜強度は低下する。本発明では共重合体のフッ素含率が20〜60質量%となるように含フッ素ビニルモノマーを導入することが好ましく、より好ましくは25〜55質量%の場合であり、特に好ましくは40〜55質量%の場合である。
【0054】
本発明に用いられる共重合体は側鎖にラジカル重合性基(例えば、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基、ビニルオキシ基等)、またはカチオン重合性基(例えばエポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基等)を含有することが好ましく、より好ましくは、ラジカル重合性基であり、特に好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
【0055】
共重合体中へのこれらの重合性基の導入方法は特に制限されるものではないが、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の2種類の反応性の異なる重合性基を含有するモノマーをラジカル重合法あるいはイオン重合法等によって一方の重合性基のみ重合させる方法、あるいはあらかじめ水酸基等の反応性基含有共重合体を合成した後に高分子反応によって重合性基を導入する方法等が挙げられる。
【0056】
特に共重合体への(メタ)アクリロイル基の導入方法としては下記▲1▼〜▲6▼の手法が好ましい。▲1▼水酸基、アミノ基等の求核基を有するポリマーを合成した後に、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸とメタンスルホン酸の混合酸無水物等を作用させる方法、▲2▼上記求核基を有するポリマーに、硫酸等の触媒存在下、(メタ)アクリル酸を作用させる方法、▲3▼上記求核基を有するポリマーにメタクリロイルオキシプロピルイソシアネート等のイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物を作用させる方法、▲4▼エポキシ基を有するポリマーを合成した後に(メタ)アクリル酸を作用させる方法、▲5▼カルボキシル基を有するポリマーにグリシジルメタクリレート等のエポキシ基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物を作用させる方法、▲6▼3―クロロプロピオン酸エステル部位を有するビニルモノマーを重合させた後で脱塩化水素を行う方法。これらの中でも、特に水酸基を含有するポリマーに対して▲1▼または▲2▼の手法によって(メタ)アクリロイル基を導入することが好ましい。
【0057】
含フッ素ビニルモノマー重合単位の種類によっても異なるが、上記重合性基含有重合単位は共重合体の構成成分中、5〜80mol%を占めることが好ましく、10〜75mol%を占めることがより好ましく、20〜60mol%を占めることが特に好ましい。
【0058】
本発明に有用な共重合体では上記含フッ素ビニルモノマー重合単位およびラジカルまたはカチオン重合性基を有する重合単位以外に、基材への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性等種々の観点から適宜他のビニルモノマーを共重合することもできる。これらのビニルモノマーは目的に応じて複数を組み合わせてもよく、合計で共重合体中の0〜75mol%の範囲で導入されていることが好ましく、0〜40mol%の範囲であることがより好ましく、0〜30mol%の範囲であることが特に好ましい。
【0059】
併用可能なビニルモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2‐ヒドロキシエチル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等)、スチレン誘導体(スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−メトキシスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、不飽和カルボン酸類(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等)、アクリルアミド類(N,N−ジメチルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類(N,N‐ジメチルメタクリルアミド)、アクリロ二トリル等を挙げることができる。
【0060】
本発明に用いられる共重合体の好ましい形態として前記一般式5のものが挙げられる。一般式5中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、より好ましくは炭素数1〜6の連結基であり、特に好ましくは炭素数2〜4の連結基であり、直鎖であっても分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよく、O、N、Sから選ばれるヘテロ原子を有していても良い。
好ましい例としては、*−(CH−O−**,*−(CH−NH−**,*−(CH−O−**,*−(CH−O−**,
*−(CH−O−(CH)−O−**,*−CONH−(CH−O−**,*−CHCH(OH)CH−O−**,
*−CHCHOCONH(CH−O−**(*はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。)等が挙げられる。bは0または1を表わす。
【0061】
一般式5中、Xは水素原子またはメチル基を表す。硬化反応性の観点から、より好ましくは水素原子である。
【0062】
一般式5中、Bは任意のビニルモノマーの重合単位を表わし、ヘキサフルオロプロピレンと共重合可能な単量体の構成成分であれば特に制限はなく、基材への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜選択することができ、目的に応じて単一あるいは複数のビニルモノマーによって構成されていても良い。
【0063】
好ましい例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリレート類、スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン等のスチレン誘導体、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸およびその誘導体等を例として挙げることができるが、好ましくはビニルエーテル誘導体、ビニルエステル誘導体であり、特に好ましくはビニルエーテル誘導体である。
【0064】
s、t、uはそれぞれの構成成分のモル%を表わし、20≦s≦60、5≦t≦80、0≦u≦75を満たす値を表す。好ましくは、25≦s≦55、10≦t≦75、0≦u≦40の場合であり、特に好ましくは40≦s≦55、20≦t≦60、0≦u≦30の場合である。
【0065】
一般式5で表わされる共重合体は、例えばヘキサフルオロプロピレン成分とヒドロキシアルキルビニルエーテル成分とを含んでなる共重合体に前記のいずれかの手法により(メタ)アクリロイル基を導入することにより合成できる。
【0066】
以下に本発明で有用な含フッ素共重合体の好ましい例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の例示化合物において、各単位の添字は単位の数を示す。
【0067】
【化6】
Figure 2004191916
【0068】
【化7】
Figure 2004191916
【0069】
【化8】
Figure 2004191916
