JP2003285768A - 車両のエンジンフード構造 - Google Patents

車両のエンジンフード構造

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JP2003285768A JP2002091510A JP2002091510A JP2003285768A JP 2003285768 A JP2003285768 A JP 2003285768A JP 2002091510 A JP2002091510 A JP 2002091510A JP 2002091510 A JP2002091510 A JP 2002091510A JP 2003285768 A JP2003285768 A JP 2003285768A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両が歩行者に衝突して歩行者の上半身がエ
ンジンフードの上に衝き当たった時の衝撃を緩和するこ
と。 【解決手段】 外板をなすフードアウタ2と、その外周
部の裏面に沿う外枠部3rと中枠部3s,3tとからな
る枠状のフードインナ3とで構成された車両のエンジン
フード1において、フードインナ3は、外枠部3rの内
周縁33および中枠部3s,3tを外枠部3rの外周縁
32よりも低い位置に設定し、外枠部3rの内周縁33
および中枠部3s,3tに上方へ向かって舌片状に突出
する複数のフランジ36を設け、外枠部3rの内周縁3
3および中枠部3s,3tをフードアウタ2の裏面から
離間せしめて外枠部3rの外周縁32をフードアウタ2
の外周縁21に結合するとともに、上記各フランジ36
の上端をフードアウタ2の裏面に接着し、フードアウタ
2に衝突荷重が作用したときに、フランジ36が変形
し、フードアウタ2が撓むようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のエンジンル
ームを開閉するエンジンフード構造に関する。
【0002】
【従来の技術】セミボンネットタイプのワゴン車等の車
両のエンジンフードは一般の乗用車に比べ、その前後幅
を短くしている。図13はセミボンネットタイプ車の従
来の代表的なエンジンフードを示すもので、図13
(A)にフードの裏面図、図13(B),(C)にそれ
ぞれフードの各部位における断面図を示す。エンジンフ
ード1Hは、外板たるフードアウタ2の裏面に、フード
アウタ2の外周部に沿う外枠部3rと、外枠部3r間に
架設された複数の中枠部3s,3tとを備えた枠状のフ
ードインナ3Hを設けて、フードアウタ2に張り剛性を
持たせている。
【0003】フードインナ3Hの外枠部3rは、その外
周縁32をフードアウタ2の外周縁21にヘミング加工
するとともに、その内周縁33をマスチックシーラ8等
によりフードアウタ2の裏面に接着してフードアウタ2
とで閉断面を形成している。また、フードインナ3Hの
中枠部3s,3tは、断面逆ハット形で、両側縁35を
フードアウタ2の裏面にマスチックシーラ8等により接
着してフードアウタ2とで閉断面を形成している。図
中、9はエンジンルーム閉鎖時にエンジンフード1Hを
車体へロックするストライカである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両が歩行
者に衝突した場合、歩行者は下半身に受けた衝撃の反動
で上半身がフードアウタ上に倒れ込み、フードアウタに
肩や頭部が打ち付けられることが起こり得る。
【0005】ところが、エンジンフード1Hは、フード
アウタ2とこれを支持するフードインナ3Hとが閉断面
を形成している上に、セミボンネット車のエンジンフー
ド1Hはその前後幅が短いのでフードインナ3Hが突っ
張って、フードアウタ2の衝突荷重に対する変形量が普
通乗用車に比べて少なく、歩行者に対する衝突エネルギ
ーの吸収性能が低い。そこで、フードインナ3Hの板厚
を小さくしてフードインナ3Hの剛性を下げることも考
えられるが、このようにするとエンジンフード1H全体
の必要な剛性が確保されにくいという問題がある。
【0006】そこで本発明はかかる事情に鑑み、エンジ
ンフード全体の剛性を確保し、かつ車両が歩行者に衝突
したときにフードアウタに作用する衝突エネルギーを吸
収して歩行者への衝撃を緩和する衝撃吸収性能の高い車
両のエンジンフード構造を提供することを課題としてな
されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、外板をなすフ
ードアウタと、該フードアウタの外周部の裏面に沿う外
枠部と該外枠部間に架設した中枠部とからなる枠状のフ
