JP2003292771A - 熱可塑性ポリウレタン組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン組成物およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物ま
たはポリアミドと熱可塑性ポリウレタンからなり、溶融
時におけるゲル化の進行が抑制された熱可塑性ポリウレ
タン組成物を提供する。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物および/またはポリアミドと熱可塑性ポリウレタンか
らなり、下記の式(1)で定義される、220℃で1時
間溶融下に滞留させた時の溶融張力の保持率が10%以
上である熱可塑性ポリウレタン組成物。 溶融張力の保持率(%)=溶融滞留後の溶融張力/溶融
滞留前の溶融張力×100 (1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリウレ
タンとエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および
/またはポリアミドからなる熱可塑性ポリウレタン組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタンはその優れた強
度、柔軟性、弾性回復性や耐摩耗性などによって広範な
分野で使用されており、例えば、押出成形して製造され
るフィルム、シート、ベルト、ホースやチューブ等の成
形品、射出成形により得られる種々の成形品などの分野
において、その優れた特性によって用途が拡大してい
る。このような中、従来より、ガスバリア性を付与させ
た熱可塑性ポリウレタンからなる成形品の開発が望まれ
ており、熱可塑性ポリウレタンからなる層にガスバリア
性の高い樹脂として知られているエチレン−酢酸ビニル
共重合体のケン化物やポリアミドなどの層を積層させた
多層構造体が提案されている〔特開昭58−22163
号公報(特許文献1)、特開平2−258341号公報
(特許文献2)、特開平3−5143号公報(特許文献
3)、特開平10−110154号公報(特許文献4)
などを参照〕。
【0003】エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物
またはポリアミドと熱可塑性ポリウレタンからなる成形
品を製造する際、共押出しによって製造した共押出フィ
ルムの耳部や、共押出ブロー成形法で副生するトリム
屑、さらには成形不良によるロス(以下、これらを成形
ロス部分と総称する)などが必然的に発生するが、その
再利用を図ることが、製造コストおよび省資源の点から
望ましい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン
化物またはポリアミドと熱可塑性ポリウレタンからなる
成形品自体のリサイクルを図ることも望ましいことであ
る。エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物を使用し
てなる成形品のリサイクルについては以前より種々の検
討が行われており、例えば、特開平7−195635号
公報(特許文献5)にはエチレン−ビニルアルコール共
重合体からなる層とポリオレフィン系樹脂からなる層を
有する多層構造体のリサイクル方法が、また、特開平1
1−140244号公報(特許文献6)や特開2000
−248073号公報(特許文献7)にはエチレン−酢
酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアミドおよびオレフ
ィン−不飽和カルボン酸共重合体を含有する組成物から
なる成形品のリサイクル方法がそれぞれ開示されてはい
るが、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物と熱可
塑性ポリウレタンを使用してなる成形品のリサイクルに
ついては何ら示唆も言及もされていない。
【0004】エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物
および/またはポリアミドと熱可塑性ポリウレタンから
なる成形品の製造時に発生する成形ロス部分や同成形品
のリサイクルを行うに際し、これらを溶融すると、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/またはポ
リアミドと熱可塑性ポリウレタンの組成物となる。しか
し、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/
またはポリアミドと熱可塑性ポリウレタンの組み合わせ
は、多くの場合、加工時に樹脂のゲル化が生じやすいと
いう問題を抱えている。特開平2−206634号公報
(特許文献8)および特開平3−255288号公報
(特許文献9)には、特定のエチレン含有率を有するエ
チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物と熱可塑性ポリ
ウレタンからなる組成物が記載されており、また、特開
平7−324162号公報(特許文献10)には、ポリ
アミドをマトリックスとし、熱可塑性ポリウレタンを分
散相とする組成物が記載されている。これらの組成物に
あっても、溶融時においてはゲル化の進行が認められ、
それに伴って組成物の溶融張力が低下し、押出成形性、
射出成形性などが悪化する傾向を有する。
【0005】
【特許文献1】特開昭58−22163号公報
【特許文献2】特開平2−258341号公報
【特許文献3】特開平3−5143号公報
【特許文献4】特開平10−110154号公報
【特許文献5】特開平7−195635号公報
【特許文献6】特開平11−140244号公報
【特許文献7】特開2000−248073号公報
【特許文献8】特開平2−206634号公報
【特許文献9】特開平3−255288号公報
【特許文献10】特開平7−324162号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】エチレン−酢酸ビニル
共重合体のケン化物またはポリアミドと熱可塑性ポリウ
レタンからなる組成物としては、単に樹脂のゲル化が生
じないだけではなく、溶融時においてもゲル化の進行が
抑制された組成物とすることが望ましい。本発明は、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物またはポリアミ
ドと熱可塑性ポリウレタンからなり、溶融時におけるゲ
ル化の進行が抑制された熱可塑性ポリウレタン組成物お
よびその製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物
および/またはポリアミドと熱可塑性ポリウレタンを溶
融混練する際に特定の化合物を存在させることにより、
ゲルの生成を防止できるばかりか、溶融時におけるゲル
化の進行をも抑制できることを見出し、さらに検討した
結果、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/
またはポリアミドと熱可塑性ポリウレタンからなる熱可
塑性ポリウレタン組成物であって、220℃で1時間溶
融下に滞留させた時の溶融張力の保持率が10%以上で
ある熱可塑性ポリウレタン組成物を提供する。
【0008】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は、
その好ましい態様として、熱可塑性ポリウレタン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のケン化物およびポリアミド
からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体より構
成される成形品を製造する際に生じた成形ロス部分およ
び/または該成形品のスクラップを製造原料の少なくと
も一部として使用してなる組成物を包含する。そして、
該成形品は、熱可塑性ポリウレタン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物およびポリアミドからなる群か
ら選ばれる2種以上の重合体の組成物から構成される成
形品や熱可塑性ポリウレタンからなる層とエチレン−酢
酸ビニル共重合体のケン化物および/またはポリアミド
からなる層を有する多層構造体を包含する。
【0009】また、本発明は、エチレン−酢酸ビニル共
重合体のケン化物および/またはポリアミド、熱可塑性
ポリウレタンおよび分子量が50以上の水酸基を含有す
る化合物を溶融混練することからなる上記した熱可塑性
ポリウレタン組成物の製造方法を提供する。そして、本
発明は、その好ましい態様として、熱可塑性ポリウレタ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物およびポ
リアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合
体より構成される成形品を製造する際に生じた成形ロス
部分および/または該成形品のスクラップを製造原料の
少なくとも一部として使用して上記した熱可塑性ポリウ
レタン組成物を製造する方法を提供する。
【0010】さらに、本発明は、上記した熱可塑性ポリ
ウレタン組成物からなる成形品を提供する。本発明は、
そのような成形品として、熱可塑性ポリウレタンからな
る層、エチレン−ビニルアルコール共重合体および/ま
たはポリアミドからなる層および上記の熱可塑性ポリウ
レタン組成物からなる層を有する多層構造体を包含す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用する熱可塑性ポリウ
レタンとしては、従来から公知の熱可塑性ポリウレタン
のいずれもが使用可能である。熱可塑性ポリウレタンの
硬度(JIS−A)は、柔軟性と力学性能の観点から6
0〜97の範囲内であることが好ましく、65〜95の
範囲内であることがより好ましい。
【0012】本発明で使用する熱可塑性ポリウレタン
は、一般に、高分子ポリオール、有機イソシアネート化
合物および鎖伸長剤から製造することができる。
【0013】熱可塑性ポリウレタンを構成する高分子ポ
リオールとしては、従来から公知の高分子ポリオールを
使用することができる。熱可塑性ポリウレタンとしての
性能の観点、および熱可塑性ポリウレタンを長時間連続
して溶融成形する際のフィッシュアイやブツの混入とい
った成形不良の発生や成形機の運転不良の発生を抑制す
る観点から、高分子ポリオールの数平均分子量は、30
0〜10000の範囲内であることが好ましく、500
〜8000の範囲内であることがより好ましい。なお、
本明細書でいう高分子ポリオールの数平均分子量は、い
ずれもJISK−1577に準拠して測定した水酸基価
に基づいて算出した数平均分子量である。
【0014】また、本発明の熱可塑性ポリウレタン組成
物を、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物やポリ
アミドとの多層構造体として用いる場合の層間接着強度
確保の観点から、高分子ポリオールの結晶化エンタルピ
ー(ΔH)は、70J/g以下であることが好ましい。
なお、本発明でいう結晶化エンタルピー(ΔH)は、示
差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができ、
具体的には後述する実施例において記載した方法で求め
た値をいう。高分子ポリオールの結晶化エンタルピー
(ΔH)は、50J/g以下であることがより好まし
い。
【0015】本発明者らのさらなる知見によれば、結晶
化エンタルピー(ΔH)が70J/g以下である高分子
ポリオールを構成成分とする熱可塑性ポリウレタンは、
それ自体を、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物
やポリアミドとの多層構造体とした場合であっても、層
間接着強度が良好なものとなる。その中でも、結晶化エ
ンタルピー(ΔH)が70J/g以下であり、かつ数平
均分子量が300〜1800である高分子ジオールを構
成成分とする熱可塑性ポリウレタンは、該ポリウレタン
からなる層とエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物
やポリアミドからなる層を有する多層構造体を、半透明
や白色のフィッシュアイやブツの混入がなく、しかも成
形機の運転不良を起こすことなく、長時間安定して、連
続して成形することができるので好ましい。
【0016】高分子ポリオールとしては、例えば、ポリ
エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポ
リエステルポリカーボネートポリオール、ポリエーテル
ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、共役ジエン
重合体系ポリオール、ひまし油系ポリオール、シリコー
ン系ポリオール、ビニル重合体系ポリオールなどが挙げ
られるが、これらのなかでも、ポリエステルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカ
ーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールが好ま
しい。
【0017】上記のポリエステルポリオールは、ジカル
ボン酸成分とジオール成分および必要に応じて他の成分
を用い、エステル化法またはエステル交換法による公知
の重縮合法により製造することができる。また、ポリエ
ステルポリオールは、ジオール成分の存在下にラクトン
を開環重合させることによっても製造することができ
る。
【0018】ポリエステルポリオールの製造に用いるジ
カルボン酸成分としては、ポリエステルの製造において
一般的に使用されているジカルボン酸成分、例えば、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、メチ
ルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタ
ル酸、トリメチルアジピン酸、2−メチルオクタン二
酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデ
カン二酸等の炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸;シ
クロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー
酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル
酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の
3官能以上の多価カルボン酸;それらのエステルまたは
