JP2003282827A - 強誘電体薄膜メモリ - Google Patents

強誘電体薄膜メモリ

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JP2003282827A
JP2003282827A JP2002087131A JP2002087131A JP2003282827A JP 2003282827 A JP2003282827 A JP 2003282827A JP 2002087131 A JP2002087131 A JP 2002087131A JP 2002087131 A JP2002087131 A JP 2002087131A JP 2003282827 A JP2003282827 A JP 2003282827A
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capacitor
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Hiroaki Tamura
博明 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた水素バリア性能を有しているにもかか
わらず、導電性の水素バリア膜は、強誘電体キャパシタ
の上電極直上にしか形成することができないため、キャ
パシタの側壁部から侵入する水素から強誘電体キャパシ
タを十分に保護することができないことが課題であっ
た。 【解決手段】 強誘電体キャパシタの直上には絶縁性の
第一の水素バリア膜を設け、この上に導電性の水素バリ
ア膜をコンタクトホールと重ならない位置に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】強誘電体特有の自発分極を利
用した不揮発性メモリ素子(強誘電体メモリ素子)は、
その高速書き込み/読み出し、低電圧動作等の特徴か
ら、従来の不揮発性メモリのみならず、SRAM(スタティ
ックRAM)やDRAM等の殆どのメモリに置き換わる可能性
を持っている。強誘電体材料としてはチタン酸ジルコン
酸鉛(PZT)をはじめとするペロブスカイト型酸化物やS
rBi2Ta2O9等のビスマス層状化合物が注目されている。
【0002】一般に上述の酸化物材料をキャパシタ絶縁
層として用いる場合、上電極形成後に、各メモリ素子間
の電気的絶縁を主目的としてSiO2等の層間絶縁膜で被覆
される。その成膜手法としては、段差被覆性に優れるC
VD(Chemical Vapor Deposition)法をもちいるのが
一般的である。ところがこのような成膜手法をもちいる
と、反応副生成物として水素が発生する。特に活性化し
た水素がSiO2及び上電極を透過して強誘電体薄膜ま
で到達すると、その還元作用によって強誘電体特性が著
しく劣化してしまう。また、スイッチング素子としての
MOSトランジスタは、素子製造工程で発生するシリコン
単結晶中の格子欠陥によって特性が劣化するため、最終
段階において水素混合窒素ガス中で熱処理を施す必要が
ある。ところがこの工程における水素濃度は上述の層間
絶縁膜形成時にくらべてさらに高濃度であり、強誘電体
薄膜に与えるダメージはより深刻となる。
【0003】このような水素による強誘電体キャパシタ
の還元劣化を克服するため、強誘電体薄膜キャパシタを
形成後、これを覆うように保護膜を成膜して水素の侵入
を阻止する方法が試みられている。この保護膜は一般的
に水素バリア膜と称されている。
【0004】
【従来の技術】水素バリア膜の有力候補として酸化物材
料が精力的に研究されている。IrOxはその代表例であ
り、耐還元性がしらべられている。たとえば、J.Electr
ochem.Soc.136,1740(1989)やSurface Science 144,451
(1984)では、違った成膜手法で作製されたIrOx膜間で、