ードインナとで構成された車両のエンジンフード構造に
おいて、上記フードインナは、上記外枠部の内周縁の高
さおよび上記中枠部の高さを上記外枠部の外周縁の高さ
よりも低く設定し、かつ、上記外枠部の内周縁および上
記中枠部に上方へ向かって舌片状に突出する複数のフラ
ンジを互いに間隔をおいて設け、上記フードインナの外
枠部の内周縁および中枠部を上記フードアウタの裏面か
ら離間せしめて上記外枠部の外周縁を上記フードアウタ
の外周縁に結合するとともに、上記各フランジの上端を
フードアウタの裏面に接着する(請求項1)。フードア
ウタをフードインナから浮かせてフードアウタを上記フ
ランジで支える構造としたから、フードアウタ上に歩行
者が衝突したとき、上記フランジが変形し、フードアウ
タが下方へ撓みむことで、歩行者への衝撃が緩和され
る。また、エンジンフード全体の面方向の剛性およびフ
ードアウタの張り剛性も、フードアウタがその裏面から
フードインナのフランジにより支えられることで、充分
に確保される。
【0008】上記フードインナの外枠部と上記中枠部と
の間または外枠部間に、両端部が上記外枠部の内周縁ま
たは中枠部の側縁から起立し、中間部が上記フードアウ
タの裏面に沿う架橋部材を設け、上記中間部をフードア
ウタの裏面に接着せしめるようにする(請求項2)。上
記架橋部材を設けたことで、フードアウタの張り剛性は
向上する。また、フードアウタの上に歩行者が衝突した
とき、上記架橋部材はフードアウタを支えつつ変形し、
優れた衝突エネルギー吸収効果が奏される。
【0009】上記フードインナの外枠部の内周縁および
中枠部をフードアウタの裏面から離間せしめた車両のエ
ンジンフードにおいて、上記フードインナの外枠部の内
周縁および上記中枠部の側縁には、上記外枠部および中
枠部と交差する方向に延びる一直線上位置に切欠き部ま
たは溝部を形成する(請求項3)。フードアウタの上に
歩行者が衝突して大きな衝突荷重が作用し、フードアウ
タが撓み変形し、更にフードアウタがフードインナに衝
き当たった際に、フードインナが上記切欠き部または溝
部で折れ変形するので、歩行者への衝撃を効果的に緩和
することができき、歩行者の受ける傷害が軽減される。
【0010】外板をなすフードアウタと、該フードアウ
タの外周部の裏面に沿う外枠部と該外枠部間に架設した
中枠部とからなる枠状のフードインナとで構成された車
両のエンジンフード構造において、上記フードインナ
は、上記外枠部の内周縁の高さを外周縁の高さよりも低
く設定し、上記中枠部を、両端部が上記外枠部の内周縁
から上方へ向かって起立し、中間部がフードアウタの裏
面に沿う形状に形成し、上記外枠部の内周縁を上記フー
ドアウタの裏面から離間せしめて上記外枠部の外周縁を
フードアウタの外周縁に結合するとともに、上記中枠部
の中間部をフードアウタの裏面に接着せしめる(請求項
4)。フードアウタの上に歩行者の衝突荷重が作用した
際、両端に起立部を有し、フードアウタを支持するフー
ドインナの中枠部自体が撓み変形することで、衝突エネ
ルギーが吸収される。
【0011】上記フードインナの外枠部の内周縁に、上
記外枠部と交差する方向に延びる一直線上位置に切欠き
部または溝部を形成する(請求項5)。フードアウタの
上に歩行者が衝突して大きな衝突荷重が作用した際、フ
ードインナの中枠部が撓み変形し、更にフードインナの
外枠部が上記切欠き部または溝部で折れ変形するので、
歩行者への衝撃を効果的に緩和することができ、歩行者
の受ける傷害が軽減される。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に基づいて本発明の第1の実
施形態を説明する。図1(A)は本発明を適用したセミ
ボンネットタイプのワゴン車のエンジンフード1の裏面
図を示し、図1(B)および図1(C)はそれぞれ図1
(A)のIB−IB線、IC−IC線に沿う位置での断面図であ
る。図に示すように、エンジンフード1は、車幅方向に
長く若干弓なりに湾曲する長方形状で、外板を構成する
平板状のフードアウタ2と、フードアウタ2の裏面に設
けた枠状のフードインナ3とで構成してある。
【0013】フードインナ3は、フードアウタ2の外周
部の裏面に沿うように形成した矩形状の外枠部3rと、
外枠部3r内に設けて外枠部3rの前枠と後枠との間を
架けわたす複数の中枠部3s,3tとからなる。中枠部
3sは、外枠部3rの幅方向ほぼ中央位置に一対設けて
あり、外枠部3rの前枠と後枠とを前後に架けわたすも
のである。中枠部3tは、中枠部3sの左右位置で外枠
部3rの前枠と後枠とを斜めに架けわたすように形成し
てある。
【0014】フードインナ3の外枠部3rは、平坦な底
