JP2003275600A - 可視光応答性及び吸着性複合材料 - Google Patents

可視光応答性及び吸着性複合材料

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JP2003275600A JP2002077078A JP2002077078A JP2003275600A JP 2003275600 A JP2003275600 A JP 2003275600A JP 2002077078 A JP2002077078 A JP 2002077078A JP 2002077078 A JP2002077078 A JP 2002077078A JP 2003275600 A JP2003275600 A JP 2003275600A
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Toru Nonami
野浪  亨
Yoshitaka Andou
欣隆 安藤
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ECODEVICE CO Ltd
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    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/36Compounds of titanium
    • C09C1/3607Titanium dioxide
    • C09C1/3653Treatment with inorganic compounds
    • C09C1/3661Coating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可視光応答性を有し、しかもアパタイト被覆が
従来に比べて格段に多く、吸着性能及び親水性に優れた
アパタイト被覆酸化チタンを提供すること。 【解決手段】 可視光応答型酸化チタンの表面の少なく
とも一部にリン酸カルシウムが被覆されている複合材
料。この複合材料を含有する塗料。この複合材料を含有
する繊維状物質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光応答性を持
つ酸化チタン光触媒の表面にリン酸カルシウムを担持な
いしは被覆した複合材料およびこの複合材料を含む有機
及び無機の塗料並びに繊維状物質に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒の光触媒機能の向上を図るため
に、例えば、多孔質酸化チタンの微粉末と水溶性グルカ
ンを水に分散、溶解した処理液の中に、又は多孔質酸化
チタンの微粉末と水溶性グルカンとアパタイトの微粉末
を水に分散、溶解した処理液の中に担体を浸漬したのち
乾燥しヒートセットすることで得られる空気清浄材が知
られている(特開平11−347407号公報)。球状
樹脂粒子の表面にリン酸カルシウムと酸化チタンからな
るアパタイト複合粒子をコーティングした球状アパタイ
ト複合粒子(特開平7−31964号公報)も知られて
いる。さらに、特開平11−256472号公報には、
繊維類、合成樹脂製の連泡型発泡体多孔質フィルム、多
孔質中空糸膜等の表面にリン酸カルシウムからなる薄膜
を設け、この薄膜の表面に酸化チタンを担持する技術が
開示されている。
【0003】アパタイト(リン酸カルシウムの一種)
は、吸着性能が高いことから、酸化チタンと組み合わせ
ることで、光触媒の光触媒機能を向上させ得ることが期
待されている。しかしながら、従来知られているアパタ
イト被覆酸化チタンでは、アパタイト被覆量が酸化チタ
ンの0.4%から多くても1%に満たない。これは、ア
パタイトを迅速に被覆させる技術が知られていないこと
に起因し、かつ、被覆量が少ないので、期待した程の吸
着能力を発揮することができず、光触媒の機能向上効果
も顕著な物ではなかった。
【0004】さらに、従来知られているアパタイト被覆
酸化チタンは、紫外線応答型のものであり、室内で用い
られる場合、可視活性を示さないか、極めて弱いため実
際上十分な効力を得ることはできなかった。
【0005】そこで本発明の目的は、可視光応答性を有
し、しかもアパタイト被覆が従来に比べて格段に多く、
吸着性能及び親水性に優れたアパタイト被覆酸化チタン
を提供することにある。
【0006】上記課題を解決する本発明は、以下のとお
りである。 [請求項1] 可視光応答型酸化チタンの表面の少なく
とも一部にリン酸カルシウムが被覆されている複合材
料。 [請求項2]前記可視光応答型酸化チタンが、安定な酸
素欠陥を持つ二酸化チタンである請求項1または2に記
載の複合材料。 [請求項3]前記可視光応答型酸化チタンが、少なくと
もアナターゼ型酸化チタンを含む酸化チタンであり、か
つ真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有す
る光の照射下で測定したESRにおいて、g値が2.0
04〜2.007である主シグナルとg値が1.985
〜1.986及び2.024である2つの副シグナルが
観測され、かつこれらの3つのシグナルは真空中、77
K、暗黒下において微小に観測されるか、又は実質的に
観測されない可視光応答性光触媒である請求項1に記載
の複合材料。 [請求項4]前記可視光応答型酸化チタンが、波長42
0nm以上の光の作用に対しても応答性を有する請求項
1〜3のいずれか1項に記載の複合材料。 [請求項5]粒子状である請求項1〜4のいずれか1項
に記載の複合材料。 [請求項6] X線結晶回折試験法において、23°か
ら27°の間にあるアナターゼ型二酸化チタンに起因す
るピークの強度を100としたとき、30°から35°
の間にあるリン酸カルシウムに起因するピークの強度が
1〜30である請求項1〜5のいずれか1項に記載の複
合材料。 [請求項7]X線結晶回折試験法において、23°から
27°の間にあるアナターゼ型二酸化チタンに起因する
ピークの強度を100としたとき、30°から35°の
間にあるリン酸カルシウムに起因するピークの強度が
1.5〜10である請求項1〜5のいずれか1項に記載
の複合材料。 [請求項8]X線結晶回折試験法において、23°から
27°の間にあるアナターゼ型二酸化チタンに起因する
ピークの強度を100としたとき、30°から35°の
間にあるリン酸カルシウムに起因するピークの強度が2
〜10である請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合
材料。 [請求項9]X線電子分光法による測定において、Tiと
Ca及びPの元素量比がTiの2pに帰属する面積を100と
したときに、Caの2p及びPの2pに帰属する面積がいず
れも1〜30である請求項1〜8のいずれか1項に記載
の複合材料。 [請求項10]酸化チタン表面に被覆されたリン酸カル
シウムの少なくとも一部がサブミクロンの粒子ないし柱
状である請求項1〜9項のいずれか1項に記載の複合材
料。 [請求項11]請求項1〜10のいずれか1項に記載の
複合材料を含有する塗料。 [請求項12]塗料が有機バインダーまたは無機バイン
ダーを含有する請求項11に記載の塗料。 [請求項13]請求項1〜10のいずれか1項に記載の
複合材料を含有する繊維状物質。
【0007】本発明の複合材料においては、リン酸カル
シウムが被覆される基材として、可視光応答型酸化チタ
ンを用い、この基材の表面の少なくとも一部または全部
にリン酸カルシウムが被覆される。
【0008】可視光応答型酸化チタンは、例えば、安定
な酸素欠陥を持つ二酸化チタンであることができる。よ
り具体的には、WO00/10706に記載されてい
る、安定した酸素欠陥を有する二酸化チタンからなる可
視光照射下で活性を有する可視光型光触媒であることが
できる。この光触媒は、例えば、紫外線型光触媒として
知られている石原産業製のST-01を原料とし、これを水
素またはアルゴン等のプラズマ処理することで得られる
ものである。その活性は420nm付近にとどまらず6
00nmを超える波長の光でもNOを光酸化できるもの
である。
【0009】さらに可視光応答型酸化チタンは、少なく
ともアナターゼ型二酸化チタンを含み、かつ真空中、7
7Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下
で測定したESRにおいて、g値が2.004〜2.0
07である主シグナルとg値が1.985〜1.986
及び2.024である2つの副シグナルが観測され、か
つこれらの3つシグナルは真空中、77K、暗黒下にお
いて微小に観測されるか、又は実質的に観測されない材
料であるであることもできる。
【0010】本発明で用いる可視光応答型酸化チタンは
好ましくはアナターゼ型二酸化チタンを主成分とするも
のであり、それ以外にルチル型二酸化チタン及び/又は
非晶質の二酸化チタンを含んでいてもよい。また、アナ
ターゼ型二酸化チタンも、必ずしも高い結晶性を有する
ものでなくてもよい。
【0011】本発明で用いる可視光応答型酸化チタンの
真空中、77K測定されたESRの典型的なスペクトル
を図1に示す。図中、上段は暗黒下でのスペクトルであ
り、中段が420nm以上の波長を有する光(水銀ラン
プの光の内、420nm未満の光をカットオフ)の照射
下でのスペクトルである。下段は、420nm未満の光
をカットオフせずに水銀ランプの光を照射した場合のス
ペクトルである。尚、上段、中段及び下段は、いずれも
同一のゲイン(GAIN)の下で測定した結果である。
【0012】図1の上段と中段のスペクトルを比較する
と明らかに、中段のスペクトルにおいて、g値が2.0
04〜2.007である主シグナル、並びにg値が1.
