JP2003286654A - 難燃性保護マット - Google Patents

難燃性保護マット

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JP2003286654A JP2002083404A JP2002083404A JP2003286654A JP 2003286654 A JP2003286654 A JP 2003286654A JP 2002083404 A JP2002083404 A JP 2002083404A JP 2002083404 A JP2002083404 A JP 2002083404A JP 2003286654 A JP2003286654 A JP 2003286654A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃剤を付与することなく難燃性を有する保
護マットを提供する。 【解決手段】 ポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド
不織布により構成され、構成繊維同士は三次元的に交絡
しており、該スパンボンド不織布の難燃性がJIS K
7201の測定において酸素指数26以上であること
を特徴とする難燃性保護マット。スパンボンド不織布
が、溶融流量が40〜80g/10分のポリ乳酸系重合
体を溶融紡糸したものであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物処分場にお
いて、遮水シートを保護するために該シート上に敷設し
て使用される保護マットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】廃棄物処分場は、地表を適度な深さに掘
り下げて形成され、その底から順に廃棄物を埋め立てる
ようになっている。このような廃棄物処分場において
は、その底面および法面に遮水シートが敷設されてお
り、遮水シートの上には、遮水シートが直射日光に当た
るのを防ぐため(遮光)や、また、落下物により遮水シ
ートが破れることを防ぐために保護マットが敷設されて
いる。
【0003】保護マットとしては、ニードルパンチ処理
等により構成繊維同士が機械的に交絡してなる長繊維不
織布または短繊維不織布(いわゆる、ニードルパンチ不
織布等)が多く使用されている。ニードルパンチ不織布
は、繊維がある程度の自由度を有するものであるため、
凹凸のある処分場の底面や法面に追随することができ、
良好に敷設することが可能であることから、保護マット
として好適である。
【0004】このような処分場に廃棄される廃棄物とし
ては、他の場所で焼却処分された焼却物(灰を含む)が
ある。この焼却物において、火種を有している場合があ
り、廃棄後に、発火して火災を起こす危険性があるた
め、保護マットには難燃性が求められている。不織布等
の繊維製品に、難燃性を有するものとしては、難燃剤を
付与されたものが知られている。この難燃剤としては、
ハロゲン系やノンハロゲン系等の難燃剤が多く使用され
ており、火災時のガスによる二次災害の危険性や、人体
への悪影響があるため、処分場付近の住民への影響が問
題となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題を
解決し、ハロゲン系やノンハロゲン系の難燃剤を付与す
ることなく難燃性を有する保護マットを提供することを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明らは、前記問題を
解決すべく鋭意検討の結果、難燃化処理を特別に施さな
くとも難燃性を具備した素材を開発し、本発明に到達し
た。
【0007】すなわち、本発明は、ポリ乳酸系重合体か
らなるスパンボンド不織布により構成され、構成繊維同
士は三次元的に交絡しており、該スパンボンド不織布の
難燃性がJIS K 7201の測定において酸素指数
26以上であることを特徴とする難燃性保護マットを要
旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の保護マットは、ポリ乳酸
系重合体からなるスパンボンド不織布により構成され、
構成繊維同士は、三次元的に交絡している。
【0009】ポリ乳酸系重合体としては、熱可塑性の脂
肪族ポリエステルであって、ポリ(D−乳酸)、ポリ
