JP2003290784A - 除鉄・除マンガン装置及びその方法 - Google Patents

除鉄・除マンガン装置及びその方法

Info

Publication number
JP2003290784A
JP2003290784A JP2002099767A JP2002099767A JP2003290784A JP 2003290784 A JP2003290784 A JP 2003290784A JP 2002099767 A JP2002099767 A JP 2002099767A JP 2002099767 A JP2002099767 A JP 2002099767A JP 2003290784 A JP2003290784 A JP 2003290784A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron
manganese
fine sand
filtration
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002099767A
Other languages
English (en)
Inventor
Kosuke Takahashi
孝輔 高橋
Mitsumasa Murakami
光正 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KAIHATSU KOGYO KK
Original Assignee
KAIHATSU KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KAIHATSU KOGYO KK filed Critical KAIHATSU KOGYO KK
Priority to JP2002099767A priority Critical patent/JP2003290784A/ja
Publication of JP2003290784A publication Critical patent/JP2003290784A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬品を用いず、溶解した鉄・マンガンを微生
物酸化とろ過によって除去する。標準的な鉄バクテリア
方式よりも維持管理が簡単で、安全な浄水を得るための
方法を提供する。 【解決手段】 鉄・マンガン酸化槽と逆洗装置付細砂ろ
過槽とからなり、前段の鉄・マンガン酸化槽には曝気装
置及び、酸化ろ床又は生物酸化ろ床を備え、後段の逆洗
装置付細砂ろ過槽では、粒径0.05〜0.3mmの細
砂を5〜150cmの厚さで充填した細砂層を、ろ過砂
・ろ過砂利層の上に形成し、ろ過速度10〜300m/
日で通過させ、目詰まり時には細砂部分を50〜900
m/日で細砂槽を逆洗再生する逆洗装置を配設すること
による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は上水又は工業用水の
浄水に関し、河川や地下などから取水した水(以降「原
水」と記述する)中の鉄・マンガンの除去法に関するも
のである。さらに詳しくは、溶解性鉄または溶解性マン
ガンを含む原水の酸化とろ過処理により安全な水にする
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地下水を水道水に利用する場合、原水中
に鉄・マンガンが含まれていることが多い。この鉄・マ
ンガンの除去法は、従来、塩素によって鉄やマンガンを
酸化し、これをマンガン砂層に通して鉄・マンガンの酸
化物をろ過するのが一般的であった。しかしながら、鉄
・マンガンの濃度が高い場合は、浄水にこれらが漏出す
ることがあり、その場合は水道水としての利用が出来な
いことがあった。また、塩素の注入は装置が複雑になり
高度な管理を要し、トリハロメタンなどの塩素化合物を
生成させることになる。
【0003】そこで、最近は鉄バクテリアによって鉄・
マンガンを除去する砂ろ過法が開発されている。この方
法は塩素を使わずに、まず空気曝気により溶存酸素量を
高め、その後、ろ過槽内の砂ろ材又は繊維球ろ材に増殖
させた鉄バクテリアによって鉄・マンガンを酸化すると
共に、酸化物をろ過する方法である。ろ過槽には逆洗装
置が付いており、砂ろ材又は繊維球ろ材が逆洗再生でき
るようになっている。酸化剤を塩素から酸素に変えたこ
とは酸化力が低下するが、代わりに鉄バクテリア等の生
物による酸化が期待できるようになった。
【0004】しかしながら、既に開発されている砂ろ過
法では、粒径1.5mmのアンスラサイト、又は粒径0.