985〜1.986及び2.024である2つの副シグ
ナルは、上段のスペクトルにおけるより強度が大きい。
また、図1の中段と下段のスペクトルを比較すると明ら
かに、g値が2.004〜2.007である主シグナ
ル、並びにg値が1.985〜1.986及び2.02
4である2つの副シグナルの強度は、いずれも、照射光
中に420nm以下の光を含んでいてもいなくても実質
的に相違しない。
【0013】さらに本発明で用いる可視光応答型酸化チ
タンは、図2に示すように、前記3つシグナルが真空
中、常温において、暗黒下及び420nm以上の波長を
有する光照射下におけるESRにおいても測定される物
であることができる。図2中、上段は暗黒下でのスペク
トルであり、中段が420nm以上の波長を有する光
(水銀ランプの光の内、420nm未満の光をカットオ
フ)の照射下でのスペクトルである。下段は、420n
m未満の光をカットオフせずに水銀ランプの光を照射し
た場合のスペクトルである。尚、上段、中段及び下段
は、いずれも同一のゲイン(GAIN)の下で測定した
結果である。
【0014】また、本発明で用いる可視光応答型酸化チ
タンにおける前記3つシグナルが正孔補足に起因するラ
ジカルに帰属されるものであると考えられる。これは、
参考例においても示すように、電子ドナー分子であるイ
ソプロパノール雰囲気中でのESRスペクトル及び電子
アクセプター分子である酸素雰囲気中でのESRスペク
トルから明らかである。
【0015】本発明で用いる可視光応答型酸化チタン
は、真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有
する光の照射下で測定されたESRにおいて、上記シグ
ナルに加えて、g値が2.009〜2.010である副
シグナルをさらに有することもできる。g値が2.00
9〜2.010である副シグナルは、図1の中段のES
Rスペクトルに示めされている。
【0016】本発明に用いる可視光応答型酸化チタンは
Ti(チタン)とO(酸素)の結合比が2より過小な酸素欠
陥型酸化チタンであることができる。酸素欠陥型酸化チ
タンであるか否かはX線光電子分光法(XPS)で測定するこ
とが可能である。X線光電子分光法(XPS)により測定、規
定することのできるチタンと酸素の結合状態及び元素の
量論比を確定する為には、近接する結合エネルギーを持
つ酸化チタンのTi-Oに帰属する530±0.5eVと、吸着酸素
のO-O結合に帰属する532±0.5eVを分離し、計算によっ
て求めることが好ましい。この方法により測定及び計算
を行った結果で見ると、参考例に記載される可視光応答
型酸化チタンは酸素欠陥型であることがわかる。市販の
酸化チタン触媒であるST-01(石原産業製)及びその他
のJRC-ITO3(日本触媒学会参照触媒), P-25(日本アエ
ロジル製)などは誤差も考慮してもO/Tiの比は2.0±0.0
5の値である。酸素欠陥については一義的に定義できな
い側面はあるものの、望ましくは1.5〜1.95である。
【0017】本発明で用いる可視光応答型酸化チタン
は、非晶質または不完全な結晶質の二酸化チタンを原料
として製造することができ、この原料二酸化チタンは、
硫酸法や塩化物法等やチタンアルコキサイドを原料とす
る湿式法で得られる物であることができる。より具体的
には、原料二酸化チタンは、塩化チタンを水酸化アンモ
ニウムで加水分解して得られたものであることができ
る。この加水分解は、反応液のpHが6以上になるよう
に水酸化アンモニウムの添加量を調整して行うことが適
当である。塩化チタンは、三塩化チタン、四塩化チタ
ン、オキシ塩化チタンなどのいずれであっても良く、こ
れらの混合物を用いてもよい。上記加水分解は、例え
ば、冷却下、または常温〜90℃の範囲の温度で行うこ
とができるが、常温での加水分解が、比較的結晶性が低
い、または非結晶質の二酸化チタンが得られるという観
点から好ましい場合が有る。また、塩化チタンの水酸化
アンモニウムによる加水分解物は、水酸化アンモニウム
水溶液で洗浄した後に原料二酸化チタンとして用いるこ
とが好ましい。この水酸化アンモニウム水溶液での洗浄
は、加水分解時に生成する塩化アンモニウムの残存量が
適当量まで低下するように行うことができ、好ましく
は、複数回行うことができる。また、非晶質または不完
全な結晶質の二酸化チタンは、市販品を用いても良く、
例えば、石原産業製のST-01またはC-02のような不完全
な結晶質の二酸化チタンであってもよい。
【0018】あるいは、可視光応答型酸化チタンの製造
は、硫酸チタンまたは硫酸チタニルを加水分解して得ら
れた加水分解物を、水で洗浄して前記加水分解物に含ま
れる硫酸イオンの少なくとも一部を除去した後に、アン
モニア又はその誘導体の存在下で加熱することを含む、
少なくともアナターゼ型酸化チタンを含む酸化チタンか
らなる方法により行うこともできる。
【0019】上記加水分解物の洗浄は水またはアンモニ
ア水で行うことができるが、その後の検討の結果、アン
モニア水洗浄に比べ、水洗浄により、BET比表面積が
より高い生成物が得られることが分かり、本発明では、
水洗浄を採用している。より具体的には、加熱条件を同
一にした場合、アンモニア水洗浄に比べ、水洗浄で得ら
れる生成物は、ほぼ2倍のBET比表面積を有する生成
物を得ることができる。より高いBET比表面積を有す
る生成物は、吸着性能の点で優れることが期待できるこ
とから、本発明の製造方法により得られた材料を光触媒
として使用する場合、極めて有利である。
【0020】さらに、上記の製造方法は、前記水での洗
浄を洗浄濾過液中の硫酸イオン濃度が2000ppm以下にな
るまで行うことが好ましい。前記水での洗浄を洗浄濾過
液中の硫酸イオン濃度が1500ppm以下になるまで行うこ
とがさらに好ましい。尚、硫酸チタンまたは硫酸チタニ
ルを加水分解をアンモニアを用いて行う場合は、前記水
での洗浄を洗浄濾過液中のアンモニウムイオン濃度が20
0ppm以下になるまで行うことが好ましい。
【0021】本発明で用いる可視光応答型酸化チタンの
製造は、上記の方法以外に、例えば、以下のように行う
ことができる。非晶質または不完全な結晶質の二酸化チ
タンをアンモニア又はその誘導体の存在下で加熱する。
アンモニアは液体であっても気体であってもよい。アン
モニアガスを用いる場合、原料二酸化チタンをアンモニ
アガス雰囲気下加熱する。また、アンモニア誘導体とし
ては、例えば、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩を
挙げることができ、例えば、原料二酸化チタンを塩化ア
ンモニウムの共存下で加熱する。
【0022】原料二酸化チタンのアンモニア又はその誘
導体の存在下での加熱は、加熱により生成する材料の波
長450nmにおける光の吸収が、原料二酸化チタンの波
長450nmにおける光の吸収より大きい時点で前記加熱
を終了させることにより行う。通常、原料二酸化チタン
は白色であり、波長450nmにおける光の吸収は10%
前後である。それに対して、原料二酸化チタンをアンモ
ニア又はその誘導体の存在下で加熱すると、徐々に黄色
に着色する。しかし、この着色はある時点をピークに薄
らぎ、ついには原料二酸化チタンと同程度の吸収を示す
物となる。原料二酸化チタンの種類や共存させるアンモ
ニア(誘導体)の種類と量、加熱温度及び時間等により
異なるが、波長450nmにおける光の吸収は最大で60
%前後に達する場合もある。可視光応答型酸化チタンの
特性は、波長450nmにおける光の吸収強度により一義
的に決まるものではないが、波長450nmにおける光の
吸収が20%以上(反射率80%以下)である場合、明
らかに可視光応答性を示す材料となる。
【0023】上記加熱の条件は、必ずしも温度だけで規
定はできないが、用いる温度としては例えば300〜500℃
の範囲の温度であることができる。また、この加熱は常