それらの酸無水物等のエステル形成性誘導体などを挙げ
ることができる。これらのジカルボン酸成分は、1種類
のものを使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。
【0019】ポリエステルポリオールの製造に用いるジ
オール成分としては、ポリエステルの製造において一般
的に使用されているもの、例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2
−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチ
ル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペン
タンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオ
ール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8
−オクタンジオール、2,7−ジメチル−1,8−オク
タンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−
1,9−ノナンジオール、2,8−ジメチル−1,9−
ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の炭素数
2〜15の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジ
オール、シクロヘキサンジメタノール、シクロオクタン
ジメタノール等の脂環式ジオール;1,4−ビス(β−
ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香族ジオール;ト
リメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセ
リン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリス
リトール、ジグリセリン等の1分子当たりの水酸基数が
3以上である多価アルコールなどが挙げられる。ポリエ
ステルポリオールの製造に当たっては、これらのジオー
ル成分は、1種類のものを使用してもよいし、2種以上
を併用してもよい。
【0020】また、ポリエステルポリオールの製造に用
いる前記のラクトンとしては、ε−カプロラクトン、β
−メチル−δ−バレロラクトンなどを挙げることができ
る。
【0021】なお、上記した、結晶化エンタルピー(Δ
H)が70J/g以下であるポリエステルポリオールを
製造する場合には、以下の、の少なくとも1つの条
件を満足することが好ましい。 ポリエステルポリオールの原料であるジカルボン酸成
分の少なくとも一部が分岐を有する鎖状のジカルボン酸
である。 ポリエステルポリオールの原料であるジオール成分の
少なくとも一部が分岐を有する鎖状のジオールである。 上記において、分岐を有する鎖状のジカルボン酸および
/または分岐を有する鎖状のジオールの含有割合は、ポ
リエステルポリオールの製造に用いるジカルボン酸成分
およびジオール成分の合計モル数に基づいて、分岐を有
する鎖状のジカルボン酸および分岐を有する鎖状のジオ
ールの合計モル数が10モル%以上であることが好まし
く、30モル%以上であることがより好ましく、50モ
ル%以上であることがさらに好ましい。
【0022】分岐を有する鎖状のジカルボン酸として
は、分岐を有する飽和脂肪族炭化水素鎖または分岐を有
する不飽和脂肪族炭化水素鎖を有し、その炭化水素鎖の
両端にカルボキシル基が結合している炭素数が5〜14
の分岐鎖状脂肪族ジカルボン酸、またはそのエステル形
成性誘導体が好ましく使用される。分岐を有する鎖状の
ジカルボン酸の具体例としては、例えば、2−メチルコ
ハク酸、3−メチルグルタル酸、2−メチルアジピン
酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、
2−メチルオクタン二酸、3,7−ジメチルセバシン
酸、3,8−ジメチルセバシン酸、シトラコン酸、メサ
コン酸またはそれらの酸無水物、ジエステル等のエステ
ル形成性誘導体などが挙げられる。分岐を有する鎖状の
ジカルボン酸は1種類のものを使用してもよいし、2種
以上を併用してもよい。
【0023】分岐を有する鎖状のジオールとしては、分
岐を有する飽和脂肪族炭化水素鎖または分岐を有する不
飽和脂肪族炭化水素鎖の両端に水酸基が結合している炭
素数が4〜10の分岐鎖状脂肪族ジオールが好ましく使
用される。分岐を有する鎖状のジオールの具体例として
は、例えば、2−メチル−1,3−プロパンジオール、
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メ
チル−1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチ
ル−1,8−オクタンジオール、2,7−ジメチル−
1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,9−ノナ
ンジオール、2,8−ジメチル−1,9−ノナンジオー
ル、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジオールなどが
挙げられるが、これらの中でも3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオールおよび/または2−メチル−1,8−オ
クタンジオールが好ましい。分岐を有する鎖状のジオー
ルは、1種類のものを使用してもよいし、2種類以上を
併用してもよい。
【0024】本発明における熱可塑性ポリウレタンの製
造に用いられるポリエステルポリオールは、1種類のポ
リエステルポリオールであってもよいし、2種以上の混
合物であってもよい。
【0025】ポリエステルポリオールの製造は、触媒の
存在下に行うことができる。その場合の触媒としては、
チタン系触媒やスズ系触媒が好ましく用いられる。チタ
ン系触媒の例としては、チタン酸、テトラアルコキシチ
タン化合物、チタンアシレート化合物、チタンキレート
化合物などが挙げられる。より具体的には、テトライソ
プロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、テ
トラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラステアリ
ルチタネート等のテトラアルコキシチタン化合物;ポリ
ヒドロキシチタンステアレート、ポリイソプロポキシチ
タンステアレート等のチタンアシレート化合物;チタン
アセチルアセトネート、トリエタノールアミンチタネー
ト、チタンアンモニウムラクテート、チタンエチルラク
テート等のチタンキレート化合物などを挙げることがで
きる。
【0026】スズ触媒の例としては、ジアルキルスズジ
アセテート、ジアルキルスズジラウレート、ジアルキル
スズビスメルカプトカルボン酸エステル塩などが挙げら
れる。より具体的には、ジブチルスズジアセテート、ジ
ブチルスズジラウレート、ジブチルスズビス(3−メル
カプトプロピオン酸エトキシブチルエステル)塩などを
挙げることができる。
【0027】チタン系触媒を使用する場合、その使用量
は製造時の条件に応じて適宜調節できるが、一般に、ポ
リエステルポリオールの製造に用いる反応成分の全重量
に基づいて、約0.1〜50ppmの範囲内であること
が好ましく、約1〜30ppmの範囲内であることがよ
り好ましい。また、スズ系触媒を使用する場合、その使
用量は製造時の条件に応じて適宜調節できるが、一般
に、ポリエステルポリオールの製造に用いる反応成分の
全重量に基づいて約1〜200ppmの範囲内であるこ
とが好ましく、約5〜100ppmの範囲内であること
がより好ましい。
【0028】チタン系触媒を使用して製造されたポリエ
ステルポリオールでは、ポリエステルポリオール中に含
まれるチタン触媒を失活させておくこともできる。チタ
ン系触媒を失活させたポリエステルポリオールを使用し
て熱可塑性ポリウレタンを製造すると、耐加水分解性な
どに優れた熱可塑性ポリウレタンを得ることができる。
【0029】ポリエステルポリオール中に含まれるチタ
ン系触媒の失活方法としては、例えば、(i)ポリエス
テルポリオールを加熱下に水と接触させる方法;(ii)
ポリエステルポリオールをリン酸、リン酸エステル、亜
リン酸、亜リン酸エステル等のリン化合物で処理する方
法などを挙げることができる。そして、水と接触させる
上記(1)の方法による場合は、例えば、ポリエステル
ポリオールに水を1重量%以上添加して、70〜150
℃、好ましくは90〜130℃の温度で1〜3時間程度
加熱することによってチタン系触媒の失活を行うことが
できる。かかる失活処理は常圧下で行ってもよいし、加
圧下で行ってもよいが、失活処理後に系を減圧にする
と、失活に用いた水分をポリエステルポリオールから円
滑に除去することができる。
【0030】また、熱可塑性ポリウレタンの原料として
使用されるポリカーボネートポリオールとしては、例え
ば、ジオール成分とジアルキルカーボネート、アルキレ
ンカーボネート、ジアリールカーボネート等のカーボネ
ート化合物との反応により得られるものが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールを構成するジオール成分と
しては、ポリエステルポリオールの構成成分として先に
例示したジオール成分を使用することができる。また、
ジアルキルカーボネートとしては、例えば、ジメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネートなどを挙げることが
でき、また、アルキレンカーボネートとしては、エチレ
ンカーボネートなどを挙げることができ、ジアリールカ
ーボネートとしては、例えば、ジフェニルカーボネート
などを挙げることができる。ポリカーボネートポリオー
ルとしては、1種類のものを使用してもよいし、2種類
以上を併用してもよい。
【0031】なお、結晶化エンタルピー(ΔH)が70
J/g以下であるポリカーボネートポリオールを製造す
る場合には、上記したジオール成分の少なくとも一部が
分岐を有する鎖状のジオールであることが好ましい。分
岐を有する鎖状のジオールとしては、ポリエステルポリ
オールの構成成分として先に例示したものを使用するこ
とができる。分岐を有する鎖状のジオールの使用量は、
ジオール成分の全モル数に基づいて10モル%以上であ
ることが好ましく、30モル%以上であることがより好
ましく、50モル%以上であることがさらに好ましい。
【0032】また、熱可塑性ポリウレタンの原料として
使用されるポリエステルポリカーボネートポリオールと
しては、例えば、(イ)ジオール成分、ジカルボン酸成
分およびカーボネート化合物を同時に反応させて得られ
るもの、(ロ)予め調製したポリエステルポリオールお
よび/またはポリカーボネートポリオールをカーボネー
ト化合物と反応させて得られるもの、あるいは(ハ)予
め調製したポリカーボネートポリオールをジオール成分
およびジカルボン酸成分と反応させて得られるものなど
を挙げることができる。ポリエステルカーボネートポリ
オールを構成するジオール成分、ジカルボン酸成分とし
ては、ポリエステルポリオールの構成成分として先に例
示したものを使用することができる。ポリエステルカー
ボネートポリオールとしては、1種類のものを使用して
もよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0033】なお、結晶化エンタルピー(ΔH)が70
J/g以下であるポリエステルポリカーボネートポリオ
ールを製造する場合には、結晶化エンタルピー(ΔH)
が70J/g以下のポリエステルポリオールおよび/ま
たは結晶化エンタルピー(ΔH)が70J/g以下のポ
リカーボネートポリオールを使用するか〔上記の(ロ)
または(ハ)の場合〕、以下の、の少なくとも1つ
の条件を満足することが好ましい〔上記の(イ)の場
合〕。 ポリエステルポリカーボネートポリオールの原料であ
るジカルボン酸成分の少なくとも一部が分岐を有する鎖
状のジカルボン酸である。 ポリエステルポリカーボネートポリオールの原料であ
るジオール成分の少なくとも一部が分岐を有する鎖状の
ジオールである。 上記において、分岐を有する鎖状のジカルボン酸および
/または分岐を有する鎖状のジオールの含有割合は、ポ
リエステルポリカーボネートポリオールの製造に用いる
ジカルボン酸成分およびジオール成分の合計モル数に基
づいて、分岐を有する鎖状のジカルボン酸および分岐を
有する鎖状のジオールの合計モル数が10モル%以上で
あることが好ましく、30モル%以上であることがより
好ましく、50モル%以上であることがさらに好まし
い。
【0034】熱可塑性ポリウレタンの原料として使用さ
れるポリエーテルポリオールとしては、環状エーテル
(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、メ
チルテトラヒドロフランなど)の開環重合により得られ
るポリエーテルジオール、グリコール(例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2
−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナン
ジオール、1,10−デカンジオールなど)の重縮合に
より得られるポリエーテルジオールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、1種類のものを使用
してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0035】なお、結晶化エンタルピー(ΔH)が70
J/g以下であるポリーテルポリオールを得るために
は、環状エーテルあるいはグリコールとして分岐を有す
る化合物を使用することが好ましい。
【0036】また、熱可塑性ポリウレタンの原料として
使用される共役ジエン重合体系ポリオールまたはポリオ
レフィン系ポリオールとしては、重合開始剤の存在下
に、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン、または共
役ジエンと他のモノマーをリビング重合法などにより重
合した後に、重合活性末端にエポキシ化合物を反応させ
て得られる、ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエ
ンポリオール、ポリ(ブタジエン/イソプレン)ポリオ
ール、ポリ(ブタジエン/アクリロニトリル)ポリオー
ル、ポリ(ブタジエン/スチレン)ポリオール、あるい
はそれらの水素添加物などを挙げることができる。共役
ジエン重合体系ポリオールまたはポリオレフィン系ポリ
オールは、1種類のものを使用してもよいし、2種以上
を併用してもよい。