6mm程度の砂を使用するので空隙は大きい。繊維球を使
用する場合も空隙は大きい。そのため何れの場合も、鉄
及びマンガンの除去率は60〜95%と低い。原水中にお
ける鉄・マンガンの濃度が高い場合は、それらの金属の
残留量が多くなり水道水として利用出来ないため、鉄バ
クテリア処理の後、後段で塩素と凝集剤を添加し、急速
ろ過を行う必要があった。
【0005】また、曝気後直ちに砂やアンスラサイトな
どでろ過する場合、ろ過槽内に蓄積する余剰汚泥は付着
性が強いため逆洗が困難であり、一度水抜きをして高圧
水で洗浄する必要があるとされている。また、繊維球の
洗浄は、空気曝気と逆洗を行い繊維球を浮遊状態にしな
がら余剰汚泥を分離して除去する。曝気直後にろ過する
これらの方法は維持管理に高度技術を要する。
【0006】従来の鉄バクテリアによる砂ろ過法を前段
の鉄・マンガン酸化槽として利用できるが、全くそのま
まの装置として利用するのでは設備的にも、維持管理技
術面において望ましいとは言えない。
【0007】簡易的な方法として、欧米では山の上から
原水を流し、砂礫層の中を水が通過する間に鉄バクテリ
アなどによって鉄・マンガンが酸化物となり、谷でこの
水を取水して、酸化物を沈澱除去後、通常の浄水処理す
ることも行われている。この処理単独では鉄・マンガン
を完全には除去できず、後段の浄水処理の前処理として
用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】地方の市町村が浄水場
を建設する場合、従来のマンガン砂法は、装置は小型で
あるが複雑であり、維持管理も高度な技術を要し、多量
の薬品を使用する。
【0009】従来の鉄バクテリアを使った砂ろ過法は新
しい技術であるが、除去性能が悪い。したがって、鉄・
マンガンの濃度が高い場合は、後段で処理液に凝集剤を
添加してろ過処理する必要がある。また、ろ材中におけ
る鉄バクテリアの繁殖によって、ろ材に余剰汚泥が強固
に付着し逆洗を難しくする。
【0010】従来、曝気を長時間あるいは激しく行うこ
とは、ろ過による除去が困難なコロイド状の鉄酸化物を
発生させるため行ってはならないこととされてきた。そ
こで曝気は出来るだけ穏やかに、しかも短時間に行う必
要がある。しかし、穏やかな短時間の曝気で、完全な酸
化を行わせるといったことは結果的に、運転管理を複雑
にし鉄・マンガンの除去率を上げられない。
【0011】このように、薬品を使わなくても、鉄・マ
ンガンの高い除去性能が得られ、しかもろ材を充填した
ままで逆洗再生できる、運転管理の容易な浄水方法の開
発が課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0012】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
で、凝集剤や塩素を用いないで、空気曝気を十分行う前
段の装置と、生成するコロイド粒子を完全に除去する後
段の装置の2段の装置からなる。前段の鉄・マンガン酸
化装置では鉄バクテリアにより鉄・マンガンの酸化と生
成粒子の凝集沈澱分離又はろ過による除去を行う。後段
の逆洗装置付細砂ろ過装置は、本発明者らの先の発明
(特願2002−85195)によるものとほぼ同じ構
造の装置で、前段の処理液中の酸化されずに残った溶解
性の鉄・マンガンを鉄バクテリアにより酸化すると共に
細砂によるろ過除去を行う。
【0013】前段で曝気を十分に行うと、コロイド粒子
の発生の恐れがあるが、本発明では後段で、細砂により
コロイド粒子を完全に除去できるため、あまり問題にな
らない。従来困難であったコロイド粒子のろ過は、粒径
0.05〜0.3mmの細砂を用いることで解決できた。
コロイドは粒径だけで考えると細砂であっても除去でき
ないが、生成コロイドは凝集性があるため細砂ろ過装置
で除去できるのである。尚、本書では、粒径とは有効径
のことである(以降「粒径」と記述する)。
【0014】逆洗装置付細砂ろ過装置はろ過性能が良好
であるが、酸化鉄・二酸化マンガンの汚泥の発生量が多
いと、ろ過の負担が大きくなり、逆洗回数が多くなるの
で、本発明では前段で、鉄・マンガンの多くを酸化・沈
澱分離させることにしている。前段の鉄・マンガン酸化
槽では70〜95%の除去率を目指し、残りの5〜30
%のコロイド状汚泥は後段の逆洗装置付細砂ろ過装置で
除去する。
【0015】前段で酸化・沈澱分離させることは後段の
逆洗装置付細砂ろ過装置の負担低減だけでなく、後段の
細砂層内の余剰汚泥の逆洗による剥離を容易にする。通