還元雰囲気に対する耐性が調べられている。これらの報
告によれば、結晶性の違いによって還元され易さは大き
く異なり、結晶性が良いIrOxほど水素耐性に優れてい
る。一例として、単結晶Irの表面を酸化して得られたIr
Ox薄膜は、700℃近い高温の水素雰囲気においても還元
されないという結果が掲載されている。このような結晶
性の良好なIrOx薄膜をキャパシタ上に形成すれば、水素
雰囲気中においてもIrOx自体が還元され難く、十分
な水素バリア効果が期待できる。ところがIrOxは導
電性を有するため、キャパシタの上電極上にのみ形成す
る必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記のよう
に、上部電極上にのみ水素バリア膜を形成しても、キャ
パシタ側壁部からの水素侵入にたいしてはバリア効果を
期待できない。優れた水素バリア性能を有する材料も、
導電性材料はキャパシタ側壁部に直接成膜できないとい
う問題点があった。これはイリジウムの酸化物に限ら
ず、導電性の水素バリア膜に共通の課題である。他の導
電性水素バリア膜としては、チタンやチタンの窒化物が
紹介されている。
【0006】本発明は、優れた水素バリア性能を有して
いるにもかかわらず、強誘電体キャパシタの上電極直上
にしか形成できなかった導電性の水素バリア膜を、キャ
パシタの側壁部も水素から保護できる位置に配置するこ
とによって、プロセスに起因した強誘電体の還元劣化を
防止することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の強誘電
体薄膜メモリは、半導体基板上に下部電極、酸化物強誘
電体薄膜および上部電極を順次積層して構成される強誘
電体薄膜キャパシタと、このキャパシタ表面に被覆され
た保護膜層と、この保護膜層の前記上部電極上に設けら
れた開口部と、前記保護膜層上および前記開口部に形成
された配線層とを具備する強誘電体薄膜メモリにおい
て、前記保護膜層が第一の水素バリア膜上とこの上に形
成された第二の水素バリア膜および絶縁膜より構成され
ることを特徴とする。上記構成によれば、第一の水素バ
リア膜によって第二の水素バリア膜と強誘電体キャパシ
タとを絶縁することが可能になるため、第二の水素バリ
ア膜として導電性の材料をもちいることができるという
効果を有する。
【0008】請求項2に記載の強誘電体薄膜メモリは、
前記第一の水素バリア膜に設けられた開口部の面積S1よ
りも前記第二の水素バリア膜に設けられた開口部の面積
S2が大きく、前記配線層は前記第二の水素バリア膜に接
しないことを特徴とする。上記構成によれば、配線層が
キャパシタの上電極上に堆積される構造においても、第
二の水素バリア膜は配線層と絶縁性が確保されるため、
第二の水素バリア膜として導電性の材料をもちいること
ができるという効果を有する。
【0009】請求項3に記載の強誘電体薄膜メモリは、
前記第二の水素バリア膜に設けられた開口部の面積S2が
前記強誘電体薄膜キャパシタの上部電極の面積より小さ
いことを特徴とする。上記構成によれば、第二の水素バ
リア膜がキャパシタを覆う面積がより大きくなるため、
より確実な水素バリア性能が期待できるという効果を有
する。
【0010】請求項4に記載の強誘電体薄膜メモリは、
前記第一の水素バリア膜が、アルミニウム、マグネシウ
ムあるいはチタンのいずれかを含む酸化物であることを
特徴とする。上記構成によれば、第一の水素バリア膜が
優れた水素バリア性能を示すという効果を有する。
【0011】請求項5に記載の強誘電体薄膜メモリの製
造方法は、前記第二の水素バリア膜がイリジウムの酸化
物であることを特徴とする。上記構成によれば、第二の
水素バリア膜がきわめて優れた水素バリア性能を発揮す
るため、強誘電体薄膜の還元劣化が防止できるという効
果を有する。
【0012】請求項6に記載の強誘電体薄膜メモリの製
造方法は、前記第二の水素バリア膜がチタンであること