【0070】
【化9】
Figure 2004191916
【0071】
【化10】
Figure 2004191916
【0072】
【化11】
Figure 2004191916
【0073】
上記含フッ素共重合体は低屈折率層皮膜の全固形分の50%以上100%未満の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは70質量%以上99%未満の範囲であり、特に好ましくは80質量%以上95質量%未満の場合である。
【0074】
本発明に用いられる上記共重合体は、種々の重合方法、例えば溶液重合、懸濁重合、知沈殿重合、塊状重合、乳化重合等によって合成することができる。あるいはこれらの手法によって水酸基含有重合体等の前駆体を合成した後、前記高分子反応によって(メタ)アクリロイル基等を導入することにより合成することができる。重合反応は回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で行なうことができる。
【0075】
重合の開始方法はラジカル開始剤を用いる方法、光または放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されている。
【0076】
上記重合方法のうち、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いられる溶剤は、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールのような種々の有機溶剤の単独あるいは2種以上の混合物でも良いし、水との混合溶媒としても良い。
【0077】
重合温度は生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要があり0℃以下から100℃以上まで可能であるが、50〜100℃の範囲で重合を行なうことが好ましい。
【0078】
反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は、1〜100kg/cm、特に、1〜30kg/cm程度が望ましい。反応時間は、5〜30時間程度である。
【0079】
得られたポリマーの再沈殿溶媒としては、イソプロパノール、ヘキサン、メタノール等が好ましい。
【0080】
次に本発明に用いられるポリオキシアルキレン鎖含有成分について説明する。ポリオキシアルキレン鎖中のアルキレン鎖は炭素数2〜5であることが好ましく、分岐構造であっても良い。好ましくはポリオキシエチレン鎖またはポリオキシプロピレン鎖であり、特に好ましくはポリオキシエチレン鎖である。2種類以上のポリオキシアルキレン鎖(例えばポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖)を含んでいても良い。
ポリオキシエチレン鎖を有する化合物は、保水性上昇の効果やイオン性物質の取り込み、例えば、けん化時のNaイオンの取り込み等により導電性が向上することより、この成分を有することで帯電防止効果が発現すると思われる。
オキシアルキレンユニットの数は2〜10000であることが好ましく、より好ましくは3〜100であり、特に好ましくは5〜50である。
【0081】
これらの成分は低屈折率層皮膜に固定化できるように架橋反応性基を含有していることが好ましく、含フッ素共重合体が有する架橋反応性基と結合を形成しうる基を有していることが好ましい。好ましい架橋反応性基の例としては含フッ素共重合体の架橋基の例として前記したものが挙げられる。
【0082】
具体的な化合物の例としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステル(繰り返し単位数、n=6,9,13,23等)、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル(繰り返し単位数、n=6,9,13,23等)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステル(繰り返し単位数、n=5,10,20,100等)等、側鎖にポリエチレングリコール鎖を有するグラフト共重合体(例えばPE−300、同PE−600(以上商品名、第一工業製薬(株)社製)等のマクロマーを重合させることによって得られる)または主鎖にポリエチレングリコール鎖を有するブロック共重合体(例えばVPE−0201、同0401(以上商品名、和光純薬工業(株)社製)等の高分子アゾ開始剤によってビニルモノマーを重合させることにより得られる)が挙げられるが、好ましくは、後述するポリシロキサンの側鎖としてポリオキシエチレン鎖が導入された形態またはポリシロキサン含有ビニルモノマーとポリオキシエチレン鎖含有ビニルモノマーの共重合体であり(一般式1および3として後述のもの)、さらに該ポリオキシエチレン鎖の末端が(メタ)アクリロイル基等の架橋反応性基によって修飾されたものが特に好ましい(一般式2および4として後述のもの)。ポリオキシエチレン鎖末端への架橋反応性基の導入は、水酸基末端の化合物に対して、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等を作用させるといった常法に従って行うことができる。
【0083】
これらのポリオキシアルキレン鎖含有成分の使用量(例えば添加量)はポリオキシアルキレン鎖部位が低屈折率層全固形分に対して、0.1〜20質量%の範囲になるようにすることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲であり、特に好ましくは1〜5質量%の範囲である。
【0084】
ポリオキシエチレン鎖を有する化合物は、保水性上昇の効果やイオン性物質の取り込み効果(例えば、けん化時のNaイオンの取り込み等)により導電性が向上し帯電防止効果を発現すると思われる。特に皮膜中に電解質塩を添加することでより効果的に帯電防止機能を発現できる。
【0085】
電解質塩としては、特に制限はないが、陽イオンがアルカリ金属イオン(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属イオン(例えばマグネシウム、カルシウム、バリウム等)、アンモニウムイオン(例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム等)、ホスホニウムイオン(例えばテトラメチルホスホニウム、トリメチルエチルホスホニウム、ジメチルジエチルホスホニウム等)、またはアミジニウムイオン(例えば1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロイミダゾリウム等)であるものが好ましく、より好ましくはアルカリ金属イオンであり、特に好ましくはリチウムイオンが挙げられる。
陰イオンとしては、ハロゲン化物イオン(例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、よう化物イオン等)、カルボキシレート(例えば酢酸、酪酸、安息香酸、しゅう酸、こはく酸、フタル酸、アクリル酸等のアニオン)、スルホネート(例えばトルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、メタンスルホネート等のアニオン)、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられるが特に好ましくはよう化物イオンまたは過塩素酸イオンである。