常の水を使った逆洗を基本とするだけで良く、水抜きと
高圧水洗浄など複雑な操作は必要ない。汚泥の良好な剥
離性は本発明では極めて重要で、単に砂層の洗浄が容易
になるだけではなく、細砂の使用と装置の連続運転を可
能にしている。
【0016】逆洗装置付細砂ろ過装置に使用する細砂の
材料は、珪砂である必要はなく、アンスラサイト、ザク
ロ石など色々なものが利用できる。また、細砂層の上に
やや大きめの粒径のアンスラサイト、活性炭粒子又は軽
石を積層することも良い方法である。
【0017】このように前段と後段の装置は相互に補完
し合い、前段の激しい曝気及び後段の細砂を使用したろ
過槽は、従来、何れも使ってはならない技術とされてき
たが、これらを組み合わせることによって、新しい優れ
たシステムが完成した。この方法によって、システムが
簡単で維持管理が容易な、薬品を使わない浄水が可能に
なった。
【0018】請求項2に示すように、鉄・マンガン酸化
槽の沈澱部は接触酸化槽の下部のスペースを利用する以
外に、沈澱槽を別に設けることもできる。
【0019】請求項3に示すように、鉄・マンガン酸化
槽は同じような性能を発揮するものであれば良く、十分
に滞留時間が取れる場合、又は鉄・マンガン濃度が問題
にならないほど低い場合は、単に曝気するだけの装置で
も良い。また、生物酸化処理に繊維状ろ材を使用せず
に、マンガン砂槽、鉄酸化砂槽、又は繊維球を用いた繊
維ろ過槽であってもよい。
【0020】しかし、前段で逆洗が必要な構造にする
と、後段にも逆洗装置を必要とするから、前段と後段の
2段の逆洗となる。装置も複雑になるから、前段は逆洗
が不要な構造に改良することが望ましい。具体的にはろ
材の空隙を大きくすること、ろ材を大きくすることなど
である。
【0021】
【発明の実施の形態】図を用いて、発明の実施の形態を
説明する。図1は本発明の前段に使用する鉄・マンガン
酸化槽の1例である接触酸化槽及び後段に使用する逆洗
装置付細砂ろ過装置の概略図である。
【0022】図1の上図は前段に使用する接触酸化槽1
で、井戸などから汲み上げられた原水7は接触酸化槽1
に流入する。接触酸化槽1には中央部に曝気部4があ
り、曝気部4の下部には曝気装置5がある。曝気部4の
外側にはろ床部2があり、ひも状ろ材3が配設されてい
る。曝気部4の断面積の全断面積に占める割合は概略1
/20〜1/5とする。
【0023】流入水は曝気装置5からの空気により、曝
気部4を上昇し、ろ床部2を下降する。ろ床部2の流下
速度は1〜5cm/秒程度がよい。ろ床部2を出た水は再
び曝気される。こうして槽全体の水は循環する。流入水
中の溶解性の鉄とマンガンは曝気空気の酸素を得て、ろ
床部2で鉄バクテリアの助けを借りて酸化され、不溶性
になる。この不溶性沈澱物はひも状ろ材3に捕捉される
が、過剰になると沈澱部6に余剰汚泥11として沈澱す
る。余剰汚泥11は余剰汚泥取出口10から系外に排出
される。また鉄・マンガンの一部は微細なコロイド粒子
となり流出堰9から処理水8と共に流出する。
【0024】接触酸化槽1の運転条件は装置の形状、水
質によって異なる。滞留時間はおおむね1時間以内であ
る。この点、下水処理の曝気槽における滞留時間5〜2
4時間とは大幅に異なる。曝気量は溶存酸素が2ppm
以上あるようにすれば充分である。循環水量が不足する
場合は補助的に曝気部4にインペラーを入れる。尚、曝
気部4は接触酸化槽1の中央である必要はなく側部でも
良いが、ろ床部2を流入水が平均的に流下するように留
意する。
【0025】ろ床部2には、繊維をモール状にしたひも
状ろ材3を用い、少し隙間を設けて配設して、ろ材に鉄
バクテリアを繁殖させる。この鉄バクテリアは容易に付
着し、過剰な鉄バクテリア及び酸化鉄・二酸化マンガン
は余剰汚泥11として剥離する。ひも状ろ材3は隙間を
取って配設することが肝要であり、これによって目詰ま
りが起きなくなる。
【0026】ひも状ろ材3は効率の良いろ材の一つであ
る。図2(a)はひも状ろ材の側面概略図で、図2
(b)は上面概略図である。芯ひも21の周囲にループ
状繊維22がある。このろ材はろ床部2で上下方向に配
設する。
【0027】ろ材の材質には留意する必要がある。可能
な限り、可塑剤や安定剤が溶出せず、環境ホルモンと疑
われるモノマーを使っていないものが好ましい。ポリビ
ニールアルコール(ビニロン)やポリエチレンエステル
(PETボトル材)などが適当である。
【0028】前段の鉄・マンガン酸化槽は図1に示す方
法に限定するものではない。従来の鉄バクテリアろ過装