圧下で行うことができる。また、加熱時間は、加熱によ
り生成する材料の波長450nmにおける光の吸収を目安
に適宜決定できる。
【0024】上記加熱は、当分野で通常用いられている
ロータリーキルン、トンネルキルン、マッフル炉などを
用いることができる。加熱により酸化チタンの個々の粒
子が凝集したり、焼結したりした場合には、必要に応じ
て粉砕器により粉砕してもよい。
【0025】また、上記のように加熱して得られた材料
を、必要により水又は水溶液で洗浄することができる。
この洗浄により、得られる可視光応答型酸化チタンの可
視光応答性を改善できる場合がある。例えば、非晶質ま
たは不完全な結晶質の二酸化チタン(加熱前の材料)
が、塩化チタンを水酸化アンモニウムで加水分解して得
られたものである場合、加水分解物に相当量の塩化アン
モニウムが残存しており、その結果、上記のように非晶
質または不完全な結晶質の二酸化チタンを可視光応答型
酸化チタンに変換することが可能になる。しかるに、加
熱処理後も相当量の塩化アンモニウムが得られる材料に
残存する場合がある。その様な場合には、水または適当
な水溶液を用いて洗浄することで、塩化アンモニウムを
除去し、可視光応答型酸化チタンの可視光応答性を改善
できる場合がある。この場合、加熱して得られた材料の
水又は水溶液での洗浄を、洗浄後の水又は水溶液のpH
が例えば、5以上の範囲となるように行うことができ
る。
【0026】本発明で用いる可視光応答型酸化チタンに
は、用途に応じてその表面及び/又は内部にケイ素、ア
ルミニウム、スズ、ジルコニウム、アンチモン、リン、
白金、金、銀、銅、鉄、ニオブ、タングステン、タンタ
ルなどの元素やそれらを含む化合物を被覆したり、担持
したり、或いはドープしたりすることもできる。
【0027】本発明の複合材料において、可視光応答型
酸化チタンを被覆しているのはリン酸カルシウムであ
り、本発明において「リン酸カルシウム」とは、水酸ア
パタイト、炭酸アパタイト、フッ化アパタイト、リン酸
三カルシウム、又はリン酸八カルシウムのいずれか1種
又はこれら2種以上の混合物を意味する。
【0028】本発明の複合材料では、リン酸カルシウム
の被覆量は、X線結晶回折試験法において、23°から
27°の間にあるアナターゼ型二酸化チタンに起因する
ピークの強度を100としたとき、30°から35°の
間にあるリン酸カルシウムに起因するピークの強度が1
以上、好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2以上
とすることができ、上限は特にないが、30以下であ
り、好ましくは10以下であり、より好ましくは5以下
である。
【0029】本発明の複合材料では、リン酸カルシウム
の被覆量は、X線電子分光法による測定において、Tiと
Ca及びPの元素量比がTiを100としたときに、Ca及びP
がいずれも1以上、好ましくは1.5以上、さらに好ま
しくは2以上の範囲である程度である。上限は、TiとCa
及びPの元素量比がTiを100としたときに、Ca及びPが
いずれも30以下、好ましくは10以下であり、より好
ましくは5以下である程度である。
【0030】酸化チタン表面に被覆されたリン酸カルシ
ウムの形態は特に制限はないが、例えば、少なくとも一
部がサブミクロンの粒子であるか、あるいは柱状である
ことができる。本発明の複合材料におけるアパタイト
(リン酸カルシウム)の形状は粒子状ないしは柱状の物
を含み、かつその大きさはサブミクロンのものがあるこ
とがSEM写真(図6)より明らかである。形状から特開
2001−232206号公報において開示されたバラ
の花形状のリン酸カルシウムを島状に担持させた多孔質
光触媒体や、バラの花形状のリン酸カルシウムを島状に
担持させた酸化チタン粒子、特開平10−244166
号公報に記載の酸化チタンからなる表面を持つ基材の該
表面に、多孔質リン酸カルシウム膜をコートした環境浄
化材料等とは明らかに性状が異なる物質である。さら
に、本発明の複合材料は、アパタイト(リン酸カルシウ
ム)の担持量が酸化チタンの約1割に達する場合があ
り、親水性その他の物性も、上記従来のアパタイト被覆
酸化チタンとは相違する。また、本発明の複合材料は可
視部に強い光吸収を持つことが明らかになった。
【0031】本発明の複合材料の製造方法について説明
する。可視光応答型酸化チタンを、ヒト体液を模した2
5℃〜60℃の疑似体液中に、1秒から1時間程度より
好ましく、30℃〜40℃の疑似体液中に1分〜10分
間程度浸漬すると、水酸化カルシウムとリン酸イオンと
の反応で生成するリン酸カルシウムを析出させることが
できる。疑似体液中に一定以上の時間浸漬させると、リ
ン酸カルシウムが酸化チタン粒子全面に固着する。リン
酸カルシウムを析出させる基材として、可視光応答型酸
化チタンを用いると、予想外にも、従来の光触媒の表面
への析出に比べて非常に迅速かつ多量のリン酸カルシウ
ムが析出することが今回初めて分かった。
【0032】尚、本明細書において、「疑似体液」と
は、少なくともNaとPのイオンを含む当張水溶液をい
う。「Na」,「K」,「Cl」,「Ca」,「P」,
「Mg」等のイオンを含有し且つpH7〜8のものが好
ましいが、pHが7.3〜7.7のものが特に好適であ
る。
【0033】本発明は、上記本発明の複合材料を含有す
る塗料(コーティング組成物)も包含する。本発明の塗
料は上記複合材料とバインダー及び溶媒を少なくとも含
有する。バインダーは有機バインダー及び無機バインダ
ーのいずれであってもよい。
【0034】無機バインダーとしては、例えば、アルキ
ルシリケート、ハロゲン化ケイ素およびこれらの部分加
水分解物などの加水分解性ケイ素化合物を加水分解して
得られた生成物、シリカ、コロイダルシリカ、水ガラ
ス、オルガノポリシロキサンなどのケイ素化合物、有機
ポリシロキサン化合物の重縮合物、リン酸亜鉛、リン酸
アルミニウムなどのリン酸塩、重リン酸塩、セメント、
石灰、セッコウ、ほうろう用フリット、グラスライニン
グ用うわぐすり、プラスターなどの無機系バインダーを
挙げることができる。また、有機バインダーとしては、
例えば、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー、アク
リル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン
樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂などの有機系バイン
ダーなどが挙げられる。従来、バインダーは、光触媒の
光触媒機能により劣化したり、分解したりすることがあ
るため、使用場面、光触媒機能の程度や用途に応じてバ
インダーの種類を適宜選択する必要があった。しかし、
本発明では、光触媒として複合材料を用いるため、従来
の紫外線型の光触媒を用いる塗料に比べて光触媒機能に
よる劣化が格段に少ないか、紫外線の殆どない室内で使
用される場合には、光触媒機能による劣化は殆どない。
従って、紫外線型の光触媒を使用した塗料では使用でき
なかったアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂等の有
機バインダーも良好に使用することができる。本発明で
は、これらのバインダーを単一または2種以上を組み合
わせて用いることができる。
【0035】アルキルシリケートとしては、例えば、一
般式としてSin n-1 (OR)2n +2(但しSiはケイ
素、Oは酸素、Rはアルキル基を示す。)で表される化
合物を挙げることができ、上記nは例えば、1〜6であ
って、Rは例えば、炭素数が1〜4のアルキル基である
ものを挙げることができる。ただし、これらに限定され
ない。セメントとしては、例えば早強セメント、普通セ
メント、中庸熱セメント、耐硫酸塩セメント、ホワイト
(白色)セメント、油井セメント、地熱井セメントなど
のポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高
硫酸塩セメント、シリカセメント、高炉セメントなどの
混合セメント、アルミナセメントなどを用いることがで
きる。プラスターとしては、例えばセッコウプラスタ
ー、石灰プラスター、ドロマイトプラスターなどを用い
ることができる。フッ素系ポリマーとしては、例えばポ
リフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化三フ
ッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ四フッ化エ
チレン−六フッ化プロピレンコポリマー、エチレン−ポ
リ四フッ化エチレンコポリマー、エチレン−塩化三フッ
化エチレンコポリマー、四フッ化エチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテルコポリマーなどの結晶性フッ
素樹脂、パーフルオロシクロポリマー、ビニルエーテル
−フルオロオレフィンコポリマー、ビニルエステル−フ
ルオロオレフィンコポリマーなどの非晶質フッ素樹脂、
各種のフッ素系ゴムなどを用いることができる。特に、
ビニルエーテル−フルオロオレフィンコポリマー、ビニ
ルエステル−フルオロオレフィンコポリマーを主成分と
したフッ素系ポリマーが分解・劣化が少なく、また、取
扱が容易であるため好ましい。シリコン系ポリマーとし
ては、直鎖シリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂、
各種のシリコン系ゴムなどを用いることができる。
【0036】有機ポリシロキサン化合物の重縮合物に用
いる有機ポリシロキサン化合物は、有機珪素化合物の加
水分解物として公知の物質であり、例えば、特開平8−
164334号公報、特開平8−67835号公報、特
開平8−155308号公報、特開平10−66830
号公報、特許第2756474号等に記載のものをその
まま使用することができる。有機ポリシロキサン化合物
は、有機珪素化合物を加水分解物であるが、有機珪素化
合物としては、アルキル基及びアルコキシ基を有するも
のを挙げることができる。
【0037】アルキル基及びアルコキシ基を有する有機
珪素化合物を加水分解物も公知であり、例えばR1 nSi(OR
2)4-nで表される有機珪素化合物を加水分解することに
より得られる。R1及びR2は、それぞれ、例えば、炭素数
1〜8の低級アルキル基であることができ、得られるコー
ティングの膜強度を考慮すると、R1は炭素数1〜3の低級
アルキル基、好ましくはメチル基であることが適当であ
る。上記式中のnは、0〜2の整数であり、具体的には、
少なくともnが1及び2の有機珪素化合物の混合物の加
水分解物(3次元架橋物)を用いることが膜強度等を考慮
すると適当である。
【0038】上記有機珪素化合物としては、例えば、メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブト
キシシラン、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロ
ムシラン;エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチル
トリt−ブトキシシラン、エチルトリクロルシラン、エ
チルトリブロムシラン;n−プロピルトリメトキシシラ
ン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルト
リイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキ
シシラン、n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピ
ルトリブロムシラン;n−ヘキシルトリメトキシシラ
ン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルト
リイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキ
シシラン、n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシ
ルトリブロムシラン;n−デシルトリメトキシシラン、
n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプ
ロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン、
n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシ
ラン;n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オク
タデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイ
ソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキ
シシラン、n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オ
クタデシルトリブロムシラン、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメト
キシジエトキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシ
ラン等を挙げることができる。
【0039】バインダーの配合量は、固形分に換算し
て、複合材料粒子に対して10〜2000重量%程度で
あり、25〜1000重量%が好ましく、25〜500
重量%がより好ましく、25〜250重量%がさらに好
ましい。バインダーの配合量を上記範囲とすることで、
複合材料を塗膜としたとき複合材料が脱離することな
く、かつ複合材料の可視光応答機能を維持することがで
きる。
【0040】溶媒としては、無機溶媒または有機溶媒、
それらの混合物を用いることができる。無機溶媒として
は水が好ましい。有機溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、2−プロパノール、エチレングリコール等のア
ルコール類、ケトン類などを用いることができる。取扱
い性、塗工性の点からアルコールを含有してなるものが
好ましい。溶媒の配合量は、作業性に応じて適宜設定す
ることができる。
【0041】本発明の可視光応答型塗料には、必要によ
り、ジカルボン酸およびその誘導体からなる群より選択
される少なくとも一種の化合物を含有させることができ
る。ジカルボン酸とは、分子内にカルボキシル基COO
Hを二個持つ有機化合物であり、例えば、シュウ酸、マ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪
族飽和ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪
族不飽和ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸などの芳香族ジカルボン酸などを用いることが
できる。ジカルボン酸誘導体とは、前記のジカルボン酸
のエステル化物、ジカルボン酸の塩、ジカルボン酸無水
物、ジカルボン酸アジド、ジカルボン酸アミド、ジカル
ボン酸イミドなどのジカルボン酸に小部分の構造上の変
化があってできる化合物のことであり、例えば、ジカル
ボン酸メチル、ジカルボン酸エチル、ジカルボン酸プロ
ピル、ジカルボン酸ブチル、ジカルボン酸ナトリウム、
ジカルボン酸アンモニウムなどを用いることができる。
【0042】ジカルボン酸およびその誘導体の含有量
は、可視光応答型塗料中の複合材料粒子に対して0.5