(L−乳酸)、D−乳酸とL−乳酸との共重合体、D−
乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、L−乳酸と
ヒドロキシカルボン酸との共重合体、D−乳酸とL−乳
酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体との群から選ば
れる重合体あるいはこれらのブレンド体が用いられる。
【0010】乳酸と共重合するヒドロキシカルボン酸と
しては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉
草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、
ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸等が挙げ
られる。これらの中でも特に、ヒドロキシカプロン酸ま
たはグリコール酸を用いることが低コストの点から好ま
しい。
【0011】ポリ乳酸系重合体の融点は、100℃以上
であることが好ましく、さらに好ましくは、120℃以
上である。ポリ乳酸のホモポリマーであるポリ(L−乳
酸)やポリ(D−乳酸)の融点は約180℃であるが、
ポリ乳酸系重合体として前記コポリマーを用いる場合に
は、コポリマーの融点が100℃以上となるようにモノ
マー成分の共重合量比を決定することが好ましく、本発
明においては、光学純度が90%以上のポリ乳酸を用い
ることが好ましい。光学純度は、耐熱性や生分解性に影
響をする要因であり、光学純度が低くなるとともに結晶
化が低下し、融点降下が大きくなる傾向にある。
【0012】本発明に用いるポリ乳酸系重合体の数平均
分子量は、約20,000以上、好ましくは約40,00
0以上のものを用いることが、得られる繊維特性の点や
不織布製造時の製糸性の点で好ましい。
【0013】また、用いるポリ乳酸系重合体の溶融流量
は、40g〜80g/10分であることが好ましい。溶
融流量が40g/10分未満であると、製糸工程におい
て、製糸工程において、高速製糸性に劣り、また、粘度
が高いため、着火した際に溶融落下しにくく、難燃性に
劣るものとなる。一方、80g/10分を超えると、溶
融流量が低すぎて、製糸時に糸条が破断しやすく、ま
た、繊維が得られたとしても、機械的性能に劣る不織布
しか得られない。ここで、ポリ乳酸系重合体の溶融流量
は、ASTM−D−1238に記載の方法に準じて温度
210℃で測定した値である。
【0014】本発明におけるスパンボンド不織布の長繊
維を構成するポリ乳酸系重合体の結晶化度は、10〜2
0質量%の範囲にあることが好ましい。結晶化度が10
質量%未満であると、分子配向が十分でなく、結晶性が
低すぎるため、繊維の残留伸度が高くなる。その結果、
得られるスパンボンド不織布は、寸法安定性や機械的特
性に劣る傾向となる。一方、結晶化度が20質量%を超
えると、得られるスパンボンド不織布の寸法安定性、機
械的特性および熱的安定性は優れるが、難燃性に劣る傾
向となる。
【0015】長繊維を構成するポリ乳酸系重合体の結晶
化度は、ポリ乳酸系重合体に、例えばタルク、窒化ホウ
素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン等
の結晶核剤を添加することや、繊維を溶融紡糸する際に
高速で引き取ること等により達成することができる。結
晶核剤を添加すると長繊維の結晶化を促進させ、得られ
るスパンボンド不織布の機械的強度や耐熱性を向上させ
ることができ、しかも製造時の溶融紡出・冷却工程での
紡出糸条間の融着(いわゆるブロッキング)の発生を防
止することができる。結晶核剤の添加量は、0.1〜3.
0質量%、好ましくは0.5〜2.0質量%である。
【0016】本発明において、スパンボンド不織布を構
成する長繊維の繊維形態としては、単一のポリ乳酸系重
合体からなる単相形態のものであっても、異なる光学純
度を有する2種のポリ乳酸系重合体からなる複合形態の
ものであってもよい。複合形態としては、芯鞘型複合断
面、偏心芯鞘型複合断面、サイドバイサイド型複合断
面、多葉型複合断面等が挙げられる。
【0017】スパンボンド不織布を構成する繊維の単糸
繊度としては、1〜20デシテックスであることが好ま
しい。単糸繊度が1デシテックス未満であると、繊維の