置を利用することが出来る。これらは鉄バクテリアによ
る酸化と凝集をろ床上で行わせるための種々な工夫が凝
らされ、逆洗も不可欠である。また、ろ過砂の粒径をも
っと大きくして、逆洗をほとんど行わないようにするこ
とも可能である。たとえば、図1のろ床部2の部分に1
cm程度の大きさのアンスラサイトを充填すれば、従来
のろ床に比べ表面積が減少して多少酸化力は低減する
が、目詰まりが無くなる。長期間使用の後、ろ床が目詰
まりした場合は、水を抜いて掃除するか、下部から曝気
することで汚泥を剥離させる。
【0029】図1の下図は後段に使用する逆洗装置付細
砂ろ過装置30の概略図である。前段の接触酸化槽処理
水8は細砂ろ過槽流入口12から流入し、整流壁13を
経て細砂層15でろ過される。細砂層15の下部には砂
・砂利層16と玉砂利・グリ石層17がある。砂・砂利
層16と玉砂利・グリ石層17の部分は必ずしも図1に
示したものである必要はない。ポーラスコンクリート板
やアルミナ粒子の焼結板などを使うことも出来る。この
場合、玉砂利・グリ石層17は不要であり、砂・砂利層
16も不要な場合がある。最下部は集水装置18であ
り、逆洗時には逆洗水20が流入する。細砂層15に充
填する細砂の粒径は0.05〜0.3mmである。細砂の
粒径が0.3mm以上ではコロイド粒子の捕捉が不完全に
なる。また細砂の粒径が0.05mm以下では細砂逆洗時
に汚泥との分離が困難になる。逆洗時において細砂は最
上部に分布するが、逆洗速度を調整することで不必要な
細砂を流出させて除去することが出来る。したがって、
従来の急速ろ過法や緩速ろ過法では充填前に予め厳密に
粒径分布を調整する必要があるが、逆洗装置付細砂ろ過
装置では事前に厳密に粒径分布を調整する必要はない。
【0030】細砂層15については、0.1mm程度の細
砂を使う場合、ろ過速度が200m/日と高速であって
も、細砂の充填高さは最小5cmでよい。但し、前段の
接触酸化槽1で十分に鉄・マンガンを酸化させておく必
要がある。酸化が不充分な場合は、細砂層15は20c
m程度の厚みは必要であり、ろ過速度も50m/日以下
とすることが望ましい。逆に前段の接触酸化槽1で滞留
時間が半日以上であるような場合、コロイドの凝集性が
失われてしまうこともある。この場合は細砂層15の厚
さを充分に取る必要がある。このように後段の逆洗装置
付細砂ろ過装置30のろ過速度と細砂の充填高さは、細
砂粒径は勿論のこと、前段の鉄・マンガン酸化槽の運転
条件によって大きな影響をうけるが、本発明者の実験に
よると、充填高さ5〜150cm、ろ過速度10〜40
0m/日の範囲であった。
【0031】逆洗装置付細砂ろ過装置30では細砂を使
用するため、逆洗速度は急速ろ過法の場合に比べ数分の
1で、粒径によって異なるが、50〜900m/日の範
囲にある。急速ろ過法では概略900〜1300m/日
であるが、これと同じ逆洗速度では0.3mmの砂でも
流出するようになる。逆洗装置付細砂ろ過装置30では
逆洗速度が遅いため、逆洗水供給装置が小さくて済むこ
とになる。なお、逆洗時の砂の膨張率は30〜150%
と急速ろ過法の場合よりも大きくすることが望ましい。
これは充填する砂が細砂であるため細砂層に蓄積する余
剰汚泥の分離をより効率良くするためである。
【0032】逆洗装置付細砂ろ過装置30は塩素処理や
マンガン砂ろ過を行った水に対しても効果を発揮する。
この場合、鉄バクテリアなどの微生物は繁殖できず、逆
洗装置付細砂ろ過装置30は生物ろ過を伴わない単なる
物理的ろ過を行う細砂ろ過装置となるから、前段におい
て鉄・マンガンの濁度成分の大半が除去されることが条
件となる。前段におけるマンガン砂処理が不充分である
と、後段の細砂表面に二酸化マンガンが多く付着して運
転が難しくなる。
【0033】図3に示すように、接触酸化槽1の沈澱部
6を別置の沈澱槽23とすることも出来る。接触酸化槽
処理水8は沈澱槽23に流入し、沈澱槽処理水25とし
て、次の逆洗装置付細砂ろ過装置30に流入する。沈澱
槽23の形状は特に問わない。
【0034】
【実施例】次に実験例によって、この発明をさらに詳細
に説明する。
【0035】(実験例1)角形酸化塔と逆洗装置付細砂
ろ過塔による鉄・マンガン除去特性 図4に実験例1の実験装置の概略図を示す。図4の左図
は、前段に使用する曝気装置5のみを設置した角形酸化
塔31で、その寸法は縦横35×55cm、高さ37c
m、容積は50Lである。図4の右図は、後段に使用す
る逆洗装置付細砂ろ過塔28で、その直径12.5cm
で細砂、砂利、グリ石が入れてある。細砂は粒径0.1
