JP2003283349A - 信号処理装置、信号受信装置、および信号処理方法 - Google Patents

信号処理装置、信号受信装置、および信号処理方法

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JP2003283349A JP2002079805A JP2002079805A JP2003283349A JP 2003283349 A JP2003283349 A JP 2003283349A JP 2002079805 A JP2002079805 A JP 2002079805A JP 2002079805 A JP2002079805 A JP 2002079805A JP 2003283349 A JP2003283349 A JP 2003283349A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FM受信において残留するマルチパスノイズ
の除去は困難であった。 【解決手段】 マルチパスノイズ低減処理部14は、F
M検波部12からのコンポジット信号13に対してマル
チパスノイズを低減する処理を施し、出力信号21を生
成する。この処理は、現在のコンポジット信号13と過
去の出力信号21の振幅の差分にもとづいてマルチパス
ノイズを検出し、コンポジット信号13を減衰させる。
マルチパス検出部18は、Sメーター17にもとづいて
マルチパス区間を検出し、その区間においてマルチパス
ノイズ低減処理部14の作動を許可する切替信号19を
切替部20に供給する。切替部20は、マルチパス区間
ではマルチパスノイズ低減処理部14からの出力信号2
1を、それ以外の区間ではFM検波部12から出力され
るコンポジット信号13をステレオ復調部22に入力す
るように切替制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、信号処理技術に
関し、特にノイズを検出して低減する信号処理装置、信
号受信装置、および信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などの移動体に搭載されるFM受
信機では、オーディオ信号受信の際に、周囲にある山や
高層建築物などの障害物からの電磁波の反射に起因して
マルチパスノイズが発生する。このマルチパスノイズ
は、反射体によって反射された間接波が受信アンテナか
ら直接受信される直接波と合波し、直接波と間接波との
位相関係に依存して直接波の一部が反射波によって打ち
消されることによって生じる。マルチパスノイズが発生
すると、FM受信機から出力される音声信号の品質が著
しく低下する。
【0003】FM検波後の復調信号のマルチパスノイズ
を除去する方法として、マルチパスノイズの発生区間を
検出して、マルチパスノイズの発生前の信号強度を保持
することにより、マルチパス区間を補間する前置補間方
法が特開2001−36422号公報に開示されてい
る。また電界強度の落ち込みが激しいときに、FM検波
後のFM復調信号をミュートする方法がある。
【0004】また、ステレオ音声における左右チャンネ
ルの分離度を調整するステレオノイズコントロール(S
NC)や、高周波成分を除去するハイカットコントロー
ル(HCC)により弱電界時におけるFM復調信号のS
/N比を改善する方法も従来からよく知られている。マ
ルチパスノイズの場合、直接波と間接波の干渉によって
検波出力にマルチパス歪み、すなわちノイズが現れる
が、このノイズは高域成分であるL−Rサブ信号帯域、
L+Rメイン信号帯域に著しく現れるため、SNCやH
CCによる処理にはマルチパスノイズの低減効果があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マルチ
パスノイズの程度によっては、SNCやHCCを十分に
利かせても耳障りなノイズが残留する場合がある。一
方、マルチパス区間に対してFM復調信号を前置補間す
る方法やミュートする方法では、マルチパスによって生
じたパルス状波形に対して効果が得られるが、PLL検
波を用いた時に生じるある一定区間位相がずれた波形に