強力が低いため、ニードルパンチ処理の際や、保護マッ
トとして使用時に、繊維が切断しやすく、保護マットの
強力が低下するため好ましくない。一方、単糸繊度が2
0デシテックスを超えると、繊維の曲げ応力が大きくな
るため、三次元交絡処理の際に、構成繊維同士の交絡性
に劣る傾向となる。
【0018】保護マットを構成するスパンボンド不織布
の目付は、200g/m2以上であることが好ましい。
目付が200g/m2未満の場合は、遮水シートを保護
すべく保護マットとしての役割が十分に果たされない傾
向となる。
【0019】スパンボンド不織布の色については特に制
約はないが、緑色、灰色、黒色等に着色されていること
が、周囲の環境調和性の観点からは好ましい。
【0020】本発明の保護マットは、構成繊維同士が三
次元的に交絡している。三次元的に交絡することによっ
て、繊維がある程度の自由度を有するものとなり、凹凸
のある処分場の底面や法面に追随することができるた
め、良好に敷設することが可能となる。
【0021】本発明のポリ乳酸系重合体からなるスパン
ボンド不織布で構成される保護マットの難燃性は、JI
S K 7201の測定における酸素指数が26以上で
ある。酸素指数が26未満であると、保護マットに着火
した場合、その火種が消えずに、更に燃え広がり、場合
によっては大事故の原因となる。
【0022】本発明において、ポリ乳酸系重合体からな
るスパンボンド不織布が、難燃剤を付与するというよう
な特別な難燃化処理を施さなくとも高い難燃性を有して
いる。なお、ポリ乳酸が高度の難燃性は有していない
が、大気中で継続燃焼しにくい自己消化性を有している
こと、すなわち、難燃剤を付与しないポリ乳酸繊維織物
の酸素指数は24であることが知られている(繊維学会
誌 vol55,No7(1999) ポリ乳酸繊維織
物の難燃化)。本発明のポリ乳酸系重合体からなるスパ
ンボンド不織布が、特別に高い難燃性を有している理由
は定かでないが、下記のことが推察される。
【0023】スパンボンド不織布は、他の熱可塑性重合
体からなる成形体としてのフィルム、短繊維、長繊維と
比較して、溶融流量の値が大きい熱可塑性重合体を用い
る。例えば、フィルムは1〜5g/10分程度のポリ乳
酸系重合体を用い、短繊維や長繊維は10〜30g/1
0分程度のポリ乳酸系重合体を用いる。一方、スパンボ
ンド不織布は、上述したように40〜80g/10分と
いうように、フィルム、短繊維、長繊維と比較して溶融
流量の値が大きい。溶融流量の値が大きいポリ乳酸系重
合体からなる繊維と、溶融流量の値が小さいポリ乳酸系
重合体からなる繊維とを比較すると、前者の方が、着火
した場合に火が移行することなく、火種が溶融落下しや
すい。
【0024】また、スパンボンド不織布は、製糸工程に
おいて、紡糸口金の下方に吸引ジェットを設置し、この
ジェットにより紡糸糸条を高速で吸引することにより、
重合体の分子配向を促進させて、機械的に延伸すること
のない繊維(いわゆる、Pre Oriented Y
arnである。)を得る。一方、一般の織編物に用いら
れる短繊維、長繊維は、紡糸口金の下方に引き取りロー
ルを設置し、紡出糸条を引き取りロールを介して、一
旦、未延伸糸として巻き取った後、複数のロール群間で
機械的に延伸して得た延伸糸(いわゆる、Full D
raw Yarnである。)であったり、あるいは、未
延伸糸として巻き取らず、直接ロール群間で機械的に延
伸して得た延伸糸である。長繊維や短繊維として用いる
延伸糸は、スパンボンド法により得られる繊維と比較し
て、分子配向が促進されて結晶化度が高い。一方、スパ
ンボンド法により得られる繊維は、延伸糸よりも、結晶
化度が低く、非晶部が多い。結晶化度が低く非晶部の多
い繊維(スパンボンド法による繊維)は、着火した場合
に、他の部位に火が移行することなく火種が溶融落下し
やすい。
【0025】次に、本発明のポリ乳酸系重合体からなる
スパンボンド不織布で構成される保護マットの好ましい
製造方法について説明する。
【0026】まず、ポリ乳酸系重合体からなるスパンボ
ンド不織布を製造する。上述したポリ乳酸系重合体を加
熱溶融して紡糸口金から吐出し、得られた紡出糸条を従
来公知の横型吹き付けや環状吹き付け等の冷却装置を用
いて冷却し、次いで、下流に設置した吸引ジェットにて
牽引細化し、引き続き、排出された糸条群を開繊した
後、メッシュスクリーン等からなるコンベアの如き移動