壁30の外縁から外壁31が起立し、外壁31の上縁に
は外側へ屈折したフランジ状の外周縁32が形成してあ
る。そして、外周縁32は、フードアウタ2の外周縁2
1の裏面に結合してある。外枠部3rの外周縁32とフ
ードアウタ2の外周縁21とは、フードインナ3の外周
縁32を包み込むようにフードアウタ2の外周縁21を
ヘミング加工してある。
【0015】フードインナ3の外枠部3rの内周側は、
底壁30の端縁を断面ほぼZ字形に屈曲し、底壁30よ
りも一段高くしたフランジ状の内周縁33が形成してあ
る。内周縁33の高さは、外壁31よりも低くしてあ
り、内周縁33とフードアウタ2との間には間隙が形成
されるようにしてある。
【0016】フードインナ3の各中枠部3s,3tは、
浅い断面逆ハット形で、中枠部3s,3tの底壁34は
外枠部3rの底壁30とほぼ面一に形成してある。中枠
部3s,3tの側縁35は外枠部3rの内周縁33とほ
ぼ面一に形成してある。そして、中枠部3s,3tの側
縁35はフードアウタ2から離間し、フードアウタ2と
の間に間隙が形成されるようにしてある。
【0017】フードインナ3には、外枠部3rの内周縁
33および中枠部3s,3tの側縁35から上方へ向か
って舌片状に突出するフランジ36が所定の間隔をおい
て複数形成してある。各フランジ36はほぼZ字形で、
フードアウタ2の裏面に沿うように屈折させた上端がマ
スチックシーラ8によりフードアウタ2の裏面に接着し
てある。
【0018】エンジンフード1は、フードインナ3の外
枠部3rの後枠の左右両端に設けた連結部11が、図略
のヒンジ部材により車体へ組付けられ、エンジンルーム
開口を開閉可能とする。そして、エンジンフード1は、
エンジンルーム閉鎖時、フードインナ3の外枠部3rの
前枠中央に設けたストライカ9を図略のエンジンルーム
開口縁のロック機構のラッチに係合させてロックする。
【0019】本実施形態のエンジンフード1は、フード
インナ2の外枠部3rの内周縁33および中枠部3s,
3tの側縁35をフードアウタ2の裏面から離間せし
め、上記内周縁33および上記側縁35から舌片状に起
立する剛性の低いフランジ36でフードアウタ2を支持
せしめている。従って、車両と衝突した歩行者の肩や頭
部がフードアウタ2に上から衝突した際、上記フランジ
36が座屈変形してフードアウタ2がフードインナ3に
規制されることなく撓み変形し(図2(B),(C)に
おいて鎖線で示す)、衝突エネルギーが吸収され、歩行
者への衝撃が緩和される。
【0020】一方、フードインナ3はその外枠部3r間
に中枠部3s,3tが架設され、外枠部3rの外周縁3
2がフードアウタ2の外周縁21と結合されているか
ら、エンジンフード1全体の面方向の剛性は充分に確保
される。また、フードアウタ2は、その裏面に上端を接
着した上記フランジ36で支持されているから、フード
アウタ2の張り剛性は確保される。
【0021】次に、図2(A),(B)および図3に基
づいて本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態
の基本構造は第1の実施形態のそれとほぼ同じで、相違
点を中心に説明する。図2(A),(B)に示すよう
に、エンジンフード1Aは、フードアウタ2と、フード
アウタ2の外周部の裏面に沿う外枠部3r間に中枠部3
s,3tを架設した枠状のフードインナ3Aとで構成し
てある。
【0022】フードインナ3Aは、その外枠部3rの外
周縁32がフードアウタ2の外周縁21の裏面に結合し
てある。一方、外枠部3rの外周縁32よりも低くした
内周縁33および中枠部3s,3tは、フードアウタ2
の裏面から離間し、フードアウタ2との間に間隙を設け
ている。そして、外枠部3rの内周縁33と中枠部3
s,3tの側縁35に設けた複数のフランジ36の上端
をフードアウタ2の裏面に接着してフードアウタ2の張
り剛性を確保している。
【0023】更に、フードインナ3Aには、外枠部3r
の前枠と中枠部3tとの間に、これらを架けわたす架橋
部材37が設けてある。架橋部材37は短冊状の板体で
フードインナ3Aと一体構造をなし、両端部371がそ
れぞれ外枠部3rの内周縁33および中枠部3tの側縁
35から起立し、両端部371をつなぐ中間部372が
フードアウタ2の裏面に沿う形状としてあり、中間部3
72がマスチックシーラ8でフードアウタ2の裏面に接
着してある。
【0024】また、フードインナ3Aの外枠部3rの後
枠と中枠部3tとの間にも、同様な架橋部材37が架設
してある。
【0025】車両と歩行者とが衝突してフードアウタ2
の上に大きな衝突荷重が作用すると、フランジ36が座
屈してフードアウタ2が撓み、架橋部材37が荷重を受