電解質塩の具体例として、例えば過塩素酸リチウム、ヨウ化リチウム、酢酸リチウム、トルエンスルホン酸リチウム、チオシアン酸リチウム、ホウフッ化リチウム、過塩素酸ナトリウム、ヨウ化バリウム、よう化テトラエチルアンモニウム、よう化テトラメチルホスホニウム、フタル酸モノ1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム等の無水塩あるいは含水塩が挙げられる。これらの電解質は単独で用いても、複数を混合して用いても良い。
【0086】
上記電解質塩は低屈折率層塗布液中に添加して、皮膜形成時から取り込ませるのが一般的であるが、けん化液等に上記電解質塩を溶解させ、反射防止膜を浸すことによって、反射防止膜形成後に取り込ませることもできる。
【0087】
電解質塩の添加量は、ポリオキシアルキレン鎖含有成分に含まれるオキシアルキレン単位(OCHCH)に対して、0.1〜300モル%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.5〜100モル%の場合であり、特に好ましくは、1〜50モル%の場合である。
【0088】
次に本発明に用いられるポリシロキサン成分について説明する。
該ポリシロキサンは−Si(R)(R)O−で表される繰り返し単位を有すればよく、RおよびRはアルキル基(炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、ヘキシル基等)、ハロアルキル基(炭素数1〜10のフッ素化アルキル基が好ましい。例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等)またはアリール基(炭素数6〜20が好ましい。例えばフェニル基、ナフチル基等)を表わし、好ましくはメチル基、トリフルオロメチル基、またはフェニル基であり、特に好ましくはメチル基である。
上記の繰り返し単位数は、10〜1000の範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜500の範囲であり、特に好ましくは30〜200の範囲である。
上記繰り返し単位は単一であっても複数により構成されていても良い。
【0089】
該ポリシロキサン構造は少なくとも分子の一部を構成していれば良く、上記ポリシロキサン構造がポリマーの側鎖に導入されたグラフト共重合体であっても、ポリマーの主鎖に導入されたブロック共重合体であっても良い。
グラフト共重合体は片末端(メタ)アクリロイル基含有ポリシロキサンマクロマー(例えばサイラプレーン0721、同0725(以上商品名、チッソ(株)社製)、AK−5、AK−30、AK−32(以上商品名、東亜合成(株)社製)等)を必要に応じて他の(メタ)アクリレートモノマー等と共重合させる等の手法によって得ることができ、ブロック共重合体はVPS―1001、VPS−0501(以上商品名、和光純薬(株)社製)等の高分子アゾ開始剤を用いてビニルモノマーを重合させることにより得ることができる。
【0090】
本発明に用いられるポリシロキサン成分は前記ポリオキシアルキレン鎖含有成分を分子内に併せ持っていることが好ましく、前記一般式1または一般式3で表される化合物がより好ましい。
【0091】
一般式1において、RおよびRはポリシロキサン構造の説明で前記した通りである。
はポリオキシアルキレン鎖含有重合単位を表す。該ポリオキシアルキレン鎖中のオキシアルキレン単位は炭素数2〜5であることが好ましく、分岐構造であっても良い。好ましくはポリオキシエチレン鎖またはポリオキシプロピレン鎖であり、特に好ましくはポリオキシエチレン鎖である。2種類以上のオキシアルキレン単位(例えばオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位)を含んでいても良い。
オキシアルキレンユニットの数は2〜10000であることが好ましく、より好ましくは3〜100であり、特に好ましくは5〜50である。
【0092】
該ポリオキシアルキレン鎖含重合単位は前記ポリオキシアルキレン鎖含有ビニルモノマー由来の重合単位であっても良いが、珪素原子の側鎖にポリオキシアルキレン鎖が導入されたシロキサン単位であることが好ましい。このような側鎖は、水素原子を有するシロキサン単位に対して、2重結合を有するポリオキシアルキレン基含有化合物を、塩化白金酸等の触媒の存在下作用させる等の手法で導入することができる。
【0093】
は任意の重合単位を表し単一成分でも複数の成分でも良い。
x、y、zはそれぞれの重合単位のモル%を表し、0<x、y<100、0≦z<100を満たす値を表し、好ましくは、10≦x≦95、5≦y≦90、0≦z≦50を満たす値であり、特に好ましくは30≦x≦70、30≦y≦70、0≦z≦30を満たす値である。
一般式1の共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であっても良い。
【0094】
一般式3において、RおよびRは一般式1と同じ意味を表わす。
は炭素数1〜10の連結鎖を表し、好ましくは炭素数2〜5の連結基であり特に好ましくは炭素数2または3の連結基である。Rは水素原子または炭素数1〜10の置換基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜5の置換基を表し、特に好ましくは水素原子、トリメチルシリル基および炭素数1〜5のアルキル基である。
aは10〜1000の整数を表し、好ましくは20〜500の整数であり、特に好ましくは50〜200の整数である。w3は0または1を表す。XおよびXはメチル基または水素原子を表す。Yはポリオキシアルキレン鎖含有重合単位を表し、好ましくはポリオキシエチレン鎖またはポリオキシプロピレン鎖であり、特に好ましくはポリオキシエチレン鎖である。ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレン等、複数のポリオキシアルキレン鎖を含有していても良い。Yに含まれるオキシアルキレンユニットの繰り返し数は2〜1000の範囲が好ましく、より好ましくは3〜100の範囲であり、特に好ましくは4〜20の範囲である。
は任意の重合単位を表し単一成分でも複数の成分でも良い。
p,q,rはそれぞれの重合単位のモル%を表し、0<p,q<100、0≦r<100を満たす値を表し、好ましくは、10≦p≦95、5≦q≦90、 0≦r≦50を満たす値であり、特に好ましくは30≦p≦70、30≦q≦70、 0≦r≦30を満たす値である。
一般式3の共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であっても良い。
【0095】
ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に含有するポリシロキサンとして、市販のものではKF―351〜355、同615、同618、同945、同6004、同6011、同6015(以上商品名、信越シリコーン(株)社製)、SH3746M、3771〜3773M、3775M(以上商品名、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)社製)等を挙げることができる。
【0096】
本発明に用いられるポリシロキサン誘導体は、低屈折率層皮膜に固定化できるように架橋反応性基を含有していることが好ましく、含フッ素共重合体が有する架橋反応性基と結合を形成しうる基を有していることが耐久性の点から好ましい。好ましい架橋反応性基の例としては含フッ素共重合体の架橋基の例として前記したものが挙げられる。
【0097】