〜0.3mmのものを厚み30cm充填した。前段の角形
酸化塔31に、原水7として鉄5〜7mg/Lを含む地
下水を入れて曝気後、後段の逆洗装置付細砂ろ過塔28
に流入させた。逆洗装置付細砂ろ過塔28を、ろ過速度
30〜70m/日で運転した結果、浄水19の鉄の濃度
は0.03mg/Lとなった。
【0036】さらに、この浄水19を別置きの直径15
cmで、細砂の充填高さ1mの細砂ろ過塔で再度ろ過し
た。このときの浄水の鉄の濃度は0.01mg/Lであ
った。すなわち前段が曝気処理だけであっても、後段の
逆洗装置付細砂ろ過塔28は1塔だけで水道水基準の
0.3mg/Lをクリアしており、それ以上ろ過する必
要がないことが判明した。
【0037】(実験例2)逆洗装置付細砂ろ過塔の逆洗
確認 実験例1の条件で7時間ろ過した後、逆洗装置付細砂ろ
過塔28の逆洗を行った。逆洗速度は200〜500m
/日である。逆洗により、コロイド状の酸化鉄が逆洗排
水35に流出し、逆洗水20を7Lを流した時点でほぼ
透明な水になった。細砂の中には酸化鉄の汚泥は認めら
れなかった。しかし、もう一度逆洗を開始すると、僅か
であるが濁りが逆洗排水35に見られた。ろ過と逆洗を
数回繰り返したところ、細砂中の汚泥は完全に無くなっ
た。
【0038】実験例1と実験例2によって、コロイド状
酸化鉄は前段の角形酸化塔31と後段の逆洗装置付細砂
ろ過塔28で完全に除去できることが分かった。曝気だ
けの前段ではコロイド状の汚濁水となったが、後段で完
全に除去できた。但し、マンガン除去は不完全であっ
た。
【0039】(実験例3)ひも状ろ材の効果 図5に実験例3の実験装置の概略図を示す。実験例1の
角形酸化塔31にひも状ろ材3を入れて接触酸化塔26
とした。水深を浅くして容量35Lとした。ひも状ろ材
3を入れた後、大きな粒径の懸濁物が発生し、コロイド
状懸濁物がほとんど見られなくなった。下部に溜まった
沈澱粒子34は砂状であり、珪酸を含む粒子が析出し
た。やや小さい粒子は酸化鉄であった。次に、この流出
水8を逆洗装置付細砂ろ過塔28(細砂の粒径0.1〜
0.3mm、充填高さ30cm)に流した。多少濁りも
流入したが、ろ過速度を実験例1と同じにした場合、ろ
過時間が数日と長くなった。逆洗装置付細砂ろ過塔28
を逆洗したところ、逆洗水の最初の1.2L、すなわ
ち、塔のろ床容積の10cm分で細砂層15には酸化鉄
の汚泥の残留は無くなり、これ以上の逆洗は必要ないこ
とがわかった。ろ過時、細砂層15の表面にのみ懸濁物
質が残り、細砂層15の内部には全く入っていなかっ
た。さらに逆洗により細砂と汚泥は十分に分離できるこ
とも分かった。ろ過と逆洗の操作を10回繰り返して
も、問題は発生しなかった。すなわち、接触酸化塔26
におけるひも状ろ材3は逆洗装置付細砂ろ過塔28のろ
過を容易にすることがわかった。尚、この段階では、実
験開始からまだあまり時間が経過しておらず、鉄バクテ
リアがまだ繁殖しておらず、活性は不充分であった。
【0040】(実験例4)ろ過速度の確認 実施例3の条件で逆洗装置付細砂ろ過塔28のろ過速度
を変えた。ろ過速度250m/日まで上げても鉄の除去
は完全であった。ろ過速度400m/日であっても鉄除
去は出来たが、速度を上げるに従って鉄除去率は次第に
低下した。ろ過速度はろ過時の圧力損失と細砂層15の
目詰まりによって制限を受けるが、400m/日が限度
である。
【0041】(実験例5)砂の最大粒径の確認 実験例3の条件で細砂層15の砂粒径を変え、0.3〜
0.4mmとした。その結果、ろ過速度150m/日の流
速であってもほとんど濁りは無かった。次に、砂粒径を
0.4〜0.6mmとした。この場合、ろ過速度50m/
日で鉄コロイドの漏出が見られた。以上のことから、細
砂の粒径は0.4mm以下、出来るならば0.3mm以
下が好ましいことがわかった。
【0042】以上の実験例1〜5は鉄バクテリアが十分
繁殖しておらず活性が不充分な場合である。濁質はコロ
イド状態にも関わらず、逆洗装置付細砂ろ過塔28は十
分なろ過性能を示した。またひも状ろ材3の有効性も確
認できた。
【0043】(実験例6)ひも状ろ材に鉄バクテリアを
繁殖させた実験 鉄バクテリアを繁殖させて実験を行った。図6に実験例
6の実験装置の概略図を示す。接触酸化塔26は高さ1
50cm、直径15cmであり、上端から10cm下に
長さ100cm、直径5cmのパイプを設置して内筒3
2とし、その下部に曝気装置5を入れた。内筒32と、
接触酸化塔26の側壁である外筒33の間には直径45