【0037】熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられる
有機イソシアネート化合物としては特に制限はなく、通
常の熱可塑性ポリウレタンの製造に従来から使用されて
いる有機ジイソシアネートのいずれを使用してもよい。
有機イソシアネート化合物としては、例えば、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネー
ト、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、水素化キシリレンジイソシアネート等の脂肪族また
は脂環式ジイソシアネートなどを挙げることができる。
これらの有機ジイソシアネートは1種類のものを使用し
てもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中で
も、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを使
用することが好ましい。また、有機イソシアネート化合
物として、所望により、トリフェニルメタントリイソシ
アネートなどのような3官能以上の多価イソシアネート
化合物を併用することもできる。
【0038】熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられる
鎖伸長剤としては特に制限はなく、通常の熱可塑性ポリ
ウレタンの製造に従来から使用されている鎖伸長剤のい
ずれを使用してもよい。鎖伸長剤としては、イソシアネ
ート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有
する分子量300以下の低分子化合物を使用することが
好ましい。そのような低分子化合物としては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−
ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、ビス(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレート、キシリレングリコール等のジオー
ル類;ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジア
ミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導
体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレ
ンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジ
ヒドラジド等のジアミン類;アミノエチルアルコール、
アミノプロピルアルコール等のアミノアルコール類など
が挙げられる。これらの鎖伸長剤は1種類のものを使用
してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中
でも、炭素数が2〜10の脂肪族ジオールを使用するこ
とが好ましく、耐熱性、耐熱水性等に優れた熱可塑性ポ
リウレタンを得ることができることから、1,4−ブタ
ンジオールを使用することがより好ましい。
【0039】熱可塑性ポリウレタンの製造法は、特に制
限されず、熱可塑性ポリウレタンの製造方法として、従
来から使用されている方法を利用することができる。そ
のような方法としては、例えば溶融重合、溶液重合など
の公知のウレタン化反応技術を利用した、プレポリマー
法、ワンショット法などの方法を挙げることができる。
中でも、実質的に溶媒の存在しない条件下で溶融重合を
行って熱可塑性ポリウレタンを製造する方法が、重合を
簡単にかつ円滑に行うことができる点から好ましい。特
に、溶融重合を多軸スクリュー型押出機を用いる連続溶
融重合法によって行うと、生産性も高くなり好ましい。
【0040】熱可塑性ポリウレタンの製造に当たって
は、スズ系ウレタン化触媒を用いて熱可塑性ポリウレタ
ン形成反応を行うことができる。特に、熱可塑性ポリウ
レタンの製造原料の合計重量に基づいてスズ系ウレタン
化触媒をスズ原子に換算して0.5〜50ppmの割合
で用いて熱可塑性ポリウレタンを製造すると、分子量の
高い熱可塑性ポリウレタンを製造することができる。そ
のような熱可塑性ポリウレタンを使用すると、成形安定
性が良好であって、透明性に優れ、かつフィッシュアイ
の少ない外観の良好な成形品を得ることができる。スズ
系ウレタン化触媒としては、例えばジブチルスズジアセ
テート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズビス
(3−メルカプトプロピオン酸エトキシブチルエステ
ル)塩などを挙げることができる。
【0041】熱可塑性ポリウレタンは、力学性能および
加工安定性の観点から、N,N−ジメチルホルムアミド
に0.5g/dlの濃度になるような量で熱可塑性ポリ
ウレタンを溶解させて、30℃で測定したときの対数粘
度が0.3dl/g以上であることが好ましく、同対数
粘度が0.5dl/g以上であることがより好ましい。
【0042】熱可塑性ポリウレタンは、例えば、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、トリメチロールプロパント
リグリシジルエーテルなどの紫外線や電子線による架橋
剤を含有していてもよい。
【0043】熱可塑性ポリウレタンは、例えば、SB
R、天然ゴム、EPDM、液状ポリイソプレン、スチレ
ン−共役ジエンブロック共重合体、オレフィン系エラス
トマー、軟質アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等の他の重
合体を含有していてもよい。また、熱可塑性ポリウレタ
ンは、例えば、ガラスビーズ、ガラス繊維、タルク、炭
酸カルシウム、マイカ、クレー等の充填材を含有してい
てもよい。さらに、熱可塑性ポリウレタンには、必要に
応じて、熱可塑性ポリウレタンを製造する際に通常使用
されている熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃
剤、滑剤、着色剤、加水分解防止剤、結晶核剤、耐候性
改良材、防黴剤などの各種添加剤を適宜配合することも
できる。これらの架橋剤、他の重合体、充填材や各種添
加剤は、熱可塑性ポリウレタンの製造工程において、あ
るいは熱可塑性ポリウレタンを製造した後に配合するこ
とができる。
【0044】本発明における他の成分であるエチレン−
酢酸ビニル共重合体のケン化物としては、ガスバリアー
性、溶融成形性、熱可塑性ポリウレタンとの相容性の点
で、さらには、熱可塑性ポリウレタンとの多層構造体と
して用いる場合の層間接着強度確保の観点から、エチレ
ン含有率が10〜60モル%であるものを使用すること
が好ましく、エチレン含有率が20〜60モル%である
ものを使用することがより好ましい。また、エチレン−
酢酸ビニル共重合体のケン化物としては、ケン化度が9
0%以上であるものを使用することが好ましい。エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体のケン化物は、発明の主旨を損
なわない範囲であれば、エチレンおよび酢酸ビニル以外
の成分が共重合されたものであってもよい。
【0045】エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物
は、ASTM D−1238−65Tに準じて測定した
メルトインデックスが0.1〜25g/10分(190
℃、2160g荷重下で測定)であることが成形性の点
から好ましく、同メルトインデックスが0.3〜20g
/10分であることがより好ましい。エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物としては、1種類のものを使用
してもよいし、エチレン含有率、ケン化度、上記したメ
ルトインデックスなどが異なる2種以上のものを併用す
ることも可能である。
【0046】また、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケ
ン化物は、例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸等のカル
ボン酸;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸
ナトリウム、プロピオン酸カリウム、乳酸ナトリウム、
乳酸カリウム等のカルボン酸のアルカリ金属塩;リン
酸、亜リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸リチウム、リ
ン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等のリン
酸化合物またはそのアルカリ金属塩;オルトホウ酸、メ
タホウ酸、四ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸リチウ
ム、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチル、ホウ砂等の
ホウ酸類、ホウ酸類のアルカリ金属塩、ホウ酸エステル
などを含有していてもよい。
【0047】上記の化合物を該エチレン−酢酸ビニル共
重合体のケン化物に含有させる方法としては、特に制限
はなく、例えば、上記の化合物が溶解している水溶液に
粉末、粒状、球状、円柱形、ペレット状等の任意の形状
のエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物を浸漬さ
せ、必要に応じて乾燥する方法;エチレン−酢酸ビニル
共重合体のケン化物を溶融させて上記の合物を混合する
方法;エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物を適当
な溶媒に溶解させて上記の合物を混合する方法などが例
示される。
【0048】エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物
には、必要に応じて、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、難燃剤、滑剤、着色剤、加水分解防止
剤、結晶核剤、耐候性改良材、防黴剤などの各種添加剤
を適宜配合することもできる。
【0049】また、ポリアミドとしては、ポリマー主鎖
にアミド結合を有し、加熱溶融が可能なものであれば特
に制限されない。使用可能なポリアミドとしては、例え
ば、3員環以上のラクタムを開環重合して得られるポリ
アミド(ポリラクタム)、ω−アミノ酸の重縮合により
得られるポリアミド、二塩基酸とジアミンとの重縮合に
より得られるポリアミドなどを挙げることができる。ポ
リアミドは、1種類のものを使用してよいし、2種以上
を併用してもよい。
【0050】ポリアミドの原料であるラクタムとして
は、例えば、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、
カプリルラクタム、ラウリルラクタム、α−ピロリドン
などを挙げることができる。また、ポリアミドの原料で
あるω−アミノ酸としては、例えば、6―アミノカプロ
ン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、1
1−アミノウンデカン酸などを挙げることができる。
【0051】ポリアミドの原料である二塩基酸として
は、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、
3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメ
チルグルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸
等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカ
ルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−
フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキ
シジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、
ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニ
ルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジフ
ェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などを挙げ
ることができる。
【0052】また、ポリアミドの原料であるジアミンと
しては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミ
ン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミ
ン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジ
アミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−
メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリ
メチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,
8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジ
アミン等の脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、
メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン等
の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェ
ニレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニル
スルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の
芳香族ジアミンなどを挙げることができる。
【0053】ポリアミドは、例えば、ガラスビーズ、ガ
ラス繊維、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、クレー等
の充填材を含有していてもよい。また、ポリアミドに
は、必要に応じて、熱可塑性ポリウレタンを製造する際
に通常使用されている熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、難燃剤、滑剤、着色剤、加水分解防止剤、結晶核