けつつ変形し、最終的に架橋部材37全体が座屈する
(図3)。従って、大きな衝突荷重が作用しても、架橋
部材37が衝突エネルギー吸収部材として作用し、大き
な衝撃を効果的に緩和して、歩行者の傷害を最小限にく
い止める。
【0026】エンジンフード1Aは外枠部3rの前枠と
中枠部3tとの間および外枠部3rの後枠と中枠部3t
との間のフードインナ3と一体構造の架橋部材37を設
けたが、これに限らず、図4(A)に示したエンジンフ
ード1Bのように、フードインナ3Bの外枠部3rの前
枠と後枠との間に、中枠部3tと交差するように別部材
からなる架橋部材37Aを設けてもよい。架橋部材37
Aは、フードアウタ2の裏面に沿う中間部372と、中
間部372の両側からフードインナ3Bの内周縁33へ
向けて屈折した端部371とを備えた板体で構成してあ
る。架橋部材37Aは、一方の端部371の端縁をフー
ドインナ3の外枠部3rの前枠の内周縁33に重ね合わ
せて溶接するととも、他方の端部371の端縁をフード
インナ3の外枠部3rの後枠の内周縁33に重ね合わせ
て溶接し、かつ中間部372をマスチックシーラ8でフ
ードアウタ2の裏面に接着してある。
【0027】フードアウタ2に大きな衝突荷重が作用す
ると、図4(B)に示すように、架橋部材37Aはフー
ドアウタ2を受けつつ撓んで最終的には全体が座屈し、
先の実施形態の架橋部材37と同様の作用効果を発揮す
る。
【0028】図5(A),(B)および図6に基づいて
本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態の基本
構造は第1の実施形態のそれとほぼ同じで、相違点を中
心に説明する。図5(A)に示すように、エンジンフー
ド1Cは、フードアウタ2の裏面に、外枠部3rと中枠
部3s,3tとを備えた枠状のフードインナ3Cが設け
てある。
【0029】フードインナ3Cは、その外枠部3rの外
周縁32がフードアウタ2の外周縁21の裏面に結合し
てあり、外周縁32よりも低い外枠部3rの内周縁33
および中枠部3s,3tをフードアウタ2の裏面から離
間せしめ、かつ外枠部3rの内周縁33と中枠部3s,
3tの側縁35に設けた複数のフランジ36の上端をフ
ードアウタ2の裏面に接着してフードアウタ2の張り剛
性を維持している。
【0030】図5(A),(B)に示すように、フード
インナ3Cには、その左右両側部と斜めに交差する方向
に延びる左右一対の直線Z上の位置に、外枠部3rの前
枠の内周縁33と、中枠部3tの両側端35、および外
枠部3rの後枠の内周縁33にそれぞれ、ほぼコ字形の
切欠き38が形成してある。各切欠き38は内周縁33
および側縁35の高さの1/2程度の深さに形成してあ
る。フードインナ3Cは各切欠き38により上記直線Z
に沿って折れ変形しやすくしてある。
【0031】事故発生時、フードアウタ2に歩行者が衝
突して大きな衝突荷重が作用した場合、フードアウタ2
が撓み変形し、更にフードアウタ2がフードインナ3C
に衝き当たると、フードインナ3Cは、各切欠き38形
成位置で折れ曲がって、全体が直線Zに沿って折れ変形
し(図6)、衝撃を緩和する。本実施形態は衝突荷重が
特に大きい場合に効果が発揮される。
【0032】尚、本実施形態において、フードインナ3
Cの中枠部3s,3tは外枠部3rに比べて比較的強度
が低く屈折しやすいので、切欠き38を外枠部3rの前
枠および後枠の内周縁33に設ける構造としてもよい。
また、切欠き38に代えて、図7に示すように、V字形
の溝部38Aを形成してもよい。
【0033】図8は、上述の第2の実施形態と第3の実
施形態を組み合わせた本発明の第4の実施形態を示す。
エンジンフード1Dのフードインナ3Dには、外枠部3
rの前枠と中枠部3tとの間、外枠部3rの後枠と中枠
部3tとの間にそれぞれ、第2の実施形態と同様の架橋
部材37が架設してある。かつ、フードインナ3Dに
は、第3の実施形態と同様に斜め交差方向に延びる直線
Z上に沿って、外枠部3rの前枠および後枠の各内周縁
33と、中枠部3tの両側端35に切欠き38が形成し
てある。他の構造は、第2および第3の実施形態と同じ
であって、同一部材は同一符号で示す。
【0034】エンジンフード1Dは、フードアウタ2に
歩行者が衝突して衝突荷重が作用すると、フードアウタ
2が撓み変形し、これと同時に架橋部材37が座屈変形
して衝突荷重を吸収する。衝突荷重が大きく、吸収しき
れずにフードアウタ2がフードインナ3Dに衝き当たる
と、フードインナ3Dが各切欠き38により直線Zに沿
って屈折する。このように、エンジンフード1Dは衝突
エネルギーが段階的に吸収され、より大きな衝突荷重が