対してもフィルタリング処理が作用してしまい、原信号
そのものを誤って除去するという問題がある。さらに
は、マルチパス区間を検出するためのパラメータの設定
が不適切な場合、マルチパスの検出区間がずれることに
より、ノイズが残留する場合がある。
【0006】本発明はこうした状況に鑑みてなされたも
ので、その目的は、ノイズを検出して低減することので
きる信号処理技術の提供にある。また別の目的は、FM
受信におけるマルチパスノイズを低減する信号受信技術
の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のある態様は信号
処理装置に関する。この装置は、入力信号を減衰処理し
て出力信号を生成するノイズ低減処理部を含む。前記ノ
イズ低減処理部は、現サンプリング時の前記入力信号の
強度と過去のサンプリング時における前記出力信号の強
度の差が所定の閾値を超えるか否かを判定してノイズを
検出する差分判定部と、前記ノイズが検出された場合
に、現サンプリング時の前記入力信号を減衰させて現サ
ンプリング時における前記出力信号を生成する減衰処理
部とを含む。
【0008】出力信号は、入力信号に対してノイズを低
減するための減衰処理が施された後の信号である。もっ
ともノイズが検出されなかった場合は、入力信号に減衰
処理が施されないので出力信号は入力信号と同じであ
る。入力信号および出力信号の強度は、それらの信号の
振幅の測定値であってもよく、あるいは振幅の絶対値ま
たは自乗であってもよい。現在の入力信号の強度と過去
の出力信号の強度の差の大きさを評価する際に用いられ
る閾値は、たとえば通常の有意な信号の強度の範囲を十
分に超える大きさをもつ値に設定されてもよい。
【0009】前記差分判定部は、現サンプリング時の前
記入力信号の強度と過去の複数のサンプリング時におけ
る前記出力信号の強度のそれぞれとの差分を算出し、そ
れぞれの差分が所定の閾値を超えるか否かを判定してノ
イズを検出してもよい。たとえば、現サンプリング時n
の入力信号の強度x(n)と1サンプリング前の出力信
号の強度y(n−1)との差分が第1の閾値Aを超える
か否かの判定と、現サンプリング時nの入力信号の強度
x(n)と2サンプリング前の出力信号の強度y(n−
2)との差分が第2の閾値Bを超えるか否かの判定と、
現サンプリング時nの入力信号の強度x(n)と3サン
プリング前の出力信号の強度y(n−3)との差分が第
3の閾値Cを超えるか否かの判定とを組み合わせて評価
し、ノイズの発生の有無を検出してもよい。第1の閾値
A、第2の閾値B、および第3の閾値Cはこの順に大き
くなる値に設定されてもよい。
【0010】前記ノイズ低減処理部は、前記入力信号を
所定のサンプリング期間について平滑化する平滑化処理
部をさらに含み、前記差分判定部と前記減衰処理部は平
滑化後の前記入力信号に対して処理を行ってもよい。前
記平滑化処理部は、ある一定の期間について前記入力信
号の移動平均を計算することにより、前記入力信号を平
滑化してもよい。前記平滑化処理部は、ローパスフィル
タ等を用いて前記入力信号の高周波成分を除去すること
により、前記入力信号を平滑化してもよい。
【0011】前記信号処理部は、前記ノイズ低減処理部
における前記入力信号の強度の減衰率を前記入力信号の
強度をもとに適応的に設定する減衰率設定部をさらに含
んでもよい。現サンプリング時の入力信号の強度の減衰
率を過去のサンプリング時の入力信号の強度をもとに設
定してもよい。
【0012】本発明の別の態様は信号受信装置に関す
る。この装置は、受信されたFM送信電波をもとにFM
復調信号を出力するFM検波部と、前記FM復調信号の
ノイズを低減して出力する信号処理部と、受信された前
記FM送信電波においてマルチパスノイズの発生しうる
期間を検出し、その期間において前記信号処理部を作動
させるマルチパス検出部と、前記信号処理部が作動して
いる間はその出力を、前記信号処理部が作動していない
間は前記FM復調信号をステレオ復調して出力するステ
レオ復調部とを含む。前記信号処理部は、前記FM復調
信号を入力信号として減衰処理して出力信号を生成する
ノイズ低減処理部を含み、前記ノイズ低減処理部は、現
サンプリング時の前記入力信号の強度と過去のサンプリ