堆積装置上に開繊堆積させてウエブとする。次いで、こ
の移動堆積装置上に形成されたウエブを、エンボス装置
に通布して仮熱圧着処理を施し、次の三次元交絡処理工
程へ搬送しやすい形態とする。仮圧着を施されたウエブ
にニードルパンチ処理を施して、構成繊維同士を三次元
的に交絡させて一体化し、本発明の保護マットを得る。
【0027】用いるポリ乳酸系重合体には、必要に応じ
て顔料等を混合することにより、着色したスパンボンド
不織布を得ることが好ましい。
【0028】牽引細化する際の牽引速度は、3000〜
6000m/分とするのが好ましい。牽引速度が300
0m/分未満であると、重合体の配向結晶化が進行せ
ず、得られるスパンボンド不織布の機械的強度が向上し
ない。一方、牽引速度が6000m/分を超えると、製
糸性が急激に悪化し、糸切れを生じ操業性に劣る。な
お、重合体には、上述した結晶核剤を添加することによ
り、溶融紡出に際して紡出糸条の冷却性が向上するため
好ましい。
【0029】ニードルパンチ処理の条件は特に限定され
ないが、パンチ密度を50〜150パンチ/cm2とす
るのが不織布の機械的特性、繊維同士の絡合性が向上す
るため好ましい。パンチ密度が50パンチ/cm2未満
では、構成繊維同士の絡合が不十分で、不織布の引裂強
力等の機械的特性が向上せず非常に弱く、しかも毛羽の
ある不織布となる。また、パンチ密度が150パンチ/
cm2を超えると、繊維は十分絡合するものの、繊維が
部分的に切断されるために不織布の引裂強力等の機械的
特性が劣るものとなる。
【0030】不織布の構成繊維間の接合をより強固にす
るために、接着剤を付与し、不織布の機械的強力を向上
させ、保護マットとしての機械的強力を向上させてもよ
い。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。また、実施例における物性値は、以
下のようにして求めた。
【0032】酸素指数;JIS K 7201に準じ、
試験片の支持方法をB−1号で、酸素指数の決定は燃焼
長さが50mm以上燃え続けたときとし、点火器の熱源
は天然ガスとした。
【0033】結晶化度(質量%);測定対象の長繊維を
粉末化して、Al試料枠(20×18×0.5mm)に
充填したうえで垂直方向に保持したサンプルについて、
理学電機社製のRAD−rB型X線発生装置により、C
u−Kα線をこのサンプルに対し直角方向から照射し
た。受光側には、湾曲グラファイトモノクロメータを用
いた。そのうえで、2θ=5〜125°の範囲で走査を
行い、Ruland法により質量百分率として結晶化度
を求めた。
【0034】実施例1 融点170℃、溶融流量40g/10分のポリ乳酸系重
合体(ポリL乳酸/ポリD乳酸の共重合比が99/1)
をエクストルーダー型溶融押し出し機を用いて、温度2
20℃で溶融し、繊維断面が円形となる紡糸口金を用
い、単孔吐出量1.65g/分で溶融紡糸した。この紡
出糸条を公知の冷却装置を用いて冷却した後、口金の下
方に設置された吸引ジェットを用いて、牽引速度が48
00m/分で牽引細化し公知の開繊装置にて開繊させ、
開繊させた糸条を移動するスクリーンコンベア上に堆積
させた。この長繊維不織ウエブをエンボスロールとフラ
ットロールからなるエンボス装置にて仮熱圧接処理を施
し、単糸繊度3.4デシテックスの長繊維からなる目付
400g/m2のウエブを得た。熱圧接条件は、熱圧着
部となるエンボス部の面積が0.7mm2、熱圧着部の
密度が20個/cm2、熱圧着面積率が15%であるエ
ンボスロールと表面が平滑なフラットロールを用い、両
ロール温度を60℃に設定した。
【0035】次いで、得られたウエブにパンチ密度90
パンチ/cm2でニードルパンチ処理を施し、構成繊維
同士が三次元的に交絡してなるスパンボンド不織布から
なる保護マットを得た。不織布の酸素指数は26、繊維
を構成する重合体の結晶化度は13質量%であった。
【0036】実施例2 実施例1において、溶融流量60g/10分のポリ乳酸
系重合体を用いたこと、牽引速度を5000m/分とし
たこと以外は実施例1と同様にして、単糸繊度3.3デ
シテックスの長繊維からなる目付400g/m2の構成
繊維同士が三次元的に交絡してなるスパンボンド不織布
からなる保護マットを得た。得られたスパンボンド不織
布の酸素指数は28、繊維を構成する重合体の結晶化度
は15質量%であった。