作用しても衝撃を効果的に緩和して、歩行者の傷害を最
小限にくい止める。
【0035】次に、図9ないし図11に基づいて本発明
の第5の実施形態を説明する。本実施形態の基本構造は
第1の実施形態のそれとほぼ同じで、相違点を中心に説
明する。図9(A),(B)に示すように、エンジンフ
ード1Eは、フードアウタ2の裏面に、外枠部3rと中
枠部3s,3tとを備えた枠状のフードインナ3Eが設
けてある。
【0036】フードインナ3Eは、その外枠部3rの外
周縁32がフードアウタ2の外周縁21の裏面に結合し
てあり、外周縁32よりも低い外枠部3rの内周縁33
をフードアウタ2の裏面から離間せしめてある。
【0037】図9および図10に示すように、フードイ
ンナ3Eの中枠部3s,3tは長さ方向に台形形状で、
両端に外枠部3rの内周縁33から起立する一対の脚部
39と、フードアウタ2の裏面に沿う中間部391とを
備え、外枠部3rと一体に成形してある。中間部391
は浅い断面逆ハット形をなし、フードアウタ2の裏面に
マスチックシーラ8により接着してある。
【0038】本実施形態のエンジンフード1Eは、フー
ドインナ3Eの外枠部3rの内周縁33をフードアウタ
2の裏面から離間せしめ、フードアウタ2が撓み変形可
能な空間を確保し、中枠部3s,3tの中間部391を
フードアウタ2の裏面に接着してフードアウタ2に張り
剛性を与えている。
【0039】フードアウタ2に歩行者が衝突して衝突荷
重が作用してフードアウタ2が撓み変形し始めると同時
にフードアウタ2を介して衝突荷重が中枠部3s,3t
に作用し、中枠部3s,3tの両脚部39が座屈変形し
て衝突荷重を吸収する(図11)。従って、大きな衝突
荷重が作用しても、フードアウタ2の撓み変形と中枠部
3s,3tの変形により、衝撃を効果的に緩和すること
ができる。
【0040】更に、図12に本発明の第6の実施形態を
示す。エンジンフード1Fにおいて、フードアウタ2と
フードインナ3Fの結合構造は、第5の実施形態のそれ
と実質的に同じである。そして、フードインナ3Fは第
5の実施形態におけると同じ中枠部3s,3tを備え、
また、外枠部3rには第3の実施形態におけると同じ切
欠き38が形成してある。
【0041】本実施形態のエンジンフード1Fは、第5
の実施形態と同様な作用効果が得られるとともに、これ
に加えて撓み変形したフードアウタ2がフードインナ3
Fに衝き当たった場合に、切欠き38によりフードイン
ナ3Fが直線Zに沿って折れ変形するので、衝撃を段階
的に緩和して、より大きな衝突荷重が作用してもより確
実に衝撃緩和効果を発揮することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明のエンジンフード構造によれば、
エンジンフード全体の剛性を確保し、かつ歩行者に対す
る衝突事故が発生した場合、歩行者の肩や頭部がフード
アウタに衝突しても衝突エネルギーを効果的に吸収し傷
害を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すもので、図1
(A)はエンジンフードの裏面図、図1(B)は図1
(A)のIB−IB線に沿う位置での断面図、図1(C)は
図1(A)のIC−IC線に沿う位置での断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示すもので、図2
(A)はエンジンフードの要部裏面図、図2(B)は図
2(A)のIIB−IIB線に沿う位置での断面図である。
【図3】図2(B)に示すエンジンフードがその上から
衝突荷重を受けて変形した状態を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態の他の構造を示すもので、図4
(A)はエンジンフードの要部裏面図、図4(B)は図
4(A)のIVB−IVB線に沿う断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示すもので、図5
(A)はエンジンフードの裏面図、図5(B)はエンジ
ンフードの切欠き形成部を示す図である。
【図6】第3の実施形態のエンジンフードに衝突荷重が
作用したときの変形位置を示す図である。
【図7】第3の実施形態の他の構造の要部の拡大図であ
る。
【図8】本発明の第4の実施形態のエンジンフードの要
部裏面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態を示すもので、図9
(A)はエンジンフードの裏面図、図9(B)は図9
(A)のIXB−IXB線に沿う位置での断面図である。
【図10】第5の実施形態の要部の拡大図である。