架橋基を有するポリシロキサンとして市販のものでは、KF−100T,X−22−169AS,KF−102,X−22−3701IE,X−22−164B,X−22−164C,X−22−5002,X−22−173B,X−22−174D,X−22−167B,X−22−161AS(以上商品名、信越化学工業社製)、AK−5,AK−30,AK−32(以上商品名、東亜合成社製)、サイラプレーンFM0275,サイラプレーンFM0721(以上チッソ社製)等を挙げることができ本発明において有用であるが、本発明で特に好ましい形態は一般式2または4で表される構造である。
【0098】
一般式2において、R、R、Z、x、y、zは上記一般式1と同じ意味を表す。
はRおよびRと同じ意味を表す。
およびLは連結鎖を表す。Lは酸素原子または炭素数1〜10の連結鎖であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜5の連結鎖である。Lは炭素数2〜100の連結鎖であることが好ましく、より好ましくは炭素数2〜20の連結鎖である。
w1およびw2は0または1を表す。mは2〜1000の整数を表し、好ましくは3〜100の整数であり、特に好ましくは4〜20の整数である。
Aはラジカル反応性基を表し、例としては含フッ素ポリマーの架橋反応性基で説明したものが挙げられる。一般式2の共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であっても良い。
【0099】
一般式4においてX、X、Z、R、R、R、a、w3、p、q、rは一般式3と同じ意味を表す。Aは一般式2と同じ意味を表す。
およびLは連結鎖を表す。Lは炭素数1〜10の連結鎖であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜5の連結鎖である。Lは炭素数2〜100の連結鎖であることが好ましく、より好ましくは炭素数2〜20の連結鎖である。
nは2〜1000の整数を表し、好ましくは3〜100の整数であり、特に好ましくは4〜20の整数である。w4およびw5は0または1を表す。
一般式4の共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であっても良い。
【0100】
上記架橋基はポリオキシアルキレン鎖を有する前駆体を用いて前述の手法で導入することができる。以下に本発明に特に有用なポリシロキサン含有化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の例示化合物において、各単位の添え字は、単位の数を表わす。
【0101】
【化12】
Figure 2004191916
【0102】
【化13】
Figure 2004191916
【0103】
【化14】
Figure 2004191916
【0104】
【化15】
Figure 2004191916
【0105】
【化16】
Figure 2004191916
【0106】
上記ポリシロキサン成分は低屈折率中に、ポリシロキサン部位が0.1〜10質量%となる範囲で使用(例えば添加)することが好ましく、より好ましくは0.5〜7質量%の範囲であり、特に好ましくは1〜5質量%の場合である。
【0107】
ポリシロキサン構造とポリオキシアルキレン構造を併せ持つ化合物を用いる(例えば添加)する場合には、一方の構造のみを有する化合物を同時に用いて防汚性・防塵性を調節することもできるが、必ずしも併用する必要はない。
【0108】
本発明に用いられる低屈折率層形成組成物は、通常、液の形態をとり前記含フッ素共重合体、ポリオキシアルキレン鎖含有成分、ポリシロキサン成分を必須の構成成分とし、必要に応じて各種添加剤および重合開始剤を適当な溶剤に溶解して作製される。この際固形分の濃度は、用途に応じて適宜選択されるが一般的には0.01〜60質量%程度であり、好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1%〜20質量%程度である。
【0109】
また本発明の反射防止膜における低屈折率層には多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、アミノプラスト、多塩基酸またはその無水物等の硬化剤を少量添加することもできる。これらを添加する場合には低屈折率層皮膜の全固形分に対して0〜30質量%の範囲であることが好ましく、0〜20質量%の範囲であることがより好ましく、0〜10質量%の範囲であることが特に好ましい。
【0110】
重合開始剤は、硬化反応性基の種類に併せて適宜選択される。
例えば含フッ素共重合体がラジカル重合可能な不飽和2重結合(アクリロイル基、メタクリロイル基等)を有する場合にはラジカル重合開始剤を添加することが好ましい。
【0111】
ラジカル重合開始剤としては熱の作用によりラジカルを発生するもの、あるいは光の作用によりラジカルを発生するもののいずれの形態も可能である。
【0112】
熱の作用によりラジカル重合を開始する化合物としては、有機あるいは無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2−アゾービスーイソブチロニトリル、2−アゾービスープロピオニトリル、2−アゾ−ビスーシクロヘキサンジニトリル等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等を挙げることができる。
【0113】
光の作用によりラジカル重合を開始する化合物を使用する場合は、活性エネルギー線の照射によって皮膜の硬化が行われる。
このような光ラジカル重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。これらの光ラジカル重合開始剤と併用して増感色素も好ましく用いることができる。
【0114】
熱または光の作用によってラジカル重合を開始する化合物の添加量としては、炭素−炭素二重結合の重合を開始できる量であれば良いが、一般的には低屈折率層形成組成物中の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%であり、特に好ましくは2〜5質量%の場合である。
【0115】
ポリマーの架橋反応性部位がカチオン重合可能な基(エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等)を有する場合、光で酸触媒を発生する重合開始剤を添加することが好ましい。
【0116】
光の作用により酸を発生する化合物としては、例えば有機エレクトロニクス材料研究会(ぶんしん出版)編「イメージング用有機材料」p187〜198、特開平10−282644号等に種々の例が記載されておりこれら公知の化合物を使用することができる。具体的には、RSO (Rはアルキル基、アリール基を表す)、AsF 、SbF 、PF 、BF 等をカウンターイオンとするジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等の各種オニウム塩、トリハロメチル基が置換したオキサジアゾール誘導体やS−トリアジン誘導体等の有機ハロゲン化物、有機酸のo−ニトロベンジルエステル、ベンゾインエステル、イミノエステル、ジスルホン化合物等が挙げられ、好ましくは、オニウム塩類、特に好ましくはスルホニウム塩、ヨードニウム塩類である。
【0117】
上記の光の作用により酸を発生する化合物と併用して増感色素も好ましく用いることができる。本発明において光の作用によって硬化反応を促進する化合物の添加量としては、低屈折率層形成組成物中の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%であり、特に好ましくは2〜5質量%である。
【0118】