〜500重量%程度であり、5〜500重量%が好まし
く、10〜500重量%がより好ましく、25〜250
重量%がさらに好ましい。ジカルボン酸およびその誘導
体の含有量が上記範囲より少ないと添加効果が発現しに
くく、また、上記範囲より多くしてもそれ以上の顕著な
効果が認められにくい。また、本発明の可視光応答型塗
料には、ジカルボン酸およびその誘導体からなる群より
選択される少なくとも一種の化合物、複合材料粒子、バ
インダー、溶媒以外に、分散剤、界面活性剤、硬化剤、
架橋剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
【0043】本発明は、前記の可視光応答型塗料を用い
て複合材料を含有する塗膜を形成された物品を提供する
こともできる。物品としては、セラミックス、ガラスな
どの無機材質の物品、プラスチック、ゴム、木、紙など
の有機材質の物品、アルミニウムなどの金属、綱などの
合金などの金属材質の物品を用いることができる。物品
の大きさや形には特に制限されない。物品上に形成され
る複合材料含有塗膜の膜厚は、用途に応じて適宜設定す
ることができ、例えば、0.01〜100μm程度の膜
厚とすることができる。本発明の可視光応答型塗料を用
いて、物品上に複合材料含有膜を形成するには、物品に
可視光応答型塗料を塗布したりあるいは吹き付けたりし
て行うことができる。具体的には、複合材料粒子とバイ
ンダーとを溶媒に分散させて塗料とし、次いで、該塗料
を基体に塗布し或いは吹き付けて、該複合材料粒子とバ
インダーとを基体の少なくとも一部に配置させるのが好
ましい。前記の溶媒としては、水やトルエン、アルコー
ルなどの有機溶媒を用いることができる。塗布方法とし
ては、例えば、含浸法、ディップコーティング法、スピ
ナーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラ
ーコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、リバ
ースロールコーティング法、刷毛塗り法、スポンジ塗り
法などの通常の方法で塗布したり、あるいは、スプレー
コーティング法などの通常の方法で吹き付けたりするこ
とができる。このようにして塗布あるいは吹き付けた
後、乾燥または焼成して溶媒を除去する。乾燥または焼
成の温度は、500℃より低い温度で行うのが好まし
く、室温〜400℃の温度で行うのがより好ましい。こ
の場合、500℃より高いと可視光応答機能が低下しや
すくなるため好ましくない。さらに、必要に応じて、用
いたバインダーを固化するために、例えば紫外線照射な
どの方法を用いてもよい。なお、物品に可視光応答型塗
料を塗布したりあるいは吹き付けしたりする前に、必要
に応じて、前記の有機系バインダーである、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、
ウレタン樹脂、アルキド樹脂などの有機系バインダーや
前記の無機系バインダーをプライマーあるいは塗装とし
て予め物品に塗布したりあるいは吹き付けしたりしても
よい。
【0044】従来の親水性塗料及び塗膜(例えば、特開
平11-1659号公報)は、耐候性を得るために、シリカや
シリコーンを含むものであった。それに対して、本発明
では、シリカやシリコーンを含むことなく、耐候性に優
れた塗膜を得ることができる。シリカやシリコーンを含
むことなく、耐候性に優れた塗膜を得ることができるた
め、組成の自由度がまし、例えば、バインダー量を増や
したり、複合材料の含有量を増やしたりすることも可能
である。但し、本発明の塗料及び塗膜は、シリカやシリ
コーンを含むものであっても良い。
【0045】前記のようにして塗布或いは吹き付けた
後、固化させて本発明の複合材料体を得る。固化は、乾
燥したり、紫外線を照射したり、加熱したり、冷却した
り、架橋剤を使用したりする方法で行なうことができる
が、固化の温度は、400℃より低い温度、好ましくは
室温〜200℃の温度で行なう。この場合、400℃よ
り高いとバインダーが熱劣化し、複合材料粒子が脱離し
易くなるため好ましくない。
【0046】本発明は、上記本発明の塗膜を基材表面の
少なくとも一部に有する物品を提供することもできる。
基材としては、例えば、建築物の外壁面、屋根外面屋上
面、窓ガラス外面若しくは窓ガラス内面、部屋の壁面、
床面若しくは天井面、ブラインド、カーテン、道路の防
護壁、トンネルの内壁、照明灯の外面若しくは反射面、
車両の内装面、ミラー面、窓ガラス外面若しくは窓ガラ
ス内面であることができる。本発明の複合材料含む塗膜
又はこの塗膜を有する物品を用いることで、殺菌及び/
又は防汚方法を提供することができる。また、本発明の
複合材料を用いることで、水の浄化方法や窒素酸化物の
浄化方法を提供することもできる。
【0047】本発明の複合材料を含む塗膜は、可視光線
を照射させることにより、その回りに存在する有害物
質、悪臭物質、油分などを分解して浄化したり、殺菌し
たりすることができる。照射する光としては、可視光線
を含有した光が挙げられ、例えば、太陽光や蛍光灯、ハ
ロゲンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀灯、L
ED、有機ELなどの光を用いることができる。特に、
400nm〜700nmの可視光線を含有した光が好ま
しい。光の照射量や照射時間などは処理する物質の量な
どによって適宜設定できる。
【0048】本発明は、上記本発明の複合材料を含有す
る繊維状物質も包含する。繊維状物質とは、例えば、ポ
リエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリルニ
トリル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系
繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、弗素系繊維、アラミド系
繊維、サルフォン系繊維等の合成繊維、レーヨン、アセ
テート等の半合成繊維、木綿、羊毛、絹、麻等の天然繊
維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミックス繊維等、及び
これらの混合された繊維からなる織物、編物、不織布、
糸、ロープ、紐等である。かかる繊維に原糸糸条の製造
工程や加工工程での生産性や特性改善のために、通常使
用されている各種添加剤を含んでいても良い。例えば、
熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止
剤、可塑剤、増粘剤、着色剤、平滑剤、抗菌剤、防黴剤
等を含有せしめることができる。本発明の複合材料を含
有する繊維状物質は、光触媒反応で劣化しやすい有機系
高分子からなる繊維においても特に効果を発揮できる。
【0049】本発明の複合材料は、上記のような物質的
特徴を持ち、大気中の例えば悪臭成分やNOx等の環境
汚染物質、廃水処理や水浄化処理等を連続的に行うこと
ができ、環境浄化資材として環境汚染物質の分解消去能
と抗菌能に優れる。しかも経済性、安全性等の点にも優
れた特性を有する光触媒体とその製造方法をするととも
に、この光触媒体を用いた塗料、繊維を提供することに
ある。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 実施例1 参考例8で製造した可視活性のある酸化チタンを、疑似
体液1リットル中に懸濁させ、37℃で1時間静置し、
デカンテーションと遠心分離を行い分離し、その後同じ
37℃で乾燥した。疑似体液としては、水1リットル中
に、塩化ナトリウム8000mg、塩化カリウム200
mg、リン酸一水素ナトリウム1150mg、リン酸二
水素カリウム200mg、塩化カルシウム200mgを
含むものを用いた。このようにして、酸化チタン膜表面
が一様に覆われるとともに、柱状、結晶状のサブミクロ