剤、耐候性改良材、防黴剤などの各種添加剤を適宜配合
することもできる。
【0054】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物にお
いて、熱可塑性ポリウレタンとエチレン−酢酸ビニル共
重合体のケン化物および/またはポリアミドの重量割合
は、特に制限されるものではないが、一般に、熱可塑性
ポリウレタンの重量/エチレン−酢酸ビニル共重合体の
ケン化物とポリアミドの合計重量=98/2〜2/98
の範囲内である。
【0055】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は、
220℃で1時間溶融下に滞留させた時の溶融張力の保
持率が10%以上であることが必要である。溶融張力の
保持率は、以下の式(1)に従って算出される値であ
り、熱可塑性ポリウレタン組成物を溶融状態としたとき
のゲル化の進行の度合いに対応するものである。溶融張
力の保持率が10%未満の場合、エチレン−酢酸ビニル
共重合体のケン化物および/またはポリアミドと熱可塑
性ポリウレタンからなる熱可塑性ポリウレタンを溶融状
態としたときのゲル化の進行が著しく、本発明の目的に
適うものではない。溶融張力の保持率(%)=溶融滞留
後の溶融張力/溶融滞留前の溶融張力×100 (1)
【0056】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物を2
20℃で1時間溶融下に滞留させた時の溶融張力の保持
率は15%以上であることが好ましく、20%以上であ
ることがさらに好ましい。
【0057】本発明でいう溶融張力は、熱可塑性ポリウ
レタン組成物を溶融し、得られた溶融物を大気中に押出
してストランドとし、このストランドを一定の速度で引
き取る際に観測される張力である。本発明の熱可塑性ポ
リウレタン組成物は、通常、220℃に調整した直径1
mmのノズルから2m/分の割合で大気中に押し出し、
5m/分の速度で引き取ったときの溶融粘度が0.1g
以上である。
【0058】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は、
エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/また
はポリアミド、熱可塑性ポリウレタンおよび分子量が5
0以上の水酸基を含有する化合物を溶融混練することに
よって製造することができる。
【0059】水酸基を含有する化合物の分子量が50未
満の場合、該化合物は揮発性が高く、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物および/またはポリアミド並び
に熱可塑性ポリウレタンと溶融混練することが困難とな
る。水酸基を含有する化合物の分子量の上限値には特に
制限はないが、20000程度以下であることが実用的
な範囲である。水酸基を含有する化合物の分子量は、6
0〜18000の範囲内であることが好ましい。
【0060】水酸基を含有する化合物としては、アルコ
ール性水酸基を有する化合物が好ましい。また、水酸基
を含有する化合物1分子当たりの平均水酸基数は、1〜
5の範囲内であることが好ましく、1.5〜4の範囲内
であることがより好ましく、2〜3.5の範囲内である
ことがさらに好ましい。
【0061】水酸基を含有する化合物としては、例え
ば、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチル
アルコール、n−オクタノール、ベンジルアルコール等
の炭素数が3以上のモノアルコール類;エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブタンジオール、2−メ
チル−1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオー
ル、ヘプタンジオール、オクタンジオール、2−メチル
−1,8−オクタンジオール、ノナンジオール、デカン
ジオール、シクロヘキサンジメタノール等の炭素数が2
以上のジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ブタントリオール、ヘキサントリオール、トリメチ
ロールブタン、トリメチロールペンタン、ペンタエリス
リトール等の3官能以上の多価アルコール類;水酸基を
末端に有するスチレン−共役ジエンブロック共重合体ま
たはその水素添加物;ポリエステルポリオール、ポリエ
ーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ
エステルカーボネートポリオール、ポリオレフィン系ポ
リオール等の高分子ポリオールなどが挙げられる。高分
子ポリオールの具体例としては、熱可塑性ポリウレタン
の製造原料として例示したものが挙げられる。また、こ
れらの高分子ポリオール、鎖伸長剤および有機イソシア
ネート化合物を、それらに含まれる水酸基のモル数の合
計がイソシアネート基のモル数よりも過剰となるような
割合で反応させて製造されるウレタン系プレポリマー
も、水酸基を含有する化合物として使用することができ
る。これらの中でも、水酸基を含有する化合物として
は、ジオール類、多価アルコール類または高分子ポリオ
ールがより好適である。水酸基を含有する化合物として
は、1種類のものを使用してもよいし、2種類以上を併
用してもよい。
【0062】水酸基を含有する化合物の使用量は、本発
明の熱可塑性ポリウレタン組成物を確実に製造する観点
から、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリ
アミドおよび熱可塑性ポリウレタンの合計重量100重
量部に対し、0.5〜50重量部の範囲内であることが
好ましい。
【0063】エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物
および/またはポリアミド、熱可塑性ポリウレタンおよ
び分子量が50以上の水酸基を含有する化合物の溶融混
練は、単軸または二軸タイプの押出機、ミキシングルロ
ール、ニーダー等の公知の装置を使用して実施すること
ができるが、混練度の高い二軸タイプの押出機を使用し
て実施することが好ましい。溶融混練は、150〜25
0℃の範囲の温度で実施することができるが、180〜
230℃の範囲内で実施することが好ましい。溶融混練
に先立ち、上記した各成分を予めドライブレンドしてお
くことも可能である。
【0064】なお、混練前の上記各成分は吸湿を抑制す
るため、除湿乾燥機などを用いて乾燥処理を行うことが
望ましい。また、成形機のホッパー口は、防湿エアーや
窒素等の不活性ガスでシールしておくことが望ましい。
【0065】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は、
押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形、プ
レス成形、圧縮成形、真空成形や圧空成形など各種の成
形法を利用して、例えば、フィルム、シートやパイプ、
またはフィルムやシートから得た袋状成形品、シートを
熱成形して得た成形品、ブロー成形によって得られた成
形品、予め成形したフィルムまたはシートを押出し機の
フラットダイから出た直後のフィルムまたはシートと圧
着して積層する(ドライラミネーション法)ことにより
得た成形品、さらには射出成形により得た成形品など、
各種の形状を有する成形品とすることができる。
【0066】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は、
他の材料からなる成形品と複合化した複合成形体とする
ことも可能である。他の材料としては、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリブテン等のポリオレフィン;エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、
アイオノマー等のオレフィンを主体とする共重合体;熱
可塑性ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体の
ケン化物、ポリアミド、塩化ビニリデン系重合体、塩化
ビニル系重合体、ポリエステル、ポリカーボネートやア
クリル系重合体、ABS樹脂、ポリアクリロニトリルな
どの各種の重合体;アルミニウム、銅、ニッケル等の金
属;紙、不織布などが挙げられるが、これらの中でもポ
リアミド、熱可塑性ポリウレタンまたはエチレン−酢酸
ビニル共重合体のケン化物が好ましい。
【0067】複合成形体を製造する方法としては、特に
限定されるものではないが、押出ラミネート法、ドライ
ラミネート法、押出ブロー成形法、共押出ラミネート
法、共押出シート成形法、共押出パイプ成形法、共押出
ブロー成形法、共射出成形法、溶液コート法などが挙げ
られる。また、複合成形体は、所望により、真空成形、
圧空成形、ブロー成形などにより二次加工することもで
きる。
【0068】かかる複合成形体は、積層シート、積層フ
ィルム、複層構造のチューブなど各種の形状を有するも
のを包含する。また、複合成形体は、複数の層から形成
される多層構造体を包含する。
【0069】多層構造体の具体例としては、熱可塑性ポ
リウレタンからなる層、エチレン−酢酸ビニル共重合体
のケン化物および/またはポリアミドからなる層と、本
発明の熱可塑性ポリウレタン組成物からなる層を有する
多層構造体を包含し、中でも、本発明の熱可塑性ポリウ
レタン組成物からなる層を最外層として有するものが高
い実用性を有する。
【0070】そのような多層構造体における、熱可塑性
ポリウレタンからなる層(A)、エチレン−酢酸ビニル
共重合体のケン化物および/またはポリアミドからなる
層(B)、および本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物
からなる層(C)の数には特に制限はない。また、多層
構造体は、他の材料からなる層(D)を含有していても
よい。
【0071】他の材料としては、例えば、ポリエステル
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂、ポリアルキルアクリレート系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂等の他の樹脂;紙;布帛;アルミニウム、
銅、ニッケル等の金属などが挙げられる。
【0072】熱可塑性ポリウレタンの層(A)とエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/またはポリ
アミドからなる層(B)は直接に積層されていることが
望ましいが、本発明の趣旨を阻害しないのであれば、両
者の間に層間接着剤の層(AD)の介在を排除するもの
ではない。そのような層間接着剤としては、例えば、エ
チレン性不飽和カルボン酸またはその無水物(例えば、
無水マレイン酸)を付加またはグラフト化したポリオレ
フィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エ
ステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル)共
重合体などが挙げられる。
【0073】熱可塑性ポリウレタンの層(A)を(A)
で、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/
またはポリアミドからなる層(B)を(B)で、本発明
の熱可塑性ポリウレタン組成物からなる層(C)を
(C)で、他の材料からなる層(D)を(D)で、そし
て、層間接着剤の層(AD)を(AD)で略記すると、
多層構造体の構成としては、例えば、(C)/(A)/
(B)、(A)/(B)/(A)/(C)、(C)/
(A)/(B)/(A)/(C)、(C)/(A)/
(B)/(D)/(B)/(A)/(C)、(C)/
(AD)/(A)/(B)、(C)/(AD)/(A)
/(B)/(A)/(AD)/(C)などが挙げられ
る。
【0074】そのような多層構造体を構成する層の厚さ
は特に制限されず、多層構造体を構成する熱可塑性ポリ
ウレタンやエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物や
ポリアミドの特性、多層構造体の全体の層数、多層構造
体の成形法や多層構造体の用途などに応じて適宜調節さ
れるが、一般には、熱可塑性ポリウレタンの層(A)は
1層あたり10〜5000μmの範囲内の厚さ、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/またはポリ
アミドからなる層(B)は1層あたり1〜1000μm
の範囲内の厚さ、本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物
からなる層(C)は1層あたり50〜10000μmの
範囲内の厚さとしておくことが、多層構造体の製造が容
易である点、各層の間の層間接着強度確保などの点から
好ましい。また、熱可塑性ポリウレタンの層(A)とエ
チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/または
ポリアミドからなる層(B)の厚さの比率には特に制限
はないが、一般に、層(A)/層(B)=100/1〜
1/100の範囲である。
【0075】多層構造体の製造に当たっては、ポリウレ
タンやエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物やポリ
アミド、本発明の熱可塑性ポリウレタンを共押出して製
造することが効率的であるが、ポリウレタンからなる層
(A)とエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物やポ
リアミドからなる層(B)を有する多層構造体を予め製
造しておき、該多層構造体の表面に、本発明の熱可塑性
ポリウレタン組成物からなる層(C)を、押出成形、射
出成形、溶液コート法などによって形成することで製造
することもできる。
【0076】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は、
ガスバリヤー性あるいは柔軟性が生かされる各種の用途
に使用することができる。何ら限定されるものではない
が、例えば、酸素を嫌う食品や医療用薬剤の包装材料;
衣料用包装材料;その他の製品用の包装材料;窓枠材、
壁紙、化粧板等の建材;電気絶縁用フィルム;粘着フィ
ルムやテープ用基材;マーキングフィルム;農業用フィ
ルム;金属板やその他の材料とのラミネート用フィル
ム;テーブルクロス、レインコート、傘、カーテン、マ
ット、カバー類などの衣料、雑貨用途;密閉性などを目
的とした各種パッキン付き工業部品;アシストグリッ