低屈折率層塗布液組成物に含まれる溶剤としては、含フッ素共重合体を含む組成物が沈殿を生じることなく、均一に溶解または分散されるものであれば特に制限はなく2種類以上の溶剤を併用することもできる。好ましい例としては、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、水などを挙げることができる。
【0119】
その他低屈折率層形成組成物にはシリカ等の微粒子、各種シランカップリング剤またはその加水分解部分縮合物、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を必要に応じて適宜添加しても良い。
【0120】
[高・中屈折率層]
本発明の反射防止膜が、多層膜の態様をとる場合、一般に、低屈折率層は、低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、前記の高屈折率層、中屈折率層)と共に用いられる。
【0121】
上記低屈折率層より高い屈折率を有する層を形成するための有機材料としては、熱可塑性皮膜(例、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン以外の芳香環、複素環、脂環式環状基を有するポリマー、またはフッ素以外のハロゲン基を有するポリマー);熱皮膜形成用組成物(例、メラミン皮膜、フェノール皮膜、またはエポキシ皮膜などを硬化剤とする皮膜組成物);ウレタン形成性組成物(例、脂環式または芳香族イソシアネートおよびポリオールの組み合わせ);およびラジカル重合性組成物(上記の化合物(ポリマー等)に二重結合を導入することにより、ラジカル硬化を可能にした変性皮膜またはプレポリマーを含む組成物)などを挙げることができる。高い皮膜形成性を有する材料が好ましい。上記より高い屈折率を有する層は、有機材料中に分散した無機系微粒子も使用することができる。上記に使用される有機材料としては、一般に無機系微粒子が高屈折率を有するため有機材料単独で用いられる場合よりも低屈折率のものも用いることができる。そのような材料として、上記に述べた有機材料の他、アクリル系を含むビニル系共重合体、ポリエステル、アルキド皮膜、繊維素系重合体、ウレタン皮膜およびこれらを硬化せしめる各種の硬化剤、硬化性官能基を有する組成物など、透明性があり無機系微粒子を安定に分散せしめる各種の有機材料を挙げることができる。
【0122】
さらに有機置換されたケイ素系化合物をこれに含めることができる。これらのケイ素系化合物は下記一般式で表される化合物、あるいはその加水分解生成物である。
:R SiZ(4−m−n)(ここでR及びRは、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリル基、またはハロゲン、エポキシ、アミノ、メルカプト、メタクリロイルまたはシアノで置換された炭化水素基を表し、Zは、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基、ハロゲン原子〜アシルオキシ基から選ばれた加水分解可能な基を表し、m+nは1または2であり、かつm及びnはそれぞれ0、1または2である。)
【0123】
これらに分散される無機系微粒子の好ましい無機化合物としては、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンなどの金属元素の酸化物を挙げることができる。これらの化合物は、微粒子状で、即ち粉末または水および/またはその他の溶媒中へのコロイド状分散体として、市販されている。これらをさらに上記の有機材料または有機ケイ素化合物中に混合分散して使用する。
【0124】
上記より高い屈折率を有する層を形成する材料として、被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自身が液状である無機系材料(例、各種元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物(例、キレート化合物)、無機ポリマー)を挙げることができる。これらの好適な例としては、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−sec −ブトキシド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−sec −ブトキシド及びジルコニウムテトラ−tert−ブトキシドなどの金属アルコレート化合物;ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ジブトキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ジエトキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ビス(アセチルアセトンジルコニウム)、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセテート及びトリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセテートなどのキレート化合物;さらには炭素ジルコニルアンモニウムあるいはジルコニウムを主成分とする無機ポリマーなどを挙げることができる。上記に述べた他に、屈折率が比較的低いが上記の化合物と併用できるものとしてとくに各種のアルキルシリケート類もしくはその加水分解物、微粒子状シリカとくにコロイド状に分散したシリカゲルも使用することができる。
【0125】
高屈折率層の屈折率は、一般に1.70〜2.20である。屈折率は、アッベ屈折率計を用いる測定や、層表面からの光の反射率からの見積もりにより求めることができる。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmあることが好ましく、10nm〜1μmあることがさらに好ましく、30nm〜0.5μmあることが最も好ましい。高屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な高屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
【0126】
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
高屈折率層に無機微粒子とポリマーを用い、中屈折率層は、高屈折率層よりも屈折率を低めに調節して形成することが特に好ましい。中屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましい。
【0127】
[その他の層]
反射防止膜には、さらに、ハードコート層、防湿層、帯電防止層、下塗り層や保護層を設けてもよい。ハードコート層は、透明支持体に耐傷性を付与するために設ける。ハードコート層は、透明支持体とその上の層との接着を強化する機能も有する。ハードコート層は、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコン系ポリマーやシリカ系化合物を用いて形成することができる。顔料をハードコート層に添加してよい。アクリル系ポリマーは、多官能アクリレートモノマー(例、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート)の重合反応により合成することが好ましい。ウレタン系ポリマーの例には、メラミンポリウレタンが含まれる。シリコン系ポリマーとしては、シラン化合物(例、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン)と反応性基(例、エポキシ、メタクリル)を有するシランカップリング剤との共加水分解物が好ましく用いられる。二種類以上のポリマーを組み合わせて用いてもよい。シリカ系化合物としては、コロイダルシリカが好ましく用いられる。ハードコート層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上である好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。透明支持体の上には、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層を設けてもよい。シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