ング時における前記出力信号の強度の差が所定の閾値を
超えるか否かを判定してノイズを検出する差分判定部
と、前記ノイズが検出された場合に、現サンプリング時
の前記入力信号を減衰させて現サンプリング時における
前記出力信号を生成する減衰処理部とを含む。差分判定
に用いられる閾値は、いわゆるマルチパスノイズとして
認識される、非常に大きく、かつ耳障りなノイズの強度
に相当する値に設定されてもよい。
【0013】本発明のさらに別の態様は信号処理方法に
関する。この方法は、入力信号の強度が大きく変化する
期間を検出し、その期間に限り、前記入力信号に対して
ノイズを低減するためのフィルタリング処理を施して出
力信号を生成する。前記フィルタリング処理は、現サン
プリング時の前記入力信号の強度と過去のサンプリング
時における前記出力信号の強度の差分をサンプリングご
とに逐次算出して、前記差分が所定の閾値を超えた場合
に、現サンプリング時の前記入力信号を減衰させて現サ
ンプリング時における前記出力信号を生成する工程を含
んでもよい。
【0014】前記ノイズの発生しうる期間を検出する前
処理工程をさらに含み、前記前処理工程において検出さ
れた前記期間において前記入力信号に前記フィルタリン
グ処理が施されてもよい。これにより、前処理工程で検
出されるノイズの発生期間に多少のずれが生じていたと
しても、その後の前記フィルタリング処理において閾値
判定にもとづく減衰処理がなされるので、原信号を誤っ
て除去することなくノイズの低減が可能である。
【0015】なお、以上の構成要素の任意の組み合わ
せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変
換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、実施の形態に係るFM受
信装置の構成を示す。受信されたFM送信電波は図示し
ないフロントエンド部において中間周波数(IF)信号
10に変換される。FM検波部12はこのIF信号10
をFM復調してステレオコンポジット信号13(以下、
単にコンポジット信号という)を出力する。
【0017】信号処理部24は、FM検波部12から受
け取ったコンポジット信号13に対して必要に応じてマ
ルチパスノイズを除去する処理を施し、ステレオ復調部
22に与える。信号処理部24は、マルチパスノイズ低
減処理部14と、減衰率設定部16と、切替部20とを
含む。
【0018】マルチパスノイズ低減処理部14は、コン
ポジット信号13に対してマルチパスノイズを低減する
ための後述の減衰処理を適宜施して、出力信号21を生
成する。減衰率設定部16は、コンポジット信号13の
振幅にもとづいて、マルチパスノイズ低減処理部14に
おける減衰処理で用いられる減衰率15を求め、マルチ
パスノイズ低減処理部14にその減衰率15を設定す
る。
【0019】マルチパス検出部18は、シグナルメータ
ー17(以下、Sメーターという)のAC成分にもとづ
いてマルチパスノイズの発生しうる区間(以下、マルチ
パス区間という)を検出し、その区間においてマルチパ
スノイズ低減処理部14の作動を許可するための切替信
号19を切替部20に供給する。マルチパス検出に用い
られる信号は、Sメーター17に限られず、マルチパス
が検出できれば他の信号でもよい。
【0020】切替部20は、マルチパス検出部18から
与えられる切替信号19にもとづいて、マルチパス区間
では、マルチパスノイズ低減処理部14から減衰処理後
の信号として出力される出力信号21を、それ以外の区
間では、FM検波部12から出力されるコンポジット信
号13をステレオ復調部22に入力するように、ステレ
オ復調部22の入力信号23の切替制御を行う。ステレ
オ復調部22は、入力信号23をステレオ復調してオー
ディオ信号を出力する。
【0021】図2は、マルチパスノイズ低減処理部14
の機能構成図である。平滑化処理部30は、コンポジッ
ト信号13をサンプリングし、ある一定のサンプリング
期間についてコンポジット信号13の振幅の移動平均を
計算することにより、コンポジット信号13を平滑化し
て出力する。平滑化処理として移動平均以外の方法を用