プ、ハンドル、エアバックカバー等の自動車用内装部
品;水中眼鏡等のスポーツ用品、靴、鞄、バックなどの
袋状物、箱状物、家具用化粧材、チューブ、ベルト、ホ
ース、タイヤ、各種ロール、スクリーン、キャスター、
ギヤ、パッキング材、ライニング、電線被覆、各種継ぎ
手、バルブ部品、機械部品などの各種用途の素材として
有用である。
【0077】本発明においては、好ましい実施態様とし
て、熱可塑性ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体のケン化物またはポリアミドの成形品を製造する際
に生じた成形ロス部分や該成形品のスクラップ(以下、
単に「スクラップ」と略称することがある)を熱可塑性
ポリウレタン組成物を製造する際の原料の少なくとも一
部として使用することができる。
【0078】上記の成形品には特に制限はなく、熱可塑
性ポリウレタンからなる発泡体、繊維、シートやフィル
ム;ポリアミドからなる発泡体、繊維、フィルム、シー
トや板などの1種類の重合体からなる成形品、熱可塑性
ポリウレタンとエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物あるいは熱可塑性ポリウレタンとポリアミドなどの2
種以上の重合体からなる重合体組成物から構成される各
種成形品、さらには、熱可塑性ポリウレタンからなる
層、エチレン−ビニルアルコール共重合体および/また
はポリアミドからなる層を有する多層構造体など種々の
ものが包含される。
【0079】上記の成形品は、押出成形、射出成形、ブ
ロー成形、カレンダー成形など各種の成形法を利用して
製造することができる。成形品の製造工程で生じる成形
ロス部分としては、例えば、成形品や多層構造体の製造
において立ち上げ時や終了時に発生する放流物、フィル
ムやシートの製造時に発生する両端部のトリム物、射出
成形やブロー成形による多層構造体の製造時に発生する
スプルー、あるいは成形品や多層構造体の製造における
品質不良品などが挙げられる。また、上記の成形品のス
クラップとしては、一般消費者に使用された後の製品、
産業廃棄物からの回収物、またはこれらを破砕した物な
どが挙げられる。
【0080】このような成形ロス部分やスクラップを、
エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物またはポリア
ミド、熱可塑性ポリウレタンおよび分子量が50以上の
水酸基を含有する化合物とともに溶融混練することによ
って、本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物を製造する
ことができる。
【0081】なお、成形ロス部分やスクラップがエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体のケン化物またはポリアミドを
構成成分として含有する場合、上記の溶融混練におい
て、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物またはポ
リアミドの使用を省略することができる。また、成形ロ
ス部分やスクラップが熱可塑性ポリウレタンを構成成分
として含有する場合、上記の溶融混練において、熱可塑
性ポリウレタンの使用を省略することができる。さら
に、成形ロス部分やスクラップが、熱可塑性ポリウレタ
ンとエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/
またはポリアミドを構成成分として含有する場合、所望
により、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物およ
び/またはポリアミドと熱可塑性ポリウレタンの両者の
使用を省略することもできる。すなわち、成形ロス部分
やスクラップが、熱可塑性ポリウレタンからなる層とエ
チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/または
ポリアミドからなる層を有する多層構造体を製造する際
に生じた成形ロス部分および/または該成形品のスクラ
ップ(a)および/または熱可塑性ポリウレタンとエチ
レン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/またはポ
リアミドからなる重合体組成物から構成される成形品を
製造する際に生じた成形ロス部分および/または該成形
品のスクラップ(b)である場合には、本発明の熱可塑
性ポリウレタンの製造原料の100%を該成形ロス部分
やスクラップで構成し、分子量が50以上の水酸基を含
有する化合物と溶融混練することによって本発明の熱可
塑性ポリウレタン組成物を製造することもできる。
【0082】成形ロス部分やスクラップが、本発明の熱
可塑性ポリウレタン組成物の製造原料中に占める割合
は、該成形ロス部分やスクラップの組成、該成形ロス部
分やスクラップを構成する成分の劣化の程度など、種々
の条件を考慮して決定することができる。
【0083】成形ロス部分やスクラップを本発明の熱可
塑性ポリウレタン組成物の製造原料の少なくとも一部と
して使用する場合においても、溶融混練の操作、条件等
は先に説明したものから特別に変更されるものではな
い。
【0084】また、水酸基を含有する化合物の使用量
は、成形ロス部分やスクラップに由来するエチレン−酢
酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアミド、熱可塑性ポ
リウレタンの重量を加算して、本発明の熱可塑性ポリウ
レタン組成物の製造原料として使用されるエチレン−酢
酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアミドおよび熱可塑
性ポリウレタンの合計重量を算出し、該重量に基づいて
水酸基を含有する化合物の使用量を先に説明した範囲と
すればよいが、成形ロス部分やスクラップ、エチレン−
酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアミドおよび熱可
塑性ポリウレタンの合計重100重量部に対し、水酸基
を含有する化合物を0.5〜50重量部の割合とするこ
とが、より簡便な算定法である。なお、本発明の熱可塑
性ポリウレタン組成物の製造原料の100%を成形ロス
部分やスクラップで構成する場合には、該成形ロス部分
やスクラップの100重量部に対し、水酸基を含有する
化合物を0.5〜50重量部の割合とすることが、水酸
基を含有する化合物の使用量のより簡便な算定法であ
る。
【0085】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定される
ものではない。
【0086】なお、以下の実施例および比較例におい
て、高分子ポリオールの数平均分子量および結晶化エン
タルピー(ΔH)、熱可塑性ポリウレタンの対数粘度お
よびJIS−A硬度、並びに多層構造体における熱可塑
性ポリウレタンの層とエチレン−酢酸ビニル共重合体の
ケン化物の層の層間の接着強度、熱可塑性ポリウレタン
組成物の溶融張力およびその保持率、並びに成形品の外
観は次のようにして測定または評価した。
【0087】高分子ポリオールの数平均分子量 JIS K1577に準拠して測定した水酸基価に基づ
いて数平均分子量を算出した。
【0088】高分子ポリオールの結晶化エンタルピー
(ΔH) 示差走査熱量計〔理学電気社製、「TAS10」(商品
名)〕を使用し、窒素気流下(100ml/分)で下記
に示す行程で高分子ポリオール(サンプル量:約10m
g)の熱量測定を行い、行程3におけるピーク面積によ
り結晶化エンタルピー(ΔH)を算出した。 行程1:室温から100℃まで100℃/分の速度で昇
温し、100℃で3分間保持する。 行程2:100℃から−100℃まで10℃/分の速度
で降温し、−100℃で1分間保持する。 行程3:−100℃から100℃まで10℃/分の速度
で昇温する。
【0089】熱可塑性ポリウレタンの対数粘度 N,N−ジメチルホルムアミドに、熱可塑性ポリウレタ
ンを、濃度が0.5g/dlになるように溶解し、得ら
れた熱可塑性ポリウレタン溶液の30℃における流下時
間をウベローデ型粘度計を用いて測定し、下式に従って
対数粘度を求めた。 対数粘度=〔ln(t/t0)〕/c 〔上記式中、tは熱可塑性ポリウレタン溶液の流下時間
(秒)、t0は溶媒の流下時間(秒)、cは熱可塑性ポ
リウレタン溶液の濃度(g/dl)を表す。〕
【0090】熱可塑性ポリウレタンのJIS−A硬度 射出成形機により製造した試験片(サイズ:100mm
×100mm;厚さ:12mm)の硬度(ショアA硬
度)をJIS K−6301に準じて測定した。
【0091】多層構造体における層間接着強度 11mm×100mmのサイズに裁断した積層フィルム
10枚について、80℃の温水中に3秒間浸漬した後、
熱可塑性ポリウレタンの層とエチレン−酢酸ビニル共重
合体のケン化物の層の間のT型剥離強度を23℃、65
%RHの条件下で引張試験機〔オートグラフ(商品
名)、島津製作所(株)社製〕を使用して測定した。
【0092】熱可塑性ポリウレタン組成物の溶融張力お
よびその保持率 (株)東洋精機製作所製のキャピログラフ(商品名)を
使用して測定した。すなわち、装置内にて90℃で1時
間真空乾燥処理した熱可塑性ポリウレタン組成物を、2
20℃に設定されたシリンダーに投入して6分間加熱し
て溶融し、次いで220℃に設定されたノズル(直径:
1mm、L/D=10)から2m/分の速度で25℃の
大気中に押出してストランドとし、このストランドを5
m/分の速度で引き取る際の張力を測定した。シリンダ
ー内で6分加熱した後、シリンダー内で220℃にてさ
らに54分間保持した(シリンダー内の滞留時間は合計
して1時間となる)後に押出しを行った時に観測される
溶融張力を1時間溶融滞留した後の溶融張力とした。ま
た、シリンダー内で6分加熱した後、シリンダー内に保
持することなく押出しを行った時に観測される溶融張力
を溶融滞留前の溶融張力とし、前記した式(1)に従っ
て、溶融張力の保持率を算出した。
【0093】成形品の外観 押出成形によって得られたシートまたは多層構造体の外
観を目視にて観察し、下記のA〜Cの基準に従って評価
した。 A:ゲルやフィッシュアイが存在していない。 B:微少なゲルやフィッシュアイが存在する。 C:ゲルやフィッシュアイの存在、厚さのむらが顕著で
ある。
【0094】以下の実施例、比較例で用いた熱可塑性ポ
リウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物、ポリアミドおよび水酸基を含有する化合物およびそ
の略号は以下のとおりである。 〔熱可塑性ポリウレタン〕熱可塑性ポリウレタンA(略号:TPU−A) 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を
参考例1と同様にして反応させて製造した、数平均分子
量が1000であって、結晶化エンタルピー(ΔH)が
0J/gのポリエステルジオール、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアナートおよび1,4−ブタンジオー
ルを1:2.4:1.4のモル比で参考例2と同様にし
て反応させて得られた、対数粘度が0.9dl/gであ
って、JIS−A硬度が90の熱可塑性ポリウレタン。熱可塑性ポリウレタンB(略号:TPU−B) 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとセバシン酸を
参考例1と同様にして反応させて製造した、数平均分子
量が2000であって、結晶化エンタルピー(ΔH)が
35J/gのポリエステルジオール、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアナートおよび1,4−ブタンジオ
ールを1:4.6:3.6のモル比で参考例2と同様に
して反応させて得られた、対数粘度が0.9dl/gで
あって、JIS−A硬度が90の熱可塑性ポリウレタ
ン。熱可塑性ポリウレタンC(略号:TPU−C) エチレングリコールとプロピレングリコールの混合物
〔前者/後者=5/1(モル比)〕とアジピン酸を参考
例1と同様にして反応させて製造した、数平均分子量が
2000であって、結晶化エンタルピー(ΔH)が36
J/gのポリエステルジオール、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアナートおよび1,4−ブタンジオール
を1:4.2:3.2のモル比で参考例2と同様にして
反応させて得られた、対数粘度が0.9dl/gであっ
て、JIS−A硬度が90の熱可塑性ポリウレタン。熱可塑性ポリウレタンD(略号:TPU−D) 1,4−ブタンジオールとアジピン酸を参考例1と同様
にして反応させて製造した、数平均分子量が2000で
あって、結晶化エンタルピー(ΔH)が77J/gのポ
リエステルジオール、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアナートおよび1,4−ブタンジオールを1:4.
2:3.2のモル比で参考例2と同様にして反応させて
得られた、対数粘度が0.9dl/gであって、JIS
−A硬度が90の熱可塑性ポリウレタン。熱可塑性ポリウレタンE(略号:TPU−E) 1,9−ノナンジオールとアジピン酸を参考例1と同様
にして反応させて製造した、数平均分子量が2000で
あって、結晶化エンタルピー(ΔH)が90J/gのポ
リエステルジオール、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアナートおよび1,4−ブタンジオールを1:4.
4:3.4のモル比で参考例2と同様にして反応させて
得られた、対数粘度が0.9dl/gであって、JIS
−A硬度が90の熱可塑性ポリウレタン。熱可塑性ポリウレタンF(略号:TPU−F) 数平均分子量が1000であって、結晶化エンタルピー
(ΔH)が90J/gのポリ(テトラメチレン)エーテ
ルグリコール〔PTMG−1000(商品名)、三菱化
学(株)社製〕、4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アナートおよび1,4−ブタンジオールを1:2.7:
1.7のモル比で参考例2と同様にして反応させて得ら
れた、対数粘度が0.9dl/gであって、JIS−A
硬度が90の熱可塑性ポリウレタン。熱可塑性ポリウレタンG(略号:TPU−G) 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を
反応させて製造した、数平均分子量が1500であっ
て、結晶化エンタルピー(ΔH)が0J/gのポリエス
テルジオール、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ナートおよび1,4−ブタンジオールを1:3.6:
2.6のモル比で反応させて得られた、対数粘度が0.