【0128】
[透明支持体]
反射防止膜をCRT画像表示面やレンズ表面に直接設ける場合を除き、反射防止膜は透明支持体上に形成し、反射防止フィルムとして用いてもよい。透明支持体としては、ガラス板よりもプラスチックフイルムの方が好ましい。プラスチックフイルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましい。透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。透明支持体の膜厚は50〜200μmであることが好ましい。
透明支持体には、赤外線吸収剤あるいは紫外線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、透明支持体の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、SiO、TiO、BaSO、CaCO、タルクおよびカオリンが含まれる。透明支持体に、表面処理を実施してもよい。
表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれる。グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理と紫外線処理がさらに好ましい。
【0129】
[反射防止膜の形成]
反射防止膜が、単層又は前記のように多層の構成をとる場合は、各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書記載)により、塗布により形成することができる。二層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
【0130】
本発明の反射防止膜の各層の硬化は電離放射線または/および熱の作用によって行われる。電離放射線の照射は、高圧水銀ランプを用いて行うことが好ましい。この際、酸素濃度0.5%以下の条件で紫外線照射を行うことが好ましく、より好ましくは酸素濃度0.3%以下の条件であり、特に好ましくは0.2%以下の条件である。照射エネルギーは300mJ/cm〜1500mJ/cmの範囲であることが好ましく、より好ましくは400mJ/cm〜1000mJ/cmの範囲であり、特に好ましくは500mJ/cm〜800mJ/cmの範囲である。
【0131】
加熱を行う場合には30〜200℃程度の温度範囲が好ましく、より好ましくは80〜180℃であり、特に好ましくは100〜150℃の場合である。加熱時間は30秒〜100時間の範囲が好ましく、より好ましくは1分〜1時間であり、特に好ましくは2分〜15分である。
【0132】
本発明の反射防止膜表面の帯電しやすさは、垂直剥離帯電試験により、測定できる。測定サンプルはあらかじめ測定温度湿度の環境下で2時間以上放置しておく。測定装置は、測定サンプルを置く台と相手のフィルムを保持して、測定サンプルに上から圧着と剥離を繰り返すヘッドからなり、このヘッドに帯電量を測定するエレクトロメーターがつながっている。測定する反射防止フィルムを台に乗せ、ヘッドにポリエチレンテレフタレートを装着する。測定部分を除電したのち、ヘッドを測定サンプルに圧着させ剥離させることを繰り返し、1回目の剥離時と5回目の剥離時の帯電の値を読み、1回目と5回目の剥離帯電値の差が±100pC/cmである場合に、5回目の帯電の値を垂直剥離帯電とする。
【0133】
本発明の反射防止フィルムは、ポリエチレンテレフタレートに対して常温常湿(23〜26℃、50〜70%RH)で測定した垂直剥離帯電が±200pC(ピコクーロン)/cm以内であることが好ましい。より好ましくは±150pC/cm以内であり、さらに好ましくは±100pC/cm以内である。垂直剥離帯電値は、相手フィルムや測定サンプルの種類によってプラスに帯電する場合と、マイナスに帯電する場合があるが、問題となるのは絶対値の大きさである。また、一般的に低湿下の方が帯電の絶対値は大きくなる。本発明では、この値が小さいことが望ましい。特にPDP、CRTのように帯電しやすい表示装置に用いる場合には垂直剥離帯電が±100pC/cm以内であることが好ましい。また、本発明において、発生した電荷の除去のために、反射防止層を付与したフイルムの表面抵抗値を下げることも好ましい。好ましい表面抵抗値は、1012Ω/sq以下であり、より好ましくは1010Ω/sq以下であり、さらに好ましくは、10Ω/sqである。表面抵抗は、四探針法により測定することができる。
【0134】
反射防止膜の反射率は低いほど好ましい。具体的には450〜650nmの波長領域での鏡面平均反射率が2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.7%以下であることが最も好ましい。反射防止膜(下記のアンチグレア機能がない場合)のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.5%以下であることが最も好ましい。反射防止膜の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。反射防止膜は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反射防止膜の表面に凹凸を形成することにより得られる。微粒子を使用した低屈折率層では、微粒子により反射防止膜の表面に凹凸が形成できる。微粒子により得られるアンチグレア機能では不充分な場合は、低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層あるいはハードコート層に比較的大きな粒子(粒径:50nm〜200nmを少量(0.1〜50質量%)添加してもよい。反射防止膜がアンチグレア機能を有する場合、反射防止膜のヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
反射防止膜は、偏光板や、ディスプレイ装置、例えば液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用する。反射防止膜は、高屈折率層が画像表示装置の画像表示面側になるように配置する。反射防止膜が透明支持体上に設けられ、反射防止フィルムとして用いられる場合は、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着する。反射防止膜は、さらに、ケースカバー、光学用レンズ、眼鏡用レンズ、ウインドウシールド、ライトカバーやヘルメットシールドにも利用できる。
【0135】
【実施例】
以下に実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0136】
<合成例>
【0137】
含フッ素共重合体(P−1)の合成