を特徴とする。上記構成によれば、第二の水素バリア膜
がきわめて優れた水素バリア性能を発揮するため、強誘
電体薄膜の還元劣化が防止できるという効果を有する。
【0013】請求項7に記載の強誘電体薄膜メモリの製
造方法は、前記第二の水素バリア膜がチタンの窒化物で
あることを特徴とする。上記構成によれば、第二の水素
バリア膜がきわめて優れた水素バリア性能を発揮するた
め、強誘電体薄膜の還元劣化が防止できるという効果を
有する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0015】(実施例1)はじめに図をもちいて強誘電
体薄膜素子の形成過程を模式的に説明する。基板101
上に予め強誘電体メモリ素子の駆動回路部(102)を
形成した。次にスパッタリング法などをもちいて白金あ
るいはイリジウムを全面に成膜した後、これをエッチン
グによって所望形状にパターニングした。ここでは互い
に平行に配列された下電極103を形成した。この上に
スピンコート法によってストロンチウム、ビスマス、タ
ンタルを含む有機溶液を塗布し、乾燥をおこなうことに
より前駆体膜を得た。このスピンコートと乾燥の工程は
前駆体膜が所望の膜厚に達するまで繰り返した。最後に
700℃で1時間の酸素アニール処理を施すことにより、結
晶性薄膜であるSrBi2Ta2O9(以下SBTと表記)を得た。な
お、SBTの成膜方法としてはこのほかにMOCVD法やスパッ
タリング法などももちいることができる。このSBTは下
電極103を覆う領域以外はエッチングによって除去し
た(104)。続けてスパッタリング法により白金ある
いはイリジウムを成膜した。この白金あるいはイリジウ
ムをエッチングによってパターニングし、下電極103
と直交する方向に配列した上電極105を形成した(図
3)。下電極103と上電極105が交差する領域は図
3に示すようにマトリクス状に配置され、この交差領域
が強誘電体キャパシタに相当する。
【0016】前記のようにマトリクス状に配列された強
誘電体キャパシタ上に、第一の水素バリア膜106とし
てAl2O3を成膜した。図4に示すように、このAl2O3は駆
動回路部上からはエッチングによって除去した。この上
にさらに第二の水素バリア膜107としてイリジウム酸
化膜を成膜した。第二の水素バリア膜も第一の水素バリ
ア膜と同様、駆動回路部を含む強誘電体キャパシタ領域
の周辺からはエッチングによって除去した(図5)。層
間絶縁膜108としてTEOS(Tetraethylorthosilicate)
膜を成膜し(図6)、下電極103ならびに上電極10
5上にコンタクトホール109を形成した(図7)。こ
こにアルミニウムを堆積し、強誘電体キャパシタと駆動
回路部との配線(110)をおこなった(図8)。図8
の線A−Bに沿った断面図を図9に示す(試料1)。一方
比較のため、水素バリア膜として第二の水素バリア膜を
形成せずに素子を作製した(試料2)。
【0017】それぞれの作製方法で得られたメモリ素子
の特性を比較することにした。ここでは強誘電体薄膜キ
ャパシタの強誘電特性に注目することにした。上下電極
間に適当な交流電圧を印加したとき、上下電極には印加
電圧の大きさと向きに依存してある一定量の電荷が誘起
される。この様子をモニターするため、横軸に印加電
圧、縦軸に電荷量をプロットすると分極軸の反転に起因
したヒステリシスループが得られる。結果を図21から
図23に示す。
【0018】図24はSBTキャパシタを形成した直後の
ヒステリシスループを示す。これはすなわち前述の図3
において、一本の下電極103と一本の上電極105を
選択し、この電極間に電圧を印加して得られたヒステリ
シスループである。同様に、図22と図23にはそれぞ
れ試料1ならびに試料2で得られたヒステリシスループ
を示す。図から明らかなように、試料1ではSBTキャパ
シタ形成直後と比較して強誘電特性の劣化が少ない。一
方、試料2ではヒステリシスループが細り、大幅な特性