mmのひも状ろ材3を5本を上下方向に張った。原水7
はろ床部2に入れ、処理水8はオーバーフローさせた。
曝気を行うと酸素が溶解した水が内筒32の曝気部4を
上昇し、上部でUターンしてろ床部2を下降する。この
ように循環を繰り返す間に、ろ床部2のひも状ろ材3で
増殖したバクテリアが鉄・マンガンを酸化し、その酸化
物がひも状ろ材3に付着するというものである。過剰の
酸化物はひも状ろ材3から脱落し、沈澱部6に溜まる。
接触酸化塔26からの処理水8は中間の沈澱容器27を
経て、後段の逆洗装置付細砂ろ過塔28に導いた。
【0044】逆洗装置付細砂ろ過塔28には粒径0.1
〜0.3mmの細砂を20cmの厚みで充填して細砂層
15を形成し、その下部に10cmの厚みで充填した粒
径0.3〜0.4mmの砂層29を形成した。鉄バクテ
リアの固まりを接触酸化塔26に入れ植種した。その後
2〜8mg/Lの鉄、0.2〜0.8mg/Lのマンガ
ンを含む原水7を1日500L流した。その結果を表1
に示す。この表に示すように運転開始後14日で鉄とマ
ンガンは、水道水基準0.3mg/L、0.05mg/
Lを満足するようになった。鉄バクテリアの繁殖には2
ヶ月を要するといわれてきたが、ひも状ろ材3を使った
接触酸化塔26では繁殖が早く、ろ材は隙間があるため
逆洗操作が無くても運転できた。20日後にも、鉄・マ
ンガン何れも水道水基準を満足する水質になったことを
確認した。さらに後段の逆洗装置付細砂ろ過塔28で
は、水道水の基準を大幅にクリアする水質となることも
確認された。
【表1】
【0045】鉄・マンガン酸化物の沈澱は主に接触酸化
塔26の下部に溜まった。沈澱容器27には少量の沈澱
物が見られた。このことから接触酸化塔26と逆洗装置
付細砂ろ過塔28の中間に置く沈澱容器27は前段の接
触酸化塔26に沈澱部がある場合は必ずしも必要がない
ことが分かった。
【0046】
【本発明の効果】水道や食品工業など良好な水が要求さ
れる分野において、その原水が地下水や伏流水では鉄・
マンガンが含まれている場合が多い。本発明はこれらの
鉄・マンガンを薬剤なしに除去でき、鉄が5mg/Lと
高濃度に含まれているような原水であっても除去でき
る。さらに後段に配置する逆洗装置付細砂ろ過装置は逆
洗が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉄・マンガン酸化槽の1例である接触酸化槽及
び逆洗装置付細砂ろ過装置の概略図である。
【図2】ひも状ろ材の概略図である。
【図3】接触酸化槽及び沈澱槽の概略図である。
【図4】実験例1の実験装置の概略図である。
【図5】実験例3の実験装置の概略図である。
【図6】実験例6の実験装置の概略図である。
【符号の説明】
1 接触酸化槽 2 ろ床部 3 ひも状ろ材 4 曝気部 5 曝気装置 6 沈澱部 7 原水 8 接触酸化槽処理水 9 流出堰 10 余剰汚泥取出口 11 余剰汚泥 12 逆洗装置付細砂ろ過装置流入口 13 整流壁 14 逆洗水排水用トラフ 15 細砂層 16 砂・砂利層 17 玉砂利・グリ石層 18 集水装置 19 浄水 20 逆洗水 21 ひも状ろ材の芯 22 ループ状繊維 23 沈澱槽 24 沈澱槽余剰汚泥取出口 25 沈澱槽処理水 26 接触酸化塔 27 沈澱容器 28 逆洗装置付細砂ろ過塔 29 粒径0.3〜0.4mmの砂層 30 逆洗装置付細砂ろ過槽 31 角形酸化塔 32 内筒 33 外筒 34 沈澱粒子 35 逆洗排水
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 3/34 B01D 23/24 Z Fターム(参考) 4D003 AA01 AB03 BA02 CA02 CA03 DA22 EA08 EA14 EA17 EA18 EA22 EA30 4D038 AA02 AB66 BA04 BB17 BB18 4D040 DD05 DD20 DD31 4D041 AC01 BB04 BB14 BB25 BC12 CA04 CA08 CB00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】河川や地下などから取水した水に含まれる
    鉄・マンガンを除去して飲料水又は洗浄水とする浄水装
    置において、前段の鉄・マンガン酸化槽と後段の逆洗装
    置付細砂ろ過槽とからなり、該鉄・マンガン酸化槽では
    曝気装置及び、酸化を促進するろ材を設置した酸化ろ床
    又は生物酸化ろ床を備え、該逆洗装置付細砂ろ過槽で
    は、粒径0.05〜0.3mmの細砂を5〜150cm