内容量100mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブに酢酸エチル40ml、ヒドロキシエチルビニルエーテル14.7gおよび過酸化ジラウロイル0.55gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)25gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は5.4kg/cmであった。該温度を保持し8時間反応を続け、圧力が3.2kg/cmに達した時点で加熱をやめ放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。さらにこのポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後ヘキサフルオロプロピレンとヒドロキシエチルビニルエーテルの1:1の共重合体の28gを得た。得られたポリマーの屈折率は1.406であった。次に該ポリマーの20gをN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解、氷冷下アクリル酸クロライド11.4gを滴下した後、室温で10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え水洗、有機層を抽出後濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させることにより含フッ素共重合体(P−1)を19g得た。得られたポリマーの数平均分子量は3.1万であり、屈折率は1.421であった。
【0138】
S−(18)の合成
側鎖ポリエチレンオキシ鎖および末端水酸基含有ポリシロキサンS−(16)の2gをメチルエチルケトンエチルケトンの5gに溶解しメタクリロイルオキシエチルイソシアネートの0.39gおよびジブチル錫ジラウレートの14.5mgを添加し、室温で1日攪拌することにより例示化合物S−18を得た。赤外線スペクトル分析によりに原料のイソシアネート基が反応してウレタン結合を生成していることを確認した。
【0139】
[実施例1]反射防止フィルムの評価
下記表1に示す各成分を混合し、メチルイソブチルケトンに溶解した後、孔径1μmポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
また表中、PE−600は第一工業製薬(株)社製両末端アクリロイル基含有ポリエチレンオキシドPE−600(商品名)を表し、ポリシロキサン成分は含まない。X−22−164B、およびは信越シリコーン(株)社製両末端メタクリロイル基含有ポリジメチルシロキサンを表し、ポリオキシアルキレン鎖は含まない。
IRG907はチバガイギー(株)社製光ラジカル重合開始剤イルガキュア907(商品名)を表す。UVI6990はユニオンカーバイド日本(株)社製光カチオン重合開始剤UVI6990(商品名)を表す。( )内は各成分の固形分の質量部を表わす。
【0140】
【表1】
Figure 2004191916
【0141】
第一層(ハードコート層)用塗布液の調製
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA(商品名)、日本化薬(株)製)125gおよびウレタンアクリレートオリゴマー(UV−6300B(商品名)、日本合成化学工業(株)製)125gを、439gの工業用変性エタノールに溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバ−ガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュア−DETX(商品名)、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を撹拌した後、1ミクロンメッシュのフィルターでろ過してハードコート層の塗布液を調整した。
【0142】
二酸化チタン分散物の調製
コア/シェル構造の二酸化チタン微粒子(TTO−55B(商品名)、石原産業(株)製)30質量部、アニオン性ジアクリレートモノマー(PM21(商品名)、日本化薬(株)製)4.5質量部、カチオン性メタクリレートモノマー(DMAEA(商品名)、興人(株)製)0.3質量部およびメチルエチルケトン65.2質量部を、サンドグラインダーにより分散し、二酸化チタン分散物を調整した。
【0143】
第二層(中屈折率層)塗布液の調製
シクロヘキサノン151.9gおよびメチルエチルケトン37.0gに、光重合開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバ−ガイギー社製)0.14gおよび光増感剤(カヤキュア−DETX(商品名)、日本化薬(株)製)0.04gを溶解した。さらに上記二酸化チタン分散物6.1gおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)2.4gを加え、室温で30分間撹拌した後、1ミクロンのメッシュのフィルターでろ過して、中屈折率層用塗布液を調整した。
【0144】
第三層(高屈折率層)塗布液の調製
シクロヘキサノン152.8gおよびメチルエチルケトン37.2gに、光重合開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバ−ガイギー社製)0.06gおよび光増感剤(カヤキュア−DETX(商品名)、日本化薬(株)製)0.02gを溶解した。さらに、二酸化チタン分散物13.13gおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA(商品名)、日本化薬(株)製)0.76gを加え、室温で30分間撹拌した後、1ミクロンのメッシュのフィルターでろ過して、高屈折率層用塗布液を調整した。
【0145】
反射防止フィルムの作成
80ミクロンの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U(商品名)、富士写真フイルム(株)製)に、ゼラチン下塗り層を設け、ゼラチン下塗り層の上に、上記のハードコート層の塗布液を、バーコータを用いて塗布し、120℃で乾燥した。次に窒素雰囲気下酸素濃度0.1%にして、500mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して、塗布層を硬化させ、厚さ7.5μmのハードコート層を形成した。
続いて、上記中屈折率層用の塗布液をハードコート層の上にバーコータを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、窒素雰囲気下紫外線を照射して塗布層を硬化させ、中屈折率層(屈折率:1.72、厚さ:81nm)を形成した。続いて、中屈折率層の上に上記高屈折率層用塗布液をバーコータを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、窒素雰囲気下酸素濃度0.1%にして、500mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して塗布層を硬化させ、高屈折率層(屈折率:1.92、厚さ:53nm)を形成した。さらに、上記表1に示した低屈折率層用塗布液(本発明Ln1〜Ln16および比較例Ln17〜21)を高屈折率層上にバーコータを用いて厚さ85nmとなる様に塗布し、窒素雰囲気下酸素濃度0.1%にして、750mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して、低屈折率層を形成した。
【0146】
けん化処理サンプルの作成
偏光板への貼り付け適性を付与するために上記サンプルに対して以下のけん化処理を行った。