劣化の生じていることがわかる。両試料の構造上の違い
によって加工工程後に大きな特性差が現れることが明ら
かになった。すなわち強誘電体薄膜キャパシタ上に第二
の水素バリア膜として成膜されたイリジウム酸化膜の有
無に起因してプロセス劣化の程度が大きく異なると考え
られる。
【0019】本実施例に記載した強誘電体メモリの作製
方法においては、TEOS成膜工程あるいはパッシベーショ
ン成膜工程において発生する水素がキャパシタの特性劣
化を引き起こす大きな要因である。試料1では、強誘電
体薄膜キャパシタ上に形成された水素バリア膜はAl2O3
単層のみである。このため水素が完全に遮断されず、一
部キャパシタ内部に侵入したものと考えられる。SBT薄
膜が還元されることによって膜本来の強誘電特性が大き
く損なわれ、ヒステリシス特性は大幅な劣化を示した。
一方、試料2ではTEOS膜の形成前、強誘電体薄膜キャパ
シタ上にAl2O3薄膜とさらに第二の水素バリア膜とし
てイリジウム酸化膜が形成されている。このAl2O3薄膜
とイリジウム酸化膜のダブルバリア構造がTEOS成膜工程
あるいはパッシベーション成膜工程において発生する水
素を完全に遮断し、SBT薄膜内部への水素侵入を防止し
たものと考えられる。
【0020】本発明の素子構造においては、導電性の有
無に関係無く、キャパシタの側壁にもっとも優れた水素
バリア膜を形成することができる。素子構造のなかで、
水素バリア膜の形成位置に大きな自由度が生まれたた
め、強誘電体をプロセス起因の還元劣化から確実に保護
することが可能になった。
【0021】(実施例2)はじめに図をもちいて強誘電
体薄膜素子の積層過程を模式的に説明する。単結晶シリ
コン基板201上にスイッチングトランジスタ202と
なるMOSトランジスタ及び素子分離領域203を形成
し、さらに層間絶縁膜としてボロン燐ドープシリコン酸
化膜(BPSG)204を成膜した。
【0022】次にリソグラフィ工程により、コンタクト
ホール形成用のレジストパターンを形成後、ドライエッ
チング法によりコンタクトホールを開口した。ポリシリ
コン膜を堆積した後、燐をドーピングした。続けて化学
的機械的研磨によりポリシリコン膜を研磨し、コンタク
トホール内にポリシリコンプラグ205を形成した。次
に下電極とポリシリコンプラグ205とのバリアメタル
層206として窒化チタン膜をスパッタリング法により
成膜した。得られた基板構造を図10に示す。この上に
下部電極として白金207を成膜した。この白金207
の上にスピンコート法によってストロンチウム、ビスマ
ス、タンタルを含む有機溶液を塗布し、乾燥をおこなう
ことにより前駆体膜を得た。このスピンコートと乾燥の
工程は前駆体膜が所望の膜厚に達するまで繰り返した。
最後に700℃で1時間の酸素アニール処理を施すことによ
り、結晶性薄膜であるSrBi2Ta2O9(以下SBTと表記)20
8を得た。さらにスパッタリング法により上部電極とし
て白金209を成膜した(図11)。
【0023】次に、下部電極、SBT薄膜および上部電極
を所望サイズにパターニングすることによりSBT薄膜キ
ャパシタを形成した(図12)。再度酸素雰囲気におけ
るアニール処理を施した後、このキャパシタ表面を被覆
するように第一の水素バリア膜としてAl2O3薄膜210
をスパッタリング法によって成膜した(図13)。さらに
第二の水素バリア膜としてイリジウム酸化膜211を積
層した(図14)次にイリジウム酸化膜のみキャパシタ
周辺領域と上電極上の一部から除去した(図15)。この
上にプラズマ化学気相成長法によりTEOS(Tetraethylort
hosilicate)膜212を堆積した(図16)。強誘電体
薄膜キャパシタの上部電極と電気的コンタクトを得るた
めの開口部を設けた後(図17)、配線材料213を堆
積した(図18)。これをエッチングすることによって
配線層を形成した(図19)。最後にパッシベーション