ンのアパタイト粒子が析出した複合材料を得た。得られ
た複合材料のSEM写真を図6(5000倍及び2000
0倍)に示す。比較のため、市販のアパタイト被覆酸化
チタン(昭和電工製)SEM写真を図7(5000倍及び
20000倍)に示し、参考例8で製造した可視活性の
ある酸化チタンのSEM写真を図8(5000倍及び20
000倍)に示す。
【0051】実施例2 参考例8で製造した可視活性のある酸化チタンを、疑似
体液1リットル中に10g懸濁させ、37℃で10分間
静置し、デカンテーションと遠心分離を行い分離し、そ
の後同じ37℃で乾燥した。疑似体液としては、水1リ
ットル中に、塩化ナトリウム8000mg、塩化カリウ
ム200mg、リン酸一水素ナトリウム1150mg、
リン酸二水素カリウム200mg、塩化カルシウム40
0mgを含むものを用いた。このようにして、酸化チタ
ン膜表面が覆われるとともに、柱状、結晶状のサブミク
ロンのアパタイト粒子が析出した複合材料を得た。
【0052】さらに実施例1で得られた複合材料につい
て、X線結晶回折試験法及びX線電子分光法による測定
を行った。X線結晶回折試験法の結果 実施例1で得られた複合材料(上段)及び原料として使
用した参考例8で製造した可視活性のある酸化チタン
(下段)のX線結晶回折試験結果を図8に示す。図9
(上段)に示すように、酸化チタンのアナターゼ結晶に
起因する23度から27度の間のピークの強度を100
とした場合、リン酸カルシウムに起因する30から35
度の間のピークの強度は約20であった。X線電子分光法の結果 実施例1で得られた複合材料について、図10にTi、図
11にCa、図12にPのX線電子分光法による測定結果
を示す。これらの図に示す通り、TiとCa、Pの元素量比
はTiを100とした場合、Ca及びPはそれぞれ約11及
び10であった。以上の結果から、酸化チタンに対し約
10%のリン酸カルシウム(アパタイト)が存在するこ
とが明らかとなった。吸収スペクトル 図13に、実施例1で得られた複合材料(上段)及び原
料として使用した参考例8で製造した可視活性のある酸
化チタン(下段)の吸収スペクトルを示す。
【0053】さらに、上記実施例で得られた複合材料の
性能評価を行った。結果を以下の表1に示す。尚、比較
のため、市販のアパタイト被覆酸化チタン(昭和電工
製)と対比した。
【0054】
【表1】
【0055】尚、NOの酸化除去力は、以下の方法によっ
て行った。 試験例 NOの酸化活性(除去率) 実施例1で作製した複合材料をパイレックス(登録商
標)ガラス製反応容器(内径160mm、厚さ25m
m)内に設置した。光源には300Wクセノンランプを
用い、日本分光製照射装置により半値幅20nmの単色
光として、光を照射した。上記反応容器に湿度0%RHの
模擬汚染空気(NO:1ppm)を1.5リットル/分
の流速で連続的に供給し、反応出口におけるNOの濃度
変化をモニターした。NOの濃度はオゾンを用いた化学
発光法により測定した。1時間のモニター値の累積値か
らNOxの除去率を求めた。470nm及び360nmに
おける各試料のNO除去率(%)を上記表1に示した。
【0056】実施例3 アパタイト試料の可視光活性評価結果 実験方法:試料0.2gを採取後、6cm×6cmのガラス板
に蒸留水を加えながら均一に塗布する。その後、試料を
乾燥させ550mLのガラス製反応容器内に設置した。反応
容器を5Torrまで脱気させ,高純度空気(日本酸素製,CO
2、0.5ppm以下)で760Torrまで戻した。反応容器内にア
セトン約550ppmになるように液体の状態で注入した。気
化後、約4時間吸着させ、吸着平衡後にBlue-LED( 日亜
化学製,NSPB500S,中心波長470nm,を23個配列)を12時
間照射させた。結果を表2に示す。尚、CO2濃度の測定
は、ガスクロマトグラフィー(TCD)により行った。 測定試料: (1)実施例1で得られた複合材料 (2)市販のアパタイト被覆酸化チタン(昭和電工製) (3)参考例8で製造した可視活性のある酸化チタン
【0057】
【表2】
【0058】この結果から、実施例1で得られた複合材
料(1)は、殆どが可視光線であるLEDの光によって
も、アセトンを光酸化できることが分かる。それに対し
て、市販のアパタイト被覆酸化チタン(2)は12h経過
後もCO2の生成は観測されず、アセトン濃度もライトオ
ン時とほぼ同程度であった。このため、この試料(2)
では吸着もほとんど起こっていないと考えられる。ま
た、(1)と(3)の結果の差(CO2の生成量の差)
は、試料の塗布量を0.2gと一定量としたため、実施例1
で得られた複合材料(1)の場合、0.2gの全量が光触
媒ではないことも影響していると考えられる。
【0059】参考例1 四塩化チタン(関東化学株式会社製、特級)500gを
純水の氷水(水として2リットル)に添加し、攪拌し、
溶解し、四塩化チタン水溶液を得た。この水溶液200
gをスターラーで攪拌しながら、約50mlのアンモニ
ア水(NH3として13wt%含有)をできるだけ速や
かに加えた。アンモニア水の添加量は、水溶液のpHが
約8になるように調整した。これにより水溶液は白色の
スラリー状となった。さらに攪拌を15分間続けた後、
吸引濾過器で濾過した。濾取した沈殿は20mlのアン
モニア水(NH3として6wt%含有)に分散させ、ス
ターラーで約20時間攪拌した後、再度吸引濾過して、
白色の加水分解物を得た。得られた白色の加水分解物を
坩堝に移し、電気炉を用い、大気中400℃で1時間加
熱し、黄色の生成物を得た。
【0060】得られた生成物のXRDの測定結果を図3
の上段に示す。併せて、白色の加水分解物を50℃で乾
燥してもののXRDの測定結果も図3の下段に示す。こ
の結果から、白色の加水分解物を50℃で乾燥してもの
は、アモルファスであり、得られた生成物がアナターゼ
型二酸化チタンであることが分かる。得られた生成物と
白色の加水分解物を50℃で乾燥してものの吸収スペク
トルを、積分球を取り付けた日立自記分光光度計(U-32
10)により、以下の条件で測定した。 scan speed:120nm/min、 response:MEDIUM、 band pass:2.00nm、 リファレンス:硫酸バリウム その結果、得られた生成物の700nmにおける反射率
を100%としたときの450nmにおける反射率が6
1%であったのに対し、白色の加水分解物を50℃で乾
燥してものは、700nmにおける反射率を100%と
したときの450nmにおける反射率は95%であっ
た。
【0061】また、得られた生成物のESRスペクトル
を測定した。測定は、真空中(0.1Torr)、77
K又は常温で行った。測定条件は以下の通りである。 〔基本的パラメーター〕 測定温度 77K又は常温 フィールド 324mT±25mT 走査時間 4分 Mod. 0.1mT レシーバー・ゲイン 10〜100(測定感度) タイムコンスタント 0.1秒 光源 高圧水銀ランプ 500W フィルター L−42 〔試料作成〕 真空脱気 1時間以上 〔g値の計算〕 Mn2+マーカー(gmn=1.981)を基準として g=gmn×Hmn/(Hmn+△H) Hmn:Mn2+マーカーの磁場、△H:Hmnからの磁場の
変化量
【0062】図1(測定温度77K)及び図2(測定温
度常温)に、上段に暗黒下でのESRスペクトル、中段
に420nm以下の光(500Wの高圧水銀ランプを使
用)をカットするフィルター(L−42)を介して光照
射した状態で測定したESRスペクトル、下段に420
nm以下の光をカットするフィルター(L−42)を使
用せずに500Wの高圧水銀ランプを使用して光照射し
た状態で測定したESRスペクトルをそれぞれ示す。
【0063】図1の上段と中段のスペクトルを比較する
と明らかに、中段のスペクトルにおいて、g値が2.0
04〜2.007である主シグナル、並びにg値が1.