    の厚さで充填した細砂層を、ろ過砂・ろ過砂利層の上に
    形成し、該取水をろ過速度10〜300m/日で通過さ
    せて浄水し、該細砂層の目詰まり時には50〜900m
    /日の速度で自動的に逆洗再生する逆洗装置を配設する
    ことを特徴とする除鉄・除マンガン装置及びその方法。
  2. 【請求項2】上記鉄・マンガン酸化槽が曝気装置及び、
    酸化を促進する繊維状ろ材を設置した繊維ろ床を備え、
    酸化された鉄・マンガン粒子の沈殿部を該鉄・マンガン
    酸化槽の内部に設けるか、又は鉄・マンガン酸化槽と切
    り離して別置きの沈殿槽とし上記逆洗装置付細砂ろ過槽
    との間に設置することを特徴とする請求項1記載の除鉄
    ・除マンガン装置及びその方法。
  3. 【請求項3】上記鉄・マンガン酸化槽が、曝気酸化槽、
    マンガン砂槽、鉄酸化砂槽、又は繊維ろ過槽であること
    を特徴とする請求項1記載の除鉄・除マンガン装置及び
    その方法。
JP2002099767A 2002-04-02 2002-04-02 除鉄・除マンガン装置及びその方法 Pending JP2003290784A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002099767A JP2003290784A (ja) 2002-04-02 2002-04-02 除鉄・除マンガン装置及びその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002099767A JP2003290784A (ja) 2002-04-02 2002-04-02 除鉄・除マンガン装置及びその方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003290784A true JP2003290784A (ja) 2003-10-14

Family

ID=29241050

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002099767A Pending JP2003290784A (ja) 2002-04-02 2002-04-02 除鉄・除マンガン装置及びその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003290784A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1309664C (zh) * 2004-12-30 2007-04-11 西安建筑科技大学 扬水曝气强化生物接触氧化水质改善装置
JP2007167738A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Ebara Corp クリプトスポリジウム排出に対応した砂ろ過装置と逆洗方法
JP2009207985A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Public Works Research Institute 下水処理水の藻類増殖抑制方法及びその装置
JP2009291752A (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 Koyo:Kk 緩速濾過装置
CN102603080A (zh) * 2012-03-23 2012-07-25 北京工业大学 一种高铁锰地下水生物净化滤层快速启动方法
JP2015186775A (ja) * 2014-03-26 2015-10-29 株式会社ウェルシィ 水処理システム及び水処理方法
JP2018122275A (ja) * 2017-02-03 2018-08-09 田中 聡 消臭材の製造方法
BE1025220B1 (nl) * 2017-12-20 2018-12-06 Top Bronnen Nv Werkwijze en inrichting voor het bottelkaar maken van bronwater en verkregen bronwater
JP2020062628A (ja) * 2018-10-19 2020-04-23 国立大学法人九州大学 マンガンの除去方法