を形成し、周辺回路とのコンタクトを確保した(図2
0)。得られた素子構造は特にスタック型と呼ばれ、高
集積化を目指したメモリセル構造のひとつである(試料
3)。一方、比較のためSBT薄膜キャパシタの水素バリ
ア膜としてAl2O3薄膜のみ形成ししてメモリセルを作製
した(試料4)。
【0024】それぞれの作製方法で得られたメモリ素子
の特性を比較することにした。ここでは強誘電体薄膜キ
ャパシタの強誘電特性に注目することにした。上下電極
間に適当な交流電圧を印加したとき、上下電極には印加
電圧の大きさと向きに依存してある一定量の電荷が誘起
される。この様子をモニターするため、横軸に印加電
圧、縦軸に電荷量をプロットすると分極軸の反転に起因
したヒステリシスループが得られる。結果を図24から
図26に示す。
【0025】図24はSBTキャパシタを形成した直後の
ヒステリシスループを示す。図25と図26にはそれぞ
れ試料3ならびに試料4で得られたヒステリシスループ
を示す。図から明らかなように、試料3ではSBTキャパ
シタ形成直後と比較して強誘電特性の劣化が少ない。一
方、試料4ではヒステリシスループが細り、大幅な特性
劣化の生じていることがわかる。両試料の構造上の違い
によって加工工程後に大きな特性差が現れることが明ら
かになった。すなわち強誘電体薄膜キャパシタ上に第二
の水素バリア膜として成膜されたイリジウム酸化膜の有
無に起因してプロセス劣化の程度が大きく異なると考え
られる。
【0026】本実施例に記載した強誘電体メモリの作製
方法においては、TEOS成膜工程あるいはパッシベーショ
ン成膜工程において発生する水素がキャパシタの特性劣
化を引き起こす大きな要因である。試料4では、強誘電
体薄膜キャパシタ上に形成された水素バリア膜はAl2O3
単層のみである。このため水素が完全に遮断されず、一
部キャパシタ内部に侵入したものと考えられる。SBT薄
膜が還元されることによって膜本来の強誘電特性が大き
く損なわれ、ヒステリシス特性は大幅な劣化を示した。
一方、試料3ではTEOS膜の形成前、強誘電体薄膜キャパ
シタ上にAl2O3薄膜とさらに第二の水素バリア膜とし
てイリジウム酸化膜が形成されている。このAl2O3薄膜
とイリジウム酸化膜のダブルバリア構造がTEOS成膜工程
あるいはパッシベーション成膜工程において発生する水
素を完全に遮断し、SBT薄膜内部への水素侵入を防止し
たものと考えられる。
【0027】本発明の素子構造においては、導電性の有
無に関係無く、キャパシタの側壁にもっとも優れた水素
バリア膜を形成することができる。素子構造のなかで、
水素バリア膜の形成位置に大きな自由度が生まれたた
め、強誘電体をプロセス起因の還元劣化から確実に保護
することが可能になった。
【0028】(実施例3)図5における第二の水素バリ
ア膜107としてTiを形成し、試料を作製した(試料
5)。この試料は、実施例1における試料1と構造上、
第二の水素バリア膜をイリジウム酸化膜からTiに変更し
た点のみ異なる。強誘電体キャパシタの特性をしらべた
ところ、図27に示されるようなヒステリシスループが
得られた。図22と比較して明らかなように、試料1と
同等の強誘電特性を示していることがわかる。第二の水
素バリア膜としてTiを利用することは、プロセスに起因
した水素による還元劣化から強誘電体キャパシタを保護
する上で、きわめて有効であることが確認された。
【0029】(実施例4)図5における第二の水素バリ
ア膜107としてTiNを形成し、試料を作製した(試料
6)。この試料は、実施例1における試料1と構造上、
第二の水素バリア膜をイリジウム酸化膜からTiNに変更
した点のみ異なる。強誘電体キャパシタの特性をしらべ
たところ、図28に示されるようなヒステリシスループ
が得られた。図22と比較して明らかなように、試料1
と同等の強誘電特性を示していることがわかる。第二の
水素バリア膜としてTiNを利用することは、プロセスに