985〜1.986及び2.024である2つの副シグ
ナルは、上段のスペクトルにおけるより強度が大きかっ
た。また、図1の中段と下段のスペクトルを比較すると
明らかに、g値が2.004〜2.007である主シグ
ナル、並びにg値が1.985〜1.986及び2.0
24である2つの副シグナルの強度は、いずれも、照射
光中に420nm以下の光を含んでいても実質的に相違
しなかった。
【0064】さらに図2に示すように参考例1の可視光
応答型材料は、前記3つシグナルが大気中、常温、暗黒
下及び420nm以上の波長を有する光照射下における
ESRにおいても測定される物であった。尚、白色の加
水分解物を50℃で乾燥してものには、g値が2.00
4〜2.007である主シグナル、並びにg値が1.9
85〜1.986及び2.024である2つの副シグナ
ルは、いずれのESR測定条件においても観測されなか
った。
【0065】真空であった測定雰囲気を空気またはイソ
プロパノールとし、420nm以下の光(500Wの高
圧水銀ランプを使用)をカットするフィルター(L−4
2)を介して光照射する条件で上記と同様にしてESR
スペクトルを測定した。その結果を図4に示す。図中、
上段が真空中、中段が空気中、下段がイソプロパノール
中での測定結果である。主シグナル及び2つの副シグナ
ル共に、真空中で最も小さく、イソプロパノール中で
は、真空中よりやや大きくなるが、中段の空気中で最大
となる。イソプロパノールは電子ドナー分子であるのに
対し、空気中の酸素は電子アクセプター分子となるの
で、上記結果は、前記3つシグナルが正孔補足に起因す
るラジカルに帰属されるものであることを示唆するもの
である。
【0066】参考例2 参考例1で得た白色の加水分解物を、加熱時間を20分
または3時間とした以外は参考例1と同様の条件で加熱
して、黄色の生成物を得た。これらの生成物の吸収スペ
クトルを参考例1と同様に測定した。加熱時間20分の
試料は、700nmにおける反射率を100%としたと
きの450nmにおける反射率は67%であり、加熱時
間3時間の試料は、700nmにおける反射率を100
%としたときの450nmにおける反射率は67%であ
った。
【0067】参考例3 四塩化チタンを三塩化チタンに代えた以外は参考例1と
同様の条件で白色の加水分解物を得、この白色の加水分
解物を400℃、1時間加熱して、黄色の生成物を得
た。この生成物について、420nm以下の光(500
Wの高圧水銀ランプを使用)をカットするフィルター
(L−42)を介して光照射した状態で測定したESR
スペクトル(測定温度77K)は、図1の中段に示すと
同様のg値を有する主シグナル及び2つの副シグナルを
示した。
【0068】参考例4 アナターゼ型二酸化チタン粉末(石原産業(株)製C−
02)1.6kgを内容積25リットルの内壁に邪魔板
を有する加熱容器に充たし、外熱型ロータリーキルン装
置に装着した。上記加熱容器内を窒素ガスでパージし、
その後アンモニアガスを窒素ガス換算で1.5リットル
/分流通させた。同時に外部ヒーターにより容器内の温
度を400℃とし、容器を回転させながら90分間加熱
した。加熱後、室温まで冷却し、黄色の生成物を得た。
図5に420nm以下の光(500Wの高圧水銀ランプ
を使用)をカットするフィルター(L−42)を介して
光照射した状態で測定したESRスペクトル(測定温度
77K)を示す。
【0069】参考例5 参考例1で得られた粉末3gを100mlの純水に懸濁
しマグネチックスターラーを用い、1時間攪拌した。得
られた溶液は吸引ろ過を行った。濾紙上に残った試料を
再度純水に攪拌し、吸引ろ過を行った。ろ過は、ろ液が
pH試験紙で6〜7になるまで3回繰り返し行った。得
られた粉末は、110℃に設定した乾燥器内に一昼夜放
置し、乾燥させて、図1の中段に示すと同様のg値を有
する主シグナル及び2つの副シグナルを示す材料を得
た。
【0070】参考例6 300リットルの反応容器(冷却及び攪拌が可能)内に
満たした温度0℃の水207kgに四塩化チタン23k
gを徐々に加えた。このとき水溶液の温度は、最高6℃
であった。塩化チタン攪拌を2日間行い透明な四塩化チ
タン水溶液を作成した。作成した四塩化チタン水溶液を
攪拌しながら12.5%アンモニア水を滴下すると、こ
の溶液は徐々に白濁した、アンモニア水の量は、白濁し
た溶液がpH8となるように調整した。白濁した溶液
は、吸引ろ過を行った。濾紙上に残った白色の沈殿物
は、131kgであった。白色の沈殿物は、200kg
のアンモニア水(NH3として6%)に分散させたのち、
24時間攪拌し、吸引ろ過を行った。ろ過後白色の沈殿
物は、108kgであった。白色の沈殿物は、50℃に
設定した強制送風式棚型乾燥機にいれ、4日間乾燥を行
った。乾燥後試料は、17kgであった。乾燥試料をア
ルミナ坩堝(20×20×5cm)に1kg入れ、ガス
炉内に設置し、試料表面に熱電対を置き、試料の温度が
400℃となるようにして、1時間焼成した。冷却後、
図1の中段に示すと同様のg値を有する主シグナル及び
2つの副シグナルを示す濃い黄色の材料が得られた。こ
の材料を乳鉢で粉砕して、後述の評価に用いた。
【0071】参考例7 参考例6で作成した粉末3gを100mlの純水に懸濁
しマグネチックスターラーを用い、1時間攪拌した。得
られた溶液は吸引ろ過を行った。濾紙上に残った試料を
再度純水に攪拌し、吸引ろ過を行った。ろ過は、ろ液が
pH試験紙で6〜7になるまで3回繰り返し行った得ら
れた粉末は、110℃に設定した乾燥器内に一昼夜放置
し、乾燥させて、図1の中段に示すと同様のg値を有す
る主シグナル及び2つの副シグナルを示す材料を得た。
【0072】参考例8 1Lビーカーに240mLの純水を用意した。これにキシダ化
学 硫酸チタニル(製品番号020-78905)60gを加え、ラ
ボミキサーで攪拌溶解した。次に、この水溶液に関東化
学(特級)アンモニア水55mLを加えることにより、加水
分解沈殿物を得た。得られた沈殿物を吸引ろ過して、白
色の固形分(沈殿ケーキ)を分離した。更に、このケー
キを1.0Lの純水で3回(ケーキが割れる直前に注ぎ足す
手順で)、合計3.0Lでリンスし、ろ過洗浄を行った。最
後にろ液が出なくなるまで濾過したケーキを110℃、12
時間で乾燥し、乳鉢で粉砕した。この白色粉末を、空気
中400℃、1時間で焼成することにより、図1の中段に示
すと同様のg値を有する主シグナル及び2つの副シグナ
ルを示す黄色の材料を得た。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、可視光線にも応答する
とともに吸着性も有する新規な光応答型複合材料、及び
この複合材料を含む塗料及び繊維状物質を提供すること
ができる。本発明の可視光応答型複合材料を含む塗料を
用いて形成した塗膜及びこの可視光応答型塗膜を有する
物品、さらに繊維状物質は、光触媒、光センサー、光電
池用材料、光防汚材料、光親水性材料、光防菌材料、光
親水性材料等として有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる可視光応答型酸化チタン(参考
例1)の真空中、77Kで測定されたESRスペクト
ル。上段は暗黒下でのスペクトルであり、中段が420
nm以上の波長を有する光(水銀ランプの光の内、42
0nm未満の光をカットオフ)の照射下でのスペクトル