いてもよい。
【0022】差分計算部31は、現サンプリング時にお
ける平滑化されたコンポジット信号13の振幅と過去の
サンプリング時における出力信号21の振幅の差分をサ
ンプリングごとに算出する。差分判定部32は、差分計
算部31が算出した差分と所定の閾値を比較することに
より、マルチパスノイズの発生の有無を検出し、マルチ
パスノイズが発生している場合に、減衰処理部34の作
動を許可するための切替信号37を切替部36に供給す
る。減衰処理部34は、減衰率設定部16から設定され
る減衰率15にもとづいて現サンプリング時における平
滑化されたコンポジット信号13を減衰させて出力す
る。
【0023】切替部36は、差分判定部32から与えら
れる切替信号37にもとづいて、マルチパスノイズが発
生していない場合には、コンポジット信号13を、マル
チパスノイズが発生している場合には、減衰処理部34
により減衰処理された信号35を出力するように、出力
信号21の切替制御を行う。このようにマルチパスノイ
ズの検出結果に応じて適宜減衰処理がなされた結果が切
替部36を介して切替部20へ出力される。この出力信
号21は、さらに切替部20を介してステレオ復調部2
2に供給される。またこの出力信号21の振幅の値は、
図示しないメモリに一時的に記憶され、差分計算部31
において差分を求める際に、過去のサンプリング時にお
ける出力信号21の振幅の値として利用される。
【0024】図3(a)、(b)は、減衰率設定部16
の機能構成図である。図3(a)の機能構成では、入力
されたコンポジット信号13は絶対値算出部40にて絶
対値化され、ループフィルタ42により低域成分が通過
し、大まかな振幅が推定される。さらに正規化部44に
おいて一定の値の範囲内に収まるように正規化された後
に、加算部46により定数との差分が計算されて、最後
にリミッタ48にて定められた上限にもとづいて減衰率
15が出力される。
【0025】図3(b)に減衰率設定部16の別の機能
構成を示す。入力されたコンポジット信号13に対する
絶対値算出部40およびループフィルタ42の処理は図
3(a)と同様であり、その出力値はリミッタ48によ
り値の範囲制限を受けた後、テーブル参照部50に入力
される。テーブル参照部50は振幅値と減衰率を対応づ
けたテーブルを参照することにより、振幅から減衰率1
5を直接決定して出力する。この構成において、ループ
フィルタ42は、他のローパスフィルタであってもよ
い。
【0026】以上の構成によるFM受信装置によるマル
チパスノイズ低減手順を図4および図5のフローチャー
トと図6から図9のグラフを参照しながら説明する。
【0027】図4は、マルチパス検出とマルチパスノイ
ズ低減処理の全体の流れを説明するフローチャートであ
る。マルチパス検出部18は、Sメーター17をもとに
マルチパスノイズの発生区間を検出する(S100)。
図6は、マルチパスノイズの発生区間の説明図である。
グラフは、コンポジット信号13の振幅の時間経過を表
している。区間60、61、62においてマルチパスノ
イズが発生している。マルチパスノイズは、巨視的に見
た場合このようなエンベロープにより表される比較的長
い時間幅を有しており、この時間幅をもった区間がマル
チパス区間として検出される。
【0028】図4に戻り、マルチパス区間が検出された
場合(S100のY)、マルチパス検出部18は切替信
号19を切替部20に与えることにより、マルチパスノ
イズ低減処理部14の作動を許可する。マルチパスノイ
ズ低減処理部14は、マルチパス区間において、コンポ
ジット信号13に対してマルチパスノイズを低減する処
理を施す(S110)。マルチパス区間が終了すれば、
再びステップS100に戻り、マルチパス検出部18に
より次のマルチパス区間が検出されるまで、ステップS
110のマルチパスノイズ低減処理は中断される。この
ようにマルチパス検出とマルチパスノイズ低減処理を繰
り返すことにより、コンポジット信号13に対して、マ
ルチパス区間においてのみマルチパスノイズの低減処理
が施される。
【0029】図5は、図4のステップS110のマルチ
パスノイズ低減処理の詳細な手順を説明するフローチャ