CN112537878A (zh) * 2020-10-12 2021-03-23 廊坊师范学院 微生物过滤在污水处理设备的应用及方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1309664C (zh) * 2004-12-30 2007-04-11 西安建筑科技大学 扬水曝气强化生物接触氧化水质改善装置
JP2007167738A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Ebara Corp クリプトスポリジウム排出に対応した砂ろ過装置と逆洗方法
JP4699198B2 (ja) * 2005-12-20 2011-06-08 荏原エンジニアリングサービス株式会社 クリプトスポリジウム排出に対応した砂ろ過装置の逆洗方法
JP2009207985A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Public Works Research Institute 下水処理水の藻類増殖抑制方法及びその装置
JP2009291752A (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 Koyo:Kk 緩速濾過装置
CN102603080A (zh) * 2012-03-23 2012-07-25 北京工业大学 一种高铁锰地下水生物净化滤层快速启动方法
JP2015186775A (ja) * 2014-03-26 2015-10-29 株式会社ウェルシィ 水処理システム及び水処理方法
JP2018122275A (ja) * 2017-02-03 2018-08-09 田中 聡 消臭材の製造方法
BE1025220B1 (nl) * 2017-12-20 2018-12-06 Top Bronnen Nv Werkwijze en inrichting voor het bottelkaar maken van bronwater en verkregen bronwater
JP2020062628A (ja) * 2018-10-19 2020-04-23 国立大学法人九州大学 マンガンの除去方法
WO2020080035A1 (ja) * 2018-10-19 2020-04-23 国立大学法人九州大学 マンガンの除去方法
JP7176686B2 (ja) 2018-10-19 2022-11-22 国立大学法人九州大学 マンガンの除去方法
CN112537878A (zh) * 2020-10-12 2021-03-23 廊坊师范学院 微生物过滤在污水处理设备的应用及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2875765B2 (ja) 高濃度排水の処理装置
CN105060488A (zh) 一种利用充氧过滤***进行污水深度处理的方法
CN109809653A (zh) 一种中高浓度综合污水脱氮除磷处理工艺
CN109399793A (zh) 一种沉淀过滤反冲洗强化泥水分离一体化水处理设备
JP2003290784A (ja) 除鉄・除マンガン装置及びその方法
JP2010082599A (ja) 水処理装置及び水処理方法
JP2003136088A (ja) 合流式下水道における下水処理方法及び装置
JP2007144307A (ja) 水処理方法及びその処理装置
JP2002177956A (ja) 浄水方法および浄水装置
JP3491125B2 (ja) 浄水処理装置
JP2013000629A (ja) 長繊維ろ過装置の逆洗方法および長繊維ろ過装置の逆洗装置
JP2684495B2 (ja) 有機性汚水の高度浄化装置
JP3561460B2 (ja) 畜産排水の汚水処理方法とその装置
JP3779634B2 (ja) 長繊維ろ過装置
JP3972406B2 (ja) 厨芥処理装置
JP4335193B2 (ja) 有機性廃水の処理方法及び装置
KR100697985B1 (ko) 순환형 호소 수질정화시스템
JPH02207882A (ja) 汚水類処理装置
JP4124957B2 (ja) ろ過体の洗浄方法及び装置
JP3721092B2 (ja) 活性汚泥の固液分離方法及び装置
JP2014008474A (ja) 池水循環ハイブリッド浄化方法及び池水循環ハイブリッド浄化システム
JP4302411B2 (ja) 海水及び汽水の浄化方法とその装置
CN108383238A (zh) 一种生物基质挂膜管道渗透污水处理***
JPH10202281A (ja) 排水処理装置
CN208964729U (zh) 超深层曝气生化处理***