9dl/gであって、JIS−A硬度が90の熱可塑性
ポリウレタン。熱可塑性ポリウレタンH(略号:TPU−H) 3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を反応させ
て製造した、数平均分子量が750であって、結晶化エ
ンタルピー(ΔH)が0J/gのポリエステルジオー
ル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートおよ
び1,4−ブタンジオールを1:2.02:1.02の
モル比で反応させて得られた、対数粘度が0.9dl/
gであって、JIS−A硬度が90の熱可塑性ポリウレ
タン。
【0095】〔エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物〕 「エバールE105」(商品名、(株)クラレ製)〔略
号:EVOH〕 〔ポリアミド〕 「UBEナイロン1013B」(商品名、宇部興産
(株)社製)〔略号:PA〕
【0096】〔水酸基を含有する化合物〕水酸基含有化合物−1(略号:P−1) 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとトリメチロー
ルプロパンの混合物(モル比:前者/後者=11/1)
およびアジピン酸を参考例1と同様にして反応させて製
造したポリエステルポリオール(1分子当たりの水酸基
数:2.4、数平均分子量:1000)水酸基含有化合物−2(略号:P−2) エチレングリコール(分子量:62)水酸基含有化合物−3(略号:P−3) 数平均分子量が1000のポリテトラメチレンエーテル
グリコール〔PTMG−1000(商品名)、三菱化学
(株)社製〕水酸基含有化合物−4(略号:P−4) 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとトリメチロー
ルプロパンの混合物(モル比:前者/後者=7.25/
1)およびアジピン酸を参考例1と同様にして反応させ
て製造したポリエステルポリオール(1分子当たりの水
酸基数:2.4、数平均分子量:600)水酸基含有化合物−5(略号:P−5) 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとトリメチロー
ルプロパンの混合物(モル比:前者/後者=53/1)
およびアジピン酸を参考例1と同様にして反応させて製
造した(ただし、スズ系ウレタン化触媒の添加は省略し
た)ポリエステルポリオール(1分子当たりの水酸基
数:2.2、数平均分子量:2000)
【0097】参考例1(ポリエステルポリオールの製造
例) 87.4kgの3−メチル−1,5−ペンタンジオール
および85.9kgのアジピン酸を反応器に仕込み、常
圧下、200℃で生成する水を系外に留去しながらエス
テル化反応を行った。反応物の酸価が30mgKOH/
g以下になった時点で、チタン系重合触媒としてテトラ
イソプロピルチタネート30mgを加え、200〜10
0mmHgに減圧しながら反応を続けた。酸価が1.0
mgKOH/gになった時点で真空ポンプにより徐々に
真空度を上げて反応を完結させた。その後、100℃に
冷却し、反応混合物に水を3重量%加えて攪拌しながら
2時間加熱することにより、チタン系重合触媒を失活さ
せ、次いで減圧下で水を留去した。得られた生成物に、
スズ系ウレタン化触媒としてジブチルスズジアセテート
を10ppmとなる割合で加え、チタン系触媒を失活し
た後にスズ系ウレタン化触媒を添加した、数平均分子量
が1500であって、結晶化エンタルピー(ΔH)が0
J/gのポリエステルポリオールを得た。
【0098】参考例2(熱可塑性ポリウレタンの製造
例) 同方向に回転する二軸押出機(シリンダーの直径:30
mmφ、L/D=36)に、80℃に加熱したポリエス
テルポリオールおよび1,4−ブタンジオールと、50
℃に加熱した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナ
ートを連続的に供給し、押出し機のシリンダー温度を2
60℃に保って連続溶融重合を行い、生成した熱可塑性
ポリウレタンをストランド状に水中に押出し、切断して
熱可塑性ポリウレタンのペレットを製造した。得られた
熱可塑性ポリウレタンのペレットを80℃で24時間真
空乾燥した。
【0099】実施例1 (1)熱可塑性ポリウレタン組成物の製造 予め乾燥させたTPU−Aおよび予め乾燥させたEVO
H並びに水酸基を含有する化合物(P−1)を、表1に
示した配合割合となるように二軸押出機〔TEX−30
(商品名)、日本製鋼所製;シリンダーの直径:30m
m、L/D=30〕に連続的に供給して、シリンダー温
度190〜210℃およびスクリュー回転数200rp
mの条件で溶融混練し、得られた溶融物をストランド状
で水中に連続的に押し出し、次いでペレタイザーで切断
し、ペレットを得た。得られたペレットを60℃で4時
間除湿乾燥することにより本発明の熱可塑性ポリウレタ
ン組成物を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン組成物
の溶融張力を前記の方法で測定し、220℃で1時間溶
融下に滞留させた時の溶融張力保持率を算出した。結果
を表1に示す。 (2)成形品の製造 上記で得られた熱可塑性ポリウレタン組成物を、シリン
ダーの直径25mm、L/D=26の単軸押出機を用い
て、シリンダー温度190〜210℃の条件下で溶融
し、2kg/hrの速度で幅40cmのT型ダイからシ
ート状に吐出して、厚さ100μmのシートを作製し
た。10時間連続して成形を行った時点で得られるシー
トの外観を目視にて観察したところ、ゲルやフィッシュ
アイは認められなかった(評価:A)。なお、この間の
製造安定性は良好(押出し機のスクリュー先端圧は変動
せず、また、吐出も安定していた)であった。
【0100】実施例2〜15 表1に示した熱可塑性ポリウレタン、EVOH、PAお
よび水酸基含有化合物を、表1に示した配合割合となる
ように二軸押出機〔TEX−30(商品名)、日本製鋼
所製;シリンダーの直径:30mm、L/D=30〕に
連続的に供給して、シリンダー温度190〜210℃お
よびスクリュー回転数200rpmの条件で溶融混練
し、得られた溶融物をストランド状で水中に連続的に押
し出し、次いでペレタイザーで切断し、ペレットを得
た。得られたペレットを60℃で4時間除湿乾燥するこ
とにより熱可塑性ポリウレタン組成物を得た。得られた
熱可塑性ポリウレタン組成物の溶融張力を前記の方法で
測定し、220℃で1時間溶融下に滞留させた時の溶融
張力保持率を算出した。結果を表1に示す。また、得ら
れた熱可塑性ポリウレタン組成物を、シリンダーの直径
25mm、L/D=26の単軸押出機を用いて、シリン
ダー温度190〜210℃の条件下で溶融し、2kg/
hrの速度で幅40cmのT型ダイからシート状に吐出
して、厚さ100μmのシートを作製した。10時間連
続して成形を行った時点で得られるシートの外観を表1
に示す。また、この間の製造安定性を表1に併せて示
す。
【0101】比較例1 実施例1の(1)において、水酸基を含有する化合物
(P−1)を使用しなかったこと以外は実施例1の
(1)と同様の操作により、熱可塑性ポリウレタン組成
物を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン組成物の溶融
張力の測定を試みたが、押し出された溶融物が自重によ
って切断してしまい、溶融張力を測定することができな
かった。また、得られた熱可塑性ポリウレタン組成物
を、シリンダーの直径25mm、L/D=26の単軸押
出機を用いて、シリンダー温度190〜210℃の条件
下で溶融し、2kg/hrの速度で幅40cmのT型ダ
イからシート状に吐出して、厚さ100μmのシートを
作製した。10時間連続して成形を行った時点で得られ
るシートの外観を表1に示す。また、この間の製造安定
性を表1に併せて示す。
【0102】比較例2 実施例1の(1)において、水酸基を含有する化合物
(P−1)の配合量を表1に示したように変更したこと
以外は実施例1の(1)と同様の操作により、熱可塑性
ポリウレタン組成物を得た。得られた熱可塑性ポリウレ
タン組成物の溶融張力を前記の方法で測定し、220℃
で1時間溶融下に滞留させた時の溶融張力保持率を算出
した。結果を表1に示す。また、得られた熱可塑性ポリ
ウレタン組成物を、シリンダーの直径25mm、L/D
=26の単軸押出機を用いて、シリンダー温度190〜
210℃の条件下で溶融し、2kg/hrの速度で幅4
0cmのT型ダイからシート状に吐出して、厚さ100
μmのシートを作製した。10時間連続して成形を行っ
た時点で得られるシートの外観を表1に示す。また、こ
の間の製造安定性を表1に併せて示す。
【0103】
【表1】
【0104】実施例16 (1)多層構造体(3層シート)のスクラップの調製 Tダイ型共押出しシート成形装置を用いて、予め乾燥さ
せたTPU−Aと予め乾燥させたEVOHを2台の押出
機よりシリンダー温度210℃にて各々溶融して押し出
し、溶融樹脂の合流部にて合流させた後、Tダイよりシ
ート状に押し出し、冷却することにより多層構造体〔3
層構成のシート;TPU−Aの層/EVOHの層/TP
U−Aの層=100μm/50μm/100μm(各層
の厚さ)〕を製造した。得られた多層構造体における層
間の接着強度を測定したところ、3.4kg/cmであ
った。また、10時間連続して成形を行った時点で得ら
れる多層構造体(3層シート)の外観を目視にて観察し
たところ、ゲルやフィッシュアイは認められなかった
(評価:A)。なお、この間の製造安定性は良好(押出
し機のスクリュー先端圧は変動せず、また、吐出も安定
していた)であった。得られた多層構造体を粉砕してス
クラップ(S−1)とした。 (2)熱可塑性ポリウレタン組成物の製造 予め乾燥させた上記のスクラップ(S−1)〔供給速
度:200g/分〕と水酸基を含有する化合物(P−
1)〔供給速度:10g/分〕を二軸押出機〔TEX−
30(商品名)、日本製鋼所製;シリンダーの直径:3
0mm、L/D=30〕に連続的に供給して、シリンダ
ー温度190〜210℃およびスクリュー回転数200
rpmの条件で溶融混練し、得られた溶融物をストラン
ド状で水中に連続的に押し出し、次いでペレタイザーで
切断し、ペレットを得た。得られたペレットを60℃で
4時間除湿乾燥することにより熱可塑性ポリウレタン組
成物を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン組成物の溶
融張力を前記の方法で測定し、220℃で1時間溶融下
に滞留させた時の溶融張力保持率を算出した。結果を表
2に示す。 (3)多層構造体(5層シート)の製造 Tダイ型共押出しシート成形装置を用いて、予め乾燥さ
せた上記(2)で得られた熱可塑性ポリウレタン組成
物、予め乾燥させたTPU−Aと予め乾燥させたEVO
Hを3台の押出し機より各々溶融して押し出し、溶融樹
脂の合流部にて合流させた後、210℃に設定したフィ
ードブロック型のダイ(Tダイ)よりシート状に押し出
し、冷却することにより多層構造体〔5層構成のシー
ト;熱可塑性ポリウレタン組成物の層/TPU−Aの層
/EVOHの層/TPU−Aの層/熱可塑性ポリウレタ
ン組成物の層=200μm/100μm/50μm/1
00μm/200μm(各層の厚さ)〕を製造した。な
お、上記において、熱可塑性ポリウレタン組成物の押し
出しは、シリンダーの直径:65mm、L/D=22の
単軸押出機を使用して、シリンダー温度190〜210
℃の条件で行った。TPU−Aの押し出しは、シリンダ
ーの直径:40mm、L/D=26の単軸押出機を使用
して、シリンダー温度190〜210℃の条件で行っ
た。また、EVOHの押し出しは、シリンダーの直径:
40mm、L/D=22の単軸押出機を使用して、シリ
ンダー温度190〜225℃の条件で行った。10時間
連続して成形を行った時点で得られる多層構造体(5層
シート)の外観およびこの間の製造安定性を表2に示
す。
【0105】実施例17〜20 (1)多層構造体(3層シート)のスクラップの調製 実施例16の(1)において、TPU−Aに代えてTP
U−Dを使用したこと以外は、実施例16の(1)と同
様の操作を行うことにより、多層構造体〔3層構成のシ
ート;TPU−Dの層/EVOHの層/TPU−Dの層