ートである。マルチパスノイズ低減処理部14の差分判
定部32は、コンポジット信号13をサンプリングし
て、サンプリング時刻nにおける入力信号X(n)を得
る(S10)。サンプリング時刻nの入力信号X(n)
に対して必要に応じて減衰処理が施された後の信号を出
力信号Y(n)とすると、差分判定部32は、入力信号
X(n)と、1サンプリング前、2サンプリング前、3
サンプリング前の出力信号Y(n−1)、Y(n−
2)、Y(n−3)との差分をそれぞれ計算する(S1
2)。さらに差分判定部32は、これらの差分の絶対値
が所定の閾値より大きいかどうかを判定することにより
マルチパスノイズを検出する(S14)。
【0030】この判定は、次の不等式が成り立つかどう
かを評価することで行われる。 |X(n)−Y(n−1)|>閾値A ・・・(1) |X(n)−Y(n−2)|>閾値B ・・・(2) |X(n)−Y(n−3)|>閾値C ・・・(3)
【0031】この判定によりマルチパスノイズが検出さ
れる仕組みを図7と図8を参照して説明する。図7は、
図6のマルチパス区間の一部を拡大した図である。マル
チパス区間は、微視的に見た場合、位相ずれがある一定
区間生じたことによるノイズが発生している区間80、
81、82と、ノイズが発生していない有意な信号の区
間70、71、72、73とを有する。マルチパスノイ
ズを除去するためには、マルチパス区間における信号波
形の急峻なピークを検出する必要がある。
【0032】図8は、急峻なピークを検出するための差
分判定を説明する図である。差分判定部32は、サンプ
リング時刻nにおける入力信号X(n)の振幅が有意の
信号の振幅と比べて、異常に大きい値に変化しているか
どうかを、過去のサンプリング時の出力信号との差を評
価することにより判定する。過去のサンプリング時の出
力信号は、すでに必要に応じて減衰処理がなされた後の
信号であるから、それと比較して、有意な信号の振幅の
範囲を十分に超えていれば、現サンプリング時nの入力
信号X(n)は急峻なピークにあると判断できる。
【0033】過去のサンプリング時として、上記の不等
式(1)〜(3)では、3サンプリング前までの出力信
号Y(n−1)、Y(n−2)、Y(n−3)を用いた
が、さらに前のサンプリング時刻の出力信号を用いて、
同様の差分判定を行ってもよく、逆に1サンプリング前
の出力信号Y(n−1)のみを用いて差分判定を行って
もよい。
【0034】図5に戻り、差分判定部32は、上記の3
つの不等式(1)〜(3)のうち、いずれかひとつでも
満足する場合、マルチパスノイズであると判断し(S1
4のY)、減衰処理部34は、サンプリング時刻nの入
力信号X(n)に対して次の式で表される減衰処理を行
い、出力信号Y(n)を出力する(S16)。
【0035】Y(n)=α×X(n) ただし、αは減衰率設定部16により設定される減衰率
15であり、0以上1未満の値をとる。
【0036】差分判定部32は、3つの不等式(1)〜
(3)のいずれも満足しない場合、マルチパスノイズで
はないと判断し(S14のN)、減衰処理部34は、次
の式のように、入力信号X(n)に減衰処理を施さない
でそのまま出力信号Y(n)として出力する(S1
8)。すなわちこの場合、Y(n)=X(n)である。
【0037】マルチパスノイズかどうかの判定にあたっ
て、3つの不等式(1)〜(3)における第1、第2、
第3の閾値A、B、Cは経験的に最適な値に設定され
る。上記では3つの不等式(1)〜(3)のいずれかひ
とつでも満足すれば減衰処理を行ったが、3つの不等式
(1)〜(3)の成立状態の任意の組み合わせにより減
衰処理をするかどうかを決めてもよい。なお、実験では
3つの不等式(1)〜(3)の第1、第2、第3の閾値
A、B、CについてA≦B≦Cを満たす値に設定し、不
等式(1)〜(3)のいずれかひとつを満たす時に減衰
処理を行った場合に好ましい結果が得られた。
【0038】図5に戻って、必要に応じてサンプリング
時刻nの入力信号X(n)の減衰処理がなされた後、サ
ンプリング時刻nが1だけインクリメントされ(S2
0)、マルチパスノイズ低減処理の停止条件が確認され
る(S22)。停止条件の確認は、マルチパス検出部1