起因した水素による還元劣化から強誘電体キャパシタを
保護する上で、きわめて有効であることが確認された。
【0030】(実施例5)図15における第二の水素バ
リア膜211としてTiを形成し、試料を作製した(試料
7)。この試料は、実施例2における試料3と構造上、
第二の水素バリア膜をイリジウム酸化膜からTiに変更し
た点のみ異なる。強誘電体キャパシタの特性をしらべた
ところ、図29に示されるようなヒステリシスループが
得られた。図25と比較して明らかなように、試料3と
同等の強誘電特性を示していることがわかる。第二の水
素バリア膜としてTiを利用することは、プロセスに起因
した水素による還元劣化から強誘電体キャパシタを保護
する上で、きわめて有効であることが確認された。
【0031】(実施例6)図15における第二の水素バ
リア膜211としてTiNを形成し、試料を作製した(試
料8)。この試料は、実施例2における試料3と構造
上、第二の水素バリア膜をイリジウム酸化膜からTiNに
変更した点のみ異なる。強誘電体キャパシタの特性をし
らべたところ、図30に示されるようなヒステリシスル
ープが得られた。図25と比較して明らかなように、試
料3と同等の強誘電特性を示していることがわかる。第
二の水素バリア膜としてTiNを利用することは、プロセ
スに起因した水素による還元劣化から強誘電体キャパシ
タを保護する上で、きわめて有効であることが確認され
た。
【0032】
【発明の効果】以上に述べたように本発明の強誘電体薄
膜メモリの構造においては、導電性薄膜であっても、優
れた水素バリア性能を示す材料であれば、強誘電体キャ
パシタの周囲に隙間無く配置することが可能である。こ
のためプロセスに起因して発生する水素から強誘電体の
還元劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試料1の作製工程において、下電極のパター
ニング工程が終了した時点での試料構造を示す平面図。
【図2】 試料1の作製工程において、強誘電体薄膜を
形成した時点での試料構造を示す平面図。
【図3】 試料1の作製工程において、上電極の形成を
終了した時点での試料構造を示す平面図。
【図4】 試料1の作製工程において、第一の水素バリ
ア膜を形成した時点での試料構造を示す平面図。
【図5】 試料1の作製工程において、第二の水素バリ
ア膜を形成した時点での試料構造を示す平面図。
【図6】 試料1の作製工程において、層間絶縁膜を形
成した時点での試料構造を示す平面図。
【図7】 試料1の作製工程において、コンタクトホー
ルを形成した時点での試料構造を示す平面図。
【図8】 試料1の作製工程において、配線層を形成し
た時点での試料構造を示す平面図。
【図9】 図8における線A-Bに沿った試料1の断面を
示す図。
【図10】 試料3の作製工程において、スタート基板
の断面を示す図。
【図11】 試料3の作製工程において、上電極を成膜
した時点での試料構造を示す断面図。
【図12】 試料3の作製工程において、強誘電体薄膜
キャパシタを形成した時点での試料構造を示す断面図。
【図13】 試料3の作製工程において、第一の水素バ
リア膜を成膜した時点での試料構造を示す断面図。
【図14】 試料3の作製工程において、第二の水素バ
リア膜を成膜した時点での試料構造を示す断面図。
【図15】 試料3の作製工程において、第二の水素バ
リア膜をパターニングした時点での試料構造を示す断面
図。
【図16】 試料3の作製工程において、層間絶縁膜を
成膜した時点での試料構造を示す断面図。
【図17】 試料3の作製工程において、コンタクトホ
ールを形成した時点での試料構造を示す断面図。
【図18】 試料3の作製工程において、配線材料を成
膜した時点での試料構造を示す断面図。
【図19】 試料3の作製工程において、配線層を形成
した時点での試料構造を示す断面図。
【図20】 試料3の作製工程において、パッシベーシ