=100μm/50μm/100μm(各層の厚さ)〕
を製造した。得られた多層構造体における層間の接着強
度を測定したところ、0.9kg/cmであった。ま
た、10時間連続して成形を行った時点で得られる多層
構造体(3層シート)の外観を目視にて観察したとこ
ろ、ゲルやフィッシュアイは認められなかった(評価:
A)。なお、この間の製造安定性は良好(押出し機のス
クリュー先端圧は変動せず、また、吐出も安定してい
た)であった。得られた多層構造体を粉砕してスクラッ
プ(S−2)とした。 (2)熱可塑性ポリウレタン組成物の製造 実施例16の(1)で得られたスクラップ(S−1)ま
たは上記で得られたスクラップ(S−2)〔いずれも供
給速度:200g/分〕および表2に記載した水酸基を
含有する化合物〔供給速度:40g/分(実施例1
7)、4g/分(実施例18)、10g/分(実施例1
9および20)〕を二軸押出機〔TEX−30(商品
名)、日本製鋼所製;シリンダーの直径:30mm、L
/D=30〕に連続的に供給して、シリンダー温度19
0〜210℃およびスクリュー回転数200rpmの条
件で溶融混練し、得られた溶融物をストランド状で水中
に連続的に押し出し、次いでペレタイザーで切断し、ペ
レットを得た。得られたペレットを60℃で4時間除湿
乾燥することにより熱可塑性ポリウレタン組成物を得
た。得られた熱可塑性ポリウレタン組成物の溶融張力を
前記の方法で測定し、220℃で1時間溶融下に滞留さ
せた時の溶融張力保持率を算出した。結果を表2に示
す。 (3)多層構造体(5層シート)の製造 Tダイ型共押出しシート成形装置を用いて、上記で得ら
れたそれぞれの熱可塑性ポリウレタン組成物(予め乾燥
させた)、予め乾燥させた熱可塑性ポリウレタン〔TP
U−A(実施例17〜19)またはTPU−D(実施例
20)〕および予め乾燥させたEVOHを3台の押出機
より各々溶融して押し出し、溶融樹脂の合流部にて合流
させた後、210℃に設定したフィードブロック型のダ
イ(Tダイ)よりシート状に押し出し、冷却することに
より多層構造体〔5層構成のシート;熱可塑性ポリウレ
タン組成物の層/熱可塑性ポリウレタンの層/EVOH
の層/熱可塑性ポリウレタンの層/熱可塑性ポリウレタ
ン組成物の層=200μm/100μm/50μm/1
00μm/200μm(各層の厚さ)〕を製造した。な
お、上記において、熱可塑性ポリウレタン組成物の押し
出しは、シリンダーの直径:65mm、L/D=22の
単軸押出機を使用して、シリンダー温度190〜210
℃の条件で行った。熱可塑性ポリウレタンの押し出し
は、シリンダーの直径:40mm、L/D=26の単軸
押出機を使用して、シリンダー温度190〜210℃の
条件で行った。また、EVOHの押し出しは、シリンダ
ーの直径:40mm、L/D=22の単軸押出機を使用
して、シリンダー温度190〜225℃の条件で行っ
た。10時間連続して成形を行った時点で得られる多層
構造体(5層シート)の外観およびこの間の製造安定性
を表2に示す。
【0106】実施例21 (1)多層構造体(3層シート)のスクラップの調製 実施例16の(1)において、TPU−Aに代えてTP
U−Gを使用したこと以外は、実施例16の(1)と同
様の操作を行うことにより、多層構造体〔3層構成のシ
ート;TPU−Gの層/EVOHの層/TPU−Gの層
=100μm/50μm/100μm(各層の厚さ)〕
を製造した。得られた多層構造体における層間の接着強
度を測定したところ、3.4kg/cmであった。ま
た、10時間連続して成形を行った時点で得られる多層
構造体(3層シート)の外観を目視にて観察したとこ
ろ、ゲルやフィッシュアイは認められなかった(評価:
A)。なお、この間の製造安定性は良好(押出し機のス
クリュー先端圧は変動せず、また、吐出も安定してい
た)であった。得られた多層構造体を粉砕してスクラッ
プ(S−3)とした。 (2)熱可塑性ポリウレタン組成物の製造 予め乾燥させた上記のスクラップ(S−3)〔供給速
度:200g/分〕と水酸基を含有する化合物(P−
1)〔供給速度:10g/分〕を二軸押出機〔TEX−
30(商品名)、日本製鋼所製;シリンダーの直径:3
0mm、L/D=30〕に連続的に供給して、シリンダ
ー温度190〜210℃およびスクリュー回転数200
rpmの条件で溶融混練し、得られた溶融物をストラン
ド状で水中に連続的に押し出し、次いでペレタイザーで
切断し、ペレットを得た。得られたペレットを60℃で
4時間除湿乾燥することにより熱可塑性ポリウレタン組
成物を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン組成物の溶
融張力を前記の方法で測定し、220℃で1時間溶融下
に滞留させた時の溶融張力保持率を算出した。結果を表
2に示す。 (3)多層構造体(5層シート)の製造 Tダイ型共押出しシート成形装置を用いて、予め乾燥さ
せた上記(2)で得られた熱可塑性ポリウレタン組成
物、予め乾燥させたTPU−Gと予め乾燥させたEVO
Hを3台の押出し機より各々溶融して押し出し、溶融樹
脂の合流部にて合流させた後、210℃に設定したフィ
ードブロック型のダイ(Tダイ)よりシート状に押し出
し、冷却することにより多層構造体〔5層構成のシー
ト;熱可塑性ポリウレタンの層/TPU−Gの層/EV
OHの層/TPU−Gの層/熱可塑性ポリウレタンの層
=200μm/100μm/50μm/100μm/2
00μm(各層の厚さ)〕を製造した。なお、上記にお
いて、熱可塑性ポリウレタン組成物の押し出しは、シリ
ンダーの直径:65mm、L/D=22の単軸押出機を
使用して、シリンダー温度190〜210℃の条件で行
った。TPU−Gの押し出しは、シリンダーの直径:4
0mm、L/D=26の単軸押出機を使用して、シリン
ダー温度190〜210℃の条件で行った。また、EV
OHの押し出しは、シリンダーの直径:40mm、L/
D=22の単軸押出機を使用して、シリンダー温度19
0〜225℃の条件で行った。10時間連続して成形を
行った時点で得られる多層構造体(5層シート)の外観
およびこの間の製造安定性を表2に示す。
【0107】実施例22 (1)多層構造体(3層シート)のスクラップの調製 実施例16の(1)において、TPU−Aに代えてTP
U−Hを使用したこと以外は、実施例16の(1)と同
様の操作を行うことにより、多層構造体〔3層構成のシ
ート;TPU−Hの層/EVOHの層/TPU−Hの層
=100μm/50μm/100μm(各層の厚さ)〕
を製造した。得られた多層構造体における層間の接着強
度を測定したところ、3.4kg/cmであった。ま
た、10時間連続して成形を行った時点で得られる多層
構造体(3層シート)の外観を目視にて観察したとこ
ろ、ゲルやフィッシュアイは認められなかった(評価:
A)。なお、この間の製造安定性は良好(押出し機のス
クリュー先端圧は変動せず、また、吐出も安定してい
た)であった。得られた多層構造体を粉砕してスクラッ
プ(S−4)とした。 (2)熱可塑性ポリウレタン組成物の製造 予め乾燥させた上記のスクラップ(S−4)〔供給速
度:200g/分〕と水酸基を含有する化合物(P−
5)〔供給速度:10g/分〕を二軸押出機〔TEX−
30(商品名)、日本製鋼所製;シリンダーの直径:3
0mm、L/D=30〕に連続的に供給して、シリンダ
ー温度190〜210℃およびスクリュー回転数200
rpmの条件で溶融混練し、得られた溶融物をストラン
ド状で水中に連続的に押し出し、次いでペレタイザーで
切断し、ペレットを得た。得られたペレットを60℃で
4時間除湿乾燥することにより熱可塑性ポリウレタン組
成物を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン組成物の溶
融張力を前記の方法で測定し、220℃で1時間溶融下
に滞留させた時の溶融張力保持率を算出した。結果を表
2に示す。 (3)多層構造体(5層シート)の製造 Tダイ型共押出しシート成形装置を用いて、予め乾燥さ
せた上記(2)で得られた熱可塑性ポリウレタン組成
物、予め乾燥させたTPU−Hと予め乾燥させたEVO
Hを3台の押出し機より各々溶融して押し出し、溶融樹
脂の合流部にて合流させた後、210℃に設定したフィ
ードブロック型のダイ(Tダイ)よりシート状に押し出
し、冷却することにより多層構造体〔5層構成のシー
ト;熱可塑性ポリウレタン組成物の層/TPU−Hの層
/EVOHの層/TPU−Hの層/熱可塑性ポリウレタ
ン組成物の層=200μm/100μm/50μm/1
00μm/200μm(各層の厚さ)〕を製造した。な
お、上記において、熱可塑性ポリウレタン組成物の押し
出しは、シリンダーの直径:65mm、L/D=22の
単軸押出機を使用して、シリンダー温度190〜210
℃の条件で行った。TPU−Hの押し出しは、シリンダ
ーの直径:40mm、L/D=26の単軸押出機を使用
して、シリンダー温度190〜210℃の条件で行っ
た。また、EVOHの押し出しは、シリンダーの直径:
40mm、L/D=22の単軸押出機を使用して、シリ
ンダー温度190〜225℃の条件で行った。10時間
連続して成形を行った時点で得られる多層構造体(5層
シート)の外観およびこの間の製造安定性を表2に示
す。
【0108】比較例3 (1)熱可塑性ポリウレタン組成物の製造 実施例16の(2)において、水酸基を有する化合物
(P−1)を使用しなかったこと以外は実施例16の
(2)と同様の操作を行い、熱可塑性ポリウレタン組成
物を得た。得られた熱可塑性ポリウレタン組成物の溶融
張力の測定を試みたが、押し出された溶融物が自重によ
って切断してしまい、溶融張力を測定することができな
かった。 (2)多層構造体(5層シート)の製造 Tダイ型共押出しシート成形装置を用いて、上記で得ら
れた熱可塑性ポリウレタン組成物(予め乾燥させた)、
予め乾燥させたTPU−Aおよび予め乾燥させたEVO
Hを3台の押出機より各々溶融して押し出し、溶融樹脂
の合流部にて合流させた後、210℃に設定したフィー
ドブロック型のダイ(Tダイ)よりシート状に押し出
し、冷却することにより多層構造体〔5層構成のシー
ト;熱可塑性ポリウレタン組成物の層/TPU−Aの層
/EVOHの層/TPU−Aの層/熱可塑性ポリウレタ
ン組成物の層=200μm/100μm/50μm/1
00μm/200μm(各層の厚さ)〕を製造した。な
お、上記において、熱可塑性ポリウレタン組成物の押し
出しは、シリンダーの直径:65mm、L/D=22の
単軸押出機を使用して、シリンダー温度190〜210
℃の条件で行った。TPU−Aの押し出しは、シリンダ
ーの直径:40mm、L/D=26の単軸押出機を使用
して、シリンダー温度190〜210℃の条件で行っ
た。また、EVOHの押し出しは、シリンダーの直径:
40mm、L/D=22の単軸押出機を使用して、シリ
ンダー温度190〜225℃の条件で行った。10時間
連続して成形を行った時点で得られる多層構造体(5層
シート)の外観およびこの間の製造安定性を表2に示
す。
【0109】比較例4および5 (1)熱可塑性ポリウレタン組成物の製造 実施例16の(2)において、水酸基を含有する化合物
(P−1)の供給速度を0.6g/分(比較例4)およ
び120g/分(比較例5)に変更したこと以外は、実
施例16の(2)と同様の操作を行い、スクラップ(S
−1)と水酸基を含有する化合物(P−1)より熱可塑
性ポリウレタン組成物を製造した。得られた熱可塑性ポ
リウレタン組成物の溶融張力を前記の方法で測定し、2
20℃で1時間溶融下に滞留させた時の溶融張力保持率
を算出した。結果を表2に示す。 (2)多層構造体(5層シート)の製造 Tダイ型共押出しシート成形装置を用いて、上記で得ら
れた熱可塑性ポリウレタン組成物(予め乾燥させた)、
予め乾燥させたTPU−Aおよび予め乾燥させたEVO
Hを3台の押出機より各々溶融して押し出し、溶融樹脂
の合流部にて合流させた後、210℃に設定したフィー
ドブロック型のダイ(Tダイ)よりシート状に押し出
し、冷却することにより多層構造体〔5層構成のシー
ト;熱可塑性ポリウレタン組成物の層/TPU−Aの層
/EVOHの層/TPU−Aの層/熱可塑性ポリウレタ
ン組成物の層=200μm/100μm/50μm/1
00μm/200μm(各層の厚さ)〕を製造した。な
お、上記において、熱可塑性ポリウレタン組成物の押し
出しは、シリンダーの直径:65mm、L/D=22の
単軸押出機を使用して、シリンダー温度190〜210