1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、50℃に保温した。作製した反射防止フィルム(本発明Ln1〜Ln24および比較例Ln25〜31)を上記の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬した後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、0.01Nの希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。さらに反射防止フィルムを100℃で十分に乾燥させけん化処理サンプルを作成した。下記実施例ではけん化処理サンプルにはKの文字を標記する。
【0147】
塗設フィルムの性能評価
こうして得られた第1〜4層を塗設したフィルム(本発明実施例1〜24、1K〜24K、比較例25〜31、25K〜31K)について、下記性能評価を実施した。
【0148】
(1)平均反射率
分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの鏡面平均反射率を用いた。
【0149】
(2)鉛筆硬度評価
反射防止フィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS
K 5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。
【0150】
(3)耐傷性試験
膜表面をスチールウール#0000を用いて、200gの荷重下で10回擦った後に、傷のつくレベルを確認した。判定は次の基準に従った。
全く傷がつかない :◎
わずかに傷がつく :○
細かい傷が目立つ :△
傷が著しい :×
【0151】
(4)低屈折率層の屈折率
低屈折率層組成物の濃厚溶液から厚さ約10μmの硬化皮膜を作成し、硬化皮膜の屈折率を20℃の温度でアッベ屈折計(アタゴ(株)製)にて測定した。
【0152】
(5)垂直剥離帯電量測定
垂直剥離帯電試験は、本文中に記載の方法にて実施した。相手フィルムとしてはポリエチレンテレフタレートを用い、25℃55%RHの条件で測定した。測定値は5回目の剥離時の帯電の値を読んだ。
【0153】
(6) ゴミ付着性
測定フィルムをガラス板にはり、除電した後、トレシー(商品名、東レ(株)社製)を用いて往復10回擦る。ここに微細なティッシュペーパーの粉を擬似ゴミとし、フィルム全体にかけた後にフィルムを立て、以下のように評価した。
◎:擬似ゴミがほとんど全て落下する
○:擬似ゴミが80%以上落下する
△:擬似ゴミが50%以上落下する
×:擬似ゴミが50%以上フィルム表面に残存する。
このゴミ付着性の試験は、サンプル調製直後と、サンプル塗布後にロールで、反射防止層塗布面とその反対の面が接触した状態で2週間経時させたサンプルで実施した。
【0154】
(7)指紋付着性評価
反射防止膜を温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、サンプル表面に指紋を付着させてから、それをベンコットン(商品名、旭化成(株)製)で拭き取ったときの状態を観察して、以下のように指紋付着性を評価した。
◎:簡単に指紋が拭き取れる
〇:普通にふいて指紋が拭き取れる
△:しっかり擦れば指紋が拭き取れる
×:指紋が拭き取れずに残る
【0155】
(8)マジックインク付着性評価
反射防止膜を温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、サンプル表面にマジックインク(マッキ−極細(商品名;ZEBRA(株)社製))を付着させてから、それをベンコットン(旭化成(株)製)で拭き取ったときの状態を観察して、以下のようにマジックインク付着性を評価した。
◎:簡単にマジックインクが拭き取れる
〇:普通にふいてマジックインクが拭き取れる
△:しっかり擦ればマジックインクが拭き取れる
×:マジックインクが拭き取れずに残る
得られた結果を表2および表3に示す。
【0156】
【表2】
Figure 2004191916
【0157】
【表3】
Figure 2004191916
【0158】
本実施から明らかなように、本発明の反射防止フィルム(実施例1〜24)はけん化処理の有無にかかわらず、広い波長領域で非常に低い表面反射率、十分に強靱な皮膜強度を有し、かつ防塵性(ゴミつき)、防汚性(指紋拭きとり性、マジックインク拭き取り性)にも優れているのに対して、比較例の反射防止フィルム(比較例25〜31)はけん化処理前後の耐傷性、防塵性、防汚性の全てを満足することができないことが分かる。
【0159】
[反射防止膜を設置した表示装置の作成]
上記で作成した実施例(1K〜25K)、比較例(26K〜31K)の反射防止フィルムを日本電気株式会社より入手したパーソナルコンピューターPC9821NS/340Wの液晶ディスプレイ表面に貼り付け、表面装置サンプルを作成した。本発明の反射防止フィルム(1K〜25K)を設置した表示装置は周囲の風景映り込みが殆どない上、ゴミつきが殆どなく快適な視認性を示し、かつ充分な表面強度を有するものであったのに対し、比較例(26K〜31K)のフィルムを設置した表示装置は周囲の映り込みは低減できるもののゴミがつきやすいことが分かった。
【0160】
【発明の効果】
以上のように、本発明の反射防止膜は、十分な皮膜強度および低い反射率を有し、かつ帯電防止性および防汚性にも優れる。
この反射防止膜を用いた本発明の反射防止フィルム及び画像表示装置は、ゴミの付着が少なく、傷が着きにくく、防汚性が良好で、かつ外光の映り込みが少ないため優れた視認性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止膜が複合膜であって反射防止フィルムとして用いた場合の層構成を示す断面模式図であり、(a)は4層構成、(b)は5層構成の例を示す。
【符号の説明】
1 低屈折率層
2 高屈折率層
3 ハードコート層
4 透明支持体
5 中屈折率層

Claims (7)

  1. 含フッ素共重合体を含有する反射防止膜であって、含フッ素共重合体以外の成分としてポリオキシアルキレン鎖含有成分と−Si(R)(R)O−(RおよびRはアルキル基、ハロアルキル基またはアリール基を表わす)で表わされる繰り返し単位を有するポリシロキサン成分とを含有することを特徴とする反射防止膜。
  2. 前記の含フッ素共重合体、ポリオキシアルキレン鎖含有成分及びポリシロキサン成分がともにラジカル反応性基を含有していることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 前記のポリオキシアルキレン鎖含有成分及びポリシロキサン成分が、それぞれ異なる化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止膜。
  4. 前記のポリオキシアルキレン鎖含有成分とポリシロキサン成分とが同一化合物に含有されることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止膜。
  5. 電解質塩を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  6. 透明支持体上に請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止膜を設置したことを特徴とする反射防止フィルム。
  7. 請求項6に記載の反射防止フィルムを配置したことを特徴とする画像表示装置。
JP2003153413A 2002-10-15 2003-05-29 反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置 Pending JP2004191916A (ja)

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