であり、下段は、420nm未満の光をカットオフせず
に水銀ランプの光を照射した場合のスペクトルである。
【図2】本発明で用いる可視光応答型酸化チタン(参考
例1)の真空中、常温で測定されたESRスペクトル。
上段は暗黒下でのスペクトルであり、中段が420nm
以上の波長を有する光(水銀ランプの光の内、420n
m未満の光をカットオフ)の照射下でのスペクトルであ
り、下段は、420nm未満の光をカットオフせずに水
銀ランプの光を照射した場合のスペクトルである。
【図3】参考例1の生成物(上段)及び加水分解物(5
0℃乾燥)(下段)のXRDの測定結果である。
【図4】測定雰囲気を真空中(上段)、空気中(中段)
またはイソプロパノール(下段)とし、420nm以下
の光(500Wの高圧水銀ランプを使用)をカットする
フィルター(L−42)を介して光照射する条件で測定
したESRスペクトルである。
【図5】参考例4で得られた生成物の、420nm以下
の光(500Wの高圧水銀ランプを使用)をカットする
フィルター(L−42)を介して光照射した状態で測定
したESRスペクトル(測定温度77K)を示す。
【図6】実施例1で得られた複合材料のSEM写真(50
00倍及び20000倍)。
【図7】市販のアパタイト被覆酸化チタン(昭和電工
製)のSEM写真(5000倍及び20000倍)。
【図8】参考例8で製造した可視活性のある酸化チタン
のSEM写真(5000倍及び20000倍)。
【図9】実施例1で得られた複合材料(上段)及び原料
として使用した参考例8で製造した可視活性のある酸化
チタン(下段)のX線結晶回折試験結果。
【図10】実施例1で得られた複合材料のTiのX線電子
分光法による測定結果を示す。
【図11】実施例1で得られた複合材料のCaのX線電子
分光法による測定結果を示す。
【図12】実施例1で得られた複合材料のP のX線電子
分光法による測定結果を示す。
【図13】実施例1で得られた複合材料(上段)及び原
料として使用した参考例8で製造した可視活性のある酸
化チタン(下段)の吸収スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 3/06 C09C 3/06 4L031 C09D 1/00 C09D 1/00 201/00 201/00 D06M 11/46 D06M 11/12 (72)発明者 安藤 欣隆 東京都港区西新橋2丁目8番4号 エコデ バイス株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA04B AA04H AA20B AA20H AS00B AT00A BA02 BA10A BA10B CC00B DE01B DE01H GB90 JL08 JM02B YY00B 4G066 AA11B AA23D AA50B BA31 BA36 CA02 CA28 DA03 DA08 FA11 FA28 GA18 4G069 AA03 BA04A BA04B BA48A BB14A BB14B BC09A BC09B CA07 CA13 EA02X EA02Y EA09 EC25 EC27 EE01 FC08 4J037 AA22 CA15 4J038 CD091 CG001 DA161 DB001 DD001 DD121 DG001 DL031 HA216 HA406 HA416 HA446 HA456 HA486 KA08 NA19 4L031 BA09 BA18 CA00 DA00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光応答型酸化チタンの表面の少なく
    とも一部にリン酸カルシウムが被覆されている複合材
    料。
  2. 【請求項2】前記可視光応答型酸化チタンが、安定な酸
    素欠陥を持つ二酸化チタンである請求項1に記載の複合
    材料。
  3. 【請求項3】前記可視光応答型酸化チタンが、少なくと
    もアナターゼ型酸化チタンを含む酸化チタンであり、か
    つ真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有す
    る光の照射下で測定したESRにおいて、g値が2.0
    04〜2.007である主シグナルとg値が1.985
    〜1.986及び2.024である2つの副シグナルが
    観測され、かつこれらの3つのシグナルは真空中、77
    K、暗黒下において微小に観測されるか、又は実質的に
    観測されない可視光応答性光触媒である請求項1または
    2に記載の複合材料。
  4. 【請求項4】前記可視光応答型酸化チタンが、波長42
    0nm以上の光の作用に対しても応答性を有する請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の複合材料。
  5. 【請求項5】粒子状である請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の複合材料。
  6. 【請求項6】 X線結晶回折試験法において、23°か
    ら27°の間にあるアナターゼ型二酸化チタンに起因す
    るピークの強度を100としたとき、30°から35°
    の間にあるリン酸カルシウムに起因するピークの強度が
    1〜30である請求項1〜5のいずれか1項に記載の複
    合材料。
  7. 【請求項7】X線結晶回折試験法において、23°から
    27°の間にあるアナターゼ型二酸化チタンに起因する
    ピークの強度を100としたとき、30°から35°の
    間にあるリン酸カルシウムに起因するピークの強度が
    1.5〜10である請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の複合材料。
  8. 【請求項8】X線結晶回折試験法において、23°から
    27°の間にあるアナターゼ型二酸化チタンに起因する
    ピークの強度を100としたとき、30°から35°の
    間にあるリン酸カルシウムに起因するピークの強度が2
    〜10である請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合
    材料。
  9. 【請求項9】X線電子分光法による測定において、Tiと
    Ca及びPの元素量比がTiの2pに帰属する面積を100と
    したときに、Caの2p及びPの2pに帰属する面積がいず
    れも1〜30である請求項1〜8のいずれか1項に記載
    の複合材料。
  10. 【請求項10】酸化チタン表面に被覆されたリン酸カル
    シウムの少なくとも一部がサブミクロンの粒子ないし柱
    状である請求項1〜9項のいずれか1項に記載の複合材
    料。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれか1項に記載の
    複合材料を含有する塗料。
  12. 【請求項12】塗料が有機バインダーまたは無機バイン
    ダーを含有する請求項11に記載の塗料。
  13. 【請求項13】請求項1〜10のいずれか1項に記載の
    複合材料を含有する繊維状物質。
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