℃の条件で行った。TPU−Aの押し出しは、シリンダ
ーの直径:40mm、L/D=26の単軸押出機を使用
して、シリンダー温度190〜210℃の条件で行っ
た。また、EVOHの押し出しは、シリンダーの直径:
40mm、L/D=22の単軸押出機を使用して、シリ
ンダー温度190〜225℃の条件で行った。10時間
連続して成形を行った時点で得られる多層構造体(5層
シート)の外観およびこの間の製造安定性を表2に示
す。
【0110】
【表2】
【0111】実施例23 実施例16の(1)の方法で製造した3層シート(多層
構造体)の表面に、実施例16の(2)で得られた熱可
塑性ポリウレタン組成物を、予め乾燥させた上で、シリ
ンダーの直径:65mm、L/D=22の単軸押出機を
使用して、シリンダー温度190〜210℃の条件で、
フィードブロック型のダイ(Tダイ)よりシート状に押
し出し、1対のニップロール間を通すことによって押圧
した後、冷却することにより多層構造体〔4層構成のシ
ート;熱可塑性ポリウレタンの層/TPU−Aの層/E
VOHの層/TPU−Aの層=200μm/100μm
/50μm/100μm(各層の厚さ)〕を製造した。
10時間連続して成形を行った時点で得られる多層構造
体(4層シート)の外観およびこの間の製造安定性は、
実施例16の(3)と同様であった。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AH02C AK46B AK46C AK51A AK51C AK69B AK69C BA03 BA07 BA15 CA30A CA30C GB90 JA07C JB16A JB16C JB20 JD02 JK12A JK12C YY00A YY00C 4J002 BE03X BP014 CF104 CG044 CH014 CK02W CK03W CK04W CK05W CL03Y CL05Y EC036 EC046 EC056 GF00 GG02 GJ00 GM00 GN00 GQ00

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
    物および/またはポリアミドと熱可塑性ポリウレタンか
    らなる熱可塑性ポリウレタン組成物であって、220℃
    で1時間溶融下に滞留させた時の溶融張力の保持率が1
    0%以上である熱可塑性ポリウレタン組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリウレタン、エチレン−酢酸
    ビニル共重合体のケン化物およびポリアミドからなる群
    から選ばれる少なくとも1種の重合体より構成される成
    形品を製造する際に生じた成形ロス部分および/または
    該成形品のスクラップを製造原料の少なくとも一部とし
    て使用してなる請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタン
    組成物。
  3. 【請求項3】 成形品が熱可塑性ポリウレタン、エチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体のケン化物およびポリアミドか
    らなる群から選ばれる2種以上の重合体の組成物から構
    成されるものである請求項2に記載の熱可塑性ポリウレ
    タン組成物。
  4. 【請求項4】 成形品が熱可塑性ポリウレタンからなる
    層とエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/
    またはポリアミドからなる層を有する多層構造体である
    請求項2または3に記載の熱可塑性ポリウレタン組成
    物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性ポリウレタンが、結晶化エンタ
    ルピー(ΔH)が70J/g以下である高分子ポリオー
    ル、有機イソシアネート化合物および鎖伸長剤から製造
    されたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    熱可塑性ポリウレタン組成物。
  6. 【請求項6】熱可塑性ポリウレタンのJIS−A硬度が
    60〜97である請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    熱可塑性ポリウレタン組成物。
  7. 【請求項7】 エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
    物および/またはポリアミド、熱可塑性ポリウレタンお
    よび分子量が50以上の水酸基を含有する化合物を溶融
    混練することからなる請求項1記載の熱可塑性ポリウレ
    タン組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
    物、ポリアミドおよび熱可塑性ポリウレタンの合計重量
    100重量部に対し、水酸基を含有する化合物を0.5
    〜50重量部の割合で使用する請求項7に記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 熱可塑性ポリウレタン、エチレン−酢酸
    ビニル共重合体のケン化物およびポリアミドからなる群
    から選ばれる少なくとも1種の重合体より構成される成
    形品を製造する際に生じた成形ロス部分および/または
    該成形品のスクラップと、エチレン−酢酸ビニル共重合
    体のケン化物および/またはポリアミド、熱可塑性ポリ
    ウレタンおよび分子量が50以上の水酸基を含有する化
    合物を溶融混練することからなる請求項1記載の熱可塑
    性ポリウレタン組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 熱可塑性ポリウレタン、エチレン−酢
    酸ビニル共重合体のケン化物およびポリアミドからなる
    群から選ばれる少なくとも1種の重合体より構成される
    成形品を製造する際に生じた成形ロス部分および/また
    は該成形品のスクラップと分子量が50以上の水酸基を
    含有する化合物を、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケ
    ン化物、ポリアミドおよび熱可塑性ポリウレタンから選
    ばれるの少なくとも1種の重合体とともに溶融混練する
    ことからなる請求項1記載の熱可塑性ポリウレタン組成
    物の製造方法。
  11. 【請求項11】 該成形ロス部分および/またはスクラ
    ップ、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリ
    アミドおよび熱可塑性ポリウレタンの合計重量100重
    量部に対し、水酸基を含有する化合物を0.5〜50重
    量部の割合で使用する請求項9または10に記載の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 熱可塑性ポリウレタンからなる層とエ
    チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/または
    ポリアミドからなる層を有する多層構造体を製造する際
    に生じた成形ロス部分および/または該成形品のスクラ
    ップ(a)および/または熱可塑性ポリウレタンとエチ
    レン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/またはポ
    リアミドからなる重合体組成物から構成される成形品を
    製造する際に生じた成形ロス部分および/または該成形
    品のスクラップ(b)と分子量が50以上の水酸基を含
    有する化合物を、所望により、エチレン−酢酸ビニル共
    重合体のケン化物、ポリアミドおよび熱可塑性ポリウレ
    タンから選ばれる少なくとも1種の重合体とともに、溶
    融混練することからなる請求項1記載の熱可塑性ポリウ
    レタン組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】 該成形ロス部分および/またはスクラ
    ップ(a)および(b)並びに所望により使用されるエ
    チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアミドお
    よび熱可塑性ポリウレタンの合計重量100重量部に対
    し、水酸基を含有する化合物を0.5〜50重量部の割
    合で使用する請求項12に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 水酸基を含有する化合物が、ジオール
    類、多価アルコール類または高分子ポリオールである請
    求項7〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 熱可塑性ポリウレタンが、結晶化エン
    タルピー(ΔH)が70J/g以下である高分子ポリオ
    ール、有機イソシアネート化合物および鎖伸長剤から製
    造されたものである請求項7〜14のいずれか1項に記
    載の製造方法。
  16. 【請求項16】 熱可塑性ポリウレタンのJIS−A硬
    度が60〜97である請求項7〜15のいずれか1項に
    記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    熱可塑性ポリウレタン組成物からなる成形品。
  18. 【請求項18】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    熱可塑性ポリウレタン組成物からなる層を少なくとも1
    部に有する多層構造体。
  19. 【請求項19】 熱可塑性ポリウレタンからなる層、エ
    チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/または
    ポリアミドからなる層と、請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物からなる層を有す
    る多層構造体。
  20. 【請求項20】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    熱可塑性ポリウレタン組成物からなる層を最外層として
    有する請求項18または19の多層構造体。
  21. 【請求項21】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    熱可塑性ポリウレタン組成物、熱可塑性ポリウレタンと
    エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物および/また
    はポリアミドを共押出成形することからなる請求項19
    または20の多層構造体の製造方法。
  22. 【請求項22】 熱可塑性ポリウレタンの層と、エチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体のケン化物の層を有する多層構
    造体の表面に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱
    可塑性ポリウレタン組成物からなる層を形成することか
    らなる、請求項19または20の多層構造体の製造方
    法。
  23. 【請求項23】 数平均分子量が300〜1800であ
    り、かつ結晶化エンタルピー(ΔH)が70J/g以下
    である高分子ジオール、有機ジイソシアナートおよび鎖
    伸長剤から構成される、熱可塑性ポリウレタンの層と、
    エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物またはポリア
    ミドの層を有する多層構造体。
  24. 【請求項24】 熱可塑性ポリウレタンのJIS−A硬
    度が60〜97である、請求項23の多層構造体。
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