ョン膜を成膜した時点での試料構造を示す断面図。
【図21】 試料3の強誘電体薄膜キャパシタで測定さ
れた初期のヒステリシスループ。
【図22】 試料3の強誘電体薄膜キャパシタで測定さ
れたパッシベーション形成後のヒステリシスループ。
【図23】 試料4の強誘電体薄膜キャパシタで測定さ
れたパッシベーション形成後のヒステリシスループ。
【図24】 試料1の強誘電体薄膜キャパシタで測定さ
れた初期のヒステリシスループ。
【図25】 試料1の強誘電体薄膜キャパシタで測定さ
れたパッシベーション形成後のヒステリシスループ。
【図26】 試料2の強誘電体薄膜キャパシタで測定さ
れたパッシベーション形成後のヒステリシスループ。
【図27】 試料5の強誘電体薄膜キャパシタで測定さ
れた配線層形成後のヒステリシスループ。
【図28】 試料6の強誘電体薄膜キャパシタで測定さ
れた配線層形成後のヒステリシスループ。
【図29】 試料7の強誘電体薄膜キャパシタで測定さ
れたパッシベーション形成後のヒステリシスループ。
【図30】 試料8の強誘電体薄膜キャパシタで測定さ
れたパッシベーション形成後のヒステリシスループ。
【符号の説明】
101.基板 102.駆動回路 103.下電極 104.SBT薄膜 105.上電極 106.第一の水素バリア膜 107.第二の水素バリア膜であり、実施例1において
はイリジウム酸化膜。実施例3においてはTi。実施例4
においてはTiN。 108.層間絶縁膜 109.コンタクトホール 110.配線層 201.基板 202.スイッチングトランジスタ 203.素子分離領域 204.層間絶縁膜 205.ポリシリコンプラグ 206.バリアメタル層 207.下電極 208.SBT薄膜 209.上電極 210.第一の水素バリア膜 211.第二の水素バリア膜 212.層間絶縁膜 213.配線層 214.パッシベーション膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に下部電極、酸化物強誘電
    体薄膜および上部電極を順次積層して構成される強誘電
    体薄膜キャパシタと、このキャパシタ表面に被覆された
    保護膜層と、この保護膜層の前記上部電極上に設けられ
    た開口部と、前記保護膜層上および前記開口部に形成さ
    れた配線層とを具備する強誘電体薄膜メモリにおいて、
    前記保護膜層が第一の水素バリア膜とこの上に形成され
    た第二の水素バリア膜および絶縁膜より構成されること
    を特徴とする強誘電体薄膜メモリ。
  2. 【請求項2】 前記第一の水素バリア膜に設けられた開
    口部の面積S1よりも前記第二の水素バリア膜に設けられ
    た開口部の面積S2が大きく、前記配線層は前記第二の水
    素バリア膜に接しないことを特徴とする強誘電体薄膜メ
    モリ。
  3. 【請求項3】 前記第二の水素バリア膜に設けられた開
    口部の面積S2が前記強誘電体薄膜キャパシタの上部電極
    の面積より小さいことを特徴とする請求項2記載の強誘
    電体薄膜メモリ。
  4. 【請求項4】 前記第一の水素バリア膜が、アルミニウ
    ム、マグネシウムあるいはチタンのいずれかを含む酸化
    物であることを特徴とする請求項1から請求項3に記載
    の強誘電体薄膜メモリ。
  5. 【請求項5】 前記第二の水素バリア膜がイリジウムの
    酸化物であることを特徴とする請求項1から請求項4に
    記載の強誘電体薄膜メモリ。
  6. 【請求項6】 前記第二の水素バリア膜がチタンである
    ことを特徴とする請求項1から請求項4に記載の強誘電
    体薄膜メモリ。
  7. 【請求項7】 前記第二の水素バリア膜がチタンの窒化
    物であることを特徴とする請求項1から請求項4に記載
    の強誘電体薄膜メモリ。
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