【0037】実施例3 実施例1において、溶融流量80g/10分のポリ乳酸
系重合体を用いたこと、牽引速度を5300m/分とし
たこと以外は実施例1と同様にして、単糸繊度3.1デ
シテックスの長繊維からなる目付400g/m2の構成
繊維同士が三次元的に交絡してなるスパンボンド不織布
からなる保護マットを得た。得られたスパンボンド不織
布の酸素指数は29、繊維を構成する重合体の結晶化度
は18質量%であった。
【0038】比較例1 融点260℃、固有粘度0.7のポリエチレンテレフタ
レートをエクストルーダー型溶融押し出し機を用いて、
温度290℃で溶融し、繊維断面が円形となる紡糸口金
を用い、単孔吐出量1.64g/分で溶融紡糸した。こ
の紡出糸条を公知の冷却装置を用いて冷却した後、口金
の下方に設置された吸引ジェットを用いて、牽引速度が
5000m/分で牽引細化し公知の開繊装置にて開繊さ
せ、開繊させた糸条を移動するスクリーンコンベア上に
堆積させた。この長繊維不織ウエブをエンボスロールと
フラットロールからなるエンボス装置にて仮熱圧接し、
単糸繊度3.2デシテックスの長繊維からなる目付40
0g/m2のウエブを得た。熱圧接条件は、熱圧着部と
なるエンボス部の面積が0.7mm2、熱圧着部の密度
が20個/cm2、熱圧着面積率が15%であるエンボ
スロールと表面が平滑なフラットロールを用い、両ロー
ル温度を210℃に設定した。
【0039】次いで、実施例1と同様にして、ニードル
パンチ処理を行い、比較例1のスパンボンド不織布から
なり、構成繊維同士が三次元的に交絡してなる保護マッ
トを得た。このスパンボンド不織布の酸素指数は21.
1であった。
【0040】比較例1の保護マットは、酸素指数が2
1.1と低く、着火した場合に、燃え広がる可能性の高
いものであった。
【0041】比較例2 実施例1において、溶融流量30g/10分のポリ乳酸
系重合体を用いたこと、牽引速度を4300m/分とし
たこと以外は実施例1と同様にして、単糸繊度3.8デ
シテックスの長繊維からなる目付400g/m2の構成
繊維同士が三次元的に交絡してなるスパンボンド不織布
からなる保護マットを得た。得られたスパンボンド不織
布の酸素指数は25、繊維を構成する重合体の結晶化度
は8質量%であった。
【0042】得られた保護マットは、自己消化性は有す
るものの、本発明の保護マットほどの高い難燃性を有す
るものではなかった。
【0043】
【発明の効果】本発明の保護マットは、ポリ乳酸系重合
体からなるスパンボンド不織布により構成されている。
そのスパンボンド不織布は、酸素指数が26以上である
ので、着火した場合に、それ自体が燃え広がることもな
く、有毒なガスの発生もないので非常に安全性の高いも
のである。また、従来のハロゲン系難燃剤のように、火
災時のガスによる二次災害の危険性を伴うものではな
い。さらには、本発明の保護マットにおける難燃性は、
ポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド不織布に起因す
るものであるため、特別な難燃化処理を施す必要がな
い。
【0044】また、ポリ乳酸系重合体は、自然界におい
て微生物により二酸化炭素と水に分解されるものであ
る。したがって、本発明の保護マットは、微生物の存在
下で、完全に分解させることができるため、自然環境を
汚染することがないという効果も奏することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D004 AA46 AB01 AC07 BB03 DA03 4L047 AA21 AB03 BA23 BA24 CA15 CB10 CC16 DA00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸系重合体からなるスパンボンド
    不織布により構成され、構成繊維同士は三次元的に交絡
    しており、該スパンボンド不織布の難燃性がJIS K
    7201の測定において酸素指数26以上であること
    を特徴とする難燃性保護マット。
  2. 【請求項2】 スパンボンド不織布が、溶融流量が40
    〜80g/10分のポリ乳酸系重合体を溶融紡糸したも
    のであることを特徴とする請求項1記載の難燃性保護マ
    ット
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