【図11】図9(B)に示すエンジンフードがその上か
ら衝突荷重を受けて変形した状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第6の実施形態のエンジンフードの
裏面図である。
【図13】図13(A)は従来のエンジンフードの裏面
図、図13(B)は図13(A)のXIIIB−XIIIB線に
沿う断面図、図13(C)は図13(A)のXIIIC−XI
IIC線に沿う位置での断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F エンジンフ
ード 2 フードアウタ 21 外周縁 3,3A,3B,3C,3D,3E,3F フードイン
ナ 3r 外枠部 32 外周縁 33 内周縁 3s,3t 中枠部 35 側縁 36 フランジ 37 架橋部材 371 架橋部材の端部 372 架橋部材の中間部 38 切欠き部 38A 溝部 39 中枠部の端部 391 中枠部の中間部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月4日(2002.4.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
フロントページの続き (72)発明者 神谷 潤 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨ タ車体株式会社内 Fターム(参考) 3D004 AA04 BA01 CA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外板をなすフードアウタと、該フードア
    ウタの外周部の裏面に沿う外枠部と該外枠部間に架設し
    た中枠部とからなる枠状のフードインナとで構成された
    車両のエンジンフード構造において、 上記フードインナは、上記外枠部の内周縁の高さおよび
    上記中枠部の高さを上記外枠部の外周縁の高さよりも低
    く設定し、かつ、上記外枠部の内周縁および上記中枠部
    に上方へ向かって舌片状に突出する複数のフランジを互
    いに間隔をおいて設け、上記フードインナの外枠部の内
    周縁および中枠部を上記フードアウタの裏面から離間せ
    しめて上記外枠部の外周縁を上記フードアウタの外周縁
    に結合するとともに、上記各フランジの上端をフードア
    ウタの裏面に接着したことを特徴とする車両のエンジン
    フード構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両のエンジンフード
    構造において、 上記フードインナの外枠部と上記中枠部との間、または
    外枠部間に、両端部が上記外枠部の内周縁または中枠部
    の側縁から起立し、中間部が上記フードアウタの裏面に
    沿う架橋部材を設け、上記中間部をフードアウタの裏面
    に接着せしめた車両のエンジンフード構造。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の車両のエンジンフード
    構造において、 上記フードインナの外枠部の内周縁および上記中枠部の
    側縁には、上記外枠部および中枠部と交差する方向に延
    びる一直線上位置に切欠き部または溝部を形成した車両
    のエンジンフード構造。
  4. 【請求項4】 外板をなすフードアウタと、該フードア
    ウタの外周部の裏面に沿う外枠部と該外枠部間に架設し
    た中枠部とからなる枠状のフードインナとで構成された
    車両のエンジンフード構造において、 上記フードインナは、上記外枠部の内周縁の高さを外周
    縁の高さよりも低く設定し、上記中枠部を、両端部が上
    記外枠部の内周縁から上方へ向かって起立し、中間部が
    フードアウタの裏面に沿う形状に形成し、上記外枠部の
    内周縁を上記フードアウタの裏面から離間せしめて上記
    外枠部の外周縁をフードアウタの外周縁に結合するとと
    もに、上記中枠部の中間部をフードアウタの裏面に接着
    せしめたことを特徴とする車両のエンジンフード構造。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の車両のエンジンフード
    構造において、 上記フードインナの外枠部の内周縁に、上記外枠部と交
    差する方向に延びる一直線上位置に切欠き部または溝部
    を形成した車両のエンジンフード構造。
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