8からの切替信号19にもとづいてまだマルチパス区間
内であるかどうかを判断することで行われる。停止する
場合(S22のY)、マルチパスノイズ低減処理を終了
し、停止しない場合(S22のN)、ステップS10に
もどり、一連のマルチパスノイズ低減処理を繰り返す。
【0039】図9は、図7のコンポジット信号に対して
マルチパス低減処理が施された後の出力信号の波形であ
る。図7の急峻なピークが除去されていることがわか
る。
【0040】以上述べたように、実施の形態によれば、
モノラル化や高周波成分除去などのノイズ対策ではなお
残留するマルチパスノイズを低減することが可能であ
る。とくにマルチパス区間が検出された場合に、その区
間においてさらにマルチパスノイズの有無を判定し、マ
ルチパスノイズを低減するための減衰処理を行うので、
マルチパスの検出感度を上げすぎた場合でも、その影響
を受けずにマルチパスノイズを適切に除去することがで
き、ノイズの残留を防ぐとともに、原信号を誤って除去
することを防ぐことができる。
【0041】以上、本発明を実施の形態をもとに説明し
た。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成
要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例
が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあ
ることは当業者に理解されるところである。また各構成
要素は機能ブロックとして図示されており、これらの機
能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、ま
たはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現で
きることは、当業者には理解されるところである。
【0042】そのような変形例として、実施の形態で
は、図2のように平滑化処理部30がマルチパスノイズ
低減処理部14に設けられたが、平滑化処理部30をF
M検波部12の直後に設けて、FM検波部12の出力す
るコンポジット信号13をまず平滑化する構成にして、
マルチパス区間以外でもコンポジット信号13の平滑化
を行い、切替部20を介してステレオ復調部22に入力
するようにしてもよい。
【0043】また実施の形態では、受信信号がステレオ
信号の場合を説明したが、モノラル信号に対しても本発
明のマルチパスノイズ低減処理を適用することができ
る。
【発明の効果】本発明によれば、ノイズを検出して適切
に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係るFM受信装置の構成図であ
る。
【図2】 図1のマルチパスノイズ低減処理部の機能構
成図である。
【図3】 図3(a)、(b)は、図1の減衰率設定部
の機能構成図である。
【図4】 マルチパス検出とマルチパスノイズ低減処理
の全体の流れを説明するフローチャートである。
【図5】 図4のマルチパスノイズ低減処理の詳細な手
順を説明するフローチャートである。
【図6】 マルチパスノイズの発生区間の説明図であ
る。
【図7】 図6のマルチパス区間の一部を拡大した図で
ある。
【図8】 急峻なピークを検出するための差分判定を説
明する図である。
【図9】 マルチパス低減処理が施された後の出力信号
の波形を説明する図である。
【符号の説明】
10 IF信号、 12 FM検波部、 13 コンポ
ジット信号、 14マルチパスノイズ低減処理部、 1
5 減衰率、 16 減衰率設定部、 17Sメータ
ー、 18 マルチパス検出部、 19 切替信号、
20 切替部、 21 出力信号、 22 ステレオ復
調部、 24 信号処理部、 30平滑化処理部、 3
2 差分判定部、 34 減衰処理部、 40 絶対値
算出部、 42 ループフィルタ、 44 正規化部、
46 加算部、 48 リミッタ、 50 テーブル
参照部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を減衰処理して出力信号を生成
    するノイズ低減処理部を含み、前記ノイズ低減処理部
    は、 現サンプリング時の前記入力信号の強度と過去のサンプ
    リング時における前記出力信号の強度の差が所定の閾値
    を超えるか否かを判定してノイズを検出する差分判定部
    と、 前記ノイズが検出された場合に、現サンプリング時の前
    記入力信号を減衰させて現サンプリング時における前記
    出力信号を生成する減衰処理部とを含むことを特徴とす
    る信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記差分判定部は、現サンプリング時の
    前記入力信号の強度と過去の複数のサンプリング時にお
    ける前記出力信号の強度のそれぞれとの差分を算出し、
    それぞれの差分が所定の閾値を超えるか否かを判定して
    ノイズを検出することを特徴とする請求項1に記載の信
    号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記ノイズ低減処理部は、前記入力信号
    を所定のサンプリング期間について平滑化する平滑化処
    理部をさらに含み、前記差分判定部と前記減衰処理部は
    平滑化後の前記入力信号に対して処理を行うことを特徴
    とする請求項1または2に記載の信号処理装置。
  4. 【請求項4】 前記ノイズ低減処理部における前記入力
    信号の強度の減衰率を前記入力信号の強度をもとに適応
    的に設定する減衰率設定部をさらに含むことを特徴とす
    る請求項1から3のいずれかに記載の信号処理装置。
  5. 【請求項5】 受信されたFM送信電波をもとにFM復
    調信号を出力するFM検波部と、 前記FM復調信号のノイズを低減して出力する信号処理
    部と、 受信された前記FM送信電波においてマルチパスノイズ
    の発生しうる期間を検出し、その期間において前記信号
    処理部を作動させるマルチパス検出部と、 前記信号処理部が作動している間はその出力を、前記信
    号処理部が作動していない間は前記FM復調信号をステ
    レオ復調して出力するステレオ復調部とを含み、 前記信号処理部は、前記FM復調信号を入力信号として
    減衰処理して出力信号を生成するノイズ低減処理部を含
    み、前記ノイズ低減処理部は、 現サンプリング時の前記入力信号の強度と過去のサンプ
    リング時における前記出力信号の強度の差が所定の閾値
    を超えるか否かを判定してノイズを検出する差分判定部
    と、前記ノイズが検出された場合に、現サンプリング時
    の前記入力信号を減衰させて現サンプリング時における
    前記出力信号を生成する減衰処理部とを含むことを特徴
    とする信号受信装置。
  6. 【請求項6】 前記信号処理部は、前記ノイズ低減処理
    部における前記入力信号の強度の減衰率を前記入力信号
    の強度をもとに適応的に設定する減衰率設定部をさらに
    含むことを特徴とする請求項5に記載の信号受信装置。
  7. 【請求項7】 入力信号の強度が大きく変化する期間を
    検出し、その期間に限り、前記入力信号に対してノイズ
    を低減するためのフィルタリング処理を施して出力信号
    を生成することを特徴とする信号処理方法。
  8. 【請求項8】 前記フィルタリング処理は、現サンプリ
    ング時の前記入力信号の強度と過去のサンプリング時に
    おける前記出力信号の強度の差分をサンプリングごとに
    逐次算出して、前記差分が所定の閾値を超えた場合に、
    現サンプリング時の前記入力信号を減衰させて現サンプ
    リング時における前記出力信号を生成する工程を含むこ
    とを特徴とする請求項7に記載の信号処理方法。
  9. 【請求項9】 前記ノイズの発生しうる期間を検出する
    前処理工程をさらに含み、前記前処理工程において検出
    された前記期間において前記入力信号に前記フィルタリ
    ング処理が施されることを特徴とする請求項7または8
    に記載の信号処理方法。
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